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1956/11/29 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 地方行政委員会 第2号
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1956/11/29 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第025回国会 地方行政委員会 第2号
昭和三十一年十一月二十九日(木曜日)
   午前十時四十四分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十一月二十日委員佐野廣君辞任につ
き、その補欠として鈴木万平君を議長
において指名した。
十一月二十二日委員横山フク君辞任に
つき、その補欠として木島虎藏君を議
長において指名した。
十一月二十四日委員木島虎藏君辞任に
つき、その補欠として横山フク君を議
長において指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     本多 市郎君
   理事
           大澤 雄一君
           小林 武治君
           加瀬  完君
           大和 与一君
   委員
           伊能 芳雄君
           小柳 牧衞君
           紅露 みつ君
           館  哲二君
           占部 秀男君
           久保  等君
           鈴木  壽君
           中田 吉雄君
           成瀬 幡治君
           森 八三一君
           白木義一郎君
  国務大臣
   国 務 大 臣 太田 正孝君
  政府委員
   自治庁財政部長 小林與三次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  法制局側
   参     事
   (第一部第二課
   長)      杉山恵一郎君
  説明員
   自治庁行政部公
   務員課長    角田礼次郎君
   自治庁行政部振
   興課長     吉浦 浄真君
   大蔵省理財局地
   方資金課長   堀口 定義君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○本委員会の運営に関する件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (昭和三十二年度地方財政計画に関
 する件)
 (地方財政再建促進特別措置法の実
 施状況に関する件)
 (町村合併促進法及び新市町村建設
 促進法の実施状況に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(本多市郎君) これより委員会を開会いたします。
 まず委員の異動について報告いたします。十一月二十日に佐野廣君が辞任されまして、その補欠として鈴木万平君が選任されました。また十一月二十二日に横山フク君が辞任され、木島虎藏君が補欠選任せられましたが、二十四日付をもって再び横山フク君が委員となられました。
 以上御報告いたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(本多市郎君) 次に、去る二十七日に委員長及び理事打合会を開き、委員会の運営について協議いたしましたので、その経過を御報告申し上げます。打合会には、理事の方々のほかに、緑風会、無所属クラブの委員の方にも御出席を願って、御相談をいただいたのでありますが、第一には、本委員会の定例日を原則として毎週火曜日及び木曜日午前十時よりと決定いたしました。
 第二に、委員会の議題でございますが、お手元に資料として第二十五回国会地方行政委員会調査案件、これを印刷して配付いたしてありますので、これをごらん願いたいのでございますが、大体こういった諸問題につきまして調査を進めて参りたいと思います。
 また、本日は、この中で昭和三十二年度地方財政計画に関する件、地方財政再建促進特別措置法の実施状況に関する件、町村合併促進法及び新市町村建設促進法の実施状況に関する件、この三項目につきまして、政府の説明を聴取いたし、委員各位から御質問をしていただくことといたしまして、さらに、次回以降の委員会の議題については、委員各位の御希望を参酌いたしまして、委員長において適宜決定の上、公報をもって御通知すること、理事会におきましては、大体以上のような方針で進めて参ることに決定いたした次第でございます。御了承いただきたいと思います。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(本多市郎君) それでは御了承いただきまして、この際、太田自治庁長官が見えられて、発言を求めておられますので、これを許します。太田自治庁長官。
#5
○国務大臣(太田正孝君) いろいろこの委員会につきましては、お力添えを願わなければならぬ点が多々あると思います。
 私も一年ばかりやりましたが、まだ未熟で行き届かぬ点がございますが、どうぞ皆様方の御支援によりまして、地方自治の発展ということにつきまして、お力添えを願いたいと思います。今日、財政その他につきましては、部長から詳しく申し上げます。
 それから、前の財政部長が自治大学にかわりまして、小林君が財政部長になりました。それから行政部長の方は、今まで大阪におられました藤井君が行政部長になりましたので、前々からおそろいの方に対しましては、この人のかわりましたこともこの際あらためて申し上げておきます。税務部長は、前通り奥野君がやることになっております。
 一応、はなはだ簡単でございますが、ごあいさつかたがた申し上げた次第でございます。何分よろしくお願いいたします。
#6
○委員長(本多市郎君) それでは、本日は地方行政の改革に関する調査といたしまして、
 一、昭和三十二年度地方財政計画に関する件
 二、地方財政再建促進特別措置法の実施状況に関する件
 三、町村合併促進法及び新市町村建設促進法の実施状況に関する件の三件を一括して議題に供します。
 三件につきまして、まず政府の説明を聴取いたします。小林財政部長。
#7
○政府委員(小林與三次君) 私、今、長官からごあいさつのありましたように、財政部長に選任されましたことは、非常に不馴れでございますので、よろしく御指導願いたいと思います。できるだけ勉強いたしていきたいと思います。こういう念願でございます。
 明年度の地方財政計画と財政再建の状況につきまして、御報告申し上げたいと思います。明年度の財政計画につきましては、実はまだわれわれのところで、明年度のいろいろな不確定な要素がたくさんございますので、正確な計画資料を作っておりませんが、大体の考え方だけを持っておりますので、それを御報告申し上げたいと思います。
 それに入ります前に、むしろ再建の状況、その他現在の財政の実情につきましての現況につきまして、簡単に御報告を申し上げまして、それを基礎にして、明年度の財政計画に対する考え方を述べさせていただきたいと、こういうふうに存じております。
 財政再建の状況につきましては、お手元に「府県財政再建計画概要」というのを一応お配りいたしておきましたが、その全般の状況は、財政再建団体の申し出で団体が全体で五百九十八あったのでございますが、五百九十八のうち、現在までに再建計画が正式に承認になっておりますのは、きのうの現在で三百二十八ございます。それからもう現に、毎日のごとくこの手続が進んでおりまして、もうきょうあたりまた十二、三件問題がかたがつくはずになっております。実は、この再建計画の承認が非常におくれておるというおしかりを各方面から受けておりまして、これは、われわれといたしましても一番苦慮いたしておる問題でございまして、前々から大蔵省と話し合いを円滑に進むように努力をして参ったのでございまして、非常におくれましたけれども、現在ではすっかり軌道に乗っておりまして、毎日のように事務手続が進捗いたしております。それで、できたらこの十一月中にと思いましたけれども、それは少し無理でございますが、十二月の半ばか二十日ごろまでには、まあ全部かたをつけたいと、こういうふうな考え方で事を進めております。ものによりましては、まだ地方の団体から正式に書類の申請が来ていない所も若干ございますが、それ以外のものにつきましては、大蔵当局との話を進めまして、できるだけ早く計画を確定いたしたい、こういうふうに存じておるのでございます。このうちで、再建債の今まで承認になった額は、大体三百五十億見当だろうと存じます。大体予定しておりました金額が四百億でございますが、現在の見通しでは、四百億では少し足らない。おそらく二十億か二十五億ぐらい不足するんじゃないかと考えております。これにつきましては、もちろん足らないワクはふやしまして、自治体の計画の申請通り再建債を受ける手はずで大蔵当局とも話を進めております。これにつきましては、まあ特別の問題はないと、こういうふうに考えております。大体計画の進捗の状況はそのようでございます。
 問題は、その計画の内容につきまして、どういう実情になっておるか、それを簡単に申し上げたいのでございますが、これにつきましては、この前にたしか「地方財政の現況とその問題点」という資料を一応お配りしておいたことがございまして、これによって御説明した方がおわかりいいのじゃないかと考えております。それにつきまして、大体再建計画を作っております団体は、それぞれの赤字を解消するために大へん苦労いたしまして、計画を作っておるのでございまして、大体再建計画は軌道に乗ったと、こういうことを申してよい状況だろうと思います。しかしながら、計画の内容につきましては、いろいろ問題がないわけじゃないと、私はこういうふうに考えておるのでございます。ここにできました赤字は、ともかくも七年なり八年なり、ものによっては、団体によって十一年も十数年もかかっておる所もございますが、ともかくも計画的に解消するめどももう確立いたしたのでございますが、その計画の中味をしさいに検討いたしますというと、非常に、まあ何と申しますか、無理と申しますか、そういうものが必ずしもないわけじゃないのでございます。特に再建期間が長期にまたがっております団体につきましては、そういう問題がございまして、一般の消費的経費をできるだけ節減をするというだけでなしに、投資的経費もある程度圧縮しなければ計画が十分に成り立たないというのが実情でございます。その結果、投資的経費がかなり抑えられておるという実情でございます。これにつきましては、一面におきまして、御承知の通り、再建法で高率補助の問題がございまして、再建団体が過去の三カ年間の事業量のまあ大体七割五分見当に押えた場合には、補助負担率を国が二割増してやるという、こういう法律がございまして、この法律の適用につきましても、実は大蔵省と長い間折衝をいたしまして、ずいぶん苦労いたしたのでございますが、これにつきましては、大体われわれの考え通りの考え方で問題の妥結を見たのでございます。その基本的な考え方は、われわれといたしましても、再建団体であっても、自治体としての必要な仕事は、やはり普通の団体並みにやはりやれる仕組みを考えていかなくちゃいかぬじゃないかというのが基本の考え方でございまして、過去の七割五分の事業量の圧縮のままでここ七年も八年春再建計画を続けていく、こういうことになれば、赤字は消えるかもしれぬけれども、仕事がさっぱり伸びない。これではもう団体の経済的な実力というものの開きが大きくなるだけであって、これは非常におかしいじゃないか、こういう考え方でございまして、公共事業につきましては、少くともやはり再建団体、被再建団体を通じて、なるべく扱いを平等に考える必要がありはしないか。しかしながら、再建団体は財政力が乏しいのでありますから、国として再建団体に流れる補助量は従来通り確保することにして、その財政力の乏しいものは補助負担率を上げることによってカバーする、こういう考え方でこの公共的な事業の遂行をやるべきだという考え方をもちまして、大体この補助負担率を引き上げます限度を自治庁長官が指定することによって調整できますので、大体におきまして、まず八割二、三分から四、五分、八割五分見当まで引き上げまして、そして仕事をやらせようということに話をきめたのでございます。これらの問題はまた、明年度以降、全体の公共事業がどう伸びるかという問題も考えまして、全体としては公共事業が伸びれば、再建団体につきましても手を伸ばすように調節をする必要があろうと、こういうふうに存じておるのでございます。
 大体これは事業の面でございまして、その他再建計画の上におきまして、昇給その他の問題が十分に見ておられないという議論がこれはいろいろあるのでございます。それにつきましては、実は計画の上におきまして、大体まあ本年度は別として、三十五年度以降は昇給、昇格の財源は普通見ておりません。全部据置きという形で一応計画を作っております。その考え方の基礎は、歳入の方も、自然増その他増収が当然あるのでありますけれども、将来の見通しははっきりいたしませんので、一応現状据置き、こういう形で計画を作らしておるものですから、一応昇給財源も認めないという仕組みになっておるのでございますが、これは、そうした自然増その他があれば、それに応じまして計画変更の手続をとって、実情に合うように調節をしていくという仕組みをやっておるのでございます。それで、ともかくも再建団体といたしましては、非常に苦労はあるだろうと思いますが、すでに計画ができまして、その計画に基いて再建の仕事がこれから進められてきたという体制にあるといってよいと思うのでございます。
 それとともに、まあ全体の自治体の財政の状況を見ますというと、これは、三十年度の決算がこの間全団体について判明いたしましたので、その結果を公表いたしたのでございますが、三十年度の決算の状況を見ますというと、地方財政は非常に従来赤字が泥沼のようにふえていって困るという推定にあったのですが、大体赤字がとまった、これだけははっきり言えるのでございます。従来ほとんど、二十七年度、八年度、九年度と、赤字が約百四十億、百七十億二百二十億というような式で増加しておったのが、逆に三十年度の決算では、形の上では三十四億減るという形にもなりまして、赤字が進んでくるという形勢は弔うとまったということだけは言えるのでございます。この原因は、一面におきまして、三十年度末に交付税の特別措置その他の問題で財源措置が講ぜられて、国の方におきましても、いろいろな手を講じたという問題があります。反面、自治体自体が財源の合理的な運用を基礎にいたしまして、非常に経費の効率的使用に努力をいたしておりまして、まじめな経営の面に立ち返ったのと相待ちまして、大体において赤字がストップ、ようやく健全化への歩みを続け出した、こういう態勢にあるのでございます。この三十年度の決算の状況は、おそらく三十一年度においても同じ形で現われるだろう、三十一年度の決算におきましては、おそらくは単年度におきまして、個々の特殊な団体はあり得ると思いますが、大体単年度は黒字になるだろうという見通しをつけておるのでございます。一方、再建団体がこの赤字をたな上げをするとともに、こういう一般の形勢によりまして、大体非常に憂慮されておりました地方財政の態勢というものも非常に立ち直ってきたということが、これは言えると思うのでございます。ただもっとも、立ち直ってきたとは申しますけれども、それは実質的に必ずしも満足すべき状態であるかということになりますというと、やはり問題がございまして、形式的に赤字がふえることはとまり、またおそらくは減らすことができるだろうと思っておりますけれども、実質的に財政の実態をながめてみますというと、いろいろな経費を非常に切り詰めておる。それは、いろいろなそうした経費を切り詰めるだけでなしに、建設的な事業につきましても非常な切り詰めをやっておりまして、相当この投資的な経費につきましても、前年度より減少を見ておるのでございます。それでございますから、形ばかりバランスが合ったって、これは意味がないのでございまして、自治体といたしましては、当然必要な仕事を必要なだけやらなくちゃならぬ。しかして、その必要な仕事は、世の中が進んで、人の数がふえれば当然これはふえていくのでありまして、そういう意味の仕事は、もう当然に伸ばすべきものだとわれわれは考えておるのでございます。そいつを逆に押えることによって、形式的なバランスを合せておるというのが実情のように見受けられるのであります。特に、一般的にそうでありますとともに、例の新市町村の問題がございまして、新市町村が非常な努力で合併をし、それにいろいろな建設計画を立てておるのでございますが、その建設計画も、 こういう実情から見て必ずしも十二分にはやれない、相当やってはおりますけれども、まだまだ不十分な面もありまして、どうしてもやはり実質的に仕事をある程度自立さして、ほんとうに行財政の面、あらゆる面から見て、権衡のとれた健全な態勢を作り上げる必要があろう、そういういわば時期が明年度の財政計画をめぐる問題点になろうと、こういうふうに存じておるのでございます。
 そこで、大体そういう概況を前提にいたしまして、明年度の財政計画をどう考えるかということが一つ問題になってくるのでございます。それとともに、一般的にはそういう形式的な赤字の進捗がとまりましたが、特殊な問題といたしまして、例の公債費の問題がございまして、公債費は相変らず累増を続けておる。それが二十五億、三十億の数字、さらに百数十億の数字は、これからまたふえていくのでございまして、この公債費問題がおまけに特殊な貧乏な団体に固まっておる、そこに特殊な対策を講ずる必要があるのであります。一般的に、形式的には全体としてバランスが合っても、それぞれの団体におきましては、この公債費の重圧というものをどう解決するか、これを解決しなかったならば、とても動きがつかぬという問題が一つあるのでございまして、われわれとしては、この問題を何らかの形で解決しなければ、動きがつかぬという考え方に立っておるわけでございます。
 そこで、そういうようなことで、明年度の財政計画全般の見通しというものにつきまして、われわれの基本的な考え方を申し上げますと、これは一つには、明年度の問題は、今片方で減税の問題が論議されておりまして、国税の減税がどういう形でどう納まるかしりませんが、それに伴うて、地方税、地方財政の問題をどう考えるかという一つの大きな点が論議されておるのでございます。そうして、幸いにいたしまして、経済界が非常に好況でございますので、国税の自然増も相当あると同様に、地方税の増収もこれまた相当あるということが期待されるのでございまして、われわれは、まだ正確な数字はわかりませんが、少くとも国税につきましては、われわれの見通しでは相当ふえるだろう。これは、大蔵省とまだ見解が一致しているわけではありませんが、明年度の交付税の要求におきまして、実は三百億の要求を自治庁としていたしております。実は国税三税で千二百億の増収があるのじゃないか、こういう前提で交付税三百億、それに対応しまして地方税とか、地方の譲与税の自然増も四百十億見当ばかりあるのではないか。これらの数字は、いろいろまだ論議がございますが、そういうふうに、まあ七百億前後の増収が現在の段階でも考えられるのでございます。
 それで、それに関連いたしまして、国税の減税に伴うて、一体地方財政の規模をどう考えるか、財政の構想をどう考えるかという問題が今非常な論議になっておるのでございます。われわれといたしましては、そうした自然増があることはもう明瞭でございますが、一面経費の面におきまして、やはり当然、増の経費が相当ございまして、たとえば給与関係の経費、恩給費の増の分が、ふえていく経費が百五十億はあるだろうし、公債費自身は、先ほど申しました通り、一般に過去の公債費の上に、新らしく再建債の償還が当然できると考えられます。その他相変らずのように、一時借り入れというものが繰り返されることは明瞭でございます。そういう意味の経費を全部引っくるめれば、やはり百九十億か百九十五億くらいはあるだろうと思います。それから生活保護費とか、失業対策費その他法令改正に伴う当然の増というものが七十億くらいはありましょうし、人口の自然増の経費も三、四十億くらいはあるに違いない。そういういろいろな経費、それからさらに、従来あまり見ておられなかった大きな問題として、たとえば道路、橋梁等の維持修繕費というものが、当然これは交通量がふえていけば逐次修繕費もふやしていくのが当り前でありまして、こういうものはほんとうの自然増と見ていい。これは、社会増と見ている経費が相当あるのでございまして、そういう経費は百億以上は見るべきだというふうな、いろいろな目算を立てておるのでございます。そういう経費をいろいろ見ますと、やはり六百四、五十億になりはしないかということが一応の見当でございます。それで、先ほど歳入の方で七百億くらいふえるだろうと申しましたが、一面ことしよりふえる歳入を基礎にして申したのでございますが、本年度の財政計画では、御承知のように、借りかえ債八十億というものがこれに見込まれておるわけでございまして、借りかえ債というのは簡単にいえば赤字補てん債でございまして、本来財源に見るべき筋合いのものじゃないのであります。その他退職債を六十億ほど見込んでおる。こういうものも一般財源でまかなうべき筋合いのものでございまして、これを財政計画上財源として計算をしていくのはおかしい、そういう意味で、従来の財政計画の上におきまして、いかにも歳入の構成がゆがんでおるというものがありまして、そういうものはどうしたって解決しなくちゃいかぬ。そこで、そういう意味の歳入構成の、だれが考えても筋の通らぬ是正というものはやるべきものでございまして、そういう経費がもう現に百十億ぐらいあるのでございます。そういたしますというと、大体今申しました経費相互によって、大体これはちゃんぽんになるような数字になってくるのでございます。ところが問題は、地方の行政は、単なる自然増の増減経費だけじゃないのでございまして、従来、そもそも今までの行政の水準というものがまともであったかどうかということが基本的に考えられなくちゃならぬのでございまして、われわれの考え方からいえば、やはり自治体としてのほんとうのまだ人並みの行政の実というものは従来上っておらぬ、むしろ押えられておる。特にいまの赤字解消のための努力で、そういうものが一そうひずみが来ておる。そういうものをやはり回復しなければ意味がないじゃないか、そういう意味の行政水準を最低限度確保するために、一体どういう経費があるかというものを考えますというと、われわれの考えといたしまして、一つは過年度災害というものがございまして、過年度災害の復旧の事業がだんだん順送りにおくれてきておる。三・五・二の比率通りにとてもいかずにおくれてきているのでありまして、これは地方財政に仕事の仕越しその他の形で大きな負担になり、また仕事が片づかぬということは、結局次の災害を招くゆえんでもありまして、こういうものは当然きちんと片をつけるべきじゃないか、そういうものをこういう際に何か解決できないか、その他、先ほどもちょっと申しましたけれども、それ以上に、道路、橋梁等の維持補修だけじゃないのでございまして、現在の交通の増加に伴うて、当然道路もきちんとすべきでありまして、その改良整備に要する経費というものを相当見込まなくちゃ、とうていまともな行政ができぬじゃないか。さらに、都市的ないろいろな施設、下水とか排水とか汚物処理とか火葬場とか、そういういろいろな都市的な施設だって、これはもう少しまともにやる必要がないか。その他まだ文教関係でも、老朽校舎その他二部教授が残っておる所もあります。そういう問題があり、都市の消防施設の整備の問題があり、あるいは新市町村の建設に伴う増があり、まあそういう経費はやはり三、四百億を考えるべきじゃないか。そういうことを考えることによって、ようやく維持できる段階になりやしないか。それ以外に、いろいろ国の施策がさらにどういうふうに変化いたしますか、そういう問題がございまして、公共事業費全体を国としてもどう考えるか、特に公務員の給与改訂がどういうふうに実現するか。それが実現すれば、地方の公務員の問題も何か考えざるを得ない。その他、現に問題になっております健康保険制度の拡充の問題とか、あるいは定時制高等学校の整備の問題とかいろいろな、国の施策がどうなるかわかりませんが、そういうものに関連する仕事もございまして、そういう仕事を総合的に考えなければ、来年度の財政計画として完備したものはできないというふうに存じておるのでございます。
 それで、これらの状況を基礎にいたしまして、自治庁といたしましては、きわめて率直に申しますというと、従来この交付税制度その他一般の地方税制制度が、国会方面の格別の御協力もございまして、三十一年度におきましては、まず一応制度としては整備確立しておるじゃないか。これを基礎にして問題をわれわれは運んでいきたい。その他公債費とか、そういう特殊の問題は別途解決をして、一般的な問題といたしましては、一応軌道に乗り出している。事実その軌道に乗って一般の財政の状況も安定をし、自主的な健全性の回復への努力を続けておる。それで、この態勢をこのまま続けていきたい。それで、ほんとうに健全な財政を名実ともに確立いたしたい、こういうのが基本的な考え方でございます。
 それで、一方におきましては、国税の減税がいろいろ論議されまして、それはその面につきまして、いろいろ減税の必要もありましょうし、そういうことが行われるものなら、行われてもちろんいいと思いますが、地方財政の面におきましては、従来確立した基本の態勢をこのまま持続していきたい、また、そうすべきじゃないかという考え方がわれわれの基本的な考え方でございます。それでございますから、国税の減税がかりにいたされますとしますと、それによって、たとえば地方の住民税などは当然それにリンクをいたしておりますので、そのままになっておれば、むしろこれは減収になるわけでございまして、減収の措置をいれてもらっちゃこれは困る。それで、特別に増税をする意思はもちろんございませんが、従来の部分だけは確保されるように、税率の調整等を当然考えられなくちゃならない。それから、交付税の問題につきましても、現在一つの率がきまっておりますが、それは現在の制度を基礎にしてきまっておるのでございますので、国税の方におきまして、何らかの理由で減税が行われれば、その影響が地方に来ないように、国税の税率の調整その他で従来の態勢を確保したいというのが、これは基本的な考え方でございます。
 それがまあ大きな問題の一つ。それとともに、先ほど申しました残された特殊な問題として、公債費の問題とか、あるいは駐留軍等の基地における基地課税――課税というと語弊があるかもしれません、基地の交付金の問題等がございまして、そういうものはそれぞれ部分的に解決いたしたい。その他従来からいろいろ問題になっております、この農業県と商工県における税源のいびつと申しますか、農業県においては、農業支出が非常に多いけれども、独立の税源がない、ここに何らか税源措置を必要としないか。まあいろいろ問題がありますが、そういう問題を考えていく。それと一方には、都市消防の整備の必要があるので、この消防施設税と申しますか、何かそういうものを考えていくべきじゃないか。そういった特殊な幾つかの問題をも、これは解決しなくちゃならぬとともに、大筋の財政の問題につきましては、今申しましたような考え方でぜひ進みたい。
 そういう態勢でいけば、われわれの見通しでは、幸いに財界も好況を呈しておりますので、どうやら自治体といたしましては、再建団体、非再建団体を問わず、形ばかりにつじつまが合ったこの態勢を、次第に実質的にも態勢を合わしていける見込みが立ちやしないか。これをこの際またひっくり返すことになれば、再びもとの自治体のみじめな努力が空になるだけでなしに、実質的にも、形の上でもまた赤字に転落するというおそれなしとしないという考え方で臨んでおるのでございます。
 以上申し上げましたのが、大体自治庁といたしましての現状に対する見方、来年の税制に対する考え方でございまして、その実現のためにあらゆる努力を続けておるのでございます。一面におきましては、地方制度調査会におかれましても、三十二年度の財政をめぐって今御討議を願っておる。片方では、税制調査会の方で税制問題におきましてそれぞれ御審議を願っておるのでございますが、これにつきましては、いかなる結論がどういう形で出るか、まだわかりませんけれども、これらに対します自治庁の基本的な考え方は以上申し述べたようなものでございますので、一つ御了承を願いまして、御協力をいただきたい、こういうふうに存じておるのでございます。
#8
○委員長(本多市郎君) この際引き続いて町村合併促進法及び新市町村建設促進法の実施状況に関する件の説明を行政部長より聴取することに予定されておるのでございますが、藤井行政部長がただいま衆議院の地方行政委員会に出席いたしておりますので、かわって振興課長の吉浦浄真君が説明員として出席しております。この際、吉浦行政部振興課長より説明を聴取いたしたいと存じます。
#9
○説明員(吉浦浄真君) 振興課長でございます。実は資料をお配りするように準備すればよかったのでございますが、ちょっと間に合いませんでしたので、後ほどあらためて資料を御提出することにいたします。御了承願います。
 去る昭和二十八年の十月一日に、町村合併促進法が施行されたのでありますが、それからこの九月三十日をもちまして、まる三年を経過いたしました。同法の附則に定めるところによりまして、みずから失効いたしたわけであります。この三ヵ年間に、町村合併という大事業が全国津々浦々にわたって行われまして、住民各位の理解と、関係帝町村の献身的な努力並びに都道府県あるいは各団体等の積極的な支援と協力によりまして、いわば全国民的な運動として展開されたわけであります。おおむね所期の目標を達成いたしまして、同法は失効いたしたわけであります。今回行われました町村合併の運動は、国政の基本理念であります民主政治の基礎を強化いたしまして、真に住民の福祉を増進するということをねらいとして行われたことは申すまでもないのでございますが、いわば明治二十二年に市制、町村制が施行せられますに先き立ちまして行われました、あの町村合併以来の大事業であったかと思われるのであります。われわれの口から言うのも口はばったいことでありますが、わが国の地方行政にとっては、まさしく画期的な一紀元を画するものであったと思うわけであります。当時、昭和二十八年の十月でございますが、人口八千に満たない小規模町村というものが八千二百四十五町村あったわけであります。これを再編成いたしまして、六千二百五十町村を減少するという国の計画が樹立されまして、そうして各都道府県で、実際の地図を拡げまして図面を作成いたしました。それぞれ個々の合併計画を樹立いたしたのでございます。都道府県の合併計画によりますと、その集計が六千九百町村を減少するというふうな計画に相なっておったのでございますが、これらの計画に基きまして、町村合併が促進されたわけでございます。この九月三十日現在までに実際に減少いたしました町村の数は六千百五十二町村の多きに達したわけでございまして、ただいま申し上げました国の合併計画に対しましては九八%、また都道府県の合併計画は、それよりもややシビアでございましたので、それに対しましては八九%という進捗率になっておるわけでございます。
 その結果、市町村数はどのようになったかと申しますと、町村合併促進法の施行の前日の二十八年の九月三十日現在では、二百八十五市千九百六十七町七千六百四十村、合計いたしまして、市町村数が九千八百九十五、いわば一万になんなんとする市町村があったのでございますが、現在におきましては、市の数が四百九十八市、町が千九百四、村が千五百七十市町村合計三千九百七十三というふうな数字になったのでございます。当初の目標でございます市町村の数を三分の一に再編成するというねらいに対しましては、ほぼその目標を達したということができるのではなかろうかと思っております。
 その結果、合併の効果として考えられますことは、まず第一に、町村の規模が拡大したということでございます。合併前におきましては、一町村の平均人口が五千三百九十六人でございましたものが、町村合併の完遂後におきましては、一万五千八百七十一人と相なるわけでございます。平均面積におきましても、一町村あたり三四・八九平方キロメートルでございましたものが、合併後におきましては、一〇四平方キロメートルというふうに、人口及び面積とも従前の約三倍というふうに、その規模を拡大することに相なるわけでございます。まあこれによりまして、新らしい地方自治の担い手とし、この市町村の行政の規模という点から考えますと、たしかに一応その基礎はでき上ったと言ってもよいのではないかと考えておるわけでございます。
 それから、これはまあ合併の効果の第二点でございますが、議員及び三役が減少いたしております。町村合併の促進法実施当時におきまして、町村長、助役及び収入役と申しますいわゆる三役は、二万七千九百人を数えたわけでございますが、これまた、あとしばらく町村合併を進めて参りますと、その計画完了時におきましては、九千七百九十九人というふうな数字が想定されておりまして、約一万八千人の三役が減少することに相なるわけでございます。また、町村会議員の数におきましても、二十八年十月におきましては十七万七千人でありましたものが、九万人に減少する予定に相なっております。これらの一万八千の町村長等の三役及び九万人の議員がいわば進んで身を退けたといっても過言ではないのでございまして、これによって浮んで参りまする経費が、あげて新市町村の育成の経費に充当せられておる状況でございます。なお、町村にございます教育委員、選挙管理委員、公平委員会の委員、あるいは監査委員、固定資産評価委員、または農業委員会の委員等の各種委員の減少は、およそ二十一万人と推定されるわけでございます。すなわち、昭和二十八年十月一日におきましては、三十二万人と推定されるわけでございますが、これが計画完了時におきましては十一万人になるというふうな見込みでございまして、この点におきましても、大きな行政整理が断行されつつあるというふうに考えられるわけでございます。
 次に、行財政運営の合理化の点でございますが、町村合併によりまして、新たにできました新市町村におきましては、すでに行政機構の改革でございますとか、あるいは職員組織等の合理化が行われておるわけでございます。このようにいたしまして、節減されます消費的経費を積極的に投資的経費に充当することによりまして、実は顕著な効果をあげておるわけでございます。もとより、すべての新市町村におきまして、そのような実績が上っておるわけではないのでございますけれども、実は優良町村と申される町村について調査をいたしてみますと、それらの投資的経費が非常な割合でふえて参っております。もとより、住民の福祉の増進と申しますものは、これは投資的経費の増加の割合といっていいと思うのでありますが、かくのごとくいたしまして、道路なり橋梁なり、あるいは小学校、中学校の改築なり、そういった投資的経費に充当せられる割合が、どの町村におきましても明らかにふえて参っておるのが、町村合併の真の効果ではないかというふうに考えられるわけでございます。
 しかしながら、そのように数も減りまして、ほぼその目的を達したかのように考えられるのでございますが、実は町村合併の問題点として三つの大きな問題が今後に残されておるのでございます。
 その第一点は、まだ合併に踏みきれなかった未合併町村といわれるものの数が、実は全国で千三十に上っておるわけでございます。各都道府県を平均いたしますと、やはり二十前後は必ず未合併町村を抱えておるのでございます。これらの未合併町村は、もとより合併に踏みきれなかった特殊な事情を内蔵いたしておりますために、従来合併いたしました町村に比較いたしまして、合併困難の事情があることは事実でございますけれども、いわば九五%までが合併したというふうな現在におきましては、これらの残った未合併町村をそのままで置いておくこともいかがかということから、新市町村建設促進法におきましても、これらの未合併町村をすみやかに解消するように要求されておるわけでございますので、ただいまのところ、各都道府県におきまして、新たな合併計画の策定にとりかかっておるわけでございます。今後の未合併町村の解消に当りましては、この従来の計画にあまりこだわらない、住民の意思、あるいは地勢、交通その他の客観的情勢等を判断いたしました新たな合併計画の策定によりまして、相当に進捗するものと考えておるわけでございます。この計画策定に当りましては、県におかれます新市町村建設促進審議会と申します委員会がございますが、この委員会で実情を調査いたしまして、そうしてある程度の計画を作ったところで、現在自治庁と協議をいたしております。われわれの方に、各町村で県の計画に不満であります町村が、相当陳情に参っておりますので、それらを聞いておりまして、県の計画が出て参りました際に、それらを調節をとりまして、真に住民の福祉の点から、また関係町村と一体性の点から、計画の合理化というものを企てているわけでございます。いずれこの合併計画が策定をされますと、それに基きまして、来年の三月三十一日までに、すべての未合併町村について合併の勧告が発せられることに相成っているわけでございます。しかしながら、すでに合併の気運が相当出ておりますものにつきましては、それまでに合併の勧告が発せられる段取りに相成っておりまして、すでにそういったような府県を一、二見受けるのでございます。このようにいたしまして、未合併町村の解消をはかるわけでございますが、それでもなお踏みきれないものにつきましては、いずれ内閣総理大臣と協議いたしまして、内閣総理大臣から勧告するように都道府県知事の請求がある場合が予想されるのでございますが、内閣総理大臣の勧告という部面も現われてくるかと思います。また一面、どうしてもその町村長あるいは議会等におきまして、町村合併をがえんじない場合におきましては、直接住民投票によりまして、住民の過半数の同意を得れば、町村合併ができるように相成っているのでございますが、こういった手段に訴える場合も中には出てくるのではないかと考えているわけでございます。このような未合併町村の合併の推進をはかりますことが、今後に残された第一の問題でございます。
