くにさくロゴ
1956/12/06 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第7号
姉妹サイト
 
1956/12/06 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第7号

#1
第025回国会 決算委員会 第7号
昭和三十一年十二月六日(木曜日)
   午後一時五十一分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十二月五日委員荒木正三郎君辞任につ
き、その補欠として海野三朗君を議長
において指名した。
本日委員海野三朗君辞任につき、その
補欠として中村正雄君を議長において
指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     三浦 義男君
   理事
           大谷 贇雄君
           谷口弥三郎君
           中野 文門君
           久保  等君
           奥 むめお君
   委員
           石井  桂君
           大谷藤之助君
           小沢久太郎君
           白川 一雄君
           西岡 ハル君
           平島 敏夫君
           大倉 精一君
           高田なほ子君
           杉山 昌作君
           大竹平八郎君
  国務大臣
   国 務 大 臣 船田  中君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  説明員
   防衛庁次長   増原 恵吉君
   防衛庁人事局長 加藤 陽三君
   防衛庁経理局長 北島 武雄君
   防衛庁装備局長 小山 雄二君
   会計検査院事務
   総局第二局長  保岡  豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
○昭和二十九年度国税収納金整理資金
 受払計算書(内閣提出)(第二十四
 回国会継続)
○昭和二十九年度政府関係機関決算書
 (内閣提出)(第二十四回国会継
 続)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三浦義男君) ただいまから第七回決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更を御報告申し上げます。
 十二月五日、荒木正三郎君の辞任に伴いまして、海野三朗君が補欠として選任されました。十二月六日、海野三朗君の辞任に伴いまして、中村正雄君が補欠として選任せられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(三浦義男君) 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書
 前回に引き続き、防衛庁の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第七号から第三十一号までであります。ただいま御出席の方は、保岡検査院第二局長、船田防衛庁長官、増原次長、北島経理局長の諸君であります。御質疑のある方は順次、御発言を願います。
 なお、防衛庁長官は、衆議院本会議の都合もあり、長い時間おられることがむずかしいと思いますので、長官に対する御質問を先にお願いいたしたいと存じます。
#4
○大竹平八郎君 長官が御出席のようでありますから、長官にお尋ねしたいのでありますが、最近の英仏のエジプトへの侵略の問題とか、あるいはソ連のポーランド、ハンガリーへの侵略の問題、まことに世界は騒然たるものがあるのでありまして、そういう意味におきまする防衛庁の任務というものはいよいよ重大であろうと感ずるのでありますが、聞くところによりまするというと、防衛庁としましては、国家機密保護法、これは御承知の通り新憲法によって一切そういうものはないのでありますが、何か国家機密保護法の必要を痛感せられて、よりよりそのことにつきまして御協議をせられておるように聞いておるのであります。これはむろん私どもといたしましても、ほんとうにこの祖国愛のない一部の人たちによって、大事な直接侵略に対するいろいろな計画が事前に漏れるということは、これはまことに重大なんでありまして、米国の最近の対日援助におきまするところの議会の審議の状況を見ましても、日本の自衛隊に関する数の問題一つを見ましても、日本の方はもう平気で現在数が幾ら、三十一年度末が幾らというように平気で出ておるのでありますが、アメリカ自体でも、ロバートソン国務次官補の答弁の速記録を見ますというと、日本の自衛隊の数までが速記に出されておるというようなことからも考えまして、非常に国家機密保護法というものは、そういう意味においてあるいは重大で、あるいはまた、あなた方の方としては必要であるかもしれませんけれども、われわれがこの決算を審議するに当りましてお尋ねしたいことは、こういう問題がかりにできますというと、今でも一番大きな消費面を持ちまする防衛庁としまして、いわゆる国家機密保護法のあれに隠れて、そうして何かこう国民も防衛庁とは縁が遠くなりまして、旧軍国主義調を出すようなことになりますというと、非常にそういう意味におきまして、これは防衛庁の絶対至上命令による備品なんだというようなことになりまするというと、非常に問題が多く出てくるのでありますが、そういう点につきまして、まず一つ長官のお考えをお尋ねしたいのであります。
#5
○国務大臣(船田中君) まず、委員長にお願いしておきますが、前例によりまして、すわっていて発言をお許し願いたいと思います。
#6
○委員長(三浦義男君) どうぞ。
#7
○国務大臣(船田中君) なお、この際に、まずもって委員長初め皆さんにごあいさつを申し上げておきたいと思います。
 防衛庁の関係の決算につきましては、いろいろめんどうな問題もあがっておるようでございますが、どうぞ十分御審査をお願いいたしまして、また、私どもといたしましても、率直に実情を御説明申し上げて、皆さんの御質問にお答えを申し上げたいと思います。ただ当初、増原次長からごあいさつ申し上げ、また御説明があったことと思いますが、防衛庁の予算の経理、調達につきましては、他省と違った特殊の事情もございますので、それらの諸点を十分御研究を願い、御了察を願いたいと存じます。そのことをまずもってお願い申し上げておきます。
 なお、ただいま大竹委員から御質問のございました機密保持に関する法制化の問題でありますが、これは先般、内閣委員会その他の委員会においても御質問があり、お答えを申し上げておったところでございますが、私といたしましては、わが国の防衛施設あるいは器材、ことに新しい艦船、兵器、装備等を持つためには、ある程度の機密の保持ということが大切であるというふうに考えております。現在は御承知の通り、米軍に関する機密の保持は、刑事特別法等の規定によりまして、これが維持されることになっておりまするし、また、米側から貸与、もしくわ供与を受けまする艦船、兵器、装備品等につきましての機密の保持も、MSA援助に伴う機密保持についての法制によりまして、これは機密の保持ができることになっております。しかし、その他の装備品につきましては全然機密の保持がございません。また二十四国会で御審議を願って通過をいたしました防衛生産のための技術協定、日米間の技術協定によりまして、米側の持っておりまするライセンス、もしくはその他の新工夫についての援助、そういうようなことについても機密の保持ができませんために、非常な不便を受けておるという面もございます。また、日本人の工夫によって、わが方の工夫によって新鋭兵器を作るというような場合に、それに対する米側の援助があって、そしてりっぱなものができたといたしましても、そういうものの機密保持が十分できないという面もございます。主としてこれは艦船、飛行機その他の装備品等についての機密の保持でございますが、そういう点につきまして、もう少し機密の保持をするということによりまして、新鋭兵器を作ることを容易にし、またそれを活用するようにしていきたい、かように考えて研究をいたしております。しかし、ただいま御指摘がありましたように、いわゆる広い意味の国家機密保護法であるとか、あるいは軍機保護法であるとか、そういうような大きな法制を考えておるものではございません。いわんや戦前における軍機保護法の活用によって、往々にして一般大衆に非常な不安を与えたというようなことが、ただいまも御指摘になりましたが、そういうようなものを考えておるのではないのであります。全く必要最小限度のものを何とか持ちたいという考え方において、今せっかく研究をいたしておるという段階でございます。
#8
○大竹平八郎君 その点は了承いたしましたが、次にお尋ねしたいことは、十一月の六日の月に、先ほど申し上げました中近東の問題及びソ連の侵略等の問題を中心にいたしまして、米国が世界の全基地にわたりまして戦時態勢の命令を出したということを私どもは情報として知っておるのでございますが、それに対しましては、特にわが防衛庁に対しましては、何か特別の戦略品といいますか、作戦の軍用品と申しましょうか、供与とか、あるいは特別な指令によってこれをまかなったというようなことはございませんでしょうか。
#9
○国務大臣(船田中君) ただいま御質問のような事実は全くございません。中近東あるいは東欧の情勢については、重大な関心を持ってこれを見守っておるということでありまして、そのために何事かを用意しなければならぬとか、あるいはしておるという事実は全くございません。
#10
○大竹平八郎君 実は最近、商工委員会でも問題になったのでありますが、これはどうしても日本人は昔の癖がややともすると出るのでありまして、これは軍の要求品だというようなことになりまするというと、非常に何か強い発言権と申しますか、一つの大きな分野を持つのでありまして、それで実は、最近われわれの方で中小企業の問題につきまして御承知の通りいろいろやっておるのでありまして、組織化の問題とか、あるいは生産分野の問題であるとか、さらに金融については、つい二、三日前の本会議におきましても、年末の金融対策の決議をしたというように、いろいろやっているのでありますが、中にはそういうわれわれの意図、それから政府の考え方と逆に、これは政府の内部で中小企業自体をいためつけておるような問題が往々にありまして、その中に、この防衛庁の要求による必需品だというような建前で、一般中小企業の同業者というものは押えられている。こういう例が実はあるのでありますが、外来品と申しましょうか、主としてこのごろは米国品が多いと思うのでございますが、これと国産品でございますね。こういうものについて、防衛庁のお考え方というものはどういうのでございましょうか、この点をどなたか一つ。
#11
