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1956/11/13 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 議院運営委員会 第2号
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1956/11/13 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 議院運営委員会 第2号

#1
第025回国会 議院運営委員会 第2号
昭和三十一年十一月十三日(火曜日)
   午後六時一分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石原幹市郎君
   理事
           剱木 亨弘君
           寺本 広作君
           藤田  進君
   委員
           石井  桂君
           木島 虎藏君
           小林 武治君
           榊原  亨君
           佐藤清一郎君
           高野 一夫君
           高橋  衛君
           藤野 繁雄君
           横川 信夫君
           阿具根 登君
           戸叶  武君
           永岡 光治君
           上林 忠次君
           河野 謙三君
    ―――――――――――――
   議     長 松野 鶴平君
    ―――――――――――――
  事務局側
   事 務 総 長 芥川  治君
   参     事
   (事務次長)  河野 義克君
   参     事
   (委員部長)  宮坂 完孝君
   参     事
   (記録部長)  丹羽 寒月君
   参     事
   (警務部長)  佐藤 忠雄君
   参     事
   (庶務部長)  渡辺  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○副議長の辞任に関する件
○常任委員の選任に関する件
○議院の運営に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。
 まず、事務総長から発言を求められております。
#3
○事務総長(芥川治君) 寺尾副議長より、松野議長に辞任願いが提出されましたので朗読をいたします。
   辞任願
 去る七月の通常選挙により参議院は議員の半数が改選されたよって改選後最初の国会が召集されたこの機会に参議院副議長を辞任いたしたい
 右お願いする
  昭和三十一年十一月十三日
     参議院副議長 寺尾 豊
 参議院議長松野鶴平殿
 以上、御報告申し上げます。
#4
○藤田進君 副議長が一昨日の議長の辞表の提出に続いて、本日同様お出しになった点について、若干質疑をいたしたいと思います。
 質疑の前に遺憾の意を表明いたしたいと思うのでありますが、昨日夜、私どもは副議長の手元に、議長がしかじかの理由をもって辞表をお出しになった。そこで副議長は重大なる責任を感じて、みずからの辞表を保留して、鋭意、議長の辞任と後任の選任について取り計らうべきであるという事態に到達した。しかるところ、この副議長の諸般の心境について、また将来への所信等については、るるただすことができたわけでありますが、御当人の議長が、昨夜私どもが要求いたしましたにかかわらず、この議院運営委員会に御出席をいただけなかった。まあかれこれいたしまして、ついに私どもが予想外の議長職権、副議長が議長の職務を代行して、本日本会議を開き、一挙に多数決をもってこれを決しようという、この態度については、私どもはまことに遺憾であると同時に、新しい国会を、しかも第二十四国会のお互いの反省の上で選挙が進められ、その上で当選したお互いが、正しく今回二十五国会を出発点として、国民の信用を回復しようというやさき、かような結果になってしまったことは、返す返すも遺憾な点だと思います。
 私どもは昨日この議運で、ただすべきはただし、単なるこの議運二十五名の質疑ではなくて、九千万国民の聞かんとする、いわば問題だと考えて、私どもはここで質疑をいたしましても、さらに新しく議長の選任等については、十分協力する用意をいたしていたわけでありましたが、その間に十分な意思の疎通もつかないままに、今朝の事態に立至ったことは、今後お互いに反省しなければならぬ点であろうと思います。特に議長、副議長、議院運営委員会の委員長は、今後十分この点について御考慮を払っていただきたい。劈頭この点を遺憾の意を表明し、将来要望いたすものであります。
 そこで第一に、本席に出ていただいております議長にお伺いをいたしたいのでありますが、ここでるる申し上げるまでもなく、日本社会党は、現実に第一党の自由民主党から議長をお出し願うことが至当であろう。しかるところ、第二党の社会党から副議長を出すことの方が、これまた妥当であろうという、院の運営その他勘案いたしまして、第二院の性格等を考慮した上で、かような主張を続けて参ったわけでありますが、ここに副議長寺尾豊君の辞表が出ましたたために、現実の問題に当面いたしたわけであります。この社会党の考え方について、従来、議長として運営せられたその所信として、果してどういうお考えをお持ちなのか、この際、現在当席におられる松野議長にお伺いいたしたいと思います。
#5
○議長(松野鶴平君) いろいろ藤田君から御意見なり御質疑がありましたが、要するに、議長の辞任に対して、昨夜の議運に出席を要求したけれども出てこなかった、こういうことがまず第一点だと思いますから、その点を初めにお答えいたします。
 私の辞表に明らかに書いてあります通り、半数改選後であるから、議長としては、ここに辞任いたすことが、議長として、自分の一身の行動を議会中心にするということを、きわめて明らかにするためだと考えたわけであります。
