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1956/11/27 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 運輸委員会 第3号
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1956/11/27 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 運輸委員会 第3号

#1
第025回国会 運輸委員会 第3号
昭和三十一年十一月二十七日(火曜
日)
   午後一時十九分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十一月二十四日委員寺本広作君辞任に
つき、その補欠として谷口弥三郎君を
議長において指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     戸叶  武君
   理事
           植竹 春彦君
           三木與吉郎君
           大倉 精一君
           江藤  智君
   委員
           石原幹市郎君
           谷口弥三郎君
           成田 一郎君
           平島 敏夫君
           堀木 鎌三君
           相澤 重明君
           柴谷  要君
           中村 正雄君
           松浦 清一君
           高良 とみ君
           村上 義一君
           岩間 正男君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 吉野 信次君
  政府委員
   運輸大臣官房長 朝田 靜夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  説明員
   運輸省海運局長 粟沢 一男君
   運輸省船舶局長 山下 正雄君
   運輸省船員局長 森  厳夫君
   運輸省港湾局長 天埜 良吉君
   運輸省港湾局港
   政管理官    見坊 力男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○運輸事情等に関する調査の件
 (海運行政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(戸叶武君) これより運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更について報告いたします。十一月二十四日寺本広作君が辞任せられ、谷口弥三郎君が補欠選任せられました。
 次に、理事の補欠互選についてお諮りいたします。理事木島虎藏君が委員を辞任せられましたので、現在理事が一名欠員となりましたが、この互選は、成規の手続を省略して、便宜、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(戸叶武君) 御異議ないと認めます。それでは理事に植竹春彦君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(戸叶武君) 次に、海運行政に関する件を議題といたします。
 まず、所管事項について粟沢海運局長より御説明願います。
#5
○説明員(粟沢一男君) 海運局長粟沢でございます。
 お手元にお配りしました重要所掌事項説明書というプリントがございますので、それによりまして御説明申し上げたいと思います。
 私ども運輸省におきましては、海運関係の行政事務を海運局、船舶局、船員局、港湾局、四局で所掌いたしております。そのほかに海上保安につきましては、外局である海上保安庁が所掌いたしております。私ども海運局におきましては、大体船の運航関係、業界で申しますと船会社、海運会社というふうな向きの業務が主でございます。大きく分けまして外航、――対外航路をやっておりますが、外航の関係と国内の内航関係に分けられますが、まず外航の方から御説明いたしたいと思います。
 ただいま日本の三千総トン以上の外航船舶は、ことしの八月の末に二百九十一万総トンという数字になっております。ただいまなおこのほかに発注済みの、要するに建造発注いたしておりますものが七十九万総トンございまして、とれらが大部分竣工いたします昭和三十三年の三月末には、日本の外航船腹は約三百七十万総トンになるというふうに予想されるわけでございます。昭和三十年度の外航海運によります運賃収入は千百四十四億円、ドルにいたしまして三億一千八百万ドルというものになります。輸送の量は二千六百九十万トンに達しておりまして、これを前年度の二十九年度に比較いたしますと、収入におきまして四八労、輸送量におきまして二一%の増加を示しております。今後におきましても船腹の増加に伴いまして、さらに漸増していくということになると思います。また日本の輸出入いたしております貨物のうちで日本船が積み取りました貨物量の比率でございますが、これを横取り比率と申しておりますが、昭和三十年度におきましては、輸出貨物の四六%を日本船で積み取っております。前年度は四一%でございましたが、今年度は四六%に上っております。また輸入貨物は、前年度四七%に対しましては、今年度は五〇%まで日本船で積み取りました。いずれも前年度より上回った横取り量を示しております。ただ石油の関係につきましては、輸入量が急増いたしましたために、前年度は五八%でございましたが、今年度は五一労というふうにやや低下いたしております。
 次に、一般の海運市況でございますが、三十年以来世界の経済活動が上昇を続けておりまして、それにささえられまして海運の市況も非常に高い水準に終始いたしました。世界不定期船運賃指数というものが定められておりますが、これは昭和二十七年を一〇〇といたしまして、三十年の夏までは一二〇の水準を維持しておりましたが、秋口からさらに上って参りました。一四〇になり、三十一年の夏にかけましてただいま一四〇と一五〇との間を推移してきましたが、九月には一五六という数字を示し達して、三十年のピークの十月の一四八をしのいだ上昇を見せております。また一方、用船料の指数におきましても、この不定期船運賃指数をさらに上回りました。二十九年の秋以降上昇を続けておりまして、三十一年に入りまして五月には一九〇を記録しました。その後一七〇の水準で推移しておりました、三十年の同期に比べまして三〇%高というふうになっております。一方、日本を中心といたしました各種運賃を見ましても、北米の太平洋岸の小麦、これは貨物の大宗でございますが、三十年の六月には十ドル五十でありましたものが、年末には十五ドル二十五に上りました。三十一年に入りましても十四ドルないし十六ドルという水準を続けてきております。同様キューバの砂糖につきましても、三十年には二十ドルをこえまして、三十一年に入りましてもこの水準で推移いたしております。二十八年ころの低迷期に比べますと約二倍の運賃ということになっております。タンカー市況につきましても、ペルシャ湾――日本間の運賃はUSMCレートという米国の基準運賃がありますが、これを一〇〇といたしまして、三十年の年末には一〇〇以上に達しました。三十一年後半を通じまして二二〇から一五〇の間を上下しておるという方向を示しております。また日本周辺の定期航路の運賃につきましても、三十年夏以来レベルを回復いたしまして、ようやく安定した状況を示しておるわけでございます。
 次に、今後の船舶の建造についてでございますが、右申し上げましたような世界的な好況が続いておりまして、海上の荷動きも非常に増大いたしておりますのに呼応しまして、世界の船腹量はどんどんと増加いたしております。船舶の建造意欲が非常に世界的に盛んになっております。わが国の百総トン以上の全船腹も逐次増加いたしておるのでありますが、三十一年の八月には三百五十九万トンという数字でございまして、昭和十六年の六百九万トンに比較いたしますと、なお五九%の回復率にすぎないのでございます。この間に世界の船腹が、かつては六千万総トン程度のものが現在は一億トンにも達しておるという状況を考えますと、相対的にはさらにこの回復率は下回っているということが言えると思うのであります。このために先ほど申し上げましたように、積取り比率もまだ過去に比べまして低いのでございます。従って運賃の収入という面も、いわゆる国際収支の改善に寄与するというところまで参っておらないということが言えるのでありまして、外国船をもなお多数用船をいたしております。そういう現状から見ましても日本船腹をすみやかに増強することが今日必要であると考えるのであります。
 現在日本の海運で一番立ちおくれておりますのは、いわゆる定期船の部門でありますが、わが国の輸出物資の、先ほど申し上げましたように半分を外国船が積んで運んでおるという現状でありまして、またこの船の船質を見ましても、同じ航路に入っております船が外国船に比べまして、日本船はまだ劣勢であるということが言えるのであります。こういうことから見まして、今後特に定期船の整備をすみやかに行う必要があるということが言えるのであります。また南米方面に移民を行なっておりますが、これがやはり輸送機関が大事な任務を持っておりまして、この円滑化のためにも移民船の建造が必要であると考えるのであります。また観光によりまして外貨の獲得をはかるという見地からも、太平洋横断の旅客船を建造する必要があるというふうに考えます。これは現在郵船の氷川丸一ぱいだけが日本船でございまして、あとはアメリカ船で太平洋横断旅客船航路はやっております。これはすみやかに日本の旅客船を作って組み入れたいというふうに考えております。
 次に、不定期船、タンカーの部門でございますが、海上荷動きが増大いたしまして、その方面にも船腹の不足を生じておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、日本の輸入物資の積取り比率はわずかに日本船で五〇%を今運んでいるということでございます。昭和十四年には六三%というものを日本船で運んでおったのでありまして、今後さらに製鉄原料その他を中心に輸入物資の量が大幅に増大していくということを考えますと、わが国の不定期船隊もさらに大きく増強することが必要であると思うのであります。なお、不足期の部門におきましては、船令の古いもの、あるいは性能のまだ劣悪なものが七十万トンにも上っておるのでありまして、これもすみやかに代船を建造いたす必要があるのであります。また現在二十六万トンという外国船を外貨を払って用船して使っております。これも早急に日本船に置換するということが必要であると思うのであります。
 次に、タンカーでございまするが、石油の輸入量が、過般定められました五カ年計画よりもさらに、上回るという傾向があるのでありまして、これに応じまして油送船の建造を促進する必要があるのでございます。
 また近年中共地区及びフィリピンとの間の貿易が非常にふえておりまして、最近の国際情勢の変化によりまして、ソ連あるいは中共地区の貿易も漸増するという傾向があるのでありますが、戦後日本の商船隊には、こういう方面に硬いますいわゆる三千総トン前後の近海海域適船というものが十分でないのでございます。この種船型のものには不足が目立っておりますので、今後こういういわゆる中型船の整備にも特段の考慮を払いたいと考えておる次第でございます。
 以上のように、わが国の輸出入規模の拡大に即応いたしますとともに、世界の海運界が非常に急速に新船建造をいたしております動向にかんがみまして、こういう海運の好況に恵まれておりますときに、急速に船腹を増強いたしまして、海運事業の国際競争力の培養強化をはかることが今後ますます必要であると考えますので、来年度におきましては定期船、不定期船、タンカー合せまして六十万総トンぐらいの日本船を日本の造船所で建造いたしたい、そういうふうに考えております。なお、この六十万総トンは、日本の造船所におきまして来年度十分に建造し得る量でございます。
 次に、昭和三十二年度のいわゆる計画造船でございますが、これは現在まで、終戦以来十二回にわたって財政資金を入れまして、いわゆる計画造船というものを行なっております。来年度は第十三次計画造船になるわけでございますが、この内容といたしましては、定期船が、移民船を含めまして、二十万トン、不定期船十万トン、油送船五万トン、合計三十五万トンを財政融資をつけまして、いわゆる計画造船として建造したい。先ほど申しました六十万総トンは、これを含めましてあと二十五万トン程度を自己資金で作ることを期待するというふうになっておるのでございます。この三十五万トンの計画造船に要します資金は、定期船につきましては、財政資金を五〇%、不定期船、タンカーにつきましては、三〇%つけるというふうにいたしまして、財政資金が二百十四億九千万円、市中資金が百九十四億八千万円、自己調達資金が八十三億三千万円、合計いたしまして四百九十三億円を必要とするわけでございます。建造期間が三十二年度と三十三年度と両年度にまたがりますので、三十二年度分の要求といたしましては、財政資金が百九十五億一千万円、市中資金が百七十八億六千万円、自己調達資金は八十五億五千万円というものを必要とするわけでございます。
