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1956/11/22 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第3号
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1956/11/22 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第3号

#1
第025回国会 決算委員会 第3号
昭和三十一年十一月二十二日(木曜
日)
   午後一時四十二分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
  委員長      三浦 義男君
  理事
           大谷 贇雄君
           谷口弥三郎君
           中野 文門君
           久保  等君
           奥 むめお君
  委員
           石井  桂君
           大谷藤之助君
           小沢久太郎君
           永野  護君
           西岡 ハル君
           平島 敏夫君
           吉江 勝保君
           片岡 文重君
           杉山 昌作君
           岩間 正男君
  政府委員
   自治庁財政部長 小林與三次君
  説明員
   国税庁長官   渡邊喜久造君
   会計検査院事務
   総局第一局長  大澤  實君
   会計検査院事務
   総局第五局長  上村 照昌君
  参考人
   日本開発銀行理
   事       菅野 義丸君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十四
 回国会継続)
○昭和二十九年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三浦義男君) ただいまから第三回決算委員会を開会いたします。
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 まず、自治庁関係を審議いたします。検査報告批難事項は第三十二号でございます。ただいま御出席の方は、大澤検査院第一局長、小林自治庁財政部長、柳澤大蔵省司計課長の諸君であります。
 お手元に配付いたしました刷りものにあります通り、第二十四国会において質疑がなされたのでありますが、相当時日を経過いたしておりますので、その概略を御説明を願いたいのであります。まず、検査院からお願いします。
#3
○説明員(大澤實君) 六十七ページの三十二号について御説明を申し上げます。
 これは御承知の地方交付税交付金の問題でありますが、昭和二十九年度の地方交付税交付金は総額千二百五十六億でありまして、そのうち普通交付税として都道府県に交付されたものが、ここに書いてあります七百八十三億余万円であります。これは東京、大阪、愛知、神奈川と四県の富裕県を除いたほかの道府県に交付されたものでありますが、この普通交付税の交付は、その都道府県の人口数とか、警察職員数、児童数というような数、または道路面積とか河川延長とかいうようないろいろな数値をもとにしまして、一定の金額を乗じて、そうして総額を算出しまして、そして全部の各府県の基本となるべき財政需要額は幾らあるか、財政収入額が幾らあるかという計算を出しまして、その不足額を算出しまして、これを交付すべき全額をこの不足額に按分して交付されておるのであります。
 会計検査院におきまして、各都道府県の基礎となった資料を検討してみますと、あるいは道路面積を誤まったり、河川延長を誤まったりというような、基礎となるべき数値の誤まりがあったり、あるいは数値は正しくても、それにかけるべき計算に誤謬があったり、あるいは集計に誤謬があったりいたしまして、もとになるべき基準財政不足額、これに計算の誤まりが相当あったわけであります。六十八ページの表に出してありますように、四十二道府県すべてにつきましてそれぞれ財源不足を過大に見積ったもの、あるいは過小に計算したものというのが生じたわけであります。
 この交付税は御承知の通り所得税、酒税、法人税の一定額を交付するわけでありまして、その総額は国としては交付する義務があるわけであります。従いまして、誤まりがありましても、国に対しての損失というものはないわけでありますが、これを受ける各都道府県がそれぞれの立場からいいますれば均衡を失するということになりますので、こうした誤まりは妥当でないと考えまして検査報告に掲上しておる次第であります。
 なお、六十九ページ、なお書きに書いてありますのは、この交付税交付金と異なりまして、揮発油税の剰余金、これは都道府県及び五大市に、道路面積に応じて譲与するわけでございますが、そのうち東京、大阪におきましてこの道路面積の計算に誤謬があります。従いまして揮発油税譲与金を過大に譲与しているというのが東京で百二十八万円、大阪で一億七千七百万円という数字が計算上出てきました。これは注意いたしました結果、直ちに東京都及び大阪府から返還させました。そうしてその分を含めて再計算しまして、ほかの道府県に譲与した、こういう結果になっております。
#4
○委員長(三浦義男君) 次に、小林財政部長にお願いいたします。
#5
○政府委員(小林與三次君) ただいま会計検査院の方から御報告がありましたような結果が、昭和二十九年度に交付金の配分をめぐって出ておるのでありまして、われわれといたしましても、実は非常に遺憾に存じておるのでございます。
 この交付金の配分の問題は、会計検査院のほうからお話がありました通り、実は多少複雑なところもございまして、従来必ずしも事務に十分なれておらないせいがありまして、誤まりが多少あったのでございますが、最近交付税制度自体も安定いたしましたし、地方におきましても次第になれて参っておりまして、誤まりは次第に減っておる趨勢にあるのでございます。
 今お話がございました通り、そのもとになっておる基礎台帳の整備が必ずしもきちんとしてなかった誤まりが一部分、それからその土台の基礎はいいのですが、算定方法に誤解があって誤まりがあること、それから単純に計算の誤まりというような三種類のものがございまして、これらは基礎の台帳を逐次整備いたしております。策定方法の誤解も繰り返し注意をいたしておるのでございまして、われわれの方といたしましても、できるだけの注意をいたしますとともに、過誤を発見いたしますれば、当然に当該年度、あるいは当該年度が間に合わなかったら次年度において再計算いたしまして、全体として公平な配分を期したい、そういうふうに存じておるのでございます。特に三十年度の問題につきましても、今、自治庁のほうでも会計検査院とともに協力して実態を調査して、過誤なきを期しておる次第でございます。