 そこで、先に佐藤君もそういう前例があった。そのときの状況とは多少違うということもありましたけれども、いずれにしても、議長は全院の議長である限りは、半数改選されたのであるから、明らかに辞任いたす、それが議長の行動として、当然公明なやり方だと、こう考えましたから、辞任届を出したわけでありますから、あの辞任届に明らかであるから、ことさらに御質疑を受くるべきものにあらずと、私はこう考えております。あるいは、やめて悪いとか何とかいうことがあれば別ですが、やめることに対して、その意味が明らかになっている以上は、重ねて私をお呼び出しになっても、あれで同じことじゃないか、ことにかりにも辞任をした以上は、なるべく辞任というものを絶対のものとして、それから院のお取り扱いのままに、成り行きに従うべきものだ、こういう意味でありますから、私は決して、こないという気持じゃないが、やはり辞表を出した以上は、なるべく絶対のものとして、むしろこれを謹慎している方がよかろう、こういう気持で出席をしなかったわけであります。
 それからその後のことに対して、第一党、第二党として、第一党が議長を出すならば、第二党が副議長を出すのが院の運営上よくはないか、こういう御意見であります。この点はこれは藤田君は藤田君として、それが一番いいだろうと、こうお考えになる、私必ずしもそれをいかぬとは考えていない、私は決して必ずしもいかぬとは考えていないけれども、議長、副議長は二人おりますけれども、実際職務を行うときは議長は一人であります。議長と副議長と二人おるけれども、実際職務を執行するときは一人でありますから、それだからどうしても、必ずしもこうでなければならぬというようなことは、私はこれは必ずしもきめられぬ問題であろう。それから同時に、自分はどの人が副議長に当選されても差しつかえないけれども、私の会派においては、やはり私を議長の候補者として推選する。それから副議長もやはり私の会派で推選するということをきめられた結果が、すなわち議長として私は当選したわけで、今日また会派で推薦した人が当選される場合もあるだろうと考えます。私自分がどなたが副議長になられても、これは私は自分ではだれが副議長でいいの悪いのという考えは少しも持っておりません。議長、副議長というものは、議長職務を行う上においては二でありますけれども、全くこれは一であります。それで、状況によってこれはすべてお互いが判断して行かなければならぬと、私はこう考えています。
#6
○藤田進君 ただいまの議長の言葉じりをそれぞれとらえるということはいたしたく広いと思いますが、昨夜私どもが議長の出席を求めたのは、辞表を出せば即、議長を去ったのであると、そういう考えに立たなかったわけであります。院議によってこれが認められて初めて議長の職務は自動的に去るわけであります。従って昨日寺尾副議長について種々質疑を繰り返しました結果明らかになった重要な点は、今次の議長の辞表、関連して副議長の辞表、これは相互の間に何の連絡もなしに、副議長として副議長の独自の信念に基いて辞表を出さんとした、辞表は出さんと決意をしていた。しかるに夜七時ごろ、議長から招きがあったので自宅を訪れたところ、議長の辞表が出された、その辞表を見て、急に自分の副議長としての責任の重大さを感じて、みずからの辞表を議長に出すことを思いとどまった、こういう点が一つあります。
 第二の点としては、あの辞表の中に書かれておられる、通常選挙によって改選があったから自分はこの際やめるのだ、これに尽きるわけであります。半数の改選があったから、この半数の改選は重要な意味を持つものであるし、自分が踏みとどまるのは適当でないという点がさらにつけ加えられてはいないわけであります。それは読む人の想像にまかされておる。もし私の推察のごとく、半数改選、今度は過半数でありますが、半数の改選によって正しく民意が反映せられて当選をした、これはやはり時の少くとも国民の意思というものが新しく出てきたのだから、旧議員の二百五十名の意思とは変ってきたのであるから、この際やはり議長という重要性にかんがみて、自由な立場で選挙をやり直すべきである、こういう立場ではないだろうかと考えます。そうであるならば、副議長も同様な立場をとらなければならぬはずであります。ことに議長、副議長は円滑なお互いのチーム・ワークというか、議長と副議長が常に不円滑で疎遠がちであるということでは、院全体の運営がうまく参るわけはありません。今言われる一という考え方についてはさらに聞かなければわかりませんが、しかし文字通り議長の健在である限り、副議長は単なる議員というのではなくて、議長のあるときは常に四六時中これを補佐して、議長に間違いのないように、院の運営に間違いのないように、国民にやはり幸福をもたらすように、副議長としておのずから絶えず議長に対して補佐する立場がなければならぬと思う。その限りにおいては単なる、議長があれば副議長はないものとして、議長一だという点が、もしそういう意味であるならば、私は了解に苦しむわけであります。とやかく申し上げたいが、そういう関係から考えてみると、辞表をお出しになったときに、出しおくれたために、議長がお出しになった辞表をみずからのポケットに持ち、みずからの辞表もポケットに入れなければならぬということであると言明された以上、まことに遺憾なことではないか。議長、副議長がこの召集白に当って、辞表はどういうふうに出した方が円滑に行くかというような御相談があるのが自然ではないだろうか、こういう点について議長のその当時の実情なり、心境なり、辞表にお書きになっていない今申し上げた、私の単なる推定ですが、そういうような点について、やはり御本人の御意思をお聞きしてみたかったわけであります。出した以上問答無用というような私どもは印象を受けたので、今後結果的にみても、議長としての立場に立たれる松野新議長におかれても、やはりそういう、もう答弁に苦しむから出ないというような意味合いではなかったかと思う。どういう意味でおいでにならなかったかわからないが、私はそういう意味で議長をお招きしたわけですが、遺憾ながら出ていただけなかった。この点については、今、議長のおっしゃる点について了解いたしかねるので、質問ではなくて長々申し上げましたが、私ども当時の要請申し上げた理由をここに開陳いたした次第であります。