 次に、外航船舶建造に対しまして利子補給及び損失補償を法律によっていたしております。この制度は昭和二十五年の第六次の計画造船からの貨物船につきまして行われております。またタンカーにつきましては昭和二十六年の第七次後期から始めておるのでありますが、昭和三十一年度におきまして、現在までに支給いたしました利子補給は二十七億六千九百万円でございます。これが、先ほど申し上げました昭和二十五年及び六年から現在まで利子補給いたしました総額は九十八億二千二百万円に相なります。本年度実施しております十二次船につきましては、三十隻、融資機関は二十六銀行、その他になりますが、対象融資総額十二億七千二百万円に対しまして、本年度利子補給金一千六百八十八万円につきましては、目下支給手続をいたしておるところでございます。なお、利子補給の補給率は、第十一次船までは、市中金利と年利五分との差、十二次船については市中金利と年利五分との差の二分の一を補給するという建前にしております。なお、明年度は、利子補給制度につきましては、最近の海運企業の経理内容が、先ほど申し上げましたように、好転しております。これにかんがみまして、明年度建造するいわゆる第十三次計画造船の分につきましては、十二次船同様に市中金利と年利五分との差の二分の一の利子補給契約を締結いたしたいと思うのでありますが、ただ対象の会社は、利益配当を行なっております会社につきましては、当該決算期にかかる利子補給金は実際上支給しないというふうにいたしたいと思っております。また十二次までの過去の既契約分につきましても、配当する会社につきましては、補給率を二割減にしたいという方針で予算折衝をしております。
 次に、自己資金で外航船を作る問題でございますが、海運市況が好転いたしまして、世界の船舶建造意欲も非常に高揚いたしております。この情勢に対応いたしまして、日本の海運業者の中にも、増資払込金あるいは手持ちの老朽船の売却等によりまして自己調達資金を得まして、これによって外航船舶をいわゆる自己資金で建造するというものが漸次増加しておるわけであります。運輸省におきましても、世界の海運の動向とわが国の造船事情等を考慮いたしまして、利子補給制度の対象会社につきましては、この船舶の建造が当該会社の企業経営の改善に資すると認められるものにつきまして、当該船舶の船価、あるいは資金コスト及び過去の債務の償還等につきましての影響を検討いたしまして、その上でこれの承認を与えております。本年四月以降十月末までに四千五百総トン以上の船舶で、現在申し上げました自己資金で、発注されましたものが三十八隻、総トン数にいたしまして三十二万三千二百十五トンに上っております。
 次に、海運会社の経営の現状でございますが、昭和二十九年九月期までは海運市況が低迷いたしておりまして、わが国外航海運会社の事業成績はきわめて不良でありましたが、同年の秋ごろから次第に運賃市況が好転しつつありまして、三十年三月期以降は、ほとんど各社において事業成績が好転いたしております。三十年度におきましてようやく立ち直りの状況を示したということができるのであります。
 利子補給の対象会社は、ただいま五十六社がございますが、そのうち同一決算期、またはその期の仮決算をいたしました四十八社につきまして概観いたしてみますと、まず、収支の状況でございますが、三十一年の三月期に、この四十八社の収支状況は、総収入七百九十七億円に対しまして、支出六百四十二億円で、差引百五十五億円の償却前利益を計上いたしております。これが同年九月期になりますと、さらに改善されまして、償却前の利益百九十九億というものが見込まれるようになってきたのでございます。なおこの減価償却前利益百九十九億円は、当期の船舶減価償却限度額百十五億円に対しまして八十四億円上回るという利益になるわけでございます。
 次に、設備資金の借入れ状況でございますが、三十一年の三月末現在におきまして、四十八社の設備資金の借入金残高は一千七百五十二億円になります。そのうち財政資金が一千九十七億円、六三%になります。市中資金は六百五十五億円、三七%になっておるのであります。
 これらの四十八社の資本構成の状況を見ますと、三十一年の三月末現在で使用総資本二千七百六十四億円でございますが、そのうち自己資本はわずかに一七・二%の四百七十五億円にすぎません。八二・八%というものが他人資本、すなわち負債と見ることができるのでありまして、この資本構成は非常に劣弱であるということが言えると思うのでございます。
 次に、減価償却でございますが、三十一年の三月期に四十八社の減価償却の限度額は、普通償却額九十三億円、特別償却額が二十一億円、合計百十四億円になりますが、これに対しましてこの期の実際償却額は百十六億円に達しまして、なお当期の普通償却額の九十三億円に比較しますと一二五%ということになるわけでございまして、特別償却まで完全に償却できるというのは、この期からようやく実施されたわけでございます。しかしながら一方、先ほど申し上げました海運の不況期が相当続いておりましたために、過年度の償却不足というものが依然として相当残っております。その金額が六百六十三億円という多額に上っておるのでございまして、この償却不足額を全部回収せしめますためには、なお若干の期間を要すると思うのでございます。
 海運会社の収支状況は以上のように著しく改善されて参りまして、三十一年の三月期におきましては、四十八社全体としまして、実質的な利益を生じたわけでございます。それによりましてこの利益を過去の繰越欠損及び償却不足に向けるほかに、一部を株式の配当に使用しまして増資の円滑化をはかり、資本構成を是正しようという会社が現われて参りました。現在の好況期に配当を復活いたしますことは、海運会社株式の投資的価値を維持し、また増資によりまして自己資本の充実をはかるということにもなりますので、海運政策上より考慮いたしましてこれも望ましいこととして復配を認めることといたしました。しかしながら一方、営業成績良好な会社でも多額の未償却資産をかかえ、かつ金融機関に、利息の一部の支払いが猶予されておるというふうな現状にあるものもありますので、一定の基準を設けまして、その規制のもとにこれを処理いたしておるわけでございます。
 以上外航関係を申し上げましたが、次に内航海運について申し上げます。
 現在内航の汽船船腹は、貨物船で五百四隻、約五十六万八千総トン、油送船で百七十三隻、約七万七千総トン、合計いたしまして六百七十七隻、六十四万五千総トンというものが内航船船腹でございます。昭和三十年度におきましてこれらの汽船による沿岸の貨物輸送量は二千五百二十万トン、前年度に比べまして、貨物船によるものは一四%増、油送船によるものは三二%という増加を示しております。また通常機帆船及び沿岸タンク船と言われております木船でございますが、これは現在二万一千隻、八十万総トンの船腹がございまして、その年間輸送量も三千四百万トンに達しております。これは前年度に比べますと一四%の輸送量の増加を示しております。
 現在の内航海運は、一方におきまして国鉄の貨物運賃が政策的に低廉に決定されておりますことが原因の一つとなりまして、外航近海市況に比較して著しい低運賃に押えられております。他方またこの船腹構成におきましても、劣悪低能な船舶が多いために近海就航という機動性はございませんので、非常に企業の安定を欠いておるわけでございます。従いまして、この運賃調整をはかりますとともに、この低性能の船舶につきまして船質の改善を行なって企業の安定をはかるということが必要であろうと思うのであります。このためD型を中心といたします中型船の三十九隻、約八万七千トンのディーゼル化をはかりまして、これらの船の近海就航を促進するということを考えまして、ただいま所要資金について折衝を続けております。機帆船についてみますと、その輸送量が内航輸送量の過半を占めておりますにもかかわりませず、ほとんどがいわゆる一ぱい船主と言われております零細企業でございまして、経済的基礎はきわめて弱いということが言えるのであります。現在木船運送法によりまして、指導監督を行なっておりますが、なお木船運送法のみでは十分木船事業の安定、あるいは経済的地位の向上をはかることが困難でございます。小型船海運業を対象とします小型船海運業者の組合に関する法律をできますれば来国会に提出いたしたいと思いまして、準備を進めておる次第でございます。
 この秋冬の繁忙期におきます国鉄貨物の駅頭滞貨は二百万トンにも達するというふうに害われておりまして、輸送の円滑化をはかるために、国鉄貨物の一部を比較内輸送余力のあるトラック及び内航海運に転移するということを考慮いたしております。このために地方海運局及び主要支局ごとに海運業界の代表を中心としまして、地方緊急輸送対策連絡会を設けまして、国鉄の在貨状況の把握、海送希望荷主の関係機関への周知あっせん、その他必要な事項を調査研究いたしまして、その方面に努力を続けております。
 次に、内航の特殊の業態でございますいわゆる離島航路の客船の現状でございますが、現在国内の旅客定期航路事業を営んでおりますものは九百十業者でございまして、この航路数は千三百六に及んでおります。就航船腹は千百九十五隻、九万一千二百九十五総トンという数字になっておりますが、その輸送実績を見ますと、昭和三十年四月から三十一年の三月まで一年間に、旅客輸送人員は約七千三百万人、手小荷物で約一千五万個、郵便物が二百八万個、貨物は二百四十六万トンという相当数量の輸送を行なっております。このうち、約八割を占めますものは、いわゆる離島航路事業者でございまして、その他若干の観光船その他がございますが、約八割はいわゆる離島法の事業者でございまして、地方民の生活上及び地方産業の開発振興上、不可欠の役割を果しておるわけでございます。現在これらの事業の重要性にかんがみまして、離島航路事業者に対しまして、離島航路整備法に基いて航路補助金を支給いたしております。これは昭和三十年度で申しますと、対象航路数三十八に対しまして、三千七百七十四万三千円の補助金を交付いたしております。昭和三十一年度には同じく三十八航路に対しまして、三千十九万四千円の補助をするわけでございます。また就航船舶の建造及び改造につきまして、財政資金の供給をはかっております。昭和三十年度におきましては二億七千六百二十万円の財政資金をこれに供給いたしました。また所要の市中融資につきましても、年四分の利子補給を行なっておるのであります。これは昭和三十年度で三百一万四千円、昭和三十一年度で六百九十二万五千円という補助金を支給いたしております。ほお来年度におきましては、離島航路補助金を既定航路三十八航路、二十八業者に対しまして、また新規航路五航路、五業者に対しまして、合計一億一千万日余の補助金及び利子補給金といたしまして新造船三隻、改造船一隻、合計いたしまして一千十八万四千円を支給いたしたいと思いまして、ただいま要求いたしておるわけでございます。
 次に、スエズ運河問題でございますが、去る七月二十六日にエジプト大統領がスエズ運河の国有化宣言をいたしまして、これに端を発しましたいわゆるスエズ運河の紛争につきましては、その海運に与える影響が非常に大きいのにかんがみまして、運輸省としましては、第一回ロンドン会議に運輸大臣及び官房長が出席いたしまして、この運河通航の安全及び紛争の早期解決を期待しておったわけでございます。英米仏三国が中心になりまして、いわゆる利用者団体というものを作るという案につきましては、同運河の通航の自由と安全が同案によって保障されるかどうかなお不明確でございまして、参加の意義は薄いものという解釈をとって参りました。
 しかるに十月以降の戦闘によりまして、運河水域に艦船が沈没いたしまして、事実上運河が閉鎖されるに至ったわけでございます。これによりまして年間一億トンをこえる運河通過貨物がすべてその影響を受けるということになったわけでございまして、世界的に船腹の逼迫あるいは市況の硬化という現象が現われてきたわけでございます。大体運河通航の大宗をなしております中東石油の喜望峰迂回による距離の延伸は約八割に達しまして、油送船の船腹は特に逼迫するということが言えるのであります。また欧州、東南アジアの間の貨物船の運航も、迂回によります経費の増大と船腹の逼迫によりまして運賃の上昇は不可避という情勢になっております。なお運河の再開時期につきましては、あるいは三、四カ月あるいは一年といって、目下のところ明確なところは判明いたしておりません。
 日本関係の石油の輸送につきましては、直接運河とは関係いたしませんが、船腹の一般的な逼迫に伴いまして運賃の上昇は避けられないと思うのでございます。また本邦の定期船のうち、運河を経由しまして行っておりますものは、欧州航路あるいは世界一周航路及び中近東航路というものがございます。これらの就航船はすべて現在航路の変更を余儀なくされておりまして、そのためすでに割増料金を課徴しておる状況でございます。
 簡単でございますが、以上をもって御説明を終りたいと思います。
#6
○委員長(戸叶武君) 次に、山下船舶局長より御説明をお願いいたします。
#7
○説明員(山下正雄君) 私、船舶局長の山下でございます。今後いろいろ御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
 簡単に船舶局の事務の内容につきまして御報告申し上げたいと思います。
 船舶局には、監理課、造船課、関連工業課、登録測度課、検査制度課、船舶技術管理官という、五課、一管理官という制度をもちまして、船の建造並びに修繕をやります造船所の設備の問題、またその技術の問題、そのほか船の検査というような問題、すなわち船の安全という問題でございまするが、そういうような事務を所掌いたしております。
 次に、おもな私どもでやっております重要問題につきまして簡単にお話を申し上げたいと思います。お手元に、事務概要説明資料というのがございますが、そのうち要点のみ拾いあげまして御説明を申し上げます。
