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1956/12/06 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 建設委員会 第7号
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1956/12/06 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 建設委員会 第7号

#1
第025回国会 建設委員会 第7号
昭和三十一年十二月六日(木曜日)
   午前十時五十三分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中山 福藏君
   理事
           石井  桂君
           岩沢 忠恭君
           小沢久太郎君
           田中  一君
   委員
           稲浦 鹿藏君
           小山邦太郎君
           斎藤  昇君
           中野 文門君
           西田 信一君
           坂本  昭君
           北 勝太郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設業法の一部を改正する法律案
 (小沢久太郎君外二名発議)(第二
 十四回国会継続)
○委員派遣承認要求の件
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中山福藏君) それでは委員会を開きます。
 つきましては、建設業法の一部を改正する法律案を議題に供します。御発言の方は御発言願います。
#3
○田中一君 改選後の国会のために、従来前々から当委員会におった委員は熟知しておりますけれども、新たに委員になられた方々に対して、その建設業法の一部を改正する法律案の内容を説明したいと思いますが、いかがですか。
#4
○委員長(中山福藏君) それでは、内容を説明されるということは、まことに必要だと思いますから、田中委員から一つ御説明を願います。
#5
○田中一君 実はこの法律案を提案しました経緯は、当建設委員会の自民党並びに社会党、両党の共同提案になっておる法律案でありまして、大体従来ともに最近の情勢として、地方の中小企業の建設業者が大企業者のダンピングのために非常に経営が困難に陥っている。従って、何らかの手をもって入札方式の是正をしなきゃならぬというところから、よりより相談いたしまして、ここにただいま申し上げますような理由で、要旨でこの法律案が提案されたわけであります。
 内容としますところは、第一は、国、日本国有鉄道、日本専売公社、日本電信電話公社、日本住宅公団、もしくは地方公共団体が発注する建設工事の請負契約について競争入札を行う場合、または政令で定める公共の利益の重大な関係がある建設工事の注文者が、その建設工事について競争入札を行う場合には、最低落札価格の制度を採用することとし、最低落札価格に満たない価格による入札は無効とすること。第二の理由は、第一の最低落札価格は、予定価格の十分の八を下らない範囲内において注文者が定めることとし、注文者が特にこれを定めない場合は、予定価格の十分の八とすること。
 第三の理由、軽微な建設工事の請負契約の場合、または設計付入札等の特殊な入札方法による場合は、最低落札価格の制度を適用しないこととすること。
 第四、第一に規定する、国等、または政令で定める建設工事の注文者がその建設工事と、その他の土木建築に関する工事とを一括したものの請負契約について競争入札を行う場合にも、第一から第三までに規定するところに準ずることとすること。
 第五は、施行期日は、公布の日から起算して六十日を経過した日からとすること。
 以上のような理由でこの提案がなされておったのですが、これに対しましては大体大蔵省方面から、建設業法の一部改正で、この趣旨内容の改正をするのは間違いではないか、われわれ提案者としては、会計法の古い規定を改正せずして、そのままやっているから、われわれがこういう改正案を出すのだというような主張で、長く論戦を続けて参っておりましたが、とうとう政府としては閣議決定のもとに、会計法の一部改正をもって、このわれわれが目的とすると同じような効果をもたらすという法律案の提案をしているわけです。これは大蔵委員会にかかっておりまして、参議院の大蔵委員会では、これは満場一致可決されまして、現在衆議院の方に回付されております。衆議院では前国会は御承知のような多少混乱のあった国会のために、審議未了となりまして、審議が結論に達しませんで、継続審議という形でもって現在衆議院の大蔵委員会の方に付託されております。われわれはこれに見合う内容の法律案でございますから、衆議院の方でその会計法の一部改正法律案が通った暁には、この建設業法の一部改正法律案を撤回しようというような両党の申し合せでございます。従ってこの委員会が始まった当初に、私が委員長に向って、会計法の一部改正法律案というものが衆議院においてどういう審議状態にあるかということをお問い合せ願ったところが、大体継続審議になるという公算が強いのではなかろうかというような向う側の考え方の報告があったのであります。なおこれにつけ加えて小沢委員から、その経緯の報告もあったわけなんです。
 こういう経過をたどっておる法律案でございまして、当然衆議院において審議中の会計法の一部改正法律案が向うで可決され、参議院に回付された場合には、これも建設委員会にかからずに、大蔵委員会にかかる性質のものでございますので、その見合い上継続審議をお願いしたいというわけでございます。
 なお足りないところは小沢委員から補足説明を願います。
#6
○小沢久太郎君 建設業法の一部改正の法律につきましては、今田中委員から御説明がありましたから、私は重複を避けますが、会計法の一部改正は、大蔵省の方として、今政府提案といたしまして提出しておるわけでありまして、それにはこれまでの会計法はいかに入札が低くとも、それをもって国はやらなければならぬというようなことであります。でございますから、実際問題としては、国損を与えるような場合でもその法律に従ってやらなければならないというようなことでございまして、それを今回改めまして、どうしても入札したものでその仕事を遂行しがたいというようなことを施行者が認めた場合には、最低価格でなくともいいというような法律でございます。で、この法律がわれわれの意図いたしました建設業法の一部を改正する法律にもマッチしておるわけでございまして、それが通れば、われわれといたしましては、会計法でちゃんと改正されるわけでありますから、一番いい方法であるというように考えている次第であります。
#7
○西田信一君 ただいまの御説明で大体は了承したのでありますが、会計法の一部改正の内容と、この建設業法の一部改正のねらっておる内容とが全く一致しておるのですか。
#8
○田中一君 建設業法では一応の予定価格、この予算決算会計令でもって、予定価格というものを発注者が持って入札をしなければならないことになっております。従って予定価格というものは現存するわけです、入札する場合には。それの価格の十分の八以下のものは落札を認めないという制限を定めるのです。しかしその予定価格というものの持っているところの一〇〇という定価だけで最低価格ということは言えないのですね。十分の十にしても、十分の八にしても、十分の九にしても、これは発注者の自由になっております。なぜ十分の八にきめたかと申しますと、これは十幾つの団体が――昭和二十六年に建設業者の利潤というものはどこにあるかという計算を、ずっと日本銀行その他が入りまして、検討した結果、八割二分というものが工事費である。あとの一割八分というものが利潤、税金その他のものであるというような計数が出ております。そこで十分の八というふうに掲げたのでございます。会計法の場合には、そうしたような最低の価格を法律で明示いたしませんで、発注者の任意になっております。発注者が危険であると、これではとうてい仕事ができないと認めた場合にはそれには受注させない。落札価格と認めないという幅のあるものを規定していることになっておりますので、表面、表わし方は、この建設業法では十分の八以下の、その線以下は落札してはならないという制限をしておりますけれども、会計法の場合には発注者の意思でもって危険のない、その契約したところの仕事が完全にできるという、これならできるという線を自由に認定できるというふうな仕組みになっております。
#9
○西田信一君 それはあれですか。会計法の場合は、今度の一部改正案がそうなっておるということですか。
#10
○田中一君 今衆議院に回っておる、大蔵委員会にかかっております法律案がその趣旨になっております。
#11
○西田信一君 それからもう一つ御質問するのですが、私は正確でないかもしれませんけれども、道路法の関係法規の中に予定価格の三分の二を下ってはいけない、何かそういったことの制限が道路法の関係法規の中にあったように記憶しておるのですが、それとの関係はどうですか。
#12
○小沢久太郎君 それは昔道路法の施行令の中にあったのです。ところが、それが道路法の改正の際に落ちたのです。それでその法律があった場合にも会計検査院あたりではまあ、会計法でもって最低であるということをうたってあるからそれは違法であると会計検査院は言っているのです。しかし、道路法の中にそういう三分の二とうたってありますから、実際問題としてそれが通ったのです。ところが今度道路法の改正によってそれが落ちましたから実際問題としては一番下を――実際できないかもしれないが、ダンピングしたらそれをとらざるを得ない。それがために国損を与える、それでわれわれはこういう建設業法の改正を出したのですが、それに対しまして、さっき田中委員が言いました会計法の一部、それには何割というのはうたってありません。ありませんけれども、ちゃんとしたものができるかできないかという基準を注文者は作ることができるというようなふうに政令で書いてあるのです。政令で大体八割ないし九割という線を出すように大蔵省の方も一応了承しているのです。ですから実質的においては同じだというふうに私どもは考えております。
#13
○西田信一君 この建設業法の改正のねらいは発注者の立場を保護するというかそういう意味もありましょうけれども、一面においては業者の不当な欠損を防止するというところにねらいがあるのだ、そういう意味から言うと、今の会計法の発注者の立場においてその線を引けるということと、そのねらいとするところと、この法案のねらいとするところとは相当ねらうところが違うのじゃないかというふうに感ずるのですが、その点はどうですか。
#14
○田中一君 それはこの建設業法の一部改正を見ましても、御承知のように国に損を与えて、契約の相手方に利益を与えるというものじゃないのです。おおむね請負契約の実態というものは、安いものに行った場合には、建設業者は必ずや仕事の上にしわ寄せをするということは常道なんです。もう、あなたも建設委員長をやっていたのだからよくおわかりでしょうけれども、従ってダンピングする場合には、国も損耗を来たして、契約する相手方も損をするということなんです。そこでいい仕事をさせるには、やはり両方が立たなければならぬという趣旨でもって立っているのがこの行き方なんです。会計法の場合には御承知のように、ああいう発注者というものは自由意思から、だれに仕事をさせようと自由なわけです。それを法律でもって一応の規定をきめてあるのですから、そのわれわれの趣旨というものをよくのみ込んで、実態を承知しながら運営でもってやっていこうということになっておりますから、表現の仕方はやはり国の利益になっておりますけれども、やはりあくまでも業者の利益を見込んでいる、間違った仕事をさせないという趣旨になっておりますから、大体われわれも一歩を譲りまして、会計法の改正というものを認めたわけなんです。
 そこで、では当然それが通ればこれはいけないのじゃないか、廃案にするのじゃないかというならば、なぜこれを継続審議にするのかという疑問が起きるわけです。ここではやはり今まで、四、五年間この問題で政府と争ってきた関係がございまして、向うが通らなければ、われわれはこれでやるぞという考え方を持っているのですから、一つ御了承願いたいと思うのです。
#15
○西田信一君 それからもう一つお尋ねしたいのですが、会計法の一部改正によって、地方公共団体に対してもその規制ができるかどうかということについてはどうですか。
#16
○田中一君 その点はありません。
#17
○西田信一君 この点は、この法案と効力に差違があると思うのですが……
#18
○田中一君 その点はどこまでも国一本です、会計法の場合には。しかしながら現在までの通念として国が一つの方策をきめた場合には、やはり地方公共団体も、あるいは国の財政投融資を受けているところの団体というものも、おおむねそれに見ならうということが慣例になっておりますので、大体それに見合うと思います。
#19
○西田信一君 今これは審議するといけないのですが、ただ政府は会計法の方で、まあ大体同趣旨のものが出る、そういうあれがありましたので、少し内容が違いはせぬかということでございますが、まあ継続審議ということでありますから、私は質疑はこれで打ち切ります。
#20
○委員長(中山福藏君) それではお諮りいたします。ただいま田中君並びに西田君の質疑応答によりまして御承知の通りであります。いろいろと問題が存在しておると思いまするので、諸般の事情を勘案いたしまして、建設業法の一部を改正する法律案を従来より審査いたしておりました。これは二十二国会から審査いたしておったそうであります。会期も切迫し、会期中に審査を完了することは困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の内容及びその手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
#23
○委員長(中山福藏君) 次に、お諮りいたします。
 建設事業に関する調査のため、閉会中委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、本院規則第百八十条の二により、委員派遣承認要求書を議長に提出しなければならないことになっておりますので、その内容、手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#26
○委員長(中山福藏君) なお、お諮りいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を今期国会閉会中も継続して調査したいと存じますので、その要求書を本院規則第五十三条によって議長あてに提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお要求書の内容及びその手続等は、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#29
○委員長(中山福藏君) それでは速記を起して下さい。
#30
○田中一君 前回の委員会で厚生省の施設課長に対して、応急住宅の居住者はあれは一年以内に立ちのくことになっていますけれども、その期間においても居住権があるかないかという問題について質問をしてあるのですが、その際に文書でもいいから答弁せよと言っているのですが、昨日非公式に施設課長が僕の所へ参りまして、どうもなかなかむずかしい問題で、答弁ができないという申し出がありましたので、委員長から参議院規則のしかるべき条項をもちまして、正式に厚生省に要求をしていただきたい。かように考えます。
#31
○委員長(中山福藏君) ただいま田中委員から要求のありました、災害救助法に基き災害地に応急仮設住宅が建設されました場合における当該人居者の居住権の有無について、参議院規則第百八十一条に基いて文書をもって内閣に回答を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(中山福藏君) それではさよう決定いたします。
 ちょっと速記をとめて。
   午前十一時十七分速記中止
     ―――――・―――――
   午前十一時三十分速記開始
#33
○委員長(中山福藏君) それでは速記を起して。
 それでは、本日はこれをもって散会いたします。
   午前十一時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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