 第二の点についての御答弁ですが、私どもは議長にお聞きいたしたいところは、まず、民主主義という原理はどうだとかいうむずかしいことは抜きにして、おわかりになっているわけでありますから……。少くともこの参議院の場を考えたときに、衆議院に対する第二院であるという点、それから委員長の割り振りで議院運営委員会の理事会はかなり長時間検討し、苦慮いたしまして、一つの合理的な到達点に達して、本日の、後刻行われるであろう本会議に、議長からお諮りいただくことになるわけであります。それはやはり会派の優劣に従って、公平に常任委員長は配分せられなければならぬという建前であります。すなわちこれを数によってみれば、今日百二十四名の自由民主党について考えれば、二百五十名、欠員現在二名ありますが、これを考えるときに、十六の委員会について、少くとも半分の八つは、約半数を占めているのだから、半数の委員長は自由党がとるべきであると、何の異存もなかったわけであります。さらに約三分の一を占める日本社会党が、文字通り三分の一である六つの委員長を占めるべきである、さらに二十九議席をお持ちになる緑風会においては、これに相当する二の常任委員長を占めるべきである、こういう位置に立ちました。これで会派の優劣というものは解決がついた。それであるから、あとはまず大会派の自由党から、好む次期委員長をとっていく。その次は社会党、その次は緑風会という意見が、緑風会なり社会党から述べられたが、しかしここは合理的な範囲において妥協しようということで、結局自由党が最初欲する二つの委員長のポストをとる。その次は社会党がとる。その次は自由民主党だというふうに、これは採決も何もしないで、話し合いで解決がついているわけであります。私は今後の院の運営に当る、また議長を補佐する議運の者、ひいては議運の委員長や副議長、新しい議長は、今申し上げた一つのバロメーターというか、こういう今の委員長の割り振り等の考え方というものは、あらゆる院の運営やその他の態度に常になきゃならぬ、私どもは考えなきゃならないことじゃないだろうか。半数近く持っているんだから、本会議場において採決すれば全部が取れるんだ、議長にしろ、副議長にしろ、常任委員長にしろ、何でもいいです。あるいは法案その他の場合においても、院内において、議場において、ハウスにおいて雌雄を決すれば全部取れるんだ、そういう考え方があるとするならば、院の円満な運営はそれはできないんじゃないか、やはり半数を持っている勢力、三分の一を持っている勢力、その他それぞれに応じてやはり考慮せられて行かなきゃならぬ。まあことごとくハウスの議決に当って、私は具体的にそれは申すのではないのですが、いわば考え方として、そういう考えを持たなければうまく運ばないのじゃないだろうか、単なる八十一名なり、二十九名なり、百二十四ではなくて、合わせれば二百四十八という、そんなものじゃなくて、この背後に相当なやはり国民が控えているのです、それぞれ。これを考えるときに、私はさらにその考えを深くするものであります。そうだとすれば、やはりこの際のいろいろな処理において、今後の運営において、新議長とされてもこの考え方を一つのモデル、標準として事に処して行くという、この考えを実は求めたいと思う。けれども議長は、別の考え方をお持ちなのかどうかという点を、就任せられた初めての議運でありますし、この副議長の問題にも若干関連を持ちますから、お尋ねをいたしたい。
#7
○議長(松野鶴平君) 私は議院はなるべく円満に、議運ですべての問題をまとめていただきたいというのが私の念願であります。私はなるべく議長職権を使いたくない。議長というものは円満に議院の運営をやって行くのが議長の職分であります。また議長は全員に対して、あれが行動しておるというような非難を受けることは全く議長としてはしたくない。またしてはいけないことだと、こう考えております。すべて議運でもって、皆さんが円満な話し合いのもとにまとめていただくことを、私は心から皆さんにそのお願いをするわけであります。
#8
○藤田進君 今、具体的な事例を申し上げたわけでありますが、その漠然と円満なという点について何人も異存はないのでありますが、しかしそれを具体的に処理して行く場合に、考え方として、多数の優勢ということは、もう全部であるというものではなくて、それぞれの議員の立場、会派の優勢あるいは劣勢というようなことも十分考えられて、この背後にあることも考えられて、今一例を委員長の割り振りにとったわけであります。この委員長の割り振り等について、もし異存があれば別ですが、ここで後刻議運委員長から諮るわけですけれども、これは端的に聞きますけれども、その割り振り等についてもうお聞き及びだと思うのです。これについて異議があるのでしょうか、どうでしょうか。
#9
○議長(松野鶴平君) これは議運で大体そういうお話はまだまとまっておらないものですか。
#10
○藤田進君 まとまっております。
#11
○議長(松野鶴平君) 私はまとまっておることが一番いいことだと考えております。まとまっておることに対して議長職権を行うということは、全くこれはそんなことが言葉に出ることさえ私はおかしいと考えるのです。
#12
○藤田進君 私は議長のプライドとして、議運で、理事会でまとまれば白は黒でも、縦は横でもと、そういうことを求めることはこれを不当だと思うのですが、そうでなくて、一般的な議論では抽象的になるわけで、そうでなくて、私は新議長の態度として、今後の運営というものは、今まで来るる申し上げたような態度であってほしい。単に円満なという中味は、半数持てばその会派が全部を支配し得るという態度にあってもらいたくない。やはりそれぞれの議員は使命を帯びて、ここに立法府に参画しておる。その点についてはどういうお考えなんだろうかという点を、まあお尋ねしたわけですが、さらにお答えいただければけっこうだと思います。
#13
○議長(松野鶴平君) それはみなわかり尽くしての問題だから、私は至公至平で行くと同時に、この参議院の議長としては、ほんとうにいわゆるあやまちなからしめたいと、こういうことを念願としておる以上は、私はできる限りの、いわゆるこの皆さんの気持を気持として、そうしてその御了解のつくようにして行きたいということは私の気持です。
#14
○藤田進君 他の委員は、御承知の通り実勢力丸名の委員ですが、まだ院の構成がなりませんために、四名で来ておりますが、ここに全部すわっておるようなつもりでお答えしてもらいたいと思うのですが、私はここでさらに掘り下げて聞きたい点もあり、さらに範囲についても若干拡張してお伺いしたい点もあります。しかし昨日に次いでのきょうでありますから、この点は後刻、また他日機会を見てお伺いしたいと思う。
 他の委員にはまだあると思いますが、そうすると、もう一点他の点についてお伺いしたいと思うのですが、これは与党の理事についてもお答えをぜひ願いたい。それは過般来、特に緑風会さん、それから社会党その他において、二十四国会の反省等から、やはり議長、副議長は少くとも党籍を離脱すべきであるという結論に到達いたしております。おおよそ院の勢力、議席から見れば半数が、党籍離脱をこの際していただく、これが原則とか、そのときの事情とかいういろいろな考え方はありましょうが、いずれにしても党籍離脱という点が、今日の参議院における正副議長の問題と関連して出てきております。私どもは二十四国会の実情をいろいろ検討してみるときに、おそらく当時の松野議長、それから寺尾副議長、これが未曽有のああいった事態をみずから指令し、内閣に要請するということは、決して快しとしなかったであろう。院の運営についても、私どもは当時から引き続き今日に至っておりますので、議院の運営に当ってきたが、折に触れて折衝した議長や副議長の当時の心境というものは、もっと変った信念がやはりあったのではないかと思います。しかし自由民主党、こういう党の鉄の団結、鉄の指令の中にあるという現実は、あるときは岸幹事長が、あるときは国会対策委員長がというふうに、参議院の議長、副議長にある種のものを促して、かなり強い要請、要求をしてきた。あるときはそれとわれわれは議長室でぶつかったという事情から反省してみますと、やはりこの際は少くとも正副議長に関する限り党籍を離脱して、党規、党の綱領、党の政策、党のそれぞれの決議、方針、こういうものの外にあって、全く自由な立場で議長は院の運営に当り、院の代表につくべきである。こういう立場に立ったわけであります。果して議長におかれては、過去の議長として処理せられて、かような矛盾を感じられたのか、感じられなかったのか、端的に感じた感じないという答えではなくて、さらに変ったそこに御所信をお持ちであるのか、この点をお伺いしたい。
 与党におかれては、私が見ているところ、第二十四国会にさかのぼるまでもなく、今度の正副議長の選考を、職権で本会議が今朝開かれていたのでありましたが、七日以来、議院運営委員会の理事会を開いて参りました。円滑な運営の話し合いを進めてきた。その間に見なれた私どもが、さらに党籍離脱というものを痛感いたしたのは、あるときは副議長の部屋において、単に部屋というばかりではありません。与党とそして副議長が、あるときは与党と議長のみが、この間に緑風会もなければ、社会党もない、鋭意国会対策について議せられたように漏れ聞きます。やはり議長、副議長というものは、与党においてもフリーな立場で、党の国会対策や党の政策や、そういうものの外にあって、真に公平に院の運営に当らせる、院の代表とする、こういう心がまえがなければならぬと思う。今度の七日以来の院の実態を見て、私は与党としても反省せられなければならぬのじゃないか、この点についていかなる所見をお持ちなのか、与党のどなたでもけっこうです。与党を代表し得る方から御発言をいただきたい。
#15
○寺本広作君 ただいま藤田理事から、第二十四国会の実績を反省して、ああいう事態が起ったのは、議長、副議長が同一の政党に属しておったということ、並びに議長、副議長が党籍を持っておられた、そういうことのためにああいう事態が起ったんではないかというような意味の御発言があったと思うのです。私の方は必ずしもそう考えておりません。二十四国会のできごとについては、これは形式論を振り回せば、議長、副議長とも不信任が否決せられて信任せられた格好になっている。そういう形式論でわれわわれはものを考えようとは思っておりません。実質論から言って、やはりああいうまあ未曽有のできごとが起ったあとでありますので、私たちも掘り下げていろいろと反省をいたしていたわけでございます。先ほどこの議論を展開されるに当って、藤田理事は、常任委員長を分け合っているような按分方式で、議長、副議長を分ける気はないかという意味の御発言がございました。しかし議長、副議長の問題は、本院の先例を調べましても、必ずしも常任委員長の通りの按分方式をとっておりません。常任委員長の按分方式そのものも、私どもはできれば国会法の原則に返りたいというのが願いであります。つまり本会議で選挙するという形がいいじゃなかろうか、これは本院が参議院発足以来、小党分立の実情をたどってきて今日に至っておるので、その先例を尊重して、私どもはやはり按分方式をとったわけであります。しかし議長、副議長につきましては、先例としてもそういう按分方式をとっておりません。議長を第二党が占め、副議長を第三党が占め、議長を第三党が占めて副議長を第一党が取るというような先例もありますし、昨年、社会党統一、保守合同以来、参議院でも半数に達する大政党が現われたから、議長、副議長も第一党から取るというような実例になっておりますが、これはいずれもこうした政治分野の変遷に応じた分け方というか、選び方になっておるのではなかろうかと思います。そういう意味で、私たちは議長、副議長が必ずしも同一政党に属して悪いということはなかろうと思うのです。参議院の運営の実情からこういう結論になってきたと思っております。前国会において、議長、副議長が同一政党に属されたということは、私たちはあの国会の混乱とはさして深い関係はなかろうと思います。やはり法案の性質とか、それからまあ議事妨害の戦術とか、いろいろな関係があってああいう事態が起ったんだろう、こういうふうに考えております。