 第二の問題は、この関係町村の間におきまして、種々紛議を生じている場合があるわけでございます。中でも分村問題といわれるのは、町村合併のいわば一つの跡始末とでも申しますか、非常に深刻な問題となっております。特に議会におきまして、あるいは強引に一方的に議決いたしまして、合併したような所におきましては、その少数の区域住民が団結いたしまして、別の町村に合併をしたいということで、非常な紛争問題を起しておるところも見受けられるわけでございます。これが、現在のところ、数字ははっきりいたしませんけれども、すべての府県におきまして、少いところで二、三、多いところで十数件かかえておるわけでございます。この問題につきましては、来年の三月三十一日までに、同じく都道府県におかれますところの促進審議会の委員の中から調整委員を選任いたしまして、その調整委員の調停ないしあっせんにかけることに相成っております。そのようにいたしまして、すみやかにこれらの深刻な分村問題の解決をはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 第三の問題点は、これは都道府県の境界を越えての町村合併、すなわち境界の変更の問題でございます。これらの件数も、非常に潜在しているのもございます。またすでに議決をいたしておるのもございますが、大体全国で二十数件に上るものと考えております。従来の府県の境界と、その後の経済的な発展とが、必ずしも軌を一にしてないために、この際合併をするならば、県の境界を踏みこえて、隣の町と合併したいというふうな意向も見受けられるわけでございますが、これらにつきましては、実は都道府県の一体性というふうな大きい立場の問題も考えられますし、なお、その住民の真の福祉がどこにあるかという問題も考えられますので、それらの両面から考えまして、にわかに決断を下しがたいのでございまするけれども、一まず県内の合併が完了いたしました時期におきまして、それらの問題を取り上げて参りたいというふうに考えておるわけでございますが、手続といたしましては、自治庁の附属機関になっております新市町村建設中央審議会という委員会がございますが、この委員会に諮問をいたしまして、その意見を聞いた上で、内閣総理大臣が処分し得ることに相なっておるわけでございます。いずれにいたしましても、来年の三月までは県内の合併を推進いたしまして、いわゆる未合併町村の解消をはかるということに全力を注いで参りたいと思っておりますので、その後の問題になるかと存じておるわけでございます。
 次に、新市町村建設促進法が、この十月一日から全面的に実施されることに相なったわけでございます。いわば町村合併促進法からバトンを引き継ぎまして、新市町村建設促進法がそのあとを受けて、新市町村の建設育成という点におきまして、全面的な実施になったということができるかと思うわけでございますが、この新市町村の建設は、町村合併の真の効果をそれによってもたらす一つのゆえんでもございます。町村合併をしただけに、規模も大きくなりましたし、まあ人口、面積等も、規模の面では整ったわけでございまするけれども、それだけでは町村合併の効果というものは期待せられないわけでございまして、今後は、まず第一点といたしましては、新市町村の住民の生活水準なり、所得水準なりの向上が真に具体的に実現されるように、一つの計画を定めて参らなければならないと思うのであります。いわば自治運営の計画化とでも申しますか、そういった点を強調しなければならないと考えておりまして、従来この町村合併に際しまして、関係町村の議決によって定められました新市町村建設計画というものを持っておるのでございまするけれども、これがいわばその従来の各町村の立場から考えて策定された計画でございまして、この合併をいたしましたあとで振り返って、いわゆる新市町村の一体的な立場からこれを見ますと、どうも完璧なものではないということがしばしば言われておるわけでございますが、そういった面から考えまして、新市町村の真の一体化、あるいは合理化というものをはかるという一つの目標のために、従来の計画というものをやり変えるということを考えております。法律の用語で申しますと、「調整」という言葉を使っておりますけれども、新市町村建設計画の調整をやっていただきまして、真に新市町村の一体的な運営というものをはかっていく必要があるわけでございます。
 第二点は、自治運営の合理化という点を強調いたしたいと考えておりますが、これは新市町村が、地域社会の発展と向上を期するために、総合的な建設経営を進めていくのでございまするけれども、その運営を合理的、能率的なものにするためには、要するに最小の経費で最大の経営効果をあげるということでなければならないと考えるのでございまするけれども、そのためには、必要な機構の合理化あるいは統合というふうなものをやっていって、先ほど申し上げましたような、住民の福祉向上のための投資的経費を増加するということをはからなければならないわけでございます。すなわち、新市町村がいつまでも国の援助を受けてやっていくということでなく、いつかは国の援助なり、都道府県の援助を脱しまして、ほんとうに地方自治団体として、みずから建設を進めていくためには、まずその合理化によって経費を浮かさなければならないということを考えておるのでございます。そのためには、たとえば小中学校の統合でございますとか、あるいは支所、出張所等の統廃合、その他各施設の統廃合をやりまして、それによって浮んで参ります消費的経費を投資的経費に振り向けるということがまず第一の段取りではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。これがすなわち自治運営の合理化の点でございます。
 第三の問題としては、合併をいたしましたけれども、やはり住民が、いわゆる旧町村単位の意識を強く持っておりますことによりまして、いわば一体性の確保がおくれておるという部面が非常に多いわけでございますので、このような面から考えまして、すみやかに住民の総力をあげて建設経営にその意欲を振り向けるということが必要になってくるわけでございますので、この住民の一つの一体化運動、一体性の確保というものにつきまして、住民の啓発運動を徹底するということをはからなければならないと考えておるわけでございます。で、新市町村建設に当りまして、実は最も重要なことは、ただいま申し上げましたように、計画をまず合理化いたしまして、その計画に従って建設経営を進めていく。次に第二点は、自治運営の合理化をいたしまして、積極的にその経費をそのように振り向けて、みずから自主的に自治運営を進めていく。最後は、ただいま申し上げましたような、住民自身の一体性の確保の問題であろうかと思うわけであります。従いまして、自治庁といたしましては、大蔵省に対しまして、三十一年度の新市町村建設にかかわる予算といたしまして、これらの目的を達成するために、六十八億というふうな予算を現在要求いたしておるわけでございます。
 非常になれませんものですから、説明が固苦しくなりましたが、以上をもちまして、一応の御説明を終りたいと存じます。
#10
○委員長(本多市郎君) それでは、これより質疑に入ります。ただいまの政府の説明並びにこれに関連いたします地方財政上の諸問題につきまして、質疑のおありの方は御発言願います。
#11
○加瀬完君 私どもの会派では、先ほど御説明のありました地方財政再建法の適用といいますか、再建計画の不当なる適用といいますか、それらによって生じました諸種の問題を質問したいというふうに、いろいろ各委員の方々が質問内容をお持ちなんでありますけれども、お答えをいただきたい行政部長なり公務員課一長なりがおいでになりませんので、午前中は説明だけを伺って、午後、それらの方がお出での上で、私ども質問を展開いたしたいと思うのでございますが、そのようにお取り計らいいただけませんでしょうか。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#12
○委員長(本多市郎君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#13
○委員長(本多市郎君) 速記を始めて。
 それでは、午前はこの程度で休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十八分開会
#14
○委員長(本多市郎君) それでは、委員会を開会いたします。
 午前中聴取いたしました説明事項並びにこれに関連する事項について、引き続き質疑に入りたいと存じます。御質疑の方は御発言を願います。
 なお、加瀬君から求められました行政部長の出席は、衆議院の都合上、きょうの午後は困難の模様でございますので、行政部長だけは、後日あらためて招致していただくようにとりはからいたいと思います。自治庁次長並びに公務員課長、さらに大蔵省の地方資金課長も出席しておられますので、御質問をお願いいたします。
#15
○占部秀男君 実は、再建計画の問題で、本年ずっと再建計画を実施して以来、相当数の県、市で給与の問題を中心に、いろいろと争議めいたことが起っておるのでありますが、最近特にその顕著な形として、愛媛県庁で、やはり昇給問題を中心に問題があるようであります。われわれのちょっと聞いたところでは、少し特異なケースのようにも感じられますので、この点について自治庁の方で、愛媛県の問題について、おそらくタッチされておると思いますが、内容を、簡単でけっこうですから、中心点だけでも知らしていただきたいと思います。
#16
○説明員(角田礼次郎君) ただいま御質問の点は、愛媛県における定期昇給をめぐる問題についての問題であろうと思いますので、ごく簡単に、私承知しておる内容について申し上げたいと思います。
 愛媛県におきましては、本年当初以来の昇給を実施しておらなかったのでありますが、この夏に、一つの特例の条例を作ったのであります。この昇給昇格に関する特例の条例と申しますのは、一応昇給なり昇格をいたした場合におきましても、形式的にそれで昇給したといたしましても、実際には、一号上の給料をもらうわけじゃなくて、一号下の給料をもらう、いわば延伸と同じ効果を持つような条例を作ったのであります。なおこの場合、退職手当等については、若干特例を設けておりますが、一言にして言えば、延伸をする条例を作ったようであります。これに伴いまして、この条例によりまして昇給昇格をやっていくわけでありますが、何時に、その条例のもとにおける昇給昇格というものを行います場合にも、一応昇給期間を満了いたしまして、一応昇給該当者になり得る一応の資格を持っているものにつきましても、なお全員昇給条例の適用を受けて昇給するのではなくて、その中でも若干昇給させないと申しますか、あるいは全部を昇給させないというような昇給の仕方ということを県の方でやるというような方針をとりました。それがおそらく今占部委員の御指摘になりましたような紛争の実態であると思います。
 なお、これに関連しまして、さらに昇給させる者とさせない者との区別につきましても、そこに勤務評定制度をからましたという点も、御指摘になったような問題ではないかと思います。
 大体そういうような状況でございます。
#17
○占部秀男君 私も、聞いておるところは、概略そういうような状況であると聞いておるのですが、そこで、課長さんでも次長さんでもけっこうでありますけれども、お伺いいたしたいことは、該当者の中から適用される者を選ぶ場合に、勤務評定の制度を用いた、こういう点なんですが、現地の状況を聞いてみますと、何か、あらかじめ等級ごとの評定順位というものを割り振りをして、この勤務評定を行なったと、こういうような事実があるわけであります。このことについては、実は私も資料をこちらに持っておるのですが、最初この勤務評定を調整するについての総務部長の通達や、さらにこれをやるために、各評定者を集めて行なったところの会議等でも、はっきりとそういうような形を打ち出しておるわけですが、そういうような内容の点について、自治庁の方ではやはりはっきりわかっておりましょうか、この点について。
#18
○説明員(角田礼次郎君) 大体、県の当局からいろいろ説明を聞きまして、大体の様子は承知いたしております。
#19
○占部秀男君 この問題は、勤務評定のときの内容の問題なんですが、地公法の方にうたってある勤務評定の、何といいますか、定めから考えたところの内容を考えてみますと、これは非常に地公法のきめておるような内容から逸脱した内容である。あらかじめ、とにかく等級ごとの割り当てというものは、評定人員の割り当てを行なって、三割なら三割を落そうというような形で行われているということから、勤務評定としては、これは不当というか何というか、勤務評定に定められた方法と違ったやり方をやっておるとわれわれは考えられるのですが、こういう点について、自治庁の御意見はどうですか。
#20
○説明員(角田礼次郎君) 勤務評定につきましては、実は根本の問題として、地方公務員法上どういうふうになっているかということから申しますと、実は地方公務員法の上におきまして、任免権者は勤務評定をやらなければならぬ。それの結果によっては、適当な措置をとらなければならぬ。なお、人事委員会は勤務評定の実施その他について任免権者に勧告することができる、こういうことが書いてあるだけでございまして、任免権者がいかなる勤務評定をやるかということについては、 法律上別段の規定はないわけであります。従いまして、今法律上の問題といたしましては、勤務評定をどういう方法でやるかということについては、すべてそれぞれの暁方固体ないしそれぞれの地方団体における任免権者の権限にまかされていると言わざるを得ないと思うのであります。ただそこに、おのずから公務員制度上用いられております勤務評定という以上、当然常識的に勤務評定というものの一応の性格なり、あるいは限定というものがあることは、これは法律問題を離れて言い得ると思います。ただ御指摘の、あらかじめワクをきめるという点は、おそらく愛媛県におきましてあるいは実施せんとしたところの勤務評定なるものにおきまして、A、B、C、D、Eの五段階を設けまして、A、B、C、D、Eの五段階を設けるのは、通常そういうような五段階を設けるのでありますが、さらにA、C、D、Eの五段階にそれぞれ一定の割当と申しますか、ワクをこしらえまして、一、二、四、二、一という割合で、そういう評価をするようにせよといったようなことがおそらく問題だという御質問の趣旨であろうと思います。そこで、一応法律上の問題は、そういうことでございますが、次に、勤務成績の評定につきましては、これはいろいろ問題があろうと思います。で、やり方につきましても、これが絶対というようなものは本来あるはずはないと思いますが、一番勤務評定で問題になりますのは、それぞれの評定者が評定をいたすわけでございますが、結局全体の職員としての公平と申しますか、それぞれの評定者は一人でございませんから、評定者が異なった評定を行うことを防止するために、いろいろな工夫をこらす必要があるのであります。そういう意味から、五段階を設けるとか、あるいは評定要素としてどういうものをとるかとか、あるいは評後の問題にいたしましても、いろいろできるだけ客観的な方法をとるとかいうような工夫がされるわけでございます。それではその次の、段階別に何らかの割合をきめるということについて考えてみますと、これは勤務評定そのものとしてまず考えてみますと、これは非常に絶対的なワクと申しますか、絶対に動かし得ないワクだというふうに考えますと、ある意味では非常に真実に遠ざかる、勤務評定の客観性というものからかえって遠ざかるという結果に相なると思うのです。しかしながら、何らかの形でワクをつけるというようなことは、これは考え方によりますと、今申し上げたような調整の一方法として、できるだけ公正な、あるいは客観性を現実に維持するための方法として考えられる点もあろうかと思います。そういう意味で、ワクをこしらえること自体が、一切勤務評定自体として絶対に相いれないものだというふうには、まあ私どもも実はそこまでは断言できないのじゃないかというふうに考えます。ただし、そういうワクというものを、調整の程度をこえまして、非常に絶対的な限度としてやるということになりますと、若干勤務評定自体といたしましても問題があるのじゃないか、大体そういうような感じを私どもは持っているわけであります。ただ、具体的に愛媛県の場合につきましては、これは、私どもとしては、大体法律上の見解として、最初に申し上げました通りでございまして、個々の地方団体における個々の任命権者の一々のそういうやり方まで、当、不当を私どもとして直ちに批判するというようなことは、これは地方自治を尊重する公務員制度の建前からいって、いかがかと思われる点もあろうと思います。まあ一般論として申し上げれば、大体今申し上げたような見解を私どもとしては持っているわけでございます。
#21
