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1956/11/27 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第4号
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1956/11/27 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第4号

#1
第025回国会 決算委員会 第4号
昭和三十一年十一月二十七日(火曜
日)
   午後二時十四分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十一月二十四日委員吉江勝保君辞任に
つき、その補欠として宮田重文君を議
長において指名した。
十一月二十六日委員宮田重文君辞任に
つき、その補欠として吉江勝保君を議
長において指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     三浦 義男君
   理事
           大谷 贇雄君
           谷口弥三郎君
           中野 文門君
           久保  等君
           鈴木  一君
           奥 むめお君
   委員
           石井  桂君
           上原 正吉君
           大谷藤之助君
           小沢久太郎君
           林屋亀次郎君
           吉江 勝保君
           大倉 精一君
           大竹平八郎君
  政府委員
   大蔵省管財局長 正示啓次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修藏君
  説明員
   大蔵省財務調査
   官       市川  晃君
   大蔵省管財局総
   務課長     谷川  宏君
   大蔵省管財局国
   有財産第二課長 市瀬 泰藏君
   会計検査院事務
   総局第一局長  大澤  實君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十四
 回国会継続)
○昭和二十九年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度国有財産増減及び現
 在額総計算書(内閣提出)(第二十
 四回国会継続)
○昭和二十九年度国有財産無償貸付状
 況総計算書(内閣提出)(第二十四
 回国会継続)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三浦義男君) ただいまから第四回決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更を申し上げます。十一月二十四日、吉江勝保君の辞任に伴いまして、宮田重文君が補欠として選任されました。また、十一月二十六日、宮田重文君の辞任に伴いまして、吉江勝保君が補欠として選任されました。
 以上であります。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(三浦義男君) では議題に入ります。
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は、大蔵省管財局の部を審議いたします。会計検査院の批難事項は、第五十二号から第七十七号までと、第七百五十九号から七百六十二号までであります。
 また、本件と一括して、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書を議題として審議を行います。
 本日御出席の方は、会計検査院大澤第一局長、及び大蔵省正示管財局長、市川財務調査官、谷川総務課長、市瀬国有財産第二課長、上東野管財司計官、建設省の建部営繕計画課長であります。
 第二十四国会においても質疑がなされたのでありますが、今回質疑を続行するに当ってその概略を御説明願います。
 まず、大蔵省管財局の部について検査院からお願いいたします。
#4
○説明員(大澤實君) 御説明申し上げます。
 管財局の件は五十二号からありますが、その前に七十五ページに総体的な国有財産の管理及び処分について記述してありますことを簡単に申し上げます。
 二十九年度の財務局の国有財産の処分収入及び利用収入の徴収決定済額は六十九億七千余万円でありまして、収納未済の割合は一二%余ということになっております。言いかえますと、収納割合は八八%ということになっております。これは税金などと違いまして、一応貸付とか売り払いとか対価を与えておるのでありますから、この収納割合はもっと引き上げられてしかるべきではないか、収納未済の割合が多過ぎるのじゃないかといろ感じがいたします。この収納未済は、前年度の既往年度分と合せますと、総額十七億余万円でありまして、そのおもなものは、国有財産の使用料、それから船舶共有持分の一部償却額、それから土地及び建物の売り渡し代、こうしたものが収納未済額の大きな部分を占めております。それからあとで普通財産の管理について述べておりますが、かいつまんで申しますれば、国有財産の管理の中で、今のところ一番整理が行き届いていないと思われますのが、旧軍用財産――旧陸海軍の持っておった財産と、それから旧雑種財産、つまり道路や河川などの用途廃止になった廃道敷、廃川敷などを大蔵省へ引き継いだもの、あるいは他の行政財産だったものが、用途廃止して、大蔵省に引き継いだもの、こうしたものの整理が行き届いていないと考えられますので、これらを検査しました結果によりますと、国有財産台帳に登録されていないものや、使用中の機械を、相手方で使用しておるものが無断で処分されているのにかかわらず、求償の処置を講じていないものとか、あるいは一定の用途に使用することを指定して売り渡しながら、その用途に供されず転売されているとか、その他いろいろな点で適当でないと認められておる事件がございます。具体的事項は後ほど御説明申し上げます。
 最後に、船舶の共有持分、これは旧船舶公団が持っておりました持分を大蔵省に引き継いだのでありますが、そうして年々その船舶の運航利益等によりまして償却をしていくのでありますが、その計算は、主として税務計算の例にならいまして、船舶の運航利益を算出しまして、それを大蔵省と共有者である船主との間で配分しておるのでありますが、その配分計算が誤まっていて、指摘して是正した事項が後ほど述べるようにあるのであります。
 以上、簡単に前に書いてありますことを申し上げまして、次に個別の事項をごくかいつまんで申し上げたいと思います。
 八十二ページの五十二号、これは公務員宿舎を建設します場合に、その地盤の調査が行き届かなかったために、そこを地下鉄の路線が通っておって、地盤が多少軟弱化しておったということを考慮に入れずに、四階建の建物を作ったところが、途中で不同沈下を来たしまして、設計変更のやむなきに至って、三階建の建物にとどめて、手戻りがあったり、過大設計となったりしたため、百二十万円の不経済な支出になっている、こういう事態であります。
 それから五十三号の建物に対する売り渡し契約の解除に伴う売り渡し代金の払い戻しの処置当を得ないものといいますのは、これは国有財産である建物を学校用途に指定しまして売り渡しましたところが、相手方が学校用途に供しないで転売してしまったために、これを解約してしまったわけでありますが、これを解約しますと、売り渡し代金として収納した額を返すと同時に、ある程度の利子を加えたものを損害賠償金として国が取るということになっておりまして、当然返す分と取るべき方とを相殺しまして、その残りを国が徴収すればよい、また、そうすべきであるにもかかわりませず、払う方だけ払ってしまって、取る方を取っていなかった、こういう事態でありまして、財務局と関東財務局千葉財務部との間の連絡の適当でなかった結果によりまして、遺憾な次第であります。
 本件は、会計検査院の注意によりまして、約一年ほどたちましてから、取るべき金を全額収納しております。
 それから五十四号に記載しております土地の売り渡し価額が低価に失したものといいますのは、川崎の土地を東京電力に売ったのでありますが、その場合に、東京電力の方では正規な売り渡し契約の締結前に、早期に工事に着工したいというために、一応請書というものを出しているのであります。その請書には、総額一千百万円程度の範囲内で買い受けいたしますから、早期に工事に着手さしてもらいたい、こういうような請書を出しているわけでありますが、それに対しまして、関東財務局の方で評価しまして、この土地を七百五十八万円で売却しております。もちろん、先ほど申しました一千百万円というものが過当に高い値段でありますれば、これは正当に評価して売却されるととはやむを得ないかと思いますが、会計検査院でいろいろ調査してみますると、八十五ページの対照表にありますように、むしろ相手方の申し出た千百万円というものは過当な値段ではないのではないか、大体そのくらいの値段であったのではないかと思われますので、それを七百八十万円と評価して売ったのは、低きに失したのではないかと考えられる次第であります。
 次に、五十五号から五十九号まで五件掲げてありますのは、用途を指定して売り渡した国有財産が、買い受け人によって用途以外に転用されている、転売されているというような事実がありました。これは内部監査によりまして、いろいろ見つけますれば、当然解約して、原状復旧なり、あるいは損害賠償の措置を講ずべきものでありますが、その処置がとられていなかったという事態であります。
 次に六十号から六十五号まで六件にわたって書いてありますのは、旧軍用財産である機械、工作物、そうしたものの整理が不十分であるという事態でありまして、六十と六十一は、旧軍の財産である電力線路を東京電力ないし九州電力が現に使用しているのにもかかわりませず、これに対して使用料を取っていなかった、こういう事態であります。
 それから六十二号から六十五号まで書いてありますのは、東北財務局その他におきまして、旧軍の機械を民間の会社に貸与しておりましたところが、その機械をほしいままに処分されてしまったというような事態がありまして、それに対して使用料も徴収していなければ、その求償もまだ行なっていなかったと、こういう事態であります。
 それから六十六号に書いてありますのは、呉市におきまして、旧軍港市転換法に基きまして、もとの駆逐艦であった「楢」と「谷風」というのが譲与されたわけでありますが、その譲与のときには、この船はすでに海底に沈んでおりまして、鋼材だけしかないという見込みのもとにその発生鋼材を譲与した、こういうことにして契約を結んでおったのでありますが、現実にその船の中には非鉄金属が相当あった。それに対しまして、呉市及びその工事を請け負った請負人が、その非鉄金属を、一部はほしいままに領得してしまい、一部は呉市の工事費に流用しておる、こういう事態でありまして、そうしたものは当然求償すべきものであると考えまして、求償の措置がとられていないというのがよろしくないという点であります。
 次に六十七号から七十六号まで十件に述べてありますところは、国有財産の使用料の徴収処置当を得ないものとしまして、国有財産の使用料は、国有財産法に基きまして、毎年定期に徴収決定すべきでありますのに、数年にわったて徴収決定をしていないという事例を掲げたわけであります。これは数多くありまして、毎年検査報告に掲げておる事態でありまして、やや最近におきまして、相当この点の改善した跡は認められますが、まだ依然としてこうして多いのは遺憾なことと存じます。
 次に七十七号、九十三ページでありますが、この一件は、関東財務局の前橋財務部の不正行為であります。前橋財務部の管財第一課に勤めております職員が、旧公団等の債権――配炭公団その他の売掛金、その他の債権、これは大蔵省が引き継いで回収に当っておるわけでありますが、その回収金を納入者から受け取りながら国庫に払い込まないで領得したという事件でありまして、総額百六十二万円、補てんされたのが一万五千円ということになっております。
 それからずっと飛びまして、百二ページの十再五十九から七百六十二までに書いてあります「共有船舶利用収入の徴収上の過誤を是正させたもの」、これは先ほどちょっと申しました共有船舶の運般利益の一部を国が徴収する場合に、大体において税務計算に基く方法で運航利益を計算しておるのでありますが、その利益計算、収支決算の否定に誤りがあって、経費に見てはならないものを経費に見た、そのためもっと国として徴収すべきものがあったという事態でありまして、総額七百四十八万円の徴収不足がありまして、それぞれ追加徴収決定の処置を講じさした、こういう事態であります。
