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1956/11/19 第25回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第1号
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1956/11/19 第25回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第1号

#1
第025回国会 決算委員会 第1号
昭和三十一年十一月十九日(月曜日)
    午後一時五十分開議
 出席委員
   委員長 上林與市郎君
   理事 生田 宏一君 理事 關谷 勝利君
   理事 田中 彰治君 理事 本名  武君
   理事 山本 猛夫君 理事 坂本 泰良君
   理事 吉田 賢一君
      臼井 莊一君    床次 徳二君
      細田 綱吉君    山田 長司君
      吉川 兼光君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 牧野 良三君
 出席政府委員
        自治政務次官  早川  崇君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁長官官
        房会計参事官) 石渡猪太郎君
        検     事
        (経理部長)  竹内 寿平君
        法務事務官
        (矯正局長)  渡部 善信君
        大蔵事務官
        (主計局司計課
        長)      柳沢 英蔵君
        大蔵事務官   小幡 琢也君
        会計検査院事務
        官
        (第一局長)  大沢  実君
        会計検査院事務
        官
        (第二局長)  保岡  豊君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
十一月五日
 委員細田綱吉君及び森三樹二君辞任につき、そ
 の補欠として杉山元治郎君及び片山哲君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月十日
 委員片山哲君、杉山元治郎君及び山田長司君辞
 任につき、その補欠として片島港君、楯兼次郎
 君及び原彪君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員楯兼次郎君及び原彪君辞任につき、その補
 欠として細田綱吉君及び山田長司君が議長の指
 名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月十二日
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書
の審査を本委員会に付託された。
同月十七日
 国庫補助事業に対する会計監査統一実施に関す
 る陳情書(静岡県町村議会議長会長伊藤利司)
 (第一〇五号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 小委員会設置に関する件
 証人出頭要求に関する件
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書
    ―――――――――――――
#2
○上林委員長 これより会議を開きます。
 まず国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。今国会におきましても決算の適正を期するため、前国会におけると同様に国政に関する調査をいたしたいと存じます。調査する事項といたしましては、一、歳入歳出の実況に関する事項、二、国有財産に関する事項、三、政府関係機関の収支に関する事項とし、調査の方法は、関係各方面より意見の聴取、資料の要求等といたしたいと存じます。以上の通り国政調査を行うことといたし、衆議院規則第九十四条に定めるところにより、議長に対して承認を要求するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○上林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 次に参考資料の提出要求についてお諮りいたします。本委員会における付託案件の審査または国政調査のため、関係各官庁その他各方面に対して参考資料を要求し、その他照今回答を求める必要あるときは、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○上林委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らうことに決しました。
#5
○上林委員長 昭和二十九年度の決算の審査に入ります。本日は総理府及び大蔵省(自治庁)及び法務省関係につい審査を進める予定であります。
 まず法務省所管について審査を進めます。それでは昭和二十九年度決算検査報告六九ページより七三ページに至る報告番号三三ないし三五を一括議題とし、まず説明を求めます。会計検査院保岡第二局長。
#6
○保岡会計検査院説明員 法務省の報官に掲げましたのは三三の工事と、三四の不正行為と三五のその他であります。
    〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
この工事の件は京都の刑務所で井戸を掘ったのでありますが、水が悪くて飲料水にならないで、結局約百七十万円投じて工事の目的を達していないという件であります。この原因は七一ページの初行から書いてございますが、着工に先だちまして、調査に当りまして一キロ隔てている鐘ケ淵紡績会社の工場用水の井戸を掘ったときの地層図を参考としただけで、その水質を調査しなかったこと、これが一つと、それから目的の三百尺掘ったとき帯水層が案外少かった。しかしそれ以上掘ってどのくらいあるかわからない、こういうようなときに、一応管を入れまして水量、水質を試験すべきである。いわゆる水量を確保しても水質が悪くては目的を達しないのであるから、また水質がよくて水量だけ少いのならばなおそれ以上掘ることも可能である、そこで断念する必要はないと会計検査院は思つおります。それでこの二点について原因があると考えまして取り上げたわけであります。
 その次は不正行為であります。不正行為は二つありまして、一つは七一ページの末に表示してありますが、罰金など納付されました印紙及び現金、関税法違反の押収物の換価代金など合計七十九万円ばかりを領得された件、それと、もう一つは、登録税として納付するものは収入印紙によるべきでありますが、現金を持ってきたものを受け取りましてそれを領得したもの、これが約二十四万円、この二件でございます。
 それから三五のものは、警察に留置されている被疑者に対しまして、勾留状が発せられた日から出所の前日までの分に対しまして、地域によって違いがありますが、一日七十七円、八十円、八十三円を地方公共団体に交付する、いわゆる代用監獄に拘禁留置した者の費用償還金でありますが、これにおいて過渡しまたは支払い不足があったという点であります。これは実地検査によりましたものと、検査院の注意によりまして当局が調査されました結果発見されたものと分けて掲げてあります。当局が調査された中に、宮崎におきまして、正当支出額に付掛いたしまして小切手を振り出させまして、二十六年から二百三十七万円を取ったという不正行為が判明した。それをなお書きに掲げてございます。以上でございます。
#7
○坂本委員長代理 それでは次に法務省当局より補足説明を願います。竹内経理部長。
#8
○竹内説明員 二十九年度決算検査の結果は、ただいま会計検査院から御説明もありました通り、法務省といたしましては三件批難に上っておるようでございます。不正不当の経理に対しましては特に意を注ぎましてこれが改善に努めて参ったのでございますが、その結果といたしまして会計検査院の批難事項も毎年減少の一途をたどっておるのでございまして、その点はまことに喜ぶべき傾向であると考えてはおりますものの、本年度もまた検察庁に不正行為が批難されておりますことは全く汗顔の至りでございまして、深くおわびを申し上げます。
 次に各事項につきまして私どもの意見、説明を申し上げたいと思いますが、批難の各項につきましてはいずれも会計検査院の御指摘になっておる事実につきまして争いをするというのではございませんので、それらの点につきまして私どもの考えておりますこと、それからとりました処置等につきまして御説明を申し上げるわけでございます。