 なお、党籍の点につきましては、理論としては一応党籍を離脱するということが考えられるところでございますが、二十四国会の会期末の事態を考えてみますと、私ども与党としては、与党出身の大物の議長、副議長がおられますため、その議事運営について、与党側が非常に歯がゆい思いをする、非常な不満を感じている、その議長の圧力に屈して与党が涙をのまなければならぬというような事態もしばしばあったことは事実でございます。そういう事態もあって、混乱が相当程度、党出身の大物の議長、副議長がおられたため、ある程度混乱が緩和されたんではなかろうか、そういう点も確かにあったと思っております。こういう点から実質的に掘り下げてみて、私どもは一党で今日の状況で議長、副議長を占めておるということも、参議院の実績からみて必ずしも誤まったことではない。また党籍の問題についても、これは今後の運営の実情にみるべきものだ、こういうふうに考えておるわけでございます。
#16
○議長(松野鶴平君) 私は党籍離脱は党人としてしない、こうはっきり信念的にきめております。政党政治の上に立つ以上は、その党籍を持つことは当然であります。しかしその党籍のいかんにかかわらず、本院の議長としては責任の重大なことを考えて、そうしてほんとうにその職責を全うしなければならぬと、こう考えております。党籍のあるために、私は自分の党のためにこうしたいというような、そういう便宜的な計らいを断じてすべからず、これは私の政治家としての信念だと、こう考えております。
 それから今与党を代表して寺本君から言われましたように、去る議会のときのごときは、全く私はよく戦ったと、ほんとうに自分で自分を慰めております。よく戦ったということは、議院全体をして、どうか一つああいう事態の起らないように、そのことに対しては社会党の皆さんにもほんとうに協力を願いましたけれども、ああいう問題を中心にここで真剣な政治上の争いをするときは、やはりどうしても過ぎたことが自然に起るわけでございます。その場合にも私は多数を持っておるいわゆる与党、その与党に私は私の責任をもって何らの制肘も受けなかったわけでございます。何らの制肘も受けておりません。私はそういう意味から申しましても、やはり党籍のあることが、むしろそういう場合は幸いだと、今もなおその点を深く信じております。党籍があってこそ初めて自分の党に行って自由なことが言えます。党籍がなければやはり自由なことが言えません。そういう意味におきまして、私は今度でも、党籍のあるために落選すればこれは仕方がない話だと、こう思います。党籍を離脱すれば、かりに全会一致で投票して下さるということになっても、私はそれはやはり私の信念において、私としての責任はやはりその党籍のあることが一番信念のもとに職責を全うし得る。それと同時に私に投票しないお方に対しても、むろん了解してもらうところの誠意をもって院の運営に当ればよろしいと、こう考えております。
#17
○阿具根登君 ただいまのに関連いたしますが、議長の御答弁を聞いておると、私は非常にこれに矛盾を感ずるわけです。たとえば議長は公平に、円満にやると、そういうことを言われた。党人であっても党から何らの制肘も受けない。これだけをとってみれば党人である必要はごうもないわけなんです。また言葉じりをとらえるわけではございませんけれども、ただいまのように、党人なるがゆえにわが党は無理も言われるというようなことになった場合は、これは公平とは言えない。これは自分の党籍を利用してわが党に対して無理を言ったことになる。またこれの逆の場合も考えられる。そうすると、公平とおっしゃったのと、党人なるがゆえにかえってプラスになるのだと言われたのは大きな矛盾がある。私はかように思う。それからもう一つは、これは二十四国会の議長、副議長の選挙のときにも、私お尋ねしたときに聞いた言葉でもあります。ただいまの藤田理事の質問に対しての御答弁でもございましたが、私個人としては、第二党から副議長が出ようが、だれが出ようがちっともかまいませんが、党から副議長をということになったからということ、こういうことになるならば、すでに議長は党の制約を受けて出てこられる、議長の心境というものは、自分個人は党の制肘も受けないし、明鏡止水、何ら党ということを考えずに議会運営の全般に当って行きたい、こういうお気持だと思う。それが私個人としてはという言葉で現われておる。ところがそのあとに、私個人としてはどなたがお出になろうとちっとも差しつかえありませんが、党としては副議長を党から出すというからいたし方がないというのは、すでに党の拘束を受けておられるのではないか、こういう二つの面から議長のお言葉に矛盾が生じておるのではないか、かように私は考えるのですが、その点はどういうふうにお考えでございますか。
#18
○議長(松野鶴平君) 副議長は議長の推薦する制度でないことは御承知の通りであります。副議長は議長が推薦すれば、おのずから阿具根君が言われたような、今の私が党の名によって副議長を推薦するという結果になるけれども、副議長は副議長として選挙されるわけでありますから、私は何も党の要請を受けて副議長を、私の意に反してでも党の意思に従ったというような意味とは、全然そのくっつけようがないわけです。
#19
○阿具根登君 その前の問題。
#20
○議長(松野鶴平君) その前の問題は何ですか。
#21
○阿具根登君 前の問題は、公平無私である、明鏡止水というのですか、私は院の運営に対しては、一切党の拘束は受けない、逆に党人であるがゆえに党を押えることができるのだと、こう言われたことは、すでにもう党人としての意識が働いておるということですね。これは押える場合もあるでしょうが、利用することもあるのだということになってくるとすれば、党人なるがゆえにかえって公平にできるのだというのは、これは当らないのではないか、矛盾がございませんかという意味で申すのであります。