 運輸省に海運造船合理化審議会というのを設けておりまして、海運造船に関しまして、ここに書いてございますように、船舶の需給計画に関する事項、船舶建造等のための資金に関する事項、新造船舶の原価の低減に関する事項というように、そのほかいろいろ、約六項目に分けまして審議する事項を掲げておりますが、これらの事項につきまして、その審議会におきまして今まで約十四の問題につきまして、大臣の諮問に応じまして御答申をいただいております。ただいまこの審議会に諮問をされております事項は、この十四号にございます造船関連工業の振興対策についてというような事項につきまして御諮問がございました。この審議会といたしましていろいろ研究をいたしております。
 次に、造船設備の近代化でございますが、終戦後造船の設備につきまして大幅な近代化が行われました。昭和二十五年から九年までの五カ年の間に約百六十億の設備資金が投下されました。そのために造船所の設備の合理化が非常に進みまして、そのために外国と太刀打ちして十分競争し得るような安くかつりっぱな船ができるように慮ったのでございます。三十年度は約六十三億が投下されております。三十一年度は約八十三億に達するということでございます。しかし何にしましても、この設備資金につきましては、財政資金のてこ入れということが非常に大きなウエートを示す。財政資金が開発銀行等から調達されましたときには、初めて市中銀行がこれは応ずるというようなケースが非常に多いわけでございます。従いまして私どもとしましては、今後とも造船施設の近代化向上のためには、財政資金等の御援助をぜひお願い申し上げたいと思っております。
 次に、中小造船所の振興対策でございますが、最近大型工場が輸出船または国内船の注文を大量に受けましてほとんど手が一ぱいというような状況でございます。しかし中小造船所におきましては、今までそういうようないわゆる海運好況の恩恵に浴しておりませんが、しかし最近に至りまして大型船の好況と同時に、やはり小さい中小の船の建造が相当旺盛に行われるような状況にあります。しかもこれらの中小企業の造船所は今まで組織化されておりません。もちろん日本造船工業会におきましては、中小企業に門戸を今までも開いておったわけでございますが、中小企業としまして、これらの工業会を利用するという面が非常に少いために、これに加入をいたしませんでございました。しかし御承知のように、現在鋼材の問題とか、労務の問題とか、資金の問題とか、そういう問題が大きなウエートを占めてきておりますので、中小造船所もやはり組織化されまして、これらの団体の力によりまして、また私どもがこれらの団体を適当に指導することによりまして、この中小企業を振興いたしたいと、こういうふうに考えておるのでございます。この案はことしの初めごろからいろいろ練りまして、造船工業会ともいろいろ相談をいたしました。最近に至りまして、中小企業は地区別に協議会を結成いたしまして、この協議会が造船工業会に団体加入をするということに相なります。また造船工業会の中に中小企業を専門に取り扱います中小企業の対策部というものを作りまして、ここで真剣にこの問題について解決をいたしていくというふうに考えております。
 次に、造船業の現況でございますが、本年の九月末現在におきまして、工事中の許可いたしました船が百十二万トンございます。それから許可いたしましたが、まだ工事に着手しておりません船が二百七十三万トン、合計三百八十五万総トンという大きな数量をかかえております。そのうち国内船は六十五万トン、輸出船は三百二十万トンというような内訳で、輸出船が全体の八三%を占めているというような大きな輸出船の状況でございます。しかし現在の情勢としまして、国内の海運を急速に拡充しなければならぬという要請が非常に強いわけでございます。従いまして私ども本年の初めごろから、ぜひ一つ早い納期の船台は国内船のためにリザーブして、輸出船はあと回しにした方がいいというようなことを申しまして、いろいろ造船所を指導して参りましたが、しかしこれらの現在やっております輸出船は、二年前または二年半前にすでに契約を終った船が多いわけでございます。従いまして今直ちに国内船が急速に割り込むということが非常な困難な状況にございまするが、しかし来年度におきましては、輸出船とほぼひとしいくらいの船が着工できるような段取りになるであろうというふうに予想されております。もちろんそれには建造資金が十分に国内から調達できるということが一つの条件になろうかと思います。また将来とも、このような造船のブームが続きます上は、二年あと、または三年あとに、いわゆる国内船の船台がなくて困るというような事態が起る心配がございます。従いましてこれらの心配を未然に防ぎますためには、やはり長期に船を作り得るという国の資金繰り、金のアレンジというものを十分今から考えておきませんと、その当座になりましてからまた船台がないというようなことになろうかと思います。
 次に、この輸出船の契約の状況でございまするが、六の輸出船の現況というところでございまするが、三十一年度には、すでに三億七千四百万ドルの契約をいたしております。しかもこれらの支払い条件が非常に有利になってきております。それから輸出船の問題で一番今後私どもとしまして、または造船業界としまして注意しなければなりません問題は、現在おもにギリシャ系の米国人の船主からの注文でございます。いわゆるニューヨーク市場がこの注文の大半を占めております。欧州市場とか中近東、東南アジアというような方面からは非常に注文が少い、従いまして私どもとしましては、将来欧州、中近東、東南アジア方面からも多く注文を受けるように努力をしなければならぬと思います。しかしこれは、これらの国々におきましては、なかなか資金面が困難でありまして、これらの資金を、たとえば輸出の帳じりを合せるとか、またはクレジットを設定するとかいうようないろいろな日本の貿易の政策の面から解決しなければならぬ点が相当あるのではなかろうかと思います。しかし何にしましても、日本の造船というものをニューヨークの市場のみにたよるということは非常に危険があるのではなかろうか、また、ことに東南アジア方面の国々のいろいろの経済的援助をするという意味からしましても、こういうような船の建造をもう少しバラエティを持たせていくのが望ましい、こういうふうに考えております。
 それから輸出振興の面で、実は本年度の予算におきまして、輸出船のアフター・サービスのためにニューヨークにサービス・センターを設けまして、そしていろいろの日本でできました船の悪い点やら、または船主のいろいろの要求を聞きまして、輸出船が今後ますます飛躍するようにということを考えたわけでございまするが、しかしこの予算の面で、予算の使い方につきましていろいろ問題がございまして、実はそれを延期することにいたしております。しかしそのかわり、方向を少しかえまして、世界の船舶建造の市場の総合調査を行いましたり、または東南アジア諸国の国内の沿岸またはその各国相互間の海上交通の調査を行いたい。日本におきまして東南アジアの国々の国内の川を航行します船の研究が非常に不十分でございます。従いましてこれらの国々に技術者を派遣いたしまして、船の実際の状況を調べて、これに対する研究を進めるのが最も適当ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。また、そういうようなことで今年度の一千五百十万円という予算の組みかえを今大蔵省の方にもお願いを申し上げておる次第でございます。
 次に、フィリピンとの中間賠償協定に基きます沈船の引き揚げの問題でございまするが、作業は大体順調に進行をいたしまして、ほとんど完成をいたしております。フィリピンの政府からも、私の方から検査官が向うに行っていましたが、検査官にも深い感謝の意を表するような手紙をちょうだいしております。日比の親善のためにサルベージ事業を通じまして大きな貢献をいたしたことを喜んでおります。
 次に、造船の関連工業の現況でございますが、先ほど申し上げましたように、日本の造船工業で劣る点ありとすれば、この関連工業の問題でございます。従いまして私ども大臣の諮問に答えるべきいろいろの点を今ディスカッションいたしております。この結論は近く出ると、こういうふうに思っておりますから、その結論に基きまして私ども並びに業界と歩調を合せまして、大いに関連工業の進行をはかりたいと、こういうふうに考えております。
 それからモーターボートの競走を実は私どもで監督をいたしております。この問題は割合に地方で大きな摩擦を起すこともなく順調に仕事が進んでおるのではなかろうか、こういうふうに考えております。地方財政の寄与の面におきましても、昭和二十九年度は八億三千八百万円、昭和三十年度には九億九千九百万円というような地方財政に寄与をいたしております。また納入金制度によりまして納入されました売り上げの一部を日本の機械工業の振興のために有効に利用いたしております。その利用等につきましては、斯界のエキスパートにお集まり願って、いろいろ使途につきまして御相談を申し上げ、そして有効にこれらの納入金の利用をいたしております。
 それから次に、造船技術審議会というのがございます。これは昭和二十四年の六月に運輸省の設置法並びに造船技術審議会令によりまして設置されました。造船に関します重要な事項につきまして御審議を願っております。今まで六つほど大臣の諮問に対して答申をしておるわけであります。
 それからそのほかに船の登録という問題、また船のトン数をきめます積量測度というような仕事、そのほか船の検査――安全検査でございます。そういうような仕事をやっております。
 以上簡単でございましたが、私どもの仕事の概況を御報告申し上げます。
#8
○委員長(戸叶武君) 次に、森船員局長より御説明を願います。
#9
○説明員(森厳夫君) 船員局長の森厳夫でございます。これからいろいろ御指導、御支援をお願いいたします。
 ただいまから船員局のやっております仕事につきまして、ごく大ざっぱに御説明申し上げたいと思います。
 船員局は船員労働問題、あるいは船員の労働基準の問題、さらに船舶職員の定員とか、その試験に関する問題、それから船員教育に関する問題及び船員の福利厚生に関する問題、こういうようなものを大体において所管いたしております。で、そのうちの現在問題になっております若干のものを取り上げましてごく簡単に御説明申し上げたいと思います。
 まず、船員労働問題でございます。海運界におきましては全日本海員組合という産業別単一労働組合がございまして、八万余の組合員を持っております。そしてこれは国際自由労働組合連盟及び国際運輸労働組合連盟にも加盟いたしており、また全日本労働組合会議のメンバーでございます。この組合は船主団体連合会との間に統一労働協約を締結しており、また個々の船主のグループとの間にもそれぞれの労働協約を持っております。この組合の最近の動きといたしましては、十月に全国大会が行われましたが、その運動方針といたしまして、積極的に賃金闘争を展開するということ、さらに船員の老後の生活安定のために年金制度の設置を推し進めるということを強く押し出しております。
 次に、労働基準の問題でございます。これは御承知のように船員法というのが昭和二十二年に制定せられておりまして、それ以来今まで約九カ年間実施いたし、その趣旨の徹底に努めて参りますとともに、船員労務官というのによりましてこの指導監督、並びに悪質な者はこれを司法警察職員として摘発を行うという方法でやって参りました結果、だんだんこの趣旨も徹底しまして、法律施行のころは相当の違反数がございましたが、最近におきましては、当初と比べまして違反数も若干減っておるような状況でございます。なおこの船員法は昭和二十二年の制定でございまして、占領中の制定でございます。その後いろいろ情勢の変化したこともございますし、また法律施行後の経験にも徴し、あるいはまた労働基準法――陸上の労働幕準法の改正というようなことも勘案いたしまして、さらに検討を加える必要もありますので、現在船員中央労働委員会に諮問いたして、これに関する改正点について審議をいたしておるような状況でございます。
 次に、船員の福利厚生の施設について若干申し上げますと、福利厚生施設として行われておりますのは、大きなものは船員の寮とそれから医療の施設でございます。これらの施設は、あるいは地方公共団体によって行われ、あるいは公益法人によって行われ、さらに船員保険の関係で行われております。その数も相当の数に上っておりますけれども、組織的にも財政的にもまだ不備な点がありますので、これをさらに健全に発育、発展させるように国としても助成の方途が必要かと存じまして、これを研究しておるような次第でございます。
 次に、船員の外傷性脊髄障害について一言申し上げますと、けい肺等の特別保護法が施行せられまして、陸上の労働者に対しましては外傷性脊髄の障害についても立法が行われましたが、海上につきましてはまだこれはおくれておりますので、目下厚生省と連絡をとりまして、これに対する措置を検討いたしておる次第でございます。
 次に、優秀船員の確保の問題について一言述べたいと思います。先ほど海運局長からの御説明にもございましたように、日本の海運は非常な勢いをもって最近船腹を拡充しております。それとともに優秀な船員を確保するということは非常な急務でございまして、そのために新しく優秀な船員を教育するとともに、今までおるところの既成船員を再教育いたしまして、さらに重要な仕事をしてもらうということが必要でございますので、その措置を講じておる次第でございます。具体的に多少申し上げますと、ことに再教育でございます。現在存在しておる船員を再教育いたしまして、高級の士官に使うという施設でございます。この海技専門学院は、従来神戸の商船大学と一諸におったのでございますが、これを整備するために昨年分離いたしました。そのために施設で進歩した分ももちろんあるのでございますが、今まで大学と共用いたしておりましたところの教材とか設備等につきまして不備のものが非常に多いのでございます。これを整備いたしまして、教育上、ことにこれらの船員再教育の必要に応じていくために、これは一度にはできませんから、数カ年の計画によってやっていきたいという考え方でございます。