 簡単にかいつまんで御説明申し上げました。
#5
○委員長(三浦義男君) 次に、大蔵省から御説明を願います。
#6
○政府委員(正示啓次郎君) 大蔵省の管財局長であります。ただいま検査院の御当局から御説明がございましたが、私の方はこの検査院の検査報告に対しまして、別に私の方の説明書というものを別冊でお配りをいたしておるわけであります。「昭和二十九年度決算検査報告に関し国会に対する説明」でございますが、この説明書を作りまして以来、相当の時間を経過いたしましたので、御指摘をいただきましたいろいろなことにつきまして、たとえば、さらに徴収すべきものを徴収いたしたというふうな事態を明らかにいたしますために、これをお配りいたします。説明書に掲げる事項に関する分といたしまして、別に資料をお配りいたしてございます。これは要するに、前回の説明以後に、私の方でいろいろ是正のためにとりました措置をあわせた説明になるわけであります。これを基礎にいたしまして、簡単に補足説明させていただきます。
 まず、第一番の徴収決定額に対する収納の問題、これは先ほど検査院からも御指摘がありました検査報告では七十二ページになります。私の方の文書にはございませんが、これは検査院の方から御指摘になりましたように、徴収決定額に対して実際の収納未済額が一二%にも上っておったという点を御指摘になったのでありますが、その後いろいろ努力をいたしております。最近の事態を申し上げますと、昭和三十年度中におきましては、この割合は、一二%を八%まで引き下げることに成功いたしております。なお、今後さらに努力をいたしたいと考えております。
 次に、普通財産の管理一般につきまして御指摘になった点でございますが、これは七十五ページ、普通財産の管理、――失礼いたしました。先ほどのは、七十五ページの初めの方でございますが、検査報告の七十五ページの終りの方に「普通財産の管理」として、ただいま御指摘になりました点でありますが、この点は、前国会におきまして当委員会でもたびたび御指摘を受けた、国有財産の管理が非常に乱脈をきわめておる、国会におきましても御指摘を受けましたし、御承知のように、行政管理庁あるいは検査院からもたびたび御指摘を受けたのであります。そこでこれにつきましては、大蔵省といたしまして、思い切った措置を講ずべく、去る四月、閣議の決定をももまして、国有財産審議会というものを中央並びに地方の十の財務局に設置していただきまして――これは行政の部面におきましては画期的な措置でございます。これによりまして、従来とかく国民全体の財産でありますところの国有財産の管理処分につきまして、役人だけが、何といいますか、もとより法律命令によって基準は示されておるのでありますが、いろいろ管理処分をして参りました点につきまして、広く民間の御意向を反映して、十分それらの御意向も参考にいたし、いわゆる公明正大な管理処分をいたすべく努力をいたしておる次第であります。中央審議会におきましては、企画部会、審査部会を設けていただきまして、企画部会におきましては、制度、機構の問題、審査部会におきましては管理処分の基本方針、あるいは個々の重要なる管理処分の案件をそれぞれ御審議をいただいておるのであります。多年にわたりまして、大へん国会の決算委員会にも御心配をかけておりましたが、おそまきながら、かような方法によりまして、広く民間の御意見をも参酌いたし、今後私どもの処分を根本的に是正すべく努力をいたしております。
 ただいまも検査院から御指摘ありましたが、まず第一に、実態をよく把握するという点に非常な重点を置きまして、これまた、目下主計当局とも十分協議をいたしまして、御承知のように、膨大な軍用財産でございますとか、あるいは物納財産でございますとか、旧内務省から引き継ぎました雑種財産でございますとか、いろいろ込み入った不動産の関係につきまして、これらは多年の懸案でございましたが、相当の予算をさきまして、まず実態を把握することに努力をいたしております。これらの点につきましては、着々と成果を上げるべく努めておるということを、この際付け加えて申し上げたいと思います。
 なお、この全般的な点でちょっとつけ加えさしていただきますが、用途指定違反ということが非常に従来多く、この批難事項にあがっております。私の方で売り払う場合あるいは譲与する場合、これらにつきまして、用途を指定いたしておることは、御承知の通りでございますが、従来、とかく管理処分に自信がないと申しましょうか、今のような方式をとらないで、当事者同士で協議をいたしまして処分をいたしました場合には、片っ端から用途指定をつけるようなやり方をやっておった。これは非常に無理でございまして、なるほど買手はそのときは、用途指定をつけて下さい、そのかわりこういう条件で買いましょうということになるのでございますが、後になりますと、なかなかその条件が履行されないというような弊害がある。そこでこの点につきましては、本年五月、この制度を根本的に再検討いたしまして、用途指定を行いますのは、一般の時価に比較いたしまして、法律その他の規定によりまして減額をするとか、あるいは特別の条件で売り払うとか、あるいは特にこういう用途に向けるべく処分するというふうな場合に限定をいたしたのであります。一種の従来の総花的と申しましょうか、形式的に用途指定をつけるというやり方を改めまして、特定の場合にのみ用途指定をつけることにいたしました。その用途指定をつけないような場合は、これは先ほど申し上げたような非常に公明な審議会の議を経まして、一般的な適正な条件によりまして処分をいたしますのでございますから、これはあえて用途指定をつける必要はないというやり方に切りかえております。従いまして、今後は用途指定をつけましたケースにつきましては、厳重に用途を励行していただく、もしこれを励行しない場合には、進んで契約を解除いたし、国に及ぼしたる損害は求償するということにしております。このことを一言付け加えさしていただきます。
 次に、第五十二号以下、個別の案件でございますが、先ほど検査院から御指摘のあった点でございますが、これにつきましては簡単に申し上げますと、この五十二号の案件は、建設省関東地方建設局が、昭和二十八年十二月五日に着工いたしまして、二十九年の十月二十一日に完成したものでございます。工事の施行につきましては、鋼筋の法務省所管の四階建宿舎設置工事、これは法務省が担当して行なったものでございますが、その際、確認をいたしました地耐力あるいは柱状図というような資料によりまして、鋼筋四階建宿舎の設置が技術的に可能であるということを建設省におきまして大体推定せられたのであります。そこで一般的に申しまして、三階建よりは四階建にすることが経費の節減にもなるのでございますから、さようなことでいたしたのでありますが、たまたま工事途中におきまして、先ほどもお話しのように、不同沈下が生じたということで、結果的に不経済である、これは貧すれば貧するという一つの事例かとも存じます。技術的な検討も相当建設省において行われたのでありますが、かような結果になりましたことに、貴重な参考でございますので、なお今後十分注意をいたしたい、かように考えております。
 それから第五十三号でございますが、これは全く先ほどもお話しのように、部内の手続が不十分でございまして、連絡不十分のために生じた問題でございます。これは大へん恐縮に存じておりますが、厳重に注意をいたしまして、今日は扱い方について、はっきりした方式を示しまして、かようなことが起らないように注意をいたしております。
 それから五十四号の問題でございますが、これは非常に検査院とまつこうから意見が実は対立いたしております。前国会におきましても、私の方からも資料をはっきり出しまして、私の方は当時、これにつきましては三井信託銀行不動産部のしっかりしたお認めをちょうだいいたしまして、これは民間融資専門の精通著の意見ということになっておりますが、はっきり資料をとっております。これは非常に当時電力事情が逼迫いたしておりましたために、はっきり契約をする前に、いわゆる事前着工ということを認めざるを得なかったようなことから、相当マージンをとりました。余裕をとりまして請書をとったのであります。請書と申しましょうか、将来、官の定めるところによって払い下げを受けますと、一般慣例にもありますが、そこへたまたま一つの金額が入っている。これは十分双方で協議したものではなくて、一般の方式によって、精通者の意見もとってはっきり値段もきめましょうということであったのでありますが、一つのアッパー・リミットと申しますか、相当余裕をとった金額になっている。それを今申し上げたように、民間の意見も、税務当局の意見等、全般をとりました上できめた値段でございます。これにつきましては、私の方は確信々持っているわけであります。どこまでも正当な価額と信じております。ただかような場合に、先ほども申し上げたように、民間の方々を多数お集まりを、いただいて、それぞれの専門的な立場から審議会にかけるというようなことをやっておったならば、もっとこれは皆様方の御信頼にこたえるゆえんかと存じますので、今後はさようなやり方をいたしたい。これは国有財産審議会を設置いたしました一つの理由であります。
 次に、第五十五号でございます。これにつきまして簡単に御説明を申し上げますが、これは旧浅草憲兵隊の宿舎施設を在東京韓国人厚生協会に、韓国人の戦災者及び引揚者の厚生施設として、まきに用途指定の一つとして売り払ったのでありますが、その後、関東財務局が実地監査いたしましたところ、転売の事実を発見いたしました。しかも協会の所在不明というような非常に遺憾な事態でございました。そこでさっそく協会の代表者の責任を追及するために、法務省の入国管理局の登録課及び品川区役所に調査を依頼いたしましたが、本年三月、ついに協会の責任者の所在が判明いたしましたので、本年六月六日に契約を解除いたしまして、物件の返還を要求いたしました。しかし、期限までに返還がございませんでしたので、原状回復にかかわる損害を求償することにいたしまして、現在手続を進めております。さようなことで、責任者の所在追及等に時間をとっておったことは遺憾でございますが、今日ようやくその手続をとっておることは御了承賜りたいのであります。
 次に五十六号でございますが、これは昭和二十六年に用途の廃止されましたいわゆる旧公共物、物揚場を、都知事から財務局が引き継ぎを受けた土地であります。相手方の会社は、昭和十年以降、東京都の許可を受けてこれを使用しておりました。財産引き継ぎと同時に払い下げ申請がありましたので売り払ったのでありますが、もともと、本来これは先ほども申し上げましたように、用途を指定する必要のない場合に該当するのであります。しかるに、これは先ほど申し上げたように、何もかも用途指定をするという一つのマンネリズムのやり方がありました。そういうことがあって、たまたまそういうことを指摘されました。これは本来、用途指定をする必要はないものと考えまして、本年三月三十日、この用途指定を解除する措置を講じた次第であります。
 次に第五十七号は、相手方が事業の再建をはかるため、本件の土地を担保として融資を受けましたが、その融資の返済ができないため、債権者に所有権が移転したものであります。しかし契約を解除いたしまして、損害求償の手続を進めているのでございます。
 次に、五十八号及び五十九号は、いずれも相手方は地方公共団体でありまして、その用途も、学校施設として解体移築を条件として売り渡したものであります。売り渡し物件が学校建築資材として不適格ということがわかった等の事情から、小金町は、中学校校舎の建築資金の一部に充当するために転売し、前橋市は前橋競輪場建築資材に転用いたしたのであります。それぞれ事情やむを得なかったものがあると認められますので、これらのものにつきましては、用途指定を解除いたし、売り払い価格から控除いたしました解体費及び同損耗費相当額を求償することといたしました。要するに特定の減額的な措置を講じたものはそれをもとに戻していただくということにいたしたわけであります。で、前者の小金町、これは現在の柏市でありますが、これにつきましては、本年の三月二十四日、徴収決定して、相当額を今日まで収納いたしております。また、あとの方の前橋市につきましては、本年の三月三十一日、全額徴収決定をいたして、収納済みになっております。