○説明員(小山雄二君) 一口に防衛生産の問題と言えるかと思いますが、私どもとしては、防衛力がほんとうに自主的な防衛力になるためには、できるだけ日本でできるもので装備する、こういうことがもちろん理想でございまして、ただ今までのところは、増勢が始まりつつある段階でありますし、金額が相当かきまりますので、必要なものは向うから供与を受けている、そういう関係でございますが、究極的にはできるだけ日本でできたもので装備するということが、終局の理想だろうと思います。
 それからまた、調達するにいたしましても、日本製品で調達するか、輸入品で調達するかという問題でございますが、現在でも大体年間を通じまして輸入品は一%程度、これは結局、日本で技術的に現状ではこなせないというものを、やむを得ず輸入しているのでございまして、これなども生産態勢を急速に確立して、すべて日本の生産でこなしていくように、逐次整備しつつある段階で、極力国産品でまかないたいという考えであります。
#12
○大竹平八郎君 これは最近の例で、一昨日の商工委員会の会議の席上におきまして、私は当局に質問をいたした事例があるのでありますが、というのは、最近ラジオあるいは通信機械等にたくさん使いまする固定抵抗器、これは電子工業の問題でありますが、大体今、日本の業者が四十五、六社あるのでありますが、年間八百万個から千万個くらい作っているのであります。ところが、最近アメリカのある大きな会社と、それから日本の有名なメーカーが技術提携の名によって、いわゆるマス・プロ生産をする計画が進められて、すでにこれは日銀当局の受付を経まして、そうして通産省の当局でこれが今審議をされている事実があるのであります。それをだんだん突っ込んで参りますというと、その固定抵抗器というもの自体、私専門家でないので、わかりませんが、各方面の権威ある技術方面から聞きまするというと、完全に日本のもので間に合っている。そうして同時に輸出さえもしているのだ。それを実際何を苦しんで七%のロイアルティを払ってこういうマス・プロをやるのか、大体これをマス・プロでやられますというと、二千万個くらいやられるのであります。そうするというと、これは日本の中小企業というものは壊滅してしまう。そんな関係から、一体これは何の理由をもってこんなような不必要なことをするのか。それからまた、政府やわれわれの意図に反して、中小企業というものを何がゆえにこういう壊滅の方途に追いやるのだということを聞いてみますというと、だんだん質問の結果は、防衛庁の飛行機の部品として使うのだと、こういうのであります。が、私どもの知る範囲における防衛庁の飛行機というものは練習機を入れてもわずかに数百機にすぎないと、私どもはこう思うのであります。それにもかかわらず、そういう防衛庁のいわゆる必需品という名においてこういうようなマス・プロをやられるというようなことは、これはまあ一つの例でありますが、今後そういうものが数限りなくやられまするならば、一に電子工業だけの問題だけでなくて、日本の産業というものは全く瀕死状態に陥る。それで私どもは、ぜひそういう点で、ごく必要なものは、必要の限度においての輸入の方法というものがあるのでありまして、できるだけ国産品を使っていくということが、これは当然じゃないか、こういうつもりで、この問題に対しましては、非常に強力に私どもは質問というか、意見を出しておるわけであります。この点につきまして御答弁を願いたいと思います。
#13
○説明員(小山雄二君) 具体的な問題につきましては、ちょっと資料を持っておりませんので、あとで調べましてお答え申し上げますが、一般的に申しまして、通信機及びその部品につきましても、最近では陸の通信機等はほとんどもう全部国産品でまかなっておる。ほとんど特殊のものを除きましては国産品でまかなうような段階に進んでおります。ただ、今もお話がありましたが、航空機に関する通信機は、相当陸のものと、いろいろ違う面がありまして、これはまた航空機でありますので、その機能といいますか、相当精細な高度の機能を必要とします関係、並びに御存じのようなT33、F86の二機種のジエット練習機並びに戦闘機を国産化しておりますが、この国産の方式というものが、厳格に向うの規格と合せまして、相互互換性を持たせながらやらていくという建前であります。従って何もかにも向うのものをというわけじゃなくて、そこで互換性が間に合うかどうか、国産のものはこういうものがある、これで向うの使っておるものと同じ機能を持っていけるかどうかということを、実際に向うと打ち合せまして、そういうスケジュールを作りまして、こういうものは国産化する、しないということでやって参ってあるわけであります。今のお話で、こういうものを何百万個も使うということはちょっと解せないのでありますが、一般的に申しまして、航空機等につきましては、そういう形で国産化するにいたしましても、外資提携をやっているものがある程度あると思いますが、陸用につきましては、ほとんど国産化が進んで、国産品で間に合しておると、こういう状況であります。
#14
○大竹平八郎君 御承知の通り、これはもう国会も通過したのでありますが、機械工業振興法という法律がございまして、これは非常に中小企業のために大きな援護のバックになっておるわけであります。現に今これらの問題につきましても、コンデンサーとか固定抵抗器というようなものが、その指定にもなり、そうして開発銀行から金まで借りて、そうして技術の研究、更新のために努力を続けておるというようなときでございますから、どうか一つそういうことを念頭に置いていただいて、大きな消費面を持たれる防衛庁のことでございますから、できるだけ中小企業を擁護するというような意味、それから万やむを得ないものの輸入は、これはもう当然と思うのでありますが、どうかそういう趣旨で一つ――これはまあ一つの例でありますが、この間も承わりまするというと、五十万種類も品物があるというような大きな世帯なのでありますから、そういうつもりで一つやっていただきたい。それから、なおかつ舶来品はまあこういうような状態なんで、お前の方は一つこの程度に研究されたらどうかというようなことまでも、差しつかえない限りは指示をして、そうしてこれを愛護してもらうということに一つ御努力を願いたいと思います。
#15
○高田なほ子君 この際、防衛庁長官にお尋ねをいたしておきますが、前委員会で増原次長からは、だんだんと繰越金の問題について御説明がありました。きょうはこの繰越金の問題について二、三長官からの御答弁をお願いしたいと存じまのでございますが、昭和三十一年度の予算を編成いたします際に、アメリカと日本が予算編成に際しての共同声明を発したわけでありますが、その内容の中で、日本の政府の意図を明確にしておりますが、この内容の詳しい点は省きますが、重点的に要約すると、三十一年度以降、打ち続く年間において、わが国の資力のより十分な部分を防衛力の漸増に充てることが、わが国の意思であり、政策であるというふうに、わが国の予算編成と申しますか、経済の方向と申しますか、こうしたものの大本を、防衛力の漸増に充てることが非常に重要な問題であって、このことのために、わが国の資力のより十分な部分はこれに充当するのだ、こういうような見解が発表されております。
 この見解に基いてて、先般来だんだんの御質問がありましたが、防衛庁の予算はかなり富裕な財源を持たれておるようであります。もちろん、これは行政協定並びに安保条約との関連で論ぜられるべきことでありましょうが、現在の日本の貧困な国民生活と対照いたしますときに、あまりにもこの富裕な予算なるがゆえに、船田長官御自身でも、先ほど来きびしい御反省のお言葉があったように、予算の使い方というものについても、幾多の世論の疑惑を巻き起しておることは、はなはだ遺憾でありますが、伺うところによりますと、なかんずく、人件費の質問の中で、はっきりしたわけでありますが、人件費の不用額も一部繰り越しの中に入ってくるわけでありましょうが、二十七年、八年、九年と、実に莫大な人件費の不用額が出ております。この人件費の不用額について、三十二年度の自衛隊、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、この三軍の自衛隊の漸増予算要求については、過般内閣委員会で私も承知をして、三十二年度のこの増員に要する予算の要求というものの額を承知しておるわけでありますので、前回の委員会では、三十二年度からはこのような多額な人件費の剰余額が出ないという、そういう一体確約があるものかどうかということを、この席上で御質問を申し上げたわけであります。これに対しまして御答弁を得ましたことは、昭和三十二年度の予算要求額、また人員の増加については、前年度までのような、このようなことを繰り返す心配はなくなったのだ、こういう確たる御答弁があり、これはまた私も了とするものでございますが、お伺いをしたいことは、今日までのこの多額な繰越金が出たということについては、会計検査院の方でもそれ相当の理由を了承しておるようでありますけれども、私は単にそれだけでなく、今日までのこの防衛予算というものが、アメリカ政府との、いわゆる日米行政協定並びに安保条約に基く一つの決定であるがゆえに、この予算というものを、多少多額であっても、これを操作することができ得なかったといのような政治的な面も含まれておるのではないだろうか、こういうような懸念のもとに、増原次長に対してはこの点について御質問を申し上げたところ、そういう政治的な予算の要求額ではないのである、こういう実は御回答をいただいたわけであります。
 そこで船田長官にお伺いする要点は、政治的な要求でない、また、昭和三十二年度の防衛庁の予算については、今までのような多額な不用額を来たすようなおそれがないということについて確答を得ましたので、私もこの間の事情について若干の調べをしてみたわけであります。結論として、私の把握し得ましたことは、大蔵大臣はアメリカとの交渉で、今日までの防衛予算の繰り越額のあまりに大きいというようなことにもかんがみて、アメリカ側と折衝をして、こうした不用額の出ない限界における予算の編成ということについて申しつけをしてきたやに実は承知したわけであります。事の真相はわかりませんが、従来までの、あまりにもえげつない言葉で申しますならば、見識のない予算の編成、そのことによって起る不用額について幾多の疑義を持っておりますので、こうした政治的な面における御答弁、そうしてまた、これに対する船田長官の御所信というものをこの際、明確に承わっておきたい、かように存じます。
#16
○国務大臣(船田中君) ただいま高田委員から御質問の点については、その実情については、おそらく増原次長、経理局長から答弁申し上げてあると存じますが、その答弁に申し上げておるように、特に日米間の政治的折衝でわが方の防衛費が膨脹しておるというようなことはないのでございます。もちろん、わが国土の防衛ということは、日本とアメリカとが協力して日本の防衛に当っておるということでございますから、日本の防衛の問題については常に日米間において緊密な連絡をとって、いかにして最小の費用をもって効率的な防衛をするかということに常に研究と努力をいたしておるわけでございまして、また、防衛庁の予算の要求というものは、すべて実情に即した積み上げ方式をとっておるのでありますから、俗にいわゆるつかみ金で大きな予算をとって、そうしてそれを割り当てるというような、いわゆる政治的な解決をいたしておるととはございません。すべて実情に即した積み上げ方式をとっておる次第でございます。
