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1956/12/11 第25回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第025回国会 内閣委員会 第7号
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1956/12/11 第25回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第025回国会 内閣委員会 第7号

#1
第025回国会 内閣委員会 第7号
昭和三十一年十二月十一日(火曜日)
   午後三時十七分開議
 出席委員
  委員長 山本 粂吉君
  理事 江崎 真澄君 理事 大平 正芳君
  理事 宮澤 胤勇君 理事 石橋 政嗣君
  理事 受田 新吉君
     安藤  覺君    大坪 保雄君
     川崎末五郎君    小金 義照君
     床次 徳二君    福井 順一君
     眞崎 勝次君    粟山  博君
     横井 太郎君    茜ケ久保重光君
     飛鳥田一雄君    稻村 隆一君
     片島  港君    下川儀太郎君
     細田 綱吉君    森 三樹二君
 出席国務大臣
      国 務 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
      総理府事務官
      (内閣総理大臣
      官房公務員制度
      調査室長)  大山  正君
 委員外の出席者
      大蔵事務官
      (主計局次長) 村上  一君
      専 門 員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
十二月十一日
 委員赤澤正道君及び田村元君辞任につき、その補欠として川崎末五郎君及び安藤覺君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員川崎末五郎君及び安藤覺君辞任につき、その補欠として山本正一君及び田村元君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月十一日
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
    ―――――――――――――
#2
○山本委員長 これより会議を開きます。
 本日付託になりました内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、これより審査に入ります。まず政府より提案理由の説明を求めます。倉石国務大臣。
    ―――――――――――――
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
  一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律
 一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
 第十九条の四第二項中「百分の二百」を「百分の二百三十」に改める。
   附 則
 1 この法律は、公布の日から施行する。
 2 改正後の一般職の職員の給与に関する法律第十九条の四第二項(裁判所職員臨時措置法(昭和二十六年法律第二百九十九号)本則第三号及び防衛庁職員給与法(昭和二十七年法律第二百六十六号)第十八条の二第二項において準用する場合並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(昭和二十七年法律第九十三号)第二条第三項(南方連絡事務局設置法(昭和二十七年法律第二百十八号)第七条第三項において準用する場合を含む。)の規定により基く場合を含む。)の規定の昭和三十一年における適用については、同項中「百分の二百三十」とあるのは、「百分の二百をこえ百分の二百三十をこえない範囲内において、各庁の長又はその委任を受けた者が定める割合」とする。
    ―――――――――――――
#3
○倉石国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
 国家公務員の給与に関する本年七月十六日付の人事院勧告につきましては、これを尊重する方針のもとに政府において鋭意検討中でありますが、その内容においてなお考究を要するものがあり、かつ、多額の経費を必要とするため、早急に結論を得ることは困難な状況にあります。
 しかしながら、同勧告中の毎年三月に俸給、扶養手当及び勤務地手当の月額の合計額の〇・一五月分に相当する特別手当を支給するものとするとの点につきましては、勧告の趣旨にかんがみ、すみやかにその趣旨を達成することが適当であるとの結論に達した次第であります。ただし、勧告通りに特別手当という新しい手当を創設いたしますことは、給与体系をますます複雑にするおそれがありますので、むしろ、既存の臨時給与を増額することによりその趣旨を実現することがより適当であると考えるのであります。