#22
○議長(松野鶴平君) これはそういうふうに、仮定的に理論をそういうふうに組み立ててこられると、どこまで行っても同じことになる。それは私の心境というものはやはりほんとうに公平にやる。党籍があろうがなかろうが、そういうことを議会政治の上において問題にすることそのものが私はおかしいと思う。政党政治の上にあなた方は社会党を作り、われわれは自民党を作って、党という看板のもとに、個人ではなく、党のもとに、公けに争っておるのが、党籍のあることによって議長の職責が公平に行かないということ、そういう考え方が私は不思議でたまらない。
#23
○阿具根登君 これは聞きっ放しになっておるから……。
#24
○委員長(石原幹市郎君) それじゃ阿具根君簡単に。
#25
○阿具根登君 今の聞きっ放しになっておるからちょっと困るのですけれども、そうするならば、党とは何ぞや、党というこのイデオロギーでこれを主張されておるならば、議長として公平に行くといってもそれは行けないのです。党の拘束を受けないというならば党人ではないのです。党の拘束があるからこそ党人です。党の拘束も何も受けないで議長をやるのだ、おれば公平にやるのだというならば、私は党人の域を越えていると思う。党人で広いと思う。そこで言われる公平というのと、党人というのは矛盾がありゃしませんか、そういう点を……。
#26
○議長(松野鶴平君) 私は、私の行動には矛盾をせないと思っている。
#27
○戸叶武君 私は簡単に三点ほどお伺いします。
 その第一点は、この議長と副議長の辞任の理由、辞表に書かれている理由は同一の理由であります。これは選挙によって半数改選が行われた機会に辞任するというのでありまして、この選挙があったという事実に、それを機会にして辞任しなければならぬという理由に基いての私は行動だと思います。これを起点として考えまするならば、その辞表を出す、出さないにかかわらず、少くとも出す動機を作ったときにおいて、すでに道義的に、自分たちはこの新たに作り上げられた、院全体を代表する議長、副議長としての道義的な資格を欠いているというのに基いての私は行動だと思う。従って議長、副議長は同時にやはり辞表を出して、出所進退すべきでありまして、そのことは国会法の第六条にも、第七条にも、また第二十三条にも、第二十四条にも、議長、副議長が同時に辞任しても一向差し支えないだけのものは備えられていると思うのです。それにもかかわらず、議長代行という形で選挙を行うというようなやり方は、それ自体に非常に矛盾があるのではないかという点が一点です。議長職権によるお手盛り選挙とも言われるようなやり方をしたということは、議長を選ぶ上において非常に汚点を残したのじゃないか。
 それから第二点は、やはり議会主義の理想は、二大政党による責任政治であります。二大政党になっていない場合、今日の参議院のような状態におきましても、やはり与党と野党、おのおの政策上の争いを堂々とする場合においても、少くとも議長なり副議長は、野球におけるアンパイアのような立場で、どっちにも属していないで、公平な立場からその国会運営というものに当らなければならない立場にあると思うのです。それでこの点に対して松野さんの態度というものは、党人として党籍を離脱しないのは当然じゃないかというのは、これは非常に松野さんの面目、ここいらが野人松野鶴平氏の面目躍如としておもしろいですが、非常に古風な党人としての骨がそこに示されていると思う。しかし現在の参議院のおかれている立場というものは、議会主義が非常に軌道に乗って、ノーマルな状態で進んでいる状態とは違うと思う。非常に私は参議院の今日の激突の原因というものは、議長、副議長に責任があるのじゃないか。法案にあるのだというようなことを寺本さんは言いましたが、寺本さんは表現が非常に上手ですが、これは絶対事実を正しく観察していない詭弁です。これはやはり議長、副議長を一党で独占したという、この事態というものが、多数横暴の圧力となって無理押しに押しまくろうという力の政治が現われた。これはよその国の場合にもありますが、西ドイツでも、朝の四時まで微兵制度のときに議論したというけれども、乱闘がなかった。それは反対党をどこまでもアデナウアーが、立場が違うが納得させようということを最後まで努力し続けたという結果現われているのです。こういう努力がなされないで、いざとなれば、おれの方は議長、副議長を持っているのだ、多数の威力でまかり通ろうという一党独裁の政党に議長と副議長が立たされているということが、松野さんの秘訣で、私はああいう事態のこないように実に戦ったと、それは事実です。私は世間では松野さんをずいぶん誤解されて、悪党扱いにしている人があるが、私はそうじゃないと思う。非常に私は国会における松野さんを誤解している点もあったが、ほんとうに誠心誠意努力していると思う。私は最後に裏切られた瞬間においても松野さんは努力した。松野氏の努力にもかかわらず、党の圧力によってあの悲劇的な事態を作り上げたというこの事実を、松野さんは冷静に今見つめなければならないと思うのであります。そういう点において、一党から議長、副議長を出して、そして参議院を衆議院以上に、自民党の強引な力の政治を行う場にしようという形においては、私はこの参議院におけるところの良識というものは観念的に空転するだけであって、事実上において私は踏みにじられていると思う。