 次に、旧軍用財産の整理が著しく遅延しているという問題につきまして御指摘があったのでありますが、これは先ほども申し上げました通りに、戦後、大蔵省は非常な急場の際、十分な受け入れ態勢も整備することができずに、膨大なる旧軍用財産を受け入れたことにつきましては御承知の通りであります。その後いろいろ整理につきまして努力をいたしておるのでありますが、なお、先ほど申し上げたように実態の把握の不十分、あるいは計画的な管理処分が十分でないというような点を御指摘いただいたのでありますが、これらは先ほど申し上げたような方法によりまして、十分民意を聞き、また国会等の御指摘にもこたえまして、部内において努力いたしておるのであります。ただ、六十及び六十一号の電力路線の問題でございますが、これらはいずれも非常に広範な地域にわたっておったというふうな関係、また、使用者につきまして、いろいろ複雑した関係があったがために、徴収決定がおくれておったのでありますが、それぞれ手続をいたしておりまして、六十号につきましては、本年の六月九日、徴収決定をいたしまして、二十二日、全額収納いたしております。また、六十一号につきましても、いろいろと各路線ごとの調査決定等に時を要しますが、これは昭和三十年の十月及び十二月に徴収決定を了しまして、本年四月十日までに全額収納済みでございまするから、さよう御了承願います。
 次に、六十二号から六十五号までは、いずれも貸付機械使用料の徴収及び求償措置の問題でございますが、やはりこの貸付財産等に対する実態把握が不十分であったというふうな点から、かような事案を生じたのであります。
 まず六十二号でございますが、これは不法処分の事実を発見いたしまして、直ちに求償すべきであったのでありますが、相手方の会社が解散状態でございまして、その責任者の居所も転々としているというふうな状態でありましたために遅延いたしたのであります。しかし、その後、昭和三十年の十一月九日、即決和解が成立いたしまして、不法処分されました機械九個の損害賠償金及び使用料相当額、並びに返還された機械九個の使用料について徴収決定をいたしまして、その一部はすでに収納されております。なお、残余につきましては、厳重に督促をいたしております。
 次に、六十三号でございますが、相手方会社によって不法処分されました機械三十九個の損害賠償金及び不法処分されたときまでの使用料、これは合計八十七万五千二百五十一円でございますが、これを昭和三十年六月二十一日、徴収決定いたし、仮差し押えを仙台法務局に申請いたしましたところ、支払い命令について異議の申し立てがありましたので、現在訴訟を提起いたし、なお訴訟が係属中でございます。なお昭和三十年十二月八日、相手カ所有不動産――これは仮差し押えの対象となったものではないのでありますが、処分代金の中から、先ほど申した八十七万五千二百五十一円の一部といたしまして、二十万円を弁済金として収納いたしておるのであります。
 次に、六十四号につきましては、機械三台を相手会社に昭和二十二年十一月より一時使用を認可していたものでありますが、昭和二十四年度以降の使用料については、再三折衝いたしましたが、解決するに至らなかったのであります。そこで、昭和二十九年、現地調査をいたしましたところ、機械二台が所在不明となっていることを発見いたしましたので、同年十二月、文書をもって貸付機械の確認を求めましたが、回答がございませんでしたので、昭和三十年十一月、使用取り消し、及び現物返還の通告をしましたところ、機械一台だけ返還がありましたが、他の二台は返還されません。そこで、さらに昭和三十年十二月に二十四年度以降の使用料相当額を弁償金として徴収決定いたしますとともに、目下現物返還及び使用料相当額の支払いを求める訴訟を提起すべく準備いたしておるのであります。
 次に、六十五号は、機械十一個を相手会社に保管を依頼していたのでありますが、うち七個が無断処分され、他の四個は、同社が昭和二十九年十月、事業不振で工場を閉鎖した際、その傍系会社に移動し、現在に至ったものであることが判明いたしましたので、現在の保管引き継ぎ者である会社に、一切の責任を負わせることを了承いたさせまして、昭和三十年十月に機械二台を返還せしめ、昭和三十年二月七日、不法処分されました機械七台については徴収決定を了し、無断使用機械二台につきましては、昭和三十年三月十九日に使用料を徴収決定をいたしました。本年十一月一日までにそれぞれ全額収納済みとなっております。
 次に、六十六号につきましては、検査報告に指摘されております通りでありますが、一応この経緯だけを申し上げたいと存じます。「谷風」、「楢」、両艦につきましては、昭和二十五年九月、中国財務局より呉市に対し救難浮揚を許可し、浮揚後は現姿のまま係留管理するよう通達いたしておったのでありますが、昭和二十六年十一月、旧軍港市国有財産処理審議会の議決もありましたので、三百九十三・五トンを譲与いたしましたが、その後、中間桟橋一個が工事取りやめとなりましたので、譲与数軍を三百二十五・八二トンに変更いたしたものであります。すなわち減らしたのであります。財務局において昭和二十五年末、これが「谷風」、それから昭和二十六年三月、これが「楢」でありますが、両艦の実地調査をしたときは、非鉄金属はすでに存在しなかったのでありますが、たまたま昭和二十八年八月、広島検察庁呉支部により細本及び佐藤某が刑事事件として起訴され、また、昭和二十九年二月、同じく刑事事件として岡本某が起訴されたものであります。岡本某は呉市の工事請負人でありますが、その工事精算書において、呉市に対し非鉄金属十三・三三トンのあったことを通知いたしましたが、このことについては財務局は呉市から通報を受けなかったのであります。以上のような状況でありまして、この求償措置が遅延いたしましたのは、刑事事件が相ついで発生したこと及び呉市に譲与した鋼材についても未使用のあることが判明した等の事情によるものでありまして、これら非鉄金属は財務局で調査したときには、すでに処理されていたものと認められますので、一切の責任は呉市が負うべきものと認め、呉市に対しまして求償することといたしまして、このほど中国財務局において求償額を決定し、呉市と折衝中でございます。
 次に使用料の徴収処置が当を得ないものとして、六十七号から七十六号にわたり御指摘を見たのでありますが、それぞれ若干のこちらに言い分があるといたしましても、徴収処置が遅延いたしましたことについては、まことに遺憾に存じております。若干補足さしていただきます。
 六十七号の土地は、墨田区錦糸町所在の旧本所憲兵隊跡地でありまして、昭和二十一年五月より、一時使用により簡易住宅敷地として東京都に認可したものでありますが、都は本地の大部分を財務局の承認なしに、東京都貸家組合連合会の傘下組合である言問貸家組合に転貸し、同組合は、昭和二十一年及び昭和二十二年に国庫補助住宅五棟を建築し、このうち四棟は、これを都民住宅会が管理いたしておったのであります。一方、これと前後して、言問貸家組合の組合長は、自己を責任者とする別個の法人名義で建築許可を受けて五棟を建築しているのが現状であります。そこで財務局より都に対し契約違反のかどにより原状回復を要求いたしましたが、都は、都民住宅会に払い下げてもらいたい旨回答して参りました。本地につきましては、都民住宅会、同地居住者組合から、それぞれ払い下げ申請があり、権利関係が複雑で、使用料を徴収することは、十分調査の上決定しなければ、売り払いの際紛争を生ずる可能性もありますので、慎重に処理いたしたいと存じております。さらに東京都等ともよく協議をいたして参りまして、善後処理をいたしたいと、なお今折衝中でございます。
 次に、六十八号は本地二百四十八坪を含む一千五百九十六坪が、昭和二十八年三月接収解除となったものでありますが、旧偕行社建物は、全国市長会館に使用せしめていたものであります。本地千五百九十六坪については、接収解除とともに全国市長会、中央大学、千代田区役所、郵政省より、それぞれ売り払い申請があったため、この調整に日時を要しましたが、全国市長会については、その建物敷地部分を売り払うこととし、他は当分保留することとしたため、使用料の徴収が遅延したものでありまして、昭和二十八、二十九両年度使用料は、本年三月十七日徴収決定を了し、昭和三十年度分については、土地売り払い決定とともに徴収決定することといたしております。
 次に、六十九号は、当初恩賜財団軍人援護会東京都支部長に一時使用を許可し、次に恩賜財団同胞援護会東京都支部長に変更され、昭和二十六、二十七年度分は弁償金として徴収決定済みであり、厳重督促していたのでありますが、現在までに二万五千八百十七円を収納し、なお、昭和二十八年度及び二十九年度分につきましては、昭和三十年十二月八日、徴収決定を了し、昭和二十六、二十七年度分の残額とあわせて目下厳重督促中でございます。
 次に、七十号は、昭島市が昭和二十四年四月以降、昭和中学校、昭和高等学校、富士見丘小学校、東小学校施設として使用してきたもので川ありますが、厳重督促の結果、現在までに二十四万一千四円を収納し、なお、昭和二十八年、二十九年度分の使用料については、昭和三十年十一月徴収決定を了し、昭和二十六年、二十七年度分の残額とあわせて、目下厳重督促中でございます。
 次に、七十一号でございますが、本土地は、久里浜所在の横須賀海軍軍需部施設の一部でありますが、昭和二十三年一月に、土地五千三百四十三坪、建物九百五十二坪を精麦、精粉及び魚肥等の製造に使用する目的で一時使用を認可しましたが、その後、相手方は営業不振となりましたので、貸付範囲縮小の必要を認めて、一部の土地、建物を返還せしめましたが、営業状態は依然好転せず、昭和二十七年度貸付料も、昭和二十八年十二月末日に至ってようやく完納した状況であります。以上のような状況でありますので、その後も貸付数量が過大と認められ、従ってその範囲の調整、折衝に時日を要し、徴収決定が遅延したのでございますが、三十年十一月十一日に徴収決定を了し、三十一年五月一日までに全額収納済みとなっております。
 次に、七十二号でありますが、本地は、千葉市所在の旧陸軍兵器廠及び旧気球連隊施設の一部でありまして、昭和二十七年度貸付料を滞納いたしましたので、同貸付料を納入しなければ、継続貸付を認めない方針のもとに再三折衝を重ね、もし納入しない場合は、土地、建物の明け渡しを要求し、その間の使用料は、弁償金として徴収決定する方針であったため遅延したものであります。その後、昭和三十年九月に至り同貸付料を納入いたしましたので、昭和二十八、二十九年度分は弁償金として十月に徴収決定いたしましたが、相手方は分割納入誓約書を提出し、十一月、十二月にその一部を収納し、本年九月末日までに全額収納済みとなっております。
 次に、七十三号の機械は、旧軍が川崎航空機工業株式会社に貸与し、終戦後、同社が民間賠償工場に指定されたため、社有機械とともに賠償指定機械として管理されておりましたが、指定解除後、同社よりの報告に基き、昭和二十七年九月に引き継ぎ漏れ発見として台帳に登載したものであります。台帳登載と同時に、売り払いについて相手会社と折衝を始めましたが、当時同社は不況のため、話し合いは進まずに、処理が今日まで遅延していたものでありまして、最近ようやく話し合いがまとまったので売り払いを了し、貸付料についても、これと同時に売り払い時までの分を本年三月二十二日徴収決定を了し、四月十日に全額収納済みとなりました。
 次に、七十四号でありますが、昭和二十五年、旧豊川海軍工廠に自衛隊が駐屯することとなり、同地区格納の賠償指定機械を緊急搬出するよう軍政部から指令がありましたが、その節、軍政部係官を通じて鈴木電機株式会社より申請がありましたので、一時使用の認可により使用せしめていたものであります。昭二十八年に貸付料を相手方に通知しましたところ、使用料が高いこと、四台の機械は当初より使用不能であったこと等を主張してきましたので、使用不能と称する機械について調査をいたしましたところ、使用の事実が認められませんでしたので、返還するよう勧告するとともに、使用料に対し請書の提出がなければ、全機械を返還するよう再三折衝し、日時を経過したような次第でありますので、近く使用料相当額を弁償金として徴収決定し、納入しない場合は、使用取り消しと同時に、現物返還並びに使用料相当額の支払いを求める訴訟を提起して解決する方針でございます。
 次に、七十五号は、旧三菱重工業株式会社が工員寄宿舎及び厚生施設として使用していたものを、終戦後、静岡市が同社から借り受けて、戦災者、引揚者の収容施設として、約五百世帯を収容していたものでありますが、同社が昭和二十五年戦補税の物納として国が所有するに至ったものであります。一方、静岡市は、昭和二十四年一月、軍政部が社会施設として認めなくなり、補助金の下付も中止されましたので、本物件が国に収納されるとともに、戦災者、引揚者の収容施設としての用途を廃止しましたので、国が直接居住者と賃貸契約を締結する形になったのであります。従来、静岡市では無償で居住させていたのでありますから、国に管理が移れば、当然無償の扱いを受けるという観念がありました。また、支払い能力のない貧困者が多いため、再三折衝いたしましたが、使用料の納入に応じなかったのであります。昭和二十八年ごろになりまして、ようやく使用料の納入義務を認識するに至ったものであります。昭和二十七、二十九年度分はもちろん、昭和三十年度分につきましても、引き続き折衝を重ねました結果、相手方もこれを了承いたしまして、本年二月三十一日徴収決定を了し、現在までにその一部を収納いたし、残額は収納すべく、目下非常に努力をいたしておる次第でございます。
 次に、七十六号は、広島市宇品所在の旧広島陸軍糧秣支廠施設の一部でありまして、昭和三十一年、大和糧食株式会社に、農産物加工工場施設として一時使用を認可したものであります。昭和二十五年に至り、会社内部に紛争が生じましたので、中国財務局裁定のもとに、業務を二分し、松岡精麦所及び松尾糧食株式会社として使用認可してきたのでありますが、松岡某は、土地の分割について、営業に不利を来たすとの理由で、財務局の裁定に不服を唱え、使用料の再検討を要求し、再三の折衝にもかかわらず、了解するに至らなかったものでありますが、本年二月十五日に至り、ようやく徴収決定を了し、現在までにその一部を収納いたしまして、残額につきましては、目下厳重督促中でございます。
 次に、七十七号でございますが、本件は、関東財務局前橋財務部におきまして、旧公団等の債権回収に当っていた大川一蔵が、収納金を国庫に納入せずに、横領着服した事件でありまして、このように不祥事件が生じましたことは、まことに遺憾にたえない次第でございます。本人は、昭和三十年三月二日、業務上横領で懲役二年の第一審判決を受けましたが、同月九日、東京高裁に控訴し、九月二日、控訴を棄却されたところ、本人は、さらに最高裁判所に上告いたしましたが、同年十二月上告棄却されまして、同月二十七日、判決は確定いたしております。本人に対しましては、昭和二十九年十一月八日、国家公務員法第八十二条により懲戒免職に付し、また関係者に対しましては、直接監督者でありました管財第一課長に対しては、国家公務員法第八十二条により、昭和二十九年十二月二十八日付で懲戒減給をいたし、また、財務部長に対しては、関東財務局訓戒規則により、訓戒するとともに昇給延伸の措置を講じた次第であります。なお、国の損害百六十三万余円につきましては、昭和三十年二月十六日及び同年六月二十七日の二回にわたり、即決和解を締結し、現在までにその一部を収納いたしましたが、残額につきましては、目下厳重督促中でございます。
 以上で検査院の批難事項に対する説明を終ります。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(三浦義男君) 次に、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書外一件について、大蔵省から御説明を願います。
#8
○政府委員(正示啓次郎君) お手元にこの横に長い、「昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書」、印刷表をお配りいたしておきました。これにつきまして簡単に御説明申し上げます。
 昭和二十九年度国有財産につきまして、お手元に資料を配っているわけでございますが、二十九年度中に増加いたしました国有財産、これが第一ページをごらんいただきますと――二十九年増減財産欄をごらんいただきます。行政財産が六千六百一億七千三百九十七万円余、普通財産が六百七十四億千四百六十一万円余、総額七千二百七十五億八千八百五十九万円余となっております。また、その次の欄にございますように、同年度中に減少いたしました国有財産は、行政財産で三百六十八億四千八百十一万円余、普通財産で百九十七億五千二百四十七万円余、総額五百六十六億五十九万円余となっておりまして、差し引き総額におきまして六千七百九億八千八百万円余の増加となっているのであります。これを前年度末、すなわち、昭和二十八年度末現在額七千五百九十三億六千八百十八万円余に加算をいたしますと、昭和二十九年度末現在におきまする国有財産の総額は一兆四千三百三億五千六百十九万円余となる次第でございます。一ページの一番右の下の数字でございます。
 そこで、これを内訳で申しますと、行政財産のうちの公用財産、これが上にございますように九百九十一億三千三百三十三万円余、次に公共用財産が一億五千百二十五万円余、皇室用財産が三億二百九十四万円余、企業用財産は六千六百七十億九千二十八万円余ということになりまして、行政財産の合計が七千六百六十六億七千七百八十三万円余となっておりまして、お気づきの通り、公用財産、公共用財産、皇室用財産が非常に小さく出ておりますが、これは二十九年度末は、なお価格改定いたしておりません。本年三月三十一日現在をもちまして価格改定をいたしたのでございます。企業用財産は、これに反しまして、あとで申し上げますように、価格改定をいたしている、この点が違っているわけでございます。
 次に、普通財産につきましては、ごらんのように六千六百三十六億七千八百三十五万円余となっているのであります。
 この国有財産の総額を、区分別に示しましたのが、三ページの区分別の増減及び現在額という表がございますが、ごらんをいただきますように、土地が五百五十七億千四十五万円余、立木竹が五千五百七十二億九千八百四十四万円余、建物が千八十二億二千四十二万円余、工作物が七百十六億六百一十七万円余、機械器具が九十五億九千九百九十一万円余、船舶が二百二十一億九千三百三十八万円余、それからこの下の方に、「法第二条第一項第五号に掲げる権利、」「法第二条第一項第六号に掲げる権利」というのがございますが、これは、初めの分が地上権、地役権、鉱業権等の権利でございまして、これが一億百五十六万円余、次の欄が特許権、転作権等の権利でございまして、これが一億八千四百九十五万円余、それから「有価証券その他」、これが六千五十四億四千六十六万円余ということで、合計一兆四千二百三億玉千六百十九万円余ということになるのであります。
 次に、国有財産の増減の事由について主要なものを申し上げますと、まず昭和二十九年度中における増加額につきまして申し上げますと、その総額は、先ほど申し上げたように七千二百七十五億八千八百万円余でございますが、その事由の内訳といたしまして、第一に、当該年度中に新規に取得いたしました財産は八百三十一億三千四百万円余であります。その内容のおもなものは、購入、新営工事等により取得したもの三百四十七億二千六百万円余、出資により取得したもの三百七十四億五千三百万円、それから代物弁済を受けましたものが八十四億五千五百五十万円余、寄付、国庫に帰属、租税物納等によるものが二十四億九千九百万円余となっております。
 第二の事由といたしまして、価格改定によるものが五千八百六十七億四千四百万円余でありまして、このうち国有林野事業特別会計所属の財産について、昭和二十九年四月一日現在で行なった価格改定による増は、五千八百六十七億三千四百万円余となっておりまして、さきに申し上げた価格改定の大部分がこの国有林野事業特別会計所属の財産について行われたことは明らかであります。
 第三に、所管換、所属替、用途変更、種目変更等、国の内部の間で生じた異動によるものは四百二十九億四百万円余であります。
 第四に、新規登載その他の事由によるものは百四十八億五百万円余であります。
 次に、減少額について申し上げますと、その総額は、先ほど申し上げた通り五百六十六億円余でありまして、そのうちの主要なものといたしまして、まず第一に、売り払い、譲与、財産の減耗等による国有財産の減少額は百六億三百万円余でありまして、この内容のおもなものといたしましては、売り払いによるものが四十七億六千三百万円余、譲与によるものが三十八億二千八百万円余、取りこわし、移築等によるものが二十億千百万円余となっております。
 第二の事由といたしまして、所管換、所属替、用途変更、種目変更等、国の内部の間で生じた異動によるものは四百二十八億五千五百万円余であります。
 第三の事由といたしまして、伐採その他の事由によるものは三十一億四千百万円余であります。
 以上が昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要につきましての説明であります。
 次に、同じくお手元に配付いたしております「昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書」について、その大要について御説明いたします。
 国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定によりまして、地方公共団体等に無償で貸し付けております国有財産の本年度中に増加した総額は、一億三千四百五十五万円余であります。また同じく減少いたしました総額は一億二千三百十八万円余でありますので、差し引き千百三十六万円余の純増加となっております。これを前年度末現在額一億八千九百十四万円余に加算いたしますと二億五十万円余となり、これが昭和二十九年度末現在において無償貸付をしておる国有財産の総額となるのであります。
 この増減のおもなるものを申し上げますと、増加いたしましたのは、公園の用に供するもの千五百十八万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億一千六百六十七万円余等でありまして、減少いたしましたのは、公園の用に供するものは六百三十二万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの一億一千六百六十七万円余となっております。
 これらはいずれも前国会において御説明を申し上げたところでありますが、委員長の御指示によりまして、簡単にもう一度説明を申し上げた次第でございます。
#9
○委員長(三浦義男君) 次に、検査院から御説明をお願いいたします。
#10
○説明員(大澤實君) 昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書は、昨年十月二十九日に会計検査院で大蔵省の方から受領いたしまして、その検査を終りまして、十二月七日に内閣の方へ回付いたしました。その結果、国会に御提出になったのが、ただいま管財局長の御説明になった件であります。
 なお、検査院の検査の結果の検査報告といたしましては、きわめて薄い、こうした分を一緒にお持ちになっていると思いますが、これには内容は何も書きませんで、この国有財産の増減等に関しまして検査の結果は、先ほど御審議願いました昭和二十九年度決算検査報告、この方に一括して記述してあります。
 取得、処分及び管理というように分けて申しますれば、取得に関しましては、防衛庁あるいは農林省、それから先ほどの大蔵省にも一件ありましたですが、法務省などにこの取得に対して当を得ないと認められた点を掲げてあります。なお管理、処分ということに関しましては、先ほど御説明しました大蔵省の普通財産を主体といたしまして、そのほかに農林省所管の林野などにおきまして不当と認めた事項を掲げてあります。
 なお、国有財産のこのいろいろな計数につきましては、ただいま管財局の方から詳細にお述べになりましたので省略いたしますが、この二十九年度の著しい増減――増減といいますか、増額の理由としましては、先ほど管財局長の方からお述べになりました国有林野における価格改定の増、これが大きなウエートを占めております。五千八百億という数字が価格改定増になった結果、純増が六千七百九億円という増加になっておる次第であります。
#11
○委員長(三浦義男君) 以上をもって説明を終りました。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#12
○大竹平八郎君 会計検査院報告の五十四のところの大蔵省の管財局関係の点でありますが、「土地の売渡価額が低価に失したもの」、この標題の中に、当時の川崎の土地の評価につきまして、大蔵省と会計検査院の計算がだいぶ違っておるようなんでありますが、これは「当局の計算」というのが、おそらくこれは大蔵省と思うのでありますが、この大蔵省と、それから会計検査院との日にちと申しますか、計算をせられた当時、たとえば大蔵省は三菱信託の権威のある者に照会してやった、まあこういうお話でありますが、これは一体何年の何月、それから同じく会計検査院としては何年の何月であったかということについてお尋ねをしたいのであります。
