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1956/12/12 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 内閣委員会 第9号
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1956/12/12 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 内閣委員会 第9号

#1
第025回国会 内閣委員会 第9号
昭和三十一年十二月十二日(水曜日)
   午前十時二十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     亀田 得治君
   理事
           井上 清一君
           上原 正吉君
           秋山 長造君
           竹下 豐次君
   委員
           木村篤太郎君
           西岡 ハル君
           荒木正三郎君
           伊藤 顕道君
           永岡 光治君
  国務大臣
   国 務 大 臣 太田 正孝君
  政府委員
   内閣官房副長官 田中 榮一君
   内閣総理大臣官
   房公務員制度調
   査室長     大山  正君
   行政管理庁管理
   部長      岡部 史郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  説明員
   行政管理庁次長 山中 徳二君
   行政管理庁監察
   部長      岡松進次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家行政組織に関する調査の件
 (行政管理庁の業務内容に関する
 件)
○一般職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣送付、
 予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。
 国家行政組織に関する調査を議題に供します。
 本件に関連して、行政管理庁の業務内容について、当局から御説明をお願いいたします。
#3
○説明員(山中徳二君) 私から、当行政管理庁の業務のごく概要を御報告申し上げます。なお、詳細の点は、御質問によって御説明いたします。
 お手元にいろいろ資料を差し上げてございますが、まず概況を、行政管理庁の設置法に基きまして御説明申し上げたいと思いますので、黄色い色のついております、行政管理法令集というのがございます。その百十四ページを開いて下さい。そこに、行政管理庁の設置法が載っております。
 管理庁は、二十三年の七月に内閣に臨時に設けられました行政調査部と中央行政監察委員会とを統合いたしまして設置せられました。その後、二十七年の八月の法律の改正によりまして、統計委員会と経済調査庁、経済安定本部の一部であります建設局の監査課を統合いたしまして、今日の行政管理庁の姿になっておるのでございます。
 管理庁の大体の構成は、これも資料として差し上げてございます、「行政管理庁機構及び定員」という一枚紙がございますので、それをごらんになっていただきたいと思います。一枚紙で、「管理庁機構及び定員」というのがございます。ごらんになりますように、中央の機構といたしましては、官房に秘書課、会計課のございますほかに、三つの部で業務を実施いたしております。管理部、統計基準部、監察部、この三つでございます。その三つの部の所掌事務につきましては、設置法の第二条をごらんいただきますと、そこに所掌事務の範囲が第一号から十三号まであがっておりますが、まず、第一の管理部の所掌事務は、
 一 行政制度一般に関する基本的事項を企画すること。
 二 行政機関の機構、定員及び運営の総合調整を行うこと。
 三 行政機関の機構、定員及び運営に関する調査、企画、立案及び勧告を行うこと。
 四 各行政機関の機構の新設、改正及び廃止並びに定員の設置、増減及び廃止に関する審査を行うこと。
 それと、一番お終いの
 十三 所掌事務に関し必要な資料の収集を行うこと。
 これが、一号から四号まで、それが管理部でございます。
 次の、
 五 統計及び統計制度の改善発達に関する基本的事項を企画すること。
 六 統計調査の審査、基準の設定及び総合調整を行うこと。
 七 統計報告の徴集について調整を行うこと。
 八 統計機関の機構、定員及び運営に関し、地方公共団体の長又は教育委員会に対し、連絡及び勧奨を行うこと。
 九 統計職員の養成の企画及び検定を行うこと。
 十 統計知識の普及及び宣伝並びに国際統計事務の統轄その他統計の改善発達に関する事務を行うこと。
 と、この五号から十号までと、先ほど申しました十三号の関係、これが統計基準部でございます。
 十一 各行政機関の業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行うこと。
 十二 前号の監察に関連して、公共企業体(公共企業体等労働関係法(昭和二十三年法律第二百五十七号)第二条第一項第一号に掲げる公共企業体をいう。)、原子燃料公社、公庫(公庫の予算及び決算に関する法律(昭和二十六年法律第九十九号)第一条の公庫をいう。)、日本住宅公団、愛知用水公団、農地開発機械公団、日本道路公団及び森林開発公団の業務並びに国の委任又は補助に係る業務の実施状況に関し必要な調査を行うこと。
 十三 所掌事務に関し必要な資料の収集を行うこと。これが監察部の所掌事務と、こういうことになっております。これが中央の機構でございまして、地方支分部局といたしましては、管区監察局八局と地方監察局四十一局があるわけでございます。これは設置法の第三条の二に規定がございまして、八管区は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡でございまして、その八管区のもとに、各府県にそれぞれ一カ所、北海道が三カ所、地方局がありまして、管区局のもとにその事務を行なっておる、こういう姿でございます。
 それから付属機関といたしましては、その表の上の方に点線で書いてございますが、行政審議会と統計審議会、これが恒久的な機関としてあるわけでございまして、これにつきましては、設置法の第六条、第七条、第八条に規定があるわけでございます。
 行政審議会につきましては、三十年の十二月に定員の改正がございまして、従来委員が十五人でありましたのを、二十人に改正していただきました。現在任命されております委員は、昨年の暮に、十二月二十六日に任命されました委員、審議会といたしましては第三次の審議会でございまして、過般来提案いたしております、第一次行政制度改革要綱の答申をいただいておる委員会でございます。
 統計審議会の方は、委員の定員は十七名でございまして、第八条に規定がございます。そこにございますように、学識経験者側から七人、統計の行政機関側から六人、統計利用者から四人、合計十七人の委員からなっておりまして、これは、別に運用の政令の方で、毎月一日必ず会議を開くということになっております。
 なお、この審議会には、専門的な事項を審議するために、専門部会を十数部持って運営をいたしております。
 公共事業特別調査委員につきましては、後ほど御説明を申し上げたいと思います。
 大作、機構はそういう形になっておりますが、なお、従来統計基準部及び管区、地方の各局におきましては、部長の下が課の制度になっておったのでございますが、業務の性質上、課によらずに、機動的に業務の分担をして、部長を助けるということの方が人事管理上、業務運営上適当であろうということに考えまして、本年の四月以降、統計基準部には、ごらんのように、企画課という庶務をやります課のほかには、統計審査官という制度に改めまして、管理部、監察部がそれぞれ管理官、監察官という制度をとっておりますのと同様の姿に改めましたのでございます。地方におきましても、従来は管区局にありましては、一部、二部の下にそれぞれ三課の業務課がございました。地方局は、局長の下に総務課及び一課、二課があったのでございますが、比較的少数の職員で、ことに監察の業務のような、時に分担通りに仕事が流れない、機動的に仕事をやっていく必要がありますことにかんがみまして、これは、その表にございますように、いずれも監察官という制度に改めて、運用の適切を期している次第でございます。
 引き続いて定員でございますが、定員につきましては、その表にございますように、全体が千五百九十一名でございますが、その職員の数の上から申しますと、大半は監察関係でございます。ここにございますように、管区局に四百九十一名、地方監察局に八百三十九名という職員を割いておりますので、中央といたしましては、管理部のごときは二十数名、統計基準部も四十三名というような職員でございます。監察部が各監察項目を分任しております関係上、比較的多数の職員を擁しておりますが、千五百九十一名のうち千三百名ばかりが地方職員でございまするが、これも各地方局に分属いたしておりますので、それぞれの出先機構としては、相当窮屈な定員配置になっているわけでございまするが、私ども役所の性格といたしましても、できる限り職員の職務の合理的運用を期する意味で、努めて増員を避けて、職員の事務の能率を上げるということに留意している次第でございます。定員につきましては、大体以上の説明をもって終えたいと思います。
 管理庁は、以上のような分掌事務を持っているのでございまするが、これを行う権限につきましては、第四条に、長官の権限として規定があるわけでございます。長官は、必要な書類を行政機関の長から提出を求め、説明を求めることができる。あるいは関係機関の長に対しまして意見を述べることができる。こういうような権限を規定しているのでありますが、第四条につきましては、主として監察に対する権限の強化という点で、二十八年の八月に法律の改正をみたのでございます。二十八年の法律の改正で権限が強化されました項目は、第四条の九項ございますうちの第四項、「長官は、監察を行うため必要な範囲において、各行政機関の業務について実地に調査することができる。」
 第五項、「長官は、各行政機関の業務の監察に関連して、第二条第十二号に規定する業務について、書面により又は実地に調査することができる。この場合において調査を受けるものは、その調査を拒んではならない。」
 一つ飛びまして七項、「長官は、監察の結果第三項の規定により関係行政機関の長に対し勧告をしたときは、当該行政機関の長に対し、その勧告に基いて執った措置について報告を求めることができる。」
 八項、「長官は、監察の結果行政運営の改善を図るため必要と認めたときは、内閣総理大臣に対し、関係行政機関の長に所管事項の改善を指示するよう意見を具申することができる。」
 第九項、「長官は、監察の結果綱紀を維持するため必要と認めたときは、関係行政機関の長に対し、これに関し意見を述べることができる。」
 従来から、監察に関しまして調査をするために説明を求めましたり、あるいはその結果勧告をしたり、あるいは関係者からも必要な資料の提供を求めることができるという権限があったはずでございますが、当時の二十八年の改正によりまして、現地調査に関する権限、ことに公社等調査対象、監察対象のほかに調査対象につきましても同様の権限を期待したいということで権限をはっきり定めましたほかに、勧告をしました結果に対しまして相手方から解答を求めること。また、監察の結果重要な事項につきましては、内閣総理大臣に意見を申し上げて、内閣総理大臣から改善を関係機関に指示していただくという道も開かれております。さらに、綱紀の維持のために必要と認めるときは、意見を述べることができるというような規定を付加いたしましたのでございます。この監察の権限強化ということは、管理庁が監察部を強化いたしまして以来しばしば言われておるところでございまして、ただいま申し上げました二十八年の八月の改正に続きまして、三十年の十二月に、やはり監察の権限の強化を見たのでございまして、それは、第二条の所掌事務を拡げたのでございます。第二条の所掌事務で、昨年の暮の改正におきまして、新たに公庫を加えましたことと、そこにございますように、原子燃料公社でありますとか、住宅公団、愛知用水公団等一連の新設公団を監察の対象とするということにあらためたのでございます。