 それから遠洋航海訓練の強化について申し上げます。これは船舶職員の養成につきまして、特に高級船員は、大学、高等学校等で教育せられておるのでございますが、これらを船に乗せて、そして実習させるところの機関でございます。これは航海訓練所と称しまして、運輸省にあるのでございます。ここに六隻の練習船を持っております。しかし現在予算の関係から二隻しか外国への遠洋航海を実施しておりません。これは優秀な高級船員を養成するためにははなはだ不備でございますので、来年度からはこれらの船を全面的に活用いたしまして、遠洋航海もやりまして、優秀な船員を養成いたしたいということを考えております。
 今申し上げましたのは高級な船員の養成でございますが、そのほかに小型船に要する比較的低い程度の免状でございます。こういう職員を養成することが、海難防止の面から行きましても非常に必要でございますので、これらの船員、乗組員の優秀な者を養成するために、このためには特別の教育機関が現在ございませんので、講習をやりまして、その講習をした者を試験をするという制度をとっておりますが、この方面におきましてもさらに国庫補助を与えまして、これを奨励していきたいと存じております。
 最後に、船舶職員法の問題について申し上げたいと思います。船舶職員法は、御承知のように船舶乗組員の高級船員でございますが、これの最小限度の定員とか、それの資格試験とかいうようなものを規定しておるのでございますが、昭和二十六年の十月十五日に改正実施せられて今日に及んでおるのでございまして、これに基く免状の免許の件数も十万をこえておるような次第でございます。しかしこの法律の施行に当りましては、資格定員表が従来よりも高くなりましたので、経過的に緩和された定員表をもって実施するという特別措置をとりまして、二十九年の三月までその特別措置で行こうと、それから後は本来の定員表に返るという趣旨であったのでございますが、その後鋭意その資格者の充足養成に力を注ぎましたにもかかわりませず、この法廷資格者の充足が困難でございまして、二十九年及び三十一年度の両年度にわたって法律の完全施行を延期しておるのでございます。一方またその資格定員表の問題のほかにも、免許更新制度等につきまして改正の要望が相当強うございます。また法定資格者の充足の問題も相当困難な部分もございまして、その辺のところをもう一度検討して、法律改正を行う必要があるということで、現在のこれの改正案の審議を行なっているような状況でございます。いずれ案ができました際におきましては、いろいろお世話になることと存じます。
 大へん簡単でございますが、船員局関係のごく概略を御説明いたしました。
#10
○委員長(戸叶武君) 次に、天埜港湾局長より御説明願います。
#11
○説明員(天埜良吉君) 運輸省の港湾局長の天埜でございます。よろしくお願いいたします。
 港湾局には、管理、倉庫、計画、建設、機材の五課がございます。それに港政管理官付というのをもって組織しておりまして、定員は百四十三名に、統計の要員として常勤労務者十二名を持っております。それで工事または事務執行機関といたしまして、四つの港湾建設局がございます。また港湾運送業務、それから倉庫業務の助成、監督に十の海運局があり、また倉庫業の助成、監督に九つの陸運局が地方局にあるわけでございます。所掌業務は、事務は大体第一番に港湾管理者の行う港湾工事に対する助成及び監督、それから第二番目に直轄港湾工事の施行、それから第三番目に委託による港湾工事の施行、第四番目に港湾管理者の設立その他港湾管理運営に関する指導監督、それから入港料の認可、使用料または入港料に関する料金の変更命令、それから国有港湾施設の管理、港湾計画の審議及び策定並びに港湾統計の作成、それから港湾内公有水面の埋立、これは干拓も含みますが、これに関する認可、それから港湾整備促進法に基きまして荷さばき施設の建設、土地の造成、引き船の建造というようなものに関する計画の策定、それから港湾運送事業の発達改善、港湾荷役作業の合理化等の指導監督をする、それから倉庫業の発達改善及び調整等の指導監督をすることでございます。
 おもなる港湾行政における事項を申し上げますと、昭和三十石井度の港湾関係予算は、合計いたしまして約七十九億でございます。内訳は港湾事業費、それから港湾施設災害関連事業費、港湾災害復旧事業費というように分れておりまして、また港湾事業付帯事務費、それから北海道港湾事業費、なお申し落しましたが、北海道の港湾につきましては、北海道開発局において直轄工事を行わしているという状況でございます。それからその他に特別失業対策事業費の補助、奄美群島復興事業費、国土総合開発事業調整費、それから北海道冷害対策事業費、また予備費の充当分として、昭和三十一年発生の港湾災害復旧事業費、それから繰り越し分としまして約一億ございます。これは従来四月末会計閉鎖期まで仕事をしておるのを認められていたのが、補助金等適正化法によりまして、三月三十一日でぴたりと繰り越しをしなければならなくなりました。このような繰り越しが余ってきまして、合計七十九億でございます。
 昭和三十二年度における港湾事業費の概算要求をただいまいたしておりますが、港湾関係の公共事業費といたしましては、総額二百二十億ということにいたしております。おもなる項目は、外国貿易港の整備、内国貿易港の整備、船舶安全のための港湾整備、防災及び災害復旧、それから海岸保全対策、作業船整備というような項目がおもな項目でございます。
 それから特定港湾施設整備事業についてでございますが、これは港湾整備促進法によりまして、臨海工業地帯の造成だとかあるいは引き船の整備とか、港湾機能を発揮するのに必要であるが、公共事業費で出せないというようなものにつきまして、資金運用部資金等から、政府の財政資金を港湾管理者に融資することになっております。この融資は、昭和三十年度は約九億円でございました。昭和三十一年度においても約十四億円でございましたので、三十二年度においては五十億円の資金を融通できるようにということで、関係機関と折衝中でございます。
 それから港湾の管理者の設立状況でございますが、港湾法によりまして、港湾の管理は港湾管理者というのを地方公共団体に設けて、それで管理をしていくということになっておりまして、現在四百二十六港、これは都府県が管理しております。それから七十九港を市町村が管理をいたしております。それから名古屋港につきましては、名古屋港管理組合というのが、県として一部事務組合を作りまして、管理いたしております。それから新居浜港務局というものが新居浜港を管理しております。これは新居浜市が単独で設立した港務局でございます。また福岡県と小倉市が共同して小倉港を管理しております。それから福岡県、若松市、戸畑市、八幡市が共同で設立した洞海港務局というものが洞海港をそれぞれ管理しております。管理者の設立された港湾数は五百九港でありまして、なお管理者の設立されていない港湾が、特定重要港湾については関門港がございます。重要港湾については境港、三池港、この二つがございます。それから港湾建設局というのが四つございまして、第一、第二、第三、第四、第一が新潟、第二が横浜、第三が神戸、第四が下関、ここに局がございまして、下部組織として三十七の工事事務所を設置しております。なお北海道におきましては、北海道開発局がその任に当りまして、下部組織として八つの開発建設部を持って工事を担当しております。
 直轄工事としましては、昭和三十年度は総額三十六億三千万円、それから委託工事としては八億三千万円の工事をしております。
 それから港湾施設とその利用状況でございますが、けい船岸壁の延長は、二十九年三月三十一日現在で、大型船のけい船岸が十三万七千七十五メートル、小型けい船津が七十万七千三百十七メートル、入港船舶が、三十年の実績で九百二十三万二千隻ということになっております。取扱い貨物量は、三十年の実績で、外国貿易が四千九百万トン、内国貿易が二億二百万トン、合計二億五千二百万トンというような状況であります。それから乗降人員は三十年の実績で九千七百万人。
 それから倉庫営業の現況は、三十一年五月末で、普通倉庫については、業者数が千二百四十八、冷蔵倉庫については八百二十六、木材業者については五社。
 港湾運送の現況につきましては三十年の十二月末現在で、港湾運送事業者の数が千八百七十八、その内訳は、一般港湾運送事業が六百、般内荷役事業が四百八十四、はしけ運送事業が七百二十五、沿岸荷役事業が千三百七十七という状況であります。それから船内、はしけの扱いは、三十年度で六千六百五十万トンが船内荷役、はしけが四百五十二万トンというようになっております。それから事業施設でございますが、三十一年度末ではしけが七千二百十七隻、独航はしけが千二百九隻。それから港湾労務者でありますが、三十一年五月末で、船内の労務者が一万三千八百四十四人、沿岸が二万六千四百七十四人、はしけ船夫が九千八百五十九人、引き船船員が二千七百二十五人、その他二万八千百八十九人というよう血数字でございます。
 それで、港湾行政上の諸問題として数点ございますが、第一番目が、近代的な港湾施設を整備していかなければならぬ、そのためには荷役の機械を整備したり、あるいはまた接岸施設を整備していきたい。第二番目は、大型の油送船の港湾施設の整備をしたい。とれば最近の傾向として、油を送るのにいわゆる三万五千トンないし四万二千トンのスーパー・タンカーを非常に使うようになりました。ところが、わが国においてはほとんどこのスーパー・タンカーが入れる港がございませんので、これを緊急に入れるようにいたしたい。港湾にいたしますと、京浜、四日市、岩国、徳山、松山、下津、船川というような石油の基地になるところの航路泊地というものを十二メートルに掘るようにいたしたい。これは特段の措置を講じて、三カ年間で入れるようにするために特別会計を設置していきたい。それから臨海工業港の促進、これは臨海工業地帯は非常に工場の要請盛ん血ものがありまして、これを作るために先ほどの融資その他によりましてこれを促進したい。
 それから地方港湾でございます。これも地方文化発展に重要な地位を占めておりますので、これを整備していきたい。ことに最近非常に輸送が詰っておりまして、海送転移にしていきたいというような問題があるのでありますが、小型船舶に対する港湾施設がはなはだ不十分で、そのために港湾諸掛りが多くなって、海送転移しにくいというような点もございますので、この点も力を入れていきたいというように考えております。
 それから海岸事業の促進でございますが、これは本年制定されました海岸法の規定によりまして、港湾区域内の海原はすべて運輸省で所管するということになっております。港湾区域内の海岸は一般の海岸に比べて特に重要な度を示すものでありますので、これに対して強力に海岸の防護施設をしていきたいというふうに考えております。
 それから災害関連事業の早期完成、これは新潟、大阪、東京等の災害対策事業とか、地盤沈下の事業というようなことで、災害に関連した事業を早く復旧をしていくようにしたい。
 港湾災害復旧工事の促進、これは災害が最近比較的少かったのではありますが、前から起っておる災害工事で残っているもの、その他がございますので、どうしても来年度に対して要求しておる二十八億というような予算を確保しまして、急いで仕事をしたいというふうに思います。
 それから作業船が非常に老朽となっておりまして、工事の進捗能力、その他非常に不備でありますので、劣っておりますので、作業船を整備したい。合理的な新しい作業船を作っていきたい。
 それから港湾工事をやっていきます。港湾の建設をしていくために、その付帯設備である機械工場だとか採石場だとかケーソンヤード、こういうようなものが非常に必要でございますので、この点を整備していきたい。
 それから戦争中並びに戦後港湾技術に対して非常に劣っている点がございますので、この際港湾技術をよく徹底して向上をはかっていく、また外国からもいろいろ技術の輸入をしたいというふうに考えております。
 それから先の参議院の決算委員会から、港湾公共事業の内部監査の機構、構成員の強化、運用の実効を期せというような御注意もございました。これに対して監査制度というようなものを確立してやっていくという方に進めております。
 それから国有港湾施設の処理でございますが、これは運輸、大蔵両省において協議をいたしまして、昭和二十九年九月に、国有港湾施設処理要領というものが定められましたので、これに従って処理を進めております。
 それから日米行政協定関係でございますが、日米行政協定第二条に港湾関係の取りきめというのがございます。これは日米港湾分科会というのがございまして、これできめておるのでございますが、一九五二年の十一月及び十二月に一応の取りきめが行われたのでございますが、これがそれからの事情も変化しておりますし、不備の点がございますので、これに対して検討いたしまして、近く両者の署名をして、新しい取りきめをしていきたいというふうに考えております。
 それから米軍による非港湾提供施設の使用料について、提供施設でない港湾施設を米軍が使用した場合に、現行の行政協定の解釈として、使用料を支払うべきかどうかというこしとについて、日米双方の主張が対立しておりまして、港湾分科会でも結論が出ませんでした。そして日米合同委員会に採択を求めるために提出することと相なりました。従って本件につきましては、現在合同委員会で検討中でございますが、解決までにはまだ若干の時期を要するものというふうに考えております。
