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1956/12/04 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第6号
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1956/12/04 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第6号

#1
第025回国会 決算委員会 第6号
昭和三十一年十二月四日(火曜日)
   午後二時十分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     三浦 義男君
   理事
           大谷 贇雄君
           中野 文門君
           久保  等君
           鈴木  一君
           奥 むめお君
   委員
           上原 正吉君
           白川 一雄君
           永野  護君
           西岡 ハル君
           平島 敏夫君
           吉江 勝保君
           島   清君
           高田なほ子君
           大竹平八郎君
  説明員
   防衛庁次長   増原 惠吉君
   防衛庁人事局長 加藤 陽三君
   防衛庁経理局長 北島 武雄君
   防衛庁装備局長 小山 雄二君
   防衛庁建設本部
   長       山田  誠君
   防衛庁調達実施
   本部契約部長  石井由太郎君
   会計検査院事務
   総局第二局長  保岡  豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十四
 回国会継続)
○昭和二十九年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○継続審査要求の件
○継続調査要求の件
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三浦義男君) ただいまから第六回決算委員会を開会いたします。
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 本日は、防衛庁の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第七号から第三十一号まででございます。ただいま御出席の方は、会計検査院第二局長保岡豊君、防衛庁次長増原惠吉君、人事局長加藤陽三君、経理局長北島武雄君、装備局長小山雄二君、調達庁実施本部長武内征平君、同じく契約部長石井由太郎君、経理局監査課長吉岡由吉君であります。
 本件につきましては、第二十四国会におきまして若干質疑を行いましたが、今回は国会も新たになりましたので、概略の説明をお願いいたします。
 まず、検査院から御説明を願います。
#3
○説明員(保岡豊君) 防衛庁の二十九年度決算検査の結果を説明いたしますと、まず、総括事項といたしまして、三十五ページの末行から述べてありますのが三つあります。一つは予算の繰り越しとその原因について、次は不当事項の一般的原因、最後に物資の現品と帳簿が一致していないことであります。予算の繰り越しは二百三十四億、原因は器材や艦船の設計がおくれたことなど、また、以下説明いたします不当事項の原因は、計画の検討が不十分なまま、取り急いで実行に移すことにあると思われるものが多いのであります。物品につきましては、最近に全国的に整理をおやりになりまして、その結果はまだ私ども承知いたしておりません。まず、工事でございますが、建設が急激に要請されましたためと存じますが、設計変更が多いので、相当な設計変更を、成規の手続をしないで、現場でやってしまっているもの、予定価格を正確に作成しない請負契約を締結したもの、その他手戻り工事、不経済工事などがあがっております。
 第七号でございますが、七号は、北海道の早来地区に燃料タンク十五基を建設、それにガソリン、軽油などを入れるのでありますが、これを有効に使用するために入れかえ設備を必要とすることは常識だと思いますが、これを考慮して工事を進めるべきであったのに、その考慮を欠いて別途に入れて、ポンプ室の建物まで作っているので不経済になったというのであります。
 次の八号は、弾薬庫のコンクリート工事で、コンクリートの配合につきまして、工事契約仕様書通り施行できないことはないのに、その通り施行しないで、契約金額を減額もせず支払ったものであります。
 次の九号は、同じく安平地区の弾薬庫の敷地の切り取りを部隊に依頼いたしまして、部隊施行したわけでありますが、切り過ぎたそのマイナスの工事に燃料を使い、またそれだけ埋め戻しがよけいかかったものであります。その土量の計算の基本となった設計は、建設部の設計でありまして、その設計通り施行すれば十万立米切り取りが少くて済んだものであります。
 それから次の十号は、松島の弾薬庫の工事でありますが、トンネル式の、二十九本のトンネルを堀ったもので、第一地方建設部で、十八本を三人の請負人にやらせたもの、引き続いて仙台建設部で十一本を前の三人の請負人に施行させたものですが、予定価格が正確に作られていないということであります。材料や労務の諸がかりは、標準がありまして、それを実情に合せていくわけでありますが、(ア)といたしまして、堀さく費で約二千万円、(イ)といたしまして、型ワクで計算の誤りがあって、これで約五百万、(ウ)といたしまして、コンクリート工事費で約七百万円が過大に積算されていて、全体で約三千五百万円が過大となっております。
 また書きの部分は、契約仕様書と違うことをして、そのままにしていたもの百万円を注意いたしまして減額したもの。なお書きは、仙台建設部の入札に当りまして、落札者が第一建設部の仕事をした二人の請負人に二十万円ずつ渡すという条件で入札させております。これは現場施行の失敗や設計のミスを隠してしまう不明朗な経理でありまして、金額のいかんにかかわらず忌むべきことと存じております。
 次の十一号は、今津部隊に対する給水工事の水源の問題であります。当局は琵琶湖の岸に井戸を堀りまして、砂の層を通って参ります湖水の水を取ろうとしたところが、陸から落ちてくる水が入ってしまって悪い水であった。それで本工事の前に調査工事を行なっているのだから水質の試験をしなかったのが原因で手戻りとなったものであります。
 次は、物件でありますが、さしあたり要らないものを買っているというものが十二号から十六号、陸上幕僚監部の方に余っているものを海幕、航幕で買っているもの、これが十七号と十八号であります。通信機などは性能の向上するもので、この遊休をそのまま使わないでおきますとだめになるおそれがあるし、こういう場合にはむだな買い物になってしまうおそれもあるというわけであります。この原因は、部隊の現況なり在庫なり、実際の必要度なりを十分把握しないで調達することにあると思われます。防衛庁の特殊事情といたしまして、アメリカから供与される物資の関係があります。それに対しては早期に把握に努め、ダブって国内調達をしないようにすることが必要ですが、希望したものが入ってこないで、希望しないものが入ってくることがよくあります。それが遊休品になることが多いのでありますが、その遊休品を利用することがまた必要であると思うのであります。それから在庫保有物品を含めて、在庫の保有数量を明確化することが必要であります。これが明確に把握されておりますと、不急な購入も少くなると存じます。
 十二号でありますが、十二号は、編成装備表に従って冷凍機の修理工具セットを購入したものでありますが、その冷凍機がない。冷凍機がないので、この買った工具セットがそのまま保管されているものであります。
 それから十三号は、二十トンセミトレーラーを六トン・プライムーバーで牽引するには、本件の購入いたしましたトーリー――連結車でありますが、これが必要であります。しかし二十トンセミトレーラーは六トン・トラックトラクターによって牽引するのが原則でありまして、購入当時、すでに編成定数が改訂されておりまして、トレーラーとトラクターが同数配備されているので、プライムーバーで牽引する必要がなく、従って連結車であるこのドーリーは不要であったというわけであります。
 次は十四号で、二十九年十月から十二月におきまして、三十年の一月から二月に必要な二万着の冬服と、三十一年に必要な五万着の冬服、計七万着を購入していますが、購入の前に、早晩米国から七万着が供与されることがわかっていたのでありますから、さしあたり必要な二万着は買うのもやむを得ませんが、五万着は差し控えるべきであった、こういう件であります。三十年の十一月現在ではその七万着分全量が保管されていた状態でありました。
 十五号は、赤外線警報器、これは弾薬庫の警戒用の目的で二十七年から五十台購入しておりますが、三十年九月までに二十九台が設置されたにすぎず、設置されたものは故障が続出の状態であります。弾薬庫工事の進捗とにらみ合せて、買い急がないで、またその設計につきましても十分研究して、現場に合うようにしないというところが不経済であります。
 十六号は、高周波線輪を、在庫、使用実績を勘案しないで買い過ぎをしまして、千二百個を購入したのでありますが、装備基準からいいましても二百二十四個を買えば十分だったわけであります。
 それから十七号は、四トンレッカー、これが陸上自衛隊で余って持っておりましたのでありますから、海上自衛隊、航空自衛隊用として購入しなくても、それを使えばよかったというものであります。
 十八号は、航空自衛隊として購入した中無線機、これが陸上自衛隊に余っている重無線機を簡単に調整して使用できるので、これを利用して節約すべきものと認めたのであります。本件の批難の要点は、過剰品を活用しないで、新規購入することは、予算の合理的使用でないということであります。
 それから次は、物資器材の規格の決定が当を得ないものというわけでありますが、これは十分研究しないで大量に注文して、それが使いものにならなかったというものは、前年度に比較いたしましてずいぶん減っております。高級な器材を国産で作りまして、この調達量も大量になるものでありますから、研究機関を活用いたしまして、試作、試験など十分検討して、実用に適することを見きわめてから大量に注文しないと不経済になる。また、不完全な仕様書によって契約するため、検収の際完全な品質試験が行えないで、検収が無意味なものとなってしまうこともあるという前文であります。
 十九号は、塗料のはく離剤の仕様書が、その仕様書に書いてあります文句が不備だったために、半年たたないうちに使いものにならなくなったというものであります。
 二十号は、機関銃の空包を発射する場合に要ります発射補助具でありますが、これをまだ研究が不十分なうちに千四百九十一組という大量発注いたしまして、これがだめなので、五百組に契約数を変えまして、単価を上げて買い取りまして、そのまま一応置いておきまして、研究を続けまして、これを改造して、ようやく使えるようにしたものであります。初めから研究の上作れば、三百十五万円節約できたというわけであります。この補助具の当初発注と前後いたしまして、これに対する空包を購入しておりますが、改造後のものには使えないので、むなしく保管されている状況であります。
 二十一号は、二十号の改造型に使える空包でありますが、この型ができないうちに購入いたしまして、大量在庫になっている。使えなくなった、ただいま申しました前例もあることで、こういう措置はよくないというわけであります。
 二十二号は、電動式のフォークリフトを弾薬庫に使用する目的で購入したところ、弾薬庫の状態に対して不適当なばかりでなく、フォークリフトで積むためにはパレットが必要でありますのにその準備がなくて、一方この機械を用いない、まくら木による集積方法によって集積する目的で大量にまくら木が購入されているという件であります。
 二十三号は、車両無線機用のバイブレーター、これは電源と電線機の間につけまして、変流、変圧するものでありますが、アメリカの仕様書の通り電源の電圧が六ボルト、十二ボルト、二十四ボルト、いずれでも使用できるようにしたものであります。しかし対象は二十四ボルトにきまっているので、その一部は三つに共通するように作る用意もいいのでありますが、全部切りかえできるようにする必要がないという件であります。
 二十四号は、年度末に至りまして、冬服を五月を納期といたしまして、業界の最盛操業中に発注したもので、予定価格を一着当り四百円増額して購入しておりますが、増額してまで急いで購入しなくてもよかったという件であります。
 二十五号は、ハラゾン錠――殺菌剤でありますが、ハラゾン錠の購入で、ハラゾン原末を輸入業者が一キログラム四千円で売っているのに、七万円と見込んでいるために高価となったというものであります。調査が十分でなかったと認められるものであります。
 二十六号は、ビーチ・エアークラフト製の航空機の発動機用の予価部品、これを伊藤忠から購入していますが、当時この部品のメーカーのコンチネンタル・モーターズの代理店、野崎産業の販売しているということを考えなかったため高く買ったというものであります。
 二十七号は、輸入品であるコンピューターを買うために、年度末に前金払いしておりますが、そう早く前金払いする必要はないというものであります。
 二十八号は、自動車エンジンの冷却水に添加いたします不凍液でありますが、納入品を調べると契約通りなっていないものがあった。
 なお書きの分は、携帯燃料も一年程度で使用にたえなくなったという件であります。
 次は用地の問題、三件でございますが、用地取得の問題であります。実際と評価要素が違っているということであります。所有者閥に著しき不均衡を生じているということ、この原因は、実地の検討が不十分で話し合いをつけてしまうということと思われます。
 二十九号は、北海道然別演習場用地二百五十万坪買収の問題でありますが、立木と採草の補償につきまして、立木の方を見ますと、薪材であるのに用材と評価したり、材積二千石を一万石と計上したり、クマザサの密生しておるところを採草地としたり、事実に基いて評価をしていないということであります。