 以上、非常に大ざっぱでありますが、一応概況を申し上げまして、次に、同庁の予算について申し上げたいと思いますが、これはごく予算としましては簡単でございます。お手元に、昭和三十一年度予算課目別内訳表というのがございます。一枚刷りでございますので、御覧を願いたいと思います。同庁の予算は、全体として十三億でございますが、そのうちの約半分であります六億四千万円というものが、この表で十四という番号が打ってありますが、統計調査を委託しております地方職員の人件費でございます。これに半額食われておりますので、これを除きましたのが同庁の予算で、約六億九千万円というのが実際の残りの予算でございます。この六億九千万円のうち、この表にはこういうふうに出ておりまするが、これを整理いたしまして、人件費を拾ってみますというと、人件費が五億八千万円でありまして、全体の八五%は人件費ということでございます。この六億九千万の残りは、旅費が五%、物件費が九%、その他が一%というような構成になっておりますので、私どもの予算の中味は、ほとんど人件費であると御承知を願ってけっこうと思いますが、私どもといたしましては、業務を実施いたします場合に、活動費として旅費が必要な経費でございます。毎年の新規予算の要求の中心をなしておりますのは、旅費の増額という点でございます。来年度、三十二年度の予算要求としては、約二億円ばかり全部で増額要求をいたしております。予算はごく簡単な姿でございますので、一応その程度で、先へ進みたいと思います。
 以上が大体管理庁全体の話でございますが、各部につきましては、各部長が参っておりますので、なお詳細お聞きいただいてもいいと思いますが、一応簡単に各部につきまして申し上げたいと思います。
 第一に管理部でございまして、これは、先ほど朗読いたしました所掌事務の範囲、第一号から四号と申し上げたのでありますが、主として行政制度、行政機関の機構、定員をコントロールするというのが業務でございまして、国会関係にいろいろ御審議をいただきます関係としましては、御案内の機構改革、行政整理というような問題で、大きくいろいろ法案を用意し、また、御審議を願うということになるわけでございまして、機構改正につきましては、御案内の通り、終戦以来しばしば機構の改変を見、また、これに伴います行政整理も前後三回ばかり、ことに大きな行政整理がありましたわけでございます。ただいまこの関係の仕事といたしましては、先ほど申し上げました第三次行政審議会の答申に基きまして、第一次行政制度改革案と十ばかりの法律案、国家行政組織法以下十本の法律案の改正を国会に提出して、継続審議になっているというような状況でございます。なお、この制度改正に伴いまして、本年の三月末日に、中央官庁の各省の課を二割整理するという措置をとったようなこともいたしました。次に、国会に関係いたします事柄といたしましては、毎年度各省の新規事業に関連いたしまして、機構なり定員に増減があるわけでございまして、これに伴う各省庁の設置法の改正及び行政機関の職員につきましては行政機関職員定員法という法律が出ておりますので、この法律に規定いたします定員の数の変化を主たる内容といたします改正法案を提出するわけでございまして、目下、来年度の予算要求と並行いたしまして、私どもの方といたしましても、これらの点につきまして、作業をいたしているのでございます。そのほか管理部の業務といたしましては、政令団体等におきます各省庁の機構その他の制度の審査を実施いたしているわけでございますが、最近の一年間の私どものやりました仕事の内容といたしまして、お手元に、少し大きな印刷物で、行政管理年報という一冊の本が出てございます。これは、毎年おおむね一年ごとを単位といたしまして、ただいままで五巻になっているのでございます。最初の方に、一年間に行いました業務を記述いたしまして、あと必要な資料をそれに付加してございますので、お暇のときに、ごらんおきいただきますればけっこうだと思います。
 次に、統計基準部について申し上げますが、基準部は、先ほど申し上げましたような所掌事務でございますが、これは総理府にございます統計局や各省の統計主管部のように、直接に統計を作成する機関ではなくて、各省の統計活動を総合調整いたしまして、ことにわが国の統計及び統計制度の改善発達をはかるために設けられました機構でございます。統計基準部は、統計法、統計報告調整法等に基いておもな業務を行なっております。その統計法及び統計報告調整法は、資料としてお手元にお配りいたしてございます。やっておりまする業務といたしまして、おもなものを申し上げますというと、第一は指定統計の指定及び承認でございまして、国や地方公共団体の行う重要な統計調査のうち、統計法第二条の規定により、行政管理庁長官の指定を受けたものは指定統計となるわけでございまして、その実施方法について、同じく長官の承認を得て実施しなければならぬということになっております。この指定及び承認の事務は、基準部の所掌事務になっておるのでございまして、これによりまして、重要な統計調査が無秩序に行われることを防ぎ統計調査の正確性の向上と、各種調査間の総合調整をはかるのでございまして、指定統計の現在までの数は八十九でございます。これもお手元に表が参ってございます。なお、指定統計の中で、どういうものを指定統計にしておるかということも、その次の詳しい表に載っておりますので、ごらんおきを願います。
 第二の仕事は、統計報告調整法による統計報告の審査及び承認でございまして、統計報告調整法の規定によりまして、国の行政機関が十以上の人または法人その他の団体から統計を徴集する統計につきましては、長官の承認がなければ徴集を行うことができないということになっておるのでありまして、統計基準部がこの承認を行う際に、これらの報告徴集が他の統計報告と重複してはいないか、または統計技術的に見て、その徴集方法が妥当であるかどうかというようなことを審査いたしまして、行政簡素化をはかる一面、国民負担の軽減をはかるということをいたしておるのでございまして、二十七年の八月からこの法律が実施されましたのでございますが、今日までどれだけやっておりますかということは、お手元の表にございますように、千五百四十三件になっておるわけでございます。
 第三の仕事といたしましては、統計予算に関する意見書を当部が作成しておるのでございまして、統計基準部は、統計に関する専門的見地から、毎年各省が大蔵省に対して行います統計調査に関する予算につきまして、意見書を作成して、大蔵省主計局に提出しておるのでございまして、このことは、昭和二十三年当時の統計委員会委員長と大蔵次官との間の申し合せに基きまして、二十四年度予算から今日まで実施しておるのでございます。その結果、予算額との調整方法に相当貢献しておるものと信じております。
 第四の業務は、統計基準の設定でございまして、統計の国内及び国際比較性を保つために、各種の統計基準の統一が必要でございますが、統計基準部は、この所掌事務の一つといたしまして、たとえば日本標準産業分類、日本標準職業分類、地域分類等の諸分類を作って、統計の基準としておるのでございます。
 第五の業務は、地方統計機構の管理でございまして、先ほど予算のところで申し上げましたように、統計調査の手足といたしまして、府県の職員を期待しておるわけでございまして、現在約六億円の人件費をもちまして、各都道府県に三千四百十七名の職員を配置しておるのでございまして、これらの職員の配置と同時に、これの訓練教育というようなこともあわせて行なっておるのでございます。
 最後に、設置法にもうたっておりますように、国際統計事務の関係でございまして、統計の国際的な連携が密になって参りますに伴いまして、わが国の国際活動のまた活発になることにも関連いたしまして、国際統計事務もだんだん繁忙になって参っておるのでございますが、統計基準部は、国際連合の統計委員会との間に連絡をいたしまして、これらの業務に遺憾なきを期しておるような次第であります。
 以上が、簡単でございますが、基準部の業務でございます。
 最後に監察部について申し上げたいと思います。監察部の業務は、十一号、十二号でございます。少しおわかりにくいかと思いますが、十一号は、各行政機関の業務を直接監察するわけでございまして、十二号で国鉄、専売公社でありますとか、あるいは公団等の業務を調査できるのでございますが、これは、建前といたしましては、これらの公社、公団等を監督しております国の行政機関を監察する。その監察に関連して、つまりその監督行政を見るという意味合いで調査するという建前になっておるのでありまして、また、そこの後段にございますように、地方に委任されております業務でありますとか、国の補助業務につきまして、同様の趣旨から監察が行われるというような仕組みになっておるのでございます。当部で行います行政監察は、申し上げるまでもなく、行政運営の適正に行われるかということを、政府の自己反省の機能として実施いたすのでございまして、そのやり方といたしましては、重要な施策を重点的に取り上げまして、それが本来法律制定、制度開設の趣旨のごとく運営されているかどうかということを具体的な調査事象によりましてこれを把握し、改善すべきことがありますればこれを指摘して、その是正をはかるということを本旨といたしておるのでありまして、監督の着眼といたしますところは、各行政機関の業務運営が適法であるかどうかというだけでなく、さらに、それが能率的に行われておるか、民主的に行われておるかというようなこと、あるいは各省間の業務が不均衡でないかどうかということを見るのでございまして、単なる不正不当を追究するということでなく、むしろ制度の運営が適正であるかどうかということの改善に資することを私どもの主眼としておるのでございまして、その監察いたしました結果に基きまして、その所見を相手方機関に勧告するわけでございまして、先ほど申し上げましたように、庁法の改正によりまして、勧告に対しましては回答を求めるという権限が明らかになりまして、あらゆる勧告、監察につきましては、これに対して相手方から回答を求めるということになっておりまするが、さらに、私どもといたしましては、回答をいただきましたけれども、果してその回答の通り行われておるかどうかということを見る必要がありますので、それをあらためて監察をする。私どもはこれを推進監察といっておりますが、そういうようなことをいたしまして、少ししつこいようでありますけれども、せっかく監察をいたしました事項の改善の徹底を期するということを心がけておる次第でございます。監察のやり方といたしましては、ただいま申し上げましたような、重要施策を取り上げるという建前からいたしまして、大体年四半期ごとを単位といたしまして、中央において重要な項目を選びまして、これを全国に流しまして、全国八管区、四十一地方局が有機的に一つの項目に作業を合せまして、その結果を中央でまとめて、さらに中央の相手方を監察して、その結果、所見をまとめるというような作業をいたしておるのであります。もちろん、いろいろな事柄によりましては、必ずしも全国を使いませんでも、地方ごと、あるいはある管区単位で実施できるものもあるのでございますので、これらにつきましては、便宜地方的に監察を実施する、地方監察という言葉をもって取り扱っておるのでございますが、そういう姿で実施いたしておるのでございます。
 なお、いろいろ調査をいたします段階におきまして、必ずしも中央にまとめ上げないでも、その場におきましても、これはどうも扱いが適当でないという行政措置、行政の姿があるわけでありますから、それらの事項につきましては、便宜地方で監察の作業がまとまり次第、相手方にこれを通告して、改善をはかるというふうな措置をとっておるのでございます。今日までどういうふうにやって参りましたかということにつきましては、これは、お手元に資料として、「年度別監察項目一覧」というのを差し上げてあります。大きな横の表になっておりますが、二十七年から、ただいま申し上げました姿で出発いたしましたので、二十七年度、二十八年度、二十九年度、三十年度。三十一年度につきましては、やや詳しく、また別表にしてなおお配りしてございますが、数にいたしますと大体百項目内外になるようであります。この中には、継続いたしております項目もございますので、それらを正確に計算いたしますというと、百を割るかと思いますが、これらの項目は、その表にございますように、大体五つの柱に今分けますれば分けられるのでございます。しかしながら、これは必ずしも正確に、その分類をはっきりというわけではございませんが、重点的に考えますというと、第一の分類といたしまして業務運営の適正化、これが私ども行政監察の主たるねらいでありまして、業務の運営が適当にいっているかどうかというような意味の柱でございまして、この中身といたしましては、失業対策、結核予防、国民健康保険等一連の社会保険に関する行政その他を実施していっております。
