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1956/11/27 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 内閣委員会 第3号
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1956/11/27 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 内閣委員会 第3号

#1
第025回国会 内閣委員会 第3号
昭和三十一年十一月二十七日(火曜
日)
   午前十時四十四分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十一月二十六日委員横川正市君辞任に
つき、その補欠として松本治一郎君を
議長において指名した。
本日委員松本治一郎君及び田畑金光君
辞任につき、その補欠として横川正市
君及び山下義信君を議長において指名
した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     亀田 得治君
   理事
           井上 清一君
           上原 正吉君
           秋山 長造君
           竹下 豐次君
   委員
           迫水 久常君
           松村 秀逸君
           伊藤 顕道君
           永岡 光治君
           山下 義信君
           横川 正市君
  政府委員
   人事院総裁   淺井  清君
   人事院事務総局
   給与局長    瀧本 忠男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  参考人
   衆議院議員   大平 正芳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○委員長の報告
○国家公務員制度及び恩給に関する調
 資の件
 (旧軍人等の恩給に関する件)
 (公務員の給与に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。委員の変更について御報告いたします。
 十一月二十六日付横川正心君が辞任され、その補欠に松本治一郎君が選任せられました。今日付松本治一郎君、田畑金光君が辞任され、横川正市君、山下義信君が補欠として選任されました。
 以上御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(亀田得治君) 去る二十二日の委員長及び理事打合会の経過について御報告いたします。
 十一月二十七日午前は、国家公務員制度及び恩給に関する調査のうち、旧軍人等の恩給関係、午後は、給与関係、十一月二十九日午前は、国の防衛に関する調査のうち、基地関係を除く一般防衛関係、午後は、国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案の審査、十一月三十日は、午後給与関係の調査、十二月四日午前は基地関係の調査で、午後は請願の審査、十二月六日は一応控えとしてとっておく。以上であります。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(亀田得治君) 国家公務員制度及び恩給に関する調査のうち、旧軍人等の恩給に関する件を議題に供します。
 本件に関し、衆議院議員大平正芳君を参考人とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#6
○秋山長造君 ちょっと、議題に入る前に、委員長にお伺いしていいのか、調査員の方にお伺いしていいのか、現在参議院で継続審査になっているのは、国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案一件だと思いますが、衆議院の方で継続になっているのが数件あるように聞いております。いずれ、衆議院の方で継続になっているものも、こちらの委員会に関係を持ってくる案件ですから、だから、衆議院の方でどういう案件が今継続審査になっているのか、そうしてその状況は大体どういうことになっているのか、そういう点をちょっと承知した上で、今日の問題に入りたいと思うのですが……。
#7
○委員長(亀田得治君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#8
○委員長(亀田得治君) 速記をつけて。
 それでは、まず現在、衆議院内閣委員会において審査中の、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律案の内容について御説明並びに御意見を承わりたいと存じます。
#9
○参考人(大平正芳君) 御紹介いただきました大平正芳でございます。ただいま御説明を求められました、旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律案の内容を概略につきまして御説明申し上げます。
 恩給法にからまる問題はたくさんあるのでございますし、また軍人恩給につきましても、たとえばベース・アップの問題とか、加算の問題とか、傷病年金の増額の問題とか、懸案がたくさんございまして、遺族会方面から執拗な陳情を受けておるわけでございます。私どもが提案いたしました法律案は、その懸案になっておるものの中で、まず最初にとりあえず措置すべきものと判断いたしまして、御提案申し上げておるわけでございます。
 この趣旨は、御承知のように、恩給法には戦地の指定がございまして、本邦はもとより、満州、朝鮮、台湾、樺太というのは、戦地に指定されておりません。で、その戦地に指定されていない地域におきまして、公務のために死亡したという方々に対しては、恩給法上しの恩典は受けられない形に相なっておるわけでございます。ところが、戦争が支那事変から大東亜戦争に進展いたしまして、第二次の世界戦争に発展して参りました。戦争の様相が従来の戦争観念とは非常に変って参りました。戦地、非戦地の限界というものを確定しておくところの意味が薄らいで参りましたことは、戦争の様相から御判断いただきまして、御了解がいただけるかと思うのでございます。内地も、満州、朝鮮、台湾、樺太、全部戦争状態に置かれるように相なったという状況を判断いたしました場合、さらには大東亜戦争が熾烈になりまして、壮丁の召集につきまして、甲種、乙種、丙種、丁種というような基準がございましたが、丙種、丁種までも戦線に送らなければならぬというような、召集基準の変更をみておるわけでございます。かたがた、そういう客観的な条件を考慮いたしまして、戦地にあらざる地域において公務のために死亡し、または負傷して、それが原因となって死亡されたような方々に対して、何らかの措置を講ずべきじゃないか、これが現在懸案になっておりまするもろもろの用人恩給にからまる恩給の中で、まず最初に措置すべきものではないか、そういう判断に立ちまして、提案いたしましたのがこの法律案でございます。
 内容の概略を申し上げますと、内地その他非戦地でございましても、これを無制限に支給いたすということはいかがかと存じまして、もろもろの支給範囲につきましての制約を設けてございます。すなわち、今回この法律によって恩典を受けるものは、まず最初に戦傷病者戦没者遺族等援護法によりまして弔慰金の支給を受けておるということが第一の条件でございます。また、営内に居住する義務を持っておる者というようにしぼり、さらには、その期間は昭和十六年の十二月八日から昭和二十年九月一日までというように、支那事変の期間は御遠慮願うということにし、しかも、それが職務に関達して負傷または疾病にかかり、それが原因となって、在職期間内または在職期間経過後一年以内に死亡したる者、そういう著を公務死亡に準じて取り扱うということが根本でございます。
 これに対して、しからばどの程度の金額を支給するかということでございますが、これは、公務死亡に準じて取り扱いまするけれども、財政の都合もあり、またさらには、私どもの頭の中には、強制的に動員いたしました学徒等、あるいは徴用二等の問題も、もし将来問題になった場合に、これをどう処置するかについても頭に置いておかなければならない事情も勘案いたしまして、恩給法上に認められておりまする遺族年金額の六割に相当する遺族年金をこの方々に支給いたそうということでございます。
 それから第二番目には、今申しましたように、公務死亡の基準を改正することに伴いまして、旧勅令の第六十八号の施行前に旧軍人関係の普通扶助料または増加恩給受給者の平病死による扶助料を受けておる遺族が、本法によって扶助料の改定を申請した場合には、援護審査会の議決を経たものに限って、右と同様の取扱いをいたすことにいたしております。
 それから第三点は、今回新たに支給される遺族年金につきましては、昭和二十八年四月一日から適用することといたしまして、旧軍人関係の恩給法と歩調を合せております。
 それから第四点は、恩給法との関係を規定いたしたのでございまして、すなわち、右のようにその範囲を拡大された公務死亡に該当する旧軍人等の遺族は、これを恩法上の遺族とみなして、恩給局長の審査を要することなく、これに対しては、仮定俸給年額を基礎として定めた倍率を普通扶助料年額に乗じて得た金額の扶助料を支給することにいたしました。
 こういった点がこの法律案の骨子になっておるわけでございますが、これに要する金額は、一年間十億七千万円ぐらいを予定されておるわけでございます。
 私ども、この法律案の作案に当りまして、政府当局と十分の打ち合せを遂げ、政府側にはいろいろな御要望がございましたが、双方歩み寄りまして、ただいま御提案申し上げておりまする内容の限度までは、政府当局においても責任をもって措置したいということになっているわけでございます。そうしてこの法律の施行は、来年の一月一日からでございまするので、予算的には昭和三十二年度の予算に計上いたしますれば間に合うことになっておるわけでございます。御承知のように、今ちょうど予算編成期に当っておりますので、政府側の意向といたしましては、この臨時国会におきましてこの法律案を御成立さしていただくことができますれば、来年度の予算に堂々と計上できることになるので、そういったステップをおとり願えれば幸いだというような意向を伝えて参ってきておるわけでございます。
