くにさくロゴ
1956/12/13 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 地方行政委員会 第6号
姉妹サイト
 
1956/12/13 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 地方行政委員会 第6号

#1
第025回国会 地方行政委員会 第6号
昭和三十一年十二月十三日(木曜日)
   午前十一時十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           大沢 雄一君
           小林 武治君
           加瀬  完君
           大和 与一君
   委員
           小柳 牧衞君
           占部 秀男君
           久保  等君
           鈴木  壽君
           中田 吉雄君
           森 八三一君
  国務大臣
   国 務 大 臣 太田 正孝君
  政府委員
   自治庁行政部長 藤井 貞夫君
   自治庁財政部長 小林與三次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一郎君
  説明員
   自治庁財政部財
   政課長     柴田  護君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (地方公務員に対する期末手当の財
 源措置に関する件)
 (昭和三十二年度地方財政計画に関
 する件)
 (地方財政再建促進特別措置法の実
 施状況に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○理事(小林武治君) これより委員会を開きます。
 委員長が欠席いたしておりますので、理事の私が委員長の職務を代理いたします。
 本日はまず参考人の出席を要求する件についてお諮りいたします。当委員会の調査事件である地方行政の改革に関する調査につきまして、先般の委員会におきまして今期国会閉会中も継続して調査を行うことを御決定を願っておるわけでありまして、いずれ本日の本会議においても議決されることと思います。そこで、この調査事件に基きまして、ただいま調査の途中にありますところの愛媛県における職員の給与問題の件につきまして、今後いかように取り扱って参るかということでございますが、委員会開会前に委員長、理事打合会を開きまして協議いたしました結果、閉会中に本問題について参考人として現地の方の御出席を願って、さらに調査を行うということに意見の一致を見た次第であります。参考人としてどなたに出席を願うか、また何日に出席を求め委員会を開くかにつきましては、打合会におきましては大体十八日ごろに愛媛県総務部長の出席を願うことに協議いたしたのでございまするが、先方の都合もあると存じますので、これらにつきましては便宜委員長に御一任願うことをいたしまして、本問題調査のため参考人の出席を求むることといたしまして御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○理事(小林武治君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#4
○理事(小林武治君) 次に地方行政の改革に関する調査中、昭和三十二年度地方財政計画に関する件、地方財政再建促進特別措置法の実施状況に関する件、町村合併促進法及び市町村建設促進法に実施状況に関する件、以上三件を便宜一括して議題にいたします。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#5
○大沢雄一君 私はお忙しいところを太田自治庁長官のおいでをいただきましたので、この機会に地方公務員の年末手当に関します政府の御方針について承わりたいと存ずるのでございます。
 政府は一昨日の閣議におきまして国家公務員の年末手当〇・一五カ月分増額支給の方針を決定されました。本日の本会議にこれが関係法案が提出されると承知いたしておるのでございまするが、これに伴いまして地方公務員の年末手当に関しまして、地方団体に対する政府の御方針としてすでにもう御指示なり通達なりが出されたかと思います。あるいはまた今出そうというところかもしれませんが、どういう御指示なり通達なりの内容をお出しなされたか、まずこれにつきまして承わりまして、それによってさらに政府の所信をお伺いたすことにいたしたいと存ずる次第でございます。
#6
○国務大臣(太田正孝君) 御質問の地方公務員に対する年末手当の問題は、国家公務員に準じまして自治体が自主的に実行することを期待しております。しこうしてこれを実行するについての財源措置等については十分遺憾なきを期したいと思っております。もちろんいろいろ各地方の団体における事情は違っておりまするが、原則としては、国家公務員に対してとると同じように経費の節約ということは当然あるべきことでありますが、それで足らない場合におきましては、本年においてもその実例がありましたごとくに、財源措置については遺憾なきを期し、その実行をはかりたいと存じております。