#13
○説明員(市瀬泰藏君) お答えいたします。大蔵当局が三井信託銀行株式会社に評価を依頼しましたのは、昭和二十九年の九月十七日でございます。
#14
○大竹平八郎君 会計検査院から……。
#15
○説明員(大澤實君) この表をごらんになっていただきますと、八十五ページの表でございますが、ここで会計検査院の評価と大蔵省当局の評価とが違っておる点が、まあ大きく見ますと三つあるわけであります。一つはまつ先の、相続税財産評価基準から見たもの、これは大蔵省の方で評価されたのは、二十八年九月の時価をとったところの課税基準というものをとってきておられます。しかしながら、売ったのは二十九年十月でありますから、その後の売り渡し時までの値上りというものを見なければいかぬのじゃないか。この値上り率を見ますと、この下にありますように、大蔵省の評価は五千九百十五円、会計検査院の評価は六千八百九十六円ということになっております。
 その次は、固定資産の課税台帳登録価格から見ますと、これは大蔵省の方では、川崎市の課税台帳登録価格に基きまして一・五倍という数字を掲げておられます。これに対しまして、会計検査院の方で、川崎市の方について調査いたしまして、これは市の方から公文書ももらっているのでありますが、当該土地の固定資産の登録価格は、時価の約三分の一であるということになっております。でありますから、会計検査院としましては、登録価格の三倍ということで計算をとった、その開きが非常に大きくなった。
 それから次の、財産税の課税評価基準、これは同じであります。
 その次が精通者の意見、これが非常に意見の分れるところでありまして、会計検査院がこの評価をとりましたのは、実地検査の結果、本件土地がいわゆる申し出価格より非常に安く売っているということに疑問を持ちまして、一つは、ただいま大蔵省の方から御説明になりました信託銀行、これについて事務官が参りまして、不動産の評価の方の課長に会いまして、その図面を示して、この近所の土地はどうなっているかと言いましたときに、この土地は約六千円であろう、当時において、いわゆる二十九年十月でありますが、六千円くらい。もう一つは、この近所の埋め立てをやっておる会社に文書でもって照会しましたところが、その会社の返事も、偶然でありますか、やはり六千円だという同等を得たわけであります。なお、大蔵省の方で信託銀行の分を文書で徴されておるといいます点が、実は、会計検査が実地検査に参りましたときに、何でこれを二千九百円と見たかということに対しまして、ちょうど係官が変っておった関係かと思いますが、どうも資料がない、当時電話で照会したのではなかろうかという話がありまして、こちらとしてはなお念のために参って調べたわけであります。その後文書が出てきたというお話を、この検査報告書を作り上げてから後に承知した次第でありまして、ここに大きな違いが出てきております。われわれといたしましては、港湾埋立会社の評価、それからあるいは信託銀行につきまして口頭で聞きました評価に述べまして、私どもの先に述べました相続税額や固定資産の価格から見ますと、六千円くらいということが、これが大体その線ではなかろうか、こう考えた次第であります。
 そうして計算しますと、この表に出ておりますように、結局東京電力が最初にこの価格範囲ならば買いたいといった金額よりは多少は低いのでありますが、おおむねその金額になるわけであります。
#16
○大竹平八郎君 これは大蔵省も言い分があるだろうと思うのでありますが、こういう国有財産の、ことに土地の問題などの処分というものは、過去においてもたくさん出たし、今後も非常に多いと思うのです。そういう点で同じ政府の中にあって、一坪において千円も違うというようなことは、これは一般から考えると驚くべきことなんです。それで委員長としても、今後何らかの権威ある一つ標準と申しますか、何かそういうものを一つ政府に要望せられて、まちまちの評価をされるということになるというと、こういうことは非常に多く出てくると思うのです。そういう点で一つ御注意を喚起願いたいと思います。
#17
○政府委員(正示啓次郎君) ごもっともな御意見でございまして、私、最初に申し上げましたように、従来とかく精通者の意見を聞くといたしましても、先ほど検査院からもお話がありましたが、簡単に電話で聞くとか、あるいはちょっと係官が行って簡単に聞くということを言っておりまして、これはやはり、先ほどもちょっと申し上げましたが、一文惜しみの百失いと申しますか、ちょっと金がかかることにどうも予算を惜しむという傾向がございまして、この場合は幸か不幸か、検査院の方は、先ほどもお話のようにお聞きになったのでございますが、文書でお聞きになってはおられないのです。私の方へは実は三井信託銀行不動産部のはっきりした認印のある証拠をとっておるわけでございまして、この場合私どもの方は形の上では有利なのでございますが、しかし逆の場合もあるのでございますから、これは決して検査院の方と私の方とどうこうということには参らぬと思います。たまたま、この場合はそういうことであります。
 で、どういうところからこの食い違いが起ったかと申しますと、非常な湿地帯でございまして、たとえばそのうちの非常に有用な所をある程度の坪数を住宅地にするとか、あるいは小さな工場を建てるとかいうことになりますと、非常に坪当りの単価はよかったのでありますが、これが相当の坪数でございまして、それらの湿地帯を含めまして、これは三井信託銀行不動産部が実地に調査をいたしまして、その結果出しました坪当り単価というものがこういうふうに低かった。
 そこで今、大竹委員から御指摘のように、こういうことが食い違うというのは、とかくこの実際の調査につきまして、私ども大蔵省は、検査院の実は予算の査定をもいたしておる立場でございまするので、お互いに十分の予算をもちまして十分調査をいたし、しっかりした証拠といいますか、精通者の意見をかくかくのごとく徴しております――それには従いまして、相当の手数料を支払うわけでございますが、そういうものをとっておきますれば、あまりかようなことも起らないかと思うのです。で、さらにそういう精通者の意見をとりまして、それを民間の代表の方々のお集まりの委員会等に出しまして、かようにとっておりますから御心配はございませんということで申し上げればよかったと思うのでありますが、当時は不幸にして、先ほど申し上げた国有財産審議会のような機構もございませんで、それに付議するというふうな手続はとっておりません。しかし、幸か不幸か、三井信託銀行のしっかりした認印のある証拠はとっておるわけでございます。この点は私どもの方は、あまり検査院の立場をどうこう言うわけじゃございませんが、一応私の方といたしましてはさような手を尽しております。
 なお、今後につきましては、今御指摘のように一そう注意をいたしまして、少くともさような誤解、あるいはあとから、たとえば、今検査院の局長から御指摘があったように、そのときには調書をわれわれに見せなかったというふうなことのないように、はっきりと国有財産中央審議会に、何月何日の総会においてこれは議決を見ております。そのときはかくかくの資料を出しまして、委員の御了承を得ておりますということの説明ができるようにいたしたいと考えております。
#18
○大谷贇雄君 今の問題に関連をしてお尋ねをいたしますが、今お聞きしますと、大蔵省の御意見と検査院の検査の結果とが、二十九年のこれが、いまだに対立をしておるということでありますが、これは一体どういうふうに調整をなさるのですか。でなければ、どうも国民としては、政府の部内で両方の意見が対立をしておるようでは、はなはだ割り切れぬという気持があるのですが、一体どういうお考えですか。
#19
○政府委員(正示啓次郎君) まことに御指摘のように、一般国民は申すまでもなく、まして国民の代表であられます皆様方が非常な疑惑をお持ちになるのも御無理ございません。そこで、本件につきましては、私の方でも特にその後におきまして、さらにどうしてこういう食い違いが出てきたかという点を調査いたしましたので、簡単にその結果を申し上げます。
 先ほども検査院の局長からもお話になりましたように、検査院も実は三井信託銀行、同じところへお聞きになった、こういうお話なのでございます。そこであらためまして三井信託銀行の不動産部――これはお名前を申し上げてもいいのでありますが、その責任者について確かめましたところ、昭和三十年ごろ、若い人が川崎市の地図を持参して来社された。そうしてここの土地を買うとしたらどのくらいでということを、地図の上で意見を求められたそうであります。これに対しまして、このお名前を申し上げましょう。中村という方でありますが、この方が、まあ五千円か六千円でしょうと答えられたということであります。これは、先ほど一局長からのお答えと大体符合するわけでございます。もしこの人が検査院の職員の方であったとするならば、中村氏の言を調書として採用されたのではないかと、向うでも推察されておるそうでありますが、この三つの点について、どうも現場をはっきり見ないで申し上げたことからミスリードしておるのではないか。第一、場所が違っておるということなのですが、地図の上で指摘しましたので、現実の場所と違っておるのじゃないか。本地北方〇・五キロの白石町辺の地点をお示しになったので、どうもその辺の地区を申し上げたのだと思います。それから評価時が約一年違っておる。今申し上げましたように昭和三十年、あとからおいでになった。大体において一カ年ズレがあるのじゃないか、地点において違っておる、時点において違っておる。これが一、二であります。
 第三といたしまして、坪数に対する観念が非常に食い違っておる。先ほど私が申し上げた、大体このお答えをしたときに、そこの土地と言われるので、通常三井信託銀行あたりは百坪ぐらいの土地を単位にいたしまして、これがマーケタビリティがあるのじゃないかというので、百坪ぐらいを切り売りするということでお答えしたということであります。しかるにこの土地は、坪数は相当の、何坪になっておりますか……、千八百十五坪という、これは工場の土地でございます。従って相当の湿地帯等もおのずから入っておる。この三点において違っておったということを、これはさらに私の方であとから調べまして、そういうことを一応確認いたしておるわけであります。この点は私の方から便宜先にお答え申し上げます。
#20
○説明員(大澤實君) ちょっと補足いたしますが、これは非常に違いまして、私自身も実に意外に思ったのですが、結局、どうしてこういう違いが起ったか、そのまつ先の発端はどういうことかと申しますと、この二千九百円という、ただいま管財局長が文書で銀行の認印のあるのが提出されておるという、これが実地検査のときに見当らなかった。関係者に求めてもない。これはないということの証明書、証明書といいますか、証明書を出しております。何もないのだ、ただ電話で聞いたのではないかと思われる、関係者が変っておった関係だ、そういう説明があったわけであります。だからこれはどうもほかの値段から比較してもあまり信用ができないのじゃないか、こう考えまして、一応銀行の方へ鑑定を頼みますと、はなはだあれですが、鑑定料がかかりますので、とりあえずは港湾会社、あの近所ですと港湾会社で、これは六千と書いてありますが、それと同時に今言った通り銀行の方へ参りまして、個人的といいますか、これは会計検査院の職員の名刺を持って行った。それで、今のお話の地点と違うのだ、話し合ったのはちょっと具体的に承知いたしませんのではっきりしませんが、六千円というので、まあ港湾会社の評価とかね合せまして、この二千九百円という値段は何かの間違いではないかと、こう考えた次第でありまして、もしも検査のときに、今の銀行の認印のある二千九百円という証明書が提出されておれば、これはこの点はまあ相当会計検査院としての考え方も違ってきたのではないか、そういうふうに考える次第であります。
#21
○吉江勝保君 やはり関連しまして……。国有財産の関係の大きな問題になって、大蔵省の方で画期的な審議会をお作りになったと思いますが、その審議会というのは一体どういうふうな、何といいますか、規定になっておるというのですか、構成になっておるか、あるいは運用がどうなっておるか。問題がありますときには、こういう民間の人の委員会というものができるのでありますが、ややもすると形式的なものに流れやすいこともありますので、実際それがどういうふうに運用されておるかという点を御説明いただきたいと思います。
#22