 しかし、おそらくすでに御説明があったことと思いますが、たとえば艦艇の建造費というようなものも、戦前においてはこれが五年、七年あるいは十五年、二十年と、相当長期にわたって研究をし、そうしてしかもその過去の経験と研究とによりまして、艦艇の建造費は計上され、しかもそれが大部分は皆継続費になっております。ところが戦後におきましては、そういう経費もすべてその年度限りで計上し、これを使おうということになっております。ところが御承知の通り、戦後長い間防衛生産というものが空白になっておりましたので、昭和二十八年度以来、国産の艦艇を建造するということになりますというと、その設計をし、また注文をして被注文者がきまったといたしましても、さらにそれを技術設計をし、いよいよ船を作るというまでには、また一年なり一年半なりという相当長い期間がかかる。そこでただ一年度に繰り越しただけでは済まない、どうしても初めからいえば二年越し、三年越しの経費の使い方がなければ、とうてい一隻の艦艇も建造ができない、こういうような場合がございます。そういうようなことが器材関係においてもありまするし、また、飛行場の獲得あるいは演習場の拡張といったような場合においてもそういうことが非常に多くございます。そこで防衛庁関係の経費は、農林省の予算で、予算を組んで、補助金を出すといったように簡単にいかない場合が非常に多いのであります。そういうことが重なりまして、従来の毎年度において二百億円以上の繰越金があり、また多少の不用額が出たということは、これはどうも防衛庁のやっておる仕事そのものからくる特殊の事情がございますので、それらの点は十分御了察を賜わりたいと思います。しかし、繰越金が年々多いということは、そこに非常な世間からの疑惑を生じ、また、ことに防衛費については多分に政治的に扱われるきらいもありますので、そういう点を顧慮いたしまして、三十二年度の予算の編成につきましては、できるだけ財政法その他の会計関係の法規の許す限りにおきまして、継続費の活用あるいは債務負担行為に回し得るものは債務負担行為に回すというような措置をとりまして、そうして従来いろいろ御批判を受けておりますような多額の繰越金が生じあるいは不用額に組まなければならぬものが生ずるというようなことのないように、最善の努力をして参るつもりであります。
 なお、ただいま御指摘のありましたように、大蔵大臣が先般アメリカに出張されたときに、国務省あるいは国防省の者と話をしたということも、私、直接大蔵大臣から聞きましたが、大体私がただいま申し上げたようなことについて最善の考慮を払い、また、これを実行に移していくということについて、先方にもよくその説明をした、こういうようなふうに伺っておるのでございます。
#17
○高田なほ子君 御答弁の趣旨を承わりまして、まことに防衛庁のこの予算の関係は、いろいろな意味から複雑多岐にわたることも十分了承しておるわけでありますが、特に器材関係の継続費というととは、これはまあやむを得ないことでありましょうと存じますが、船田長官も御承知のように、たびたび予算委員会では継続費ということについての本質的な問題が論議が繰り返され、つまり継続費等の中でいろいろな操作上の複雑な関係から、ここにいろいろな世間をひんしゅくさせるような問題も起りがちであるというような点から、この継続費というようなものについては絶えず論議されてきておるわけでありますが、そこで、これは長官ではなくて、事務的なことにわたるので、会計の係の方へ一応お尋ねをしておきたいのでありますが、前年度の繰越金の二百二十八億でありますか、この二百二十八億の総額の中で、いわゆる器材関係に要する継続費に属するものの比率というものはどういうふうになっているのか、これが第一点。もう一点は、当然ここに常識的にいう不用額というものは生じてくるでありましょう。これは常識的にいう不用額であります。で、防衛庁は、いわゆる常識的にいわれる不用額というものは、やむを得ないものとして、大体どのくらいの率に一体見込んであられるものか、これをまあ計数的といっては当りさわりがありますが、大まかな比率でけっこうでありますから、説明をしていただきたい。
#18
○説明員(北島武雄君) 昭和三十年度の繰越額二百二十八億円の内訳をごく大ざっぱに申し上げますと、そのうち、器材費が百三億九千五百万円、施設整備費が五十三億円、船舶建造費が六十四億四千四百万円、その他が約六億六千数百万円でございまして、約二百二十八億になるわけでございます。御承知の通り繰り越しをすることのできる経費につきましては、財政法に規定がございまして、まず国会におきまして繰り越し明許の承認を経てあるものと、それから第二には、財政法の規定によりまして事故繰り越しの場合、それから第三には継続繰り越しということになっております。ただいままでのこの二百二十八億円の内容をなしております器材費、施設整備費、船舶建造費につきましては、それぞれ繰り越し明許の費用になっておりまして、人件的な経費につきましては、もちろん繰り越しができないわけでございます。すべて物件費の分というふうに御了承を願います。
 それから不用額はどのくらいの割合かと、こういうお尋ねでございますが、実は不用額というのは、先日御説明申しましたように、ただいままで防衛庁におきまして生じておりますものの大部分は人件費でございますが、こういうような見積りの誤算ということはなきにしかず、あってはならないものでございまして、二十九年度におきましては多大の人件費の繰り越しが出ましたので、この決算の状況を見まして、三十一年度の予算の編成に当りましては、その点、十二分に考慮いたしまして、実行上もほとんど不用額が生じないように相なろうかと存じておるのでありまして、あらかじめ不用額がどの程度になるか、どの程度の割合であるべきかということは、ちょっとこれは一がいには申し上げられないのでありまして、できるだけ不用額というものは生じないようにした方がよろしいのでございます。もちろん、既定の計画を実行いたす場合に当りまして、できるだけ経費を切り詰めまして、そうしてよって生じまするところの不用額というものは、これはもちろん、けっこうなことでございますが、いただいた予算は、何がなんでも、その単価が高くても執行するというようなことじゃなくて、予算の範囲で、できるだけ安い単価で、しかも良質なものが購入できますことが理想的でございます。従いまして、あらかじめ不用額というのは一体どのくらいの割合であるべきかということは、ちょっと一がいには申し上げにくいかと存じます。
#19
○高田なほ子君 大へん意地の悪い質問のようになってしまいましたのですが、だれも不用額を初めから用意して予算を組む者はないのでありますが、私は別に底意地の悪いつもりで質問をしたのではなくて、いろいろと日米関係のデリケートな問題もあるので、特に防衛庁の予算としては、そういったようなことが、他の予算に比較して多く考慮されているのではないか、こういうような意味で御質問を申し上げたわけで、決して底意を持っている質問ではない、そういった点がもつとはっきりつかめると大へん都合がよろしいのですが、再度私の意のあるととろに対してお答えをいただきます。
#20
○説明員(北島武雄君) この点につきましては、一昨日次長からも御説明申し上げた通りでございまして、対米関係からあらかじめ不用額が出るであろうが、よけいな数字を計上するというようなことはただいまいたしておりません。その点は何とぞ一つ御了承願いたいと存じます。
#21
○高田なほ子君 そこで長官にお尋ねいたしますが、この会計検査院の報告によりますと、不急品の購入件数というのは非常に多いわけでございます。それは前委員会でも問題になったようでありますが、私もここで簡略にお尋ねしたいことは、アメリカから供与を受ける場合に、日本の、たとえば隊員を入れることができないために隊員をふやさない、こういう人件費が削られておりますから、そういうこともあり得ると考えなければならない、そういうような場合に、その供与されるものが、日本側では今不必要であります、こういう場合に、日本側の意図を明白にして、それを拒否する権能というものは持っておるものでしょうか、どういうものでしょうか。この点の法的な説明を承わっておきたいと思います。長官でも次長でも、どちらでもけっこうです。
#22
○説明員(増原恵吉君) 大体要求をいたしてもらうものがほとんど全部でございまして、われわれの方では、これだけのものが要るから供与をしてくれないかという要求によって、大体もらうものでございます。さしあたり要らないものを向うが供与をしてやろうといってもらっておるものも、もちろんございます。たとえば、ここにちょっと出ております冬服七十万着というふうなもの、ただでくれるものでありますので、これはもちろん、当時の長官の指示を得て審議をしました結果、保存をしておいても十分保存にたえ、使用できるから、将来の使用のために、無償でくれるものならばもらおうということで、こちらの意思決定によってもらったので、向うがくれるものは何でももらわなければいかぬということはございません。また、車両類も向うの方で無償供与ということで、自動車類をもらいましたのが昨年でありますが、昨年の使用からいうならば、相当余剰のある分を、長官の指示を得て、協議の結果もらいましたが、これは置いておいて、将来要るようになった場合に使う、悪くなったものの補給に使うというふうなことで、こちらで研究をし、もらった方が財政の方面においても非常によろしいということで、もらう意思を決定して、もらいましたものでございます。従いまして、不要であるものは、こちらで要らないということをもちろん言えるわけでありまして、向うの方でやろうと言っているものを、そのままもらわなければならぬことはありませんし、また、そういうことをしたことはございません。
#23
○高田なほ子君 これは若干私見もまざることでありますが、無償でもらうといっても、これは国全体からいえば、決してただでもらっているわけではございませんで、そこに何らかの有形無形の代償が要求されることは申すまでもないのであります。そのことは意見にわたりますから、これは論議を差し控えますが、たとえ無償でありましても、かなり膨大なものの保存ということになった場合に、これはその保存の方法ということについても、やはりかなりの予算というものは要るわけでありますから、たびたびこの不急品の購入、供与という問題について指摘されることのないように、やはり保存の可能な範囲内において供与を受けるという立場に立つものであって、無償だからもらってやる、もらっておくというような安易な御答弁は、この際、私はかなり慎重に御答弁になられるのが筋合いではないだろうか、これは意見であります。これに御答弁をいただく必要はございません。