○占部秀男君 今の課長の仰せだと、法律上の建前からいえば、どんなやり方をとってもいいのだというようなふうに聞えるのですが、勤務評定をするというからには、やはり評定の持つ性格があるわけですから、その性格からはずれたようないき方をするという、そういうことはやはり法律上きめられていないのであって、従って、そういう点については、法律上どんなやり方を知事や市長がやってもいいのだということには私はならぬと思う。そこで、今度の現に行われておる愛媛県の問題ですけれども、たとえば勤務評定をする場合に、これは一つの同じような県の例ですが、東京都の勤務評定規程というのによると、なぜ勤務評定をするかというような目的について、これは職員の指導及び監督に有効な指針とするとともに、公正な人事行政を行い、もって職員の能率発揮及び増進をはかると、こういうようなことになっていて、ほとんどの県の勤務評定というようなやり方はそういう目的でやられておると思うし、またこれは私は正しいと思う。そういうような場合に、一定のワクというものをあらかじめ作って、個々の人間についてのつまり審査をすることが当然な建前のものを、一定の人間のワクを作って、三割なら三割は悪いものとして作らなければならない、あとの七割は、まあこれは、優とか良とかあるいは可とかいうものをつける。いずれにしても、三割は悪いものだということに初めから限定してしまって、そして勤務の評定をするというやり方は、これは勤務評定の本旨そのものにもさからっておるやり方ではないかというふうに私は考える。そういう意味からいくと、今課長の言われたような答弁の仕方というものは、これは少し幅が広過ぎて、一体地方団体は何でもやっていいのだ、自治庁は要らないのだ、自治庁の行政機構は何も要らないのだ、こういうふうに私たちにはとれるわけですが、その点は課長さんの方でどうですか。
#22
○説明員(角田礼次郎君) 第一の点で、私は、勤務評定というものにはおのずから限界があるということも、先ほどの答弁であわせて申し上げたわけでございまして、どんな方法でも勤務評定と言えるというようなことは決して考えておりません。それからなお、愛媛の問題におきましても、そういうものが絶体的なワクだということになりますと、これはいかにも勤務評定の真実性から遠ざかるということもあわせて申し上げたつもりであります。ただ、それを一つの職場間の、何といいますか、調整の一つのめどとして使うというようなことは、広い意味の勤務評定において、それが調整の手段として用いられる可能性はあり得るだろうということは、これは人事管理上、そういう見解はあり得るだろうということを申し上げたわけでございます。
#23
○占部秀男君 どうも課長の言われることが、私は頭が悪いせいか、ちょっとはっきりしないのですが、いずれにしても、愛媛のこの勤務評定の内容というものは、これは勤務評定として本来やるべき内容のものではない。むしろ勤務評定の内容の方で定められた精神というものを逸脱した内容をもったやり方によって勤務評定がなされている、こういうことだけは言えるのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
#24
○説明員(角田礼次郎君) どうも答弁を繰り返して申し上げるようで、はなはだ恐縮でございますが、絶対的なワクとして考えるならば、これはかなり問題になると思いますが、一つのめどと申しますか、調整基準として取り上げるならば、これは愛媛県においてそういうやり方をとるということであれば、これは勤務評定の性格を非常に逸脱しているというところまでは言い程ないのではないか、こういうことを申し上げたのであります。
#25
○占部秀男君 この愛媛でやっている勤務評定の内容を見ると、むしろ初めからワクをきめてしまって、そのワク以外にはできないのだ。たとえば十人いれば十人いる人間の中を、六十六点なら六十六点という総点数を設けて、その十人なら十人にこの六十六点を振り当てるようにするのだ。従って、かりに七点が五人とすれば、あとの五人は少くとも平均点の六・六点以下にずっと下って行く、こういうようなやり方がとられているわけです。そういうことはいわゆる評定人員をあらかじめ割り振りしてのやり方であり、これは、今課長が言われた後者の絶対条件としているという場合じゃないかと私は思うのですが、そういう点はいかがですか。
#26
○説明員(角田礼次郎君) 現実の愛媛県の場合に、絶対条件だと考えているかということでございますが、私どもそこまではっきり断言はできないのでございますが、私どもとしては、絶対条件というようにかたくとっていいかどうかということは、これはまあ、絶対条件としてかたくとるというようなことはちょっと考えられないのではないかというふうに思っているわけであります。
#27
○占部秀男君 それはどういうわけですか。そのわけをちょっと聞かしてもらいたいのですが、どういうわけで絶対条件というふうに考えられないかということを。私は、こういうわけだから絶対条件であると考えると言っているのですから……。
#28
○説明員(角田礼次郎君) これは、第一次評定におきましてはそういうことがありましても、最終的に評定する場合には、おそらく調整手続というものがあわせて用いられるというふうに考えて参りますと、一つの調整の基準として、第一評定の段階においてはそれをある程度採用するということも、人事管理上の一つの方法ではないか、こういうふうに考えておるのであります。
#29
○占部秀男君 今言われたように、第二の調整が行われるということは、寡聞ながら、今度の勤務評定のこの問題について、私の知っている限りのいろいろな資料、総務部長から発せられている資料その他大分ありますけれども、この中には明確にそういう点については触れていないのです。あくまでも人事の、今言った今度やる勤務評定を基準として、勤務評定を一つの、何といいますか、条件として、これはあとで昇給問題にも触れますけれども、やられているというふうにわれわれは考えるのですが、何かそういう点について、自治庁の方ではっきりした文書的なものが入っているわけでありますか、その点……。
#30
○説明員(角田礼次郎君) はっきり文書によって、そういうことを県の方から言って来たということはございません。
#31
○占部秀男君 今の、かりに文書がないにしても、第一あるいは第二があるというようなお話ですけれども、一体第一の標準といいますか、勤務の評定というものを第二の、何というか、調整によって大きく動かす、こういうような何か条件があるならば、問題は私は別だと思う。ところが第一の評定というものはおよそ、かりに第二の調整があるにしても、九割九分までと言っては悪いけれども、九割ぐらいまで、あるいは九割九分ぐらいまで行くかもしれないけれども、基礎になるわけです。そうすると、やはり第一のものが絶対条件に結果的にはなって行くのではないか、私はこう思うのですが、その点は、課長はどういうふうに考えておりますか。
#32
○説明員(角田礼次郎君) 具体的にどの程度調整されるかということになりますと、これは非常に具体的な問題でございますから、どうもそのままお答えできがたいのでありますが、私どもとしましては、結局勤務評定というものをできるだけ真実に近付けるということがいろいろ評定の方法で工夫がこらされるところだと思います。従いまして、先ほど来申し上げているように、調整手続が全然、あるいはその具体的な調整が全然行われない、そして今のような割当をするということを裸で考えてみますと、これはちょっと、そういうことでは真実からあまりにも遠ざかるということは常識ではっきり言えると思います。従いまして、こういう方法は一つの、勤務評定の正確さを、あるいは公平さを維持するための第一次的な方法だというふうに考えざるを得ないと思います。しかし、どの程度調整が行われれば正しい勤務評定になるかどうかというようなことについては、これはまあ具体的な問題でありますから、ちょっとお答えいたしかねるのでございます。
#33
○占部秀男君 これはまあ第二の、何といいますか、勤務評定の、今度やった目的に関連して、やはり昇給の問題に関連して言わんとはっきりしないんじゃないかと思うのですが、結局愛媛県では、昇給をさせる場合に、今度のこの勤務評定をやる、この勤務評定でこういう文書が出ておるのです。この昇給をする場合に、昇給内申書を出す、その内申書の勤務成績欄には、この記入の方法として、勤務成績で出せば、勤務成績をA・B・C・DならA・B・C・Dというように入れるのですが、このときの勤務成績の評定の方法は、勤務評定表に準じて評定した等級とする、ということをはっきりと、これはもう総務部長通達で出しておるのですね。今言った勤務評定の、なぜ勤務評定をしたかというこの問題自体は、実は今度は、愛媛県でなぜこれをやったかという問題にも非常に関連してやらんと、その点があなたの言われたような逃げ方では、これははっきりせんと思いますので、その点一つからめて、さらに申し上げたいと思うのですが、今度の愛媛県の勤務評定について――結局勤務を評定する目的というものは、これは私が言わなくとも、今課長が言われたように、たとえば東京都の規程でうたっておるように、人事管理上あるいは能率増進の上からいって、いろいろなそういう目的でやられておるわけです。ところが、今度のこの愛媛県の勤務評定の目的というのはそうでなくて、いわゆる昇給をさせる場合に、その昇給をさせるには現在の財源が少い。そこで、これを三割なら三割落さなくちゃならない。その落す人間を作るために、この勤務の評定を行なっておる。こういうように私は現地のいろいろな調べから考えるのですが、一体勤務評定を昇給の絶対条件としてするというようなことは、これは、法の建前からいって、僕は違うのじゃないかというように感ずるのですけれども、その点いかがですか。
#34
○説明員(角田礼次郎君) 勤務評定をどういう目的でやるかということにつきましては、先ほど占部委員がおっしゃいましたような、これを職員の執務能率の改善だとか指導だとか、そういう面に用いていくという面も確かにあると思います。しかし同時に、勤務評定の結果をその他の人事管理上のいろいろな資料として使う、参考として使うということも当然考えられることです。たとえば、公務員法の建前では、昇任、まあつまり昇進の場合には、競争試験なり選考でやるわけでありますが、そういう選考の場合、勤務実績ということを問題にするようなときには、勤務成績の評定というようなことをやはり一つの資料として使うということも当然考えられると思います。さらに、配置転換などの場合にも、勤務成績の評定の結果を利用するというようなことも当然考えられると思います。それからまた、結局最後は給与の問題でございますが、給与の問題に勤務成績の評定の結果を何らかの形で利用する、参考にするというようなことが一体適当かどうかということが御質問の要旨だと思いますが、勤務成績の評定一般につきましては、そういうふうに一応考えられるのでありますが、給与との関連から申し上げますと、まず定期昇給制度につきましては、これは給与条例、各県いろいろございますが、大体昇給に関する条文におきましては、成績良好な状態において昇給期間を満了したときには昇給させることができるということが書いてあるのでありまして、少くとも定期昇給制度というものと勤務成績が良好であるかどうか、勤務成績が定期昇給制度に結び付く建前をとっているということは、これは条例の建前からいって、はっきり言えるのではないかと思います。もちろんその勤務成績が良好であるかどうかの判定の材料としまして、しからばいわゆる勤務成績の評定なるものを使うかどうか、あるいはそれのみによるか、あるいはそれ以外にいろいろな判定の方法をあわせ用いるかというようなことは、これはそれぞれ事情を異にする地方団体におきまして、適宜採用して差しつかえないところだと思いますが、少くとも成績というものを定期昇給の一つの、何といいますか、参考とするということは、現在の条例の建前からいって一応言い得るのではないか。しからば成績を建前にすることになれば、その方法として、勤務成績の評定というものも、ある条件のもとにおいては利用し得るのではないかということに、私どもとしては考えておるわけであります。しかし、いわゆる勤務成績の評定が昇給制度において利用できる絶対のものだというふうには、私どもとしてはむろん考えてはおりません。
#35
○加瀬完君 その参考にするということと結び付けて、建前にして考えるということでは、ずいぶん違うと思うのですよ。どちらなんです。
#36
○説明員(角田礼次郎君) これは、その当該団体のいろいろな事情によって決定すべきものでありますが、お言葉だけを取り上げて考えてみますと、参考にするということと結び付けて考えることとは、若干の違いがあると思います。
#37
○加瀬完君 あなたもおいでになったと思いますが、文教委員会での給与局の次長の説明では、大体地方公務員法の適用というのは、国家公務員法に準拠してやっておりますので、こういう給与問題も国家公務員に右へならえのような形で今まで慣行として行われて参りましたから、そういう意味で、国家公務員の勤務評定の適用の問題に当然質問が出た。それによりますと、こういうふうに言っておるのですね。これを自治庁としてはお認めになられるのですか、御反対なんですかということを伺いたい。それによりますと、勤務評定制度を重要な参考資料にはいたすけれども、勤務評定制度を即給与法でいう成績良好なものという直接な結び付きには今まで考えておらなかった、そういうふうには運んでおらなかったとおっしゃっておられますが、自治庁も同じ解釈だと思うのですが、そう解釈していいのですか、今の問題は。
#38
○説明員(角田礼次郎君) 給与条例にいう勤務成績の良好ということと、勤務評定にいうところの成績良好というものとの関係についての御質問だと思いますが、条例で勤務成績良好という場合、これは条例の文句でございます。さらに、勤務評定で先ほど来申し上げているように五段階に設けるとか、あるいは評語をどうするかということについては、それぞれの団体が自主的にきめることでございまして、一般的に給与条例の成績良好だというものと、勤務評定においてかりに成績良好という評語を用いました場合に、それが同一のものであるとか、あるいは若干の違いがあるというようなことは、これは一概に言いがたいことじゃないかと思います。
#39
○加瀬完君 私の伺いたいのは、今までは、地方公務員関係でも、国家公務員関係でも、先ほど私が例に出しましたように、給与局次長のような見解でこの問題が処理されておった。具体的に言うならば、給与法にいうところの成績良好というものは、特別な不適格な条件というものがなければ、成績良好として当然昇給されるものとしてこれは扱われておった。しかし、新しい愛媛のような評価基準というものがきびしくなって参りまして、その評価基準というものが非常に強い影響力を持って昇給が左右されるということになりますと、これは今までの例とははなはだしく違ってくる。公務員課長のおっしゃるように、各団体で評価基準をきめるのは、それは勝手だと、また、それぞれの都合で利用することも当然あり得ることであろう、こういうふうになって参りますと、これは各団体間に、今までの慣例上行われておった給与法における昇給というものの条件とはなはだしく違った較差というものが生じてくる。それでは非常に私は困ると思うのです。そういうことまでもお認めになっておられるかどうか、もっと率直に言うならば、今までよりも評価基準というものをきびしくして、その評価基準というものにひっかけてだけ昇給昇格というものをきめるという扱い方をこれから各団体がしていくであろうけれども、自治庁は、それをお認めになるのかどうかと、こういうことなんです。
#40
○説明員(角田礼次郎君) 従来、今御指摘のようになっておったということでございますが、これは、少くとも自治庁に関する限り、そういうことであるというようなことは別に申したこともございません。実際各団体で実施している場合に、そういう結果になっておった例もこれは多々あると思います。しかし、自治庁の方針としてそういう解釈をとったというようなことは、これは一つもございません。そういう問題について、自治庁として別に統一的な方針なり解釈というものを申し上げたことは、私の記憶のある限りにおいては一度もございません。今後それではどうかという御質問でございますが、私どもとしては、先ほど来申し上げております通り、勤務成績の評定というものを昇給に結びつける、結びつけると申しましてもいろいろな幅があるかもしれませんが、非常に厳密な意味で結びつける、御指摘のような結びつけ方というようなものについて指導するということは、これはもともと私どもとしては、そういうこまかいことまで、こまかいと申しますとあれでございますが、要するに地方公務員制度運用の根本的な建前からいきまして、そういうことを指導する気持は全然ございませんし、また過去においても、そういうことを指導したこともございません。
#41
○占部秀男君 今の加瀬君から関連質問がある前に、勤務成績を判定する場合に、勤務評定が一つの要素となる場合があり得るのだと、しかし問題は、今度の愛媛の場合に、これは課長のところへも行っておると思いますが、「三十一年度の昇給昇格について」という総務部長通達の中で、七割だけの人間の昇給を実施するのだ、七割の人間の昇給を実施するために、その基準として使うのがこの勤務評定なんだと、こういうふうにちゃんとうたわれておる、通達が。そうなると、今度の勤務評定というものは、第一番には昇給昇格の条件とするために今度の勤務評定を、しかもそれは、絶対条件といっていいほどこれを基礎にした条件とするために勤務評定をしたということと同時に、そのためには、三割の人間を落さなければならぬものだから、初めから人間というものを限定して、さっき言った第一の問題をやってきたということ、これはもう明らかなんですね。そうなってくれば、いわゆる今度の勤務評定の内容というものは、さっき課長が言われたように、第一の場合、絶対条件とする場合、これに私は該当するんじゃないかと思うのです。従って勤務評定の内容そのものは、これはもちろん不当なものであるし、今度の愛媛のような勤務評定の使い方、これはもう誤まった使い方であるというふうにわれわれは考えるのですが、その点はどうですか。
#42
○説明員(角田礼次郎君) 昇給制度に勤務成績の評定の結果を広い意味において利用することがあり得るということについては、御了解願ったようでありますが、それでは今のように、三割を落すために、特に三割のワクを設けるというようなことについてはどうか、こういう第二段の御質問だと思います……。
#43
○占部秀男君 いや、いや、そうじゃない、こういうことですよ。勤務評定をほかのいろいろな、つまり成績をきめる場合のいろいろな条件と並んで、一つの要素とするような場合は、これはあり符ただろう。しかし、今度の場合はそうではなくて、勤務評定を即昇給昇格のための要素とし、しかも、その勤務評定の内容が三割落さなくちゃならぬというこの必要のために、初めから内容を曲げて人間を制限し、さっき第一に言ったようなことをやっておるじゃないか、これは、今言った文書で明らかになっておるじゃないか、そこで、こういうことが勤務評定の内容として正しいものかどうか、また、勤務評定を使う目的として妥当なものかどうかということを考えざるを得ない。大きな問題となってくるんじゃないか、そういうことを言っておるんです。
#44
○説明員(角田礼次郎君) 私どもの聞き知る範囲内におきましては、昇給制度との結びつきにつきましては、これは、勤務評定の結果は利用するけれども、それは絶対的なものとしてではなくて、プラス……いわゆる勤務成績の表明といいますか、もっと広い意味の勤務成績の表明とあわせて用いるというふうに私どもとしては了解しております、従いまして、昇給制度との結びつきにおきまして、勤務成績の評定の結果というものは、それは重要な要素かもしれませんが、それだけで昇給者をきめるのではない、あわせて行う。結果のいかんを問わず、方法としては、いわゆる広い意味の勤務成績の表明というものとあわせて行うと、私どもとしては了解しております。
#45
○占部秀男君 しつこいようですが、その了解というものは、愛媛県の県当局とまあ話し合うとか、いろいろな形で了解をしたんですか。それとも一般的なものを課長は言われておるんですか。
#46
○説明員(角田礼次郎君) 問題としましては、私は、愛媛県の当局の説明の結果、そういうふうなあれを受けております。
#47
○占部秀男君 愛媛県でそういうような一般的な形でやるというような場合は、これはこんな大きな問題は起らぬですよ。それはもう通常ですね、いろいろな問題でやっていおる通常のとこに幾らか強めるとか何とかいう問題の違いなら、問題は起らぬのです。こういう問題が愛媛県で起っておるということは、私がさっき言ったように、そういうような取り扱いを愛媛県庁でやっておるから問題が起っておるんですよ。で、問題が起っておるということ自体についても、おそらく自治庁としては私は知っておると思うんです。問題が起っておる方向の内容についても、私は知っておると思うんですが、それでもなおかつ、課長が言われたような答弁をされるということは、不親切もはなはだしいと思うんですが、これは課長、決して怒るとか、責任とかいうような問題じゃなくて、もっとすんなりと言ってもらいたいと思うんですよ、率直に言えば。そうすると、現在の愛媛県のやっておることは、これはもういいんだというふうに自治庁としてはお考えですか、どうですか、これを最後にお伺いしたい。
#48
○説明員(角田礼次郎君) これは、一番最初に申し上げたつもりでございますが、私ども、公務員制度を運用して参ります場合に、いろいろ地方の理事者から相談を受けるわけでございます。しかし、そういう場合に、こういう方法はいいとか悪いとかいうようなことを非常に軽々しく申しますと、これはいろいろな意味で影響が大きいのでございます。この点は、先般参議院の文教委員会におきましていろいろお話が出た際にも、実は御注意を受けたのでございますが、私どもとしては、県の当局がいろいろやっておる措置のうち、率直に申しまして、明らかに違法であるとか、あるいは著しく不当であるというような場合には、そういうことはおやめなさいというような連絡は、過去においていたしたこともございますし、また、これからもそういうことをいたしたいと思っております。しかしながら、それ以上の問題になりますと、いろいろ見解の相違というようなことでございまして、これはたまたまその結果が、理事者側に有利な結論になり、あるいはたまたま、率直に言いまして、組合側に有利な結論になるというような、いろいろな場合がありますが、非常に、何と申しますか、その辺のところの問題はむずかしいのでございます。私どもとしては、地方公務員制度運用の立場といたしまして、地方公務員制度が地方自治の本旨ということを尊重しており、かつ人事の問題は非常に微妙でございまして、実は一例を申し上げますと、たとえば選考の基準の問題なども、私ある機会に相談を受けて、その基準はおかしいじゃないかというようなことをちょっと申しましたところ、実はその選考の基準がおかしいかおかしくないかということが、ある一人の政治的な人物をとるかとらないかということに具体的に結びついておったそうであります。それで、そういうことが、またあとでいろいろなことが問題になるというような経験もございます。従いまして、そういう経験をお話するのはなんでございますが、とにかく地方公務員制度の運用の建前としては、決して私が愛媛県の方法がいいなどと言うたことは一つもありません。しかし、先ほど来申し上げたような考えを持っております。
#49
○占部秀男君 今、課長は見解の相違の問題と誓ったのですが、私は、そうじゃなくて、愛媛県庁の方から自治庁に伝わっておる今度のこの勤務評定の内容と取り扱い方の事実と、私たちが愛媛県庁あるいは県の組合あるいは教員の組合の現地から受取っておるところの勤務評定の扱い方及び内容の事実と、その事実の受け取り方の違いがあるということを私は言っておるのですよ。つまりあなたは、勤務評定が一般的に慣行されておるようなやり方だけで現在愛媛県ではやられておるんだ、こういうふうに受け取っていると言う。われわれの方では、それでは問題は起らぬのだと、そうではなくて、特に勤務評定を、さっき私が言ったような、勤務評定の本来の趣旨から逸脱したようなやり方を愛媛の県庁でやっておるからこそ問題が起っておるんだと、そこで、その事実の受け取り方に非常にぼくは違いがあると思う。この問題は、私率直に言ってわからぬのですが、これは委員長にも、大澤さんにも、また加瀬さんにもお伺いしたいのですが、こういうような事実が一つの県庁なら県庁で行われておる今大きな問題なんですが、こういう問題の事実と内容が、われわれの方の受取った受け取り方と、それから自治庁に伝わっておる伝わり方と違うのですね。こういう場合には、何か事実をはっきりさせるために、たとえば知事さんなり総務部長さんなりに来てもらって、一体自治庁にあなた方こういうことを言っておるそうだが、そういうことをやっているのかどうか、われわれの方は実はこうなんだけれども、どっちなんだということをはっきりとやはり示してもらわぬと、問題の急所の解決はつかぬと思うのですけれども、そういうような点はどういうものなんでしょうか、加瀬さん、今までの慣例では……。私はよくわからぬのですが、もしそういうことができるならば、一つやってもらいたいと思うのですが、どうも誤長のお話では、つまり一般に各県市で行われておる勤務評定の扱い方、この扱い方で現在愛媛県ではやっておるんだということを聞いておるだけなんです。ところが、そういう一般的な扱い方をやっておるならば、愛媛県では問題は起っておらぬのです。そうじゃない、ひどい扱い方をやっておる。勤務評定の内容も本来の趣旨も逸脱したようなやり方をやっておるので問題が起っておるのですよ。そこで、一体ほんとうはどっちなんだ、どういうやり方をやっているんだということを、私としては、この問題についてははっきりと知りたいと思う。この問題は実に大きな問題なんです。この問題のやり方によっては、全国の県や市に全部影響してくる。全国の地方公務員に非常に大きな問題になってくるわけです。そういうような意味合いから、現地の実情をもっとはっきりと、的確なものを受け取りたいと思っているのですがね。そういう意味で、知事さんとか総務部長さんに来てもらって、何とか内容を、どういうことをやっておるかということを知らしていただくわけにはいかぬものですか。
#50
○委員長(本多市郎君) これは、地方自治庁を通じて調査して、それで満足いただけるかどうか。どうしても招致するという必要があれば、招致しなければならぬ場合もあると思います。後ほど協議いたしたいと思います。
#51
○加瀬完君 議事進行について。公務員課長もこの前、文教委員会に出ておって、今、占部さんから述べられておる事情がいろいろ問題になりまして、そういう事実がないという否定をあなたはなすっておるわけでもなければ、事情は十二分に御存じの上で御答弁なさっておる。今日の御答弁も、伺っておりますと、文教委員会でのあなたの御答弁よりも、もっと何かよそ事のような御答弁です。そうではなくて、事実を事実としてお認めになって、あなたの方でどうする、こうするということではないとしても、一応自治庁としての見解をはっきりおっしゃっていただければ、占部さんの御質問もまたうなずけるいろいろな点が出てくると思う。何か第三者のようなお話ではなくて、自治体がこういうような運営をしておるとすれば、それは公務員法からいってこう思うとか、あるいは他の自治体とこの権衡上どう思うとかいう、もっと自治庁としてのはっきりした見解を述べられると、私はうなずける点も多いと思う。どうも文教委員会でお答えになっておる答えよりも、はるかにまた何か遠いような答えをされておるように私には考えられる。もっと率直に自治庁としての御見解をお漏らしいただきたい、そういうふうにお運びを願いたいと思う。
#52
○説明員(角田礼次郎君) 私に対する御質問じゃないと思って失礼しましたが、先般の文教委員会におきましての発言は、おそらく行政部長が申しましたことであろうと思います。行政部長の申し述べましたことの要点としましては、それが何か機械的なワクだということであれば、これは確かに真実から遠ざかる勤務成績評定そのものとして問題があるというようなことをたしか申し上げたように記憶しております。私もその点は、今日申し上げたつもりでございます。別に先般文教委員会で申し上げた線からはずれたこと、あるいは後退したようなことを申し上げておるつもりはございません。
#53
○占部秀男君 実は、こういうことなんですね。この問題は、さっき言ったように、非常にこれはあとあと大きな問題になる問題だから、それと一つは、私もこれのほかにもっともっと質問をして、これに関連する問題を明らかにしたい点が相当あるわけなんですよ。あるわけなんですから、自治庁で受け取っている、ただいま課長の言われたところで、先ほど私言いましたような受け取り方と、それから実際に問題が起きている内容とは相当違っておる。そういうような状態のままで今後の質問をしても、これは非常に何か無意味ではないかという感じがどうしてもするわけなんです。そこでできれば、この問題は現在紛糾しておる問題で、そうがちゃがちゃ長く引っぱる問題でもないし、また、問題をそのまま放置しておきますと、今度は県の教員組合も、県の職員組合も、ストライキに入るとか何とかいうような要らざるところまで問題を発展させるような今段階にあるわけですから、なるべく早くこういう問題については、やはり自治庁があるのですから、自治庁が、言い方はおかしいけれども、ここでただすことはただして、それに従って、早く問題の収拾をはかるためにも、知事なり総務部長を呼んで、そうして自治庁の受け取り方が正しいならば、これはわれわれとしては言うところはないのです。何も文句はないのですが、その点はどうなんですかね。
#54
○委員長(本多市郎君) 占部さんに申し上げますが、公務員法の範囲内における行政であれば、これは、十分また地方の考え方も尊重していかなければならぬと思いますが、公務員法の解釈を逸脱し、違法ではないだろうかという疑いがあるならば、その点を質問によって明らかにされるように、もう少し質、問をされたらいかがでしょうか。
  〔成瀬幡治君「明らかになったのだよ」と述ぶ〕
#55
○委員長(本多市郎君) いや、なっていない。
 ちょっと懇談にしましょう。速記を中止して下さい。
  〔速記中止〕
#56
○委員長(本多市郎君) それでは、速記を始めて下さい。
#57
○加瀬完君 長官、わざわざ御出席いただいてありがとうございます。お伺いしたい点は、今も問題になっておりますように、私をして言わしむれば、再建計画の過度の適用といいますか、がいろいろ、特に職員の給与問題について、各府県間の均衡をも破っておりますし、それから、今までの慣例にはないような事態をも生じておるわけなんです。これが昨年も問題になったのでありますが、何か、近々閣議で、年末手当の問題が相談されるそうでございますが、地方公務員の年末手当の問題にからみまして、さらに国家公務員との較差も生ずれば、地方団体間の較差も生じまして、また新しい問題を生ずるのじゃないか。そこで、長官の閣議に臨まれます地方公務員に対する年末手当の問題に対する態度をこの際伺っておきたいと思うわけです。
#58
○国務大臣(太田正孝君) 加瀬委員にお答え申し上げます。
 年末手当の問題は、まだ確定しておりませんが、これを具体的に実行するのは、申し上げるまでもなく地方自治体そのものでございます。しかし、自治庁といたしましては、国家公務員に準じて取り扱わるべきことを期待しております。期待は、いかなる形においてするかと申しますると、その財源を整えなければなりませんので、財政計画上これが実行し得るようにいたしたい。言葉をかえて繰り返して申し上げますと、地方でやるべきことであるが、自治庁といたしましては、国家公務員に準ずることを期待する。期待だけではいけない。どうするかというと、それに必要なる財源については、十分心配しなければならない。かような考え方でございます。
#59
○加瀬完君 よくわかりました。そこで、国家公務員に準じて施行をするために、財源の御心配をなすって下さるということでございますが、特に再建団体などでは、給与も延伸をいたしておりますれば、また、今問題になっておりますような、延伸の上に特別なワクをつけて、何割かというものを昇給、さらに延伸をさせようというようなことすらも行われているような実情でございますので、これは、よほどその財源の御心配をしていただかなければ、年末手当は去年よりもさらに地方団体にとってはやりにくいものになるのじゃないか、こう考えられるわけであります。そこで、せめて給与の延伸などを通例といたしておりまする地方団体でありまするから、この年末手当だけでも、お言葉のように、国家公務員にほんとうの意味で準ずるといいますか、同等になるようにお取り計らいをいただかなければならないと思うわけであります。問題は、財源の方法ということになりますが、今お考えになっておられる大臣の、特に再建団体で一つのワクをきめられておりまするところなどについては、どのような財源措置をお考え下さるおつもりでございますか。その点も伺わしていただきたいと思います。
#60
○国務大臣(太田正孝君) 御心配の再建団体については、私も心を痛めておりますが、年末手当につきましては、やはり計画の中に今まで盛り込んでおります。従って、一律という言葉がいいかは別といたしまして、国家公務員に準じてやりたいという意味から、そういうような場合のことも考えまして処置していきたい、こう考えております。
#61
○成瀬幡治君 ちょっとお尋ねするわけですが、国家公務員に準ずるというあなたの意味は、法律に、年末手当はどれだけ出すということは決定をされております。しかも、それは、地方自治体においては、財源措置等は、あなたの方から見て、そういうことは大体やってあるわけです。だから、あなたのおっしゃるのは、プラス・アルファーを含んでの、プラス・アルファーというものが大体決定をされるということを見越して、それの財源措置をやるのだというふうにお聞きをしておるわけですが、それで間違いございませんか。
#62
○国務大臣(太田正孝君) 大へん時間をとって申しわけございません。かようなプラス・アルファーあるべきことを予見して今日組んでいるのではございません。従って、新しい問題が起きたときとしては、新しい問題の処置を財政的にやっていくと、こういう意味でございます。それでよろしゅうございますか。
#63
○成瀬幡治君 太田自治庁長官の御答弁を聞いて、大へんうれしかったわけですが、こういうことですか、財源措置を考えるということは、すでに法律にきまっておる年末手当の財源措置は講じてある。だから、あなたは、財源措置を国家公務員に準じて考えるということは、プラス・アルファーが当然閣議等で論議されて、大体決定をされるだろう。その場合についても、自治庁は、それに協力して財源措置を考えていくんだ、こういうふうに答弁を承わったわけですが、その通りでいいわけですか。
#64
○国務大臣(太田正孝君) どうも私、法律的に申し上げることは下手でございますが、現状におきましては、第一段に御指摘の通り、新たなる問題ができ、これだけふやそうということが国家公務員について起りました場合は、それに準ずる手当をしていかなければならない、すべきものである、こういう考えであります。何だかどうも、私の言い方がまずいために何ですが、常識的に申し上げただけでございます。
#65
○加瀬完君 それだけ伺えば、ほかに質問することはないのですが、財政部長、自主財源の団体で、法律できめられただけの確実な年末手当の予算が組まれておりますか。
#66
○政府委員(小林與三次君) 再建計画では、年末手当のようなきまったものは、組んでおかなければおかしいのでございまして、再建団体も大体組んでおるはずでございます。
#67
○加瀬完君 はずですか。まだないですか。はずと、組んであるかないかは別ですぞ。
#68
○成瀬幡治君 先ほど加瀬君の質問が出ましたのですが、臨まれる態度だという点ですけれども、まあベース・アップ等の問題が延び延びになっておったことは御承知の通りなんです。それで、年末手当で何とかこれを少しはせなければならないと私たちは思っておるわけです。おそらく、自治庁長官もそういうふうなお考えでなかろうかと思うわけです。長官が臨まれる態度というものは、単に閣議で多数決できまったらそれに従うというのではなくて、地方公務員の給与問題等については責任のある地位でございますから、少くとも、ベース・アップが延びておる、だから、この際何とかしなければならないというような、そういう公務員の代表、なお、自治庁長官としての、財政上の問題もございますから、それは十分考慮されての問題だと思いますが、まず、この際第一にとるべきあなたの態度としては、ベース・アップがおくれておるということに対して、この際何とかしなければならないという態度であろうと思うわけですが、その態度と申しますか、基本的なお考えはいかがなものでございましょうか。お伺いいたします。
#69
○国務大臣(太田正孝君) 現実の問題として、各地方区々ではございますが、御指摘のような大へん昇給がおくれたとか、ベース・アップの問題が起っておるということは、御指摘の通りと思います。このことは、私は、少くとも財政に関する限り、常に申し上げておるところで、しかも、一般国家公務員の問題につきましても、現状の生活指数とか、あるいは食糧関係と給与の関係というような、一般的に考えなければならない問題でございますが、私は、担当しておる自治庁の立場から、地方公務員を除外したような考え方とか、不公平な考え方とか、これは断じて私は受けることができないと、たびたび申しておるわけでございます。それならば、今申したような問題をどう取り扱うか。これは、一般的な問題ともからんでおりますので、国家公務員の給与をきめるときの問題には十分申し上げるつもりでございます。
