くにさくロゴ
1947/11/27 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第34号
姉妹サイト
 
1947/11/27 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第34号

#1
第001回国会 厚生委員会 第34号
昭和二十二年十一月二十七日(木曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席委員
   委員長 小野  孝君
   理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君
   理事 大瀧亀代司君 理事 徳田 球一君
      太田 典禮君    角田藤三郎君
      福田 昌子君    松谷天光光君
      武藤運十郎君    師岡 榮一君
      園田  直君    大野 伴睦君
      近藤 鶴代君    榊原  亨君
      野本 品吉君    齋藤  晃君
      寺崎  覺君
 出席政府委員
        農林事務官   山根 東明君
        農林事務官   安孫子藤吉君
 委員外の出席者
        厚生事務官   久下 勝治君
        厚生事務官   高田 正己君
        農 林 技 官 岡本 修三君
    ―――――――――――――
十一月二十四日
 國立療養所入院費患者負擔反對の請題(村上清
 治君紹介)(第一一七八號)
 鍼灸マツサージ師法制定に關する請題(小野孝
 君紹介)(第一一八一號)
 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(佐々木秀世君外
 三名紹介)(第一一八五號)
 驅蟲劑サントニン輸入の請願(福田昌子君紹
 介)(第一二一七號)
 鍼灸マツサージ師法制定に關する請願(齋藤晃
 君紹介)(第一二四一號)
 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(森直次君紹介)
 (第一二四三號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 國民醫療法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)(第一〇五號)
 毒物劇物營業取締法案(内閣提出)(第一一〇
 號)
 住宅問題に關する件
 保健及び衞生に關する件
    ―――――――――――――
#2
○小野委員長 これより會議を開きます。
 前會に引續いて國民醫療法の一部を改正する法律案、毒物劇物營業取締法案を議題に供します。この兩案につきましては、先日も別段御質疑の御通告もなかつたのでございますが、質疑は終了したものと認めてよろしゆうございますか
#3
○田中(松)委員 ちよつと簡單に…。第五條に「左に掲げる者は、事業管理人となることができない。」として、一、二、三、四という項目があげてございます。そして「前項に定めるものの外、事業管理人の資格に關する事項は、厚生大臣が、これを定める。」とあります。この「事業管理人の資格に關する事項」というものは、すでに四つの項目があげてございますから、これはいけない、これ以外はいいというような、一應解釋がつきますが、そのほかに別に資格をつくつておかなければならない理由です。これは問題が起らないときには何でもないことのようでございますが、たとえば何人もこの事業管理人になりたいという競願者があつたような場合、ともすると、そういうはつきりした條文でないと、いろいろ裏面工作をするような有力者の方が資格を獲得して、そうでない者が選に漏れるというようなことが、こういう問題にからんでよく今まであつたのでございます。そういう點についてお伺いをいたしておきたいのでございますが、こういう四つの項目がいけない、そのほかのものは一應いいことになるが、この中にまた別にどういう資格をお含みになつておるか。そういう點をお聽せ願いたいと思います。
#4
○久下説明員 私からお答え申し上げます。第五條に絶對的缺格條項としまして、御指摘のように掲げておるのでございますが、このほかに積極的な事業管理人としての要件として、ただいま考慮いたしておりますのは、第一には藥劑師、第二には官立もしくは公立の理工科専門學校、または文部大臣がこれと同等と認めて規定した理工科専門學校、以上の學校で理化學を専攻して卒業した者、第三に事業管理人試驗に合格した者、こういうようなことを管理人たるの要件として、命令の中に定めたいと思つておるのであります。この管理人はこの前の規定にございますように、毒物、劇物の營業者のもとに使われまして、毒物、劇物の取扱いを責任をもつてやる、こういう立場におるものでございますので、營業それ自身と關係もございませんので、御縣念のようなことは實際問題として起らないのではないかと思います。また私どもといたしましては、今申し上げたような絶對的な缺格條項に該當せず、また一方今申し上げたような絶對的に要件に該當し得るものでありますれば、必ずしも一人に限つたことはないというふうにも考えておりますし、御縣念のような御心配は實際問題としてはないのではないかというふうに思つております。
#5
○小野委員長 以上をもちまして質疑を終了いたしました。討論を省略して採決いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○小野委員長 御異議なしと認めます。國民醫療法の一部を改正する法律案及び毒物劇物營業取締法案、この兩法案につまきして、政府原案通り可決するに贊成の方は御起立を願います。
    〔總員起立〕
#7
○小野委員長 起立總員。よつて兩法案は政府原案通り可決いたしました。なおお諮りいたしますが、議長に對する報告書に關しましては委員長に御一任願いたいと思いますが、異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○小野委員長 御異議なしと認めましてさように決します。
    ―――――――――――――
#9
○小野委員長 なお前會より山崎道子さんから厚生一般問題について緊急の質問をいたしたいという申出がありますのでこれを許します。山崎道子君。
#10
○山崎(道)委員 この際お伺いいたしたいと存じますことは、主といたしまして住宅の問題でございますが……。
    〔委員長退席、田中委員長代理著席〕
この住宅の問題と申しましても、いつも住宅問題は戰災復興院であるというようなことで逃げられておるのでございますが、私がお伺いしたいのは、保護施設に關してのお考えを承りたいのでございます。
 今日新聞紙上でごらんになりましても十分御承知いただけると思いますけれども、家のないためにどんなに一般の人々が困つておるか、殊に困窮者の生活はみじめで保護施設の不足、その運營が間違つているじやないかと思うような點について、どうしても了承できない點が多くあるのでありますが、厚生省といたしましては、この厚生施設の問題に對しましてどういうようなお考えをもつておいでになるかということを最初にお伺いいたしたいと思います。
#11
○高田説明員 お許しを得まして私からお答え申し上げます。ただいま山崎先生の御指摘のごとく、住宅の一般問題になりますと、所管といたしましては戰災復興院が所管をしておるということになつておるのでありますが、その中で生活に非常に困窮している方々の住宅の問題につきましては、厚生省といたしましても要保護者の保護という勸點から、從來もいろいろな手を打つておることは御承知の通りでございます。その意味におきましては、私の方にも仕事の上でぜひとも解決しなければならぬ問題があります。それで山崎先生も御承知のように從來とも相當な國費を費しまして引揚者の方々の寮でありますとか、あるいは一般の生活困窮者の方々、あるいは戰災者の方々の寮等を相當建設してまいつたことは御承知の通りであります。ただ一般の住宅問題の出發が御承知の通りでございますので、今日におきましても、なおその點不足だということは、私どももよく認めております。それでこれに對していかなる手を打つかということにつきましては、厚生省といたしまして、いろいろ考究をいたしておるのでありますが、何分にも相當な費用を要することで、それに今日におきましては資材の面がなかなかついて來ないということもございますので、相當な困難を伴うことは御想像していただけるだろうと存じます。實は昨年度の豫算の中から、金といたしまして措置いたしましたものにつきましても、資材が伴わざるために、まだその仕事は成就いたさないで、今年度に繰越して仕事をいたしておるのもございます。從いまして昨年度豫算的な措置をいたしまして、今年度これからでき上つていくというのもあるわけでございます。その意味におきましては、新たな豫算的な措置を講じませんでも、今日よりは若干は擴充されるということになつてまいるのであります。さようなわけあいでございますが、しかしさようなものが完成いたしたといたしましても、御指摘の通りにこの問題は相當大きな問題としてわれわれ對處していかなければならぬと存じます。殊に最近非常に問題になつておりますことは、北海道の住宅問題で、これは氣候の關係からいたしまして、内地のような不完全なものではなかなか越冬できない、あるいはまた内地のように小さい部屋に密集しておつては、御承知のようにストーブを焚きますので、なかなか越冬できないというような特殊な事情もありまして、相當な問題になつておる。北海道はかような状況でございますが、北海道のみならず、全般的に、殊に大都市を中心といたしまして、住宅のないために浮浪をする人も相當あるので、かような問題につきまして、なんとか一つ解決いたしたいという方針のもとに、今事務的に一體どのくらいの費用と資材が要るものだろうかということを計算をいたしております。大體府縣の要望がそれぞれございますので、これを集積いたしまして、財政當局とも折衝をごく近日中に開始いたしたい、かような段取で進んでおります。以上お答え申し上げます。
#12
○山崎(道)委員 段取をお進めいただいておることはよくわかつておりまするが、先日私は武藤委員と御一緒に上野のテント村を視察にまいりました。十一月十二日の新聞に上野のテント村のことが出ております。私たちはこの雨の降るのにあの人たちはどうしているだろうと、いても立つても、いられない氣持で、武藤さんと一緒に視察にまいつたのでございます。資材がない、いろいろな豫算が要るという點は了承いたしますが、だからといつてあの状態を放置していいということは考えられないのでございます。第一、行つてごらんになつたかどうかわかりませんけれども、母子寮と稱しておるところでは十一疊に實に子供をいれて二十人住んでおります。しかも板の間に荒むしろが敷いてあるだけ、そして殊にふとんと申しますとまつたくせんべいぶとんで、お互いが敷いて寝ております敷ぶとんは三布でございますが、あそこで使つておりますのは二布半でございます。それで寝ますと足が五寸ぐらい出ております。子供のふとんでございます。このふとんが二枚充てられるだけでございますから、むしろの上にその薄いふとんを一枚敷いて、そして一枚掛けて寝るだけでございます。そういたしますと足が出て寒い、横になつて足を縮めて足がふとんにはいるようにくふういたしますと、しりとひざが出てしまうのでございます。どうしても一晩寝られません。私自身も間借生活でほんとうに最低の生活かと思つておりますけれども、それでも家の中でございます。テントの中で薄いふとん二枚きりで寝ろという方が無理だと思うのであります。しかもそれが保護施設だと言う。一體保護施設とはどういうところかということを私は考えていただきたい。先日葛西局長はあそこは一時收容所だから、こうおつしやる。ところが一時收容所であるけれども、そこで更生しても收容する場所はないじやありませんか。從いましてあそこに定着している者が九十人、一時的に泊る者が六十人というようなことでございますが、こうしたことを現實にこのままにしておいて、この寒空にあそこで暮せというようなお考えでしようか。嚴寒に向いましたならば、あそこの人を收容し得る見込みがあるかどうか、この點を伺いたい、もう言い譯じやありません、實際問題であります。
#13
○高田説明員 上野の俗にテント村と申しておりますものは、これはお話のように、つくりました目的は一時收容所であつたのであります。それであの上野驛を中心として集まります浮浪者をあそこに一時的に收容保護しまして、そしてただちに區分けをしてそれぞれ諸收容施設に收容保護するという建前であれをつくつたのであります。從つてああいうふうないわば非常に不完備なものになつているわけでございます。ところがあそこが浮浪者の人たちの仕事をする足場として非常に便利がよいのでございます。それでそこに寢泊りしておりますと、驛を中心にいろいろな收入の途が相當あるようであります。そういう關係から他の施設に行けとお勤めしても行かない人もあるし、それから一度行つてもまた歸つてくるような人もあるというようなわけで、そういう人があそこに長期間御指摘のように泊つているのでございます。それでこれらの人たちに對しましては、ああいうふうな非常に不完全なところでありますので、たしかにあそこでずつと腰をすえて生活していくということについては相當問題だろうと思います。それでこういうふうな人たちに對しましては、特に足場のよいところへ收容施設をつくるという必要があるわけでございます。實はほかに都内に浮浪者の收容を目的としております施設が十數施設――私町確な數は忘れましたが、あるのでございます。それでなお子供なんかの施設は、御承知のようにたくさんあります。餘力のあるところもあるのでございます。ところが足場その他の關係で、本人の御希望からあそこに泊つている人が相當あるというような現實の問題になつております。それでなるべくならばあの近所の足場のよいところにもう少しりつぱな收容施設――どうせこれはパラツクにはなりますけれども、現在よりはましなものをつくりたいというふうな希望を東京都でももつておりまして、その計畫も進めておるようでございます。但しこれはなかなかめんどうな問題でありますし、なお前囘私が申し上げましたように、お金も資材も要る問題でありまするし、たとえその準備ができたといたしましても、時間を要しまするから、とりあえずの措置としては、嚴寒に向うのでございますから、本人たちによくお話をして、そうしてそれぞれ適當な施設に行つて更生の途を開いていただくように勤奬をいたします。なお子供が大分おるようでありまするが、子供はそれぞれ適當な浮浪兒の收容所がございまするので、その方へ入れるように東京都に指示いたしたい、かように存じております。しかしながらあそこのテント村は、一時收容所として本來の目的のためにどうしても殘しておかなければなりません。これから一齊保護をたびたび上野近邊を中心にしてやらなければならないと思いますので、殘しておかなければなりません。しかしながら殘して一時收容所としましても、あのままでは不完全でございますから、一時收容所として利用するにしても、もう少しあの施設をよくしなければならない。この點につきましては、まず問題になるのは御指摘のように維寢具の類でございます。これは東京都でもあそこにもう少し寢具を入れたい。かような希望をもたて實現の運びに著々至つておりますから、やがてその問題は解決するかと思います。しかしながら前申し上げました、あそこへ泊る人につきましては、どうしてもああいうふうな一時的な目的をもつたものに適合したような建物でございますので、これは根本的な解決をしなければならないというふうに考えるわけであります。それに對しましては、今のようなことを考えておるわけであります。
#14
○山崎(道)委員 日時を要するということはわかつておりますが、敗戰以来相當な日時が經つておるのであります。これだけのことが起ることは當然わかつておるのでございますから、これは確かに怠慢だつだのじやないかしらと、私はその點を御反省願いたいのであります。それから住宅に對しましては、大邸宅の開放ということが緊急措置令で許されておるのでありますが、一體これに對して今までにどれだけの開放が行われたかということは、あなたにお伺いしてもおかわりにならないと思いますが、少し熱意がなさ過ぎる。私はかように考えております。緊急措置令にいたしましても、勸奬状を出しても、勸奬を受けた人はすぐに開け渡さないだけの手を打つておる。勸奬状を出すなら、勸奬状を受取つたときには移動ができないというような權限をもたせなければ、あれでは逃げ道を教えているようなもので、こういうところにも大きな手落ちがあると思うのでありますが、どちらにいたしましても、遊休施設もございますし、立ち腐れになつておるところもございます。名目だけボスの手に納められて何ら使われていないものに對しては、厚生省でももつと腰をすえて強く要求してほしいと思います。それからあなたが今申しましたように、適切なる收容所に入れようとしても動かない、そういう人もありましよう。しかしこれは全部ではありません。私たちに訴えてくる人もございました。ただ一人、二人の人があつたからといつて、それを理由として引延ばすということでなく、ぜひ早めていただかなければならないと私は強くお願いしておきます。それから子供を子供の設施へやるということでございますが、これは親と離してやるのでございますか、親と一緒に母子寮なり、父子寮なりに入れてくださるのですか、その點をお伺いしたいと思います。
#15
○高田説明員 いろいろなことを考えておるけれども時間がかかる。今まで一體何をしておつたかというお叱りで、まことに恐縮でございますが、實は今まで浮浪者に對する措置としては、著々と手を打つてきた。そのために前年度には相當の浮浪者の收容所というものができておる。ところが上野というところは一つの特殊なところでございまして、ちようど水が集まるように、新たな人がどんどんあそこに集まつてくるわけであります。それに何と申しますか、われわれの措置が追つつかない。こういうことでお叱りを受けるような結果になつたわけでございますから、その點はひとつ御了承を願いたいと思います。それから子供を親と離して入れるかという御質問でございますが、親にくつついた子供は、これは親子一緒に收容しなければならぬと思います。
#16
○山崎(道)委員 親に離れた子供もいるのですか。
#17
○高田説明員 浮浪兒も若干おるのじやないかと思います。
#18
○山崎(道)委員 それは子供はあすこにおく必要がないですね。これは子供の温かい保護施設にすぐやつていただきたい。今一つお伺いしたいことは、引揚者の住宅の現状です。これに對してのお見透しを一つ伺いたい。
#19
○高田説明員 引揚者住宅の全體的な計數的なことは、私ここでお答えをするほど計數を記憶しておりません。大體の状況といたしましては、先ほど申し上げましたように、北海道の引揚者の住宅が非常に問題になつております。引揚者の住宅と申しましても、最初申上し上げましたように、その中で非常にお困りになる方の住宅という問題が、私の方の關係になつてくるわけでありますが、全國的に相當なる逼迫を告げておるように府縣からそれぞれ報告を受けております。それをすぐ解決すベく、先ほど申しましたように今それを集計いたしまして、何らか政府として措置をいたしたい、かように考えて仕事を進めているわけであります。そういうことで一つ御了承を願いたい。
#20
○山崎(道)委員 政府で今北海道に對して集團住宅の計畫があることは聞いておりますが、それに對して豫算等は豫定しておりますか。
#21
○高田説明員 お答えいたします。北海道は主として樺太でございますが、樺太から引揚げてこられる無縁故者、全然縁故のない方々の住宅の措置は、これは全然新たに立てなければなりませんので、すでに豫算的な措置も終了いたしまして、現に仕事にかかつております。この方々については今後樺太から引揚げてこられる總數を見込みまして、豫定される無縁故者の方々の全體に對して手が打つてあります。その點は心配は一應ない。問題になりますことは有縁故の方々で、縁故が北海道にある。しかしながらいろいろ納屋にはいつておられるとか、あるいはまた六疊の間に非常に多數密集しておられる方とか、そういうふうな方々の住宅問題が今新たにまた起りつつあるわけであります。なぜかと申しますと、内地ならばその程度の御辛抱は願えるということになるかもしれませんが、特殊な氣候的な關係から、さようなことになつておるわけでございます。
#22
○山崎(道)委員 私が要保護者の住宅問題についてやかましく申しますことは、とにかくこれは一つの人道上の問題だからと思うのでございます。一面において民生委員が人を得ていない點が非常にございますので、あるところでは民生委員が、子供を抱えた未亡人が追い立てられて困つておるというような場合に何とか解決してやろうということで、貞操を要求しておるという例がございます。それから悪家主のごときは、そういうものを置いておいても金にならない。それをむりに追い出しまして、それをパンパンの一夜の宿に貸しておるという例もございます。こういうことで泣く泣く暮らしておる人はどういう道をたどるかというと、悪の道をたどるばかりでありますから、ぜひ收容施設を完備してもらいたい。これにはよほど思い切つた覺悟をもつてやらなければ、いつまで經つても豫算がない、豫算がないで終つてしまう。かように存じますから、私たちも聲を大にして應援いたしますゆえ、厚生省でも一つよほど強力な態勢を整えて豫算をとつて、こういうことの解決を一つ一つ推進していただきたいということを私は強く要求いたしておきます。
 それに續きまして、テント村の人のお話でございますが、芝浦のあたりには未だに昔さながらの飯場が在續されており、頭をはねられる。百圓働きましても、頭をはねられて八十圓くらいしか手にはいらないそうであります。それで飯場におれば食券がなくとも濟むそうでありますけれども、そういう所の食券は一體どういうふうになつておるのか。これはあなたの方の所管ではないでしようが、そのために飯場におると勞働は強化され、頭ははねられる。昔さながらの監獄部屋が存續しておるということを訴えておりましたので、この方面の御調査を私はお願いしたい。
 それから國立病院にはいつております引揚者、この人たちの配給がない。一般の外におる人には配給があるけれども、生活保護法であそこにおる人には食糧も衣料もそういう配給が何もないということを訴えられておられましたが、それはどういうふうになつておるかということをひとつお伺いしたい。
 それから先日厚生省から發表になりました越冬物資といたしまして、ふとんとか毛布、衣類というようなものが配給になるということが新聞に發表されておりましたけれども、これはどういう方法で配給されるのか。また一面聞きますところによると、ふとんは無償で配給するが、毛布は有償であつて、一枚九百圓、そうして毛布が三枚一組、ふとんは上下一組で、ふとんは無料であつて、毛布があたつた人は一枚九百圓で買わなければならぬ。ところが引揚者は一體いくらもらつて歸つてくるか。千圓より許されないとすればその人たちの九百圓の毛布を買わせるのか、この點私は伺いたいのであります。
#23
○高田説明員 お答えいたします。最初に御指摘の民生委員でさような者があるといたしますれば、これは非常に遺憾なことでありまして、さような場合には民生委員の解職の手續はできるのでございます。さような者がもしありましたならば、具體的に御指摘をいただけば何らかの措置が講じ得ると確信いたしております。
 それから芝浦のあたりに飯場があつて云々というお話でありましたが、私はさような實情をよく承知いたしませんので、調査をいたしたいと思います。
 それから越冬物資が一體どういうふうに配られるのかという御質問でありますが、これは私の直接の所管ではございませんが、聞いておりますところをお答えいたしますれば、全部でたしかふとん四萬組と毛布六十三萬枚だつたと思います。それで對象といたしますのは、昨年措置をいたしました以後の引揚者十二萬五千世帶と一般の生活困窮者の方々の中で十二萬五千世帶、大體こういうふうな見當でやつておるのであります。それでふとんあるいは毛布以外に服、肌著、その他いろいろこまごましたものがあると思うのでありますが、この分は全部無償で行くわけでございます。ただふとんと毛布は新たな生産品でございますので、これは原則として有償ということになつているわけでございます。ところが御承知のように買えない方々がありますので、引揚者の方々の中で生活保護法によつて保護されている人々は全部本人直接には無料で行く。ほんとうは有償でありますが、生活保護法の方でその金を出す。そうしてその方々の數の三割くらいはまた別に生活保護法の方で差額を出す。たとえば三千圓かかるものなら、その人たちが千圓の負擔能力があれば二千圓を生活保護法の方でカバーするということにいたしまして、その他の金をもつている方々には有償で行く。かような行き方になつているように私は承知いたしております。
 それから國立病院の點でございますが、これはもう少し實情を調べてお答えさせていただきたいと思います。
#24
○徳田委員 最近蛔蟲が非常に蔓延いたしまして、おそらく國民の全體がこの蛔蟲に惱まされているのではないかと思うのでありますが、この状態がどうなつているのか、ひとつ報告してもらいたいと思います。
#25
○久下説明員 寄生蟲病の蔓延の状況につきましては、私實は所管が違いますので數字をもつてまいつておりません。ただ御指摘のように非常に最近蔓延いたしているということは承知いたしております。醫務局といたしましてはこれに對應いたします驅蟲劑の問題について頭を惱ましておりますその實情を概略申し上げたいと存じます。驅蟲劑といたしまして最も效果のありますのは御承知の通りサントニンでございます。現在わが國におきましては、みぶよもぎというものを栽培して、政府におきましてもこれの栽培の奬勵をいたしているのでありますが、その數量は非常に少いのでありまして、月産三十キロないし四十キロ程度しかできないのでありまして、とうてい現在の需要を賄うことはできない實情にあります。そこで厚生省としては連合軍司令部に對しまして終戰欄再三サントニンの輸入を懇請いたしておりましたが、最近連合軍當局の御好意によりまして百キログラムだけ輸入ができたのであります。以上申し上げました國内産のわずかのものと輸入したものとを加えまして、散劑で使用されますと非常に無駄が多いのでありますから、これを全部錠劑に製造して配給いたすような手配をいたしております。以上申し上げたような程度のものでございまして、とうてい豫防という方面まで使用することができないのでありまして、目下のところでは寄生蟲によります比較的重症な患者の治療に限定して使用するという建前によりまして、その配給方法につきましても各都道府縣を通じて全國の保健所に少しずつもたしておきまして、もよりの病院、診療所から寄生蟲病患者の發生の連絡がありましたら、そこに配給して使用してもらうということをやつている實情でございます。全體としてサントニンがどのくらい要るかということでございますが、戰前は一箇年に約二トン輸入をいたしておつたのであります。全國の所要量をサントニンだけで賄うものといたしますれば、二トンないし三トンあれば用が足りるのではないかと思つておるのであります。しかしながら最近の状況はストツクを完全に使い果している状況でありますので、サントニンだけで所要量を賄うといたしますと、一箇年約五トンくらいの輸入をしなければ賄えない事情でございます。このような實情で非常に困つておりますので、厚生省ではこの對策といたしまして、連合軍最高司令部に目下輸入の懇請をいたしておりますが、驅蟲劑として海人草三百七十五トン、ヘキシルレゾルシン二十トン、サントニン約二トン、これだけあつたならば、日本の寄生蟲豫防及び治療の目的を達すると思います。このうちヘキシルレゾルシン約三トンが國内産に期待でき、サントニンは年額〇・五トンに生産が期待されまするので、從つて海人草三百七十五トン、ヘキシルレゾルシン十七トン、サントニン一・五トン、これだけの數量を輸入してもらいまするように、ただいま懇請をいたしておるところであります。なお一方において代用驅蟲劑というものに最近フエニルチオウレタン、ヘキシルレゾルシン、こういうものについて厚生省としては國内の製造を指導督勵いたしておるのでございます。フエニルチオウレタンの方は大體製造工程にはいつております。厚生省としてはこれに原材料を特配して生産を進めておるのでありますが、これは使用する醫師の側において效果について多少異見があるようであります。ヘキシルレゾルシンの方は相當效果があるということははつきりしておりますが、この方はまだようやく技術的に製造し得る見透しがついておる程度であります。先ほど申しましたように、現状において約三トンくらいの國内生産が期待されますので、今後この方面に大いに力を盡していく。先ほど申しました連上軍當局への輸入の墾請と同時に、國内のサントニンの増産あるいは代用驅蟲藥であるヘキシルレゾルシンの増産に力を入れておる次第であります。
#26
○徳田委員 海人草は大體沖縄から來るそうでありますが、現在の状態で、沖縄の生産がこんなに莫大に三百七十五トンもあるでしようか。またこれが輸入の可能性がありますか。
#27
○久下説明員 御指摘のように、沖繩だけではちよつと全部の量は賄えないと思つております。これは臺灣方面にも出ますから、それらを合せて、各方面から大體この程度のものは何とかなるだろうという見込であります。
#28
○徳田委員 きわめてこれは不安定なものではないでしようか。今臺灣は御存じの通り非常な騒亂状態にあつて、革命的ないろいろの紛争があるし、沖縄もなかなか困窮の状態にあります。從つてこの海人草はなかなか望みがたいのではないか。どういたしましても主としてサントニンによらなければ、その他の今お話になつたようなものを製造中だとか、あるいは試驗中だとか何とかいうのではきわめて不安な状態であります。結局これはサントニンに求めない限り今の状態を克服することはできないと思います。現にあなた方の方で少々ながら配給されておると言われておりますけれども、事實ちつとも配給はない。ほんのわずかばかりで、きくかきかぬかわからぬけれども、私も二囘飲みました。飲みましたがちつとも出てこない。いないかもしれないけれど出てこない。これが一服三十五圓で賣られておるようなわけでありまして、今のような千八百圓ペースで生活しておる勞働者諸君にはとうてい手にはいらない。のみならず非常に農村にたくさん蛔蟲はあるのでありまして、農村一般におきましてもこの蛔蟲には非常に惱まされておるように聞いておるのでありますが、一體蛔蟲にかかつておる人口比率、現在の治療の状態、こういうものはどれくらいある見込みですか。
#29
○久下説明員 お話のようにサントニンが驅蟲劑としては最もいいのでありまして、少量でしかも効果は的確でありますので、これを輸入することがさしあたつて期待し得る、期待したいと思つております問題でございます。今患者その他の數字のお尋ねもあつたようでございまするが、最初に申し上げましたように、その邊の見透しにつきましては、豫防局の關係で、數字を持つてまいりませんので、後ほど申し上げたいと思いますが、要するに最初に申し上げました通りサントニンだけで賄うものとして、大體これを國内に萬遍なく行き渡らせますためには約五トン要るのでございますが、實際問題としては、國内産は五百キログラムしかできない、輸入が許可されたものが百キログラムで、合計年額六百キログラムしかない。五トンの需要に對して六百キログラムできわめて足らぬような實情でございまして、私どもといたしましても八方ふさがりで惱んでおる状況でございます。できるだけ早く連合軍當局の方とも交渉をなお續けまして、一日も早く問題を解消したいと思つております。
#30
○徳田委員 大體實情はわかりましたので、ここで委員會としまして、これは決議というほどのものでなければ決議でなくてもいいのですが、できるだけひとつ決議をしておきたいと思います。サントニンばどうしてもソヴイエト同盟でない限り、今のところは全世界で生産せられるのはわずかでありまして、結局ソヴイエト同盟に仰がねばならないと思うのであります。一箇年五トンはソヴイエト同盟の産額から言いますとほんのわずかであるから、これは可能性があると思います。そこでソヴイエト同盟に對しまして、この國内情勢を述べまして五トンを輸入せられんことを墾望する決議案をこの委員會から本會議に出しまして、そうして本會議の決議によつて、これをG・H・Q竝びに國管理委員會を通じまして、この問題を最大至急に解決したいと思うのであります。そこでこの使用でありますが、現在の生活状態におきましては、できれば國家が無償で配給して、無償でこれを豫防しますれば、これはこの前豫防局長の話によると、糞便のところへこれを萬遍なくまきますれば、ただちに蟲は死ぬそうでありまして、冬の間にやつておくと非常に効果があるという話でありますから、ぜひともこれは大々的にやるべきだと思う。もしこれを有償で配るとしましても、ソヴイエト同盟から得ました原價で國家の手で配給してもらいたい。この點も委員會としまして決議せられるように提議したいのであります。
#31
○田中委員長代理 ちよつと速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#32
○田中委員長代理 速記を始めて……。徳田委員からの申出につきましては、後刻理事會を開きまして、御發言の趣旨に副うように努力いたしたいと思います。
#33
○山崎(道)委員 先ほど民生委員の悪に者は即時によさせるというようなお話でございました。この前こういうことがございまして、一度申し上げましたら、厚生大臣は實情を調査して、それが事實ならば處斷をいたしますというようなお話でございます。私は先日行つて調査してまいりました。これは川越市の問題でございます。これは引揚者で夫はソ連領に今なお留置されて歸ることができない。子供三人抱えておる家庭でございます。その人が民生委員を通じまして生業資金を今年の四月に五千圓借りました。ところが六ヶ月後の九月十二日に現金五百圓、利子百三十五圓を支拂えという催促でございました。ところが引揚者でありますから、わずか半年の間にこれらを返せる道理がないのでございます。子供三人抱えての細々とした商賣でございます。その實情を訴えて延期方をお願いいたしましたら、民生委員がどうしても聽かない。そのためにもし拂えなければ差押えをする。差押えると言つたつてこの通り何もございません。じようだん言うな、今の世の中ではかま一つ賣つても二百圓も三百圓もする。かまくらいあるじやないかというような脅迫的な態度によりまして、やむを得ずこの人は――御承知のように生業資金は半分は封鎖で半分は現金でくれます。半分封鎖になつていたのを拂出しては細々三文商いの元手にしておりました。五百圓封鎖が殘つております。それじやその封鎖を充ててください。そうしてあとは、と言うので配給になつたシヤツを賣つて、ようやくこの六百三十五圓というお金を納めた。これが民生委員のとるべき態度でしようか。しかも生業資金には六ケ月――私はあれを審議いたしますときにはたしか一年間は据置き、そうしてその次から拂えるものは拂うというようなことで、もし拂えない場合には猶豫の規定もあつたはずでございます。ところがこの間細則を見せていただきましたら、六ケ月でもとれるようになつております。もちろんこれは法の運營の問題でございまして、少くとも民生委員がこういう態度をとることは私はけしからぬと思います。しかも川越市の役場の當局もけしからぬ。會合の場所で扶助料なんかを受ける者は恥かしいことなんです。ですから諸君は扶助料なんかを一日も早くやめていただかなければならぬということを滿座の中で話しておる。夫が留置されて自分は引揚者で、子供を三人抱えて、非常に不幸な家庭でございます。女の姉妹三人とも――一人は今の状態、あとの二人は戰死者の末亡人でございます。この三人が寄り合てて細々とした生活を立てておる。これに對してこういう暴言を吐いておるというところに、民生委員に對する攻撃が起きるのでございまして、この民生委員は自由黨の橋本四郎という川越市の市會議員でございます。この點あなたの方でも御調査願いまして――こういう例があるのでございます。あればやるということですから、私は斷固やつていただきたいということを強く要望いたします、ただ最底生活は國家において保障するというような意味でできました生活保護法が、その扱う民生委員によりまして非常にゆがめられておる。しかも保護を受ける人が泣いておるという實例は全國にございます。けれども私はここに實例を申し上げまして、當局の處斷をお願いしたいと存じます。今日はこの程度にいたしまして、厚生省の方に對する質問は打切りたいと思います。
#34
○田中委員長代理 山崎委員に申し上げますが、農林省の方から薪炭の係、疊表の係の方がお出ででございます。食糧問題は今しばらく後まわしにして薪炭、疊表、それに關運ある御質問の方を願います。
#35
○山崎(道)委員 薪炭に對しましては、御承知のようにこの寒空を控えまして國民が非常に困窮いたしておるのでございます。御承知のように電熱器も使えなくなりました。そして薪炭の配給は何にもない。これでは一體生米を食つて生の野菜をかじつて生きていけと言うのかというようなことで、國民から私たちは質問を受けて非常に困つております。私自身といたしましても何にせ配給がございませんので、このごろでは紙屑を燃したりなんかしてようやくやつておるような状態でございますが、この薪炭に對する當局のお見透しを私は最初にお伺いいたしたいと思います。
#36
○安孫子政府委員 結論を先に申し上げますと、年末を控えまして燃料の問題が非常に窮迫いたしております。この點について私どもも何とか打開いたしたいといろいろ努力しておつたのでありますが、大體最近において得ました結論を申し上げますと、年内に炭は標準世帶につきまして一俵、それから薪を五束程度、それから煉豆炭等の加工燃料でございますが、これを一包ばかりというものを配給いたしたい。こういう前提のもとに今全力をあげておる次第でございます。そのうちの木炭でございますが、これは言譯がましくなつてはなはだ相濟まぬのでありますが、當初計畫いたしましたときからほど經まして、關東竝びに東北の水害がございまして、特に産地におきまする小運送等が非常に混亂をいたしました。その後貨車輸送につきましては、食糧等との競合問題もございまして、いろいろ混亂をしてまいつたのであります。しかし十一月一日から輸送當局とも十分な連絡をとりまして、岩手方面から臨貨を約四十輛、福島縣から三十輛程度、なお十月の中旬から岩手方面から臨貨が二十五輛出ておりましたのでありますが、こうしたものを強行いたしております。十一月早々におきまする實績を見ますと、十分に軌道に乗つておらなかつたのでありますが、最近末端の方にも漸次徹底してまいりましたので、入荷の状況は好轉いたしております。なお京濱地帶の木炭の關係から申しますと、何としても大きいのが北海道炭の輸送でございます。これは釧路港から船積みにいたしまして大量に京濱に向ける豫定をしております。一、二船著いておりますが、これについても一番問題になりますが道内における貨車輸送の問題であります。これもある程度の目鼻がついておりますので、ただいま申し上げました標準世帶について一俵程度の配給は年内においてできるだろうという確信をもつている次第でございます。大要結論だけを申し上げます。
#37
○山崎(道)委員 これは確實でございましようね。これがもしはずれるとたいへんなことになります。これは皆さん方の御想像以上で、各家庭ではもう爆發點まで來ているわけであります。私どもが演説會や座談會に參りましても、一體皆さん方は生でかじつていけと言うことかということで鋭い質問を受けまして、その答辯に私たちは困窮している状態でありますので、その點も御考慮願つて、ぜひ年内に一俵は――輸送その他の關係もあり、はなはだ心もとない状況ではございますが、これだけは必ず確保してもらう。同時に輸送の面も極力鐡道の方とも折衝していただいて狂いのないようにしていただきたい。地元には炭があくびしていて、われわれの方では困つているということは、政治の貧困だと指摘されてもしかたがないと考えるのでございます。
 なお炭の生産價格と配給價格とに非常に差があるのでございます。その間何段階もの關所を通らなければならぬというような點については何とかここに方法があるのではないかと思いますが、どういうお考えでございましようか。
#38
○安孫子政府委員 ただいまの目標の實現につきましては、私どもも輸送當局その他と十分連絡をとつてぜひ完遂する覺悟で努力いたします。
 それから價格差の問題でございますが、これは御指摘になるまでもなく、この問題が生産者の生産意欲を相當阻害している事實を私どもも卒直に認めるのであります。しかしながらこの價格差のよつて生ずる原因は、いろいろの段階を通るということのほかに、一番大きな理由としては、全國のプール計算をやつていることが根本原因となしております。北海道の木炭を東京等に運ぶ場合には非常に運賃を要します。殊に鐡道がききませんので、船輸送をやつております。それから産地等において、たとえばAの町村で生産されたものをBの町村で拂下げをする場合に同じ格差にいたしております。逆に申しますと大消費都市における配給價格を實質以上に底めておりまして、その分が地方の消費者にかかつているというような全國的なプール計算の建前から價格差が生じている次第であります。そしてそれが産地に對して非常な悪影響を及ぼしているのであります。木炭について申し上げますと、この價格差が大體二十五圓から三十圓程度になつております。これを直す一番よい方法として根本的には、補給金を出す以外にはなかろうと思います。薪炭については前に補給金があつたのでありますが、現在はありませんので、價格差が非常に目立つて來ております。それから薪炭のようにもとの値段が安くて運賃に相當食われるものについては、特にその差が顯著に現われて來ているのでいろいろ惱んでおります。補給金を出すか、そうでなければ全國一律のプール計算にしないで、都市に重くかけて、地方に輕くするというプール計算を立てるか、これはいろいろ都市における生活基準にも關連しますので、早急にそういう方法はとれないのではないかと考えておりますが、一面この點は生産者に對して非常な不滿をもたしておりますので、この間何かうまい方法がなかろうかと苦慮しているような状況でございます。
#39
○山崎(道)委員 その點は十分に御研究願いたいと思います。全國的なプール計算をしてやつているということについては私はまだ研究しておりませんから、ここでつつこむということはちよつとできません。昨日私は埼玉縣の深谷というところに參りました。そこで直接聽いて來たことでありますが、埼玉縣の水害地に見舞として、薪の供出命令が出ました。この薪は製板の切落したものでございますが、これを生産者から供出した價格は二十六圓でございます。ところが燃料商組合が縣から受けますときは六十二圓、消費者へは七十二圓ということになります。これはどうも私には了承できない。見舞として災害地に送る薪炭は二十六圓で供出されたらそのままでやつてもらいたい。そのくらいのことは私はできるはずだと思う。ところがそれも同じように消費者價格でやつておる。あの地方は最近値上げになつた自由價格でも六十圓です。そしてお見舞として受けるものが七十二圓というこんなべらぼうなことはないと思う。こういうところにもつと融通性をもたられないものだろうかと、しみじみ昨日そういうことを感じてまいりました。このことについてどういうふうにお感じになつておりますか。
 いま一つは炭の問題てあります。深谷の近くには秩父などという炭のたくさん出るところがある。ところが今度岩手から深谷町全體に二十車の割當があつたそうであります。しかし割當があつたからといつてうつかりしておればそれが皆もらえないのだそうであります。今度深谷町では現金一萬圓と現品で一萬五千圓とお酒七升をもつて現地に買付けい行つた。どうしてそんなものが要るのだと言いますと、結局これが運動費で、この運動をしなければ貨車の割當がもらえない。この前ばかを見たから今度は思い切つて皆さんのお氣に召すようなみやげをもつていくのだ。だから今度は深谷では相當成功するだろうと言つておりました。一體どこへ御馳走するかといえば、結局縣のそれを扱う役人たち、そしてまた貨車に關係した人たち、こういう人たちに御馳走しなければ貨車も割當てられないし、炭ももらえないということです。私はこの際このことを見逃すことはできない。これが各省に行われておるのです。これが官吏諸君が國民から信頼を失う根本原因なのです。これはもつと明朗にやれないものでしようか。こういう人たちに御馳走しなければ、深谷の割當てが本庄なり熊谷にまわつてしまう。各町村がこぞつておみやげや現品をもつて現地に買出しに行かなければ炭が手にはいらないというこんな統制では私は意味がないと思う。その點についと御意見を伺いたい。
#40
○安孫子政府委員 荷引競爭の問題でございますが、特に東京、埼玉、神奈川というようなところではかつて相當の荷引競爭をやつたのであります。これは非常に悪い影響をもちますので、やらないように十分注意はいたしております。深谷町において、そういう事實がありといしますならば、十分調査をいたしまして適當の機會に私どもの見解を申し上げたい思います。
#41
○山崎(道)委員 こういうことは事實があればでなくして、方々で現在行われております。どうぞよろしく下情に通じていただきたい。私はこのことをひとつ強くお願いをいたしておきます。これはだれが結局この金を負擔をするかと言えば、結局お互い國民が皆負擔しなければならないのでございまして、これは持つていつた人も一緒になつて飲んだり食つたりするのでしようけれども、そういう役徳的なことは拂拭いたしまして、國民こぞつて國家を再建しようというならば、公務員やすベての官吏諸君もその氣になつてひとつ立直つていただかなければ、とうてい國の再建はできない。かようなことを昨日しみじみ感じさせられましたので、ここに一つの例を提供したような次第でありますから、ひとついかに國民が迷つているか、いかに家庭の主婦がこのために惱まされているかということをよくお考えいただきまして、薪炭問題を至急に解決し、そうしてすべての問題の隘路となつておりまするこうした腐つた因果關係をひとつ斷ち切つていただきたいということを強く要望いたしまして、私のあなたに對する質問を終りたいと存じます。
#42
○徳田委員 今の質問の關連してでありますが、どだい農林省の價格政策は全然間違つている。というのは大體魚でも、しけのときは高いにきまつている、豐漁のときには安いにきまつている。それは自然だ、人間の力ではどうにもなりはしないのだ。そういうものを消費者價格、生産者價格というようにこれを全部一律にしてプールにするという、そんなばかな話はないじやないか。木炭だつてそうだ。木炭だつて地方々々によつてみな違うことはあたりまえのことで、あたりまえのことをむりに君ら自身机の上だけでプールだの一律だのと言う。そなんばかなことはあるものじやない。ここに根本的な間違いがある。野菜だつてそうだ。野菜だつて出ばなは高いにきまつている。盛りなときには安いにきまつている。それが今のように皆斤量式ならば、すべてほうれん木になつてしまう、ほうれん草は草である。草である場合には食えるが、木になつては食えぬ。薹が立つてになれば食えぬ。ところが今の統制規則ではそうなさざるを得ない。監獄は皆そうだ。われわれは長年監獄にいたが、監獄では皆ほうれん木を食わしている。すべて野菜類は斤量で收量をきめるものだからそういうことになつてしまう。そんなことでは何にもならない。だから大體こういうものをやるためには實際の生産者價格でみな買うべし。いくら差等があつてもよろしい。そのときどきの時價でどんどん買わなければ、これはだめである。そうして消費者に渡す場合には一律でやる。すなわちこういう波のあるものを全體に計算することはできるのだ。それをすることができないようでは事務當局ではない。もし損をするならば、それを租税で補えばよい。大やみ業者からとつて租税で補えばよい。そういうためにこそ租税を取立てる權利は國家にあるのだ。ほかの人が租税をとれば、これは強盗だ。そういう強制をしていることを許すのが國民のためであればこそ許される。それを政府自身が損をしないようにというような、政府自身が商人的根性になつているからだめだ。獨占價格でやるから中に立つ者がうまい仕事をすることになり、いろいろな弊害がある。御馳走をもつていかなければならぬというのは、結局そういう獨占商賣人的な根性があるからだ。そういう根性を生ぜしめるように統制價格ができているからだ。それを直さない限り、全然いかなる方法をもつてしてもできぬ。根本的にここを衝くべきである。
 それから輸送の關係でありますが、輸送の關係では今青森などで非常に大爭議が起つている。全逓にしましても、國鐵にしましても、青森は非常に模範的な大爭議をしている。これは偉大なる英雄的な行為だ。そういう所において調べたところによりますと、こんな事實がある。電報でもやみ行為の取引と認められるものが六〇%ある。これは皆隱語を使いますから非常に長く、普通の人が讀んでもわからぬが、それはやみにきまつている。だれが見たつて、ちやんと事務をとつている官僚にはやみだということがわかる。こういうものはどんどん沒收するか、このやみを目當に檢擧すればよい、どんどん檢擧できる。こういうものに何も國家の機關が使われる必要はない。これは賃車でもそうです。特別の進駐軍關係のものを除きますれば、七〇%以上はやみが賃車を使つている。これだつて明らかだ。これは勞働者諸君が皆言うている。やみに違いない。しかし鐵道の役人としては、これはお客樣のものだからというので扱うようにできているというのです。こういうものはやみだということがわかれば、何で押えないか。押える方法はいくらでもある。結局これは政府がすべて獨占事業に對して商賣人的な根性で、そういう獨占的な利益があるから、ここでいろいろの賄賂も生じ、いろいろのものも生ずるのである。これを打破する決意がありさえすれば、今の輸錯關係でもすつかりよくなる。やみを全部押えてしまえば…。そういうのが根本的ではないですか。
 それから政府の諸君は千八千圓ベース云々で、これで押しつけようとしている。これは食えないに違いない。あなた自身千八千圓ベースで食ついてるのではないのに違いない。だれでもそうだ。それを千八百圓で貫こうという、そんな姑息なことをするから、二分の一以下の生活しかできない。そんなうそつことをするから、結局賄賂をとらざるを得ない。だれだつて賄賂をとらなければ生きていけないことになつている。何かしらないがほかのやみ仕事をしなければ生きられない。そういう根本的な缺陷があるから、結局薪炭林にしても、食糧にしても、ありとあらゆるものがすべてこういう故障が起ると私は信ずる。また勞働者諸君はそれを言うている。實際ばかばかしくて話にならぬ。貨車たつて何だつて、あなた見てごらんなさい。機關車だつて、今の機關車の三分の二以上はみな規格はずれで、いつ爆發するかわからぬ。青森のあの大闘爭が起つているのは、要するに機關車も何も爆發するからで、すでに二度爆發して、死んでしまつたり重傷を負うたりしている。そういうものをなぜ直さぬのか。直さぬのは結局することろ工機部の者が食えないからだ。工機部が伏魔殿なり、みなやみをしなければならぬ。やみの方が忙しくて本職はやつていない。こういう状態が發生するような、そういう千八百圓ベースを押しつけるということそれ自體がすでに間違いである。だからあなたではそれはうまくいかぬかもしれなぬけれども、價格問題その他に對して、あなた方はもつと根本的に考うべきである。そういうただ上すべりだけのブール計算だの、やあ何だかんだ言つても、そういうこまかい問題では解決できない。根本的な問題で衝けば一擧に解決できる。その點を私は委員としまして政府に猛省を促したいと思うのであります。
#43
○田中委員長代理 では山崎市委員。
#44
○山崎(道)委員 農林省ではきようは全國の知事會議があつて、非常にお忙しいところをむりに御出席いただいたのでございますから、私の質問はごく簡單にいたしまして、今度は疊表のことについてお伺いいたしたいと思います。
 今後の日本の住宅はもつと根本的に改革いたしまし、こうしたものをだんだん必要のなくなるように考えていかなければならないということはよくわかつておりますけれども、現實の問題といたしまして、それはなかなか容易なことではないのでございます。そして今お互いが非常に疊表で困つている。しかも今日水害地に必要といたしまする疊だけでも、千萬枚は必要であるというふうに私は聞いております。ところがこれがまだ少しも解決の方途についていないということも聞いておるのでございまするが、まず第一に疊の藺の生産、この點今農林省ではどういうふうに扱つておいでになるかお伺いいたしたいと思います。
#45
○岡本説明員 御承知の通り疊表になります原料は二種類ありまして、その一つは中國地方を主産地といたしまするいわゆる備後藺であります。いま一つは九州地方を主生地といたしまする俗に三角藺と申しますが、七島藺であります。これが戰前平時におきまして、備後藺が約六千町歩、七島藺が二千町歩くらいあつたのであります。これによりまして、一部は輸出もいたしましたが、大體内地の疊表の生産には支障がなかつたのでありますが、戰爭中食糧作物その他の作付にだんだん轉換されまして、最近の状態では、備後藺が八百町歩、七島藺が六百町歩くらいまでに低下しておるのであります。そのために極端な需給の不均衞という状態になつてまいりまして、とうていわれわれのところまでは疊表がまわつてこないというような不自由な状態になつておるのでまります。これに對しましては、來年度以降におきまして、食糧作物の増産に差支えない範圍におきまして、住宅問題の解決の一要素でありますから、できる限り増産に努める計畫でありまして、來年度はこれを約倍にする計畫見透しをもつております。肥料の割當もそれくらいの面積を對象として割當てることに決定しております。
#46
○山崎(道)委員 そうすると、こうして生産されましたものは供出制度になつておるのでございますか。自由なのでございますか。
#47
○岡本説明員 全然自由ではありませんが、法規による統制はやつておらないのであります。自治的に生産者の團體が申し合わせて、必要な方面へ優先的にやるといういわゆる自治統制の形をとつております。
#48
○山崎(道)委員 聞くところによりますと、生産地には相當數量がストツクしておるということを聞いております。ところが今公定價格は、はつきり覺えておりませんが、八十何圓、それがやみでは四百圓ないし五百圓くらいしております。それに對して農林省といたしましては、水害地に疊表を送ることについて非常に價格の點で困つておるというようなことを聞いておりますが、農林省といたしまして、水害地に送る疊表に對する方針、あるいは目安はどの程度にもつておいでになるのか。それを伺いたいと思います。
#49
○岡本説明員 ただいまのお話では、生産地に相當ストツクがあるというお話でありますが、これは價格の問題も今お話があつたようでありまして、必ずしも生産者が滿足するような公定價格になつておらないことと、それから最近これが値上りになるだろうというふうな見越しで、かなり抱えこんでおつた者があるようでありまして、それが結局産地におけるストツクになつておるのであろうと思われるのであります。しかしながら現在の公定價格はほかの農産物に比べまして決して不當に低いというふうなものではなにのでありまして、ただ先ほど申しましたように、需給の不均衡があまりにはげしいものでありますから、需要者側からの誘惑がそれだけはげしい。從つてこれをやみにすると非常な高値を呼ぶようなことになるのでありますが、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、法規による統制はしておりませんが、自治的に必要な方面へまわさせるという指導をやつておるものでありますから、從つてその價格は公定價格を必ず守つて出させる。しかもその公定價格に況して不當に安いものではない、こう考えておりますので、水害地に對する供給ももちろん公定價格をもつて供給させるつもりでありまして、最近それぞれ産地へ出荷の方は指圖をいたしまして、目下集荷、出荷に極力努めておる状態であります。數量はこの十月から十二月までで生産地全出荷の督勵に努めております。先ほと御指摘のありましたように、水害地だけに對しても百萬枚ではとても足りないくらいでありますが、第一に炭鑛勞務省の住宅を建てなければなりませんので、炭鑛勞務者用の住宅の分は優先的に確保しなければならぬ。それから一般戰災者の戰災復舊の住宅、戰災復興院で直營しております計畫住宅のものも供給しなければならない。こういうふうな状態でありますので、戰災復舊を先にするか、水害復舊を先にするかというふうな問題もありますが、必ずしも水害地ばかりに供給するということはできませんので、十分な數量が水害地には行きかねるというような形になつておるのであります。
#50
○山崎(道)委員 今の公定價が必ずしも安くはない、ただ需要と供給の面で高値を呼んでいるのだというふうなことは伺うまでもなくわかりきつたことであります。けれども必ずしま高くないといつても、誘惑されて四百圓、五百圓というふうな高値を呼んでいるときに、いくらお役所だからといつて、公定價は安くはないんだ、だからこれで出させるとおつしやいましたけれども、自信がありますか。私は今の状態では絶對にないと思つております。それで炭鑛勞働者の住宅の問題、それから水害地の問題、それからその他の計畫している住宅の疊というようなことが、あなたのおつしやるようなことで、はたして解決つく自信がおありになりましようかどうか。
#51
○岡本説明員 御指摘の通りいかにも公式論のようでありますが、しかしながら價格だけではないのでありまして、これを重要物資と考えました以上は原料藺草に對しても、ほかの農作物に比してむしろ多過ぎるくらいの肥料も配給し、またこれを疊表に製造するに要しまする經絲等も確保いたしまして、これとのリンクによりまして、少くとも今期の計畫數量はおよそ計畫通り出荷ができるものと考えております。
#52
○山崎(道)委員 私生産地からもいろいろ伺いました。それからまたその筋の方面へ折衝されておるというようなことを耳にいたしておるのでございます。これははたして誤りであるかどうかは、私今後調査してみなければわかりませんが、今のあなたの強い言明を伺いまして、私ぜひそうでありたいと願います。けれども私の聞いておることはそれと相違いたしておるのでございます。結局現地の八十圓かの公定價格では、どうしても――これらはリンク制でおやりになりましよう。今までそれをやみでやつておる點もございまするので、八十何圓かではつら過ぎるというようなことで、躊躇しておるというような話を聞いております。その點で當局といたされましても、その筋に目下折衝されて、ぜひこれを百五十圓くらいに上げてほしい。ところが百五十圓では少し高過ぎるから、百二十圓くらいならば何とか許可してもよいというような心組みでいるが、わずかなところでその折衝がおちつかないのだというふうに聞いておりますが、いろいろな御都合があるならば、速記をストツプしておいてでもその點は腹を割つたお答えを聽きたいと思います。
#53
○岡本説明員 その點は細かいお話になりまするが、實は私どもも疊表の價格をそのような公式的な生産費のみから、この價格で安くないといつて抑えるつもりはなかつたのであります。米の原價計算をします場合に、農家の購入物資として疊表がはいつておりますが、米の比率以上には上げらけないということで、どうしても止められまして、遂に八十何圓ということでおちついたのであります。しかしお話のごとく、實際にはこの價格をもつて供出が順調にいくかどうかということについては、あるいは相當強硬なやり方をやれば別でありますが、むりなところがあるかもしれません。絲のリンクと申しますのも、これから先というのではなくて、ここまで出したのは、いわば報獎物資的に將來の生産資材として絲をやる、肥料をやるというようなことで、今ただちにとりかかるつもりでありますので、必ずしも將來の見透しということばかりではないのであります。價格の點につきましては、私どもとしましてはいま少し上げた方が順調にいくと思いますが、米價との關係でどうしてもこれで抑えなければならないということになつてまいりましたので價格には觸れないで、他の方法によつて供米を促進するという方法をとつていきたいと考えております。
#54
○山崎(道)委員 御苦心のあるところはよくわかります。だがしかしながら、藺の生産だけで疊はできないのでございます。御承知の通り勞働賃金も非常に上つております。從いましてその點も相當考慮しなければ潤澤にはまわつてこない。潤澤にまわるはずはないのであります。必要量だけでも手に入れることは私は絶對に困難だと思います。この點他の方法でおやりになるなら、おやりになる明確な方法をお示しになつて、相當納得するようなことをなさらなければ、とうていこの解決は不可能だと思います。私が厚生委員會にはおよそ縁遠いような疊表をもち出しましたことは、非常に疊がないために非衞生になつておる。どこの收容所施設に行きましても疊がありません。板の間で寝るつらさを考えますならば、私は一日も早くこれは解決してほしいのでございます。疊の上にむしろを敷いて、しかも幼い子供が寝起きしておる姿を一度見ていただきたいのであります。私は各省の人たちにも、ぜひわれわれの擔任しておる厚生施設なり、あるいは水害地の現状を一緒に見ていただかなければ、私は解決がつかないと思うのであります。ですから價格とか何とかいうことは、私たちから見ると實際じりじりいたしまして、額にしわの寄るような結果になるのでありまして、もつと實際に即した考え方を進めていただきたい。一日も早くこの疊の解決をしていただかなければ、私これ以上は待てないような氣持でございます。しかも今百五拾圓ならば何とか相當數はできると私は聞いております。それと同時にこの疊の方にもいろいろの團體がある。連合會があるとか、やれ協同組合だとか、やれ製品協同組合とか、五つも六つも團體があつて、これらの人が相當權力をもつて抑えておるという實情も承知しております。こういう點は獨占的な、ボス的な、そうした組合に對しましては、相當農林省といたしましても、強硬な態度をもつて臨んでいただければならぬ。お互いが同じ國民でありながら、一方においてはそういうことでもうけておる。一方においては自分の子供、夫、あるいは父を殺したために今食うに困つて、收容施設にはいつておる。その人たちは豚のもうな生活をしておる。これをこのままにしておきまして、どうして日本の民主化ができるかということを、私はしみじみ考えさせられておるのでありまして、もつともつと力強い方法を斷行願いたい疊表は産地には四百萬枚も眠つておることを承知しております。どこにいくら、どこにいくらという具體的の數を示せとおつしやれば、私は調査してお目にかけてもよろしいと思います。四百萬枚も眠つておりながら政府が供出を命じておる百萬枚すらまだ間に合わないというのは、いわゆる官僚統制と申しましたようか、最もそういう問題が癌になつておるのだと私は考えております。私はこの際當局の人に申し上げたいのですが、何とかしつぽをつかまるまい、つかまるまいというような考えで御答辯になるような節が私には見えるのであります。私たちはあなた方をいじめたいのではない。よりよくしたいから、實情を聽きまして、私たちも責任をもつて協力して早く解決したい氣持でございますのに、答辯に立たれる方は戰々兢々とした、何とかしつぽをつかまれないような答辯に終始されておるということは不滿であります。それではほんとうの政策は行われないと存じますので、もつと私たちの質問に對して、腹を割つての御答辯が願いたい。間違つたら間違つてもよいじやありませんか。ぜひそういうふうな明朗なる氣持で、一つ果斷をもつて進んでいただきたいということをお願い申し上げまして、疊表の成功を祈りつつ質問を終ります。
#55
○田中委員長代理 山崎さんに申し上げますが、今食糧管理局の方から係の方が参りましたから、その方面の質問もこの際お進めを願います。あとの時間の都合もございますから、その點お含みを願います。
#56
○山崎(道)委員 簡單にやります。私は最初食糧營團の配給の扱い方についてお伺ひをいたしたいと思います。店頭配給を廢止されまして持込配給にすると承つておりましたが、それが實施されておるかどうか、その點についてお答えを願いたい。
#57
○山根政府委員 お話のごとくいつでありましたか、隣組の廢止に伴いまして、主食の配給に隣組を利用することを禁止いたしますとともに、營團が昔に還つて持込配給を實施するようにという方針を決定いたしたのであります。と同時にそのためには配給員を殖やさなければならぬ。あるいは運搬夫を殖やさなければならぬ。こういう諸經費がかさむ問題もありますので、營團のマージンの中にも持込費を實は計上いたしたわけであります。爾來持込配給の實施については、極力私どもの方でも督勵いたしておるのでありますが、たまたま食糧の事情が悪くなりまして、きよう一日分、あす二日分と非常に小刻みになりました關係上、從來のように十日なり二十日なり、月に一度か二度の配給で濟みますような事情でありますならば、これが嚴格に守られてきたであろうと思うのでありますが、一日、二日の小刻み配給になりました關係上、實は私どもの命令が守られなかつたという實情があつたと思うのであります。當時そういうような事情がもとより豫想されたわけでありまして、私どもの方としても、たしか五日以内の小刻み配給の場合は、例外とし店頭渡しもやむを得ない措置としていいからという指示をしておるわけでありますが、五日以上にわたります場合には、これはマージンにも見積つてありますし、ぜひそうするようにということで、實は強く指導してきておるわけであります。これがいろいろな關係で所によつては守られていないところもあるという實情も、私ども聞いておるわけであります。當徳そういうことも實は豫想されました關係上ごらんになつたかと思いますが、全國各新聞にも廣告を出しまして、もし營團にしてこれを實行しない場合には、私どもの方へ申し出てもらうようにということを、一般消費者に對して公告をいたしたようなわけであります。要するに建前といたしましては、今日持込配給を營團としては義務として實施しなければならぬ。それに所要の經費は營團マージンの中に纎込んであるということになつておるわけであります。
#58
○山崎(道)委員 地方ではおそらく持込配給の實施されておるところは少いと存じます。東京都内におきましても、一時はやかましくなりまして、持込配給ということになりました。ところが今おつしやいましたような食糧事情というようなことを口述にいたしまして、ことさら遲らしておるような點があつたと思います。それで持込配給だから配給が遲れるのだ。だから遲配して困るならば、とりに來てもらいたい。とりに來てもらいたいと言いませんけれども、暗にとりに來なければ遲れるぞということを言外に含ませておる。そのためにあせつた主婦たちがとりにいくということを、必然的にするように仕向けております。それで今日持込配給が行われているところは少いと思います。私が住んでおりますのは大田區でございますけれども、大田區におきましても、弱いところはみな店頭配給に還元しております。ところが婦人會あたりの婦人協和會というような強力な組織のあるところだけは、現在も持込配給を履行しております。ですから私は今日では大抵五日ないし一週間分の配給があるのでございますから、これができぬという方法はない。これは營團がずるいのでございます。命令してあるから行われておるというようなことでなく、もつと調査していただかなければ困ると存じます。それで御承知のように當然持込配給にしなければならないのであるから、もし人がなければ營團は殖やしたらいいじやないか。それによつてこのごろ生活に追われておる主婦が、馬車馬か何かのように重い荷物を背負つて一々配給をとりに行く。そのために空巣が家にはいるという例が多々ございますので、この點は斷じて明らかにしていただきたい。御承知のように現在婦人の流産の率が多いのでございますけれども、從來は花柳病による流産の方が多かつたのであります。ところが今日では主婦の過勞による流産が多い。しかもこのごろごらんになつたことがあるかどうかわかりませんが、大きなお腹をして重いおさつを背負つて配給所かよ歸つてくる姿が、はたして人間の姿でしようか。私はこうした點からお考えをいただきまして、ぜひともこの持込配給を強力に御命令いただきたい。これに違反した場合の罰則も考慮していただきたいと考えておりますが、當局ではどういう考えでありますか。
#59
○山根政府委員 私どもの方でも實はこの持込配給の問題は、隣組の廢止に關連して考えてまいつたわけでありまして、實はこの點については連合軍司令部からの御注意もあつたわけであります。そこで私どもとしては非常に強く實行していきたいという氣持で、實は今日までまいつておるので、ありまして、機會あるごとに各地方の營團の役員等が集まります。席上等におきまして、これを怠つた場合は責任者の身分上の責任まで問うであろうということを言つて、實は今日まで來ておるのであります。私ども今後といえどもだたいま御注意もあつたわけでありますし、私どもそういう話を聞いております。さらにこの問題については消費者の一人として、十分の關心をもつておるわけでありますが、遺憾ながらそういう實情があることは、私どもも聞かされもし、體驗もしてまいつておるのであります。そこで今後この問題は一層強く營團に命令したいと思つております。なお最初申しましたように新聞廣告で當時の消費者に公告しておるような點もありますので、大田區のどの配給所でどういうことをやつておるか。そういうことを具體的に私どもの方へもお申し出で願いたいと思います。
#60
○山崎(道)委員 それから先日食糧營團から、今度の公團法についていろいろ陳情が參りまして、私どもは米屋が集まつておるのであるから、前垂れかけのつもりで、商人の氣持でやつておりますが、今度官僚的になるから云々と言つてこられました。そのときも私は營團の方に申し上げたのでありますが、ほんとうに官僚的になつております。配給をとりに參りましても、時間だからと言つて一時間ぐらい休憩して、そのときどんなことを言つても、ずつと行列をつくらして平氣でいるという營團もたくさんありますから、この點ひとつお取締りを願いたい。それからどこの區でということになりますと、調査すればおそらく相當數出てくると思いますので、二、三の實例を私近くお目にかけたいと存じております。
 それから、このごろ非常に主婦の間で、量目についての疑義をもつております。量目をごまかされておるというような點もありますので、私どもといたしましては當局で出し抜け的に御調査が願いたい。いつ行くというのではなくて、ときどき營團を見まわつていただきまして、目の前でそれをはからせるというように、出し抜けに行くということになれば、相當自肅するのではないかと考えますので、このことをお願いしておきたい。
 それから今日配給を受けますのに、相當値段も高くなりましたので、配給を受けられない者も殖えてまいります。その理由はいつ幾日ということになつて、期限がくればもらえないのであります。そういう例もありますから、山手方面では百軒に一軒くらい配給を受けていない人があります。下町の方では八十軒に一軒配給を受けられない世帶が出ておるということをひとつお氣に止めていただきたい。私といたしましては、いついつ配給がどのくらいあるということを明示するような方法をとつていただけないものであらうか。お金がなくても、そのとき配給が受られなくても、どうせ何かは買つて食わなければならない、安い配給を受けられないで、やみの物を買つて食わなければならないこともございますので、明示されますならば、その間にお金の用意をしてとりに行くということもできるのでありまして、そういうふうな親心も併せ御指示が願いたい。
 それから乳兒用のお砂糖とかあるいはカン詰等になりますと、期限が切れるとくれないそうでございます。期限が切れてくれなかつたものは一體どこに流れていくか、そういうものはどういうふうに處置しておいでになるかということを伺いたい。それからカン詰の配給でございますが、カン詰は御承知のようにいろいろなものが參ります。いいものも、悪いものもまとめて主食の代替配給で來るのでございますが、このカン詰の配給に對して一般に非常な不滿をもつております。これは土地の有力者であるとか從來のお得意さんというところには、配給のカン詰が參りましたときに、前夜においてちやんと區分しておる。ですから特權階級に對してはいつでもいいものが行く。われわれのような間借生活なんかしたり、その土地になじみのない者、一般困窮者というような者に對しましては、いつもいつも悪いものが配給されてくる。こういうふうな實例は各所から私たちは訴えられておりますが、この配給處置等に對しましては適正にやられておるとお考えでございましようか。どこかに缺陷があるというふうにはお考えにはならないのでございましようか。この點についてちよつとお伺いしたい。
#61
○山根政府委員 先般實は米の消費者價格が相當大幅に値上げされたのでありますが、爾來お話のように、金がなくて配給物がとれないという話を私どもの方でも實は聞いておるわけであります。これに對していわば掛賣りをどうするかという問題が考えられなければならん問題として實はあるわけでありますが、掛賣りをいたすというようなことになりますると、當然ある程度の營團の損失ということも豫想しなければならぬ、これをどうするかというので、いろいろむずかしい問題もありまして、しかし新しい事實として、金がなくて當日配給が受けられないという事實は、これは私どもの方でも承知いたしておるわけであります。これについては研究中でありますが、お話のように消費者に對して次の配給豫定日を明示するということは、代金の準備その他で親切なことだと私ども思つておるわけであります。食糧事情が新年度にはいりまして、ある程度計畫的と申しまするか、豫定が立つような状態になりますれば、できるわけでございましようが、從來のようにまつたくその日暮しの賄いをしてきたような場合には、なかなか豫定を立ててもその通り來なかつた、從つてそれだけ遲配になつた、思わぬときに入荷があつた、こういうような事情でありまして、完全にはお話のような操作ができなかつた事情もあるのでありますが、一應通帳にも次囘の配給豫定日を書くような建前になつております。なおこれ以上親切な方法については御注意もありましたので、十分考えていきたいと思いますが、何しろその日暮しの生活で、そういう點に一層消費者の都合から申しますれば、不都合な状態で進まざるを得なかつた状態が今日まであつたのであります。その點はなおお話の點を十分考えまして、考えてまいりたいと思つております。それから配給品が期限が過ぎると差上げられないと言われるというお話でありますが、主食に關する限り――これは主食以外でありますれば……
#62
○山崎(道)委員 カン詰も、主食でしよう。
#63
○山根政府委員 罐詰もものによるのでありますが、あれはA級からH級まであるわけでありまして、そういうとは實はないわけでありますが、もしそういうことでくれないままに消費者の泣寢入りになつておるとすれば、これは扱い機關の方で横流しするという不正の事實があると認めざるを得ないと思います。もしそういう問題がありますれば、私ども嚴重にこれは取締つていきたいと考えておりますが、どういう店でどういうことがあつたということをお知らせ願えば、それをきつかけに、併せて市中全體のそういう問題は嚴重に取締つていきたい、かように考えております。それからカン詰の配給がなるほどお話のようにいろいろあるわけでありまして、AクラスからHクラスまで種々雜多にあるのであります。これのわけ方につきましては決して山の手だからどういうものをまわす、あるいは下町だからどういうものをまわすという考え方ではないのであります。もつぱら當時の操作の都合によつて、來た物を片はしから順番の方にまわしていくということに都内全體として扱いをしておるのであります。一配給所に参りました場合、あるいはたまたまごくわすか非常に上等なものがあつた場合に、これは配給所としてお話のような扱いをするということは、お話をただいま聞いてみれば、これは實は想像できることでもあるわけでありますが、これは十分取締らなければならぬことと思います。大體一つの配給所にはそう半端な特別なものが、ごくわずか行くという行き方を多くの場合しないと思つております。一つの配給所には大體同一の種類の物がある程度まとまつていく。從つてその配給所の管轄の消費者は大體同じようなものを機械的に分配を受けるということが、普通であろうと思うのでありますが、最初申しましたように、たまたま一箱か二箱えらい貴重なものが来るということになると、これは必ずしもお話のようなことがないと私は否定できないと思います。しかしそういうことはこまかいことのようで決してこまかい問題でないということはよくわかつておりますので、そういう點も御注意によりまして、當團の當局者に十分注意していきたいと存じます。
#64
○山崎(道)委員 もう時間もございませんので、こまかいことは省略いたしますが、カン詰の場合にはそれは事實あるのでございます。いろいろとり合せてくるでございましよう。相當數参りましても二色か三色来るわけです。組み合せて配給すればそれほど問題はないわけです。ところがいいものをいいところに餘計やりまして、そうでないものを一般に配給するという例がざいますので、希望として配給店に何と何の配給があつた。但し數量が少いからこういう方面だけで、その次にはまたこの前悪い品でがまんした人にいい品が来る。こういうのが公平なやり方です。ところが三囘来ても四囘来てもちやんとお隣り同志で配給が違うのですから、こういうことから主婦の不平が起きてくるし、そういう配給のことまで政府が悪いと一般の人はすぐ考えるのであります。そういうところで非常に損をしておりますので、そういう點はぜひ御調査が願いたいと思います。私はもとよりそうした店の資料をお目にはかけるつもりでありますが、そういう例があるのでございますから、あなた方の方も十分調査、監督をしていただかなければ、ほんとうに改革はできない、かように思いますので強くお願いしておきます。
 乳兒用の砂糖はあなたのところですか。
#65
○山根政府委員 それは食品局でやついおります。
#66
○山崎(道)委員 乳兒用の砂糖ではしばしば期限が切れたといつてもらえないでいる主婦がたくさんあります。理窟から押していけばもらえるのでありますけれども、婦人はそういうことはよくわかりませんし、おえらい方がひげを生やしてだめだと言えば、それを押して要求するだけの力がありません。三日や五日遅れましても、それは切符でやつておるわけでありますから、そういうことのないように區役所その他へも御指示願い、また店頭に對しましてもそういう命令を出していただきたいと存じます。
 主食の持込配給は重ねてお願いしておきます。今千八百圓ペースでは一般は食つてまいれません。從いましてこのごろ内職も殖えてまいりました。働く婦人も殖えてまいりました。持込配給でありましたならば、こうした仕事もそう煩いされずに進むのでありますが、配給に二時間も三時間も待たされるということになりますと、ほとんど收入の途が斷たれるような實情でありますから、特に持込配給は婦人を保護する上からいきましても、生産を増強する上からいきましても、生活費をかせぐという上からいきましても、ぜひ重大な問題でありますから、これが實施できますようにひとつ御實行願いたい。
#67
○松谷委員 時間が迫つておるようでありますが、山崎委員の御質問に關進しましてちよつと簡單に伺いたいと思います。
 ただいま營團の持込配給のことが出ておりましたが、これは昨年来私食糧營團の中央部ともいろいろ交渉いたしまして檢討いたしました。その得ました一つの結論として、例の農林省規則と思いましたが、營團に對する規則がございます。その中の一體米代は、店頭渡しなのか、あるいは持込配給なのかしいうところを調べてみましたところが、店頭渡しあるいは持込渡し、これはどちらでもよいことになつておるという事實を得たのであります。私はここに一つの大きな問題があるのではないかと考えております。從来はこれは持込配給であつた。しかしそれが戰争中手が足らなかつたり、あるいは資材が足りないという時代におきまして店頭渡しにかえられてきた。そこでこの方則からいけば、店頭渡しをしただけの差額は消費者に返さなければならぬという事實が出た。その時代において店頭渡しあるいは持込配給というこの條文にかえたというような事實も實はわかつたのでありますが、少くとも今日の時代においては、この法文の店頭渡しという文字を削らなれればならないとこう私は考えるのでございまして、先ごろから營團にも訴えまして、この方法をともに變更さすように實は努力を續けておりますが、これがまだどうしても當局で認められないというようなことも伺つているのでございますが、この點についてどうお考えになつおりられますでしようか、その點伺いたいと思います。
 それから時間の都合で續けて質問を申し上げさせていただきますが、先ほど營後のマージンを増額した、こうおつしやつておられましたが、いわゆるマージンを増額したのは、ただ原則としてマージンをどれだけ上げたということになつたのでございますか、それとも小刻み配給は從来のマージンは豫想しておらなかつた。しかし小刻み配給の數が増すことによつて、その小刻み配給一囘幾らということに原則をおいてマージンの増額をなさるのか、あるいは小刻み配給がなくてもマージンはこれだけというふうに増額をなされたのか、その點どうもはつきり伺えなかつたので、御説明願いたいと思います。
 それからただいま山崎委員からまた持込配給が崩れだしたというお話がございましたが、最近では食糧營團の持込配給は非常によくいつている、營團の方としてもあるいは當局の方でも人員の増加あるいは施設資材の増加ということに相當努力していてくださつて、たいへんに主婦たちも喜んでいるように私聞いております。今ここに太田區の實例を伺いまして崩れだしたことを非常に殘念に思いますが、實は先ほど南多摩の方の營團に對する住民の聲によりまして、持込配給は非常に順調によくやつてくれる。しかしただ希望したいことは、雨が降ると配給をもらえない、いわゆる雨具に對するところの考慮をしてほしい。これは營團にも御希望は出しておきましたが、なお當局でもひとつこの配給のための必要なシーシあるいは配給員の長ぐつあるいは防水衣というようなものに對しての御考慮を重ねてお願いしたと思ううのでございます。
 それから先ほども出ておりましたが、期間が切れると配給物を渡さないということは、これはあまりにも所々にあるところの事實でございます。當局はいま一度あらためて各配給所に通達を出すベく各食糧營團に督勵していただきたい。これは移轉などいたしまして、その配給所が變つたりいたしますと、ことさら期限が切れているからだめだと言つて絶對もらえないような事實が非常にたくさんございますから、重ねて御配慮いただきたいと思います。
 それから最近主食代替といたしましてお砂糖の配給があるようになりました。殊にこれからの豫測を伺いますと、相當數量このお砂糖の代替が加わるしいうことになつております。これは今までは營團が扱つたおつたようでございますが、砂糖業者に扱わしてくれという點になつているように聞いておりますが、主食代替として配給になりますところのお砂糖が、今度は今までの砂糖業者の方々の手によつて配給されるということになりますと、主婦たちはそこにまた買いに行かなければならぬというような手數を出てまいりますし、帳面は一つであるにもかかわらず非常に複雑になつてくる、間違いが多くなつてくるという事實もいろいろ出てくるだろうと豫測いたすのでございます。なお營團の從業員などの聲をちらほら聽いてみましても、やはり主食代替としてくるところのお砂糖は、營團で扱わしてもらいたいという要望も出ているようでございますが、もしも營團の方に砂糖を扱わすことはどうも當を得ておらないと考えられるならば、その理由を伺いたい。御當局の腹をひとつ伺わしていただきたいと思います。
#68
○山根政府委員 いろいろ問題がありますので、あるいは前後いたすかもしれませんが、私からお答えいたします。
 店頭配給か持込配給かは、實は規則によつてそういうふうになつておるというお話でありますが、私はなはだ不勉強でありまして、どの規則によるかここでただちに思い出せないわけでありますが、要するに私どもの方では最初申しましたように、食糧事情がよくなつて、從來の自由經濟時代のように、米で最少一斗であるとか二斗であるとかいう注文があるというような時代が参りますれば、これは店頭渡しまかりならぬというきつい方針がとれるわけでありますが、何しろ一日、二日の小刻み配給になりますと、その都度必ず持込配給をしろということを規則で強制いたしますことも、かえつて事實問題として、そのためにきよう消費者の口にはいるものが、一日、二日延びていくというような不都合も起きるようなことも考えられるわけでありまして、そういう點から、現在どちらでもできるということに規則の建前がなつておるのであろうと考えているわけであります。しかし最初申しましたように、とにかく少くとも五日以上のまとまつたものについては、これは必ず持込みすべし、これは規則で強制したわけではもちろんありませんけれども、これは強い意味の通牒として、私どもの方から營團に指圖しているわけであります。これを怠つた場合には、責任者はこれは刑法上の處罰はありませんけれども、身分上責任を問うという強い達しを實はいたしておるわけでありまして、これがかりに亂れてきて、そのために消費者に迷惑を及ぼすようなことがありますれば、その方針に從つて私ども強く處置していきたい、かように考えております。
 それから營團のマージンのお話でありますが、これは御承知と思いますが、この六月まではたしか一俵について約二十圓程度のマージンを見ておつたのであります。七月に米價が上りましたとき一擧に引上げまして、四十九圓八十八錢というマージンを認めたのであります。十一月にさらに米價が上つたわけでありますが、四十九圓八十八錢を据置いておるわけであります。これは實はこまかい算出の基礎があるわけでありますが、もとよりただいま御指摘のように、小刻み配給がはたしてどの程度に小刻みになるか、というような一つ一つの具體的なケースにまつたくぴつたり即應したマージンの算出は、事實問題としてできないわけでありまして、およそ當時の事情に基いて配給はおそらくどういう状態で今後續けられていくであろうか、そのためにどれだけの從業員を營團として抱える必要があるか、あるいは事務費等はどれだけ要るであろうかというような一應の豫測に基いて、このマージンが決定されておるわけであります。そういうふうにひとつ御了承願いたいと思います。
 それから持込でいろいろな資材が要りますが、特に運搬具それから雨天の場合の雨具は絶對に必要なものでありまして、これは私どもも持込配給を強行いたしますと同時に、この器材の幹旋には私どもとしてできるだけの努力を關係方面にいたしてまいつたのでありますが、必ずしも十分にいかないために、あるいは雨天の配給に支障があるという事例が三多摩の方であるという御指摘もその通りかと思うのでありますが、一擧に十分にできなかつたために、そういうことができたわけで、その點は非常に遺憾に思うのであります。一つにはこれはやる方の氣構えの問題でもありましようか、極端に言えば雨が降つても何かくふうをすれば、これを冒して家庭まで持込む途も必ずしもないわけではない。そういう場合は雨具不足にある程度藉口して、いわばサボるというようなことも實はなきにしもあらずではないかと私直感したわけでありますが、こういう器材の整備が十分でないことも事實であろうかと思つておりますので、これは私ども持込配給を強行いたしますればいたしますだけ、この點にも今後とも力を畫していきたいと考えております。
 それから配給物の期限が切れた場合、先ほど山崎さんのお話のように、乳兒用の砂糖は實は私の方の所管ではないわけでありますが、所管である、ないは別といたしまして、道理として考えた場合、期限が過ぎたからあげられないというので、消費者がうやむやに引下つていくということになりますと、その品物が横流れされる憂が十分あるわけであります。私どもの方の所管の物資につきましては、かりに消費者が泣寢入りいたしましても、それが横流れされるような整理のいたし方は、されないような仕組みにはなつているわけでありますけれども、かりに仕組みがそうでありましても、この節のことでありまして、そういう心配が考えられるわけでありますから、そういうことのないように、これは所管を離れまして、農林省の所管の各物資について私から關係責任者にその點は十二分に連絡いたしたいと考えております。
 それから砂糖の代替配給の扱いの問題でございますが、これは私どもも營團に扱わせることを建前といたしたいと考えております。ただ主としてはかりの問題でありますが、非常に小さいはかりが、地方の營團に参りますと必ずしも十分整備していない實情であろうかと思います。そういう場合には、これははかりをもつており、從來扱つてきた砂糖業者に協力させるという態勢で、ある程度手傳つてもらう。建前としてはあくまで營團がこれを扱うという方針で、大體そういうことに決定いたすであろうと考えております。
#69
○松谷委員 今はかりの問題で、これを業者の方に援助さすようにすると言われたのでありますが、そこのところが私のところに傳つてまいります點から考えますと、どうもはつきりしないでいるような疑念が大分營團の方にもあり、ありいは砂糖業者の方にもあるようでございますので、これは本筋をひとつはつきり當局からお示しいただきたいと思います。
 なお營團が扱いたいという點に對して、はかりの點でいろいろ營團の實情を聽いてみますと、營團の方でははかりは十分用意してあるということでございますので、この點なおとくと御調査いただきたいと思います。
#70
○山根政府委員 本筋は、これは、營團に扱わせるべきものであると私どもはつきり考えております。そうして事實營團が言うようにはかりが十二分にそろつておりますれば、營團一本槍で進みたいと思つております。ただおそらくそうは言いましても、東京あたりでは從來ぶどう糖その他を扱つたことがありますので、あるいははかりを用意しておるかもしれませんが、おそらく田舎の府縣に参りますと、各配給所に小さなはかりが一つずつというようなことは、實際問題としてなかなか望めないのじやないか、そういう場合にはある程度砂糖屋に協力させる。はかりをもつてこさせて、それを借りてはかるのを手傳わせる、こういうようなことになさざるを得ない場合がありはしないか、本筋はあくまでも營團にさせるというふうに私どもも考えております。
#71
○田中委員長代理 次會の議事日程は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれをもつて散會いたします。
   午後一時三十一分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト