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1956/11/20 第25回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第025回国会 国土総合開発特別委員会 第3号
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1956/11/20 第25回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第025回国会 国土総合開発特別委員会 第3号

#1
第025回国会 国土総合開発特別委員会 第3号
昭和三十一年十一月二十日(火曜日)
   午後二時五十二分開議
 出席委員
   委員長 廣川 弘禪君
   理事 川村善八郎君 理事 薄田 美朝君
   理事 松浦尚太郎君 理事 松田 鐵藏君
   理事 小平  忠君 理事 竹谷源太郎君
      笹山茂太郎君    篠田 弘作君
      林  唯義君    本名  武君
      北山 愛郎君    永井勝次郎君
      門司  亮君
 出席政府委員
        厚生事務官
        (保険局長)  高田 正己君
 委員外の出席者
        北海道開発庁次
        長       田上 辰雄君
        総理府事務官
        (北海道開発庁
        企画室副主幹) 桑原 幸信君
        北海道開発公庫
        理事長     松田 令輔君
        北海道開発公庫
        理事      岡田 包義君
    ―――――――――――――
十一月十五日
 委員橋本龍伍君辞任につき、その補欠として田
 中正己君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十日
 委員渡邊惣蔵君辞任につきその補欠として永井
 勝次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事渡邊惣蔵君委員辞任につき、その補欠とし
て小平忠君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 国土総合開発に関する件
    ―――――――――――――
#2
○廣川委員長 これより会議を開きます。
 国土総合開発に関する件について議事を進めます。
 これより北海道開発公庫より説明を聴取いたします。松田説明員。
#3
○松田説明員 それでは、開発公庫が開業いたしましてから今日までの状況の概略の御報告を申し上げます。
 公庫は去る七月一日に開業いたしまして、融資の申し込みの受理を開始いたしました。今日までのところ申し込みを受理いたしましたるものは、設備資金におきまして七十二件でございます。そのほかに運転資金の申し込みを七件ほど受け付けております。
 その処理の状況は、この十二日までのところで貸付の承諾をいたしましたるものが、金額にいたしまして四十二億八千一百万円になっております。そのらち、同じく十二日までのところで貸し付けましたる金額が十二億八千万円に相なっております。この内訳を申し上げますと、業務方法書において指定されております業種別につきまして申し上げますが、その指定業種の第一、すなわち石炭または可燃性天然ガスの利用度の占い工業におきまして、貸付の承諾をいたしましたるものが九億七千万円であります。そのらち、現在までのところで貸し付けましたる金傾は二千万円でございます。次に第二といたしましては、農林畜水産物の加工度の高い工業、これに属しますものが、貸付の承諾をいたしましたる金額が四億一千四百万円でございまして、貸し付けました実績が一億七千一百万円になっております。それから鉱業及び製錬業におきましては、現在までのところ、まだ貸付の承諾も、ないしは現実の貸付も実行いたしておりません。その次に、産業の振興開発にかかる交通運輸業という業種に当りますものが、貸付の承諾をいたしましたるものが四億一千百万円に相なっております。そのらち、現実に貸し付けましたる金頭が五千百万円でございます。その次の業種、すなわち産業の振興開発のため特に必要な事業で主務大臣の指定のありましたるもの、これに該当いたしますものが、貸付の承諾をいたしましたる金額が二十四億八千六百万円に相なっております。そのうち、現実に貸し付けましたる金額が十億三千八百万円に相なっております。今後、今年度内の見込みでありますが、割に事務の進捗も順調でありまして、この貸付の承諾の金額は本年度内には七十六億八千五百万円に相なることと見込んでおります。そのうち、現実に本年度内に貸し付けることに相なると思われる金額が、四十六億三千九百万円ということに見込んでおります。その内訳を申し上げますと、第一の業種の石炭または可燃性天然ガスの利用度の高い工業におきましては、年度内の見込みといたしましては、十億三千三百万円に相なるものと見込んでおります。そうして現実に貸し付けまする金額は、三億六千三百万円と見込んでおります。農林畜水産物の加工度の高い工業といたしましては、年度内の承諾額は三十億八千八百万円と見込んでおりまして、現実の貸付額は四億三千二百万円というふうに見込んでおります。鉱業及び製錬業におきましては、年度内の承諾を今後一億四千万円と見込んでおりまして、貸付の実行額はそのうち八千万円というふうに見込んでおります。産業の振興開発にかかる交通運輸業といたしましては、年度内の承諾見込みは六億三千二百万円でありまして、現実の貸付見込みは二億九千二百万円見込んでおります。主務大臣の特に指定したる業種につきましては、承諾額は二十七億九千二百万円見込んでおりまして、そのうち、現実に貸し付けまする金額は、二十四億七千二百万円見込んでおります。これが合計で、先ほど申しましたごとく、年度内の承諾は七十六億八千五百万円で、そのらち、本年度内に現実に貸し付けて出て参ります令が四十六億三千九百万円、かように見込んでおる次第であります。
 以上簡単でございますけれども、概況を御報告申し上げます。
#4
○廣川委員長 それでは、これより質疑に入ります。松田鐵藏君。
#5
○松田(鐵)委員 公庫の発足によって北海道に非常に反響を呼んでおり、また北海道の産業の発展の基礎ができるということになって、非常にけっこうなことと思いますが、何といっても一番公庫で問題になるのが、北海道民から言われる金利の面であります。金利は法律で九分ということになっておりますが、この公庫を作るときにおける当委員会の意向も、金利があまりに高くては、せっかくの公庫が発足しても、北海道の産業は、内地の産業と異なって、非常に困るのではないかという議論が多くを占めておって、そして七分五厘か六分程度の金利にでき得るのではないかという考え方をわれわれは持っておったのでございますげれども、現在の公庫の融資というものが、金利は九分ということになっておる。その九分というものは、どういう理由によって九分ということになつておるのか、その内容、または今後これを引き下げることが可能であるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#6
○松田説明員 ただいまのお尋ねに対しましてお答え申し上げます。現在公庫の貸し出しの利率は、今仰せられました通り九分ということに相なっております。これは政府より定められまして、私どもそれに従ってやっておるわけでございますが、この九分と申しまするのは、開発銀行が現在貸し出しの利率といたしまして、その基準としてとっておるものが九分に相なっておるわけでございます。そこで、この開発銀行の一般産業向けの基準金利というものに右へならえをやっておるわけでございます。現在開発銀行が九分のほかに、政策金利といたしまして、六分五厘のものがあるわけでありますが、これは特に指定された重点産業向けのものをかように取り扱っておるわけでありまして、政府の考え方として、私どもが承わっておるところでは、北海道の産業においては、開発銀行が重点産業として政策金利をとっておるものについては、その六分五厘の率で開発銀行がその融資をいたす、従いまして、その他の一般産業は、開発銀行が九分であるから、開発公庫といたしましても九分で実行したらいいであろう、こういうことに承わっておるのであります。
 そこで、今後の金利の見方でございますが、私どもといたしましては現在のところ、政府の指定に従うよりほかないのでありますけれども、希望を申し上げますれば、これは開発のために言えば、できるだけ安い方に越したことはないように当然に考えるのであります。ただその場合に、どの程度に減らすかということでありますが、最近は、話に聞きますと、開発銀行におきましても、一般産業向けの金利をいかにするかということが議論になっているというふうに伺っておりますので、おそらくそれと並行して、開発公庫の貸し出し金利も問題になるのではなかろうか、かように考えます。
#7
○松田(鐵)委員 公庫法の第三章、業務の十九条において「公庫は、第一条の目的を達成するため、北海道において次に掲げる事業を営む者」云々ということで「長期の資金を必要とするものに対して、当該資金の出資若しくは融通又は当該資金に係る債務保証の業務を行う。」この点からいきますと、出資もできると書いておるのでありますが、これは委員会の議論においても、北海道においてただいまは利益が上らない、しかし北海道を開発するために、どうしても必要な事業であると認められている場合においては、公庫は出資することもできるというまで保護をしておるのでありまして、こういう事業に対して、ただいまの政策金利のようなものは当然設定しなければならないものであろうと考えるのでございます。しかるに、この公庫法が制定されて、業務に移る業務方法書ができるときにおいて、政策資金なるものがなくなっておる。これはずいぶん論議したことであります。これは公庫の理事長にお話しするよりも、開発庁の方へ、これはどういうようになっておるか、金利というものがどうして一本に九分になったか、そのいきさつを聞かしていただければ、非常に幸いだと思います。
#8
○桑原説明員 ただいまの松田委員の質問に対してお答えいたしますが、公庫の金利が九分になったということは、これは大蔵省と相談しました結果、九分になったわけであります。もちろん御指摘の通りに、開発庁といたしましては、でき得る限り金利は安い方が、北海道開発のためから望ましいことは申すまでもないのでございますが、大蔵省といたしましては、金利政策と申しますか、金融政策全般から見まして、この金利というものは決して高くない。特にこれのきまりました当時は、大体私の記憶で間違いなければ、本年の二月ごろだと思いました。が、その当時の情勢から申しますれば、年九分、しかも貸付期間が十年でございますので、その点におきましては、当時の開発銀行は貸付期間が大体最長五年になっております。そういう意味から考えますと、北海道開発公庫の場合は、金利が九分でございましても、貸付期間において倍であるというような点からいきますれば、開発銀行よりもはるかに有利であるということが言い得るのではないかというように考えておりますが、今後の金利情勢におきましては、相当検討しなければならない段階ではないかと開発庁としては考えております。
#9
○松田(鐵)委員 開発銀行と北海道開発公庫とを一緒にしたような考え方をもって考えられることが誤まりであって、北海道開発公庫というものは、日本中の開発事業をやっておる開発銀行と全然異なる形式によって、北海道を開発しなければならないということによってできたのである。開発銀行と同一にすべてのものを考える必要は全然ないのであって、開発銀行と同様に考えるものであったなら、北海道開発公庫というものを作る必要はないのである。そこで北海道開発公庫というものが、北海道を開発するために、どうしても普通の銀行が貸し出すところの金融ベースに乗らないものに対して融資をしていかなかったならば、北海道の開発はできないという建前から、この北海道開発公庫なるものができたのであります。ここに、開発庁のただいまのような答弁では、当委員会は承服できないものがあろうと思うのであります。よって、やがてこれから御説明願おうと思うのは、三十二年度の予算の問題でありますけれども、この予算をどのくらい請求願っておるか、まだ存じませんけれども、三十一年度に八十億の資金が、大体において先ほどの御説明だと満たされておる。私どもは、初めはその半分くらいも得たならば、精一ぱいではないかと思っておったのだが、それがよくもここまで努力されて、北海道民を理解して、融資をしてくれというように申し入れをしておることに対してやられておることには、われわれは感謝するのであって、ここで初めて開発公庫というもののできた理由も道民に理解できたと思う。ただし、開発銀行と同一な考え方を持って北海道に処するということであったならば、私どもの所期の目的というものとは遠く離れてしまわなければならないということになるのです。もし一般金−機関との並行した関係からいって、金利なるものを九分にしなければならないという議論があるならば、開発銀行でさえ、政策資金として安い金利のものがあるのだし、当初の目的が開発銀行とは違うのだから、相当ここに努力をして、あなた方だけでもって、政府なりまたは開発公庫なりが手に余るようなことであったならば、私ども自民党なり社会党なり両党によくお話を願ってそれを引き下げる、政策資金、政策金利なるものを設定する努力をしなければならない。それを今まで等閑に付しておいて、そのような答弁では、当初の開発公庫なるものを作った理想というものが飛んでしまっていることになる。えてして役人というものは、やってさえしまえば、あとはどうでもいいというようなことになってしまうから、こういうことになるのだが、当委員会は、すべて開発銀行と同様なほかの長期信用銀行、これらと別な形式によって北海道を開発しなければならないということを、どうか理事長においてもお考えおきを願って、そうして政策金利としてでもよろしゅうございます、どのようなことで考えられてもいいが、金利というものをもっともっと引き下げることに対して御努力を願う、もしでき得ないことがあったならば、私ども両党としても、当委員会としても、これに協力を惜しむものではないのでございます。こういう点について善処あらんことをお願いいたします。
 次に、明年度の予算要求をどの程度に出しておられるか、これがまたこの金利との関係が非常に大きいものになるであろうと思うので、差しつかえのない程度の御説明を願いたいと思います。
#10
○松田説明員 お答え申し上げます。三十二年度の予算といたしましては、融資の金額を百二十億、投資の金額を二十億、合計百四十億の投融資の計画で要求いたしております。この百四十億の投融資の原資といたしましては、政府の出資を五十億、資金運用部の借入金を五十億、そして残り四十億を社債に求める計画で提出いたしております。
#11
○松田(鐵)委員 本年この公庫ができたときは、政府の出資が十億で、預金部資金が三十億で、社債が四十億、こういうことで、八十億のように記憶しておりますが、それによって、金利がただいま御説明があったように九分ということになっておる。これで公庫の採算というものはどのようになっておるかは存じませんが、それでまかなっていける。約八十億というものは全部貸し出しの計画ができ上った。非常な成績である。これによって公庫の経常費がまかなっていけるとしたならば、この予算請求をした通りくるかこないかは存じませんが、両党においても、また当委員会としても、ただいまの御説明通りのことをできるだけ努力をしていきたいと思う そうすると ここにおいて、今までの八十億の公庫発足当時のもので経営費がまかなわれるのであったならば、産投資金なり預金部資金なりでもって、これだけの資本ができるとしたならば、これはもっともっと金利が下ってもいいと思うのだが、そういうところの計算はできておられるかどうか。もしそういう場合においてはどの程度まで金利が下げ得るか、また金利なるものが九分なら九分、六分五厘なら六分五厘にきまったからと
 いって、永久にそのまま金利を変えな
 いという理由もないのであって公庫
 の経営費が間に合うことであって、北海道の開発のために有意義なものであったならば、ここにおいて金利を下げる、また場合によっては高くするということもあり得ると思いますが、とにかく今予算要求を出したものに対してはどのようなことに考えておるか、その点を承わりたいと思います。
#12
○松田説明員 お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたごとく、政府出資を五十億、資金運用部の借入金五十億として、社債を四十億と見て計算いたしますと、九分の貸付金利で参りますれば、来年度におきましては、経費をまかないまして、そして他の付属金融機関並みに諸準備金の積み立ても可能でございます。ただ、この九分を五厘引き下げると、来年度の計算では約五千万円足らずの収入の減と相なります。一分下げますと、一億足らずの収入が減に相なるのでありまして、この予算がもし認められるといたしますれば、経費は極端に切り詰めておりますので、これには支障がないと思いますが、結局準備金の積み立ての程度を調節いたしますれば、最大一分程度の引き下げは、そのときにもしそういう政策がとられますならば、この予算通り参れば可能かという見込みをつけております。
#13
○松田(鐵)委員 今度は問題が小さくなっていきまして、個々の貸付の問題になりますが、第一次産業に対しては融資することができないことになっておる。ところが、農林水産業の高度の加工ということからいって、工業の部分において、造船業というものが入っておったように思うのでありますが、現在の北海道の造船業といったところで、大きな造船会社というものは、函館ドック以外にないのです。そういたしますと、中小企業の造船会社というものは数はわかりませんが、相当ある。それも一千万円以上の会社であれば融資することができる。設備ばかりに融資したところで、造船業というものはとうてい成り立たない。よって造船工場に貸付することができるならば、その船そのものを商品として、それに対する融資の道を考えてやることによって、第一次産業に対しては融資をすることができないが、第二次産業である造船業というものに対して、作ったものに対する融資をするという方途を考えてやることが、水産業に対する大きなプラスになることでないか。現在長期信用銀行は二年据え置きの三年年賦でもって貸し与えております。それから農林漁業特融においては、二年据え置きの五カ年年賦でもって貸し与えておる。ところが、そのワクというものは非常に不足である。北海道の船が非常に悪い、こういう場合において、そういう方途をもってやったならば、正しい行き方によって貸し与えることができるのではないかと思うのであるが、これに対する公庫の御意見を承わりたいと思います。また開発庁としても、意見があるなら承わりたいと思います。
#14
○松田説明員 お答え申し上げます。現在造船業に対する融資といたしましては、設備並びに運転資金ということに相なっておるのでありまして、その建造して売るものにつきましては、原則的に申しますと融資の対象には考えられておらないようであります。ただ御承知のように、その船が輸出される場合には、例の輸出入銀行の方から特に融資の道が開けておるようでありまするが、国内の船の関係におきましては、それは運転資金という観念に入れておらないように考えておりますので、現状におきましては公庫としては造船事業に、そのできた船の関係を年賦で貸すということはできないようになっております。
#15
○松田説明員 そこを非常に高度に解釈すれば、運転資金の部類に入るか、または造船業の発達のためにそういう方途を考えていくことが、非常にこの法律そのものの――第一次産業と
 いうものに融資ができないのであるから、そこにまぎらわしくなく、そのできたものに対して、造船業に対する貸し与えをするというあり方が不可能であるのかどうか、この点が非常に私は疑義を持つ点でございますが、こういう点ができ上っていけば、非常にけっこうだと思うのであります。まあこの問題は一つ御研究願いたい。
 次に、もう一つ重要な問題がある。ここに機械貸与株式会社に融資ができるようになったことは、非常に私どもとしては幸いだと思う。こういう考え方をもって投資または融資をされることは、この公庫の一番北海道に対する産業の助成になることだと思っておる。そこで、農民が公庫のきめられておる範囲内における大きな出資をいたしまして、そうしてその地方を開発するために、たとえていえば、仮称であるけれども、開拓会社のようなものを作って、土地の改良のために機械を買う、そうして請負をもってその土地の改良をやるとか、そういう方途をもつてやっていこうというものに対しては、当無出資または融資かでま得ると考えておるのであるが、こういう点は具体的に申し上げられないので、御見当はつかないかもしれぬけれども、機械貸与株式会社の例からいったならば、可能であると存ずるのであるが、こういう点はどういうものでございましょうか。
#16
○松田説明員 お答え申し上げます。今仰せられました、現在の土建の機械貸与の事業に対して出資並びに融資をいたすことにつきましては、公庫といたしましては主務官庁に、これを指定業種に加えてもらうように申し入れております。しかし今日ただいまの状況におきましては、それが指定に相なりますかどうか、最後のはっきりしたところをまだ承わっておらないのでありますけれども、私どもとしてはさようにいたしております。今仰せられましたような事案につきましては、どうしてもこれはその都度、業種の指定になるかならないかという問題がありまするので、今私どもといたしましては、直ちにその結論的なことは申し上げかねます。それによって御了承願います。
#17
○松田(鐵)委員 私の質問はこれで終ります。
#18
○廣川委員長 この際、ただいまの問題に関連して川村君から発言を求められております。川村君。
#19
○川村委員 最近承わりましと、国鉄では運賃の値上げをする、また青函連絡船の運賃を改訂するとか、長距離の運賃を改訂するとかいうことでありますけれども、大体資料を見ますと、総合的には、相当高くなるということになっております。従って、北海道の開発は運賃が相当過重となりますので、この次の委員会でもよろしゅうございますし、適当な時期に運輸省、国鉄の関係者を呼んで聞きただしたいと思います。その手続をせられんことを委員長に要望いたします。
#20
○廣川委員長 川村君の要望の点は、理事と御相談の上、善処することにいたします。
 この際、篠田君より発言を求められております。これを許します。篠田君。
#21
○篠田委員 実は直接開発の問題ではありませんが、北海道に関する問題でありますから、この際厚生省の保険局長に一つ御質問をしたいと思います。
 それは社会保険の診療報酬の問題でありますが、これが全国甲と乙の地区に分けられておる。その分けられた理由というものは何であるかといえば、昭和二十三年に厚生省が実施した医業の経済調査の結果に基いて、各都市における医療機関の医業支出の度合いとか、当時の物価あるいは賃金の状況、そういうものを基礎として指定されたものであろうと考えますけれども、それはどうですか。
#22
○高田政府委員 私、実はその当時の事情を詳しくは承知しておりませんが、大体さようなことであろうかと存じます。
#23
○篠田委員 そうしますと、まずその一番大きな基礎をなすものは何であるかといいますと、やはりその都市における、あるいはその地方におけるところの物価というものが、最も重点的に考えられると思って差しつかえありませんか。
#24
○高田政府委員 おおむねさようなことであろうと存じます。
#25
○篠田委員 それではちょっとお伺いします。昭和二十六年から三十年に至る五カ年間の六大都市における消費支出額、この平均は一ヵ月東京では二万三千十九円、神戸では二万二千百六十九円、京都では二万一千八百八十七円、横浜では二万一千八再三十二円、名古屋では二万九百九十円、大阪では二万六百九十三円、この六大都市よりも、札幌は二万四千三百八十五円、こういう平均において、全国最出の支出をしておる。六大都市の平均を一〇〇とした指数を比べてみましても、東京が一〇五・八、神戸が一〇一・九、京都が一〇〇・六、横浜が一〇〇・三、名古屋が九六・四、大阪が九五・一、しかるに札幌は二二・〇となっておる。
 それから昭和三十年度におけるところの六大都市の世帯の平均支出額は幾らであるかというと、東京は二万七千九百七十七円、名古屋は二万五千六百四十五円、京都は二万五千五百三十六円、神戸は二万五千四百十八円、横浜は二万五千百十五円、大阪が二万三千二百五十九円、六大都市の平均を一〇〇として考えた指数に比べると、東京が一〇九・七、名古屋が一〇〇・六、京都が一〇〇・二、神戸が九九・七、横浜が九八・五、大阪が九一・二である。しかるに札幌は二月の平均が二万九千七百六十円となっておりまして、東京よりも約二千円以上高い。そうしてその指数は一二八・七、東京の一〇九・七に比べて七高いということになる。
 また全国地方別にこれを見ていきましても、北海道はやはり全国一となつております。昭和二十六年から三十年に至る全国の都市の地域別消費支出額を見ると、東北が一万九千八百八十八一円、近畿が一万九千七百九十一円、関東甲信越が一万九千六百七……。円、東海一が一万九千六日十一円、北陸が一万七千四百八十八円、四国が一万七千百九十九円、山陽が一万六千九百八十二円、九州が一万六千九百十五円、山陰が一万六千七百五十八円、その平均を一〇〇とした指数から見ますと、東北が一〇五・九、近畿が一〇五・五、関東甲信越が一〇四・八、東海が一〇四・五、北陸が九三・一、四国が九一・六、山陽が九〇・一、九州が九〇・五、山陰が八九・三でありまして、北海道の場合は一戸の平均が二万三千四百五十六円、指数におきまして一二四・九となっておる。すなわち、全国のどの地方都市よりも高い北海道が今日乙地になっておる。そうして物価において北海道よりも安い都市が甲地になっておる。しかも関西におきましては、大阪とか、あるいはまた京都とかいうものを中心とした十都市が甲地に指定されておる。物価を中心として指定されたところのこの診療報酬というものが、全然物価を無視した状態にあるということは、一体どういうわけであるか。それに対する御説明を願いたい。
#26
○高田政府委員 ただいまおあげになりました北海道の数字は主として札幌であったようでございますが、札幌が物価といいますか、あるいは消費の水準が非常に高いということは、私どもよく承知をいたしております。その一番大きな原因となっておりますのは、いろいろあるであろうかと存じますが、やはり寒い関係で暖房料といいますか、さようなものが一番大きな要素になっておるだろう思うのでございます。その点につきましては、医療費の支払いの上におきまして、各季の暖房料というものは別に点数で加算をいたしております。たしか入院が一日について七点でございましたか、それから外来が請求一件につきまして五点であったかと存じます。歯科の方では、請求一件につきまして九点ということになっておったかと存じます。さようなことで、その大きな要素となっております問題につきましては、一応そういう形で、何と申しますか、格好がついておると考えておるわけでございます。しかしながら、さような要素を考えても、なお全道が全部そういうふうな消費水準だとは、調べてみませんから、わからぬと思いますけれども、各市町村区域ごとで、ものを考えて参りますのでございますから、全道がどうであるかということは別問題といたしまして、札幌あたりは今おあげになりましたように高いものでございますので、、今の暖房料の加算というものを考えました場合にも、あるいは問題があるのではあるまいか、かように私どもも考えておるわけであります。実は役所の方にもいろいろ地元の方からの御陳情もございまして、私どもいろいろ考究をいたしておるのでございますが、この甲地、乙地の問題は、一北海道地区のみならず、実は相当よそからも、医療負担の収入に非常な関係がございますので、やかましく言っておられるところがあるわけでございます。私どもといたしましては、全国的にこれを再検討いたさなければならないのではないだろうか、かように考えておるわけでございます。ただこの問題は、御存じのように、支払いを受ける立場と、支払いをする方の立場のものもあるわけでございまして、それはただ政府だけではございませんで、そのほかに組合でございますとか、あるいは国民健康保険の市町村でございますとか、いろいろ影響するところが広範でございまして、従いまして、私どもこの点につきましては慎唯に今後検討を加えて参りたい、かように目下のところ考えておるわけでございます。
#27
○篠田委員 ただいま保険局長からのお話で、札幌は高いことは承知しておるけれども、北海道会全体として高いかどうかということはわからない、こういうお話でありますが、今私が読み上げました北海道、東北、近畿、関東甲信越あるいは東海、北陸、四国、山陽、九州、山陰といったようなこの統計は、これは総理府で出しておる統計なのです。だから、わからないというのがおかしい。何もこれはかってに作った統計ではありません。それが一つ。
 それから、北海道は暖房費を別に見てあるから、主たる経費というものは暖房費であろう、そういうことは保険局長の一つの独断であって、決して暖房費だけが北海道の物価を高くしているわけではない。たとえば人件費なんかを見ていると、同じ病院であっても、内地なら暖かいから三人使うところを、北海道は五人使わなくちゃならない。労力の面その他いろいろな面におきまして、北海道というものは非常に悪条件のもとにあることもまずお考え願いたい。そうしてそういう立場から見ると、今総理府の統計によっても、全国のいかなる地方から見ても、平均指数を一〇〇として、東京から見まして北海道の方が二〇高い。札幌でありません。北海道が高いということになっている。そういう考え方から見て、これは当然物価指数というものを重点的に考えてこの区分がなされたものであるとするならば、やはりそういったような概念的な、暖房費を別に組んであるから差しつかえないじゃないかというような考え方ではこれは成り立たないと思う。
 それから、支払われる者の立場と支払う者の立場に影響するということは、これは保険ができたときの初めからわかっている。しからば東京とか六大都市のものはかまわない、北海道だから特別にそれを物価が高くても考慮しないというようなことは、あなたの理論が成り立たない。それならば、東京も六大都市も全部乙地にする、その周辺も全部乙地にするというのならあなたの理論は成り立つ。しかし六大都市やその周辺のものは甲地にしておいて、日本で一番物価の高い北海道だけがそういうふうに乙地になっているということは、理論が通らないと思う。
 もう一つは、これは診療を受けるということから言うならば、最大の目的は病気をなおすということである。従って、北海道の公立病院で黒字の出ているものは一つもないといわれているのであるが、結局そういうことになると、医療というものが非常に手を抜くとか、医療の手は抜かないまでも、高い薬品を使うことができない、効果的な処置をすることができない、そういうふうな問題が起って、結局損をするものは何であるかというと、病人であるという結果になるのでありますから、支払う者と支払われる者の立場というものがいろいろ違うということはよくわかるけれども、しかし最大の目的は病気をなおすということであるから、その病気をなおすということの目的のために、甲地も乙地も作った。だから、そういう意味でもっと筋を通して、北海道の立場というものを見ていった方がいいんじゃないか、これに対するあなたの所見と、また今後厚生省としてどういう研究をするか、対策をするかということについて、一応承わっておきたいと思います。
#28
○高田政府委員 私、先ほど北海道が全体としてどうかわからぬというような意味のことを申し上げましたが、これは先生が先ほどおあげになりましたように、ブロック別の比較をいたしますと、北海道は高いという数字が出ておりますことは、先ほど御質問の中にございましたので、よくわかったつもりでございますけれども、今日、甲地、乙地とやっておりますのは、大体一つの市町村をつかまえてものを考えておりますので、従って、北海道の札幌が、今日の甲地になっております市町村と比較をいたすことはできますけれども、ある北海道の村が、北海道全体と、現在甲地になっております関東地方なり近畿地方なりというものを比べた場合に、向うが高いにいたしましても、ある村が現在の甲地になっている、たとえば大阪なり東京なりというようなところと比べて高いかどうかというような比較もいたしてみなければならない、実はさような意味合いでちょっと申し上げたのでございます。
 それから暖房費の問題でございますが、これは私も申し上げましたように、この暖房料が加算点数になっているから、それですっかり問題が片づいてしまっておる、従って、北海道の単価の問題については考慮する必要はないのだという意味で申し上げたのではございません。この問題を考えます際に、十分考慮の中に入れておかなければならぬ問題として、その点を御参考までに申し上げたにすぎないのでございます。
 それから、最後の支払う者の立場があるから云々ということに関連いたしましての篠田先生の御意見は、私どもも十分よくわかります。私も、支払う者の立場があるから、いろいろ問題は複雑ではございますけれども、検討いたして参りたい、かように申し上げているのでございます。支払う者の立場だけでものを考えましては、これは医療というものの本質から申しまして、先生御指摘のように、いろいろまずい問題が起るだろうと存じますので、その点は私どもも十分先生の御注意を体しまして研究をいたして参りたい、かように考えている次第でございます。
#29
○篠田委員 大体保険局長の答弁で、今後研究をしていただきたいということでいいと思います。しかし、それにもおのずから時期があるのであって、今後と言っても、三月も今後であるし、一年も今後であるし、三年も今後であるということからいうと、できるだけその地域の経済事情なり、あるいは社会情勢にマッチするように早くこれを研究してもらいたいということが一つ。それから、あなたの今の御答弁の中に、どうしても頭の中にこびりついているものが一つある。それは、札幌は高いけれども、北海道全体の一つ一つの村を比べれば、安いところがあるのじゃないかという問題があなたの頭の中にこびりついている。札幌は、今申し上げたように全国で一番高い、これははっきりしている。しかし札幌でこの五年間の平均をとってみても、指数において札幌と東京との指数はどうであるかというと、たった七きり違わない。昭和二十六年から三十年に至る五カ年間の六大都市の消費支出額というものの平均を一〇〇として、東京は幾らであるか、一〇五・八である。札幌は一一二・〇であるということからいうならば、結局七きり違わない。しかるに北海道全体というものと、かりに関東甲信越という一つのワクがありますが、それと指数を比べると、幾ら違うかというと、二〇違う。札幌だけが高くて、地方が安いということであるならば、平均していけば、その指数は下らなければならぬ。しかるに札幌と東京の比較は、一〇〇について七きり札幌は高くないのに、北海道と関東の比較をすると、二〇も高くなるということは、地方がさらに一そう高いということである。そいういう総理府の一つの統計にもはっきりしておるのでありますから、われわれが北海道の総合開発であるとか、北海道に金融公準を作るとか、あるいは開発庁を作るとか、いろいろなことをやって北海道の開発を特に政府の手でやろうとしておるということは、何であるかと申しますと、結局、北海道というものは恵まれない特殊な牛宿にあるということを基本的に考えてやっておるのです。もちろん、あなたのおっしゃる意味はよくわかるけれども、しかし、あまりにも不均衡であっては、こういうものの目的も達することができないだろうと私は考える。そういう意味合いにおいて、ここに幸い統計も総理府から出ていることであるから、これを基礎としまして、できるだけ早い機会に研究し、その結果を報告してもらいたい、これをお願いして私の質問を終ります。
#30
○廣川委員長 この際お諮りいたします。理事渡漫惣蔵者より理事を辞任いたしたいとの申し出がありますので、これを許可し、その補欠選任については、先例に従い委員、長において指名いたすに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○廣川委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に小平忠君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#32
○廣川委員長 本日はこれにて散会いたし、次会は、明日二十一日午後一時より東北開発に関する件を議題として委員会を開きます。なお質疑が残っておりますので、開発公庫の質疑を継続いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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