 それから新しい倉庫業法の施行でございますが、これは新しい倉庫業法がこの前の国会に成立いたしまして、十二月一日から施行することになりまして、ただいま準備をいたして、きょうも会議を開いている次第でございます。
 それから港湾運送料金の問題でございますが、港湾運送料金は確定料金制度でありまして、港湾運送事業法第十条によりまして、これより高額または低額な料金を収受してはならない、また割り戻しをすることも禁止されておりますが、この料金制度の実施につきましては、物資別に料金の監査を行なっておりまして、違反行為のないように事業者を指導しております。また港湾運送事業法の公布されました昭和二十六年に料金の設定を見て以来、五年経過後の昭和三十一年に至るまでこの改訂を見なかったのでありまして、港運業界では労務賃金その他の原価要素の値上りを理由にいたしまして、改訂新料金の実施について熾烈な要望がございました。そこでいろいろ検討をして参ったのでございますが、六月になりまして港湾運送業者から手続をとって新料金の届出があり、公示が行われまして、船内荷役料金については七月十五日に、はしけ回漕料金及び沿岸荷役料金については十一月一日に、それぞれ法律的に改訂新料金の確定を見るようになったのでございます。
 それから倉庫の関係でございますが、普通営業倉庫と農業倉庫との調整の件でございます。農業倉庫は組合員の貨物の保管を使命といたしておるものであります。また農業の保護の見地から資金の融通あるいは課税の点で優遇措置が講ぜられております。従ってこれらの農業倉庫がその保管対象である農産物のほとんどない大都市であるとか、あるいは港湾都市にまで進出して営業倉庫と競争することば不当のことでございますので、農業倉庫が不要と思われるような地区に建設されることによって二重の投資が行われないように、また無用の摩擦が生じないように、倉庫業法制定当時の立法府の付帯決議の趣旨に反しないように折衝し、指導をしております。
 それから港湾運送事業の合理化についてでありますが、港湾運送事業者の数が、昭和三十年の十二月末現在で千八百七十八社というのが登録されておりまして、この事業者の大多数が中小規模の業者でありますために、地区によっては事業者の乱立によって不当競争その他種々の問題を惹起するおそれがありますので、これらの中小港湾運送事業者の企業規模を適正化し、その合理的経営が行われるように中小企業協同組合を設立するとか、あるいは企業の統合を促進して、港湾運送事業が健全な発達をするように努力をいたしております。なお、これに関連いたしまして港湾運送事業者の登録基準を改正するように、港湾運送事業法施行規則の中で一部改正をただいま検討いたしております。
 それから最後に、日本の港湾建設技術の海外進出の点でありますが、東南アジア、中近東諸国の港湾の開発にアメリカだとか、あるいはイギリスだとか、フランス、西独というような建設技術がなかなか目ざましく進出をしておるのでありますが、現在のわが国の港湾建設の技術水準は相当上ってきておるにもかかわらず、日本だけが進出に立ちおくれているというような原因が日本の港湾技術者がアジア諸国の情勢に非常にうといというような点もございますので、これらの国々に技術アタッシェを常務させるとか、あるいは港湾に関係のある風俗、習慣、経済、技術的条件というようなものについても、技術的の立場から調査をするようにしたいというような非常な希望を持っておるのであります。
 以上のようなのが大体港湾関係の御説明でございます。
#12
○岩間正男君 今の説明に関連してちょっと資料をお願いしたいのですが、それは日米行政協定関係についてですね、今の説明もありましたが、この中で、取りきめで、その後の事情の変化もあり、不備の点等もある、というのですが、これもっと詳しくですね、それからそのあとの第二項のところで、非港湾提供施設の使用料の問題ですね、これが実際どの程度使われておるのか、今までの経過ですね、そういう資料、データあるでしょう。
#13
○説明員(天埜良吉君) はあ、あります。
#14
○岩間正男君 こういうもの詳しくほしいと思うのですね。それ一つお願いします。
#15
○委員長(戸叶武君) それでは、ただいまの説明に対し御質疑のある方は順次御発言を願います。
#16
○相澤重明君 私は最初に一つ運輸大臣に御質問いたしたいと思うのですが、大へん今まで説明を受けたのですが、御承知のようにわが国は四面海に囲まれておる関係で、国土も狭隘であるし、その上国内で米軍に基地を提供しておりますから、非常に産業の発達にも困難を来たしておるわけですが、そういう意味から行くと、先ほどもお話のあったように、わが国の経済の自立を達成するため、あるいは貿易の伸展、産業の振興、国内資源の開発、こういうようなことは非常に重要な問題になっておるのでありますが、特に海外諸岡との競争といいますか、という点を考えると、工業の近代化ということは、これは欠くことのできない問題だと思う。そういう意味でやはり臨海工業地帯の造成、あるいは港湾施設の近代化、これはもうお話の通りで、私ども非常にに喜んでおるわけでありますが、実現をしなければならぬ、この整備拡充について、海運界あるいは港湾関係等の業者あるいは従業員、そういうようなものから、いろいろと運輸大臣に要請なり陳情なり質問が出ておると思うのですが、そういう中で監督、指導、そういう点については非常に運輸省の重要な仕事であると私ども考えておるのでありますが、第一にお尋ねしたいのは、昭和三十一年度の港湾関係予算の概算要求の説明があったわけですが、その中で港湾関係公共事業費の説明で、大蔵省に対して当局は総額二百二十億三千万円ですか、それからその内訳として、港湾整備費が百九十二億三千万円、災害復旧費が二十八億、こういうようなものを要求して、目下鋭意折衝中である。重点として第一に、外国貿易港の整備で四十八億四千万円、第二として内国貿易港の整備が六十七億七千万円等、各項目をあげておるわけであります。で、これらをあげておるけれども、前段に申し上げました各国とのそういう競争を行うような場合に、今の運輸当局が考えておるこれだけの予算で一体十分であるのかどうか、また大蔵省に折衝しても大蔵省が渋い、どうも思うように金をくれない、こういうようなことでなかなかうまくいかぬというようなことを言っておるようでありますけれども、一体今の交渉、いわゆる折衝の中で、その見通しはどうなっておるのか、こういう点をまず最初に一つお尋ねをしたいと思うのです。
 で、その中で私は特に外国貿易港の代表とも言うべき一つの例としてお聞きをしておきたいのですが、横浜港について一体どんな考え方を持っているのか、構想を持っているか、そういう点も一つあわせて御説明願っておきたい。
#17
○国務大臣(吉野信次君) お話の点は三十二年度の予算の話でございますか。……三十二年度の予算のことは、今大体お話しになりましたことを目下大蔵省と折衝中でございまして、まだ最終的の決定はいたしておりません。何分にもやらにゃならぬことは私もよく承知いたしておりますが、ただ国家財政というものの振り合いでどういうことにするかということで、私もできるだけの努力はいたしたいと思っております。
 それから国際港について、特に横浜についてどういう考え方、横浜は国際港として非常に重要な港であるということは、私が申すまでもないことだと思いますが、この間私も実地を見たのですが、川崎の方にも一つのりっぱな港湾のなにができておりまするし、また東京の方も東京の方でやるということでございますから、どうしてもこれはやはり将来は、神戸、大阪についても同じだろうと思いますが、やはりもう少し国家として今申しましたようなことを全体的に見て、これを施設をしないといかぬのじゃないかというふうに気がついておるのです。今まではそういう点もむろん加味されておることだと思いますけれども、御承知の通り横浜の方は昔からの外航用でございますから、国の方で非常に力を入れた。それがこのごろは経費の関係で、地方団体の仕事にも国家が金を出しておりますけれども、大体東京港のことでも、これは自治体としての東京というものがこれを計画したという歴史だろうと思うのです。そういうことについて、今日は今の補助金の関係で国が全部を見るという建前になっておりますけれども、もし国の全体の計画から申しますと、おのずからそこの間に一つの調整をとりまして一つ大きい計画のもとでやった方がよいではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。そうしませんというと、申すまでもないことですけれども、重複した設備をしまして、そうして横浜の繁栄が東京の方へくるとかいうことも起り得るわけでございまして、そうしてせっかく国でやったことの計画というものについて、所期の目的を達しないようなうらみもあるだろう、もはやそういうことを全体的に考える時期に来ているのだろうというふうに大体考えております。
#18
○相澤重明君 今の運輸大臣の答弁は、一応概念的なものだと思うのです。で、東京港にしろ、川崎港にしろ、横浜港にしろ、いわゆる京浜港としていかなるあり方を示すかということについては、運輸当局がやはり大きな指導的な立場に立たなければならぬと思うのです。これは単にその地方自治体が、自分ができるだけよそよりもいいものを作ろう、こういうことだけでやはりそれを放任するということは、私はいけないと思う。だから総合的に、これは北海道にしろ、九州にしろ、名古屋にしろ、あるいはこの京浜港の問題にしろ、総合的に運輸省が考えるということはよくわかる。わかるけれども、それは一体今のたとえば横浜港の問題を取り上げてみて、そうして米軍のノース・ピアには貨物を扱うところもあれば、あるいはまた横浜港の中にはアメリカに接収されておるために、いわゆる貸しておるために、まだ日本の船舶が自由に係留できないというところもある。そういう問題といま一つは、たとえばアメリカから返還された問題についても、やはり国の方針として、一体それでは横浜港はどういうふうに作っていったらいいのか、こういうことをやはり考えておかなければならぬと思うのです。これがやはり港湾行政であり、あるいはまた運輸行政の一般的なものだと思う。それが現在においては、地方自治体はやはり金がない、起債が認められない、こういうような中では、結局国の方針がきまらない、国の予算が出せない、それで結局は港の衰微というものができてくるわけです。ですからそういう点について一体今日まで具体的にどういうふうにその京浜港の場合に――東京、川崎、横浜と、こういうようなたとえば京浜港の場合に考えておるか、またそういうふうに地方自治体から要請があった場合にどういうふうに運輸省は一体お答えになっておるのか、こういう点を一つ続けて御答弁願いたいと思います。
#19
○説明員(天埜良吉君) 今の大臣がお答えになりましたように、東京、川崎、横浜というようなものは、非常に日本においても重要な港であり、相密接しておりまして、非常に関連が深い港でございます。で、港湾の計画につきましては、港湾法に基く港湾審議会というものがございまして、そこにおいては重要港以上の港湾の計画を港湾の管理者が立てて、そして港湾審議会にかけて運輸大臣に答申をするというような仕組みになっておるのであります。で、先ほども大臣からお話がありましたように、今こそ京浜三港の関連は最も重要視していかなければならぬというような点から、今年の四月に港湾審議会に横浜、川崎、東京の管理者から案を出しまして、これは運輸省も参画をして、非常に調整のとれた案でありまして、どのようなものを横浜地区においてはどういうふうに扱っていく計画にするか、川崎、東京にはどういうふうにするかということを目標をきめまして、それに従って整備をいたしておるわけでございます。従ってただいまの予算の要求もこの計画に基いて行なっているわけでありまして、横浜について申しますならば、一番大きな点は、山下町の岸壁であります。これは先ほどお話にも出ましたように、ノース・ピアをまだ接収されておるというような状況にもありますので、急いであの岸壁を作らなければならぬということで、あの岸壁の延長を三十二年度にはぜひやりとげたいというような予算の内容になっております。
 それから港湾予算の点でございますが、これは実は戦前並びに戦争中までは大体公共事業費の約一割から一割五分というところまであったのでございますが、占領中に、昭和二十五年の予算だったと思いますが、そのときから非常に港湾予算がCTSの関係で減りまして、その後徐々に港湾予算の増すように努力をして参っておりますが、現在のところ、港湾事業費は公共事業費の約五%ぐらいにしかまだなっておりませんので、この点は特に努力をして予算を十分に回したいというふうに考えておるわけであります。
#20
○相澤重明君 今の港湾局長の御説明で、そうすると結局港湾審議会の答申があり、しかも運輸省もこの京浜港の問題については十分お話し合いをした、で、そういう結果から行きますと、港湾整備促進法の規定によって、このいわゆる運輸省の政令で定めておる重要港湾については資金運用部資金等の財政投融資ですね、こういうものを行うことになっておると思うんですが、この三十二年度ですか、今度政府がそういう中でワク外として五十億ですか、今大蔵省に要請をしておる、それで一体そういう重要港をした場合に、一体それで間に合うかどうか、これは港湾協会の業者の方からも政府に要望があったはずだと思うんですが、特にわれわれ京浜関係を見ておると、どうも資金が足らぬようで、実はどうも困っておるような現状であります。いま一つは、政府資金というものをそういうふうに今大蔵省に折衝しておるということですが、その実現方を努力してもらうとともに、やはり地元のそれに伴う作業というものはしなければならぬので、その地元の負担については一体これを起債を認める方針なのか、認めない方針なのか、それを運輸省として港湾審議会等の問題と関連してどういうふうにそういう点を取り扱っていったらいいのか、どういうふうに考えておるのか、こういう点をお尋ねしたいと思います。
