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1956/12/04 第25回国会 参議院 参議院会議録情報 第025回国会 運輸委員会 第5号
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1956/12/04 第25回国会 参議院

参議院会議録情報 第025回国会 運輸委員会 第5号

#1
第025回国会 運輸委員会 第5号
昭和三十一年十二月四日(火曜日)
   午前十時二十七分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十二月一日委員後藤義隆君辞任につき、
その補欠として森田豊壽君を議長にお
いて指名した。
十二月三日委員森田豊壽君辞任につき、
その補欠として後藤義隆君を議長にお
いて指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     戸叶  武君
   理事
           植竹 春彦君
           三木與吉郎君
           大倉 精一君
           江藤  智君
   委員
           後藤 義隆君
           成田 一郎君
           平島 敏夫君
           堀木 鎌三君
           相澤 重明君
           柴谷  要君
           中村 正雄君
           松浦 清一君
           高良 とみ君
           村上 義一君
           岩間 正男君
  政府委員
   運輸政務次官  伊能繁次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  説明員
   運輸省港湾局長 天埜 良吉君
   運輸省鉄道監督
   局長      権田 良彦君
   運輸省自動車局
   長       山内 公猷君
   気象庁長官   和達 清夫君
   日本国有鉄道副
   総裁      小倉 俊夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査の件
 (自動車行政に関する件)
 (港湾行政に関する件)
 (国鉄及び民営鉄道の運営に関する
 件)
 (気象業務に関する件)
○請願に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(戸叶武君) これより運輸委員会を開会いたします。
 委員の変更について報告いたします。十二月一日後藤義隆君辞任、森田豊壽君補欠、同月三日森田登壽君辞任、後藤義隆君が補欠選任をせられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(戸叶武君) それでは運輸事情等に関する調査中、自動車行政に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は御質疑を願います。
#4
○柴谷要君 自動車行政について少しくお尋ねをいたしてみたいと思います。
 さきに自動車局長から、自動車行政一般についての運輸省の方針が御説明になりました。そこで私は一番当面緊急な問題として、自動車事故防止対策強化の問題について少しく運輸省の見解をただしてみたい、かように考えます。
 そこで前段に申し上げたいことは、今日までの運輸省が、自動車事故に対して真剣になって取っ組んできた姿だけは十分私も見て参りましたけれども、そのやり方はこそくであり、真に事故を絶滅するという対策には遺憾ながら欠けておったのじゃないかという考え方があるわけであります。そこで一つきょうは腹蔵なく突っ込んでものを検討し、これら日に日に激増するところの事故をなくしていかなければならない、かように考えるものですから、以下順を追って一つ運輸省の見解をただして参りたいと思います。
 そこでまず前段に申し上げたいことは、当面の問題として、事故を防いでいくにはどうしても今日までとってきた方式ではいかぬ、こういうふうにうたって今後のあり方についても述べられたと思います。そこで今日までとってきた問題について、まず最初にお尋ねをし、今後の対策についてまた御意見を伺いたい、かように考えております。
 まず、前段に車検の完全実施であるとか、あるいは自動車整備の徹底をやられた、なるほど、これは実績が示す通り、まことに運輸省がよくやったというふうに私ども見ております。ところがその後段にありますところの運転者の素質向上、こういう問題については、うたってはありますけれども、遺憾ながらこれに対する適切な手が打たれておらなかった、私はかように考える、そこでどのように運輸当局としては運転者の素質向上に対してやられたか、この点を一つまず最初に明らかにしていただきたいと、かように考えます。
#5
○説明員(山内公猷君) 事故防止に対しましては、先般、一般運輸行政の説明中にも申し上げましたように、各方面からこの事故をなくなす施策を推進して参ったわけでございます。しかし大体の趨勢といたしまして、車両の不備による事故というものは減りつつあるわけでありますが、運転者の過失による事故は減っておりません。その原因を探究することが非常に重要なわけでございますが、その原因を探究いたしますと、過労であるというようなことがよく事故の具体的な場合に出て参るわけでございまして、それでは問題は、過労はどういうところから生ずるかということをわれわれといたしましてはきわめなければならないわけでございまして、まず第一に、そのためには使用者が運転者を過労になるような使わせ方をしてはいけないということで、鉄道の、たとえば車掌区あるいは電車におきましては、そういうタイヤがございますが、そういったような面にまでわたって、果してそれが過労であるかどうかということを監査の際に調べるということでございます。それからもう一つ、たとえばハイ、タクの場合でございますと、現在相当夜間おそくまで運転をいたしまして、車庫へ帰って休養をとるわけでございますが、そういう休養施設が完備いたしませんと、やはり過労になるという問題か起きますので、そういう点にまでわたりまして、監査の際に調べ、不備の点があればその経営者に勧告なりして完備させるというような方途を講じておるわけでございます。
#6
○柴谷要君 ただいまの答弁は、私がお尋ねするところとは少しく筋が離れていると思うのです。私は今の局長の御答弁は、後に質問いたしまする労務管理のところで十分御説明を伺いたいと思っております。今日まで神風タクシーであるとか、あるいは悪い言葉で言いますと、雲助根性の運転手が多いために、なかなか事故が防止できないというのが一般の風評になっておるわけであります。私どもがいろいろこの面に携わりましてから、運転手の素質向上ということはまず第一の眼目として掲げて、とにかく運転手はみずから身の危険を守ると同時に、日々の作業が楽にできるように、そうしてこのような繁雑な交通の中における勤務者としては十分余力をもって勤務のできるような体制にしなければいかぬ、いわば世間から批判をされておる神風タクシー、あるいは雲助だからというような風評を一日も早くなくさなければならぬ、こういう意味で運転手の素質向上ということに当ってきた、ところが監督官庁であるところの運輸省が、運転者の素質向上ということを掲げておって、今日まで努力して来たかという書き出しになっておりますから、ですから運転者の素質向上ということについて、具体的にどういうことをやってきたか、これをまずお尋ねをいたしたいと思うんです。この点について一つ明快なお答えをいただきたいと思います。
#7
○説明員(山内公猷君) 素質の向上、こういうことは、一般的な問題になるわけでございまして、労働者の生活と結びついてくる問題になるとまあわれわれの方は考えておるわけでございます。そのためにはやはり根本でありますところの事業が健全に経営されるということでございませんというと、えてして中小企業というものは、そういう労務者に過労をしいるという傾向がなきにしもあらずでございまして、われわれといたしましては、この公益事業としての自動車運送事業が公益事業の名にふさわしいような経営状態になるようにまずやらなければならないわけでございまして、その点でたとえば神風タクシーのお話が出ましたのでそれに関連して申し上げますと、なぜ神風タクシーが出るかと申しますと、従前言われておりましたのは、この需要供給がアンバランスで、神風のごとく走らなければ一日の売り上げが上らない。結局免許両数が多う過ぎるというような点を鋭く国会からも御指摘を受けておるわけでございまして、その点需給の調整ということを十分に運輸省が考えるということは、ひいては業界の経営を適正にする、それによって労務者の賃金も安定するというふうにわれわれは考えておるわけでございまして、直接私の方といたしましては労務者に対して監督権を持っておりませんので、やはり事業を通して労務者の生活を安定にするという方向にいかざるを得ないわけでございます。
#8
○柴谷要君 大へん労働者の労働条件なり、あるいはその他一切の問題について大へん御関心をもって自動車局長、自動車行政をやっておられることを非常に私は心強く、その方針を曲げずに一つ進んでいただきたいと思います。そのような意味において運転者の素質の向上ということが、これは単なる、いわゆる業界なら業界におまかせするということでなしに、機会あるごとにこの運転下等に月間の事故状況を知らせるとか、あるいはなぜそういう事故が起きたかと、よってきたる原因等も、たまにはパンフレットのようなものにして運転者全体に配る、そうしてこの事故の悲惨な状態を十分運転者諸君に自覚させて、日々の仕事をさせられるようにこまかい配慮をぜひ運輸省としても、もちろん経費の点から多大の問題があろうとは思いますけれども、そのような点までも一つぜひ御配慮願いたいと思っております。これが第一段の運転者の素質向上に対する私どもが希望したい点であって、引き続いて次の問題についてお尋ねをいたしてみたいと思います。
 今後自動車使用者の事業運営自体について経営の健全化をはかっていきたい、こういうふうにもうたわれております。ところが今日の経営者自体、果して経理内容その他が自動車局で見られておるように、ハイヤー、タクシー業界はいいものであるか悪いものであるか、十分にその点掌握されておるかどうか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。
#9
○説明員(山内公猷君) ただいまのお話のタクシー、ハイヤー業界だけでなく、私の所管いたしております自動車運送事業全般といたしましても、一、二の、一、二というと言葉が足りませんが、バス事業を除いては――バス事業の中にも中小企業は多いわけでございますが――大多数は中小企業に属する業種でございまして、たとえばトラックのごときにつきましても大体十両以下ぐらいの経営者がほとんど大部分を占めておるという状態でございます。そのために企業がまだ近代化されていない、非常に一般の中小企業と同じような状態にある業種でございますために、まだまだこの聖業を育てて近代的な企業にするのには運輸省といたしましても将来とも特段の努力をしていかなければならない、かように考えております。