 なお地方へ通牒を出したかということでございますが、法律の通りましたあとで、できるだけ早く通牒を発したいと思っております。
#7
○大沢雄一君 ただいま地方公務員に対しましての年末手当支給につきましては、自主的に実行をさせるということを主体といたしまして、その財源につきましては遺憾なきを期したいという御方針を承わりました。遺憾なきを期していただけるということでございますればまことに仕合せに存ずる次第でございます。しかしながら国の財政と異なりまして、地方財政の実情は、年末手当につきましては増加資金を出すか出さないかということよりは、問題の重点がこの地方財政の現状において出せるか出せないかということに問題の中心があるのでございまして、要はその財源をどうするか、どう国が措置してくれるかということに問題がかかってくるように私は考えるのでございます。財政再建団体におきましてはもとよりでございまするが、その他の団体におきましても、現在の一・五カ月分ですらこれが支出を国家公務員と同様に正常に出すということは、実は容易でない現状でございまして、ましてこの年末に参りまして三十六億、義務教育職員の国庫負担の分を除いても二十八億ということを承わっておるのでございますが、かような新たなる追加財源を、この地方団体が自主的に自力で出すということは、これは私はとうていできない現状にあると考えておるのでございます。このことはおそらく地方財政の実態を把握いたされておりまする自治庁の財務当局においても、これが自主的に出せるということは、これは考えておられないと私は信ずるのでございます。もとより一部の地方団体におきましては、税の自然増収も国税の増収もあるのでございまするから、これに伴って増収がないとは申されません。ありまするが、しかしながら地方財政の実情は、数の少い黒字県ですら、これは例年のことでございまするが、年間予算を編成するに当りましては、税収入か地方交付税のどちらか、あるいはその双方に相当当初予算の編成において水増しをいたしまして、かろうじて予算のつじつまを合せてようやく編成を済ます、そうしてその後におきまして、予算の執行において歳出においては極力節約をはかり、あるいはまた事業の打ち切りをして歳出の縮減をはかる、歳入においては税の徴収を初め、税外の徴収、その他、歳入増に非常な努力をいたしまして、この両面の努力が相待ってかろうじて年度末において、結果においてどうやら赤字を出さずに済ませておる。いわば一種の軽わざのような財政をやって、そうしてかろうじてこの黒字財政を維持するというのは、黒字財政府県においてすらそういう実情にあるわけでございます。人件費と公債費の累増がどうしても当初予算の編成におきまして、以上のような軽わざ財政と申しまするか、不健全とは知りつつもそうやらなければ年間予算が組めない、というのが現在の実情であるわけでございます。従いまして本年度税の自然増収があり、あるいはまたさらに、なおこの節約が幾分でもできるといたしましても、それはすでに既定予算の歳入の水増しの穴埋めにこそなれ、決して新たなる年末手当の追加財源に、とうてい、これをなし得るというような、そんな甘い実情にはないのでございます。従いまして多数の地方団体におきましては、おそらく〇・一五カ月分を国家公務員に出せば、当然地方団体にも出してやりたいのはやまやまでありますし、そうしなければならぬことは当然でありますが、その処理の方法といたしましては、交付税かあるいはもし昨年のような臨時特別交付金の措置が講ぜられますれば、その交付金かあるいはまた起債においてこの歳入を立てまして、そしてこれによって年末手当の増額をして、そして一時の――金繰りは政府なり何なりから一時借入金をする、そしてこの支給を済ますというほか実際の方法としてないわけでございます。従って政府において、結局年度末までに新たに補正予算を編成いたしまして、税の増収に伴い、交付税の予算を増額するか、あるいはまた昨年のように臨時の地方財政特別交付金を計上してもらわなければ、これはやっていけないと考えるのでございます。最悪の場合においては、長期の一時借入金なり、長期の起債を政府にさらに割り当ててもらわなければどうにもやれない、かような実情にあるわけでございまして、ただ単に節約に期待して出してよろしいというようなことでありますれば、そういう安易なことでありますれば、これは結局のところ、結果においてはその分だけ地方団体の赤字を累加する、そして財政を破壊するという結果にならざるを得ないのでございます。財政の再建健全化について非常にこれを考えていただいておりまする政府として、この節約ができないのに、昨年はたしか府県におきましては、各府県とも知事会で申し合せをして、一割だけはできないがらも何とか節約を、やはり国の方針であるからしなければならぬ、一割は一つ節約をして、あとの九割については政府から特別の交付金をもらうと、そういう措置をしてもらうということで、各府県大体申し合せて予算を作って年末を越したという実情であるわけでございます。どういう具体的な方針をおとりいただけるか、ただ節約で出すことを期待するとおっしゃられても、もう少しはっきりとその財源措置の方法、内容について一つ御説明を願い、御確約を願わなければ、地方団体としては非常にこれは不安である。さればといってかような性質のものを出さずに済ますということはできませんので、将来、の財政上非常に累を残すと思うわけでありますが、もう少し具体的に一つはっきりとお答えを願いたいと思う次第であります。
#8
○国務大臣(太田正孝君) 昨日御質問がございまして相当具体的に申し上げたと思いますが、私の言葉の足らなかった点もあろうかと思いますので、ただいまの大澤委員の御質問に対してお答えいたします。
 私は財政というものは、とにかく大小の差こそあれ、常に節約ということはいうまでもない原則であろうと思います。何にしてもたくさんの人を使い、たくさんの物件費をまかなっておるところでございますから、引き締めれば引き締める余地もないことはない、全部あるとは申しません、国の原則においてやるなら地方もそれにまたならえということは当然のことであると思います。さりながらそれによってやり得るかという見通しにつきましては、先ほど私がこの席で申し上げました通り、足らざる場合においての措置は、今年二月においてとりました措置のごとくに、必ず実行してやっていくということを申し上げた次第でございます。節約について知事会が一割がいい、自主性を持っておる地方団体の財政実行でございまするから、私はすぐ批判はいたしませんが、一割がいいか悪いかということを前提として区割りをきめるということは、私はまだ皆様方とともにこれは研究していい問題と思います。昨年におきましてざっと二十億くらいと思いまするが、あるいは税のはね返りでございますとか、入場税等によってふえて参ります。本年の税の情勢は昨日もちょっと申し上げたのでございますが、相当私は去年よりはその点は楽だと思います。けれども地方財政の現状は、今御指摘の通りある一部には誤解がございまして、地方財政はだんだんよくなっているということを申しますが、決してそういう情勢ではございません。赤字のふえ方においても現に三十年度の決算におきましてふえ方が鈍化しただけで、減ってはおらないのでございます。その現状は十分つかまなければならぬと思いまするが、これをどうするか。年度末という言葉がございましたが、地方で出す場合におきましては、特別交付金で出す場合においては二月までにきめなければならぬことになるのでございます。これは手続上も法律上も当然そうなることと思います。そういう点につきまして節約の点もはっきりしないときにどれだけの金をどれだけする、しかしこれは政治の誠意に関する問題でございまして、きのう申し上げました通り内閣がかわるというようなときにいいかげんなことにしておくということは、少くとも私の働いておる自治行政の範囲においては、そういうことは絶対にできないことでございます。金を今融通するということよりも融通した金の跡始末をどうするか、ということが各自治団体の考えられているところであり、われわれもその点を考えなければならぬと思うのでございます。財政の国の処置に国庫大臣としての大蔵大臣のする仕事は、今私がここで申し上げることではございませんが、本年やりましたごとくに必ずこれは実行する、その方法等につきましては国庫大臣たる大蔵大臣とよく相談いたしたいと思います。決してここでその場限りをやろうという考えではございません。また融通の問題につきましてもでき得る限りのわれわれは助力をして実行いたしたいと思うのでございます。節約の金が幾らときまっている、残っている金が幾らある、これをどうするということはまだこれからの問題と思います。
 なお額のことについてのことでございますが、不交付団体の分を別にいたしまして、交付団体の分は大体二十二億でございます。それ以外に義務教育及び国庫の補助職員を入れまして大体八億と見ておりますので、片一方の方の額はもちろん法律上から申しましても義務教育費の金は出ている。結局大きなものは二十二億、こういうように数字を私は今申し上げて差しつかえないと、こう思うのでございます。
#9
○中田吉雄君 関連してちょっと。今の数字ですね、柴田課長の方からでけっこうですが、対象人員を教育職員と事務職員と分けて八億というのは、これは半額の分ですか、その辺はっきりして下さい。
#10
○説明員(柴田護君) 私たちの方で計算いたしております数字は、一般職員とそれから警察職員、それから義務教育職員でございます。これには国庫補助金を除いておりますが、これを除きました分で、交付団体分が国費で六億五千八百万円、それから地方費で二十一億九千五百万円、合計いたしまして二十八億五千三百万円でございます。それから不交付団体では、九千百万円が国庫補助、地方費が六億五千二百万円、合計七億四千三百万円、全部あわせますと、国費の合計が七億四千九百万円、地方費が二十八億四千七百万円、合計いたしまして三十五億九千六百万円、このほかに先ほど大臣のおっしゃいました国庫補助分がございます。国庫補助分は交付団体で、これは内容的に若干精査の余地がありますが、あらましのところ、交付団体で国費として五千二百万円、地方費が四千九百万円合計一億百万円、それから不交付団体が国費で一千万円、それから地方費で九百万円、合計一千九百万円、合計いたしまして、国庫補助分の国費が六千二百万円、地方費が五千八百万円、合計一億二千万円、それからさらに特別職と県会並びに市町村会の議員、これは全部地方費でありますが、両方合計いたしまして交付団体分が八千百万円とそれから不交付団体分が四千万円、合計いたしまして一億二千百万円、全部をあわせます総合計は三十八億三千七百万円で、そのうち国費が八億一千百万円、地方費が三十億二千六百万円であります。このうち先ほど来お話申し上げましたように、国庫補助職員につきましては、大蔵省との間にまだ話がととのっておりません。その他につきましては大体大蔵省と私たちの方と数字が合っております。
#11
○国務大臣(太田正孝君) 今の資料は大体の数字でございますので、詳細は刷り物にして皆さんのところへお届けするようにいたします。
#12
○鈴木壽君 先ほどの長官の御説明に何かまだだめ押しをするような格好で悪いのですが、せんだってのお話やら、きょうのお話から、長官の決意なり、あるいは政府の方針というようなものは大体わかりましたが、先ほどの大澤委員のお話のように、もっと何か具体的にほしいというような気がするわけなんです。と申しますのは、たとえば節約によってやるという閣議決定がはっきりしておる。これと足りない分に対する何と申しますか手当分、こういうものの関係ですね、これは節約といっても、今の地方自治団体で節約の余地のあるところ、特に赤字団体というようなものになりますと、節約の余地というものはほとんどないと思うのです。かりにまた一方税の伸びというようなものが予想せられるといたしましても、赤字団体の中には当然行わなければならないところの昇給昇格等の財源を持ち得ないところがある。そういうものを計画の中に入れておらないところが相当あるわけなんですが、そういたしますと、この問題は、簡単に節約によってやれ、こういうふうに言われても、これはもうほとんど期待できないところが多いのではないか。これは先ほどの大澤委員のお話で、私は同様に考えておるわけです。特にひどい県になりますと、節約が度を越したような形になってしまって、たとえば紙とか鉛筆なんかも公務員の自弁でやれというようなところの線を出しておるような県もあるわけです。従ってこれは一応政府の建前としてこういう方針を決定されたでございましようが、実際になりますと、そういうことに期待することは私はいけないと思うし、従って当然具体的に財源の措置、手当というものは立てられなければならないと思うのです。もっともお話のように、何割節約ができる、その額がどれくらいとかいうことは、今すぐは言われませんけれども、節約のあることを前提にして物事を考えていくということは、このたびにおいては危険じゃないか、こういうことを私考えるわけなんです。従ってむしろ私はこの際〇・一五の増額支給に当っての財源措置というものは、節約というよりも、もうまるまる国においてみてやるのだというようなことを根本的に考えていかなければ、これはあとでいろいろなトラブルが起ってくるのじゃないか、こういうふうに思うのです。考え方なりあるいは長官の決意としては、決していいかげんなことはしない、これは政治の誠意の問題だ、これは非常にありがたいと思うし、同感でございます。そうしてまたぜひともそうやってもらいたいと思いますが、この点をはっきりしないと、一体地方ではどうしていいのか悪いのか、短期の融資があったにしても、これは利子等の問題もまたからんできますし、非常に困った事態になって、年内においては支給ができないという団体も出てくるのじゃないか。現に昨年あたりは二月になってようやく支給されたというような事情もあるのでございますので、そこらへん一つ、先ほど大蔵大臣とも相談をしてとおっしゃいましたが、何とかいま少しく前進した形においての決意の表明なり態度の表明がほしい。
 一方私、心配なのは、大蔵当局というのは金を出したがらないところでありまして、また初めからこういう問題については、今まで私どもがいろいろな情報によって、あるいは新聞等によって知らされておりますところは、政府においてはみないのだというようなことも伝えられておるやに聞いておるわけですが、だいぶ心配なところがあるのです。これは何も長官の誠意なり、考え方を私、疑るわけじゃございませんけれども、そういう点の心配もありますものですから、いま少しく一つお話し願えればありがたいと思います。
#13
○国務大臣(太田正孝君) ごもっともなるお言葉で、かつ地方自治体に対する御親切なる情は、私の立場からして厚く感謝いたします。節約問題でございますが、私は今の再建団体の合理化方式など考えてみましても、やはり自主的にまかしておるものの、これに対する国家という立場からどうするという問題でございまして、ここが国家の直接やっておる問題と違うのでございます。手元にある財布から出る人件費、物件費について国家財政が国家の公務員に対してやる場合と、自主的にやらしておくのと、ここに考えなければならない問題が二つありまして、私は赤字処理につきましても、財政処理につきましても、やはりどんな場合にも、節約という問題は常に考えなければならぬ問題である。現に一例を申し上げてみましても、先般行政管理庁において調べたところ、地方における自動車の使用というものは、国家財政でやっている部分よりも激しいという数字と実例さえ出たほどでございます。まことに残念なことでございますが、事実でございます。これは物件費に関する問題でございますが、さりとて私は向うが放漫であるとかいうようなことは考えませんけれども、筋として節約ということは言わなければならん。そこでまるまる考えてというふところの計画は、私どもとして作るのでございますが、建前としてはその点はいかなる場合においても考えなければならん。現に非常に余裕のある団体におきましては、とかくの非難さえあることもこれも皆様方御承知のことでございましょう。しかし御心配になっているのは、そうでない赤字のある、もう始末できない、昇給はやめている、あるいは昇格もやめている、こういうような事実は、現実に私もよく承知している事実でございますが、いろいろ地方団体の態様におきましてごらんの通りの事情でございます。これはきのうも申し、きょうも申し上げているのでございますが、筋としては私はやはり節約ということをうたうのは当然のことだと思います。さればといって、私はそれに大きな期待などは断じて持っておりません。従って、これをどう処理するかということにつきましては、本年の委員会におきましても、大蔵大臣とここへ来まして、必ずこれを実行するといって、本年の春にこの処理をした次第でございます。処理の結果は、今お言葉もございましたが、そううまくいかなかったのでございます。年内に片付けられましたところは、町村におきましても市におきましても、たしか市が四百くらい、町村が三千くらいだと思います。府県の方におきましても、もう結果はわかったのでございますが、長崎県、鹿児島県、新潟県のごときは七月になってはじめて片がついたような次第でございます。幸いにと申しますか、昨年末の年末手当につきましては、府県、市町村を通じまして実行したところへいきましたが、二月頃にというのは非常にいわばいい方の例でございまして、そんな点もわれわれは必配して、実行という点につきましてはどこまでも財源措置をしなければならん。私が大蔵大臣という言葉を国庫大臣として申し上げたということは、これを予算措置にするとか、あるいはほかの何か方法があるとかいうことは、これは私の所管のことでございませんので、さような言葉を使ったわけでございます。実行するということにつきましては、これは政治の誠意の問題が大きな問題でございます。未定な節約ということもありますので、かような言葉を使った次第でございますが、必ず実行するということは私はお誓い申していい。また閣議におきましても、それがなければ地方公務員の問題を引き受けることはできない。もっと端的にいえば、地方をおろそかにして国家だけやるというのは私は反対である、こういうふうにはっきり私は言った次第であります。かくすこともないことであり、私の心境でございます。私個人はともあれ、政府としてやるべきことはやらなければならん、さよう御了承願いたいと思います。
#14
○大沢雄一君 長官から、政治の誠意について、そうしてまたいかなる場合においても節約の必要ということについて強調あそばされることは、まことにごもっともと思います。ただ、私はその点ちょっと不審に思いますのは、地方団体の自動車の使用が、行政管理庁の調査で、非常にルーズであったということがわかったとおっしゃいましたが、あれは国の地方出先機関の調査のお間違いではないかと思います。地方団体の自動車を行政管理庁が調査したということは、私寡聞にして承知しないが、国の地方の出先機関は行政管理庁で調査する権限もある、その結果非常にルーズであるということは新聞紙上で発表になりました。この点は私お間違いではないかと思いますので申し上げたいのと、そうしてまた私が先ほど、昨年知事会において、節約について余地のないところであるが、なおまあ一つ誠意のあるところをどこまでもやらなければならぬということで、まあ申し合せとして、たとえ一割はどんなところででも節約を出そうということであげました例を私はちょっと出しただけで、ことしそういう知事会で申し合せをしている意味でもなければ、また節約ということについて協力しないという意味でもないのでございまして、その点は地方団体の財政当局についてよく申し上げておりまするから、その点は一つ御了承願って誤解のないように一つ願いたいと思います。
#15