 それから第二のグループは、これは、国費の使用がどうも効率的でない、不正、不当が多いというようなことをやかましく言われているのでありますが、これらにつきましては、会計検査院等のあれがあるわけでございますけれども、何といたしましても国民の期待に反する行政の姿でございますので、行政監察といたしましては、やはりこの点に重点をしぼってみる。しかし、その個々の不正、不当ということの是正よりも、そのよって来たる制度がどうであるかという点に重点を置いて、やはりこの問題を取り上げるべきではないだろうかということで、いろいろな補助金、ことに農林補助金等を中心といたしまして、調査を実施いたして参りました。
 第三のグループは、やはり同様な意味で、問題の多い公共事業でございまして、これは、制度上もいろいろな姿になっておりますので、各般の角度から公共事業をながめて参りました。
 第四のグループは、国鉄その他の公共企業体でございまして、国鉄、電電、専売等、大体一通り第一回の監察は終る予定になっております。
 最後のグループは、行政の実態調査でございまして、これは、ひとりこの部類に属さないのでございますが、私どもの役所が行政管理という面の業務を実施いたしておりますので、その行政管理の仕事のうらはらの作業ともなりまして、現在の行政の実態を調査するという作業もあわせて行なって参りました。これらの結果も、行政制度の改正、定員の整理というような点の資料にいたしたいという着意で、このグループを一つ設けておるのでございます。
 本年度の事業計画といたしましては、この別冊にございますようなのが、別冊に、第一・四半期管理業務に関する監察以下が本年度の計画でございますが、お断わり申しておきますことは、これは、計画に着手いたしまして、地方に流します時期をとらえてやりましたのでございますので、実際の作業は、前年度の作業が本年度にずれて参ってきております。三十年度にいろいろ上げております専売公社その他の業務、あるいは窓口業務、管理業務が三十一年度の業務に入っております。ここにありますのは、三十一年度から取り上げたということと御承知おきを願いたいと思います。ここにございますように、三十一年度は、ただいま申し上げましたもののほかに、監察部の権限といたしまして、公団、公庫というものが新たに加えられましたので、これらの事業及びこれらと性格が違う各省におきます事業特別会計を一つ見て行こうという着意が加わっておりますのと、三十年度ごろから、従来の個々の施策を見ますかたわら、横断的に各省の業務を見て行こうというようなことを着意のうちに加えておるわけでございますが、さらに、相当重要な行政の事務になっております徴税行政につきましては、相当調査の技術として困難でありますので、今まで着手していなかったのでありますが、本年度からこれを新たに加えることにいたしました。
 以上が大体監察計画の概況でございますが、このほかに監察部の関係として実施いたしておりますのは、そこに、お手元の資料に、「公共事業特別調査実施要綱」という閣議決定がございますが、公共事業は、ただいま申し上げましたような着意で監察部としても実施しておるのでございますが、いろいろ問題が多いのでありますので、大局的な着意から一つこれを見ていただこうということで、各界有識者に委嘱いたしまして、臨時の措置といたしまして、特別調査委員十五人を委嘱いたしました。本年の七月終りごろから調査にかかりまして、調査のおもな項目といたしまして道路事業、それから公共事業が特に渋滞しておる事業、総合開発事業というような、三つの項目を主たるねらいといたしまして、北は北海道から南は九州まで、およそ五、六カ所の地区を実地に調査をしていただきまして、近く結論を得る予定になっておるわけでございます。
 監察部は、かような仕事を主たる業務として実施しておるのでございまするが、なお、業務の余暇をさきまして、お手元に資料として差し上げておりますような、監察情報と苦情相談という業務を実施しておるのでございます。監察情報と申しますのは、出先に四十九の機関が置いてありますので、これらの機関が業務を実施するかたわら、耳にいたします行政運営の実際の姿をとらえまして、それが行政監察上参考になる、あるいは行政の運営の改善になると思われますものは、これは監察と違うのでございますから、それほど確度は高くないのでありますが、いわゆる情報として集めまして、中央でこれを分析いたしまして、将来の監察項目にいたすとか、あるいははなはだしく不当であることが明らかなものにつきましては、直ちに改善措置をとるということをやらしておるのでございますが、これは、業務のかたわら実施しておるのでございますが、相当な数になりまして、成績が上っていると考えております。お手元の表にございますように、今日までの総件数が約一万件でございます。苦情相談は、同じような趣旨からいたしまして、現地におきます行政救済のため、いろいろの民衆の苦情が多いわけでございますので、これをできるだけ一つ御相談に応じようということでございます。相談を受けております件数は、必ずしも多くないのでございますが、業務の余暇に実施いたしておりますので、その関係としては、まあ相当勉強しておるつもりでございますが、相談を受けます中身といたしましては、やはり生活保護に関係するような事柄でありますとか、農地の転用、売買に関する事柄、あるいは遺族年金、傷病年金、そういうような事柄に関する相談件数が全国的にやはり多いようでございまして、相談を受けましたものの六、七〇%は、大体処理がうまくいっているというような状態でございます。
 まだ何か漏れていると思いますが、あまり長くなりましたので、一応行政管理庁の業務の概況を御説明さしていただきました。
#4
○委員長(亀田得治君) 本件について御質疑のある方は、順次御発言を願います。速記をとめて。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて。
#6
○伊藤顕道君 管理庁設置法の第二条に、所掌事務の範囲と権限がありますね。その一つの例をとりまして、第二条の第十一号に、「各行政機関の業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行うこと。」と、この勧告を受けた各行政機関は、この勧告に対してどの程度の拘束がありますか。
#7
○説明員(岡松進次郎君) これは、勧告に対して強制権はないわけです。強制権と申しますか、勧告に従わなければならぬという権限はないわけです。まあ道義的にそれに従う。従いまして、われわれの仕事といたしましては、いわゆる主観的と申しますか、一方的に結論を出して押しつけるというようなことを避けておりまして、やはり監察の結果がまとまりましたら、対象の行政機関とよく相談いたしまして、われわれの考えが間違っている点もございますし、あるいは非常に理想に走って、勧告してもなかなか実情としては無理だというような面もよく反省いたしまして、大体向うも納得した線で出すようにいたしております。従いまして、まあ事実問題としては、われわれの勧告の趣旨は大体受け入れられた回答をいただいているというのが実情でございます。これは、やはり政府部内の機関の反省の機関でございますから、助言をするというような形が現われておるのでございます。
#8
○伊藤顕道君 そうしますと、その勧告の場合、第二条に、所掌事務の範囲が十三号にわたってあげてありますね。それはみんな同じようなことが言えるわけですね、この各項目について。
#9
○説明員(岡松進次郎君) 先ほど次長から御説明申し上げましたように、監察の仕事は二条の十一、十二、十三に関係する……。
#10
○伊藤顕道君 そうですね。今、私が十一号をとって御説明願ったんですけれども、今御回答あったようなことは各項目を通じてのことですね、御答弁は。
#11
○説明員(岡松進次郎君) ちょっと御質問の趣旨がはっきりいたしませんが……。
#12
○伊藤顕道君 指導、助言の範囲であって、たとえば勧告とか、いろいろ指示を受けた場合、それにとらわれる必要はないわけですね。一応反省の機関として反省してみて、ただ正しい場合にはそれに従えばいいんですね。
#13
○説明員(岡松進次郎君) 一応法律的にはそうなっております。
#14
○伊藤顕道君 そこをお聞きしたかったんです。
#15
○委員長(亀田得治君) ちょっと、私からお聞きしますが、勧告ですね。これは、過去において何回ぐらい出ているんですか。回数は、何かこの資料に載っていますか。
#16
○説明員(岡松進次郎君) これは、大体今申し上げましたように、監察項目については、大体原則として勧告することにいたしておりますから、今までやりましたものについては、まあほとんど勧告をいたしております。ただ、たとえば最近やりました自動車の調査とかといったような、大体各官庁に共通なものというようなものは、勧告という形式ではなく、参考意見としてまあ相手官庁に出すというような処置はとっておりますけれども、大体監察については勧告をするという趣旨でありますから、相当今までやりました監察項目については、まあ大部分勧告をしている、回答をいただいている、こういう形になっております。
#17
○委員長(亀田得治君) 勧告はですね。やはり監察の結果少し直すべき点がある、そういう点が発見されて初めて出るだろうと思いますがね。そうしますと、この取り上げた項目というものは、ほとんどやはり勧告しなければならぬ状況であったということになると、まあ取り上げなかったものも、一々取り上げていけばほとんど勧告が必要になるのじゃないか、こういう想像をすると、ずいぶん全体がだらしないのじゃないかというようなまあ推測が生まれるわけですがね。その辺はどういうふうにお感じでしょうかね。
#18
○説明員(岡松進次郎君) これは、行政事務というものは非常に広いものでございますから、われわれ少数な人間で、一定の期間なり人員でやるためには、やはり重点的に見ていかなければならぬ。それから対象も、全国的に見ておりますけれども、たとえば補助金のごとき、何万件というものを全部見るということはできません。いわゆる抽出調査と申しますか、ピック・アップという手段をとらなければならない。対象についても、監察項目についてもまた、非常に国費を多く使っておる、あるいは相当世論の対象になっているとか、あるいは国会等においても相当問題になるといったような対象をとらえてやっておるのでございます。従いまして、御指摘のように、すべての機関について多少なりとも改善事項があると思いますけれども、やはり効果的な行政事務というふうなものを対象としてやっておると御承知願いたいと思います。
#19
○委員長(亀田得治君) ちょっと、もう一度確かめておきますが、そうしますと、何か問題がありそうだというふうなのを大体目星をつけてやるので、従ってこの勧告の数が非常に多い、こういうふうに理解すればいいわけですか。
#20
○説明員(岡松進次郎君) そういうふうなわけでもございませんので、たとえば、先ほど次長も御説明申し上げましたように、国鉄の経営調査というものも私やりました。あるいは次に電電についてもやりました。現在は専売公社についてやっております。これは、初めから問題があるだろうということを想定してやる監察ももちろんございます。しかし、やはり一つの公社としての実態を調べるという意味で、もちろん予想としては、相当改善事項があるだろうということは予想されますけれども、やはりそういうことを前提としてやっているのではなくて、一応公社については、国鉄もやれば電電もやる、専売もやる、あるいは今後道路公団なり、その他を一応時期を見てやると、こういうふうな建前をとってやっておる監察もございます。あるいは災害の補助金のような問題、これは以前にやりましたのですが、こういうような問題は、相当世論としても批判があるのじゃないかというようなことで、それを是正するというような意味を予想してやっているような監察もございます。
#21
○竹下豐次君 勧告されますね。その勧告されたことに対して、その処理について向うから返事がくるわけですが、それをそのままに履行されているかいなかをさらに監察をされる、それは必要だろうと思いますが、そういうことがたびたびあるものですか。
#22
○説明員(岡松進次郎君) 理想的に申しますれば、回答事項がそのまま改善されなければならぬわけですが、しかし、その回答事項については、やはり法律改正を要する、終局においては、というような意味もございますし、あるいは法律改正までいかなくても、規則を改正するとか、回答を得てから直ちに改善ができたかどうかということを監察いたしましても、意味のない場合もございます。あるいは手続その他事務的な改善事項というものは、回答を得まして、ある一定の期間を経ますれば、その通りにやっているかどうかということを監察し、確かめると、そういう点はわれわれの方も努めて……結局中央官庁から回答が参りますと、相手官庁も下級機関へ結局そういうふうに直せという趣旨で、通牒なり指示をしておるわけであります。われわれの方も、末端において、末端の機関がその通りに中央からの指示を得てやっておるかどうかということを、ある一定の期間を経まして、推進監察と申しますか、そういう点はやっております。