#6
○委員長(三浦義男君) 以上をもって説明は終ったのでありますが、御質疑のある方は順次に御発言をお願いいたします。――別に御発言はございませんか。では御質疑はないものと認めます。
 自治庁の関係、検査報告批難事項第三十二号は、質疑を一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(三浦義男君) 御異議がないものと認めまして、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(三浦義男君) 次に、日本開発銀行の部を審議いたします。検査報告批難事項は第二千二百四十六号であります。
 この審議に入る前にお諮りをいたしたいことがございますが、それは第二十四国会において行いました通り、今国会においても決算審査のため、参考人として政府関係機関及び会計検査院法に基いて会計検査院が検査の権限を有する機関の役職員の出席を求める必要のある場合には、随時委員長からその出席を求めることとして、あらかじめその取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(三浦義男君) 御異議がないものと認め、さよう決定いたします。
 では、本日は日本開発銀行から御出席の方々は、菅野開発銀行理事及び中谷地方部長でございます。
 お手元に配付いたしました刷りものにあります通り、第二十四国会において質疑がなされたのでありますが、今回質疑を続行するに当ってその概略を御説明願いたいのであります。
 まず、会計検査院からお願いいたします。
#10
○説明員(上村照昌君) 開発銀行の件でございますが、二千二百四十六号に記載してございますのは、日本開発銀行福岡支店で二十九年九月、振興飛島鉱業株式会社に振興鉱業開発株式会社を連帯債務者といたしまして、選炭設備等に要する資金としまして二千五百万円を貸し付けられた事態についてでございます。
 開発銀行に提出されてあります資料によりますと、この両会社は二十七年度、二十八年度におきまして償却前利益を、検査報告に記載してあります通り、相当あげておるのでございますが、これは主といたしまして経営拡張のために投下いたして、本件の貸付申し込み当時まで既往貸付約三千万円に対しまして元利償還はほとんど行われなかったのでありますが、二十九年三月、この貸付申し込み当時ごろから、既往貸付の延滞利息等の一部入金があった状況でありまして、開発銀行ではこれに対して今後も引き続いて入金することを期待され、先ほど申し上げました二千五百万円を貸し付けられたものでございます。しかし貸付後の回収も思わしくなっておらぬわけでございます。
 以上、申し上げました事実につきましては、私のほうと開発銀行のほうとにおきまして食い違いはないと考えておるわけでございます。私のほうといたしましては、会社が、特に連帯債務者が主となるわけでございますが、多額の収益をあげながら、既往貸付金に対しまする償還が著しく遅滞しておるものに対しましてさらに貸し付けて延滞額を増加させたということは妥当な措置ではない、かように考えておるわけでございます。
 大体以上であります。
#11
○委員長(三浦義男君) 次に、日本開発銀行理事菅野君にお願いいたします。
#12
○参考人(菅野義丸君) だたいま会計検査院のほうから御説明がございました二千二百四十六号の事項につきまして、開発銀行といたしまして御説明を申し上げたいと存じます。
 問題になっておりまする振興飛島鉱業株式会社と振興鉱業開発株式会社との連帯債務にかかる開発資金の貸付でございますが、この両社は、今お話がございました通り、従来取引ぶりが必ずしも良好ではなかったのでございまして、これを放置しますると、ますます回収困難を予想される状態にあったのでございます。ことに振興飛島鉱業株式会社に対しましてそういう状態がひどかったのでございますので、飛島鉱業所の下部炭層開発と、これに伴う選炭設備、あるいは離島でございまするので海底を送電する海底送電線の合理化、並びに増産工事を実施せしめまして、その操業の安定化と収支の好転とを確保して、それによって従来貸し付けておりました債権の保全と回収の円滑化とをはかるべく、これを専門的に申しますと管理のための融資、債権管理のための貸付として行なったものでございます。
 以上述べましたような趣旨から、貸付に当りましては、振興鉱業開発株式会社が出資、経営の面で当社と同一系統のものであること、及びすでに同社は当社に多くの資金援助を与えて、今申しました合理化並びに増産工事を進捗せしめつつあるということ、さらにまた本行としましては、経営規模、収益力等につきまして、両会社を一体として扱うことが、貸付債権のささえともなり、あるいは債権の優良化をはかり得るというような考えのもとに、この両社を将来は合併をするという含みを持たせまして、とりあえず振興鉱業開発株式会社を連帯債務者として融資をしたのでございます。
 債権管理のための貸付は、この事件のように、従来の貸付先が経済情勢の変化等によりまして、そのまま放置すればますます悪くなる、あるいは極端なことを申しますと、存立が危殆に瀕するといったような場合に、債権保全のために、あるいはまたその経営の積極的立て直しをはかり、あるいはこの存立を維持せしめて、将来の市況好転を待たしめるというように、起死回生の方法としてはやむを得ず行う措置でございまして、これはひとり開発銀行のみならず、市中いずれの銀行におきましても行う方法でございます。この振興飛島鉱業株式会社の場合、旧債権は前経営者が復興金融金庫から借り入れまして、戦後の緊急出炭増強の要請に応じたものでございますが、炭坑水没と労働争議とによりまして休山のやむなきに至りまして、昭和二十五年九月に現経営者の手に移ってからも、経営は一進一退を続けて、元利償還もはかばかしく進まなかったのでございますが、現稼行区域の炭量は次第になくなって参りまして、本件貸付によって、まだ採鉱しておらない下層の炭層を開発して、出炭を採算点まで増強を維持するとともに、離れた島へ電気を送る――離島送電の確保と選炭の合理化とによって、トン当り百三十円程度の原価の低減をあわせて期待したのでございます。従って一般の管理貸付と同様、債権の健全化の諸手続のほかに、炭代を直接銀行が受領するとか、金融手段としてはとり得るあらゆる方法を講じまして、回収の万全を期した次第でございます。しかしながら石炭市況はその後、融資をしましてから未曽有の悪化をたどりまして、加うるに三十年の一月、取引筋の石炭商社が倒産する、それから三十年の五月には労務賃金遅配等によりまして、振興鉱業開発株式会社の全鉱業所が休山するというような事態も発生いたしまして、新旧債権ともに再び延滞を重ねるに至っておる現状は、きわめて遺憾に存ずるところでございます。しかしながら、連帯債務の両社とも、石炭鉱業の業況が回復に伴いまして、石炭鉱業合理化法による諸施策と相待ちまして、債権の究極の回収についてはあながち悲観を要しない、かように考えておるような次第でございます。