#70
○委員長(本多市郎君) この際、中田委員の要請によりまして、大蔵省の地方資金課長が見えておりますから、中田委員の質問を続行したいと思います。
#71
○中田吉雄君 午前中に、小林財政部長からいろいろ財政の近況について御報告がありまして、だいぶん自画自讃されましたが、しかし、その内容については、後刻地方財政の本質にさかのぼっての御質問をいろいろしたいと思いますが、今日、大蔵省の地力資金課長においでを願いましたのは、再建団体の取扱いについて、自治庁と大蔵省との関係について、一つお願いしたいと思うわけであります。
 実は、午前中いただきました各都道府県別の再建団体の指定を受けたいという申し出の一覧表と、それから承認になりましたものとの概況をいただいたんですが、府県の方につきましては、割合進捗しているようですが、町村の方におきまして、たとえば、北海道のごときは、六十ないし七十ぐらいの申し出がありますのに、わずか五、六件の町村が指定されているにすぎない。非常に町村の方がおくれまして、それで、市中銀行のこれまでの借銭のやりくり等で非常に困っているのですが、この点は、自治庁と大蔵省との関係がうまく調整されていないために、必要以上に事務が渋滞しているのではないかというように考えるですが、承認になる手続は一体どうなんですか。その点、実は前国会でもやかましく言って、やかましく言ったとたんに少し促進したと思ったら、また最近非常に渋滞しているんですが、その手続について、大蔵省との関係をお伺いしたい。
#72
○政府委員(小林與三次君) それでは、手続につきまして御報告申し上げます。これは、再建団体が再建計画を作り、申し出をしまして、それから計画を持ってくるわけですが、その前に、一応自治庁の方に内協議をさせることにしておるのであります。正式に議会できめたものについて、こちらの意見を申し上げるのもいかがかと思いまして、あらかじめ案ができますれば、内協議をさせまして、その内協議につきまして、こっちの技術的な勧告を申し上げる。これは、もちろん全部終ってしまいましたが、それが終りまして、地方で、地方議会の正式の議決を経まして、承認の手続をやることになっておるわけです。その承認の手続は、県を経由して自治庁へ参ります。自治庁はそれを受けまして、大蔵省と協議を申し上げる。再建債はみな許可が必要でございますので、再建債の許可案につきましては、大蔵省とお話し合しなくちゃ話が進みませんので、大蔵省と協議を申し上げることにしておるのでございまして、協議が整ったものにつきまして、再建計画の承認で、そういうものにつきまして、さらに再建債の承認、こういう段取りになっておるのでございます。それで、今大体地方では、正式の議決をまだ全然済まずに、もたもたしておるのも多少ございます。それ以外のものはみな承認の手続を持って参りまして、それで、大蔵省の方と協議をしているわけでございます。これにつきまして、よく大蔵省と自治庁と、二重行政じゃないかという御意見がしばしばあるのでございますが、われわれの気持は、市町村といたしましては、窓口は県庁一本で、県の方へみな手続をしてもらう。しかしながら、大蔵省の方でも起債を扱っておられますから、地方の財務局なり財務部なり、県にございますから、そこの御意見も当然聴取せられなくちゃできぬだろうと思います。そういう場合には、県の方から財務部の方に連絡をさせまして、そして県の考えも述べて、財務部の方としての一つの御判断を願う、財務部の系統で、財務局を通じて大蔵省の方に話をしていただくと、で、中央の方におきましても、自治庁が窓口になりまして、自治庁として必要があれば大蔵省当局と御相談をいたす、こういうルートで事を進めておるのでございます。それで、初めの間は、いろいろ取扱いにつきまして問題のあるものも少からずございまして、いろいろ意見も重ねておったのでございますが、今日におきましては、もう大体事務の運び、考え方も軌道に乗りまして、大蔵省の方におかれましても、非常に事務がスピーディーに進んでおるのであります。毎日数件ずつ事務が処理されていくという段階になりまして、現在のスピードは非常に好調になっております。そういうことでございますから、いましばらく御猶予をいただけば、大体問題が全部片がつく、こういうのが実情でございます。当初いろいろおくれまして、おしかりを受けて申しわけなかったのでございます。これは両方とも、あるいは地元の方にも不なれな点が多々あったので、軌道に乗るまでは、やはり多少時間がかかったのは事実でございます。今日におきましては、すっかり軌道に乗って運んでおるということを一つ御了承願いたいと思います。
#73
○中田吉雄君 北海道が承認されたのは数件ということは訂正しますが、年内にどの程度まで進捗するのでしょうか。大蔵省の方にだいぶ暖めてあるのじゃないかと思いますが、その関係は……。
#74
○説明員(堀口定義君) 十一月十九日現在でみますと、一番新しい資料なんですが、私の方で済んだものが約二百と、それから内部のことを申し上げてあれですが、内部決裁のようになって、もうすでに済んだというふうにみられるものが九十四でありまして、まあ、三百ばかりは済んだというような格好になっております。従いまして、五百七十三団体のうち二百七十三ばかりが残っておるわけでありますが、これは、十一月中まだ相当済んだものがあると思います。それから十二月も、できるだけやりまして、特に問題のないものは、大体十二月中で全部済ませてしまいたいというふうな覚悟で、連日努力しておる状況でございます。
#75
○中田吉雄君 これは、再建債のワクのときに、自治庁と大蔵省と話し合いがされて、ワクがきまったら、同じ鳩山内閣のうちですから、おまかせになるということはできないか。やはり自治庁のやってることも危ないしというようなこともあるのですか、その辺どうなんですか。
#76
○説明員(堀口定義君) その辺は、ほかの行政でもあるわけなんですが、私どもの方といたしましては、自治庁でみていただくわけですから、問題のないものは、ほとんど何もチェックする必要はないわけですが、実際に起債という一とですから、償還の問題もありますし、それから再建債につきましては、利子補給の問題もありまして、それが進捗に支障のない程度にチェックさしていただこうというふうに考えております。
#77
○中田吉雄君 名前をあげることははばかりますが、私、実は陳情を受けたこともあるのですが、ある府県の財務部の方で、非常に丹念に計画の調査をされて、そういうこともあったりして、非常に渋滞して、市中銀行の肩がわり等に困っているような面もあるので、平素からよく財務部と連絡をとることも必要でしょうが、その辺、地方資金課長とされて、行き過ぎなんかはないとお考えですか、どうですか。
#78
○説明員(堀口定義君) これは、率直に申し上げまして、地方に勤務しております職員が、全く本省におけると同一な気持で、かつ特に同じ能力ですね、そういうことでやっていると非常にいいのですが、私たちから見ておりましても、ほんとうに率直に申しまして、あそこにはちょっとその、もう少しこうした方がよろしいのじゃないか、少し行き過ぎていやしないかというところがあるというふうに、申し上げざるを得ないと思います。そういうところにつきましては、気がつき次第こちらから注意をしたり、あるいは財務局長会議なり部長会議なり融資課長会議等におきまして、注意を与えて是正をいたしているわけであります。そうして、さっき財政部長からもお話がありましたように、最近におきましては、大体その辺が調子が合いまして、あまり問題がなくなっているのじゃないかというふうに考えております。
#79
○中田吉雄君 ただいま、大体年内にできるだけ片をつけたいということで、大へん適切な御答弁だと思うのですが、実は昨日、町村長会議がありまして、だいぶ促進方を頼んでくれというような陳情もありましたし、両者の関係も大へんうまくいっているようですから、一つ、あまり年の瀬が迫らん段階で、事情の許すものはやはり決裁して、いい年を越せるように配慮をお願いしたい。それだけ申し上げておきます。
#80
○委員長(本多市郎君) 中田君、大蔵省の地方資金課長はこれでよろしいですか。
#81
○中田吉雄君 よろしいです。
 愛媛県の問題を別な角度から、私、小林財政部長に質問したいと思うのですが、実はこの「府県財政再建計画概要」の末尾に、愛媛県の再建団体の指定の一覧表がございます。やはり私は、この再建計画が非常に無理な再建計画を認めるために、勤務評定に名をかりて、やはり昇給を七割ぐらいに押えて、そうして財政を自主的に立て直すということに無理があって、公務員課長はやはりそれに符合を合したような答弁をせざるを得ないというふうに思うのです。これは、やはり愛媛県の財政再建計画が、これには幾らかわかりませんが、百二億くらいの財政規模に対して、たしか六、七億の赤字があるはずです。そういう際に、再建債を発行せずに、自主的に総務部長と知事さんが再建債を受けてやる再建は非常に面子にかかわるというようなことから、こういう再建の方式を自治庁が認められたために、そう首を切ることもできないし、こういう勤務評定に名を借りて、この際再建計画に合うようなものだけしか昇格できない。それがやはり勤務評定の起きた経済的、財政的な背景だと思うのです。地方公務員課長は、それを弁護すると言っては恐縮ですが、それに符合を合わせたような答弁をせざるを得ない、その苦衷はわかるのですが、もとはやっぱり再建計画で、この程度の県財政の規模で、六億、七億もあるのになかなか自主再建をやるということは困難で、むしろ再建債を起して利子補給等を受けてやれば、そういう定時の昇給、昇格もやれると思うのですが、これはやっぱりこういうのを許されたところに、給与はこのくらいにせいというような再建計画を認められておると思うのです。ほんとうの根本はそこにあると思うのですが、まあ下の方のところで、小林部長のところはどうか知らぬが、私はやはりこの計画は無理じゃないか、一体愛媛県の赤字は幾ら、どうなっておるか、そういうことと関連して一つお聞きしたいと思います。たしか、だいぶあるはずです。
#82
○政府委員(小林與三次君) 愛媛県の再建計画の内容は、今、中田委員のおっしゃいました資料によく出ておりまして、今、中田委員からも御指摘がありました通り、いわゆる再建に自主再建と再建債を借りる方と両方ございまして、ほんとうは再建計画をやる以上は、再建債を借り受けてやった方が県のためにもなるし、われわれとしても、そうあるべきものだというのが実は基本的な考え方だったのであります。しかし、その当時再建団体になるということにつきまして、いろいろ懸念というか、心配というか、国会の中にもずいぶん御議論がありました通り、なるべく再建団体になるまい、なるまいというお気持も相当団体によっては強くあった。そうして結局愛媛県もそういう範疇の一つとして、私はああいう形の再建方策をとられたのだと思います。だからこれば結果的に見れば、わざわざ赤字団体の再建のために政府も考え、国会も考えて作った法律ですから、これは悪いはずがない、当然そうあるべきものだと、われわれ全体としてそう考えておったのですが、団体の気持がその当時そこまでこなかった。そこが真相だと思います。今になってあるいは悔んでおるかもしれぬ。まあそういうことは、愛媛県だけのことを申し上げるわけではありませんけれども、ほかの府県でも相当赤字がありまして、ほんとうならば、再建債を借り受けられたならば楽に行けたのにという府県も、私はほかにもあると思うのであります。その点はわれわれとしては非常に残念なことだと思うのでございますが、まあ今日の建前上それはやむを得ない。そうすれば、勢い全く自力で赤字を解消せざるを得ないのでありますから、勢い計画にある程度無理がくると感ぜられる部面も出てくることは、やむを得ないものがあろうと思うのでございます。それでこの愛媛の再建計画を作る場合におきましても、ことに人件費の問題が問題になっておるのでありますが、現に私も横から聞きましたけれども、非常に問題になっておりまして、県の方ではそういう消費的経費を削って、むしろ事業費を伸ばすべきだというような強い意向も、実は地元にあったように聞いておるのであります。それで、どうもこんなことを申してどうかと思いますけれども、昇給財源も全然見ないで計画を作るという意見さえ赤字団体に強かったはずでございました。われわれといたしましては、やはり再建計画をやるためには、全体がうまく動くようにせんければならないじゃないか。全然昇給をゼロにして計画を立て、運営をすることは無理ではないか、その程度のものは認めた方がよいというような積極的なこちらの方で意見も勧告もいたしまして、現在のような計画に落ちついたというのが実情でございます。多かれ少なかれ、こういう経費につきましては、ある程度、圧縮しているのは、大体の団体に通ずる実情でございますが、再建債を引き受けなかったところには、それだけの重みが来ているのはやむを得ない。大体そういうところにおきましては、全体の再建計画の期間なり、計画なり、何なりにつきましては、そこはある程度弾力性をもって考えておるのでございます。それが事柄の実態でございます。
#83
○中田吉雄君 私の党は、政府から再建法が出たときに強く反対したわけですが、それはあの内容に反対したので、再建に対して国が何らかの措置をすべきだということには反対したわけでない。しかし反対したにかかわらず、通った際にどうするか、法案のときに反対することと、法案が通ってからのその適用とは私は別だと思う。そしてまたそれに対して、その条件、内容をもっと改正をする、実情に合わない、これはあとでも質問したいと思いますが、そういう形に切りかえるべきだという考え方を日本社会党は持っておったのであります。そういうことから考えてみると、この再建計画を見ますと、税の方はちっとも伸ばせないようにしてある。これはなかなか徴税の強化によってやることはできないでしょう。これを投資的な経費と、結局給与が横ばいのようになっておりますが、その二つくらいでやらざるを得ぬので、これを認められた背後には、やはり給与をこれだけに切るということは、必然的に、今の問題になっている評定を作らざるを得ないということになってくるのですよ。そういう点では財政部長のあなたが、公務員課長があんな答弁をされても仕方がないというお気持もあるでしょうが、どうしても私はそうなると思う。私はここはたしか七億くらいあるだろうと思う。この財政規模でそれだけあったら、自主再建をやられるにも、いろいろな赤字の状況によってあるでしょうが、これはちょっと無理じゃないか、むしろこのワクをはめられる県の職員その他にも、再建法を受けた方がはるかに現実的だということだが、総務部長と知事さんが、まあ再建法を受けるような財政破綻を来たしたら、自治庁のおぼえもめでたくないということもあったりして、全く面子のために結局これを作らざるを得なかったということもちょっと聞いているのですがね。これはもう一ぺん、ただこの評定がだめだからせぬなどと言ってみたって、経済的な背景を是正することとあわせて、こういうことが他にも蔓延するし、そのことを防ぐことも必要ですから、これはもう一ぺん一つ検討してみることが必要じゃないか。小林部長さんも特殊なケースとして、これは実際ここに自主再建をやるか、再建債を起してやるかのぎりぎりのところだと思う。ところがもう一ぺん検討して、実情に合うような措置はできぬものですか。
#84
○政府委員(小林與三次君) これは今いろいろ中田委員おっしゃいましたが、実はわれわれといたしましても、法律はもちろん必要な法律だと思うし、とった以上は、第一、団体はむしろこれに乗っかってやった方がよろしい、こういうのが少くとも自治庁の当事者の考え方でございまして、そして、むしろあの当時は、自治庁が無理な再建を押しつけておるのではないかという非難を、私は国会でもしばしば突け受けたのでございます。そのくらいの気持でやった以上は、これはやった方が団体のためになるぞということで、私は相当法律の趣旨の宣伝もすれば、勧奨もしておったのはほんとうでございます。しかしながら、その団体のその当時のお立場で、あくまで自分でやるのだという団体がある以上は、これはもちろん強制するわけに行きませんので、やむを得ぬ措置としてとって参ったわけであります。それで中田委員は、もう一ぺんいろいろ再検討の必要がないかというお話でございますが、実は再建法では、再建の申し入れとか、扱いは時期がきまっておりまして、御承知の通りですね、これはことしの五月三十一日でもうみんな切れてしまっておりますので、現在は法律制度でも変えぬ限りは、まあ救済のしようがないのでございます。この点は一つ御了承を願いたいと思います。事実再建債がなくて、今になって困っている団体が相当にあって、もう一ぺんまき直しに再建債を受けられるようにした方がいいじゃないかというのも議論としてある。しかしそういうことはもうできません。あとは個々の計画の運用を合理的にやって行くよりしようがないと考えております。ただいまの問題で、それがつまり勤務評定その他いろんなところに累が及んだという問題ですが、これは愛媛だけの問題というよりも、ある程度再建計画でやれば、再建債はとろうがとるまいが、いろんな経費をある程度切りつめざるを得ない。これはやむを得ぬ措置であります。そこでその切りつめた結果、昇給その他についてもある程度の影響があるということは、これは団体によっては非常に残念ですけれども、赤字を解消するためにはやむを得ない場合も、これはあると思うのでございまして、ただわれわれといたしましては、この赤字の穴埋めの責任というか、犠牲というか、そいつを全部給与費や人件費に持って行くということは、これは厳に避けさせておるのでございまして、経費全般を総合的に考えてバランスをとるように、そういう指導方針だけは、これは堅持いたしておるのでございます。その点は一つ御了承を願いたいと思います。
 それで、まあそうしたきまった人件費のワク内で具体の給与の調節をどうやるかというので、愛媛でもおそらくいろいろ考えた結果、勤務成績のよいものを中心に考える給与条例の建前に乗っかりまして、おそらくは、そいつを技術的にどうやったらよいかということで勤務評定制度を考えたのでございまして、勤務評定のやり方自体に技術的にいろいろ問題はあるだろうと思いますが、おおむね考え方の大筋は、そうでたらめで間違っておるかと言えば、私はそういうわけにはいかぬ。むしろ成績の良好のものをどうするかという場合に、そいつをどう判定するか。そればなるべく科学的、合理的の方式で判定したらいいじゃないか。現に公務員法にも勤務評定制度というものがありまして、その技術を活用したこと自体は、それが直ちに間違いであったとは私は言えぬと思います。ただ評定の技術的なやり方におきまして、これはいろいろな議論があり得るということは、公務員課長のいろいろ言っておられる通りであります。それがこの問題の全体の考え方でございます。