 以上、非常に熟しませんが、法律案の骨子並びに提案いたしましたもろもろの事情を御説明申し上げまして、御了承を得たいと存ずる次第でございます。
#10
○委員長(亀田得治君) 政府側から説明員として、厚生省の引揚援護課長小池さん、それから総理府の恩給局長の八巻さん、お二人が出席されております。
 本件について御質疑のおありの方は、引き続いて御発言をお願いします。
#11
○竹下豐次君 調査室の方にお尋ねしたいのですが、このきょうの速記録はいつごろでき上りますか。というのは、それが早くできればお願いは要らないのですが、ひまがいるようでしたら、今の御説明の分を謄写版にでも刷って早く配付していただけますと、大へんまた審査に都合がいいと思います。
#12
○委員長(亀田得治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#13
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて。
 御質疑はありませんか。
#14
○上原正吉君 大平さんにお尋ねいたしますが、衆議院における審議のお見込みはどのくらいなんですか。
#15
○参考人(大平正芳君) 衆議院内閣委員会は、明日開きまして、明日審議が終らない場合には三十日再度開き、三十日にはおそくとも衆議院の委員会をあげたい、こういうふうにきのうの理事会で決定いたしました。
#16
○横川正市君 この案件の提出に当って、説明を受けたわけなんですが、大蔵当局との折衝に伴なって、予算上の計上についてはほぼ了解点に達しているというような説明であったわけですが、まあ大平さんは与党なわけですが、恩給法の一部改正法律案として提出されるならば、これはなぜ政府立法として提出されなかったか、この点ちょっとお聞きしたい。
#17
○参考人(大平正芳君) おっしゃる通り、政府提案にされる筋合いの法律だと思います。政府提案の線で参りたいというわれわれも希望を持っておったのでございますが、終始政府側は、この種の提案に対しまして消極的な見解を持っておりましたので、私ども累次折衝を重ねて、この内容の限度までは、どうにか政府側も責任を持とうというところまでは来たのでございますけれども御提案はどうぞ議員さんの方でお願いしたいと、こういう切なる希望がございましたので、こういった形になりました。しかしこれは、おっしゃるように、筋合いとしては、こういった法律案は政府提案にされるのが本筋だと思いますし、あまり先例にはしたくないと私ども存じております。
#18
○横川正市君 まあ先例にしたくないという。そういう意思でこういうのが出てきておるわけなんで、私は、やはり衆議院の審議が三十日にはあがるだろうという、そういうこととあわせて、ここで提案即十分審議するということは非常にむずかしいのじゃないかと思うので、先ほどのこの資料の提出の意見もあったようでありますから、その資料の提出を待って、後刻その審議をするという方向に持っていっていただいた方がいいのじゃないかと、私はまあそう希望するわけなんですがね。
#19
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#20
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて下さい。
#21
○永岡光治君 それでは、資料の要求をお願いいたしたいと思うのですが、これは準ずるということがありますから、階級になるかどうかわかりませんが、それはそれぞれの範疇で考えていただいてけっこうですけれども、大よその階級別の、新しくこれによって付け加えられる人員と、それに要する経費、そういうものを一つぜひ出していただきたい。
#22
○竹下豐次君 また、実際私なども質問を何していいか、研究は全くできておりませんですが、資料提出の問題も、恩給局、それから大平さんの方では、いろいろ御準備もあると思っております。ことに恩給局の方は、これは専門の方でありますから、この問題についてはどういう資料が必要であるぐらいのことはおわかりになっているはずです。その準備はあるはずだと思いますから、こっちが注文をつけなくても、その点はあらかじめ気をきかしていただいて、取りそろえて御提出願ったら大へん都合がいいと思います。
#23
○委員員(亀田得治君) それでは、政府側で適当に資料を準備して、至急出していただきたいと思います。
 それでは、本日の午前中の質疑はこれで一応終了いたします。休憩します。
   午前十一時十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十七分開会
#24
○委員長(亀田得治君) それでは、休憩前に引続き委員会を再開いたします。
 国家公務員制度及び恩給に関する調査のうち、公務員給与に関する件を議題に供します。
 本件に関し、御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
#25
○横川正市君 昨々日に引続いて、総裁に、今度の勧告についての実施期日についての落ちておる点を追求いたしましたが、この点について、非常に明確を欠いておったと思うのであります。この点は一応おくといたしまして、今度の給与に対する勧告のですね、報告に関する事項の二の中に、一般公務員の給与が民間給与に比して低位にあり、五現業・三公社の職員及び地方公務員との間に不均衡を生じているというようなことがこの中に報告されておるのでありますが、その点についてですね。もう少し明快に一つ資料等を御提示願いまして御説明願いたい。それが第一点であります。
 それから第二点はですね。三番目にあります中で、二十九年一月以降の官民の平均給与月額の上昇率はほぼ同様であり、また消費者物価は大体横ばい状態であるというふうにいわれておるのでありますが、実際には、一般の公務員の給与生活の苦しさというのは、少くとも二十八年以降においてたびたび要求を重ねて来ております実情から考えてみましても、これは私は、消費者物価が横ばいであるということから二十八年当時の生活水準というものを現状維持していると、こういうふうに考えられることは、非常に私は間違いではないかというふうに思うわけでありまして、その点で、これは、いわば一般公務員の生活水準の上昇率が生活苦をしいているのか、それとも私は資料の間違いが実際上の消費者の生活を苦しくさせておるのか。この点について、非常に一方的な人事院の見解だけでは納得しがたいものがあるわけであります。この点を一つ明快に説明していただきたいと思います。
 それから第三点目になるのでありますが、今度の勧告は、給与を改善するという趣旨のもとに勧告を出されているわけなんでして、その趣旨は、一律ベース・アップというものを建前としたものではない、こういうふうに言われておりますけれども、事実上は、この勧告をもってベース・アップの結果を生むのではないか、私はこういうふうに考えるのでありますが、その見解について一つ御意見をいただきたいと思うのであります。
 以上、三つについて御質問申し上げます。
#26
○政府委員(淺井清君) ごもっともなお尋ねでありますが、第一点の三公社・五現業につきましては、人事院としてはこれは所管外でございまするので、国会に提出できるほどの明確な資料はないのであります。もちろん、地方公務員も所管外でございますが、これは、総理府の指定統計として調査が出ておりますので、人事院はこれを利用することができたのであります。三公社五現業に関しましては、これと匹敵するようなものがないのでございます。ただしこれは、人事院にないという意味であって、これは政府にはあるかと思いまするから、そういう資料は、もし政府へ御要求下されば、あるいは出せるんじゃないかと思いまするが、人事院としては持っておりません。そこで、この報告書の中にも、三公社・五現業との比較のところは、と思われるというように、明確な断定は下してなかったのでございます。ただ、人事院といたしましては、さように思っておる次第でございます。
 第二点の生活水準云々の問題につきましては、私は人事院の所見に間違いはないと思いますが、この点は、技術的な問題にわたりまするので、給与局長から申し上げることにいたします。
 第三点の、今度の勧告が給与改善の結果、ベース・アップの結果を生むんじゃないかと、その通りでございます。だから、これは給与改善だとも言い得るのでございまして、ただ、いわゆるほんとうに正しい意味のベース・アップは、俸給表の号俸を上昇することであるとみまするならば、今度の勧告は、俸給表の号俸は変えておりませんので、これはベース・アップではない。しかし、ベース・アップということが給与の水準を上昇させるということならば、今回の勧告も給与の水準は結果的に上る、およそ六%くらい上るだろうと思っておりまするから、これもベース・アップだということなれば、ベース・アップだと申して差しつかえないと思います。
#27
○政府委員(瀧本忠男君) 第二点の報告に関する部分でございまするが、生活水準の推移というようなことを報告でいっております。これは、われわれといたしましては、一般的に総理府統計局の統計を利用いたしまして、一般的の給与水準がどうであるかということを述べているにとどまるのでありまして、人事院といたしましては、例年の通り、単身独身者の標準生計費というものを計算してみまして、そのことを報告に申し述べている次第でございます。すなわち、標準生計費というところに、月額六千八百七十円ということを申しているのはこのことでございます。で、今回われわれは、いわゆる現在の俸給表をそのままといたしまして、各号俸の金額を引き上げるという措置はとらなかったのでございまするが、今回人事院が勧告いたしておりまするように、新俸給表に乗り移ります際に、一号程度の調整をいたすことに相なりますれば、この六千八再七十円というものは、おおむね単身独身者に対して確保される、このように考えている次第であります。
#28
○横川正市君 この問題は、公務員給与のあり方について、人事院として独自な立場というものがあっていいのではないかというふうに私は思うわけなんです。そこで、ことに比較される、一般的にいわれております民間給与というものを、私どもは大体二十八年以降の主要産業の例にとって考えてみますと、これは相当程度大幅な上昇率を示しているというふうに考えていいと思うのです。ただこれを、先般いろいろ人事院の方から回答がありましたように、五十名以上の企業を一つの最低線に引いて、それ以上の企業というものを、非常に広範囲に資料を集めて、その平均を資料の基本に置くというような考え方の中に、私は比較の間違いというものが出てくるのではないだろうか、ことに政府を雇用者とする一般公務員の給与のあり方というのは、そういうような比較の中にあるのではなしに、もう少し全体的な問題とは離れて考えられていい点があるのではないだろうか。そうなりますと、比較される範囲もおのずと五十名以上という広範な企業を比較するのではなしに、もっと日本の基幹産業とされる民間企業等の実情等とあわせて一応比較してみるということが重要なんではないだろうか、こういうふうに私は思うのでありますが、この点についての御意見をお伺いいたしたいと思います。
 それからもう一つは、今、総裁は、三公社・五現業等の問題等については資料が十分でないというふうに言われておりますけれども、同じように、地方公務員のベースそのものについても、資料の結果としては差を生じたということを認めておるという建前で、今度の場合の勧告が行われておるのでありますが、これは、間違いが私は二つばかりあると思うのであります。
 一つは、地方公務員の場合に、最近の職員側と自治庁長官との団体交渉の席上で明らかにされたものを見ますと、その給与差というものは全然ない、これは主管の大臣がこのことを認めておりますので、これが間違いであるかどうかということは、後刻大臣に出席していただきまして、その点を明らかにしてもいいと思うのでありますが、その点で私は、まずこの人事院の資料そのものに非常に疑問を持つと同時に、そういうようなものを一つの基準にして、地方公務員のベース、水準が上っているということを建前にしたあと追いのベース勧告をするというのは、公務員給与を一手に受けて担当いたします人事院の給与勧告のあり方としては非常に軽率ではないだろうか、こういうふうに私は思うわけであります。さらに、三公社・五現業の問題等につきましても、これはおそらく労働の質、それから量、企業内容、そういったものとの関連性があって、それぞれ団体交渉の結果として生まれたものでありまして、これをまた、このあとを追うような形で人事院のいわゆる公務員に対する給与勧告がなされるということは、私はいわゆる比較論だけで勧告をするということの間違いを指摘したいと思うのであります。その点で一つ人事院としては、どういうような建前に立って公務員の給与の改善をしなければならないのか、こういう点についての基本的な考え方を一つお示し願いたいと思うのです。
 それから今、給与局長からの説明によりますと、この一般消費者物価の横ばい状態を資料によって説明されておりますが、事実上私どもは、やはり生活の実態が苦しくなってきているというこのことは、人事院として、それは一般国民の生活水準が上って来たからだというふうに見ているのか。それとも、そうでなしに、ただ何とはなしに生活が苦しくなった。いわゆる放漫経済、家庭経済によるというふうな見方をしているのか。この点を一つ、この消費者物価の調査に当っての人事院の立場に立って、一つもう少し詳しく説明をいただきたいと田ふうのであります。
#29
○政府委員(淺井清君) 一体人事院がどういう方針で給与の勧告をするかと、その大方針といたしましては、これはもう人事院といたしましては、国家公務員法の明文にしばられておるわけでありまして、それは民間賃金、生計費その他の要素を考慮して公務員の給与を定める、こういうふうになっておりまするから、その方針でやっておる次第でありまして、これは人事院創設以来、いわゆる人事院方式と称するものをとって参ったのであります。
 まず第一に、横川委員の御指摘になりました、この比較の範囲が広過ぎるのじゃないか、五十人以上をすべてを平均するというやり方をとっておるが、というお話しでございましたが、ごもっともでございますが、これに対しては、一方からまた非常な反対論があるので、いわゆる中小企業の従業員の給与と全然離してある、こういう説もございますし、また国家のような大きな規模の使用人を持っている民間会社はないのだから、何もそんな小さなところと比較する必要もないのだという議論もございます。これは、両方とも正反対の議論がございまするので、人事院の判断といたしましては、まず五十人以上の従業員を持っている事業所によってこれを比較するのがいいんじゃないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。しかし、これは無意味な比較ではないのでありまして、いわゆる職種において比較いたし、あるいは学歴、年令等の構成差をも考慮に入れて、まあ人事院といたしましては、十分考えてやっておる次第であります。
 なお、三公社五現業の給与問題でございまするが、これはただ、人事院といたしましては、同じ公務員でありながら、このような違いもあるということを申しておるのみでございます。
 なお、地方公務員について、人事院がどうも地方公務員の方が高いと言ったのに対しまして、自治庁もしくは自治庁長官からそうではないというお話があったようなあれでございましたが、これは結局、自治庁も人事院も資料は一つしかないのでございます。これはさいぜん申しました、総理府の指定統計となっている実態調査、これ以外にはないのでございます。このただいま中間報告が手にあるものでございますから、それによってやったのでございまして、これはやはり判断の違いだろうと思います。
 なお、給与局長から申し上げます。
#30
○政府委員(瀧本忠男君) 総裁の言われましたことで尽きておるのでありますが、公務員給与の独自の考え方があっていいのではなかろうかというお話がございました。そういうことも、今回の勧告に当りましては考慮に入っておる次第でございます。すなわちわれわれは、今回の報告におきまして、まあ先ほど五十人という問題が出たのでありまするが、これは、前回も私が申し上げましたように、公務における職務内容並びに責任の度と大体同程度の毛のを民間において探すといたしますならば、まあ事業場の規模におきまして、五十人未満のところにおいてはこれをなかなかとらまえることができない。それで、便宜五十人というところで切っておるのでありますが、われわれの比較のやり方は、あくまで五十人のところを平均してやるというのが基本ではないのでありまして、資料を、お手元に差し出しておると思いまするが、勧告及び報告書の資料の第七表というのを御覧いただきますれば、職種例に比較いたしておるのであります。たとえば総務の初級係員というようなところであれば、民間と公務員がどれくらい違うかというような比較、おおむね一〇%程度違うというような比較をいたして御覧に入れておるのでありますが、そういう意味におきまして、民間と比較するということを職種別にやっておる次第であります。ただ、公務の給与に独自のあり方があっていいではないかということがお話に出たのでありまするが、公務員法によりましても、職種刑にこの同一程度の職務内容、責任の度合を持っているものを、必ずしも密着させなければならぬというふうには書いてないのでありまして、これは、考え方としましては、全体的に公務と民間とが大体バランスするという考え方もあり得るわけであります。現に一般職の範囲におきましても、特別俸給表あるいは調整額等の支給を受けておりまする職員というものの平均給与は、一般俸給表だけで受けております。特別の優遇措置を受けていない職員に比べまして、平均一五%高いというような事情がございますが、優遇措置を受けていない行政職の範囲だけについて申し上げますならば、これはおおむね一先程度民間よりも低い。公務の方が低いということは言えるのでありまするが、優遇措置を受けておりまする特別俸給表のグループも合せ考えますれば、その差というものは、平均して申しまするならば、六%ないし七%程度ではなかろうか。すなわち、公務におきましては、公務の部内において配分の問題といたしまして、特別俸給表をどの程度の高さにきめるかというような問題が別にあるわけでございまするので、そういうことも考え合せまするならば、必ずしも行政職におけるポジションと、民間の同等のポジションと同じように給与を定めるということのみが公務と民間とを比較するゆえんではなかろう。まあこのような判断があるわけでございます。従いまして、今回の勧告におきましては、やはり民間との給与を比較することが根本でありまして、おおむね六%ないし七%低い。でありまするから、その程度公務を全体的に上げたい。そういうことによりまして、全体としては公務と民間がバランスがとれるのではなかろうか。このように考えている次第であります。
 それから、先ほど総裁が申されましたように、この三公社五現業、まあ五現業の方が主でありまするが、それから地方公務員、このようなものの比較をわれわれ利用し得る範囲におきまして、資料を比較いたして報告に述べているのでありまするが、これはやはり同じく公務員でありまする者が、給与の間にどのような現在状態に均衡しているか、していないかというようなことを、一応承知する必要がございまするので、そういうことも合せて申している次第であります。地方公務員につきましては、先ほどお話がございましたが、総裁から申し上げましたように、基本的な資料といたしましては、昭和三十年一月現在指定統計になっておりまする、地方公務員の給与実態調査、これが絶対確実なものでございます。従って、その資料によりまして、われわれはものを言っているわけでございまするが、その後における一体状況はどういうふうに推移しているか、この点はよくわからないのであります。というのは、その後におきまして、地方公務員の詳しい給与の調査がないからであります。ただしかし、われわれは、いわゆる共済組合事業の報告書という、これは業務報告がございまするが、そういう報告書によりまして、この給与法、一般職給与法の適用者あるいは地方公務員あるいは三公社五現業が大体その後どんな足取りをとっているだろうかという、大体の見当がつかなくはございませんが、これとても、それほど正確な資料ではございませんので、これを絶対唯一の根拠にしてものを言うことはできないのではなかろうか、このように考えております。しかし、そういう資料を通じて、大まかに観察されますることは、現在地方は再建整備段階等にあって、そうしてこの給与が、昇給が遅延されたり、あるいは停止されたりして、上っていないということが一般的に言われているのでありまするが、しかし、今われわれが報告申し上げました資料等を通じて見まするならば、やはり地方といえども、平均的には国とあまり差等のない程度の昇給が事実上行われているのではなかろうか、このように推察をいたしている次第でございます。
 それからもう一つ、最後に、生活水準の上昇ということが、一体どういう感じで人事院はいるのかというお話がございましたが、われわれといたしましては、やはりこの場合、統計に基きながらものを言うよりいたし方がないのではなかろうか。いわゆる感じとしてものを言うということは、人事院の立場としてできないのではなかろうか、このように考えておる次第であります。
#31
○永岡光治君 私は、ただいま瀧本給与局長からいろいろ説明をされましたが、やはり何か一つのある結論を頭に浮かべて、それに近づけようという作為的な資料を集めておるきらいが強いのではないかという印象を強くするわけですよ。これは私の邪推かもしれませんが、ということは、一、二の例を申し上げますと、たとえば今出ました地方公務員の問題であります。今あなたの御答弁の中にもありましたように、三十年の一月以来よくわかっていないんだ。来年は三十二年一月なんです。地方財政が非常に苦しい状況にあるということは、あなた自身の答弁の中にもはしなくも答弁されているように、明確になっているわけです。私たちは、決してあいまいなことを言おうという考えではもちろんございません。もちろん私たちは、勤労者の立場に立って、できるだけ生活の条件をよくしていきたいという基本的な立場はありますが、そういう意味からいろいろ聞いてみましても、太田自治庁長官は、今は調べていないと、こうおっしゃる。ところが、あなたの資料、これによっては、非常に今地方公務員は高いんだからと、こういう表現をされると、何かそこに作為的なものがあるんじゃないだろうか、これが第一点であります。
 それから、そういうような意味で見れば、たとえば、地方公務員の中で、従来小中学校の校長さんについては、級別推定表というのが明示されておったわけですね。ところが今度は、そういうものは、国家公務員でないんだからということで、前年これも廃止してしまった。こういう点から見ても、何か地方公務員について特別な、あなた方にとってというか、ある一つの結論を出すためには、工合の悪いものだけはできるだけ除いていこうという動きがあるんじゃないか、これを私は非常に心配するわけです。たとえば、民間の場合ですと、民間の例をとるにいたしましても、五十人以上ということをいろいろされておりますが、もう一つの結論を導き出そうとすれば、それはいくらでも資料はとれるわけです。これは、統計をやっている方は十分御存じだと思う。これが健全であるとか健全でないとか、それはその見方によっていろいろあるのですから、そういう点を私は、非常に人事院の態度として、どうでもこうでもやはりこの程度の結論に落ちつけなきゃいけないのじゃないだろうか、こういうようなものが前提にあって、そうしてそういうために資料を集めたような印象を強くするわけです。たとえば、日本銀行のあなた方給与を調べたことがあるか。これは、国家公務員とまことに類似している国の企業に近いわけですね。あの開きをあなた方は調べたことがありますか。私は、ああいうようなものをどんどんやるべきだと思っておるわけです。そういう開きについてもあまり触れられていないし、ただ民間の企業の五十人以上なら五十人以上のものを適当に集めてこういう結論が出た、こういうようにしかとれないことをきわめて遺憾に思うわけです。さらに、これをもう少し、そういう非常に何か故意にこじつけている例は、民間の昇給率との比較をいたしましても、大体公務員関係が一一%昇給している、こういうわけですね。一一%その後昇給しているからあまり変らないという、こういう説明をこの前の委員会で受けたと思うのです。そうすると、二年間にわたってそういう一一%ということになりますと、一年平均にしますと五・五%の昇給財源がなきやならぬと、こういうことになると思う。果して五・五%の昇給財源を組んでおるのか。これは、この前私はただしてみたいと思って、完全昇給が実施されておるかどうか、資料を出していただきたいと、この前要求したわけですが、これについても五・五%の昇給財源を組んでいないと思う。なぜそれでは、そういう二%が出てきたかといえば、それは、おそらく私は、今日の定員の状況からいたしまして、定員法にしばられてなかなか増員もできない、あるいは欠員ができても、それについて補充ができないというならば、公務員の労働過重ということによって、そういうあなた方の説明されておる昇給などにおいてもやむを得ずまかなってきておるというのが今日の状況ではないか。そうしますと、やはりこれは、出てきた現象の本質をもう少し同情ある立場で理解しようと努めるのじゃなくて、何か一つの結論を導き出すために、大体言いわけのできる資料、これは悪い表現かもしれませんが、そういうような資料を集めておるように思えてならぬのであります。従って、ここで追及を……、今申し上げました点を明確にいたしたいと思うのでありますが、この地方公務員の問題については、どうでしょうか、もう一度あなた方は、地方自治庁長官等とも御相談をいたしまして、果してこういう結論であるのかないのか、その点を確める意思があるのかないのか、ぜひ私は確めるべき必要があると考えておりますが、その点はどうなのか。
 それから、これは国家公務員の勧告でありますけれども、地方公務員の例をとりましても、小中学校長の従来の級別推定表というものが明示されておったならば、なぜこれを除かなければならなかったのか、その辺の真相と、それからもう一つは、先ほどちょっと例にとりましたところの民間との比較において、少し公務員には過酷な例をとっておるのではないか。たとえば昇給率にいたしましても、一一%上っておりますというような、そういうようなことでは済まされないのではないか。従って、私はこの勧告については、相当過酷なる勧告ではないかという気がしますので、そういう点について、あなた方がとって参りました態度、そうして私が今申し上げました三点について、どのような考えであるかということについてお尋ねいたしたい。
#32
○政府委員(淺井清君) 細目は、給与局長から御答弁させますが、最初に私から一言申し上げたいのは、人事院は、勧告をいたしましたり、あるいは勧告をやめましたりする場合に、決して一つの結論は初めから予定いたしておりません。従いまして、この報告の中には、あからさまにいろいろなことは書いてある。決して勧告に都合のよいところばかり出しておるのではないように私どもは考えておるのであります。このことは特に申し上げておきます。
 それから、地方公務員とのことでございますが、人事院といたしましては、これ以上もう、地方公務員そのものは人事院の所管ではないのでございまするからして、改めて調べるとか何とかする意向は持っておりません。
 それから第二の点の、中小学校の校長の比較基準表云々のお話は、これはおそらく、今度勧告しました俸給表の中から中小学校の校長のところがとってのけてなくなっておると、その意味だろうと思うのでありますが、これは、御承知のごとく、人事院の所管しておりまするのは、つまり国立の中小学校だけであります。国立の中小学校は、御承知のように、ある国立大学もしくはその学部に付属しておる中小学校だけでございます。そうしてこれらの付属の中小学校の校長は、大学教授をもって充てることになっておるのであります。その俸給は、すなわち大学教授の俸給をもってこれに充てるわけでございまするから、これは要らないと、そういう意味でこれはとってのけたのでございます。
 第三点の昇給率その他については、給与局長から申し上げます。
#33
○永岡光治君 今の小中学校を学長だとか部長が兼任されることは、今始まったことではないと思うのです。従来もやはりそうだったと思うのです。しかし、従来明示されておったので、なぜそれを取ったかと、こういうことです。
#34
○政府委員(淺井清君) それは、従来はああいうふうに載っておったのです。しかし、あの部分は、全然国家公務員に関係のない俸給表がそこに存在しておった、まあそうなっておったわけでございまするから、それは俸給表を直す機会においてあれを取ったので、それ以上の理由はありません。
#35
○永岡光治君 その点は、やはり非常に影響があるのです。これは、従来載っておったのを特に、従来といえども要するに地方公務員ではなかった、ところがそれを、従来表示してあったのに、これを国家公務員の名のもとに今度やめた。そういうことがやはりおかしいので、あれを明示しておいてもらえば、やはり地方公務員の足がかりになるかもしれません。その意味で、特にこれをはずしたという理由が、従来からはずしておったというならこれはわかる。従来地方公務員だったのだけれども、国家公務員になったのだ、校長さんというのは、兼務でなくて単独にそういうものがあったのであるが、今度はそれが変って、みな兼務の形になったから、みな今度は国家公務員になったからやめたのだと、こういうなら筋はわかるが、そうでなければおかしいじゃないかというのが私の質問したいところです。それはどういうわけなんでしょう。
#36