 まず京都刑務所におけるさく井工事の関係でございますが、このさく井工事の計画を立てるに当りまして大切なことは、三百尺掘りますれば六千石の水が得られるかどうか、またその水質は飲料水にも適するものであるかどうかということでございました。六千石の水量につきましては刑務所から約一キロ離れた鐘紡の山科工場に四百五十尺のさく井がございますので、その工場のさく井につきまして地層図を参考にさせてもらいましたが、それによりますると地下百尺から三百尺までの二百尺の区間に百三尺の帯水層がありましてそこから約一日四千八百石の水がとれることがわかっておりました。そこで尺当り四十七石の水量となるわけで、刑務所の位置が工場よりも低地になっております地形上の条件を勘案いたしますると、刑務所の場合には二五%くらい増加水量を見込んでもよろしいということになりまして、百三尺の帯水層は変らないものといたしますれば、この比率を乗じまして計算いたしますると刑務所の場合には六千五十一石となる計算でございます。そこで水質の点でございますが、鐘紡では地下百尺までの区間の帯水層の水をとつて工業用水として使っておりますために、水質の良否は面接にはあまり参考にはならないと思ったのでございますが、刑務所では飲料水にする関係から、百尺までの区間の帯水層からは水をとらないことにいたしておりました。一般的に申しまして地下百尺以下に堀り下げますと、地表の水を浸透しない粘土層が必ずその間にあるのでありまして、それ以下からとる水は、地表水に含まれている雑菌がまじらないというのが常識になっております。そこで刑務所の場合には、工場の前例を調べるまでもなく、飲料水に適する水が得られるものだと判断をいたしましたのでございましてこの点は、今日になって考えてみますと、いささか軽卒のきらいがあるのでございます。雑菌の点はともかくといたしまして、ただいま会計検査院からもおっしやられました通り、水質の中で鉄分だとかその他異味の有無等は工場のさく井の水質を検査することによりまして十分参考になし得たのでございますが、この点、何とも申しわけのないことだと考えておるのでございます。
 次に三百尺に掘り下げましたときに追加工事をいたした点でございます。三百尺の地点で帯水層を見ますと、五十五尺ございました。鐘紡の百三尺に比べますと、半分にすぎないのでございますが、これは見込み違いでございました。この五十五尺に対しまして、前に述べた比率で計算いたしますと、そのときの推定の水量は約三千石になるのでございます。これでは工事をいたしました所期の目的を果しませんので、さらに百尺を掘り増しの追加工事をすることになったのでございます。四百尺の地点まで進みますと、その間に二十一尺の帯水層がありまして、これを合計いたしますと七十六尺になるのでございます。七十六尺を前の比率で計算いたしますと、まず六千石は得られるという結論になりましたので、そこで工事を終ったわけでございます。ところが水量の検査をしてみますと、帯水層七十六尺で九千四百石も出ることがわかりましたわけでございます。鐘紡に比べまして、水量の多かった点に実は驚いたのでございますが、この比率からいたしますと、あるいは三百尺のところで水量、水質を検査いたしましたならば、六千石はとれていたのではなかろうかというふうにも、あとからでございますが、考えられるのでございます。そう見て参りますと、会計検査院が特に指摘しておられますように、三百尺のところで水量あるいは水質の試験をなぜ行わなかったのであろうかという問題が起って参ります。この点につきましてまず結論的に申しますと、その試験を行いますことが不可能ではないのでございますが、すこぶる困難でもあり、経済的にみますと適当でないというふうに私どもは考えたのでございまして、この工事には、契約書あるいは仕様書にも書いてありますように、ロービング式を採用しておりまして、このさく井の方法によりますと、さく井の中途において水量や水質の検査をするということができにくいのであります。すなわち三百尺の地点で水量、水質の検査をしようといたしますれば、それ以上の増し掘りは断念するほかないのでございまして、前に申しました通り三百尺の地点までの帯水層が合計五十五尺でございますので、先ほど申した比率をかけて推定推量を出しますと三千石しか得られない。そこで通常の技術から申しますと、さらに掘り進んで所要量を獲得することに努めるというのが、この場合に妥当な措置であろうというふうに考えたのでございまして、この点に関しまする批難につきましては、私どもはさように心得ておるのでございます。
 これを要しますに、本件におきまして批難を受けるに至りました重要な点は、結局増し掘りまでしてさく井工事を完了いたしましたのに、結局飲料水にも適しない水しか得られなかったという点に帰するのでございまして、どういう点で悪かったかと申しますと、今申しましたような事情になろうかと思うのでございます。出ました水はその後何回か揚水を継続しておりますうちに、雑菌等はただいまでは皆無になっております。それで問題は鉄分が入っております点をどうして除去するかということになるのでございまして、この方法としまして気曝法とかいろいろこれを浄化する方法があるのであります。さきに本年の初めごろにさっそくながらこの水を今後使用します方法としまして浄化の予算を考えまして百二十万円現地に配賦をいたし、これによりまして、あるいは気曝法によりますか、その他の浄化方法によりますか、手段を講じていただくことにいたしております。
 次に不正行為の関係でございますが、第一は長崎地検の島原支部と区検の検察事務官の津留愛生にかかる罰金など徴収金あるいは換価代金の横領の点でございます。この犯罪は二十七年二月から三十年三月に至る約三カ年間の横領でございまして、金額も九十七万九千余円に上っておるのでございます。この犯人の津留でございますが、この検察庁におきまして徴収主任と……。
#9
○坂本委員長代理 ちょっと御注意しますが、時間の関係もありますので、簡潔にやってもらって質問がありますからそのとき答えてもらった方がいいと思います。
#10
○竹内説明員 長崎の関係はそういう事件でございますが、この点につきましては、国損の関係につきましてすでに賠償の和解が成立いたしました。これも参考資料の中に書いておりますし、なお本人の処罰につきましては昨年の六月十四日に懲役一年六月の判決が確定いたしておりますし、関係監督官の行政処分もすでに終了をいたしております。
 それから札幌法務局の鵡川出張所長の犯罪につきましては、これも指摘の通りでございまして、この関係の国損につきましては、昨年の六月四日に小樽簡裁におきまして分割弁済の和解が成立をいたしております。それから本人に対しましては、懲戒免官になりましたほか、起訴手続を経まして裁判所から懲役一年六月、三年間執行猶予の判決を受けまして、昨年十二月三日、その刑が確定をいたしておるのであります。
 それから最後の留置人費の償還の処置当を得ないものにつきましては、この批難の要点は二点に分れておりまして、一つは代用監獄に対する留置人費の償還に当りまして、東京拘置所外三十三の刑務所の処理状況をみますと、支払い不足となっておるもの、あるいは過渡しとなっておるものなどがございまして、結局内容算出に対する検討が不十分であるという点と、もう一つは、その調査の際に発覚したことでありますが、宮崎刑務所におきまして法務事務官の坂本英雄が留置人費の償還業務を担当中に、正当の支出額に付掛をしまして、小切手を振り出させて、その間に二百三十七万三千余円を着服横領しておったという横領事実でございます。この点につきましても、まことにその処置、管理において、また本人の巧妙なるやり方等もございますが、いずれもこれは監督官におきまして当を得なかったのでございまして、これも参考資料に明らかにしてございますが、本人に対しましては刑事処分を求められまして、本年十月九日懲役二年六カ月の判決が確定しておりますし、本人はもちろん行政処分としては懲戒免職になっております。そのほか関係監督官の行政処分をこの表の通りになされておるのでございますが、さらに会計検査院の検定を受けまして、支出官として二代にわたる刑務所長二名に対しまして、それぞれ一人は三十四万余円、一人は十一万余円の弁償を命ぜられております。補助者時岡某に対しましても十一万余円の弁償責任があると検定されておるのでございます。
 なお国損の回収措置につきましては、本年の六月十五日、宮崎簡易裁判所におきまして、損害金の分割弁済とその履行を担保するための所有不動産に対する抵当権設定の和解が成立したわけでございます。
 以上をもちまして一応説明を終ります。
#11
○坂本委員長代理 それでは質疑に入りたいと思います。――吉田委員。
#12
○吉田(賢)委員 大臣にはやむを得ぬ御所用があるらしいので、事務当局に質疑するとともに、大臣への質問を並行して行いたいと思います。
 第一点は、刑務所における受刑者の健康管理の角度から質問したいのであります。今の京都刑務所のさく井を完了した井戸が飲料に適しないまま放置せられてあるという実情にもかんがみまして、これは全国の刑務所の健康管理の問題としても重視すべき案件と思いますので、このような角度からなお事実の関係について明らかにしたい二、三があるのであります。そこで経理部長もしくは矯正局長から、まず事実関係を簡潔に御答弁願いたいのであります。
 検査院が批難いたしました京都刑務所においての昭和二十九年七月の指名競争入札で、株式会社中島工業所にさく井及び揚水工事を請け負わせ、十一月に完成したというこの井戸の問題でありますが、伺いたい点は、これはすでに工事は完成しておるかどうか、それから今なお飲料不適格用水として使用しておらぬのではないか、この二点であります。
#13
○竹内説明員 お答え申し上げます。工事は完成いたしております。ただ先ほど申しましたように、水質が鉄分を含んでおりますために、これを除去する装置をいたしませんと使用に適さないわけで、その点におきましては使用はいたしておらない、こういう状況でございます。
#14
○吉田(賢)委員 鉄分を含んでおる以外に大腸菌などの雑菌が入っておるということも伝わっております。それはいかがです。
#15
○竹内説明員 当初大腸菌等の検出があったわけでございますが、揚水を継続いたしておりますうちに、大腸菌等の雑菌はすべて除去されておりまして、水質試験の結果陰性に鑑定されております。
#16
○吉田(賢)委員 本年九月二十三日付、法務省矯正局の出した資料によれば、飲料に適しない刑務所並びに少年院の自家用水、つまり井戸が、全国で十七カ所ありということになっております。刑務所におきまして七カ所、少年院において十カ所、いずれも飲料に適しないということになっております。なおこれには大阪の刑務所が含まれておらぬ。これは大阪の刑務所は水道布設中、こういう前文がついてこれが除去されておるのであります。今なおこの十七カ所は飲料に適しない井戸を持ったまま人間を収容しておるのであるかどうか。これはいかがです。
#17
○渡辺説明員 ただいま刑務所の方につきまして自家給水の中で七カ所不適となっておりますが、この中ですでに濾過装置をしておるものもあるわけでございます。ことに京都の方は、今濾過装置の計画中でございます。今年度百二十万の予算を入れております。それから京都の方には上水道が入っておりますので、飲料の方はそれを使用しておるのでございます。少年院の方に十カ所ございます。しかしこれもお手元に配っておりまするごとく、それぞれ手当をいたしておるのでございます。今問題になっておりますのは、刑務所の方で札幌の刑務所、少年院の方で北海少年院――これはいずれも北海道にある刑務所と少年院でございますが、この点飲料不適という決定にはなっておるのでございます。しかしながらこれは北海道における特異の状況にございましてこれは北海道大学の書面にも出ておりますが、内地の方の標準によりましてこれを検定いたしますと、飲料適ということになっておるのだそうでございます。さような関係で、特に札幌の刑務所、並びに北海少年院は向うの検査では不適ということになっておりますが、書物を見ますと、これは内地の観点からいたしますと、飲用しても差しつかえないということに相なっておるようでございます。しかしながら、これにつきましても浄化の計画を立てて措置をいたすべく目下調査中でございます。
#18
○吉田(賢)委員 大阪の刑務所を私ども別の機会に、本年の八月、視察いたしました際にわかったのでありますが、多数の集団赤痢が出ております。これは真性赤痢が四十六名にも及び、あるいは隔離されました最大の数は六百三十二人に及び、疑似赤痢に至りましては百四十二名、保菌者が三百四十五人、この事実は間違いないのでございますか。本年十月三十一日現在集計。
#19
○渡辺説明員 まことに申しわけない事態を招来いたしましたが、ただいま御指摘のごとく赤痢患者を出したのでございます。幸い今日におきましては終息いたしまして、昨日とりました結果によりますと赤痢患者は一名もございません。全く終息をいたした次第でございます。
#20
○吉田(賢)委員 大臣に伺いたいのですが、根本的に文明的な人間の扱い方は、刑務所におきましても刑務所外におきましても同じ性質のものでなければならぬと考えております。かりにも強制されて収容されておりまする刑務所が全国で七カ所、しかもそれは八日市場の支所、京都刑務所、加古川支所、大曲支所、横手支所、札幌支所、旭川支所というように、相当重要なものがこの飲料不適の十七カ所のうちには指摘されております。あるいは少年院におきましても、静岡の少年院、浪速少年院、交野女子学院、河内少年院、和泉少年院、鈴蘭台学園、北海少年院、松山少年院、愛知少年院外一カ所、こういうようないたいけな少年まで収容しておりますものが、飲料不適の用水をもって飲料に充てるというようなことがありましては、これはとんでもないことであろうと思います。漸次手当はされるような御方針らしいのですけれども、たとえば京都に一例をとってみてもそうです。すでに完成して二年になる。これは昭和二十九年の七月から二十九年の十一月に一応完成しておるのです。そうしますと三十年、三十一年と満二年以上になる。それなのにこれはまだ使えない。どういうわけなんだろう。これはやはりほんとうに心してお考え願わないといかぬと思う。それならばこれに対する予算でも三十一年に要求されているかというと要求していない。三十二年になりまして今おつしやった百二十万円を要求になっておるようでありますけれども、これは三十一年度の要求でありまするが、まだそれとても手当は完了しておらぬ、こういう実情にあります。あなたの方が法務省の名義で、たとえば官報の付録の矯正医学というようにいろいろと報告になっておるものを見ましても、非常に健康のことは重大にお考えになっておるようでありますけれども、しかし肝心な飲料水において全く不備な状態が放置してあるのではないだろうか、なぜもっと積極的な対策が講ぜられないのだろうか、こういうすきがやはり大阪の刑務所の集団赤痢の発生になったのではないだろうか。大阪の集団赤痢の発生についても、実のところ私ども行っても全然わからなんだのでありますけれども、いろいろな方面からあるというふうに聞きまして驚いて質問したところが、実はある。ところがさほど大きいのじゃないのだといってひた隠しに隠しておられるような状態であったのです。こういうようなことでは、表門を入って通路、庭を見るならば実に整頓した清潔な感じのする刑務所でありますけれども、肝心なそういう健康管理の面については、科学的な合理的な操作設備が十分にされておらぬということを暴露しておるのではなかろうかと思うのであります。これはやはりほんとうに真剣にお考えにならないといくまいと思うのであります。刑務所は大切な人間をお預りになっておるのでありますから、もしいいかげんに外と区別して扱うということであれば、人権の問題も起ろうし、またそういうことは本来の趣旨でないことは申し上げるまでもありません。やはり抜本的な対策を講じなければいかぬと思うのです。なぜか知らぬが京都の刑務所の実例を見ても、こそくな手段をこそこそやっておられる。それでまだ解決しない。こういう感じがする。大阪刑務所の問題もほんとうはまだ解決しておらぬのです。これは一体どういうものでしょうか。大臣としてこれについての所感も一つお述べ願いたい。会計検査院が指摘された事項については別に異存はない、争いもない、その通りですということであるけれども、こういうように表にちょっと出ましたことは、やはり底に横たわっております重大な健康管理についての大きな欠陥が暴露されておると考えられてなりませんので、一つお考えも聞いておきたいと思います。
#21
○牧野国務大臣 実に申しわけのない次第でございます。これは形式のみをたっとんで、ほんとうに心がこもっていない、その大きな欠陥であります。申しわけありません。私はかような失態が明らかになりました機会において、深くこれを遺憾といたしまして、内部――下まで浸透するようにこの点に関しては十分な措置を講じております。ことに京都の問題のごときは、相当学問的にこの方面の発達したるときにかような事態が数カ所に及んでいるということも申しわけのない次第でございます。ただし、京都の善後措置につきましては、すでに予算を要求しましてその施設の方面で百二十万円余りの金で手当をいたしております。今後ともこの機会に遺憾なきを努めたいと存じます。御了承願います。
#22
○吉田(賢)委員 ところが、百二十万要求して手当をしようとしたら、折柄物価高騰のため資材特に鉄材が非常に高くなっておるので、実のところ百二十万円でできないという話も伝わっておるのだが、この点はどうですか。
#23
○竹内説明員 私からかわってお答え申し上げます。お説のように百二十万円の予算は気曝法によって浄化するというのでございまして、当初そういう計画に基きまして計画通りの予算を配賦いたしたのでございますが、気曝法によりますると、何か計算の違いがあったのか知りませんが、百九十万円もかかるのだということで、今日まで遷延しているということでございましたので、浄化方法には、何も気曝法オンリーじゃないわけで、その他いろいろの方法があるやに聞いておりますので、ただいま私の方といたしましても、他の方法でやり得る方法があるのじゃないかということで研究させております。近く結論を得られると思いますので、今後はそう長いことにはならないと考えております。
#24
○吉田(賢)委員 今ごろまだ研究するということは、間が抜けた話なんです。もう二年以上たっている。百二十万円という予算ならば、大蔵省との間にもこまかい具体的方法の折衝があってしかるべきなんです。それがさらに百九十万円ないとできない、まあ私どものところに入っているものによれば、百七十万ないし百八十万、こういういろいろな差があるわけでありますが、いずれにしても、そんなものを今ごろ研究するなんということはもうあろうはずがない。昼夜兼行でこういう問題は解決しなければだめですよ。そんな態度でおられるから……。私はここで言うから、全国で十七カ所の刑務所の人はそれは知らぬでしょう。けれども、たとえば札幌刑務所そのほか七カ所の刑務所におる人及びその家族の人、またその少年院におる人及びその家族の人に不適格な水が飲料水に使われておると知れたら大へんですよ。だから、こんな問題は、お金がなければ適当な具体的な方法を直ちに立てて大蔵省と折衝なさればいいのですよ。大阪は五百万円の請求とかなんとかいう話があるが、適当かどうか存じませんけれども、いずれにしてもこんなものぐらい解決することは当然のことで、しなくちゃならぬと思いますので、今研究中で近く結論を見るというような中途半端なことでなしに、この次の近い機会に当委員会においてこういうふうにしたという結果を、そして喜ぶべき報告であるというふうになさいませよ。外であるならばこれは大へんだと私は思うのです。刑務所だから、そんな文句を言うたらまた何とかいって処罰をされるから黙っておるんだろうと私は思うのです。あるいはそれがなくても事足れりというようなことは、それはないはずです。事足りるなら掘る必要もなかった、足らなかった。ことに大阪の刑務所の集団赤痢が発生した原因を見ますと、報告書によっても水が足りない、四千名内外を収容して、五千石の水が要る、給水能力はそれにかかわらずわずかに二十三個の井戸から約千石、それから上水道が七百石合計千七百石しか水がない。辛うじてこれが四千人の人間に給水しておる。それで収容者は入浴、手洗い、器物の洗浄などにきわめて不自由を感じておった。そこへばい菌を持っておる保菌者が入ってきた、こういうことになるのでありますから、こういう事態が大阪において発生したのでありまするから、こういうときこそ全国的な問題を解決するには絶好な私はチャンスだと思う。だから、どこに責任があるか知りませんけれども、責任の所在を回避する、隠蔽するというふうなこそくなお考え方が動機になっておりましたら大へんであります。こういうことをきつかけに全国的に解決をしなければいけません。幸いに大臣は明言されました。大臣が明言された以上、必ず実現するものと思います。おそらく三十二年度の予算におきましても、これは来年になっちゃうからおそうなっちまいますが、さらにこういうことの完全になるようないろいろな予算も組まれておることと思いますが、この点は一つまた別の機会に聞くことにしましょう。
 そこでなお聞いておかなければならぬことは、一体あなたの方では――あなたの方といっても、これは法制局の方かもわかりませんが、一体水質とかそういう問題について聞けば、ほとんど専門家がおらぬというんですね、ほんとうですか。それは水質を検査する機関とかあるいは環境衛生とか、こういうような科学的な判断、技術を要する問題と取り組むためには、あるいは医者も必要であろう。けれどもやはり別の科学的な角度から実験をするような技術者もおらなければならぬ。たとえばこの官報の付録の報告によりますと、矯正医学としていろいろと設備は十分にある。医学博士の学位を持っておる者は現職で三十六名ある。こういうような医学博士が――私は医者でないからこんなことを言うことは失礼かもしれませんけれども、医学博士ということで実質的資格を持っておるというような、そういう考え方はもう古いのです。たとえば私は静かに考えたり人に聞いてみたりして、刑務所なんかには一体栄養士なんかおるんだろうかどうだろうか、カロリーのこともいろいろと報告されておるけれども、ほんとうに栄養士がおって、栄養学的に日々いろいろと操作するというふうに、食事なんかも検討されておるのだろうかどうだろうか、こういうふうに考えたのでありますが、どうもこういう点についても十分な報告が入手されない。そこで具体的に聞きまするが、全国のこの水の問題は重大であります。水質専門の技師が何人おるのかどうか、栄養士の適格者が一体全国の刑務所、少年院あるいは少年鑑別所、そういうふうに大切な人間を扱っておるところに、食物を官給しておるところに、一体何人配置されておるのか、それを具体的に答弁してもらいたい。数字だけ言って下さい。くだくだした説明は要りません。
#25
○渡辺説明員 水質検査は、施設の方には設備がございませんので、衛生試験所の方に依頼をいたしまして検査をいたしておるのが現状でございます。それから栄養士は現在約十名おります。なおこういう面の拡充はさらにいたしたいと存じております。
#26
○吉田(賢)委員 総数は全国で刑務所は六十四カ所、拘置所が七カ所、少年刑務所が九カ所、医療刑務所が二カ所、こういうふうな数字ではないかと思いますが、そこで十名とか十数名とかいう栄養士では、これは一体栄養のことをほんとうに考えておられるのかどうか私は疑問だと思う。この間私はサンフランシスコで加州の州立の刑務所を見たのですが、ここなんかにも四千人ばかり囚人がおりました。百二、三十人の病人がおりましたが、その病人に対して医者が七人交代しております。百二、三十人に対して医者が七人、ほんとうに人間の健康管理をやっているということの事実を見せられたような感じがいたします。ほんとうに健康のことを管理なさるつもりであるならば、私は各刑務所にそういう栄養士は必要だと思います。栄養士も必要だし、水問題がやかましくなっておるならば、そういう衛生試験所だけではなしに――衛生試験所はあるところもあり、ないところもあるのであります。中央の国立衛生試験所であるならばなおさら不便であります。ということになれば、抜本的にこういうことに対する考え方を改めてもらわなければなりません。これはやはりさっきの大臣の御答弁に集約いたしまして実現せられて、そうしてこれらの批難事項が根絶せられることを私は希望してやみません。一つ次の何かの機会にあなた方から事務的にかくかくしている、かくかくの方針にきめたということを御報告していただきたいと思います。そういうことができますか。それとも依然として大蔵省がやかましくて予算がとれぬのでとか、定員法もむずかしいのでということでこの問題を漫然としていかれるのでございましょうか、どうなんです。ほんとうに大切な人間をあなた方は預かっているのです。従ってこれに対して私は一種の施設を充実してもらわなければならぬと思いますがどうですか。
#27
○牧野国務大臣 吉田さん、ほんとうにいいことを指摘して下すった。その通りでございます。日本は矯正、すなわち刑務所方面に関して国家がまことに冷淡。従って文化的な方面というものは実に至らぬことばかりだ。今渡辺局長になりましてから、この方面には一大革新をしなければならないと注意をいたしまして、第一に監獄法から変えていく。それから人命を預かっている、人権を尊重するという観念で、あらゆる施設を充実しなければならないということで、ようやくその核心的なところへ入りかかったときであります。あなたのような方がいて、かようなところへ深い注意を向けて下すって欠陥を一つ一つ指摘して下さることは、大へん感謝にたえません。必ずこの点は深く心に置きまして、次年度の予算においてさらに遺憾のない方面に進歩せしめたいと思いますから、この上の御協力を請います。
#28
○吉田(賢)委員 次に私は検察庁の不正事件について伺いたいのであります。日本の三権分立の建前からするならば、司法権の一角にあるところの重要な官庁であり、信頼と公正、適正を失いましたならば土台がなくなってしまうような重要な官庁である裁判所もしくは検察庁に、年々不正事件が起るということは遺憾にたえません。きょうは裁判所関係はやりませんで、検察庁をやりたいと思う。前年においても宮崎の検察庁において、宮崎の区検でありましたか、罰金等が横領せられている。ほかの検察庁から金を持ってきて穴埋めをしている。検察庁というものがそんな法律をくぐって、めちゃくちゃなことをやっておるということで、われわれ見る者をしてあぜんたらしめたのであります。その結末がどんなふうになっておりますか、いまだ報告を受けておりません。しかしきょうは時間の関係もあるし、その報告を受けようとは思いませんが、長崎を中心にして伺いたいのであります。この事件は昭和二十七年から三十年の四月に至りますまで三カ年以上にわたって、地検の出納官吏、検察事務官が罰金等を横領しておったという案件であります。これは大へんなことであります。そこで私はやはりこういうことがございましたならば、実のところ最高検の事務当局は内部監査を一体どうしておられるのだろうか、最高検は高検を、高検は地検を、地検は区検をそれぞれ内部監査しておられるはずであるから、そういう角度からいろいろ伺ってみたかったのでありますけれども、法務省全責任をもってお答えするとおつしやったので、その点私は差し控えたのであります。
 そこで伺いますことは、年々検察庁の不正事件は繰り返しておるのでありますが、これで跡を断ったのかどうか。われわれが調査したところによりますると、さらに三十年度――これは二十九年度の検査院報告でありますが、翌年に及びまして、さらに多数に検察庁の不正事件があったはずであります。現に起訴されておるものもあるはずであります。その概要を――これは時間もありませんので、大体の金額、検察庁の名前、その他ごく簡単でよろしゅうございますから、数字を御説明願いたい。
#29
○竹内説明員 検察庁の不正事項につきましては、吉田委員の御指摘の通り、私どもは全力をあげてこれが是正、根絶に努力いたしております。昨年もこの委員会におきまして、吉田委員から宮崎の事件について、るる御質疑がありました。それ以後私どもがとって参りました処置は、またあらためて申し上げますが、その努力にもかかわりませず、意外にもと申し上げたいわけでございますが、私どもがやればやるほど事件がふえてくるような感じがいたします。そうしますと私どものとっております処置にいささか疑惑、疑問を感ずるのでございますけれども……。
#30
○吉田(賢)委員 ちょっと御発言中失礼ですけれども、大臣が羽田にエチオピアの皇帝を迎えにいらつしやる時間が迫っておりますので、あなたにもう少し突っ込んだことを伺いますから、それはあるものという前提で大臣の御所見だけを伺っておきたいと思います。さようにお願いしたい。委員長よろしゅうございますか。
#31
○坂本委員長代理 よろしゅうございます。
#32
○吉田(賢)委員 それでは大臣がお急ぎでありますので伺っておきますが、検察庁の不正事件、裁判所の不正事件につきましては、やはり何としてもほんとうに抜本的な対策を講じてもらわなければ承知できないのであります。一つも起らぬようにしていただきませんと、浜の真砂というような印象を与えると大へんでございます。そこで内部監査も強化されておると聞いております。あるいはいろいろと書類のフォームができ、会計事務の取扱いの規定も拝見いたしました。そういうものもできてはいるのでありますが、これはまことに困ったものであります。年々検察庁の罰金が遊興費に使われるというようなばかげたことは、国民としてもどうにも納得できないのであります。これはどうも出る地方がよく似ておりまするので、こういったことも何かの原因ではないかと思います。これは大臣が詳しく御承知でなければ残念ですけれども、この傾向はまことに憂慮すべきものであると思いますが、私は絶対的にこれはなくしてしまわなければいかぬと思いますが、これについてあなたの御覚悟と御方針をぜひ伺っておきたいと思うのです。
#33
○牧野国務大臣 仰せの通りに私も非常に驚いたのですが、よく調査をして様子を見ますると、戦後の時世ですね。ことに若い連中が悪い世相に感染いたしまして、刑務所であろうが、検察庁であろうが、裁判所であろうが、もう実に寒心にたえないのが日本の現状でございます。それがやはり法務省といえども、その線からのがれることはできない。どうしたらいいかという点は、これは特に部内には関心を深くしなければなりません。この点においては経理部長が今年の二月の国会でそ、の御意見が出た際以来、非常に苦労をいたしております。従って裁判所関係でも、法務省関係でも、所員を一人や二人置いて取り扱い、金を受け取る者も、帳簿を記載する者も、窓口の取扱いをする者も一人ということになりますると、どうしてもこの時世には誘惑に焔ってしまうのであります。何ともおわびの言葉、弁解の言葉がございませんが、これを引き締める、そうしてそういうことが全然どの方面からもできないようにということについて経理部長から御説明すると思いますが、これは形の上ばかりではございません。精神的にしっかり築き上げさせることに一段の注意を加えたいと思います。どうかお許しを請います。
#34
○吉田(賢)委員 検察庁の問題について伺いますが、長崎の件などにつきましては、今大臣も一人が窓口一本でいろいろな事務をやっておったというふうに御説明がありましたが、究極するところ最大の原因は何だというように御判定になっているのですか。
#35
○竹内説明員 長崎の事件に関しましては、結局支部、区検というような役所におきましては、相互牽制で、事務を運用するためには幾つかの係に分けざるを得ないのであります。また事実分けているのでございますけれども、人手が不足のために一人で幾役かを兼ねなければならぬという点に原因があったように考えます。
#36
○吉田(賢)委員 そこで累次の不正事件の概要を先ほどの続きで御説明願いたいと思います。
#37
○竹内説明員 三十年度におきまする検察庁関係の不正事件は、ただいま私の手元で判明いたしておりまするのは、十四件、金額にいたしまして三千五百六十万余りになっております。この十四件がどうして発覚したかということを申し上げますと、内部監査の結果発覚しましたのが八件でございまして、その金額は三千二百余万円、職員の人事交流によりまして発覚いたしましたものが三件二百五十四万余り、それから事務を整理するということで発覚いたしましたのが二件二十一万余り、その他、他の事務に関連して発覚いたしましたものが一件十五万九千、かようになっておるのでございます。
#38
○吉田(賢)委員 どこで幾らということをちょっとおっしゃってもらいたい。
#39
○竹内説明員 金額の大きいものにつきましては、いずれ検査院から御指摘を受けることになろうかと思いますが……。
#40
○吉田(賢)委員 小さいのはよろしいです。
#41
○竹内説明員 大きいのを申し上げますと、岡山地検の倉敷支部区検におきまして二百万、これは犯人は公判請求をいたしております。それから大阪区検におきまして徴収係が徴収金を横領したというのが百八十五万。それから青森地検におきまして出納官吏が換価代金を横領いたしましたのが二百十七万。それから神戸地検におきまして証拠品係が領置物を横領したという案件が二千六百万円。京都地検におきまして用度課長が保管金を横領いたしました案件百八十二万、その他はいずれも小さい案件でございます。
#42
○吉田(賢)委員 これはいずれも加害者といいますか、被疑者は起訴したのですか。
#43
○竹内説明員 いずれも起訴いたしましたが、青森地検の分は、事務監査中に突如として犯人が自殺をいたしました。
#44
○吉田(賢)委員 自殺されたという事実もまことにこれは人間として気の毒な、不幸な次第でありますが、総計十四件三千五百六十万円に上るということになりますと、これもまたまことに驚くべき、悲しむべきことであります。そこでどうぞ今後こういうことはなくならんことを欲してやまぬのでありますが、今の情勢では数字が拡大の上昇線をたどっておるようでありますので、戦後混乱期にいろんな犯罪が多くて、その後減ってきたということとは逆な傾向をたどっておるのではないかと思われます。あるいは徹底的な監査の結果出て従ってこれでまあアク抜けするということになったならばこれは幸いなことでありますけれども、一体これがこういうように激増しておるというのはどういうことなんでしょうか。やはりこれは掘れば掘るほど、探れば探るほど何ぼでも、出るのではなかろうかというふうにも考えられるのでありますが、これは想像やら推測だけで済まされる問題ではございません。全体を通じましてやはり長崎と同じように遊興費に使ったり何かするような者も相当あったのでしょうか、その点いかがなんですか。
#45
○竹内説明員 横領金の費消の状況を見ますると、いずれも御質問の通り遊興費に使った面も多いのでございまして、中には生活費に使った者もございます。
 それに関連して御質問にお答え申し上げなければならないわけでございますが、私も先ほど言いかけましたように、意外なる結果につきまして、私どものやっておることに疑問を感ぜざるを得ないのでございますが、しかしながら私はこの結果といたしまして、かすに二、三年をもっていたしますならば、必ずこの効果は現われてくるものと存じておるのでございます。その理由を申し上げますと、私どもはこういうことをいたしました。最近、昨年の年度末の二月、三月にかけまして、ほとんど所管の全庁に対しまして検査を行なったのでございますが、そのほか本省の担当係が単独でやったものもありますし、あるいはこの前お約束申し上げましたように最高検察庁の事務監査と協同いたしまして監査を行うというようなやり方をいたしまして、会計の不当を摘発したばかりでなく、事務の不整理、管理のまずい点なども明らかにいたしましてこれが是正をはかったのでございます。それからまた、同じ時期でございますが、全国一斉に不正事故防止の会議を行わせまして、予算を極力工夫して各庁に次長監査を特に強化するように勧めたのでございます。
 それからこれもこの前の委員会でお約束申し上げましたことでございますが、これらの事故は終戦以後約三百件に上っておりますが、この三百件の事故につきまして、その原因となった事情、それにとった処置等を研究いたしますために検事研究をいたしまして、そしてこの関係におきまして全国の監督官に準じます次席検事と三回にわたって研究会をいたしまして、参加人員は四十九名でございますが、そのほか庶務課長という、これも監督官級の事務官でございますが、これを五十七人、そのほか高検に出張りまして、八日間にわたりまして四十七名の会同をいたしまして、それぞれ不正防止対策につきまして論議をいたしたのでございます。これらの成果もまとまったものになっております。これらはいずれも厳重な内部監査ということが期せずして一致した議論になっておるのでございますが、それだけではどうしても足りないのでありまして、締める方と同時に、私どもの感じましたところによりますと、会計職員に対しましてはまず素質の向上をはかるということが、まことに迂遠なようでございますけれども、どうしてもこれはやらなければならない点でございます。入管の関係の会計職員を二回にわたりまして五十一名、検察庁関係におきましては二回にわたりまして百五十九名、その他の部局もありますが、合計六回にわたって三百二十二名の会計講習会を、私初め関係の課長が全部出ましていたしまして、基礎的な知識を与えることに努力をいたしたのでございます。こういうような努力を払って参りますと、結局私どもの感じておりますことは、ただいまの組織規程も逐次整備されまして、規定の上におきましては相互牽制の組織はほぼ確立しておるのでございます。従いまして監督者が監査を行うのも、適宜これを実施し得る仕組みになっておるように感ずるのでございます。ところが不正を根絶することができないのはどういうわけであるかということになるのでございまして、この点につきまして、私は大体四つの点を指摘し得るかと思います。その第一の点は、監督者の会計事務に対する認識と理解と熱意がどうも欠けている。勢い、これらの事務を部下まかせといたします。監査、監督も形式的になる、あるいは問題の焦点をつかんでいないということがうかがわれるのでございます。第二といたしましては、せっかく作りました事務規程が厳守されないで、ルーズな事務処理が行われますために、相互牽制の組織の効果が無視せられ、ここに不正の発生する機会が存するのではないかというふうに考えられるのでございます。第三点としましては、先ほども申し上げましたように、支部、区検等におきましては職員の配置が少うございまして、一人が数個の係を兼ねおりますので、相互牽制という効果が上っていないという点でございます。それから、検査事務の特殊な事情だと思いますが、会計事務に関連する兼務事務というものの運営につきまして、検察官と検察事務官の関係を中心に規程ができておりますけれども、検察事務官の側の、中間監督機関である係長とか課長というようなものがこれに関与してないような規程が多々あるのでございましてこの点が責任が明確になってないというようなことで、この監督者たちが、勢い関係書類にめくら判を押しているような結果がうかがわれるのでございます。こういうふうに原因を要約し得るのでございましてこれに対する対策を私どもとしては立てておるのでございます。
 ついでに申し上げますと、とにかく不正不当の問題についてまとめました私どもの結論を全部の検察官に周知徹底させまして、まず検察官がこの事務の重要性を認識して、不断の熱意と関心を持って監督するというふうにしなければならぬと思うのでございますが、過去の事例から見まして、部下の職員が不正を行う機会がないように人事管理を適正にする必要がある。それから相互牽制の体制をとり得ないような小さい区検のようなものはできるだけ整理統合を行なっていくということ、それから内部だけで監査しないで外部に対しましても調査その他の処置をとることが必要であるというふうな、こまかい点はるるございますが、考え方をいたしておるのでございます。
#46
○吉田(賢)委員 そこで罰金に限定して伺いますが、罰金を徴収する徴収官は一体だれなのですか。会計法上の罰金を徴収する責任官を伺います。
#47
○竹内説明員 会計法上の責任者は、地検におきましては検事正、高検におきましては検事長、最高検におきましては検事総長、会計管理者でございます。
#48
○吉田(賢)委員 大体今あがっておる事件は地検、区検などでありますが、徴収官が国家に納入すべき罰金などを適切な時、及び額において納入ができなかったという結果を来たしておるのかどうか、収納してから後に保管中起った案件ということになるのか、それは一体どういうふうに法律上の判断をしておられるのか。この点は対策を講じるにしても、たとえば検事の会同、事務官の講習などもけっこうでありますが、日本の法治国の建前からいたしまして、一体事実の関係は法律的にどうなるかということ、従ってその責任者はだれなのかということ、一体どこで被害が発生したかということなどもきめていかなければなかなか今後の対策を講じるといったところで抜本的には私はむずかしいと思うのであります。
 そこで問題をつづめて聞くのですが、一体それは成規の納入があって後に発生したということになるのか、それとも納入をするまでに、会計法上の納入ができるまでに発生したことになるのだろうか、その点はたくさんな案件がありますから、別々にそれぞれの事情になっておるのかもわかりませんけれども、徴収をしたり徴収事務をとったり収納事務をとったりするようなものを一人で何もかも兼ねるような区検のような場合、人手も足らないというお説もありましたが、そういう場合どの段階で発生したというふうにこれは理解すべきものですか。
#49
○竹内説明員 これは非常にいろいろなケースがございまして、どの段階で発生したかというと、いずれの段階でも発生した事例を持っております。わかりやすく申しますならば、罰金を受け取る者が、もしこれが収納官吏でございませんと、罰金を納付したという、罰金の現金と書類を添えまして会計官吏の方へ渡すわけであります。会計官吏はそれを成規に会計官吏として収納の手続をとりますと、役所としては罰金を受け取ったということに会計法上はなるわけであります。そういう二人の人の手を経るものを、小さいところは一人の者が両方を兼ねているという点から起ることもありますし、二人の場合に前の段階で起る場合と、あとの段階で収納したかのごとく見せかけて、その実は収納してないというようなこともございます。
#50
○吉田(賢)委員 そこでたとえば地検においては検事正にそういう場合責任があるのかないのか。区検においては行政官、事務官を監督する検事に責任があるのかないのか。そういうことはどうなりますか。
#51
○竹内説明員 会計事務におきましては、補助者をしてやらせるのを原則としております関係上、いずれも補助者が指名されておりますが、この終局の責任者は先ほど申しました検事正、検事長、検事総長ということになるのであります。
#52
○吉田(賢)委員 これはやはり厳正な態度をもって臨まなければ根絶を期することはできないと思います。やはりこれは甘くお考えになっておりましたならば、なかなか人手が足らないとか、疲れが出ておるとか、いろいろの要素があるとか、外部の誘惑もあるとか、いろいろありましょうから、その中で日本全国で無数といわんばかりにたくさんに扱う箇所があるのでありますから、これを根絶の機会だなんて甘く考えるべきではないと思います。やはり厳重にただすべき道はただしていかなければならぬと思いますが、いろいろ対策の話も出ておりますので、なおしばらくあなたのおっしゃるごとく――に地時をかしてほしいというお話もありましたから、努力の跡を見ることにしたいと思います。
#53
○坂本委員長代理 ほかに御質問はありませんか。――それでは次に移ることにします。
    ―――――――――――――
#54
○坂本委員長代理 この際小委員会設置の件につきましてお諮りいたします。
 国有財産に関する調査のために、国有財産に関する小委員会を、日本国有鉄道の経理調査のために、日本国有鉄道の経理に関する小委員会を、また各省、公社(国鉄を除く)並びに公団の需品調達状況調査のために、需品調達に関する小委員会を設置し、以上三つの小委員会につきましては、小委員の数は、それぞれ八名とし、小委員及び小委員長は、委員長において指名することといたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○坂本委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。
 それでは国有財産に関する小委員に
      生田 宏一君   大久保留次郎君
      松岡 松平君    山本 正一君
      山本 猛夫君    坂本 泰良君
      吉川 兼光君    片島  港君
小委員長には、山本猛夫君を、
 次に日本国有鉄道の経理に関する小委員に
      赤澤 正道君    關谷 勝利君
      田中 彰治君    床次 徳二君
      本名  武君    細田 綱吉君
      坂本 泰良君    山田 長司君
小委員長は、田中彰治君を、
 また需品調達に関する小委員に
      臼井 唯一君   小笠原八十美君
      櫻内 義雄君    田中伊三次君
      林   博君    神近 市子君
      吉川 兼光君    吉田 賢一君
小委員百長には、吉田賢一君をそれぞれ指名いたします。
 なお、この際お諮りいたして、おきますが、委員の辞任等によりまして、小委員及び小委員長に欠員が生じました際の小委員及び小委員長の補欠選任につきましては、適宜委員長において御指名することに御一任願っておきたいと存じますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○坂本委員長代理 御異議なしと認め、さよう取り計うことといたします。
    ―――――――――――――
#57
○坂本委員長代理 それでは総理府及び大蔵省所管について審査をいたします。
 昭和二十九年度決算検査報告六七ページより六九ページに至る報告番号三二を議題とし、まず説明を求めます。会計検査院大沢第一局長。
#58
○大沢会計検査院説明員 六七ページの三二号について御説明申します。
 二十九年度の地方交付税は、総額千二百五十六億円交付されたわけでありますが、このうち普通交付税交付金として交付された額が一億一千四百四十六万余円、そのうち都道府県に交付された額はここに書いてあります七百八十三億六千三百余万円であります。これの交付は、御承知の通り人口数とか警察職員数とか児童数とか、あるいは道路面積、河川延長その他事業所の施設の数その他いろいろの基礎資料によりまして一定の数値をかけて全体の都道府県の基本財政収入額及び基本財政需要額というものを算出しまして、その不足額を按分しまして本件普通交付税交付金を交付することになっているのであります。二十九年度の分につきまして、会計検査院で各都道府県に参りまして、その基礎になったいろいろな資料、そうしたものと計算の結果というものを総合してみますると、基礎資料が不備であったり、あるいは基礎資料は確かでも、それをかける計算を誤まったり、その他いろいろな錯誤がありまして、それを修正してみますると、ここに書いてありますように、会計検査院で見ました三十四道府県におきまして、基本財政不足額を過大に見積ったと認められるものが全体で一億一千八百万円、過小に計算されたと認められるのが四千六百万円というような数字が出て参りました。この交付税交付金は、御承知の通り所得税、法人税及び酒税の一定額を都道府県その他地方公共団体に交付するのでありますから、この誤差がありましても国から交付する絶対額というものは変らないので、別にこの誤差のために国が損失を受けるという性質のものではありませんが、各地方公共団体それぞれの間の均衡を失しているという点におきまして経理が妥当でないのではなかろうかと考えまして、検査報告に掲げておる次第でございます。
 なお六九ページのなお書きに書いてありますのは、揮発油税譲与金、これは都道府県と五大都市に道路面積等に応じて譲与するものでありますが、これの内容を見ますと、この道路面積が、基礎台帳が不備であったり、その他のために計算を誤まっておったというものもありまして、それもやはり過大に計算したもの、過小に計算したものが、ここに書いてありますように相当な面積の違いがあったわけであります。そのうちのおもなものが東京都と大阪府の分でありまして、東京都におきましては百二十八万円というものが譲与金として過大に交付されておる。また大阪府の分は、一億七千七百余万円というものが過大に交付されておるという計算になりましたので、これを会計検査院におきまして注意いたしましてそれぞれ是正いたしまして、この分は東京都及び大阪府から返還させて、他の府県の方に配分した、こういうことになっております。
#59
○坂本委員長代理 次に自治庁当局より補足説明を求めます。自治庁長官官房会計審査官石渡猪太郎君。
#60
○石渡説明員 ただいま検査院から御説明のありました昭和二十九年度交付税交付金及び揮発油税譲与金交付額についての会計検査院の検査の結果、錯誤分につきましては、ただいま御指摘の通りでございまして、この分につきましては、自治庁といたしましてははなはだ遺憾に存じておる次第でございます。錯誤につきましては、地方交付税法の第十九条第一項の規定によりまして、昭和三十年度の普通交付税の決定の際に是正の措置をとったのでございますが、普通交付税の決定が八月末でございますので、その決定に間に合いませんものにつきましては、昭和三十一年度の普通交付税の決定の際に是正することにいたしておる次第でございます。また揮発油税譲与金の錯誤につきましては、地方道路税法第五条及びその附則第三項の規定によりまして昭和三十一年度に譲与すべき地方道路税譲与金におきまして是正の措置をとった次第でございます。これらの錯誤を生じました原因につきましては、補正係数の適用を誤まりましたり、算定方法の誤解に基くものがありましたり、それから算定に用いますところ台帳の整備が十分でなかったために起つたものがありましたり、単純なる係数の違い等が考えられるのでございますが、自治庁といたしましては、これらの錯誤の起りませんように算定の技術的な点について明確化をはかりますとともに、算定資料の作成につきましても、事前に各都道府県の主管課長の会議を行いますとか、事務担当者の説明会を開催いたしまして理解を得るように努めて参ったのでございます。また資料を編集いたしますに当りまして、特に厳重な検討を加えまして誤まりのないように努めて参った次第でございます。また市町村分につきましては、都道府県におきまして算定の具体的な注意事項を詳細に記載しました市町村の地方交付税算定事務の指導要領というものを作成いたしまして、都道府県の市町村に対する算定指導の作成が便利になるような方途も講じておったような次第でございます。
 なお、このほかに、自治庁といたしましては、極力地方公共団体の算定指導に関して実地調査等もいたしまして、また市町村につきましては、都道府県に対しまして実地調査を行うように指示をいたしておる次第でございます。今後とも、以上申し上げましたような各般の措置を一そう励行いたしまして錯誤を生じないように努力して参りたいと存ずる次第でございます。
#61
○坂本委員長代理 質疑の通告がありますので、これを許します。吉田委員。
#62
○吉田(賢)委員 自治庁の方に伺ってみたいのですが、こういうことはどうなるのですか。たとえば北海道は大きな道でありますから財政も大きいので、二千九百万円といえば大した金額ではございませんが、財源が不足であるとして過大に計上せられておる。そういたしますと、交付金はそれ相当に多く交付されたと思うのでありますが、道の財政計画はやはりこれと見合って、それぞれ事業を計画してたとえば二千九百万円交付金があるものと仮定すれば、二千九百万円を、どの事業を起して何にいつ使うかという計画がそれぞれ策定せられて、道議会の議決を経て事業に着手する、こういうのが道財政の建前のように私は思うのであります。そういたしますると、実はこれはそんなにもらうべき筋じゃないのだ、財源不足があるので過大に間違って計算しておったのだから、それだけ減らさなくちゃならぬのだというようなことになってきますと、事業にそごを来たしはしないかと思う。やはり国が正確な予算を組み、事業を計画して、予算を執行すると同じように、地方の公共団体においてもその点同様であろうと思うのでありますが、こういう間違いが事業に蹉跌を起し支障を生ずるということが想像せられるのでありますが、その点はどういうものでありましょうか。
#63
○石渡説明員 仰せの通り地方の財政が非常に困難をしている際でございますので、非常に額が多くなりますると、過大に算定されておりましたものについては、翌年度にそれだけ減ることになりますので、二十九年度自体はともかくといたしまして、三十年度の交付税が、当然に参るべきものが期待しておった額より少くなるというような関係になりますから、その財政状況に応じまして非常に困難であるという向きに対しましては、その当該年度だけでマイナスの措置をいたしませんので、あるいは場合によりましては二年くらいに分けてマイナスの措置をとるというような方法も講じておるわけであります。
#64
○吉田(賢)委員 そのような私の想像する心配がやはり現実にあるとすれば、これは当該都道府県においてどういうふうに予算の変更をしたか、事業の進行についてどういう措置をとったか。そういうことを十分に監督もしくは報告をせられ、実地調査をするということはおやりになるのですか。
#65
○石渡説明員 昭和二十九年度の問題といたしまして、昭和三十年度の交付税を決定する際に、そのような今御心配のような状態が事実問題としては起らなかったものですから、昭和三十年度の算定の際にプラス、マイナスをしてそれで処置は済んでおるのでございます。
#66
○吉田(賢)委員 事実問題として起らなかったということは、起ったか起らなかったか調べなかったということにも通ずるのでございます。やはりこれは厳密に言うならば、たとえば徳島なら徳島が過大計上をしておるのが千六百万円あるわけであります。千六百万円といえば、小さい県であれば相当な事業量になると思うのです。この事業量をあやまちによって、そんなに予算は、歳入は見積らないのにかかわらず、見積ったということであるから、何らかの結果を招来することが条理上当然だと私は思うのです。もし招来しないということであるならば、これはまた不思議なんです。それはどこかであやまちをやっている。言いかえますれば、弾力性を持って、どっちでもいいというような地方財政かもわからぬ、あるいはごまかしもきくというのかもわからない、あるいは何か流用してきて、この二、三年のうちでどうにかしてしまおうというのかもわからない、やはりそこは筋を通してもらわなければ困ると思う。会計検査院が三十四の府県についてこのような事実を指摘したということは、これはたまたま数字を指摘しただけのことであって、これが地方財政と地方行政の上にその後どのような影響を生じておるかということを検討することが自治庁の役職ではないかと私は思う。そうして次の年度においてあの結果がどういうふうになつたかということを十分に報告をされるべき筋じゃないかと思う。また会計検査院に対しても、そういう点についてどういうふうな結果に実のところ、前年もこういうことがあったと思う。前々年もあったと思う。とにかくこの制度ができて以来毎年こんなことを繰り返しておるのではないかと思われるのであって、いかに繁雑な算定手続かということも想像し得るのですが、いずれにいたしましてもこんなことでは済まない。やはりよって来たるところは――その後は地方財政と地方行政の上に何らかの影響がなければならぬ、影響がなないとするならば私はそれはおかしいと思う。地方財政運営自体がもし不正確なものであるならば、それは影響も生じないで、泥田に水をずっとまいたようなもので、まいてもまかなくてもどつちでもいいということになると同じようなふうに考えられたとえられるのですが、検査院におきましては、あなたの方の職域の範囲外かもわかりませんけれども、結果が行政的に、次の財政の上にその過大計上が発見せられて、次にこれを返さなくちゃならぬというような場合、どういう財政的措置を講ずるかということは、これは調査する必要はあるのですか、ないのですか。これはやっているのですか、やっていないのですか。
#67
○大沢会計検査院説明員 ただいまお尋ねの件は、ただいままでは、そうした過大交付の事後処理をどう財政的にやったかということに対しましては調査をしたことはございません。これはやれないとかいう問題ではなく、やればやれないことはないと思うのでありますが、ただわれわれが考えておりますのは、当該年度でこれだけ返還するとしますと、当然そこに財政上の穴ができますから、やり繰りとかなんとか何か減らすことが必要になります。当該年度は渡した分は渡した分として一応処理する、つまり七、八月ころ幾ら交付税がくるということになりますと、その年度の計画を作る。翌年度の分から減らすことになりますから、翌年度の計画においてこれを減らして計画するということになるのではなかろうか。またこれは具体的といいますか、大きな改良事業とか土木事業とかいうものは、それぞれ補助金がつきまして本件普通交付税の範囲内でまた国庫の補助がありますから、大きな計画をやる事業には直接関係はないのではなかろうかと考えております。しかしながら指摘の点がございまして、ただいまの点は検査院としては将来は考究する必要があるのではなかろうかと考えております。
#68
○吉田(賢)委員 私がこういうことを伺うゆえんは、たとえば例を変えて厚生省なら厚生省が、本年度の厚生省として歳入予算が幾らとか歳出予算が幾ら、そしてその詳細な項目を決定して事業の計画をする、そういった場合に受け取るべからざるものを受け取るというようなことにもしなっておったら、何らかそこに具体的な行政上の影響がなければならぬと思う。その影響はなしくずしになくするのか、あるいはそれは度合いの問題であります。いずれにしても財政上の収支の数字が違っておったというときには、行政の上に影響なしということはとても論理的に考えられません。これを自治庁といたしましてはその結果が影響がないというのであるなら、第一に何ゆえに影響がないのかということをはっきりさせなければいかぬと思うのです。指数が小さいので影響がないのか、あるいはそうでない原因があるのかどうか、どうも論理的に見て国の財政の収支において地方財政の収支において、収支の数字が違っておったのを是正する場合に、まだ受け取らない場合なら別ですよ。受け取ってから後に是正したら、私はそこに何らかの結果が発生しなければなるまいと論理的に考えるのであります。だから伺うのであります。あなたの方は何も事件がなかったのだから、心配するような事柄は起っておらないのだからというのだけれども、全部の三十四について起ったか起らないか調べたかどうかということなのであります。これは調べるのが筋じゃないか、調べるのをほっておくというのなら、錯誤を知り得ないというのなら、これは最高二千九百万円だからいいが、いつかのときは、京都ですが四千万円にもなったことがあったと思うのです。三千万円とか五千万円とかいうこことになりましたら少なからざる財政上の数額でありますので、そういう数額に異同を生ずるということが財政的に波紋を描かぬということはちょっと想像されないのであります。でありますから、これはやはり自治庁といたしましても当然何らかその結果影響するところにどういう対策を講じたかということは、あなたの地方財政監督の立場から当然なすべきことと思うのだが、それはどうでございますか。
#69
○石渡説明員 この具体的の問題としまして、昭和二十九年度に錯誤を生じました分につきまして、検査院から私の方に御通知をいただきまするとともに、府県の方にもこういうふうに錯誤があったというふうに通知が出されておりまして私の方から自治庁といたしましては、このような錯誤があって昭和三十年度の決定の際に、その錯誤の是正をするということの確認を求めまして、それから同時に昭和三十年度の交付税についてのプラス、マイナスについて財政上どのような影響があるかということについて、財政収支の調書を提出させまして、それを検討いたし、昭和三十年度の交付税の決定の際に、プラス、マイナスしても財政上非常に困難な影響はないという判断のもとに、昭和三十年度の決定の際に是正をいたしたような次第でございまして、今吉田委員の御指摘になりましたような財政運営上に影響があるかどうかということは仰せの通りでありまして、その点についてはただいま申し上げましたような措置をとって、非常に困難な財政運営でないという場合には、その三十年度の普通交付税の決定の際にプラス、マイナスをつけるというような取扱いをいたしておる次第であります。
#70
○吉田(賢)委員 希望を申し上げておきますが、仕越し工事においてどうも理不尽な結果がある、あるいは補助金で地方の府県へ国から渡しておるものが末端の事業主体には渡っておらぬ、要らぬ金利を支払って因っておる事業主体もあるというような、いろいろな地方財政のトラブルと申しますか、案件を通して見るときに、やはり筋を通すことを重大に考えなかったというところに一つの原因があるのではないかと思います。過不足両方では一億五千万ですか、過大の方は一億一千八百万円ということになります。いずれにしてもこれはちょっとくいが出ておる程度でしょうけれども、やはり財政監督上の責任があるとするならば筋を通してもらわなければ困る。あなたの方はそこまで手が延びぬかもしれません。それはわかりますが、こういう点は筋を通すことが必要ではないか。
 もう一つ、私、しろうとが見て算定の方法なんかめんどくさいものだと思います。こういうことをしてあやまちがあるなと思いますが、それにしましてもその道の専門家ですから、毎年毎年莫大な過誤を繰り返しておるということはみっともないような感じがする。もし銀行業務だったら首です。とってもやっていけません。私は銀行屋さんに聞いたことがあるが、たとえば二円間違っておっても夜の十二時までそろばんし直して、どうにもみんな帰ることができなかったというお話を聞きました。そのくらい数字の辻つまを合わすことについて厳重にお考えになるような考え方でないとなかなかうまくいかぬと思います。これは御希望申し上げておきます。あなたも原則的に御同意ならば、やはりこの辺は筋を通してもらいたい。お前のところで過不足どっちか間違っておっても、適当に穴埋めをし、返しもしてやるというようなことを繰り返しておったらよくない。財政秩序の破壊です。
 もう一つ聞いておきますが、検査院は三十四の府県について検査したが、ことごとく間違っておったという。そうすると全部で交付した府県が四十二ある、残っておるのが八つある。八つについてあなたの方は調べましたか。
#71
○石渡説明員 ちょっと正確な資料を持ちませんので恐縮でございますけれども、概数八県につきまして自治庁といたしましても調査をいたしまして、それにつきましてやはり若干錯誤を発見いたしておる次第でございます。それぞれについて同様に三十年度の交付税の算定の際に、是正をいたしておる次第でございます。
#72
○吉田(賢)委員 検査院の方に伺いますが、これはその後是正される傾向にあるのですか。毎年こんなことを繰り返しておるのですか。
#73
○大沢会計検査院説明員 いろいろな台帳整備が不備であった点を会計検査院がたしか過去三年間、まだ当時は平衡交付金の時代であった。それを指摘しまして、都道府県などにおきましても相当その点改まってきまして、三十一年、ことしの検査におきましては、一応会計検査院としましては、これはむしろ自治庁の内部監査においてもっと大いにやってもらいたいという気持で、こちらとしましては、ほかの方の検査の都合もありまして、範囲を狭めたのですが、見た結果によりますと、たとえば福岡県など見ましたところが、全然誤まりがないというような結果も出てきました。その他も調べましたが、その他四府県は三十年度として見ました分につきましては、開きが二百万円程度ということになっておりました。ほかのものは、ことしはそういうわけで検査しませんでした。しかし大体の傾向としては、検査に行った各担当者の話を聞きますと、書類の整備や計算なども十分やってきておりますから、この分ではだんだんと改善の方向に進んでいるんだろうということは想像できる次第であります。
#74
○臼井委員 自治庁にお伺いしますが、そういう場合に府県から、自分の方の計算によると――これは多いのは言わぬかもしれないけれども、これは少いじゃないかというような苦情を言ってきた事例がございますか。
#75
○石渡説明員 決定の結果につきまして、多いとか少いとかいう苦情が私どもの方に参っているのは、実際問題としてございません。
#76
○臼井委員 府県では自治庁の方を信用してそのまま受けておられるでしょうけれども、今後一つ会計検査院がそういう方面だけでなく、ほかの方に大いにもっと力をうんと尽すように、そういう点は自発的に一応決定後も検査していただいて、検査院から指摘されるまでもないようにやってもらいたいと思います。
#77
○細田委員 関連して伺いたいのですが、自治庁では各都道府県に交付する金額の計算の基礎というものを示しておるのですか、その点を一つ……。
#78
○石渡説明員 ただいま検査院の局長がおっしゃられましたように、自治庁の方で昭和三十一年度は少しやってもらったらどうかというお話もございましたし、かねがね御指摘のように自治庁といたしましても、できるだけ監査をやって参りたいということで、昨年は八つくらいでございましたけれども、三十一年には十五ほどの府県をやりまして、実行いたしております。
 それからその資料のお話でございますが、これは府県から全部提出された資料に基いて総額を按分するということになっておりまして、府県から出ました資料が正確でありますれば、その通り府県の方で数字算定の基礎は承知しているわけであります。それで私どもの方でその資料を検収いたします場合に、一々全部かけ合せる数字等につきましては計算機を当てまして、検算をして受け取っております。その際に間違いましたものについても、府県の方はこの点が間違ったということを確認しておりますので、地方団体としましては算定の基礎になりました数字につきましては、全部承知しておるわけでございます。
#79
○細田委員 たとえば、話は違うが、農林省の共済組合の金が本年は何割分だというようなことが末端の組合までいっていない。従ってどんなに少くても多くてももらってこれだけだというようなことが非常に間違いのもとになる。あなたの方としては、都道府県並びにその交付を受ける末端にまで、今年はこういう基礎でこういうふうな交付をするのだ、こういうふうな算出の基準を示してやっているのか。あるいはそういうデータは取り寄せるけれども、ただその結果をあなたの方でかげんしてやるのか、それを一つ伺いたい。
#80
○石渡説明員 御承知のように、法律に単位費用というものがございまして、たとえば小学校費では生徒一人当り幾らというような数字がきまっております。それで当該年度に配分いたします場合に補正係数とかいうものがございまして、それでこれこれの場合にはこれこれだという基礎の数字がきまっておりますので、それをかけ合せますれば、その府県の交付税は幾らということが自然に出る方式になっております。
#81
○細田委員 そうだとすると、たとえば大阪府なんかの揮発油譲与税、これなんかもべらぼうに実際多いのですよ。そういうような間違いは、先ほど吉田委員が指摘されておるように、北海道なんというところは、その程度の間違いはあると思います。そういう基礎が地方の府県にもわかっておるとすれば、あまりにもこれは多いので、どうしてこういう間違いが起ってくるのですか。
#82
○石渡説明員 大阪等の道路税の場合でありますが、これは私の方で計算いたしましたのが誤まりがあることについて検査院から御指摘を受けまして是正をいたした次第でございますが、その誤まりは、道路面積の基準で非常にけたを狂わしておったのでございます。これは私どもの方ではもう少し大数観察をして検討をつければわかったのでありますが、道路台帳から引き写してくる数字でございますので、私どもの方ではその基本の数字は対照するものがございませんものですから、一応それを出してやりました結果、そんな錯誤が生じた次第でございます。
#83
○坂本委員長代理 それでは本日予定しておりました自治庁及び法務省関係の質疑は、以上をもって一応終了いたしました。
    ―――――――――――――
#84
○坂本委員長代理 この際お諮りいたします。すなわち、病変米の輸入、保管及び処分等に関する件につきまして、来たる十一月二十二日、日綿実業株式会社社長岡島美行君、日本通運株式会社専務取締役前谷重夫君、以上二名の諸君を証人として本委員会に出頭を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○坂本委員長代理 御異議なしと認めます。よって衆議院規則第五十三条により、議長を経由して出頭を求めることといたします。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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