#10
○柴谷要君 私の特に率直に伺う点は、今自動車、いわゆるハイヤー、タクシー業界にしろ、あるいはトラック業界にしろ、いわゆる運賃料金制度というものがあってきちんとワクにはめられておる、その運賃の収入によっていわゆる経営をまかなっていくということなんですが、特に一点だけお尋ねしておきたいのは、東京都のタクシー業界が、今日までの事業の上から大体統計的に出ておると思うのですが、たとえば一日一車両どのくらい走っておって、どのくらいの収入を上げておるか、その収入に対して人件費であるとか、燃料費であるとか、あるいは一般管理費、そういったもののさだめし統計が出ておると思います。そういう問題がおわかりでしたら、一応一つお知らせいただきたい、これがまずお尋ねする点です。
 それに関連をしてトラック業界と、いわゆるハイヤー、タクシー業界との事業の実態というものがどのような状態になっておるか、これも合せてお尋ねをしておきたい点です。
#11
○説明員(山内公猷君) ハイヤー、タクシー業界、ただいま申し上げましたように、中小企業に属する業態でありますので、国鉄あるいは私鉄といいますように非常に完備した資料をとりにくいということで、概括を申し上げる以外にないわけでございますが、現在持っております資料といたしましては二十九年当時に、たとえば東京の運賃の改訂が行われたわけでございます。その前に行われました運賃改訂はたしか二十六年ころであろうと思います。当時の状態といたしましてはいわゆるハイタク業界というものが非常に好景気に恵まれている時代でございまして、実車率と申しますか、お客さんを乗せて走るのを実車率という言葉を使っておりますが、実車率六二%というのがたしか二十六年ころだったと思いますが、そのころの運賃改訂の基準になっておったわけでございます。それが先般二十九年に変えましたときには大体四〇%ないし五〇%くらいに実車率が落ちておりまして、それで二十九年にいろいろ運賃関係のトラブルが起ったわけでございます。その後漸次向上いたしまして、これは正確な数字を集めたのではございませんが、東京付近の各業界の方に聞きますと、最近では五〇%程度の実車率になっているということを聞いております。あるいは正確な数字を必要といたしますならば、時間をちょうだいいたしまして後ほど調べて御回答申し上げたいと思います。
#12
○柴谷要君 そこでこれは一つハイヤー、タクシーの例ですけれども、大体一日走行距離が一存六十キロ平均走っておる、収入は大体七千二百円くらいという統計が出ておる。そうしますと、一キロ当りのいわゆる収入というものは二十円見当になる。これを比率的に分けていくというと、人件費が三〇%であり、燃料費が一八%、それから一般管理費が二〇%で、修理が一三%、減価償却等を行なって利益金が多少あって、大体一キロどうしても二十円からの収入がないというと今日の経営は成り立たないという統計が業界の筋から出ているわけです。これには多少私ども疑問を持たざるを得ませんけれども、まずまず当らずといえども遠からずとしてこれを信用して、管理者として、こうなってくるというとどうしてもキロ二十円方の収入を上げていかなければ経営が成り立たない。こういうことになると、これ以上の成果を上げさせるためには、いわゆる経営の健全化をはかろうとするには、これ以上の収益を上げさせるということに運輸省は指導監督をしていかなければならないと私は思う。そういう自信があって今後の指導監督に当られる用意があるのかどうか、この点を一つ御説明をいただきたいと思います。
#13
○説明員(山内公猷君) 今柴谷先生の御指摘になるような原価の構成でございまして、それではこれ以上になるといいますと、大体現在実車率五〇%がどの程度上るか、これが一〇〇%になれば一番業界としてはいいことでございましょうが、それではまた客が不便をいたしますので、そのときにはまた車両をふやすという問題も起ると思います。そういう点につきましてはやはり需要供給の実情を十分勘案いたしましてきめていかなければならない問題であると思います。現在業界がそれでは何を一番困っておるかと申しますと、先ほどから申し上げますように中小企業に属しておりますために金融の道が、なかなか正常な銀行の取引がむずかしい。たとえば車両を買う場合の手形の利子にいたしましても、私就任いたしました本年の初めころにおきましては四銭八厘というような、われわれちょっと企業として考えられないようなものをトラックとかハイタクがしょっておりましたが、まあ最近でも三銭五厘ないし三銭九厘で、一般の金利が短期で、大会社はもう二銭五厘を割っておるような状況でありますが、そういうものに比べまして非常に多額の負担を受けておりますために、われわれといたしましては中小企業金融公庫でありますとか、あるいは先般も全部の全銀連の会合に来年度の自動車の所要資金の説明をいたしまして、そういう点を、何と申しますか、結局メーカーに銀行は融資して、それからそのメーカーからまた又借りするようなだぶった形態になっておるので、銀行がなかなか手を出さないんだが、われわれの見るところでも、相当資力信用十分な業者があるのであって、銀行が頭からトラック事業、ハイタク事業というものは銀行取引の対象にならないというふうに考えられないで、一つ好意的に見て新しい銀行の分野を拡張するという意味からも、そういうところにも金融の道をつけてもらいたいというのでわれわれ努力をいたしておるつもりでございますが、努力が至りませんのでまだ十分な成果を上げておりませんが、業界が一番希望しておりますのは、一般の経営に比して非常に商い金利を払っておる。この一点を解決ができましても、相当事業といたしまして余裕が出てくるのではないかと私ども考えておるわけでございます。
#14
○柴谷要君 まあトラックにしろ、ハイヤー、タクシー業界にしろ、確かに高い金利を払って営業をやっておるということも、一面私どもも承知をいたしておるところですけれども、しかし今日の業界の実態はどうかというと、私どもが見る目では、ここ二、三年来非常に好況と見ておる。この好況の中においてほんとうに運輸省が力を入れて改善をする意思があるならばもっと効果的にできるんじゃないかというふうに考えられる。ところがややもすると、これはいわゆる経営者――事業の実体を経営しておる人たちの利益増大のみに終ってしまって、実質的には何ら運輸省が考えられておりますように、自動車行政を円滑にやらせる、あるいは当面緊急な事故を絶滅する、こういう方面に役立たずにしまっているじゃないかというふうに私どもは危惧をするわけであります。その一例として申し上げるわけじゃありませんが、昭和三十年度に運輸省が運賃の改訂を行なった。そのときにあれは六月かと記憶しておりますけれども、この運輸省が決定した料金を不服として、業界がいわゆる実力行使をした、実力行使とは料金のダンピング等を行なった事例がある。私どもはこれは少くとも経営者自体が法を曲げておるのじゃないか、法に違反をしておるのじゃないか。こういったようなことは業界に悪影響を与えるもので、決して経営者に実力を発揮さして、運輸当局に反省をさせ、料金改訂をさせるようなことはできないのじゃないか。そういう不当な措置はやめて、自己の業界を正常に戻し、そうして一たん決定された事項に十分一つ協力されたらどうかということを私どもは労働者の立場から経営者に苦言を呈し、申し入れをしたことがある。そういうような実態の中で果して運輸当局が理想であり、実現をしたいと思うようなことでも果して業界に受け入れられるかどうか。これに対する自信のほどを一つ伺っておきたいと思う。
#15
○説明員(山内公猷君) 運輸省といたしましては、法に定められたことをそのまま実行していくということが私どもに与えられました使命でありまして、違反の事案があればまあいたずらにそれを処罰するということは、行政官が、司法でございませんので、そういう違反の唐突をなくなす、できれば違反の起らないように指導するということが、われわれ行政官の使命であろうと思います。それでも聞かなかった場合にはこの与えられました法律によりまして縛る、あるいは事業改善命令というものを出すべきでありまして、当時私二十九年のころ現職にいなかったわけでございますが、他の部署におきましてその件にも一部、部分的にタッチをいたしておりましたが、当時の運輸省といたしましては、公益阻害の事実をある程度認めまして、事業改善命令を出す寸前にあったわけでございます。その場合にその事案が業界の何といいますか反省によりまして解決をいたしたので出さなかったわけでございますが、そういう違法状態があればやはりわれわれといたしましては断固としてこの違法状態をなくなすように努力しなければならないと思います。この運輸省の意向につきまして業界が従わなければやはり法にのっとった処分をしなければならないと私は法の運用について申し上げているわけであります。
#16
○柴谷要君 実は業界が違法行為を行なった場合には断固やるという固い決意でもってやられることを今自動車局長が言われましたので、その通り実行してもらいたいと思います。それでは続いて次の質問をお願いしたいと思うのですが、まあ経営を健全化するためにはどうしても強力な指導が必要だと思いますが、それに引き続いて経営者自体に完全なる労務管理を行なわせたい、こういうことが言われている。そこでお尋ねいたしますことは、本年度四月でありましたか、労働省から二十六条の適用除外ということで八時間労働制がハイヤー、タクシー運転手諸君にも適用されてきたわけです。その後果してこの八時間労働制がどのような姿で企業に浸透し実施されておるか、これをお調べになったデータでもおありでしたら御発表いただきたい、こういうふうに考えます。
#17
○説明員(山内公猷君) 労働管理につきましては直接に労働省の所管に属することはもちろんでございまして、私どもといたしましては、この事故防止の見地及び事業の健全な発達という見地から労働省と協力をしてその点についての適正化に努力をいたしておるわけでございます。労務管理につきましてただいま御指摘のありましたように、最大の課題になっておりました八時間労働制の問題、労働基準法施行規則二十六条第一項の問題でございますが、これはそのときに従来一昼夜勤務及び週六時間制の特例というものが一年間認められまして、これは業界の特異性を認めて、認められておるわけでございますが、これが本年の七月一日から一般的な法規に入りまして運営をされるということになったわけでございます。このときにもわれわれといたしましても移りかわりの際に労働省の労働基準監督局と十分な連絡をいたしまして支障のないように御協力を申し上げたわけでございまして、その後の実施につきましてはわれわれの見るところでは業界全般にわたりまして労働時間だけでなくて労働基準法の各条についての順法意識が逐次現われてきておるのでありますから、もちろん先ほども繰り返し申し上げておりますように、中小企業に属する点がありますので、百パーセントとまでここに言い切るまでの自信が私はないわけでございますが、まあわれわれの聞いておる範囲、あるいは監査しました結果等につきましては従来から見ると相当程度進んできておるのじゃないか。その一例といたしましては就業規則というものが相当励行されてきた。従前業界の方では就業規則ということ自体を御存じない方もあったようでございまして、そういうようなことはもうなくなってきまして、みんな就業規則通りにやらなければいかぬということはもう業界の方は十分よく知っておりまして、その点あるいは仮眠施設というものが最近の免許でございますと、こういう点を特に重視いたしまして休養施設につきましては免許の際にも十分注意いたします。また免許いたしますときにも労務管理につきまして特に何といいますか、老婆心ながら業界の方々に注意を申し上げて免許しておるという状態でございますが、その後仮眠施設というものは相当整備されてきておる。われわれはそのように見ておりまして、まだしかし十分とは思っておりませんので、監査その他の際には十分こういう点も心を使いまして監査をし、悪ければ勧告なり忠告なりをして、一日も早く健全な状態にしたい、かように考えているわけであります。