 それから第三点です。これは党籍離脱の問題、これは党籍離脱の問題は、良識をもって誇る緑風会が主張し、また純無所属の人たちがこれに応じ、われわれも同調してきた。この二大政党が理想的に行われたときにおいては、第一党から議長、第二党から副議長というような形において、そして政策上の戦いがありながらも、お互いに国会運営は堂々とやろうというときにおいては、党籍があっても公平無私にやられる。それは完全のものではなくても、現に衆議院においてなされている実例がある。しかし今の場合においてそれはほとんど不可能である。その事態を認識した上に、緑風会が議長、副議長はとりあえずこの現段階においては党籍を離脱して、そして公平な運営に当ってもらいたい。比較的自我を出すことを慎んでいる緑風会の遠慮深い良識において、これだけのものを打ち出す勇気を持った。そういう点において、私たちは自民党を除く参議院における世論、世間もまたそういうことを望んでいると思う。そういう形から、われわれも党人であり、社会党から候補者を出す場合においても党籍離脱ということはつらいことです。しかしながら、現段階においてはこれはやむを得ないという形において、われわれはこれをとろうとしているのでありますが、私はこの際、松野さんに最終的に一括して私はこの質問をいたしますが、やはり第一党から議長、第二党から副議長ということを出すこともできない、応じない、それで議長も副議長も自民党で独占する、しかもなおかつ独占したばかりでなく、党籍も離脱しない、こういうあり方が参議院における、今後における国会運営を公平無私だとか、至公至平だなんと言うけれども、言葉の漢語まじりの表現であって、だれが保証することができるか。過去における間違いは過去における間違いだといって、われわれは今日反省しなければならない段階に来ているが、二回目にこの波乱が起きたときに議長、副議長は腹切ってもその責任を示してもらいたい。私は死を決して強引な力の政治の上に立つならば別だが、わが国だけではない。今スエズにおける英仏の力でも、あるいはハンガリアにおけるソ連の力でも同じ、それと同じ形において議会に、参議院に現われているということは、ほんとうの参議院の組織をなすなら別だ。私は今日のこの世界的な不気味な空気の中に包まれておって、少くとも参議院がまともに過去にやったあやまちを、この責任を反対党も謙虚な形で反省しなければならないときに、その先頭に私は議長が踏み切ってもらうこと以外に私は参議院の真の反省はない。副議長もまたしかり。議長、副議長がほんとうに総ざんげの先頭に立つ決意がなくして、この力の政治を行なっていく、党人松野鶴平の土性骨には私は感心するけれども、土性骨を持つのみでなく見識を示してもらいたい。これは歴史の上に残るのです。質問をこれで終ります。
#28
○議長(松野鶴平君) 私は党籍はあって差しつかえないという信念のもとに立っております。同時に参議院に対しましては数々の御意見を絶えず拝聴いたしまして、そうして参議院の円滑なる運営をすることに対しては渾身の努力をいたします。それに対しましては、皆さんのほんとうな遠慮のない御忠告と、それから御援助をお願い申し上げたいと思います。
#29
○上林忠次君 今さら申し上げることもないのでありますが、大体参議院がほんとうの参議院としてのあるべき姿にあるかということを考えますときに、私は私の属しております緑風会、かような色彩、参議院全体がかような色彩となるのがほんとうじゃないか、現在の運営を考えますときに、各党派が党の力で運営される、かような状態は早く脱しなければいかぬ、これは今さら申し上げる必要もないのでありますが、私らの理想としますところは、一党一派、衆議院と対抗しながら、その衆議院の行き方を常に慎重な気持で見守って行く、かような状態になりますためには、現在直ちに行い得ない現況を見ますときに、少くとも議長、副議長、またできますならば常任委員長までも党派を超越した、党にある人もこの席に着くときは脱党する、在任中は脱党するのだ、かようなことで参議院の運営を円滑にして行く必要があるのではないか。第一党としてさようなことに努力しなくちゃならぬ、われわれはそのような目標のもとに常に努力しておるつもりであります。今の議長の御意見を聞きますと、われわれは党とは関係なしに動いているというが、実績はそうではないのじゃないか、皆さんがすでに見ておられる通りでありまして、かような状態は早く改善しなくちゃならぬ。日本の参議院なんというのは必要がないじゃないかというような議論がほうふつとして起っております。さような事態が早く解消するように、すでに選任されました議長におかれまして、今のお気持を本意にして下さいまして、何とか党を脱して、ほんとうの公正な道に政治を運営して行くようなふうにお願いしたいのであります。緑風会としましては、さような議長のお気持、また次の副議長におかれましても、もし党籍を持って選任される方がありましたならば、そういうようなことに一つ十分の御努力を願いたい、そういうような御決心を願いたいということを申し上げまして、私の緑風会の意見といたします。
#30
○河野謙三君 私は別にとんでもないことを言うのではありませんが、この機会に議会生活何十年、しかも常に党の領袖または幹事長としての経歴を持っている議長に、私は一つお教え願いたいと思うのですが、議長が議会生活長年にわたる間において、いろいろの御経験をされたと思いますが、その間において、明治から大正、昭和にかけて、党人が議長になる場合に、党自体が党籍離脱を、与党も野党もお互いに決議して、党を離れて議長席に着かれ、また着かしめたという例も多々あるわけですね。それからそうでない、現在のような運営もあります。この両者を比較いたしまして、松野議長として、長年の経験に徴して、どちらが議会の運営がうまく行ったかということを振り返って、われわれかけ出しの議員にお教え願いたいと思います。同時に私は一言づけ加えますが、党籍離脱ということは、単なる形式といえば形式なんであります。われわれは党籍を離脱したということによって、松野議長自体が自民党の色がすっかりきれいにとれて白紙になるとは私は思っておりません。しかし形式ということは議会で一番たっといことなんです。形式を離れて議会運営というものは私はないと思う。議会で一番たっとい、われわれが尊重しなければならぬことは形式だと思うのです。形式だ、形式だということで行くならば、今の議会の姿というものは全部変ってしまうのです。形式が議会運営の第一歩である。これから踏み出すのが議会だと、私はそう思っておる。これらにつきましても、これはわれわれの単なる書生っぽの意見であります。長年の経験をお持ちになる議長から、この際私は質問というよりか一つ御教示をいただきたいと、こう思います。