 三十号は、旭川燃料弾薬庫、訓練場用地六十八万坪の買収のうち、半分の畑地として買収しておりますものを見ますと、坪で百三円から四百十円の開きがあります。こんなに違った原因は、農作物の種類別作付面積等について確実な資料を持たず、原野を畑地としたり、収入の多い作物の作付面積を実際より多くしたり、単位を間違えて百万円高くしたり、全然根拠のない金額を増したり減したり、従って所有者間にはなはだしい不均衡を生じているという件であります。
 三十一号は、新潟県の演習場用地二十五万坪を買収したものでありますが、開墾途上の畑地を普通の畑と同じ農業所得があるとして離作補償を払ったものであります。
 以上で説明を終ります。
#4
○委員長(三浦義男君) 次に、防衛庁から御説明を願います。
#5
○説明員(増原惠吉君) 長官がただいまおりませんので、かわりまして私から決算の概要を申し上げまして、会計検査院批難事項についての説明は経理局長から申し上げ、なお御質問にお答えすることにいたしたいと思います。昭和二十九年度の防衛庁予算、歳出総額は七百四十二億八千五百二十万八千円であります。これに前年度からの繰越金額二百五十七億一千五百九十一万五千円を加えますと、歳出予算現額は一千億百十二万三千円であります。この歳出予算現額のうち、支出済歳出額は七百七十九億四千六百五十二万八千円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますると、二百八十億五千四百九十五万五千円の減少となっております。右の減少額のうち、翌年度へ繰り越しいたしました金額は、財政法第十四条の三の規定による明許繰り越しによったものが二百十九億二千百一万六千円、財政法第四十二条ただし書きの規定によりますいわゆる事故繰り越しのものが十五億五千八百十二万八千円、合計、繰越総額は二百三十四億七千九百十五万四千円であります。不用となりましたものは四十五億七千五百四十四万一千円であります。
 この繰越額のうち、おもなるものは器材費で四十六億九千五百四十四万七千円、施設整備費で九十二億八千五百十六万七千円、艦船建造費で九十一億三千二十九万五千円でありますが、この繰越額の生じました理由の概要を申し上げますると、器材費につきましては、装備品の大部分は、一般市販品と異なり、特殊の規格、性能が要求されておりまして、わが国における製作経験が乏しいため、調達に際し規格の決定、仕様書の調製に慎重を期し、少数の試作による性能試験の結果を見て発注するように努めて参りましたので、発注までの準備段階に相当の日時を要するため契約が遅延したものであり、また、輸入品につきましては、輸出国側の生産事情、輸入手続等に意外の日子を要したことによるものであります。
 施設整備費につきましては、演習場などの取得に当り、用地の選定につき地元民の納得を得ること困難な場合が多く、また、その納得を得た後におきましても、価格の折衝に意外の日子を要したことであります。艦船建造費につきましては、戦後の空白期間を置いて初めて艦船の発注が行われましたため、要求性能の決定及び基本設計の作成に意外の日子を要したこと、一方米国から供与を受ける搭載兵器の引き渡しがおくれましたため、細目設計の作成に不測の日時を要したことなどに基くものであります。
 また、不用額のおもなものは、人件費で三十二億一千百七十二万八千円と、糧食費で四億三千九百四十八万一千円、特別退官退職手当で三億七千二百四十五万五千円、旅費で三億二千五百九万円でありますが、この不用額を生じました理由を申し上げますると、人件費につきましては、予算編成の前提とした定員の充足状況に比しその実行が若干おくれましたためであり、糧食費につきましては、右の定員の充足がおくれたことに伴うものであり、特別退官退職手当につきましては、予算に計上された陸曹などの満期除隊者が予想外に少なかったためであります。旅費につきましては、部隊の移駐が年度後半になったため、自衛官の家族を呼び寄せることが大部分新年度に繰り越されたこと及び船舶受取外国旅費につき、米国からの供与船舶の引き渡しが一時できなくなりましたことなどによるものであります。
 次に、会計検査院の昭和二十九年度決算検査報告におきまして、防衛庁として御指摘を受けましたものは、第七番以下第三十一番に至る二十五件でございます。大別いたしますると、ただいま御説明のありましたように、工事の施行に当って処置当を得ないというもの、不急の物品を購入したというもの、物資器材の規格の決定が当を得ないというもの、その他、調達計画が当を符ないというもの、及び用地の取得に当り処置当を得ないと認められるものということに相なっております。
 これらの案件の経緯につきましては、なお経理局長より補足御説明をいたし、御質問にお答えするつもりでありますが、昭和二十九年度におきましてこのような御指摘を受けましたことは、まことに遺憾しごくに存じております。御指摘の案件の中には、執行者、防衛庁といたしましては、一応事情のもっともと考えられるもの、または結果的に遺憾でありましたが、いろいろやむを得ない事情があったと考えておりまするものもございまするが、なお一そう冷静慎重に検討をいたしますれば、御指摘のようにさらに正確を期し得て、改善の余地があったかと存じます。
 長官は就任以来、官紀の粛正につきまして特に留意をされまして、機会あるごとに監督指導をされておるわけでございます。ことに経理の面につきましては、国民の尊い汗の結晶でありまする防衛庁予算の執行に当り、諸法規を順守し、一銭一厘といえどもこれをゆるがせにすることなく、最も効果的に使用するように戒めてこられておるわけでありまして、今回の会計検査院の御指摘を機会に、さらに反省をいたしまして、この趣旨を一そう徹底させるとともに、将来につきましては、再び過誤を繰り返さぬよう事務的の指導において万全を期していく所存でございます。
 なお、このたびの会計検査院の指摘事項につきましては、十分にその事実を究明いたしまして、処分すべきものにつきましては、それぞれの情状に応じ厳正に処分をいたしました次第でございます。
 なお、引き続き経理局長より御説明をいたします。
#6
○委員長(三浦義男君) 次に、補足説明をお願いいたします。北島経理局長。
#7
○説明員(北島武雄君) 会計検査院より昭和二十九年度の防衛庁の決算につきまして、不当事項として指摘せられました案件二十五件につきまして、一応の御説明を申し上げます。
 まず最初の分類は、「工事の施行にあたり処置当を得ないもの」というのであります。この最初の七番目の案件につきましては、御指摘は、燃料タンクにつきまして、最初から燃料入れかえ設備を作るようにしておいたならばよかったのに、あとになって追加工事をしたために不経済となったという御指摘でございますが、本件につきましては、実は当初室蘭に第一次の貯蔵施設、貯蔵所を置きまして、ここに主として船舶等で大量に輸送されました油を一時貯蔵いたしまして、それから第二次的に早来地区の給油施設に輸送するという構想であったわけでありますが、実は室蘭地区の貯蔵所につきましては、土地取得が困難となりまして、途中で中止になりましたので、あらためて早来地区の入れかえ設備を追加施工することにいたしたわけでございまして、そのために不経済の点に相なったのでございます。今後はこういう点につきましてさらに一そう十分な注意をいたしたいと存じます。
 八番は、コンクリートが設計と異なった配合比で施行されているのに、そのまま高い価格を支払ったという御指摘でございますが、実はこの弾薬庫の一部の部分におきましては、コンクリートが設計と異なった配合比で施行されているため、高価に支払ったような格好になっておりますが、この弾薬庫の工事の他の部分におきましては、逆に政府側が低く、安く支払っておるという格好にもなっておりまして、この工事全体を通じますれば、必ずしも御指摘のように高くはなっていないのじゃないかというふうに感じております。
 それから九番目でございますが、九番目は、弾薬庫の敷地造成工事につきまして、施設部隊で設計以上に大量に土を切り取りましたために、あとで余分に土をかけなければならなかったという御指摘でございますが、この点も実は外部に外注いたしますと、相当予算も高くなることでございますし、部隊の訓練をいたしまして、経費の節約にもなるという見積りで実施いたしたのでございますが、結果におきまして、隊員の施工技術の未熟のために、若干の余分の土を動かした結果になっておりまして、当初予定いたしましたほどの節約はできなかったのでございます。今後こういう点につきましては、技術の向上をはかりまして、指導の適切を期したいと考えておるのでございます。
 それから十番目は、弾薬庫の工事予定価格の積算に当って、調査不十分なため、過大に支払ったと認められるという御指摘であったと存じますが、この点につきましては、直接費の積算につきまして、検査院の御指摘のように、あるいは堀さく土工の歩がかり等に若干適格を欠く点もあったと思うのでありますが、他面、一般標準よりも低い諸経費を計上してあったことでもございますし、それからまた、本工事は当初八社ないし九社の指名競争に付したのでございますが、あるものについては三回の入札でようやく落札になり、あるものにつきましては三回入札せしめたがとうとう落札者がなくて、随意契約になったという関係もございまして、全体といたしましては、必ずしも過大な支払いになっておるのではないというふうに考えているのでございます。しかしながら、積算の基礎につきましては、検査院の御指摘の点も十分ごもっとものことでございますので、今後積算の基礎につきまして、さらに一そう十分慎重を期したいと、こう考えております。
 なお、検査院で、二回にわたり落札者からそれぞれ二十万円ずつ支払う条件で入札させ契約した事項について御指摘がございました。この点は正規の手続をとっておらないのでございまして、はなはだ遺憾でございます。今後かかることのないよう十分注意いたしたいと思います。
 十一番は、今津部隊の給排水工事の施工に当って、初めから水質の検査をちゃんとやっておけば、あとで手戻りしなかったであろうが、水質の検査をしなかったために余分な手戻りを生じたという御指摘でございますが、この点は、当初はこの工事は、琵琶湖の表面の水を直接導入する計画でございましたが、それよりも湖の水を良質な砂の層を通しまして水をとった方がより安全で、かつ安価であると考えまして施工いたしたのでありますが、何分にも琵琶湖よりも五メートルの水ぎわに作った井戸でございますので、それともう一つは、近所には良好な水質の井戸がございますので、実は非常な手ぬかりであったのでありますが、当然いい水が出るであろうと、こう思いまして、水質の調査を略した、これが実は非常な欠点になっておりまして、やってみたところが、かえってメタン・ガスの池から悪い水が出てきたというようなことになったのでございます。この点はまことに遺憾でございまして、今後十分注意いたしたいと存じます。なお、施工いたしました井戸は、取水井ということでなく、接合井ということで、琵琶湖の水からその井戸へ一ぺん持ってきてまして、そこで一応大まかな沈澱を行いまして、それから水を引くように使っております。
 次に、「不急の物品を購入したもの」というのが十二番から十八番まででありますが、十二番は、修理の対象もないのに修理工具だけ先に購入したという御注意であります。この点は、修理工具を購入いたしました当時は、実は冷凍保管部隊というものが編成される予定であったのでありますが、その冷凍保管部隊の整備、訓練等のために必要であるとして、まず工具セットだけ先に買ったのであります。実はあとになりまして検討の結果、編成を改めまして、冷凍保管部隊というものは編成しないということになりまして、検査院御指摘の通り、使用することなく、その当時保管しておったので、御指摘の通りで、まことに遺憾でございます。なおその後、本工具セットにつきましては、電気、ガス等の修理工具、そのほか本年になりまして、米国から冷凍車の供与を受けましたので、この方面の修理工具に使っております。
 それから十三番目は、車両装備の実情を検討しないまま不用のドーリーを購入したというものでございます。従来二十トン・セミトレーラーの牽引車には六トン・トラクターと、それからドーリー付プライムーバーというものの両方を併用することになっておりますので、本年購入当時におきましては、六トン・トラクターの使用というのを原則といたしまして、補給処関係部隊だけ補給処内の整備の必要上、ドーリーを付する編成装備に改めたため、本件を購入したのであります。その当時におきまして、この使用方法について十分な訓練をいたしておりませんので、会計検査院御指摘の状況にたりましたのは、まことに遺憾だと思っております。本装備の活用につきましては、十分検討いたしたいと思いまして、補給処等におきまして、できるだけこれを有効に活用するように指示いたしております。
 それから十四番目は、米軍から冬服が大量に供与されることになっておったのに、七万着の冬服を買ったのはむだじゃなかったかという御指摘でございますが、本件の冬服購入前に、米軍被服供与方につきましては、一応口頭で話はあったのでありますが、その時期、規格等については、極力情報の入手には努めましたが、MDAPの供与は、現実に実際に防衛庁に供与される面前でないと実は確定しない状態にありましたので、補給の確実を期するために、いろいろ迷ったのではございましたが、最後に買うよりほかにしようがないということで、七万着を買ったのでございます。この間につきましては、非常に不幸な事情だったと存じます。二十九年の七月ごろからいろいろ、口頭でございましたが、担当官を軍事援助顧問団の方に派遣いたしまして、常に連絡はとらしておったのでありますが、なかなか最後のどたんばになるまではわからない、その間に補給しなければならない時期が近づいたので、やむ得ず買ったものでございます。
 それか十五番目は、不急な赤外線警報器を購入したという御指摘でございました。昭和二十八年以降、米軍から大量の弾薬を受領することになったのでございますが、これを貯蔵する弾薬庫につきましては、用地、施設の取得等に関し、各方面との折衝を要する面が多くございました。具体的にはなかなか容易に決定に至らない状況でございましたが、一方、弾薬の受領期日は刻々と迫って参りますので、やむを得ず最も実現の可能性の確かだと思われる個所を予定して、赤外線警報器を発注したのでございます。しかるに不幸にいたしまして、用地の取得につきまして、それぞれ地元側の強硬な反対等によりまして、予期以上に遅延いたしたために、結果におきまして、赤外線警報器を購入いたしました時期と、実際に使用する時期との間に相当のズレも生ずるに至ったのでございまして、この点はまことに遺憾でございます。なお、当初相当故障が多くございましたが、これは取扱い者の未熟練等によるものでございますが、これらの故障につきましては、そのつど納入者をいたしまして無償で修理せしめまして、現在のところでは全数設置の上、支障なく使用いたしておる状況でございます。