 以上の理由により、この際、国家公務員に十二月十五日に支給する期末手当の額を〇・一五月分増額することといたしました。
 なお、本改正法律案により増額されることとなる部分の本年十二月における支給につきましては、各庁の長が既定人件費の節約等によりまかない得る範囲内で定める割合により支給することといたしました。
 以上が本法律案を提案する理由並びに内容の概略でございます。何とぞ御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げる次第でございます。
#4
○山本委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。大坪君。
#5
○大坪委員 この際労働大臣にちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、ただいま提案理由で御説明いただきました給与法の改正の内容につきましては、現下の社会情勢上きわめて適切なる御措置だと存じます。私どもかねて期待しておったところでございますが、政府の御英断によって、きわめて軽少ではございますが、この程度の処置でもおとり下すったことは、大へんけっこうだと存じます。
 それにつけて考えられますことは、御承知のように全国に多数日雇い労務者がございまして、職業安定所において失業者として登録されておって、日々その紹介を受けて仕事をいたしておる諸君があるわけでございます。これらの諸君に対しましては、昨年特別に政府も御考慮になりまして、前年に比べて、一日分の給与に当る年末の手当を支給するというような意味で、一日分の就労日数をおふやしになっております。これらの問題についてもおそらく御考究のことと存じますが、これらに対して今回は政府はいかように御措置になるおつもりでございますか。その点をお伺い申し上げたいと思います。
#6
○倉石国務大臣 ただいまのお尋ねにつきましては、本日提案理由を御説明申し上げました本法案を決定いたしますと同時に、政府におきましては、昨年は皆様方の御協力で就労日数をふやしまして六日といたしましたが、本年は、諸般の事情を考察いたしました結果、さらに本年も一日分就労日数を増加して働いていただくことが適当であろうということになりましたので、そのような措置をいたすつもりでございます。
#7
○山本委員長 事務当局に対する質疑はありませんか。
#8
○受田委員 大山公務員制度調査室長がおいでになっておりますが、大山さんは正規の政府委員でいらっしゃいますね。――政府委員にお尋ね申し上げたい一、二点がございます。この法案の内容を拝見いたしますと、一応人事院勧告の趣旨に共鳴しておられる。しかし人事院勧告に示された年度末手当というものでは、新しい項目を一つ入れる、すなわち給与の創設をしなければならないというようなことで、この際年末にこれを支給する方が妥当、すなわち期末手当を増額する方が妥当だという結論に達せられたということでありますが、そうしますと、人事院勧告そのものに対するある程度の批判をしておるという結論になると思うのですが、人事院勧告を尊重するという形は、今回の法案の提案理由に示されたような〇・一五という線を尊重したということになって、年度末支給という勧告の趣旨は適当でないという二つに分けて考えられると思うのでありますが、さように政府は解釈してこの案を出されたことになるのでありますか。
#9
○大山政府委員 大体お話の通りかと存じますが、人事院勧告の趣旨に基きまして、一般の公務員に〇・一五カ月分を増額するということが適当であると考えたのでありますが、ただその支給の時期につきましては、政府といたしましては、新しい年度末手当を創設するということは、いろいろ給与体系をかえって複雑にする点もございますので、むしろ年末に支給される従来の期末手当を増額する方がより適当である、かように考えましてそのような措置をとったものと考えます。
#10
○受田委員 人事院勧告の中には、同時に給与体系全体の問題として俸給そのものを増額する内容が含まれておるのでありまするが、これはいかように考えておられますか。
#11
○大山政府委員 俸給表の改正の点につきましても、人事院の勧告の趣旨を尊重しながらできるだけすみやかに成案を得たいということで努力して参っておるのでございますが、何分にもいろいろ内容が複雑多岐にわたりますので、早急に結論を得がたい、また来年度の予算にも非常に関係の深いことでありますので、今直ちにこれの結論を出すことはできませんので、さらに関係省庁の間で検討を続ける、ただ勧告のうちの年度末手当にかかる分だけはこの際早急に取り上げたい、かような趣旨でございます。
#12
○受田委員 一般の俸給表をいじくることはまだ準備も十分できていないという、お宅の方の作業の進捗状況による不手ぎわということが原因になっている部面がございますか。
#13
○大山政府委員 不手ぎわと申しますか、早急に結論を得なかったことにつきましては、事務当局としてもまことに残念でございますが、御承知のように、去る七月に勧告になりましたが、内容が実は十分はっきりいたしませんで、去る十一月にこれの詳細な意見の申し出並びに付属資料の発表等がございまして、各省庁でも初めていろいろ具体的な意見が出るという段取りになりましたので、それらの各省庁の意見を現に聞きながら、目下作業中でございます。
#14
○受田委員 人事院勧告は年度末に〇・一五を支給するという内容を持っており、同時に俸給表に対する改正の要を要請しておりますが、年度末に〇・一五の新しい手当を支給するという勧告の内容とあわせて、俸給表そのものを変えていくという二つの要素が関連して出されておるのでありまして、そのうちで年度末に出すべき手当の部分だけを取り上げることになりますと、俸給表の改正の方は決定がおくれたとしましても、実施はやはり本年度内という勧告の線を尊重して考えられるように作業を進めておられるわけでございましょうか。
#15
○大山政府委員 俸給表の改正に関する実施時期につきましては、まだ何ら決定いたしておりません。とりあえず年度末特別手当だけは本年度から実施するということがきまったのでございまして、その他の部分につきましてはなお検討中でございまして、これをいつから実施するということは決定いたしておりません。
#16
○受田委員 人事院勧告を尊重してその給与改訂も今後考えていくという線には間違いございませんか。
#17
○大山政府委員 人事院勧告の趣旨をできるだけ尊重するという線は間違いないところでございます。
#18
○受田委員 そうしますと、この年度末特別手当に関する部分が抜き出されて今回実施されるということに関連して、人事院勧告は給与改訂についてもこの年末手当とあわせ実施すべきであるという内容を持っておりますので、勧告の線を尊重するというただいまの大山さんの御答弁によりまするならば、給与改訂も本年度内実施ということがあわせ考えられると思いますが、その点をあなたの方でも原則としては了承しておられるのでございますか。
#19
○大山政府委員 俸給表の改正の部分につきましては、まだ検討中でございまして、この実施時期をいつにするというようなことは全くまだきまっておらない次第でございます。
#20
○受田委員 原則として、と私今お尋ねしておるわけでございます。
#21
○大山政府委員 重ねてお答えするようで恐縮でございますが、まだ検討中でございまして、実施時期につきましては何ら決定いたしておりません。
#22
○受田委員 人事院勧告の内容を尊重するという形であるならば、年度末に出される手当がこのたび法案として今提出されておる以上は、当然これを同じ立場で政府が提出しなければならないものと、給与改訂においてもさように思われるのでありますが、これは筋としてはさよう考えておるという御見解はお持ちではございませんか。
#23
○大山政府委員 今回の勧告は俸給表の改正と年度末特別手当との二つからできておるわけでありますが、一応切り離して実現することが可能である、かように考えまして、今回年度末特別手当の部分だけを切り離しまして、年末手当の増額という形でその趣旨を実現するということになったのであります。
#24
○受田委員 切り離すということは、ただ手続としての切り離しであって、内容は、公務員の給与全体の体系を尊重したままの姿は残っておるのではございますまいか。
#25
○大山政府委員 俸給表の改正につきましては、先ほども申し上げましたように、やはり内容につきましてさらに検討をしなくてはならないですし、さらに経費も相当多額にかかりますので、来年度予算の編成方針等々をやはりにらみ合せて実施を考えなくてはならない、かように考えております。
#26
○受田委員 にらみ合せてとおっしゃるのは、予算の都合だけの方と私は了解せざるを得ないのです。なぜかというと、人事院勧告は両方を同時に実施するように勧告されておるのです。両方切り離さないで実施するように勧告されておりますので、ただ手続的に年度末手当をこのたび繰り上げて支給した、従って給与体系の方はちょっとおくれるけれど年内に支給するという原則だけは尊重したいという意思はお持ちでございますね。
#27
○大山政府委員 政府の方針としては、ただいまのところ実施時期についてはまだ決定いたしておりません。
#28
○受田委員 実施時期と申しますと、私は原則的に申し上げたら年度末に支給するものをこのたび出して下さったのですから、当然給与体系は、この四月にさかのぼって、来年の三月までの分があわせ考慮されていなければならなかったと思うのです、原則からいえば。それが年度末の分だけ今度出されることになっておるのでありますが、給与体系をくずさないで勧告になりました給与体系を打ち立てようという立場であるならば、年度末に支給するこの手当をこのたび出すということになった以上は、ことしの四月から来年の三月までの一年分の体系そのものがあわせ考えられるということになると思うのですがね。これは勧告の内容である給与体系を一元的にながめた場合に、さよう考えられると思うのでありますが、私の考えに誤謬があれば御指摘願いたいと思います。
#29
○大山政府委員 俸給表の改正はさかのぼって実施するということはないと考えます。
#30
○受田委員 そうしますと、あなたのお考えになっておられる中身は、年度末手当は三月に出されるものをここで上げたわけですが、一般の給与改訂の方は来年度に持ち越してもいいというような人事院勧告の内容と考えられるとお考えなのですか。
#31
○大山政府委員 その実施時期につきましては、今後検討の上関係省庁と相談してきめて参りたい、かように考えております。
#32
○受田委員 来国会でかりに一月に給与改訂の法案をお出しになったといたしまして、その実施時期がさかのぼって支給されないということになりますると、一月に出された法案では、一月以降の給与の改訂しかできないということになりますか。
#33
○大山政府委員 法案を提案いたしました以後の問題である、かように考えております。
#34
○受田委員 そうしますと、法案が出た時期から給与を改訂される……。
#35
○大山政府委員 その法案の内容が、出た時期から直ちに実施する内容か、あるいは四月からか何月からかということは、その法案の内容にもちろんよるわけでございまして、ただいま直ちに、それはいつから実施するということをお答え申し上げるわけにいかないと思うのでございます。
#36
○受田委員 人事院勧告の内容を尊重されるということは、年度末手当の増額分だけ実施期を早めて、あとは実施期をおそくするということに、結果的にはなるとお考えでございますか。
#37
○大山政府委員 特におそくするという趣旨ではございませんが、ただいま検討中でございますので、その検討を待った上で決定されるというように考えます。
#38
○受田委員 一月以後、来国会以後御提出になるとするならば、その出された日よりも後に実施されるということになるのだ、過去にさかのぼって差額を支給するというようなことはないというあなたの今の御発言であったのです。そうするならば人事院の勧告を実施期においては分離して考えていく、かような解釈が成立すると思うのでありますが、さよう解釈してよろしゅうございますか。
#39
○大山政府委員 そのように考えております。
#40
○受田委員 そうしますと、予算とにらみ合せて予算の見通しがつくまでは絶対に実施の可能性がないということが想定されると思うのでございますが、政府はそういう想定もしておられるわけでございますか。
#41
○大山政府委員 私としてはさように考えております。
#42
○受田委員 大山さんは予算の見通しがつくまでは給与改訂の方はいつまででも見通しが立たないものだという腹をお持ちでございますか。
#43
○大山政府委員 最終的には、やはりそういう時期が最終の時期になるのではないか、かように考えております。
#44
○受田委員 人事院勧告を尊重するということにそれではならぬと思うのでございますが、大山さんいかがでございますか。
#45
○大山政府委員 御意見かと存じますが、できるだけ尊重いたしまして、早く結論を得たいというのが政府の方針でございます。
#46
○受田委員 どうもはなはだ不満に感ずるのでございます。あなたのお説では、予算の見通しが立たぬ限りはこの給与の改訂の方はいつになるかわからないという、はなはだ不安定な状況に政府は立たされておると思うのでございますが、予算の都合がつかなければ人事院勧告を尊重しないというようなことになったのでは、人事院の権威いずれにありやという問題が起ってくると思うのです。予算を考える前に人事院勧告の線をいかに尊重するかを考えて、予算は当然これに結びつけて措置をすべきであって、予算によって人事院勧告を左右するやり方は原則としてはなはだよろしくないと私は考えます。あなたのお考えによるならば、常にそのときの政府の予算の見通しがつくまでということによって人事院勧告は葬り去られて、人事院の権威は那辺にありやということになると思う。人事院を今日われわれが認めて、その多数の人員とその知能をすぐって検討を加え結論が出され、それが政府及び国会に勧告された現状において、悲しむべき事態だと考えるのです。大山さんはかつて人事院の任用局長として名声をほしいままにせられた方であるのであります。大山さんは、人事院におられるときには真剣に人事院の要望を実現させるために協力せられ、今回内閣の方にお移りになられるや、予算を常に念頭に置かれて予算の見通しがつくまでという政治的な配慮で常に動いておられることは、公務員しかも優秀な公務員としてのあなたの誇りを傷つけるものじゃないかと思うのでございますが、御見解はいかがでございますか。
#47
○大山政府委員 勧告を受けました政府といたしましては、国家財政全体の見地からそれをいかに取り扱うかを考えざるを得ないかと存じます。
#48
○受田委員 大山さん、あなたの調査室には職員が今何人おいででございましょう。
#49
○大山政府委員 専任、併任合せて十八人でございます。
#50
○受田委員 十八人の公務員制度調査室の職員で、数百名にわたる大世帯の人事院が立案したものを、適当にまないたに載せてこれを料理されるのは、はなはだ困難な段階ではないかと思うのでございますが、室長さんの御見解をお伺いします。
#51
○大山政府委員 まことに微力でございまして、なかなか大きな仕事を引き受けるのは容易でないのでございますが、ただ、私どもといたしましては、政府部内におきまして、いろいろ財政当局の考えも聞き、あるいは実施事務当局である各省庁との連絡もはかりまして、そういう連絡調整役として役割りを果していきたいと考えております。
#52
○受田委員 単なる連絡調整の機関として存在するのがあなたのお部屋の存在意義でございましょうか。もっと高いものはございますまいか。
#53
○大山政府委員 申し落しましたが、連絡調整と企画、立案というようなことになっておりますので、いろいろ各省庁の意見も伺いました上で、調査、企画、立案することになっております。
#54
○受田委員 そうしますと、人事院勧告は国家公務員法に基いて、いろいろな内部にある機関が総知をしぼって結論を出した。これは公務員の身分を守りその生活を守るためにはきわめて貴重な存在になっておるのでありますが、その大世帯の勧告を、十八人のあなたの部屋で、連絡調整とはいいながら、事実上料理されることになるならば、これは非常な危険が存在するわけなんです。一応人事院勧告をはっきりと尊重して、それをいかに実施するかという手続上に政治的な、かすかなる配慮を加えるという程度の動きをされるのがあなたの任務じゃないかと思うのでございますが、いかようでございますか。
#55
○大山政府委員 実際問題といたしまして御説の通りかと思います。ただ、財政当局ともいろいろ打ち合せ、また各省庁の実施当局とも打ち合せまして、若干の修正、変更を加えなくてはならぬという点がありますれば、やはりその責務を果さなくてはいかぬ、かように考えます。
#56
○受田委員 具体的に給与改訂の審議の内容の進捗状況についてお尋ね申し上げるのですが、人事院勧告の給与改訂意見というものは、あなたの方としてはこれを率直に読み取ることができないで、何かの形であの案に示されてあるような七等級その他の制度を検討しなければならぬという見解をお持ちでございますか。
#57
○大山政府委員 ただいま各省庁の意見をとって、それを検討中でございますので、まだ具体的にどの点はどうするかというようなことを申し上げる段階に至っておりません。
#58
○受田委員 そうしますと、給与改訂の最終案は、あなたの手で一応事務当局としてはなされることになるのでございますか。
#59
○大山政府委員 法律案を作成いたします段階におきましては、事務的には私どものところで立案する、かようなことになるかと思います。
#60
○受田委員 その政府案を作る事務当局の最高責任者であるあなたが、数百名の人員を擁する人事院の大世帯の勧告をまないたに乗せて料理されるということについては、少くともその専門的な立場で検討された人事院の案に対して、原則的にはこれを中軸にして尊重するという形をとらなければならない。それをあなたのところで適当に期末手当の方は先にちょっとやっておく、あとのところはいつできるかわからないという形をとられるのは、公務員制度及び給与の問題、ことに人事院の公平と給与の適正が吏道の刷新の原則であることを思うときに、はなはだ私は不安を感ずるのでございます。あなたの調査室ができる前には、人事院は非常に大きな実力を発揮したわけで、その人事院の御出身であるあなたとしては、少くとも人事院の線を十分に尊重して、今私の申し上げた吏道の刷新と、公務員をして職務に邁進せしむる気魄を養うために、大いにあなたは健闘していただかなければならぬと、かように考えるのでありますが、御見解はいかがでございましょう。
#61
○大山政府委員 できるだけ御趣旨のように努力したいと考えます。
#62
○受田委員 これ以上はもう御無理でございましょうから、一つこの法案に関連して当然予算措置をどうされるかが、国家公務員の場合も起こってくるのでありますが、この人事院勧告の要求している約十億という年度末手当に当る分の予算は、大山さん、あなたとしては、事務当局として十分御検討を遊ばされましたか。遊ばされたとしましたならば、この十億の予算の捻出方法はいかように考えられましたかを御答弁願います。
#63
○大山政府委員 今回の法律の実施に伴います国家公務員の一般会計の経費は十二億くらいになりますが、今回の措置は、本年度に限りましては、既定人件費の節約等によって捻出するという建前になっているのでございまして、各省庁における既定人件費の節約等によってまかなうのでございますが、財政当局並びに各省庁の努力によりまして、おおむね〇・一五の最高限度までは出せるもの、かように確信いたしております。
#64
○受田委員 おおむねというお言葉が出ましたが、これはどういう理由に基くものでございましょう。
#65
○大山政府委員 建前といたしましては、あくまで節約によるということでございますので、ただいまそのようにお答えしたわけでございますが、昨年もやはり同じような形によりましてやったのでございますが、本年も〇・一五月分は大体出せるという見通しでございます。
#66
○山本委員長 石橋君。
#67
○石橋(政)委員 今の点、法案を見ましても、附則の中で「昭和三十一年における適用については、同項中「百分の二百三十」とあるのは、「百分の二百をこえ百分の二百三十をこえない範囲内において、各庁の長又はその委任を受けた者が定める割合」とする。」と、本年度に限って特別の規定がうたわれているわけです。そうしますと、今大山さんが言われたおおむねという意味がどうやらわかってくるのです。なぜ三十一年に限って百分の二百ないし百分の二百三十とうたったのか、あなたがおっしゃるように〇・一五が必ず出し得るのならば、本年に限ってこういう条項をうたっておくのは必要がないのではないか。これは結局予算措置の中であまり自信がない、だから必ず〇・一五上げるのではないぞということを明確に打ち出したのではないかという疑問をわれわれは持つわけです。この点について一つ明確に御答弁を願わなければ、公務員も期末手当が〇・一五ふえたのだと思って喜んでいるが、実際はそうではなく、こういうふうなことでいきますと、どちらかというと、これは勤勉手当の増額というような言い回しをした方が適切ではないかという疑問も起きてくるのです。この点明確に〇・一五増額できるという見通しがあるかどうか伺いたい。
#68
○大山政府委員 本年度に限りましては、既定人件費の節約等によってまかなうという建前になっておりますので、法律の条文におきましても、ただいま御指摘になりましたような附則をつけまして、既定予算の範囲内で各省庁で定めるという表現にいたしているのでございます。その点は昨年の年末に〇・二五をふやしましたときにも同じような表現であったのでございます。ただ実際上の問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、各省庁の努力によりまして〇・一五月分出せることを私どもといたしましては確信いたしている次第でございます。
#69
○石橋(政)委員 その点が政府の内部でどの程度意見が統一されているのかということを心配するわけです。あなたの立場からいえば、各省庁で既定経費の節約をやってみんな〇・一五を増額できるのが当然だろうと思いますが、絶対にその保証があるものかどうかという点について、一つ明確に答えていただきたい。間違いなく〇・一五を増額できるのだということをここではっきり説明していただかなければ、ちょっと不安な点があるのです。
#70
○村上説明員 今お尋ねの点に関連いたしましてお答え申し上げます。法律上の建前は今政府委員から答弁をいたしました通りでございます。実行上どうなるかにつきまして、私ども至急検討を進めておりますが、ただ各省庁の地方の出先にわたります部分がございますので、ただいまのところはっきりした見通しが全部確実に出し得るというところまで締っておらないのでございますが、私どもの見通しとしましては、各省庁を通じて支給し得るというふうに考えております。
#71
○石橋(政)委員 事務当局のお答えとしては、その程度かとは思うのですけれども、一つ表看板に偽わりがないように、羊頭を掲げて狗肉を売るようなことがないように、みんな期末手当がふえたのだ、こう思っておる。それがかりそめにも予算の面で、どうしてもやり繰りがつかなかったからといって、在職期間の差異によって、あるいは勤勉の度合いというようなものによって増額分についての差額が出てくるというふうなことがないように、財政当局として、絶対にそういうような差額が生じないように便宜をはかってやるのだ、そういうくらいなかまえをもってやってもらいたいと思いますので、その点十分留意していただきたいと思います。
#72
○山本委員長 片島君。
#73
○片島委員 大山政府委員にちょっとお尋ねいたします。先ほど最終的には私のところでやるというようなことでありましたが、たとえば補正予算あるいは給与に関する予算の要求等も含めて言われるわけですか。
#74
○大山政府委員 予算の編成はもちろん大蔵省でやるわけでございまして、私先ほど申しましたのは、法律案は私どものところで作るということでございます。
#75
○片島委員 最終的な法律案はあなたのところで作るとおっしゃるが、私たちが公務員の給与問題を論ずる場合に非常に困るのは、人事院という膨大な機構があるわけです。認証官を三人も置いて、事務総長まで置いておる。あれだけの権威をもって勧告をなされる。私たちはその努力を非常に期待しておるわけです。そうしてあなたの方がまた十八人ばかりおって、いろいろと研究される。また大蔵省では主計局に給与課というものがありまして、そこで財布をしっかり持った主計局をバックにして、給与課というものががんとかまえておるわけです。一体日本の公務員の給与について、どこが一番権威を持っておるのか。たとえば先ほどからの受田委員の質問に対して、もう補正予算を出すような意図はないようで、今でも節約によってやるとおっしゃるわけですが、給与関係について、昇給原資なども、昨年は大体国民所得の上昇率を四%と見て、四%の昇給原資を要求したわけです。それだけの原資を見たわけです。そうしたら国民所得は二倍に上昇して一〇%以上になった。そうすると当然六%という補正予算をだれか責任をもって出してくれるものがおらないと、公務員だけ取り残されるということになる。それからまた今年と同じように国民所得が上昇していけば、当然今度は四%でなく、新たに新年度の予算には一〇%の昇給原資というものを当然予定しなければならないわけです。そういうめんどうはだれがどこで見るのでありますか。あなたの方はただ法律案を作って出すだけで、そういうようなことについては一向そしらぬ顔をしておるわけですか。だれがやってくれるのか。そういう公務員の給与改善についての予算的な要求については、いつでもわれわれから突っつかないと、大蔵省では予算は組まないのですよ。だから各省でどんどん押し寄せていって、予算の要求どきになったらどんぶり予算とかいろいろいわれるのだが、公務員の給与については、大蔵省の主計局に行って、どこの省が総括的に真剣に大蔵省のしりを突っつくのか。その責任省庁はどこですか。