○国務大臣(太田正孝君) 今の何は、お言葉通り国の出先の関係でございますが、河野所管大臣の説明いたしましたことは地方においてもかくのごときものがあるのではないかということを申し上げたので、私の先ほど申し上げたことは改めておきます。けれど実情におきましていかなるものであるかということは残された大きい問題で、河野君の説明はこの点においても相当いろいろなことがありましたが、しかし報告としてはございませんでした。
#16
○理事(小林武治君) ではただいままで今の問題につきまして、各位からいろいろの御質疑がありましたが、この際政府を鞭撻してこの問題について最善の措置を要望する、こういう意味におきましてお手元に配付いたしてありまする地方公務員に対する期末手当の財源措置に関する決議案、こういうものを一つお諮りいたしたいと存じます。
 なおこの決議の提出並びに案文につきましては先ほど委員長及び理事打合会におきまして協議済みのものでありまするので、この点お含みの上で御審議願いたいと存じます。念のため案文を朗読いたします。
   地方公務員に対する期末手当の財源措置に関する決議案
  今回国家公務員に対する期末手当〇・一五ケ月分の増額支給決定に伴い、地方公務員に対しても同様に配慮せらるべきは当然である。よつて政府は窮迫せる地方財政の現状に鑑み、地方公務員の期末手当増額につき、その責任において財源措置を講じて地方公務員の処遇に万遺憾なきを期すべきである。
  右決議する。
 この決議案につきまして御意見等がありましたら御発言願います……。御発言がなければこの決議案につきましては御決定を願いたいと存じます。本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○理事(小林武治君) 御異議ないものと認めてさよう決定いたします。
 この際、ただいま決定いたしました決議につきまして政府の所信を聴取いたしたいと存じます。
#18
○国務大臣(太田正孝君) 御趣意の点は誠実に十分尊重してやっていきたいと存じます。
#19
○理事(小林武治君) 地方公務員に対する年末手当の件はこの程度にいたします。このほかこの際地方財政等につきまして、もし御質疑がありましたら御発言願います。
#20
○占部秀男君 今太田長官からああいうお話でしたので安心したのですが、やはり問題は時期の問題があるわけですね。時期を失すると非常に困るので、そこで何か藤井さんの方で知事会、主管課長会議なり何なりこれをやって、特に政府の方の表面の出がいわゆる節約ということになっておるので、節約という問題は〇・一五の公務員の手に入るやつにしわ寄せするわけではないのだという実情をはっきりやはり伝えておいてもらわんと、これは時期的に間に合わなくなってくる心配が相当の部分に私はあると思うのですが、そういう点何らかの処置が、これは非常にこまかいことで恐れ入りますけれども、一応念を入れてやっていただきたいと思うので、そういうような何か計画がございますか。
#21
○政府委員(藤井貞夫君) われわれといたしましては今回増額せられることになります年末手当の支給につきましては、でき得れば国家公務員の場合と同じように十五日に支給するということを実は期待をいたしておるのであります。従いまして先刻大臣からも御説明申し上げましたように、法律が成立をいたしました暁におきましては、すみやかに、今事務的にはすでに準備をいたしておりますが、決定次第かなり細目にわたりました通牒を発したい、かように考えております。
 なお若干おくれますが、それまでにもう出せるところは出すと思いますが、なお疑義等がありまする際におきましては、ちょうど十八、十九両日に関係主管の課長会議を召集いたし、そこで細目について疑義等は解明をいたしたい、かように考えております。
#22
○加瀬完君 関連。財政部長がいなければ柴田さんでもけっこうです。再建団体に対して当然これは再建計画の給与費の変更を伴う問題となると思いますので、再建団体に対する措置もその通牒なりあるいは打ち合せなりの内容として十二分に含まれておると解していいのでしょうね。
#23
○説明員(柴田護君) 御指摘のように再建団体につきましては再建計画の変更という問題が起るわけであります。ただこういう状態でございますので、一々再建計画の変更をやっておる間がございません。法律によりますとたしか再建促進法の三条の五項にそういう場合の規定が設けてありまして、災害費等の場合においては事後承諾できるという規定があります。三条の五項に「災害その他緊急やむを得ない理由により異常の支出を要することとなったため、財政再建計画を変更する必要を生じたが、あらかじめその変更について自治庁長官の承認を得るいとまがないときは、」云々という規定がございますが、この規定の条項に該当すると考えますので、そういう趣旨のそういう手続をとることにいたしまして、その通牒には事後承諾でよろしい、財源手当につきましては、再建計画上の財源につきましては一応節約財源振りかえをやるけれども、どうしても財源のないというものにつきまして一応交付税を組め、こういう指示をいたしましてその通牒の中にそういうことを織り込んで提出をいたしたいと思います。
#24
○理事(小林武治君) じゃ速記をとめて。
  〔速記中止〕
#25
○理事(小林武治君) 速記を始めて。
#26
○中田吉雄君 これはやっぱりそういうものはその前の四項の「軽微」のものと違うのですか、やはり……。
#27
○説明員(柴田護君) 軽微なものとは考えておりません。やはり法文上は五項に該当すると思います。
#28
○中田吉雄君 来年度交付税のかなり重要な変更をされる改正法案を出されるということで、お尋ねしようと思っていましたが、時間もありませんしいずれ二十日から国会が開かれるので、期末手当のこういう増額の実施状態等もまたお尋ねするときもあると思いますので、先刻柴田課長に申し入れておりましたが、それは本日は取りやめます。
 ただお聞きしたいのは地方制度調査会の地方債に対する対策で、それと来年度この地方団体の公債費に対する臨時特別措置法案とかいうようなものを出されるということで、新聞等に百二十億大蔵省に要求されているということですが、その百二十億要求されている基礎。私の言いたいことはこのような謙虚なといいますか、微温的な対策では、実際五千二百億の対策としては少し大蔵省に遠慮され過ぎているんじゃないかという意味を含めての質問であります。お願いします。
#29
○説明員(柴田護君) 公債費問題についての政府といたしましての最終的な態度は、調査会の答申等がきまりました暁にきめるわけでございますが、予算の関連がありますので、一応百二十億の要求を打ち出しております。その算定の基礎は、多分に腰だめ的なところがあるのでありますが、大体公共事業費と、それから六三制いわゆる義務教育施設の建設事業関係の起債、これを合せますとそれの利子全額が大体百五十億になります。その百五十億の半分七十五億円は全部補給する。それからそれをこえる部分について大体平均率、利子の公債費の元利金の三十一年度の一般財源に占める比率、この比率を取りますと、大体たしか、ちょっと正確な資料は持ち合せておりませんが、七%ぐらいになったと思うのであります。それをこします部分につきましては、逐次利子の補給率を高めていく。そしてたしか一二%ぐらいからオーバーする分については元金の一部に繰り込む。こういう計算をいたした結果、百二十億という数字が出て参ります。しかしこれは市町村分につきましては個々に計算をいたさなければいけませんので、そこのところは大体県の率を使って推定をいたしております。従って正確な数字ではございません。大体考え方はそういう考え方でそういう計算をいたしまして、百二十億という数字を一応要求いたしておるわけであります。
#30
○中田吉雄君 それは今公共事業と義務教育の施設建設費について言われたのですか、失業対策の事業費はこれに入っていないのですか。
#31
○説明員(柴田護君) 含まれております。それは公共事業債というワクの中で失業対策事業費も一緒に含まっております。公共事業債というものに含まれておるわけであります。
#32
○中田吉雄君 この対象になる起債の額はわかりませんか。
#33
○説明員(柴田護君) ちょっと手もとに資料を持っておりませんので、後ほどお答え申し上げます。
#34
○中田吉雄君 じゃこの問題はあとにしますが、交付税の改正の骨子というようなものはいつごろ固まりますか。
#35
○説明員(柴田護君) 交付税の改正を考えておる趣旨は、本年度地方債が減りましたのに、反射的に地方債があまりつかない団体については、そういう団体の投資的事業をまかなうために必要な一般財源を与えていかなければならないというので、御承知のように態容補正に新例を設けまして特別の補正係数を使うことにいたしたのであります。実はこの補正係数だけでは十分でないのであります。特に明年度以降既発行地方債の公債費の処理というものが明かになって参りますと、それとはずを合せまして将来発行する地方債につきましても償還能力というものを中心に考えていくということになって参る。そうなって参りますと、どうしても今回やりました新態容補正係数というもののカーブというものを考え直していかなければならない。
 それから全般的に現在の地方財政計画なり、あるいは地方交付税の単位費用の構成を見て参りますと、投資的経費の算定が十分ではない。そこでまあ来年は相当な自然増収等も期される際でありますので、この際投資的経費の算定方法に全般的な再検討を加えたい、特に土木それから農業土木あるいは林業、こういったもののいわゆる地方団体特に府県市町村を通じてでありますが、投資的事業としてやらねばならないような事項につきまして維持修繕費を含めまして投資的経費の算定方法を変えたい、こういう気持を持っておるわけであります。と申しますのは、この前当委員会でも御指摘があったのでありますが、新態容補正の中には既存の数値を基礎にしてそれに係数を掛けていくものですから、既存の数値が出ていないものにつきましては、開発要素というものがぼやけた形で係数に現われておる。そこで、どうしても既存の数値のみを十分使わない数値にプラス・アルファというものも考えていかなければ、そういったこれから大体産業の開発をはかっていこうというものにつきましては、十分な財政規模は見積れない、そういうような方法をどうすればいいのかという問題を中心にして改正方法を考えておるわけであります。
 それともう一つは、補正係数の中に種別補正ということをやっておりまして、たとえば御承知でありましようが、高等学校等について考えますと、普通の課程の高等学校の単位費用を作ってそれから課程別に種別補正をやっていって、定時制についてはさらに種別補正をするというやり方をやっておりますので、非常に補正が複雑で、一般の理解には不便だ、いわば明確でない。交付税が相当ふえてきますと、こういう点につきましてはむしろ明確にした方がいいのじやないか、そういった種別補正というものの考え方についてもう一ぺん考え直し、なるべく算定方法というものを明確化したいと、こういう気持を持っております。大体そういった二つを中心にして改正をいたしたい。で、まあ地方財政措置が来年私たちが支持しておりますような形でできますれば、一応まあ当面の地方財政制度といたしましては、安定をするのじゃないか、そういたしまして、地方交付税の算定につきましても安定した形をとりたい、そうすれば、地方団体側でも簡単に、当年得らるべき、交付さるべき交付税の額というものも見当がつくのじゃないか。なるべくそういう形に持っていくように交付税制度の安定化というものを中心にして態容補正係数の面に検討を加えたい、こういう気持で改正の作業に当っております。
#36
○中田吉雄君 ことし、年度中に投資補正係数四十億ですか、幾らか、ああいう変え方をやられた鹿児島なんかは四、五億ですか多くなったのですが、ほんとうにそういう改正されたような趣旨の、後進性を取りもどすような予算の使い方というものが、鹿児島の持ついろいろな特徴といいますか、その根本にさかのぼったような予算の使い方がまあ四、五億も出てきたというようなことで、安易な傾向を助長しておるような傾向にはなっておりませんか。そういうことについてその後予算の施行状態等で何か変化がありますか。
#37
○説明員(柴田護君) 鹿児島の例をあげられましたが、新態容補正係数によってふえました財源というものがどういう形で実際に使われていっただろうかということは、年度が経過いたしませんとわからぬわけでありますが、再建団体を通じて見ておるところでは、大体態容補正係数で非常にふえております所というのは、反射的に地方債が削られております。従いまして御心配のようにむちゃくちゃに使うというようなことはないので、むしろ一般財源はふえたけれども地方債は削ったじゃないかというような、若干の不満さえ聞かれるような状態で、御心配のような点は私はないと存じます。正確には年度が経過いたしませんと、どういう方面に使われたかということはわかりません。
#38
○中田吉雄君 そうすると、当該年度には大したことはないので、将来、もしここで地方債を起しておれば起る負担が起きないという結果だけにすぎないのですか。
#39
○説明員(柴田護君) 昭和三十一年度におきましては、投資的経費が相当圧縮されて、その上に収支の均衝を計画上得ておるのでありますから、本年度はそういう結果が起きてもやむを得ない、それを打開するためには、財政計画上の投資的経費の算定というものをもっと合理的にしなければいかぬ、そうすれば当年度においてもそういった投資的経費がふえて参る、ことしの計画ではまあぎりぎり一ぱいと見ておるわけですから、ことし中は大したことはないけれども、将来の公債費は助かる、こういうことになろうかと存じます。
#40
○中田吉雄君 将来助かるということですか。
#41
○説明員(柴田護君) 本年度はそういう結果になっております。
#42
○占部秀男君 ちょっと一つだけ……。今度の〇・一五の増額支給の問題ですが、県や市の事情によっては、職員組合と理事者側の間で交渉が行われて、税の自然増収があった場合にはそれを昇給の原資の方へ回せるという約束ができておる所があるのですが、ところで今度〇・一五の支給が行われる場合に、財原措置をしないで、自然増収があるのだからということで、定期昇給の昇給原資の方へ回さずに〇・一五の方の支払いにそれを充ててしまう、それで昇給の方はさせなくてもいいというような指導をされると、これはさっき長官の言われた考え方と全然また違った方向になるので、そういうことはおそらくないとは思うのですけれども、そういう点について一つ。
#43
○政府委員(藤井貞夫君) 簡単にお答えいたしますが、〇・一五を出すことによって、自余の人件費にその分だけしわ寄せがいくということは、これは絶対にいたさないという方針で参りたいと思います。
#44
○理事(小林武治君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#45
○理事(小林武治君) 速記を始めて。
 本日はこれで散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト