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1947/12/01 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第35号
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1947/12/01 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第35号

#1
第001回国会 厚生委員会 第35号
昭和二十二年十二月一日(月曜日)
    午前十一時十五分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 田中 松月君
   理事 山崎 道子君 理事 飯村  泉君
   理事 武田 キヨ君 理事 大瀧亀代司君
      太田 典禮君    中原 健次君
      福田 昌子君    松谷天光光君
      武藤運十郎君    大野 伴睦君
     小笠原八十美君    榊原  亨君
      河野 金昇君    齋藤  晃君
      寺崎  覺君
 出席政府委員
        食糧管理局長官 片柳 眞吉君
 委員外の出席者
        議     員 加藤シヅエ君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 優生保護法案(福田昌子君外二名提出)(第一
 一號)
 生活保護に關する件
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長代理 これより會議を開きます。
 委員長はよんどころない用事で遲れますから、私が代理を勤めます。優生保護法案を議題に供します。その前に榊原委員から厚生一般問題についての緊急質問が要請されておりますから、榊原委員の發言を願います。
#3
○榊原(亨)委員 先日のこの委員會において、主食代替の砂糖の配給について、食糧營團にこれを任せるが食糧營團においてははかりのないところがあるから、この砂糖をはかるはかりをほかから融通して、食糧營團にやらすというふうなお話を承つたのでございまするが、どうしてこれが砂糖を専門的に扱つておる業者にお任せ願われないのでございましようか。その點について御答辯をお願いいたしたい。
#4
○片柳政府委員 砂糖の配給の徑路の問題でありますが、この點については砂糖の取扱業者の方からもいろいろ陳情もあり、愼重に檢討いたしたわけでありますが、大體の結論といたしましては、御指摘のように原則として食糧營團をして配給させてまいりたい。もちろんこれは主食代替だけの砂糖でありまして、供米報奬用なり、あるいは乳幼兒關係の主食以外のものは、もちろん既在の砂糖業者の方に配給していただきますが、主要食糧としての分は食糧營團をして配給させてまいりたいということに大體なつておるわであります。この考え方は御承知と思いますが、第一には食糧管理法の建前から申しましても、この立法の建前が主要食糧である以上は、食糧營團の配給所を通じて、總合的に一元配給をすることが建前でありますので、法律の精神からも、食糧營團をして配給せしむることが法律の精神にも適うというふうに考えておるのであります。從來においても、食糧營團では米麥以外に雑多のものを今日までも扱つておるのでありまして、御承知のように、從來は野菜關係の方が扱つておりました甘藷、馬鈴薯も食糧營團ができて以來はこれが扱つておりまするし、また小麥粉なりあるいはカン詰等あるいは昨今ではぶどう糖、グリコースの類も配給をいたしておりますが、米の代りに配給するものは營團の配給所で總合的に一元配給をするということから、從來もやつておつたようなほけでありまして、砂糖につきましても同樣なことでやるのが、法律の精神にも適うというふうに孝ておるわけであります。それから法律の精神がさようでありましても、實際これを處理する能力がなくてはできませんことは、申すまでもないのでありまして、この點はいろいろ實態を調査をしてまいつてきておりますが、大體小さなはかりにつきましても營團はこれをもつておりまするし、また前食糧年度に米の代りにぶどう糖、グリコースの類の非常に小口なものを配給した實績をもつておりまして、これらの點からも、はかりなりその他の施設からも、特に食糧營團がこれを配給する能力はないということはないと實は見ておるのであります。特に砂糖の配給量がどのくらいになりますかは、未だ具體的な見透しはつきませんが、現在までの状勢でいくますと、ある程度まとまつた數量が配給でき得る見込みもあるのでありまして、さような點からいたしましても、營團で荷さばきの能力は原則としては十分あるというふうに見ておるようなわけであります。この點は消費者の方の意見もある程度聽くことが必要でありますので、もちろん全面的にこれを聽くことはできませんが、その邊の意見も二、三打診をしてみたのでありますが、食糧營團以外の砂糖の業者から現物を配給することにしますると、消費者は營團の配給所へ行きまして、米の通帳に米の差引量を記帳していただきまして、さらに現物は地の店へ行つてとつてまいる、こういうことは非常に手間をかけるということが一つの難點であるようであります。また警察關係の取締りの點から見てまいりましても、やはり營團の配給所で現物がほかのものと一緒に渡ることが取締り上もよろしい。こういう大體見解のようでありまして、これらの點からいたしまして、原則としては能力のある限りにおきましては、食糧營團をして配給をせしめたい、かように決定をいたしたようなわけであります。しかし地方によりましてはかり等がない場合におきましては、これは地方の實情によりまして、砂糖配給業者の方の協力を得ることはもちろんでありまするが、そうでない限りは、原則しとて食糧營團をして配給をせしめてまいりたいというふうな結論になつたわけであります。御了承を願います。
#5
○榊原(亨)委員 ただいま承りますと、食糧營團は砂糖その他の小口のものをはかるはかりあるいはその技術が十分あるというお話でございまするが、これはこの前の委員會における當局のお話とは著しく食い違つておるのであります。ここ數日の間にそういうふうに變つてまいつたのでありますか。この前はなかなかはかりの入手その他において困難であるというふうなお話を承つたのでございますが、ここ數日經つうちにかくも早くその設備技術が今承つたような状態になつたのでございまするか、その點を承りたいものであります。
 もう一つは、ここに問題となつてまいりますのは、敗戰の今日といたしまいて、どうしても再建日本をほんとうに盛り上げるためには、中小商工業者を援助するということが最も必要なことであります。もちろん統制品でどうしても統制することが必要であるという場合には別ですが、ただ單に配給品を扱わすということによつて、幾分なりとも中小商工業者がこれによつて生活費のたしまえになるということでございますれば、法の原則はどうあろうとも、できるだけこれにやらすような御施策があつてしかるべきと存じておりますが、そういうお考えはございませんか。さらに承るところによりますと、この間お話になつた方からの話を承りますと、食糧營團が缺損しておる、その缺損を補うためにはどうしてもこういうものを取扱う必要があるのだというふうなお話でございますが、もしも食糧營團が缺損いたしますならば、これは國家の機關ですから、その缺損を補うには別途の方法もあるのでございまして、その目的のためにかようなものを配給しなければならない、中小商工業者に任してしかるべきものを、その缺損を補う目的をもつてやるのだということになつてきますと、これはゆゆしき一大事と私は考えるのでありますが、その點についてどういうふうなお考えをもつていらつしやるか、承りたいと思います。
#6
○片柳政府委員 御質問の第一點でありますが、前囘の答辯の趣旨は、どういう表現をいたしましたか、私道接聽いておりませんが、私と方といたしましては、原則としては食糧營團の實態調査に基きまして、砂糖の配給の大體支障のない程度のはかりその他の施設はもつておるというふうに從來から考えておつたのであります。その數日來に急にはかりの整備ができたというようなことではないのであります。それはいろいろ愼重に調査いたしまして、小さい小口に配給できる程度のはかりは大體整備してあるということは、ずつと前からの調査からわかつておつたのでありまして、急にさような趣旨を私から申上げたのでない點を御了解を願いたいのであります。
 第二點の別途の中小商工業者の方をできるだけ活用するということ、この趣旨はわかりますが、ただ先ほど申上げましたように、食糧事情からいたしまして米麥以外のものを相當主食として總合配給しなければならぬという情勢下におきましては、やはり主食は一つのルートを通じて總合的に配給されることが必要だと考へておりまして、主食となりました以上は、やはり一つのルートを通じて一箇所で家庭にいろんなものが總合して配給されることが適當ではないか、もちろんそれ以上のものにつきましては、食糧營團が扱う考えは毛頭ございませんけれども、主食とした以上は、やはり消費者の關係からいたしましても、一つの配給所からいろんなものが總合して配給されるということがやむを得ない状況にあるのではないかというふうに考えておるのであります。
 第三の營團の缺損を救う意味で砂糖を扱わせる。これは非常に誤解ではないかと思うのでありまして、私の方では砂糖を扱わせて、特にそれによつて營團の赤字を補填するという意見は毛頭もつておりません。ただ消極的には大體營團のマージン等は主食の取扱數量に應じましてマージンが決定されておるわけでありますから、もしも主食としての砂糖が營團の取扱數量から除外されるということになりますれば、それだけ營團の缺損が殖えてまいる、こういう意見のことは言えると思いますが、これを扱わせて特に營團のマージンを多くするという趣旨は毛頭ないのであります。特に營團で扱います場合においては、大體米の扱い手數料に準じて砂糖の場合においてもマージンをとることになつておりまして、現在の見込みでいきますれば、米の代りに砂糖を配給した場合に、もちろんこれは米と砂糖との換算率の問題が未定でありますが、一應カロリーで計算をしていきまして、一斤當りのマージンを調ベてみますと、大體四十九錢程度に相なつております。これに對してもしも砂糖を砂糖として規定の砂糖のマージンでいきますと、卸、小賣を通じて二圓六十七錢程度のマージンになるのであります。食糧營團が扱つた場合においては、一斤あたり四十九錢内外になるわけでありまして、砂糖の業者に與えられたマージンの二圓六十數錢と比較いたしますれば、むしろ非常に安くなるような状況になつております。この邊はさような趣旨は毛頭ないわけでありまして、御了解願いたいと思います。
#7
○榊原(亨)委員 この問題につきましては、さらに本會議その他におきまして、各政黨と御相談の上、適當な御質問を申し上げたいと思います。
 もう一つ承りたいことは、主食を差引きまして清酒その他を配給されたこともあると思うのであります。その場合も食糧營團がなおお扱いになつたことがありますか。
#8
○片柳政府委員 前食糧年度の食糧緊急對策として實施いたしました、酒を米の代りに配給いたす場合においては、食糧營團から切符を發行いたしまして、酒の業者から買つております。この點は食糧營團には酒のようなものを扱う能力こそないのでありまして、これだけは酒の業者から配給いたしたわけであります。
#9
○榊原(亨)委員 ただいまの點につきましても、私どもは當局の御説明に對して矛盾を感ずるのでありますが、これはあらためて御質疑その他を申し上げたいと思います。
 これで打ち切ります。
#10
○大瀧委員 ちよつとお伺いいたしたいのですが、ただいまのお話によりますと、砂糖のはかりがないということは調査した結果、絶對にない、こういう話であつたのですが、私たちの町内ではこの間ぶどう糖の配給があつた。それではかりがないために、いい加減にぶどう糖をもつてまわつたという實例があるのであります。それについて管理局長は、大體においてそろつておるというお話であるが、どういう程度に、どういうふうにそろつておるかということを調査になつておるわけであろうと思うが、それを承りたい。實際には營團にはわずかな砂糖をはかるような小さなはかりはない。それでいい加減にもつてまわつた實例がある。私はたまたま目撃した。話が大分違うようであるが、營團ではそういうことはないと政府は答辯するかもしれないが、實際にそろつておるということはわれわれは疑問に感ずる。この點調査してあるのかどうか。こういう答辯をすれば、あとは何でもないであろうというような管理局長の答辯か、その點をはつきり數字を教えてもらいたい。實際不自由を感じておる。はかりのない所では、ぶどう糖の配給や何かにしても、はかりがないので、いい加減にこのくらいに勘定しておこうではないか。こういう事實を見ている。お調べがあつたらお知らせ願いたい。大體のお話なら大體のお話でいいが、先ほどのお話ではきわめて明確なお話のようであるが、われわれの方ではないのです。
#11
○片柳政府委員 東京都の營團に何臺のはかりがあるというところまでは、さような趣旨においては全國的な調査はございません。ただ食糧營團の事務者を呼びまして、この程度の配給能力があるか、はかりがあるかという調査は聽取しております。さような趣旨で、原則としてはその程度のものがあるというわけであります。ただ地域により、地方によつてはそういうものがない所もありましようから、そういう所においては砂糖の取扱業者の方の協力を得てほしい、こういうふうに申しておるのであります。全國全部があるというふうには先ほども申し上げておらないのであります。これはあくまで兩方の方が一緒になつて、貴重な砂糖の配給をしていただきたい。これは御承知のような輸入食糧でありますから、その邉が非常にむずかしくなつておりまして、報告その他の關係から非常なひもをつけられておるわけであります。あくまで片方にないものを無理にやることもいけませんし、なければ協力をぜひにと求めてほしいというふうに考えておるわけであります。
#12
○大瀧委員 そういうふうな意味において私は希望を述べたいのですが、私の想像通りに、營團や何かに勤めておる者を呼んでどうだと問うた場合には、大體大丈夫ですと言うのが當然だと思うのであります。こういうようなことを信じて、實際の實情を何ら十分に調査しないで方法を立てたということは、これは非常に困ると思うのであります。ただいまの管理局長のお話の通りで、實際はわからない。その人を呼んで聽けば、大體大丈夫ですと言うはずです。そういう話を聽いて、國民の實情を知らぬこういうやり口が、現在の多くの統制その他に關係して、非常の國民が迷惑しておるというのが、現状であると思うのであります。そういうことで一方においては酒の配給の能力がない。能力がないと言つたつて、びんに詰まつておるものならば、能力があると答えしめることは簡單だと思います。しかるに一方においては能力がないと答辯をなし、一方においては營團を呼んで聽けば大丈夫だと言つたから、調査もせぬでこれを任せるのだ、こういうことで國民のほんとうの實際の生活を關知しない行政の部面の當る者がやるということが、これが間違いなのである。今お聽きすれば、結局管理局長はわからない。わからないで、大體そうだということを聞いて、そうしてあるのだと言う。私がもしも實情を知つていなかつたならば、管理局長の言葉に承服しなければならない。しかしわれわれは實情を目撃しておる。そうするとこれは實際には何ぼあるか調ベていない。これはどうしても愼んでいただかなければならぬ。國民の實際ということに十二分の了解を得てほしい。こういうことを私は希望したいのであります。そうでないと砂糖の配給も米の配給をしている者がするというのでは、非常は間違いを生ずる。ただいま言つたように、砂糖をもつておつても、大概はかりがないのでめのこ勘定でやるということがかりにあつたとすれば、非常な間違いを生ずる。こういうことを第一に憂えるのである。そういうような考えから、まず實際に政府は國民の實情を調査して、實情にぴつたり合う政治をやつていくということに、十二分に心をいたしてほしい。榊原君の言うように皆食糧で差引くのだから食糧營團だ、こういう理窟は、法律の建前がそうだからといつても、扱いというものは全烈違う。砂糖の扱いも、八百屋の扱いも、皆食糧營團でやつたら煩雜でしようがない。また食糧營團がそれをやつたのでは實際に適しない。こういう意味において深甚の反省を促してやまぬ。そうでないと國民が迷惑する。理窟で政府が議員に答辯するときに、やりこめられない答辯ができた、こういうようなことだけでは非常に國民が迷惑する。こういうようなことを十二分に考えて、行政末端に對しての考慮をいたしていただきたいと思います。
#13
○片柳政府委員 御指摘の點は十分注意をいたしますが、ただ食糧營團の人を呼んで、できるからという單なる一片の口頭の答辯で信用したわけではないのでありまして、先ほど申し上げましたように、地方によつてはグリコースなり、ぶどう糖なりの配給にはかりがなくて不便があつたと思いますが、大體その點は單に營團の關係者を呼びまして、できるという一言で私が申し上げたわけではないのであります。大體從來の米穀商人と言いましても、やはり砂糖なり小麥等も配給しておりました業者も相當はいつております。從つてさような設備も大體もつておるということを、私は實際において了承しておるわけでありまして、單に營團の業者を呼びまして、一片の言辭をただちに信じてやらせるというわけではないのであります。この點はひとつ御了承願いたいのであります。また近く通牒も出すことになると思いますが、地方によつて、どうしてもできない場合においては、兩方でよく協力してやつてほしいという方針でいきたいと思うのであります。できないけれどもむりやりにやるということでは、消費者に迷惑をかけることになりますから、この點は、結局貴重なる輸入食糧を圓滑に配給ができるということで、できない點までもこちらでやらせる意思は毛頭ございません。
 それから主要食糧を品種別に、各業者を通じて配給せしめることになりますと、これは結局食糧管理法の改正までにはいつてくるわけでありまして、從來營團が甘藷なり馬鈴薯を配給しておることもいかぬ。主食としての馬鈴薯、甘藷も、從來の八百屋を通じて配給するということになりますと、これはばらばらになつて、遲配等が起きまとても、どこに責任があるかわからぬということになります。御意見はよく研究いたしますが、現在の私の考えでは主要食糧として配給します以上は、事情の許す限りは、やはり配給所で總合的に配給することが正しい。またそれが現在の食糧管理法の精神でもあるというふうに了解するのであります。ただできないものをあくまで掻きこむ意思は毛頭ございません。
#14
○大瀧委員 これは非常にほかに發展するようで恐縮であるが、この食糧問題が今日提案される優生問題その他に關係することと思うのですが、管理局に責任があると思う。食糧が遲配、缺配の場合に、現在われわれが辯護士という法律を扱う面から見ましても、わずかの食糧が遲配、缺配になつたために、買出しに行つて留置場にぶちこまれたというようなことが少くないのであります。それについてもしもさまざまな事情で、今後食糧の關係に遲配缺配が生じた場合、どういうような對策があるかどうか。こういう場合に犯罪か、餓死か、というようなことが新聞紙上に出ておつて、われわれはその現實を見ているのでありますから、これは何らかの方法を講じてもらわなければ、國民は非常に困る。これについては何らか對策を考えつつあるかどうか、ということをお聽きしたいのであります。私は別に緊急食糧の臨時措置として、こういう場合には自給行為として自由に買つても差支えないのだという法律を提出して、今委員會に付託になつておりますが、一面管理局長としてそういう場合においての何らかの對策があるかどうかということを、この機會にお聽きしておきたいと思います。何とかしてもらわないと困るのです。
#15
○片柳政府委員 前食糧年度におきまして相當の遲配を生じまして、また結論としてこれを棚上げせざるを得なくなつたことにつきましては、はなはだ私としても申譯がないと思いますが、ただ今後さようなことに處してどういうことを考えているかといいますと、これからはさような遲配を起さないように、供出その他につきまして全力を盡す以外にはないのであります。遲配が起きたらどうするかということについては、そういう方向でなくして、ぜひとも今年の米なり、甘藷なりの供出についても最善の努力をいたしますし、またそれに應じで輸入食糧の點についても、現在もいろいろ懇請をしているわけでありますが、そういう兩面から遲配の起らない方面に、全力を盡していきたいということをいろいろやつておりまして、遲配が起きた場合にどうするかということについては、そういうことのないということに向つて、今全力を盡しているわけであります。
#16
○大瀧委員 今の御答辯のように、そういうことがないように努力せられたことは非常に結構であると思います。しかし現實にあつた場合、國民生活の保健の面においても、非常に影響する問題であります。そのときには、國家の配給の責任者が遲配、缺配を行わないと言いつつ、それができたという現實の場合、こういうときには自由に買つても處罰しないのだ、自由取引にしなければいかぬのだという法律を、今一方にはわれわれが出しておりますが、それに對して局長の意見はどうですか、ちよつと承りたい。あなたの方の意見が、必ず遲配、缺配をしない、こういうことであつても、もしあつた場合には、勝手に買つて食つても處罰しないという法律を出すことに對する御意見はどうですか。それでなければ國民は死にますよ。拘置所へ行つて拘置所で遲配、缺配したら、十日か二十日したら必ず死にますよ、現實に缺配して死なないというのはやみで買つて食つているからです。こういう場合に拘置所に入れられて遲配、缺配になつたということを考えてこの意見を承りたい。遲配、缺配しないと言つても、なつた場合には、私の提案したような法律で補つていかなければならぬと思うがどうだということに對する、管理局長の明確な御答辯を伺いたい。遲配、缺配はないということを聽いているのではない、遲配、缺配した場合に罰しないという法律案に御贊成の意見はないかどうか、こういうことです。これをひとつ明確に御意見を承つておきたい。
#17
○片柳政府委員 非常に大きな問題に對して即答はなかなか困難と思いますが、現在の考え方では、不幸にして遲配が起きた場合に、どんどん買出し等をした場合において、これを罰しないということには、私はにわかに贊成いたしかねると思います。そのときの情勢に應じましてはまた別個の措置も、あるいは講じ得ると思つておりますが、どんどん買出し等をして、食糧管理のルートをみだした者を罰しないということにつきましては、にわかに贊成いたしかねます。
#18
○大瀧委員 罰しないことには贊成できない。それだつたら國民が全部死んでもやむを得ない、こういうことですか。死ぬんですよ。配給ルートで配給するというものを、統制經濟下において配給しないでは食えないということを考えてもらわなければならぬ。食えない場合に、みだしてはならぬ。にわかに贊成できぬと言う。これは了承する。それでは死ななければならぬ。死んでも差支えない。こういう結論になるわけですが、そういうわけですか。
#19
○片柳政府委員 私はさような趣旨では決して申し上げたわけではない。私の考えは各人が遲配に堪えかねて、農村に行つて無統制にどんどん食糧を買付ける。それを罰せぬというその方法につきましては、私はにわかに贊成いたしかねる。
#20
○大瀧委員 どんどんではない。食うだけですよ。
#21
○片柳政府委員 なかなかその面は、どんどんといいましても、萬人が平等に買付けるかどうか問題でありますし、またどうしても遲配で國民がもう非常な苦しみをされておる場合におきまして、農村になお食糧があるという場合には、そのときに應じて緊急事態として、政府でも手を打つこともあろうと思いますが、ただ無統制にどんどん買付けて、それを法律で罰せぬということにつきましてはこれは贊成いたしかねる。ただその窮状を私が放任しておくということを申し上げておるのではない。そのときにはまたおのずから、農村に食糧がなおあまつておつて、片方で遲配が起きておるという場合は、またそのときの情勢に應じて、別途の手を打つべきだということを申し上げたのであります。御趣旨として無統制に買付けることを罰せぬということにつきましては、にわかに贊成いたしかねるというふうに御了解願いたい。
#22
○大瀧委員 それではもしも今後遲配缺配した場合には、何らかの手をうつだろう、こういうことであるならば、その手は考えておられるかどうか承りたい。ここ數年間にわたつて遲配缺配があつて、そうしてますます強化する。強化するというのは、食えなければ死ぬのだと考えた場合に、今後のわずか二、三箇月後においても、さまざまの輸送とか、報奬その他の不圓滑な關係で、遲配缺配の場合にどうするという對策が少くとも考えられておると思う。今まで何囘もそういう實例があつた。今日そういうことは今後はなくするという深い決意は諒とするけれども、その場合に對しての對策が、少くとも今日立つていなければならぬ。そういうことがあつたらひとつ承りたい。
#23
○片柳政府委員 現在では先ほども申し上げましたように、國内食糧をできるだけ政府が集荷をすることと、それに應じて輸入食糧をできるだけ多量に、かつ早目に入れていただくということで、現在はそれ以外のことは實は考えておりません。
#24
○大瀧委員 そんなことはたれでも考えている。私はそれを聞いておるのではない。遲配缺配があつた場合にどうするか。
#25
○片柳政府委員 ですから、それはそのときの情勢に應じて、農村からの供出が非情に悪くて、なお農村には食糧が殘つておる。それが從來の方法ではどうしても供出でき得ないということになりますれば、そのときの情勢に應じて、おのずから手は違つてくると思う。
#26
○大瀧委員 それは待つかなしですよ。遲配缺配の場合は。それだから、あなたにお聽きする。
#27
○片柳政府委員 そのときの情勢に應じて、ひとつ手をうつていきたい、こういうわけであります。
#28
○田中委員長代理 ちよつと大瀧委員に申し上げますが、食糧管理局長官としてはその以上の答辯はできないでしようから、この程度でひとつ收めておいていただきたいと思います。松谷委員。
#29
○松谷委員 先ほど出ておりました代替用砂糖の配給の件につきましたは、この前の委員會にも質問いたして、大體私は當局のとられんとする態度を諒とするものでございますか、ただいま局長のお話では、本筋な營團の配給にする。しかしはかり等の不備な地區においては、業者の協力を求めさせて、できるだけ協力してやつてもらいたいという最後の結論でございましたが、そうするともしも業者が協力をいたした場合に、營團が扱うのと業者が扱うのと、マージンに非常な差がある。この場合にどちらのマージンを基準にして決定されるのか。
#30
○片柳政府委員 食糧營團でどうしてもはかり等がございませんで、砂糖の業者の協力を借りました場合におきましても、もちろんこれは食糧營團の下請といいますか、各義上食糧營團が配給をする。ただその實務等を業者に代行していただくわけでありますから、マージンはもちろん食糧營團のマージンでやつてもらいます。ですから砂糖の業者としてはマージンはございません。
#31
○松谷委員 ちよつと問題がかけ離れますが、この際皆さんの御了承をいただいて、營團に御注意していただきたい事實がございます。それは先ほどから問題になつております營團か公團かという問題に對して、その輿論調査を營團が始めておられます。この點に對して今日まだ營團とはいかなるものか、公團とはいかなるものかということを、實際に十分にまだ認識しておらない家庭の主婦に對しまして、殊に極端な例は、配給にまいりまして印を渡します。その印をそのまま、公團反對という一つの輿論として署名捺印するその捺印に使つておつたという事實が、南埼玉郡の日野町に事實あつたのであります。これが公團の性格を知り、また營團の性格を知り、そうしてそういう事實がはつきり主婦たちにわかつたときに、その問題について、自分はそれでは全くそれに反對だという事實がございますが、こういうものが小くとも國民の輿論として結集されますならば、そこに私は、この公團かあるいは營團かという問題を決定いたします一つの科學的な資料としまして、相當大きな力をもつてくると思います。これは先ごろの住宅營團の拂下の問題のときのいわゆる盲判を押したということが、非常な大きな結果をもたらしたいう事實から見ましても、盲判をとつておる營團の態度に對しては、嚴格な御注意を促していただきたいと思います。
#32
○片柳政府委員 實は私のところにも、たくさんの公團反對の陳情書が、主として東京都の管内からきております。あまりたくさんの反對陳情が急に出てまいりましたので、實はこの陳情書がどういう恰好で署名されておるものか一應調査してみました。眞に消費者の方から自發的のものでありますれば、これはほんとうの聲だと存じますが、ところによつてはお話のように、營團側で誘導的に營團がよいかさらに官僚化した公團がよいか、こういう質問をいたしまして、その結果反對というようなサインをした向きも相當あるやに承知しております。その邊はさような趣旨で陳情書の處理にあたりたいと考えております。今後はさような點につきましても十分に注意してまいります。
    ―――――――――――――
#33
○田中委員長代理 優生保護法案の提案理由の説明を求めます。説明者加藤シヅエ君。
#34
○加藤シヅエ君 この優生保護法案は、他の多くの法案と違いまして、議員提出であるということ非常に意義があると存じます。
 御承知のように、戰爭中に國民優生法という法律が出ました。これは名は優生法と申しておりますけれども、その法案の律案の精神は、軍國主義的な、生めよ殖やせよの精神によつてできた法律であることは、御承知の通りであります。そうしてその手續が非常に煩雜で、實際には悪質の遺傳防止の目的を達することが、ほとんどできないでいるということは、この國民優生法ができてから今日まで、實際どのくらいの人がこの法律を利用したかという報告を見ますと、よくわかることでございます。また現行法の國民優生法は、むしろ出産を強要することを目的といたしておりますために、實際に出産が適當でない人が、出産を逃れるようないろいろの醫學的な處置を醫師に求めることを不可能にする結果、國民殊に妊娠、出産をいたさなくてはならない婦人たちが、非常に苦しんでおるという現状でございます。殊に現行法の國民優生法は、その第十六條においては、斷種手術竝びに妊娠中絶の届出制ということをいたしておりますので、斷種を受けるべき者、あるいは妊娠中絶の處置を醫師に受ける當然の理由があると思われる者でも、その醫學的な適應症が、非常に煩雑な届けを必要とすることになつておりますので、その結果非常に婦人たちは苦しんでおるというのが現状でございます。そこで私どもはこの法案を提出いたしまして、その目的は第一章の總則に書いてある簡單な條項がすべてを説明しております。すなわち第一條に、「この法律は、母體の生命健康を保護し、且つ、不良なる孫の出産を妨ぎ、以て文化國家建設に寄與することを目的とする。」と申しておりますが、これはこの法案すべてを説明しておると私は思つております。元來今までも母體の生命、健康を保護するとか、あるいは不良な子孫の出生を防ぐというようなことは廣く言われておつたのでございます。けれども實際の母體の保護の方法をどういうふうにするか、あるいは不良な子孫の出生を防ぐ方法はどうするかということになると、非常な消極的な方法のみを選んでおつたのでございます。今日世界の醫學は非常に進歩しておりまして、衞生の見地からは、すベて事が起つてからそれを處置するというやり方は、非常に舊式なことになつておりまして、今日は生命の健康を保護するためには、むしろ豫防醫學の見地から處置をしなければならないというのが、文化國家の諸外國においてやつておるところでございます。豫防醫學の知識を採用するということになると、わが國の醫學界の現状は、今日非常にこれに立後れておるということは事實でございます。從いまして私どもは、あくまでもこの豫防醫學を全面的に採用して、母體を保護し、優良な子孫を生みたいということを主張いたすものでございます。竝びに私はこの法案において、母體の保護と優良な子孫を生みたいということを目的とするとは申しておりますけれども、事柄が斷種の手術というようなことに及んでおりますし、あるいは妊娠の中絶というようなことにもなつておりますし、また現在の日本の法律は、受胎を未然に防ぐところの、いわゆる産兒の調節ということについては、法をもつてこれを禁止するということは何らいたしておりませんけれども、この法案の中においては、こういう受胎を未然に防ぐところの處置は、醫師のみがこれを指導するということを、特に明記いたしております關係上、この優生保護法案は、産兒調節の趣旨をもつた法案であるというふうに世間で見られております。その結果はこれが必然的に日本の人口の問題と、多くの關連をもつて考えられることは當然でございます。しかし提案者といたしましては、この優生保護法がすぐに日本の將来の人口を減らすものとか、あるいは殖やすものとかいうような結論を下すことは、決してできないと信じております。ただあくまでも今日敗戰の日本の實情として、この狭い國土の中に人口が過剩であるということは、だれしも認めておる事實でございます。從つて日本の人口の問題を考慮いたしますときに、多くのヨーロツパあるいはアメリカの民主主義國家が、文化國家の建前として、人口の問題に對してどのような考え方をもつて對處しているかということを見ますときに、その國々は人口の問題に對しては一定の計畫性をもつことは絶對に必要である。非文化國家においては生み、殖えようと、あるいは自然に減退しようと、何ら計畫性というものをもつておりません。けれどもいやしくも文化の發達しております國々においては、一つの計畫性というものを考えております。この意味においてこの優生保護法案は、日本の將來の人口に對しての一種の計畫性を與える文化國家の建前を、日本に備える一つの方法ともなると信じておるものでございます。しかし私どもは、特にこの法案を審議していただきますときには、人口問題との結びつきよりは、むしろ如實に迫つております母體の生命保護、母體の健康増進と、生れてくる幼兒の優良なるベきものを求めるというその點に重點を置いて御審議あらんことを希望いたすものでございます。私は先だつて豫算委員會の席上において、やはりこの問題に關連した質問を厚生大臣にいたしました。今日の實際の私ども日本の婦人の生活の現状といたしまして、食糧は決して足りてはおりません。殊に住居の問題においては、まだ四百萬世帶近いものが、住む家がないという實情でございます。たといまた家のあるものとしても、さいわいに屋根の下に住んでおるとはいえ、四疊半あるいは六疊というような狭い部屋に、二家族あるいは三世帶という多くの家族が雜居いたしておるという實情でございます。しかも燃料も非常に不足いたし、纎維製品もほとんど見るべき配給もないというような實情でございます。このような状態におきまして婦人が妊娠し、出産し、そうして育兒をしなければならないというのに、はたして今日の多くの状態が、これらの妊娠、出産に適當な條件が備わつておるかどうかということを考えますときに、私は多くの婦人たちが聲を上げて、今日子供を生みたくない。でき得るならばもう少し何とか住居の問題、燃料の問題、食糧の問題等に餘裕ができてから、愛するわが子を生みたいというのが、今日の婦人の聲であると信じております。こういう今日のわが國の現状に即應しまして、この法案を御審議願いたいと存ずる次第でございます。
 なおこの法案には、非常に醫學的に關連をもつた事柄が多いので、私と同じ提案者であるところの太田典體、福田昌子、この兩醫學博士は、醫學的な見地より、なお十分に御審議にあたつては皆さま方の御質問に答える用意がございますので、その點をお含みくださいまして、今日よい子供を生みたい、愛する子供には十分な條件のものに子供を生んで、りつぱに育てたいと考えておりますところの多くの母親たちの聲として、この法案が生れておりますということを御考慮に置きまして、どうか御審議御贊成あらんことを、提案者の一人としてお願いいたす次第でございます。
#35
○田中委員長代理 では次會の議事日程は公報をもつてお知らせすることにいたしまして、本日はこれをもつて散會いたします。
   午後零時十三分散會
ソース: 国立国会図書館
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