#23
○竹下豐次君 そうすると、勧告が履行されておるかいなかということについて、あなたの方じゃ絶えず気をつけておられるわけですね。そのうち、どうもあそこはうまくやっていないようだということを何かの関係で感知され、そのあとまた調査に出かけられる、監察に出かけられる、こういうことになるんでしょうね。で、そういう機会は非常に少いんじゃないかと想像するんですけれども……。
#24
○説明員(岡松進次郎君) 新しい監察もございますし、それから大体、われわれの方といたしまして、今までの経験から申しまして、回答は回答だ、いや改善する意思はないけれども、回答だけは出したといったような点は、われわれとしては認められないわけなんでございまして、大体その趣旨に沿って改善しておる実情でございます。ただ、それが非常にいろいろな相手官庁の事情がありまして、改善が長引いているといったような事情を聞く、監察いたしまして実情を聞いて、もう少し見守っておるというようなこともございますけれども、あとから行って、どうだこうだと言ってやるという機会は、そうたくさんはないと思います。
#25
○竹下豐次君 それから、勧告された方が受けますね。受けて、どうもこの勧告はおかしいということで、あなたの方に申し入れがあるということが相当にあるんじゃないかと思いますが、勧告というものは何ですか、一応受けた方とある程度の話し合いがついて出されるんですか、その点はどういうことになりますか。
#26
○説明員(岡松進次郎君) 先ほどお答えいたしましたように、われわれの監察は、どこまでも客観的に妥当なものでなければならぬ、相手が納得するような勧告でなければ意味がない、主観的に、一方的に、ただ理想を勧告したり、あるいは相手方が全然反対なのに勧告するということは、努めて避けなければならない、これは、政府部内のやはり助言的な反省的な機関であるとわれわれは考えております。そういうことをモットーとしております。従って、一応監察いたしました場合に、その監察結果について、相手官庁と意見の交換をいたします。そこで大体調整ができる、決して妥協という意味ではありません。また、われわれの方は、事務的には非常に専門家でございますから、われわれの見方が多少何か改善意見を出さんがために、理想に走るとか、あるいは一方的な結論にとらわれるということはあり得ることでございまして、そういう意味の反省をしていくべきでございますから、大体勧告の趣旨について、これは反対だといったようなことをいただいておることは少いのでございます。ただ、いろいろ問題がありまして、意見の相違ということはございますので、まあそう言われると、なかなか実情としてはむずかしいけれども、趣旨はよくわかったから、一つ将来検討してみたいといったような意味の回答に接する項目も決してないということは申し上げません。
#27
○竹下豐次君 独断的にやられると、そこに受けた方との間に摩擦が起るということになる心配があるんですね。それは、今お話によりまして、そういうことのないように努めてやっていくということでありますから、一応話し合いが勧告する前についたとすれば、そのことをさらに勧告する必要はないんじゃないかということですね。それで、それを裏から見てみるというと、話し合いのつかないことについて勧告をする必要がある、こういうふうに思われますが、そうすると、あとでどうも困るというようなことが起ってくるんじゃないかと思います。その点の運営はどういうことになりますか。
#28
○説明員(岡松進次郎君) ただいまお話しました話し合いというのは、いわゆる単独の事務当局との話し合いでございまして、別にいわゆる相手官庁の責任者たる大臣が納得されたという意味ではないのでありまして、決して公的のものではないのでありまして、大体こういう勧告ならば、一応言った方も受ける方も改善したい、こういう勧告は、もらうと非常にけっこうだという場合もございます。そういう勧告はもらって、そういう議論もうちの内部にもあるけれども、今直ちにということは、いいことだけれども、なかなか時日がかかるけれども、というような意見もございます。それは、どこまでも内部的なあれですから、やはり勧告と申しますのは、従来の形式は、次長の名前で事務次官に公式に通達しておるので、ですから、そういう公式なことは、やはりそれをやる準備手段として、われわれの勧告がそう独断ではないと、相手官庁も相当その勧告について慎重検討する意思があるということを一応確かめまして、公式に勧告しております。
#29
○竹下豐次君 勧告は、長官から相手の大臣あてに勧告されるわけじゃないのですか。
#30
○説明員(岡松進次郎君) これは、従来の取扱いも、依命通牒の形でやっておりますが、しかし最近は、国鉄のごとき、あるいは重要な項目につきましては、建前は大臣から大臣でございます。大臣から大臣に勧告する場合もある、また現河野大臣になりましてから、なるべく大臣でやった方がいいんじゃないかというような御意見もありまして、しかし、これはやはり一つの形のございますものですから、全部が全部、大臣から大臣という取扱い方にはいたしておりませんけれども……。
#31
○竹下豐次君 それから、下相談されるときに、事柄にもよりましょうけれども、大体部長、あなたの方でいうと部長なり次長、それから省あたりの次官あたりに相談されるんですか。あるいは局長、あるいは課長と課長との話し合いで勧告するというようなことまで運ばれるんですか。
#32
○説明員(岡松進次郎君) 大体私の方には、私の下に五人の審議官というのがございます。これが大体業務の――私の責任でございますけれども、業務の実際の担当をやっております。大体各省の経歴から申しましたならば局長級でございます。それと私も加わりまして、また審議官がかしらになる場合もございます。大体向うの局長級と話し合っております。
#33
○竹下豐次君 今度ほかのことをお尋ねしたいんですが、ずっと前から、監察制度について問題になっておる点があるんですが、受ける方の立場からみると、方々から同じようなことを監察されて困る。ことに会計検査院と監察部とが重複する場合がありまして、そのほか大蔵省とかほかの官庁と、七つも八つも重なるようなことがある。これを何とかしてもらいたいという声が非常に強かったのです。その点は、それはなるほどそうだと、だから、できるだけそれをそういうことのないように気をつけていかなければならないということは、数年前からあなたの方でもお考えになっておったことかと思います。それが何かいいお知恵が出て、近ごろはよく運営されることになっておるのかとも思っておりますけれども、離れておるのでわかりませんので、その点を一つ御答弁願いたい。
#34
○説明員(岡松進次郎君) これは、二つの問題があると思うのでございますが、一つは、現在監察、監査という機構といたしましては、私の方と大蔵省の財務局、それから、会計検査院は別の機関でございますけれども、一応そういう対象に入る。それから、各省にやはり各省の権限で自分の仕事を反省していく、自体監察というものが、監察といっていいかどうか別問題といたしましてございます。それから、まあ監察というふうに一般に言われておりますが、たとえば、建設省に例をとりますと、何か竣工検査で係員が行く。あるいは災害がありましたときに査定に行く。建設省のごときは、中央にそういう補助金の権限がございますから、査定も中央でやりますし、それから竣工検査も中央から行く。こういうものは監察とか監査ではないが、相手官庁にはやはり何か審査を受けるという感じで、そういうものを全部監察、監査といいますと、これは非常に多いのでございますが、これは各官庁がございます。しかし、純粋に監察とか監査というふうに限定いたしますれば、今言ったように、まあ大蔵省の財務局の監察、行政管理庁の監察ということに政府部内ではなることになります。政府部外では会計検査院、こういうことになります。財務局とわれわれの方とは以前から部内でございますし、いろいろ話し合いました。最近も主計局長と私の方と懇談いたしまして、まあ機構の問題は、今どうということにいきません。ただ問題は、なるべく同一対象なり、まあ計画も、同じことを同時にやるというような無理なことは避けたいということが一つ。それから問題になりますのは、ある市なり町村、まあ町村に同じ時期に別の機関が行くということが一番問題の焦点ではないか。そこで、なるべく同じ対象を避けて行くということに努めているわけです。会計検査院は、これは政府部外の機関でございまして、そういうふうな部内機関のようなわけには参りませんし、もともと目的も違っておるわけでございますけれども、しかし、必ずしも会計検査院が行った同一市町村にわれわれの方が行かなくっちゃならぬということもないわけでございます。また、会計検査院としても、それは、どうしても必要で、問題があるという調査は別といたしまして、全国相当数の町村の一部分に行くわけでございますから、なるべく対象を重複しないと、事柄のことは、まあこれは権限としてやることでございますが、その事柄によって行く町村で、きのうはあっちが来たが、あしたはこっちが来るといったようなことは避けて、また、ほかの町村でも資料を得られるというような場合は重複を避けるというようなことは、常々話し合っておるわけでございます。その点十分ではございませんが、大体そういう気運に進めるように、われわれの方も努力しておるわけであります。
#35
○竹下豐次君 なお、ほかの省から調査をやられますね。その場合に一々、私の方は何月の何日からあそこに何を調査するつもりだということを、ほかの省に御通知になるのも大へんなことでございましょうしね。しかし、何ら連絡の方法がないと、ほかの省との関係がやはり重複することになるのじゃないかと思いますが、見ておって、どうもあそこは今大蔵省でやっておるからして、こっちの方は遠慮しようという程度のことなんでしょうか。あらかじめある程度の打ち合せをして、一応はあの鉄道の方は私の方でいつごろからやるということをお知らせになって、関係のところに……、で着手されるということになるのでしょうか。その間の連絡はどういうことになりますか。
#36
○説明員(岡松進次郎君) 今までの経験によりますと、調査項目が同一時期に非常にダブったといったような例は非常に少なかったわけでございます。そういう際は、一応日にちをずらすといったようなことを現に財務局とも協定してやっております。ただ、その調査項目は、やはり独自にきめる点もございますので、必ずしもうまく調査項目が全然別のものを調べるというふうな調整は、なかなか実際問題としてできない。しかし、同一時期に同一項目で同じ町に行くというようなことは避けなければならない。しかし、そういう例は割合少いのでございます。まああった場合もございます。結局やはり時期をずらしても、たとえば夏に財務局がA村に行ったと、この秋に、同じ項目ではないけれども、やはり調査上似たような項目で行くという場合に、そのA村に行かずに、B村に行くといったようなことが、非常に理想的に行けばいいわけでございます。そういうふうな、対象を避けるといった点も考慮しておるわけでございます。
#37
○竹下豐次君 私の質問は少し古いのですけれども、もう二年も前の話だから……。一番いやがられたのは、統計を作るにしても、同じ種類のものが大蔵省からも来る、あなたの方からも来る、ほかの省からも行くといったようなことで、しかも、同じ統計だったら少し余分に作ったらいいはずだけれども、形が違って、これが一番困ると、それから受付の応待する時間だって大へんなことになって、何時間とかいう時間数を聞かされたこともありましたがそれは忘れましたが、非常にその調整ということは、私はむずかしいことだろうと、その当時から思っておりましたが、何とかいいお知恵がその後出たんじゃないかと思って、実はお尋ねしているわけなんです。大体しかしお話で、現在おやりになっていることがわかりましたから、またこの後、機会がありましたら伺うことにして、今日はこの程度にいたします。
#38
○上原正吉君 ちょっと一言お尋ねしたいのですが、行政管理庁で監察をなさる場合に、経費の浪費とか冗費とか、これが対象になるのは大へんもっともで、けっこうだと思うのですが、措置の当とか不当とかというような問題です、たとえば外貨の割当だとか、あるいは許可だとか認可だとか、こういうものの当、不当というふうなものは、会計検査院の検査対象にもならないようですし、願わくは管理庁で監察をやってほしいとわれわれは思うのですが、そういうこともやっておいででございますか。
#39
○説明員(岡松進次郎君) もちろんやっております。
#40