#85
○加瀬完君 今、中田委員の方からも、再建法に関係づけられて一、三の問題の御質問が展開されたわけでございますが、私も四、五点端的に御質問いたしますので、お答えも端的にお答えを願いたいと思います。これは愛媛の問題ということに限定をいたしませんで、客観的にこういう事例はということで質問をいたしますので、そういう意味でお答えを願います。
 まず第一点は、勤務評定制度即給与法で言う成績良好なものという直接の結びつけで運用することは好ましいことかどうか、この点。
#86
○政府委員(小林與三次君) これはそれぞれの団体の、つまり条例と勤務評定との扱いの解釈の問題だろうと思います。それで条例で成績良好とあれば、その成績良好というものをどういう基準で判定をするか、判定するのに勤務評定を標準にしよう、こういうことは一向におかしいとは私は言えないと思います。
#87
○加瀬完君 そうすると、特別に昇給ストップをもたらすような、給与法に適合させる目的で立案された勤務評定制度というものを妥当と認めるか、私の質問について答えて下さい。
#88
○政府委員(小林與三次君) 勤務評定は勤務評定としての目的と理由を持っているのでございますから、それたけのものとして考えてしかるべきだと思います。
#89
○加瀬完君 ですから、私の質問をしたような内容である勤務評定は妥当でないとお認めになられるわけですね。
#90
○政府委員(小林與三次君) その全くただ一つのきまった目的で、しかもきまった目的が、非常に一つの制限的な目的のために勤務評定を全面的に考えるということは、これは必ずしも適当だとは言えぬと思います。
#91
○加瀬完君 もしそういう不適当な勤務評定制度というものが地方団体に行われるとすれば、これは撤回をする方が好ましいと私どもは考えますけれども、自治庁も同じようにお考えになりますか。
#92
○政府委員(小林與三次君) だからその勤務評定というものは、全く誤まった前提で、誤まった目的のためにのみ使われて、中味も間違っているということになれば、これは問題があろうと思います。
#93
○加瀬完君 第三点は、中田先生の方から出た問題に関連するわけでありますが、三十一年度の財政計画には、給与費を特にはなはだしく圧縮する方針をとっておるのかどうか。
#94
○政府委員(小林與三次君) 給与費だけを特に圧縮しようという方針はごうもとっておりません。
#95
○加瀬完君 そういたしますと、地方団体が特に予算の理由をもって給与費だけに過度の圧縮の方針をとれば、それは自治庁の策定をいたしました財政計画とは、はなはだしく違ったことをしていると、こう解釈してよろしゅうございますか。
#96
○政府委員(小林與三次君) 今のお話よくわかりませんが、再建計画につきましては、自治庁も大体関与をいたしております。計画自体につきましては、そういう給与費だけに全部しわ寄せるような、とはわれわれとしては指導いたしておりません。個々の具体の予算の決定は、これは団体の問題ですから、そこまで一々こちらは干渉はいたしておりません。
#97
○加瀬完君 それでは、ある県について延伸期間を何ヵ月、あるいはその上に全体の公務員のうちの五割は昇給停止をしろ、あるいはある県については延伸は倍、その一割五分程度はさらに昇給ストップをしろ、こういうような再建計画の指導を自治庁はなさいませんか。
#98
○政府委員(小林與三次君) 今のような設例の通りのこと、それだけを抽出して、それだけが全部だというようなことはあり得ないと思います。再建計画は、あくまでも団体の財政全体を総合的に考えて、総合的に人件費のあり方につきましても勧告をいたしておるのであります。
#99
○加瀬完君 再建計画の策定の要網の中で、類似県同等ということがたびたび使われているのでございますが、類似県と同等ということになりますと、一つの県だけが特に給与費を非常に割り引きされて両建計画を進めるというふうなことを、かりにお作りになって持ってこられても、そういう再建計画は自治庁ではお認めになっておらないはずだと思いますが、そう了解してよろしゅうございますか。
#100
○政府委員(小林與三次君) これは結局再建計画の問題は、個々具体の団体の行財政計画でございますから、具体の団体の行財政計画として、こちらとして常識的なものだという限度で承認をいたしておるのでございます。しかしこれも、もう一つ申し上げますが、自治庁は個々の計画の修正権も何もございませんので、団体がきめてしまったものについて、これをこちらの権限、強権でもって変えることができない、そういう点だけはございますので、これは御了承願います。
#101
○加瀬完君 建前はそうなっておりますけれども、相当いろいろ交渉の過程においては、変更されておることはこれは公然の事実でございます。そこで私が先ほど言ったように、ある県において他府県と権衡を失するような、特に給与費を特別に圧縮される、こういう計画を自治庁はお許しになったかどうか。
#102
○政府委員(小林與三次君) それは先ほどから申しました通り、計画の承認の問題は個々の団体の具体の問題でございますから、具体の団体の具体の計画として議論をするよりしようがないと思います。ただ一般的に申しまして、ほかの事情が全く一緒なのに給与費だけを特別に低くしろ、そんなような指導はしておりません。
#103
○加瀬完君 第四点、職員の給与について地方団体間にはなはだしく格差の生ずる傾向がありますけれども、こういうことは好ましいことだとお考えになりますか、あるいは正しいことだとお考えになりますか。
#104
○政府委員(小林與三次君) これは同じ地方公共団体の職員でございますから、給与はあまり格差が生ずるということは適当だと思いません。その辺は、だから高過ぎるのも適当だと思わなければ、低過ぎるのも適当だとは思いません。しかしながら、個々の給与の問題は団体の自主的な決定の問題でございますから、これをこちらで右から左に統制しようという気持は持っておりません。
#105
○加瀬完君 私は統制しろとか、指導をしろとか、そういうことをお伺いしておるのではない。結局地方自治体全体についての行財政の全般に一番明るい自治庁が、どういう見解を持っておるかということを聞いておるわけでありますから、そういうお立場でお答えをいただければよろしい。
 その次の五番目に伺いたいのは、勤務評定の過度のきめ方が、職員の勤務条件をはなはだしく過酷にしたり、過重労働にしたり、あるいは地位をはなはだしく不安にするというようなことがあるとするならば、こういう勤務評定の立て方というものはお認めになりますか。
#106
○政府委員(小林與三次君) 今いろいろあるとするならばという仮定でございましたが、そういう勤務評定というものは僕はまずないだろうと思います。勤務評定というものは単に勤務の評定の限度を考えるだけでありまして、それが直ちに職員の勤務条件をどうこうするとか、勤務の意欲をどうこうするということとは、私は必ずしも評定自体は結びつくものだとは考えておりません。
#107
○加瀬完君 今述べました四と五の問題について、地方公務員法の二十四条の三項なり、五項なりというものが非常に私は関係深いと思うのでありますが、私が述べたような内容が、もし地方団体のいずれかによりまして行われておるとすれば、三項なり、五項なりに抵触をする問題であるとお考えになりますか。
#108
○政府委員(小林與三次君) 二十四条ですか、おあげになりました条文は。
#109
○加瀬完君 二十四条です。
#110
○政府委員(小林與三次君) 二十四条、二十五条等、勤務評定の評定の仕方と直接私は結びつくとは考えておりません。
#111
○加瀬完君 その勤務評定によって、はなはだしく他の団体の職員とは異なるところの過重なる勤務をさせられたり、あるいはそれによって他の団体とはなはだしく違うところの給与の実態が生じたりすることになりますと、そういう問題を防ぐために二十四条の三項なり、五項なりというものが存在をしておるというふうにはお考えにはなりませんか。違法であるとか何とかいうことを別にして、これらの三項、五項というものから十二分に考慮をしなければならない問題であるというふうにはお考えになりませんか。
#112
○政府委員(小林與三次君) 勤務評定そのものと、おあげになりました二十四条三項、五項とは直接何の関係もないと思います。
#113
○加瀬完君 それははなはだおかしいと思います。勤務評定だけを私は取り上げておるのではない。勤務評定をきめられたことによって、他の団体とははなはだ違うところの勤務条件というものが生じた場合は、一体それを何ら考慮をしない問題として片づけてよろしいか。あるいは勤務条件ということにからませて、給与のはなはだしく他の団体との格差を生ずるような事実が生じた場合は、これはそのまま見のがしてよろしい問題なのかどうか。二十四条の三項や五項というものは、過程はともかくも、結果として勤務条件がはなはだしく違ってきたり、あるいは給与の実態が違ってきたりしたような、そういうことは十分考慮をしなければならないとして取り上げられておる内容の一つにはならないか、こういうことなんです。
#114
○政府委員(小林與三次君) 結論だけを申し上げることになっておるものですから申し上げるのですが、これは勤務評定そのものと二十四条三項、五項とは直接何の関係もないと思うのでございます。二十四条三項、五項は、基準通りこれは職員の給与のきめ方を書いてあります。それから勤務評定というものはそれぞれの、個々の職員の勤務成績の点数のつけ方の問題でございまして、これは直ちに二十四条とは関係があろうとは思いません。
#115
○加瀬完君 私は勤務評定が関係あるかないかということを言っておるのではない。特殊な勤務評定の制度というものによって、勤務条件がはなはだ他の団体と違って過酷になるという実態を生じたとき、あるいはまた勤務評定制度によって、その団体の職員だけが他の団体と比べてはなはだしく給与が、何と言いますか、低められると言いますか、待遇が悪くなると言いますか、そういうふうな事実が生じて参りますおそれがある場合は、一体そういうことは全然この三項、五項というふうな点から考慮をされなくていい問題かどうか、勤務評定だけを考えないで、勤務評定の結論として生まれる事実がもし生じたらということを主に考えていただきたい。
#116
○政府委員(小林與三次君) 勤務評定そのものは、これは個々の職員の成績の評定の問題ですから、まあどういう点のつけ方をするか、これはまあ点のつけ方の適当か不適当か、これは問題はあり得るかと思いますが、それ自体は何も勤務条件をきめるものでもなければ、強制するものでもない。ましてや、それによって個々の職員の給与を決定するものでも何でもない、給与をどうきめるかは、またどうきめるかという問題です。勤務条件をどうきめるかという問題は、どうきめるかという問題でございますので、私は勤務評定そのものとは、これは論理的に結びつくというものはないものと心得ておるのでございます。
#117
○加瀬完君 法制局がおいでになっておるようでありますので、法制局の御見解を承わりたいのでありますが、どうも自治庁の財政部長は勤務評定ばかり言っておりますが、そうでなくて、勤務評定という一つの原因から、さきに私が申し述べるような内容がもし生ずるといたしましたならば、これは十二分に考慮をしなければならない問題であるというふうに、違法とか、適法とかいうことではなくて、考慮を要する問題であるというくらいのお考えは一体とれないものなのか。
#118
○法制局参事(杉山恵一郎君) 勤務評定そのものと、それから職員の給与あるいは勤務条件と何の関係もないということは、さっきから財政部長のおっしゃっておる通りだと思います。ただ加瀬先生のおっしゃろうとしておることを推測して申し上げますと、勤務評定をどうするかということじゃなくて、昇給の条件として、勤務成績の良好なものはこれこれするのだという場合のその勤務成績が良好だということのきめ方、良好だということをきめる場合に、先ほどからお話があったような、たとえば七割の者だけは昇給させるのだというふうなことにした場合、それは国家公務員その他の職員の給与を考慮して定めたということにならないのじゃないだろうかと、こういうことをおっしゃっておられるのだろうということが一つと、それからそういうふうに、一般の場合には成績特に不良な者は昇給させないけれども、この場合には三割という割合をきめられて、その者が昇給できないということになると、勢い職員間に競争が激しくなる。その結果、勤務の条件がきつくなってくるだろう。そういうふうになってきた場合に、それは国その他の公共団体の職員間に均衡を失することにならないか、そういう点でこの法律との問題がありはしないかと、こういうふうなことでお尋ねになっているのだろうと思います。それで二十四条そのものとしては、「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」と、こういうことで、給与の定め方として、こういったようなことが考慮されておらなければならないというわけでありますから、その三割は抵触しないのだということから、国家公務員あるいはその他の地方公共団体の職員の給与の事情が考慮されておらないのだと言えるかどうかという点については、全然考慮されておらないので、三項違反だということにはちょっと言いかねるのではないかと、こういうふうに考えております。
 それから勤務条件の方の関係につきましても、五項は、たとえば国あるいは地方公共団体の職員の勤務が六時間なり七時間なんだという場合に、特に九時間なり十時間なんだというふうに定めたとすれば、それは五項違反になるだろうと思いますけれども、情から職員の間に競争が激しくなるというふうな、そういうふうな別の要素があるということで、そのために五項違反になるのだということには、どうもならないのではないだろうか、こういうふうに思います。ただ二十四条、つまり地方公務員法の建前として、特別な事情がないのに国の職員とか、他の地方公共団体の職員との間に特別な開きのあるような給与なり、あるいは勤務条件なりが定められるということについては、これは十分考慮しなければならない問題であろうと、こういうふうに思います。
#119
○加瀬完君 質問の第六点でありますが、先ほどからいろいろ具体的に、占部委員の方から問題になっておるような事情の生じました理由は中田委員も御指摘のように、これは予算に関係することなんであります。そこで予算の範囲内という言葉が、給与法でもその他の条例でも非常に出てくるのでありますが、この予算の範囲内ということを、特に自治庁の財政部長は御担当のお立場で、予算の上からはその理事者がどういう方法を講じても差しつかえないのだ、こういう理事者の独裁権と言いましょうか、ものまでも認めて、予算の範囲内ということが法文上使われておるかどうか、そうお思いになりますかどうか。
#120
○政府委員(小林與三次君) 理事者はもう予算と法令、条例、規則に従って執行をすべきでございまして、その両者に違反しては分限はないと思います。
#121
○加瀬完君 私の質問はさようなことではありませんで、予算の範囲内という名目を理事者が勝手に、今年は五百人整理をしよう、来年は千人整理をしようという整理の理由のようなものに、予算というもののワクを自由にきめていいという考え方で、予算の範囲内というものを法文上は使ってあるとお考えになられるか。
#122
○政府委員(小林與三次君) 今、加瀬委員がおっしゃいました通りの形でかりに予算がきまれば、その予算に従うのが当り前でございまして、予算はもう団体の財政支出の最高の意思決定ですから、それに従って理事者は動かざるを得ないことは、ごく当り前のことだと思います。
#123
○加瀬完君 今まで人事院あたりでの解釈といたしましては、予算の範囲内ということは、当然執行機関は特に給与に限らず、給与費をまかなえる他の予算というものも立てなければならないものである。特に不適格者はとにかくとして、一般の者は昇給させるところの財源をも含めて予算というものはきめらるべきであると、こういう前提に立って、それも予算が余っておるような場合は特別昇給をさせてもいい、予算の範囲内というものは、こういうふうに解釈されておったはずです。私の聞いておりますのは、今の地方団体でも、財政当局は予算の範囲内というもので、自分の行財政を運営して行く一つの理由といたしまして、予算がないからという理由で不当に職員を切ったり、ワクを切り詰めたり、こういう方法をしがちでありますが、こういう理事者の恣意と言いますか、わがままと言いますか、それらが自由にできるということに予算の範囲内というものは使わるべきものではない。これは私見でございますが、私は考えておるのであります。そうではなくて、予算というものは勝手にきめてもいい、あるいは予算のきまったワクというものは理事者が勝手にやってもいいのだ。こういうふうに考えて参りますれば、これは定年制も要らなければ、待命制も要らない。予算のワクということで幾らでも職員の首切りも進められることになるわけです。そんなことまでしていいという意味で予算の範囲内というものを条文で作ってあるのじゃないと思うのでございますが、この点はどうなんですか。
#124
○政府委員(小林與三次君) これは私は予算というものは、自治団体だけでなく、国家でもそうだと思います。実際の財政支出についての最高のこれは制約でございまして、これは何も理事者がきめるわけではない。最高の意思決定機関がきめるわけでありますから、きまった通りに執行すべきものと思う。これは会計の基本原則でございます。ただ問題は、予算のきめ方がさらに法令に違反するか、しないか。義務費の予算を認めることがあるか、ないか。こういう別の問題が一つあろうと思います、予算自体にこれは。これにつきましては、そういう議決が議会で行われるということも、これはあり得るのでございまして、それにつきましては、自治法もそれぞれこれを強制する手段を法律上書いております。義務費を削った場合どうするかという、そういうようなことがございますが、それはそれぞれの自治法の定めるところによって強制されるべきものであります。いずれにしても確定した予算があれば、それに従って理事者は執行すべきものでありまして、理事者が恣意に予算を無視して経理をやるということは、これはまあ断じて許すことができない。まあ強く言えばそういう筋合いのものだろうと思います。
#125
○加瀬完君 決議機関でも執行機関でも、法律、条例を無視した予算の議決なり、執行をするということはできないということは、お言葉の通りだと思います。そうであるならば、たとえば愛媛県のような場合でも、そこで作られる予算というものは、現在生きておるところの法律や条例というものが確実に行われるような予算というものが当然組まれなければならないということを、一応は建前にすべきだと思います。それが具体的には、再建団体などできなくて、昇給の延伸とか、いろいろな問題を話し合いでもってやっておりますけれども、話し合いの部面は別といたしましても、建前としては、法律や条例で施行できるところの予算というものは、当然組まるべきものである。愛媛の場合を出しましたけれども、いずれの地方団体でも、建前としてはそういう建前をとるべきだと思いますが、自治庁もこの考えは同じようであると解釈してよろしゅうございますか。
#126
○政府委員(小林與三次君) それは少し問題がこんがらかってきてやせぬかと思うのでございまして、問題は、給与条例の予算の範囲内において昇給昇格がやれるという、こういう規定が片一方にあるわけです。それは結局昇給昇格というものは、予算という最高の財政支出に関する決定に従う、これは理屈だけの問題です。理屈だけの問題から言えば、そういうことになっているわけでありますから、きまった予算によってそれを行わざるを得ない純法律論です。しかしながら、そんなことを言ったからといって、全く職員の昇給を万年据置きにできるような、そんなことをしていいかと言えば、そんなことは人事管理上できるものでもないし、すべきものでもないのでございまして、そこはそれぞれ適正な方式で、ある程度のことは当然考えなくちゃならない、これは政治論だと思います。そこのところが政治論と法律論だけを言えば、これは予算は最高権威者として、それに従わざるを得ないということになりやせぬかと思います。
#127
○加瀬完君 だいぶ具体的な問題にふれて恐縮ですが、どんな団体でも、その団体においては条例によって定員がきまっているわけです。従いまして、きまっている定員についての予算というものは、当然これは組まなければならないはずなんです。自分たちが条例できめた定員というものを無視したり、あるいは教職員なんかは義務教育費国庫負担法によりまして何名という対象がきまっているわけです。それらを全然無視したりして過度に予算というものを圧迫するというやり方は、法律的には可能かもしれませんけれども、行政上は好ましい方法とは考えられないというふうに解釈してよろしいですね。
#128
○政府委員(小林與三次君) 今の加瀬委員の問題ですが、これはもう一度だけはっきりさせておく必要があろうと思いますから申し上げますが、結局定員の問題はもちろん条例できまります。ですから定員できまったものは予算で確保しなくちゃいかぬかどうか、こういう問題でございますが、これは定員できまるとともに予算できまらなくちゃいかぬ。両方からきまらなくちゃいかぬと思うのでございます。それでございますから、公務員法も、これも御承知だと思いますが、条例の改廃によって減員が生ずることもあれば、予算の減少によって定員の削減ができるという規定もちゃんとあるのでございまして、定数条例があるからといって予算に組まなくちゃいかぬ、当然にそういうことにはならぬと思います。予算上それより少な目に予算定員がきまるということも、当然これは公務員法は前提にいたしておるのでございます。あとはつまり予算のきめ方が政治的にいいか悪いか、その団体の行財政を総合的に、合理的にやって行くために適切かどうかという、その団体自体の自主的な政治的な判断の問題じゃないか、こういうふうに存じております。
#129
○加瀬完君 そこは非常に重要な問題ですね。中田先生の方から出ましたように、再建計画の策定なり、あるいは再建計画の指導なりにおいて、予算でつめて行くということになれば、定員がどのようにきまっていようが、条例がどういうように定められていようが、全然これは無意味になる。それは法律的には可能であるかもしれませんけれども、一応きめられておりますところの条例とか、定員とか、こういうものに準拠して予算がスムースに組まれるということの方が好ましいという立場を私はとるのが当然だと思う。それはそれでよろしいでしょう。
#130
○政府委員(小林與三次君) 一般的にはそういうことだと思います。しかしながら、今申しました通り、予算の定数の条例はありますが、団体としては予算の経理上どうしても定員を縮減せざるを従ない、予算定員を減らさざるを得ないということがあろうと思います。そういうときには予算定員に合わせて定数条例をやり直すのが、むしろ本筋だと思います。
#131
○加瀬完君 ですから定員や条例は一つもかまわないですから、定員法を無視して、条例を無視して予算だけでその定員を削減したり、条例を改廃したりすると同じような効果をねらうような予算の計画と言いますか、運用と言いますか、こういうことは好ましい方法ではないと考えてよろしいでしょう。
#132
○政府委員(小林與三次君) 重ねて申し上げますが、かりにそういう万やむを得ない場合があれば、あわせて定数条例も変えるべきだと思います。定数条例があるから絶対にふえてはいかぬ、予算はそれ以下絶対に減っちゃいかぬということは言い過ぎでございまして、予算上減らさざるを得ない、それよりはか動きがつかぬということであれば、むしろ定数条例もそれに合わせて変えて議会の審議決定を待つのが筋だと、こう考えております。
#133
○加瀬完君 ですから予算だけをつめて行って、定員の問題や条例の問題には手をつけないで、そのままめんどうくさいというておいて、予算だけをつめて行って、両方を修正したのと、訂正したのと同じような効果をねらって行くというやり方は、行政措置としては好ましい方法ではないだろう。
#134
○政府委員(小林與三次君) まあそういうやり方は必ずしも適当だと思いません。しかし公務員法はそういうことを前提として書いております。予算だけを動かす場合もあるし、定数だけの減少があるということを前提にして書いておるということは事実でございます。
#135
○加瀬完君 七番目に、これは具体的な問題になりますが、愛媛の場合に、同県の人事委員会の勧告が出されたわけでございますが、この勧告には賛成をなさいますか、反対をなさいますか。
#136
○説明員(角田礼次郎君) 勤務成績の評定についての考え方と、大体人事委員会の考え方は同じような考え方じゃないかと思います。しかし人事委員会の勧告に賛成であるとか、反対であるとか、それからいろいろそういうことを言うということは、先ほど来の私の申し上げた方針と一致しませんので、賛成であるとか、反対であるとかいうことは申し上げにくいと思います。
#137
○加瀬完君 私が聞いているのは、自治庁として、愛媛県の人事委員会の出された勧告に賛成か反対かということを聞いているのです。
#138
○政府委員(小林與三次君) これは公務員課長が申しました通り、私は詳しく見ておりませんが、人事委員会というものは、それぞれの団体における人事についての最高の意思、勧告機関でございますから、これが決定したものについて、そうみだりにとやかく批評をすることは適当じゃあるまい、こういうのが基本的な考え方でございます。
#139
○加瀬完君 それはおかしいと思う。大体私の意見と同じなら、賛成だということは当然言われるだろうと思う。そんな出されたものに賛成だか、不賛成だかわからない、たとえば具体的に、先のような三割を実際はとめ置きをするような勤務評定制度というものができる。これに対して、これは自治体のやったことだから賛成も不賛成も批判もできない。それに対して人事委員会から妥当なものでないという勧告も出ておる。それは意見は同じだけれども、賛成だか反対だかの意思表示はできないということでは、私ははなはだはっきりしないと思うのです。先ほどから言っておるように、そうでなくて、愛媛県庁にどういうふうにやれということであれば、あなた方が差し出がましいことをしたことになりますが、愛媛の人事委員会の出された勧告については賛成であるという意思表示はできないということはないと思う。しかし同じ意見であるということは賛成でしょうから、それ以上聞きませんが、最後に、こういう再建計画がきびしくなって参りますと、どうしても給与費というものを過度に切って行かなければならない過程を踏みますから、さっき言ったように、予算というものを過度に縮小しておいて、これだけしか予算がないのだから、これだけしか昇給させられないとか、これだけは整理しなければならないという方向が、各地方団体によって濃厚にとられてくるといたしましたならば、こういう予算の組み方というものについてどうお考えになりますか。
#140
○政府委員(小林與三次君) これは個々の団体で予算は自主的にきめるのでございますから、それ以上にきめるほか、きめようがないとしてきめれば、これは万やむを得ないのでございます。これはもう適不適の判断を越えて、万やむを得ない。ただ自治庁といたしましては、そういう団体がそういう行政、経理をせざるを得ないということは、国全体の行財政の運用上適当かどうか、これについていかなる措置をとるべきか、こういう問題が別にあるわけでございまして、これがまあいわば地方財政全般の問題として、こちらは総合的に考えるべき問題であろうと思います。
#141
○加瀬完君 最後に一つ、本日の御説明の中にもありましたし、地方制度調査会でも御説明をなされたわけでありますが、結局再建計画をやってみたけれども、これでは最低行政の水準すらも維持することができない。それから各団体間の行政の差というものがはなはだしくなってくるというお話があった。それだから、考えてみますと具体的には愛媛のような問題が生ずるということは、中田委員の御指摘のように、再建計画そのものにやはり無理があると私は言えると思う。三十二年度の財政計画のときに伺わなければならない問題でありますが、とにかくこういったような、極度に、最低行政水準すらも維持できないような再建計画というものであるならば、これの修正は当面して行かなければならないと思うのでありますが、そういう点はどんなふうにお考えになっておられるでしょうか。
#142
○政府委員(小林與三次君) これは個々の団体の再建計画の問題と、先ほども申し上げましたように、地方財政全般の問題と両方あるのでありまして、現在のような自治団体の建前をとっている以上は、それぞれの団体として、ともかくも現在の制度でやり縛る基本体制を考えざるを得ない。これはもう当然のことだろうと思います。これにつきまして、そうとやかくあまり言うべき筋合いでない。しかしながら、その運用、いやしくも自治団体であって、えらいめちゃな財政計画をしておるではないか、やむを得ないかもしれないが、これは国全体として適当かどうか、そういう問題は、やはり地方財政全般をどう考えるか、そういう問題になるわけでございますが、その点につきましては、われわれは地方財政全般の問題として、まあ来年度の財政計画をめぐる問題として、今申しましたようないろいろな問題があろう、こういうふうに考えております。
#143
○加瀬完君 ですからね、財政の一般論として、どうしてもこれは国の財政計画で修正して行かなければならない、あるいは国自体で何とかめんどうを見て行かなければならないという問題があるということは、私はお認めになっておると思う。そういう点を、具体的に三十二年度以降で何か直接効果を現わすような計画の修正をお考えになっておられるかどうかということなんです。個々の団体の事情はいろいろありましょう。しかし国として考えなければならないという問題があるはずでありますから、そういう問題について何らかお考えがあられるかどうか。
#144
○政府委員(小林與三次君) これは午前中にも申しました通り、地方財政全般を来年度どう考えるか、こういう問題として当然考えなくちゃならない重要な問題の一つだろうと思います。
#145
○委員長(本多市郎君) それじゃ時間も時間ですから、なるべく簡単にお願いいたします。
#146
○中田吉雄君 今、加瀬委員の質問されたことですが、このいただいた表なんですが、やはり私はこの再建計画が非常に無理じゃないか。そういう点ではやはり決定権を持っておられる、承認をされる財政部長のところにあるじゃないかと思うのですが、この計画承認、団体の再建年数及び再建債調べというやつですね。申請した一覧表の中の府県分を見ると、それの府県分ですね、私の聞き及んでいるところでは愛媛は六、七億赤字がある。そうすると、これはたとえば長崎が六億一千、それで再建計画八年、六億あるのに再建計画が八年で再建債を四億も起しておる。たとえば徳島のごときは五億九千で十五年の再建計画、三億二千の再建債を起している。それから同じく五億、六億のクラスを見ても、たとえば山口のごときも六億で八ヵ年です。それで六億一千の再建債を起している。六億もあって、しかも五年でやるということは、新居浜の工場その他があって、事業税その他の伸びがあるとしても、これは非常に私は無理なような気がするんです。みんな五億、六億の赤字のところへ、大体それに見合うだけの再建債を発行させる。そして八年とか、十五年とかいうようなことですが、六億あるのに、たった五年の間に再建債も起さずにやるという、そういうことが、愛媛県の特殊性もあるでしょうが、何としてもここに五年という短日月の間に、再建債も起さずにやるということですが、ですから私は現行法のもとではなかなかめんどうですから、先ほども申されたように、たとえば今度文部省の学術研究費ですか、受けた再建団体の調査、全国の知事会が委嘱した学者、実際界の権威者の二つの調査報告を見ても、やはりこの再建法に基いて、特に長いのは十五年と、そのときにはもう地方自治体の構造は根本的に変っておるようなのに、十五年というようなことでやるというようなのははなはだ、財政上の理由もわかりますが、これはどうしてももう一ぺん手直しをして、町村合併法でも手直しをやると同じように、やはり一応再建団体の指定をしたら、再建団体をルーズにさせ、甘く財政運用をさせるということでなしに、もう一ぺん再建法を私は実情に合うようにと言いますか、あまりにも、十五年もかからぬで……十五年も準禁治産者のような規定を受けてやるということは、これは時間がありませんから申し上げませんが、この財政収支の均衡がどういう構造でやられているかということを見ますると、午前中にだいぶん礼賛されたが、そう楽観を許されるものではないし、やはりこれはこういう公務員法のきびしい適用をせざるを得ないというのも、この再建法に私は根本的な背景があると思いますので、きわめて近い将来に再建法を検討して、まあまじめにやればそう行政水準も落さず、自治体が運営できるようにする必要がありはしないかということをお聞きしたいわけなんです。どうなんですか。
#147
○政府委員(小林與三次君) 中田委員のおっしゃいました通り、これは再建計画が十年をこえるなどということは、ほんとうに常識で私は考えられぬ問題だろうと思います。十五年もかかれば世の中が変ることは明瞭でございまして、つまりそういう形をとらなければ、やりようがないというだけの話でございます。それでございますから、われわれもこういう再建計画ができて、一応個々の赤字は解消する形式的なめどはできたけれども、このままの姿がいいとはちっとも考えておりません。これは結局一つの問題は、今の愛媛の例をごらん願いましても、公債費の重圧というものは、公債費が二十九年三億六千、三十年が四億九千、三十一年が七億九千、三十二年が八億一千、こういう数字が出ております。今後さらに公債費がふえて行けばどうなるかという問題は、当然解決しなければならない。
 それからもう一つは、根本的に一般財源をどう考えるか、こういう問題になりまして、こういう前提もあるから、明年度の地方財政を考える場合には、まあいろいろ減税等の問題もあるけれども、地方財政としては、ともかくも今立ち直った筋の体制だけはぜひ確立しなくちゃいけない、こういうのがわれわれの基本的な考え方であります。そういうものができれば、おのずから再建計画も財政的な裏づけもできまして、再検討せざるを得ない、再建計画の修正の問題が当然に私は可能になり得ると思うのでございます。それでございますから、そうした措置がとられるということが、これが基本的な問題である、こういうふうに存じております。
#148
○中田吉雄君 実際公務員側からしますと、ただいま小林部長が指摘されたように、公債費が昭和三十二年になると八億も要るわけなんです。そんなものを、みな当然国が見るべかりしものまで、国の収支の均衡を合せるために、しわを寄せるようなものも必ずあるにきまっている。そういうものもとにかくみな現状のままで、そして単独事業を切ること、たったそれだけで、すべて地方公務員のそれにしわ寄せされるというようなことでは、なかなか地方自治の円満な運営による県民に対するサービスも困難ですし、冗費の節約は必要でしょうけれども、至急にぜひとも手直しをやる必要があるのではないか。
 それから収支の均衡の内容について、これが果して健全な自主財源の強化、弾力性のあるそういう財政構造等によるこの収支の均衡かどうかというような問題は後日質問したいと思いますが、私はやはりこの地方公務員の歪曲された適用と言いますか、非常にきびしい適用等をもたらした経済的な背景は財政再建課が当然負うべきで、その罪滅ぼしのためにも至急に一つ検討していただきたいし、小林部長のところでは一々こまかいことは御検討になっていないかもしれませんが、一つ長野課長でも出て、もっと詳しい、実際の愛媛県の内容を披瀝して下さって、なぜ再建債を起さずに五年で再建する案を承認したかということを、次回にぜひとも御説明を願いたいと思います。
 それから資料の要求ですが、地方交付税の配分について投資補正の計数、あれを作られたようですから、あれについても少し説明を受けたいと思います。それから借替債ですね、もう配分されたんですか。
#149
○政府委員(小林與三次君) もう数字を作りまして大蔵省と相談しております。
#150
○中田吉雄君 それも一つお出しを願いたい。
#151
○委員長(本多市郎君) 今の中田君からの資料要求、御準備を願います。
 それでは本日は、散会後引き続き懇談をいたすことにいたしまして、この程度で散会いたします。
   午後四時二十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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