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1956/11/26 第25回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第025回国会 農林水産委員会風水害による農林漁業災害対策に関する小委員会 第号2号
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1956/11/26 第25回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第025回国会 農林水産委員会風水害による農林漁業災害対策に関する小委員会 第号2号

#1
第025回国会 農林水産委員会風水害による農林漁業災害対策に関する小委員会 第1号
昭和三十一年十一月二十六日(月曜日)
   午後四時二分開議
 出席小委員
  風水害による農林漁業災害対策に関する小委
  員会
   小委員長 綱島 正興君
        石坂  繁君  大森 玉木君
        白浜 仁吉君  田口長治郎君
        中村 時雄君
  冷害対策に関する小委員会
   小委員長 笹山茂太郎君
        川村善八郎君  本名  武君
        楠美 省吾君  石田 宥全君
        芳賀  貢君
 出席政府委員
        法制局参事官
        (第三部長)  西村健次郎君
        総理府事務官
        (北海道開発庁
        次長)     田上 辰雄君
        農林事務官
        (大臣官房長) 永野 正二君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      渡部 伍良君
        食糧庁長官   小倉 武一君
   小委員外の出席者
        議     員 井手 以誠君
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        理財課長)   山野 幸吉君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      中尾 博之君
        農林事務官
        (食糧庁総務部
        企画課長)   中西 一郎君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 災害による米の売渡数量変更に伴う概算金の返
 納に関する件
    ―――――――――――――
#2
○笹山小委員長 これより会議を開きます。
 風水害並びに冷害等による農林漁業災害対策について調査を進めます。まず食糧の関係につきまして、本年産米の事前売り渡し申し込みをした農家が、風水害、冷害のため著しい減収を来たし売り渡し数量の変更を受けた場合、あらかじめ政府より概算払いを受けていた金額の返納に関する問題について質疑を行います。綱島委員。
#3
○綱島小委員 政府及び法制局に、昭和三十一年度産米売り渡しに対する前渡金の性質についてお尋ねをしたいのであります。そのうち、なかんずく売り渡し約款の第十四、前渡金に該当するだけの量を耕作者が売り渡さなかった場合は、それぞれ日歩二銭五厘等その他利息を付して返還するという規定があるのでありますが、これはどういう法律の条文によってかような契約をされたのですか、この点をお伺いいたします。
#4
○西村政府委員 性質というお尋ねでございますが、これは要するに食糧管理法及びこれに基く命令によりまして一定の米を生産者が売り渡さなければならない、これは公法上の義務が一面においてかけられているのであります。これの反面、政府がその米を買い取るという場合において、これは私法上の一つの法律行為がそこに存在するわけであります。それにつきまして、昨年から実施されました予約買付制というものは、ある一定の時期になりまして、たしか七月中だと思いますが、定の売り渡しの申し込みをする。その売り渡しの申し込みをして売買契約ができました場合には、そのうちの代金の一部、たしか石当り二千円だと思いますが、これを政府が前渡金として支払うということがまず第一段階にあるわけであります。そして出来秋になりましていよいよ米を政府の方に売り渡した場合におきまして、ここに書いてありますように概算払いをオーバーした場合は問題がございませんが、概算払いをしたのに米の量が足らない場合には、その差額を返す。返す場合にはその返す金について日歩二銭五厘の割合の利子をつけてもらうという、これが一連の契約であろうと思います。従いまして、これを法律的に申しますと、典型的な売買契約とはちょっと違いまして、売買契約にいろいろこういう条件のついたもの、要するに、出来秋になりまして予約申し込みをした数量だけ売り渡すことができないといった場合においては、差額の部分については履行ができないわけでありますので、その部分については先に渡した前渡金を返還するという従来の双務契約が片務契約のみが残り、それについて利息を日歩二銭五厘つけるという一連の総合された契約である、こういうように私の方は解釈しております。
#5
○綱島小委員 そこでお尋ねをいたしますが、これは食糧庁長官にお答えを願いたい。二千円という概算金は石当りの金額でありますか、それとも供出全般に対する特別な金額でありますか。予定された石数を契約した場合、石について二千円というものを契約されたのか、漫然と予約金というものを渡されたのか、そこを伺っておきます。
#6
○小倉政府委員 二千円という金額のはじき方と申しますか、そういったことに関連してのお尋ねでございますが、これは米代金の一部として売り渡し申し込み数量一石につき二千円、たしかこういうことでございます。
#7
○綱島小委員 そうすると、その石数に準じて一石については二千円、二石の場合は四千円、三石のときは六千円、こういうふうに一定の供出の契約と同時にその金額を予見して決定されたものでございますか。
#8
○小倉政府委員 お尋ねのようなことでございます。
#9
○綱島小委員 もう一つお尋ねしておきますが、その契約は昭和三十一年度産米に限る契約でございますか。それともそうでございませんか。つまり特定し得る目的物に対する予約金でございますか。
#10
○小倉政府委員 今の二千円は、ただいま問題になっておりますものにつきましては、三十一年産米についてのことであります。
#11
○綱島小委員 そうするとその意味においては特定し得る物件に対する性質は代替物であっても、その契約の性質は特定し得る内容として契約された、こう承わってよろしゅうございますか。
#12
○小倉政府委員 概算金を渡しますときは特定はできませんけれども、いずれ特定のし得べき性質のものとしていると思います。
#13
○綱島小委員 その性質について法制局の御解釈はいかがですか。
#14
○西村政府委員 今食糧庁長官のおっしゃった通りだと思います。
#15
○綱島小委員 そういたしますと、特定し得べき物件で、早晩ある一定の時期には特定し得べき物件として契約の予約金を渡しておる。それが債務者の責によらざる条項で履行しあたわざる状態を出現した場合に、なおかつこの履行を請求し得る何らかの債権がございますかどうか。これは法制局にお尋ねいたします。
#16
○西村政府委員 そこで先ほど私が申し上げた説明を、なおもう一度申し上げなくちゃいけないと思うのでありますが、私が先ほど申し上げた意味は、たとえばこれはもっと簡単に申し上げますと、この金額で契約約款をきめられておりますが、これは石数で言っても同じことだろうと思うのであります。たとえば十石の予約をした場合、八石しか納めなかった。残りの三石についてどうだということが問題になるだろうと思います。(「そんなことじゃない」と呼ぶ)ただそれを金に換算すれば、同じ問題が出てくるだろう。それは金額でもいいわけでありますが、要するにその差額の一定の分についてはその分についての履行をしいるわけではなくて、その部分についてはその金は返還するという契約を結んでいるわけであります。それについて日歩二銭五厘の利子を付する、こういうことになるわけであります。
#17
○綱島小委員 特定し得べき物件の不履行に関する返還請求権であるならば、法律上の本質は損害賠償ですね。これは政府がいかような契約をしておろうとも、また人民が知らずにただ判を押しておるうとも、約款を政府が例示して、それにただ判を押しておるうとも、本質が損害賠償の性質のものであるならば――ただあなたは非常にそこを上手に総合した契約というが、総合しようが何しようが本質は決して変らない。本質が損害賠償であれば損害賠償、本質が債務履行であれば債務履行。これは食管法の一般規定から推して、他のものでの代替履行はできませんね。代替履行はできないのでありますから、不履行の場合は損害賠償権が発生する。その損害賠償権に対する約款であるということについて、法律上の性質についてお伺いしたい。そうではないということのどこか証拠がありますか。
#18
○西村政府委員 今綱島委員の法律的に非常に突っ込んだ御意見がございましたが、私の申し上げる意味は、結局契約はこの場合に率直に申し上げると二通りあった、複合されたものではないか。要するに予約をしてそれを履行できない。要するに米を渡すことのできない部分についてその代金との差額については返還する。しかもそれについては利子を付するという契約でありまして、結局私の解釈をもってすれば、今綱島委員のおっしゃる損害賠償ということは、その差額を返還しない場合において、これは今度は一方的に生産者の方で債務を負うわけであります。一定の期限まで差額を返済しない場合において、初めてそこで債務不履行になると解釈いたします。
#19
○綱島小委員 債務不履行によって負う責任は賠償義務でしょうね。民法に何か債務不履行において負う責務が損害賠償権以外に生れますか。それは何か契約でやっておったか、法律の本質の問題を伺っておる。
#20
○西村政府委員 私の説明が非常につたなかったものですから誤解を招くと思うのですが、私の申し上げるのは、その一定の時期、たとえば東北地方については十二月三十一日までに米が売れなかった……。
#21
○綱島小委員 そんな説明はわかっているのだから……。
#22
○西村政府委員 そこの時点を過ぎれば、そこにおいて今度は差額の金を返還するという一方的なそういう債務、その分だけが残ってかわるというわけであります。ですから、法律的にいっていわゆる四百十五条あたりの債務不履行という問題はまだ出てこないわけであります。四百十五条による債務不履行という問題は、私の解釈をもってすれば、出てくるのはその差額を返済しない場合、その利子をつけて返すべき差額を返済しない場合において、初めてそこで債務不履行というものが出てくるこういうふうに解釈しております。
#23
○綱島小委員 そんなことは履行しないから起ることはわかり切っている。履行しないときに起る債務は、つまり債権は損害要償権か、そういうことをあらかじめ約束しているというなら――食管法で政府に売り渡す以外には売り渡すことはできないのですよ。保有量以外のものは保有することはできないのですよ。その期間が何であろうと、絶対に売り渡し義務はあるのですよ。そこであなたのおっしゃるような任意選択の余地はこの債務履行についてはないのです。債務者には任意選択権はないのです。食管法の規定によって、必ずその米は政府に売り渡されなければならぬ決定的な義務がある。そこでその決定的な義務がある義務を履行しない場合は、損害賠償の責任が生れるので、そのときにはもう一つ契約をこしらえておいて、売り渡さぬときはこうするという余地が、任意の場合にはございますか。従ってこれは任意によらざる不履行の場合に限るわけですね。そこで任意によらざる、自己の責によらざる債務不履行については、れっきとして免責規定がある。その免責規定を除外するには、任意に履行せざるときは、免責規定の効力はない。任意によらざる事由においてのみ不履行が発生すべき事情においては、免責規定を犯す権利は一切ない。それが契約自由の法則だったら、民法は一体これは何になりますか。損害賠償の規定というものは、たった一つ民法で予定されたものは、任意にさようなことをする場合の状態として、損害の予約、予見ということが許されておるにとどまっておる。その予見条件についての規定がある。予見条件を許さざるものについてどうしてそういうことがただ成り立つとあなたはおっしゃるか、法律の何条によってそういうことが成り立つと言うか。
#24
○西村政府委員 綱島委員のおっしゃること、私は率直に申し上げてあるいはよく理解していないのかもしれませんが、私の先ほどから申し上げることをまた繰り返すことになるわけでございますけれども、要するに食管法による米の供出、この供出義務は食管法で、公法上の義務があります。私がここで問題にしていることは、政府が生産者から米を買い入れるという一つの法律行為、これは私法上の契約であります。それについての効力の問題がそこにあるわけであります。それを考えてみますと、私が先ほどから何度も申し上げますように、要するに売買の予約で前渡金を渡す、しかし出来秋になって、これはまた供出義務の方は食管法の方の一連の政令がございますから、この方のことは今しばらくおくことといたしまして、要するに私法上の契約としましては、一定の時期がきて、十二月三十日がきて、そこで予約金をもらって額まで米を政府に売り渡せないときは、その差額については、売り渡すという義務はその分については追及しないけれども、要するに差額は返還しろ、経済的に見れば、あるいは人によってはこれは実際は消費貸借と同じではないかということも言えると思います。見方によっては要するに前に七月なら七月に金を渡しておいて、その分は消費貸借というような経済的見方も成り立つかもしれません。しかし私の申し上げるのは、法律的に見まして、その差額の部分については、要するにこれは返還するという一連の契約を結ぶ。従ってその返還する部分については日歩二銭五厘の利子をつけてもらいます。綱島委員のおっしゃるのは、そういう契約というものは生産者は選択する余地がないじゃないか、一方的に押しつけられた契約ではないか、(綱島小委員「そうじゃない」と呼ぶ)これはまた異論がありますけれども、私の申し上げたのは、今申し上げましたように、要するに時期がくれば、一定時期以降においての差額については返還してもらいます。それだけのことであります。それに利子をつけて返してもらう、そこまでが契約なんですから、それを返さないとき、初めて債務不履行、損害賠償が出てくるのじゃないか、こう私は解釈するのでございます。
#25
○綱島小委員 実はそれで、この契約というものは、供出の各米について特に特定し得べき米についての契約であるかどうかということを食糧庁長官にあらかじめ問うておいた。食糧庁長官の答えは明瞭であり、事態もその通りであります。すなわち一定の特定し得べき米の供出に対する契約、その間において払ってもよし、払わぬでもいいという任意の意思決定は不可能である。何となれば食管法の規定で、供出以外のことはできないことになっている。その点は強制規定ですよ。従って強制規定で、しかも支払いのできない現実な状態が、強制規定を順法しながら発生する場合に、債権者が一体任意にこれをどっちか選択して支払っていいとか、あるいはその条件が満たぬときには金で支払え、こういう契約をしたのだ、その本質はいかなる権限に基いてそういう契約をしたか。民法上のどういう根拠に基いてそういう契約が許されるということが言えるか。こういうことです。契約はこうです、こういうことはない。あなたは法制局ですから、こういう明文に基いてこれはやれるのだ、こういうことの解釈を求めておるのです。あなたの言うことはこっちは初めから十分わかっておるのですよ。そこであなたに求むるところのものは、法律上どういう条項の根拠によってさような契約が可能か、こういうことです。
#26
○西村政府委員 一般的に政府は米の買い入れについてそういう契約を結べるか、こういうお尋ねかとも思うのでございますが、これは食管法に基いて一つの受け渡し義務が定まっておる、それから特別会計法もございますし、これによって政府は買い入れ契約を結ぶということは財政法、会計法からの一連のあれで許されている。しかも随意契約によることは予算決算及び会計令臨時特例の五条二号によりまして、これは当然なことであります。こういう根拠というお尋ねでありますけれども、そういう権限的な意味のお尋ねであれば、今申し上げたようなことをお答えするわけであります。しからばこういう性質、内容の契約をどこで結べるか、何がゆえに結べるかというお尋ねでありますれば、これは先ほどから申し上げましたように、供出義務というものは食管法の公法上の義務で当然のものであります。これは米が政府に入るという片一方は公法上の義務で、食管法であります。片一方は買い入れるという私法上の行為が必要であります。これについては私法上の原則が左右する。その間において、その間の両方の調整という問題は、あるいはこれは綱島委員のおっしゃる点かもしれませんけれども、いろいろな議論があると思います。私が先ほどからお答えしているところは、要するにその契約の面、売買契約、それにプラス・アルファがついた、こういう契約が結べるかというお尋ねでありますれば、これは私は先ほどから申し上げましたように、その契約が公序良俗に反するということがあれば別ですが、そうでない限り結べる。この原則、先ほどからお話し申し上げていますような、こういった契約内容は、何ら公序良俗に反するという内容を含んでいるものではない、こういうように解釈しています。
#27
○綱島小委員 先ほどから繰り返し申し上げているように、不履行の場合は不可抗力以外に予見されないのですよ。何となれば決定的供出義務があるからです。その不可抗力以外には予見されざるものに対して、不可抗力の債務不履行については民法に明文があるにかかわらず、これに異なった契約を自由自在だというあなたの御意見ですか。契約自由の原則でさえあれば、不可抗力で債務者の責めに任ぜざる事情においての不履行はごうごうと規定があるにかかわらず、それよりほかに政府は勝手ほうだいな、不可抗力のときでも損害を取る。こういうような契約が並行的にされ、あなたのように言えばこれは高利貸しみたいな議論だ。高利貸しよりもひどい。不可抗力はあっても何でもかまわぬ。食糧管理法で、不可抗力よりほかに予見されない、予見する余地がない。だから従って、これが予見され得るとすれば、犯罪行為の場合にのみ予見される。従って、この返還約款は犯罪行為の成立した場合のみ有効であって、正当なる農民が供出努力を払ったにかかわらずできない場合は、責めが不可抗力が原因であるから、この場合は約款の履行は法律上の効力なし、こう見るよりほかにない。もしもそれが民法上の規定に明らかに反する、損害賠償の規定に明らかに反する内容を条件としたならば、不可抗力じゃなくてもいいでしょうが、こういう不可抗力の場合も金を払わなければならぬというのはそれは不法条件じゃないですか。不可抗力の場合はこれだけの債務弁済の義務があるという規定があるのですよ。任意規定じゃないのですよ。これは御承知のように強行規定です。お前さんの不可抗力はこうだ、契約のときは別だという規定じゃこれはないのです。許される範囲は損害額の予見についてのみ任意が許される。それ以外の場合は協定は許されないのですよ。そうすると、この条文で履行し得るものとすれば、悪意に供出をしなかったものという場合以外にはこの約款というものは適用すべき範囲がない。何となれば、民法の強制規定に反する規定は、あらかじめ締結することは契約自由の法則に違反する。契約自由の法則というものは各条項の制限規定を越えては不可能であるからです。あなたの言うようなことであるならば、かりにここに食糧庁長官の出先か何かがおって、契約する自由を持っておって、あなた方は供出してもせぬでもよろしい、けれども金は渡すという契約をしても有効ですか。損害賠償については制限が法律上に規定してあるのですよ。この本質は損害賠償よりほかにない。幾ら損害賠償の内容なるものを契約であらかじめ書いておるからといって、金銭債務であるとか、そう考えるとか、とんでもない話です。だが政府は勝手に金を貸すことができますか。そういう権能を食糧庁が持っておりますか。つまり契約の内容がどれだけの余地があるかといえば、損害を請求し得るいわゆる債務者の遅滞もしくは不履行の発生する事由は、自由意思によって食管法を離脱した場合、自己の任意に履行をしなかった場合にのみ適用があって、それ以外は適用する余地がこの法律の全体の構成から見てないのでありますが、さような場合に、損害賠償を取る。本質は損害賠償であるものを民法が予定しておる額よりほかに予見したものを付するということによって債権が発生するということはどういう理由ですか、その法理論を伺いたい。
#28
○西村政府委員 まず最初に、先ほどから何度も申し上げておりますように、綱島委員は、債務不履行になって損害賠償、これは民法の四百十五条に規定がある。それからまた私が先ほどから申し上げている意味は、債務不履行、いわゆる債務不履行ということは、十二月三十一日なり一月三十一日を経過しても出ておらない、こういうことでございます。そこで転換しまして、その差額を払うという一方的な債務が残る、こういうことをさっきから重ねて申し上げているわけであります。これは綱島委員の御見解と私は根本的に違うわけであります。私の解釈はまだそこで債務不履行の問題は生じておらないわけであります。結局債務不履行かいなかはその差額を返還する際の問題であるということを先ほどから重ねて申し上げておるわけでございます。
 もう一つ、これは片一方では供出義務があったからそんな勝手な、幾らでもよろしい、そういう契約が許されるかという問題でございます。これは私先ほどから申し上げますように、私法上の契約としての売買、売買と申しますか、契約関係を見た場合について申し上げておるわけでありまして、たとえば、これと食管法の公法上の供出義務とどういう関係を持つかと申しますと、通常の場合においては、予約を受け付けましてこれはそうめちゃな数量を申し出る人もないわけでありますが、逆に非常に少くしか持ってこない人があるわけであります。ところが割当の方は、そういう場合には、市町村長がたしか農業委員会の意見を聞いてか追加割当をする。この場合には、予約の契約はこれだけしかないのだけれども、割当はこれだけあるという事態はあるわけであります。それからまた予約が多くて、予約した場合においては、その数量をもって市町村長は割り当てる。これが食管法三条の割当数量になる。ただし災害等で申請があった場合には補正をするというようなところで、公法上の義務と私法上の契約との橋渡しが考えられておるわけでございます。この点は私法上の問題として議論をそこだけに限定して先ほどから申し上げておるわけであります。
 もう一つ、損害賠償、私が消費貸借みたいなものとも経済的に見られないこともないと申し上げました場合に、それはとんでもないというお話がございましたけれども、これは先ほどから私が申し上げましたこの一連の契約をこういうふうに見ることもできると思います。これは一定の期限、そこまでに予約数量を供出しない場合については、差額については解除権を付する、約定解除権を付する、そういうような見方も経済的には見られるわけであります。そこで解除をした場合には、五百四十五条の二項について、これはすでに受領した金銭については利息を付する、別に特約がない場合については五百四十五条は働いてくるのであります。だからそれについての契約だ、見方によりましては――私はそうだと申し上げておるわけではないのでありますけれども、そういう見方すら成り立つのではないか。これは蛇足ではございましょうが、一応申し上げておきます。
#29
○綱島小委員 そこで問題は、これは何べん言うても同じですが、単なる私法上の契約の部分とか何とかいうのじゃなくて、これは米供出と不可分の契約ですよ。内容は米供出契約なんですよ。それだから私は初めにあらかじめ念を押したのです。この性質は米の引き渡しを目的とする契約による前渡金かどうか。これは米供出ということと不可分なんです。その際に私法契約を別にすればされるというが、そういう契約じゃないのです。これは本質が米供出契約なんです。これはそういうことではなく解釈することもできるといって、法律上の解釈は、事実を離れて、あなたのように私法契約を別に、何か変な契約、金銭貸借、消費貸借契約を別にしておったというような事実があれば別だ。金貸しなら、金を貸してやろう、それだから利息を払うのだよ、こういう契約――これはそうではなくて予約金ですよ。そこで契約の本質が米売り渡し契約以外に持っていかれない、こういうふうに私法契約が別に想像されぬことはない、そんなことじゃないのです。事実は決して動かせないので、これは米の売り渡し契約、その売り渡し契約については選択を許さない。供出義務者はある限度までは必ず供出しなければならぬ。また食糧庁長官もこの売り渡しを免除することも、増減することもできない。これは一定の法律に基く決定的の事情の契約であります。従って別に仮装されたる私法契約があったとか、何とかいうんじゃない、これは不可分の米供出契約です。そこで問題は、その供出の不履行の場合に生ずるものは何かというと、債務履行で、その際別にこういう消費貸借債権がそこで生まれる、あるいはそのとき変更されて消費貸借になってしまう、こういうことの契約、これはかりに文章をどう書いておろうが、文章を書いたことで法律行為は変更になりません。契約書をどう書いたか、その文章というものはただそれ自身を説明する材料にすぎないのであって、問題は行為そのものなんです。その文章は食糧庁長官が何と書こうが、いわゆる月を指さす指にすぎない。問題は月なんです。指じゃないんで、どうこれを書いておろうが、契約の本質が問題なんです。米売り渡し契約としてこれを読まなければならぬ。それが妥当な線であろうがなかろうが、そんなことは関係ない。こういうふうに書いてあるから、これは消費貸借と見られるとか、二つの契約である、こういうことは、だれでも百姓を呼び出して聞いてごらんなさい、消費貸借をしたとは一人も思ってやしない。ことにまだあとに残る問題は、契約の当事者はだれですか、この点は食糧庁長官に伺います。
#30
○小倉政府委員 当事者は政府と米穀生産者であります。
#31
○綱島小委員 そうでしょう。その場合農協が事務を取り扱うことにおいてこうするとかなんとかいうことは契約しておりますが、それは生産者に代位しての行為でありましょう。どうですか。農協が独立したそういう義務を持つ何らかの約款か規定かがございますか。
#32
○小倉政府委員 生産者から委託を受けてやるわけであります。
#33
○綱島小委員 そうでしょう。そこで問題がはっきりしてきた。そこを材料にして一つお答え下さい。
#34
○西村政府委員 まず一つお答えしておきますが、私は先ほど消費貸借契約がそこにできるということを申し上げたわけではございません。経済的に見ればそうも見られるという見方もあるいはできるということを申し上げたのであります。先ほどから私が申し上げることは、たびたび繰り返すことになるわけでございますが、要するにこれは私法上の契約そのものでありまして、政府が生産者から買いとる、もちろん生産者は農協なり指定集荷業者に委託するわけであります。法律的に見れば、生産者と政府が契約する、その契約がどうだということについて、私どもは先ほどから申し上げておるわけであります。片方供出義務というものは食管法及びこれに基く一連の命令によって具体的にきまっておるわけであります。なお先ほど綱島委員のお話にありました、ここに書いてある文章は、これ自体はあるいは通牒かもしれませんが、これと同じ内容のものを各現場に張り出すそうでございます。これはやはり契約の内容そのものだろうと思います。たとえばその中に価格もあれば――価格は内容の最も大事な点であろうと思います。これについてもこの契約の内容そのものであります。その点については私は、これが先ほど綱島先生のおっしゃったような単なる差し示すものにすぎないというものではなかろう、こういうふうに考えております。
#35
○綱島小委員 この契約のうちで、政府のとっておる供出制度及び民法が規定しておる損害賠償の原則を、食管法や民法を変更する内容を例示したならば、その部分について無効が発生する。一部の無効が全部の無効を誘発するとはいいません。そこでこの食管規定は損害賠償の基本規定に反するから、この部分は無効なんです。金銭がどうだろうが、何もそんなことは強行規定に何ら反しないんだから。一体何のために損害賠償について、予見し得べき場合はこうだ、何の場合はこうだと、特別な場合を規定しておるか。民法は、勝手に損害賠償の民法に規定する範囲を逸脱して決定することはできないから、こういうもろもろの完備した規定をいたしておる。その点わかりますね。そこで私法契約には違いない、売ろう買おうというのだから。その私法契約の内容が二つあるわけじゃない。この契約自身は米売り渡し契約なんです。金貸し契約と米売り渡し契約と損害賠償の契約と三つあるわけでもない。これは一つの米売り渡し契約です。従って、その売り渡しについて不履行が生じて、しかも自己の責めによらざる事由、天災によってその不履行が生じた場合は、相違なく民法の損害賠償の免責規定が適用される。それを勝手にそうじゃないと言うたって、これはしておるからこれでいいんだというなら、それは法律論も何もないまるでしろうとの議論だ。法制局の専門家の御議論としては私どもは受け取れない。もう一ぺん再考して下さい。
#36
○西村政府委員 綱島委員の大へん突っ込んだ御意見でありますが、いろいろお話を承わりますと一つの立法論という感じがいたしますが、私は解釈論として申し上げておるところは先ほどからちっとも変らないし、私は正しいと確信しておるのであります。私は二つの契約ということは申し上げたわけではない。分解すれば二つの要素があるがこれはあくまで一つの契約である。従ってその契約は、たびたび申し上げますように、履行できないと申しますか、一定の期限までに売り渡せなかった場合、売り渡した場合に差額については、その差額を返す。しかも利子をつけて返す。あたかも五百四十五条の二項に照応するような規定をしてある。そこでそういう利子をつけるのはけしからぬじゃないか、あるいは適当じゃない、これはまた別の議論で、私が申し上げる筋合いではないと思います。そういうことで、私の解釈をもってすれば、これはどうしても綱島先生の御同意は得られないと思うのですけれども、損害賠償なり債務不履行というのは最後の段階に至って初めて論ぜらるべき問題で、そういう契約がどこからできるかと申しますれば、あるいは先ほど食糧庁長官から申し上げたと思いますが、やはり根底を尋ねれば契約自由の原則、しかもそれに対する問題としてはこれは公序良俗に違反しなければよろしい。この場合においてそういう契約が決して公序良俗に反するというようなことはない、こういうふうに私は確信しておるわけであります。
#37
○綱島小委員 それでは簡単に最後にお尋ねいたします。損害賠償に関する規定も、民法が許しておる条項がありますね、こういうものは損害賠償についてやってもいいという。その範囲を越えて契約自由の原則でいかなる契約でもしていい。それが平穏無事にされて特別に公序良俗に反するというほどのものでなければ有効である、こういう御意見ですね。
#38
○西村政府委員 抽象的に申し上げますと、その契約自由の原則というものは一般的には公序良俗に反しない限り有効である。それが妥当かどうかはまた別問題であります。
#39
○綱島小委員 契約をすることではないのですよ。損害賠償に対する契約ですよ。損害賠償に対する契約をその損害賠償の許されてある範囲、特別条項もございます。その範囲をこえて契約をすることができるか、それが有効であるかということであります。
#40
○西村政府委員 綱島委員のおっしゃる意味は、四百十五条に反する契約が無効じゃないかというような御質問になるのかと思いますが、損害賠償というものについても債務不履行と相応ずるものであります。そのほかに特別な、たとえば責めに帰すべからざる事由によるというのも許されるのではないかと思います。ただしこの点につきまして私はたしか四百十五条には強行規定がないというような判例があったように記憶しておりますけれども、今調べておりませんのではっきりしておりませんので、その点については私ははっきりそうだと断定はできません。その点は御了承願います。
#41
○綱島小委員 それは別なことを聞いておるのじゃないのです。損害賠償の条項について民法上の各条項において許したる範囲をこえて損害賠償額、その他の条件等を損害賠償額について契約することができるか。契約してそれが有効であるか、お尋ねしておるのはこういうことですよ。わかりますか。賠償の履行について民法がそれぞれ許しております。こういう場合はこれだけしかいけない、これ以上はいけないとちゃんと規定しております。その条項をこえて契約してもそれが有効かどうかという点です。
#42
○西村政府委員 民法が損害賠償につきまして四百十五条以下に規定しておりますが、これは特約のない場合についてこの規定が働いてくるのだろうと思いますが、特約を設けることは一般的に言って有効だろうと思います。
#43
○綱島小委員 これはいくら言っても、訴えてみなければわかりません。日本の農民が一切金を払わずに全部政府の訴えを待つということよりはかなかろうと思うのだ、こういうことを言うと……。
#44
○井手以誠君 ただいままでの西村部長の答弁によりますると、制限はあるけれども契約の自由によってこういう売買契約を結ぶことができる、その売買条件に基いて利息を取るのだというふうなことをおっしゃったようであります。ところが私は契約の自由というのは、ただいままで綱島委員からるるお話があったようにないと思う。契約の自由という前提には私は公平の原則というのがあらねばならぬと思っておるのであります。申すまでもなく今までも話があったように、一粒といえども米は自由に販売できないものである、値段もきめられておる、期限も付せられておるというならば、手も足もどこもここも縛っておいてここでのまねばならないようなことを国が農民を相手に契約を結ぶ、そこに私は公平の原則は成り立っていないと思う。対等の立場ではないと思う。国が相手の農民を縛っておいてこの条件ということで契約を結ぶことは、これはあなたもおっしゃったように公序良俗に反する、大原則に私は反するものであると思う。ただいままでお話があったように不可抗力によって予定された販売ができない、こういう場合には不可抗力は当然免責されるものである、現に食糧庁が結ばれた売買条件によりますと、第十四項では「利息を加算した額を政府に返納しなければならない。」と書いてある。ところが、次の第十五項には、過払いについて故意または重大な過失があることを政府が認定した場合は、というふうにちゃんと注釈がつけられておる。私は、売買条件の十四には当然天災、不可抗力というものは免責するということを加えなくてはならぬものであると考えておるのであります。これが抜けておると私は考える。不可抗力の場合はこうするということが書いてあれば、それはあなたの方のお考えも通るでしょう。そこで私はお尋ねいたしますが、そういう窮屈な、ほとんど相手方の農民には自由のない立場において結ばれたこの売買条件、これが公平の原則に沿っており、あるいは公序良俗に反しないものであるかどうか、その点を私はお尋ねいたしたいと思います。
#45
○笹山小委員長 ちょっとその前に申し上げておきますが、小委員外の農林水産委員から発言の申し出がありました場合においては、適宜これを委員長の方で許しますから、御了承願いたいと思います。
#46
○西村政府委員 ただいま井手委員からの御質問でございますが、要するに生産者は政府にしか売る自由がないじゃないか、それを一方的な売買条件で押しつけられてかなわないという根底、これは確かに仰せの通りだろうと思うのです。これは私がさっきから抽象的に申し上げているようなことに関連するわけであります。問題は、もう一つ理屈を申し上げれば、予約のほかに一般のあれもある、公平の原則というような問題は何も予約制に限らず、食管制度始まって以来問題にされてしかるべき問題があるだろうと思います。要するにその時代から自由はないわけであります。ここでは予約という選択の範囲が一つ広まったわけであります。その面についての議論であります。それにしてもそれは選択で、予約がいやなら予約しないで普通で供出すればいいじゃないか、そのかわり前渡金をもらわないでいけばいい、これはあまりにあこぎな議論だろうと思います。予約した場合において今言ったような契約なり、先ほどから申し上げましたような、その差額について利子をつけることが、妥当かどうかということは、議論の焦点になると思います。これは見解の分れるところであろうと思いますが、私はこれについて、その大部分については経済的に見れば――これはまた経済的に見ればという点を御了承願いたいのですが、その点は消費貸借と似たようなものじゃないか、同じようなものじゃないか。それについて利子をつけて返してもらう。しかしこの点は立法論が多分にあると思います。天災等の場合によってはこれを免除してもいいという議論もありますので、たしか今度の国会に、一定の場合については利子を軽減なり減免することができるという特例法を別途提案しているわけでございます。利子をつけること自体は公平の原則、ひいては公序良俗に反するものだから、無効というまでには至らないのじゃないか、こういうふうに私としては解釈いたします。
#47
○井手以誠君 私としてはそう解釈するとおっしゃいますが、あなたは権威ある法制局を代表して、政府を代表しての御答弁でしょうか。きょうは解釈論じゃございません。
#48
○西村政府委員 私は解釈論は政府の政府委員として申しておるわけです。私個人の意見なら、これは参考人なり証人として申し上げる筋で、ここで申し上げる筋ではございません。
#49
○井手以誠君 それならそれでよろしい。それでははっきり一つ御答弁をいただきたい。私は契約にいろいろはないと思う。契約は私は一つだと思う。それは先刻も綱島委員からお話があったように、販売の義務がある。その販売の内渡し金として、前渡し金として農民が二割をもらう。それに不可抗力の場合、予定の数量が販売できない場合には利息をつけて戻さなければならぬ。その利息という問題、これは先刻も申し上げたように、農民と政府は対等の立場じゃないのですよ。あなたの方は契約の自由とおっしゃいますけれども、公平の原則というものは初めからくずれておるのです。のまねばならないような立場に農民を置いておる。私は農民が一々知ったか知らぬかそれは存外です。しかし全部知っておらねばならぬという立場においてでも、そういう契約を結ぶということは私は間違いではないかと思う。前渡し金を戻すことは当然です。しかし不可抗力によって予定されたものが販売できない場合には、前渡し金も戻さなければならないけれども、利子をつけることはないと思う。先日食糧庁長官は、何カ月か前に農民は金をもらったのであるから、十二月三十一日、一月三十一日までの分は、利息に相当するものは、農民のもうけであるというお話であった。これは政治論なんです。これは法律論ではございません。もしかりにそうであるならば、農民はなるほど先に金をいただいたかもしれませんけれども、政府はまたその契約によって数量を確保するという特典を得ているはずなんです。従って農民だけが得をしたという論拠はないはずであります。しかし私は本日政治論は申し上げません。政治論なら言うことは山ほどある。先刻も申したように、この窮屈な強権的な食管制度のもとにおいて利子をつけて返納しなくらゃならぬという売買条件を付するということは、部長がおっしゃったように公序良俗に反するものである。これが私は一番大事な点だと思う。あくまでもあなたはこれは公平な立場において結ばれたものである、不可抗力の場合においても、やはり損害賠償ともいうべき利息をしなくちゃならぬとお考えになりますか。私が先刻指摘いたしました売買条件の第十五項に「前項の過払金の受領又は返納について故意又は重大な過失があると政府が認定した場合は、」云々ということが書いてある。これは若干強度の違いはあるかもしれませんが、本人の意思ではないもの、不可抗力によるものは当然免責すべきものだと思う。それは売買条件の第十四項に書かねばならぬ問題だと思うが、それが落してある。私は売買条件は、先刻も綱島委員がおっしゃったようこ、民法の大原則に反する違法の契約であると思いますが、いかがですか。
#50
○西村政府委員 たびたび同じことを申し上げるのは恐縮でございますが、公平の原則というようなものに照らしていかがであろうかというお尋ねでございますが、私はここでこういった利子をつける、それが不当に高い利子とかいうなら非常に問題だろうと思いますけれども、おそらくこれは大蔵省あたりから説明があるかもしれませんが、利子率につきましては妥当なものであろうと思いますので、こういうものについては、私は公平の原則というものから照らして決して間違っておるものではない、従って契約は無効であるというような論拠となるものではないというふうに解釈しております。
#51
○井手以誠君 私はまだ違法性についてはいろいろと追及いたしたいことがたくさんございます。何も政府委員の第三部長を不信任する意味ではありませんけれども、あらためて法制局長官おいでの際にいろいろな面から違法性を追及いたします。こんな無慈悲な高利貸にもひとしいような、飯米もなく泣いている農民から利子を取るなどということを合理化しようとするあなたの方の解釈に対してはどうしても納得がいきませんので、後日あらためて追及することにいたしまして、日本は私はこれで打ち切ります。
#52
○芳賀小委員 関連して。この政府との契約条項の中における生産者と集荷団体というのがありますね。契約は先ほど長官が言ったように政府と米穀の生産者相互間において締結されております。この義務の履行の場合、集荷団体はどういう責任を持っておるかということをお尋ねいたします。
#53
○小倉政府委員 ただいまの義務の履行とおっしゃいますのは、概算金返納の場合についてのことかと思いますが、これにつきましては、生産者が概算金の返納ができない場合には集荷業者が代位弁済するという義務を持っております。
#54
○芳賀小委員 それはこの契約書のどこにうたってありますか。
#55
○小倉政府委員 配付の小冊子についてのお話と思いますが、後刻よく調べまして申し上げます。
#56
○芳賀小委員 これはあとで調べるということではなく、はっきり明文化されておると思います。ですからどこにそれがありますかということを聞いておる。
#57
○小倉政府委員 「甲が若し政府から受領した概算払に相当する米穀の数量を万一政府に売渡を完了しない場合には、全糧連又は府県集荷団体は、甲に代って政府の要求に従って概算金要返納額に利息及び延滞利息を加算した額を支払うべきこと。」こういう約定ができておるわけであります。
#58
○芳賀小委員 それは生産者と政府との間における契約の条項の中にはないわけですね。しかも集荷団体というものは、生産者の委託を受けた場合にのみ、生産者の行為を代行できるのでしょう。そうじゃないですか。委託を受けない場合は、集荷団体というものは生産者の代理権というものはないのでしょう。
#59
○小倉政府委員 集荷業者が委託を受けない場合は該当いたしません。
#60
○芳賀小委員 その場合二通りあるのですね。集荷団体が生産者の委託を受けて契約する場合と、生産者自身がいずれの集荷団体にも委託をしないで、直接政府と契約することもできるわけですね。ですから契約の形は二様になっておると思うのですが、その点はどうなんです。
#61
○小倉政府委員 形としてはそういう二通りございます。
#62
○芳賀小委員 それで現在概算金の利子の問題でいろいろな論議が行われておるのですが、今度概算金そのものが返納できないという事態が出てきますね。そうでしょう。今取り上げておるのは、その二銭五厘の利子をつけるという問題が一つの問題になっているが、ほんとうは概算金を返せるか返せないかという問題、あるいは返すべきか返さなくてもいいかというような問題も、むしろこれは基本になってくると思う。その場合に政府はまだ明確な態度を表明しておらないけれども、生産者が概算金を返納できない場合においては、それを集荷団体に代位弁済させるということをもうすでに決定しておるわけですね。その態度はどうなっ
 ておるのですか。
#63
○小倉政府委員 ちょっと御質問を聞き漏らした点があるのですが、生産者が概算金を受け取りまして、米の売り渡しが足らずに、概算金を返さなければならぬ、こういう場合には、生産者と集荷業者と政府との間におきます約束に基きまして、指定集荷業者が代位弁済するという建前になっております。そういう建前でいきたい、こういうふうに存じております。
#64
○芳賀小委員 その場合集荷団体が代位弁済できる場合と、それから集荷団体に委託しない場合があるでしょう。その場合の生産者というものを政府はどう考えていられるのか。
#65
○小倉政府委員 ただいまお尋ねの生産者が指定集荷業者に委託しないで政府に売り渡す、こういう場合は概算金の支払いをいたしておりませんので、お尋ねのような場合は該当なかろうかと存じます。
#66
○芳賀小委員 それはどういうわけです。生産者と政府との間に条件が成立すれば、概算金は当然渡さなければならぬでしょう。直接でもできるということをうたっておるでしょう。それでは集荷団体に委託しない場合は概算金を渡さないというのは、どういう根拠なのですか。
#67
○中西説明員 本年の六月十四日に政令一八二号というものを出しまして、三十一年産米穀の代金支払いの臨時特例を定めたわけでございますが、その中で会計法の二十二条に基きまして、この政令はできておるということと、今お話しの指定集荷業者に委託して、事前に売り渡し申し込みをした場合に限り、概算払いをすることができるという点を明らかにしてございます。
#68
○芳賀小委員 それは非常にインチキきわまるやり方じゃないですか。政府と生産者の間において条件が整った場合においては、一石二千円を前渡金として渡すということが明確に規定されている。それを全く無視して、今度は指定集荷団体に委託しなければ概算金を渡せないという規定を、別の規定によって行なっておるというのは、非常に欺瞞しておる行為じゃないですか。
#69
○中西説明員 大部分の場合政府に直売というのはございません。系統団体を中心にして米の集荷をしておるのは御承知のようでありますし、系統に属さないで、商人系統を通ずる場合にも、指定集荷業者というものはやはり設けてございます。そういう意味で指定集荷業者に委託する場合に限ることは、約定違反であるというふうには考えておりません。
#70
○綱島小委員 そこで確めておきたいのですが、大部分の米は農協を通じて集荷される、その場合に、農協自身は不履行による代位債務弁債の権限をどうして持っておるか。そういう場合は一体農協というものが業務規定の中にそういう任意に代位弁債をすることができるという約款でもあるか、もしくは臨時に総会でも開かせて、そういう授権行為があったかどうか。集荷業者としての農協に限るというのですが、これはどうですか。
#71
○小倉政府委員 農協が生産者から委託を受けて、農産物を他に売却するということは、普通の業務と申しますか、生産物の販売事業等を行う農協についてはできるということでございます。従いましてその委託販売に付随する仕事、これも農協法、あるいは農協の定款等による付帯事業といったようなことが書いてございます。そういうことからもできるものと考えます。
#72
○綱島小委員 その場合に実質上の不履行者は生産者ですね。その場合に農協はこの契約がほんとうに法律的に有効に成立するとすれば、代位弁債の義務を負担することに相なりますので、その大変な債務の弁債を引き受ける権能が農協の理事者にあるかどうか、付属行為だからできるといっても、付属行為が滞りなく、似たようなものがくっついておりさえすればみんなできる、こういうわけにはいかない。通常起るべきことでなければいけない。そういうときに賠償義務者、あなた方からいえば返還義務者、私の理論からいえば賠償義務者、これは生産者ですね、それを農協が弁済義務を独立して引き受けるということが、総会もしくは約款によらずして、そういう契約をなす権能が農協の理事者にあるかどうか、こういう質問です。
#73
○小倉政府委員 農協の問題であるかないかということだったと思ったのですが、お尋ねのように農協の理事者としてそういう権限があるかどうか、こういうことでございますれば、これはもちろん農協法等の法律の制約がございますが、それよりもむしろ農協の定款あるいは業務規程等に理事者の権限をどのように縛っているかということに関連をいたすと思います。借入金の限度でありますとかいうことについては多く規定があると思いますが、こういう代位弁済の約束の結果負う債務と申しますか、そういうことについてのものはおそらくなかろうと思います。ありますれば、これはある範囲内でなくちゃなりませんし、なければ当然認められておる理事者の権限として、定款なり法律によって理事者の権限を縛っていない限りは、権限としてできる、こういうふうに解釈いたしております。
#74
○綱島小委員 この部分については、事実上は債務引き受けですね。その債務引き受けは、当然起るべき範囲内における債務引き受けなら、それはいいかもしれない。業務上起る債務、たとえば運びおる手数料が要るとか、人夫料が要るとか、これはいい。そうでなくて特別の約款によって義務を引き受けることが、農協の理事者に、農協法もしくは農協の約款もしくは総会の決議等において特に認められていない。あなたは反対決議がない限りはいいと言うのだが、債務の引き受けでありますから、債務引き受けは原則として特に授権行為がなければできない。それができるというような――私どもは実際を知らぬが、あなた方農協の約款などたくさん見られておるだろうし、こんな契約をするのにはそういう契約も見てされたろうと思うのですが、もちろんそういう約款がなければ農協は引き受け義務はない。理事者が代位弁済引き受けの行為をしても、それは理事者の不当な権限を越えた行為になる。その契約は農協とされたので、事実上判を押した者は、生産者とはしていますまいね。実際の運用はどうですか。農協としておられるのでしょう。今の代位弁済の契約書は、あなた方は農協としておられるのでしょう。(「生産者だ」と呼ぶ者あり)いや、実質は生産者です。僕は書類の作成のことを言うんだ。実質は生産者だが、農協と約款のことについては、契約をしておられるのでしょう。実際の運営では、生産者は何らの意思表示をしておらぬでしょう。そこでそういう適法なる授権を農協の理事者が受けておるかどうか、こういう点は確かめられましたか。
#75
○小倉政府委員 代位弁済につきまして、生産者と指定集荷業者、今の場合農協と約束がございます。他方また政府と指定集荷業者の約束があります。
#76
○綱島小委員 生産者ともありますか。
#77
○小倉政府委員 生産者と指定集荷業者とが代位弁済の約束をしております。政府はその約束を了承した上で、そういう事態が生じたならば、指定集荷業者に対して代位弁済を請求します。こういうふうに三角関係みたいな約束になっております。
 それからお尋ねの本来の理事の権限ということにつきましては、先生の御見解とちょっと違うのでございますが、定款なり業務規程に別段規定がない限りは、業務の執行として理事ができるというふうに解釈いたしております。
#78
○綱島小委員 それでは具体的に生産者とも契約しておられますか、しておられませんか、そこを具体的に聞いておる。実質は生産者と契約されたに違いない。それ以外の者と契約されれば、食管法違反だから、そういう契約は効力がない。けれども債務引き受けということの分だけがかりに有効だとすれば1私は無効だと思っているが、かりに有効だとすれば、その点に対する授権行為があるかどうか。農協の理事者に対して授権行為を認証してあなた方契約されたかどうか、農協の場合だけですよ。商人の場合はこれは本人だから問題は起らない。どうですか。
#79
○小倉政府委員 契約は、代位弁済につきましては、生産者と指定集荷業者が契約いたしております。それから政府がその契約を基礎にいたしまして指定集荷業者と代位弁済のような場合が起れば、指定集荷業者に対して代位弁済を請求する、こういう約束をいたしております。
 それからお尋ねの理事の権限の問題でありますが、それは先ほどお答えしました通りに解釈いたしております。
#80
○綱島小委員 これは仮設的な問いですが、かりに生産者と農協が契約をしておらぬときは――あなたがみな見届けてやったものでなかろうと僕は想像するのだが、しておらぬときはどうですか。生産者が農協に代位弁済権を授権してない場合、それはどうですか。
#81
○小倉政府委員 そういう場合を仮定いたしますれば、政府が農協に対して代位弁済を請求するというわけには参らないと思います。
#82
○中西説明員 長官が申しましたように、農民と指定集荷業者との間でいわば第三者のため――第三者はそのときは政府になりますが、第三者のためにする契約を結びまして、それに対する受益の意思表示というのも別途承諾書という形で政府がいたしております。
 なおお尋ねの概算払いを払います際に、そういう代位弁済契約を確認しておるかどうかという点でございますが、これは概算払いの申請の書類にその点を明記することになっております。それを私の方の検査官が確認いたした上で概算払いを支払っておりますので、代位弁済契約を確認しないで概算金を支払うということは、よほどの間違いのない限り、ないことになっております。
#83
○綱島小委員 そうすれば本来の法律問題だけが残ってくるのですが、そうすると事実上は代位弁済の契約書というものができていることを確認して概算金を支払うことになっておったのですか。――それはそう伺っておきます。もしそれがなければ農民に対して特別な契約の履行は不可能である。従って本人に対しての履行義務のないものは代位弁済の義務は当然消滅する。農協がもしも独立して契約した場合は損害賠償の責めに任じますという特別な独立した契約を農協がしておるとすれば、それについては特別の授権行為がない限り、越権行為であるから無効である、こういう解釈をしておりますが、大体それは中西君の言われる通り、全部生産者各自から授権行為があることを確認して概算金を支出されておる、こういう事実に相違ありませんか。
#84
○中西説明員 私の方が概算金を支払います際の手続上そういう過誤はないように概算金申請委託書というものの様式を定めまして、その様式と一体になって代位弁済の契約ということも明確にした上で概算金を支払っておりますので、間違いはないと思います。
#85
○芳賀小委員 私は現実の問題の上に立って尋ねておるのですが、先ほどの長官の答弁によると、生産者が不可抗力の事由によって、米の売り渡しを契約通り履行することができない。その不足分に対してはもちろん金銭で返還するということに契約がなっておる場合であっても、生産者自身がそれを弁済することができない形になっておるわけですね。必ず集荷団体に代位弁済させるという契約が締結されておるとするならば、生産者自身が概算金を直接政府に返納することができないことになっております。その点はいかがですか。
#86
○小倉政府委員 ちょっと御質問の趣旨と違うのですが、生産者が払えればもちろんそれでよろしいのでございます。指定集荷業者の代位弁済の義務はその場合発生いたさない、こうなっております。
#87
○芳賀小委員 その認定はどこでやるのですか。集荷団体と政府との間における弁済の義務に関する契約が結ばれておるのでしょう。米穀が出荷できない場合には、その不足分というものは、集荷団体に返納させるという義務を負わしておるのです。その場合は当然集荷団体の責任において、その不足分というものは返納しなければならないのでしょう。そういうことじゃないのですか。そうでないとすれば、生産者と政府の間において、直接の契約が締結できておって、それを履行すればいいということになる。そうだとすれば、生産者と政府の間の契約に対して概算金を渡さないということは私は違法だと思うのです。
#88
○小倉政府委員 生産者に概算金を出さない場合がある、その場合には違法ではないかというお尋ねであるようでございましたが、生産者に概算金を渡します場合に、やはり政府といたしましては、それが米の売却代金なり米の売却できないときにはそのかわりに概算金を返していただかなければなりませんので、そういう場合の措置をおもんばかりまして、指定集荷業者が中に介在する場合にだけ概算金を支払いする、こういうことにいたしておりますのでその措置の当、不当ということはあるいはあるかもしれませんが、不法という問題は生じなかろう、こう存じます。
#89
○芳賀小委員 その点を明確にしておいてもらわなければならぬ。集荷団体と政府の間において結ばれた契約というものは、集荷団体が代位弁済者となって、第三者代位弁済の立場をとって政府に返納するという契約が締結されておるのでしょう。その場合長官の先ほどの答弁によると、生産者は直接返してもいい、そういうことを言われておったのです。そうなりますと代位弁済というものは生産者が返納しなかった場合、返納の義務を怠った場合に限って、集荷団体に第三者代位弁済の義務を負わせるのかどうかということになる。その点はいかがですか。
#90
○小倉政府委員 その点は御趣旨のようでございます。
#91
○芳賀小委員 そういう場合に生産者が善意の意思において返納できないという事態が当然ある。不可抗力の事由によって米を売り渡すことができないから、幾ら払いたいと思っても払えないという場合、義務を履行できないという事態になると思う。この場合においてもやはり集荷団体が代位弁済の責任に任じなければならぬ。それともう一つは、悪意で生産者が返納しない場合でもやはり集荷団体は代位弁済の責めに任ずる、こういうことでしょう。
#92
○小倉政府委員 二つの場合をあげられましてのお尋ねでございますが、お尋ねの通り解釈しております。
#93
○芳賀小委員 そういうことになると、後日非常に混乱が起きる。一応概算金を返納する分に対しては、まず段階として集荷団体に返納さしてそして代位弁済をした集荷団体がそこで初めて債権が効力を発するのでしょう。それを事前に、売り渡し契約をする前に第三者弁済のその効力というものは出ていないと思うのです。ところが、先ほどの説明によると、政府と集荷団体の間においても代位弁済の契約ができておる、集荷団体と生産者の間においても代位弁済の契約ができておるということになると、これは法理上からいっても解釈に問題が出てくると思う。代位弁済の場合には当事者が了承しておってもおらなくても、第三者が代位弁済をした場合にはその効力が発するのでしょう。そうじゃないですか。当事者が承諾しない場合は第三者弁済のその債権というものは効力を持たないのですか、どうですか。
#94
○小倉政府委員 お尋ねの趣旨がちょっとわかりかねた点があるのでありますが、生産者が概算金を返納しなければならないようなことになりまして、しかも返納しない、こういう場合に指定集荷業者が生産者にかわって払います。こういう約束が指定集荷業者と生産者の間にございまして、政府はその指定集荷業者の代位弁済について承知いたしましたという場合にはあなたに請求いたしますよ。こういうことになっておりますが、それは合法的に成立している契約だと存じます。従いましてそういうことで、請求をしなければならぬことになるわけであります。
#95
○芳賀小委員 そういうことを聞いておるのじゃない。第三者弁済による効力というものはどこから発生してくるかということです。
#96
○小倉政府委員 効力自体は、もちろん代位弁済にするというその契約と、それから受益者と申しますか、第三者である政府がそれを了承することによって契約自体は成立する。それから、具体的に代位弁済の請求権が発生いたしますのは、生産者が概算金を返さなかった場合、こういうことであります。
#97
○芳賀小委員 それで、順序としては概算金の返納の義務は契約の上から見れば、生産者でなくて、むしろ政府との間においては集荷団体にあるのではないですか。そうじゃないですか。とにかく請求は政府が集荷団体に対してするのでしょう。生産者に対しては返済の督促とか催告はやらないでしょう。集荷団体のみに限ってその返済を求めるのではないですか。
#98
○小倉政府委員 代位弁済の必要性を持ったような場合におきましても、生産者の政府に対する概算金の支払い義務がなくなるというわけではないと存じます。ただその場合には、先ほどのお尋ねの契約もございますので、政府としては指定集荷業者から代位弁済を求めるということもできますけれども、それによって生産者の政府に対する概算金の返済義務が全くなくなったわけではございません。ただ指定集荷業者が代位弁済をすれば、政府に対する債務はなくなるわけですから、代位弁済をいたしました指定集荷業者が、今度は生産者に対して代位弁済した部分についての求償権に類する債権が発生する、こういうふうに存じます。
#99
○芳賀小委員 だいぶ違うじゃないですか。先ほどの中西課長の答弁によると、概算金の返納に対しては、集荷業者と政府の契約に基いて、そうして集荷団体に対して請求することになっているということを課長は明確に言っておる。あなたの場合は、生産者にも請求するし、また集荷団体にも請求する、二様に当事者を作っておるというのは非常に変ではないですか。債権が二様になっているのですか。政府から見れば二重債権の形になっているのですか。
#100
○小倉政府委員 代位弁済を求めます場合でありますが、もともとこれは生産者の返還義務でございますので、生産者に請求するというのがやはり当然の建前だろうと思います。ただ政府が生産者に返還を求めても、生産者が返還できない場合に、具体的に代位弁済の責任と申しますか、義務が発生する。そこで指定集荷業者に代位弁済を求める、こういうことになろうかと存じます。
#101
○芳賀小委員 いや違うでしょう。先ほど説明された売買業務契約書の第八条の規定によると、「乙に概算払申請の委託をした生産者について概算要返納額を生じたときは、乙は、遅滞なく所定の概算金返納書を作成して所長を経て長官に提出し、これを返納しなければならない。」ということは、ちゃんと契約書に明らかにうたっているのです。これはどうでもいいわけですか。
#102
○小倉政府委員 ただいまお読み上げになりました第八条は、これはお話のように、概算金の返納を生じて、そのときに生産者が払えばそれでよろしいのです。払わない場合の概算金の要返納額、こういうことと存じます。
#103
○芳賀小委員 生産者が払っても払わなくても、返納しなければならない事態が生じた場合には、集荷団体は返納するという処置ではないのですか。そうではないのですか。生産者が直接払う場合は返納にならぬのですか。
#104
○小倉政府委員 生産者が払います場合はそれでよろしいのでございまして、その場合はもちろん代位弁済ということはなくなるわけでございます。
#105
○芳賀小委員 生産者が返済する場合も、委託した集荷団体を通じて返納するのじゃないですか。直接生産者が政府に返済することもできるのですか、集荷団体を通じないで。
#106
○小倉政府委員 返済の仕方は、お尋ねのように集荷団体を通じて返納するということであります。
#107
○芳賀小委員 そうすると、集荷団体に弁済の義務があるのですね。直接生産者が政府に弁済するということはどこにもないじゃないですか。
#108
○中西説明員 概算金を返していただきます場合に、生産者が、直接返して下さる場合と、生産者が返さないで代位弁済きれる場合と、両方ありますが、両方とも指定集荷業者を通じて返していただくことになっております。手続としてそういうふうになっております。
#109
○芳賀小委員 そうでしょう。その場合、本人が返すとか返さないとかいう認定はどこでやるのですか。たとえば地域によって十二月三十一日を経過した日から、あるいは地域によっては一月三十一日を経過した日から、これは代位弁済をしなければならぬという義務が集荷団体に対して生じてくるわけですか。これはどういうことになっておるのですか。その義務の発生の時期ですね。
#110
○中西説明員 お話のように、十二月三十一日をもって生産者が要返納額をみずから返してしまえば、それで問題は全部済みます。そのときに、代位弁済を要する分があれば、その関係は生産者と指定集荷業者の間でそういう区分けが行われるわけでございます。
#111
○芳賀小委員 そうじゃなくて、集荷団体はいわゆる代位弁済をしなければならない時期、それは十二月三十一日あるいは一月三十一日を経過した場合には、代位弁済をしなければならぬでしょう。そういうことにならぬのですか。これはいつでもいいのですか。
#112
○中西説明員 要返納期日が参りましたときに返還の義務が発生いたします。
#113
○芳賀小委員 それは代位弁済の義務がそのときから発生するのですか、それ以前のは代位弁済にはならぬのですか。生産者が任意に返納するのは……。
#114
○中西説明員 先ほどから申し上げておりますような契約に従いまして、要返納期日が参りましたときに、自動的に要返納の義務が生ずるわけでございます。別段の納入告知は発しません。
#115
○芳賀小委員 その点明確にして下さい。
  〔「芳賀君幾ら聞いたって同じことだよ」「休憩、休憩」と呼ぶ者あり〕
#116
○笹山小委員長 それでは暫時休憩します。
   午後五時五十一分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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