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1956/12/03 第25回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第025回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号
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1956/12/03 第25回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第025回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号

#1
第025回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和三十一年十一月二十二日(木曜日)
委員長の指名で次の通り選任された。
      宇田 耕一君    内田 常雄君
      小笠 公韶君    菅  太郎君
      小平 久雄君    首藤 新八君
      長谷川四郎君    淵上房太郎君
      阿部 五郎君    伊藤卯四郎君
      田中 利勝君    山口シヅエ君
同日
 小笠公韶君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
    会 議
昭和三十一年十二月三日(月曜日)
    午後二時十四分開議
 出席小委員
   小委員長 小笠 公韶君
      宇田 耕一君    菅  太郎君
      長谷川四郎君    多賀谷真稔君
      田中 利勝君
 出席政府委員
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 松尾 金藏君
 小委員外の出席者
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  森  誓夫君
        通商産業事務官
        (中小企業庁指
        導部長)    川瀬 健治君
        参  考  人
        (日本鉱業協会
        専務理事)   樋口 重雄君
        参  考  人
        (日本鉱業協会
        中小鉱業対策委
        員大揚鉱山社
        長)      松本 万里君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
十二月三日
 小委員阿部五郎君及び山口シヅエ君十一月二十
 八日委員辞任につきその補欠として佐々木良作
 君及び多賀谷真稔君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金属鉱山の振興対策に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小笠小委員長 これより会議を開きます。
 本日は、まず金属鉱山の振興対策について、御出席の参考人日本鉱業協会専務理事樋口重雄君並びに同協会中小鉱業対策委員大揚鉱山社長松本万里君より御意見を承わりたいと思います。
 それではまず中小金属鉱山の現状並びにその振興策について松本参考人よりお願いいたします。松本万里君。
#3
○松本参考人 ただいま御紹介にあずかりました松本でございます。
 実は中小鉱山の対策につきまして、現在日本鉱業協会の中に、中小鉱山対策委員会ができておりますが、不肖私同対策委員長をお引き受けいたしまして、ここに約半年以上この問題に取り組んで今日に至っておるわけです。御案内のように、鉱山協会におきましては、いまだ中小鉱山問題について、具体的な対策を樹立するような機会を得なかったことは事実であります。と申しますのは、一応わが国の鉱山行政を顧みてみますと、そのほとんどが好むと好まざるとにかかわらず全部大鉱山中心主義であったということは、過去においても事実であります。しからばなぜこういうことになってきたかと申しますと、その点についてはいろいろな問題がありますが、私をしてこれを言わしむるならば、おそらく石炭と違いまして、金属鉱山におきましては、中小鉱山は全部一つの系列化のもとに生きていかなければならないというように運命づけられておることが、最も大きな原因でなかったかと思っております。すなわち石炭は、初めから最終製品を産出している。金属は、特殊のものを除きましては、大部分が製練所に直結するものをもってやっておるというところに、金属と石炭との違いがあるわけであります。こうした実情におきまして、今日中小企業問題がいろいろ論議されておりますが、この機会にぜひとも中小鉱山を育成してもらいたいというのが、本日お願いする問題の要点であります。過般これに関しまして、お手元に差し上げましたように、中小鉱業対策要望書というものを出しまして、日本鉱業協会その他関係団体が相寄って、全国的な声としてこの点についてお願い中であるわけであります。と申しましても、これが内容につきましては、ほとんど今まで論議し尽されておりまして、今さら事新しいものではない、要は実行の段階にあるということでありますが、一言にして申しますならば、この対策要望書に盛られておることは、中小鉱山対策とは助成以外の何ものでもない、助成よりほかには中小鉱業対策問題はないのだということで全部を割り切っていただければ、この対策要望書の中に盛られておる問題についても御理解いただけるのではないかと思っております。
 大体以上の概論によりまして、この対策要望書の提案の趣旨を御理解いただくとともに、この内容について簡単に触れさせていただきたいと思います。
 第一項の探鉱奨励制度の強化拡充、これは、今まで探鉱奨励金制度といいますのは、わが国の鉱山対策のほとんどこれが中心であったといっても過言ではないのでありますが、年々歳々探鉱奨励金が削減されまして、補助金制度が一般的に削減されておるのでやむを得ないものとは思いますが、中小鉱山のほとんどすべてに均霑しておりました探鉱奨励金が漸次減り、昨年度のごときはわずか二千万円であるというような現状であったわけでありますが、ぜひともこれを復活していただきたい。もちろんいろいろな奨励金に関しまして方針もございましょうが、これ以外には中小鉱山を育成してやる方法がないのだ、すなわち鉱山は掘ればなくなるものだという点から、この探鉱奨励金制度によってますます中小鉱山を育成し、そしてその中からやがて大鉱山なるものを見出していただきたい。
 第二が地質調査所の強化と中小鉱山探査の積極的助成、これは通産省の外郭になっておるように承わっておりますが、通産省の地方通産局の鉱山部を拡充強化して、中小鉱山探査の積極的な助成をしていただきたいということであります。現在八通産局内にあります鉱山部はその予算が非常に削減されておりますために、何とかして中小鉱山を育成したいと思っても、その旅費にも事欠いておるというのが実情でありまして、せっかく多くの鉱山専門の技術屋を擁し、また経験者を擁しておるにもかかわらず、これが予算の不足のためにほとんどその成果を上げていない。どうかそういう意味でぜひとも十分の予算措置を講じていただきまして、各通産局の鉱山部の活発なる活動とともに、未開発地帯の探査にもぜひとも一つ国家的の財政の裏づけを持ち、財政資金を持ってお力添えをいただきたいというのが第二の提案の理由であります。
 第三の、鉱山行政の一環として企業の診断と技術指導の強化、これはもうすでに今までやられておるようでありますが、これも同じく予算措置をもっていかなくては、今までのようないき方ではとても成果は上らないのだ、ぜひとも一つ中小鉱山対策として取り上げていただきたいというわけであります。
 第四の探鉱・道路の建設助成、この探鉱道路と申しますのは、今まで鉱山には鉱山道路としましていろいろな助成を受けております。しかしながら中小鉱山のごとき零細な資金をもってやっております企業におきましては、一番最初に探鉱をするときに、道路もなければ、また探鉱機械を運搬するとしましても道路もない。そういうところでは多くの金がかかるので仕事ができない。中小鉱山としましてはぜひともでき上ったものの鉱山道路の助成のみならず、その前に探鉱についてお力添えをいただきたいというのが探鉱道路の建設助成ということでございます。
 次に地下資源開発株式会社の設立問題、これは、鉱山は掘ればなくなるものだ、またこの鉱山は果して大きなものになり得るかどうか、この企業化価値というものを見るにしましても、どうしても国家資金をもちまして未開発地帯を計画的に探査していただくとか、あるいはまたせっかく営業を始めておりましても、力の弱い中小鉱山に対しましてはいろいろな選鉱上の――移動式選鉱機とかあるいは中央選鉱場の設置とかいうようなものをもってお力添えをいただきたい。その他資金的のものをいろいろ含めてこの中へ盛っておりますが、これらを全部一つ中小鉱山の育成策として、その中枢をなす指導的役割をここに持たしていただきたいというのが第五の地下資源開発株式会社の設立の提案理由であります。
 次の中小鉱山組織化の助成問題でありますが、これは一般に言われております協同組合化であります。鉱山はなかなか協同組合ができにくい。しかしできにくいところの原因を探求してみますと、今まで貸付であったものはその前は助成であった。すなわち単なる設備に対する貸付でなくてやはり助成ということですべてを割り切っていただかなくちゃならない。そういう点を解決し、また鉱山業者がへんぴないなかにおりますために、この中小鉱業に対します協同組合化の問題についてはほとんど知らない人もおるんじゃないか。その他いろいろな問題がありますが、現に山形県だとか、四国に二カ所協同組合を設置しましてかなりの成績を上げていくものもありますので、これの指導あるいは助成の方法いかんによりましては、中小鉱山対策としてかなり大きく御推進いただけるんじゃないかと思っております。
 さらに追加要望としまして、中小企業金融公庫の強化による中小鉱山の貯鉱の融資。へんぴな山にあります中小鉱山に対してぜひとも貯鉱融資をお願いしたいというようなことをうたってありますがこれらすべてはみな助成の段階でありまして、助成以外には中小鉱山の対策はないのだということで、関係筋にはいろいろお願いしておりますのでどうかそういう意味でこの点についての御理解と御支援をお願いいたしたいと思います。
 時間が制約されておりまして、少し突っ走って申し上げましたので、おわかりにくい点があると思いますが、あしからず御了承いただきたいと存じます。
#4
○小笠小委員長 次に中小鉱山を含めた金属鉱業全般にわたる現状並びにその振興策について樋口参考人よりお願いいたします。樋口重雄君。
#5
○樋口参考人 私ただいま御紹介いただきました日本鉱業協会の専務理事をいたしております樋口でございます。
