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1956/11/29 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第5号
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1956/11/29 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第5号

#1
第025回国会 決算委員会 第5号
昭和三十一年十一月二十九日(木曜日)
   午後一時五十一分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     三浦 義男君
   理事
           大谷 贇雄君
           谷口弥三郎君
           中野 文門君
           久保  等君
           鈴木  一君
           奥 むめお君
   委員
           石井  桂君
           上原 正吉君
           小澤久太郎君
           永野  護君
           西岡 ハル君
           吉江 勝保君
           阿具根 登君
           大倉 精一君
           片岡 文重君
           島   清君
           杉山 昌作君
           大竹平八郎君
  国務大臣
   文 部 大 臣 清瀬 一郎君
  政府委員
   大蔵省管財局長 正示啓次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修藏君
  説明員
   大蔵省財務調査
   官       市川  晃君
   大蔵省管財局国
   有財産第一課長 天野 四郎君
   大蔵省管財局国
   有財産第二課長 市瀬 泰藏君
   文部大臣官房会
   計参事官    天城  勲君
   文部省管理局長 小林 行雄君
   会計検査院事務
   総局第一局長  大澤  實君
   会計検査院事務
   総局第二局長  保岡  豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十四
 回国会継続)
○昭和二十九年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度国有財産増減及び現
 在額総計算書(内閣提出)(第二十
 四回国会継続)
○昭和二十九年度国有財産無償貸付状
 況総計算書(内閣提出)(策二十四
 回国会継続)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三浦義男君) ただいまから第五回決算委員会を開会いたします。
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 前回に引き続き、大蔵省管財局の方を審議いたします。検査報告批難事項は、第五十二号から七十七号まで及び第七百五十九号から七百六十二号まででございます。
 また、本件と一括して、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書を議題として審議を行います。
 今日御出席の方は、検査院大澤第一局長、大蔵省正示管財局長、市川財務調査官、谷川総務課長、市瀬国有財産第課長、上東野管財司計官、建設省建部営繕計画課長でございます。
 御質疑のある方は、順次御発言をお願いします。
#3
○大竹平八郎君 これは直接大蔵省の管轄になるかどうかわからないのでありますが、総括的にはこれは大蔵省の責任と思うのでありますが、現内閣が一九五四年に成立したときに、各新聞をにぎわし、また、ある意味において大向うをうならした官邸の廃止――今公邸というのでしょうか、公邸の廃止であるとか、あるいは官吏のゴルフ行きの自動車の禁止であるとか、あるいはマージャンの禁止であるとか、まことに盛りだくさんの声明を発せられまして、われわれも大いに実は共鳴をして、今日まで見てきたわけなんであります。ところが、私ども住んでおりまするすぐそばに、これは運輸大臣の官邸と称するものがあるのであります。これは非常な大きな建物でありまして、ところが、私は毎日そこを通るのでありますが、かつて運輸大臣の官邸なるものが使われていたような形跡が実はないのであります。ところが最近になりますというと、表札が変って参りまして、カッコして、旧運輸大臣官邸、それで第二公邸と、こう書いてあるのでありますが、裏の方は何か運転手さんが住んでおられるようでありまするけれども、たくさんの車がとまって、会議をしておるような形跡など実は見たことがないのであります。
 これは、一つの例と思うのでありますが、あれだけ大きな国民に公約をしたものが、われわれは、戦争によって、九尺二間の家に住んでふうふう言っておるのでありますが、ちょっと五、六足出てみるというと、大伽藍のような邸宅が全く遊んでおるというような状態にあるのであります。政府が声明せられましたそういう公約というものが、全く履行されてない、こういう感じがあるのでありますが、その公邸の問題につきまして、現状はどうなっているかということを、まずお尋ねしたいのであります。
#4
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。ただいま御指摘のように、現内閣成立後に、大臣公邸の整理ということを声明せられまして、その方針によりまして、各省でそれぞれ措置をされて参ったのであります。お話の旧運輸大臣公邸、これは存置するという部類に入っておるわけでありまして、実は従前の公邸全部で十六あったわけでございます。そのうちの四公邸、これが今御指摘の運輸――これは旧運輸、旧大蔵、旧経済審議庁、それから警察担当国務大臣、この四つだけを残置いたしまして、これを各省で共同使用するということにいたしまして、残余の十二公邸につきましては、その用途を廃止することにいたしたのであります。そこで廃止されました十二公邸は、それぞれ所定の手続をもちまして、競争入札等によりまして、順次処分をいたして参りまして、現在では十公邸がすでに処分済みでございます。従いましてあと二公邸が実は残っておるのでありますが、これが旧農林大臣公邸と旧郵政大臣公邸、この二つにつきましては、実は多少それぞれ事情がございまして、まだ処分がおくれておるのでありますが、これは私どもの方で一そう努力いたしまして、ぜひともこの十二公邸は処分をいたしたい。これが実は私どもの責任に多少関係がある問題でございますので、まずその点をお答え申し上げます。
 第二に、処分の残された旧運輸大臣公邸が、どうもあまり使っておられたいのじゃないか、活用されておられたいのじゃないかといろ御指摘でございますが、この点につきましては、私、実はこの運輸大臣公邸がどの程度利用されておるかについて、ただいま手元に資料は持っておりませんが、これは第二公邸といたしまして、おもに総理府の関係等が中心になりまして、もとより旧運輸省がその中に入っておると思いますが、それぞれ、たとえば、公用のために、大臣その他の会議あるいは事務打合会等に使っておるはずでございます。しかし、御指摘のような点もございまするので、これはすでにどの程度に活用されておるか、責任の省につきまして調査をいたしまして、なお、後刻その状況等をお伝え申し上げ、なお、今後のわれわれの反省の資料にいたしたい、かように考えます。
#5
○大竹平八郎君 今お話しの十二公邸というものは、もうすっかり処分済みですか。
#6
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げましたように、十二公邸のうち、十は一般競争入札等によりまして処分いたしました。二つだけ残っております。これは多少手続的に問題があったものでありまするから、それを今解決をいたしまして、追っかけて処分をいたしたい、かように考えております。
#7
○大竹平八郎君 第二公邸という表札がかかっておるのでありますが、これはどういうところからこういう名前をつけておるのですか。
#8
○政府委員(正示啓次郎君) これは第一公邸、第二公邸、たしか省の順序でございます、グループに分けましたのでございます。各省の順序が御承知のようにございますものですから、その上の方から一公邸、二公邸というふうにつけたように記憶いたしております。便宜的な名前でございます。
#9
○大竹平八郎君 会計検査院にお尋ねいたしますが、この処分せられました十公邸についての検査は、もう済んでおるのでございますか。
#10
○説明員(大澤實君) 十公邸の処分につきましては、検査担当の課の方で、処分価格、競争入札の経過などを検討いたしました結果、特に不当な事項はないということで検査は了しております。
#11
○片岡文重君 その四つ残された理由をちょっともう一ぺん。
#12
○政府委員(正示啓次郎君) 先ほども申し上げましたように、どうしても、たとえば、私どもは大蔵省関係でございまするから、三田綱町にありまする旧大蔵大臣公邸について、一応その実情を申し上げますが、これは相当やはり大臣が人をお集めになって会議をするような場合があるわけでございます。そういう場合に公邸が相当活用されておりまして、この間もお答え申し上げました、たとえば国有財産審議会を催す、そういう場合にやはり公邸を使う場合もあるわけです。また、次官その他が関係の省の打合会をいたす場合におきましても、一定の時間にそこに御参集願いまして、できるだけ時間を有効に活用いたしますために、公邸を活用するような場合もあるわけでありまして、もつぱら公けのそういう打合会等に使う施設として必要でございます。しかしながら、先ほどもお話がございましたように、一大臣が一公邸を持っておるということは、現下の住宅事情その他から申しまして、あまりにもむだが多いものではないかという反省から、従来十六公邸もありましたものを、十二公邸は整理をいたしまして、四公邸にいたしました。この四公邸を皆で共通に使う、こういうアイデアから残したのでございます。
#13
○石井桂君 もう御質問があったかもしれないのですが、批難事項の五十二号、一番初めの、「敷地調査不十分なため不経済な工事となったもの」、これですが、地盤の調査が不完全なために、西巣鴨職員宿舎建築工事、四階建のところを三階建にした。そこで地盤を、不同沈下になりましたから、基礎を補強して三階建にしたために、百二十万円ですか、これがよけいかかったと、こういう批難事項になっているのですが、これは主として会計検査院にお聞きしたいと思うのですが、むしろ私は、今、宿舎とか住宅が足りないのだから、なぜ四階建が建てられなくなったかということを責められるならいいけれども、地盤が悪いところに金がかかるのは当りまえのことで、もともとこの敷地調査を全部して建てるなんということは普通ないですよ。だからそんな方向違いの批難をするのは、会計検査としておかしいじゃないか。むしろ住宅難とか宿舎難であるから、なぜ、当初の四階建が建たないで、三階建になったのがいけないじゃないか、こういうように責めるのはいいんですが、あらゆる地質を調べて、そうして――まあその点も調査が足りなかったのかもしれません。しかし重点が、会計検査院ですから、金のことばかりやればいいとお考えかもしれませんけれども、やっぱり国の施策がどっちを向いているかということもあわせて考えに織り込んで批難事項に載せられたらいいじゃないかと思うのですが、その点どうなんでしょうか。お金のお守りだけしていて、あとは収支の決算さえ合えば、おれはかまわないということではなくて、国民のための施策がうまくいっておるかどうか、そういう方向に行っておるかどうかということを主として考えられつつ、やっぱり収支決算を考えられるということが必要じゃないかと思うのですが、その辺どうでしょう。
#14
○説明員(大澤實君) ただいまの御指摘ごもっともでございまして、会計検査院といたしましても、こうした住宅払底の折からですから、高層建築というので土地の有効的利用、これは当然必要だと思っておりまして、むしろ、ただいま御指摘のように、なぜ二階建でとどめたかというようなことも質問した例がありますが、本件の場合に、そういう見地からではなくて、たまたま、この土地の近くに地下鉄が通った、そのために掘さくされた、そういう条件が相当変ったところへ四階建を作られるのであるから、地質を調査されて、そうして四階建に十分なだけの工事を初めから設計されればよかったじゃないか。これを途中までいって、これはまずい、これは四階建はできない、三階建にとどめるというようなことになったのは、当初の地質調査が不十分であったのではなかろうか、一般的に申しまして……。近くに法務省の官舎もできておって、その地質はいいということを一応お認めになったのでありますが、地下鉄の掘さく工事のあったといろその条件をもう少し考慮されて地質調査をされる必要があったのじゃないか、そう考えております。
#15
○石井桂君 そのお答えでまあ大体いいのですが、私は技術者だもんだから、そういう場合でも四階建が建たないことはないと思うのです。それは四階建を建てようという努力ができれば、三階建にしないで、工法は幾らもあるのですよ。それらの方に、途中でこれは会計検査院に御相談があったことかどうか、わかりませんが、もしあったような場合には、私はむしろ金を入れても、工法は技術上幾らでも工夫できまずから、そういう場合には、会計検査院としては、予算以内で切ってしまうという方向に持っていくのが、おたくの方の指導方針なんですか。
#16
○説明員(大澤實君) これと変った例でございまして、当初四階建の工事を始めたところが、途中に予知しなかった地下壕、防空壕があったというときに、それを補強しまして、相当当初の予算よりも食い込んで四階建の建物を作った場合もありますが、そういう場合には会計検査院としても、当初の計画で予算は予期しなかった事情でこれはやむを得なかった、四階建にするのはやむを得なかった、こういう見地で見ております。
#17
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#18
○委員長(三浦義男君) 速記を始めて。
#19
○久保等君 管財局に一、二お尋ねしたいと思うのですが、この前の決算委員会でまあ私も御質問申し上げたの外すが、まあ今日国有財産の実態把握しまだ十分でないということで、特に台帳に記載せられておらない国有財産が相当あるという状況にあるのですが、特にどういった面にそういった種類のものが多いのか。それはたとえば、具体的に言えば、抽象的に多少なりますけれども、軍の払い下げといいますか、前に軍用財産だった部類のものが多いとか、あるいはそれ以外に何か具体的な項目として考えられるような項目にあるとか、どういったような部門の財産関係に特に手の伸びておらないものが多いとか、大まかな種類別と申しますか、そういったようなことについての概要と申しますか、そういった点の御説明が願えますかどうでしょうか。
#20
○説明員(市川晃君) 前回のこの席で、国有財産の総額一兆四千億と申し上げました。それは二十九年度の末における数字でございますが、今月におきまして、最近の改定いたしましたものを加算いたしますと、一兆九千億強になるということを申し上げましたが、その一兆九千億というのは、その際申し上げましたように、出資その他いろいろ入っておりまして、その中で、今お話の出ましたのが不動産系統であります。
 それは御承知のように、行政財産と普通財産に分れております。行政財産と申しますのは、各省庁がいろいろ使用いたしておりますものでございます。それから、占領下ずっと今日に及びまする間に、国連軍系統が非常に膨大なものを使用しておった、こういったものは全部把握いたしておるのでございまして、いわゆる普通財産のその一部でございまして、まだ正確に出て参りませんけれども、大まかに申しますと、八、九百億の普通財産のうちの四、五彩ということ、おそらく四、五十億という評価ができるのではないかと想定いたしております。その部分について、台帳はございますけれども、実物との引き合わせという点において絶えず変化いたしておりまして、たまたま、ごく一部について調査をいたしてみますると、所在がすぐにはわかりかねるというようなことも発見されております。従いまして、金額的には単なるパーセントで申しますれば、きわめて少いのでございますけれども、額としましてはそういうようなことです。で、その個々につきまして見ますると、その性質上、おのずから比較的小さいものが多かろうと考えられておる次第でございます。これがまあ大体でございまして、ただ別の意味におきまして、非常に今度は広大な不毛地と申しますか、これはほとんど北海道中心でございまするけれども、農地にもなっておらない、宅地にもなりかねる、なかなかなりがたい、こういうところの測量というものは、何と申しますか、測量いたしましても、一つの価値が歩まれてくるのが非常に薄い関係もありまして、そういう仕事がはかどっておらない、こういうものが若干ございまして、ただいま申し上げたような意味の個々につきましては、比較的小規模のもので普通財産の中に一部に不分明のものがある。大体の抽象的なことを申し上げますれば以上の通りでございます。
#21
○久保等君 それから大蔵省の管財局として、まあいろいろ会計検査院に指摘されているような、国有財産の管理の面で不十分な点が非常に多いわけなんですが、そういった点について内部的な自主監査ですね、こういったようなことが、どういう具体的な方法でやられておるか、またその面から改善を要する点があると判断しておるのかどうか、そういった改善状況等もあればあわせて御説明願いたいと思います。
#22
○説明員(市川晃君) 内部的の、何と申しますか、内部態勢と申しますか、これについての質御問と心得ましてお答え申し上げさしていただきます。で、私どもの方には、財務局局長みずから、当然のこととして自己監査的な仕事をおやりになる、それについての部署もあるわけでございますけれども、そのほかにさらに百名ほどの監査官というものを設けていただきまして、これがそういう方面専門に監査の仕事をいたしておるわけでございます。で監査官の仕事は、従いまして、内部の自己監査という意味におきましては、大蔵大臣の所管いたしまする普通財産系統の分野を調べるわけでございまするし、外部に対しましては、各省庁が行政財産として持っておりまするところの財産についてももちろん監査ができると、こういう形になっております。
 で、私どもの立場といたしまして、まず自分より始めようという意味合におきまして、ここ一年ほどの間に相当な自己監査的な意味の仕事をいたして報告をまとめたわけでございます。でそれについての結果と申しますか、それをごく簡潔に申し上げてみたいと存じます。一つは、内部、外部を、つまり普通財産あるいは行政財産を通じまして、一括して申し上げますると、やはり行政財産の中に相当程度未利用のものがまだあると、これをどうするかというのは、この次の問題でございますが、本日冒頭、大臣公邸につい御質疑がございましたが、これも性格的に一脈通ずる問題かと思います。それから行政財産でありながら、その目的、すなわち国が使用するという目的に対しまして、国以外の者が使用いたしている場合があるのでございます。それにはしかるべき事情もある、そういうものもございましょうけれども、また是正してもらわなければならない、こういうふうに考えられるものもその中にはございます。それから手続的に不備のものはしばしば見受けられるわけでございます。それからしばしばお話に出ますように台帳、台帳についております付属図面というものがございますが、そういったものそのものが不備であるということが指摘されております。台帳と実際の不符合ということのほかに、台帳そのものがまだ十分整理されていないのじゃないかというような面も指摘されております。それから建物使用料の徴収についてやはりうまくいっていない、こういったようなことがいわれております。それから用途指定というのは、前回の本席で局長からもちょっと出ましたのでございますが、若干用途指定というものが必要以上に多く行われておった関係もございまして、用途指定の違反というものが、やはり監査いたしました件数で申しますと、十のうちに一つくらいは見受けられておるようでございます。まあ非常に厳密に解釈してやりますと、そういうものもあったという結果が出ております。それから普通財産、これが内部監査の主たる目的になっておりますが、これはまあ大きくいって実態把握が不十分であるということがまず指摘されております。それから貸し付けておる財産をむしろ売り払った方がいいのではないか、こういうふうに判断されるものがございますにかかわらず、なかなか売り払いという方向へ持っていく努力がまだ薄いのでございます。むしろこういうものは、相手が買いたいといい、そこに適正な価格において処理ができますなれば、熱意を持って売り払ってやっていくという、そういう考え方に重きを置くようにまあなるべきである、こういうふうに指摘されております。それから貸し付けております財産が無断で第三者にまた貸しされておるというような事態も見受けられておるのでございます。大体そういうようなことが指摘された。私どもの持っておりまする監査官が、整理して持って参った大体の結論でございます。
 以上のような結論を、どこどこの監査をしてやったかという、監査をした場所的な意味のことだけちょっとつけ加えて申し上げますと、各省庁に関連いたしますものは、昭和三十年におきまして国税庁、防衛庁、建設省、労働省、通産省、大蔵省、総理府、そういったようなものをいたしております。それから普通財産の状況につきましては、昭和三十年度におきまして、関東地方と東北地方と北九州、これだけの管轄の分野につきましていたしております。それから用途指定をいたしました財産の監査につきましては、これはばらばらに抜き打ちにやりまして、三十年度において千六十二件、一応あまり深入りするだけの時間的余裕がございませんでしたけれども、貰ってみました結果が、以上申し上げたようなところでございます。
#23
○久保等君 その監査制度は、中央の大蔵本省にある監査機構でやっておるお話じゃな、いかと思うのですが、地の財務局あたりで、中央本省の意を受けていろいろ監査を自主的にやはり全国的にわたってやっておるのかいないのか、その実情について、今お話の中には含まれていなかったのじゃないかと思うのですが、そういった面についての御説明を願いたいと思います。
#24
○説明員(市川晃君) 全国で九十五名でございますが、中央本省におりますのが十名でございます。合せて百五名、こういうふうになっております。ただ過去一年近くの間、百五名まるまる活動しておりませんので、できまして、だんだん充員したりしておりますから、延べでいくと多少違いがございます。それから各財務局にその九十五名が、それぞれの財産分量の比率を中心にいたしまして配置されておりまして、一番大きいのが、東京にあります関東財務局、これが二十五名ばかりおります。その次に近畿が十数名ございます。その他一番少い方で、金沢に財務局がございますが、ここで五名というものがおりまして、これらの各地におります監査官がやりましたのは、普通財産系統の仕事を中心にして大体やりました。しかしながら、全国まんべんなくということはいたしかねまして、財産のあり方の相違もございますが、ただいま申し上げましたのは、その九十五名全体を通じましての、総合いたしまして、本省の監査官が取りまとめた結果でございます。
#25
○久保等君 先般正示局長の御説明にもあったことですが、先ほども申し上げた国有財産の台帳の整備されておらない状況について、来年度あたりから起算して三ヵ年ぐらいかかるであろうというお話もあったのですが、そういう問題とも関連して、監査制度そのものを、今後さらにもう少し強化しなければならぬというように御判断になっておるのかどうか。もし、そういう必要がないということならば、現状で十分にやっていけるのだという判断に立つと思うのですが、そういった今後の見通しの問題、特にこれからさらにそういった財産等の把握について、一段と努力をしなければならぬという現状にある状況から考えると、そういう方面の陣容もさらに強化する必要があるのじゃないかと思うのです。これは予算にも関連するので、省内における予算措置の問題も、まだ完全には見通しとして解決はしておらないような御説明も承わっておるのですが、監査制度の問題について今後どうされるおつもりなのか、お尋ねしたいと思います。
#26
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。ただいま御説明申し上げましたように、監査官は今日まで相当の成果をあげておることは、御承知をいただいたと思うのであります。つきましては、私どもといたしまして、まだ国有財産の実態、並びに行政の段階というものは非常に改善を要する面が多いのでございまするから、これはひとり検査院あるいは行政管理庁、あるいはもとより国会において最終的に御指摘をいただくまでもなく、自分たちで常に反省いたし、改善の道を発見すべく努力いたすことは当然と心得ております。つきましては、なかなか今日御承知のように人員を増加するということは非常にやかましいのでございまして、これは一面、減税をいたさなければならぬというようなときでもございまするので、にわかに定員をふやすということは、私はなかなかむずかしいかと存じます。しかしながら同じ、ただいま申し上げた百五人にいたしましても、これはまずどういう人を充てるかという点について十分配意いたしたいと考えております。いわゆる適材を適所に充てるという面の工夫をさらにいたしたいと考えております。
 それから私どもといたしましては、これまた予算の制約を受けておるのでありますが、訓練と申しますか、再教育、この面に従来十分でなかったといろ反省を実はいたしております。御承知のように国鉄とか、その他いろいろ、それぞれ監察官とか、電々公社、郵政、それぞれ持っておられるのでありますが、長い伝統を持っておられまして、これらには相当優秀な方を充てておられるのみならず、常に相当工夫をざれまして、再訓練をいたしておるわけであります。私どもの方も、もちろんある程度のことはいたしておるのでありますが、これをさらに強化いたしまして、少い人員ではございますが、一騎当千と申しましょうか、一人の考の能力を最高限度に発揮させるような工夫をいたしたい、これが第二であります。
 第三の点といたしましては、とかく要するに予算の、何と申しましょうか、悪平等的な使い方あるいは編成の仕方というものは、これは行政管理庁からも先般も御指摘を受けておるのでありますが、たとえば、人員に伴いまして人頭旅費というようなものがあるわけでございまするが、これらをあまり一律にこの予算に計上したり、あるいは使っていくということは非常によくないことでございます。たとえば監交官に対しましては、重点的に旅費をたくさんつけまして、その活動を一そう活発にしていく、こういうこともさらに工夫すべきことではないか。以上のような方法をそれぞれ考えまして、今申し上げたような同じ人員なり同じ経費でございましても、一そう効率的に使うことを工夫をいたし、御指摘のように一そう監査官制度の効率的活用という点にまず心をいたしていきたい。なお、実態調査等の結果、あるいは各省庁の行政の監査等の結果、どうしても人員が今の程度ではさばき切れないということになりますれば、あらためまして、予算の上におきまして定員の増加等もお願いしなければならぬ、かように考えております。
#27
○大竹平八郎君 六十六の事案の「旧軍用財産に関し求償の処置がとられていないもの」と、この項の中に、元駆逐艦の「楢」及び「谷風」の解体処分問題があるのでありますが、これは会計検査院によって指摘をせられた事実でありますが、二十九年度中におきまして、あえて駆逐艦に限りませんが、旧海軍の使っておりました軍艦は、駆逐艦、潜水艦、そういうようなものについての処分はどのくらいあったんでありますか。
#28
○政府委員(正示啓次郎君) ちょっとただいま手元に資料がございませんのですが、艦艇解撤というのはもう少し早くたくさんやったように記憶いたしております。二十九年度になりますとあまりなかったかと思います。これは一つ、さっそく取り調べまして、資料として提出をいたします。
#29
○大竹平八郎君 今の資料の提出を求めます。
#30
○島清君 沖繩にはかなり国有の山林財産があるのですが、この管理状況、特殊な地位にありますので、大へんな困難もあろうかと思いますけれども、今までやってこられた経過について御説明いただきたいと思います。
#31
○説明員(市川晃君) 沖繩におきましては、お話の通りなかなかうまい工合に手を伸ばす、そういろ態勢になっておりませんので、非常に難渋いたしております。ただ沖繩におきまする国有財産、結局、あえて大蔵省に限らず、昔の郵便局あるいは警察関係の官署等もございますので、そういう関係各省で寄り寄り相談をいたしながら取りまとめるような形で、沖繩と連絡をつけるやり方について努力をいたしておる次第でございます。沖繩におきましては、国有財産は一体どのくらいあろうかと、一つ査定をしてみなければならぬと思いまして、調べてみたのでございますが、これも古い時代のものが辛うじて残っております。これをいわゆる倍率を適当にそこに工夫してかけて、昔の台帳価格を引き伸ばしてみて参りますというと、ごく大ざっぱにいって三千五十一万円くらいの価格になるかと考えております。そのうち大きなものは土地と建物でございまするが、土地が千四百三十一万くらいの見込みでございます。建物が八百九十八万くらいの見込みでございます。ただ遺憾ながら今日の段階におきましては、そういうような資料を整えて用意はいたしておりますものの、それ以上に適切、有効な手をもって何かうまく講ずる、そういうな措置が不十分であることを大へん遺憾に思いますけれども、大体、以上のようなことでございます。
#32
○島清君 土地となりますと、どんな性質のものですか。山林がかなりあるはずなんですが……。
#33
○政府委員(正示啓次郎君) ただいま調査官からお答え申し上げましたのは、調査官も断わっておりますように、一つの推定に過ぎません。で、御指摘のように、立木竹及びその敷地、これが非常に多いわけでございます。すなわち、森林――森林と申しましょうか、大体たとえば材木で、これは台帳で一応資料をとってみますと、千六百万石ぐらいの材積があるような記録もございますので、これの敷地というものが相当の部分を占めているということが推定できるわけでございます。今申し上げた価格、これは非常にやはり内輪になっておりますが、御承知のように、また委員の御質問の中にもおっしゃられましたように、実は現場につきましてこれは調べておりませんので、これは私どもとしては非常に困りますので、実はこれまた、来年度予算の今編成の途中でございますが、総理府の中に南方連絡事務局というのがございまして、沖繩関係の事務を総括いたしております。そこに連絡をとりまして、ぜひこの国有財産の実態をはっきりさせたい、つきましては、所要の予算を南方連絡事務局に計上方を、私どもの方からいろいろお話しをいたしまして、おそらく明年度予算に相当額計上されることと思います。その結果、これはまあ御承知のように、いろいろ現地について調査をいたしますことになりますと、金もかかりますし、ある程度人手も要ることでございますが、私の方からも適当な人を派遣をいたしまして、今御質問のような点について実情を明らかにすべく、目下関係向きと協議をいたしております。大へんお答えがし足らなくてはっきりいたさないで申しわけないのでございますが、大体は山林等が多いと思います。かように考えております。
#34
○島清君 目下、沖繩におきましては、アメリカ軍が軍事基地を拡張するというので、住民の土地を買い上げる、そこで一括してその地代を払うというので、御承知の通りアメリカの上院議員でございましょうか、プライスという人が現地をごらんになりまして、アメリカの国会にいわゆる勧告をしまして、プライス勧告というのが有名になりまして、日本の朝野の関心を深めまして、大きな問題として取り上げられたことは御承知の通りなんですが、これが何か一説によりますというと、国有財産の方も、軍事基地拡張のために予定されているんだ、こういうことを聞くわけなんですが、何かアメリカ側の方からその国有財産に対して、その接収といいましょうか、譲り渡しといいましょうか、こういったようなことについて何らかの交渉がありましたかどうか、御説明願いたい。
#35
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げますが、今のところ別段、私の方にはございません。ただこの那覇市におきまして、都市計画に関連いたしまして、いわゆる旧県有地につきまして、都市計画の関係から、この県有地をどうするかというようなお話があっわけでございます。これまた、先ほど申しました南方連絡事務局が所管をいたすのでございますが、一応県有地等の処分につきましては、やはり将来国有財産についても同じような問題が起ってくる場合の先例ということになりますので、この点については慎重に私どもの方でも研究をいたしております。しかしながら、今御質問のように、国有地を接収するからこれをどうするというふうな具体的な相談はまだ受けておりません。
#36
○島清君 沖繩というところは特殊な事情に置かれておりまするので、日本の行政権として向うの方へお伸ばしになります場合のあらゆる困難ということは、われわれもわからないわけではないのですが、しかし主権が日本に認められておりまする以上、さらに私有財産というようなものも不可侵であるということをきめられておりまする以上、そういうような特殊な事情にあるからといろ、その特殊事情というものを理由にいたしまして、国有財産を等閑に付するということは、これは怠慢のそしりを免れないと思います。そういうことが、ことに軍事基地に拡張されると予定されておるなどということになりますというと、これ非常にきわめて問題が重大だと思いまするので、困難は私たちも重々わかりますけれども、どうぞ一つ国の財産を管理される諸君におかれましては、十分に関心を持って適切な方法を講じていただきたいと、こういうことを希望しておきます。
#37
○政府委員(正示啓次郎君) ただいまの御意見まことにごもっともでございまして、申し上げるまでもなく、潜在主権というものは現にこれはあるわけであります。従いまして、いわゆる最終的な処分ということにつきましては、もっぱらこれはわが方の権限というふうに心得ているわけでございます。従って私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、関係の向きとも十分連絡をとりつつ、それに備えまして、ふだんから必要なる措置を講じて参りたい、かように考えております。
#38
○大竹平八郎君 ただいま沖繩の問題が出ましたが、日ソ共同宣言の批准によって当然問題になって参ります歯舞、色丹の問題ですが、これはまあ終戦前の旧台帳を見るより仕方がないのでありますが、これについての実情を聞きたいのでありますが。
#39
○説明員(市川晃君) 歯舞、色丹につきましての状況もまた、今御存じのような形でありまするので、現実を直視することができません。で、私どもが手元に持っておりまするのは、昭和十七年の三月末におきまする台帳上の数字だけが手元にございまして、これに対しましてそれぞれしかるべき倍率を乗じまして、ほんとうの推定をいたしておる次第でございます。その台帳面からながめてみまするというと、土地の坪数が四億坪強でございます。それから立木竹が大体五百二十万石、当時としてはございました。それから建物は微々たるもので、四百坪足らずのちょっとしたものが二、三あるだけでございます。で、総額で大体一億三千四百万円ぐらいというふうに推定をいたしております。そうして実情はおそらく当時と変らずに、ほとんど国有の林野である、こういうふうに御了解下すっていいのではないかと存じます。
#40
○大竹平八郎君 この推定は、基準はどういうのですか。
#41
○説明員(天野四郎君) この土地は、今説明がありましたように、昭和十七年の立木竹でございますけれども、五百二十万石でございますが、との昭和十七年の三月末現在の台帳価額でございますと、これが二百四十四万円になっております。十七年三月末現在の台帳価額でございます。これは台帳価額と申しますと、時価取得額と申しまして、必ずしも時価が載っておりませんけれども、当時におきましては二百四十四万円になっておりますが、これを今回三月三十一日現在で、全国的に公用財産とかあるいはまた普通財産、有価証券等を除きました普通財産でございますが、そういうものを中心といたしまして価格改定というものをやりまして、二十九年の決算委員会におきまして御要求もございましたし、時価に改定いたすというような試みを全国的にやったわけでございます。そのときの価格改定の倍率と申しますか、それが北海道財務局の所属の普通財産によってその平均倍率が出ておりまして、立木竹ですと四十六倍というような数字でございます。そうしますと、今申しました台帳価額にこの四十六倍をかけ屈したものが、今調査官の説明にありましたような一億一千三百万円になるのであります。同じように土地につきましても、十七年三月現在の台帳価額が二百三十八万円になっております。そうして今回北海道財務局におきまして、価格改定をいたしました土地の倍率が八倍半でございます。これをかけましたものが二千万円になっております。その他若干建物とか構築物等もございますが、そのように倍率をかけまして、その結果、大体一億三千四百万円という数字が出て参るわけでございます。それはしかし推定でありまして、当時の立木は、風水害等によりまして倒木していることがあるかと思います。そういったことはちょっとわかりません。大体推定そのような数字でございます。
#42
○石井桂君 大蔵省御当局にお聞きしたいと思うのですが、国有財産が終戦後、避難民のために占用されておってそうしてそれが数年たって払い下げられた財産があるわけです。ところが非常に貧しい人々でして、漁民なんですよ。契約書の通りに払い込んできたところが、数年間前に住んでいた使用料をよこせという調書がきた。ところが混乱時代だから、不法占拠したときにはほかの人が住んでいた。また貧しいから死んだ人もあったというので、人が変っちゃったのですね。数年後譲り渡されて、無事に払っておったところが、突然前の何年間分の使用料がぽこっときた。それでどうも物を買うときに、前の住んでいた店子の不払いの家賃を払うことが常識で考えられないのだが、私もそれは間違いじゃないかと、こう言うてただしたところ、間違いじゃない。それはあれですか。国有財産を売り払う場合には、前に済んでない人の分まで払わないといけないわけなんですか。非常に過酷な取り立てで、まるで高利貸のような取り立てでやっているように、目に一丁字もない方々ですからね、訴えるところがない、こういうわけです。そういう例がずいぶんあると思うのだけれども、そういうふうにやっているのですかね。
#43
○説明員(市瀬泰藏君) お答えいたします。おそらく御質問のケースは、あるいは旧軍用財産であったか、あるいは物納財産であったか、どちらかであったかと思いますが、終戦直後、旧軍用財産を全部引き継ぎまして、それからその後財産、その他の物納財産として膨大なものを引き継ぎまして、その管理になかなか当時手が回らなかったのでございます。そのために不法に国有財産を占用している人がおって、それに対するまあとがめ立てとか、そういうようなことには当時は手が回らなかったのでございますが、漸次管理の態勢を整えて参りまして、そうして使っている者に対しまして、法令の許す限りにおきましては、その者に使用を認める、こういうことになったのでございますが、その場合に、通常、売り払いを希望される場合と貸付を希望される場合がありますが、いずれの場合におきましても、その人が前から住んでおったということを認められますと、違法の、使用料相当額は、私どもの言葉では弁償金と申しておりますが、弁償金としていただいて、そうしてきれいさっぱりとしてから正式の売り払い契約、または貸付契約を結ぶ、こういうように財務局、財務部を指導しておりますから、御指摘の問題も、一応担当者としましてはそういう線で、前から使用しておったものと推定して、弁償金調定の文書が行ったんだろう、こう存ずるわけでございます。具体的の問題につきましては、十分担当の所管の財務局に御説明願えれば、この点はそういう不当なことはできないのでございまして、現に使っておらなかったということがはっきりできれば、その分に対する使用料は徴収できないのでございます。
 ただ、その場合に問題になりますのは、売り払い、ないし貸付の条項でございまして、私どもは財政法、会計法を受けました予算決算会計令によりまして、随意契約をできる範囲というものがきまっておるのでございます。こういう場合に、おそらく御質問の場合のような例は、何か縁故があったというような、縁故者に売り払い、ないし貸付をする場合に随意契約ができる、こういう規定を適用したものと思われますが、この場合に、前に何か非常な事情があってそこの土地を使用しておったのだ、こういうある意味では物件になるのでございますが、それを引き継がないと、今度は逆に売り払いができない、貸付がその人にはできない、それであるいはそういう前権利者の権利を承継したというように推定されたのかも存じません。いずれにいたしましても、具体的個別の問題につきまして、十分財務局、財務部に御説明願えれば、本件は正当なる解決方法ができるかと、こう存じております。
#44
○石井桂君 御説明を承わると、まことに筋道が立って、まことに思いやりが深いのですが、実は私は二度ほどおじゃまをして、条理を尽して御説明した場合なんですよ。だけども、終戦後ですから、どうっと人が入ってしまいましたね、住みついちゃった。貧乏な人ですから、住宅政策がうまくいかないから、それがまあ日々かせいだ金で年に何十万円とか……大ぜいいるんです。何十人と住んでいるんですよ。それに集団的に払い下げたんでしょう。ところが、もう払い下げる時期までに、何年かたっている間に人は死んだり……。ああいろ貧乏人は非常にお互いに助け合うものですから、縁故も何もありゃしない。ころがり込んでくれば、お前さんも入りなさいといって入れてきたんですね、その分まで……。今残っている中心になっている人は前からいたんですが、大部分、三分の一か三分の二は変っちゃったということがわかるわけなんです、話を聞くと。しかし、その当事者はあまり知識もないし、皆さんのようなえらいところへ抗弁に行く能力もないわけですよ。もうはんてんを着てもも引をはいて、そうして豆しぼりの手ぬぐいをいまだにけつにぶら下げているような人たちですから、働くことはまじめに働いているけれども、えらい人のところに抗議に来ない。それで私は何回か御案内して、これは当時、今買った人でない人が前に住んでいたんだからという説明をよくして上げたのですが、どうも解決がつかないというのがあるんです。ただ惜しいことには、私突然ここで思いついたものですから、場所名と、それから何に使われたのか、だれのだれ兵衛が住んでいたのか、はっきり申し上げられないから、それで言えないのですが、具体的にまた資料をそれではそろえてきまして、それから御説明を承わることにいたしたいと思います。
#45
○片岡文重君 関連質問。今の石井さんのお話は、買い取る場合ですね。ところが、買い取る能力のない者がずっと居住しておるわけですね。やはり事情は、ただいま石井さんのおっしゃったのと同じような状態です。何べんも変っておる。問題は、建物の維持ですが、この住んでおる人たちには営繕能力なんというものはもちろんないのですね。今行って見ると、昼日中でも電気をつけなくては歩けないし、電気も大きなたまはつけられないから、五燭か十燭のたまが広い兵舎の廊下の上の方にぽつんぽつんとついているのですから、昼間は足元が暗くて歩けない状態です。その中に四十世帯も八十世帯も住んでいるのです。営繕能力がないから、雨は漏るし風は吹き込むし、見ようによれば、月も差し込む、はなはだ風流な住居だけれども、住んでいる人になるとなかなかそうも言っていられない状態ですが、ああいう建物については管財局の所得、つまり国有になっておる場合には、国が当然営繕関係にも力を入れて、維持する方にも力を入れたらどうかと思うのだが、結局早く建物を腐らしてしまえと言わぬばかりの取扱いに見えるのですが、その点については法律なんかで営繕をやってはいかぬことになっておるのですか。
#46
○説明員(市瀬泰藏君) 国有の建物の維持、管理、これは私どもの仕事でございます。これの維持、管理のために補修をしてはならないというような法律はございません。で、御質問のありましたような建物は、大体旧軍時代に工員宿舎――主として工員宿舎として大量に、それから当時非常に大急ぎで急造したバラック建てのものだろうと存じますが、終戦後十年以上経過いたしまして、こういう建物がかなりありまして、その維持に非常に困惑しておるところでございますが、今まで予算の関係がありまして、なかなか国としての補修ができかねたのでございます。ただ現実といたしましては、こういう工員宿舎に大体お住みになっておるのは戦災者とか引揚者とか、まあその他生活困窮者とかいうのがおるわけでございまして、こういう条件に該当する人の住んでおる建物につきましては、関係市町村に無償で貸付することもできることが、国有財産特別措置法で規定されておりますし、そのほか有償の場合でありましても、大部分は関係市町村に貸し付けておるのでございます。一応国有財産のその使用者との間に市町村が入っておりますと、私どもとしましては、市町村の方で維持、補修をやっていただけるだろうという期待もあるのでございますが、そうでなく、例の、直接国がある一人の団体の代表者にお貸ししておる例もあるのでございます。こういうものの建物の維持の問題では非常に頭を悩ましておるのでございますが、先ほど申し上げましたような法律もあるので、できる限り市町村長にこの管理をお願いする、そのために貸付をする。と申しますのは、その市町村民の住宅問題その他を直接担当しておられるのが市町村長でございますから、こういう市町村長に依頼するのが一番いいのではなかろうか、こういう考え方があるのでございます。
 ただ一言つけ加えさしていただきますと、現在消防法の第五条、あるいは建築基準法の十条によりまして、改築を命ぜられておるような建物が十六棟ほどあるのでございますが、こういうものにつきましては、所有者であります国としましても、非常な責任があるのでございます。で、この分の補修には何とか手を回したい。しかしながら、この補修の手が回りました後におきましては、先ほど申しましたような線で、できるだけ住宅政策の第一線の担当である市町村長の方にこういうものの処理をお願いしよう、こういう考え方でございます。
#47
○片岡文重君 無償で市町村に貸しておる場合、まあただで借りているのですから、借りた方の立場でいえば、営繕くらいは受け持つのが常識ではないかということにもなろうかと思いますが、大体そういう例は旧軍の兵舎などが多いわけですね。従って、今となってみると、純然たる不生産地であって、しかもそういうところに住んでおる人たちというのは引揚者、戦災者等が多い。従ってしっかりした職業にもついておらないから、今は大体がニコヨンなり、いい言葉で言えば自事業でしょうけれども、実質的にはニコヨン、もしくはそれを下回る人たちでしょうから、住民税も満足には払えない人たちが多いわけです。そこで市町村としては、結局、悪い言葉で言えば厄介者を多数今度はしょい込んでおる。軍の盛んなりしころは、商店等も軍の影響でその町も繁栄しておったかもしらぬが、今は全然その商店は成り立たないようなさびれた状態に置かれておるし、不生産地にもなっておるから、ほかから税も上ってこないから、町村財政は一そう苦しくなる。加えて、そういう人たちが四十世帯、八十世帯と一棟に入っておるのが、元の兵営ですから、何棟もあるわけです。相当な人たちが住んでおるわけですけれども、税金としてはそう大して上らない。しかし、その住んでおるところは、先ほど申し上げたようにひどい状態である。税は入ってこないわ、ほかからもあまり入ってこない。財政の苦しいところへ持ってきて学校の改築、道路の改修、その他相当出費の多い折から、そういう税もろくろく上らないような人たちの住んでおるところにまで市町村が営繕費を投げ出すということは、はなはだ困難な状態だろうと思います。で、こういう場合に、国として、その所有権が国にある場合に、何かこう考えてやる方法はないものでしょうかね。
#48
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。まあ実情は、先ほど市瀬課長からお答え申し上げた通りでありますが、今の御質問は、やや管財行政と一般の財政の問題とのまあ限界がどこにあるかという問題に関係してくるように思います。私どもは、今お答え申し上げましたように国有財産を管理するという建前から、危険な建物をそのまま放置しておくということは許されない。従ってこれは最小限度ぜひ管財局の責任におきまして、予算をいただきまして、安全に保全をしていきたい、こう考えておるわけでございます。一方、社会政策と申しましょうか、今御指摘のような方々をお入れしておる場合、これを一体どこの負担においてやるべきかという問題であろうと思います。御承知のように生活保護法というものがございまして、これによりますと、大体国が八割の負担をいたしておりますが、府県あるいは市――町村は入っておりません。府県と市が主体になりましてその生活の保護をいたしております。その中には住宅の保護というものもございまして、家賃がどうしても納められないような方には、国がやはり八割を負担いたしまして住居保護ということもいたしておるわけであります。そこで、検査院が目を光らしておる国有財産の管理の立場から、これはかわいそうだから家賃を取らなくてもよろしい、あるいは先方で、当然これは借主の方で補修をすべきものであるが、こちらがやってやりましょうと、こういうことを申しますと、さっそく検査院につかまってしまうわけで、そこで管財行政の責任者としては、それはできませんのまで、ことに恐縮でございますけれども、社会保障を、主として責任者でありますところの府県あるいは市の方にお願いせざるを得ない、こういうことに相なってくるわけでございます。
 そこで、ただいまちょっと市瀬課長の答えの中に、無償で貸付ということを言っておりましたが、むろん貸付もできますが、と同時に譲与もできるわけであります。どういう場合かと申しますと、今のような場合が一番該当するわけでございまして、こういう場合、財産、土地建物、これをまあ府県なり市町村に差し上げる、そうしてそこに有益業に投じられますと……、これは現状は御指摘のように、非常にお気の毒な方々でございますけれども、将来においていろいろの条件が好転いたしますれば、りっぱに市町村の住民として、お話のように税の負担もできるようなことにおなりになることを、われわれとしては切望いたすわけであります。そういうふうなことを市町村の責任においてやり、一方国は社会保障の財源といたしまして八割なり、あるいは公営住宅等は御承知の通り五割というふうに補助をいたしておりまするので、それらの社会保障政策あるいは住宅政策の面におきまして、別途に解決していく、こうせざるを得ないのじゃないか。
 私は因業家主のようなことを申してまことに恐縮なんでございますが、やはり財産を管理している建前から申しまして、先ほど石井委員から御指摘がございましたが、そういうものは、筋道を立てませんと、とかくルーズになって参りますので、そこのところは筋道を立てまして、どこから負担をしていただくかということの建前におきましてやっていくべきではないか、こういうふうに考えております。しかし今日のいろいろな制度が十分でないととは、今さら申し上げるまでもございませんが、これらは財政の力がつくに従いまして、おいおいと社会保障なり住宅の制度が充実していきまして、もっと行き届いた方法ができますことをわれわれとしても非常に切望いたします。
#49
○片岡文重君 お説よくわかりますが、生活保護法による住宅扶助は、個々が対象であって、そういう集団居住者の住んでおるような建物の営繕に適用されるかどうかというと、これまた相当問題が起ってくるのじゃなかろうかと思います。お説のように、会計検査院の検査も、もちろんやかましくなっておるでしょうけれども、先ほど課長さんが御説明になったように、国有財産の管理、そうして維持する責任が法律によって定められておる以上、それが市町村に無償なり有償なり、とにかく譲渡されていない限りは、その管理の責任はやはり国にあるわけだから、そういう面からいえば、会計検査院としても、これを不当な支出としてとがめるわけに私はいかぬのじゃなかろうかと思う。なるべくその居住者の負担にならないような点で、所有者がめんどうをみるということに何とか私は考えてやっていただきたいと思います。具体的な例を出せといえばすぐにでも出せますが、特に建物は、今そういう建物はいずれも危険な状態に置かれているんですね。腰板はないし、少し大風が吹けばぶつ倒れるような状態に置かれておるのであります。二階住いをしているのは、これで雨風が吹けば夜は寝ておられないような状態であります。そういうことを考えていただきたいと思います。そういうことを要望すると同時に、会計検査院もおいでになるのですが、いかがですか、そういう場合には会計検査院は、あくまでも不当な支出とお考えになりますか。
#50
○説明員(大澤實君) 修繕費の問題でありますが、これはもちろん、国の財産を国が予算をもって修繕する。これは収益がそれに伴わなくても、それだけ補修する必要があって経費を出されること、これを不当ということは申し上げかねる。なおつけ加えますが、そうした建物の使用料は取っていないということは、これは財政法の原則に反しますので、やはり管財とい面から見ますと、使用料はこれは取るべきである、こういう考えを持たざるを得ません。
 今御指摘のように、実に居住者に気の毒だという建物も相当見受けられますが、こうした建物は、多少の補修費を投じても、もう経過年数から見ましても、あと二、三年しかもたないのではないかという建物が相当ありまして、先ほども管財局長からお話がありましたが、国全体の住宅政策として、やっぱり何とか考慮しなければならぬ問題じゃないかと、こう考える次第であります。
#51
○久保等君 ちょっと資料を……。前国会の、二十四国会ですでに要求してあった資料だそうですが、重ねて応私からも再要求しておきたいと思うのです。それは、各省庁関係の住宅の資料、もちろんこれは政府機関をも含めての住宅関係の資料、それからさらにあわせて、日銀関係のこれまた住宅関係の資料、それらを御提出をいただくように委員長の方から一つお取り計らいを願いたいのです。
#52
○委員長(三浦義男君) 私お答えいたします。ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#53
○委員長(三浦義男君) 速記を始めて。今、委員から資料の要求がございましたが、これは委員長の方で取り計らいまして、資料を皆さんにお配りすることにいたします。
#54
○奥むめお君 先ほどから問題になっております、国有の建物に住んでいらっしゃる困窮者の数とか、その建物というふうなものは、概数どれくらいございますの。これは実際、耐用年限が切れている時分でございましょうし、非常に危険でございます。また不衛生でもございますね。こういう問題の対策として、どういう方法を持ってらっしゃるのですか。
#55
○政府委員(正示啓次郎君) まことに遺憾でありますが、今ちょっと資料が手元にございませんが、これは大体こういうふうに御了承を願いたいと思います。部分は、先ほどもお答え申しましたように地方公共団体に実は貸付をいたしております。無償貸付をやっております。それでたとえば、私どもの一番近いところでは土浦でございますが、これは茨城県に貸し付けております。そういうことでございますので、修繕その他のことは、大体府県の責任でやっていただいておるわけであります。ただ、建物がどのくらいあるかは、それは調べればすぐわかりますから、これはお出しをいたします。
 そこで御指摘のように、これは相当命数が実は来ております。私どもといたしましては、実は先ほどもお答えを申し上げたように、府県の方でこの財産をいただきましょうという場合には無償で差し上げたいと思っております。府県、または市が、あいておるような場合、それからどうしても、先ほども御質問のありましたように国で、そういう引き取り手がない、しかし安全の見地から申しまして、補修できないというものは、実は予算を取りまして、最小限度の補修をいたしておる、こういうことをやっておるのでございます。なかなか予算が窮屈でございまして、思うように参っておりませんが、来年度予算におきましても、先ほど市瀬課長からもお答えいたしました通り、大体、消防あるいは建築の見地から、この程度のものはぜひ補修を必要とするというものにつきましては、今予算を要求いたしております。急ぐものは今年度の予算を差し繰りまして何とかいたしたい、こういう措置をいたしておるわけであります。
#56
○奥むめお君 それで無償で地方に貸し付けたものの維持管理費というようなものは、地方が個人の借主から取り立てることはできないという建前になりますか。
#57
○政府委員(正示啓次郎君) 公共団体にはただでお貸ししておりますが、公共団体の方では、いわゆる実費等を各人からお取りになっておる例もあるようでございます。そういう場合は、もちろん必要最小限度の補修費も各人で分担しておるような状況であります。
#58
○島清君 先ほど片岡委員から元の陸海軍の管理財産であったものが大蔵省に移管になった、その管理等についての御質問がありましたが、それではなくして、民間から物納になりました物納財産、これは過去におきましては、この処分をめぐってずいぶんといかがわしい風聞も飛んだわけですけれども、たとえば民間の営利会社の方に大蔵省はその処分をまかせたりいたしまして、そのまかされた営利会社の方がその土地建物に対して不当のものを要求したりいたしまして、かなり紛糾を起した事例もございまして、相当物納ざれまして年数もたっているわけでありますが、大体処分ざれたであろうというふうに想像はされますけれども、まだ物納財産でそれぞれの利害関係者において処分をされないものがどれぐらいあるか。もしありといたしまするならば、どういったような理由で、そういったような財産が、当然にこれは処分されなければならない性質のものであるのが処分されないのであるかどうかということについて、御説明を承わりたいと思います。
#59
○説明員(市瀬泰藏君) 物納財産につきまして、過去においていかがわしい事例があったという御指摘でございますが、これは今までに物納財産の処分に当りまして、信託銀行とか信託会社その他不動産の売買業者、大体この選定は、資力、信用のある適当な業者を選定したのでございますけれども、こういう業者に処分の仲立ちを委託したのでございます。それが過去におきまして二、三の業者で非常に不都合なことをしたのでございますが、現在はこの問題については、非常に私どもとしましても十分監査を怠りなくやっております。またこれもあくまでも私どもの仕事の一部を委託させるというのでございまして、その業者は、物納財産の財産の状況だとか、その他権利関係を調査させる、そしてまた現存物納財産を使っているもの、その他物納財産を買おうという相手方の交渉に当ら仕るようなことでございまして、実際の契約に当りまして、財産の確認だとかそれから評価を決定する、それから契約の締結、これは皆国がみずから行うように現在はやっております。それで先ほど物納財産の数、現在まだ残っておるとすれば、どれだけあるかという御質疑でございましたが、物納財産のうちには、実ははなはだ不手際であったのでございますが、税務当局が財産物納を受けるときに、単に帳面づらで受け取ってしまった、そしてそれをそのまま管財当局が引き継いでしまったために、収納価格、収納坪数においては、はっきり載っておるのでございますけれども、現実にどこにあるかわからない、あるいは果してあるのかどらかわからない、こういうような案件もかなりあるのでございます。それで私どもとしましては、そういう不明なものはまず棚上げにしまして、現在わかっておるものを大体今年度から始めまして、来年、再来年、との三ヵ年内に処理を完了していこう、こういう目途で目下予算要求などをしております。処理を完了と申しますのは、現在物納財産を使っておるものがあるが、国と何らの契約関係に入っておらないのであります。で、これを売り払いするなり、貸付けするなり、その契約を締結することをもって、私どもは処理の完了と申しております。それではどういう人がおるのかと申しますと、物納財産は、大体その発生のおもなものは財産税物納にかかるものでございまして、当時財産税として物納するに当って、たいていの方は、一番自分の持っている財産のうちで、処分に困っているような悪い財産から物納されがちでございましたので、ほとんどはその土地の上に第三者の建物がある、建物で申しますと、その建物に第三者が居住している、こういう案件でございます。それで私どもとしましては、その物納財産を使用している者に優先的に売り払いないし貸付けしょう、こう努力しておるのでございますが、今までだいぶ処理が進んで参りましたのも、処理の容易なものから手をつけたために、現在残っておりますものは、非常に処理の困難なもの、と申しますと、たとえば建物で申しますと、そこに住んでいる人は、先ほど話が出ましたように、非常に生活に困窮しているような人、それで日銭に困っている、こういうような方がかなり多うございまして、こういう方とは売り払いは言うまでもなく、貸付を契約することも非常に難渋しておるのでございますが、その売り払いないし貸付条件などもできるだけ処理しやすいような見地で検討しておりまして、処理の促進をはかろう、こういう線でやっております。
#60
○島清君 どの程度のものがまだ未処理になっておるかということの実態については正確なものは把握しかねる、こういう御説明でございましたが、正確じゃなくてもようございますが、あらまし大体どのくらい残っているのですか。
#61
○説明員(市瀬泰藏君) これは昭和三十年分三月三十一日現在で国有財産台帳に登載しているところで申し上げますと、宅地にいたしまして六百二十五万一千坪、それで当時の収納価格にいたしまして八億七千万円余になっております。それから建物では延坪で五十七万坪、収納価格にいたしまして七億七千七百万円、そのほかに農地や山林等がありまして、これらを合計しまして収納価格で十七億三千三百万円。
#62
○島清君 かなり膨大な財産になるわけですが、これに対しての国庫への収益というものはどういうふうになっておりますか。
#63
○説明員(市瀬泰藏君) この物納財産の売り払いは、先ほど申しましたように、売り払いないし貸付が容易にできるようにという線で、延納ないし割賦弁済ということを認めておりますので、実際の収入額と、それから契約額とは違いますが、ただいま正確な数字を持っておりませんけれども、昭和三十年度の契約ベースにおきまして八億円ぐらい、それから歳入金として収納しました分が五億円程度、こうなっております。
#64
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#65
○委員長(三浦義男君) 速記を起して。
#66
○島清君 この三千五十一万のうち、その内訳はどうなるのでございますか。
#67
○説明員(市川晃君) 内訳は先ほど申し上げたところと同じことになります。じゃ簡単に内訳を申しますと、土地千四百三十一万、立木竹五百七十四万、建物八百九十八万、その他若干のものが入っておるのであります。
#68
○委員長(三浦義男君) 先ほど久保君から御要求のあった資料の提出を待ってから、管財局関係の質疑を続行することにいたしまして、本日はこの程度にとめておきたいと思いますが、いかがでございますか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(三浦義男君) ではさようにさしていただきます。
    ―――――――――――――
#70
○委員長(三浦義男君) 次に、文部省の部を議題といたします。
 検査報告批難事項は第七百六十三号から第七百八十六号まででございます。ただいま御出席の方は清瀬文部大臣、緒方大学学術局長、小林管理局長、天城参事官、保岡検査院第二局長でございます。まず検査院から御説明を求めます。
#71
○説明員(保岡豊君) 文部省で二十九年度報告いたしますものは、国立大学に関するものと、補助金に関するものとあります。国立大学の不当事項としてここに掲げましたのは、百六ページ以下、歳入歳出に関する経理上のものが三件、物件高価購入が一件、不正行為が二件あります。このほか初めの百四ページの末三行に載せてありまする通り、大蔵省の流用承認を得ないで科目流用して常勤労務者給与を支払ったものが二十六校で合計四千七百万円ばかりあります。それで相当多額に上りと、ここに記述してあります。それから学校の超過勤務手当を病院の方、すなわち正当でない科目から支払ったり、予算をこえて外国図書を納入させているものなどが見受けられているのであります。補助金の不当事項は百十ページ以下に述べてありしますが、義務教育国庫負担金は初年度でありますので、一般的傾向といたしまして、百五ページに報告いたしました。二十八年度に概算払いをいたしまして、二十九年度に精算をしたもの、北海道ほか十七都府県を私の方で実地検査いたしましたが、その結果、超過交付が約千七百万円、交付不足のものが約四百万円であります。これは都道府県から提出される基礎資料の調製の指導におきまして不十分なものがあって、またその取り扱いも区々にわたりまして、かつその調査も不十分な結果と思われるのであります。以下不当事項の個別に説明いたします。
 七百六十三号は、東京教育大学の光学研究所で研究いたしました成果である人工真珠顔料を外部に引き渡しまして、千三百万円ほど受け取りまして、そのうち五百十一万円を歳入に納付し、残り八百万円を自由に使おうといろわけでありまして、八百万円のうち六百六十六万円を経費などに使いまして、あとは現金、預金で持っていたものであります。私の方で注意いたしましたところ、この現金、預金等を使ったもののうちに約三百万円を合せまして四百八十万円を歳入に納付いたしました。
 次の七百六十四号は、一橋大学の一橋講堂使用料でありますが、との使用料と、講堂の地下に食堂があります、この食堂の使用料相当料、また使用料を普通とらないものから納めさせる電気、水道料実費額として合計百二十七万円を徴収いたしまして、そのうち四十九万円を歳入に納付して残りを経費、講堂の掃除料だとか残業手当だとか、また電気水道料金を支払いまして、残り二十万円を保有していたものであります。
 次は七百六十五号でありますが、これは架空経費としては相当大きなものであります。東京農工大学で小切手を前から現金化したのでありますが、ここに一応年度を切りまして二十九年度五月以降二千七百万円を現金化いたしまして、これをまだ払っていない、未払いになっている債務に充当したり、正当に支出することができないものに使用したり、また使途不明金もあった状況で、結局三十年十月現在、当然の結果として起ります未払い金となっておりましたものが四百八十万円、またそのほかに物品が納入されているのに、契約もせずに、従って代金未払いになっておるもの、これは当局が御調査されたのでありますが、これが三百七十万円、まあ大体この二つがこれから払う、未払い金になりますが、合計八百五十万円に上っております。このほかに二十八年度で見ますと、二十八年度でも現金化したもので判明したものが約一千万円であります。これ本百九ページに書いてありますように、物品の納入を待って支払ったり、あるいはそれまでに債務負担をしたものに充当したものであります。
 次の七百六十六号は、九州大学で八千円程度の張幕を二万三千円で購入した件でありまして、全体で三十五張り、約五十万円高価になっているのであります。
 次は、補助金でありますが、補助金のうち公立諸学校施設整備に関するものであります。これは児童生徒数、そのとき保有している坪数などが計算の基本となりますものですが、この計数に誤まりがあったものがこれが一番多いのであります。あとに列記してありますが、この例が一番多いのであります。その他被害を過大にしたり、対象工事の一部を実施していなかったものが北海道ほか十都府県で八千六百万円の補助金について三千四百万円の補助超過になっております。この原因は事業主体が実態を把握しないで、直接指導監督することになっております都道府県教育委員会の処置が適切でないのと、文部省の審査も的確でなかったと思われます。先ほど申しましたように、大体児童数、保有坪数の間違ったものでありますが、そうでないものを取り上げて説明いたしますと、七百六十九号、これは老朽の危険校舎で、災害の前に解体されたものを、そのあとで起りました災害に便乗して申請して、災害の補助金をもらったものであります。その次、七百七十号は被害程度、被害面積などに誤りがあったものです。それから七百七十一号は小学校と中学校が併置されていまして、その小学校の生徒数に対して不正常といたしまして補助を行なったものでありますが、これを中学校が使用していたというものであります。それから七百七十二号は買収して改築すべきであるのに、まだ買収しないで、その一部を補修した、それだけのもので全体のものを補助しておる、こういう件であります。七百七十三号は生徒数に二十名の開差があったのと、工事費のうち対象外の在来校舎の窓の改造などをいたしておりまして、それを除きますと、単価が下回って補助超過になったものであります。そのほかは今申しましたように同じようなことでありますから説明を略させていただきます。
 次の補助金は七百八十三号と七百八十四号でありますが、教員資格認定講習会の出席の旅費の補助金です。これは二十八年度で終りましたものでありますが、これも補助金につきまして県が国庫補助金と同額以上を負担することになっているところ、これを下回っていたものでありまして、千葉県と神奈川県に見受けられたのであります。
 次は不正行為二件でありまして、これは国立大学の給与俸給の支払いの場合に、基準給与簿を作為いたしまして所得税額を少額にして、支出官などに現金支給額を余分に振り出させまして、当人には正当のものだけ渡しまして、少くいたしました所得税の分を領得したものであります。これは東北大学と大阪学芸大学と多少は違いますけれども、今申し上げました大要につきましては全く同じであります。
 以上で説明を終ります。
#72
○委員長(三浦義男君) 次に文部省から御説明をお願いします。
#73
○国務大臣(清瀬一郎君) これに対する政府の説明はすでに説明書五十四ページに記載いたして提出いたしましたが、昭和二十九年度の決算においてただいま検査院が不当事項として指摘いたしました件数――予算経理において東京教育大学ほか二件でございます、農工大学、一橋大学。物件において九州大学が一件、補助金において長野県松本ろう学校の整備工事ほか十七件ございます。計二十二件であります。これらの不当事項の発生につきましてはまことに遺憾至極に存じております。関係者に対しては懲戒処分、あるいは厳重注意をいたした次第であります。
 以上は不当指摘の分でありまするが、次に検査院より不正事件として批難されましたものは東北大学教官学部及び大阪学芸大学本部事務局で、先刻御説明のように、職員の所得税の領得に関するものであります。これまたまことに遺憾しごくなことでございます。これら不正行為を行った本人に対しましては懲戒免職をいたし、また監督責任者に対し懲戒処分等をいたしております。
 これらの不当または不正事件の発生にかんがみまして、この後におきましては、関係職員の資質の向上に努め、職責の自覚を一そう促し、会計監査の厳重な施行によって、この種事件を再び起さないように極力努力いたします。
#74
○委員長(三浦義男君) なお政府委員から補足説明がございましたらお願いいたします。
#75
○説明員(天城勲君) 特に補足説明を申し上げることはございません。
#76
○委員長(三浦義男君) では御質疑のある方から順次御発言を願います。
#77
○大竹平八郎君 個々の事案につきましてはそれぞれ委員から申し上げると存じますが、大臣もお見えでございまするから、御質問いたしたいのでありますが、この文部省の不当案件を見まするというと、この事案の一つにありましては、ほとんどもうろう会社の社員に匹敵するような行為をあえてやっておるのがだいぶん見受けられるのでございます。ことに大学関係等において非常に多いのでございます。農工大学の二十九年五月から三十年九月に至る間のこの事案などは、まことにわれわれといたしまして憤慨にたえないのでありまするが、要するに私どもは、この大学関係が非常に文部者としましては大きなウェイトをもっておるのでありますが、終戦後のこの大学、一つの行政と申しましょうか、そういう点からいきまして、例のアメリカの要請によりまして、教育方針が根本的に変った、ことにこの大学の教授あたりは、何といいますか、教育特例法とか何とかいうようなことによって、公務員以上に大きな身分を保障せられておる。従って各国立大学等におけるところの教授の権限というものが非常に強い。それから私は決して官選を主張するものではございませんが、以前は大学の学長というものは官選で、現在は御承知の通り、これは大学の教授間によってこれを選任をされるのであります。そういう点からいいまして、ややともいたしまするというと、学長なるものが教授に対して右顧左眄をするというような点が必ずしもないとは言えないのであります。こういう点からいきまして、各大学におけるところの教授連中は、これは率直に申し上げまして、行政というような面につきましては、そう精通せられておる方は、私は少いのじゃないか、従ってどうしても教授の意向というものが強く学長にも反映していく。そういうことで教授も、卑俗な言葉でいえば、非常なわがままを出してくる。こういう点で事務官というものが非常に押えられておる。こういうようなところに何か一つの弛緩と申しましょうか、そういうことが全体にみなぎっておるのじゃないかというようなことが、全体を通じまして、ことに大学関係の不当事案を見まして、そういう感じがいたすのでありますが、これに対しまして大臣の御所感をお願いしたいと思います。
#78
○国務大臣(清瀬一郎君) ただいまお示しのことは、まことに時代の様相をよく御説明下さっております。ただ大学の学校教育法にある教授または学生の指導については、明治以来の沿革でいわゆる自治の思潮があるのでありますが、しかしながら会計のことは、この系統は別でございまして、やはり文部省が十分に監督し、また会計職員の内部指導を十分にしなければなりませんので、かくのごとき金銭に関する問題が起りましたのは、やはり行政系統、われわれの責任でまことに遺憾と存じております。ことに今御指摘の農工大学の件のごときは、年間においてもこれはちょっと珍しい件なんです。大体小切手で払うのを小切手で払わないで――それも間違っている。それを日本銀行から取りつけて現金にして、そして早く払うべきものを少しずつ払って行く、そこでどれがいつどれだけを取ったかということが、さっぱりわからなかった。この調査をし、われわれが当局に説明をしようとしたときも、これもまた不当事件としてやっておるのです。だんだん調べてみれば、これは横領でございましたから、横領罪として起訴が今日出ておる。まことに恐縮に存じ、今後かようなことが、大学は七十二もありますが、国立だけでもないように、十分私就任以来注意さしておる次第であります。
#79
○大竹平八郎君 御説明よくわかりましたが、こういうような問題を契機に大臣としてぜひお考えを願いたいことは、まあたとえばこの大学も、文部省関係の方々が、会計の方とかあるいは秘書課の方というような方が、大体大学に出られて会計事務を扱うということが、従来は多いように私どもは聞いております。従って身分が何々大学の事務官である、会計課長であるということになると、私は先ほど指摘したように教授陣に押されて、そして行政に暗い教授陣が出て、横暴をきわめるというようなことになって、いろいろ弛緩というような問題がそこにわき起ってくる、こういうことででき得ればこれは法的にはどうなるかわかりませんが、文部省なら文部省の本省の役人そのままで転出をして行って、あくまでも権限を会計課長なり事務官なりに与えるというようなことについてのお考えはございませんでしょうか。
#80
○国務大臣(清瀬一郎君) そういう点についても考えたいとは思います。たとえばこのうちで外国の図書を買い過ぎたといったようなことは、教授陣に力があり過ぎたのではないかと思います。指摘の農工大学のごときは、これは全く会計管理がいけないのですね、御説のこともよく参照いたしまして、十分に考えたいと思います。今日では、大学にも出張し、その他の方法によって適正の会計処理をやらんとしております。
#81
○片岡文重君 今の大竹さんの質問に対しまして関連すると思いますが、教授たちに対する政府の待遇が、つまり学者を遇するの方法が政府として必ずしも適切ではないということも、こういう事件の起ってくる遠因になっているのではないかと私は思うのですが、たとえば洋書の買い過ぎ等は、結局自分で買って勉強したくても、それだけの収入が与えられておらない。結局はすべてを学校に依存する。できるだけ学校を使うということにもなったのじゃないかと思います。善意に解釈し過ぎるかもしれませんけれども……。それからたまたま学校へ行ってみても、主任教授などの部屋に入ってみても……同年の、同期の大学卒業生などで官庁に入られた諸君の、たとえば局長の部屋、課長の部屋というようなものは、特に差しさわりがあるかもしれませんが、局長室などはじゅうたんを敷き詰めてあって、りっぱなアーム・チェアもあるし、給仕も置いてあるし、相当な待遇をしておられるようです。しかし教授などの部屋に行ってみると、実に寒々したものです。助教授などに至っては、これは書物の中に埋もれて、ある助教授のごときは私が行きましたら、自分で立ってお茶を入れてくれました。ああいう待遇は、同期に大学を出られた諸君が、行く道が違ったばかりに、しかも大学に残される人はおおむね優秀な人が残されるのでしょう。そういう人は比較的日の当らない場所に長く置かれて、十分な研究費も与えられないし、物質的な待遇もめんどうも見られない。これはそもそも私は間違っている第一歩じゃないかと思いますが、清瀬文部大臣はそういう点については別に御認識はありませんですか。
#82
○国務大臣(清瀬一郎君) 学問の尊重のために大学の教授、学者を厚遇しなければならぬことはお説の通りであります。日本の大学をどう持っていくか。戦争後非常に大学がふえまして、国立の大学は七十二でございますが、公立、私立を数えまするというと四百九十に余るのであります。地方へ行きますると、大学教授――プロフェッサーといったような待遇を受けておらぬ人もありまするし、また研究においても不十分な場合もありまして、非常に遺憾と思っております。前の国会で政府が臨時教育制度審議会というものの御審議を願って、大学制度の全般について一つ考えてみようといったことは、ほかにもたくさんございまするけれども、やはりそのうちには今御指摘のようなことも含んでおります。大学教授といえば一世の碩学でなければならぬのであります。ただ今回御指摘のことは教授自身が待遇が悪いからといって使おうといったような性質のものはないわけです。あの洋書のことはこういうことなんです。進駐軍が続きの本を送ってくれと言ったのです。中途でそれが切れまして、やめてしまえば端本になってしまうので、それをお買いになったのです。その事情を聞きますと、全く待遇が悪いから政府の本を使おうかといろ意図は私は見えないと思う。光学の研究のために出ました金を片方へ流用したというのも、これを待遇が悪かったからやったということには、今御非難のものは連絡はついておりません。しかしながらこの状態で長く進むと、今御指摘のようなことがあろうかと存じますから、十分に注意いたします。
#83
○片岡文重君 大臣に対する質問を先に行なって、それからということなのですか、この議事の進め方は……。
#84
○委員長(三浦義男君) 大体そのつもりでおります。
#85
○片岡文重君 先ほどの大臣の御説明の中では、こういう非難事項が多数指摘せられたことは、特に文部省関係において、このように指摘せられたことははなはだ遺憾である。関係者は厳重に処罰するというお話があり、将来こういうことのないようにしたいというお話でありましたが、政府として直接監督の衝におられる大臣はどういう責任をおとりになるおつもりですか。
#86
○国務大臣(清瀬一郎君) 事のいかんによっては国務大臣として進退を考えなければならぬ場合も生ずるかと思います。またしかし一律には申し上げられませんので、この会計事務を担当しておるものに行政的な責任を負わして始末した場合もございます。このうちで補助金等のことはそれにかんがみて昭和三十年にあの立法ができまして、非常にいい法律だと思います。自後あれによってああいうことが再発しないようになり得ると思うのであります。
#87
○委員長(三浦義男君) 速記を止めて。
  〔速記中止〕
#88
○委員長(三浦義男君) 速記を始めて下さい。
#89
○奥むめお君 大臣に伺いますが、ただいま大臣の御答弁によりますと、この決算に現われたものに関する限りは、大学教授の待遇が悪いという問題は出てこないようなお考えと承わりますが私もそれは了承いたします。しかしこのごろ本多顕彰という人が「大学教授」という本を出しておる。大学教授はほかで原稿料をかせぐか、講演料か、あるいは何か別途収入を持たなければ、とうていやっていけない。勉強どころじゃないのだというふうなことは、世間一般の常識になっております。私ども決算をしていますものは、決算の結果を予算に反映させたいというのが私たちの一番大きな願いだと用います。この事案に現われておるものは、かりにないとしましても、しかしわれわれ今こうここに出ておるだけ見ましても、そう悪質な考えよりも、やはり今差しあたり金がない。大学関係の問題には特別の事案は別として、やはり差しあたり窮屈なやり繰りの中で出てきた事件のように、やはり結論づけて読みますと、予算の面で科学の振興とか、あるいは大学教育の設備をよくしたり、あるいは教授の待遇をよくしたりというふうなことで、文部大臣といたしましてはどういう案を今までお進めになって下すって、また今お見通しとしてはどういう点が伸びつつあるのでございますか。世間一般の常識は、今大臣の御答弁とまるで反対の常識で大学教授を見ているし、現在の大学教育というものは非常に貧困なんですね。そういう問題はいかがでございますか。
#90
○国務大臣(清瀬一郎君) 今御指摘の本多顕彰という方の「大学教授」という本、私初めから終いまで読みました。少しはユーモアも交えておりまするけれども、大へん適切な木であります。それは大学、わけてもあれは新制大学と書いておりまするが、今は皆新制大学なのでありまするけれども、言葉を簡略して、戦前の国立大学といった以外の大学ですね。師範学校やあるいは高等工業などがくり上った大学、それについていかにも先生も実はプロフェッサーらしくなく、従って待遇もはなはだ稀薄だ。それだけで生活はできんかで原稿かせぎをやる。一番都合いいのは講演だ。講演によって金をもうける。こういうふでなことが書いてあるのです。いやしくも大学教授が金もうけのために原稿を書いたり、金が目的で講演をするなんということは、実に捨ておけないことと思います。自分の研究の結果を世間に発表して、世間を利益するといってお書きになるならば、これはいいことです。また学会に新説を発見してこれを発表するということもいいのだが、命もうけに講演を打ち回るというような言葉を使っておるのですね。それらのことを幾らか読ませるために誇張もユーモアもありますけれども、あれが日本の大学の真相とすれば非常に情けないことです。それゆえに別途おそらくは次の国会に臨時教育制度審議会なるものを提出いたします。前回は審議未了になりました。衆議院は通りましたが、参議院であのような始末で、委員会開会が不能になったりしましたのですが、よくもう一ぺん見直して下さって、日本の大学をもっと充実したものにして、日本のような国は軍備はむろん持ちませず、また経済でアメリカとかソ連に優越することはできません。ただこの民族の優越見込みは、発明発見、科学の知識、これが進路でありまするから、そのことだけじゃなく、教授の待遇ということだけではなく、施設にもあるいは設備にも、また大学に関する法規等にも一ぺん根本的にお考え願いたい、こう思っておるのでございます。
#91
○委員長(三浦義男君) ほかに大臣に御質疑はございませんか。
#92
○大竹平八郎君 この七百六十三の案件でございますが、二十八年二月から二十九年八月までの間に生産された人工真珠顔料、こうあるのでありますが、この報告に出ておりまする金額が、これが千三百五十四万幾らですか、この以前に売り渡したことがあるのでありますか。それからまた売り渡した先はここに書いてあります株式会社米田若松商店、売り渡したのは、以前にどのくらい売り渡したかということについてお尋ねいたします。これは関係官でけっこうですから。
#93
○説明員(天城勲君) お答えいたします。光学研究所で人工真珠顔料の研究はこの二十八年二月という日付、もちろんこれ以前から研究はいたしてきておりましたけれども、製品として外部に渡ったのはこれが最初でございますからこれ以前にはございません。
 それからこれを商品として引き渡した相手方は米田商店ほか四社、ほかの店の名前は米田若松商店のほかオリエンタル・パールという店それから長谷川商店、吉美セルロイド、旭化成この五社でございます。
#94
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#95
○委員長(三浦義男君) 速記をつけて。
#96
○大竹平八郎君 この生産せられた金額から見ますると、相当これは高価なものにも思われるのですが、これは民間ならそこでコストが一体幾らかかるということがすぐ出るのでありますが、大体これだけを作るのに当って、どの程度の一体――これはまあ予算面からいろいろな関係で簡単にはお答えできんと思いますが、一体どのくらいかかっておるものでしょう。
#97
○説明員(天城勲君) これはここで一応キログラム当り四千円から五千円、こういう最終的な評価が出ておりますけれども、実はこの研究を進めて参ります過程でできた製品と申しますか、結果はすべてが商品として市販にたえるもののみではございません。できそこないがあったり、でこぼこがあったり、いろいろなものがあるわけでございまして、その中から市販にたえるものだけを商品としてこの米田商店ほかに売ったという形ではございませんで、いわば研究後援という意味もかねまして、一括できたものを売り払う。あるいは買い取っていただいた。こういう形になっておるものでございますから、普通の商品というような意味の厳格なる原価計算がはっきりわれわれもわからないのでございます。
#98
○奥むめお君 ちょっとこまかい問題になりますが、七百六十九番、高知県の問題です。これは去年決算でたしか私どもが実地視察をしてきた所だと思いますが、まことにたちの悪い問題でございました。非常に老朽し、使用にたえない校舎であったということはわかっておったと思うのです。あの事件がありましてから、村の当局も非常に謹慎の意を表明して、いろいろ東京へも陳情に見えていたと思いますが、あれは何ですか、老朽校舎復旧の方に何とかはからってもらいたいという陳情が出ていましたね、どうなりましたか、あの事件、もうちょっと。
#99
○説明員(小林行雄君) ただいまお話のございました高知県の中央小学校の事案でございますが、これは御指摘を受けましたように、申請につきましては、明らかに架空の事実に基く申請、虚偽の申請でございます。と申しますのは、台風の参りましたのが九月の二十五日でございまして、それ以前に学校の校舎を七月の末ころまでの間に取りこわしておったのでございます。ただこの校舎は、ただいまもお話のございましたように、すでに五十年以上経過をいたしました非常に老朽した危険な校舎であったわけでございまして、この校舎のそういった状態にあったことと、それから村の当局が非常に改心いたしまして、悪かったという点を検察庁にも釈明をいたしまして、その結果、刑事事件として取り調べを受けましたのでございますけれども、それが起訴猶予になったというような関係もございまして、文部省といたしましても、災害に便乗するということは認められない、従って三分の二の補助を出すことができないけれども、確かに明治三十五、六年の建築でございますので、非常に老朽しておったという事実は認めまして、老朽危険校舎の復旧としてそれに相当する補助金だけを認めるということにいたしまして、文部省としては、災害復旧の三百十三万円を当初交付いたしましたが、そのうちその半分、――三分の二の半分でございますが、百六十一万だけは返還してもらうということといたしました。現在までに半分の徴収金は国庫に入っておると思います。
#100
○奥むめお君 あのときは全く私ども事情はどう判断していいか迷ったくらいでございます。婦人会の人たちとも会合しまして、当局のやり方の悪質なことをいろいろ注意しまして、村全体で、一つこれは国の損を補うという態度を早くきめてもらわぬと困るということを、きびしく申して帰ったことでございますが、あのときでございますね。風で倒れたというて写真を県庁へ出したのを見ましたけれども、まるで学校の校舎の中にお宮なんかないのに、お宮がちゃんと校舎の中にあるつぶれた校舎の写真が県庁でそのまま通っているのですね。それから風が出たといって放送をずいぶんされているのですね。そのときにも放送にはそれが入ってなかったということを記録が示しておりますのですね。これは全く県当局が机上の措置をしたのか、あるいは政治的な何か運動があったのかは、われわれ判断はまちまちでしたけれども、この県当局の態度というものが非常に私は不注意きわまるものだと思う。ああいう場合に、県の現場を処理なさるときの係員、担当官の人たちの処分というふうなものは、どういうふうになるのですか。全くわれわれは県当局の手落ちだと思います。うまいことだまされたと思いますね。また一度でも現場を見て、あの写真とつき合せたら、はっきりしたと思うのですがいかがでございましょうか。
#101
○説明員(小林行雄君) この事案につきましては、確かにただいま御指摘もございますように、県の方が被害の状況を調査するということを怠っておったように私どもも拝承いたしております。文部省といたしましても、大体従来は県の報告に基きまして予算の配分をいたしておったのでありますが、その後二十九年度、三十年度とできるだけ現地での調査を厳重にするということで、この高知県のこの事案の当時には、大体災害の一割程度を立会調査を行うという状況でございましたが、最近におきましては、六割ないし七割を大蔵省当局と立会査定をするというような方法に改めておるのであります。先ほどお尋ねのありましたように、その際の県の当局者の方が少しおかしいのじゃないかということでございますが、ただ文部省といたしましては、当時教育委員会と県との関係でございましたので、これを取り扱っておる担当の係員に対しましては非常に厳重に注意をして、今後高知県は、災害については、何と申しますか、ブラック・リストに載るというようなことに文部省としてはいたしておるわけであります。特に身分上の処置は私の方ではいたしておりません。
#102
○大谷贇雄君 会計検査院に一つお尋ねしたいのですが、七百六十七号から七百八十二号までの「公立諸学校施設整備に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの」、この中に調査をせられたものが全体の七%だ、それから金額においても七%だ、こういうことが出ておるのでございますが、これはあとのはまだそのままになっておるという意味なんですか。どうなんですか。
#103
○説明員(保岡豊君) 何分にも各都道府県全部参ることはできませんし、その行きました県でも全部の諸学校に行くことができませんので、その金額のパーセンテージを掲げたわけでございます。それでやはりその前にわれわれのほうで書類で検査いたしまして見当をつけまして、見なくちゃいけないという所に実地検査に行きました。で、ここに書いてありますのは、その実地検査に行きました。パーセンテージであります。それですから、あとの方は書面上で見たところでは、そう悪いとは思われない。またもしもそうである所は来年に行くということにしております。一年で各都道府県全部に参ることはできませんから、そういうわけでございます。
#104
○委員長(三浦義男君) ほかに御質疑ございませんか。ございませんければ、文部省の部会計検査院検査報告批難事項第七百六十三号から第七百八十六号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(三浦義男君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定をいたします。
 これをもって本日は終了いたします。次回は十二月四日火曜日午後一時から防衛庁の部について質疑を行います。では散会いたします。
   午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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