○上原正吉君 それから、たとえば調達などの場合、物資購入などの場合、それぞれの役所にそれぞれの規格の定めがありまして、厳重な検査をして、規格に合格したものを納入させる、こういうようなことをやっておるようですが、これがときに、とうてい誰が作っても合格し得ないような厳重な規格を作って置いて、そうしてある業者が製品を納入するとその規格にパスするが、それ以外の業者は容易に合格し得ない、もともと合格し得ないような厳重な規格が設けられてあるというふうな疑いがなきにしもあらずなんですが、こういうような実例か何かに逢着したことがおありでしょうか、どうでしょうか。
#41
○説明員(岡松進次郎君) 現在まで、調達業務につきましては、主として現在の防衛庁の前身、保安庁でしたかの時代に一度やりました。実はこの計画にもありますように、来年――今、準備監察といいますか、準備的な下調べをやりまして、来年度から防衛庁をやりたいと思っておりますが、主として調達監察、以前の調達観察につきましては、相当問題がありましたけれども、御指摘のような趣旨につきましては、あるいは調査不十分であったかもしれませんが、以前の調査としましては、そういう面は監察面に現われておりませんが、今後はそういうようなこともあるいはあるかと存じますので、今後の調査については、そういう点も十分考慮して調査したいと、こういうふうに考えております。
#42
○上原正吉君 これは希望でございまして、御答弁はいただかなくてもけっこうなんですが、どうぞ政府部内の助言機関として、管理庁が十分存在を発揮していただくためには、どうかその官庁の当とか不当とか、これを一つなるべくたくさん取り上げて、政府の施政が国民の信頼を失うことのないように一つ努力するように、切に希望する次第でございます。
#43
○竹下豐次君 本日すぐお答えいただかないでもいいんですが、なるべくならば、書いたものをいただけたらけっこうだと思いますが、前の行政整理で、特別退職金というようなものが出ましたですね、その関係で、非常にたくさんな、普通の場合よりもよけいな支出があっているわけですが、それは人員を整理する手段として、やむを得ない方法であったということもわかっているわけです。一方、人員整理ということは、予算の節約ということになるわけだと思います、それが全部じゃありませんが。それで、まとまって大きい金を出した。それが決行されてから二年ばかりたちますが、その間の収支の関係は、どれだけの利益があったか、つまり人員との関係、人がうんと減らされたということになると、その方の俸給は減るわけです。退職金は、特別の退職金だから、うんとふえた。差引勘定はどういうことになっておりますか。つまり行政整理が、予算面から見た整理になるかどうかという点が知りたいのであります。これは、数字をお出しになることはむずかしいことかと思いますが、何か資料がありましたら。
#44
○政府委員(岡部史郎君) 竹下委員のお尋ねの点につきましては、資料的にできるだけ早く提出いたしたいと思いますが、私の記憶いたしておりまするところでは、二十九年度にこの前の行政整理が始まりまして、その際におきまして、その年の予算に及ぼす影響につきましては、整理によりまして人件費が減る、その分だけ整理退職に伴う十割増しの特別手当を出しまして、それで初年度においてはとんとんでございまするが、その後の年度におきましては、減った分だけ人件費が減るという計算に相なっているわけでございます。ただ、その後また、業務量の増加によりまして、たとえて申しますれば、郵政省関係におきましては、年々四千人ぐらいの人員増加もございまするが、そういう点が相殺されていくわけでございまするが、筋道はそういうことになっておりますので、資料のでき次第提出いたします。
#45
○竹下豐次君 結局これは、特別の手当を出した、そのときには予算が予想外にふえた、人を減らした、それで減ったあとがぐんとふえるのも必要やむを得ないことと思いますが、また、補っていくということになると、何のための特別退職手当かわからなくなる。まだそれが実行されてからそう年数がたちませんので、その成績を今から出していただいても、それを最後の判断の資料にするにはちょっと不十分だと思いますが、私の聞きたいのは、そこのところを聞きたいと思うのです。
#46
○政府委員(岡部史郎君) 重ねてお答え申し上げますが、この前の行政整理は、二十九、三十両年度で六割、四割の割合でやっておりますので、お話の通り、まだそれの結果は出てこない、それからまた、新しい業務量に伴いまして、人員もふえて参っているわけでございまして、これは、年々やむを得ない業務量に伴いまして人がふえるのは、これは認めていかなければならぬじゃなかろうか。来年度におきましても、極力人員の増加は抑制したい、こう思っておりますが、これも、ある程度業務量に見合う定員の増加ということもあり得るのじゃないか、これはまた、定員法の改正につきまして、御審議をいただくことになっております。ただ、そういう整理をして、人員を抑制するという努力を一方に払い、必要な定員を確保していく、こういう考えでおりますので、御了承いただきたいと思います。
#47
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#48
○委員長(亀田得治君) 速記を始めて。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
   ――――・――――
   午後一時四十九分開会
#49
○委員長(亀田得治君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一〇号)を議題に供します。まず、政府から提案理由の説明をお願いいたします。
#50
○政府委員(田中榮一君) ただいま議題となりました、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
 国家公務員の給与に関する本年七月十六日付の人事院勧告につきましては、これを尊重する方針のもとに政府において鋭意検討中でありますが、その内容においてなお考究を要するものがあり、かつ、多額の経費を必要とするため、早急に結論を得ることは困難な状況にあります。
 しかしながら、同勧告中の「毎年三月に俸給、扶養手当及び勤務地手当の月額の合計額の〇・一五月分に相当する特別手当を支給するものとする。」との点につきましては、勧告の趣旨にかんがみ、すみやかにその趣旨を達成することが適当であるとの結論に達した次第であります。ただし、勧告どおりに特別手当という新しい手当を創設いたしますことは、給与体系をますます複雑にするおそれがありますので、むしろ、既存の臨時給与を増額することによりその趣旨を実現することがより適当であると考えるのであります。
 以上の理由により、この際、国家公務員に十二月十五日に支給する期末手当の額を〇・一五月分増額することといたしました。
 なお、本改正法律案により増額されることとなる部分の本年十二月における支給につきましては、各庁の長が既定人件費の節約等によりまかない得る範囲内で定める割合により支給することといたしました。
 以上が本法律案を提案する理由並びに内容の概略であります。
 何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#51
○委員長(亀田得治君) 本法律案に対して御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#52
○永岡光治君 今の説明で、人事院から勧告されております、給与体系を含むいわゆる基本給の改訂の問題ですが、これは困難だからという理由でありますが、これは、いつごろ大体結論をお出しになる見込みですか。
#53
○政府委員(田中榮一君) 本件につきましては、先般私からも御説明申し上げた通りでありまして、非常に内容が広範でございまして、また、技術的に非常に検討が複雑でございまして、かような関係から、現在も作業を進めております。従いまして、残念ながら臨時国会中にはこの検討は終了いたしませんでしたけれども、来たるべき通常国会中には、何らかの結論を出さねばならないというような立場におきまして、政府といたしましても、誠意をもって鋭意検討をいたしておる次第でございます。
#54
○永岡光治君 通常国会中には何らかの結論を出さなければならない、そういうようなことで検討しておるということでありますが、通常国会中に出されるということになると、大へんおそくなるわけです。私はこの前、倉石労働大臣の答弁の中で、この臨時国会中に結論を出すように、目途としてやっておる、こういう話でした。今の御答弁とえらい食い違いがあるわけですが、それではちょっと間に合いそうにもない印象を受けるわけですが、どうですか、この十二月中に結論を出すぐらいの目途で努力をされていないのですか。
#55
○政府委員(田中榮一君) おそらく私は、倉石労働大臣も、この給与体系の基本的な検討につきましては、前から非常に急いでおりまして、なるべく早く、一つ急速に作業を終了するようにというようなお話がございまして、現在内閣の方におきましても、作業を取り進めておるような次第でございまして、当時、倉石労働大臣といたしましても、あるいは臨時国会中と言ったかどうか、私は存じませんが、可及的すみやかにという気持でお答えをしたのではないかと考えておりますので、臨時国会中にできなかったことは、まことに申しわけないのでありまするが、この検討が非常に、先ほど申しました通り、複雑多岐にわたっておりまするので、なるべく慎重に、また正確に検討を必要といたしますので、さような関係から、やむを得ず今日おくれておるわけでございますので、政府としましては、すみやかに検討を終るように努力いたしておりますので、この点一つ御了承願いたいと思うわけであります。
#56
○永岡光治君 まあすみやかにという、そのニュアンスをどう受け取るかという問題でしょうけれども、今の御答弁によりますと、やはり通常国会中に結論を出すというのでは、これは、今度の予算がいつ国会に提案されるかわかりませんが、例年の例を引用するならば、大体一月の末提案される慣例になっております。従いまして、その間それまでには十分これは用意しなければならぬ問題だと思うのですが、それには当然間に合うと解釈しているのでしょうか。
#57
○政府委員(田中榮一君) ただいまの御質問に対しまして、政府としましては、当然これは、通常国会中に検討すると申しますのは、予算編成の時期までにできれば作業を完成いたしまして、大蔵省と予算的の折衝もはかりたいと実は考えておるのであります。まあできればその予算編成時期とにらみ合せまして、何とかこの給与体系の整備だけは一つ完成いたしたいと、こういうような気持で、現在検討を加えておるような次第でございます。
#58
○永岡光治君 これはもう当然……、今の御説明の中でも触れておられますように、三月期の特別手当を繰り上げ支給されたと、こう言われておりますが、これは、いずれあとでたださなければならぬと思っておりますが、こういう問題については、人件費等の差し繰りでやれ、こういう考えでおるやに承わっておるのでありますが、私たちが従来の状況から考えて、たとえば定期昇給も完全に行われていないという現在の状況から考えて、当然これは補正予算を組むべきものと解釈をしているわけであります。特にあなたの方から出されましたこれは、あれですか、閣議決定案で見てみますと、「既定人件費の節約等により捻出するものとし、これがための補正予算措置は講じないものとする。」ということを最初は考えておったが、これは墨で抹消されておるわけでありますから、当然これは、補正予算は組むものと解釈せざるを得ないわけでありまして、そういう点から考えましても、やはりこの年度内の補正ということは当然問題になるわけでありますから、給与改訂は、ぜひこれは年度内にやってもらいたいというのが私たちの強い主張であるわけです。こういう観点からいたしますと、ぜがひでもこれはこの通常国会の予算を提出するまでに給与改訂については基本給の訂改についての結論を出して、そこに間に合うようにしなきゃならぬと、こう思うわけですから、ぜひそういう目途で最大の努力をして実現を期してもらいたいと思うのです。これは要望いたしておきます。
 それからこれと関連して次の問題にいたしますが、基本給の改訂についてでありますが、給与体系の問題は、これもこの委員会でしばしば私たちの意見を申し上げておりますように、この体系では、将来にわたりますと不利になる、こういう考えを持っておりますので、この体系についても十分考慮してもらわなきゃならぬ。特にこのやはり同じ給与改訂するならば、公務員が喜んで働けるものをやった方がいいんじゃないか、いやいやながらもらう給与よりは、同じ金を出すならば、やはり喜んでいただける体係が一番いいんじゃないか、これが能力を増進するゆえんでもあるということで、その体係もぜひこれは変えてもらいたいということを、第二の要望として申し上げておきます。