#76
○大山政府委員 予算の要求は、御承知のように、各省がそれぞれやるわけでございますが、ただいま御指摘の人件費の点につきましては、さらに公務員制度調査室といたしましても、その連絡調整をいたしまして、それを推進する役割がある、かように考えております。
#77
○片島委員 各省庁でやるのですが、公務員全体として共通的なものなんですから、各省から持っていっても、いや、お前の省ばかりではない。こっちから持っていけば、いや、これは共通的なものだから、そういうわけにいかないというので、ばらばらで弱いのですから、その中にこの柱になるところがあって、責任を持って共通的なものを持っていって、大蔵省に推進する役割をしなければ、あなたのところでは十八名くらいで予算を全部めくって、それを推進するだけの力があるかどうか、また現在やっておられるかどうか。今度補正予算は編成しないと政府は言っているわけですが、だれも補正予算を編成しようという強い要求を大蔵省に持っていったところはないのです。あなたのところも共通的な立場において、大蔵省に持っていく責任があるわけではないのです。そこでこのことを人事院総裁に聞いたら、いや、私たちはいろいろとかくあるべきだということを言ってうそぶいておればいいのであって、それから先のことは責任は持ちません。こういうお話であったが、そうなればあなたのところでやらなければならぬと思う。
#78
○大山政府委員 いわゆる形式上の予算要求という形では、もちろん私どものところから出す筋合いではございませんで、各省庁から出すのでありますが、その間の連絡をはかり、さらに推進をするということは、私どものところでやる責務があると考えております。
#79
○受田委員 私は大山室長及び主計局次長の今の御答弁で一つ疑義が発生したのであります。すなわち次長さんの御説明では、地方の出先機関の中にだいぶ不安があるのだというお言葉もあったわけですが、中央の機関は一応の見通しがつくが、地方に不安があるというその理由をまずお聞きしたいのです。
#80
○村上説明員 先ほどの御説明が多少誤解を招きましたようでございますが、私の申し上げましたのは、中央は大丈夫である、地方は不安がある、かような意味で申し上げましたのではございません。御承知のように、各省の経費は中央地方を通じまして計上をされております。実際の施行面は各末端の官署において配分が行われております。従って今回のような問題が起りまして、今後の実行上どれだけの余裕を生じ得るかという見通しを立てる段階になりますると、中央はもちろんでございますが、各それぞれの出先を通じまして、その余裕を洗い直す必要がございます。そこで中央あるいは出先でございましても、比較的近いところ、大きなところ、つまり連絡の早いところにつきましては、比較的早く見通しが立ち得るわけでございますが、非常に距離が離れておりますとか、あるいは場所が不便であるとか、人数が少くて連絡に不便であるというようなところにつきましては、ただいまのところ、まだそうはっきりした返事が集まっていないところもあるという意味で申し上げた次第でございます。
#81
○受田委員 中央官庁の出先機関を今私は指摘したわけですが、そういう場合に支払い事務に多少のおくれがくるかもしれないというような意味でございますか、あるいは地方出先機関の中には、中央官庁からの経費の配分についての不均衡が起って、出先が多少陥没してくるというような意味でございますか、そこを今お尋ねしたわけです。
#82
○村上説明員 お言葉によりますと、中央に対しまして、地方の出先官庁に陥没が起る、というようなことは実行上あり得ないと存じます。
#83
○受田委員 そうしますと次長の御説明では、国家公務員に関する限り、〇・一五の増額は完全実施できるということが言えますか。
#84
○村上説明員 先ほども申し上げましたように、中央とそれから各出先の全部を通じまする今の余裕の見通しがはっきりいたしておりますると、これは確実にできるということを私どもの立場でただいま申し上げ得るわけでございますが、今申し上げましたように、地方についてはまだその返事が参っていないところもございます。従いましてそういう意味で、ただいまのところ計数の上でもはっきり私どもの手元にあります計数で全部できるかというお尋ねになりますと、もう少し待っていただきませんと、まだ見通しが立たないという実情でございます。
#85
○受田委員 実際の支払いに当って、あなたの御答弁であるならば、中央官庁の方は一応もう数字が出た、地方の報告がおくれている、連絡がおくれておるのだということになりますと、その省庁においては、地方の報告がはっきりされるまでは支払いを待っておるわけでございますか。
#86
○村上説明員 支払いの時期までにまだ多少の時日の余裕がございますので、その間に報告の入って参りまする分ももちろんございますと思います。その辺は私どもと各それぞれの省庁のお立場とよく御相談をしてきめたいと思っております。
#87
○受田委員 法律には十五日に期末手当は支給をすることが明文化されておるわけでございます。ところが今あなたの御答弁であると、省庁によっては十五日に支給されないところが発生する、かように理解せざるを得なくなるのでありますが、あなたの御答弁はそういう意味でございますか。十五日の期限には間に合わない場合が起るという意味でございますか。
#88
○村上説明員 十五日までにまだ日にちがございますので、その間に相談をきめますれば、それにおくれるというようなことはまずないものと思っております。
#89
○受田委員 大山さん、昨年これと同等の措置をされたという今の御説明によって、昨年国家公務員に関する限り、増額部分が完全実施をされておりますか。結果論からお尋ねしたい。
#90
○大山政府委員 完全に実施されておると承知しております。
#91
○受田委員 そうしますと、ことし同等の臨時措置をする場合においても、完全実施は想定できることだと解釈してよろしゅうございますか。
#92
○大山政府委員 さように確信いたしております。
#93
○受田委員 今次長さんは各省庁の間でそれぞれ相談をするというお言葉があったわけでありますが、その相談というのはどういう形式の相談でございますか。
#94
○村上説明員 今後の見通しがそれぞれ現に集まってきつつあるわけでございますが、その状況によって、たとえば流用をいかがいたすとかいうようなことをあらかじめ相談をしておくような場合も当然起ろうかと思います。さような場合を申し上げた次第でございます。
#95
○受田委員 そうしますと、相談が成立するまでは、予算的に見て十分支払い能力のある省庁も支払いを待つということですか、あるいは経費の上で見通しのついたところから支払いするというような意味でございますか。
#96
○村上説明員 法律が成立いたしますれば、予算の見通しがお立ちになっておりますところは当然お支払いになる権限をお持ちなわけでございますから、どんどん支払いを開始されると思います。ただ将来の見通しにつきまして、たとえばあらかじめ私どもと御相談をしておかれた方がよいとお考えのところは、あるいは御相談に見えるかもしれぬ、かように思っております。
#97
○細田委員 関連して一点だけ大山政府委員に伺いたいと思います。さきにこの内閣委員会で、ごく最近ですけれども、公務員に対する――これは三公社五現業も含めてのことと思いますが、人事院の勧告を尊重し、これが解決をはかるよう努力すべし、今年度内にこれが解決をはかるように努力せられたい、こういう決議をしたのですが、御存じかどうか、その点について……。
#98
○大山政府委員 承わっております。
#99
○細田委員 これについて責任官庁のあなたとしてそのお考えはどうであるか、また見通しはどうであるか、お尋ねしたい。
#100
○大山政府委員 今回提案になっております法律案はその努力の一つの現われかと考えておりますが、その他の部分につきましては、さらに鋭意検討を続けまして努力いたしたいと思います。
#101
○細田委員 その鋭意検討中とかという抽象的な言葉でなくて、本年度内にこれが解決と、こういうふうに打ち出してある。あなたのところの見通しは、鋭意検討中ということの内容を、その全部を取り上げて具体化する用意があるか、またその見通しが立っているのか、そういうことを伺っておるわけです。
#102
○大山政府委員 政府といたしましては、できるだけすみやかな機会に結論を得るように努力するということで、目下やっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、ただいまのところといたしましては、本年度内にいずれかの結論が得られるであろうというふうに考えております。
#103
○細田委員 その問題は人事院の勧告という具体的なものが打ち出されております。従ってこの人事院の勧告の線に沿ってあなたのいう結論が得られる、こう私は伺っていいのかどうか、その点伺いたい。
#104
○大山政府委員 できるだけ人事院の勧告を尊重するという建前で検討いたしております。
#105
○山本委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明十二日午前十時より開会し、自治庁関係の質疑を続行することといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会



































































ソース: 国立国会図書館
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