 大体その後の入金というものがどうなっておるかと申しますると、本年の春ごろから石炭鉱業界は昨年までの極端な不況から次第に脱却いたしまして、一般に業況の立ち直りを見つつあるようでありますが、振興飛島鉱業におきましても、この市況好転によりまして、出炭、販売及び収支とも向上を見まして、昨年末、取引商社の倒産等による財政上の痛手を逐次回復して参ったのでございます。この情勢を反映いたしまして、本行に対する取引ぶりも、資金繰り繁忙の中からも、本年三月以降新たに発生する利息に相当する額といたしまして、毎月二十五万円程度の入金を続けて、現在までに本年だけで百三十万円を入金したのでございます。従って特段の事態が生じない限りは、このように逐次元利の償還が期待されるのではないかと考えておった次第でございます。ところが不幸にして、この九月に台風が参りまして、この飛島鉱業も若干の被害を受けまして、当社の出炭がやや挫折いたしたのでございまして、本行への入金も九月以降一時途絶しておるような次第でございます。
 私ども開発銀行の当局といたしましては、本件を会計検査院から御指摘を受けたということ、その趣旨は順奉いたしまして、かつ、今春からたびたびの本委員会の御審議の途中に各委員の方々から受けました御注意を十分奉戴いたしまして、今後この回収に万全の措置をとることはもちろんでございまするが、今後この種の融資をいたしますにつきましても、十分御趣旨に沿うように遺憾なきを期したいと、かように考えておる次第でございます。
#13
○要員長(三浦義男君) 以上をもって説明は終りました。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
 御質疑はございませんか。――御質疑はないと認めます。では日本開発銀行の部、検査報告批難事項第二千二百四十六号は質疑を一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
 速記をとめて。
   午後二時六分速記中止
     ―――――・―――――
   午後二時二十一分速記開始
#15
○委員長(三浦義男君) 速記を始めて。
 次に、国税庁を審議することにいたします。検査報告批難事項は、第三十六号から第五十一号まで、第七十八号から第七百五十八号まででございます。
 本件に関して出席の方は、大澤検査院第一局長、渡邊国税庁長官でございます。
 お手元に配付いたしております刷りものにあります通り、第二十四国会において質疑がなされたのでありますが、今回簡単にその概略を御説明願いたいと存じます。
 まず、検査院から御説明を願います。
#16
○説明員(大澤實君) 国税庁関係の検査報告について御説明申し上げます。最初に、検査報告の七十三ページから、大蔵省、一般会計の「租税について」、大まかなところを説明してありますが、簡単に申しますと、二十九年度の国税収納金整理資金への受入金というものは、徴収決定済額が八千五百四十三億でありまして、収納済額が八千七十五億、その収納割合は九四・五%になっております。これは二十六年度からの趨勢を見ますと、二十六年度が九一%余、二十七年度が九三%、二十八年度が九四%、逐次向上してきております。が、戦前の昭和十三年ごろには大体九九%の収納割合を示しておったということから見ますると、まだ収納割合はもう少し向上してしかるべきではないかという感じがいたします。なお収納未済の総額は、二十九年度だけ見ますると三百六十三億でありますが、既往年度を加えますと千四十億ということになっております。
 次に、個別の件に入りまして、七十七ページの三十六号、これは京橋税務署で大倉製糸という会社の法人税におきまして、徴収不足がありました。これは検査院の検査の結果わかったのでありますが、徴収不足が六十一万円余ありまして、これを追加徴収決定すべきではないかというので、京橋税務署のほうでもその向きで追加徴収する決議はしたのでありますが、当時会社が新潟県の新発田に移っておったのに、その所管署である新発田税務署のほうにその追加徴収決定の事務の連絡が行われなかったために、三カ年という更正をなし得る期間が経過しまして、ついに徴収することができなくなった、こういう事態でありまして、連絡の不備であった点が遺憾であったと思います。
 次が、第三十七号から四十号まで四件、麹町、神田、渋谷、江東、四税務署の分が出ておりますが、これは税金を欠損繰り戻し、その他によりまして納税者に還付する場合に、一方未納の税金がございますれば、税法上まずその未納の国税に充当することになっておりますのに、未納税があることを調査不十分のために、処置せずに還付してしまったという事態でありまして、もう少し調査すれば、還付しなくても未納国税に充当し得たという感じがする次第であります。その総額が四件で八十一万余円ということになっております。
 次に、四十一号から五十号までに十件掲げてありますのは、滞納処分の処置が当を得なかったというのでありまして、財産があるのにこれに差し押え処置をおくらした、あるいは差し押えた財産を納税者のところに保管させておった、そのために納税者がこれをほしいままに処分してしまったというようなために、納税者のほうはその後無資産になりまして、結局滞納処分の執行停止等の処置をしなければならなかったという事態でありまして、早期に債権確保の処置を講じておけば、執行停止等の処理をせずにも済んだであろうと考えられる次第であります。十件で総額が三百七十万余円ということになっております。
 次に、五十一号の「租税払もどしに関し処置当を得ないもの」、これは事態が少し複雑でありますが、結論を申しますれば、東北電力株式会社に対しまして税金の還付しなければならないものがあった。ところがその還付の手続を部内の事務不連絡のためにおくらして、おったために、還付がおくれまして、そのために巨額な還付加算金を合せて支払わざるを得なくなった、こういう事態であります。
 これは二つの態様になっておりまして、一つは法人税額の還付がおくれておった。これは二十四年十月から二十五年三月までの事業年度分で、会社は一応百七十九万円という税額を申告して納税しておったのでありますが、前期からの繰り越し欠損その他の関係がありまして、当期は納税額がゼロ、所得ゼロということになった。税務署の決定がそうなったのであります。それが二十六年十一月にそういうことに終っておったのでありますが、でありますからすぐ還付の手続をとり得たのでありますが、それを二十九年十二月になってようやく還付した。三カ年も放置していたために、還付加算金を百十九万円余支払わざるを得なくなった、こういう事態であります。