 第三点は、これは質問になるわけでありますが、御承知の通り三公社五現業、特にこの三公社関係の給与改訂につきましては、ことしの三月に調停案が出されまして、それぞれ国鉄なり、電々なり、あるいは専売なり、あるいはまた郵政職員なり等で、団体交渉を進めておるようでありまするが、承われば一部のある組合では解決を見たように承わっております。そういうことになりますれば、私は当然一般公務員の場合でも、とにかく人事院の勧告の趣旨というのは、一般の民間の組合であるとか、あるいは三公社五現業等を検討した結果、一一%の開きがあるという、こういう結論に基いて今度の給与改訂の勧告を行われた趣旨から考えましても、当然年度内の実施ということは考えなきゃならぬ。これはもう既定の事実です。そういうわけでありますから、ぜひこれも年度内に実施しなければならぬと思うのですが、そういう場合でもなおかつ政府はこれを行わないという考えを持っておるのかどうか、その点お尋ねいたしたいと思います。年度内実施をですね。
#59
○政府委員(田中榮一君) 現在のところ実施時期につきましてはまだはっきりきめておりません。年度内であるか、四月以降になるか、その点はまだはっきりきまっていないのでありまするが、ただ実際の現在の作業の進捗状況とか、それからまたいろいろ財源関係とか、財政上の事由とか、そういった関係から勘案いたしますると、年度内の実施ということが非常に困難な事情があるようにも考えられるわけでございまして、政府としましては、できるだけ、先ほど申しました通りに最善の努力をいたしまして、一日も早くこれが実現できるように最善の努力をいたしたいと考えておるわけであります。
#60
○永岡光治君 この点は特に大切な問題でありますので、重ねてこれはお願いを含めて強い要望をするわけでありますが、御承知の通り、この勧告が出されたその理由とするところは、大きな開きがあるということと、それから二十九年一月以来改訂されていない、しかも七月に勧告されましても依然として支給されずに、これが三月期の特別手当を政府の方では年内に繰り上げてという御趣旨でこういう年末手当を改正して増額する、こういうような方針をとっておるようでありますが、これは公務員にとって、今お話によれば、基本給の改訂についてはいろいろ資料を検討しておると、すみやかにという精神であるが努力しているということでありますが、いずれにしても、勧告をされて、かりに年度内実施されましても一月からですから、七月から十二月までの間というのは、かなり期間があるわけです。資料がよく検討できないという、そういう政府側の責任のゆえに公務員の給与改訂がおくれるということは、何としても公務員としてはあきらめきれない大きな不満を持っておると思うのであります。そういう意味からいたしまして権衡をとるという考えをもちまして、何とかして年度内実施ということはぜひ行なっていただきたい。とりわけ勧告は、御承知の通り一連の勧告になっている。基本給の改訂と、年度末手当、こういうことでやったわけです。それを切り離して、あとはどうでもいいのだということにはならないと思う。その人事院の精神を、三月は気の毒だから十二月という気持でありますから、私はこれは年度内に実施さるべきものと思っておりますので、ぜひこの予算の編成に当りましては、政府におきましても万難を排して年度内に実施するように、最大級の一つ努力をしてもらいたいことを、特に要望いたしておきます。それでそういう要望についての一つもう一度所信をお伺いいたしたいと思うのです。
#61
○政府委員(田中榮一君) 先ほど申し述べましたごとくに、政府といたしましては、もう最善の努力をして可及的すみやかにという方針で現在検討を加えておりまするので、時期等につきましては、今ここで一月一日からか四月一日から実施になるかということは、ここで明言をいたすことは困難でございますが、一つ政府としましても可及的すみやかに実施するという方針でありますから、その点で一応御了承願いたいと思うのであります。
#62
○秋山長造君 その点、今永岡君の質問に関連してお尋ねするのですが、いつから実施するのだといわれれば、やはり責任ある当局としては、それはその時期ははっきりできないとおっしゃるのは、これはわかるのですけれども、しかしそれにしても、人事院勧告が夏出て、それでそれ以来鋭意検討中だ検討中だと、すみやかに成案を得てという答弁を何回となく繰り返しこの委員会で承わってきておる。そこでいつから実施するというほど固まったお考えは伺えないにしても、大体人事院の勧告を検討するなら検討するで、大体いつごろまでに検討を終るのか、いつごろまでにそれに基いての作業を終るという一つの目標というか、めど、目途というものはあるはずなんですね。その目途、たとえば一月からとか、二月くらいに終りたいという目途がある、それからかりにそれがないにしても、せめて大きく分けて、年度内には何とかこぎつけたいとか、あるいは実施はおそらく翌年度からだろうとかいうくらいな、大ざっぱな目途だけでもこれは承われればいいと思うのですが、その点はどうですか。
#63
○政府委員(田中榮一君) この給与体系の改善につきましては、先ほどもお話の通りに、予算編成と並行して参っておりますので、大ざっぱに申し上げますと、予算編成が終る、予算が組み立てられる時期までに、その前に、給与体系の人事院勧告の内容の検討は終らねばならぬと思っております。大体めどとしましては、予算編成が全部終了する、予算編成ができるという前までにこの検討は一応終了をすべきであろうと、それによってこれを予算にどう編成していくかということになるであろうと、こう私どもとしては考えております。
#64
○永岡光治君 この年末手当の問題について、これは改正案が出されておりますが、人事院勧告は、三月十五日に特別手当を出せと、しかしそれは政府の方ではおもしろくない、こういうのですが、それでは勧告を尊重したことにならぬじゃないですか。どこまでも公務員は年末の手当は二カ月分下さいと、年度末は年度末でそれぞれ三公社五現業にも出ているわけでありますから、当然それとの見合いで私は勧告が出たものと解するわけです。ですからこれをすりかえられたんでは、単なる時期が繰り上っただけというのでは、誠意というものがあまりにも誠意にならぬと思うのですね。これはどうかそういうことのないようにしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうかね。
#65
○政府委員(田中榮一君) この人事院の勧告の内容は、御案内のように、年度末手当、いわゆる特別手当の支給、新たな手当を、年度末手当をここに創設しまして、それで一般国家公務員に支給してもらいたいという、こういう勧告の内容になっております。そこで、先ほど提案理由に申し上げましたように、年度末手当という特別手当をここに新たに設定しまして支給するということは、もちろん国家公務員の給与改善にはなると思うのでありまするが、ただ新しい手当をここに新設するということは、現在の政府の方針としまして、これはちょっと採用できがたい問題であります。それからまた一般にもし政府がこうした新しい年度末手当というものを創設したとした場合において、これは直ちに民間の給与にも非常に影響を来たすことも考えられるのでありますから、そういうような関係から、名を捨てて実を取るという意味におきまして年度末手当というものを年末に繰り上げて、そして年末の手当、いわゆる期末手当に対する〇・一五の増額をしてこれを支給すると、こうした方が政府の給与体系をくずさないで済むわけでありますから、そういうような措置をとったわけであります。
#66
○委員長(亀田得治君) 基本的な問題もあるのですが、地方公務員の関係、自治庁長官は予算委員会にも行かなければならないので、だからできたらそっちの方を先にやって下さい。
#67
○伊藤顕道君 長官の方へお伺いしますが、御承知のように、地方財政は二十九年のころから特に深刻になってきたと思うのですが、現在ますますそういう傾向にあると思うのですね。そこで、各都府県の公務員の既得権である昇給昇格するあるいはストップ、あるいは遅延と、そういう苦しい状況にあるわけですね。そういう情勢の中で、ここにありますように既定経費の節約ということは、言うべくしてなかなか実際には行えないということは、長官もよく御承知だろうと思います。にもかかわらず、こういう困難な情勢の中で、あえてこの既定経費の節約、万やむを得ない場合には短期融資と、そういうようなことがここにうたってあるのですけれども、これについて果してこういう困難な情勢下でこういうことができるかどうかということを、どういうふうにお考えか、その点をはっきりお伺いしたい。
#68
○国務大臣(太田正孝君) お答え申し上げます。地方財政が非常に窮屈な状況にあるということはお示しの通りで、昇給をストップしたり、あるいは払えない状況とか、そういうようなのは御承知の通りでございます。だいぶ世間に誤解もありまして、地方財政が少し持ち直したといいますか、三十年度の決算におきましても赤字の増加は鈍くなったというけれども、赤字はふえております。ただ足取りが鈍くなったという程度であります。これは一般的の地方財政の状況を御判断願える一つの資料と思いますが、しからば今回の年末手当をふやすことについてどうするか、これは財政の法則としまして国にならっていくわけでございますし、地方財政と申しましても非常に大きさと種類がたくさんあるのでございます。再建団体もあれば、自主的再建団体もあれば、再建団体というのはもともと赤字でございますが、これは県を言ってもよろしゅうございますが、兵庫県なんか非常に金が入ってきている、そうかと思うと東北六県なんかは財源なんかは非常に苦しい、つまり、ばらばらだということは言い得るのです。で、財政の法則としまして、こういう場合に国家が始末をしろというならば、それはやはり探すことは探さにゃならぬと思います。だから、節約という問題を除く必要はないと思います。あるべき所もあるのでございまして、非常に豊富な県もございます。だが、一応そういう意味は節約ということを一応の建前でやります。節約でやれないじゃないかと、こういう面は御指摘の通りであります。それをどうするかと、こういう問題につきましては、閣議におきまして私は言ったんですが、内閣も変ろうというようなときに、いいかげんにしておくことはいけない。政治道徳上悪いことである。やるという以上は出さなければならぬ問題になってくる。昨年末についての手当につきまして、本年二月であったと記憶いたしますが、その出した金の始末をいたしました。さしあたりの金の融通ということは、融通にすぎませんので、結局何々県でどれだけ出すかということは、結局足らぬ場合にどうするかという問題が一番基本かと思います。それは国の方で全体としてめんどうを見ていかなければならぬ、このことは実は国の方にもあるのでございまして、防衛庁のごとき、あるいは法務省の何というのですか、検察官の費用とかいうようなものは、やはりこれは足らないのでございます。これも始末ということは融通、結局足らなかったらどうなるか、同じ問題でございますが、こういう点につきまして、最後のめんどうはやはり見ていかなければならぬというのが昨日の閣議の決定でございます。それにどれだけあってどれだけになるかということは、節約問題とからんでおりますし、今のところで数字を出すことはできませんが、その処理をどうしていくかということにつきまして最後のめどは財務当局において考えるよりほかはない、こういう状況でございます。
#69
○伊藤顕道君 大体方向はわかったのですが、さてそういう既定経費の節約を多少できる県もあるというようなお話ですがね、おそらく大部分は困難だと思うのであります。そこで、もし既定経費の節約でまかなえない場合、それが大部分だと思いますが、そういう場合に、趣旨としてはわかったのですけれども、それじゃ具体的にどういう方法で、たとえば通常国会で予算の補正をするとか、あるいは新年度において方法を具体的に講ずるとか、そういうような点、具体的に承わりたいのですがね。
#70
○国務大臣(太田正孝君) これは主として財務当局の大蔵省関係の問題になりますが、今言われました補正ということは、この臨時国会でやらぬことははっきりいたしております。それまでの間にどうなっていくかということにつきましては、一般的の問題として考えなければなりませんので、補正とはっきりきめるということも大蔵省としてはできないだろうと思います。昨年はとにかく地方財政につきましては法人税のはね返りがありましたし、あるいは入場税の関係がございまして、確か二十億ぐらいのものを埋めて参りました。埋めるというのはこれは二月一ぱいにやらなければなりません。地方でやる場合には特別交付金で通していくことになりますので、そんな関係がありまして、今ここではっきりどういう手段ということは申し上げられませんが、必ず出すようにするということだけは閣議で決定いたしたわけでございます。どういう方法、すなわち補正にするかどうかということは、これは財務当局が口を切るべき問題で、私から申し上げることはできませんが、そういう場合もあることと思います。