#21
○説明員(天埜良吉君) 今の起債の問題から申しますと、これは直轄工事とそれから補助工事と両方ございますが、横浜の場合ですと直轄工事になりますが、これはやはり地元負担がございます。で、それも特定重要港湾でございますので、浚渫だとか、あるいは防波堤だとかいうようなものにつきましては、外郭施設につきましては、これは全額国庫で参りますので、地元の負担はないんでありますが、係留施設、つまり今の岸壁になりますと、これは七割五分が国庫負担でございますので、二割五分の地方負担があるわけでございます。これにつきましては自治庁、大蔵省方面に極力話しまして、これについては少くとも起債を認可してもらうようにということで話を進めておるわけであります。
 それから前の問題の埋立等による港湾整備促進法に基く起債のワクでございますが、これは今年は十四億でございましたが、来年度は五十億もらいたいということで話をしておりますが、実はこれにつきましては自治庁、大蔵省とも話を続けておりまして、起債のうちでも償還の割合に確実なものについては、これは別に考えようということでございますので、一部十四億の中にもその分がございましたが、来年度については相当大幅にそれを考えていくというようなふうで進んでおります。三十二年度はかなり期待ができるというふうに私どもも考え、折衝を続けておるわけでございます。
#22
○相澤重明君 私ばかり質問しちゃってあとの方に御迷惑かけてはいけないから、少ししぼっていきたいと思うのですが、次に運輸大臣にこれはどうしてもお聞きしておかなければならぬ問題なんですが、私どもの社会党の大倉議員が、二十四国会の三月二十二日のこの運輸委員会で、港湾運送事業法の確立を期すためにということでいろいろと御答弁をされておるわけですが、たとえばそういう中に、先ほどの御説明もあったが、業者の登録等の問題あるいは基準料金等の問題が出ておるわけですが、違法業者については何らかの措置をとらなければならぬ、こういうふうにあなたはおっしゃっておるわけです。それで今後も監督指導については最大の努力をされるというふうに、この長い速記録の中にいろいろ大臣の苦心も述べられておる。そういうふうに発言されておるわけですが、その後 体、それでは運輸省自体が監督調査をした場合に、一体どういうふうなことがあったのかあるいはなかったのか、こういう点をお聞きをしておきたいと思います。二十四国会に対する御答弁の中の結末を一つここで出していただきたい、こう思うのです。
#23
○国務大臣(吉野信次君) お話の点は大倉さんからのお尋ねで記憶が少しなんですけれども、たしか公示料金を守っていないということが主であったと存じております。私もそれは困るからその励行を期することに万全のなにを講じたいということを申し上げました。そうして確かに私も局長にも申しまして、それだけの手段をとるようにいたしまして、若干その報告も受けておりますから、一つ局長から、その後にとりました具体的なににつきまして一応御説明申し上げたいと思います。
#24
○説明員(天埜良吉君) 料金の遵守方につきましては、昭和三十一年の三月でしたですか、主要貨物の港湾運送料金監査報告について、その値引きをしておるような業者に対しては、公示料金を遵守されるように勧告をされたいという通達を海運局長に出しまして、海運局長からそれぞれ勧告をいたしてあります。それから昭和三十一年の四月二十四日かに開催いたしました海運局の港運課長会議で、その実行方を特に強力に推進するようにというようなことを申し渡しました。それから三十一年の九月十一日に、港湾局長から日本港運協会の会長にあてまして、港湾運送料金の遵守をすべしということの――励行すべしということの通牒を出しました。それに基きまして、港湾運送業界では自主的な団体を作っておりまして、港湾運送料金を守るようにいろいろ尽力をいたしております。東京、横浜、川崎につきましては、東京は港運安定協議会というのが十月の六日から発足しておりまして、これは東京港、横浜港、横須賀港、千葉港も入って、港湾運送料金の遵守にお互いに努めるということで活動をしておりまして、なお小樽港につきましても、十一月一日から同様な会が組織され、それから東北港湾につきましては、十一月一日から同じく発足し、名古屋の港湾につきましては、名古屋港石炭料率委員会というのが九月二十五日から発足いたしております。なお兵庫県の各港湾、大阪港の各港湾については、これは十月三十一日現在では、協定書を検討中でございましたが、おそらく通達をしていると思います。そういうようにして港運料金の遵守をはかるように自主的に進んで参っております。
#25
○相澤重明君 ただいまの御答弁で、港湾施設の公示料金については、各方面で非常に今関心を持っていると思うのですが、わけても先ほど岩間委員からもお話しになった、資料を提出してもらいたいという話があったのですが、米軍下の荷役の問題ですね、一体そういう、日本の国内における業者が申請をして、まあこれが実施に移っておると、こういうような場合にそれが実施されておるかどうか。いわゆる米軍の荷を扱う場合に、国内業者がかえってアメリカの予算削減という名目によって、いわゆる公示料金というものが遵守されていないのずゃないか、そういう点を運輸省としては調査してみたのかどうか、こういう点を一つお尋ねをしてみたいと思います。
#26
○国務大臣(吉野信次君) お話の点はまことにごもっともでございまして、私ども実は若干そういう問題も耳にいたしまして、これは非常に困ることだと思いまして、それでいろいろそうならぬように今やっておるわけです。これもまあ少し理屈っぽく申しますと、いろいろとむずかしい問題がございますのです。と申すことは、公示料金がきまりまして、それからどうしても米軍は力が強いものですから、それよりも安いものを個別的に与えるわけですな、相澤さん御承知の通り。そうしますと与えられて、公示料金よりも低いものを、また業者の方がこれがこの場合の公示料金だというてこちらの方に届け出るわけです。それだから、形からいろと、その届け出た通りやるものですから、それが直ちに法律に違反であるというわけには参りませんです。ただこちらとしてそういうものを受けたとき、日本の一般のものより金額が低いために、低いからこれはどうするかという問題があるわけですね。これは相澤さんに申すことは釈迦に説法でございますけれども、つまり米軍の場合は、いろいろと港湾の荷役の施設というものを向う側が提供してくれるわけでございます。これが日本の荷主と違うわけでございますから、そこで彼らは、そういう物的の施設を提供するから安いのは当然だと、こういうことを一応言うわけでございますから、われわれの方として、それをもしこれを低いからいけないのだということを言うためには、そういうもろもろの物的施設というものが提供された場合には、どう料金に響くかということを一々これは算定いたしませんと、はっきりしたなにはできないわけですね。それはやってやれないことは私はないと思うのです。だけれども、はなはだ申しわけないことですけれども、従来そういう問題がありますものですから、幾らかその点について今までそういったようなことをやらずにおったという運輸省側の責任もあるわけだということを私は認めざるを得ないと思います。しかしほうっておくのじゃないので、いかにも法律に触れるか触れないかという表面の問題ではなくして、せっかく公示をした料金を下回ってやるということは困ると、そういうことが非常にこの法律の建前からいって確定料金にしたという精神をくつがえすものであるから、これだけはぜひやめてもらいたいということは、実は運輸省の役人が向うの係りにいっていろいろ交渉していますが、はなはだ遺憾ながら今日まだらちがあかない状態なのです。それですからこれも当面の間に合わぬかもしれないけれども、私は正式に外交のなにを通して、日米合同委員会の議題として、これはそういう横車を押してもらっては困るということをはっきりさせたいと思うのです。それと、これと別に今昨今問題になっております問題は、これはほうっておけないのですから、われわれが、その間にもしある程度の余地があれはわれわれもあっせんいたしまして、そうしてできるだけわれわれの主張を貫徹するために米軍側に圧力を――圧力と言っては少し語弊がありますけれども、まあある意味の圧力を加えたいと、こう思いまして、きのうも衆議院でお話もございましたので、さっそくその手順に取りかからしておる、こういう実情でございます。
#27
○相澤重明君 今の運輸大臣の御答弁、大へんに、まあ場合によれば米軍に圧力をかけるということで非常にけっこうなことだと思うのです。基本的な問題、やはり日米行政協定第一条に基いて、港湾関係の取りきめについてということで説明しておる。それが一九五二年十一月及び十二月に一応の取りきめが結ばれたけれども、その辺をさっきも港湾局長が説明されたが、再検討の必要があるから、日米港湾分科会等も持っていろいろ研究をしておるんだ、話も進めておるんだ、こういう話がありましたけれども、前国会の際にもそういう点御答弁なさっておるわけですね。それも三月からもうすでに半年以上たっておるわけです。そういう点についてですね、やはりこれはあまり直接運輸省に文句も言われないからというようなことでは私は困ると思うのです。できるだけこういうような問題については早く措置をして、関係の人たちにも安心をさせるように、まず私は基本的な態度をとってもらいたい。これは運輸大臣の御答弁もありましたから、やっていただけるものと私は理解しますが、そうしますと次にこの米軍下の入札の問題にかかってくるわけです。先ほどの運輸大臣の御答弁ですと、業者の多いことや、あるいはアメリカの施設等も提供しておるから、やはり日本の国内の業者の公示料金、確定料金というわけにはなかなかいかぬと、こういうお話だったと思うのです。これは前の国会の際にも、大倉議員との間にそういう意見のやりとりがあったのですが、たとえばアメリカがどうしても安くしなければいかぬという基本的な考え方がどこにあるのか。つまりサービス料をよこせというのなら、それは確定料金なり公示料金とは別にサービス料ならサービス料というものを考えていいと思うのです。けれども、料金というものを設定をした以上は、やはりこれはその線に従ってもらわなければならぬと思うのだけれども、あなたのお考えは、米軍についてはもうしょうがないのだというお考えであるのかどうか、その点を先にお聞きしておきたい。
#28
○国務大臣(吉野信次君) そういうことは考えておりません。これは一体荷主を責める規定じゃないので、いわゆる運送業者に対する法律でございますから、実際上の効果が適切に現われるか現われないかということを考えずに、運輸省の権限だけでもってやるという場合なら、日本の業者に対して強く出ることは可能なんです。それですから今お話の通り、そういうめんどうな計算をするよりは、サービス料ならサービス料で別にとったらいいじゃないかという御意見も私は傾聴してよいと思うのです。それですからさっきも率直に申しました通り、従来私たちの方に少し手ぬるいことはあったということを申し上げているわけで、それははなはだ申しわけないことですから、今日ああいうような差し迫った事態を生ずる以上は、運輸省としてやはり運輸省の責任において、これははっきり法は励行するような手段をとらなければいかぬと、こう考えましてその方向でただいま努力しておる、こういうことを申し上げておきたい。
#29
○相澤重明君 そういう方向で進んでいただくことを私も希望しておきたいと思いますが、そうしますとたとえば現在横浜等で起きておる米軍の荷役の問題で、非常な混乱が起きておるわけです。ということは、アメリカとしては何といってもできるだけ安い金で日本の業者に仕事をさせよう、こういう考え方を持っておると思うのです。できれは幾らかふところに金が入れはということがあるかしれません。そういうことをやはり運輸省が業者にないように指導していくというのが、こういうのが今のお話のことで、大へんけっこうなことと思う。けれどもそういう場合に、それじゃ先ほど局長からは、中小企業といいますか、たくさんのこの業者がおるから、だから不徹底の面もあるし、将来はそういう不利なことのないように、できれは中小企業組合といいますか、そういうものまで作って指導をしてゆきたいのだ、こういうお話があったと思うのですが、たとえはそれが中小企業の組合を作った場合は、大企業が入るかしれぬけれども、一応米軍に対する利益の問題として、日本側として業界の方で一応提携をしてゆくというような場合に、それでは入札制度というものがこれは行われるのがいいのか、それともそういうものは業者が、みんなが、自主的に手を取り合って、しかも日本のこの正当ないわゆる料金というものがとれる、こういうようになる場合にそういうものが必要であるのかないのか、こういう点について米軍のいわゆる入札制度ということに対して大臣はどういうお考えを持っておるか、その点を一つお尋ねしたい。
#30
○国務大臣(吉野信次君) お話の入札というやつですね、これがもし日本の観念と同じように、業者を幾つか指名いたしまして、おおっぴらに札を入れさせるということになると、これは明らかに法律違反でありますから、これはどうも運輸省として認めるわけにいかぬ。彼らが今やっておるのはそういう方法をとらずに、実質はそれと同じことかもしれませんが、やはり個別的に呼んで、個別的に折衝をしている。そういう折衝の形で出たのだから、これが直ちに違反であるかということは、運輸省は、当局はちゅうちょしておるわけです。もしお話のようにわれわれが考えておるような、たとえ指名であっても、一般でなくても入札の制度であるということなら、これは法律の文面にいわゆるそういう言葉がありましたけれども、これは認めるわけにいかない。