#18
○柴谷要君 それではもう一つお尋ねしますけれども、四十八時間勤務で解放二十四時間といういわゆる二日間連続勤務ということをやっている事業があるのだけれども、これを自動車局御存じですか。
#19
○説明員(山内公猷君) 具体的な事例につきましては存じておりません。
#20
○柴谷要君 それは承知しておりませんね。
#21
○説明員(山内公猷君) はい。
#22
○柴谷要君 かりにそれでは四十八時間勤務などを行なっている場合には運輸省としてはどのように考えられますか。
#23
○説明員(山内公猷君) 労働基準法に適さないやりかたをやっていればそれはやはり忠告しなければならないと思います。
#24
○柴谷要君 四十八時間勤務というのは違法であるからそれはしかるべく指示をして面させたい、こういう御見解にお立ちになりますか。
#25
○説明員(山内公猷君) 具体的な事案をよく存じませんが、そういう何といいますか労務管理は労働基準法に認められておらないわけでございまして、常時そういうことをやっておるということであればやはり改めるのが当りまえだと思います。
#26
○柴谷要君 それではその点が明らかになってきましたから次に移りたいと思いますけれども、いわゆる労務管理が適切でないという一例を、今四十八時間の勤務制があるということでお伝えをいたしたわけであります。このような状態の中で果して事故が絶滅できるかというと私はできないと思う。そして確かに運輸省が方針として打ち出されておりますように、経営の健全化をはかるとともに労務管理の徹底をさせるという方向に一段と努力を重ねていただきたいということを要望いたします。と同時に経営の健全化といっても口では言いやすく、なかなか実行は困難だと思う。そこで今当面大きな問題がここに一つ業界に出てきていると思う。というのはそれは今ここにも配られましたが、ガソリン税というものが増徴されようという機運がある。このようなガソリン税の値上げに果して今日の業界が耐え得るかどうか。こういういろいろの調査をされております運輸省としてこういう政府のお考えなり、大蔵町のお考えがあるとするならば、これに対する態度というものが一応運輸省としては考えられておると思うのですが、その態度が打ち出されておりますならば見解を一つ聞かしていただきたい、こう考えます。
#27
○説明員(山内公猷君) 御指摘の通り、このガソリン税の増徴というものは今自動車業界あげての問題になっておるわけでありますが、運輸省といたしましては税制審議会におきましてそういうことが審議されておりますということを聞きました際に、これは単に自動車の税だけの問題ではございませんが、運輸省の監督しております業界全部につきましての意見を税制審議会には申し上げているわけでございます。そのうち特に力説しておりますのは、先般の当委員会におきます官房長からの全体的な御説明にも明らかでありますように、特にこのガソリン税の問題というものは大きく取り上げまして運輸省といたしましてはそういう多額な税金の徴収が、業界全般に非常な悪影響を及ぼすという見地から、反対の意向を表明しておりますとともに、主管省でありますところの大蔵省に対しましても運輸省の意見は強く表明いたしておるわけでございます。この点につきましては、昨日の衆議院の運輸委員会におきましても、同様に運輸省としてはそういう大幅な増徴につきまして反対の意向を大臣からも表明されておるわけでございます。
#28
○柴谷要君 運輸省の見解を聞いても、運輸省としては態度だけに終って、しまうと思うので、後日また大蔵省の見解をただすために、関係官の出席を願おうと思っておりますが、確かに今日の業界はここ数年来の状態を見ると、やや本年度は業界が多少好況だということは私どもも認めておるわけでございます。ところが今大蔵省で考えておりますような税の負担が果して健全な企業の発展のために持ちこたえられるかどうかというと、そのような担税能力はないと私どもは思うわけでございます。そうなってくるというと、これは非常な悪税になってくるわけだから、運輸省自体としても、法律に明記してあるような企業の健全化をはかる、その意味から言っても大いにこの不当なる値上げ問題については一そうの反対を強めて、これが実現をはかられないように一つ運輸省としても態度をきめてもらいたいと思うのです。私は特に希望いたしたいことは、今軌道に乗りつつある業界を、何も経営者の肩を持ってよくしようという考え方ではない、当然そのような企業の発展ということを望んでおる私どもとしても協力は惜しみませんが、ただ企業だけがもうかって働く労働者が潤うところがないということでは、いくら事故対策を立てられても、これが実現はなかなかむずかしいと思うのです。一例を申し上げますと、有楽町の駅で米軍に肩をたたかれて朝霞のキャンプまで行けというのでよろしゅうございますと言ったのはいいが、御本人を乗せずにドアを閉めてメーターを倒して朝霞まで飛んで行った。ところが朝霞でおろしだ。おろしたが乗ってないお客さんだからもうろうのうちにおろしたような気分でもって朝霞から帰ってきまして四谷駅付近のお堀に飛び込んだとい事故がある。本年の五月に起きたことですが、このような事故がどうして生まれたのだろうかというと、この人は自分の勤務の二十四時間を終ってさて家庭に帰ろうとしたら、相番がこないためにもう一日乗ってくれるかという経営者の要望で二日も乗った。そうして相番の仕事を終り、翌日は自分の本番だからこれを勤めるというようなことで、三日にわたるところの連動をやった。こういうような勤務が今日平然と業界で行われておるのです。幸いに有楽町から米軍を乗せずにからで走って行ったからいいようなものの、ほとんど仮眠状態で朝霞まで飛んで行って、そして帰りしなに運転を誤まって四谷の外堀に飛び込んだというのは警察で十分調べて、運転手に私も聞いた。これは三日連動ということをやったのであって、それではそれ一例かというと各社でそういうことが行われているのです。これをもっても、これだけ繁雑な交通の中において事故を絶滅していくというようなことはおそらく私はできないと思う。こういう点を十分経営者の人たちにも認識していただくと同時に、まず働く者にもそういったような無理な働きをさせないようにわれわれは進んでいかないことには、事故を絶対に少なくすることにはならないと思うのです。ところが自動車事故が発生しますと不幸にして通行人が死亡したり、死傷したりする。ところがこれに対してまあ前回の国会で法律案として自動車事故損害賠償法が成立をしまして、わずかながらも出るようになりましたので、多少これら不幸な事故にあっても多少の金は入る。ところが強制加入であるこの保険に未だ加入をしておらない車をときどき見かける。これらやはり監督官庁としては手落ちの点がたくさんあるのです。こういう点を厳重に一つやっていただくということを特に要望しておきたいと思います。私どもはこれからますますふえていく車の中から事故を少くしていこうというのは、これは一部業界にまかすとか、あるいは運転手諸君の自覚を求めるというようななまぬるいことでは絶対に私は防止できないと思う。ですからほんとうに運輸省も、またわれわれも協力しますから、できる限りの対策を樹立してそれを押し進めていただきたいということを私は特に要望をしておきたいと思います。あまり一人で多くの時間を費しても何でございますし、自動車事故に対しては他の先生方からたくさんの御意見があると思いますので、以上の決意を十分固められて、運輸省としては自動車行政に自信をもって一つ当っていただきたいということを要望して私の質問を打ち切ります。
#29
○高良とみ君 自動車局長いらっしゃる間に伺っておきたい二、三の点があるのですが、いずれあらためて次の通常国会で伺いたいと思います。しかし先ほどから問題が出ております運転手の労務管理、これは私どもはずいぶんいろいろな機会に調べてもみるのでありますが、基本給もないし、それから今まで八月までは二十四時間勤務でもって、ずいぶん悲惨な姿を多くみる、こういうものを比べますと、世界で言っておりますように日本くらい自動車をむちゃくちゃに安く、むちゃくちゃに運転をしておるところがないというのが国際的な評判であって、先ほどお話のあった中で一応私気にしたのは、ガソリンも少くなってきますし、それから多少金利を安くするような努力をなすったにしても、もしも負担が需要者にかかる自動車業者にかかるような場合は、自動車の数をふやして業界をふやしていくというようなお話があったので、これは年間四十万台もふえていくというような実情に対して深甚な憂慮を持っている者にとっては、そのこと自身がもう困ると思っておるところになお自由競争させるという御方針なんでありましょうか。もっとこの点このタクシー業界を自粛させて、それから許可も厳密にしてふやさないようにして、そして質を向上させる、経営を合理化してくるというふうに、一般需要者の立場になってみても、今のようなものをさらにふやしていくような御方針であれば、これはとうてい私どもとしては協力できないと思う。どういう御方針なんですか。今までも免許さえあれば運転手は足らないからそれでどんどんふやしていく、月間三万台にしましてもそれがふえていく、道路はもう行き詰まっている、そして需要者の数はますますふえるという実情に対してそこは監督官庁としてはやはり一種の威厳を持ってこれ以上ふやさない、質は向上させる、基本給も与え、組合も結成させて、人間的な自動車運転手の労務管理をする、業態の金利も安くしてやるしいろいろの点でわれわれ自動車を利用する国民のためにはもう少し権威のある経営を、運営監督をやっていただきたいと思うのですが、これからますますふやすというお言葉に対して非常な不満を感ずるのです。そこに持ってきて外国の高級自動車がどんどん入ってきて、日本の自動車業者のようなものは太刀打ちできない、どういうお考えですか。
#30
○説明員(山内公猷君) 私の言葉が足らなくて申しわけないのですが、私は無条件でふやすと申し上げたわけではないのでございまして、自動車では実車率と空車率ということをよく言っております。実車率というのはお客さんを乗せて走っておるいわゆる何と申しますか収入になる走り、ガソリンの使い方ですが、二十六年が六〇数%あった。それが二十九年には四〇%ないし五〇%くらいに下ってきたといいますことは、結局お客さんの需要よりも自動車の方が多い状態であった、ですからこの実車率、お客さんを乗せて走っているのが百パーセント近くになるということになりますと、お客さんが乗ろうといたしましてもだんだん乗れなくなるような状態、需給がアンバランスになってくるということで、それではそのお客さんが不便である、そういう際にはまたふやすことも考えなければならない、しかし百パーセントになるということは遠い話でございまして、結局需要と供給というものを見ながら免許というものが行われるわけでございまして、お客さんが手を上げても、どの車も全部お客さんが乗っておりまして乗れないというような状態ではいけないのでございますが、現在ではまだ五〇%程度でありますから、需給がアンバランスとは考えておりません。それで、具体的の話を申し上げますと、自動車運送協議会というのが、各陸運局にありまして、東京におきましては、神風タクシーという問題が非常に喧伝されましてから、ただいまお話のように、これ以上ふやしてしてはいかぬということで、一応免許をストップをしようじゃないかという話で続いておるわけであります。現在それを私早急に変えようということを申したわけではないのでございまして、将来東京の人口は、どんどんふえて参るものでありますから、そういう実車率が相当高くなれば、考えなければならないが、現在ではまだその必要を考えてはいないということでございまして、言葉が足りませんために、あるいは誤解を招いたかもしれませんが、私の言っておるのはそういうことでございまして、今すぐふやそうというようなことを申したわけではないのでございます。
#31
○高良とみ君 ついでにもう一つ伺っておきますが、タクシーのプール、タクシー停車場というようなものを――ことに道路の狭い、また市内の交通の繁雑しているところに、それから場所も要ることでありますし、それからいろんな経費も要ることでありますが、こんな、どこでもタクシーが幾らでも走っているというような国は、文明国にはないわけです。どこにもないわけです。そういうふうにして、連絡をとれば、車がとれるというふうにするお考えが、多少は持っておられるでしょうけれども、それは遠い先のことだとお思いになるのか、それから実車率というお話でありますが、これも機械なら百パーセント使うということもできるでしょうけれども、人間が運転しているので、やはりここに人間らしい休息の時間も要るでしょうし、それから一日の労働時間を八時間とするなら、三分の二時間は家庭生活をやったり、人間としての向上をしなければならないわけですから。それは、どの車も百パーセントに動くことが理想だということについては、私どもはちょっとわからない。それにはやはり必要なときに使えるというには、やはりプールを作っておくよりほかに、どこでももよりの赤電話のあるところから電話をかければ来てくれるということなら話はわかるのですが、ただただ都会のまん中をからで走らせておいて、そのガソリンは国民の負担で、しかも輸入品であってそうしてそれが百パーセントに使えるというお考えは、何か方法がなければ理解できないのですが、ちょっと御説明いただけばありがたい。
#32
○説明員(山内公猷君) その点は御指摘の通りでございまして、道路交通が非常に輻湊しておるのに、そういう空車が走るということは、ますます道路交通を阻害する一つの原因になるということはございます。しかし、現在まだそういった公共駐車場というものは、道路の上だけでございまして、なかなか東京のようなところでは他に求めにくいわけでございます。これで何とかその面から道路交通というものの行き詰まりを打開しなければならないということは、われわれも研究しておるわけでございまして、現在われわれの手元で研究しておりますのは、バスのターミナルとパーキングにつきまして、何か法的の助成措置をいたしまして、そういうものを規制するとともに、将来だんだん空車で走る、あるいは道路駐車というような点につきましての総合的な施策を進めたいということで、もしも――大体次の国会へ出す予定で現在各省との折衝もいたしておりますが、間に合えばそういうターミナル並びにパーキングに関する法律の制定を御審査願いたいというふうに、今研究をいたしておるわけでございます。
#33
○高良とみ君 その、次の国会までにターミナルの法律が出れば、それと、バスのみでなくハイヤー、タクシーをもそれに似よったターミナルを作ってその場所を、ああいう大型のバスのみでなくそれに駐車させて、そうしてその公共なり、あるいは会社で持っておる電話によって連絡をするというふうにすれば、多少、一歩は進むと思うのでありますが、まあ今のような混乱状態は、危険防止、危険防止、事故防止とおっしゃっても、これはほんとうに国民の立場からいうと空文だと思うんですよ。毎日警視庁が事故を公示しましても、それに対する対策というものはちっとも私ども承わっておらないのでありますが、どうかそういう面でその自動車のむだなガソリンの空費のみでなく、運転する人たちの労務管理が人間的になるように、それからおそろしいものだという、日本の自動車に乗ればどんな危険があるかわからないというような、そういう気持を国民の中から除くためには、やはり労働省とも協力なすって、労働基準法も守っていただき徹底的な質の向上をなさるように、この次の国会までお待ち申し上げまして、その実績が上りますように御協力申し上げたいと思いますから、ぜひお願いし、希望しておきます。これで私の質問を終ります。
#34
○委員長(戸叶武君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(戸叶武君) 速記をつけて下さい。
 次に港湾行政に関する件を議題といたします。御質疑のある方は御質疑願います。
#36
○相澤重明君 前二回ほど港湾局長並びに運輸大臣に対して港湾行政についていろいろ御質疑を申したんですが、そして三十日の日に横浜の現地調査を行なったわけですが、それに基いて私は一応前回も申し上げたんですが、やはり運輸省の監督行政として本年三月二十二日の本委員会における質疑後の当局のとってきた態度というものが、措置が非常に緩慢であった、こういうことについてはまことに遺憾であったと思うのです。それについて港湾局長も横浜の実情を調査をしてお帰りになってから、どういうふうにお考えになったか、その点をお尋ねをいたしたい。
#37
○説明員(天埜良吉君) 先般現地を御視察になりまして、現地の状況その他についてお話を申し上げたわけでありますが、それでその際どうしてもああいう入札のようなことできめられるということが非常に困りますので、これはぜひとも今の公示料金というものをはっきりしていかなくてはいけないという点から考えまして、いろいろ国内的に支障のある点その他を、資料を集めておりますけれども、まずとりあえずこれを行政協定で解決をするように持っていかなくてはいかんという点から、十二月一日付で外務省の方へ行政協定の第十二条第二項による調達品のリストの中に、あらかじめ設定して公示された運賃及び料金であることということを一項加えるように、行政協定でこれをきめてくれということで出してございます。それでこれによって抜本的に処理していきたいと思います。ただそこで問題になる点は、このことでその中へ入れ得る場合にも、現地で御説明申し上げましたようにいろいろホーク・リフトを使ったり、それからギアーを使ったりする点がございますので、こちらの今公示されている料金と、それからその軍貨を扱う場合の料金との関連を、作業を至急にやりましてどの程度のものになるか、どの程度ならばこれがマッチするものであるかということを、早急に作業したいというふうに考えております。
#38
○相澤重明君 ただいまの港湾局長の御説明で、前回の委員会で日米行政協定第十二条の解釈にさらに一項をはっきりとつけ加えるように努力をしたい、そういたしますというと、その点は非常に私どもとしても早急にそれをやらなきゃいかぬということでおったわけですが、前回調査の際に関東海運局長は七月ですか、あれは転任をしたのは。何か新しかったといいましたね、六月とか七月とかといいましたね。
#39
○説明員(天埜良吉君) ちょっと記憶が確かではありませんが、九月ではなかったかと思います。
#40
○相澤重明君 その点、まあ赴任の日は新しくいたしましても、この事態に対する措置について大へん努力されたあとが見えると思うのです。しかし三十日の現地調査をした当時の関東海運局長のその努力の報告はよくわかったのですが、その後さらに現地における闘争状態というものは終末を告げておらないように思えるのですが、どういう報告が来ているか、報告を願いたいと思うのです。
#41
○説明員(天埜良吉君) 現在の状況は最初不荷役船を出しておりましたのが軍の方が兵力を出しまして、そうしてまた京浜港運の手と合せて荷役作業を継続しておるというような状況でありまして、現在のところストはなお続いておるという状況でございます。その後海運局長は向うの港湾作業副司令官といいますか、副司令官と会見して、このストを早くとめなくちゃならぬじゃないか、そのストをとめるには京浜港運を作業から除くことにしなければできないのじゃないかというようなこと等を説明いたしまして反省を促したところが、いや自分の方としてはこれはこの方針でやっていくというようなことを言っていたそうでございます。その後横浜の状況は、現在のところまだ変ってないということでございました。
#42
○相澤重明君 新聞に出ておるのを見ますと、非常にこの軍の荷役問題について芳ばしからぬ経過が載っておるわけです。これは二日の新聞記事なんですが、これを見ると、まあこの横浜港湾労働組合がストを行なっているのに、海上から船を出して、そうしてその海上から出した船に陸上から警察官が応援をしたような形で、まあスト破りの人を誘導をしていって、そうして船に乗せて軍の方と一緒に荷役を続けておる、こういうような記事が、「強引、海からピケ破り」というようなことで記事が載っておるわけだ。これはこの事態については、もちろん根本的な問題については、私どもはやはり日米合同委員会の中での話し合いかと思うのですが、当面の問題としては、労使の紛争についてはやはりできるだけ監督官庁としての指導面、あるいはまあそれで話し合いによる双方の紛争解決をさせるように努力をしてやる。そういう中で、もし違法的なものがあれば、これはこの運輸委員会としてもそれらのことについては証人を呼んで喚問しなければならぬ場面もあると思うのですが、今のような港湾局長の御説明ですと、軍の米軍によって荷役を扱っておること自体については、これは向うでやることだけれども、米軍の荷役を扱うために船を海上から出して、ふだん荷物しか乗せないものに人を乗せていくのはいいのか、悪いのか、こういう点について運輸省の見解を、あるいは港湾局長の見解というのはどうなっているか、ちょっとお聞きしておきたい。
#43
○説明員(天埜良吉君) どのような船で行ったか、私報告を受けておりませんですが、これはやはり正当な船で、正当な方法で扱わなければならないというふうに思います。
#44
○相澤重明君 今の点はこの海上運送について、いわゆる港湾事業法に基いていくというと、はしけ、荷物船には人を乗せないということになろうかと思うのですが、そういう点についてまだ報告がなければ、これはここではっきりしたお答えもできないと思う。私もまあその点はあとで実情を一つ御報告を受けてからしでいただきたいと思うのですが、いずれにしても、今のようなこの軍貨がストップされる、そうしてもしこの形のまま拡大をされていくと、一般商貨の問題にも影響するのじゃないか、こういうふうな私どもも心配があるわけですね。従ってこの点についてはさらに一つ、関東海運局長が努力をされておるようですが、本省の方でもさらに関東海運局長のその態度について一つ支援をするような態度というものをとってもらいたいと思うのですが、港湾局長はいかがですか。
#45
○説明員(天埜良吉君) その点十分したいと思います。
#46
○相澤重明君 それではあと申し上げることもたくさんあるわけですが、本日は、実は請願等の問題もあるし、これも討議しなければならぬと思いますから、あとの港湾労働者の生活安定とか、あるいは抜本的な港湾事業法の問題について意見を申し上げることはあとにしたいと思っております。きょうは保留を一応しておきたいと思います。
#47
○大倉精一君 関連して……。一つ伺うのですが、先ほどの軍貨の入札については行政協定に挿入をして解決する、これはけっこうです。けっこうですが、その際にもお話があったんですが、軍から荷役機械をいろいろ借りる、借りるから料金についてはいろいろ問題があるというようなお話なんですが、現在横浜等で荷役機械を借りておるというのは、どういうふうな形式でお借りになっておるのですか。
#48
○説明員(天埜良吉君) これは形式の点はっきりせぬ点があるのでありますけれども、これは契約の中にこれこれのホーク・リフトを使う、あるいは人も出して、これは自分の方でやる。それからこの機械はこれを使って仕事をやるんだというようなことになっていると思います。
#49
○大倉精一君 実はこの前のいきさつを私は聞かなかったのですが、私の聞くところによれば、軍から借りている荷役機械を払い下げる、その払い下げる機械を何か買受けて、そうして業者に貸しておるというようなそういう会社なんかがあるというふうに聞いておるのです。で、それへ横浜市が投資をしておる。で、荷役機械は軍から直接借りるのでなくて、そういうところから借りておるというように聞いておるのですが、そういう事実はないのですか。
#50
○説明員(天埜良吉君) その辺は私つまびらかでございませんが、私はそういう場合もあるかもしれないが、何か大部分はやはり軍から直接借りているといいますか、支給しているのじゃないかというふうに今まで思っております。
#51
○大倉精一君 局長もよく御存じないようですが、もし私が聞いているようなことであるとするならば、これは公示料金と荷役機械を借りて使うということはやはり別だと思うのです。でありますから、それは一つ局長はよくお調べ願って、もしそういう工合に何か荷役機械を貸せるような会社があって、そこから借りるというならば公示料金とは別にその損料は会社に払っていいのですね。
 それからもう一つは、米軍から機械を借りる場合においても、業者の希望でなくて米軍の方から押しつけて、これを使え、あれを使えと言ってくる場合もあるように聞いておるのです。でありますからこれは公示料金を云々ということに関係がありとすれば、これは相当問題があると思いますので、もし御存じなかったら十分お調べを願って、そうして一つ善処を願いたいと思うのです。で、その辺の局長のお考えなりあるいはわかっておる範囲をもう一回お願いしたい。
#52
○説明員(天埜良吉君) ただいまの点よく調べまして、そうしてよくあり方を調べてみたいというふうに思います。
 なお先ほどのアメリカ軍との契約では、必要なとき軍からは機械を貸すことに契約にはなっておるそうです。必要なときということが入れてあるそうでございます。(岩間正男君「何ですか、今のははっきりしない」と述ぶ)必要なときには――機械を必要とするときにはその機械を軍より貸し与えるという契約になっておるそうであります。
#53
○大倉精一君 契約は契約として、その実情は、アメリカ軍の方からこれを使ってやれ、あれを使ってやれ、おれの方はこれだけ人を出すからこれをやれというように、業者の必要でなくてアメリカ軍の希望によって押しつけられておる、それが公示料金に影響してくる、こういうような実情なんですが、これはあくまでも業者が自主的に契約するのですから、業者の都合のいいようなことで荷役をするということに、こういう工合に指導もし交渉もしなければならないと思う。そういうような御指導を願いたいと思います。
#54
○説明員(天埜良吉君) よく実情を調べまして、その点善処したいと思います。
#55
○岩間正男君 今の問題に関連しますが、軍はその荷役の機械を貸した場合に、それは当然損料を取るということはこれはできないのですか、軍の建前として。その点どうなっておりますか。
#56
○説明員(天埜良吉君) 軍の方から業者に貸した場合損料を軍の方から取るかということかと思いますが、この点は私よく調べてございませんけれども、おそらく損料は取らないで貸していることと推察しております。
#57
○岩間正男君 その点はまあむろんはっきりわかってつかんでいないわけですね。そして軍の建前として取ることはできないだろうと考えるのですが、その荷役の機械を貸したということで実質的にはまあ荷役料を切り下げると、こういうことをやっているわけですか。
#58
○説明員(天埜良吉君) 今の建前はそういうことでございます。貸したといいますか、作業の中にこういうふうに貸すということもございますし、それから人がついて作業をするということもあります。この分はこういうふうに一緒に作業をするから少いというようなふうにしているようでございます。
#59
○岩間正男君 その点はやはり明確にもっと追及してもらいたい。実はしばしば巷間耳にするのだけれども、そういう場合にコミッションの問題が実は発生しているのであります。これは非常に問題だと思うのです。こういう点はやはり監督の立場から明確にしないとまずいのじゃないか、こういうふうに考えられるわけです。軍の都合で貸すということについては先ほど大倉委員から発言のあったように、それは向うの都合なんです。そのことで日本の公定料金を攪乱するというのは非常に根本的に建前が違うのでありますから、この点はっきりさせる必要がある、こちらの主張として。
#60
○説明員(天埜良吉君) 今のアメリカ軍の扱う場合に、行政協定によってあらかじめ設定された公示料金でいくということにしたいと思っておりますから、その場合にその公示料金がこちらの現行公示料金とどういう関係にあるか、それがその機械を使う場合はどういうことになるかということではっきりしたいと思っております。
#61
○岩間正男君 次に先ほどの十二月一日の外務省を通じての申し込みですね、これはいつかかりますか。この次の合同委員会はいつですか。
#62
○説明員(天埜良吉君) 極力これは早くかけてもらいたいということで外務省に要求をしているのでございますけれども、この点まだはっきり見通しがついておりません。
#63
○岩間正男君 年内にかかりますか。年内にどうですか。
#64
○説明員(天埜良吉君) どうもその点は、ちょっと私何とも申し上げかねるのですが、極力早くするように外務省に要請したいと思っております。
#65
○岩間正男君 これは定例にあるのですか。合同委員会の内容が実に国民には明らかにされていないわけです。どこでどうして持たれるのか、それから機構なんかについても実はただいまいただいた資料で構成がわかったということで、これは委員としてもそうなんだから、まして国民は全然わからないのですね。どうなんですか。そういうものを随時に要求して、随時に必要に応じて開くようになっているのか、あるいは定期にこれを開くようになっているのか。定期だとすればいつという目安がつくのじゃないか。この点はどうなんですか。
#66
○説明員(天埜良吉君) その点よくまだ調べてございませんが、昭和三十年十月二十七日に、やはり港湾運送に関しまして、調達品目のリストに登録された業者でなければならぬということを要求いたしたのが十月二十七日でございました。それが合同委員会には二月六日ですか、翌年の二月六日に決定されて一月一日から実施というようなことになっておりますので、よほどこれは早くやってもらわないと間に合わないのではないかと考えております。
#67
○岩間正男君 港湾局長さんもこの合同委員会の補助機関の分科委員会−港湾委員会のしかも首席なんだね、あなたは。そうして合同委員会の運営ですね、それから開催日時、そういう機構の問題について十分御承知ないとするとたよりないような気がしますな。首席ですものな、あなたは、港湾委員会の。分科委員会の首席ですよ。そうするとこの点どうもわれわれ自身としても話がわからないのです。合同委員会というものは伏魔殿みたいなものですよ、どうも。こういうものを国民の前に明らかにしてもらいたい。
#68
○委員長(戸叶武君) 行政協定の第二十六条の二項の中に、「合同委員会は、日本国又は合衆国のいずれか一方の代表者の要請があるときはいつでも直ちに会合することができるように組織する。」というふうに規定されているんじゃないですか……。
#69
○説明員(天埜良吉君) その点よく調べてありませんが、ちょっと今、調べまして、御返事申し上げます。
#70
○岩間正男君 今、委員長から、助け舟があったわけですが、これはすぐにそういう要求をやることはやるんでしょう。年内までまだ一月もあることですから……。一方非常に事態は急迫した事態が控えている。これについてやはりこれは促進する必要があると思うのですがね、場合によっては外務省の係も出てもらって、明らかにしなくちゃならぬと思うのですが、どれにしましても、日米合同委員会の正体は非常に明らかでないという点について、私はこの際やはりあなたの担当の立場からも、もっと明確にして御説明いただきたい。どうもここで私たちがわからないもんだから質問するというと、それについてやはり不明瞭な御答弁では、ましてや国民は五里霧中になっちゃいますよ。
#71
○説明員(天埜良吉君) ただいま日米行政協定の、合同委員会の規定を調べてみましたところ、委員長からお話がございましたように、第二十六条の二に、日本国又は合衆国の要請があるときは、いつでも直ちに会合することができるように組織するということになっておりますので、早急に開いてもらうようにいたしたいと思います。
#72
○岩間正男君 これは見通しはどうですか、いつごろという見通し……。この要求、これでやって行けそうですか。
#73
○説明員(天埜良吉君) この見通しは私といたしましては、どうしてもこれは追加してもらわなければ困るということで行きたいと思っております。
#74
○岩間正男君 なかなか、この前の委員会を見ましても、特に大臣も見え、この点の念を押したのですが、やはり運輸省としましてもこの問題に、相当重大な問題ですから、これについていろいろな準備をして、十分にこの要求を貫徹するようにやるべきじゃないかと、当面の基本的な問題は、これだけで、このままじゃ解決するとは思いません。しかし当面の問題は一応これが解決するかぎになっているわけですから、そういう点についてよほど態度をしっかりしてやらないというと、今まで合同委員会というのはどうもアメリカの原案を相談させられたという格好で、実は判をつく会議になっているというふうに国民は印象しているのが多いんじゃないか、一方的に……。そういうことじゃまずいので、名前は日米合同委員会ですが、実際は合同委員会というのは名目だけで、実質的な運用はアメリカ軍の一方的な運営にまかされている面が非常に多いわけで、これは二、三の例をわれわれはあげることができます。そういうわけですから、ここで要求があって申し入れた。しかしこれを貫徹するには相当な覚悟が必要じゃないかと考えますので、この点決意のほどを伺っておきたいと思います。
#75
○説明員(天埜良吉君) お話のように、この点についてはいろんな事例、その他をよく集めまして貫徹するように努力したいというふうに考えております。
#76
○大倉精一君 今の港湾局長の、あなたは合同委員会の首席として、今までこの第二十六条の二項を御存じなかったのは私は非常に遺憾で、遺憾の意を表します。
 それからこの交渉に当って、参考のために申しておきますけれども、フィリピンの港湾荷役関係で、フィリピンの業者等がアメリカと交渉する場合に、公示料金の場合、アメリカ側としては、日本でも一こういう公示料金でやっているから、お前の方もそれでやれと、こういう工合にフィリピン側をたたく材料にしている。日本の公示料金は、こういうことも十分にお考えになってもらいたいと思う。フィリピンでは公示料金をもらうようになったそうでありますが、ぜひともこの合同委員会の首席として、日本側の主張を貫徹するように、努力されるように重ねて私から要請します。
    ―――――――――――――
#77
○委員長(戸叶武君) これより請願の審査に入ります。
 速記をとめて下さい。
   午前十一時四十六分速記中止
     ―――――・―――――
   午前十二時速記開始
#78
○委員長(戸叶武君) 速記を始めて下さい。
 それではこれで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#79
○委員長(戸叶武君) これより運輸委員会を再開いたします。
 午前に引続き請願の審査に入ります。
 速記をとめて下さい。
   午後一時三十三分速記中止
     ―――――・―――――
   午後三時二分速記開始
#80
○委員長(戸叶武君) それでは速記をつけて下さい。
 次に民営鉄道に関する件を議題といたします。
 御質疑のおありの方は御質疑を願います。
#81
○中村正雄君 運輸省の監督局長に御質問したいのですが、新聞でやかましく言われております関西におきます南海電鉄の運賃値上げに関しまして、南海電鉄を利用する一般の利用者だけでなくて、関西一円の私鉄、国鉄等の利用者がこの南海電鉄の値上げに関して何か不明朗な感じを受けておる。また報道機関等の報道を総合してみましても何か秘密なうちに行われたというような印象を非常に受けますので、運輸省としてもこの運輸委員会を通じて認可に至りました経過をはっきりした方がいいんじゃないかと思いますので、その間の経緯の御説明を願いたいと思います。
#82
○説明員(権田良彦君) お答え申し上げます。御承知の通りに私鉄の運賃は申請がございまするとその申請を受け付けまして審査をいたしまして、それを運輸審議会の方へ諮問をいたしまして、その答申を尊重して運輸大臣が処分をする手続に相なっております。申請主義と申しますか、申請について審査をする建前になっております。ただいま御質問になりました南海電気鉄道につきましては、申請が本年の九月二十四日にございまして、それを受理いたしまして、直ちに審査に入りまして、これを十月五日にこの審議会に諮問をいたしました。この審議会はその間聴聞会を行いまして、十月二十三日に答申がございました。その答申の線を尊重いたしまして十月二十五日付で認可をいたしております。その内容は、南海電気鉄道の旅客運賃は昭和二十八年の一月に改訂をいたしました。以来今日に至っておるのでありますが、その間給与の改訂、電力料金の引き上げ、あるいは輸送施設の増強に伴いまする減価償却費、利子の増加等によりまして営業費が膨張をいたして参ってきたのでありまして、特に同社は数次の風水害による甚大な被害を受けておりますので、この補修関係費が極度に圧縮をせられておりまして、正常なる補修が行われていないと見ましたので、平年度諸経費をいろいろ厳密に審査いたしました結果、この審議会の答申の線に沿って十月二十五日に運賃の認可をいたしました、これに基きまして十一月五日から実施をいたしておるのであります。従いまして、この手続は在来の通常の私鉄の運賃改訂の手続を経ておるのでありまして、全く正常の手続によったものでございます。
#83
○中村正雄君 ただいまの御説明を聞きますと、事務的に見ますと何らの不明朗な点もなければ、成規によってやっておるように見えますが、従来各私鉄の運賃値上げの状態を見ますると、全国的な私鉄の問題は別にして、関西地方だけの私鉄の運賃値上げのあとを振り返ってみましても、大体大半五大電鉄が歩調をそろえて申請いたしておるという状態になっておるのが今までの例だと思う。しかも今の御説明によりますと、大体南海だけ独特な運賃値上げの理由があるように思えない。特にあるとすれば風水害によりまする災害が多かったという点でありますが、これは南海電鉄だけに限ったことではないわけで、それ以外の関西におきます五大私鉄についても風水害の影響は多かれ少かれ受けております。そうしますと南海電鉄だけが今回一社だけ値上げをしなければならないという理由もどうも見当らない。そこに巷間伝えられておりまする不明朗な点があるのではないか、秘密裏に行われたのではないかという疑いの点があるのではないかと思うのです。しかも新聞等を通じて見ますると、南海が申請したことについては、むろん官報その他法にきめられました公示方法はとられておるでありましょうが、ほかの私鉄も知らなかったというようなことを盛んに新聞には書かれておるわけなんであります。そういう関係で何か不明朗なものがあるのではないか、こういうふうに言われておるわけなのであります。特にお尋ねしたい点は、ほかの私鉄の問題とも比較した場合、南海だけ運賃値上げを認可しなければならないという理由がどこにあったか、それに関連いたしまして今南海の運賃値上げの理由を見てみますと、ほかの私鉄にも共通するようになっておると思うのです。従ってほかの私鉄から運賃値上げの申請が出れば南海と同じような状態において認可する方針かどうか、そういう点についてお聞きしたいと思うのです。
#84
○説明員(権田良彦君) お答えいたします。ただいま御説明いたしました通りに、地方鉄道軌道の運賃は申請主義になっておりまして、申請を待って審査をいたすことにいたしております。在来ともさようでございます。御指摘の通り二十八年ごろにおきましてはたまたま国有鉄道の運賃改定と同時に申請が全般的に出て参りまして、これを時期的にやや近づいた時期にこれを解決いたした前例もございまするが、また同時にたとえば大阪の市電でありまするとか、東京の都電でありまするとか、東京の地下鉄でありまするとか、在来時期を同じくしていたしましたようなものについても、これを切り離してその申請のつどこれを処理して参ってきた事例もございます。今回の南海電気鉄道につきましてはたまたま申請が出て参りましたので、ただいま御説明いたしましたように判断いたしてやったわけでございまして、この南海のいろいろな資料を当方で厳重に吟味いたしました結果、経営の合理化を行うともなお年間の赤字を認めまして、これをどうしても若干の運賃値上げによってカバーせしめることが老朽施設の取りかえ、あるいは正常な補修費の支出、さらにあるいは輸送力の増強に資するということが認められましたので認可いたした次第でございます。御指摘の他の私鉄につきましてはただいまのところ申請がございません。これは前回所管事項で報告いたしました通りに、日本国有鉄道の運賃は国有鉄道運賃法改正案によりまして国会の御審議を願うことに相なっておりますが、国有鉄道の申請案はすでに出て参っております。ただいま政府部内で慎重に検討いたしておりまして、追って成案を得次第御審議をわずらわしたいと存じておりますが、ただいまのところではこれに伴って、関東、関西あるいは名古屋、九州地方の私鉄からはいまだ申請の事実がございませんので、どういうふうに私鉄が考えておりますか、つまびらかにいたしませんが、もし追って申請があれば個々に、これはケース・バイ・ケースに審議をいたす、こういう建前になっております。さように御了承願います。
#85
○中村正雄君 もう一点お聞きしたい点があるのですが、御承知の南海電鉄は国鉄の阪和線と並行している線が相当あると思うのです。並びにまた南海電鉄に並行したバス路線もあると思うのです。そういう南海電鉄の運賃値上げは勢い国鉄線の運賃にも影響するし、並行する路線バスの運賃にも影響するのじゃないかと思うのです。そういう並行しておる区間に対する南海電鉄の運賃についてはどうなっておるか。またそれについてほかのバス路線、これは管轄が違うかもわかりませんが、監督局長として、国鉄線と並行線との運賃、これが今後どうなるか、これについて一応御所見があれば御答弁願いたいと思います。
#86
○説明員(権田良彦君) お答えいたします。南海の本線につきましては、ただいま御指摘の通りに、並行のバス路線もございまするし、阪和線もあるわけでございます。これの審査に当りましては、この本線は南海は区間制を採用いたしておりまするが、その区間ごとの審査に当りまして、並行バス路線の現在の運賃との比較を行いまして、これが交通調整上の見地から妥当なものであるという判断において認可いたしております。たまたま起終点を同じういたしまする国鉄との問題につきましては、これはこの対抗機関と相なりまして、この両者の運賃の問題は交通調整上の見地から原価を離れて考慮いたさなければならぬ問題がございます。従いまして特に完全な並行機関で対抗交通機関につきましては、不当競争を惹起いたしませんように特定の旅客運賃の設定を認可いたしております。今御質問のこれらに対しまする方針といたしましては、先ほどケース・バイ・ケース、その社その社のいろいろ厳正なる検討を行いまするが、国鉄バスとの並行線におきましては、不当競争を起さないように、さらに交通調整上の見地を加味して運賃の認可に当りたい、かような方針で考えておる次第であります。
#87
○委員長(戸叶武君) この間、沿線の市町村長の陳情をやりますと、この値上げに際して、何か事前に沿線における利害関係者の公聴会等も開くことなしに抜き打ちにやったということですが、そういうことは従来そういう手続を公共的なものがやらないで抜き打ち的な値上げをやっても差しつかえないものですか。
#88
○説明員(権田良彦君) お答え申し上げます。その点は先ほども御説明申し上げましたが、この運輸審議会に諮問をいたしますると、運輸審議会の方では件名表に登載をいたしまして、これを官報において一般に公告をいたします。この公告の法定期間がございまして、その二週間以内においては処分ができないことになっておりまして、これも運輸審議会の規則によりまして、この公告期間中に利害関係のある方はお申し出があれば、御意見を述べる機会を得るわけでございます。一般に地方鉄道軌道の運賃については、かような法律的な建前、制度になっておりまして、この機会にいろいろ利害関係者が御申請を願うような仕組みになっております。当局の方から当該関係市町村、あるいは市町村議会等に別にあらためて個々に御通知する制度はとっておりません。公告制度を採用しているのであります。一般の場合と同様でございます。
#89
○委員長(戸叶武君) 公告期間中二週間あるからといっても、それに対してこれは形式論でもって、少くとも沿線におけるところの市町村長くらいにあらかじめ非公式にしても話すべきが妥当じゃないかと思うのですが、今の説明で一応はわかりますが、一つの問題だと思います。
 もう一つは、監督局長が言うと、経営の合理化を行なっても年間の赤字が克服できないから、従ってこの運賃値上げを許すということを言われておりますが、あそこの沿線における市町村長の指摘するところによると、南海鉄道は、鉄道の事業以外の野球だとか、モーターボートだとか、そういうようなところの赤字が相当出ていて、そういうことをこちらへ転嫁されるのでは困る、というような説明もありましたが経営の合理化という点においては、相当きびしく国鉄なんかにおいてもやっておるようですが、私鉄の今日における野球その他の事業、興行というようなものに乱費している傾向もずいぶんあるのですが、そういう点に関しては監督局ではどの程度までそれを監督し、それから合理化の過程におけるどの線が妥当だということまで検討されたのですか。
#90
○説明員(権田良彦君) お答え申し上げます。地方鉄道軌道の鉄道の運賃に関しましては、その鉄道にかかりますところの収入、並びにその鉄道だけに必要な支出を厳密に査定いたすのでございまして、鉄道収入としては運輸収入、客車収入、貨車収入、それから雑収入その他いわゆる鉄道事業として収入にかかるものを予想いたします。一方支出といたしましては、当該鉄道事業に必要な人件費、厚生費、動力費、物品費、経費、減価償却費、利子等を厳密に査定をいたしますので、鉄道事業にかかわらざるところの支出というものを鉄道事業に負担せしめることはいたさないのでございます。当該南海電気鉄道の場合には、そういった意味において厳密に実績及びこれの平年度査定をいたしました結果のことを先ほど申し上げたのでございまして、他のたとえば兼業等による支出を鉄道にかぶせるというようなことは、私どもの方では認めないのであります。
 なおそういう株式会社全体の法人としていたします兼業につきましては、法律上は運輸省に監督権はございません。しかし元来免許聖業でありますこういう地方鉄道軌道が他の公共事業に不適当と思われますようなところに、いろいろ経営上の不合理がありますれば、それは私どもとしても事実上ふだんから注意をしておるところでありまして、いろいろと検討は事実上いたしておりまするが、法律的に申し上げますると、これらに対する事業上の監督権は持っておりません。しかしただいま申し上げましたように、鉄道に関する限り、他の支出を鉄道事業にかぶせて鉄道収入によってこれをカバーいたしますことは、一切認めておらないのでございます。
#91
○柴谷要君 一、二点監督局長にお尋ねしたいのですが、申請主義であるから十分にしかるべき機関にかけて決定をして、南海の値上げを認めてやった、こういうふうに聞いておりますと、機械的な答弁だと思うのです。運輸省の政策としてかつては料金値上げ等の問題については、慎重に、慎重にということで、なかなか値上げなど認めなかった過去の例を私どももよく知っておる。特に南海だけ認めたということについては、これは機械的にそう認めたのではなくして、まさに国鉄という大きな舞台の値上げが目前に迫りつつある。そのために国民世論がどの程度に反響を示すか、まず南海に一つ求めてみようというようなことの含みがあって許可をしたのかどうか、その点一点をまずお聞きしたい。
#92
○説明員(権田良彦君) さような含みは全くございません。
#93
○柴谷要君 そのような含みがないとすれば、あまりにも機械的な認可であって、かつて相当政治的に動かれる運輸省にしては全くお粗末だと思う。というのはあの南海の職員すらこれは早まった運賃値上げをしてしまったというので今日述懐をされておる。かような運賃値上げを認めたということは、やはり時期といいますか、場所というか、そういうものを十分に見きわめて認可したのではなくて、ほんとうに機械的であった。今日運輸省の幹部として、特に監督局長としてもう少し時期を見てやればよかったという反省に立たれておるかどうか、これを一つお尋ねしておきます。
#94
○説明員(権田良彦君) お答え申し上げます。先ほど御説明いたしました通りに、私鉄の運賃値上げにつきましては、その申請を待って、個々に、ケース・バイ・ケースに慎重に審査してその答えをきめる、こういう政策方針に立っておりますので、この線に沿って処分をいたしたわけでございます。
#95
○柴谷要君 監督局長の性格なり、お人柄をよく知っておるのでこれ以上まあ聞きたくない。そこでこいねがわくば今後もあまり、運輸省はかつては政治的に動かれたのだが、今あなたのやってきたような態度が私はいいと思う。だから今後の問題についてもその方針を曲げずにやってもらいたい。これは特に希望して、もしこれに間違いがあったら運輸委員会には出てこられぬほどつるし上げをされる覚悟で行政に当ってもらいたい。要望して私の質問を打ち切ります。
#96
○中村正雄君 次の議題の都合もあると思いますので、一応この件に関しては質疑を打ち切りたいと思います。
#97
○委員長(戸叶武君) この件に関しては、大阪府下の市町村長並びに議会等が協議会を開いて猛烈な反対運動を起しているのは、やはり手続上おいてあまりに官僚的な、抜き打ち的なやり方で、沿線における利用者を無視し過ぎているやり方だと思うのです。これは法の解釈からすれば監督局長が言われる通りですが、あまりに法律の形式だけにとらわれて、沿線の利用者というものを無視した私鉄の運賃値上げのやり方というものは、私は今後において紛争の種をまくと思うのですが、こういうことに対しては、今後ともケース・バイ・ケースと言いますが、こういう難解な事件には(笑声)もっと慎重を必要とすると私は思いますから、その点よく御注意願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#98
○委員長(戸叶武君) それでは次に自動車行政に関する件を議題といたします。
#99
○中村正雄君 来年度の予算編成に関して、政府部内におきまして現行あります揮発油税を大幅に増徴して道路の整備、強化の財源に充てたい、こういう意向があるように聞いております。しかし揮発油の大口需要者であります自動車運送事業の健全化の立場から考えますと、この方策は当を得たものとは考えられませんので、お手元に配付してありまする増徴反対の決議案を提案いたしたいと存じます。各委員の御賛成をお願いいたしたいと思います。
 念のため決議案を朗読いたします。
   決議案
  最近わが国の産業、経済は発展の一途を辿り、一方輸送力は限度に達し、その発展に支障を与えている現状である。
  政府においては、これが対策の一環として道路の整備強化を図るためその財源を揮発油税の大幅増徴に求めんとしているやに聞くが、揮発油の大口需要車たる自動車運送事業は既に税負担能力の限度に達しておると認められるので、揮発油税の大幅な増徴は自動車運送事業の健全な発達を阻害し輸送力の増強に支障を及ぼす虞がある。よって道路の整備強化には一般財源にもこれを求め、揮発油税の現行以上の増徴は絶対に避くべきである。
 右決議する。
#100
○委員長(戸叶武君) ただいまの決議案に対し、他に御意見はございませんか。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  [速記中止]
#101
○委員長(戸叶武君) 速記をつけて下さい。
 それでは、中村委員提出の決議案を当委員会の決議として政府に申し入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(戸叶武君) 御異議ないと認めます。よって、本委員会の決議として政府に申し入れを行うことに決定いたしました。
#103
○政府委員(伊能繁次郎君) 委員長からお許しをいただきまして、この機会に一言発言を許していただきたいと思います。
 ただいま、本委員会において御決議をいただきました揮発油税増税反対の決議でございますが、御承知のように、自動車交通事業は戦後長い間苦難の道を歩んで参りまして、最近ようやく安定の域に到達しようというやさきでございます。たまたま、臨時税制調査会そのほかにおいて、巷間伝うるところによりますると、非常に大幅な増税が審議をされておるということでございまして、われわれ政府部内といたしましても、ことに運輸省といたしましては、この点については、自動車交通事業界の安定発展のために、巷間伝えられるような大幅な値上げがありまする際には、さなきだに、現在におきましても、御承知のように、揮発油税、軽油引取税、自動車税、自動車取得税、自動車道路負担金、道路協力費、物品税等、各般の税もしくは税類似の負担が交通事業にかかっております。従いまして、かような大幅な値上げがもし実現をするというような際には、自動率交通事業界にも重大な影響があろうかと存じますので、われわれといたしましては、御決議の趣旨を体しまして、慎重にとくと善処をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#104
○委員長(戸叶武君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#105
○委員長(戸叶武君) 速記をつけて下さい。
 次に、気象業務に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は御質疑を願います。
#106
○大倉精一君 この際長官にちょっとお伺いしておきたいのですが、先般鳥島におきまして気象庁の観測員が死亡した件がございましたが、聞くところによるというと、離島の勤務者に対する衛生施設あるいは医療施設というものに対してはほとんど顧みられていない。現在離島の勤務者あるいは灯台勤務者、これに対する医療関係のことはどういう工合にされておるのか、御説明を願いたい。
  〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
#107
○説明員(和達清夫君) 先般鳥島測候所において菊池技官が執務中に急病で死亡されましたことは、まことにお気の毒でありまして、心から弔意を表する次第であります。気象庁といたしましても、僻地の運営に関しましてはできるだけの努力をいたしておったのでありますが、このようなことにかんがみ、今後も一そうの改善整備に努力いたしたいと思っております。今まで鳥島におきましても、所員の衛生に関する措置といたしましては、出かけます前に非常に精密に健康診断をいたしておりまして、また、交代のときには医師を乗船せしめましてその島の職員の健康診断を実施いたしまして、また、看護人というようなものを置きまして看護術をできるだけ修得させるとともに、緊急の事態には本庁と通信連絡をいたし、その指示によって遺憾なく措置をするようにいたしておりまして、その他薬を一通り備えて置きまして、なお、厚生施設としては電気冷蔵庫を備えるとか、寝具をよくするとか、電気洗濯機を置くとかいうようなこと、また、調理士を置くというようなことをいたしておりまして、今回菊池技官は執務中に急に異常を訴えまして、手を施す間もなくなくなったのでありまして、これにかんがみまして、今までやっておりました上に、もう少し一そうの改善策を加えたいと思っております。
#108
○大倉精一君 離島の勤務者は、大体気候その他相当条件が悪いところに勤務しておられるように聞いておる。しかも台風時その他には相当労働強化がある、勤務が非常に激しい勤務をしなければならない、こういうような状態にあると聞いておるのですが、この際相当数勤務する離島においては、医者あるいはその経験のある者、少くとも応急手当のできる人、こういうような人を派遣をしておく必要があるのじゃないか。これは人命にかかわることでありますから、五年目に一ぺんにしろ、十年目に一ぺんにしろ、そういう不時の事態に備えて、全然こういう経験のない、経験者のおらぬということは、私はそこに非常に問題があると思いますが、今後そういうことに対しては医者あるいはその他の経験者、応急手当のできるというような人、そういう人を配置をする必要があるのじゃないか、こういう点に対してのお考えを承わりたいと思います。
#109
○説明員(和達清夫君) 仰せの通り、今島には二十二人おります。その人たちに対しても専門の医師を常置させるということは非常に必要なことだと思いまして、極力その方面に努力いたしたいと思っておりますが、何分にも専門の医師をそこへ履くということは、実際の面におきまして実現がむずかしい面もございます。その理想に到達するまでは、先ほど申しました看護人制度をできるだけ強化いたしまして、その欠を補いたいと思っております。
#110
○大倉精一君 灯台に対してはどういうふうな処置をとっておられますか、灯台勤務者に対しては。
#111
○説明員(和達清夫君) それは海上保安庁がやっておられますので、よく存じません。
#112
○大倉精一君 それでは特にこの離島関係のそういうような措置に対しては、将来気象庁においてさらに前進した措置をとられることを要望して質問を終ります。
    ―――――――――――――
#113
○理事(江藤智君) 次に日本国有鉄道の運営に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は御質疑を願います。
#114
○柴谷要君 この前の運輸委員会の際に、最後に戸叶委員長から、国鉄副総裁の答弁の中に、どうも審議会の意見を尊重するけれども、衆議院における付帯決議を軽視しているような発言があった、議事録を見た上で次回に答弁をさせる、こういう委員長からのお言葉がありまして、副総裁御自身もそういう御意思が多分なかったと私は思うのですが、その意思の開陳をまず先に副総裁にしていただいて、そのあとで質疑があれば続行する、こういうふうに取り計らっていただきたいと思います。
#115
○説明員(小倉俊夫君) 十一月二十九日の委員会におきまして大倉先生の御質問にお答え申し上げました際、委員長より国会の権威を軽視しているように思われるとの御注意をいただきましたことは、私の言葉が足りなかった点もございまして、まことに申しわけないと存じております。私といたしましては、そのようなことは毛頭考えておりませんので、国会の御意思は十分尊重いたして善処していきたいと存じておりますので、この機会に意のあるところを申し上げますと同時に、今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げる次第でございます。
#116
○大倉精一君 私はそれで大体了承するのですが、その意味について一つだけお伺いしておきたいと思うのですが、国会の意思を尊重するということは、あの付帯決議に公共の建物には百貨店を乗せない、こういう付帯決議がなされた以上、国鉄としては自主的にこの付帯決議を守って善処していきたい、こういうような意味だと思うのですが、そういう意味ですか。
#117
○説明員(小倉俊夫君) 本問題は主務官庁が通産省でございまして、通産省が法律あるいは国会の御意思等を十分尊重せられて、何らかの御決定をせられることと思います。私はまだその御意思の決定を、許可であるか不許可であるか存じておりませんですが、主務官庁の御決定がありましたら、いずれにいたしましても、なお私どもの方からその決定のいきさつ、理由その他御注意等をよく伺いまして善処していきたい、こう思っております。
#118
○大倉精一君 どうもあいまいだと思うのですが、かりに通産省が許可の決定をしたといった場合に、やはり結果としては国鉄の上にデパートが乗ることになり、付帯決議に反することになりますが、これはどういうことですか。
#119
○説明員(小倉俊夫君) ただいま申し上げました通り、この百貨店の許可、不許可は通産大臣の所管でございますので、まだ私どもがそれをそんたくするわけには参りませんで、その際に十分その決定の理由、いきさつ等もお伺いして善処したい、こういうことでございまして、今どちらにと申し上げるわけにもいくまいかと考えております。
#120
○相澤重明君 今の小倉副総裁の言葉を聞いていると、どうも国鉄というものは一体どこの所管なのかどうもはっきりしない、そういうので先ほどから大倉議員の方から再三再質問が出ているわけです。つまり通産省できめられれば、もう何か通産省できまったことが国鉄に当然押しつけられてくる、つまりそれは何かというと百貨店法の審議会の方で民主的にきまったのだから、そのきまったことは国鉄もそういう諮問機関のことを尊重していかなければならぬ、こういうような全く衆議院における付帯決議と逆行することがどうも行われるのではないかという点をさっきから大倉議員は心配しておるわけだ。国会の付帯決議を尊重するということになれば当然それに基いて国鉄としても関係者の方にはよくそういう立場を説明しますということがなければ、一体どこに自主性があるのか、こういうことになってくるわけです。この点を再三質問されていることなのですが、今の小倉副総裁の言葉はどうもそういう点が強調されておらないように思う。国鉄の自主性というものは一体あるのかないのか、こういう点について私からもお尋ねをしておきたい。
#121
○説明員(小倉俊夫君) 国鉄の自主性というお話でございますが、百貨店法はこれは国家の意思でございまして、国鉄ではなく、すべてのものを縛る法律でございまして、なおその付帯決議もそれと同様の性質かと考えております。従いましてその百貨店の許可、不許可ということにつきましては、仰せの通り国鉄は自主性というと当りませんですが、何らその権限がございません。ただ率直に申し上げますと、従来百貨店法ができる前にこの問題はすでに数年前から生じております問題でございますし、もしかりに主務大臣の方で御決定でもありましたら、それを否むということは実際問題として非常に困難だろうとは考えておりますが、なお繰り返して申し上げますように、その決定につきましては、決定と申しましても百貨店が許可されるか、されないかということにつきましては、国鉄は何らの権限もございませんので、それの御決定により善処していきたい、こういうことでございます。
#122
○大倉精一君 そういたしますと、国鉄は通産省の決定に従う、こういうことになるわけですね、決定に従う……。
#123
○説明員(小倉俊夫君) もちろん百貨店に関しては通産省の御決定に従うというよりも、御決定通り考えなければならぬかと考えるものです。
#124
○大倉精一君 そこであの工事は今着工をしておりますから変更するということは非常に困難でお困りだろうと思うのですが、仮定の問題ということになるかもしれませんが、もし通産省が国会の決議を尊重をして、国鉄の建物の上に百貨店を置くことはまかりならぬ、これは認可することができないということになれば、やはりあの計画は変更されるわけなんですか。
#125
○説明員(小倉俊夫君) 百貨店に関しましては仰せの通りでございます。
#126
○大倉精一君 それが可能だとすれば、もうすでに法律もできておるし、そうして地元も騒いでおり、問題の多いことでありますから、国鉄自身があの決議を尊重して変更をする、こういうようなことをお考えになったらどうかと思うのですが、どうでしょう。
#127
○説明員(小倉俊夫君) 少し御無理のようなお話だと思いますが、それは繰り返して申しますが、百貨店法は国鉄に下された法律ではございませんで、国家の最高意思として国家のあらゆる機関が、ことに行政府がこれにのっとって行政を施行するというふうに私は考えますですが、その主務官庁の御決定につきましては、私ども何にも関与いたすこともできませんし、またその線に沿うて善処するというよりほかいたしかたないと考えます次第でございます。
#128
○大倉精一君 私はこれ以上申し上げませんが、今の答弁から逆説すると、通産省はイエスかノーかいずれかを言うより仕方がない。ノーといった場合に、あなたの方は、あそこはやりかけておるのであるから今さらやめるわけにはいかぬといってはねつけられるのか、あるいはこれに従うということになるのか、ノーといわれたらこれに従うのだ、計画も変更しなければならぬということになれば、今のうちにやった方がいいじゃないかと私は考えます。答弁できればしていただきたい。なければないでいいです。
#129
○柴谷要君 今の副総裁の言葉をあるいは誤解される人があるといけないから、やはり運輸委員会として明らかにしておきたいと思う。というのは、やはり国鉄は国鉄の独自性があると思う。ですから、いかように通産省において委員会があろうと、なかろうと、国鉄に対しては指令権もなく、命令権もない。やはり国鉄は独自性を持って今日まですべてを運営してきたと私どもは思っておるので、誤まった見解でたてにとられることを危惧しますので、あくまでも国鉄の独自の立場に立ってすべてを運営していくという、こういう意思は明らかになっておると思うので、誤解を求められないようにしていただきたい。大倉委員の質問しておりますことは、国会の付帯決議があるのだから、これを尊重してもらいたい。こういうことになると、今一つの事例ではあるけれども、池袋に停車場株式会社が作らんとしておる問題は、これは対象にならぬかという質問で、これに端的に御答弁があれば、こう長く時間はかからないと思います。どうか一つ、今後におきまする諸問題についてもちやりを入れることなく、単刀直入に、それはやりますとか、できませんと、国鉄は独自性を持っておりますとお答え願いたい。本日はこの程度で運輸委員会を閉じていただきたいと思います。
#130
○理事(江藤智君) それではこれで散会します。
   午後三時五十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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