 ただいま松本さんからお願い申し上げました通り、中小鉱業対策に関しましては、ただいま金属鉱業界の最も大きな問題の一つとして取り上げておりまして、ぜひこの対策を樹立して参りたい、またそのためには政府予算並びに国会の皆様方の御協力をいただきたいというふうに考えております。現在中小企業全般の問題につきましては、各方面でいろいろ関心を払われておるようでございますが、その中小企業の中の中小鉱業というものに対しましては、従来の保護助成という面が比較的少なかったんじゃないか、中小企業金融公庫等の融資の統計から見ましても、鉱業に対する融資ということは、同じ地下資源の石炭に比較しましてもはるかに少いのでございまして、他の中小企業と比較いたしますとなおさら、この中小鉱業というものは、まことにこういう面では日の目を見ない産業ではないかというふうに考えられます。しかも産業政策上非常にこれは大事なことではないか、鉱業の推進はぜひ一つこの際取り上げていただいて、中小鉱業問題について十分なる施策をお願いいたしたいというふうに考えております。よろしく御高配をお願いいたしたいと存じます。
 中小鉱業の問題につきましてはこの程度にいたしまして、現在鉱業界で取り上げております諸問題につきまして、この機会に簡単に皆様方のお耳に入れておきたいと考えますので、しばらくお時間を拝借いたしたいと存じます。
 その第一番目は、鉱床補填積立金制度の制定でございます。これは数年前から鉱業界で取り上げておりまして、たびたび皆様にもお話申し上げておることでございますが、この問題は鉱業界全般に非常に影響の大きい問題でございますし、また産業政策上ぜひ取り上げていただきたいというふうに考えておりますので、次の国会あたりでは、ぜひ実現のために御高配をいただきたいというふうに考えております。この趣旨はもうすでに御承知と思いますが、鉱山の生命は結局埋蔵鉱量の確保でございます。この埋蔵鉱量を確保するためには常に探鉱をやらなければいかぬ。しかもこの探鉱をやるためには、相当莫大な費用がかかる。しかもその探鉱が果して成功するか失敗するかということはわかりません。あるいは探してみても全然物が見つからないという場合もございます。多額な費用を鉱業者としてはむだに捨てるという場合もあるわけでございますので、この探鉱をするための積立金をいたしたいということでございます。しかもこの探鉱というものは景気の好不況にかかわらず、会社の利益があるかないかにかかわらず、常に一定の速度、一定の規模においてこれを進めていかなければならぬという宿命的なものでございますので、利益金のうちの一定の割合を課税なしで積み立てていって、常にこういった探鉱を継続して参りたいということがこの根本的なお願いの趣旨でございます。ただいま鉱産物は年々七千万ドルも輸入いたしておりますが、この探鉱を促進することによりまして、この鉱産物の輸入もある程度これをチェックすることができるんじゃないかというふうにも考えられます。また諸外国においては、すでにこの減耗控除制度もしくは鉱床補填積立金制度を実施いたしましてこの鉱業を保護いたしておるわけでございます。この諸外国の例は従来あまりごらんに入れておりませんでしたので、本日参考資料といたしまして皆様のお手元に差し上げてございます。この資料の中の一番最後に「世界鉱産額と本制度実施国の鉱産割合並に国数」という長い表がございますが、その表をごらん下さいましてもわかりますように、左の端に当制度実施国といたしまして国数は六としてあります。鍋墨の数字も載っております。それからその次に国営で鉱業を営んでおるためにこういう制度を必要としない国、その次には未実施国中特例国、とればローデシアとかコンゴというのは非常にコストが安いので、こういう制度を必ずしも実施しなくてもよろしい。こういう国を合せますと、大体最初は銅鉱の表でございますが、銅鉱では国数が九、銅量比では九〇%に上っておるわけであります。未実施国としては、日本、メキシコその他がございます。同じように鉛におきましては七三%が実施いたしておりますし、亜鉛におきましては六七%が実施しておるわけでございます。世界の主たる鉱産国においてはこの制度によって鉱業を特別に保護いたしておるわけでございまして、御承知のように鉱産物は国際商品でございます。しょっちゅう海外の相場その他に日本の産業もさらされておるわけでございますので、こういう国際競争力に打ち勝つためにはこういった諸外国で実施しております保護政策はぜひわが国においても実施をお願いしたいというふうに考えております。
 なお最近この鉱床補填積立金に対しまして根本的な反対意見が出ておりますが、その反対意見の主たる観点と申しますか、その要点は、探鉱して成功した場合には鉱区が一定の埋蔵鉱量を取得するわけでございますが、これは一つの資産である。その資産を取得に先だち事前に損金引き当てをするということは税制の根本的建前を著しく変更させるということが一つの非難の論拠でございますが、この点に関しまして、これはただいま差し上げました書類の一番最初の書類に税制上検討すべき問題点というのがございます。これが大体反対意見でございます。その次に添付してございます鉱床補填積立金制度についての問題点に関する意見というのが私どもが考えておりますこの反対意見に対する反駁の要旨になっております。この鉱産資源というものは、建物とか機械とか、そういった一般の資産とは非常に違うのでございまして、海外でもこれは埋蔵鉱量を減耗性資産と称しまして、一般の建物、機械類とは別個の取扱いをしておるわけでございます。従いまして一般的のこういう償却資産と申しますか、建物、機械などの取得のために引き当てる積立金というものとは区別ができるはずだと考えております。なおその他ここに列挙してございますようないろいろな反対意見がございますが、最後に、これはアメリカ、カナダ、フランス等において実施しておりますが、その弊害が指摘されているのはどうかという指摘が第六番目にございますが、この点につきましてアメリカその他で実施しておりますのは私どもがお願いをしております鉱床補填積立金制度とはだいぶ内容が違いまして、いわゆる減耗控除制度でございまして、無税で積み立てました積立金の使途に対しまして何ら制限がないというところにその弊害が起る重大な要素があるのじゃないか。私どもがお願いしておりますのは、その使途については探鉱のみに使うという一つの大きな制限をつけていただいてけっこうであるというふうに考えております。こういった諸外国の本制度に対する非難というものも、必ずしも私どもお願いしておる鉱床補填積立金制度にそのまま当てはまるというふうには考えられないのじゃないかというふうに思っております。
 なおその次には通産省の鉱山局の見解として出ましたものを私どもいただきましたので、その写しを作りまして皆様方に御参考にお目にかけるつもりでここに添付しておりますので、後刻ごらんを願いたいと思います。
 鉱床補填積立金の問題はその程度にいたしたいと存じますが、もう一つ問題は最近海外から――これは各方面において同じようなことだと思いますが、私ども金属鉱業界に関しましても、いろいろ諸外国からの呼びかけがございます。それはたとえば技術者を派遣してくれぬかとか、あるいは資本を投下してくれぬか、あるいは物を輸出してくれというふうにいろいろ働きかけがございます。御承知のように、南方、南米その他後進国に対しましては、諸外国の大国がみな関心を持って、それぞれ政府がある程度のめんどうを見て、早くいえば国力をそういう方面に進展させるというために技術者もあるいは政府が全部給料を持って、無料で派遣するといったような例もあるやに聞いております。わが国におきましてはそういった施策というものが非常に不十分ではないかというふうに考えられますが、技術者派遣に関しましても、海外の諸外国に対する投資にしましても、みな一企業体が自分の力で自分の危険負担においてやらなければならぬ。一度その政府に政変が起った場合に、果して投資した金がどうなるか。しかもその金額は非常に膨大な場合が多いのでございまして、もしそれが全然無なものになれば、その会社の生死にもかかわるといったような場合もあるわけでございます。こういった日本の海外進出の機運が今非常に起って参りまして、日本としてはこの際海外のそういう要請にこたえて大いに国外に発展する。これはたとえば貿易関係とかあるいは人口問題とか、いろいろな面において日本にプラスになる結果が生まれるのじゃないか。遠い将来において必ずプラスになるということは考えられますが、現在においてそういったことを一企業体の責任においてやるということは、実際上なかなか困難でございます。従いましてこういった問題につきましても、保険制度その他があるやにも伺っておりますが、十分なる施策を考えていただきたいというふうに存じます。
 それから最近の輸送力の不足の問題でございますが、鉱産物は年に四百十六万トンばかり輸送しておりまして、なお石炭その他地下資源全般では、現在の国鉄全体の輸送の六割以上、七割近くのものを輸送しておるわけでございます。この輸送力の現在の不足につきましては、地下資源関係全般といたしまして非常に困っておるわけであります。
 なおちょっと話はこまかくなりますが、メタル関係の鉱山といたしまして、現在東北線に花輪線というのがございますが、これは好摩から大館を通っております。その間には松尾鉱山とか花輪鉱山、尾去沢、相内、立又、西館、なお大館には小坂、花岡といったような諸鉱山がございまして、非常な輸送をいたしておるのでございますが、この花輪線が非常なネックになっております。これを何とか解決することが、私どもの鉱業関係の輸送力については最も大きな問題でございますので、これについてはなお近く皆様方のところにお願いに上ろうというふうに考えております。
 これに関連しまして運賃問題、これは私どもだけの問題ではないのでございますが、国鉄は一割八分程度の値上げだということを言っておりますが、実際問題として各貨物についてこれを見ますと、大体二割から三割程度の値上げになるわけです。間接的に影響してくる影響まで考えますと、三割から四割、あるいは五割というような値上げになりまして、ものによっては製品の価格の五〇%、六〇%が運賃であるといったものも出てくるわけでございます。従いましてこれは、輸送力増強のためには、国鉄運賃はある程度値上げはやむを得ぬと思いますが、一時に二割の値上げということは、その影響するところは三割にも四割にも影響してくるわけでございますので、ものには順がございます、漸進的にやっていただきたい。まずまず現在の私どもの業界といたしまして負担し得る限度は、せいぜい一割程度の値上げじゃないかというふうに考えますので、これは近くまた国鉄の公聴会でお願いするごとにしております。こういった問題も非常に深刻な問題でございます。
 もう一つ最後に鉱業資源の保護の問題でございますが、最近電源開発、国立公園その他によりまして、鉱業権が侵害と申しますか、掘れなくなるといったような場合も非常に多いのでございます。ことに電源開発なんかでその用地の候補に上った場合には、試掘権はもう採掘転願を認めない方針だというようなこともいわれております。そのために鉱業権者としては非常な脅威を感じておりまして、この試掘権、採掘権制度を何とかもう少し改正して、鉱業法の改正をお願いしなくてはいかぬじゃないかというふうな議論もあるわけでございます。もちろん国立公園も電源開発も必要な仕事ではございますが、鉱産資源の確保ということもぜひお忘れなく、どちらが国のためになるかということを御考慮いただきまして、慎重に推進していただきたいというふうに考えております。
 いろいろ問題もございますが、はなはだ雑駁なことを並べましてお耳をけがしまして大へん恐縮でございますが、私の公述はこれで終ります。
#6
○小笠小委員長 この際参考人並びに政府当局に対し御質疑があればこれを許します。
#7
○田中(利)小委員 参考人からの陳述、大体了承いたしました。私はこの機会に政府側の所信を伺いたいと思うのでありますが、鉱山局長から直接御答弁願いたいと思います。
 御承知の通り、通産省の政策として、特に非鉄金属の政策を見ますと、見るべきものがない、こういう点を強く感じられるのでありますが、特に今日の非鉄金属の埋蔵鉱量というものは、それぞれ鉱山の歴史的な沿革から見ましても非常に年代の古いものでありまして、あるものは養老年間から採掘にかかっている、あるいは慶長年間に及ぶ、こういうふうな非常に歴史的な古い沿革を持っておる鉱山が、現在の日本の鉱山の姿であると思うのでありますが、私の理解している点を申し上げますと、たとえば鉛の問題を考えてみましても、これはすでに養老年間から採掘をしておって、今日九百万トンすでに採掘している。養老年間にさかのぼりますと九百年に及ぶ、こういりふうに考えてきますと、鉛資源といりものはすでに先細りになってきている。あるいは銅の問題を取り上げてみましても、これもやはり同様な状態に置かれている。今日埋蔵鉱量として、今日の採掘ベースで進んだならば、日本の鉱産資源はどういうふうな状態になるかということは鉱山局長自身よくおわかりだと思いますが、この点について一つお知らせ願いたいと思います。
#8
○森説明員 ただいまの御質問は、わが国の鉱物の埋蔵量について現在及び将来の姿をどう考えるかということだと思いますが、御指摘のごとく、今後鉱工業の発展とともに鉱産物の需要はますます増加して参ります。そういうことを考えますと、そういう鉱物の自給度というものはだんだん低下していくのではないかということが考えられるのであります。簡単にただいますぐ推計をしろと言われると、どうしても、たとえば五年後の自給度ということになりますと、現在より低下するということになってしまいます。しかし鉱石の賦存というものは、掘ってみなければほんとうのところはわからないということで、前々からもう埋蔵量があと数年だといわれておった山が、大いに探鉱したために、その埋蔵鉱量を非常にふやしたということが、いわゆる大きい鉱山では事例が非常に多いのでございます。われわれはそういう点について、非常に期待を持っておりまして、今後大いに探鉱を進めていきたいと考えております。大鉱山の探鉱につきましては、ただいま樋口参考人からもお話がございましたが、その探鉱を容易ならしめるために、鉱床補填積立金の制度をぜひ実現したいと考えております。また中小鉱山の探鉱につきましては、従来も新鉱床探査補助金という制度がございまして、大体その探鉱費の半額を補助するということをいたしておりますが、本年度の予算は二千万円でございましたけれども、来年度はこれを八千万円にして、適用範囲も非常に鉱種の範囲を拡大するということで、ただいま大蔵省にお願いいたしているわけでありますが、そういうふうにして今後探鉱の事業をますます盛んにいたしまして、それによって埋蔵鉱量についての不安を一掃していきたいというふうに考えております。
#9
○田中(利)小委員 確かに今日の非鉄金属の資源というものは先細りになっていくばかりであって、鉛にしろ銅にしろ、あるものは六年、こういうような非常に悲観すべき資料を私どもも持っているのでありますが、今局長の言われた通りに、探鉱しなければならない。今日の大鉱山といえども、もともと最初から大鉱山ではなくして、中小鉱山であったものが、探鉱することによって初めてそこに安定鉱量というものが確保されて、今日の盛んな鉱業を見ることができたのでありますが、先ほど局長の言葉に、今年二千万円の探鉱費といいますけれども、二千万円の探鉱なんというものは、これは探鉱費にならぬと思うんです。御承知だと思いますが、水平坑でもって一メーター一万二、三千円かかる。縦坑においては一万五、六千円もかかる。こういう標準から見ますならば、二千万円という金額は実際日本の枯渇していく非鉄鉱山の探鉱費としては全くとるに足らない微弱な金額だと思うのでありますが、私どもは、今後国の施策として大きくこの探鉱をするための方策を考えていかなければならぬと思いますが、単なる本年度二千万円、あるいは来年度八千万円、こういうような微弱なもので探鉱を続けていくつもりであるかどうか。その点をお伺いしたい。
#10
○森説明員 新鉱床探鉱補助金が二千万円でありますのは、本年度の予算でありますが、私、先ほど申し上げるのを落しましたが、来年度の予算要求としては探鉱のためのいろいろな手段を考えております。たとえば地質調査所の方でいろいろな探鉱探査をみずからやるというための予算を増額要求いたしておりますし、また鉱山局の建前から申しますと、その新鉱床探鉱補助金のほかに、未開発地域の資源調査と申しますか、そういうものの要求もいたしております。これは大体全国十五地域にわたりまして、従来あまり探鉱が行われていなかった所を国費をもって調査しようということでございまして、五カ年計画でやっていこうというのであります。その予算額は、大体総額で四億五千六百万円ほどのものを計上いたしております。来年度はその初年度として、約六千万円程度のものを要求いたしております。これは国がみずからやるというものでございます。そのほか、これは非鉄金属ではございませんが、鉄鋼等につきましては民間の鉱業者、あるいはその鉱物を需要する業者等からも経費を出してもらいまして、大規模な鉄資源の調査をすでにやっておりまして、これは現在三年目でございますが、そういうふうな行き方も今後非鉄金属につきましてもいろいろ考慮していくものと考えます。
#11
○田中(利)小委員 局長は、日本の非鉄鉱山をだいぶ見られてきておると思いますが、どういう鉱山を見られたか、その点も参考に聞いておきたいと思います。
#12
○森説明員 私はこれまで、まず鉱山局へ来る前から、機会ありますごとにいろいろ山を見せていただいておりますが、たとえば北から申しますと、北海道の鴻之舞の金山、あるいは倶知安の日鉄鉱業、倶知安の鉱山、またもう少し南へ参りますと、東北方面の硫化あるいは銅の鉱山等拝見いたしております。
#13
○田中(利)小委員 僕はどうも政府の鉱業政策というものに満足していないものでありますが、これは私の主観に属する問題でありますが、少くも私は、鉱山局長は徳川時代の鉱業政策の権威者であった大久保石見守長安のような情熱をもって日本の鉱業政策を推進してもらいたいと思うのであります。御承知だと思いますけれども、今の日本の鉱山のそれぞれの山というものは、かつて徳川時代から大久保石見守長安が目をかけたようなものが、今日依然として命脈を保っている。われわれは、今日近代科学、技術の進歩したときに、この大きな政治力をもってやるならば、鉱業政策がこんなようなみじめな政策として置かれるはずはないと思うのであります。私は徳川幕府の鉱業政策を少しは知っておるのでありますが、ご承知の通り、徳川幕府が参勤交代制をとってからというものは、いわゆる貨幣制度として金銀銭の鋳造を行うと同時に、日本の全部の鉱山を検見した。こういうふうな背景をもって当時徳川家康は山法五十三カ条を制定して、いわゆる山の憲法といわれるものを制定して、そうして諸大名の城下であろうとも、鉱脈があるならば試掘して苦しからずというふうにして鉱業政策を強力に推し進めてきた、こういう歴史も知っておるのであります。今日日本の地下資源、石油にいたしましても、あるいは石炭鉱業にいたしましても、それぞれ政策が強力に推し進められておるときに、ひとり金属鉱山のみが何かしら政策の外に置かれておるということははなはだ私どもとして遺憾であると思うのでありますが、先ほど樋口参考人からも陳述がありましたように、鉱床保全制度、こういう問題も強力に政府部内において取り上げていただいて実現しなければならないと思うのであります。この問題は今どういうふうな取扱いをされておるか、その点もお聞かせ願いたい。
#14
○森説明員 鉱床保全積立金制度につきましては、ただいま大蔵省としても来年度実施する税制改革の原案を作成するための税制調査会で審議されておりますので、まだ大蔵省としてはあまり明確な態度を示してないのであります。その税制調査会における審議につきましては、われわれもこれと一体となって審議会の結論がこの案の達成に有利になるように努力いたしておるわけであります。また別途われわれとしましては大蔵事務当局に対していろいろ説明し、お願いいたしておりますが、だいぶまだ税制調査会の方の結論がきまりませんので、大蔵省としても明確な態度は示しておりませんというよりも、相当難色を示しておる状態であります。まだ最後の決定というところまではいっていない状態であります。
#15
○田中(利)小委員 いろいろ申し上げたいことがございますが、本委員会においては中小鉱山の対策が主たる問題でありますが、私どもは過去の鉱山というものが日清戦争以来日本の軍備拡張と結んできた、そういう歴史を知るものでありますが、今日平和産業として金属鉱山の歩まなければならないこういう姿において、さらにまた今日国土が小さいところに多くの人口をかかえて、経済自立して国の独立達成につながるという、こういう見地からも中小鉱山に対しては多くの保護政策を加えていかなければならないと思います。中小鉱山こそがやがて大鉱山になり得るそれぞれの要素を持っておるのでありますが、それにしても十分にこれに対する助成なり保護政策なりを加え、具体的には探鉱資金を十分に与えて、そして安定鉱量を早く見つけて、安全な経営ができるように進めていかなければならないと思いますが、特に鉱山局長は部内においても十分この点の強力な発言をされて、この政策を進めてもらいたいと思います。
#16
○小笠小委員長 多賀谷君。
#17
○多賀谷小委員 一、二点お聞かせ願いたいと思いますが、先ほど探鉱調査をやる、それは国として国の機関がやるんだ、こういうお話でしたが、具体的にはどうなんですか。その計画はすでに設定された鉱区の探鉱をやるのか、あるいは全然設定外の鉱区についてやられるのか、あるいは未開発地域を中心としてやるのか、あるいはまた鉱種中心で必要な鉱床を探していくのか、そういう点を一つお聞かせ願いたい。
#18
○森説明員 ただいまの御質問は、先ほど私が来年度予算で要求いたしたいと申し上げたことについてだろうと思います。これは極端に申しますと、人跡未踏の地と申しますか、従来ほんとうに何もかまわないような、山師がときどき行って野宿して探しておったというようなところで、それ以外の一般の人はあまり立ち入らなかったというような地域でございます。しかし、こういうところはまだこの狭い本土に相当たくさんございますので、たとえば北海道でいいますと、知床半島とか、あるいは日高山脈の地帯とかいうふうなものでございますが、東北にもそういう地帯はたくさんございます。そういう地帯をとにかく通産局が中心になりまして、地質調査所あるいは大学の先生、学生、こういう方々にお助けいただきまして、そうして調査をしようということでありますので、特に鉱種の限定はいたしておりませんが、とにかくその地域に入りまして、価値ある鉱床を発見しようということでございます。従って既存の鉱区との関係につきましては、あるいはそういうところが山師によってすでに出願され、あるいは許可を受けておるところがあるかもしれません。これは別にそういう既存の鉱区だから、そういう点の調査をやめるというのではございません。その既存の鉱区の有無にかかわらず、そういう従来何人によってもあまり科学的な鉱床の探査ができていない地帯を探査しようということが趣旨でございます。
#19
○多賀谷小委員 それから、もう一つは、先ほど参考人からお話がありました海外投資の問題ですが、これは保険制度があることは承知しておりますが、そのほかに具体的な補助政策があるわけですか。
#20
○森説明員 この問題は海外投資一般の問題でございまして、その海外投資の一般的な諸施策のほかには、ことに鉱山としての助成はございません。従ってまず保険制度による保護ということが一番大きいものだと考えます。
#21
○多賀谷小委員 鉄鉱にいたしましても、その他の金属にいたしましても、日本に資源がない、あるいは非常に少いという点から、どうしても買ってこなければならぬという鉱物資源がかなりあると思います。あるいはそういう地域が未開発地域で非常な投資を必要とするという場合もあるでしょうし、あるいは港湾の関係もありますでしょうし、こういうような問題について、ただ保険制度だけではいかないじゃなかろうか。これについては日本の工場が海外に進出して、そこで日本の海外の市場を確保するという面とはちょっと違うのではなかろうか。その必要ももちろんございますけれども、これはどうしても輸入しなければならぬという問題、しかもいろいろ各国の競争で十分輸入ができないという場合には、何らかそこに政府としての政策が必要ではなかろうか、かように考えるわけだが、これを一つ官房長からでもいいですからお答え願いたいと思います。
#22
○松尾(金)政府委員 海外投資全般の問題と関連いたしますので、私から御説明申し上げます。
 御承知のように、現在日本は資本の蓄積が十分でない状態で、しかも日本経済の必要上海外に投資活動をするということになりますれば、まず第一に資金の問題にぶつかるわけであります。これも現在までのところは、大体今御質問に出ております海外に対する鉱物資源の開発につきましては、あまり大規模な開発というものも従来ございませんでしたので、大体においてコマーシャル・ベースで各企業の自力による資本調達で従来まかなってきたと思います。しかしこれがさらに大規模になりますれば、やはり国家の資金援助というようなことが必要になるでありましょうし、またそのための開発の機械、設備その他のものを海外に出すということになりますれば、現在でも御承知のように輸出入銀行等による融資の手段もあるわけであります。また海外に投資をする際には、ただいまお話に出ました海外投資保険による危険負担の問題がまず第一に重要な問題でありますけれども、同時に海外投資先の投資のチャンスを探らなければなりませんし、また投資先の経済状況、また投資先の労働条件あるいは各種法律、経済、制度というようなものにつきまして、十分な確信がなければ海外投資は相当危険を伴うわけであります。こういうものについて現在までのところはあまり十分な政府の援助制度もございませんですけれども、将来の問題として当然そのような調査活動にも政府ができるだけの援助を与えるための制度を考えなければならないと思います。御承知のように単なる輸出市場の開拓というような意味では、現在ジェトロその他が活動いたしておりますが、海外投資についても何らかそのような制度を考えなければならないということで検討いたしております。
#23
○多賀谷小委員 それから次は、例の他の権利と鉱業権とが競合する場合に、先ほどは主として電源開発と国立公園のお話をなさいましたが、こういうことについて大きな問題として従来いろいろ問題になったことにどういうものがありますか、これを具体的に伺いたい。ことに電源開発についてありますか。
#24
○森説明員 電源開発の場合は、たとえば佐久間のダムを作ったときは、その湛水地域の下には久根と峯ノ沢の二つの鉱山の鉱区があるわけでありますが、この採掘が非常に困難であるということで、それに対する補償の問題で今両当事者がいろいろ話し合いをしておるということでございます。佐久間のような大きなダムの場合には、鉱業権者としては、鉱業権がその結果制約されるからそのダムを作られては困るというような反対はいたしておりません。この点では鉱業権の方はおりたのでありますが、あとの補償の問題でそういうことになっております。
 それから今度は国立公園といいますか文化財の関係で一番顕著な例は阿寒です。阿寒の景観を保護しようという国立公園審議会の主たる意見と、われわれの硫黄を掘ろうという鉱山の意見とが対立いたしております。これは相当もみにもんだ結果、景観を害しない範囲でとにかく硫黄を掘ろうということになりまして、一応五カ年間の操業を許可しようということになりまして、今日まできております。ことしの暮れがちょうどその五年の期限が切れるととろで、あとどうするかということでただいままだ国立公園審議会でもんでおりますけれども、大体はまず期間を延長してもらえるという状態になっております。しかしこういう場合には、どうも経済の考えが割合に希薄な方々が中心になって審議されるので、われわれとしては相当苦労をいたす状態であります。
#25
○多賀谷小委員 その点について先ほど参考人から試掘権、採掘権についての鉱業法の改正という希望がありましたけれども、鉱業法を改正してもあまり実効が上るという問題じゃないのじゃないかと思いますが、その点どうですか。
#26
○森説明員 御意見の通りだと思うのでありますが、二つの公益と申しますか、とにかく鉱業も公益的意味を持っておると思いますが、これは二つの公益が競合した場合に、どちらを優先させるかという判断が容易につかないということから起ってくる問題でございまして、その二つの公益のいずれを優先させるかということは、それぞれの社会的な、経済的な実情によって変ってくると思うのであります。現在は電気を優先させておりますが、将来はもう少し違ったやり方でエネルギーの獲得ができるということになれば、電気よりも鉱物を優先させるということになりましょうし、また鉱物でも現在たとえば大へんなウランの豊鉱でもあれば、電源開発は遠慮してもらわなければならないということになりましょうし、いろいろそのものの持つ社会的、経済的な価値の比較によって、そのどちらを優先させるかきめなければならないのでありまして、一律に法律で明定することは困難だと思います。現在の法規では、一応鉱業権を行使した場合に、それが著しく公益に反するような結果を生む場合には、その出願を拒否したり、あるいは出願許可の範囲を制約したり、また一たん許可していてもこれを取り消すことができるというようなことになっておるのでございますが、まずこれ以上の明細な書き方をしても、この問題はやはり残るというふうに考えます。
#27
○多賀谷小委員 その点について私も詳しく知らないのですが、調整機関というのはあるのですか。
#28
○森説明員 現在土地調整委員会という制度がございまして、これがそういう方面の仕事をやっておりますけれども、これは鉱区の禁止の処置をいたし、そして鉱区禁止区域の指定をいたして、その地域について鉱業権が現在ある場合には、その取り消しを通産大臣に勧告することができるということになっておりますが、この機関がそういう問題のすべてを円滑に処理できるかというと、やはりその点では遺憾の点がある、つまり手の及ばないところが相当あると思います。
#29
○宇田小委員 今の問題に関連するのでありますけれども、中小鉱業の中で、地形の関係で隣鉱区からボーリングをしなければどうしても工合が悪いのだというような鉱区の場合には、隣鉱区の持ち主との間の話し合いというものはどういうふうに行政指導するのですか。もっと詳しく具体的に申すと、鉱区の違った隣の鉱区の中に入っていって、自分の鉱区のボーリングをやりたいというような地形があった場合に、それに対してはどういうように指導していくのですか。私も専門でないからよくはわからないが、山があって、林道があって、トラックや何かが行ってボーリングに必要ないろいろな器具を運ぶのに非常に経済的にやれるというふうな状況がある。ところがこっちの山は人跡未踏であって、地形からいうと、こっちの道路を伝わっていってこっちからボーリングをした方が非常に能率よくいくというふうな鉱区があった場合に、自分の鉱区でないところからボーリングを横合いからやりたい、そういう場合は隣鉱同士の話し合いでなければ許されないのか。たとえばウラン鉱のような特別なボーリングの場合、別の条件によってそれが可能になるのか、その点伺いたいと思います。
#30
○森説明員 実はそういう具体的な例について的確なお答えを申し上げる知識を持ち合せていないので、まことに相済まぬことでありますが、普通鉱業法では坑口を作ったり、そのほか選鉱場を作ったりする場合には、他人の土地を使用することができる、また収用することができる、しかし当事者での話し合いがつかない場合には、政府が決定ができるということになっておるのであります。ただいまの例は、たまたま隣の土地に鉱業権があるということでありますけれども、そういう趣旨から参りますと、やはり政府がある程度積極的な措置をとって――まあ話し合いがまとまれば一番よろしいのでありますが、話し合いがまとまらないときには、政府が何らか積極的な措置をして、そういうことが可能なようにできると考えますが、しかし条文を比較対照して申し上げることは、私はまだここですぐはできません。
#31
○宇田小委員 一般論としてはそういうわけでしょうが、たとえばウランとか特別なものだったら、また別な措置があるのですか。
#32
○森説明員 ウラン、トリウムにつきましては、核原料物質開発促進臨時措置法という特別法がございまして、そういう他人の土地を使用できるように特に強力な措置がとれるような規定があります。
#33
○田中(利)小委員 坑木の問題でちょっとお尋ねしておきますが、この坑木の問題は単に非鉄鉱山だけではなく、石炭にも関係があるものでありますが、坑木の問題は非常に深刻な問題であって、中小鉱山対策の中にもこれが取り上げられております。実際鉱山としては、この坑木の問題は当面する深刻な問題の一つでありますが、今日国有林野というものは、相当膨大な面積を占めて、国の中の一国のごとき存在をすら示しておる状態である。今日国有林野の運営は特別会計にゆだねられておって、官僚の手によって壟断されており、人民が全く手をつけられないという姿が今日の国有林野の姿であると思うのであります。これは農業開発と関連して、国有林野の総合利用計画とも関連するのでありますが、坑木の問題であります。これを国有林野として払い下げるという点について、業者の申請があればそういう用意があるかどうか、こういう点も政府から答弁を願いたいと思います。
#34
○森説明員 坑木の問題は、石炭鉱業の場合に非常に大きいのでございますが、われわれの金属鉱業の場合にはあまり大きい問題となっておりません。これは地盤が石炭鉱業の場合と金属鉱業の場合と違うのだろうと思いますが、もしそういうただいま申されましたような事柄がございまするならば、われわれとしては農林省に十分かけ合いまして、御要望に沿うようにいたしたいと考えております。
#35
○小笠小委員長 樋口、松本両参考人には御多用中のところ本小委員会に御出席下さり、長時間にわたり種々御意見を承わることのできましたことを厚く御礼申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後三時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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