○説明員(市川晃君) ただいま審議会のでき工合、あるいは運営、そういった点についての御質問がございましたので、概略を申し上げさせていただきます。
 これは今年の四月に閣議決定をいただきまして、学識経験者と関係行政機関の職員でありますが、この両方からそれぞれ委員を出していただきまして、財務局が中央に一カ所と地方に十カ所ございますが、それぞれに地方審議会という名前にいたしまして、構成をいたしたのでございます。で、それには管財局長とか、通産、その他そういった関係方面の局長級の方々と、地方におきましては、県知事さんとか市長さんとか、またところによりまして銀行の頭取のような方、あるいは大きな不動産系統の会社の社長さんとか、そういったような方々を委員としてお招きしておるわけであります。
 で、その建前は、国有財産のいろいろな個々の処分その他のことにつきまして、中身といたしまして、ただいま問題になっております価格にも及ぶわけでございますが、そういう個々の事案をそれぞれにお諮りをするというやり方をいたしておりますのが、地方の審議会であります。
 中央のところにおきましては、これを部会として二つに分けまして、一つは、先ほど来管財局長の御説明申し上げる中にしばしば出て参りました問題、たとえば財産の実際と台帳との間にどうもしっかりした結びつきがない。いわばほんとうに正しい実態がはっきりしていない、そういう現状でございまするので、そういう実態調査をやるべきである、あるいはどういうふうにやるべきであるか、また貸付などをいたしておりますが、そういう貸付のやり方、また貸付料がどうだろうか、そういう運用の問題を取り上げる部会が一つございます。それからもう一つの方は、制度的なことを研究願っております。で、これはたとえば、国有財産法の中でどこかに何か都合の悪いところがあるのじゃなかろうかとか、前回の国会以来、特にいろいろ心労をわずらわしました諸問題を解決するために、何か法律的な不備があるのじゃないか、こういったような面につきまして、一つの部会を設けて、研究を進めていただいておるわけでございます。で、一方の個々の問題は、地方の審議会でやっておりますが、運用面につきましては、国有財産の中の普通財産を中心にいたしまして、普通財産の管理、処分、これにつきましての今後の考え方、こういうものが大体この部会で取りまとめられまして、その普通財産の管理、処分についての根本的な考え方はかくかくであるべきだというところまで、大体研究を進めていただきまして、それを受けてそのような新しい方針を実行する上に、制度の上あるいは法律の上で手配すべきものがあるかないかということを、ただいまもう一つの部会で御研究を願っておると、こういう状況でございます。
 で、開催回数は、最初が本年の五月でございますが、その後ほとんど毎月、中央も地方もやっておりまして、中央は一カ所でございますが、地方の十カ所のそれぞれの局におきましての開催は、大体月一回程度、で、ある地方におきましては、いろいろ問題が多うございますので、小委員会のようなものをそのほかに催しておりますが、そこでいろいろ個別的にきまりましたものをお諮りして、御賛同を得ましたような形になりますのが、今日までのところ百二十件くらいに及んでおります。中央におきましても、ごく例外的な、また非常に重要な問題は中央でも個別にお諮りしておりまするが、御存じの明治神宮の外苑の処理などは、この審議会でお諮りして、処理してよかろうというような線が出まして、片づいたというような次第でございます。
 大体以上でございます。
#23
○大谷贇雄君 この六十一号の問題ですが、この国有財産の台帳に記入されておらぬと、こういうのがほかにもあるのでしょうか。といいますことは、先般芝の増上寺の境内地の問題で、境内地外のところをある会社が買った。ところが、それはだれの地所だというようなことで、今係争事件が起っておる。何か警視庁に訴えて刑事事件にするんだというようなことも聞き及んでおりますが、これは結局、大蔵省の方の台帳がしっかりしておらぬ、こういうことではないのかどうか。そうしますると、この六十一号ばかりでなしに、ほかにも相当そういう所があるんじゃないか、こう思うのですが、まずその今の問題について、どういう経緯になっているか、その点を一つお聞かせ願いたいと思います。
#24
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。
 六十一号のような事案がまだほかにもあるんじゃないかという点でございますが、これは、先ほども申し上げましたように、大へん膨大な財産が引き継がれましたこと、あるいは今御指摘の点は、いわゆる社寺境内地でございまして、多年の間社寺に無償で貸し付けておったというような土地の問題でございますが、これは非常にその沿革がございまして、単に役所の手落ちというだけの理由では簡単に説明ができないのでございますが、必ずしも国の土地なり、あるいは建物その他の物件というものは、十分台帳の土に全部完全に載っておるというふうには断言できないのはまことに遺憾でございますが、その通りでございます。
 そこで増上寺の例でございますが、これは御承知のように、増上手という天下の名刹でございますが、このお寺に多年の間無償でお貸しをしておった。しかし、それはもともと増上寺の土地であったものを上地された土地である、こういう沿革が一つあったわけであります。しかるに、その増上寺の境内地に、御承知のように徳川家の墓地があったわけであります。これは将軍家の墓地といたしまして、これまた多年の間、いわゆる増上寺と徳川家の墓地というものは、どちらが王でありますか、非常にこのところは緊密な関係において一つの揮然たる一体をなして存在しておったことは、御承知の通りであります。で、これに対しまして、先年社寺境内地の処分に関する特別の立法が行われまして、この法律に基きまして、社寺境内地の審議会が新しく設けられまして、この審議会に付議をいたしまして、慎重な手続のもとに、増上寺側からその隣接地主でございますところの徳川家の当時の当主の認印等もおとりになりまして、無償譲与の処分が行われたのであります。しかるに、その後になりまして、この徳川家が、その墓地を第三者に売り渡すことが必要なような状態に立ち至りまして、第三者がお買いになりまして、その上で第三者が、どうも境界について疑義があるという点から、先の譲与処分について紛争が起っておるのであります。
 これは国有地として増上寺に貸しておりました土地の境界図というふうなものが、多年の間に、いろいろと図がございまして、しかもそれが隣接地は、先ほど申し上げたような増上寺と徳川家の墓地との関係でありまして、非常に一般の通俗のいわゆる境界の観念をもっては律し切れないものがあったわけであります。それに対しまして、先ほど申したような関係者の相当の証拠等を資料にいたしまして処分が行われたのでありますが、なお、いわば売買関係等が行われまして、いろいろと疑義があるという点について争いがあることは事実であります。従いまして、われわれといたしましては、だんだんとそういう既往の経験に徴しまして、いわゆる国有地、あるいは国有の建物、機械その他の物件につきましては、できる限り実態と台帳をよく一致させなければいけない、これを一つのモットーのように心得まして、先ほども申し上げましたように、実態把握ということに非常な主力を今置いておるわけであります。
 これは、もう一つつけ加えさしていただきますと、実は昔は御承知のように国が地租、家屋税というふうな課税権を全部持っておりまして、不動産に関する調査というものを、五年に一度くらい大規模にやっておったわけであります。で、明治の制度の沿革から申しましても、いわゆる民有の土地はすべて地租をかけられる、あるいは家屋税がかけられるというようなことで、そういう有租地、あるいは租税のかかる不動産というものと国の財産とはおのずからはっきりしてきておったのでありまするが、終戦の後におきまして、日本のいろいろな制度が根本的に変革を見まして、今日御承知のように不動産に対する課税は一切地方公共団体に委譲されておるような状態であります。従いまして、私どもの方は、国有地を管理いたしておりますが、国有財産を管理いたしておりますが、これはもっぱら民間の土地所有者なり家屋所有者と同じ立場において今日やつておるわけであります。昔は課税権を持っておったほかに、境界査定権というようなものも持っておったわけであります。そういう場合、混乱が起りましたり、紛議が生じますと、国が適正な第三者の意見等を徴しまして境界を査定する権限を与えられておったのでありますが、今日の新しい国有財産法にはそういう権限は全然ございません。また、課税権もございません。そこで、今申し上げたように、ますます台帳を整備いたしまして、実態を明らかにしておく必要があるわけであります。そのために、相当これは金がかかるかもしれませんが、何とか一つ国有財産を管理しておる立場から、最小限度必要なそういう予算はお認めを願いたいということで、今日部内において折衝いたしております。
#25
○久保等君 ただいまの問題、なおちょっとお聞きしたいと思うのですが、国有財産の台帳そのものに記載されておるか、おらぬかという問題、これは非常に重要な問題でもあるし、従ってまだ何か確たる見通し等についても、今の御説明だと、非常に私ども不十分だと思うのですが、まず台帳に、少くとも国有財産というものは、早急に実地調査なり何らかの方法で、とにかく漏れなく記帳せられるということが先決の問題ではないかと思うのですがね。徴収決定をするとか、しないとかいっても、国有財産の台帳に載らないという状態では、これは問題にならぬと思うのです。従って、徴収決定という問題ももちろんありまするけれども、第一段階の、国有財産の台帳に記載するための何か根本的な対策というもの、具体策というものがやはりお示しをいただけないものかと思うのですが、そのことについてもう少し何か突っ込んでお考え願っておるのかどうか。
 今、予算が足りない、予算が必ずしも十分でないからという問題なんですが、これはそういうことこそ、それこそ、先ほどもちょっと局長の言われたように、一文惜しみの何とやらということで、本末転倒しているんじゃないかと思うのですが、その点、特に大蔵省内部の問題ではあろうと思いますし、特にみすみす相当多額の、何億あるいは何十億に上ると思われるような国有財産が、実はどこに幾らあるか、そういったような状況すら今日なお把握できないというようなことは、非常に遺憾だと思うのです。戦後における特殊な軍用財産の引き継ぎといったような問題で混乱をしておった状況は、私は過去、終戦直後の数年間というものは、ある程度これは許されてもいいんじゃないかと思うのですが、しかし、少くとも十年以上もたった今日、なお、これらの問題についてどうも所属不明、その額不明といったようなことでは、これは一体いつがきたらこういう問題が根本的に見通しがつくのか、実に私は問題だと思うのです。どこからともなく、だれかが使用して、それによって非常に莫大な収益をあげておる、こういうことになると非常に、私は、納税問題とも関連しますけれども、まあ税金の問題についてもこの前の決算委員会で、やはり、なかなか取り立てが困難だという金額も非常に莫大な、何百億という金額に上っておるような今日、国の持っております財産そのものがどうも不明確だ、所管の大蔵当局に聞いてもよくわからないということでは、これは済まされない問題だと思うのです。単に予算が必ずしも十分でないので、調査するのも意にまかせないという程度のことじゃなくて、もう少し何か確信のあるお考えをお聞きしたいし、簡単にそういったことについての、まあここで御答弁が願えないのならば、単に局長のところだけという問題じゃなくて、大蔵省自体としてもう少し、先ほどの国有財産審議会というようなものもせっかく作って努力をしておられることはわかるのですが、何かもう少しわれわれによくわかるような簡潔な具体策というものをお示し願えないだろうか、補足的な御説明を願えるなら願いたいと思うのです。
#26
○政府委員(正示啓次郎君) お答えを申し上げます。ただいま久保委員のお述べになりましたことは、まさに私どものやっておりますことでございます。先ほど調査官から申し上げましたように、国有財産審議会の中央審議会におきましては、実は開設以来、一番先にこの問題を取り上げていただきまして、その審議会の答申が一部出まして、先般大蔵省の省議におきましても、今御指摘の通りの、まず財産の実態を把握することから始めなければいけないということをはっきり決定を見ております。