 次に、お尋ねをしたいことは、先般供与品の物品の管理の問題で質問がされたのでありますが、この点について若干不明な点がありますので、さらにお尋ねをしたいと存じております。これは帳簿と現品が会わないという問題、かいつまんでいえばそういうことになるわけでありますが、この場合、前任者のものを、あとの者が引き継いだときに、正しくないと考えられるようなことがあっても、従来の慣行としては、そのままこれを引き継いでいった、そういうような集積が、いろいろあとで問題として指摘されるようになった。こういうような意味の御答弁があったわけでありますが、供与品の一体所有権というものですね、アメリカから受けた供与品というものの所有権というものは、どこに一体まかされておるのか、その所有権は、日本の意思でもって自由にこれを移管することが可能であるのかろうか、こういう点をここではっきり伺わしていただきたいと思うのです。そうでないと、何度会計検査院の方でこういう問題に直面しても、その根底がつけない、供与されたものの所有権の移管ということについての問題がからんで、この前任者と後任者との間に、言わず語らずのきわめて悪い慣行が残ってくる、こういうことに結果としてなるわけでありますので、この点のはっきりした防衛庁の見解、これを承わっておきたいと思うのであります。
#24
○説明員(増原恵吉君) ただいまの御質問は、主として米国から供与を受けたものについての御質問と拝承いたしました。いわゆる供与を受けましたものの所有権は日本政府に移っておるわけでございまして、管理は防衛庁長官がやっておるという建前のものでございます。そうして、先般経理局長が申しました趣旨は、そのとき会計検査院からもお触れになりました最初の不足――イニシアル・ショーテイジの問題が主たる問題であります。当時は、初めはそのときも御説明を申し上げましたが、少し法律関係がはっきりしないで、まあ説明をするならば、所有権は米国が持ち、管理権も米国が持っておって、当時の警察予備隊あるいは保安隊というものが、これを使用する権限だけを持っておるという形のものであったわけでございます。これをその後切りかえまして、全部供与ということで引き渡しを受け、その引き渡しを受けます際に、わが方の事務能力及び米軍側の事務能力ともにうまく見合いませんので、当時の帳簿の上で一応引き渡しを受けた、そこでイニシアル・ショーテイジというものが出たわけでありますが、本年七月、九月に徹底したたなおろしをいたしましたことを、この前申し上げましたが、ここでやはりイニシアル・ショーテイジというものが大体はっきりつかめましたので、これは米軍とも話をしまして、これを切り捨てることを向う側も了承いたしておりますので、そういう意味で帳薄の整理ができて、きちんとなったというふうに申し上げたわけでございます。
 ただ、このそうしたもらったものは勝手に処分できるかという御質問でございましたが、これは供与を受けまするのが、いわゆるMSA法に基く供与でございまして、これは日本が防衛の目的に使用するために供与をしてくれ、わが方も防衛の目的のために使うということでもらっておるのでありまして、これを直ちに廃棄してしまうとか、ほかに売り払うということはできない形で供与を受けておる。所有権はあくまでもわが方のものでございます。
#25
○高田なほ子君 所有権と管理権、これが全部わが方に移った、こういう御説明ですか。
#26
○説明員(増原恵吉君) 供与を受けたものについてはさようでございます。しかし向うからもらったもの――もらったといいまするか、提供されておるもので貸与というものがございます。軍艦などは貸与、これは所有権は移っておりません。
#27
○高田なほ子君 そうすると所有権と管理権は、これはまあおのおのその性格は違うでしょうが、所有権と管理権がわが方に明確に移ったものに対して、わが方はこれを破棄し得る権限を持つわけですか。今、あなたは、それを勝手に破棄できないのだという御説明だったのです。所有権と管理権が明確にわが方のものであるならば、わが方に所有権に基いている破棄の権利だってこれは当然あるはずだと思います。ここらの関連はどういうふうにお考えですか。
#28
○説明員(増原恵吉君) これは供与を受けまする際に、向うの条件が、日本の防衛のために使うという条件で上げましょう。その条件を承知の上でこちらは供与を受けたということでありますから、条件として日本の防衛のために使う。十分使えるものを破棄するとか、ほかへ、防衛目的以外のものに処分して売り払うということは、条件としてできない。所有権、管理権はわが方に移っているということでございます。
#29
○高田なほ子君 この場合、これは余分のことに入りますが、先ほど機密保護法のお話がありましたので、ちょっと関連して伺っておきたいのでありますが、わが方に移りました所有権と管理権に属するものは、これは行政協定に基く機密保護法というものがこれはそういうものがあるかどうかわかりませんが、法的には抵触するのですか、しないのですか、これはどうですか。
#30
○説明員(増原恵吉君) この日米相互援助協定、いわゆるMSA法に基いて供与された装備品等の秘密保護に関する法律というのを今日御議決願っているわけであります。これは米国からMSA法によって供与、貸与も入っておりますが、供与、貸与されました装備品の中で秘密に属するものの秘密を保護することができる。全部の秘密を保護する、何でも秘密にするわけじゃないのでありまして、装備品のうち、事柄の性質上、秘密を保持する必要のあるものの秘密は法律によって保護し、これを暴露すると所定の措置がとれる、こういうことになっているわけであります。すべての装備品の秘密を保護するという意味の規定ではございません。その秘密とすることが必要なるものについて保護できるというものでございます。
#31
○高田なほ子君 余分な質問にわたりましたが、最後に長官に、これは非常に重要な問題としてお尋ねをしたいことは、冒頭長官からも、みずからお言葉があったようでございますが、たびたびの防衛庁の汚職問題については、特に私どもは婦人という立場から、まことに許すべからざる問題として承知をしているわけであります。かつまた、こういう問題が二度、三度と繰り返されては絶対に相ならぬ、こういうような決意をお互いに私は持つものだと思うのであります。けれども、従来、決算委員会でもしばしば追及される問題でありますが、問題が起った場合には、その局部の責任者、または直接それにタッチしたととろの下部官僚はいろいろの形で罰則を受けます。また、そういう罰則の規定も用意されているようでありますが、しかし、そうした下部末端の問題が起ったことについての直接の責任は、当人はもちろんでありますけれども、あげて私は船田防衛庁長官の重要な責任問題に属することだと思う。今日までの日本の官僚のたくさんの汚職が一切に払拭でき得ないということは、これは官僚みずからも反省しなければならないけれども、下部官僚の末端の責任に対しては、常に最上位にある者の責任の所在がきわめて不明確なんです。私はもし高田が防衛庁長官という重責を負うようなことがかりにあったとするならば、末端の一小部分の汚職問題に対しても、みずから職を辞して世間にその不明をわびるに私はやぶさかではない。また、そういうような態度をとってこそ、初めて官僚の中にほんとうの意味の私は責任感が起るのではないか。旧来からの官僚道徳というものは、上に対する責任というものは常に感じております。上官に対する責任というものに対しては非常に強く感じているけれども、下部官僚に対する上官の責任感というものは非常に薄い。つまり上に対する屈辱的といいますか、古い意味の道徳感が下の者に対してそれだけの道徳感を持っているかというと、決して持っておらない。そこに官僚のこの腐敗堕落というものが払拭し得ないという私は原因があるのでないか、こういうような点から、はなはだ私ごとき弱輩が船田長官にかかることを申し上げることは潜越のきわみであるかもしれませんが、私の背後にある日本国中といっても過言ではない、すべての婦人は、防衛庁の汚職問題に対して多かれ少かれ非常な憤激をもって臨んでいる、こういう事態を再度繰り返さないためには、相当私は最高位の責任を持つ長官、これの責任問題ということにみずからえりをたださなければ、この問題は解決できない。これは決算委員会の席上で私がいやみとして申し上げるのではなく、衷心から日本の経済がきわめて不循環なところに即している中で、特に裕福な財源をもって、かなり意思のままの予算の操作のできる防衛庁の長官には、特にその責任というものがまかされておるのではないだろうか。再びこういうようなことを繰り返さないために、下部一人々々、末端の下僚の責任をもあなたがほんとうに負って下さるというような御意思を私はお持ちになっていただきたい、こういうことを非常に強く念願してやまぬわけであります。
 はなはだ潜越でありますが、これに対して率直な船田長官の御意見をわずらわしたいと思います。
#32
○国務大臣(船田中君) ただいま高田委員のおっしゃった、下僚のやった行為に対して上級官吏が責任を負わないというようなことは、私はいたさぬつもりでございます。また、ただいま御指摘になりましたように、防衛庁に汚職があるということを前提としてのお話のようでございますが、どういう汚職があるのか、その汚職が事実どういうものであるのか、それをはっきり御指摘を願いたいと思います。
 私は、この春の国会におきましても、また、参議院の決算委員会においても、あるいは衆議院の決算委員会あるいはその他の機会におきましても、もし防衛庁の中にあるいはエンジンを買ったとか、あるいはくつを買ったとかいうことに対して不正不当行為があった、そうして防衛庁長官として責任を負わなきゃならぬということであるならば、私はいさぎよく責任を負いますということをはっきり申しております。その後、二十四国会が終った後におきまして、私初め数名の幹部に対して、中古エンジンを買ったことは背任横領罪を構成するといって告発をされております。従いまして、私らはその事実があるならば、はっきり責任を負いましょう、そのかわり不実のことを原因としてそういう告発をするならば、これに対しては、われわれは断固として誣告の訴えをするというので、誣告の訴えを今起しております。しかも私どもに対する告発は、ただ告発状を東京検察庁にあげたというだけであって、何ら一片の説明もしません。もし不正不当の事実があるというならば、はっきりそのことを御指摘を願い、そうして裁判上であろうと、あるいは決算委員会の決議であろうと、あるいは衆議院、参議院、いずれの院議によってでも、はっきりその点がいたしますならば、私は決して責任をのがれようというような卑怯な考えは持っておりません。十分におやり下さって差しつかえないと、私は申し上げます。
#33