 十六番目は、高周波線輪を過大に購入したというものでございますが、本件は調達の際に関係者の連絡が不十分のために、誤って過大に購入したのでございます。検査院の御指摘の通りでございまして、まことに遺憾でございます。今後はこのようなことのないように十分注意いたしたいと思います。
 十七番目は、四トン・レッカーを陸上自衛隊が余分に持っておるのに、海上、航空両自衛隊用として新たに購入したという御指摘でございますが、本件につきましては、購入当時の定数、それから保有量からいいますと、まさに会計検査院御指摘の通りでございますが、一方また当時、陸上自衛隊におきましては、十三万の人員から七五万に増勢する計画がございまして、一応政府部内におきましては十五万増勢がきまったときでございますので、年度を越せばすぐ十五万になる、十五万になれば、今の陸上自衛隊の保有数では足りないという事情にございましたので、海上、航空両自衛隊に保管転換をいたさなかったのでございます。
 それから十八番目は、これも無線機を陸上自衛隊が余分に持っておるのに、航空自衛隊として新たに購入したという御指摘でございますが、これは検査院の御指摘は、陸上自衛隊において重無線機を持っておるから、それに改造を加えて、航空自衛隊に保管転換して、航空自衛隊が中無線機として使用したらいいじゃないかという御指摘でございますが、航空自衛隊の方で必要な無線機は、単価は約百五十万円でございます。百五十万円のものに対しまして、たとえ改修を行なっても、陸上自衛隊で持っておる重無線機は、単価にいたしまして、米ドル一万二千ドル、約四百五十万円でございます。四百五十万円のものに八十万円見当の改修を加えて、そうして百五十万円の品に代用するということはいかがかと考えましたのと、一方、また陸上自衛隊の今後の増勢を考えますと、かりに保管転換したりすると、新たに八百万円程度のものを国産で買わなければならぬということにも相なりますので、結局保管転換を行わなかったのでございます。
 次は「物資器材の規格の決定当を得ないもの」というものが十九番から二十三番まででございます。
 十九番は、塗料はく離剤について、規格を仕様書でちゃんと指定しておけば、配合割合についても指定しておけばよかったのに、それをしなかったために使いものにならないで、あとになって変質するようなものを受け入れたという御指摘でございます。普通、塗料はく離剤としますと、このようなものにつきましては、配合を別に指定することなく購入しても、性能上大過ないのが普通でございまして、ブリキカンの使用ということも通例とされていたのでありますが、本件はたまたま一般製品と異なった配合であったために、予期し得ない結果を招致したのでございます。まことに遺憾でございます。本件の契約の利手方は、あとにも出て参りますが、悪質な業者でございましたので、たまたま一般競争契約によりましていたしましたために、このような業者が入りまして、特に安く入札いたしましたために落ちたという格好なのでございます。今後はこの塗料はく離剤につきましては、御指摘の点も十分考えまして、配合を指定するなど、万一、悪徳な業者の入るようなすきのないようにいたしたいと考えております。
 それから二十番は、実用に供することができない口径五〇空包発射補助具を大量に発注したということでございますが、これは空包による部隊訓練の必要なために、当時の研究段階では、技術的にも一応満足できた、技術的にどうにかこれでやれるということで一応購入したのでございますが、本来きわめて高度の技術を要するものでございましたために、結果におきまして、会計検査院御指摘のように手戻りを生じ、あるいはまた空包の跛行購入となったものでありまして、遺憾でございます。なおその後はこれを改造を完了いたしまして、全部活用いたしております。
 二十一は、二十番と関連するものでございますが、空包発射補助具がないのに大量の空包を購入したもの、これは訓練計画に当りまして、空包発射補助具を整備し、またこれに見合う空包の調達を考えたのでありますが、補助具の調達が遅延いたしましたことと、一部計画変更の結果、御指摘のように空包の調達が先にいったという結果になりましたので、遺憾でございますが、その後、補助具も購入されましたので、部隊の訓練に使用いたしまして、現在ではこれを全部使用済みでございます。
 二十一番でございますが、使用場所の検討が不十分なまま電動式フォークリフト等を購入したため不経済となったものであります。これも米軍からの緊急弾薬受領に関係するものでございますが、二十九年九月以降三十年六月までの間に米軍から十二万七千トンの弾薬を急拠引き取ることになりまして、そこで自衛隊といたしましては、人員、物資等を総動員いたしまして、何とかしてこの十二万七千トンの弾薬の受領に円滑を期したいと存じたために、この電動式フォークリフトを購入したのでございますが、結果におきまして、米軍弾薬庫の解除の交渉、それから応急貯蔵施設の建設などに忙殺されましたために、その電動フォークリフトの性能、用途につきましては、十分部隊の方に使用方法が徹底しておらないために、弾薬の緊急受領につきましては十分にこれを使用されなかったのでございまして、遺憾でございますが、これはフォークリフトは現在補給所におきまして遺憾なく全部活用いたしております。ただ、弾薬の緊急受領のために特に購入したものにつきまして、その緊急受領には十二分にお役に立たなかったということはまことに遺憾と考えますが、現在では補給処において、この貨物の上げ下げ、積みおろし等をいたして、遺憾なく活用いたしておる次第でございます。
 バイブレーター装置の入力電源の検討を欠いたため不経済となったものというものが二十三番でございます。これは器械の仕様基準についてできるだけ互換性というものを尊重して、留意して、性能及び装備の統一をはかる必要を考えまして、三段切りかえのものを購入したわけでありますが、会計検査院御指摘のように、全部これを三段切りかえにしなくてもいいじゃないかという御指摘について、十分うなずける点もございますので、今後の調達につきましては実情に適するようにさらに検討を加えたいと思います。
 二十四番は、調達計画が適切でなかったため高価な冬服を購入したという御指摘でございます。本件の冬服の調達は、実は二十八年度予算におきまして、当時までに更新不足となっておりましたものを充足するため行いましたもので、できるだけまあ二十八年度の会計年度内に調達しようと考えたのでございますが、また、当時の価格からすれば、この当時の市況からいたしまして高かったとは実は考えておらないのでございますが、ただこの購入の直前の二十八年十一月に非常に安く四千三百六十八円で購入いたしておる、それからまた二十九年の十月に四千二百十円で安く買っておりますので、この中に高いのがありますので目立つのでありますが、二十八年十一月の値段は、当事一般的に金融逼迫いたしておりまして、業者が売り急いだということと、それからもう一つは、防衛庁の繊維製品に対する調達の形式が変更される直前でございまして、その当時までは一般競争契約でございましたのを、二十九年の一月から指名競争にするということが内定いたしておりますので、業者といたしましては、これを売り急いで、非常に安く買えたという状況ではなかったかと考えております。
 それから二十五番目の、「ハラゾン錠の購入にあたり予定価格の積算が難を得ないもの」、予定価格の作成につきましては、厚生省について調査いたしたのでございます。当時薬事法によりまして、このハラゾン錠の製造許可を持っている業者は相手方の岩城製薬株式会社、もう一つ八洲化学、この二社だけでございました。それからまた当時米軍の払い下げ品は若干市中にあったようでありますが、輸入を承認された実績も、実は調査いたしたところないということでございましたので、当該指名競争入札者の見積価格を基礎といたしましたが、まあ米国の市価をも算定いたしたのであります。やってみまして、再入札いたしましても落札者がなく、またこの種製品の現在の市場価格から見まして、予定価格が御指摘のように高かったとは実は考えられないのでございます。今後の予定価格積算についても、御指摘の点も十分考慮に入れまして、十分完璧を期したいと考えております。
 それから二十六番は、「航空発動機予備部品の購入にあたり処置当を得ないもの」、野崎産業がコンチネンタル・モーターズ会社の代理店として販売権を有していたのであるから、しかも野崎産業の方が安いようであるから、それを両方入れたら安く買えたのではないか、こういう御指摘であります。実はこの問題になりますと、航空機はメンター練習機に関するものであります。この製造会社は米国のビーチ・エアークラフト会社でありますが、これを一手に代理店をしておりますのが伊藤忠商事、ところがビーチ・エアークラフトム会社製のメンター練習機の発動機用予備品を構成する各品目のメーカーは数十社ございますが、品目ごとにメーカーにつきまして購入するということは不可能でございますし、実際信頼度からいいまして、ビーチ・エアークラフトが一切の責任を有するのでございますので、予備発動機及び発動機予備部品を含むすべての予備部品は、すべてビーチ・エアークラフト会社の資料を基礎として、同社から購入するということにいたしたのであります。それからまた個々の部品の品質を確保するためにも、ビーチ・エアークラフト会社が検査して、技術的に保証したものを購入することが、当時としては最も適当と考えたのでございましたが、その後、実はコンチネンタル・モーターズ会社の発動機の国産化計画が具体化して参りまして、それに伴ってこの予備発動機を野崎産業から購入すれば、価格が若干安くなるということがわかったのであります。そこで伊藤忠商事を介しまして、契約締結後ではございましたが、相手方のビーチ・エアークラフト会社と強力に交渉いたしまして、予備発動機につきましては特に値下げを行わせることに成功したのでございますが、発動機予備部品の点については、相手方のビーチ・エアークラフトに相当額の解約料を支払わなければならないということになりましたので、値下げは断念するはかなかったのでございます。まあ以上のような状況でございまして、当時としてはやむを得ない措置ではなかったかと考えるのでございます。
 二十七番は、輸入品の購入に当りまして、その必要がないのに年度末において全額前金払いをしたものというのでございますが、これは会計検査院御指摘の通りでありまして、まことに遺憾でございますが、なお前金払いによりまして得ました業者の金利額につきましては、ことしの一月、これを返納いたさせまして収納いたしております。
 二十八番は、不適格な不凍液を検収したというものでございます。これは実は検収のときにおきましては、確かにその現物は合格しておったのでありますが、業者の不信行為によりまして、現場においてすりかえられておったように存ずるのであります。まあ従来もこういうものにつきましては抜き取り検査でやって支障なかったのでありますが、たまたま先ほど申し上げましたような業者でございまして、検査に出したものと、それから実際に各部隊へ入れたものと違っておったのではないか、そういう疑いがございます。そこで本件につきましては、債務不履行による損害賠償の権利を有するものと考えまして、法務省と打ち合せまして、民事訴訟まで考えたのでありますが、そのうちに相手方が和解を申し入れまして、結局本年の五月に和解成立いたしまして、政府の債権額約三百四十万円のうち、百万円は直ちに支払い、あとは月賦で払うということになりまして、和解をすることにいたしました。
 次は、「用地の取得にあたり処置当を得ないと認められるもの」、二十九番は、然別演習場の用地でございます。これは買収前は河東郡鹿追村から借りておりたのでありますが、二十八年の八月に至りまして、二十八年度末で貸借使用の打ち切り、そこで買収してくれ、買収してくれなければもう打ち切るということで、強硬な要求がありまして、二十八年の十二月にこの土地の取得方針を決定いたしまして、買収に着手したのでありますが、何分短時日に買収しなきゃならなかったために、結果におきましてある程度総額が増加ということになりました。従いましてその内訳につきましては、検査院御指摘のような不手ぎわの点も出て参ったのであります。当時の状況におきましては不手ぎわではございましたが、この程度の金を支払わないと契約が妥結できなかったというような状況でございました。
 三十番目は、旭川の弾薬庫及び訓練場の用地の問題でございますが、これは米軍から弾薬を早く引き取るようにという要求を受けまして、早急に弾薬庫を設置しなければならないこととなったのでありますが、地元側との折衝に際しまして強硬な反対にあいまして、やっと交渉の直前において初めて測量が可能となったというような実情でございまして、実際の交渉の途上におきまして、必ずしも十分な資料に基くことができませず、またさらに地元側は代表者による価格折衡を拒否いたしましたために、やむを得ず個人別交渉によりましたのでございます。総額におきましては、ほぼ適正な線を譲らなかったつもりではございますが、各人の補償の算定に当りましては、一部分検査院御指摘のような不均衡を生じた面もございます。当時の情勢上やむを得なかったにいたすにせよ、まことに遺憾でありまして、今後はこのようなことのないように十分注意をいたすつもりでございます。
 三十一番目は、新潟県の大日原演習場用地の問題でございますが、これは検査院御指摘の通りに、開墾状態がやや劣る三万坪がありましたために、平均の坪当りを低く見まして買ったというつもりではございますが、従いまして、全体としては必ずしも過大な評価にはなっていないというふうには考えるのでありますが、事務の処理上不十分な点がございました。この点はまことに遺憾だと思うのであります。今後は十分注意をいたします。
 なお二十九年度の決算につきまして、ただいままでに御指摘がございました二十五件につきましては、実情を十分に究明いたしまして、そのうち十七件につきまして人事処分を行いました。その内訳は、免職一人、減給一人、戒告五人、訓戒十八人、注意十一人、なお被処分者退職のため、不処分に終りました者二人でございます。
#8
○委員長(三浦義男君) 以上をもって説明は終りました。御質疑のある方は願次御発言をお願いします。
#9
○島清君 防衛庁側の使用になっておられる兵器の大半はアメリカ側から貸与されたものなんですが、防衛庁側の器材の購入に関連いたしまして、国内で購入されますものと、外国から購入をされますものの比率はどうなっておりますか。この不正事実として摘発されておる面についてかなり外国品が――日本の商社を通じてではございまするけれども、外国品が使用されておるようですが、この年間を通じての購入物資の比率はどうなっておりますか。
#10
○説明員(増原惠吉君) 現在自衛隊が使っておりまするもので、何と申しますか、火器類というものは、ほとんど全部を米国側から供与もしくは貸与になっております。こういうものは現在までのところ、大体買っておるものはほんのごく一部で、大体はもらうか借りるかという形のものでございます。その他のものは、車両類等は大部分わが方で買いました、日本の国産品を。その後また向うの方でくれるということになりまして、車両等も向うからもらいましたが、これは買ったものはございません。ここに出ておりまするものは、たとえばメンターというようなものは、これは実は今、国産という形でおるのでありますが、国産の最初の段階においては大部分の部品を向うから買ったが、だんだん国産部品ができて、今機体などはほとんど百パーセント近く国産になっておる。その途上においてこういうふうな行き違いが起った。現在向うから買っておりますものは――あとは他の係から御説明いたさせますが、向うから買いまするものは、火器類としてはごく例外的のもので、技術研究の資料として買うというふうなものが主たるものになります。なお細部は別の者から……。
#11
○説明員(小山雄二君) 次長から一般的に御説明いたしましたが、この数字的にとって申しますと、正確な数字はございませんし、また火器とおっしゃいましたが、その各種目の範囲をどうとるかということでありますが、国内で調達しますものは、三十年度で約三百四十億ばかり、そのうち輸入に待つものは二十五億程度、この程度の割合になっております。それ以外にも米国側の相互援助協定による供与、それから先ほど次長の申しましたように共同で国産にする、こういうものがそのほかにございます。
#12
○島清君 私がお尋ねをしましたのは、火器に限定をしたのではなくして、一つの例として、今防衛庁が持っておられる兵器の大半はアメリカから貸与、もしくは供与されたものであるが、今、防衛庁の方で購入をされまする物資で、国内から購入されるもの、外国から購入されるものの比率はどうなっておるか、こういうことをお聞きしたわけです。火器に限定しないで御説明を願いたいと思います。
#13
○説明員(小山雄二君) 今申しましたように、国内で調達しますものが約三百四十億、国産品約三百十五億、輸入が二十五億程度、こういう割合になっております。
#14
○島清君 その外国品というものは、もちろん日本の商社を通じて購入されるものでしょうね。
#15
○説明員(石井由太郎君) 大部分は関係の商社を通じて輸入いたしております。しかしながら、航空機でございますとか、あるいは魚雷艇でございますとか、こういうような特殊な商業性に乏しいものにつきましては、直接外国の製造業者と契約して輸入してあるものもございます。
#16
○島清君 それで総括いたしまして二十五億、こういうわけでございますね。
#17
○説明員(石井由太郎君) 三十年度におきまして、私どもが輸入するために外貨の割当証明書を発給いたしましたものが二百六十八件、二十六億四千万円ということに相なっております。これは調達総数量が三百四十八億でございますので、約八%程度に相なるわけであります。
#18
○島清君 今、会計検査院の方から御指摘になりました数十件のうちで、増原次長は鞠躬如とされて、非常に反省の御色が深かったようですが、その次にお立ちになりました御説明では、あるものは言葉巧みに否定され、あるものはまた、これができた理由というものは不幸であるというふうな表現で、ほとんど全部に近いほど会計検査院の御指摘の方が正当でないのだというように、とればとれるような説明のようでございましたが、私たちが今その説明を承わりまして、非常に理解に苦しみますることは、これは先国会でございましたか、中古エンジンの問題で国会で問題になり、さらに世論等の指弾を受けましたときにも、それが数日たちましてから、何か防衛庁の方は、あれは当然である、ちっとも不正はないのだ、間違いもないのだというような、正当性を証明づけるような声明をいつか発表されたことを新聞などで私は拝見したわけなんですが、そういったような防衛庁に対しまする認識でこの指摘されたものを見まするというと、たとえばアメリカの方から服を何万着ですか、供与するというような報道、あるいはまた時が経過いたしましたら、文書でそういうものが通達されておるにもかかわらず、その後に物資を購入され、あるいは自由契約あるいはまた競争入札というようなことでやられておるのですが、このことについても、何か会計検査院の方の摘発の方が正当でないのだというような否定的な言を、不幸な事実であったと言うて、むしろ責任を他の客観的な情勢に転嫁されるような御説明があったわけですが、これについては、あらためてその説明をお聞きになりました会計検査院としては、その御説明をそのまま御承認になるのかどうか、もう一ぺん一つ御説明を承わりたいと思います。
#19
○説明員(保岡豊君) 会計検査院といたしましては、その批難のポイント、要点というものを資料によって確実に握っておりまして、それで批難しておるわけであります。今の例としておあげになりました冬服の問題、これはなるほど、いつくるか、きてみなければわからないということでありますがゆえに、そのすぐ、要ります、来年の一月、二月ごろに要りますものは、それは二万着分はお買いになるのはけっこうでありますと、そう書いてあるはずでございます。あとの五万着は、三十一年の更新分であるから、これは買い方として、二十九年度、三十年度にお買いになる方法もありましょうけれども、こういうふうな情勢にあるのだから、それはちょっと様子を見ていたらいいじゃないか、こういうつもりでこの冬服の件については批難をいたしたわけであります。
#20
○久保等君 今のに関連してちょっと一つお伺いしたいと思うのですが、まあアメリカから――今の冬服の問題にしてもそうですし、そのほか先ほど指摘されておりまする中にも、特にアメリカ関係の供与物なり、あるいはまた貸与物なり相当火器等で多いようでありますが、まあそれらの問題が何か、先ほどの御答弁を伺っておりましても、不可抗力的な一つの事態の発生によって無用にダブって国内で調達をされたというようなふうに御説明があったのです。そこで特に防衛計画を作られることについても、アメリカと非常に緊密な連係をしながら実際の防衛計画が立てられているのじゃないかと思うのですが、しかし、やはり防衛計画そのものは、何といっても日本の自主的な判断と計画、これが主眼でなければならぬと思うのですが、こういう防衛計画に基く所要の物資が、きわめて連絡が十分にとられておらないというようなことについて、現にこういった具体的な指摘事項が数件あがっておるのですが、こういう点について、先ほどの御説明のように、どうも事情としてやむを得なかったのだという程度の説明では、年々歳々こういったような問題があとを絶たないのじゃないか。しかもその数量といい金額といい、きわめて莫大なものが、非常に不急であり、あるいは不要であるといったようなものが調達せられるというようなことは、非常にこれは遺憾千万なことだと思うのですが、対米関係の問題について、特にこういった点のそごのないようにしようというようなことを、防衛庁として物資調達の面から、われわれにある程度安心感を与えるような御説明は願えないものかどうか。一体、自衛隊の計画そのものが、単に物資のみならず、諸般の計画そのものが、やはり自主的に私は計画されなきゃならぬと思うのです。それが他の方からごっそり品物が入ってくる。それと相前後してこちらの方でも調達するというような、いかにもジグザグなやり方自体について非常に大きな不安を覚えるのですが、こういった点についてどんなふうな改善の方針を持っておられるか、お伺いしたいと思います。
#21
○説明員(増原惠吉君) ごもっともな御質問でございまして、現在私どもがやっておりまするのは、まあだんだんそういう点も改善をいたしておるのでございまするが、たとえば昭和三十一年度にわが方で自衛隊の整備増強なり整備計画をいたしまする際は、三十年の七、八月のころに大体の計画を立てまして、まだ予算がきまらない前でございます。大体の計画を立てまして、その計画に見合う要求書を米国に提出をいたすのでございます。これに基きまして米国の方では、可能なものを供与あるいは貸与をしてくれるというふうなことになりまして、これは年々だんだんと正確に改善をされておるのでございます。ただ米国側としても、大体の事柄は、大体要求のものを上げられるというふうなことは口頭で申してくれますが、何を幾らくれるということは、向うの方も予算がきまりまして、それも予算配分が――まあ世界各国にいろいろ供与、貸与いたしておる関係上、予算が七月にきまりまして、あと正確に確定をするのが大体十二月ころになるのが普通であります。その時分になって初めて文書をもって、何々をいつごろ上げるということを知らしてくれるわけです。文書が参りますと、これは確実でありまするが、それまでは、しかし私どもの方ものんべんと待っていられなくて、いろいろ口頭の連絡をもって、計画を具体化していかざるを得ないというふうな悩みがあるわけであります。しかし大体のことは動かないで、口頭で連絡してもらったところで片づいていくというのが現在の実情でございます。
 冬服の問題は、御指摘を受けまして、まことに遺憾に思いまするが、これは従来、あるいは将来においても供与されるような品目には実はなかった。将来もないものでありますが、ちょうど米軍側で服制の改正をするというような時期に際会しましたために、向う側の非常な好意で、われわれが、実はくれろということを要求をする項目にはなかったのでありますが、向うの方で、製品と原反と半々ずつくらい、あわせて七十万着くらいのものを、最初は若干安くするから有償で買わないかというような話が、この問題の七月ころにあったわけです。私どもの方では、買う予算はないので、初めは、それは多少安く売ってもらっても、予算がないからということで、残念ながらお断わりをしておったのが、その後になって、私どもも、ただでくれないかということを口頭で話をしておるうちに、向うで、それではただで上げようとい今ふうに変って参りました。で、口頭連絡があったのでありまするが、そういう種類のものでありましたために、いつ何着くれるというふうなことが確定をいたしません。それで私どもの方では、補給の確実を期するために買いましたのでありまするが、買う手続をしましたあとで、割合に早く確定をして通知をくれ、引き続いて漸次現物をもらったというふうなことになりまして、こういうふうな行き違いを生じたのであります。これは会計検査院の御指摘もありまするように、なお情報を得るために最善を尽す余地は、私どもとしても将来尽さなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
#22
○久保等君 私、防衛庁の問題については、きょうは若干総括的な質問だけにとどめて、二三御質問したいと思うのですが、防衛庁のこの決算報告を見て、まず第一に痛感されることは、非常に莫大な翌年度への繰り越しがあるわけなんです。この問題については、もちろんそれぞれ事情はあるにいたしましても、二十九年度から三十年度に繰り越された繰越纈の二百三十四億といった数字がここに書かれてあるのですが、前年度と比べても五十歩百歩といった莫大な金額が繰り越しになっておるわけなんですが、こういったようなことは、もちろん予算を厳正に執行しなければならぬという立場から考えても、非常にこれは二面からいえばルーズな予算を作っておったということが結果的にいえると思うのですが、防衛庁の特殊事情もあるでありましょうが、こういう形を毎年繰り返していくということは、私はやはり予算執行面からいろいろ考えなければならぬ問題があるのじゃないか。二十九年度の繰越額は一応わかっているのですが、二十九年度から三十年度、三十年度から三十一年度、本年度に繰り越された繰越額はどのくらいですか。
#23
○説明員(北島武雄君) 二百二十八億円であります。
#24
○久保等君 そうしてみると、やはり大体二十九年度から三十年度への繰越額、これまた金額においてほぼ同額程度になっておりますが、私、最初に御質問いたしましたように、こういった繰越額が出てくるということは、見方によっては、そういう予算は当然翌年度に計上すべきもので、その年に何も支出見込みを立てて計上しなくてもよかったというような見方も成り立つと思うのでありますが、こういったことについて防衛庁ではどういうふうにお考えになっておりますか。
#25
○説明員(増原惠吉君) まことにごもっともでございまして、私どももこの繰り越しの生じますることについては、十分にその事実を究明したり、反省をいたしたりしておるわけでございます。事由の概要は、先ほど説明をした際に、あるいはさようなことを申し上げておったわけであります。たとえば、警備艇を作るというような問題になりますと、これは現在のところは一部分を予算に組んでいただき、一部分を予算外国庫負担ということで、いわゆる予算外契約の形で組むことになっております。これはそういうことで十分できるという見込みを政府として当時はつけて予算をお願いしたわけでありますが、第一艦を作りました際は非常に延びましたが、第二艦の場合もやはりどうしても予期の通り参りませんで繰り越しという形を生じました。三十一年度は、潜水艦をお願いする際には継続費としてお認めを願うようにして予算の御議決をいただいたのであります。従来継続費の設定につきましては、戦後の予算編成上は、これをなるべくやらないという形が政府として大体とられておるのでありますが、私どもとしても、当時としてこの事情を検討した上で十分いけるだろうという見込みでやりましたのが、繰り越しを生ずるというようなことに相なったものがあるわけであります。