#31
○議長(松野鶴平君) ただいま河野君から、何だかこう私が古い議会人だから、体験からいろいろなことを教えろということですが、賢明な河野君ですから、教えなくても、経過のすべてを見て、もうとうにすべてを御承知の上のことだと思います。それで、御承知の通りに党籍離脱という間もあったことは、私もむろんよく承知しております。けれども、あれが継続しておらないということは、党籍を離脱しても同じことだと、こういう結果が、また元へ戻って、党籍のまま議長、副議長が職務を行なっておると見てもいいと思います。時においてやはり状況の変化もありますから、いろいろ並べかえる場合もありますけれども、党籍離脱をして、結局はまた元の党人が議長になっておるのが現在であります。政情のそのときの状況によっていろいろなことが、お互いにやはり提携をするとか、それから対立するとかいうようなことがありますから、提携しておる間においては、やはり両党から議長、副議長が出る場合もあります。そういうことから考えますと、私どもの、政民とかりに申しますが、そういうような対立の場合は、この正副議長をお互いに争ったこともあり、必ずしも二つの政党が元の姿におっても、あるものを目標とした時分は、やはり提携しなければならぬような政情がある。そのときはその党籍を離脱して、議長、副議長が両党から出たこともあることは御承知の通りでございますが、それで私は、そういうことがいいか悪いかということは、私はやはり党籍があって差しつかえない。党籍があって差しつかえないということが、今日のああいう状態を来たしておる。それから衆議院の現在も御承知の通り、あのときは与党が比較多数であったから、二党、三党が提携して、そしてわれわれの自由党と社会党と衆議院は議長、副議長をとったようなわけでありますから、あれは全く第一党の与党に鼻をあかしたようなわけであります。そういうことで、そのときそのときにおいてやはり運営をやるものでありますから、これが絶対のものなり、議長、副議長は党籍を持つべからずということが、国会法でもはっきりきめてあるならば別でありますが、そういうことまではきめられないからきめてないことでありますけれども、やはりこの議会の運営はできる限り円滑にするということは、これは最も大切なことでありますから、必ずしもどれを絶対だとは申しませんけれども、私は、申し上げましたように、やはり党籍を持ったまま議長に当選すれば、議長としてはほんとうに自分がその院の議長として、院の面目を傷つけないようにすると、こういうことにはっきり徹しておりますから、それで今日の行動をとったような次第でありますから、その点は一つ御了承を願いたいと思います。
#32
○藤田進君 先刻来種々質疑なり、加えては貴重なる意見も出され、質疑応答があったわけでありますが、それぞれ私は重要なる点についてメモをいたしております。もちろん速記のある場でありますから、読み返し検討いたしたいと思います。しかし今まで出された諸種の応答の中から、私どもがますます今後の運営に一縷の望みでなくて憂慮をいたすものであります。しかしこれは昨夜に次ぐ今夜であって、後日、機会を得て十分この参議院のため、国のために検討を続けなければならぬと思います。つきましては、本日新しく議長に選挙せられた松野鶴平氏におかれては、今の意見等を加えての点を十分さらに御検討いただきまして、私どもここで自主的な党籍離脱をしていただくことの方が、今後の院の運営にさらに円滑をもたらすものであると、いまだに考えは変りません。将来、院議に問うて党籍離脱等ということをいたすまでもなく、十分一つ御検討を要望いたします。
 さらに引き続いて、いずれ副議長の辞任並びに選挙ということになるわけでありますが、これについても十分なる、与党におかれてもこの上の御検討をお願いしたいと思います。こういう要望をつけまして、とりあえず本日のこの議運におきましては、一応の締めくくりをいたすといたしまして、次の予定せられた案件に入っていただくこともやむを得ないと思います。
#33
○委員長(石原幹市郎君) ほかに御質疑がなければ、副議長辞任に関する問題は、この程度で終りたいと思います。
#34
○委員長(石原幹市郎君) 次に、常任委員の選任に関する件を問題にいたします。
 理事会におきまして協議いたしました結果、国会法第四十六条の規定に基き、各派所属議員数の比率により常任委員の各派に対する割当を決定するとともに、今回は半数改選のあとでありますから、先例によりまして、改選されなかった議員は一応全部常任委員を辞任することとし、本会議において新たに常任委員が指名される直前に、旧委員の辞任を許可されたものとみなすことに意見が一致いたしました。
 理事会の申し合せの通り決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないものと認め、さよう決します。
#36
○委員長(石原幹市郎君) 最後に、本日の本会議の議事につきまして事務総長から御説明を願います。
#37
○事務総長(芥川治君) 簡単に再開後の議事について説明いたします。
 最初に副議長辞任の件、次に副議長選挙、次に副議長あいさつ、次に石坂豊一君が発言を求められまして、議長、副議長に対する祝辞、次に常任委員の選任、次に常任委員長の選挙、その選挙につきましては、手続省略の動議を寺本広作君、賛成を阿具根登君にお願いいたします。なお議員は拍手をされ、委員長は起立をして会釈をされる、こういうことにお願いしたいと思います。最後に岡崎君の請暇の件、以上をもって本日は散会。
 以上、御報告申し上げます。
#38
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後七時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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