○高田なほ子君 大へんごりっぱな御答弁をわずらわしてけっこうであります。私が申し上げたことについて大へんお腹立ちの御答弁でありますが、決してこれはお腹立ちになる筋合いのものではないと思うのであります。はっきりした事実をあげて言ってもらいたい――これはまるでけんか腰であります。私のような一介の議員が、この膨大な防衛庁の予算行政に対して、どうしてすべての問題を糾合してあなたに責めることができるでありましょうか。そこにおいてこそ、この会計検査院が幾多の不正行為、また反省しなければならないというような問題を指摘して本委員会に出されて、しかもその審議の途中であります。しかし、この審議の途中で私も再々これを読み返し繰り返して見れば、会計検査院の指摘は必ずしも不当ではなかったように考えられる。こういうようなことはけんか腰になるべき筋合いのものではなくて、防衛庁の問題について、これは単に私一個がここで指摘しておるのではなくて、単に中古エンジンとかボロぐつ問題とか、そういうようないろいろのことがありましても、私はその真偽の探求にタッチしておりませんから、この真偽がどうだこうだということはないのであって、再びそういうようなことがないように、また、特に会計検査院のこういったような指摘が再び防衛庁に起ることのないように、あなたの御決意というものをむしろわれわれはともに促して、国政の妥当な運行のために協力しよう、こういうような態度で申し上げるものを、何もそんなにお腹立てになって、真正面からいきり立たれるような態度は、長官としてあまりおとならしくない。私はまた誠意を欠く御答弁だと思う。私は一介の女性である。あるいはあなたは男性であって、はなはだしくいやな気持をなさったかもしれませんけれども、特に婦人というものは、やはり金銭の出納とか、あるいは金銭の使い方の正、不正というものに対しては非常に敏感であり、また非常に純粋なものを持っておる。そういうような意味で世間の婦人の誤解というもの、あるいは疑惑というものを一掃するためには、やはり最高の責任にある方が断然とした、きぜんたる意思を持って、そうして国政の運行の責任を果すべきではないだろうか。とのことを私は強く期待する、こういうようなことなんです。私は、お腹立ちになられた御答弁というものは終生銘記いたしまして、防衛庁のこうした会計検査院の指摘事項が、今後一件もないであろうということを強く期待するものであります。
#34
○大倉精一君 関連して。今の長官の御答弁は、私も聞いておって非常に不快に思ったのですが、何か高田君があなたに挑戦をしてあられるようにおとりになったのかわかりませんけれども、何かわれわれに挑戦をしておられるような感じを受けて、非常に不愉快です。あなたは、不正はないとおっしゃる。不正というものは何だ、刑事事件か、刑事事件にさえならなければ何をやってもいいか、こう私は逆に申したいのです。今ここでずっと毎年々々防衛庁の不当事件に関しては批難事項が多い。これは不正じゃないかもしれませんが、不当なんです。不当な事件がたくさんある。私はこの問題は、ボロぐつの問題はタッチしませんから知りませんが、一つの失態であることは事実なんです。それを刑事事件にさえかからなければいいのだ、そういうようなことが、もしあなたの胸の中にあるとするならば、これは大へんなことだと思う。私はそういうようなことであれば、これは一項一項つぶさに検討しなければならぬと思うのです。まあそれはそれとしまして、私はさっきの高田委員の質問に関連してお伺いするのですが、あなたは繰越について、これもまた、これくらいのことはやむを得ぬのだ、こういうことを批難するのは、これは防衛庁の仕事を知らぬのだ、こういうような趣旨の御答弁であったと私は記憶しておる。ところが三十二年度の予算編成中の今日におきまして、私は仄聞するところによるというと、防衛庁の費用の増額は、この毎年繰り越すところの余剰金でもってまかなえ、こういうような意向も同僚の中にあると聞いておる。この何百億というような膨大な予算ですね、これが毎年使われずに残っておる。これはいろいろな事情があるでしょう。いろいろな事情があるでしょうが、私はこれは考慮の余地があると思う。これはだれでもそう思うのです。あなた方そう思わぬかもしれませんが、私はそう思う、しろうと考えに。しかも、予算の編成を担当しておるところの大蔵省ですらそう考えておる。それを長官は、それは防衛庁の仕事を知らぬのだと、まるでしろうと扱いにされておるということは、これは私は不当だと思う。もう一回念のためにお伺いするのですが、毎年毎年こういう繰り越しの予算がきておるのは、これはやむを得ぬものなんですか、あるいは再考する余地があるのですか、重ねてお伺いしたい。
#35
○国務大臣(船田中君) 私は何も腹を立てているのでも何でもありません。ただ防衛庁は汚職をしておる、汚職をしておるという前提で今、高田委員からお話がありましたから、不正不当のことがあるというならば、その事実を御指摘願わなければ、それについて責任をとるか、とらぬかとおっしゃっても、はっきりしたことは答弁ができない。もし不正不当があって、そうして私の責任に帰すべきものであるということがはっきりいたしますれば、私はいつでも責任をとるにやぶさかではない、こういうことを申し上げたのであります。
 また、ただいま御質問がありましたけれども、私が何も委員の諸君をしろうと扱いしてやったとか何とかいうようなことは全然ございません。ただ、私の言わないことを私が言ったようにして、そうしてそれに対していろいろ御批判をされるということは、これはお互いに私は慎しむべきだと思う。これは真実の発見ということのためには、やはり事実は事実としてあげて、そうしてそれに対してわれわれの方の言い分もよくお聞き下さって、そうしてその上で良識ある、良識に基く御判断を願って、そうして、もし責任が防衛庁長官に帰すべきものであるということになりますれば、私は決してその責任を回避するものではございません。
 また、ただいま繰越金が多いということも、こういう事情でございますということを申し上げたわけで、そうして、しかも次長なりあるいは経理局長からその詳細なことを御説明申し上げておるのでありまして、決して私が、委員の諸君をしろうと扱いして、やむを得ないからこれをのめというようなことを私申しておるのではございません。
#36
○大倉精一君 どうもきょうは長官非常に虫のいどころが悪いとみえて……(笑声)事ごとにつっかえるのですが、私はこの繰越金についても、たまたま、今あなたがおっしゃったその内容からいって、このくらいの繰越金は、これは防衛庁としてはやむを得ぬ繰り越しなんだ。艦艇がこうだとか、何がこうだ、であるからして防衛庁がこういう仕事をやっているのだ。こういうことを皆は知られぬのじゃないかというようなふうに私は受け取ったわけであります。でありますからお聞きしておるのだが、その毎年の繰越金というものは、どうしても再考されるような、そういう余地はないのですか、やむを得ぬのですか、そういう毎年毎年の繰越金というものは。
#37
○国務大臣(船田中君) 今の繰越金が二百億円以上あったということについての事情は、今まで御説明申し上げたようなことでございます。しかし、それを経理の改善、第一は、予算の編成についてもう少し技術的の改善の余地はないか。たとえば継続費の活用というようなことももっと真剣に考えてみてはどうかというので、現に三十一年度から三年間にわたりまして潜水艦を注文する場合には、これを継続費に回したと、こういうようなことをいたしております。ですからそういう点について財政法その他の法規の許す範囲内において、できるだけの改善をして、そうして世間の疑惑を生ずるようなたくさんの繰越金の生ずることのないようにしたい、こういう努力は十分やっていくつもりでおるのであります。
#38
○大倉精一君 この批難事項の中にもいろいろありますが、中にはその年の予算を使うのに苦労なさってそうして余分なものを買ったり、不要不急なものを買ったり、こういうような傾向も見受けられるのですが、そういう傾向は防衛庁の中にはありませんか、あなたの部下の中にはそういう傾向はありませんか。
#39
○国務大臣(船田中君) 今、御質問のようなことはないと私は信じております。
#40
○大倉精一君 そこで私は――あとこまかいことは担当官からでもけっこうなんですが、一番最初に質問したことに戻ってもう一ぺんお尋ねするのですが、あなたは今、不正不当ということをおっしゃったのですが、その不正と不当とどう違うのですか。これは不当というのは、こういう批難事項に書かれておるようなことが、大小にかかわらずですね、その中には不当なものもあると思うのですが、長官は不当なものはないとおっしゃるのですか。
#41
○国務大臣(船田中君) 私は不当なものがないと言って断言しているのじゃありません。不正不当であって、そうして責任としては、当然防衛庁長官の責任を負うべきものであると、こういう御判断でありますならば、それはもうもちろん、私は責任を負うにやぶさかではございません。
#42
○大倉精一君 そうするとこの批難事項は、批難事項の中にいろいろ指摘されておるような不当事項ですね。いわゆる刑事事件にはかからないが、不当だと、こういうのを繰り返しておるということは、これは防衛庁長官の責任ではないのですか。
#43
○国務大臣(船田中君) 防衛庁長官の責任に帰すべきものであるという御判断でありまするならば、その御判断が決定されますれば、それは私は決してその責任を負わないとは申しておりません。
#44
○大倉精一君 そういうようなものは、他の決定を待ってあなたは決意されるのですか。みずから、これはおれの責任だという自覚のもとに長官としての職務をなさっておるのか、どっちなんですか。それは他の検察庁なり国会なり、何か上の方で決定しなければ、責任というものはないのだ、こんなようなお気持になっておられるのですか。
#45
○国務大臣(船田中君) ですから、そういう責任を負うか負わぬかということは、具体的の事実を御指摘になりまして、この事件について防衛庁の長官の責任がこうだと、その責任を負うか負わぬか、こういうことをおっしゃっていただきますれば、私も具体的にお答え申し上げます。しかし、決して私は防衛庁長官としての責任を回避しようなどというような考えは持っておりません。
#46
○大倉精一君 責任を負うという言葉はですね、直ちにおやめなさいという言葉には通じないかもしれません。そうとは限らぬと私は思う。責任のとり方はいろいろあると思う。だが今の御答弁をずっと聞いておるというと、何か上の方からそういうことが決定されれば、やおら責任を負うと、それに従うのだというのですが、私はそんなものじゃないと思うのですね。自分の部下のやったこと、あるいはそういうような失態なり不当な事件が起きたということは、これは長官として監督不行き届き、指導不行き届きということになりはせぬですか。事の軽重、大小がありますから、これはあなたの進退に関しては、それはその事件によりましょうが、私は長官としては、この大きな膨大な機構を統轄される上において、極端な言い方をするならば、ほんの一兵卒、昔の言葉で言うと一兵卒のした些細な事件でも、おれの責任だ、こういう気概でもって統率されなければ、なかなかこの大きな防衛庁という機構の統率はできないのじゃないか。昔でいう軍隊であるから、一軍の統率というものは、場合によれば命を捨てると、こういうような一兵卒の些細な失態にしても、これはおれに責任があるという気概と責任感があってこそ、私は任務の達成ができると思うのですが、御所見をお伺いしたいと思います。
#47
○国務大臣(船田中君) たびたび申し上げるようでありますが、私は責任を回避しようなどという考えをもっているものではございません。
#48
○大倉精一君 まことに不明瞭な表現をされますので、私はこれ以上申し上げません。
#49
○久保等君 般田長官にちょっと。私も先ほど来の御説明を初めから伺っておるのですが、若干どうもちょっとわれわれの、従来から決算委員会で、会計検査院の決算報告に基いての実は審査を進めてきた経験からして、非常に実は耳ざわりといいますか、長官のお考え方はやはり明確にしておかなければならないという気がするのです。ここで取り上げておりますのは、御承知の通り、当決算委員会としては、昭和二十九年度の決算報告を中心にして防衛庁のいろいろ当局から実情をお開きいたしておるわけです。たまたま、若干あるいは話が汚職問題という問題に触れたように防衛庁長官はおとりになったかもしれません。しかし、ここで取り上げておりますのは、先ほど来の質疑の経過を通じても、これはやはり繰り越し問題あるいは不用額の問題を中心とした質疑であったと思う。その中で私はやはり防衛庁長官の一番最初の御説明の中にも、何か一つ防衛庁の実情というものを十分御了解願いたいという御答弁に終始したような御答弁を伺って、若干会計検査院から指摘されておる諸項目について、どの程度長官が把握されており、どの程度責任を感じておられるか、実は、若干疑問を持っておったわけです。ところが、たまたま先ほどお話のように、不正不当があれば責任をとるのにやぶさかでないような、非常に何か大みえを切るような御答弁をされたのですが、実は、ここに具体的問題を中心として質疑をいたしておりまする以上、あたかも長官は不正不当事項は全然ないのだ、もし、不正不当事項があるならば責任をとりますということを言われますのは、一般のどこか場所が別なら別として、決算委員会における問題はその程度の御答弁では私は問題は解決しないと思う。特に不正不当と言われる問題、これは現に二十九年度の問題で、長官個人としてみれば、当時あるいは防衛庁長官でなかったというお気持もあるかもしれませんが、すでに、三十年度の決算報告書も国会に間もなく提出される段階で、昭和三十年度の中間においては、防衛庁長官がやはり現実に携わった事実の内容についての決算報告が出されようとしておる状況だと思う。その場合、おそらくここで私は三十年度の決算報告の中に、一点も指摘される不正不当がないのだ、こういう言明は私はできないと思う。実は、三十年度の決算報告を全然まだ拝見しておりませんから、防衛庁長官がそれほどまでに責任を感ずる、しかも三十年度の決算報告については、何らの指摘される事項もないのに、何か自分が全然在任しなかった二十九年度の決算報告の問題について、ここでとやかく言われるということは全く筋違いだという認識の上に立っておられるとすると、これは確かに先ほど来長官に質問していることは若干的はずれであったかとも思うのですが、三十年度の問題について、ここに検査院の方もお出でになっておるからお聞きしたいのですが、不正不当事項について何件くらいに上っておるのか、全然ないのか、その点をちょっとお聞きしたいと思うのですが。
#50
○説明員(保岡豊君) 三十年度の決算報告に不当事項として出ましたのは十六件かと思います。まだ少し変化するかもしれませんが、十六件であります。
#51
○久保等君 長官、決算委員会というのは、特に、私は参議院の決算委員としてすでに三年間ばかり当決算委員会において、いろいろ防衛庁の方々に決算報告についての質問を申し上げて参った者として、どういうふうに認識されておるかしりませんが、衆議院の決算委員会がどういうふうな今までの経過をたどって審議をして参っておるか私は知りませんが、しかし、少くとも決算委員会で不正不当の問題を取り上げておりますのは、私どもは少くともその問題を政治的に取り上げて非常にアッピールして、ことさら針小棒大に国民の中にこれを宣伝しようとか、あたかも汚職、疑獄がないのに、あるかのごとく宣伝しようという気持はさらさらない。むしろ年々歳々こうした膨大な会計検査院から出される決算報告書を眺めて、一年たてば一年たっただけ、少しでも指摘事項が少くなり、少しでも会計制度の合理化をはかっていく、あるいは機構の面で不備な点があるならそれを改正して、われわれ当決算委員会として、側面的に協力していこうという気持から出ていることのほかの何ものでもない。何か防衛庁長官が砂川問題あるいは中古エンジンの問題を取り上げて、個人的に心証を害しておられるということについては、私は当決算委員会の一員としてまことに実は心外に思うわけです。少くとも私は、防衛庁長官がそういう答弁では済まされない、現実にあるのです。いかに防衛庁長官が大みえを切っても、ただ一点も不正不当事項がありません、もしあるなら指摘してごらんなさい、それによって私は責任をとるかとらないか考えましょうというような答弁で決算委員会に臨まれるということについては、非常に心外に思うわけです。この点について防衛庁長官に私は初めて御質問を出し上げておるのですが、まず、そのお気持をお伺いしたいのです。先ほど答弁せられた真意が一体那辺にあるのか。別に何も中古エンジンの問題を中心にし、古くつ問題を中心にしてもあなたに対する告発問題を当委員会で取り上げたおぼえはない。一体どういうお考えでそういう御答弁を、ここであなた初めておいでになって答弁せられなければならない心境にあったのか。私は決算委員として別に党派とか何とかいう問題を抜きにして、当決算委員会の審議を進めるに当って、決算委員会としての権威を高めて参ることが、私は国民に対する大きな負託にこたえる道じゃないかと思う。そういう点について、防衛庁長官、特にあなたの防衛庁は少くとも他省よりも多いということは言えると思う。内容が、質の面において悪質であるかどうかは別として、問題が非常に多いということだけは私は事実であると思う。それに対して防衛庁長官が何らかの責任があるということも、これまたいなめない事実だと思う。ところが防衛庁長官は、進退問題にまで関連するような問題が初めて責任ある問題であるというふうにお考えになっているようにもとれまするけれども、しかし私は少くとも、その程度は別として、指摘されている問題については多かれ少かれやはり何らかの責任があると思う。責任が全然ないという問題が防衛庁のどういう具体的事実においてあるか。防衛庁長官については何らの責任がないという事実が、むしろ逆に会計検査院から指摘している問題ですね、その中であるとするならば、決算委員として私はお伺いしたい。防衛庁長官に対して何らの責任のない事項、防衛庁に起った不正不当事項の問題については、そういう事実がむしろ逆にあるかどうかということを疑いたくなるのであります。私たちが指摘していることは、防衛庁長官の責任という問題、直ちに進退問題にまで波及する意味での責任があるだろう、あるいはあるかないかというような問題を認識しているのではなくて、機構の問題にしろ、あるいはこういった不用、繰り越し等の問題について、制度上考える問題がありましょう。あるいはいろいろ改善していく点もあるでしょう。そういった点、私はやはり大きな意味によって防衛庁長官が何らかの意味においての責任を負う問題である。防衛庁長官は一体そういう問題については、私の言ったことが間違っているというふうにお考えになりますか。
#52
○国務大臣(船田中君) よく私の申し上げることをお聞きとり願いたいと思うのです。私は防衛庁に二十九年度、三十年度の決算について、何ら不正不当がないというようなことを申してはおりません。不正不当の事件があって、そうしてそれについて防衛庁長官が責任を負うべきものであるという判定ができまするならば、それに対して私は防衛庁長官として決して責任を回避するものでない、こういうことを申し上げておるのでありまして、不当の事件が一つもないとか、不正の事件が一つも起らなかったということは、私は何もここでみえを切ったようにして言っているのじゃありません。
#53
○久保等君 あなたは今はそれは木で鼻をくくったような御答弁をされて、非常に私はあなたのお気持がよくわからないのですがね。先ほどの御答弁の中には、これは速記録を後ほど調べてもらってもわかります。あなたが、責任をとるべきものと決定した場合、責任をとります、そういう言葉の表現ではないのです。私は言葉の端をとらえてあなたにどうこう申し上げようとは思いませんけれども、少くとも先ほどふんぞりかえったような形で答弁せられた、そういうあなたの態度は、私は実は、一体会計検査院で指摘されているような問題等について、真剣にそういった問題について検討を加え、今後の改善について、ほんとうに私は一体真摯な気持でやっていこうという熱意と誠意を持っておられるのかどうかということを疑いたくなるから、お聞きしているのです。私はいきなり防衛庁長官、あるいはあなたに責任があるはずだとか、あなたは一体責任をとるつもりでいるのかどうかという質問をしておるのではない。あくまでも決算委員会において論じておることについて、私は当然防衛庁長官には責任がある、その責任があるというのは、責任があるから直ちに、それは先ほども申し上げたように、最高の責任をとらなければならぬというようなことを言っておるのではないのです。これは一体ちょっと本筋からそれますけれども、責任問題のいろはの「い」の字の問題だと思う。ところが防衛庁長官、私はお互いにこの問題については――この問題といいますか、こういう会計検査院の問題としてあげているような問題については、考える問題があろうかと思うのです。そういうことについては、一体そういう必要がないというふうにお考えなのですか。
#54
○国務大臣(船田中君) 今お話のように、事実についていろいろと御論議があり、あるいは御質疑があって、そうしてそれに対して私どもから弁明をし、説明をする、そうして適当なる良識ある御判断を最後にお願いする、こういうことでございまして、そうしてその上で防衛庁長官として責任を負わなければならぬというものがあるということでありまするならば、決してその責任を回避するものでない、こういう趣旨を先般来繰り返し申し上げておるのでありまして、別にほかに他意はございません。
#55
○久保等君 別に当決算委員会はこれは裁判所でもないし、ことさらに責任者をはっきりさせる、特にそれに対しての最終的な判定をやるような意味の決算委員会では私はないと思う。むしろやはり年々少しでも会計上の、経理上の問題についての不正不当の事項をなくしていかなければならぬという意味で、私は特に決算委員会が設けられ、しかも特に大ぜいの議員の諸君によって慎重に私は審議がなされて参っておると思うのです。従って説明を申し上げ、最後の判定は一つ決算委員会の方で判定をしてもらいたい、その判定によって責任をとらなければならぬ問題については責任をとりますというような、非常に防衛庁長官の言われることは筋が通ったような話ではありまするが、何かちょっと考えると……、私はそういう形でなくて、答弁される過程においても、それから答弁をここでお願いをする前においても、少くとも私はここで、決算委員会で取り上げられようが取り上げられまいが、もし適当でないというような事態が起き、しかもその問題が会計検査院で取り上げられた際にも、おそらく会計検査院から十分なる連絡なり、あるいは会計検査院からの講評といったようなことも検査の過程においてはなされておると思う。私はそういう過程において、当然どういう責任を感ずるか感じないかは、それぞれの個人のやはり判断の問題もありましょうけれども、私はそういったことが少くとも少しでもよくなるようにという気持が、それぞれの所属の私は責任者、特に防衛庁長官はそういう意味では防衛庁のあなたは最高責任者でないですか。最高責任者とするならば、私は少くとも先ほど来言われておりまする総体的な繰越額、あるいは不用額の問題、昭和二十八年度あるいは九年、三十年という三カ年をとっても三百億近い、実は繰越額なり不用額を含めますと出てくるわけなんです。しかもこれはこの三十一年度についても若干傾向として、経理局長にもお伺いしたいと思っているのですが、三十一年度はまだ年度途中ですから、最終的な、もちろん結論も出ようはずがありませんし、確定的なことをはっきりここで御答弁を願うことは無理だと思うのですが、ただ二十八、九、三十年、三カ年をみますと、繰越額のトータルというものが二百七十一億、あるいは二百七十九億、三十年度は二百七十六億といった、大体二百七十億台の金額が出て参っております。これは偶然の、私はある程度一致じゃないかと思うのですが、とにかく二百七十億台の繰越額なり不用額というものが出ておる状況にあって、三十一年度の一体傾向がどういう傾向をたどっておるか、すでに年度途中ですけれども、三分の二を経過しております今日、ある程度の私は傾向もわかると思う。そういう問題になって参りますならば、これは単に責任があるとかないとか、責任をとって長官がやめるとかやめないとかという問題でなくて、何とかこれは一つ、そういう方向で、ぜひ私はここらあたりで根本的に考え直さなければならぬ、あるいは対策を立てなければならぬという状況に私はあるだろうと思う。そういったことも責任の中に入るのじゃないかと思うのですが、一体長官、いかがお考えですか。