#31
○相澤重明君 この業者の問題も、それは公示企業というものに対しては、なかなか国で統制ということについては、確かにむずかしい面もある。また特に米国相手の問題としては非常に困難性もあると思う。思うけれども、これはしいてこの米軍の貨物の入札制度の問題から日本の業者自体がやはり損をしてゆくことになり、あるいはそれの業者につながっておる、働いておる従業員のやはり生活の問題にもこれは響いてゆく、給与、待遇の問題に響いてゆく、あるいはそれらの問題からひいてはいわゆる不安定血港湾労働者というものに、特に大きな影響を与えてくるわけです。ですからどうしてもいわゆる日本側でこれは港湾協会なり、あるいは業者の人たちがそういう関係者を集めて、やはりそういう適切な監督指導というものを行わなければならぬだろう、こういう点はぜひ私は早急にやってほしい。樹立してほしい。そうして国内でつまらぬいさかいがあって、よその国の人に笑われないように、これはまあぜひ私は、運輸省の所管の監督行政なり指導面においてこれは行うべきじゃないか、こういうように思うのですが、そういう点いかがですか。
#32
○国務大臣(吉野信次君) 全く私も同じ考えでございます。
#33
○相澤重明君 それではそういう点から考えて参りますと、ここに今度は港湾局長にもお尋ねしておかなければならぬのですが、たとえば今回の横浜における米軍下の入札制度の問題にからんで、少くとも登録業者、登録業者というものに対しては、はっきりしたやはり態度というものがなくてはならぬと私は思うのですが、今までに法にかなわなかった、あるいは運輸省の今まで指導を行なってきたことについて違反したようなものはなかったかどうか、この点一つ局長にお尋ねしておきたい。
#34
○説明員(天埜良吉君) 登録業者について、違反という点は、登録基準に欠ける点があるかどうかという点と、それから料金を遵守しておるかどうかという点になると思いますが、登録の監査をいろいろいたしまして、登録基準に欠けるようなものが二、三ありました。そのような場合には、一つ自主的に廃業するなりするような勧告をしております。それから登録条件を直ちに充足できれば、それでまたやっていけるというような措置をとっております。これから料金につきましては、これは極力遵守をするように言っておりますが、二、三どころか相当あるように思いますが、これも自主的に是正させるべく努力をしておるわけであります。
#35
○委員長(戸叶武君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#36
○委員長(戸叶武君) 速記をつけて。
#37
○相澤重明君 今の港湾局長のお話で、二、三のものは、まあ不適格というようなものがあったのは指導したということだと思うのです。きわめて私は大きな問題だと思うのですが、横浜に京浜港運株式会社というのがある。去年の十月三十日付で、そこの従業員は全員解雇予告をされておるわけです。そして十一月三十日に全員が解雇をされた、こういうふうに私ども聞いて、現在は在籍者は一人もないというようなことで、運輸大臣に何か業者の問題について関係の方から陳情が行っておるのじゃないかと、こう思うのだが、その点運輸大臣はお聞きになっておるかどうか。
#38
○説明員(天埜良吉君) 京浜港運につきましては、お話のように解雇の問題がございました。それでそのときの当時の基準からは欠けてないはずでございました。
 それからその京浜港運についていろいろ陳情がなかったかというお話でございますが、これはそういう陳情はございません。しかしいろいろうわさがございましたし、そういうようなことを耳にいたしましたので、ただいま監査をしております。これは関東海運局で監査をしておるところでございます。
#39
○相澤重明君 横浜の関係の方では、このことについて十一月九日関東海運局に連絡をとった、こういう際に関東海運局ではこの事実をよく知らなかった、こういうことが言われておるわけなんです。それで今、港湾局長の言う、今調査をしておるということであるけれども、少くともこの二十四国会の参議院の運輸委員会において、大倉委員から、そういうことを含めて、ずいぶん長く質疑を行なっておるはずであるにもかかわらず、港湾局長が関東海運局の方にそういう指示なりあるいは連絡というものを当時しなかったのかどうか。もししておったとするならば、こういうような事態があったのかなかったのか、防げたのじゃないか、こういうふうにも思えるのだが、もしこれが事実指示をしておらなかったり、あるいは指導もしておらなかったり、またそういう内容について知らなかったとすれば、これは運輸大臣の責任ではないか、こういうふうに私どもは考えられる。だから私はよくその点わからぬから、その真偽のほどを私はお伺いをいたしたい。それからもし事実とすれば、その責任というものはあなた方に当然来るのじゃないか、こう思うのだが、その考え方はどうか。
#40
○説明員(天埜良吉君) お話の点は、三十年の十月の二十日に東海運輸から転業した篠崎ほか二十七名という者を解雇しております。解雇しておりますが、基幹労務者十名、平労務者二十名、三十名が残っておりますので、登録基準からは欠けないという状態でございます。しかし最近において、いろいろな業務の実績その他で何か欠格をするものがあるといううわさを聞きましたので、それで監査を実施しておるわけでございます。
#41
○相澤重明君 それでは今の点については、若干やはり合法面というものをなくして、それで何でも形式さえそろえればいいんだということで、法というものが守られないというようなことになれば、これは大へんなことだと思うのです。ですからそれが真偽のほどは、今港湾局長の言うように、調査をしてみて、その結果がどうなるか、どう内容がなっておるのか、こういう点については後日また報告を願って、それで私としての希望は、そういうことのお互いにないように、これはぜひ運輸監督行政として指導をしていただきたい、こういうふうに考えておるわけです。
 なお、これは運輸大臣にまあ、おっていただくのが一番いいんだけれども、次には、関係の海運、港湾関係の職員の給与問題についてもお尋ねをしたいと思ったのですが、きょうは時間がなくて、あと大倉委員も関連質問があるようですから、保留をいたします。以上です。
#42
○大倉精一君 時間がないようですから、私は、今の大臣の答弁の中で一つだけ確めておきたいことがある。それは米軍の入札制度について、大臣の今の御答弁でいきますというと、形式が入札という形式であるかどうか疑わしい。個別に折衝をしておるのだから、これはどうも法律的にどうこうということは疑問であるというような御答弁があったように記憶しております。これは私はちょっと重要な問題ではないかと思うのです。先回の国会の答弁におきましても、米軍に対しましても、やはり港湾荷役の料金は法律のワク内でやるという御答弁があったわけなんです。そうだとすれば、この港湾運送事業の運賃、料金について、入札という形式にしろ、あるいは個別折衝という形式にしろ、どっちにしろ確定料金は守られていない、守られないという結果が出た場合、これは明らかに法律違反じゃないかと、こう私思うのですが、この点ちょっと疑問に思いますので、確めておきたいと思います。
#43
○国務大臣(吉野信次君) 私の申し上げたのは、実際のやり方は、私もよく存じないのですが、実はただ聞くところによると、いわゆる指名入札のような格好で、札を入れさせろという格好ではないように、少くとも今度はやっておるということでしたから、そう申し上げたのであって、その結果がその確定料金ということからもし違反であるということなら、これはやっぱり法に違っておることでございますから、それはやはりそういう方法がどうであろうとも、受けた方の運送業者というものに対しては守るように言わなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
#44
○大倉精一君 そこでこの法律は、さっきあなたが、これは荷主を責めるのじゃない、業者を責めるのだというような、こういうお言葉があったのだが、これは言葉じりをとらえるようですが、これは業者の保護法だと思うのです。責める法律じゃないと思うのです。でありますから、入札にしろ、個別の折衝にしろ、そういうものによって、いわゆる弱い港湾業者が自分の経営を維持するに足るところの運賃料金がもらえない。そういうものに対しては保護をする法律でありますから、であるから、その形式いかんにかかわらず、そういうようないわゆる確定料金を下回るような、こういう措置をするということは、これは明らかに私は法律の精神に反していると思うのです。先回の国会におきましても、私はこういうことを言っておる。「やはりこの港湾運送事業者法のワク外であるということは事実なんでありますから、との問題に対して運輸大臣とされて、アメリカ軍の方に対しましても日本のこの法律について十分説明をしていただいて、そうして確定料金を収納させる、こういう方向に努力されなければならないと思うのですが、むしろこれは努力というよりも、当然そうされなければいかぬと思うのですが、その点はどうですか。」と、こういう質問に対しまして、大臣は「お話しの通りです。先ほど、私は事実を知らないで、少し間違ったかもしれません。お話しの通り、そういうふうにしなければならぬ」と、こうなっておりますので、これは入札の形式いかんにかかわらず、やはりアメリカ軍といえども、日本の法律に従って運賃料金、確定料金を収受するようにやってもらわなければならぬと思います。でありますから、そういう何か、入札とか何とかいう形式によって逃げ道を考えられちゃまことに大へんだと思いますので、質問したわけです。
#45
○国務大臣(吉野信次君) 大体これでよろしゅうございます。私は少し、何というか、理屈にこだわりまして、かえって誤解を生じましたのですが、前回お話し申し上げた通り私も今思っております。
#46
○委員長(戸叶武君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#47
○委員長(戸叶武君) 速記をつけて。
#48
○高良とみ君 局長に質問したいと思うのですが、この前、港湾局長に、日本の玄関口である港湾の秩序について一、二御質問申し上げたのですが、私もその実情等について、つまびらかに知らなかったのだけれども、日本の港湾というものはどこであれ、北海道であれ、裏日本であれ、皆これは日本の玄関口で、そこにおいて今日のような港湾労働者あるいはその業態というようなものに、ただいまお話のあったような値引きであるとか、公定価格以下のものしか受けないでいくというような、道義の頽廃があることは、それが従ってこの前申し上げましたような倉庫から盗み出したり、いろいろ国際的に恥かしいことがずいぶん起りつつあると思うのです。これは海遺業というものの従来の慣習もあると思いますけれども、それはあらゆる方面で国際的にもいろいろあると思いますけれども、悪くいえば、これは海賊主義といいますか、そういうようなもので、取ったものは取ったものでというような、その荒い不道義なことが行われないようにやらなければ、とてもそれはどんな法律を国内で作りましても、これはどうにも門口からこわれつつあるのではないかと思うのですが、それからまた今の米軍に対してもそんな個別交渉なんかするような余地を与えておくということは、アメリカに対して非常に失礼であり、また非常な人件費を余計使わせて、日本を軽べつする大きな材料になっていると思うのです。こういうことについて、これは大臣の御責任かもしれませんが、港湾局長としては、こういう独立へ行こうとしている日本の実情から、日本の各港湾をきれいになさる御決意がおありなのかどうか、その点ちょっと伺っておかないと、私どもとしても不安に思うのでございます。
#49
○説明員(天埜良吉君) この前の国会の際に、港湾で旅具が紛失するというお話がございました。それで横浜、神戸等をよく調べました。調べましたが、これは私どもで今実際取り扱っております港湾運送事業者に所属する労務者の関係ではなしに、これは船の旅客扱いのもののように思いました。しかしそういうことは非常に困るので、海運局長に対しまして、港湾におけるそういう秩序をよく見るようにということを話しております。私どもも港湾におけるそういう秩序ははっきりして、明朗な港湾にしなければならぬという決意を持っております。
 それから今の個別折衝の範囲を許すというお話でございますが、これは私ども非常に困るので、アメリカ側が譲らないのでございます。これはどこの港だって港湾荷役をやるのは商売でやるのだろうから、われわれの方と個別折衝をして、たたけるだけたたいて安くするのだということを主張しておりますので、私の方としては、そうでなしに、先ほどお話がございましたように、港湾運送事業法の建前から、港運事業者というのは非常に弱いものだから、これを育成助成しなければならぬというような点から、この料金というものを確定して、そしてそれに従ってアメリカもやってもらわなければ困る、こういう点なんですが、先ほどからいろいろお話が出ておりましたのですが、日本の港湾運送事業法による公示料金というものと、アメリカがやりますときの料金というものの中に、先ほど大臣が申しましたように、アメリカがやります場合には、機械をいろいろ貸してくれましたり、それから人も貸してくれたりいたしますので、その貸してくれる度合いが非常にまちまちでありまして、それによって値段が変ってくるものですから、なかなか向うの言い分をこちらのようにすることが非常に困難な状態でございます。
