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1956/12/12 第25回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第025回国会 内閣委員会 第8号
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1956/12/12 第25回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第025回国会 内閣委員会 第8号

#1
第025回国会 内閣委員会 第8号
昭和三十一年十二月十二日(水曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 山本 粂吉君
   理事 保科善四郎君 理事 宮澤 胤勇君
   理事 石橋 政嗣君 理事 受田 新吉君
      小金 義照君    薄田 美朝君
      辻  政信君    床次 徳二君
      眞崎 勝次君    粟山  博君
      横井 太郎君   茜ケ久保重光君
      飛鳥田一雄君    稻村 隆一君
      片島  港君    下川儀太郎君
      西村 力弥君    森 三樹二君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 太田 正孝君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房公務員制度
        調査室長)   大山  正君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      岸本  晋君
        総理府事務官
        (自治庁財政部財
        政課長)    柴田  護君
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一〇号)
    ―――――――――――――
#2
○山本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。石橋石。
#3
○石橋(政)委員 七月に人事院勧告がなされましてから数カ月間、何ら給与改善の措置が講ぜられないままに放置されておったわけでございますが、このたびその一部といたしまして〇・一五の年末手当の増額が提案されましたことは、まあ満足とは言えないまでも、誠意の現われとして認めたいと思うわけでございます。これに関連いたしまして、特に地方公務員に対する措置が完全に行われるかどうかという点に若干の疑義がありますので、自治庁長官からいろいろとお伺いをいたしたいと思います。
 まず第一に、昨日の閣議決定の内容によりますと、地方公務員に対しましても同様の増額の措置が行われるようになっておるのでございますが、やや決定の内容そのものにあいまいな点があるわけであります。それは地方公務員に対し年末に支給される期末手当を「国家公務員の場合に準じ増額支給する場合にも」という表現が使われておるこの点であります。これは法律上からいきましても地方公務員法の二十四条第三項によって、明らかに地方公務員の給与は国家公務員に準じなくてはならないというふうになっておりますし、この点は先日の本会議におきます受田議員の質問にお答えになった長官の答弁の中でもお認めになっておるので、私は疑義はないと思うわけでございます。ところが閣議決定の内容には「支給する場合にも」となっておる。これは一体国家公務員に〇・一五増額されるのだから当然地方公務員にも増額さるべきだ、しかし予算面でそういう措置がとられないような場合もあるということをお考えになったのか。そうだとすると非常に困るわけであります。そういうことじゃなしに、単に、地方公務員に対してかかる給与の増額の措置をとるのはあくまで地方自治体自体である、特に条例で定めるということが地方公務員法でも明記されておるので、そういった建前を尊重する意味で、単にこういう表現を使ったのであって、絶対に政府としては国家公務員と同様に増額の措置を行うものであるというふうにお考えになっておるのかどうか、若干疑義がありますので、まず最初に御答弁願いたいと思います。
#4
○太田国務大臣 石橋委員の御意見の通りでございまして、申し上げるまでもなく、自治体が自主的にやるべきことなのでございます。しかし原則といたしまして国家公務員に準じてやるべしという考え方でございます。ただ財源を作るにつきましての関係上「場合にも」とありますが、お考えにおいては同じでございます。
#5
○石橋(政)委員 それではっきりいたしたわけでございますが、そうしますとあとは、そういう建前をとられましても、自治体の現在の財政の窮迫の状態から、なかなかさっと支給できないような場合が出てくるということだけを懸念すればいいようになると思うのであります。特にこの閣議決定では、予算措置の面は既定経費の節約による国家公務員の場合と同様ではありますけれども、国家公務員の場合よりも、なお財政的に窮迫しておる地方自治団体で既定経費の節約というようなことは、非常にむずかしいのじゃないか。特に再建団体になっております十八団体ですか、そういうところでは既定経費の節約なんというものをやる余地はほとんどないのじゃないか。現在においてすら昇給昇格その他の原資をどんどん食っていってしまいまして、人件費に大きな波が寄せられてきておる。そういうときにさらにこの捻出をするということはほとんど不可能な状態じゃないかと私どもは考えておるわけでございますが、この点についてどのような措置を講ぜられるつもりであるか。聞きますと、短期資金の融資をやるのだというふうなことでございますが、かりに短期資金の融通をやっていただきましても、これはあくまでも借金であります。しかも短期ということになりますと、その後の問題も生じてくるわけです。短期融資を見てやるということになりますと、一体その期間はどのくらいと考えておられるのか、一カ月か三カ月か、そうしてまたその期限が切れた暁には長期債にでも振りかえられるのか、あるいは補正予算によって交付税の増額といったような根本的な対策を講じて、これをカバーしてやるというようなお考えであるのか、そこまではっきりさせておいていただかなければ、当初申し上げましたように既定経費の節約では当面どうしても払えないという場面が相当出てくるかと思いますので、安心のできるように一つ対策をお示し願いたいと思います。
#6
○太田国務大臣 本年における跡始末において、せんだっての国会においてこの処理をいたしましたごとく、間違いなくこれを実行いたしたいと思います。申すまでもなく、節約という問題について困難なものがあることは事実でございます。しかし国家公務員にならってやるべしという原則からいいますと、一応はそれを建前にいたさなければならぬと思います。再建団体、あるいは自主的再建団体、その他の団体の中にずいぶん困難なものがあります。これもまた一律には言えませんが、たとえば名前も出していいかと思いますが、兵庫県のごときは再建団体とはいいながら非常に収入が入って参りました。けれども東北六県のごときはお示しの通り非常に悪い状況でございます。一律にどうこうということは言えません。また不交付団体の中には相当に余裕のあるものもある。これもまた言うまでもないところでございますが、これをどうするかということは、一応融資の問題がございますが、融資は結局跡始末が問題でございまして、おそらく石橋委員の御質問もそこに重点があるかと思います。融資につきましては、申し出に対しまして、こちらが十分骨を折ってやっていきます。どれほどつなげるかということも同様だと思います。しかし出したものの跡始末をつけてくれなければどうにもならぬ。そこで昨年末の跡始末問題などを見ましても、だいぶおくれたところもございます。結局は出しました。たとえば府県でいってみますと、長崎県、鹿児島県、新潟県などは、だいぶおくれましたが、ようよう片づいたようでございます。市町村につきましても、数字は私は大まかに記憶しておるのですが、市が四百ばかり、それから町村が三千ばかりは年末にやりました。その他のものは残ってしまいましたが、これもどうやらこうやら片づいたというのが昨年の年末賞与に対する結果でございます。この問題につきましては、この春の二月であったと記憶いたしますが、地方行政委員会等において大蔵大臣と並んでこの問題の処理をすると言って、結局は交付税のはね返りとか入場税などで埋めて参りまして、この点を処理したということの事実も御参考にお願いいたし、地方で最後に足らぬものにつきましては、その資金措置をとらなければならぬというのが私の考え方でございます。
#7
○石橋(政)委員 昨年御努力を願ったということで今年も安心していいかとも思うのでございますが、しかし私が地方議会におったときに、その後どうしてくれるんだということがはっきりしなければ出されないということを、知事あたりはよく言うわけです。そうしますとやはり今年についても必ず補正予算を組んでやるというなら、そういうような確言をしていただくということになりますと、期日の面その他金額の面におきましても、十分国務公務員と同等の措置がとられるのじゃないかと思いますので、今年度についての御計画を、補正予算を組んでやるならやるというふうに、もう少し御説明を願いたいと思います。
#8
○太田国務大臣 補正問題については大蔵大臣が臨時国会でやらぬということだけは申しておりますが、それ以外のことは申されておりません。問題は地方公務員の処理につきまして、同じ屋根の下であるいは警察とかあるいは義務教育費とかの関係その他を見ると、これは区別できません。どうしても出さなければならぬ。ことに内閣でもかわるという場合にいいかげんなことをして処理することは、私は政治責任としてできません。閣議においてもはっきりそのことを申したのです。結局この金の足らぬ場合においては出すという腹をきめるよりほかにない。その方法いかんについては、何といっても第一義としては、今言った跡始末をするということが原則でございますから、何にもそれを言わずにいくということは、私は国の財政でも地方の財政でもできないと思います。言うべきであり、しこうして処理することについていいかげんにするということは、私としてはできませんから、従ってこの趣意のもとに昨日の閣議がきまった次第でございます。
#9
○石橋(政)委員 非常に心強い御答弁を願って安心いたすわけでございますが、それでは一体どの程度の金額が必要になってくるかということなのでございます。十日に開かれました関係各省の次官会議で出されておる数字によりますと、国の負担が大体十三億、地方負担が一般職員で二十億九千七百万円、義務教育職員で七億四千八百万円、合せて二十八億四千五百万円ですか、この程度考えておるようでございますが、一方地方六団体の要求は大体三十六億というようなことになっておるかと思います。朝日新聞の十一日の記事でございますけれども、全国知事会と地方六団体は、〇・一五の増額支給がなされる場合には、必要な財源として約三十六億円を一つ交付してもらいたいという要望を述べておるようでございますが、この数字の点で一体なぜこのような差が出てきておるか、それがまず第一でございます。特に数字について私懸念いたしますのは、昨年も同様な措置がとられたということでございまして、本年〇・一五の増額が法制化されて提案されておるわけでございますけれども、昭和三十一年に限って〇・一五一律という形が法文としては現われておらないわけです。結局合計でいいますと従来の一・五に増額された丁六五の「範囲内において、各庁の長又はその委任を受けた者が定める割合」において支給するというふうになっております。これは国家公務員の場合においては、昨日の御答弁によりまして、そういうふうに書いておるけれども、実際には関係各省一律に〇・一五の増額になるようにするんだ、昨年も同じような立法措置をとったが、結果的には昨年〇・二五を一律に全部増額されているのだから、その点は心配要らないというような御答弁であったわけでございますけれども、地方公務員におきましても、見てやる金によりましては、国家公務員においてもこういうような法律になっているのだからというようなことで差等をつけられますと、非常に迷惑する面が出てくると思いますので、〇・一五の増額措置がとられるように見ていただきたいということが、もう一つの要望にもなるわけでございます。数字の差というものが出てきた理由とからみ合せて一つ御見解を述べていただきたいと思います。
#10
○太田国務大臣 数字のこまかいところは説明員からお話し申し上げますが、大体におきまして三十億でございます。その中で地方の一般財源によるものが二十二億、それから国庫負担になるべき部分が八億、このあとでずっと数字が出てきますけれども、大まかにいって三十億、これが確定した数字でございます。
 第二点につきましてはお言葉の通りでございます。また他の政府関係者が言われた通りで、去年と同様にやっていくのでございます。
#11
○柴田説明員 数字の点についてお答えいたします。知事会が申しておりますのは、一般職員と警察職員と義務教育職員の全部の額三十五億九千六百万円という数字でございますが、それをまるめて三十六億と言っているのだろうと思います。今回の措置によりますと、そのほかに特別職と議会の議員に対しましても同じように期末手当が増額されますので、それらを見て参りますと、総額におきましては大体三十七億円くらいになろうかと思います。それを地方交付税の出されます交付団体と、地方交付税の行っておりません不交付団体、これを分けて申し上げますと、今の特別職を除きました数字で、交付団体が二十八億五千三百万円、その中で国費が六億五千八百万円、地方費になりますものが二十一億九千五百万円、残りが不交付団体でありまして、不交付団体では国費が九千一百万円、地方費が六億五千二百万円、合計七億四千三百万円、こういう数字になるわけでございます。
#12
○石橋(政)委員 これは直接担当大臣ではないと思いますけれども、先ほどから出ております警察職員、特に義務教育の学校職員、半額国庫負担になっております面、そういうものも政府といたしましては全部同等に見ていくということを決定しておると思いますが、念のために……。
#13
○太田国務大臣 実はこの給与関係で私も倉石君、一萬田君と一緒に何しましたが、その問題は一番心配したのでございます。法務省の関係では、検察庁の人の費用はほとんど一ぱいぎりぎりといった状態、去年もそうでございました。それから防衛庁、これも同様でございます。一番目立っているのはそれでございますが、それやこれや始末してやるといっても、これがまた問題であります。限度に来ている。はみ出たらどうするか。やはり同様取り扱うべく財源措置をいたします。
#14
○石橋(政)委員 それで大体私のお聞きしたいことは尽したわけでございますが、最後に、これは国家公務員に対しましても十二月十五日、もうすぐ支給されることになるわけでございます。そうしますと、地方団体におきましても、例年大体十五日に払われておるのでございますが、時間的に非常に切迫しておるわけでございます。これについて政府の方から何らか準備指令的なものが出されておるものであるかどうか、なお、今大臣がおっしゃったような趣旨のいろいろな問題についての説明といったようなものが、完全に連絡される手続がとられておるかどうか、この点お尋ねしておきます。
#15
○太田国務大臣 心配の点ごもっともと思います。法律が出ますとすぐそのこまかいことを通牒するつもりでございます。問題が一つありまして、御質問のないのに私の方から申すのはどうかと思いますが、再建団体はこれをやります場合に計画を変更しなければなりません。計画の変更は自治庁の承認を得ることになっております。これが手間取ったらできないことになりますので、災害その他やむを得ざる場合には事後承諾でよいということになっておりますから、その措置によりたいと思います。従って、再建団体についても同様な結果を得るようにいたしたい。これは御質問のないのに言うのは何でございますが、今関連事項と思いましたから申し上げた次第でございます。
#16
○石橋(政)委員 いろいろ御配慮願いまして非常に心強く感じておるわけでございます。最後に、今後当然給与改善の措置も政府においてとられるようになるかと思います。本委員会におきましても、満場一致で人事院勧告の趣旨をくんで、早急に給与改善の措置をとるようにと決定いたしておるわけでございます。このような措置ができるだけ本年度内に実施されることをわれわれとしては望んでおるわけでございますが、おそらくそういう形で努力をしてもらえるものと期待しているのでございます。もし国家公務員に対しましてそういった給与改善の措置がとられるというようなことになりますれば、ここにおいてまた地方公務員の問題が当然出てくるわけでございますけれども、この点についてもこの年末手当の増額に関連してとられましたと同様に、敏速な措置がとられることをお願いいたしまして、私の質問を終りたいと思います。
#17
○太田国務大臣 地方公務員と国家公務員との関係につきましては、地方公務員法、教育公務員法、警察法等に示しておる通りでございまして、私もその線を支持すべきものと思います。人事院勧告の線を尊重しつつ解決いたしたいと思っております。私といたしましては、皆さん御承知の通りだいぶん地方が引き締めて参りました関係上、給与がおくれますとかあるいは払えないとかいろいろな事情がございますので、この点については非常に心配しておる次第でございます。皆様方の御指導によりまして、また人事院の勧告の線を尊重しつつ、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
#18
○山本委員長 これにて質疑は終了いたしました。
 引き続き討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、これを省略いたすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
 引き続き採決に入ります。本法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#20
○山本委員長 起立総員。よって本法律案は全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 なお、本法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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