 それからもう一つの態様は、所得税の還付でありまして、これは東北電力が有しております株式などに対しまして配当を受けますが、その配当に対しましては源泉徴収の所得税を取られておりますので、これは税法上法人税額から控除することになっております。そうして控除できないときは還付するということになっておりますが、この東北電力は、当時欠損でありましたから、この源泉で取られた所得税は還付しなければならぬことになっております。これは納税者の申請によりまして還付することになっておるのでありますが、この申請書はそれぞれ早く会社から出ておったわけでありますが、それが書類のつづり違いで気がつかなかった関係がありまして、これの還付がおくれまして、これも同じく二十九年十二月に還付した。申請書は二十七年五月、または十一月に出ておったわけであります。それが二十九年十二月になって還付になった。二年余還付がおくれましたために還付加算金を百二十九万円余支払わざるを得なくなった、こういうわけでありまして、総額二百四十七万円の還付加算金が支払われたのであります。
 これはもちろん申請書が出ましても、すぐその日に還付するというわけにはいきませんので、ある程度の手続上の日数は要しますが、ほかの例から見て、大体三カ月くらいで処理できるのではないか。そうしますると、もしも三カ月以内に処理したとすれば、約百九十万円の還付支払い金が支払う要がなかったのではないか、こう考えられる次第であります。
 それからずっと飛びまして、九十四ページの七十八号から八十一号までの四件は、税務署における不正行為であります。これは立川、高萩、兵庫、湯沢、四税務署におきまして、国税の収入をつかさどる出納官吏が、受け取った税金を国庫に払い込まないで領得した、こういう事態でありまして、四件でその金額が約六百余万円ということになっております。多少はそのうち弁償がありますが、大半はまだ弁償に至っておりません。
 次に、九十五ページ以下は、「是正させた事項」として、会計検査の指摘に基きまして、それぞれ各税務署で是正をした事項でありますが、そのうちの第一の、八十二から八十五まで掲げてあります四件は、青色申告書の提出の承認を取り消したという事態であります。御承知の通り、青色申告法人にはいろいろな特典があります。従いまして、一方義務としまして、帳簿に仮装隠蔽の記述がないようにする、あるいはそれぞれ正規に申告書を提出する、そうした義務を履行しない場合には青色申告の承認を取り消すことになっております。ところが検査して見ますると、他の青色申告法人との均衡から見ましても、当然これは取り消してもしかるべきではないかというような法人に対しまして、青色申告の承認の取り消しを行なっていなかったのがありまして、注意した結果、その青色申告を取り消しまして、そうして特典としていろいろ認めておりました損金算入を否認しまして、法人税を追加徴収決定することとしました次第であります。四件で、その金額は百三十三万余円ということになっております。
 次に、八十六から七百十九まで、六百三十四件にわたって書いてありますのは、租税の徴収過不足を是正さしたものでありまして、署内部でいろいろな調査が不十分であったり、あるいは税務署間の連絡、または署内の各係官の連絡が不十分であったため、または法令の適用を誤ったなどのために徴収不足を免じたり、あるいは徴収過を生じておった事態をそれぞれ指摘いたしまして是正さした事項でありまして、総計六百三十四件におきまして、徴収不足を是正さしたのは三億三千四百余万円、徴収過を是正さしたのは六千二百余万円ということになっております。
 個々の件につきましては、御質問に応じましてお答えいたすことにしまして、個々の件の説明は省略さしていただきたいと思います。
 それから次は、百一ページの七百二十から七百五十八まで、「租税の徴収上の過誤を是正させたもの」、これは、先ほど申しました六百三十四件は、租税賦課の面における過誤を是正させたのでありますが、これから申し上げます分は、賦課は一応正規に行われておったのが、徴収上の手続に誤まりがあった、こういうのでありまして、その中の最初の(ア)として書いてありますのは、一応税額は決定しまして、当然徴収決定しなければならないのに、事務の連絡の不備のために徴収決定の処置をとっていなかった。つまり納入告知を相手方に発行していなかった、こういう事態でありまして、これを訂正さしたものであります。
 (イ)の租税債権確保の処置を講じていなかったものというのは、滞納になっておりまして、当然財産の差し押えなり、その他債権確保の処置を講ずべきであったのを講じていなかったという事態であります。
 それから(ウ)は、執行停止をしておるのでありますが、その内容を見ますと、その個人なり法人は、一方財産を持っていることはわかっている、あるいはその後相当な所得を申告しておる、こういう者に対しまして執行停止をしておりましたので、これは執行停止を取り消して徴収すべきであるとして是正さした次第であります。
 それから(エ)は、相続税を納めます場合に、延納または物納の申請が出ておったのでありますが、それを許可するとも許可しないとも決定せずに遅延しておった。そのために税金も納まらずに、そのまま渋滞しておったというのを訂正、是正さした点であります。
 それから(オ)は、納税者が他の税務署の所管地へ転出してしまったという場合に、当然署の間でその引き継ぎを行なって徴収しなければならないのを、その手続が行われていなかったのを指摘して是正さした事態であります。
 最後の(カ)は、徴収簿の整理が悪かったために、徴収簿に違った名前で登記しておった。あるいは前年度からの繰り越しの滞納額の登記を漏らしておった、そのために徴税がおくれておった、こういうのを是正さした事項であります。
 はなはだ簡単でありますが……。
#17
○委員長(三浦義男君) 次に、国税庁から御説明を願います。
#18
○説明員(渡邊喜久造君) 租税の関係でございますが、冒頭に、租税の徴収の状況が会計検査院のほうから御説明が出ておりますので、これに補足いたしまして、その後の状況を御報告申し上げたいと思います。
 結局、滞納が現在どれくらいあるかという点が一つの問題点だと思いますが、最近の数字でございますが、九月末現在におきまして、租税の滞納の総額が約七百三十九億になっておりまして、これは前年度の同期が九百四十四億円でございましたから、二百五億円ほど減少になっています。それから執行停止という制度が御承知のようにございまして、これは、ほとんど徴収見込みがないということで、一応執行停止の処分にするわけでございますが、この分を差し引きました滞納額、これは、先ほど言いました九月末現在で五百三十三億円、前年同期の六百七十六円に比べますと、約百四十三億円、滞納額自身としまして、まだ依然膨大なる滞納を擁しているわけでございまして、われわれとしましても、鋭意徴収成績の向上に努力しておりますが、まだ前年に比べましては、なかなかそこまで行き得ない。ただ、まあ何とか逐年改善されつつあるということは幸いなことと思っておりますが、しかし、もちろんわれわれとしましては、さらにこの滞納額をより減らしていく、その意味におきましても、納税者の方の協力を願うと同時に、滞納額の整理につきましては、さらに努力しているわけでございます。