 もう一つは、演習場、その他土地を購入いたしまするものが非常に多いのでございますが、これは現在の事情では土地の購入が困難でございます。これはもちろん予算を持っておりまして、現実に価格の折衝をいたしませんと話がつかないわけでありますが、まず、話が価格の折衝に入るまでに、もうほとんど例外なく相当の日子を要し、いよいよそれでは価格の話に入ろうということになりましてから、また非常に長い日子を要する。場所によりましては、ぜひ部隊に来てくれという誘致がありまして、関係の土地を持っておる方々が、そのようなところは適正な値段で売り渡してやるという約束をしていただいて、誘致をしていただいて、いよいよ土地を買おうとして値段の折衝をやりますと、六カ月も七カ月もかかるというようなものがあるというようなことで、実は大へん苦慮いたしておるのであります。こういうものは、しかし仰せの通り、やはり現在の予算の組み方としましては、繰り越しを極力少くするように努力をいたすべきことは、私どもとして当然でございますので、その点はさらによく検討を加えまして、予算の編成の形として、繰り越しをなるべく少くするように三十二年度予算を編成する際には十分配慮をして参りたいというように考えております。
#26
○久保等君 ただいま申し上げたような指摘事項と同時にまた半面、会計検査院でもはっきりしておることなんですが、非常に十分に積算等の点を検討しないで、取り急いで実施に移す傾向が非常に強いと、また、そのことによって出ておるいろいろ不当事項の指摘もあるわけでございますが、そういう面と、それからただいま申し上げました非常に多額に上る繰越額が片方においてはある点と、両者ながめてみますると、何かやはり過大の予算の編成を金額の一面から考えてやっておるのではないかという、一般的な常識的な判断も成り立つかと思うのですが、ただいまの二十九年度のみならず、三十年度の場合においても、ほぼ同額の二百億余のここに繰越額が出ておるということは、現実の面で、かりに二百億余の繰越額を除いた、現に支出をしてしまったそのものの使用方についても、非常にずさんな点が多々あるような現状から考えますると、少くとも繰越額程度のもの、しかもこれが何年度か、ずっと一つの傾向をながめてみますと、今日二百億から二百五十億前後の金額というものは、年に、やはり今日の今の防衛庁の現勢からするならば、やはり過当に、過大に予算が組まれておるのではないかという実は気もするわけなのですが、その点についてはどうですか。
#27
○説明員(増原惠吉君) 現実に繰り越しを生じておることでございますので、そういう御意見のありますことは、まことに私ども残念に存じまするが、予算の積算その他がずさんであるということは、私どもはないと考えております。繰り越しを生じまするのは、先ほど大ざっぱな説明で申し上げましたように、企画の新しいものについては、試作をして、そうして本製品を作るというような、手続を経ることが適当であって、そのために契約ができない、いろいろと慎重にできるだけ考えましてやっておって、そのために繰り越しを生ずるというものがあるわけであり、土地などは、先ほど申し上げたような事情である。何しろ防衛庁としては、市販にない、新しい企画のものを作るというようなものが大小いろいろありまするので、これは慎重にその手続をやっておるために繰り越しを生ずる。予算がだぶついておるから繰り越しが生ずるということではないと考えておるわけであります。御指摘を受けましたものの中には、事前の諸計画の検討が非常に慎重を欠いたというようなものがありますことは、まことに遺憾でございますが、将来はそういうことのないように十分戒心をいたしておるわけでございます。そうして繰り越しをなからしめるような予算の組み方をはかっていくということについては、十分の努力をいたすつもりでおります。
#28
○久保等君 今の繰越額の問題と同時に、さらにまた不用額の金額を見ましても、これまた相当の金額に上って、特に二十九年度の場合には四十五億円余りという金額になっておるのですが、これはまあ予定通り隊員の充足ができなかったというところに一番大きな原因があるような御説明もあるようでありますが、この点は一体どういうふうに防衛庁の方でお考えになっておるのか。非常に隊員の募集そのものがいわば頭打ちになって、非常に困難を来たしておる。従って思ったように隊員の充足ができないということだと思うのですが、その問題について防衛庁としてはどういう点から困難があるとお考えになっておるのか、承わりたいと思うのです。
#29
○説明員(加藤陽三君) ただいまお尋ねがございました人件費の不用額のことでございますが、これは主として施設の関係で、予定の通り採用をいたしましても入れる場所がないというようなことから起りましたものがおもな原因でございます。隊員の応募状況の方につきましては、二十九年度は、陸上自衛隊の一般隊員は四万四千三百六名採用いたしたのでございますが、これに対しまして十二万九百二十六名、約二・七倍の応募者がございます。海上自衛隊の方は五千二百五十五名の採用に対しまして、二万八千九百五十九名、五・五倍、航空自衛隊の方は、千三百二十名の採用に対しまして三万五百四十九名、十七倍というような応募状況になっております。昭和三十年度につきましても同様でございまして、陸上三万一千九十一名の採用に対しまして十二万五千六百七十八名、約四倍、海上は三千九十五名の採用に対しまして三万二千七百五名、十倍、航空も二千二百五十九名の採用に対しまして四万三千七十三名、約十九倍という数になっております。
#30
○久保等君 この人員の充足が、そういった施設ができなかったので、思うように隊員を入れることができなかったという御説明なんですが、こういう問題は、ひとり二十九年度のみに限られないのじゃないかと思うのですが、三十年度はどんなふうになっておりますか。
#31
○説明員(北島武雄君) 三十年度の不用額のうち、人件費関係が二十一億円であります。昭和二十九年度の不用額は四十五億七千五百万円でございます。そのうち二十九年度におきまして人件費の不用といたしましたものが四十四億三千八百万円、ほとんど全部人件費でございます。三十年度におきましては、不用の総額四十八億八千五百万円でございます。そのうち人件費関係が二十一億六百万円でございます。その他は器材費関係で十六億円余、米国から供与を予定いたしておりました海上自衛隊の航空機が供与されなかったためによる不用額、その他調達の契約の我等を合せてただいまのような金額になっております。
#32
○久保等君 三十年度においても相当の不用額が出ておると思うのですが、こういった問題について、こういう事態の起らないように何か適切な対策なり方法を考えておられるのかどうか。これもまた金額の多少出入りはあるとしても、毎年こういった相当な金額になるわけですが、やはり不用額としてこれらを計上されていくというようなことも、いわゆる予算の編成という面から見て、大きな問題じゃないかと私は思うのですが、具体的な何か対策等がございますればお伺いしたいと思うのですが。
#33
○説婦負員(北島武雄君) ただいままでのところ、防衛庁関係の不用額は、その相当部分が人件費であります。人件費につきましては、先ほど人事局長が御説明のように、ある場合においては、時期的に施設が間に合わなかったというふうな関係でもっておくれている点もございます。やはり要は、人件費の単価をほんとうにきちんと積算する点でございます。それとほんとうの安全、何といいますか、ぎりぎりのところを見込んで人件費を組むのが適当であろうかと存じます。防衛庁におきましても、人件費につきまして不用額が出るということは、非常に申しわけないとともに、実はもったいないとも考えておるのでございます。こういう点につきましても、さらに一そう積算を的確にいたしたいのでございますが、ただ、何分にも人件費につきましては、非常に大きな人員でございますので、ちょっと遠慮いたしますとぐっと少くなる、ちょっとこの程度は大丈夫だと思ってやりますと足りなくなる。結局人件費において不足を生じたら一大事でありますので、俸給、給与その他の支払いができなくなりますことは一大事でありますので、できるだけ予算の範囲内において入隊の日取りなども多少安全度を見て入隊さしておるというような状態から、人件費がある程度不用額が出る傾向にございます。しかしこういう点につきましては、できるだけ現存の隊員の給与の基準、今後の入隊見込みの数などを的確に把握いたしまして、開差を少くいたしたいと考えております。
#34
○高田なほ子君 関連してお尋ねをいたします。ただいまの人件費の不用額のことについて、るる御説明があり、またその趣旨の御説明は御説明としては受け取れるわけです。今度の三十二年度の防衛庁の予算の中にも、やはり相当の人員の増加が要求されておるようです。陸上自衛隊が一万五千増加でしたか、これはちょっと正確な記憶はありませんが、海上自衛隊、それから航空自衛隊のそれぞれ相当の人員の増加が今度要求されておるようでありますが、ただいまの御反省に基く要求額であるのか、ただ計算の基礎として便宜的に要求されておるのか、三十二年度とただいまの御説明との関連を詳しく御説明いただきたいと思います。
#35
○説明員(北島武雄君) 三十二年度の概算要求におきましては、陸上自衛隊二万増勢を目途といたしまして大蔵省に予算要求いたしておりますが、充足率につきましては、従来の実績にかんがみまして充足率を多少減らしまして、不用額はこの程度ならほとんどないであろうという率をもって計算いたしております。
#36
○高田なほ子君 そういたしますと、三十二年度の要求額の結果は、こういうふうな今までの轍を繰り返さないという確信のもとにおける要求額だということですか。
#37
○説明員(北島武雄君) 私どもといたしましては、そのつもりで要求いたしております。
#38
○高田なほ子君 そういうつもりでありましても、実にこの二十七、二十八、二十九、三十年の今までの経緯からいうと、今まででも相当御注意なされたにかかわらず、こういうことが毎度繰り返されておることに対して、先ほどから久保委員がしきりと追及なさっておるわけですが、突っ込んでお伺いいたしますと、アメリカとの関係において、防衛分担金の削減の場合に、その総額の二分の一を削減するというその原則を確保するために、こういう架空の予算を組まれているのではないかというように私は推察する。政治的な予算なのか、もしそれが政治的な予算であるとするならば、私は非常に大きな問題ではないかと思うのです。つまり先ほど御説明がありましたが、三十年度の繰り越し二百二十八億というように御指摘になりましたが、一口に二百二十八億といっても、今ちょっと私が鉛筆で計算してみると、一時間に二百六十余万円ずつ使って、二十四時間ぶっ通し使ってもこれは一年間使えるというような実に膨大な金です。こういう貧乏な困りきっている日本の経済の中で、こういう多額の不用なものがただ理由なく組まれているということについては、やっぱり一点の疑義をはさまざるを得ない。もしそれが、政治的なかけ引きであるというのはちょっと語弊があるかもしれないが、防衛分担金の削減に対する一つの措置として、こういうことが組まれているというならば、これはまた話し方があると思うのですが、この点はどういうふうでありますか、お伺いいたします。
#39
○説明員(増原惠吉君) 防衛分担金削減のいわゆる一般方式、防衛関係費の前年度比増加額の半ばを分担金から削減しようという方式は、今年の予算が三十一年度の予算を目途にして米国側が納得をした方式でございます。三十二年度はこれに基いてということはあり得ますが、三十一年度については予算額に基いて米国側が納得をした分担金方式ということでありまして、分担金削減方式に基いた政治的な予算であるということはないと思います。
#40
○高田なほ子君 それならば今までのこういう三十二億、十四億、四十五億、四十八億というように二十七年度以来の数字を見ると、実に想像にありあまるほどの人件費が余っている、これに対する御説明が先ほどからるるありましたが、隊員を入れることができないために、こういうのが余ったというような御説明ですが、そうすると今度要求された予算というものは、隊員を入れることが十分できるという予想のもとに組まれているのか、私がこの予算関係と決算の問題等をここでしつつこくお尋ねをするのは、やはりその根拠のある予算というものを組まなければ、絶えずこういうことが繰り返されていっている。防衛庁の予算に対する疑惑というものは、単にわれわれ決算委員の立場にあるものだけではなくて、一般国民の間の疑惑というものは、やはり非常に大きいわけであります。従ってこの三十二年度の要求額は、確実に隊員を入れる施設ができているという見通しの上に立っての要求であるのかどうか、この点をもう一点尋ねたいのです。
#41
○説明員(北島武雄君) 人件費につきましては、先ほど御説明いたしましたように、実は昭和二十九年度のとき巨額の不用額を出しまして、これではならじというわけで、三十一年度予算の編成の際には充足率をぐっと低く見まして編成いたしました。その結末、三十一年度、本年度の予算の執行の過程におきましては、ほとんど人件費につきましては私は不用は生じない、生じましても、きわめて少いのではなかろうかと考えております。三十二年度の概算要求につきましても、同様な趣旨によりまして、人件質につきまして極力不用額が出ないような積算方法でもって大蔵省に要求いたしておりますので、人件費につきまして防衛庁の概算要求額がかりにそのまま認められたにいたしましても、私は不用額はさほどただいままでのようなことはなかろうと信じておる次第でございます。
#42
○高田なほ子君 そういたしますと、三十年度のこの人件費の不用額二十一億というものの内訳は一体職員の方なのか、あるいは自衛隊の方なのか、その内訳をもう少し詳しく説明していただきたいのですがね。
#43
○説明員(北島武雄君) 三十年度の人件費の不用額は二十一億六百万円でございますが、この人件費の内容は俸給その他の一般の給与のほかに、旅費とそれから糧食費、糧食費は物件費と考えるのがあるいはいいのかもしれませんが、自衛隊におきましては糧食費はやはり人件費的に考えた方がよかろうというふうに考えまして、人件費の中に入れております。この二十一億六百万円の内訳といたしましては、俸給その他の直接隊員に現金で渡るものの不用額が十五億三千百万円でございます。それから糧食費、これは充足が遅れますので、従って隊内で食わせる食費、食べさせる食費が少くて済んだのです。これが四億四千九百万円、そのほか旅費が一億二千六百万円の不用額が出ております。人員につきましては大部分が御承知のように自衛官でございます。正服の職員関係の不用額でございます。
#44
○久保等君 それから昭和二十九年の七月から調達実施本部といった機構改革をやって、われわれ決算委員会としても、物資の調達について格段の努力をする必要があるという点も、機会を得ては実は強く防衛庁に反省を求めて参っておったのですが、なお、この調達実施本部ができて以来の状況を見ましても、やはりまだまだどうもあまり急ぎもしない品物を膨大に購入したとかといったような点があって、部隊の実情なりあるいはその部隊がどの程度の装備を必要とするか、あるいはまた物資を必要とするかといったようなことについての把握の仕方がきわめて適正でない点が、この批難事項の面から看取されるわけなんですが、特にこういった具体的な、私は調達実施本部ができて以来、この不急不要の品物の調達等を行うといったことは、機構的にも何かまださらに検討をする必要があるというふうにお考えになっておるのかどうか、どうもあまり成績が上っておらないように見受けられるのですが、どうでしょうか。
#45
○説明員(増原惠吉君) 不要不急の品物を買いまする場合の欠陥は、主として要求を出しまするところにあるわけでございます。この面については、しばしばこの関係者の戒飭をし、その方面の事務の訓練教育をいたしまして、私どもとしては次第に、また大いに改善ができつつあるというふうに考えておりますが、なお、これは将来一そう注意を加えていかなければならぬところだと思いまするが、要求を出しまするところは、陸海空の幕僚監部と申しまするか、ここが部隊の訓練を握り、部隊の行動を把握しておるところでありまするので、やはり要求はそこから出すということにいたしておるわけでございます。調達実施本部はこれを陸海空全部のそういう要求を受けまして、この要求に基いて、どういう会社、工場等に注文することがいいか、その仕様書が的確であるかどうか、陸海空同じものを買うことがさらに効率的であり、経済的であるかどうかというふうなことを調べまして、仕様書を正しくし、原価計算を慣れた者が的確に行い、できましたものの検収をまた慣れた者が確実に行うという、そういう面の仕事を調達実施本部が受け持つわけでございまして、その点において調達実施本部ができまして改善の跡は十分にあるものと考えておるわけでございます。不要不急のものを買うという点は、要求を出しまする各幕僚監部等における事務のやり方を一そう綿密適正にする、また在庫というものがなかなか御承知のようにつかみにくいところもございますので、昨年は全部の棚下ろしを的確に行わせまして、在庫をつかむということもしっかりやらせておる状況でございます。
#46
○久保等君 幕僚監部の方での要求が出て参ったことに対して、私はやはり何か内部的にその要求されるものが果して適正かどうかということを、それならばチェックする、監査する、調査をするといったような部門は、機構の上、あるいは組織の上ではどこがやられるのですか。もう出たものは、これはストレートでもって、調達実施本部へ行って、調達実施本部は、これは事務的に今御説明のあったような形で調達をされる。従って要求をされる側は、そこで厳正に十分に良心的な要求を出してもらわなければならぬという程度の現在実情にあるのでしょうか。どこかやはり要求されるところと、調達実施本部へ行くその過程で、どこでもいいのですが、その途中でそれに対する一応検討を加えるという私は何かやはり場所がなければならぬじゃないかと思うのですが、それは実際問題としてどこでやられておるのか、またやられておらないのかどうか、それに対して……。
#47
○説明員(小山雄二君) 防衛庁の予算は各省の予算と違いまして、公共事業費とか、防衛庁の予算を使いまするときには、示達を改めてもらわなければならぬという工合になっておるのであります。調達要求をする各幕僚、それから技術研究所、そういうようなところは、毎四半期刑に長官に、こういうものをこれだけの数量を買いたいというものを出しまして、長官がそれに基きまして、それを査定、この事務の補佐は内局でやりますが、経理局、装備局双方でそれを審査しまして、示達がありまして、大体こういうものを具体的にはこれだけの数量買うというチェックを、在庫その他と見合いまして、予算金額と見合いまして、そのときにチェックしていく……。
#48
○久保等君 チェックをするというのは何でしょう。ただ在庫数量があるかないかというのをチェックするのが、調達実施本部でやられるだけであって、別に私が先ほど御質問をしたような意味での監査といいますか、調査等を行い、内容の果して適正であるかどうか、ただ単に査定をするとかなんとかいう意味ではなくて、いろいろ内容そのものについて、多少水増しといいますか、そういったようなことがないともいい切れないと思うのですが、そういったようなところをどっかでチェックをしないと、私は防衛庁といっても防衛庁の問題は、兵器類等については、これはあるいはその部門の専門家でなければわからないと思うのですが、しかし防衛庁のいろいろな物資があると思う。事務的な品物から始って、一般の官庁等で使うような品物を使う場合が防衛庁といえどもあると思うのです。何も兵器弾薬といったような特殊の物資ばかりで私はないと思う。そういったようなすべての品物がひっくるめられて、何か要求元が最高の権威があり、その要求元に対しての数量を途中で数を減らすとか、その内容について検討をすることは許されないのだという考え方は、私は経理会計また物資の調達という面からみて、きわめてこれは結果的に見ても不必要なものを買ってみたりする事故が起きるのは、むしろ私は当然といっちゃおかしいかもしれませんが、ままあり得ることだと思うのです。従って先ほど来の問題にしても、私はやはりそういう点が大いに原因しているのじゃないかと思われるのですが、特別にそういうシステムというものはないわけなんですか、防衛庁として内部的に。
#49
○説明員(北島武雄君) 先ほど装備局長が御答弁申し上げたのに多少重複するかもしれませんが、系統的に一応私から申し上げますと、防衛庁の予算のうちで、器材費とか、施設整備費とか、それぞれ特定の費目がございますが、これにつきましては、他の各省の重要なる費目の予算と同じように、毎四半期に支出負担行為計画につきまして、大蔵大臣の承認を求めることになっております。その際に経理局におきまして、従来各原局から要求いたしますと、それを大蔵省に御説明申し上げて、大蔵省から予算をつけてもらい、あと実行いたしておりました。経理局といたしましては、予算の編成の際に、一応各原局の要求の内容を十分検討をし、大蔵省と折衝をいたして、きまった内容でございますので、大体その内容につきましては、各原局の便利を考えましてできるだけ早く大蔵省と打ち合せして、予算の示達を受けるようにいたして参ったのであります。この示達が参りますと、それに基いて各原局で直接調達要求を調達実施本部に出すというのが実情でありまして、ここで今から考えますと、実は昨年度あたりまではこの調達要求の際の防衛庁全体としての再反省において欠けるところが私は若干あったと考えております。と申しますのは、一応経理局におきまして、予算の編成当時の実情からいきまして、そのものは必要であるというふうに考えて、大蔵省とも相談の上、きまったものでありますから、どんどんそのままのを大蔵省に御説明して予算の示達は受けてはおりますが、時日の経過によりまして、場合によるとあとで不要になるのもあるわけです。そういう点のチェックにつきましては、従来は必ずしも十分ではなかったということを率直に申し上げなければならぬと思います。もちろん重要な調達につきましては、従来といえどもその都度庁議にかけまして、こういうものを買うべきかどうかということをいたしておりましたが、系統的に一つ一つのものにつきましてのチェックが十分ではなかった、そういう関係を十分反省いたしまして、本年度からは実際に経理局に、大蔵省に一つこういう予算を示達してもらいたいという交渉をしてくれと害うときに、あらかじめその品目につきましては装備局の方に御協議いたして、装備局の方で一つ一つの品目につきまして果して現在それが調達を要するかどうか的確に御判断願って、装備局の方でよろしいと言ったものだけについて、経理局から予算を示達する、こういうふうにいたしております。それからなお実際に調達要求いたしまして、これを指名競争あるいは随意契約にしようという場合におきましては、指名随契審査会というものがございまして、内局もそれに関与いたしておりまして、そこにおいてさらにまたチェックする機会もあるわけでございますが、現在、本年度以降におきましては、本年度当初からでありますが、あらかじめ予算の示達の際、単に経理局だけでなく、他に装備関係を実際にがっちり把握されておる装備局に対しまして、一つ一つについて一々御相談申し上げる、これにつきましては三十一年度におきましては前年度より相当改善されつつあるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
#50
○久保等君 ただいまのことは本年度からやられておるというのですが、その点も私できれば何か資料で三十年度の当初予算で、まあ金額でけっこうですが、幾ら予定しておったところがいざ実行予算といいますか、実際に予算が国会を通過した、いよいよ実施段階に入って予算を支出する場合に三十年度は幾らにしようかというような実際金額、それとの差違もおそらく相当出てきたと思うのですが、これはもうどうしても先ほど来の御説明を伺っておっても、不用額が莫大に出るというようなことも情勢の変化と言えば情勢の変化も確かにあると思いますし、特に防衛庁の特殊性といいますか、防衛庁がアメリカとの関係が非常に他の一般の官庁と違ったやはり特殊性が私はあると思います。それだけに予期しないような情勢の変化も、実際実施する場合と予算を当初編成した場合とは、一年近くも時間的な経過もあるといったようなことから、ただ当初予算を組んだその金額と品目に従ってどんどん、国会を通ったらあとはそれを実行に移していくということでは、実は結果から見るとつまらないものを買ってみたり、そういうものは実はアメリカから貸してもらったとか、もらったという問題も出て参ると思うのです。従って現実の物資の調達をやる直前の情勢、何といいますか、状況というものを再検討することが、これはやはり非常に重大なことではないかと思うのです。その場合に今言われた御説明では本年度あたりからそういったことをまあやっておられるということですから、私は非常にそのことについては当然やられてしかるべき問題だと思いますし、まあどの程度具体的にはやられておるのか知りませんけれども、それを少くとも厳正にやっていただくならば、一年間あるいは半年以前の状態のもとで、予算を編成したときとかりに情勢の変化があったとすれば、その情勢に適応したような適切な予算の執行ができるのじゃないかと考えるわけなんですが、その点については格段の一つ御努力を願わなければならぬと思います。
#51
○高田なほ子君 ちょっと関連して。ちょっと不明確な点がありますから、お尋ねしておきますが、ただいまは予算の使い方についての御説明であったようですが、どうもはっきりいたしません。必要な予算額を要求して、それをいろいろの機関で査定をして、それの示達によって執行する、こういうことになるわけですね。その執行した場合のあとの処理ですね。どういう機関で事後の処理、監査をするのか、またその監査をした場合にどういうふうな今まで、ことしあたりから大へんよくなってきたと言われますけれども、どういう点がよくなってきたのか、そこをもう少し詳しく説明していただけませんか。
#52
○説明員(北島武雄君) 予算の実行の監査といたしましては、まず各機関にそれぞれ監査機構がございます。たとえば陸上自衛隊におきましては陸上自衛隊中央監査隊、それからあるいは海上幕僚監部におきましては経理補給部監査舞、それから各地方隊総監部の監査班、それから航空自衛隊におきましては監理部監理課というような監査機構がございまして監査いたしております。特に陸上自衛隊におきましては機構の膨大な関係もございますし、それからまた一番当初に発足いたしたものでございますので、監査の機構は相当整備されておりまして、これによりまして事後において相当是正せしめております。なお、このほか経理局に監査課がございまして、これは各機関の監査の総元締めをいたして、その前面の総元締めをいたしますとともに、みずからもまた機に応じて監査いたしておるのでありまして、現に本年度も海上自衛隊剛係につきまして監査いたしました。毎年各機関の監査のすきを見ましてと申しますか、各機関の監査する個所等を見まして、その足りないところを経理局の監査課におきましてさらに実際において監査いたしております。監査機構につきましては、ただいま申しましたような次第でございまして、一応防衛庁内部といたしましては、監査関係の機構も内容もととのっておるつもりでございますが、なお、今後この監査関係につきましては十分念を入れまして、必要があれば機構も拡大いたしまして監査の徹底を期したいと思います。
#53
○高田なほ子君 もう一点、私が質問したわけですが、監査機構のことについて今御説明ですが、整備してきたために大へん実績が上ったというふうな御説明でありますが、その最も効果の着しかった部面について説明をしてもらいたい。
  〔委員長退席、理事中野文門君着席〕
#54
○説明員(北島武雄君) ちょっと手元に資料がございませんので、各機関の監査によりまして指摘いたしました事項、是正いたしました事項がただいま手元に見当りません。
#55
○高田なほ子君 それではその質問をあとに譲りまして、もう一点質問したいのですが、監査機構は非常に整備してそれぞれの実績を上げたという御説明であるわけです。ところがまたくどいようでありますが、二十九年度の人件費が四十四億も余ってしまって、またその次三十年度も二十一億も余っておる。こういうふうに監査機構が整備しておって、不要な、人件費の余りが次々とこういうふうに明細に出ておる。にもかかおらず、三十一年度の実績はこれからでなければわからないわけでありますが、なんともこれ腑に落ちないのであります。それほど監査機構が整備しておるならば、今日までもいろいろの問題は起ってこなかったと思いますが、こういう場合に、この監査機構は、その予算執行とそれから事後の処理に対する非常なそごが出た場合に、どういう責任を負うのですか。今までどういう責任が負わされてきているのか、この点を説明してもらいたい。
#56
○説明員(北島武雄君) 防衛庁の監査機構は非常に整備されているというふうにおとりになったかもしれませんが、(岡田なほ子君「あなたがそうおっしゃった」と述ぶ)実は当初から整備されておったのではないのでありまして、次第に整備されて参りまして、ただいまのところは相当まで行っているのじゃなかろうかという感じを申し上げたのであります。二十八年度、九年度あたりまでは、実は監査の方も十分にいってるとは思いません。ただ年を追うて、時日を追うて、次第に監査のやり方も上手になり、人もなれてうまくなってきておると思うのでございます。それから予算の執行に当りまして監査機関が指摘いたしました事項につきましては、それぞれ各部局におきまして内部反省を加えまして、これに対して戒飭を加えるべきものは戒飭を加え、また処分いたすべきものは処分いたしております。監査の結果、指摘されました事項につきましては、十分に各機関等におきまして、これを再反省する資料といたしたのでございます。駐在機関の責任といたしましては、当然監査の結果、わからなければならなかったことがわからなかりたという場合がございますが、ただいままでのところ監査機関にその責めを負わせるというような事例はちょっと私思い当りません。
#57
○高田なほ子君 監査機関にのみ責任を負わせようというわけで、私は質問してるわけでないので、事の不始末の場合における処分というのは大てい下っ端の官僚が処分になる。それで上にすわってらっしゃる方は、何も影響を受けないで、平気な顔していらっしゃる。こういうことは、今まででもずいぶん私どもは見てきたのでありますが、防衛庁の予算関係で今まで事後処理の問題が非常にまずかったということで、上層部の方が責任を負ったという事例がありましょうか。これは増原次長にお尋ねしたいのです。
#58
○説明員(増原惠吉君) 責任を負ったという意味は、そのために引責辞職をしたとか、懲罰を受けたとかいう意味で、上層部、最上層部の者が責任を負ったことはまだございません。予算の人件費が余ったというふうなことはは、当時といたしましては、一応積算その他について十分思慮を尽してやったつもりであるわけであります。いろいろの御説明もいたしましたが、二十八年度、九年度というような時期は、増強の際の施設を獲得しますのが、主として新設をいたしませんで、当時まだ米軍が使用しておりましたものをあけ渡してもらって、返してもらって、そこへ入るという計画でやったわけです。これがやはり予定通りに、向うも事情があってあけ渡すことができないというようなことで、遅れるというようなことがありましたので、これはなお、そういうことについての見通しを確たるものにするということについて、一段の努力を重ねておるわけでございまするが、そうした見通しが的確でなかったことについて懲罰を食わせるというようなことはいたしておりません。
#59
○高田なほ子君 予算の執行上の不正の問題は、たまたま取り上げられる問題でありますが、私に言わせるならば、要求そのものに対しても見通しを誤まったということは、現在経済が切り詰められている日本経済の中で、こういう法外な根拠のないような予算を要求したというそのことに対しても、私は責任があると思うのですね。こういうような問題について、ほとんど上層部の責任が回避されてるという点について、私は遺憾の意を表したい。
 本年度のこの繰り越しを見ても、先ほどるる申し上げましたが、一時間に二百六十四万円ずつ使っても、なおかつ二十四時間ぶっ通して一年間も使うような金が繰り越されている。現に年の瀬を控えて百五十万人にも及ぶような身寄りのないような年寄りが食うや食わずのせとぎわにいるのに、たった一時間の分の金を節約したならば、暮れの救済なんということは朝飯前にできることです。きょうも本会議は、年末の中小企業の金融に対して適当な措置が講ぜられるような本会議の意思決定までありましたが、こうした金詰まりのときに、不当な予算要求をして、その予算の使い道が明確を欠いているというような点については、やはりこれは相当の責任が追及されるべき問題だというように私は思うのです。増原次長の責任を云々するということを直接申し上げてるわけではないのですが、これは相当最高部にあられる方々が心してしかるべき問題じゃないかと思うのですが、この点についてどういうふうな御感想をお持ちになっていらっしゃいますか、お伺いいたしたい。
  〔理事中野文門君退席、委員長着席〕
#60
○説明員(増原惠吉君) 予算を的確に積算をいたしまして、むだなく効率的に使わなければならぬことは仰せの通りであります。私どももそうした点は従来心がけても参ったつもりであります。なお、十全を期し得られなかったことは、将来一そう戒心をして参りたいと思います。
#61
○久保等君 会計検査院にちょっとお伺いしたいと思うのですが、三十六ページの最後の方に書いてあります物資の保管について帳簿書類の上と現品が一致しない事例が相当見受けられるということが言われておるのですが、それは特に供与物品に関係して多いと言われておるのですが、このことについて会計検査院でやはり二十九年度の決算検査の中で相当具体的にお調べになったんだろうと思うのですが、具体的に数字等御説明願えれば願って、どの程度のものがあったのか承知いたしたいと思いますが、御説明願いたいと思います。
#62
○説明員(保岡豊君) 二十九年度の検査におきまして、練馬の部隊その他を実地に調べたわけであります。そこでここに書いてありますように現品と帳簿の残高が一致しなかったということが相当見られたものでございますから、全体につきまして、私の方に、会計検査院に出て参ります出納計算書、それからその全体の帳簿、また現品、現況調査ということを、たなおろしもございますから、その分と三つを比較してみたのであります。これは一々当ったわけではございませんが、数字上見たわけであります。それにつきまして第一回に、ここにリストがございまして、これは衆議院の方に差し上げたりストであったと思いますが、たとえば冬服上衣がこの調達実数と、今申しました出納計算書の差、これが八千五百万円、それから調達実数と現況報告書との差、これが九千四百万円、そういうふうに帳御上少なくなっておる、まずこういうふうに出たのであります。そういたしましたところが、その後もう一ぺん当局で調べられまして、それで今申しましたのは七月でございますが、三十年の七月でございますが、今度は当局で十一月に数字を出されましたものが、逆に今度は多くて、金額で申しまして千九百万円多いのだ、その調達実数と出納計算書の差が。それから調達実数と現況報告書の差が、これも一千万円多くなっておるんだ、これは幹部の方に出した、払い出したものを初め見なかったのだということで、この差が出たという御説明でありますが、とにかくこういうふうに数字が合わないのであります。この資料はあとから差し上げてけっこうだと思いますが、こういうふうに合わないのであります。そこでその原因を当局ともども考えていたわけでありますが、当局といたしましても、先ほど御説明になりましたように、今年の八月、また十月、二回にわたりまして、全国のたなおろしをなさいました。そうしてその結果は、先ほど申しましたように、私まだ承わっておらないのでありますが、そういうふうに金額においては出たのでございます。
 それからもう一つの点は供与物品の点であります。これはもと予備隊の時代から向うの兵器などをこれは貸与を受けていた形になっておりましたが、これを一括して、三十年の一月にこちらに今までの供与品と同じように供与を受けることになったのであります。その貸与されていた間は向うで、アメリカの方で管理いたしておったものでありますから、この現品の調査もなかなかできなかったような関係もありまして、この貸与から供与に切りかわったときに調べてもらうということが、時間の関係でなされなかったわけであります。すなわち、もうもらったときから、初めから合わないものをもらったことになったものがあるわけです。これが初めからもらったときから合わないということをよく向うに納得させておかなければならないことだと、私ども当局に対して申したわけでありますが、これはイニシャル・ショーテイジと申しまして、その後の供与品でもそういうことが起って参りました。向うの出荷商品と実際に受け取ったものと合わない。これはすぐクレームをつけて違ったということを向うに認識させるということが必要ではなかろうか、こういうことは当局も努力されておりまして、今では相当直っておるように思いますが、当時このイニシャル・ショーテイジの結果、この違いが相当あったということをここに報告申し上げたいと思います。
#63
○久保等君 今の点について、防衛庁側の方から御説明を願いたいと思うのです。
#64
○説明員(北島武雄君) 自衛隊の現品の把握について欠くるところありという検査院の御指摘でございました。この点につきましては、防衛庁におきましてもまことに申しおけなく存じておるわけでありますが、ただ、どうしてこういうふうなことに、事態になってきたかという背景につきましては、一応御説明をさしていただきたいと存ずるのでありますが、何分にも自衛隊の管理しております物品の品物の種類が非常に多いということでございまして、おそらく数十万種類ございましょう。きわめて多種多量の品目でございます。しかも部隊及び職員の異動が従来まあひんぱんでございまして、これに加えまして、二十九年度からは多量の米国からのMDAPの供与品が参りまして、しかもMDAPの供予品の場合につきましては、将来返還のための場合を考えまして、国内品とは別に整理をしなければならぬということになっておりましたので、時によりまして部隊の職員の能力を越えた事務員があったということが一つの大きな原因ではなかったかと思います。それともう一つ、一つの大きな原因は、ただいま検査院から御指摘がございましたが、いわゆるイニシャル・ショーテイジでございまして、当時警察予備隊ができまして、あまりはっきりした形でなく米軍の器材をそのまま使い、それがあとで供与に切りかわったというようなときにおきまして、その切りかえのときの整理に不十分な点があったということでございます。それから部隊におきましては、前任者から――これは私の推測でもあり、推測であるのでありますけれども、前任者から物を引き継ぎましたときに、そのときの帳簿と現品と違いましたのを後任者が発見いたしましても、自分の時代においてそれを実は調節しなかったのであります。自分の時代においては、自分の時代における出入りだけを調節しておりました。前任者からのイニシャル・ショーテイジの関係の形をそのまま後に繰り越していった。ですから部隊におきましては、現在これは確かに現品はないということはわかっておりながら、帳簿においては実はそれが直っていないというようなことがあったのではなかろうかと思います。こういう点につきましては、やはり一度根本的に大整理いたしまして、やはりないものはない。よけいにあるものはあるということをはっきりさせまして、そうしてそれを親しくきれいにしましてから出発するのが適切であると存じます。この趣旨をもちまして、本年度におきましては――これは毎年度いたしていることでありますが、特に本年度におきましては、陸上自衛隊は、去る七月末と九月末現在をもちまして、それぞれの各品目につきまして厳重な現品と帳簿との点検を行いまして、もしそれが違っておったならば、ほんとうに正しいのに合わせようじゃないか、責任はまた別問題といたしまして、ほんとうに確かに合わせようということで、七月末と九月末をもって現品の押えをいたしました。九月末につきましては、まだ的確な全部統計が整いませんが、七月末の結果につきましては、相当その実情も明らかになって参りまして、今後これをもとにしましてはっきり現品と帳簿と合せて、その後の出入りはきちんと整理いたしまして、この後においても不法なことをいたすことはないように、そういうようにいたしたいと思います。なお、海上自衛隊、航空自衛隊におきましても、陸上自衛隊と同趣旨によりまして、目下いたしつつあり、また来年一月ごろ現品の一斉調査をいたすつもりでおります。
#65
○久保等君 ただいまの御説明の中で、陸上自衛隊の分については七月と九月の末現在でそれぞれ現品と帳簿のまあ照らし合せをやって、厳重に調査をやったと言われているんですが、七月末現益の状況自体というものも必ずしも完璧でなかったのでしょうが、まあ何かやはりやられるならば、七月末現在の状況についてやはり私は、日数が何日かかるか、知れませんけれども、やはり徹底約に調べて、七月末現在の状況自体について徹底的に明確にしなければならぬと思うんです。まあそれである程度成果を上げたが、また今度九月にもやったんだというのですが、どの程度よくなっているんだか、どうも心もとないのですが、やはり調べるからには徹底的に調べる方法はないのですか。まあ百パーセントとにかく確信ありと思われる程度のやはり、特に原簿に載っておらなかったり、原簿に裁っている数量が、現在の実際の物品の数量と食い違っているというような問題は、これは私はやはり見方によっては非常に大きな怠慢だと思うんですがね。人員が足りないから、あるいは人手が十分でないからということで済まされない問題だと思うんですが、そういうところにまた、いろいろ思わしからぬ問題も私は出てくる可能性があると思います。帳簿そのものが当てにならぬような帳簿を備え付けてみても無意味だと思いますが、そういう点について十分に、まあこの程度の調査をしてやるんだという何か計画でも立てられてそういうことをやっておられるのですか、ただ単にまあ通牒等を出されて、七月末現在の報告を出せというようなことでやっておられるのか、どの程度の、その実際やられた七月末あるいは九月末のその調査状況そのものについても、もう少し一つ納得のいくような御説明を願いたいと思います。
#66
○説明員(北島武雄君) 従来からも陸上自衛隊におきましては、毎年陸上幕僚長の指定する期日において現品の一斉調査を行なって参ったのでありますが、先ほど申したように、自分の時代において現品と帳簿との食い違いを表に出すことは工合が悪いというような心理もありましたので、間違いがそのまま踏襲されておった形跡がございます。そこで三十一年度につきましては、そういうことを一切抜きにして、ほんとうに現品と帳簿とを突き合せをいたそうということになりまして、七月におきましては、主として供与品関係、それから九月末はその他の物品ということで、品目を分けまして、七月、九月の二回にわたり訓練をも停止いたしまして、一斉に調査いたしたのでございます。その結果、陸上幕僚監部におきまして七月末の結果につきましては、ただいま手元にございますが、従来の食い違いの実相が明らかになりまして、そうして七月の末における供与品等につきましては、これをもってほとんど正確なものが出ているのではなかろうか、こういうふうに私ども考えております。なお、九月末の現況につきましては、目下集計中でございますが、とにかく将来の観念を捨てまして、一切がっさい、ほんとうに洗いざらい出すと、従来の経緯にとらわれず、率直に出すというような精神をもちまして、訓練を中止して、徹底調査をいたしたものでございます。
#67
○久保等君 それからことしやられた、ただいまの御説明も、やはり何か散発的にこういりた現在高調査もやられておるように附き取れるのですが、今後のこういう帳簿と現品のつけ合せといった、たなおろしですね、いわゆる、これを毎年一年に二回が適当なのか、三回が適当なのか、また、実際人員の能力の問題もあるでしょうから、多ければ多いほどいいと言うようなものの、あまりそうしょっちゅうやられる問題じゃないと思うのですが、一年間にどの程度、何回くらいやる必要があるとお考えになっているのか。それから今後も何月と何月には必ずこういったたなおろしをやって、現品の帳面の記載漏れ、ないし帳面の記載される数字が的確なものであるようにしていこうとしておるのか、どういうお考えでしょうか。
#68
○説明員(北島武雄君) これは各自衛隊によりまして多少の差異はございますが、陸上自衛隊の従来の物品の把握方法を申し上げますと、これはものによって違うのでありまして、たとえば毎月中央に報告するものもございます。毎四半期に報告するのもございます。それから全部隊について年一回報告するというのもございます。それぞれ所管の課の物品によりまして、違うのでありますが、従来からも毎月報告するもの、それから四半期に報告するもの、年に一回報告するものをきめておりまして、それぞれその際には現品調査をいたしまして、インベントリーの厳格な報告をすることになっておったのであります。ただ、それは従来からの経緯で、間違いがそのまま踏襲されてくるような傾向があったのでありまして、本年度そういう過去の因縁を捨てまして、ほんとうのところを出すということで陸上幕僚監部に対して出した次第でございます。そこで今度正しいものができまして、これに基きまして、ただいま申し上げましたように毎月の報告、四半期ごとの報告が行われ、さらに陸幕監理部長の指定する期日におきまして、年に一回総合的なインベントリーの調査が行われるわけでありまして、今回の調査をもとにしまして、これに積み上げて参りますれば、今後におきましては現品の把握につきまして、従来とは格段の改善ができるのではなかろうかと考えておるようなわけであります。
#69
○奥むめお君 さっきから御質問が出るかと思っていたのですけれども、用地の買収ということ、大きな金額だけれども、ずいぶん驚くべきずさんに行われておるようなんですね。一体、防衛庁は一番大きい国費の消費者でございますが、物品にいたしましても、予算にいたしましても非常に驚くべき単位の金を案外気楽に使っていらっしゃる。一度社会労働委員会でも傍聴してもらいたい。十円か二十円の零細なものを、予算がほしいというので議員が非常に骨を折っている。一方にこういうむだ使いと言えば語弊があるかもしれないけれども、驚くべき膨大な金がむぞうさに使われている。この用地をお買いになるときに、一体どういうふうな機構で評価なさったり、予算を立てたり、あるいは最後の決定をなさったか。買収するのをどういうふうにするというふうなことできまるのでございますか。これもやはり先ほどおっしゃっていたように、三十一年度から何か特に目立つような改善の方策をお立てになっているのでしょうか。二十九年度といえば相当古いことですから、事情も変っているかもしれませんがね。いかがでございますか、どういうこれはやり方をなすっているのですか。
#70
○説明員(北島武雄君) 用地の買収につきましては、機構といたしましては、中央に建設本部がございますし、地方にはその手足といたしまして建設部がございます。そこで基本方針といたしまして、どこに飛行場を設定するか、あるいは演習場を取得するという方針がきまりますと、これに基きまして建設本部及び地方の建設部が活動するわけでございますが、評価に当りましては、防衛庁で定めました用地等の買収その他に関する補償基準要項がありまして、その基準によりまして算定いたしております。たとえば付近の土地の売買実例、あるいは固定資産税の評価額とか、あるいはまた財務局、銀行等の精通者の評価、こういうものをもとにいたしまして、地元と交渉するわけでございますが、何分にも防衛庁としては、ぜひこの土地がほしいし、また、この土地でなければならぬという場合が相当ございます。そういたしますと、相手方といたしましては非常に有利な立場に、また、もちろん個人の非常に貴重な土地を買収しようというわけでございますので、非常に土地をお離しになる方につきましても問題があるわけでございまするが、その間、防衛庁といたしましては、ただいま申し上げましたような補償基準要項に基きまして、精通者の意見をも参照とし、できるだけ適正な評価をもって臨む方針でございますが、まま、ただいま御指摘になりましたような実例もあり得るのでありまして、この点につきましては、私どもも今後特に十分戒飭いたしまして、いやしくも検査院から御指摘を受けるようなことのないように、貴重な国費をむだにすることのないようにいたしたいと思っておる次第でございます。
#71
○奥むめお君 会計検査院いかがでございますか。この問題は何か改善をなすっているのかと聞いたけれども、そういう御答弁はないようですがね。その後のお調べなんかでは、やはり同じようなことが行われているのじゃないですか。
#72
○説明員(保岡豊君) ただいま三十年度の決算検査報告がまとまりかけているのでありまして、それの検査におきまして、今おっしゃいまするように用地の問題は二、三欠点のあるものもございますけれども、この二十九年度のような大きな欠点のあるものはございません。今、経理局長が言われましたように非常に大事な土地を、こちらでどうしてもそこを取得したいということで、売る方ではどうしても手離しにくいということもありまして、一応理屈ではこういうふうになる、これ以上理屈はつかないのだというところで、まあずいぶん向うも折れさせてきめておられるようでありますが、その理屈それ自身が多少理屈に合わないのもあるのではないかと思うところもありますが、非常に二十九年度より三十年度は改善されたように見受けられております。
#73
○奥むめお君 ついでに会計検査院に……。コンクリートの工事の問題ですね。あれは大へんおかしい話だと思うのです。こちらの御答弁をお聞きになって、どうお考えになりますか。割合、配合の率で値段の違い……非常なたくさんの工事をなさっているはずですが、ああいうことがしょっちゅうあっていいことですか。
#74
○説明員(保岡豊君) ただいまの御質問はここにありました八号の問題かと……。
#75
○奥むめお君 コンクリートの配合の予算の問題……。
#76
○説明員(保岡豊君) この問題につきましては、当局の御説明と私どもの意見は全然違っております。実はここに書いてありますように一・二・四という配合をきめまして、これは容積配合でありますが、これに対して直五十キロ以上ということが規定されておるわけでございます。一・二・四の配合で百五十キロ以上を出すことができるというのであります。ところで防衛庁の力は、一・二・四よりも悪い配合で――悪い配合というと語弊がありますが、安い配合で百五十キロ以上出されたものでありますから、ですからそこは減額されなければならぬ、こういうふうに言ったわけでございます。そこで私の方で言ってないところを持ち出されて説明されております。持ち出されたところは、一・三・六の配合のところであります。一・三・六の配合で百十五キロという表示が書いてあります。一・三・六の配合で百十五キロというものは出すことができるのであります。ですから仕様書を間違ってはおらないと思います。もとでも一・三・六で九十キロは普通に何十年も前に出しておるのであります。現在百十五キロは出るわけであります。それを、それよりもいい調合でなさいましたとおっしゃって、百五十キロ出したということは、別に勝手にやられたのではないか。そこのところで、請負人に対していい調合をさして、高い調合をさせるのならば、それを増額してやろうという考えはおかしいように思います。たとえば一・三・六のところは何かと申しますと、床でございます。また強度のかからない隔壁でございます。それですから強度のかかる一・二・四の方はもう少しこういうまるいところでございますから、そのコンクリートというものはそんなに均一にいきませんから、少しぐらい悪くても、百五十キロを確保するような調合でやるべきであるということで仕様書は書かれているのだと思います。それを百五十キロもてばいいのだというような調合にいたしまして、むずかしいアーチ型になっておりまして、床のようなところを仕様書よりもいい調合をしたから、それを増額しろというのは、はなはだおかしいと思う。こっちの方も一応批難しようと思ったのですが、大したことではないからやめておいたのです。それですから、たとえば、倉庫のところに杉材を使えばいいのに、ヒノキ材を使いまして、そこのところに高いものを使わしたから、それだから床の間のいいところを悪くしてもよかろう、これはちょっと受け取れないわけであります。私どもの方は、床の間を悪くしたからいかぬと言っているので、杉をヒノキにかえたのは別に言わなかったのであります。
#77
○奥むめお君 防衛庁の方にもう一度御説明を伺いたいと思います。
#78
○説明員(山田誠君) これは非常なこまかい技術の問題になりまして、なかなか御説明しにくい点がございますが、これは弾薬庫でありまして、アーチになっておりまして、こういう格好のトンネルみたいな格好になっております。それで下に、インバターチといっておりますが、アーチを受けるような床がございまして、そうして現在の調合は、その壁の下の部分になるところは一・三・六になりまして、上のアーチの部分が一・二・四という設計になっておるわけでございまして、コンクリートというものは、こまかい話になりますが、砂利とか砂とか、いろいろ現地で得られます粒度によりまして、強度を確保する調合がございまして、大体一・二・四ということになっておりますが、強度を得る、それに近い配合率の非常に適正な配合がございまして、それに合うような調合を選んでおります。一・三・六もきちんと一・三・六ではございませんですが、砂利の粒度に応じまして強度を確保できるような調合にする。一つのトンネルを作る工事でございまして、全体としましては一体のものになっておるわけでございましても私の方で考えましたのは、一体として一応これで予算的にはプラス・マイナス・ゼロになっておると、むしろ少し防衛庁の方が得をしておるという、これはセメントを使う量とか、そういうことから計算が出ておりますので、それで現場では処方してやったわけなのでございますが、その一部分だけ今言われますと、一部は安くなり一部は高くなっておるというような点は、これは考え方の相違でございますが、私の方は一体のものがそういうことで、別に非常に業者に有利になっておるということではございません。
#79
○奥むめお君 そういうこまかい予算はちゃんと初めから出ているのですか。
#80
○説明員(山田誠君) そういうわけでございます。現場の受け払いその他にも、ちゃんとそれによりまして現場の調合を決定しておりますし、その点は、検査のときにもそういう資料を出しておったのでございますけれども、ある一部を言われますと、一部ではそういう計算になる部分もございますが、全体的にはそういうことではないのでございます。
#81
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#82
○委員長(三浦義男君) 速記をつけて。それでは本日の防衛庁に対する質疑はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#83
○委員長(三浦義男君) 次に、継続審査及び継続調査の件についてお諮りいたします。本委員会におきまして、従来より、昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和二十九年度政府関係機関決算書及び昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行なって参りましたが、会期も切迫し、会期中にこれを完了することは困難でございますので、本院規則第五十三条によりまして、継続審査並びに調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書提出の時期及びその内容、手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#86
○委員長(三浦義男君) 次に、委員派遣についてお諮りをいたします。
 昭和二十九年度決算の審査及び調査事件で委員派遣を行いたいと存じますが、今期国会閉会後、諸般の情勢が委員派遣を行うことが可能な場合には、委員長において取り計らい、委員派遣承認要求書を提出することとし、また、その内容につきましても委員長に御一任を願うことにしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
 次回は十二月六日、木曜日、午後一時から防衛庁の分を引き続き審議いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後五時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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