#71
○伊藤顕道君 それで、義務教育費国庫負担の面が大体およそ八億ぐらいになると思いますね、地方の負担が大体三十一億四千万ですか、大体約三十一億になると思うんですがね、今回の〇・一五で……、これは大蔵省の方から伺ったんですがね。そういうふうになりますと、今の点がはっきりしていないと、地方では非常に実施ができないと思うんですね。そういう措置についてどういうふうにお考えですか。
#72
○国務大臣(太田正孝君) 今の数字でございますが、義務教育八億その通りでございます。国庫負担分と私ども言っております、それ以外の分もございますので、まあとにかく国庫の負担となる分が八億です。それから地方団体の方では交付団体と不交付団体がございまして、二十二億というのがまあ正確な私どもの数字でございます。あわせて三十億の金の問題です。不交付団体の方には、たとえばあまりまじかなことを言って何ですが、東京などは非常な金がございますのでこういうことは問題でございませんのですが、二十二億の八億、あわせて三十億、もうちょっと端が出ておりますれども、大体三十億でございます。その金をどうしていくか、義務教育費の方は国の方でめんどうを見る。府県はどこも出どこがございませんので結局二十二億の方が問題になるのですが、地方公務員と申しまするが、これは地方自治体で自主的に処理すべき問題でございまして、その中には今申しました地方公務員法によってやるものと、それから教育公務員法によってやるものと、警察法でやるものと、みんな取り扱ってるわけでございます。いわば同じ屋根の下にあって、片方をやって片方をやらぬというわけにはいきませんし、公平の原則からいってもいけない。ましてや法律では国家公務員法にならってやれ、ということが書いてあり、われわれは期待しているわけですが、その意味におきまして足らざるところを考えて行かなければならぬ。先ほど一番問題になりました再建団体という問題がございますが、再建団体にも非常に財源の豊富になるべきところもございますが、これは実は少いのでございます。東北初めみんな悪いのでございます。昨年の例をとって申し上げましても大へんおくれましたが一応片づきました。地方で府県で申しますと、長崎、鹿児島、新潟が年末手当がおくれましたが片づきました。市町村の関係では大まかな数字でございますが、市の方が四百以上、町村の方が三千以上年末手当を去年に片づけまして、残った大部分のものが、ついこの間、片づいたと私は報告を受けております。それをどうやってやったかということは、先ほど言ったような手段をとりまして、あるいは税の問題を考えるとか、だいぶ金は入ってきてるわけなんでございます。国の方の国税の方が入ると同じように、地方税関係においてもやはり余裕が出てくるわけであります。いわんや三税の関係のことを考えてみますと、そういう点も考えられます。何としても出すことにつきましては十分な注意を払って目的を達するようにしたい。またそのめどができなければ地方も出さぬということも、これもごもっともでございます。手続に関することですが、法律がきまりますれば、すぐこの主意を地方に渡すつもりでございます。
 それから再建団体につきましては、実は計画を変えなければならないようになります。これだけふえただけ計画を変えなければならない。計画を変えるときには、自治庁長官の承認ということになっておりますが、しかし年末が迫っておりますし、うっちゃっておくわけにはいきませんから、法文の中にも災害その他やむを得ない場合には事後承諾でいい、ということになっておりますから、手続におきましても、再建団体を除外しないように、その目的を達するようにやって行きたい、こう考えております。
#73
○伊藤顕道君 長官の公平の原則ということはよく尊重せられていることはわかりました。そこで国家公務員については例年の例で大体十二月十五日を目途として間違いない、問題ないというふうに把握しておるのですが、それはあまり心配ないのですが、地方公務員の場合は、特に教育職員など大体二十五日で打ち切りになる。そういうことについては何とか国家公務員も地方公務員も公平の原則の上に立って、どうせ与えるものでしたら時期についても十分遺憾のないように措置を講じてもらいたいと思うのですが、その点については大丈夫でしょうか。
#74
○国務大臣(太田正孝君) 今伊藤さんの御心配になっておる点は私も心配しておる点で、法律が通りますればなるべく早く実行するようにして行きたいと、こう考えております。事務当局の方にもそのことはすぐにできるように用意をさしておるわけでございます。
#75
○伊藤顕道君 今の赤字のいわゆる再建団体については、短期融資等措置せられると思うのですが、それまではいいのですが、そのあと始末ですね、短期融資は説明するまでもなく早急にやはり地方の負担になって来るわけですから、そのあと始末についてたとえば、十分、一つ親心でこれを善処してやる、そういう働きかけが必要と思うのですが、その点についてどう……
#76
○国務大臣(太田正孝君) 先ほど申しましたように、借りたのは借りたで融通でございます。結局それはどうするというめどがつかないと、向うも踏み切れないわけです、その点につきまして私が申し上げましたように、どこまでも実行し得るような手段をとって行きたい、またすべきである、こういうように申し上げておきます。ただ国家と違いまして地方団体は自主的にこれをきめます、いろいろな団体の何がございますので、それを一にするということはこれはあり得ない。私どもこうなった場合にどうなるかということは、実行し得るように国家としてみて行かなければならぬ、こういうわけでございます。
#77
○伊藤顕道君 先ほどお話で一応筋はわかりましたけれども、ただこれだけではまだまだ不安定であって、今繰り返して申し上げるように、地方財政の窮状からなかなか県によっては脱落する県が出て来ると思う。こういう点に関して自治庁では特に地方行政の指導という面から、たとえば知事会議等招集して、各府県〇・一五の増額について遺憾なく実施のできるよう、そういうような措置を講じてもらうことが大へん好ましいと思うのですが、そういう点についていかようにお考えでしょうか。
#78
○国務大臣(太田正孝君) 先ほども申しましたように、法律の通ったあとで早くこれを実行するようにと、これが国家と同じような水準によく行くという期待は私ども持っておりますが、命令してやるということはこれは自主性からできないのでございますが、知事会等招集してと申しますか、連絡をとるということは、向うも条例を作らんならぬ関係もございますので果してできるかどうかわかりませんが、御期待に沿うような意味においての自治庁としての努力は十分いたしたい考えでおります。
#79
○伊藤顕道君 たとえば知事会等の招集は困難である、そういう情勢であるとすれば、通牒等により各地方が〇・一五の増額を容易にできるように、脱落の県がないような措置を講じていただきたいと思うのです。
#80
○国務大臣(太田正孝君) 詳しくこれはこうこうこうというような意味であるということを地方にすぐ通知するようにいたしておりまして、間違いないように期しております。
#81
○伊藤顕道君 その点一つしっかりやって下さい。
#82
○国務大臣(太田正孝君) よろしゅうございます。
#83
○秋山長造君 ただいまの地方に通牒を流されるというのは、具体的にあすの本会議でこれがきまると思います、十三日ですが、支給日は十五日になる。そうするとよほど敏速にやっていただかないと今までの経験からいうと、どうしても国家公務員と同時というわけにいかない。いかないばかりでない、去年あたりは歳末押し迫ってまで、すったもんだやっておるので、さらに地方によっては正月に持ち越し、さらに旧正月に持ち越すというわけで、やっと年度末に片がつくという状態なんです。今年だってその状態は一つも改善されていない。だからよほどこの行政指導というか、まあ主務者を集めてどうされるということも考えておられる、また文書によって直ちに通知をなされるということも考えておられると思うのですが、それらの具体的な点、たとえばあす国会を通過すれば、即日、あすの夜でも地方に通知をなされるか、あるいは電報でなされるか、あるいはあさってやるのか、そこら具体的なことを聞いておきたい。
#84
○国務大臣(太田正孝君) その点は非常に大切な点でございまして、実は地方の方もせっついて聞きに来ておりますし、支給の方法は十分とるつもりでございます。地方としては条例改正がもう一つあるのでありますから、そんな点からいたしまして、こっちも早くせい一ぱいに努力させるよう、今から努力するつもりであります。
#85
○秋山長造君 それはだいぶ前から予想されたことでもあるし、それから地方としても、だからその腹づもりでこっちが、中央が正式にきまるのを待っているという状態じゃないかと思うのですね。だからまあなるべく早くということより、さらに一歩進めていただいて即刻ぐらいにやはりいくように、担当大臣からいたされていただきたいと思いますが、いかがですか。
#86
○国務大臣(太田正孝君) 秋山委員の言われる通りでありますが、実は閣議できまったのはきのうでございまして、きのうの十一時ごろきまったわけでございまして、御趣意の点はできるだけ文字通りに実行いたすことにいたします。係の方へもしかるべく誠意をもってやるように言い伝えるつもりでございます。
#87
○秋山長造君 その点は一つくれぐれもただいまのお言葉の通りに、現政府の責任において一つきちっと始末をつけていただきたいと思います。
 それからさっき伊藤委員からちょっと質問が出ておりましたが、財源措置の問題ですね、短期融資ということは閣議決定でもはっきり謳われておるのですが、さらにただいまのお話で短期融資のあと始末については、法人税あるいは入場税等の自然増収を相当見込まれるので、後日特別交付税でみたい、こういう二段がまえの措置を考えられておる。それで大体この問題はまんべんなく、すべての地方公務員に行きわたるように適切に実施できる。こういう見通しを持っておられるはずだと思うのですが、その点をもう一度お伺いをしておきます。
#88
○国務大臣(太田正孝君) 秋山委員の問題は、実は先ほども申しましたようにこれは自主的に自治体が実行するのでございまして、本年につきましても大分おくれたりしたところもございます。けれども、われわれとしてはその意味で国家公務員に準じたようにいくべきことの期待を持っておるのでありまして、自主性を持って自治体がこれを実行するのでございますが、われわれとしてはそれができるように指導と申しますか、実行を期待しているわけでございます。
#89
○秋山長造君 それからもう一点ですね、学校教員の問題をちょっと伺っておきたいのですが、去年の閣議決定を見ますと、特に義務教育費国庫負担分の増領分については将来財源措置を講ずること、こういうふうに特に謳ってあったのですね。ところが今度の閣議決定を見ますと、そういう点には全然触れていられない。財源から考えると、去年は国庫負担分はちょうど十億だったのですね、ところが今年も大体八億ばかり。あまり額は違わないのですが、この点はどういう事情なんですか、去年とことしと何か事情が違うのですか。
#90
○国務大臣(太田正孝君) ごもっともなお話でございますが、それは当然なことでございまして、第一項の方にある国家公務員の場合にも先ほど申しました節約はしていくが、自衛隊であるとかあるいは法務省関係で足らぬ場合があるんじゃないかということもあるが、それも書いてないのでございます。第二項の方は地方公務員関係でございまして、義務教育費はこの前書いてありましたが、ないという意味は当然やるべきことでございまして、これは間違いございません。等というのはいろいろな場合を考えて等といたしたので、義務教育費は当然御心配なくこれはやりますからさよう御了承願いたいと思います。等と書いたときに一々それを書いていきますと大へんあるのでございます。でございますから去年あってことしがないという意味は実質的に違いはない、さよう御了承を願いたいと思います。
#91
○秋山長造君 ただこれを読んで見ると、最初の政府の原案には墨を入れないで、最初の原案には等ということがなくて、あとからペンでちょっと書き込んである、だからただこれはごろを合せるために等と書いた程度かと思っていたのですが、ただいまのお言葉を聞くと等というのはまことにその含む内容たるや広大無辺で、どうも重大なこれは字句のようですが、去年はこの点は、今おっしゃるように義務教育費の国庫負担分だから、これは書いても書かなくても当然で、法律できまっているのだが、きまっているにもかかわらず、去年はきまっていることをさらに文書に書いておられる。今度はそれを等というようなペンで書き込む程度で済ましておられるということは、これは多少気分的に不安を持つのじゃないかという気がしたからお尋ねしたのですが、ただいまの長官の御答弁でこれはよくわかりました。
#92
○委員長(亀田得治君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#93
○委員長(亀田得治君) 速記をつけて。
#94
○永岡光治君 先ほどこの年度末手当の問題について御答弁があったわけですが、これは年度末手当を設けるということは違法でも何でもない。形式的には別ですが、そうでない限りは当然だと思うし、やはりこれは人事院が勧告した趣旨もそういうところにあるのじゃないか。これは田中さんもかつて公務員であった経験もおありだと思いますが、私たちもその経験を持っているわけですが、で、御承知の通り戦時中ではありますけれども、年度末があり夏があり暮がありということでやはりもらっておって、運営の妙味を発揮されて非常に助かったものですよ。そういう趣旨もあって今日三公社五現業あたりが出ているのです、形はいろいろ違ったりいたしますが。だから人事院が年度末手当という制度をとられたということは、これはなかなかいい思いつきだ、思いつきというよりもなかなかいいことを考えたと思う。こういう人事院勧告の精神を尊重するというのだから、政府は必ず実行するのだと思いましたが、それはお話を聞けば、それは工合が悪いと言う、工合悪いことはない。ちっとも心配ない、年度末は年末の一ぺんでよろしいということはない。とてもじゃないが今日の民間の情勢は違う。よく二次産業が公務員と比較されますが、民間の二次産業と比べて大変な開きがある。この開きというものは大変なものです。だからそういう年度末をすりかえて、ただ時期を早めたのだということじゃなかなか私たちは納得ができないのです。それだけでは本当の誠意にならぬでしょう、三カ月繰り上げたというだけではありがたみはそう私はあるものじゃないと思います。この点は私たちは別個のものとして受け取らなければならないと思いますがどうですか。そういうことはもう一度検討してみるわけにはいきませんか、ぜひそうしてもらいたいと思います。新しい給与体系、給与関係を再検討しているということでありますが、その際ぜひ人事院勧告の年度末手当というものについてやはり再検討する必要があると思いまするが、その辺のところもすげない返事じゃなくて、十分これは誠意をもって検討してもらいたいと思いますがどうですか。
#95
○政府委員(田中榮一君) こういう手当式のものはお説のように多々ますます弁ずるで、何回も出した方がそれは公務員としては非常にいいと思いますが、現在の国家公務員の給与体系として手当式のものは、夏期手当とそれから年末手当の二つに一応限定されておりますので、従ってまたここに新たに手当を設けるということは、手当制度の全体の体系をくずしていくような関係にもなりまするし、いろいろ国家財政の関係から申しましても、新しく手当を設けるということは非常に大きな問題で財政上の負担にもなってくるわけであります。将来はこれは別といたしまして、現状から考えますると、年度末手当をここに新たに設けるということは、ちょっと政府として賛成いたしかねる問題なのでありますから、この点は一つ御了承願いたいと思います。
#96
○永岡光治君 考えは考えとしてお聞きしたんですが、これではあまり政府は何もやっていないというても差しつかえないくらいのものですよ。ただ三月のものを十二月に繰り上げたんだ、あとは何も政府は努力していないんだということになれば、これは私は、国家公務員は実に落胆すると思うのですがね。これは一つ将来の課題として残しておいてもらいたいと思う。三十二年度の予算の問題もありましょうが、給与全体についての検討の際の検討の対象にはぜひ一つ残しておいてもらいたいと思うのですよ。ぜひ一つそのくらいのことは、そう木で鼻をくくったような返事しなくてもいいでしょう、当然これは人事院の精神を考えてもですね。
#97
○政府委員(田中榮一君) 人事院の勧告の内容にはこういうことがうたわれておりますので、もちろん、人事院の勧告の内容全体を検討いたしまする際には、この点につきましても検討はいたしたいと思っておりますが、ただ現実の問題としまして、今直ちにこれをどうするかということにつきましては、政府といたしましては新たに設けるということ、新設するということにつきましては一応反対であるという意見を申し上げておきたいと思います。検討は十分いたしたいと思っております。
#98
○伊藤顕道君 今の問題に連関して、御承知のように、十二月に入ってからだいぶ官公労を初めとしていろいろ労働組合運動が熾烈に、盛んになってきておるわけです。ところが反面民間の面を見ますと、証券会社などは本俸の六カ月分、まあこれは論外といたしましても、炭労を初めとして民間の面は戦後最大のような要求がほとんどストなどなしに簡単に解決しておるのですね。ところが官公労から出しておる一人二千円というのは決して根拠のないことでない点はおわかりだろうと思います。人事院の数字をもってしても、民間との差額でそれよりもずっと下回った額であることも御了解いただけると思う。また人事院の勧告にしても俸給表の改訂と特別手当と、これもずいぶんつつましやかな勧告であろうと思うのです。三年ぶりにやったのがこんな程度である。ところが一方労働組合運動に対しては、先日ああいうようにスト規制法が強行されて実施するという運びになりますし、またいろいろの労働組合運動に対していろいろな形で官憲の季当弾圧がある。そういうふうに与えるものは与えないで一方弾圧だけは実際にやっておる。そういう意味に私ども把握しておるのですが、そういうことをもあわせ考えていただいて、何とか今永岡さんの言われたことにも関連をもって一つ人事院の勧告の後半ですね、俸給表の改訂、こういう点について十分、私どもはどこまでも二千円でお願いしておるわけですから、そういう面もあわせて考えていただいて、また人事院の勧告については非常に複雑であるという点についても、各政府の責任者からしばしば承わっておる。一つ私どもの要求が官公労の出す一人二千円の要求である、こういうこともあわせて考えていただいて早急に一つこの通常国会で結論を出していただきたい。そういうふうにお願いしたいと思うのですが、このことに対して一つ御決意のほどを承わりたいと思います。
#99
○政府委員(田中榮一君) この人事院の勧告の内容の実現につきましては先ほど来私からお答え申し上げておる通りでございまして、まあ政府といたしましても、官公労の給与というものは一般民間給与というものに比較して非常にいいとは考えておりません。またある意味においてはこれは悪いだろうと考えております。まあさような見地から今度人事院の勧告のあの俸給表の改訂等につきましても、まあ人事院におかれましても十分検討された案だと思っておりますが、しかしそれも一々の職場における俸給の階段に実際に睨み合してみますと、現状に即しないという点が非常に多いのであります。さような関係からなるべく現状に即して、しかも一般公務員に不利を来さぬように、こういう関係から非常に複雑な検討を加えておるわけでございます。それがためにおくれておると言っても過言じゃないと思っておりますので、さような方針でやっておりますので、できるだけ御趣旨に沿うように一つ努力いたしたいと考えております。
#100
○永岡光治君 〇・一五の点はこれはどこまでも年末手当の改正で法律が出ておることだし、私たちはその意味で受取って、これは年度末じゃない、年末手当だと、こういうように解釈しておるということをこれは十分肝に銘じておいてもらいたいということだけは特に含んで、来たるべき給与関係についての検討をしてもらいたいということを重ねて要望いたしておきます。
#101
○委員長(亀田得治君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#102
○委員長(亀田得治君) 速記をつけて。
#103
○永岡光治君 三公社五現業の閣議了解としておりますが、「三公社五現業の職員の年末給与については、それぞれ団体交渉によって定められるものであるが、政府としては、業績手当等を含めて、国家公務員の年末給与(一・六五月分)を限度として処理せられるものと了解する。」こういうわけです。この了解ということはどこまでも了解であってやはり前提であります団体交渉できめられる額ということが先立つわけでありますから、かりにまあこれ以上のものが出るということになっても、それはいけないという意味ではない、こう思うわけですが、その点は間違いないでしょうね。それ以上出してはいけないという意味なのか。
#104
○政府委員(田中榮一君) これは今度の国家公務員の年度末手当の増額の人事院勧告の内容が、従来、三公社五現業というものは一般の公務員よりやや有利なのでございます。そこで、一般国家公務員に比較いたしまして、三公社五現業の手当の額がこれ以上に決定いたしますと、結局また一般国家公務員の方が非常に不利になる。こういうようなことで両方が常にシーソー・ゲームをやっているような状態になっております。そういう点をなるべく公正に措置するためには、政府としましては団体交渉の内容にまでこれは干渉する権限はございませんし、またその意思もございませんから、すべて現在の三公社五現業の団体交渉にまかせておるわけでありますが、しかしながら、実際問題としてこれがこれ以上になりますことによって、また一般公務員の給与との比較において非常に不利な結果を来たすという点がある。また、一般公務員の方で、しからば三公社五現業より、より以上にということになって、結局両方が競争的になってくる。こういうような関係から、できれば一・六五カ月分を限度として処理するように政府としては了解する、こういう言葉を使って、それ以上に上ってはいけないという見解で今進んでおるわけであります。これは団体交渉ですから、もちろん団体交渉の内容に対して政府がかれこれ言うべき筋合いのものではないと思っておりますが、その辺は三公社五現業も国家財政の一翼でございますから、従ってここだけが有利に措置されるということは、全体として給与の公正を期する点からいって非常に不満であると思いますので、そこでこういうような表現を使っているわけであります。
#105
○永岡光治君 これは一・六五カ月を限度ということがありましても、いうところの儀礼的な限度なのか、一般公務員地方公務員が措置されたが、三公社五現業が措置されては困るという見解から、それじゃそれに触れておこうということで打たれたと思うのです。ですからこれはあなたのおっしゃるように、団体交渉できめられるのは法に示すところですから、それによってきまったものを、いや、それ以上出してはいかんとか、これはそれぞれの特質がありますから、それをしも押える意味じゃないと思うのですが、そういう意味でしょう。
#106
○政府委員(田中榮一君) 従来政府としまして、団体交渉の内容にかれこれ干渉いたしまして抑制する、というような措置をとったことはございません。
#107
○永岡光治君 今後も。
#108
○政府委員(田中榮一君) もちろん今後もとる意思はございません。ただ従来の実際のあり方としましては、お互いに十分連絡をとりながら調節をいたしておりますから、この程度で一つしんぼうしてもらいたいと、こういう趣旨の了解ということで……。
#109
○永岡光治君 淡い要望でしょう。そういう意味でしょう。禁止じゃないのでしょう。もちろんそうじゃない。これは外に出るものじゃないのですから、閣議だけの申し合せですから、法律に出たとかいうことなら大へん問題になるけれども、閣議ではそういう気持だということであって、これは団体交渉を規制するものじゃない。これは当然でしょうね。団体交渉を規制するものじゃない……。
#110
○政府委員(田中榮一君) もちろん団体交渉を規制するものではございません。しかし実際の国家全体の財政の立場から、三公社五現業も国家の給与体系をくずさないような措置をとってもらいたい、こういう趣旨でございます、これは。
#111
○永岡光治君 まあこれはしばしば触れておりますように、規制するものでないということは当然でありますが、その点で私たちは一応これを了承いたしておきます。
#112
○委員長(亀田得治君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#113
○委員長(亀田得治君) それでは速記を起して。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時七分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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