#50
○相澤重明君 私は今時間がないからやめたのだけれども、今の局長の言うことの、米軍が人も貸してくれる、機械も貸してくれる、お手伝いもしてくれるというのは、まちまちだから国内の公示料金についてもどうも守ってもらえないようなことになる、結論的にはですよ、こういうようなことに聞えるのですが、もしそれを放任しておくということになったら、一体どういうことなんだ、こういう点を私は逆に解釈をしていかなければならぬだろうと思う。そういうことじゃなくて、運輸省自体としては、やはりできるだけ国内の、先ほどから説明のあったように、船内荷役料金にしても公示料金を守ってもらう。統一ある行動をとっていくというようにすれば、やはり米軍の方も私は折衝の余地があるのではないか、こういうふうに考えるし、それからまた向うで、何でもかんでも値段を安くさせるものだから、人も貸しましょう、機械も貸しましょう、提供しましょう、こういうことなのかどうか。そういう点あなたは調査したことがあるのかどうか、お尋ねしたい。
#51
○説明員(天埜良吉君) それは米軍の言うところによりますと、自分の方の荷物を荷役をするのだから、自分の方の都合によって機械も出さなければならぬ、それから人も見つけなければならぬというような場合があるということでして、先ほど申しましたことは、日本の公示料金と、向うがやります公示料金とを比較して同じようになっているか、同じようになっていないかという点は、機械の貸し方いかんによりまして、同じにはっておるものも、みかけは違うが結局内容は同じだというような場合もございまして、この点の比較が非常に困難である、こういうことを申し上げます。
#52
○相澤重明君 そういうふうな説明をされてもちょっとこれは納得がいかないわけです。今、横浜では、この米軍からの入札制度の問題から非常に大きな問題になっておる。従って今のような御説明が事実なのか、あるいはもっと根本的なものがあるのか、やはりこれは一度現地を調査しなければいかぬと私は思うんですよ。そして運輸委員会として、十分そういう実情というものを把握して、その上に立って運輸行政、監督指導というものを私はやってもらいたいと思う。どうもそういう点、今のお話の中では私ども納得がいかない点が非常に多い。そういう点、本日のようなことであるならば、私はむしろこの際委員長に現地調査を行うべきであろうと、こういう点を申し上げたい。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#53
○高良とみ君 それぞれ専門の方がおられるのでありますが、私どもも船で各国の港を歩いてみて、そしてクレーンとか、いろいろな荷役に便利な機械類はどうしても港湾設備として必要なものを持たなければ一等国になれぬ――一等国というか、国際的な常識にはずれるわけで、そういうものがない所はスウェット・レーバーでやっておるのでありまして、これからはどうしても日本としても港湾設備をしなければならぬと思う。そういうものを軍の施設であるからそれだけは借りるということになりますと、これは非常に屈辱的なことでありまして、これから海運に対するいろいろな期待が大きければ大きいほど、やはり諸設備をするだけの減価償却ができるほどのものが公示してあると思うのでありますが、それを守らないで行くということはどこまでも卑屈なことになると思いますが、一つ機械を借りるから割引をするというような精神を港湾業者からおとりになって、そしてしっかりした業態をお作りになるように、何かフォーミュラーをお出しになっていただいたら、私ども視察するにしても、港はかくあるべきである、少くとも横浜とか、おもだった港はかくあるべきであるということが、今日の機械工業の標準からお出しになっておると思う。それがそういうふうな形で、米軍の荷物であるゆえに、特別米軍がスピーディな、大へん不思議な機械を持っているわけじゃないと思います。(笑声)その点を私どもに公示していただきたいと思うのであります。
#54
○説明員(天埜良吉君) 今の港湾のいろいろな機械の点でございますが、これは機械は日本も逐次整備するように努力しております。そればいろいろな融資をいたしましたりして、整備をしておるのでございます。現在の状況は、機械がなくて貸してもらうというものもあるかもしれませんが、でも向うが無理に使わせるというふうな点もあるように私は考えております。
#55
○岩間正男君 今の問題、やはり非常に影響するところが大きいと思うのです。これはやはり一般の業者の保護の建前からやられておるのだけれども、一般のやはり料金の問題などにも影響するし、一番影響するのは、先ほども相澤委員から指摘がありましたように、結局最終負担は労働者にくる。こういうふうに非常に低賃金の基礎になっておりますから、やはりこの問題をこの際徹底してやる必要があると思う。ところで今これは合同委員会の争点になっておりますか。今度の港湾分科会というのは、あなたがこちらの主席になっておるようですが、これは争点になっておりますか。
#56
○説明員(天埜良吉君) 港湾分科会の問題は、港湾施設、つまり岸壁とか、それからブイとか、そういう問題でして、日米合同委員会に対しまして、ただいま私の方としましては、現在のような状況では非常に困るので、何とか一つこれは入札のような形式をとらないで、公示料金というものをきめて、それでやってくれないかということを日米合同委員会へ持ち込もうという準備をしておるのでございます。その問題とはちょっと別でございます。今ここに書いてございますのとは。
#57
○岩間正男君 準備程度ですか、まだ……。
#58
○説明員(天埜良吉君) 準備中でございます。
#59
○岩間正男君 こっちの主張の根拠はまだはっきり……主張をはっきり提示されていないようですね。今のあなたの御説明では非常に弱いと思うのだが、合同委員会に持ち込んでやるにしても。どうですか。
#60
○説明員(天埜良吉君) 私の方といたしましては、いろいろな弊害がございますので、その具体例をもちまして、そうして日米合同委員会に出したい。それにつきましては、これはいわゆる公示料金というものをはっきりしてもらいたい。それでたとえば、先ほどから話が出ておりますように、こういう向うのフォーク・リフトならフォーク・リフトの機械を向うが提供するような場合には、これは幾ら提供するから、これだけは引いてこの料金にするというようなことにきめてもらえば、そうすればこういうことがなくなるので、そういう方針にしてもらいたいということを提訴したいというふうに考えておりますわけでございます。
#61
○大倉精一君 これはどうも私は意外なことを聞くのですが、今準備中だというお話なのだが、大臣が、そうやりましょうと言ったのは、この速記録によると三月二十二日です。三月二十二日から今までやらなかったのは、何かそんなにむずかしいものがあるのですか。
#62
○説明員(天埜良吉君) 日米合同委員会に提訴するということでございますか。
#63
○大倉精一君 ええ。
#64
○説明員(天埜良吉君) 日米合同委員会に出すということは、大臣、約束をいたしましたか、私知りませんが。
#65
○大倉精一君 速記録には日米合同委員会に出すとは書いてありません。ありませんが、入札とかそういうことをやめて、そうして確定料金を収納させる。当然そうなされなければならぬ。こういうことに対して大臣も、そうであります。そのようにします。こうなっております。そうなっておりますと、日米行政協定の第二条と第十二条第二項がこの場合適用されると思うのです。「現地で供給される合衆国軍隊の維持のため必要は資材、需品、備品、及び役務でその調達が日本国の経済に不利な影響を及ぼす虞があるものは、日本国の権限のある当風との調整の下に、また、望ましいときは、日本国の権限のある当局を通じて又はその援助を得て調達しなければならない。」、こういう条項がある。この場合、日本国の経済に不利であるかどうかということ、これは当然日米合同委員会に持ち出す必要があると思うのです。ですからそういうものを、これは速記録にはありませんよ。合同委員会というものはありませんが、当然そういう措置が考慮されなければならぬと思うのですが、それが今まで全然なされていなかったということは、非常に奇異に思うのです。何かそこにそんなにむずかしいものがあるのかどうか。
#66
○説明員(天埜良吉君) その間において文書により、あるいはこちらからも、また担当海運局長も参りまして、JPA――調達本部と申しますか、それからG4、これは司令部のG4というところのセクションになっております。そこでずいぶん折衝をしたのでございます。それからただいまの条文の件については、港政管理官が外務省に行って調べておりますので、その点を申し上げます。
#67
○大倉精一君 とにかくやられていないことは事実なんだから、今の各委員の発言に対する御答弁のように、そんなに資料を作ったり何かするのはむずかしくないと思います。さっそくこの問題の解決をされるよう努力されることを要望して終ります。
#68
○説明員(見坊力男君) 行政協定の十二条の解釈でございますが、外務省の条約二課に参りまして、この調達の中に調達の方法が入るかどうかという点を照会いたしておるわけであります。外務省としては、この文句自体からは、入るとも入らないとも直ちに言えない。(笑声)当時の記録等を調べて返答するからという段階になっております。
#69
○岩間正男君 その経過はどうなっているのですか。今の経過は、提訴して――はっきりした提訴という形はとっていないようですけれども、申し入れを再三やったり、外務省に対して条文の解釈を求めたりしているようですが、そういう経過は、いつごろどうしてどうなっているのですか。やりっぱなしじゃこれは話が進まない。
#70
○説明員(見坊力男君) この問題につきまして、私どもが外務省に参りましたのは九月の初めごろ、これは前の国会の関係もあったことと思いますが、現地の横浜の業者が中心になりまして、今までの経験から見て、軍価に見合った原価計算をやろうではないかという話がございました。それはそのずっと以前でございますが、日にちは忘れましたが、七月のころであると思います。そのころから横浜の海運局が中心になりまして、現地の業者の間でそういう原価計算をしようではないかという話があったわけであります。それでその作業を進めておったわけでございますが、その間に、この問題をやはり料金をきめることとは、別に米軍のJPAの方に話すなり、合同委員会に出すということで、根本的に解決する必要があるのではないかということで、外務省に参りまして相談いたしました。外務省としては、そのときは担当は欧米の二課長でございますが、その二課長に相談をいたしまして、そのときはさしあたり、ことしの問題が差し迫っておる。ことしの問題をさらに問題について解決するために、まずJPAの方に直接交渉してみたらどうか。それで直接担当している担当者は調達庁である、調達庁の担当者のところに参りまして、こちらの主張等を説明いたしました。調達庁の意見としても、やはり直接先にJPAの方に行ったらどうかということで、こちらで十月になりまして海運局長と私と現地の運航部長等がJPAのコマンダー・オフィサー・レーイングに会いまして、その際に、向うに入札制度をやめて、新しい米軍価に見合った一つの料金を作成してもらうように頼んだわけでございますが、向うは米国の国内法の立場からいって、入札制度をやめるわけにはいかぬ、自分の方の答えはただそれだけであるという非常に強い態度でございました。こちらが料金を設定してほしいという申し入れに対しては、終始向うは拒絶したような状況でございます。それが終りましてから、さらに調達庁ともまた相談いたしました。調達庁も、それでは具体的に資料が整い次第、合同委員会に出そうではないか。それからまた私は外務省の欧米二課長のところにも参りまして、資料が整い次第、合同委員会に出したい。外務省としてもそのつもりで待っておるからということで、今その資料の準備中でございます。
#71
○岩間正男君  促進していただきたいということですね。それから今のような経過、これもさっきの資料にやはり追加していただきたいと思うのですが、今までの折衝の過程ですね、そういうものも資料として出していただきたいと思います。それから資料の問題につきまして、さっき漠然と申し上げたのですが、もっとこまかに申し上げるというと、その後の事情の変化もあり、不備の点もあるというのですが、こういうような問題について、明確にその実情をこれは出していただきたいと思います。それから日米港湾分科会の構成、運営ですね、こういうような問題について、やはり資料を出していただきたい。それから非港湾提供施設の使用料の問題、これもさっきの荷役料の問題と非常に関係してくると思うのですが、ことに今まで米軍がどういうふうにこの港湾を使っているのか、ことに提供施設に設定されない非港湾提供施設を使っている量ですね、そういう点について明確にしていただきたい。大体こんな点で資料の要求を具体的にしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#72
○説明員(天埜良吉君) よろしゅうございます。
#73
○委員長(戸叶武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#74
○委員長(戸叶武君) 速記つけて下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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