○政府委員(瀧本忠男君) ただいまの問題は、私が承知いたしておりますところでは、今回のわれわれの俸給表作成は、国家公務員の職務の段階別に、現在の給与がどういうふうに分布しておるかということを基礎にいたしまして、俸給表を作成いたしたわけであります。従いまして、中小学校の校長さんというものは、ただいま総裁から申されましたように、現実に国家公務員に存在しないのでありますから、俸給表を作りようがないということで、今回は作らなかったということが技術的経緯なのです。ただ、従来は、どうしてないものがあったかというお話でありますが、従来は、いわゆる一般俸給表というものが教員にも適用されており、また、いわゆる教員の俸給表ができました以降におきましても、一般俸給表を基礎といたしまして、通し号俸を基礎といたしましてできておったという経緯で、これは従来は存続することができたのであります。今回は、現在の公務員の給与の現給の分布ということから、俸給表を作成するという手段を取りましたため、現実にないものは作りようがない、このようなことになる次第でございます。
 それから、地方公務員のことにつきましては、先ほど総裁が申された通りでありますが、先ほど私が申し上げましたことも、何も自治庁の言われたことを反駁するとかどうとかいう意図ではないのであります。現実に確実な――資料は少し古いのでありますが、三十年一月現在の悉皆調査の結果しかないということを申し上げたのです。ただ、その後の推移を多少でも類推することができるような資料はないかということになりますれば、それは、共済組合の事業報告書という業務統計がございますので、これは的確に給与を表現しているかどうか、他少の疑問は残るのでありますが、それによって見まするならば、まあ地方でもやはり、地方と申します意味は、これは、教職員が入っていない、いわゆる地方の行政職が主体であろうと思うのでありますが、その部分について見まするならば、全然ストップされておったというようなことではないのではなかろうかと推察をいたしておる次第であります。
#37
○伊藤顕道君 御承知のように、地方公務員と国家公務員は、従来、給与についても、また年末手当等についても、公平の原則で措置してきたわけであります。ところが、今の永岡委員から指摘のあったように、国家公務員は、今回校長と助教諭を除いておるということは、近い将来に地方公務員が勧告によって実施される場合、校長と助教諭については全然措置ができないわけですね。そういう点についてどういうふうに考えておるのか、今の説明では納得できないわけです。その点をわかるようにして御説明いただきたいと思います。
#38
○政府委員(瀧本忠男君) これは、先ほど総裁から申されましたように、人事院が所管いたしておりまするものは国家公務員でございます。従って、人事院といたしましては、国家公務。に適するような俸給体系ということを考えるわけであります。もちろん、地方がそれを参考にされるということはあるのであります。しかしながら、われわれは、国家公務員の給与をより適正なものにいたしまするために俸給表の改訂をやろうというわけでございます。その基礎は、国家公務員の現給分布ということを基礎にいたしておりまするので、小中学校の校長さんあるいは助教諭というものにつきまして資料がないので、作りようがない。納得がいかないとおっしゃるのでありますけれども、これは作りようがないというのが真相でございます。かりに、人事院がそれではそういうものを作ろうといたしますると、どういうことが起るかと申すのでありますが、人事院は地方を所管いたしておりませんために、地方の資料を収集することができないのであります。先ほど申しました、三十年一月の地方公務員の指定統計になっております悉皆調査でも、これは人事院がやったものではないのであります。これは自治庁がおやりになりましたものを、人事院はその資料を利用しておるというにとどまるのであります。人事院は調査のしようがないのでございます。作りようがないということが技術的見地からのお答えでございます。
#39
○伊藤顕道君 理論としては一応わかるようですが、大へん親切味のない措置だということを私指摘したいのです。今までは、地方公務員については、国家公務員に準じていろいろ措置してきているわけです。公平の原則ということが非常に大事な原則になっているわけです。そういう点で、その措置が困るということを指摘しているわけです。従って、国家公務員だけについて人事院はやっていればいい、一応そういう点は成り立ちますけれども、地方公務員もやはり国民ですから、そういう点の配慮が非常に欠けておる。これは、この点だけでなく、いろんな点に欠けておるわけです。その一つの現れだということを指摘したわけです。
#40
○政府委員(淺井清君) さいぜんからのだんだんのお話で、何だか人事院の立場といたしまして、地方公務員の方が国家公務員よりも給与が商いというようなふうに、何か地方公務員は放っておいて、国家公務員だけ給与をよくするかのごとき印象を与えておるように思われるのでありますが、決してそうでない。これは、ただ、三公社五現業や地方公務員と国家公務員の給与の実態を比較しただけの話でありまして、人事院といたしましては、地方公務員の給与が同様に改善されることに少しもこれを反対する理由もなければ、妨げる理由もない、私はそう思うのであります。ただ、中小学校の教員のお話が出ましたが、これは、中小学校の教員というのは、国家公務員としてはおそらく二千名ぐらいしかないのでございます。地方公務員としては何十万かある。高等学校は、国家公務員としては八百人しかない。高等学校から中小学校を入れましても、これは三千人以下のものでありまして、国家公務員たる教員とすれば、国立大学の教員が大多数を占めておる、これが現状でございます。従いまして、今度の俸給表の作成に当りましても、新子局長が申しました現給分布というのは、要するに、二千八百人の現給分布でこしらえたに過ぎないのであります。これは、やはり人事院といたしましては、国家公務員の教員の俸給表を作る、こういう立場をとっておる技術的のことから出たのであって、決して地方公務員だけに特に不親切に取り扱ったというような考え方は毛頭持っておりません。
#41
○伊藤顕道君 先ほど総裁は、総理府統計局の資料に基いてやっておるから、自治庁その他と統計については食い違いはない、そういうことを言われたわけです。今もお話があったわけです。ところが、七月二十三日と記憶しておりますが、官公労が自治庁に対してこの件について交渉した際、自治庁は、はっきり、現在においては地方公務員が国家公務員より高いということはあり得ないということを言っておる。私どもも、地方公務員が国家公務員よりは高い、こういう現象は、昭和二十九年のあのときから起きたと思うんですよ。あのとき、地方財政の赤字は人件費のかさみから出ておる、これがそのとき問題になりまして、一応これが誤りであることは是正されたはずだと思う。しかも、昨年来、各府県においては、赤字財政の苦しさのあまり、昇給昇格ストップとか期間の延長、こういうことは各府県においてほとんど実施されておる、特別な府県は別として。ほとんど大部分の府県においてこういう事実が行われておる。従って、昇給昇格、期間の延長ということ自体だけであって、自治庁が言われるように、地方公務員としては決して高くないという現状を私どもも把握しておるわけです。こういう点に食い違いがあるわけです。こういう点については、自治庁とのお話し合いがあったかどうかという点、そういう点も承わりたいと思います。
#42
○政府委員(淺井清君) これはさいぜんも、伊藤さん御出席になる前でございましたか、横川さんにもお答えをいたしましたが、資料は根本的に一つしかないと思っております。それは、さいぜん申しました総理府の指定統計として、自治庁及び大蔵省がやりました実態調査であります。この実態調査は中間報告が公表されております。それによって、明らかに地方公務員の方が高い、こういうふうなのが出ておるのであって、人事院はそれを基礎としておるだけで、それ以外に何も作為は加えていないのであります。また、このことにつきまして、人事院は自治庁との間に相談するとか何とか、それは、事の性質上さようなことはないのでございます。
#43
○永岡光治君 先ほど私の質問で答弁漏れがあったわけですが、昇給率が一一%だというのは、それは完全に五・五%として毎年確保されておるかどうか、資料を見なければわからぬとおっしゃれば、この次でもけっこうですが、その点を明確にしてほしいのと、それから民間給与との開きですね。民間との給与の開き、これは私たちは、今公務員法の建前から言ってそういう人事院の方式をとっているので、一応その建前に立ちましても問題になることは、新聞紙上を通じてなお民間の給与というのは非常に私たちいいように思われるのですね。特に年末給与において違いがあるのですが、この年末給与というものは、昨年も相当私はたくさん出ていると思うのですが、どうですか。そういうほんとうにあなた方は具体的に会社で拾って見たのですか。見たのなら、その会社の名前をあげてもらいたいと思うのです。そうでなければ、どうも信用できないと思うのですがね。どうですか。そういう点は、そういう資料を出せますかどうか。
#44
○政府委員(瀧本忠男君) 昇給原資のお話がございましたが、民間の平均ベースと申しますか、それと公務員の平均ベースが大体同程度にきておるということで、それを年に割ってみると、まあ五・五%くらいになる。それが昇給原資ではないか。昇給原資はそれに見合っていなければおかしいではないかというお話でございますが、ただ平均ベースというものは、これはまあもちろん昇給昇格等によりましても上るわけでございまするが、そのほかいろいろな要因があるわけであります。人員の異動がありまして、そして新しい人が入ってくるとか、あるいは相当年限のたった人が抜けていくとか、いろいろな原因がございますので、それを直ちに昇給原資と昇給率というふうに結びつけることは、多少問題があるのではなかろうかと、このように考えるのでありますが、御指摘のようにおおむね給与水準は五・五%程度上っております。これは前回御要求がございましたので、われわれはできる限りの資料を調べまして、次回に御報告申し上げたいと思っておるのでありまするが、おっしゃる通りこの昇給原資というものは、その数字の程度にはこれはなっていない。しかし実際問題としましては、あるいは多少欠員を見込むとかあるいは欠員が起きました場合直ちに補充をしないで多少の期間の余裕をおくとか、いろいろな操作によりまして、現実にはおおむねあまり低からざる昇給をいたしておる、このように考えておる次第でございます。これはちょっと次回に資料を御提出申し上げたいと思っております。
#45
○永岡光治君 賞与、特に年末の……。
#46
○政府委員(瀧本忠男君) 賞与の問題等について非常に民間が商いのではなかろうかとおっしゃるのでありますが、われわれが確定的にものを言えまするのは、いわゆる人事院の民間職種別給与調査というものをやりまして、そのときにはっきりとわれわれとしては数字を把握するわけでございまするが、そのときには、やはりいい会社もあり、悪い会社もあり、いろいろ入って参りまするので、現在申しておるところがわれわれの把握しておる数字である、このようなことになろうかと思います。
#47
○永岡光治君 どういう会社をとったのか。
#48
○政府委員(瀧本忠男君) どういう会社をとったかということでございまするが、これは五十人以上の会社をランダムに散布しておりますが、一々その会社の名前を申し上げることは、統計の性質上むずかしいと思うのであります。これは平均的にとってある、このように申し上げ得るわけでございます。
#49
○永岡光治君 私は、やっぱりそういうところが問題なんですね、そのランダム方式でずっとピック・アップしてやったということなんですけれども、それにしてもどうも納得しかねることがあるのですね。ちょっと私例に申し上げるのですが、日銀に比較してみたことがありますか。日銀と一般公務員との給与の比較を。
#50
○政府委員(瀧本忠男君) 日銀もわれわれの調査の対象になる場合もありまするし、またランダムにはずれる場合もございます。また個々の数字を見ておる場合もあり、また見ていない場合もあるのであります。個々の、日銀の一つをとりまして、これとバランスをとるということは、これはまあわれわれの給与を作定いたしまする際に、これはできないと思います。やはりわれわれとしますれば、全体的な平均ということを問題にせざるを符ない、このように考えております。
#51
○永岡光治君 やはりこれはこの前の委員会のときに、私は一応総裁の方に質問したのですけれども、とにかく一般公務員をどういう規模の企業以上に見るかということは問題だと思うのです。五十人といい、百人といいあるいは二百人といい、いろいろありましょうけれども、やはり国民は、どう考えてみましても、公務員ということになりますれば、そう三十人や五十人の会社とはおそらく比較しては考えないと思うのです。だれが考えても。ですからその辺のところが、もし人事院のその調査の方式を一応是認するといたしましても、そのとり方に非常に大きな問題があるわけです。だから国家公務員の立場に立って見れば、やはり日銀と比較して見たくもなるし、あるいは大きな三白産業といわれる会社とも比較して見たくもなるし、新聞紙上でどんどん出ておる年末賞与が、やれ五万円だ七万円だということになると、国家公務員であるという理由のもとに、それがお前のところは一・五カ月分でいいのだ、こういうことにはどうしてもやはりならぬと思うのですね。ですから、私はそういう基本的な調査の対象をどこにおくかということも、この際再検討してもらわなければならぬと思うのですが、そういう五十人以上というものはもう変えられないのでしょうか。どうなんですか。
#52
○政府委員(淺井清君) 別に五十人という数字にこだわるわけじゃないのですけれども、これはさいぜん横川さんにも申し上げましたが、これは官民の給与の比較ということにつきましては全く違った意見がある。たとえば、永岡さんの言われたような意見もあるが、全くその正反対の意見もあって、中小企業などというものを全く眼中に入れないで、高いところとばかり比較するのは、はなはだよくないじゃないかと、こういう議論もまだほかにはあるのでございます。ですから、人事院といたしましては、まず公正な態度をとるより仕方がない。これがただいまの人事院の新方式であると私どもはこう信じておりますが、この点は、なるほど永岡さんの言われるような御批判もあるでありましょう。しかしまた反対の批判もあると、私どもはかように考えます。
#53
○永岡光治君 それはまあここで論議しても始まらない問題でもありましょうが、とにもかくにも、一つそういう方式については再検討してもらいたいということ。
 それから、毎年資料をとる際に、やはり会社の名前はずっと変って参りますか。去年の勧告のときにはこれとこれと、この会社だった、ところがことしの場合ほこれとこれ、去年の会社とは全然違った会社が入ってくるとか、それから去年見た会社が落ちておるとかそういうことがあるのですか、ないのですか。
#54
○政府委員(瀧本忠男君) われわれの調査の方式は、まず民間事業所を調査いたしまする場合、五十人以上の会社のリストを全部作るのであります。これは毎年作るのでございます。従いまして、五十人以上のリストを作るという場合に、五十人よりも規模が小さくなって落ちているところもありますし、新設されて加わって参るところもございます。従って、台帳そのものに異動があるということになるわけでございます。しかも、上の方は全部とるのでございます。
#55
○永岡光治君 毎年同じ会社ですか。
#56
○政府委員(瀧本忠男君) それは、五十人以上でありますれば、全部一応台帳には載せるわけでございます。それをランダムに散布いたすわけでございますから、従ってここには何ら意図は加わっていないわけで、従って、もちろん去年と同じ会社が調査対象になる場合もございまするし、また、それが抜ける場合もあると、こう考えます。
#57
○永岡光治君 私も多分そうだろうと思って、実は疑問に思うわけですけれども、そうしますと、たまたまうまくいった年はいいけれども、うまくいかない年はどうも困るということになる。前年比較したその会社と、それはもう五十人を出入りするところは別ですが、一流会社の場合、あまり変らないというのは、三十年の場合も二十九年も二十八年もと、こう見なければ、どうも景気がよくなったならば落すとか、そういうことになっては意味がないので、景気がよくなったから公務員は上げてもらわなければならないということになるのですから、そういう操作に私は大きな疑問があるのじゃないかと思いますが、そういう疑問は心配要りませんか。
#58
○政府委員(瀧本忠男君) 今、永岡委員がおっしゃいましたような、事業所をフォローいたしまして調べてみるという方法もございますが、そういう方法によりますれば、そういう事業所の俸給率がどのくらいになっておるかということは的確に得られるでありましょうが、しかし、それは調査としてはなかなかむずかしい方式でございます。これは非常に労力のかかる方式でございます。単に五つや六つの事業所を調べてみただけでは、これはどうにもなりませんから、おそらくは、永岡さんが今おっしゃったようなやり方をやろうとすれば、相当その事業所について毎年フォローしてみるというやり方をとらなければならぬかと思うわけでございます。これはまあ事実問題として、われわれが調査を開始いたしまするのは、新しい年に入ってからになるのでございまするが、それから七月の中ごろまでに一応調査を完了して、しかもそれを分析して、それから結果を導き出すということは、とうていそう短日月にはできないということになります。で、私どものやっておりまする方式は、先ほども申しましたようにランダムでこれはとるのでございまするから、景気の悪いところだけよってとるというようなことではないのであります。従いましてこれはやはりいわゆる推計学的方法というものを一応御審議をいただかなければならないと思うのであります。その方式によりますると、やはりこのサンプリングで事業場を調査いたしまする場合に、全数調査に比べまして、誤差の範囲は、やはりサンプルをどの程度の規模にするかということによりまして違いがあるのでありまするけれども、これは誤差の範囲から、その平均として出て参りまするものは、悉皆調査をやったものとほとんど同じものが出てくる、こういうのが原則でございます。その原則に従って、何ら私意を加えずに、ランダムでサンプルしておるのでありますから、たとえ会社が変りましても、これはやはり適正なものが出てきておるというふうに思うわけであります。
 それから人事院の基本的やり方は、このある一定時点をおさえて、それからあとの推移がどうであったかということをフォローしてみるというやり方ではないのであります。これは参考のためにはそういうことをいたすのでありますけれども、このある時点において公務員と民間とを比較するということが基本でございまするので、そこのところも御了解願いたい、このように思うのであります。
#59
○永岡光治君 この点はいろいろ問題があるところでありますし、また国民所得から考えましても、やっぱり昨年に比べて一割は上っておるということも、誰もが認めておるところでありますから、当然一割のものは増してもらっても差しつかえないんじゃないかという意見も出るわけですから、そういう問題はしばらくおくといたしましても、この勧告の内容について若干質問をいたしたいのでありますが、今度新しく切りかえ、今人事院が考えております新しい俸給表に切りかえになる際に、ただしておきたいと思うのですが、直近上位の俸給に一応切りかえになって、その上にさらに一号俸上るというのか、それとも切りかえをして現級の金額のまま入る人もあるわけですね、そういう人が気の毒だから、その人と直近上位にいった人との間の調整をはかるために一号程度上げるというのか、どうなんですか。何か非常にややこしくて、私たちにわからないのですが、その辺のところを具体的にわかるように説明していただきたいと思います。
#60
○政府委員(瀧本忠男君) 本日お手元に差し上げてあると思うのでありまするが、人事院月報の七十号というのがお手元に参っております。その七十号の二十二ページに掲げておりまする切りかえ表の説明を申し上げますれば、これはやっぱり永岡委員の御質問に答え得ることになるのではなかろうかと考える次第であります。で、二十二ページには、現在一般俸給表の適用を受けておりまするもので、この切りかえ後に行政職俸給表の適用を受けまするものがどういうことになるかということを書いておるのであります。これはまだ案でございまして、実際やります場合には、もう少し研究の結果多少違ってくるということがあるかもしれませんが、これは、もし現在人事院が意見の申し出でをいたしておりまするものが、そのまま法律として成立いたしました場合に、人事院規則で定めるべき事項に属する分であります。ここでごらんをいただきますれば、これは行政職の二等級、三等級、四等級、五等級、六等級、七等級、こういうことで、一応行政職でこういう切りかえになるということが示してあるのでありまするが、たとえば一例といたしまして、五等級のあたりをごらん願いたい。どこでもけっこうなんでありますが、五等級のあたりをごらん願いたいと思うのであります。二十二ページの下の方に載っておりますが、これの現在三十五号、通し号俸一万四千百円という俸給を受けておりまする者は、今度の切りかえでどうなるかと申しますれば、まず最初に新俸給表で直近上位へやりまするために、一万四千六百円となる。で、この一万四千六百円となりますものに、さらに一号積むということをいたすのであります。で、それがいわゆる新俸給月額という所に書いてあるのでありまするが、一万五千三百五十円となる、こういうことになるのであります。そういうふうに、すべて直近上位へやりまして、新俸給表で一号を積むと、こういうやり方をとるのであります。そのときに問題になりまするのは、一号といっても二等級の一号と、それから六等級、七等級あたりの一号とは、およそ一号でも少し意味が違うんじゃないか、六等級、七等級のところは半年で昇給するところでございまするし、二等級のところは一年半で昇給するところでありますから、それだけから言っても三倍程度になっておるのではないか、そのままやっては上厚下薄になる、こういう疑問が出てくるわけであります。われわれはこういうことにならないために、まずここでは計算過程は示しておりませんから、結果だけ示しておりますが、まず直近上位に切り上げますとき損得のないようにしようというので、平均的に直近上位に切り上げますためには、平均二%原資が変るのです。従いまして直近上位にやりますときに、おおむね二%になる者はそのままにしておくのでありますが、二%よりよほど得をする者については、昇給延伸をしよう、二%に足らない者は昇給短縮をしようという考えでおります。直近上位にいくために、一号積む場合、一号というのは新俸給表でも現在の俸給表でもおおむね三・八%に当ります。三・八%より出ばる部分は昇給延伸をしようというので、二つの要素を加え合せまして、両方計算いたしまして、昇給延伸になる者、短縮になる者、両方重なる場合もあるかもしれません、そういうことによりまして最後的に調整しよう、こういうことになっておるのであります。従いましてごらん願いますと、二等級辺では昇給延伸する者がざらでございますが、ずっと下の方に参って五等級、六等級、七等級というところになりますと、むしろ昇給短縮する組が非常に多くなってくるということで、われわれはおおむねこのような方法によりまして、切りかえの際に各人二%と三・八%、おおむね五・八%、均衡になるように努めておるわけです。勧告でも六%ということを言っております。あとの〇・二%というものは、現在ワク外におります者を多少優遇しようということに使います原資でございます。
#61
○永岡光治君 そうしますと、やはりこれは……、大体今度わかりました。そういう意味で切りかえをやるということになりますと、結局俸給の高いところはおおむね延伸の人が多いわけですね、ということは、早く昇給したということになるわけです。言うならば。そして昇給を短縮された人の方は、あまり金額は上らなかったからということでは、その時点においては不利を見ておるということになるわけですね、そういう解釈ができるわけですが、そうはとれませんか。私たちはそう解釈したいのです。早く昇給したことになるのですね。
#62
○政府委員(瀧本忠男君) 切りかえの際でございまするので、 ほっておいて、自然の形でありますと、大へんなアンバランスになるのでありますが、われわれはそういう方途によりまして、でき得る限り均衡をとろうというのでありまして、今御指摘のような点は、これはより望ましいことでございますけれども、まあそれでは上の方を少し上げずに、あとで昇給されたらいいではないかということでございます。これは二等級、三等級の延伸ではない、全体をならしての問題でありますが、四等級以上はしばらく切りかえに当って一号調整しないのだ、下の方だけやるということも全体の士気に関係するところでございますので、まずこの辺が適当ではないかと思っておる次第であります。
#63
○永岡光治君 そうしますと、これは俸給表の切りかえによってさらに一号上げるということですから、幾らかベース・アップではないでしょうか、言うならば。ベース・アップの解釈はどの程度かしりませんが、一つの改善とも言うし、改訂とも表現しておる、にもかかわらず、ある額を一号だけ付け加えたことは事実ですね。一号俸のベース・アップだ、こう解釈できませんか、そう解釈していいのではないですか、結論は。
#64
○政府委員(瀧本忠男君) これはベース・アップということがどういうことを意味するかということでありますが、われわれがベース・アップという言葉を用います際、言葉の定義と申しますか、これはいわゆる俸給表の通し号俸の額をそれぞれ増額するというような場合に、ベース・アップという言葉というものは用いておるのでありまして、ちょっと芸がこまかいのでありますが、今回やりますのは、俸給表の額そのものを上げるということではないのです。ただ、いろんな意味におきまして調整をいたすということでございまして、俸給表の水準そのものは、現在に据え渇くということでありますので、結果としては給与が改善されるということにはなりまするけれども、われわれの使っております意味のベース・アップではない、このように解釈しております。
#65
○永岡光治君 その点はちょっと、どういう表現をしても、たとえば今の五等級の例をとりますと、従来この三十五号で一万四千百円もらっていたものは直近上位に切りかえて一万四千六百円になるのだが、さらに七百五十円つけ加えて一号上って一万五千三百五十円になったわけですから、一万四千百円が二万五千三百五十円になるのですから、これは改善といっても、やはりベース・アップじゃないのでしょうか。
#66
○政府委員(瀧本忠男君) 給与改善であります。
#67
○永岡光治君 それは何か改善と言わなきゃ工合の悪いことがあるのでしょうか。私のような解釈は無理なのでしょうか。何か改善と言わなきゃ工合が悪いのでしょうか。そういうところを明確に総裁に伺いたいと思います。
#68
○政府委員(淺井清君) 別に工合がいいとか悪いとかという問題じゃないのです。われわれはいわゆるベース・アップという言葉を正しく従来使って参りましたから、俸給表を変えないのでございますから、俸給表の号俸は増額しない。その意味において俸給表の号俸を増額することをいわゆるベース・アップ方式と唱えており、人事院もこの方式を従来とって参りました。今回のは給与水準は結果的には上ります。しかし俸給表そのものは増額しない。しかしすべての給与水準の上ることをもしもベース・アップと言われるなら、これもベース・アップだと言われてもそれは仕方がないと思います。
#69
○横川正市君 先ほど総裁は、公務員の給与勧告については、民間給与その他の比較すべきものを比較して、それに基いて給与勧告をすべきだと言われておりましたが、公務員法の第七節服務の九十六条以降において、公務員であるから団結権はあっても、団体交渉権、罷業権はない。それから業務に専念しなければならない。あるいは業務における秘密は守らなければいけない。政府活動はこれは制限をされている。こういうような服務に対して非常にきびしい制限規定というものが公務員法にあるわけです。ですから、私は人事院の独自の給与に対する勧告というのは、いわば比較ないしはあと追いの賃金ベース、ないしはそれに対する穴埋めの勧告をするのではなしに、もっとこの職責を全うするために十分な給与というものを考えてしかるべきじゃないだろうか、こういうふうに私どもは考えておるから、それで先ほどお聞きいたしたわけなのでありますが、そこで今こういうふうな公務員の職務遂行上非常に大きな制限規定を設けられているという建前の上に立って、一体給与上現在の給与の中には何パーセント程度見込んで実際上の給与勧告をしているのか、これは非常に私は大切なことだと思うのですが、その点を一つお聞きいたしたいと思います。
#70
○政府委員(淺井清君) ただいまのお尋ねは、私は何パーセントで出せる問題じゃないだろうと思います。これはやはり労働権のない公務員のために人事院がある、そのために人事院が働かなければならぬという心がまえの問題でありまして、これは勧告の中のベースの中の何パーセントということでは出せないと思っております。ごもっとものお尋ねでありますが、しかし公務員法の六十四条でございまするか、やはり民間給与、生計費、その他を「考慮して」とあるということは、やはり民間給与と比較をする、生計費を考えて出せと、こういうふうになっておるように思いまするので、そのようなふうに考えております。しかしわれわれとしては決して公務員の給与の改善を怠っているというような考え方は少しも持っておりません。
#71
○横川正市君 これは私は過去の例を総裁に言うのは少し釈迦に説法のようでありますが、フーヴァー公務員制度課長が第一回勧告を実施したときの大体民間の給与との比率について、私の記憶では一四%くらいだったと思うのでありますが、これは上っておったのであります。その後の経済的な変動で逐次民間給与が上りまして、二十二年から二十三年にさらにそのあとを追ったという歴史を給与の体系ではとっておると思うのであります。その後、それが二十八年以降一回もまだ事実上は勧告によって給与改善を行なっておらないというのが実情でありまして、そのあと追いの状態というものは、私は当初における人事院の創設されたときの趣旨から考えますと、いささか政治的に堕して、趣旨がそこなわれておるのではないだろうか、こういうふうに私は考えておるのでありますが、その点一つ総裁の御意見を伺いたいと思います。
#72
○政府委員(淺井清君) ごもっともではございまするけれども、これは御批判にまかせるほか仕方がないのでございまするが、われわれとしては決してさようには考えておりません。公務員の給与改善は常に念頭にあるのでございまして、前二回勧告を留保いたしましたことも、あの報告書の中にあるような考え方でございますし、今回の給与改善の勧告をいたしましたことも、そのつもりでやっておる次第でございます。
#73
○横川正市君 事実上この数字に現われてくる給与そのものは、先ほども給与局長から言われておりまするように、数字上に現われてくる問題でありまして、私は物価の上昇率に伴って公務員の給与が改善されるということと、もう一つは、生活水準が上ったから公務員の給与の改善を行うというこの建前は、それぞれ二つの方法があるのでありますが、それは数字上明快に説明ができる問題だというふうに給与局長が害われておりますが、私はその通りだと思いますから、その点については数字に間違いがない限り、これ以上感じで追及することはできないと思います。ただそのベースの上昇していく、資料上に出てくる明確な現われといいますか、これはやはりごまかされない事実だと思います。でありますから、そういうようなごまかされない給与の上昇は、その内容からいって、今総裁が言うように、総裁の心がまえというようなものだけで説明するのではなしに、もっと実態に合せて、実際上人事院としては公務員の給与を守る、生活を守ってやるという建前に立って、今下っておる数字という問題について、どのように考えておられますか、この点お伺いいたしておるわけなのであります。
#74
○政府委員(淺井清君) 詳細は給与局長から申させますけれども、私といたしましては、この勧告をもし実施できまするならば、公務員の給与は相当改善できる。われわれとしてはこの勧告の実施を念願しておる、かように考えております。
#75
○伊藤顕道君 勧告の問題点の一つですが、勤続三十年で一応最高号俸に達するということは、結局停年制への布石ではないかと、そういうふうに私どもは見ておるわけであります。人事院といたしましては、結局五十五年ぐらいに一応この表ができておるのでありますけれども、しさいに見ますと、教育職員の表で、高校の面については二十七年三カ月ぐらい、それから小、中については二十九年三カ月で一応最高号俸に達する。このことは一応この面から見ますと、年数の面から見ると、大体五十才未満で一応最高号俸に達する。こういう事実はどうしても停年制への布石ではないか、こういうふうに考えられます。ときあたかも地公法の改正によって停年制が強行せられようとしておる。それにも一応横の連係が、私ども結果から見ると、考えられる。この点についての御意見を承わりたいと思います。
#76
○政府委員(淺井清君) 停年制を国家公務員に実施するかどうか、これは内閣できめる問題でありまするが、ただいまのは人事院はどう思うかというお尋ねのように思いましたから、人事院としての考えを申し上げますが、人事院といたしましては、国家公務員に停年制を実施するというような考えは持っておりません。ただし現在教員の一部に停年制はすでに行われております。それは国立大学の教授でございまして、これは大学によっていろいろの停年制をとっておる、六十才のところをとっておるのが一番多いように思います。六十三才あるいは六十五才のところもあったかと思います。しかしながら少くとも一般行政職は年令が非常に若いのでございまするから、かりに今停年制をしいたとしてもほとんど意味はないように思います。なおこの俸給表の幅と年令との関係でございますが、それは給与局長から説明します。
#77
○政府委員(瀧本忠男君) 教育職の俸給の幅のことでございますが、御指摘になりましたように、勧告の当時におきましては、そういうことはこれは一応言えるのでございますが、われわれは意見の申出におきまして、ワク外昇給の制度を新たに認めたことになっておるのであります。従いましてこれはやはり三十年以上持つものである、このように考えておるわけであります。
#78
○永岡光治君 この前の委員会で、私は完全昇給の実例を調べてくれということで、近く資料が出されるそうですが、ただ人事院の態度として、この際明確にお尋ねしておきたいのですが、昇給を実施していない官庁ですね、そういうのがあればこれは一つ厳重に人事院の方から監視をするという建前をとっておるのかどうなのか、今まで毎年そういう調査をしてきたのかどうか、その点まず最初に伺ってみたいと思います。
#79
○政府委員(瀧本忠男君) 昇給につきましては、これは給与法の条項に従いまして、各省の任命権者に委任されておる事項でございます。従いまして各省庁でそれぞれ給与法の規定に従ってやることになっております。で、院といたしましては、もちろん従来の経緯に従いましてできる限り円滑なる従来通りの昇給をいたすことが好ましいというふうに考えまして、これは毎年の予算編成期に際しまして、財務当局に対して昇給原資の要求をして参っておるのでございます。人事院といたしましては、やはりそういう意味合いをもちまして、おおむね年間に四回昇給がございまするが、十月の昇給すなわち第一回、第二回、第三回あたり過ぎましたところで、各省はどういう昇給状況になっておるか、これは悉皆調査というわけには参りませんので、抜き出し調査でございまするが、やっております。そういう資料を次の委員会には御報告申し上げたいと思っておるのであります。ことしもやっております。ことしのやつはまだ資料を全部収集できておりませんので、さしあたり次回にお目にかけるものは三十九年度と三十年度の昇給の状況です。人事院がそういうことをやりまする趣旨は、これはやはり従来通りの昇給を各省庁においてやられるように希望しておるから、そういう調査もやっておる次第でございます。
#80
○委員長(亀田得治君) ちょっとやめて。
  〔速記中止〕
#81
○委員長(亀田得治君) 始めて。
#82
○永岡光治君 私がこれを特に問題にするのは、各省の職員の方から最近非常に強い要望を受けるわけです。そればどうも定期昇給が完全に実施されていないということから、非常な強い要望があるし、そこへもってきて二十九年一月からベース改訂もされておらないということで、大へん不満になって、今日のように政府に対して職組の方から強い要求運動が起っておることは総裁もとより御存じの通りでありますが、私は、この定期昇給の完全なる実施ということは、給与改訂を行う勧告ももちろん必要でありますが、同時にそれがずっと引き続いて人事院の監視のもとに実施されることがまた必要であると思いますので、もし完全に実施されていなければ、そういう完全に実施され得るような措置も人事院の方で勧告をしてくれるかどうか、この点を伺いたいと思うのですが、その点当然勧告やあるいは意見書になるかも知れませんが、そういうことは、当然私は措置すべきものと思いますが、その点をお伺いいたします。
#83
○政府委員(淺井清君) お答えをいたしますが、一体昇昇給格が行われ得るのは、法律の建前上予算の範囲内で行われる。ですから結局永岡さんの御希望を押し進めれば、昇給原資をできるだけ完全に取るということが一番根本の問題であろうと思っております。そこで従来も人事院といたしましては、これは政府内部の交渉でありまするけれども、大蔵省と折衝をいたしまして、なるべく多く、昇給の原資は完全に取れるように努力をいたしましたし、また昨年でございましたか、報告書の中にも昇給の完全実施ということを特に希望して書いた点もございます。御希望の点は今後も努力するつもりであります。
#84
○永岡光治君 努力はもちろんでありますが、同時に一つ定期昇給を完全実施しろという点もありますので、もしそういうことが実施されていなければ、人事院の立場においてそれぞれ改訂勧告と同様な意味における勧告意見書というものをぜひ出してもらいたいということを、特に私はつけ加えて次の質問に、一つだけ、移りますが、この前二十二日に実施時期について大へん総裁に追及いたしたわけでありますが、まあその後政府あたりと折衝されていただいておるものと私は期待しておるのでありますが、この前の答弁の中では、少くとも三月期の特別手当もあるので、年度内に実施ということはまず常識であろうと私たち解釈したわけですが、総裁の方も大体そういうふうに考えておるかどうか、もう一つ念のために伺いたいのと、それからその後政府と折衝してきまして、大体どういうような動きになっているのか、人事院総裁の立場において承わりたい。
#85
○政府委員(淺井清君) その後政府とはまだ折衝はいたしておりません。これははっきり申し上げるより仕方がないのでありますが、それはこの前申し上げましたように、政府に対しましては事務的に内容を説明した段階にとどまっておるのでありまして、私どもから倉石国務大臣その他に折衝したことはございません。これははっきり申し上げます。
 それから実施の時期につきましては、これはもうたびたび申し上げました通り、人事院としてはなるべくすみやかにこれを実施してもらいたいと繰り返して申すほかはございません。
#86
○永岡光治君 なるべくすみやかにというわけでありますが、来年度になっては困るのじゃないか、人事院の立場として……。
#87
○政府要員(淺井清君) その点につきましては私といたしましては〇・一五、これは来年三月に支給してもらいたいとかように考えております。
#88
○永岡光治君 あとは。
#89
○政府委員(淺井清君) あとについてはなるべくすみやかにということを言っておるわけであります。
#90
○委員長(亀田得治君) それでは人事院当局に対する質疑は、いずれ追加して資料等も出ますから、さらに別な機会にすることにいたしまして、暫時ここで休憩いたします。午後三時から労働大臣に対する質疑をします。
   午後二時四十八分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった。〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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