 大体の構想といたしましては、これは予算の関係等もございますが、われわれは、おそくも大体三年ぐらいに各財務局がその管内のすみからすみまで一斉に調査をいたしまして、台帳と実際の財産とを照合する。それから大体その境界を保全いたしていくに必要最小限度の測量をいたしまして、その測量の図を台帳に付図として整備をする、こういうことを最小限度の要求といたしまして、今各財務局に命じまして、督励をいたしまして、実態調査のいわばサンプリング――その全調査は、今申し上げましたようにすみからすみまで行うのでございますから、どうしてもある程度の時間的な余裕が必要なんであります。その間、処分ということをなおざりにするわけにも参りませんので、はっきりしたものから処分をして参りますが、しかし、今までのように処分にばかり追われまして、管理の面が手が抜いておるということでは、今お話のように、全くこれは全国民の財産でございまするから、そういう方々に申しわけがないわけであります。
 そこで、これは相当の経費が要ると思います。思いますが、大体私どもの構想といたしましては、相当この責任者は専任の職員が当りますが、臨時の仕事でございますから、これにはたとえばある程度専門的な知識を持った学生をアルバイトとして雇い上げるといったような方法をとりまして、すみからすみまで調べ上げていく、こういうやり方をやっていきたいと思っております。これをやりませんと、単に抜き打ち的な検査ではどうしても漏れが出て参ります。脱漏が出て参りますので、地域をすみからすみまで調べ上げるというやり方をとっていきたいと考えております。今模範調査をいたしておりますのは、大体そういう場合に標準となる地点を指摘いたしまして、管内数個所におきまして、いわば一種の平均的な調査をいたしまして、それで人手がどのくらいかかるか、また経費がどのくらいかかるかということをやっております。大体ぜひとも来年度予算、三十二年度予算を第一年度といたしまして、まず、先ほど申したように三年計画ということを目途といたしまして悉皆調査的なことをぜひやりたい。その方針につきましては、今申しましたように、大蔵省の省議においても御承認を得ておるわけであります。ぜひとも来年度の予算におきまして具体化したいと考えております。
#27
○久保等君 今のお話で相当具体的にお考えになっておりまする点、また決意のほどもある程度明らかになったのですが、先ほどもお話のあったように、やはり国有財産審議会というものの活用といいますか、国有財産審議会そのものの活躍という点も、非常に大きな期待を私どもかけたいと思うのですが、先ほどの御説明によりますると、月一回程度今日まで約半年ぐらいの間会議を持って、いろいろ……特に中央においては基本的な方針等についての検討を加えて参ったというお話だったのですが、今替われた御説明も、それから出た一つの結論でもあるかと思うのですが、私どももまだ月一回程度の会議を持ってやられておるという程度では、果してどの程度ほんとうに効果を上げてきておるのかどうか、ちょっと心もとないような気もするのですが、地方においてすでに百何十件かの具体的な問題について結論を出されたという成果を上げてとられたようで、着々その効果を上げてきておると言われますが、中央におけるその審議会の今まで出された結論といったようなものがどういった点にあるのか、ここで御説明願えなくてもけっこうなんですが、後ほどでも、何か方針その他について基本的な問題の結論が出ておるものを、資料として一つお出しを願いたいと思う。
 なおまた、地方のものにつきましても、先ほど百何十件かあったというお話ですが、それだけに尽きるのか。やはり地方は地方としての基本的な方針等について結論を出されておるのかどうか。今まで持たれた審議会で上げて参った実績といいますか、そういったようなことについて、ここで簡単に御説明願えないほどのものであれば、何か資料としてでもお出しを願えれば非常に参考になると思います。
#28
○説明員(市川晃君) ただいまの件お答え申し上げます。お言葉に甘えまして。審議されたものはすべて書類になって、しかもそれぞれ下部組織にまで流しておるような資料がございますので、それによりまして詳しく御承知いただくと、これから先々またお力添えもいただけるものと存じ上げます。
 先ほど簡単に申しましたように、管理と処分と、こう分けまして、管理と申しますのは、台帳がしっかりしておるかどうかというのを中心にしたもの、処分と申しますのは、適正な相手に適正な値段でどうやって売るのか、あるいは貸し付けるのか、こういうふうなもので、従来のいろいろな検査院御指摘の面から、サンプルとしても推察できるように、いろいろな実態を極力未然に防止するために、どういうふうにそういうものを動かすか、これがほとんど取りまとめられたものが一つございます。それとは別に、実態調査の要領についてといったような表題のもとに、ただいま御指摘の問題で、今後三年を一つの目安にして取り運ぶ運び方、こういったものを中心にした、勉強をされましたものがまとまっております。月一回と申しますけれども、実は、私どもの係あるいは課長などは実にひんぱんに連絡をいたしまして、また委員の方が非常に御熱心で、しかもお忙しい方でございます。個人的にお名前を申しますと、原安三郎さんとか、東京都長官というような方でございますが、やはり二カ月に三回くらいが、お忙しさから見てごもっともな線なんでございまして、個々には書類で全員に事前に連絡をしたりして、そこはそごのないようにいたしております。
 以上であります。
#29
○久保等君 それから次にお尋ねしたい点は、国有財産の処分収入と、それから利用収入、これが実は入っておらないという点について、金額の点で御説明を伺いますると、二十九年度が、実はこの会計検査院の当初の報告によると約九億円、二十八年度までの未済額が約九億五千万円程度であって、先ほどの御説明で、その後、二十九年度分のものについては約三億円程度入ったような御説明だったと思うのですが、いずれにいたしましても、二十九年度での収納未済額が非常に大きな金額を占めておるのですが、これは一体徴収決定そのものにも非常に手間取っておるようですが、こういったようなことが年々歳々繰り返されていくとすると、まあやはりこれも非常に大きな問題だと思うのですが、これについても一体手が回りかねるという状況なり事情だけでこういったような問題を起しておるのかどうか。また、もしそういったことについてもどういうことを今後の措置として考えておられるのか、承わりたいと思うのですが。
#30
○政府委員(正示啓次郎君) この点は先ほど申し上げましたように大へん努力をいたしておりますが、なお申し上げたように、未納額、収納未済額というものが出ておることは事実でありまして、まことにその点遺憾に思っております。今、久保委員からの御質疑は、いろいろな事情があるであろうが、これに対してどうする所存かという御趣旨でございますが、私はやはりこの原因を分析いたしますと、今、調査官から申し上げた処分の面、これにやはり相当反省を要すると思っております。徴収決定はいわば事後にくる問題でございます。いわば跡始末の面でございまするので、処分をいたしますときに相手方の選定、あるいは資力調査等、事前のいろいろの調査等に不十分な面がございますと、どうしましてもその跡始末にいろいろ問題が残るわけでございます。
 そこでどういうわけでこういうことになったかと申しますと、やはり二言にしてこれを申し上げますと、今まで処分に追われてきた。毎年々々いわゆる健全財政の方針によりまして、できる限り歳入を上げなさい、売り払いを促進しなさいということが、御承知のように非常に強い要望であったわけであります。そこでどうしましても現場の方では、まあとにかく売り払おう、とにかくあとの収納については収納の問題として、処分を急ごうというような空気があったことはいなめなかったと思います。しかるに一方御承知のように、一兆予算で財政は締め、また税金は相当重い。しこうしてまた金融の面はいわゆる健全金融でございまして、これまた相当梗塞しておった。そこで事業をやろうと思って国有財産等の払い下げを受けられた方も、なかなか資金の調達が意のままにならなかったというような事情等もございまして、かような事態を招来したものと思うのでございます。
 私どものまず主体的な、自分たちでできると申しましょうか、そういう関係といたしましては、今、申したような処分の場合に、ぜひともその資力調査、また資金の調達計画というふうなものについて十分調査をいたしまして、これが徴収の仕事をやっておる者の目から見ても、納得がいくかどうか、ただ単に処分をする者の立場でなくて、この会社は一体過去においてどういう実績を示しておったかというようなことをぜひ調査をいたしたいと思っております。できれば税の面まで資料といたしまして、納税の状況はどうであるかというような点も調査をいたしたいと思っております。それら万般の調査をいたしまして、これから徴収の面にも連絡をとりまして、これなら大丈夫でしょうという、いわゆる両係が、事後と事前と両方の係の間に緊密な連絡をとりまして、そうして処分をいたすという、こういう体制をとっていきたいと思っております。
 それから幸いなことには、御承知のように、今、全般の経済の正常化が進展いたしまして、金融等も相当御承知のようにゆるんで参っております。また、幸いにして多年の懸案でありますところの減税等が行われるということになりますれば、これまた、私どもの期待するように貯蓄が伸びまして、いわゆるこういう財産をお買いいただく余裕というものがだんだんと出て参るのではないか。従って、今日は、今申したような対内、対外的な両面におきまして、過去におけるこういう一種の滞納の状況を整理いたしますことはもとより、新しい処分の面におきましても、条件は徐々に好転をして参っておるのではないか。こういう見地から、今申し上げたような部内的な工夫をいたしますとともに、外部的な事情も徐々に好転をいたしておるのでございまするから、先ほども申し上げたように、組織的に滞納の債務者ごとにやはり個々に話し合いをいたしまして、一方財務局は御承知のように金融の面につきましても責任を持っておるわけでございます。各財務局は管財行政をやると同時に理財の行政もやっておるわけでございます。そこでそれらの面も活用いたしまして、理財の焦げつきを整理いたしますと同時に、今後の処分につきましては、その徴収の面をも十分考慮いたしまして、また先ほど申し上げたような審議会等にも諮りまして、審議会の委員について、先ほど調査官からの説明の中にちょっと落ちておったかと思いますが、金融面、産業面ばかり等ではございませんで、まあ中立的なお立場という意味で言論界、こういう方々にも入っていただいております。これらの方々からも十分意見を徴しておるのでございます。公平な、この会社ならもちろん大丈夫でしょうという判断というものが非常な重要なファクターかと思いますので、それら各方面の意見を徴しまして、処分をいたして参りたい。これがすなわち徴収の面の改善にも役立つのではないか、かように考えております。
#31
○鈴木一君 大蔵省側にお伺いいたしますが、こういう払い下げとか、こういう問題に際して直接当事者が来ないで、大ていまあだれか紹介者、たとえば具体的に言えば、国会議員あるいは政党の幹部とか、大臣とか、そういったところの紹介なんか来るものだから、自然そういうもののために誘惑されて、公正な判断ができない。実情としては事務当局者としてはいろいろな不安な点がありながらやってしまうというようなことが、こんな事態が起る一つの原因じゃないかと私は考えるのですが、そういうことはございませんか。
#32
○政府委員(正示啓次郎君) これは過去におきまして、いろいろと処分等に追われておりますときに、有力な方々からいろいろお話があったというふうなことで、まあ係官といたしましては最善の努力をいたしますけれども、なかなか十分自信のないままに売り払ったというものが絶対になかったかという点につきましては、私は絶対になかったとは断言できないと思います。これはまことに何と申しますか、先ほども申したように、処分を急いでおる、そこでどうしても買手がつくと、有力な方々から、とにかくこれはこういう条件なら買えるんだからということでございますると、やはり売り急ぐという弱い立場、いわば一種のバイヤース・マーケットであったのが一つの事実であったと思います。なかなか金融の道がつかない、そういうときに何とか金融の道もつけられるということになりますと、ついそこに、一つのバイヤース・マーケットでございますから、売り手は弱い立場に立つということもあったかと思います。しかし、これは今日相当、先ほど申し上げましたように、情勢も変ってきております。今日は一つの財産を処分いたしましょうと考えますと、必ず数人の有力な方々が現われます。これは、私たちにとってはきわめて愉快なことでありまして、従いまして、特定の有力な方々にのみ影響を感ずる必要はないわけであります。要するにセイラース・マーケットにだんだんなってきたわけであります。ここで、私どもは売手の強い立場に立ち、国民の期待にこたえまして、財産というものは最も有利に、しかも適当に処分しなければならないという考え方をとっておりますので、今日は、私は非常に情勢は違うということをまず申し上げて差しつかえないと思います。
 そこへもって参りまして、先ほど申しましたような審議会という一つの大きな、何といいますか、スクリーンができたわけであります。カラス張りの大きな機構ができたわけであります。この審議会で常々とディスカッションをしていただくのでございますから、今御指摘のような、いわば一部の方々のインフルエンスというものは、そこで最後まであらゆる方面からの検討にたえ擦るはずはないのでありまするから、私は、ぜひとも、こういう一般的な条件の好転と同時に、今申し上げたメカニズムを十分活用いたしまして、さような疑惑の一切起きないようにやっていきたい、かように考えておる次第であります。
#33
○鈴木一君 これ以上は申し上げませんが、先に戻りますけれども、五十四号の例の東京電力の土地の問題ですけれども、私たち、しろうと考えでは、少し安過ぎはしないかという感じも受けます。実際見たわけではありませんから……。しかし、先ほどの会計検査院と大蔵省側の論争を聞いておると、どうも大蔵省は、完全に一本とはいかないまでも、わざありぐらいとったような感じを受けるのですが、会計検査院の方はあれでいいのですか。
#34
○説明員(大澤實君) あれでいいのですかというお尋ねのお答えはちょっとあれですが、われわれとしましては、とにかく、評価の点は、精通者の意見の点は先ほど申しましたようでありますが、その他の三つのケースを見ていただきますと、私は、前の三つに対しては、少くとも会計検査院のとるべき評価が正しかったと思います。六千八百円、六千九百円、評価の時期が売り渡しの時期より前の分で大蔵省が評価しております。それで、最後の精通者の意見といいますのも二つありまして、一つの方は、港湾会社の方は六千円とはっきり書いてある、もう一つの銀行の方のが、先ほどお話がありましたように、文書で大蔵省が持っておられるということが、もっと前に検査院の検査中にわかっておれば、その点を加味してもう一度私たちあらためて一ぺん再検討する必要があったのではないかと思いますが、全体を通じまして、少くとも、相手方が千百万円以内で買い受けたい、ということは、最高千百万円までは買うという意思がそこに加わっておるわけであります。それを七百万円で売ったことは、安過ぎるではないかという感じは最後として残っております。ただ、二千九百円を六千円といきなり持ってきた点においては、あるいは検査院の調査にも多少の欠陥はあったと思います。結論としては、私は、少くとも、このままでなくても、ある程度安過ぎたのではないかと思っております。
#35
○鈴木一君 これは、公共事業であるから安く売るとか、そういうふうなことはございませんか。そういうふうな基準で売るということは……。
#36
○政府委員(正示啓次郎君) その点は、私の方はいたしておりません。これは、実はもう一言つけ加えさしていただきますが、前国会におきまして、当委員会の調査員の方が現場へおいでになったことを承知いたしております。まあその結論をここでとやかく申し上げるわけではございませんが、検査院のお立場というものも、われわれわかるのであります。私どもも、今、売り手でございまするから、できる限り高く買っていただきたい。従ってこの場合といえども、あとから考えまして、もっと高く売るような努力も、むろんそれはできればいたしたかったというふうにも考えますが、しかし、先ほども申し上げたように、これは、私どもとしては、当時としては、少くとも十分あちこちの資料もとり、研究もいたしまして、なお、実地につきまして十分調査をした上でやっております。これは、当委員会におかれましても、いろいろこの点については御調査になっておられると思いまするので、あるいは別にそれらの御意見等も御参考になるじゃないかと、こういうことだけ申し上げておきます。
#37
○久保等君 私、先ほどの国有財産増減及び現在額総計算書の説明をお聞きして、それに対して一、二御質問いたします。
 二十八年度の総計算書と二十九年度と比較して、非常に金額がいつもよりも多額な金額が増加いたしておりますので、ちょっと不審に思ったのですが、それは、特に国有林野の価格改定で五千八百億余りの金額がふえたという御説明である程度わかったんですが、一体価格改定という問題について、大蔵省では何か計画でもあって、全体について価格改定をやる方針か何か、そういう計画でもあっておやりになっておるのか、そのつどそのつど、ばらばらにそれぞれの分野について価格改定というような問題を取り上げてそういったようなことになっておるのか。実体があまり変らないで、価格の面だけがいやにべらぼうに、年によって何千億という金額がはね上ったような形に計算されるととも、どうもわれわれしろうと目にはちょっと不自然なような気がするのですが、価格改定の問題についてどのような方針でおられるのか、ちょっとお聞きしたい。
#38
○政府委員(正示啓次郎君) この点も、非常に従来のやり方に対する鋭い御批判でありまして、実は、同じ国有財産と申しましても、今御指摘の国有林野の場合と、それからここにございますような、公用財産でございますとか、皇室用財産でございますとか、という場合とは非常に違っております。また、普通財産の場合も、実は今まで非常にこれは違っておったのであります。企業用財産は、御承知のように、企業という観念からそれぞれ減価償却をいたすとか、あるいは著しく価格に異動があったような場合は価格を改定いたすというふうなことをやりまして、その結果、まあ国有林野につきましては、今お話のように、非常に大きな価格の増加もあったわけであります。しかし、こういうことは、ひとり企業用財産だけではないのでありまして、およそ、先ほどから御指摘のように、財産の実態を国民の前に明らかにするという新憲法、新財政法、あるいは新国有財産法の精神から申しますと、今までのやり方は実にこれは遺憾であったと存じます。率直にこの点はそう考えておるのであります。実は前の国会等におかれましても、そういう御意見もございましたので、国有財産法施行令を改正いたしまして、今後普通財産あるいは公用財産、皇室用財産等につきましても、少くとも五年に一度ずつ価格を改定するということをはっきり制度で明定をしたのであります。その第一回が、先ほど申し上げましたように、本年三月三十一日になっておりまして、これは新聞で一部報道されましたので、お気づきになったかと思いますが、さきに改定をしました企業用財産を除きまするその他の国有財産につきまして、去る三月三十一日現在で評価がえをいたしたのであります。その結果は、あとで、これは数字がたくさんございまするので、場合によりますと、資料で御説明を申し上げたいと思うのでありますが、本年三月末には、自然の増加がございまして、先ほどお手元にお配りいたしました一兆四千三百三億正千六百十九万二千百一円、この総額が一兆五千百七十七億四千二百万円、これは旧ベースで一応申し上げておるわけであります。これを今申し上げたように、従来価格改定をしていないもの、その財産が、旧価格で申しますと、千八百六十九億二千二百万円になるのでありますが、これを改定いたしました結果、改定は、たとえば土地につきましては、それぞれの土地の個所につきまして、近傍類似の地価等を資料にいたしまして、これは先ほど地価のときにございましたように課税の資料、あるいは売買実例等を参考にいたしておりますが、それから不動産等につきましては、一極の取得時に対しまして物価倍率を乗ずるというふうなやり方をとっております。これは経済企画庁の国富調査と大体同じやり方をとっておりますが、その結果、先ほど申し上げた千八百六十九億二千二百万円という価格改定から漏れておりました財産の価額が、改定後は五千九百四十四億八千六百万円、大体三・一八倍、三倍強にふえたのであります。それを、ふえた額を、先ほど申し上げた一兆五千百七十七億四千二百万円に加算をいたしますと、新しい国有財産の総額、これは本年三月三十一日現在の総額になるのでありますが、これが一兆九千二百五十三億五百万円という数字になっております。これは相当数字が多うございますので、なお資料として御提出いたします。
#39
○久保等君 それから先ほどの御説明でもあったのですが、二十九年度で増加した中に、出資によるものの増加がやはり計上せられておるようでありますが、この出資のうち、一体現物出資をやる場合には、その現物の評価という問題は、これは非常に大きな問題だと思う。どういう方法で一体評価をせられるのか。それから先ほど言われたのだろうと思うのですが、その金額をもう一ぺんちょっと繰り返してお聞きしたいと思う。
#40
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。先ほど読み上げました出資により取得したものという項目は、これは、むしろ、今、久保委員から御指摘の場合と逆の場合でございまして、予算で金を出資いたしまして、たとえば日本航空株式会社に金で出資をいたしまして株を取得した場合、これは株という形で国有財産が増加した場合でございます。しかし、今、御指摘のように、逆にこれは二十九年度の数字が幾らか、ちょっと調査を要するのでありますが、少くとも三十一年度、本年度の予算におきまして、私どもが持っております国有地を、住宅公団に現物出資をする事例がございます。この場合の評価について申し上げますと、これは先ほどの土地の評価のやり方によりまして、たとえば財産税の課税標準価額は幾らであるか、同定資産税の課税標準価額は幾らであるか、それからその土地の、従って今大体御紋地になるかということがおのずからきまるわけでありますが、その級地をまずきめまして、それからさらにこの近傍類似、大体付近の土地がどのくらいの評価になり、どのくらいの課税を受けておるかということを調べます。それから売買実例というようなものをとりまして、大体この土地ならばどのくらいのクラスの土地であるかということを見定めるわけであります。
 それから住宅公団は、御承知のように住宅としてこれを使う目的でございまするから、それにはたとえば、ある程度道路をつけなければならぬとか、あるいは住宅のためにある程度の建蔽率といいますか、空地をとっておかなきゃならぬとかいうふうな考慮もいたしまして、最終的な評価をいたすのであります。この場合、住宅公団と私の方とでまず相談をいたしますが、やはり先ほど申し上げた審議会にかけまして、ことに審議会には、先ほど申し上げたのは常任委員のことを申し上げたのでありますが、かような場合におきましては、必要に応じまして臨時委員を置くことができる規定になっております。そこで専門家を臨時委員に依嘱いたしまして、土地の評価等につきましては庶民住宅の敷地となるような土地を、あまり高過ぎてもいけない、しかしながら、国有財産の見地からいえば、安過ぎてはもとよりいけない。そこでどうしてもこれは適正な価格でなければいけないという見地から、各方面のさような資料と意見を徴しまして価格を決定いたしております。これによって出資いたしますと、土地は一方で減るのでありますが、住宅公団に対する国の一種の持分と申しますか、そういう形の財産ができる、かようになっておるわけであります。
 なおちょっとつけ加えさしていただきます。この二十九年度の増減の中にございます分といたしまして、日本中央競馬会の分がございます。これは日本中央競馬会はいろいろの、御承知の従来、政府が競馬特別会計でやっておりましたものを、中央競馬会に出資をいたした、それが四十八億七千三百万円、この評価の方法は、今御説明を申し上げた通りのものであります。
#41
○久保等君 現物出資は二十九年度はそれだけですか。
#42
○説明員(谷川宏君) 現物出資は今のものだけでございます。あとは現金出資でございます。
#43
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#44
○委員長(三浦義男君) 速記を始めて。
 これをもって本日の会議はこの程度にとどめておきたいと思いますが、次回は二十九日木曜日、午後一時から大蔵省管財局及び文部省関係を審議いたします。
 では散会をいたします。
   午後四時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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