 それから、ただいま会計検査院から御説明がございましたように、検査院に指摘されました事項につきましては、いずれも事務の連絡不十分でありますとか、いろいろな点で不行き届きな点がありまして、非常に遺憾に存じておるわけでございますが、ごく簡単にその経緯を補足的に申し上げますと、三十六号に指摘になっております先ほどのお話の大倉製糸の関係でございますが、ちょうどこの関係は、東京国税局の調査課のほうで調査を担当することになっておりまして、会計検査院から御指摘がありまして、京橋の税務署としましては、すぐに調査課のほうへこういう御指摘があったからということを連絡いたしました。ちょうどその当時同じ時期に、会社のほうが新発田の税務署の管内へ本店の移転をしたわけでございます。従いまして、調査課の結論が、それは当然直すべきだということになりましたのですから、新発田のほうへ連絡するか、あるいは京橋へ連絡しましても、京橋がすぐに新発田のほうへ連絡すればこういう事態はなかったのでございますが、京橋のほうでは、新発田のほうへ転出したものですから、会計検査院のほうへ、こういう御回答をするように、要するに訂正の御回答をするようにということだけに気を取られまして、新発田のほうへの連絡をしませんでした。新発田のほうは、自分のところに本社があったのですが、問題が東京の局の問題だというので、事柄を知らなかった。そういったように非常に不手ぎわがありまして、こういった経過になったわけでございまして、まことに恐縮に存じているわけでございます。
 それからその次の問題といたしまして、過誤納の充当の関係でございます。過誤納で返すべき金がありましたとき、片方に未納の税金がありますれば、これを当然未納の税金に充当すべきであるということに法制上なっております。従いまして、過誤納金を返しますときには、未納の税金の有無というのを調べるということになっておりまして、そのようにやっておりますが、御指摘を受けました三十七号から四十号までの間におきましては、それが手落ちがございまして、結局未納の税金のあるままに、それはそれとしまして、過誤納金を返してしまったということでございます。ただ、これらの四件につきましては、いずれもその後返還する税金がさらに別にありまして、その分で未納分を充当するか、あるいは一部充当し、残額を徴収するかということによりまして、現在におきましては、いずれもこの税金未納額として載っております金額は納付済みになっております。
 それから四十一号から五十号までに御指摘になっております滞納処分に対して処置当を得なかったもの、これらはいずれも早期に滞納処分を執行いたしますれば税金が徴収できたのに、それをやりませんでしたために、結局現在におきましては徴収もできませんで、執行停止ということにせざるを得ないという事態に持ち込まれたものでございまして、これまたその措置が当を得なかったということにつきまして恐縮に存じております。
 それから五十一号の払い戻しの遅延した問題でございます。これも会計検査院のお話の通りでございまして、ただ、実は払い戻しの場合におきましては、大体通常の例でございますと、所得の申告書と払い戻しの請求書とは別個に提出してもらうことになっているわけでございます。ところが、この場合におきましては、申告書の中に払い戻しの請求書が一括して実はつづってあった。それは当然気がつかなければなりませんし、また気をつけてそれぞれの別の係に回付すべきであったのでありますが、申告書を受け取ったほうの、直接税のほうの係がそれに気がつきませんで、払い戻しのほうの請求書を還付のほうの係に渡さなかったということがからみ合いまして、還付の時期が非常におくれたわけでございまして、これも税務署といたしましては、手続が非常にまずかったという意味においてやはり遺憾なことと存じております。
 それから次に不正行為の問題でございますが、七十七号から八十一号まで指摘されております。こうした徴収関係の使い込みの事件が現在に至りまするまで依然まだ何件か発生しておりまして、まことに遺憾に存じております。われわれのほうといたしましては、一面におきましては、内部事務の管理関係を整備することによりまして、こういった事態が発生しますれば、すぐにそれが発覚するということを心がけまして、そのほうの仕事を着々やっておるわけでございますが、しかし同時に、それとあわせまして、署員の監督あるいは指導、その他に大いに努力して参っておりますが、遺憾ながらなお依然としてこうした事態が何件か発生いたしまして、まことに恐縮しております。これらの者はいずれも刑事上の問題になりましたし、また、ほとんど――一人だけ発覚する前にやめておりました者は、ちょっとこれは行政処分できませんでしたが、在職中の者はいずれも懲戒免職にいたしました。それから監督者等につきましては、それぞれ減給その他の処分をいたしました。いずれにしましても、こうした事実が依然としてまだ残っておるということは、われわれとしまして、今後大いに戒心し、努力しなければならないと思っております。
 その他、会計検査院の御指摘を受けまして是正をいたしました事案が非常に数多くあります。われわれといたしましては、結局、一面におきましては国税庁、国税局、税務署を通じましての内部監査の機構というものを順次整備することに努力して参りまして、とにかく税務署の部内だけでも、こうした間違いがあればすぐに是正するようにといった措置を講ずることに一面では努力し、一面におきましては事務提要のようなものを作りまして、事務を定型化することによりまして、こうした間違いがないようにということに努力をしております。それにもかかわらず毎年こうした事案が出て参るわけでございまして、数がたくさんあるからとは申しながら、非常に恐縮に存じておるわけでありまして、この上ともこういうことが少くとも順次なくなっていくように努力して参りたいと存じております。
 以上、簡単でありますが、補足的な説明を申し上げました。
#19
○委員長(三浦義男君) 以上をもって説明は終りました。御質疑の方は順次御発言をお願いいたします。
#20
○大谷贇雄君 ちょっと長官にお尋ねしますが、先ほど、戦前に比してまだ不十分だというお話がありましたが、大体戦後、戦後というか、戦前とのパーセンテージはどんなものですか。
#21
○説明員(渡邊喜久造君) ちょっと今とまかい数字を持ち合しておりませんですが、現在は先ほど申しましたように八千億のものに対しまして、執行停止というのが、実は昔ですと大体欠損処分になった、それより多少ゆるいかもしれませんが、大体欠損処分ということで処置していたかと思います。現在も大体その程度のものを執行停止にしまして、ただ、現在徴収法が変りまして、三年間一応執行停止の姿で置いておく、その間に資力回復がありまして、徴収の見込みがありますと、これは生かして徴収する、そういうわけでございますので、戦前と比較する場合におきましては、あるいは純滞納のもので比較していただいたほうがいいのかもしれませんが、それが現在五百三十三億、八千億と大体大よそあらく見ますと、六、七%のようなパーセンテージになると思いますが、戦前滞納の一番少かった時期は、租税総収入額のやはり二、三%までに落ちていたかと思っております。
#22
○久保等君 本年度といいますか、二十九年度の滞納額は現在どの程度になっておるのですか。先ほどの御説明の五百三十三億というのは、従来から引き継いだ分の執行停止の分を除いた分じゃないかと思いますが、二十九年度だけについての九月現在でもいいのですがもおわかりになっている金額はどの程度になっておりますか。
#23
○説明員(渡邊喜久造君) 現在持っております先ほど申しました数字は、今三十一年度でございまして、三十一年度現在の滞納額でございます。これが実は過年度と――われわれは普通分けますときに、三十一年度の滞納でございますと、三十一年度に新しく発生した当年度分と、それから三十年度以前に発生しまして、三十一年度に持ち越されております、これを過年度分と呼んでおりますが、その辺の数字でございますとあるんじゃないかと思いますが、二十九年度という特定の時点をとりますと、古い書類でありませんと、ちょっとわかりかねるのでございますが、今申しました過年度、当年度で申し上げることをお許し願えれば、今年度の分が百一億でございます。それから過年度の分は四百一千億――四百三十億の分は、これは三十年度以前に発生しまして、そうして現在に繰り越されております。それから本年度発生しましてまだ本年度収入になってない分が百二億、こういう数字になっております。
#24
○久保等君 昨年度と本年度を比較すると、先ほどの御説明によっても相当納入状況がいいというような御説明なんですが、しかしここで会計検査院がいろいろ指摘されておりまする問題を総括的にながめてみた場合に、やはり会計検査院も言っておりまするように、課税資料の収集活動が不十分だったために課税漏れ等があったというような指摘事項もあるんですが、特にどういう点が、国税庁の立場からお考えになって、こういった点を今後は是正していきたいとったような何か具体的な指導をとっておられる点がおありであれば、その点一つ御説明願いたいと思うんです。特にまあたとえば人手不足であるとか、あるいは税務署等の配置等の問題についても考えなきゃならぬとか、そういったような問題についてお考えになっておる点があるんでしょうか、どうなんでしょう。
#25
○説明員(渡邊喜久造君) 私、本年七月に国税庁長官を拝命いたしまして、ここ数カ月国税庁の仕事を見ております。私が税務署長になりましたちょうど昭和九年、十年当時、実は一万二、三千人の税務署員でやっていたわけなんです。現在御承知のように五万からの人員を擁しておりますので、それから考えますと、一体何で税務署の仕事がこんなに忙しいんだろうか、同時に今お話のようにいろいろ資料の関係から見ましても、課税漏れもありますし、あるいはさらにもっと資料を収集して適切な課税をしなきゃならぬということを片方としては当然要請されるわけでございます。しかし、そのかつての時代の四倍近くの人員を擁しておりながら、正直いいまして実は税務署は非常に忙しい仕事をしております。やはりいろいろな面からいいまして、税法そのものが一口に言えば精緻になったというようなことが一番大きな問題じゃないかと思います。もちろん制度的にも幾つか変っております。戦争前におきましては、現在一番税務署で、たとえば徴収の方でいろいろ手数を必要としております個人の所得税のような問題におきましても、当時は市町村でもって実は徴収を全部やっていただいておりまして、それで納期を過ぎまして滞納になった分だけを税務署の方へ通知していただいておりました。税務署は滞納になった後におきまして初めて動き出す、そのかわり市町村に対しましては市町村交付金というもの、租税の徴収関係の交付金を差し上げておりました。それが現在は直接徴収になっておりますといったようなことも、やはり税務署の職員の手がふえたところだと思っております。
 しかしいずれにしましても、実はわれわれのほうとしましてはやりたいこと、あるいはしなきゃならぬこと、まあいわば私は無限大に多いんじゃないか、ただ問題としまして、何と申しましても現在の陣容というものを早々ふやしていただきたいところですが、まあふやしていただけない事情もありますので、結局現在の五万の陣容をいかに最も能率的に有効に働いてもらうかというところにあるように思います。従いましてわれわれの方としまして、まあ資料の収集、これもずいぶんやっておりますが、割合に資料を収集しましてもそれがうまく利用されていない、未利用資料といっておりますが、それはほんとうに利用できない資料もあれば、当然利用できるのに利用されないままでやっているというのが御指摘の分でありますが、そういった点につきましても、まあ私のほうとしましては、一つには内部監査をもっと充実していこう、こういうふうに考えまして、先ほどもちょっと触れましたが、署においての内部監査、それから局が事務によりまして、事務ごとに内部監査をすることもありますが、それから一般視閲といった名前におきまして総合的に直税、間税徴収をあわせての視閲、それからさらに庁が局単位に参りまして局の仕事の視閲をし、同時にあわせて幾つかのサンプル税務署における視閲をしていく、これはひとり監督の意味のほかに、先ほど来申しておるような人数において、いかにしてもっと税務行政を能率的に、同時に税法の公平適正なる執行という面からいきまして、さらに納税者の方々にできるだけ御迷惑をかけないように、いろいろな要請があるわけでございまして、そうした面からいたしまして、いかに税務行政を運営していったらいいかという面についてのわれわれとしての自己反省といった意味におきましての視閲を何回かやっております。従いましてその面において漸次改善されていく面があるように思います。
 それからもう一つの面としましては、先ほども申しましたが、やはり一つの事務を定型化するといいますか、こういった場合はこうするのだ、この場合はこうするのだというふうに、それほど仕事になれない人でも順序を追って仕事をやっていく、そうすれば大体間違いない仕事ができていくといった面、事務提要なんかを作りまして、これの定型化ということに努力しております。もちろんこの定型化というのは定型化だけではだめでして、さらに問題によりましては深く掘り進んでいく点が当然あるべきだと思いますが、しかし、それも一つの事務の定型化の中でも、こういう場合にはさらに例外的なことを考えるのだといったようなことで、結局事務をどういうふうに重点的に運営して参りましたならば効果的にいくかという点におきまして努力しているわけでございます。
#26
○久保等君 特に内部監査、あるいは業務面の指導といったような問題について最近、大体具体的な――今のお話でもけっこうなお話なんですが、何かもう少し具体的にやった、またやろうとしているといったような問題は、特別にはただいまのところございませんか。
#27
○説明員(渡邊喜久造君) 一般的な事務運営につきましての基本的な気持といいますか、それをさらに仕事に結びつけてのことは、実は毎年国税庁の事務運営方針というものを作りまして、そうして各国税局、それから税務署のほうにそれを流し、同時に国税局長会議あるいは部長会議等を通じまして、それをさらに敷衍し、具体的にいたしましたもので内容を十分徹底させる。同時に国税庁としましては、一応の事務計画を作りまして、そうして国税につきまして大体納税人員がこれくらい、その場合において税務署の事務陣容がこれくらい、それに対して各局において実地調査を何件くらいやっていくか、あるいは書面でもってこれくらいの数は一応片づけて、まあ実地調査は二年に一回、三年に一回くらいする。これは納税者の大体色分けといいますか、そう間違いない納税者、それから過去においてある程度の間違いのあった納税者、こんなふうなことを考えまして、そういったような事務計画を作って、これを庁としては局に、局におきましてはそれぞれの局の事情もございますから、庁の事務計画をさらにその局の実情に合わすというようなこと、さらに税務署が税務署としての仕事と合せるようにそれを実行していくと、こういうようなことをやっております。で、事務監査の視閲の点でございますが、これは具体的には、今年信越の国税局の管内に、私の方の次長の篠塚君というのを一応総合視閲の視閲官といたしまして、それに各部から課長を出しまして、局を調査し、それから税務署、関東信越は御承知のように局が東京にございまして、税務署が埼玉、群馬、栃木、茨城あるいは長野、新潟の方に散在しておりますので、それぞれサンプル的な地に参りまして、そして事務の実際を見まして、関東信越国税局の長を通じましての事務の具体的やり方につきまして、われわれの方で批判し、指導するというようなことをつい最近やりました。こういうようなことは、実は毎年幾つかの局を選びまして、私の方ではやっております。局は局で各部長を視閲官としまして、税務署において同じような視閲をやっておる、こういうような実績は毎年相当数に上っております。
#28
○久保等君 昨年度あたりに比べれば、本年あたり相当好転してきておるようですが、将来の見通しについて考えてみた場合に、ただいまのような調子で参れば、相当戦前あたりにおける最も収納状態のよかった当時ぐらいまでには、比較的早い機会に持っていけるというお見通しなんでしょうか。それともある程度の滞納状況は、これは当分やはり続くのじゃないか、それから、また多少よくなることがあっても、まあ、二%とか一%だとかいうような状態まで持っていくのには、一体あなたの方でお考えになっております見通しはどうでしょうか。
#29
○説明員(渡邊喜久造君) 滞納の問題でございますが、結局滞納は幾つかのカテゴリーに私は分け得ると思っております。と申しますのは、毎年新規に発生して参りまして、あるいは毎月、同時に毎月それが整理されていくと、こういう種類の分の滞納がございます。それから、同時に過去に発生しておりまして、いわばかなり焦げついている滞納と、これも漸次整理されて参りますが、いわばこういった種類の滞納がございます。で、滞納の総額を漸次減らしていくにつきましては、私は、やはり一面におきましては新規に発生する滞納を、これを最小限度に食いとめるということが必要じゃないかと思います。と同時に、それとあわせまして、過去に発生し、焦げついている滞納を、これを納税者との話合い、あるいは次第によっては強制処分もやむを得ないと思いますが、それによって片づけていく。結局新しい滞納をできるだけ発生させないように努力すると同時に、過去において発生しているそうした滞納をできるだけ順次片づけていくと同時に、不幸にして滞納として発生しました場合におきましては、これを早期に解決していく、やはり所得のあるところ税金がかかるわけでございますから、早期にそれが解決されますと解決しやすいのですが、それがじんぜん日を過しておりますと、かつては相当の所得があり、税金を納めなければならかったけれども、現在としては金はもうどこかに使われてしまっている、税金だけ残って、まあ納められない、こういったような次第になるわけでございまして、やはり滞納の新規発生をなくすということが第一。それから不幸にして発生した場合は、これを早期に発生を片づけてゆく、これが新しい滞納に対する措置だと思っております。それから同時に、過去においてたまっている滞納は、これはやはり漸次何とかしてこれを片づけてゆくといったような措置と、これがあわせて行われるところにあると思っております。で、われわれの方といたしましては、何と申しましても新しい滞納が発生しないということが、一番大事な点でございますので、この点つきましては納税貯蓄組合という制度がございまして、そうしてこれは法律もできております。国としまして、実はわれわれとしては、もう少し交付金などふやしていただけるとけっこうだと思うのですが、納税貯蓄組合を漸次全国に普及さしてゆく、かなりの数に現在なっておりますが、そういうことによりまして、納税者の御協力を得まして、新しい滞納はなくしてゆく。同時に古い滞納につきましては、われわれの基本的な考え方としましては、納税者とよく話し合いまして、とにかく古い滞納を持っている納税者につきましては、新しい滞納はしない、それから古い滞納につきましても、それじゃ何月ごろまでにはこれを片づけてゆく、そのために徴税猶予とか執行猶予などの制度もございますから、そういったお話し合いの上で、そうしたものにつきましては、古いのは漸次なくしてゆく。まあしかしどちらにしましても、そういったようなことはとても見込がないという場合におきましては、やむを得ず強制処分をする、こういったような考え方でやっております。滞納額は、私はやはりだいぶんこれは少くなって参りますと実は処置がしいいのです、人数が相当ございますから。あまり膨大でありますと、人数が相当に限られておりますために、ちょっと手がつきませんが、だんだん滞納が減って参りますれば、さらにそれ以上に減らすということも相当努力次第ででき得るのじゃないだろうか。まあ戦前の状況までいつゆくかという点になりますと、大分戦前の状態と課税の税制そのものがずいぶん変っております。課税を受ける対象そのものもずいぶん変っておりますし、税金そのものが御承知のように相当戦前より重くなっております。そういうような意味からしまして、戦前の状況まで帰れるかということにつきましては、これは相当の努力が実は要ると思っておりますが、しかし現状はまだまだわれわれとしては不満であり、改善の余地がある。本年も昨年に比べますと、まあ滞納額の数字だけでも相当減りました。明年はさらにこれが減るように努力したいと思っております。ある程度減り得るのじゃないか。これは明年になりまして、減らないじゃないかということになるかもしれませんが、われわれとしては減らし得ることもあるのじゃないかという希望も持っております。
#30
○久保等君 先ほどの瀬年度分の四百三十億円の滞納額ということは、今御説明のあったいわゆる焦げつき分の方が、どちらかというと金額でいって多いのじゃないでしょうか。その二つの型で分けた場合は、どういう割合になりますか。
#31
○説明員(渡邊喜久造君) 非常に恐縮でございますが、今ちょっと数字を持っておりませんので、的確なお話はできませんが、過年度分のうちにも、これはちょうど三月で締め切りますので、二月に発生した、一月に発生したといった、いわば発生のし立てのほやほやのものも相当あると思いますが、しかし全体としてみますと、やはりこれの半分以上はおそらく御指摘のように相当古い焦げついた滞納といいますか、そういうものがあるのじゃないかというふうに思いますが。
#32
○杉山昌作君 これは決算の審査と少し離れますが、今長官のお話があったからですけれども、徴税を前は市町村に委託したというのですが、今日ではむしろ逆に府県や市町村の徴税を税務署でとった方がいいじゃないかというお話、これはまあ人員の関係もあるだろうし、いろんな資料その他が楽だという点もある。あるいは府県、市町村の徴税機関はどうもとかくルーズだが、税務署の方がもう少し厳格にとっているというようなこともあってだろうと思うのですが、そういうことから見ても、立法的にやろうということで自治庁等とお話し合いをしているとか、それまでいかないにしても、どんなふうにそれをお考えになっておられますか。
#33
○説明員(渡邊喜久造君) 国の税と地方団体の税とを、あるいは国の徴税機構といいますか、どっかで一元的に集めて徴収したらどうかという点は、実は私も主税局長をやっておりましたが、立法の問題は相当実は研究されてきたわけであります。外国の例で言いますと、御承知だと思いますが、スイスが私の聞いているところでは、あそこはまあ、あまり大きな国ではありませんせいもあると思いますが、国の税と地方団体の税、これを国の機関というわけでなくって、いわば両者の合体のような機関として一緒に賦課徴収をやっているように聞いております。それからフランスが割合に、これは国が国税と、地方団体の税の中でいわば国税付加税のような姿の、国税とかなり緊密な姿のものにある税金につきましては国で徴収しまして、地方団体が自分で直接徴収しております税金は、いわば小さな雑税的なものだけを地方団体で徴収している、こういう制度をやっております。で、杉山委員のおっしゃったような、もう少し徴税機関を一元化することによって、より能率的な徴税ができるんじゃないだろうかという点は、われわれといたしましてもいろいろそういう御批判がありますので検討してみているわけでございますが、まあ自治庁の意見になりますと、とかく実は地方自治の問題といったようなことに直接結びついちゃいまして、そういったプリンシプルの上からいってどうだろうという反対論が大きく出ているようであります。ただまあ私の方としましては、そういったプリンシプルの問題はプリンシプルの問題として、技術的に果してそういうことがうまく能率的にいくだろうか、どうだろうかという点は、主税局としましては、ずいぶん実は議論しております。税によってずいぶん違うように思いますが、たとえば法人関係の法人事業税のようなものになりますと、これは法人税と法人事業税と納める方がほとんど同じでございますから、こういうような税金でございますれば、あまり地方団体がやる、国がやるという理由はありませんが、比較業税になりますと、所属税のかからない人で事業税を納めている人が相当ございます。そうなりますと、やはり相当その面からいって事務量がふえてくるわけでございまして、果して税務署のような、全国からいいまして現在五百四ありますが、各市町村にすべて行きわたっておるわけではございませんが、果してどうだろう、特に固定資産税、こういったようなものになりますと、やはりちょっと今の状態でございますと、税務署でお引き受けしても、ほとんど市町村の方々と同じように、かなり現場に近いところにさらにオフィスを持たなければならんかと思います。それから住民税のようなものにしましても、現在におきましては、所得税のかからない方で住民税を納めていただいておる方、オプション・ツーのような場合でございまして、相当ございます。どうも地方自治とか何とかいったそういったプリンシプルの問題は別にしまして、事務の面だけで考えて参りまして、そう簡単な問題ではないのではないかというふうに考えております。現在お話のように府県民税だけは市町村に徴収してもらっておりますが、あれはまあいわば市町村民税と同じ課税標準といいますか、市町村民税付加税のような格好で徴収してもらっておりますために一緒に納めてもらっておる。これは可能だと思いますが、ちょっと徴収の面だけ考えましても、何か一つの機関となって地方税まで徴収できるだろうかという点については、ちょっと私も自信を持っておりません。
#34
○委員長(三浦義男君) ほかに御質問はございませんか。ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(三浦義男君) 速記を始めて。
 御質疑がないと認めます。国税庁の部検査報告批難事項第三十六号から第五十一号まで、第七十八号から第七百五十八号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めましてさよう決定いたします。
 以上をもって本日の議事は終了いたしました。
 次回は十一月の二十七日火曜日午後一時から昭和二十九年度決算大蔵省管財局の部及びこれとあわせて昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書を審議いたします。
 ではこれをもって委員会を散会いたします。
   午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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