#56
○国務大臣(船田中君) 防衛庁の経費の経理につきまして、あるいは調達の問題につきまして、十分皆様方の御意見を伺って、改善すべきものはできるだけの改善をして参りたいと思います。ことにそのことを先ほど来三十二年度の予算の編成についても十分考慮し、改善を加えていきたいということを申しておるわけです。
#57
○久保等君 もう少し私の答弁に、あまり政治的な含みを持った要領のよい答弁でなくて、私は率直な、素直な気持で御答弁を願いたいと思う。決して私は他意あって御質問しておるわけではないし、また意地悪い質問をしておるとも思わない。むしろ当決算委員会の空気といいますか、従来の経過というものについて、長官はあまり御存じないから、何かさわらぬ神にたたりなしといいますが、とにかくできるだけ一つピントをはずして答弁しておけばというような気持で、非常に要領のいい答弁をせられておると思う。何か予算委員会で答弁せられるような答弁をやっておるように私は受け取るわけでありますが、私の聞いておるのは、そういう抽象論ではなくて、今申し上げたように、具体的な数字と具体的な問題を取り上げて御質問をいたしておるわけであります。だからそういうことについての何らかの方法を考えるということも、これは大きくいえば、やはり防衛庁長官としては考えなければならない責任の一部ではありませんか。責任でないというのなら、先ほどから言われておるように、責任ではないのだ、不正だとも思わない、不当だとも思わないから、責任じゃないというなら、そういう御答弁を伺ってもけっこうです。そういう問題をあなたが改善する方向に持っていかなければならぬということも、あなたの責任の一部じゃありませんかという、私はきわめて具体的に質問をいたしておるのですから、それに対してはっきりした御答弁を伺いたい。
#58
○国務大臣(船田中君) 防衛庁の予算の計上方について改善すべきものは十分改善していこう、御意見があれば十分承わって、それについて……。
#59
○久保等君 改善すべき事項とかなんとかいうのではなくて、今申し上げておる点を何とか是正していこう、改善していこうというこの問題は、あなたのやはり責任の一部であるとお考えなのか、それともそれは別にそういう責任の範囲内にはないとお考えなのか、この問題についてお伺いしておるわけです。ですからはっきりそういう抽象論ではなくて、ただいまの問題についてどうお考えなのか。これは二十九年度の決算報告の中で、防衛庁の総括的な、しかも私は最大の問題だと思う。だからその数字をあげて私は申し上げておるのですから、それに対してあなた方が一体改善しなければならぬ、また改善していくことは防衛庁長官の任務を果す一つの問題でもあるというようにお考えなのか、何かとうとうと大きな川の水が流れておる、その流れをながめておられるような話ではなくて、あなたの責任の範囲にある問題と考えておられるのか。
#60
○国務大臣(船田中君) もちろんそれは防衛庁長官の仕事としてできるだけの改善をし、ことに予算の編成について従来批難されたような事項もないようにするということは、これは必要なことでありますからも私は自分の責任においてできるだけのことはやっていきたい、かように考えております。
#61
○大倉精一君 どうも抽象的なお答えで、私は少し具体的に伺いたい。先ほど御答弁を聞きますと、この批難事項の中に不正不当ということがあれば責任をとるにやぶさかでない、こうおっしゃっておりましたが、たとえば一、二の例を申し上げれば、批難事項第十二あるいは二十七、これは明らかに不当だと思いますが、長官はこれは不当だとお思いになりませんか。たとえば十二によりますと、まだ装備表にも出ていないところの冷凍機というものを、こういう現実にないにもかかわらず、それに先だって修理工具を買っている。これは常識では考えられぬ。あるいはまた二十七号におきましては、いわゆる輸入商社に対しまして、三十年の八月になってようやく輸入の承認を受けたにもかかわらず、年度末に前渡金として支払いになっておる。しかもアメリカとの契約条件からいくというと、そういう必要はないと思う。そういうのも前渡金を払っておる。これは民間商社なり一般の官庁ならば見受けられないことである。これは不当でないとお思いになりますか、不当であるとお思いになりますか。
  〔委員長退席、理事大谷贇雄君着席〕
#62
○国務大臣(船田中君) 今の具体的の事実につきましては、事務当局から説明させまして、もしその結果防衛庁長官が責任を負わなければならぬということでありますれば、それは十分責任を負います。しかし、この事件が不当であるかどうかということについては、十分それは事務当局から御説明をさせます。
#63
○大倉精一君 私は具体的な例をあげて、すなおな気持でお伺いしておるのです。おそらく毎年ある批難事項については、あなたは責任があるということであればごらんになっていると思うのですが、これは事務当局からいろいろ説明があったものだろうと思うのだが、われわれはしろうとなのだが、一見して不当なものである、常識では考えられぬものだと、私がしろうとであってそう考えるのだから、防衛庁長官としては、これはどうも部下が間違っておった、これは間違いをやっておったのだと、こういうことはお考えにならぬか。やはり事務当局から説明をさせて、そうしてわれわれの判断によってあなたは自分の考えをおきめになるのですか。
#64
○国務大臣(船田中君) この問題については、事務当局からもすでに説明を申し上げておるここと思います。
#65
○大倉精一君 事務当局はこれは間違いではなかったという判断でありますか。
#66
○説明員(北島武雄君) 十二番と二十七番につきましては、一昨日の委員会におきまして検査院の御指摘の通りでございまして、まことに遺憾でございますと申し上げました。
#67
○大倉精一君 であれば、事務当局も不当であったと認めておられるのですが、不正不当があったら責任をとると、こうおっしゃっておる。これは改善する問題ではない。改善するというのは将来のことです。これは過去の問題で、これはあったことなのです。あったら責任をとるとおっしゃっているのですが、これは小さな問題かと思いますが、防衛庁長官はどういう責任をおとりになりますか。
#68
○国務大臣(船田中君) 防衛庁長官として、この問題について、法規上なり、あるいは監督上なり、私の責任に帰すべきものがあれば、それを決してとらないとは申しません。十分責任を感じ、また責任をとるようにいたします。
#69
○大倉精一君 この問題に対して法規上なり何なりで責任をとらなければならないものがあれば責任をとる、こうおっしゃるのですが、法規上の問題なり何なりということを持ち出す必要があるのですか、これは。たとえば法律に違反していなければおれは差しつかえない、刑事事件にかからなければおれは差しつかえないということであったら、大へんなことだと思うのです。これは私は小さな問題かもしれませんが、明らかにこれは間違いであった、不当であった、正当ではなかったということは事実であると思います。でありますから、正当でなかったということを、これがあなたの統轄されるところの防衛庁のどこの部分に起っても、あなたはピラミッドの一番頂点なのですから、これは責任あるものとわれわれは考えて、ここに御出席願って質問をしておるのですが、この不当の既成事実に対してはあなたはどういう責任をとられるのですか。やはり法的に解釈をして、ということになるのですか。
#70
○国務大臣(船田中君) これは不当な事件として指摘をされ、それが不当であるという御判断である場合におきましても、それが全部防衛庁長官が何でも全部責任を負わなければならぬということには限りません。もちろん全般的の、政治的の大きな責任ということにおきましては、もちろん私の責任になることでありますけれども、しかし行政法規上直接に責任を負うべきものに責任を負わすというようなこと、また監督上の責任、こういうようなことがありますれば、それぞれそれに従って適当な措置が講ぜられておることでありまして、しかし全体としての責任はもちろん防衛庁長官にございます。
#71
○大倉精一君 私がこの二つの例を申し上げたのは、たくさんあるのですが、ちょっと目についたから申し上げたのですが、たとえば十二の件は、どこの責任になるのですか、最高責任者はどなたですか。
#72
○説明員(加藤陽三君) 十二の件につきましては、責任者といたしましては、陸上幕僚長、それから施設課長でございます。
#73
○大倉精一君 その施設課長を監督しているのはだれですか。
#74
○説明員(加藤陽三君) 施設課長は陸上幕僚長の統率下にございます。陸上幕僚長は長官の監督下にあります。
#75
○大倉精一君 そうすれば長官は責任があるわけじゃありませんか。それとも長官というのは超然としておって、そういうのは部下の仕事であって、おれは作戦をやって、戦争なんかやって勝てばいいのだということを考えておられるのですか。
#76
○国務大臣(船田中君) 先ほど申し上げましたように、防衛庁の問題につきましては、それは全般的の最高の責任は私が負っておるのです。従いまして、今の事件について防衛庁長官がどうしてもこれの責任を負う――どういう責任を負うかというようなことは、十分これは皆さんの御意見を伺って……、私は決して責任を回避するものじゃございません。
#77
○大倉精一君 決算委員会はやめなさいとか何とかというあなたの進退について指図するものじゃないのです。先ほどあなたの高田委員に対する答弁によるというと、不正不当があったら責任をとる、その具体的な指摘をしてくれ、こういうお話があったので、私は今、指摘をしたわけです。そのあなたの進退については、これはあなたの自由です。あなたが自分の良心に従って、おやめになろうと、あるいは部下を叱りおこうと、あるいは部下を左遷させようと、それはあなたのおやりになることでしょう。それを決算委員会がきめてくれ、これは少し答弁が過ぎはしませんか。
#78
○国務大臣(船田中君) 私は責任を負わないと言っているのじゃないのです、責任は負います。しかしただいま質問者の御指摘になりましたように、それぞれ直接の執行官が責任を負って、そうしてから懲戒になる場合もあり、あるいは監督上の責任ということで減俸を受けることもあり、あるいは譴責を受けるというような、それぞれの処置が講ぜられておるのであります。しかしその全体の最高責任は、それはもちろん防衛庁長官が持っておるのでありまして、その防衛庁長官がいかなる責任を負うかということは、十分国会の御意思に従ってそれに服従をいたします、こういうことを申しておるのであります。
#79
○大倉精一君 そうであれば、私は防衛庁長官にここへ出てきてもらわなくても差しつかえないわけで、こういうことは、もっと防衛庁といたしましては、非常に大きな関心を持って、やっぱり聞いてもらわなければならぬと思う。そうして部下である幕僚長あるいは部長、課長あるいはその下の一防衛庁の職員、こういう者がやっていることも十分関心を持って、そうしてそれぞれの組織なり部署なりを通じて監督指導をする、これでこそ初めて大きな防衛庁というものが生きてくる、動いてくると私は思う。それをあなたは、それぞれの担当の責任者の部下を左遷するなり減俸するなり、それもけっこうでしょう。それもあなたの責任でおやりになることをけっこうなんです。でありますから、私はあなたが責任はこれはあるとすれば、どういう責任をおとりになるか、こう聞いておる。ところがあなたは、いやそれは法規上か何とかで研究をして、そういうものに抵触するなら私は責任をとるにやぶさかではない、あるいは皆さんから御指摘願えれば、あるいはお指図を願えればそれに従うにやぶさかではない、しかし私は全体の大きなところの責任があるのであって、そういうこまかいところには責任がないんだと、それでいいんですか、そういう言い方で……。私はあなたに今責任をとって何をやれということは決して申し上げてない。責任があるかないか、あるとすればどんな責任をとるか、その責任は追って考慮いたしましょうならけっこうである。何か責任があるようなないような、法律に触れなければ差しつかえないような、そういう御答弁は、どうも、ほかの委員はどうか知りませんけれども、私はどうも納得できない。(「議事進行」と呼ぶ者あり)
#80
○国務大臣(船田中君) 責任という言葉に非常にいろいろな意味をおつけになっていらっしゃるのじゃないかと思いますが、先ほどの質問者もおっしゃられたように、私の責任において、部下の直接執行したものについては、それぞれの責任を負わすと、こういうことにいたしておるんであります。その防衛庁に関する全体的の最高の責任は私が負っておると、防衛庁長官が最後の責任としてどうするかということは、結局これは国会の御意思に従うより仕方がないと私は思う。
#81
○大倉精一君 それじゃ私はもうこれ以上申し上げてもお答えがないと思うのですが、最後に一つお聞きしておきたい。私はこの批難事項、今二つばかり例をあげましたが、その他の批難事項について、あるいは批難がない事項につきましても、いわゆる自分の部下のやった不当なる措置に対しては、長官としては責任があるのかないのか、これだけ端的に一つ伺っておきたい。責任があるのかないのか。
#82
○国務大臣(船田中君) ですから全般的の最高の責任は、私がすべてについて持っている。(「了解」と呼ぶ者あり)
#83
○大倉精一君 了解しない。そういう答弁を求めているのじゃない。当りまえの責任を、それは全般的にあなたが責任を持たなければ、だれが責任持ちますか。あなたは端的にさっきの高田なほ子君に対する答弁からいって、それは明らかにしなければねらないと思って、お尋ねをしたのですが、こういう問題について直接責任者があるでしょう。あるでしょうが、やはり最終的にはあなたとしても責任があるのじゃないか、こういうことを考えて私は聞いている。いやおれはその全般のことについて責任があるが、こういうものについては責任がないのだというふうに、そういう工合に私どもは解釈してもいいのか。それならそのようにこれから決算委員会としても取り運び方があるわけだ。でありますから、全般のそういうような責任、これは当りまえのことだ。あなたがとらなければだれもとる者はないですから。私はそういう端的なことを、端的に一つ御答弁願いたい。それによってこれからの質問のいろいろやり方があると思う。
#84
○国務大臣(船田中君) それは部下のやった小さな事件についても、防衛庁長官の責任の範囲、であると言われればその通りでございます。それは決して私はその責任をのがれようとなど考えているものじゃない。
#85
○理事(大谷贇雄君) ちょっと速記をとめて。
   午後三時四十二分速記中止
     ―――――・―――――
   午後四時七分速記開始
  〔理事大谷贇雄君退席、委員長着席〕
#86
○委員長(三浦義男君) 速記を起して。
#87
○大倉精一君 ちょっとお伺いしておきたいのですが、批難事項の八、九、十、二十二、三十、これはいずれもアメリカ軍から弾薬を引き取った、これに要する施設の問題、これが弾薬の引き取りが、非常に短期間にたくさん引き取らなければならないために、こういう事態が起ったのだということなんですが、弾薬が年々どれだけ来るか、こういうようなことは、こちらの計画に従って来るのですか。あるいは向うの方からこれだけ送るという工合に一方的に送って来るのですか。
#88
○国務大臣(船田中君) 今の問題は次長から御説明いたさせます。
#89
○説明員(増原恵吉君) 弾薬につきましては、実はこれをもらいましたのが二十九年度のあれでございます。当初は、ごく少量の常時演習に使う分程度くれておりました。このときになりまして多量に、十二万七千トン――一万トン五、六十億として何百億というものを一度にくれるということになりました。これは初めてのケースであり、また終りでございます。その後はございません。当時は、当時の長官を中心にしてだいぶ協議をして、どういうふうな受け入れをするか、これをもらうか、もらわないかということを、慎重協議をいたしたのでございまするが、これはいざという場合の状況を考えますと、これはいろいろ弾種によってでこぼこが多いのでございますが、ならしてみると二カ月少々というふうなものを、そうして中には日本で発注をしたものをくれるというふうなことでもありましたので、これはやはり防衛庁としてはもらうことがよろしいという決定をいたしまして、急遽受け入れをやった。これは初めての最後のことでございまして、そのためいろいろ手違いを生じて、こういうふうな至らない不始末の点もあったわけでございます。自後はそうことはございませんであります。
#90
○大倉精一君 この受け入れがいい悪いというのではないのですが、問題は、そういうアメリカの意図があるが、しかしこれが受け入れ態勢、たとえば弾薬庫なり何なりの建設ができていない、こういうふうなこと。これは弾薬庫ばかりでなくて、ほかにも今後もこういうケースがあるかもしれないと思うのですが、そういう場合に、弾薬は少々くらいの量はこれは必要だ、必要だが、しかし受け入れ態勢ができていないから、今月はこれだけ、今月はこれだけという工合に、こちらの受け入れ態勢に並行をして受け入れるというような、そういうようなことはできないのでしょうか。
#91
○説明員(増原恵吉君) これは先般も若干御説明をいたしましたが、現在向うからもらいたいというものは、三十二年度にもらいたいものでありますると、ことしの八月頃までに何を幾らくれろという要求を向う側に出しまして、それに基いて受け入れをいたしておりまするので、受け入れ態勢とにらんでもらうということにいたしております。従いまして余分に物をもらって始末に困るということは今後はいたさない建前にいたしております。従来まあ急によけいもらって受け入れに困ったというのは大体はこの弾薬のことだけでございます。洋服をたくさんもらいましたものは、これは格納のことはできましたので、受け入れに困るということはなかったと思います。自動車等は、やはり当時の数量としては、先ほど申したように余分にもらいましたが、これは補給所に並べるという形でいたしました。特別に受け入れのために困るということはなかったのであります。将来はこちらの要望に基いて向うからくれる、特によけいに物をくれそうなことももう大体ないと見通しております。受け入れと供与とがそごして間違いを起すことは万々ないようにいたしたいと考えております。
#92
○大倉精一君 当時一朝有事の場合、二カ月分の作戦をする砲弾、これは相当なものだと私は思うのですが、そういうものを向うから急によこすようになる、こちらもこれは何かしたときにその二カ月分の砲弾を蓄積するという、そういう何か事態があったんですか。
#93
○説明員(増原恵吉君) 当時わが方として特に二カ月分を蓄積をしたいという積極的な要求も、必要もございません。向うの方で、これも向うはこれは理由は申しませんが、推測すれば、いわゆる朝鮮事変が大体見通しとしてはっきり終結ができるというようなことから、これをわが方にくれる。ことに日本で発注しましたものが相当あったわけであります。そういうものをわが方にくれるということで、わが方としては、防衛庁の目的を考え、その必要度を検討をして、そうしてこれを受け入れようというふうに考えたわけであります。
#94
○大倉精一君 現在この砲弾ですね、弾薬、これは相当数量が蓄積されておるわけです。で、今の国内の砲弾工場ですね、こういうものを整理をしなければならぬという段階になってきていると思いますが、そういう事情について差しつかえなかったらちょっと御説明願いたいと思います。
#95
○説明員(増原恵吉君) 砲弾につきましては、細部の点は装備局長から補足をさせまするが、現在持っておりまするものは総量においては相当の多量でありまして、年々一発も買わないでもいいような数量ですが、でこぼこがありまして、相当多量のものと年々の演習にも足らないというものもございますので、若干はやはり買っていただくことは、これはことに来年度あたりお願いをしたいというふうに考えております。しかし全体としてはことに大体足りないものは小銃弾等ちいさいものでありますが、砲弾などは大体もう余っておって発注をする必要がない。いわゆる米軍の域外調達で始めました施設をどうするかという問題は、通産省と大蔵省等々と今いろいろ協議をいたしておるところでありまするが、私どもとしては、せっかくできた設備が存続されることを希望しております。どういう手を用いることがいいか、まだ結論に達しておらないのであります。
#96
○大倉精一君 長官はもうお帰りになったのですか。
#97
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#98
○委員長(三浦義男君) 速記をつけて下さい。
 本日は、防衛庁に対する質疑はこの程度にいたします。次会は、十二月の十一日、火曜日、午後一時から防衛庁及び厚生省の部を審議いたします。
 本日は、これで散会いたします。
   午後四時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト