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1956/12/05 第25回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第7号
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1956/12/05 第25回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第025回国会 決算委員会 第7号

#1
第025回国会 決算委員会 第7号
昭和三十一年十二月五日(水曜日)
    午前十時五十二分開議
 出席委員
   委員長 上林與市郎君
   理事 關谷 勝利君 理事 田中 彰治君
   理事 本名  武君 理事 山本 猛夫君
   理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君
      臼井 莊一君    櫻内 義雄君
      南  好雄君    神近 市子君
      川俣 清音君    細田 綱吉君
      八百板 正君    山田 長司君
 出席政府委員
        検     事
        (刑事局長)  井本 臺吉君
        厚生政務次官  山下 春江君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局環
        境衛生部長)  楠本 正康君
        農林政務次官  大石 武一君
        食糧庁長官   小倉 武一君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      岩武 照彦君
 委員外の出席者
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局食
        品衛生課長)  小谷新太郎君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  森  誓夫君
        証     人
        (電源開発株式
        会社理事)   岡部 邦生君
        証     人
        (岐阜県高山市
        警察署警部補) 坪井 二一君
        参  考  人
        (日綿実業株式
        会社専務取締
        役)      石橋 鎮雄君
        参  考  人
        (日綿実業株式
        会社常務取締
        役)      松岡 啓一君
        専  門  員 黒田 久太君

    ―――――――――――――
十二月五日
 委員山本正一君、臼井莊一君、片島港君及び神
 近市子君辞任につき、その補欠として南好雄
 君、中島茂喜君、八百板正君及び川俣清音君が
 議長の指名で委員に選任された。
同 日
 委員中島茂喜君辞任につき、その補欠として臼
 井莊一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査申出に関する件
 政府関係機関の収支(日本開発銀行の電源開発
 融資)に関する件
 病変米の輸入、保管及び処分等に関する件
    ―――――――――――――
#2
○上林委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程に入ります前に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。会期も切迫して参りましたので、目下審査中の昭和二十九年度一般会計決算、昭和二十九年度特別会計決算、昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和二十九年度政府関係機関決算書、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書につきましては、本会期中に審査を終了する見込みもありませんので、閉会中も引き続き審査を行いたいと存じます。
 また歳入歳出の実況に関する件、国有財産に関する件及び政府関係機関の収支に関する件につきましても、閉会中に調査を行いたいと存じます。
 これにつきましては、国会法の定めるところによりまして、院議によりこれらの案件が閉会中審査案件として本委員会に付託されなければなりません。つきましては、その手続といたしまして、これらの案件について閉会中もなお審査したい旨の申し出を議長に対して行うことにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○上林委員長 御異議なきものと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#4
○上林委員長 政府関係機関の収支(日本開発銀行の電源開発融資)に関する件について調査を進めます。本日は去る十一月二十八日の委員会に引き続きまして、本件中御母衣ダム関係につきまして調査を進めることといたします。お手元に配布いたしてあります通り、三名の証人を予定いたしておりますが、証人太田垣士郎君より益谷議長あてに、医師の診断書を添え、書面をもって出頭できかねる旨の申し出がありましたので、これを朗読いたします。「昭和三十一年十二月三日太田垣士郎 衆議院議長益谷秀次殿 私儀貴決算委員会に於て、調査の必要上、昭和三十一年十二月五日午前十時三十分に、貴院に証人として出頭するよう、昭和三十一年十二月一日附衆秘発第一二六号の一により出頭通知を相受けましたが、別紙診断書の通り、ここ旬日旅行等を差控え安静を要するとのことでありますから甚だ恐縮とは存じますが、当日貴院に出頭致しかねますので事情御賢察の上何分よろしくお願い申上げます。」診断書の朗読を省略いたします。
 太田垣証人不出頭の件につきましては、その取扱いを理事会におきまして協議の上決定いたしたいと存じますので、御了承願います。
 それでは本件につきまして証人より証言を求めることといたします。御出席になられました証人は、岡部邦生君、坪井二一君、相違ありませんね。――相違なきものと認めます。
 あらかじめ文書で御通知いたしておきました通り、ただいまから政府関係機関の収支(日本関発銀行の電源開発融資)に関する件について証言を求めたいと存じますが証証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二而二十五百号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相っております。宜誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。
 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。坪井二一君代表して宣誓書の御朗読を願います。
  〔証人坪井二一君朗読〕
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
#5
○上林委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。
  〔証人宣誓書に署名捺印〕
#6
○上林委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、そのつど委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。
 証言を求める順序は、坪井二一君、岡部邦生君の順序といたしますから、岡部邦生君はもとの控室でお待ちを願います。
 それではこれより証言を求めるわけでございますが、委員長よりの尋問は省略して、委員各位より質問の形式で証言を求めることといたします。発言の申し出がありますので順次これを許します。山本猛夫君。
#7
○山本(猛)委員 坪井証人にお尋ねをいたします。電源開発が、御母衣ダムの施行に当りまして水没地帯の住民を移転させなければならないという段階に入りました場合に、電源開発会社は証人に何らかの協力を求められたかどうか。
#8
○坪井証人 お答え申し上げます。そのような協力を求めるというようなことは聞いたことはございません。
#9
○山本(猛)委員 それではお尋ねをいたしますが、部落民が立ちのきに対して困惑をされて、立ちのきを躊躇する向きも出て参ったり、立ちのきに反対をするという状態にも相なった場合に、あなたは何がゆえにこの部落民に対して立ちのきを強要されたか。
#10
○坪井証人 お答えいたします。保木脇部落のことでございますが、実は警察官がその現場に出ましたことはございますが、これは当時会社側がどこまでも強制測量をする、地元の保木脇部落の方はそれに対して反対をする、実力をもって妨害する、反対をするというような情勢でございましたので、警察といたしましては、そのような情勢では、ほかっておけば、強制測量のときにあるいは暴力ざたでも起きるのではないかというような切迫した状況でございましたので、警察官が現地に出まして、犯罪予防のために出たのでございます。しかしながら、現場に出ましたけれども、警察官は全員私服で出ておりまして、地元民を押えつけるというようなことは全然いたしておりません。
#11
○山本(猛)委員 それではお尋ねをいたしますが、地元民が本委員会の現地調査員に語ったところによりますと、警察官から立ちのきを強要されている、そうしてしかもその強要に用いられた用語は、お前たちがあくまで立ちのきを拒否する場合においては、土地収用法という法律があって、この法律によってどかしてやるのだというような発言を中心とした、ばりざんぼうをきわめた、警察官としてはわれわれが聞いてまことに考え得られない暴言を吐いているということを現地の住民が言っております。こういうことは、警察官を派遣されたときに、あなたがそこに一緒に警察官と同行せられておったか、また同行せられておるとすれば、さような発言をお聞きになったか、お聞きにならないか、これを伺いたい。
#12
○坪井証人 お答えいたします。地元の方に、土地収用法の違反になるおそれがあるということを警告しましたのは事実でございます。これは土地細目の公告があった後にそのような急造バラックをその土地に建てましたことによって、もしそれが検挙しなければならないというような情勢になりましたならば、これは警告も与えずに検挙してしまったということは、警察といたしまして非常に穏当なやり方ではないという立場からお話し申し上げたのでございます。それから警告しましたときに他の警察官がおりましたかということでございますが、それは私と、もう一人の巡査と二人が参りまして、そして相手は二人でございました。
#13
○山本(猛)委員 土地収用法発令の段階に入っておりましたか。
#14
○坪井証人 お答えいたします。私は日時のことはちょっとはっきりした記憶はないのでございますが、私の記憶では、土地細目の公告がございましたのがたしか十月の二日ころでなかったかと思います。そこで警告をいたしましたのが、この日にちもあるいは間違っておるかもしれませんが、たしか十月の十二日ごろであったと思います。
#15
○山本(猛)委員 土地収用法発動の段階に入っておったかどうかということを伺っているのです。
#16
○坪井証人 お答えいたします。強制測量が実施されましたのは、十月の七日ころから三日間であったのではなかったかと思います。
#17
○山本(猛)委員 地元民の言うところによりますと、あなた方警察官は電源開発会社の人たちと飲んだり食ったりして、そしてしばしばこの強制立ちのきに対して、連絡協調して、その結果住民があなたに圧力を加えられた、こういうことを言っております。そういう事実はどうですか。
#18
○坪井証人 お答えいたします。そのような事実は全くございません。
#19
○田中(彰)委員 証人にお尋ねいたしますが、あなたのところは、あなたの下に部下が何人おりますか。あなた一人ですか。その派出所というのですか、警部補駐在所というのですか、それをお尋ねいたします。
#20
○坪井証人 お答えいたします。私の派出所には、私の下に巡査が二人ございます。
#21
○田中(彰)委員 今山本委員から質問されたことなんですが、土地収用法がたとい出たといたしましても、その所有者がそれを拒否して、そうして裁判とか、異議申し立てをすると、それは有効であると考えておられるのですか、有効でないと考えておられるのですか。
#22
○坪井証人 これは一応土地収用法の規定で、土地細目の公告があった後に、知事の許可なくして形質の変更をしたというような条文がございますので、それは違反になるんじゃなかろうかというようなことを思っておったわけでございます。
#23
○田中(彰)委員 たとい土地収用法が出たとしても、その所有者がそれを拒否して異議の申し立てをすると、相当長い期間これはどうすることもできないのです。そのくらいのことはあなたは警部補で知っておらなければならぬ。もしそういうことができるとしたら、たとい土地収用法のあれがきたとしても、それがきたならば、建ったものは壊されるだろうし、いろいろなことはあるかもしれませんが、百姓ですから小屋も要るのですから、そんな建物を建てたからといって、あなた方が司法権をもって干渉されるというようなことはおかしいんじゃないですか。それはあなたは普通と考えておられますか、それをお尋ねいたします。
#24
○坪井証人 お答えいたします。それが土地収用法の違反になりまして、もし検挙になるというようなことになりますと――これは同じ村に住まわせてもらっておるのでございまして、もし検挙になるというようなことになりますれば、これはまことにお気の毒になるというような気持から、そういう話を申し上げたのでありまして、またそれをもって検挙したというものでもないのでございます。
#25
○田中(彰)委員 おかしいじゃないですか。異議を申し立てれば、とにかく土地収用法をかけても、それが片づくまで土地の所有者の権利があるんだし、それを検挙するというのはおかしい、あなたは村の人を検挙しよう、検挙しようとかかっているから、そのくらいにお考えになっているのでしょうが、どうして検挙されるのですか。土地収用に異議を申し立てて、少くも一年以上争って負けて、それから家も建てれば、初めてあなたの言われるような問題になるかもしれませんが、争っている間は自分のものじゃないですか。おかしいですよ。それをあなたが検挙になると困るからといって、それに対して干渉されたということは少し行き過ぎじゃないですか。土地収用の細目のものが出れば、すぐにこれに対して抗弁したりすることができるのです。異議の申し立てをした場合に相当な長い期間争っているのです。そんな土地収用が出たからといって何の抗弁もなくすぐに向うの自由になることはありませんよ。そういう点をどういうふうに勉強し、調べていらっしゃいますか。
#26
○坪井証人 検挙することが前提と申しますけれども、村の者を検挙するというような気持は毛頭ないのであります。
#27
○田中(彰)委員 今あなたは検挙になると困ると言われたじゃないですか。検挙は別として小屋を建てたからといって何のために警察が干渉するのですか。県から小屋を立ててもらっては困るからということで、ちゃんと法律か何かの指図でもあるのですか。今のあなたの答弁を聞いていると、土地収用に付する法的な措置をあなたは承知しておいでにならない。それにもかかわらず、土地収用の細目が出たから、そこに小屋を立ててしまったら検挙になるとか、検挙になると困るからそれをこわせというのは職権乱用じゃないか。どう考えられますか。
#28
○坪井証人 お答えいたします。そのような職権を乱用するとか、そういうような心は毛頭ございません。
#29
○田中(彰)委員 職権乱用じゃないですか。家を建てたら検挙になるとか、こわせとか、お前は刑務所にいかなければならぬというのは職権乱用になるじゃないか。たとえば、ある人を証拠がないのに刑務所に連れていったら乱用になるじゃないか。まだ土地収用が決定したわけじゃない。まだこっちが抗弁しなければならぬ。抗弁をするだけの法的保護政策が与えられておる。そしてまたそれに対して土地収用がかかっても当人がいやだといえばそれをどうするわけにいかないのですよ。それをあなたがそういうことをおっしゃったということは職権の乱用じゃないですか。行き過ぎじゃないですか。あなたはそれに対してどう考えておられますか。あるいはまたあなたに対してそういう命令をした人がありますか。もしあったとしたら私は重大な問題だと思う。しかし県なんか相当な人がおりますから、そういうことはしないはずです。命令があったか、命令がなかったらあなたが法的に勘違いしてそういうことをやったか、どっちかでなければならないのです。どっちですか。
#30
○坪井証人 お答えいたします。このことに関しましては本署にも報告してございます。一応違反のおそれがあるからということで注意をいたしました。
#31
○田中(彰)委員 何の違反のおそれがあるのです。土地収用がかかったって自分が拒否をし、異議の申し立てをすれば自分の土地を擁護できるだけの法律がある。県でそれの違反になると言いましたか。県ではそんなことを知らないで、土地収用がしっかりきまったものだと思っているんじゃないですか。あなたの調査不十分な点があったのじゃないですか。そんないいかげんなことをここで言われちゃ困りますよ。あなたは司法官ですよ。あなたは人を取り締る人ですよ。悪いことは悪い。間違っておったとか不十分だったとか、さもなければ上の命令でやったとか、あなた一人の考えで勝手にそういうことをやられたか、どっちなんですか。
#32
○坪井証人 これは私一人の考えでやったものではありません。本署の方に報告しまして、本署の方からの指図もございましたので……。
#33
○田中(彰)委員 命令されたんですね。だれが命令したんですか。証人に呼び出しますから、だれか言って下さい。
#34
○坪井証人 それは、私が指示を受けましたのは、本署の警備係長をやっている者でございます。
#35
○田中(彰)委員 何という人ですか。
#36
○坪井証人 葡萄原警部でございます。
#37
○田中(彰)委員 土地収用のそういう細目が掲示されても、まだ村の人には自分の土地を守るだけの法的な保護が与えられておる、にもかかわらず、あなたがそういうことをされたのはどういうわけですか。あなたは、さっきから検挙々々と言いますけれども、そんなことで検挙できるはずはありませんよ。
 もう一つ、あなたがそんなに事大主義にやられるならお尋ねせんけりゃならぬが、村の人たちは、まだ土地を売ったとも、また土地を使うことを許したとも言わないのに、間組の請負師の人が来てどんどん石を投げたり、土地をトラクターでならしておるのを、なぜあなたはおとめにならないか。土地を売ったとも言っていない、金もまだもらっていない、それだのにどんどん石を投げたり、トラクターで土地をならされるので、村の人があなたのところに泣きついていったら、あすこい、昼から来いと言って、言を左右にしておる。なぜあなたはそういうものを取り締らないのか。取り締らないでいいものを逆に取り締っている。これは、やはりさっき山本君の言った通り、また村の人の言った通り、関西電力やその他と特殊なつながりがあるから、そういうものを取り締れないのでしょう。どうですか。これに対して答弁して下さい。
#38
○坪井証人 ブルドーザーが入っておるからとめてくれというようなことを私に言ってきたことはございませんが、そのことは、平瀬駐在所の方へそういうことを言ったのでございますが、そのことにつきましては、そこでハッパをかけるものですから、そのハッパをかける請負業者に対しまして、どうも交通上の危険もあるという見地から、その工事の請負業者に注意するようにということを申し上げたのでございます。
#39
○田中(彰)委員 おかしいじゃないですか。この前西村証人が出まして――あの人はうそを言う人ではない。あの人の証言ではっきりしておる。まだ村の土地が収用されるときまっていない、それだのに、そこへどんどん石を投げて、ブルドーザーで土地をならしておる。それじゃ困るというので請負師に交渉したが、請負師は聞かない。そこで村の人があなたのところに再三頼みにいったら、昼から来い、あすの朝来いといって、あなたは取り締ってくれなかったということを、この間証人が涙を流して証言しております。あなたは証人に関する権限を知っておいでにあるでしょう。うそを言うと、また初めから全部呼んで聞かなければならなくなる。そうすると、あなたの責任問題が出ますよ。悪いことは悪いと言えばいいんですよ。たとい悪いと言ったって、あなたを免職なんてしませんよ。ただ調べるだけは調べなければいけないから調べておるのです。これは人夫の人もそう言っておる、会社がそうやれやれと言ったからやったんだということを言っているじゃないですか。
#40
○坪井証人 先ほどお答えした通りであります。
#41
○坂本委員 まだ土地の収用がきまっていないのにブルドーザーが入って、そこに石を入れたり土を入れたりして困る、道路妨害にもなり、学校にも行けないから、ああいうことはやめてもらいたいということをあなたの方の警部補派出所に言ってきていませんか。
#42
○坪井証人 ブルドーザーが入って整地をやっておるからというようなことは、それも聞いておりませんし、今までも届出のあったことを聞いたことはございません。
#43
○坂本委員 石を投げたり、土を入れたりするのをやめてくれという問題はどうですか。
#44
○坪井証人 そのことは先ほど申し上げましたように、請負者に対して警告をしてございます。
#45
○坂本委員 それは請負者にだれが警告をしたか。あなたは民衆を保護する立場にあるが、ああいうことをやっちゃ困るから、警察にああいうことをやめさせてくれと村の人が言っておるはずです。学校の先生も言っておるはずです。それに対して何らあなたたちの方で処置をしなかったでしょう。したのならどういう処置をしたのですか。
#46
○坪井証人 お答えいたします。そのことは請負者が平瀬でございますので、平瀬の駐在所の方からその請負者に対して申し出のあったころに警告をしてございます。
#47
○坂本委員 どんな警告をしてあるのですか。
#48
○坪井証人 お答えいたします。ハッパをかけたりして石が飛んで道路交通の危険もあるから、それは一つやめてほしいということを警告いたしたのでございます。
#49
○坂本委員 その警告によってやめたかどうか。やめなかったならば、それによって部落民その他学校の子供なんかに危険があったかどうか、その点どうですか。
#50
○坪井証人 お答えいたします。実は警告をしましたのが、これは日にちがあるいは一日、二日ずれるかもしれませんが、たしか十月の八日ころじゃなかったかと思うのでございますが、その晩に警告をしたのであります。
#51
○山本(猛)委員 私の関連質問で田中委員、坂本委員からお尋ねがいろいろありましたけれども、証人にお尋ねをいたしますが、あなたが今坂本委員から証言を求められたその証言で、不法なことがあったから請負業者に対して警告を発した、こうおっしゃっておられますが、個人の所有の土地が、まだ買い上げが決定もされておらない、同時にまた土地収用法による発動も行われておらない、従って所有権は明確でありますのに、その所有権を侵害するような行為があったから警告を発したというのだが、何回発せられましたか。
#52
○坪井証人 お答えいたします。そのことにつきましては、先ほど申し上げましたように、十月の十二日ころに一ぺんでございます。
#53
○山本(猛)委員 ところがあなたのその警告にもかかわらず、さような行動が順次進められていって、住民が非常な困難に陥ったことは事実でございます。その場合にあなたは、土地に不穏当な事態が起ると困るからかくかくのことをやったと先刻の証言で言われております。ところが請負業者に警告を発せられて、その発せられたところの警告が取り上げられないで、なおかつより以上な作業を続けていった場合、その住民の所有権は侵害されておるわけであります。そのときに検挙その他の措置はお考えになりませんでしたか。
#54
○坪井証人 お答えいたします。そのことにつきましては、ちょうど八日の日に警告したと思いますが、その翌日に、ちょうどその近くに急造バラックを建てましたもんですし、そうしてそこに住むというようなことでございましたので、事実上工事は中止したという状況になったのでございます。
#55
○山本(猛)委員 われわれが行った場合にも、まだ土地の買い上げがきまらないでおったものがあるのです。しかるに作業は続けられておる実態を見て参っております。それをあなたはどういうふうにお考えになっておられましたか。
#56
○坪井証人 お答えいたします。道路に石が飛ぶとかいうような、そういう交通上の危険のあった面につきましては、道路交通危険防止の見地から警察としては警告したのであります。その他交通上危険のない個所に石が落ちる点につきましては、警察がそれを取り上げてどうだこうだと言って介入をする肌合いのものではないと考えております。
#57
○山本(猛)委員 それは奇怪しごくではないですか。あなたはまだ土地収用法の発動が行われていない場合に、土地収用法という言葉を使って、そうして住民を弾圧するような挙に出ておいでになるんですよ。住民はさようなことで弾圧されて、請負業者やあるいはその施行主であるところの電源開発会社の方では不法なことをやってもよいとお考えになっておいでになるのですか。住民個々の所有権はまだ確立しておったのです。その所有権はまだ電源開発会社の方に移っておらないのです。そういうような場合に、石は警告を発したから飛んでこないのだからいいだろうというが、しかしその所有権は侵されておるんですよ。あなたはあなたの受け持ち区域を警らされないのですか、伺っておきます。
#58
○坪井証人 地元民の意思を抑えつけようというような意思は毛頭ございません。私は私の信念といたしまして、警察はどこまでも厳正公平にやらなければならないと思っております。
#59
○山本(猛)委員 あなたのおやりになったことは厳正公平ではないのです。私のお尋ねしておるのはそういうことではない。まだ所有権が住民にあるのです。電源開発会社の方に移っておらないのです。あるいは関西電力に移っておらないのです。そうしてその場合に、電力会社から施行を請け負いました請負業者がまだ住民に属しておる権利を侵しておる。その実態は明らかなんです。あなたは警察官であり、さらに監督の地位におありになるあなたであったならば、あなたの受け持ち区域は、毎日でないにしても、おそらく、一日おきとか二日おきとかいうことで警らの監督をされておられるはずです。しからばあなたは、さようにして電力会社が個人の所有権を侵しておるという実態がおわかりになっておるはずです。そういうような事態に対してあなたはどういうような措置を講じ、どういうお考えを持っておられたか、それを伺っておるのです。これは違法行為なんです。違法行為をあなたはお認めになったのであるか。あるいはこれを違法行為なりとして何らかの措置を講じておったか、講じようとお考えになられたか、その点をお伺いしておるのです。
#60
○坪井証人 お答えいたします。先ほど申し上げましたように、そういう違法行為があったといたしましても、警察がそういう民事的な関係に対して介入をしていくということはできないのであります。
#61
○山本(猛)委員 さっき田中委員がこんこんとさとすようにして説明した土地収用法の発動に関する問題について、その結果も得られない先にあなたは司法権をたてにして、検挙されるような事態になっては困るというような理由で警告を発したと言うけれども、住民の方では弾圧を感じたと言っております。非常なおどし文句であった、非常にこわかった。私が一人であそこに出張したのではありません。本委員会からは、委員長を含む数名の一団となった調査員が現地に行って、全部がそれを聞いているのです。私が一人で聞いたのではございません。あなたの今の証言と矛盾するのではありませんか。もっとも明確にお答えを願いたい。
#62
○坪井証人 お答えいたします。地元の人たちの意思を押えつけるとか、圧迫するというような意思は毛頭ございませんし、そういうことをしたことはございません。
#63
○山本(猛)委員 それならば、どうしてもあなたがお答えにならないというなら、もう一度お尋ねします。電力会社が、まだ電力会社の所有に属しない、個人の所有権に属している土地を侵害している、その事態が長く続いておったのに、なぜ所有権者に対する保護を加えるような措置をお考えにならなかったか。所有権を侵しているのですよ。所有権を侵すということは民事の問題でございますか。この二つを伺っておきます。
#64
○坪井証人 そのようなことをした覚えはございません。圧迫をするとか、そういうような地元の人たちの意思を押えつけるようなことはいたしておりません。
#65
○山本(猛)委員 私のお尋ねはそうではないのですよ。そこから離れているのです。また所有権が電力会社に移っておらないのですよ。言いかえればこれは不法占拠であり、所有権の侵害なんです。あなたは民事の問題だから立ち入ってはならないということをさいぜんおっしゃっておられますが、人の所有権を侵害したという事態は民事でございますか、伺っておきます。
#66
○坪井証人 お答えいたします。私は民事の問題だと思っております。
#67
○山本(猛)委員 これは不法占拠になりませんか。
#68
○坪井証人 警察がそうやって取り上げて介入してやるといような不法占拠の――不法占拠と申しますか、警察が介入すべき問題ではないと思っております。
#69
○山本(猛)委員 それならばまたもとに戻りますが、土地収用法の発動もないのに、まだ決定事項として土地収用法によって発動される事態が確立しておらないのに、なぜあなたは弾圧にひとしいような態度をもって住民にそれを警告とあなたがおっしゃるならば警告でもよろしいでしょうが、なぜそういうことをなさったのですか。
#70
○坪井証人 お答えいたします。なぜやったかと申されますけれども、そのことにつきましては、土地収用法に違反のおそれがあるという見地から警告したのでございます。
#71
○山本(猛)委員 あなたはおかしいじゃありませんか。私はこれ以上あなたを追及しないことにいたしますが、この一点だけはぜひお答え願いたい。どうも私には了解しかねるのです。私はあなたに対して恩怨も何もないのですよ。ただ国民の疑惑を解かなければならないためにお尋ねするのです。片方の方は、今おっしゃったように土地収用法違反のおそれがあると御認定になったのでしょう。ところが、この土地収用法は発動されておらないのでしょう。おったのですか。おらないのでしょう。おらないし、まだ土地収用法発動によって強制立ちのきでもされなければならないという段階に入ってはおらない。これは先刻田中委員があなたにお尋ねをした、そのお尋ねの理由の中で述べている通りです。ところが、片方は明らかに所有権の侵害をやっている、不法占拠をやっている。そういう事態は御観察にならないで、おかしいじゃありませんか。私は国民の代表ですから、これはどうしても疑惑を解かなければなりません。ですから、この疑惑はぜひ解いていただく意味で御証言を願いたい。もう一度申し上げます。個人の所有権に属するものが、所有権を持たざる者から侵害をされている。明らかに不法占拠の状態にあった。こういうようなことに対しては、あなたは所有権者を保護するという措置をおとりにならないで、これは民事の問題だから司法警察官の関係したことではないと御認定になって、一方においてはまだ土地収用法が発動されておらない、発動の段階に入っていない、確定をしておらない、訴訟事件の結末として土地収用法による発動の行為が確立をされて、その段階に入っておらない、そういうのに対しては警告という美名のもとに隠れて弾圧をやっている、干渉している。これは明らかにお答えになっていただかなければ、国民はこの疑惑を解くことはできません。どうかこの疑惑を解くために正しい御証言を願いたい。
#72
○坪井証人 お答えいたします。土地収用法の発動と申しますか、実測調査がすでに済んだ跡に家を建てたという面がございましたので、土地収用法の違反のおそれがあるという面で御注意申し上げたのでございますが、もう一方のたんぼの中に石が落ちたというようなことについては、道路交通の危険のある面については警告したのでありますが、単に石が落ちたということについては、警察がそこまで介入するということは中立を欠くと、こういうように考えておるわけであります。
#73
○田中(彰)委員 そういうようにお答になると、警察の上の方まで呼び出して白黒をつけなければならぬ。あなたは警察官だから多少法律を知っておられるでしょう。冷静にお考えになったらよろしい、あなたは土地収用法が実施されたと言われますが、実施されておらない、細目を掲示しただけで、所有者が拒否した場合はどうにもできません。しかもこれに対して異議の申し立てをすれば、一年間くらいは争って黒白をつけることができる、そういう法律の保護がある。そこでその家というのが三ヵ月前くらいから建てる計画をしておって、そうしてそこに建てた。それは測量だって強制測量だ、土地収用法によってその土地をとって確定したわけではない、そこにあなたが行かれて、こういうことをやるとお前たちは検挙されるとか刑務所に行かなければならぬというようなことであなたが干渉される。一方また常識で考えてごらんなさい、百姓が自分のたんぼに石の一つ二つ落ちたからといって、一里以上もあるようなところに何回も何回も訴えていきませんよ。どんどん石をたんぼ、畑の中に入れられてしまう、ブルドーザーを持ってきてそれをならしてしまうから、とてもたまらない、あなたのところに何回も行ったところが振り向かない。あなたは今ブルドーザーを否認しておりますが、このブルドーザーも調べなければなりません、もし行ったという事実があったら大へんですよ。あなたがブルドーザーを否認したことを私の方で了としても、石ころの一つや二つが落ちてもそんなことで行きません。またハッパをかけて交通に危険だからといってあなたがおとめになった、ハッパをかけてもこんな小さい石ばかり落ちない、大きな石がたんぼに落ちて、もし百姓がせっかく植えたものを作れなくなったり、売り出すことができなくなって、百姓があなたのところに訴えていっても、あなたのところでお取り上げにならなかった場合に、その人たちが不穏な行動をしたら、その責任を負わなければなりません。そういうような場合には、あなたが行ってみて、どの程度であるかということをあなたは確認しなければならぬ、それを認識されなければならぬ。あなたはそれは民事だとおっしゃいますけれども、民事ではございません、これは刑事です。そしてそこにすでに暴力行為も行われんとするような、先ほどあなたがおっしゃったような不穏当なこともあった、そうしたらそれをあなたのところに訴えてもお取り上げにならない。大きな石が落っこってくる、危険で畑へ行かれない、石でもって畑が埋まってしまう、どうせああいうところでかけるハッパだから一本や二本じゃない、そういうようなことでもあなたは民事だとお考えになっておるとするならば、大へんですよ。民事はむしろ土地収用の方でしょう。土地収用法の方はまだ拒否している間はこちらのものですから、これこそは刑事問題じゃありません。それをあなたの方がそういうようなことをいって、反対のようなことをやっておられるのだが、あなたはそれを正当とされるなら、これはわれわれも法的にもっと研究しなくちゃならないし、あなたの上の人を呼んで聞かなくちゃならない。どっちにしてもあなたの監督不行き届きであったという点、あなたが土地収用法というものに対する認識が不足であったという点、それから百姓が訴えていったのにそれをお取り上げにならないという点――何回も行ったそうです。それはここに何回も速記録に書いてあります。ごらんに入れますか。何回も行ったけれどもお取り上げにならないということをいっておるのです。
  〔田中(彰)委員速記録を坪井証人に示す〕
#74
○坪井証人 ただいま見せていただきましたが、このことはブルドーザー問題ということは全然言ってないのでございます。これも私のところへ来たのではございません。それは平瀬の駐在所へ行かれたのでございますが、そのときに、分けると三つの要点になると思いますが、こういうことを言っておるのです。実は強制測量の立会の通知をするが、そのことについて回答せよという通知が、その回答の日が過ぎて届いたという、そのことについて警察で何とかしてくれという点が一つ、それから強制測量をするなら地元民があくまでもこれを実力をもって阻止するというのは正当防衛だということと、それから何かもう一つあったと思いますが、そのときに落石の問題があったのじゃないかと思います。たしか三つの点を平瀬の駐在所へ言うてきたのでございます。それに対してこれは重大な問題だということで、一応報告をして返事をする、こういうことになったのでございます。それでそのことについて、たしか請負工事の人にその晩警告をした、こういう状況になっておるのでございまして、ブルドーザー問題はそのとき出ておりません。ブルドーザーのことについてはその翌日にもう家が建ったものですから、その後は石が飛んだり落ちたりするというような状況は事実上とまってしまった、こういう状況になっておるのでございます。
#75
○上林委員長 他に御発言はありませんか。
#76
○坂本委員 私、一、二点お聞きしたいのですが、強制測量とおっしゃるが、どんなふうな強制測量ですか。私は現場は見ないけれども、証人その他によると、ただ土地収用にかけるという通知の内容証明のように思えるのですが、あなたはさっきから強制測量と言われるが、どういう強制測量を関西電力はやろうとしたのですか。
#77
○坪井証人 言葉の間違いがあるかもしれませんが、私が申し上げているのは、土地細目の公示があったときに地元がまだそれに対して承諾していない、反対しているという面で、会社側の方では二十人も三十人も現地に人を出して測量する、こういうことを申し上げておるのであります。
#78
○坂本委員 そうしますとただ土地細目の通知をしただけで会社から二十人も三十人も――会社ではあるいは間組に頼んだかもしれませんが、測量に来たのですか、来ぬのですか。その点どうですか。
#79
○坪井証人 お答えいたします。私が聞いておりますのでは、たしか十月七日から三日間にわたりましたと思いますが、人数のことは二十人以上だと思いますが、そういうことで反対しておる現地へ入って測量を実施したのであります。
#80
○坂本委員 その測量に来た際に地元は反対しているわけですね。そこであなたは、さっき、何か測量する方と地元民の間に衝突が起るかもしれぬから取り締った、こういうわけでしょう。こういうような場合は測量に来ても、違法な測量であればそれを帰さなければならぬ。帰すのが、あなたたちが地元の安寧を保つ第一の道だと思うのです。かりに測量といってもこれは民事的の問題ですから、業者がやる民事的な問題だから、地元民が絶対反対しておるなら、そしていろいろな衝突が起りそうなら、測量隊に話をして帰すのが、地元の安寧を受け持つところの巡査の職務じゃないかと思うのですが、そうせずに、測量に来たらしょうがない、地元民のお前たちがだめだと、あなたたちはそうやられたと思うのですが、その点はどうされましたか。
#81
○坪井証人 お答えいたします。警察の方といたしましては、そういう状況がございましたので、そこに暴力さた、犯罪が起きるというおそれがありましたので、現地に警察官が出ました。しかしながら、現地に出ましたけれども、警察官は全部私服でございました。あまり両者を刺激してはいかぬという面から警備実施をやったのであります。
#82
○坂本委員 私服はどういうことをしたのです。
#83
○坪井証人 結局両者を刺激するようなことがあってはならないということにおいて私服で出ました。出ましたが、その日は会社の測量隊がほとんどでございまして、地元の者は警察で思ったほど出ていなかった。ですからこんなことなら警備の必要がないじゃないかということになりまして、一応山の中へでも入って遠くから見ておれ、もしまた地元の方からどっと出てきてじゃましてけんかになったらいかぬから見ておれということで測量隊からずっと離れたところへ入りまして、警備に当っておったわけでございます。それだけでございます。
#84
○坂本委員 どういう警備に当ったかという点が一点、それから警察官は何人ぐらい行ったか、あなたはそれについて行ったかどうか。
#85
○坪井証人 お答えいたします。何の警備に当ったかという点でございますが、これは万一、一方は測量を強行する、一方はそれに対して反対しているという切迫した状況でございましたので、あるいは破壊ざたになってたたき合いになったらというそういう心配がありましたものですから警備に出ましたのです。それから現地に参りましたのは私以下十名が出ております。
#86
○坂本委員 この際強制測量をするから、しかし地元民が反対するからそれを阻止し排除してもらいたい、そういう要請を受けたかどうか、それをお聞きしたい。
#87
○坪井証人 そのようなことを頼まれたことはございません。警察独自の活動として行なったのであります。
#88
○坂本委員 果して適法な強制測量であるかどうかという点は、どういう点で確認されましたか。
#89
○坪井証人 お答えいたします。これは先ほどから申し上げておるのでございますが、土地収用法による土地細目の公告をして知事の許可を受けて測量をするということで、地元が反対しているものについて測量するということでございました。
#90
○坂本委員 そういうところは、果して強制測量が正しいかどうかという点は何で確認されたか、それをお聞きしておる。ただ評判だけ開いてあなたは出動していったのか。強制測量があるならちゃんと適当な方法があるはずだから、それを確認したかどうかをお聞きしたい。
#91
○坪井証人 それは知事名で土地細目の公告があったのを確認しました。
#92
○坂本委員 土地細目の公告は確認した、それはそれでよろしい。しかし強制測量は別のことですよ。これは地元民が承諾するならば測量してよろしい、反対するならば相当の立会人をつけて測量しなければならぬ、そういう点はあなたは強制測量ということを確認してやったか、確認したならばどういう点を確認してこれは正しい測量であるということに自信を持ち、これに反対するものを阻止しよう、そういうような取り締り上の確信がなければいかぬし根拠がなければいかぬ、それをお聞きしております。
#93
○坪井証人 それはすでにそういういろいろの話も出ておりましたので、会社に対しても電話で聞きましたし、また地元の者たちもこういう手紙が来ているのだというこを言っておりますし、たしか平瀬の派出所へはこんなものを持ってきているのだがという会社から出した強制測量の通知書を、持ってきて、測量のときに立会してくれという、それを持ってきたことによって確認されたわけでございます。
#94
○坂本委員 そこであなた以下警察官が十名出動しておったわけですね。それは私服でもいいでしょう。その場合他人の土地に入るわけでしょう、だからどういう権限で入るかどうか、もし権限がなくて入るならば、入ろうとするやつを排除するのが警察官の職務でしょう。ことに地元は反対しておるようなそういう状態であるし、あなたたちは地元の利益を守る警察官なんでしょう。それをあなた方は山の中からどこかへいって、遠くへ離れて見ていたというのだが、他人の土地に測量に入るならばこれは正当の権限があって入らなければならない、そういうのを確かめたかどうか。どういうものを持っておったから正しいと考えたのか、それをお聞きしているのです。
#95
○坪井証人 そういうことについては土地に測量に入るということについて警察がそれを差しとめるということはできないと思っております。
#96
○坂本委員 あなたはその測量に部落民が反対したならばそこに問題が起るかもしれぬからというので行かれたんでしょう。行った以上は、他人の土地に不法に入るならば、警察官はそれを排除しなければならぬでしょう。それを確かめずに黙ってみておった。それなら何の取り締りに行ったんです。あなた方は地元民のための警察官でしょう。しからば会社の者がやたらにその土地に入るならば所有権の侵害をしているでしょう。だからそれを排除されるのがあなたたちの職務じゃありませんか。入るのをただ見ておったならば――もちろん正当な権限があって入る場合もあるでしょう。少くともあなたは派出所の責任者でしょう。どういう権限で入るのかということを確かめて、正当でなかったら、部落民が反対しておるから、正当にしてきたらいいじゃないかといって注意するのが当りまえでしょう。確かめずにやったんですか、どうですか、もう一ぺんお聞きしたい。
#97
○坪井証人 お答えいたします。それによって発生するところの犯罪の防遏のために警備に当ったのでございます。
#98
○坂本委員 部落民の土地に他人が入る場合においてはそれを排除するのが当りまえでしょう。あなたは、他人の家に入っても巡査は黙ってみておるのですか。その際けんかでも起ったならばけんかが起らぬように取り締るのが巡査でしょう。しかしその前に部落民の大事な土地に測量に入るならば、正しい権限で人っておるかどうかを、あなたたちは十人も警官を連れて出ておるのですから、調べて、そうして正しい権限で入っているのでなかったら帰らせるか土地に入らせないのが当然でしょう。それをあなた方は調べなかったというのはどういうわけですか。不法に人った者に対して、向うが反対してそれを恕った場合に、あなたはどうするつもりでした。測量をやめさしてその混乱を避けるつもりでしたか。混乱をさして部落民を検挙しようというそういうつもりでおったんですか。まずその権限を確かめもせずに行って警察官はそれで済みますか。確かめていないから結局部落民を圧迫して会社を援助したということになるのです。そういうことになってもあなた正しいと思うのですか。正しい警察官の職務を遂行したと思うのですか。その点をお聞きいたしたい。
#99
○坪井証人 お答えいたします。そういうふうに家の中に入ったということになれば、これは住居侵入ということになると思います。たんぼの中に――土地細目の公告があったのちに会社がやるということについて警察がそれを差しとめるということはこれは警察としては行き過ぎだと思います。
#100
○坂本委員 そうするとあなたたちは部落に、二十人も三十人も大挙してその土地に入った場合でもそれは何ら関係がない、刑罰上の問題でも違反でもないと思っているのですか。あなたは軽犯罪法なんか知っているのですか。他人の土地に入ったならば軽犯罪になるでしょう。砂川の問題なんか、軽犯罪で警察官が何千名も出動してやっているじゃありませんか。測量隊が部落民のたんぼの中に入るならば、それは軽犯罪に入るでしょう。それを排除するのが警察官の職務じゃないですか。それをあなた方は気がつかなかったんですか、どうですか。気がついていてやらなかったのですか、どちらですか、お聞きいたしたい。
#101
○坪井証人 お答えいたします。そういうことは先はど申し上げた通りでございます。
#102
○坂本委員 通りとはどういうことか。
#103
○坪井証人 そういう土地細目の公告があった後に、会社が県の立会官の立会をして強制測量をするということについて警察がそれを実力をもって差しとめるということは警察としては中立を欠くものだと思います。
#104
○坂本委員 強制測量はあなたは何も確かめなかったのですか。またそうして入るのは自分たちは何もかまう必要はないというのだが、それでは強制測量について正当の立会人があってこれをやっておるかどうかということを確かめましたか。立会人はだれだれですか。
#105
○坪井証人 それは会社に電話をしまして聞きましたところが、県の立会官の、ちょっと名前は忘れましたが、県の立会官が立会をするということでありました。
#106
○坂本委員 起業者である一方の方に電話をかけて聞いて、県の立会官がやる。それだけであなた職務が済むと思うのですか。土地の者が反対して測量を拒否しておる場合はちゃんと立会人である証明書を持って、そしてそれを示してその土地に入らなければ違法なんです。それではあなたたちは現場で他人の、農民の土地にそういうちゃんとした証明書を持った立会人によって入っておるということを確かめられたか、どうですか。さっきから確認したかどうかということはそういう点なんです。
#107
○坪井証人 それはちょっと名前は忘れましたが、県の立会官が来て立会をしてやるということを確認をして……。
#108
○坂本委員 何で確認をしたのですか。
#109
○坪井証人 それは会社の方に連絡をとりまして、こういう人が来て立会をしてやるのだということで確認をしたわけでございます。
#110
○坂本委員 会社に電話をして、県のこれこれが入って測量するからお前たちよろしく頼むぞ。農民が反対するのは追っ払ってくれと頼まれたから君らやったのでしょう。そう思えるのです。あなたがほんとうの警察官として、地元民の代表であり、また会社の代表であるならば、なぜ現場で農民の土地に入ることを確かめないのですか。会社に電話をかけてこれこれだと聞いて、はい、よろしゅうございます、農民が反対したならばあいつらを排除して測量させてやりましょう、そういう気持でやったのでしょう。それがあなたたちの実体だろうといわれても、実際確かめていないじゃないか。それであなたたちはほんとうの農民を守る派出所の巡査といわれますか。もっと慎重にやるべきでしょう。そういうのを確かめずに、入っているならば入ったのを排除して、正当なものでやれ。もちろんその土地の所有者が承諾したならば、そういうようなことは要らない。反対しておるからこそ正当な二名以上の立会人をつけて、そうして入って測量しなければならないという法律の規定がある。あなたはその法律を知らなかったのか。ただ会社から頼まれたから、よしよし反対したならばやってやろうということで測量をやらしたのじゃないか、われわれにはそう思えてしょうがないから、もっと忠実に職務をやったならば、やっただけのことを言うなら言ってごらん。
#111
○坪井証人 お答えします。そのような不公平な取扱いをしたことはございません。測量に出るときには会社側も派出所へ寄りまして、そうしてもし地元が反対をするということで、けんかになるようなことがあったならば、向うがスコップを振り上げてくれば、こっちはとび口でいくということになるから、血を流すようなことになるから、そういうことのないように、十分一つ気をつけてやらなければならぬということを警告して出しました。また家の問題のときに、会社が告発をすると言うてきましたけれども、家を建てたことについて、大体会社の者は注意をしたのか。ちっとは家を建てたことについて地元に注意をしたのかということを言いましたところが、これは告発書も出さずに帰っていったのでございます。決して不公平な取扱いをしておるようなことはございませんし、また会社から頼まれたというようなことは全然ございません。
#112
○坂本委員 それでは整理して聞きますから、聞いただけに答えて下さい。交番に会社側を呼んで、話された会社側の人間は何人であり、名前はだれか。その際に強制測量するならば、さっき言ったような立会人が要る。その立会人が正当な証明書を持っておるかどうか、それを確かめたかどうか。これが一つ。
 それからもう一つは、会社側が告発をすると言った。しかし自分の土地に自分が建物を建てるのは土地細目の通知があろうと何しようと、ちっとも関係がないことです。そのくらいのことはあなた方は知っているだろうと思う。その場合、お前なんか告発する権利はないじゃないか。何言っているのか、そういうようなことは、部落民の代表として言われたかどうか。その二つの点についてお答え願いたい。
#113
○坪井証人 お答えします。強制測量のときには、本署から先ほど申し上げました葡萄原警部が――これは会社の側の測量実施隊の責任者として行くところの森田という人でございます。
#114
○坂本委員 一人ですか。
#115
○坪井証人 一人であったと思います。
 告発のときには、最初、たしかあれは九日ごろでなかったかと思います。夜でございましたが、会社の庶務係の土井という方でございました。この方が派出所に参りまして、とりあえず口頭で告発をするが、あした高山の署長のところに行く、こういうことでございました。これはあとで高山の署長から聞いたのでございますが、実はそのときに田中事務部長という方が署長のところに来まして、家を建てたので告発する、こう言ってきたそうでございます。これはあとから私が聞いたのでございます。それはちょっとおかしいじゃないか。それは家を建ててあれするといっても、だれが建てたということもはっきりしていないし、それで告発するといってもおかしい。お前の方でまず第一に、一ぺんも注意をせずに告発するということはおかしいじゃないかということを言いましたところが、告発書も出さずに帰っていったのでございます。そういうことでございます。
#116
○田中(彰)委員 関連。あなたは先ほど土地収用法で、家を建てるとこうなると言われましたが、西村証人がこういうことを言っているのだ。私たちはもはや無理に測量されてしまって、そうして「測量を食いとめることもできないんだし、やらさしてしまった。まあ最後の一線だ、そういうことでみんなで家を建てたのでございます。そしてもうここで四軒くらい残されたって、やがては雪のために死ぬんだから、いさぎよくダムの中で死のうじゃないかという申し合せで、突いてきたら絶対がんばるぞ、そういうので家を建てたのでございます。そうしたら警察の方から、君たちああいうことで家を建ててはいかぬじゃないか――その警察の人と部落の人、中森良太郎というのでございますけれども、学校の前で話されましたが、私は授業をしておりましたが、途中で先生紙を一枚くれんかと言いますので紙をやりました。あとから聞いてみましたところが、その紙に法何条、法何条とだけ書いてございました。私何条か忘れましたけれども、この法によって君たちは体刑も受けねばならぬし処罰も受けねばならぬ、それでどうするんだと言うので、中森良太郎がいろいろ自信満々で語られますが、おれたちはもう死を覚悟してやっている仕事でございまして、もう罰金もよう出しませんし、体刑になってもかまいません、もうどうなってもかまわぬのでございます。それはそうとして警察の方に一つお尋ねしますが、私の聞くところによるとこの間からああやってたんぼへ石ころを落し、たんぼを掘り返すからということを再三再四あなたの方にお願いに行っても、きょう現在まで何とも返事をもらえぬじゃないですか、私たちが家を建てたからといって、先の問題を解決せず、私たちが家を建てたことがどうして悪いのでございますか、そういう質問をされたところが、何かそれは民法と刑法との取扱いで――こういう質問は私もしましたし、中森さんもしたそうです。もしここである者がゆうべから私のたんぼへどんどん石ころを落す、その人にどうしておれのたんぼに石ころを落すんだ、いかぬじやないかと言っても、その人が勢力が強うて、なに、かまうものかといった場合に、警察を顧む以外にしょうがないのだ、そのとき警察でその落す人を何とかならぬものですかと言ったら、それは警察で絶対にさせないと言う。そうすると問題は、関西電力ならいいし、ある者ならそれは民法と刑法との建前でできないということはおかしいじゃないかということを言われたそうです。」こういうことを言っておる。これはあなたが今言われた通りなんです。あなたは民法と刑法とを言い分けし使い分けをしておられるが、そのときこの人たちはこういうことを言った、雪で残っても仕方がない、どうせ野たれ死に、ダムの中に埋まって死ぬのだから、私たちは死ぬ覚悟で家を建った。学校の先生に紙を一枚くれといってもらった。その紙には何条、何条と書いてある。お前たちは体刑を受けなければならない、だからお前たちはこれについてどうするのだ言ったところが、部落の中森という勇敢な人が、それはおかしいじゃないですか、私の方のたんぼにどんどん石をころがし落し、たんぼをみな掘り返えしてしまう、困るからといって警察に届けに行っておるのに、返事をくれない。警察に頼みに行ったのに民法だ、刑法だという。私のたんぼに石を落す、何の対抗もできないときは警察にいったらどうするのですか。そういうことはさせない。そんなら私の方もやってくれたらよいじゃありませんか。それを土地収用法は刑法だと言っておる。こういうことを言っておるが、あなたはそういうことを何も認めないで、ドロ刑みたいな男であるから、あなたは過去の調べた体験でやっておられるけれども、これはあなただけでは済まない、今度隊長も呼びます。あらゆる人を呼ぶことになる。そうすると結論としてはあなたは責任を負わなければならぬ。土地収用法も知らぬ、それから土地を侵害されたということは刑法であるか、民法であるか知らない。こういうことでこんなことが出てくるとこれは問題なんです。やはり検察庁が調べるとか、あなたの偽証が出るということになる。こういうことはちゃんと言っておるのですよ、若い学校の先生ですよ、うそなんか言っておりません。知らぬことは知らぬと言っておる。あなたはおかしいじゃありませんか。部落民のことになると刑法問題、民法問題、会社側になると民法の問題でも刑法であるといっていじめるし、あなたはちゃんと言ってるじゃありませんか。どうですか、この速記録をよくごらん下さい。
  〔田中(彰)委員速記録を坪井証人
   に示す〕
#117
○坪井証人 お答えいたします。紙を私がもらってあれしたというようなことはないと思います。紙は私はもらった覚えはありません。これは中森さんが先生のところへ行ってもらって書いたんだと思います。
 石の問題につきましては先ほど申し上げた通りであります。(田中(彰)委員「土も掘り返したと書いてある。石だけじゃない」と呼ぶ)そのことにつきましては前回申し上げた通り、相違ございません。
#118
○山田委員 私は角度を変えましてお尋ねしたいのですが、鳩ヶ谷ダムで、毎日水がたまってくるときに、あなたは人命救助の立場から、子供がその川を越して学校へ行くのに、毎日々々水が一尺あるいは一尺五寸というようにたまってきて、子供が学校へ通うのに問題は起らなかったけれども、この問題についてはやはり警察も何か当局に注意することをやってしかるべきだと思うんですが、何かそのことについて注意することがありましたか。
#119
○坪井証人 お答えいたします。私の警察のところから現地までは約九キロございます。山の中でございます。当時そのような、子供が水につかって学校へ行けなくなるというようなことは届出もありませんでしたし、お話も聞いたことはございませんでした。
#120
○山田委員 ダムが、水がたまるということになれば、それはどの地域にまで水がたまるというようなことは警察としても当然注意しなければならぬと思います。警らの衝に当る人たちはやはりそのことによってどんな事態が起るだろうということは常識的にわからなければならぬだろうと思うんです。そういう点について、われわれも行けばすぐわかるのが、地元の駐在所にそういうことが全然わからなかったのか。それとも子供だからもう幾ら水がたまっても、川を越して学校へ行くだろう。そんなことで簡単に考えて、駐在所のおまわりさんも、そのことについては会社側へ何の折衝もしなかったのか、全然知らなかったのか、どっちなんです。
#121
○坪井証人 その当時は全然聞いておりませんでした。
#122
○山田委員 聞いていないというけれども、駐在所がある以上はたとい九キロ、十キロ離れておったにしろ、学校もあり、部落もあって、学校への通学区域であることはわからないはずはないんです。こういう点について子供がおぼれ死にすることが起らなかったからよかったけれども、ぼんやりしていると、どういう事態が起るかわからなかったと思うんですよ。これについては警察当局では全然知らずにおった、こういうことなんですか。
#123
○坪井証人 その当時警察が知っておれば当然これは人命救助という面で何らかの措置が講じられることは当然でありますし、講じなければならなかったと思います。
#124
○山田委員 相手が子供なんで、やはり駐在所の巡査も注意しなかったんだと思うんですよ。そういう点で知らなかったと思う。やはり事がおとな同士の話になれば、あなた方及び駐在所の人たちも注意するであろうけれども、事が小さな子供のことであるので、眼中に置かなかったと思うんですよ。そういう点で、これからもあの山村に起り得ることであるけれども、子供のことについてもやはりもう少し注意をしなければ、毎日一尺ないし一尺五寸も水がたまってきてこの寒空に裸になって学校に通うということではまことに気の毒だと思うんです。そういう点について、やはりこれからダムの水がどんどんふえてくることが考えられるわけなんですから、部下に細心の注意を払っておかないと、人命救助の見地から、私は及びもつかない事態が起りやしないかという気がいたしますので、この点あなたに確めておくわけなんですれども、全然知らなかったのですか。
#125
○坪井証人 その当時は全然聞いておりませんが、最近そういう話を聞いたわけでございます。ところがすでにそれについては引っ越しも済まされたあとでございます。その当時といたしましては、警察としては全然届出もありませんでしたし、警察の方でそれを聞いたということもありませんでした。
#126
○上林委員長 申し合せの時間も参りましたので、この程度にしたいと思います。それで坪井証人に対する尋問はこの程度にて終ります。
 坪井証人には御多用中御苦労さまでした。退席されてけっこうです。
 この際暫時休憩いたします。午後一時半より再開いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時五十二分開議
#127
○上林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 それでは午後は岡部証人より証言を求めることといたします。委員長よりの尋問はこれを省略いたしまして、直ちに委員各位よりの御発言をお願いいたします。まず山本猛夫君御質疑を願います。
#128
○山本(猛)委員 岡部証人にお尋ねをいたします。私のお尋ねいたしますことは、主としてあなたの当委員会の視察団一行の公務妨害についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 まずその前に、九日にあなたの健康がすぐれなかったということを伺っておりますが、どういうような状態で健康がすぐれなかったのか伺っておきたいと思います。
#129
○岡部証人 お答えいたします。ちょうど十月の三十日だったと思いますが、気分がすぐれませんので、医者の診断を受けました。そのときに第六肋骨にひびが入っておるということが発見されまして、同時に血圧をはかりましたところが百でございまして、従って医者から旅行その他一切やめた方がいいということを言われておったのでございます。
#130
○山本(猛)委員 そういう状態にあって御旅行された理由。
#131
○岡部証人 それで当委員会が御出張になりますことがわかりましたので、さらに随行いたします者が必要でございますので、医者にもう一度見てもらいました。それがちょうど十一月五日だったと思います。医者はやはり健康状態から見て、旅行はやめた方がいいということを言うたのでございますが、総裁、副総裁にその話を申しましたところ、ほかに行く者がないからどうしても無理に行ってくれ、従って随行は御遠慮して現地でお迎えするようにすればいいということで、そういうふうにいたした次第であります。
#132
○山本(猛)委員 私どもが出張をいたしました当夜であります九日の晩は、岡部理事はどこにおられて、どこに宿泊をせられましたか。
#133
○岡部証人 九日の晩は御母衣の当会社建設所の宿泊所に三時からずっとおりました。
#134
○山本(猛)委員 お尋ねをいたしますが、十日にあなたが現地の死守会と称する御母衣ダム建設反対の団体にお会いになっておられますが、そのお会いになりました用件。
#135
○岡部証人 死守会とは、ことしの春以来何とかして賛成の方向に持っていっていただきたいということを従来とも種々お願いをしておったのでありますが、ちょうど久しぶりで御母衣へ参りまして死守会の方に会わずに帰るわけにも参りませんので、一応新総裁更迭後のごあいさつをしたいということで面会を申し込んだわけでございます。
#136
○山本(猛)委員 あなたが死守会の人たちに会われましたその前日の九日の三時に到着をせられてから、あなたの命を受けて、死守会の陳情団は決算委員会に会わせないように、そうしてその方法としては決算委員会に陳情をするという場所を変更して、別な場所であなたと死守会の団体が会って会合をするように仕組んだ方がよろしいというあなたの命を受けて、さように取り運んだ人があります。これは的確な情報でありますが、あなたはこれをお認めになりますか、お認めになりませんか。
#137
○岡部証人 私はだれにもそういう命令を発したことはございません。
#138
○山本(猛)委員 あなたは健康がすぐれないから決算委員会の一行を出迎えることができない。こういうふうに言っておられましたことと、その後われわれ一行のところに参りましたことと、それからもう一つはあなたのとられました現実行動とは背反しております。そこに私どもは疑惑を持たざるを得ません。健康がすぐれなくて、今あなたの御証言によりますと、電源開発の本社からだれかが、決算委員会の一行が現地に行くので同行しなければならない。現地でそれを迎えなければならないという御証言のように承わりましたけれども、それとあなたのおやりになりました現実行動とはマッチしておりません。どういうことであるのか疑惑を持たざるを得ませんので、それを御解明願いたい。
#139
○岡部証人 ただいま山本先生から行動が一致しておらぬというお話でございますが、私は当日朝建設所の現場にお出迎えいたしまして、事務所でお話を申し上げ、さらに保木脇のところまで随行いたしまして、その後関西電力のところに参りますので、そこで帰りました次第でございまして、毛頭そういうつもりはございません。
#140
○山本(猛)委員 私は個人的にはあなたに何の恩怨もございませんが、われわれの得ました的確な情報ではこうです。決算委員会の一行を郡上八幡に泊めて酒さかなの料理を供し、御自分は一足先に現地に乗り込んで行く、こういう仕組みをされたのでありますが、われわれはその酒さかなはごちそうになっておりません。そういうような仕組みをされて、しかも健康がすぐれないというあなたがわれわれよりもさらに奥深くお入りになっておられる。そして前夜のうちに、あくる日の決算委員会一行の視察妨害の仕組みをやっておられる事実は厳として否定できません。あなたはそれをどうお思いになりますか。
#141
○岡部証人 私はそういうことをやった覚えはございません。
#142
○山本(猛)委員 それではもう一つお伺いしますが、あなたは十日に死守会の一行とお会いになっております。九日の前夜までは人と会うこともできない方が、決算委員出迎えのために行かれて、決算委員会のわれわれと会うこともできないような健康状態であった方が、あくる日はおなおりになってお会いになったのでございますかどうか。
#143
○岡部証人 決してなおって会ったわけじゃございません。しかしながら御母衣ダムの補償の重要性から考えまして、どうしてもごあいさつをして帰らなければ悪いと思いました。
#144
○山本(猛)委員 あなたは死守会の人たちには、決算委員というのは金を使わせないことをやっている委員会のメンバーである。同時にまた収入があった場合には、徴税等にも影響するようなことをも探索する性質を持っている委員会のメンバーであるから、これには会われない方がよかろう、こういうようなことをあなたの会社の人たちに言わしめて、その晩のうちに会合が行われました。これは先般地元の証人を呼びました際の証言でも明らかであって、当委員会の記録に明記せられておりますが、明らかにさような事態に相なっております。そしてその情報を他にもたらした者があります。その情報を連絡した人の言葉によりますと、とうとう会社にやられてしまった、会社の手が回ってとうとう正しい行動ができなくなってしまった、こういうことを言っているのであります。これらの点は先般当委員会に出頭いたしました他の証人の証言によって、当委員会の記録に明記せられております。これでもあなたは否定なさいますか。
#145
○岡部証人 私はそういうことをやった覚えはございません。また命じたこともございません。
#146
○山本(猛)委員 まだあなにお尋ねいたしたいこともございますが、あなたへの質問の時間を限られておりますので、他の委員に譲りまして、私は後刻また機会を得てあなたにお尋ねしたいと思います。
#147
○上林委員長 他に御発言はありませんか。――田中彰治君。
#148
○田中(彰)委員 岡部証人にお尋ねしますが、あなたは先ほど医者の診断を受けた結果からだが悪い、そこで実は休ましてもらいたい、こういうことを言われたのに、だれも行く者がない。君行ってくれないかと総裁、副総裁から頼まれたからあなたが無理して行かれたとおっしゃっているのですね。そういう場合にからだに無理をしてまで行かれることならば、何もあなたが先に御母衣ダムにおいでにならないで、われわれと一緒に行動された方が、いろいろな説明を聞いたり、あなた方のお話を伺ったり、いろいろ陳情を聞くについても便利じゃないですか。それをあなたがずっと先に行かれて山に入ってしまわれるというように無理をされなくてもいいのじゃないか。別にあなは技術屋でも何でもないのですし、現場へ行けば現場の所長がいるわけですから、それでは総裁、副総裁があなたに行くように言われた趣旨に反するじゃないですか。それについてお伺いします。
#149
○岡部証人 田中先生のおっしゃいますような考え方もできると思いますが、当時総裁、副総裁と話をしましたときに、先生たちの御出張の御予定が非常に強行軍でございましたので、一日前にゆっくり行って現場でお目にかかってこいと指示されて、一日前に参ったわけであります。
#150
○田中(彰)委員 強行軍といっても、こちらから行くのはちゃんとああいう一等車でもあったのだし、無理はしておりません。また向うへ行ってもすぐに御母衣ダムに行かないで、岐阜市内の、今度道路を切った現場を見せてもらう余裕があったんだから、別に私たちは強行軍だとも思わないし、事実強行軍じゃない。そこであなたが先に現場に行っておっても、別にあなたは技術屋でもないし、そうむずかしいことをお尋ねしたところでわからないのですから、それではあなたが先に行かれた趣旨が何にもならぬじゃないですか。やはりあなた方に電源開発のいろいろな話も聞いたり、われわれが行く趣旨についてもお話したり、どうやるとか、こうやるとか、こういうものはこうだとかいうことを聞いていくためにあなた方に御同行願うのであって、向うに行って技術面を聞くのは、あなたよりも所長や技術屋がおるのだからその方がいい。その点あなたは何ともお思いにならないのですか。あそこで十分か二十分説明されるのなら、何も無理にあなたのからだが悪いのにおいでになる必要はないんじゃないですか。その点どう考えられますか。
#151
○岡部証人 少くともそのときには、それでも行かないよりは礼を失しないというように考えておったわけであります。
#152
○田中(彰)委員 礼を失しないということなら、あなたが東京駅なら東京駅までおいで下さって、実はきょうはからだが悪い、医者の診断書もこうやってとってあるんだから行こうと思っても行かれない、よろしく頼むと言われた方がむしろ礼を失しないのじゃないですか。先にあなたが行かれてしまって――村の陳情とあなたの会社の考え方にはいろいろ反対の意見があったからわれわれが行くのでしょう。それをあなたが先に行ってしまわれて、われわれが行かないうちにその電源開発の現場に行っておられる。そしてあくる日には五分か十分立ち会ったでけであなたから別に何の詳しい話も聞かない。あなたのとられた行動はわれわれの要求しない行動だ。これが礼を失しないと言うのはおかしいじゃないですか。礼ということをおっしゃるなら、東京駅に出て来るなり、あるいは強行軍であっても汽車に乗るのにはあの汽車が一番いいのだから、岐阜まであなたが一緒に行かれて、岐阜でもって実は自分のからだの工合が悪いから、私はあとからゆっくり参りますと言われる方が礼を失しない。礼を失しないとおっしゃったあなたが先に強行軍で向うの山まで行って待っておったというのはおかしいじゃないですか。僕はそれはちょっとおかしいと思う。あなたはどう考えられますか。
#153
○岡部証人 私は一日前に東京を立っておりまして、先生たちの費されました時間よりは十分時間をかけて現場へ参っております。
#154
○田中(彰)委員 それであなたは岐阜でお泊りになりましたか。
#155
○岡部証人 名古屋で泊りました。
#156
○田中(彰)委員 おかしいですね、名古屋から岐阜までわずか一時間もかからないのに、別に名古屋でおりなくても岐阜でお泊りになってもけっこうじゃないですか。岐阜と名古屋は名鉄の急行に乗ると三十分で行くところだ。これはおかしいですね。どうして名古屋でお泊りになったのか。
#157
○岡部証人 先生のおっしゃる意味がよくわからぬのでございますが、岐阜でも名古屋でも御母衣に入りますときには全然同じように考えております。
#158
○田中(彰)委員 あなたが健康のためにされたならば、やはり岐阜まで三十分くらいで行かれるんだから、岐阜から行かれた方が近いでしょう、名古屋でおりた方が近いのですか。
#159
○岡部証人 岐阜と名古屋との自動車の道は違いますので、確かに先生のおっしゃるように三十分くらい違いがあると思います。しかしながら岐阜で泊るとか名古屋で泊るとかいうことは、ちょうど私「はと」に乗って参りましたので、岐阜でとまりませんので、名古屋でそのまま泊ったわけであります。
#160
○田中(彰)委員 あなたが「はと」に乗っていかれて、そして名古屋でお泊りになって、名古屋からまたわざわざ岐阜まで出られて、それから向うに行かれるのならば、われわれと行かれたって、われわれの乗った汽車も「はと」と少しも変らない。それだったら何もあなたが岐阜まで行かれて、岐阜で私はからだが悪いから明日の朝にでもと言われたって、そう時間も変らないし、一向かまわない。あなたが先に出られて、そして山に入ってしまうのだったら、先に出る必要はないでしょう。それだったら何もわれわれと行動をともにされたって、そんなに強行軍じゃないでしょう。あなたが工合が悪いのなら、名古屋で泊るより岐阜の方が空気もいいし、御母衣もに近いでしょう。その点から見て、何も名古屋にお泊りになって、そこから自動車で三十分も乗るようなことをなさらなくても、岐阜にお泊りになったってよろしいでしょうし、あるいは岐阜からわれわれと一緒に行かれて、そしてわれわれが途中で泊るとしても、あなた御自身はおいでになってもかまわないでしょう。そういう点があなたのおっしゃることと、われわれの常識で考えることと、どうもぴんとこないのですが、あなたはどうお思いになりますか。
#161
○岡部証人 先生方を岐阜でお迎えすることを考えておりますれば、もちろんそうしたのですが、現場でお迎えするつもりでおりましたのです。ですから岐阜まで行って泊るのも、名古屋で泊りまして直接行くのも同じように考えております。別に特にそれはどうだということを考えずに、行動いたしたのであります。
#162
○田中(彰)委員 私がお尋ねしておるのは、そこじゃないのです。あなたが健康上われわれと別行動をされたならば、やはり名古屋でおりられて、名古屋からまた三十分も自動車によけい乗られるようなことをなさらぬで、汽車の方が自動車より楽なんだから、岐阜でもってやはりお泊りになった方がよい。しかも今度われわれが帰りに寄ってみれば、あなた方電源開発関係の人が始終行かれるりっぱな料理屋や旅館もあるんですから、ああいうところでゆっくりお休みになって向うに行かれた方がけっこうじゃないですか。あなたが健康上の理由のことを言われるなら、あなたが名古屋でおりて三十分も自動車に乗っていかれたというようなことがどうもわれわれには受け取れないのです。これはまた総裁、副総裁にも聞きますが、あなたは今日一日聞いてもとても聞き切れませんから、あとまた二、三回呼び出してゆっくり聞きますが、とにかく総裁、副総裁にしてもそうじゃないですか。永田所長みたいに技術屋であって、その人の説明を聞いた方が、現地の人の説明を聞くより有効であるというなら別ですが、あなたはあまり経験もないようですし、やはり現地の技術屋の方が知っているのですから、わざわざ現地まで行かれて、現地で五分や六分お会いになって、それで礼を失していないとお考えになるくらいならば、東京駅で見送ってもけっこうだし、前の日に診断書を出していただいてもけっこうだし、またあなたが決算委員のことを考えてあんな山の中に入っていくという御同情があるなら、岐阜の駅まで行かれて岐阜でお帰りになってもかまわない、そうでしょう。その点がどうもあなたが何と抗弁されてもおかしいと思うのですが、どう思われますか。
#163
○岡部証人 先生がそういうようにおっしゃれば、そういうようなお話にもなると思いますが、私はともかくもお迎えすることが一番正しいと思いまして、そういう行動をとったわけでございます。
#164
○田中(彰)委員 もしあなたがほんとうに健康的なことを考えて決算委員がわざわざ出張するということに礼を失しないようにしたとおっしゃるなら、われわれの泊ったあの郡上八幡にむしろあなたが先に行かれてお休みになっておって、そうしてわれわれが行ったならわれわれとお話をされたりして、あくる日にわれわれと一緒に行かれた方が健康のためにいいのじゃないですか。先に無理をして、三時か四時にお入りになったそうですが、あそこまでの長い間自動車に乗るということは――汽車は健康にそうさわりはないが、むしろ自動車の方が悪いのです。あなたがことに健康のことを言われ、われわれと行動を別にされれば礼を失しないというなら、郡上八幡の旅館にあなたがお待ちになっておって、どうも疲れるものだから先にここへ来て待っておったということでわれわれに話をして向うに行かれた方がよかったのじゃないですか。どう考えられますか。
#165
○岡部証人 郡上八幡でおりますよりも、現場まで自動車に乗って約五時間ほどでありますが、それで寝て参りました方が楽じゃないかと思ってそうしたわけであります。
#166
○山田委員 関連して。岡部証人に伺います。私も実は何の気なしに建設事務所で岡部さんにお目にかかったのですが、今あなたにお尋ねしなければならぬと思われるのは、実は前の晩皆さんと一緒に行けなくて東京駅を夜中の十一時十何分の汽車で出て御母衣まで一睡もせずに直行したわけです。直行して事務所へ案内されて行きましたら、あなたが机の向うに一人おられた。私はあとから追いつくために行ったのですから、着いたのは昼過ぎの一時ごろです。あなたもだいぶ疲れた顔で机の向うにおられましたが、あいさつをされたときに、からだの調子をこわしておるので御案内ができないのを残念に思います、皆さん先に行かれておるようですが、案内者をつけますからどうぞよろしくということであった。私もあのときあなたが東京からおいでになっておるとは思わなかった。まあからだをこわされて案内しないのは無理もないと思っておったのでありますが、それから何時間もたたないのに、おそらく一時間か一時間半くらいたったと思われるときに、あなたは小学校の二階の講堂で床の間を背負って白川村の村民たちを相手にしてお話をされておった。私はあの様子を見たときに、ものの一時間もたたない前には私にからだをこわしておるとあいさつしながら、今ここに出るためにからだをこわしておると言って出てきたのかなと、こう直感したときに、何だこれは議員をばかにするものだと思った。ほかに用事があって出られない、案内できないというなら別に文句を言うわけではないが、当面会社の重要な立場におられて、からだをこわしておるということで用事を断わっておるということは差しつかえないとしても、どうも私たち、あるいはほかの議員たちも納得がいかないのは、からだをこわしていて案内ができないと言いながら、一時間か一時間半の後には白川村の人たちと話をされておったということであります。あなたは先ほど山本委員の質問に対して、せっかく行ったので会って帰るつもりであの村民に会ってきたというような意味のことを言われましたが、私たちが行ったことについてさっぱり熱意がなかったのじゃないかという印象をわれわれ受けるのです。それであなたが村民と一生懸命になって話をされておったということから理解されない点が出てくると思いますが、一体最初から議員の案内をする意思がなかったのじゃないですか。会う必要で行かれたのじゃなかったんじゃないかと思うのですが、その点どうですか。
#167
○岡部証人 今先生のおっしゃいました私が御案内いたしませんでしたということは、嶋ヶ谷まで御案内いたしませんということでお断り申し上げたわけです。もちろん先ほどから申し上げましたように、先生方にお目にかかるのが第一の目的で参ったわけです。ただ私の立場といたしまして、あのまま黙って死守会の連中と会わずに帰るわけにいかない立場にありますので先生方の御用が済んだら会おうと思いまして、保木脇までお送り申し上げまして――私たちもいろいろと先生方の日程を伺っておりましたけれども、あのときにも、死守同盟の陳情を受けられるという予定は聞いておりませんでした。また同時に保木脇までお送りいたしましたから、それで済んだのではないかということを考えましたので、そのまま行ったわけでありまして、決してからだが急によくなって行ったわけでも何でもありません。あのときは相当つらい思いをして、無理に行ったわけでございます。
#168
○山田委員 そうすると議員を案内をする意思が最初からあったということはわかりましたが、そのあとの白川村の村民に会う予定は、あなたは前に行かれて計画されたものですか。それとも偶然にあの会はあったものですか。
#169
○岡部証人 先生方がいらっしゃるので私が御母衣に参りますことがきまりましたときに、現場に電話で死守会と会うということを申し入れをさせました。
#170
○山田委員 関連ですからこれでやめますが、あなたの誤解される点は、案内をしてもらうということも一つではあるでしょうけれども、やはりこれからの用事にこういうようなものがあるのだ、せっかく来たことだから、死守会の連中にも会って帰るつもりだということを一口言われれば、私はいろいろ疑問を持たなかったのだろうと思いますが、たまたまだれも知らないで、あの小学校の玄関には一足のげたも靴も抜いでなくて、私たちが入ってみたらば、二階におそらく四、五十人おったでしょう、その人たちがいたということが、どうも理解ができない点なんです。そういう点、われわれに言う必要がなかったといえば必要はなかったかもしれませんが、何のためにきょうも一つ会合を持っているので案内ができないとか、そういうことをつけ加えて言わなかったのですか。
#171
○岡部証人 結局そういうことを申し上げる機会がなかったというわけであります。それで先ほどもげたの話が出ましたが、私はよく知りませんが、あそこには入口が三ヵ所ぐらいございます。先生方が入られましたのは大玄関でございまして、私も大玄関から入りましたが、あそこの村の人はずっと右の方の人口から入りました。そういう点じゃなかろうかと思います。
#172
○山本(猛)委員 関連して……。あなたはさいぜん田中委員が証言を求めたのにお答えになって、郡上八幡からあなたのおいでになって泊られたところまでは五時間もかかるのであるから、むしろそちらに行って泊った方がいいとおっしゃっておられます。あなたは健康上々々々ということをしばしばおっしゃっておられます。健康上ということで健康に留意をせられておったということならば、あなたのお泊りになったところはまことに山間僻地であって、とまる施設も十分でないはずであります。それを裏づけることといたしましては、現地は山間僻地であり、何の施設もないし、この郡上八幡からは数時間を要する、従ってこの郡上八幡に決算委員会の視察団が泊ってほしいということが岡部理事からの命令でありますと言って、われわれを郡上八幡に泊っているのです。他の委員たちにお聞きになってごらんになればわかりますが、われわれは前日のうちに現地まで行こうということを強硬に主張した、しかも郡上八幡にはまだ明るいうちに着いているのです。ところがあなたの命令だといって、出迎えに出られた方がそういうことを言っております。それが一つであります。それから現実の問題としては、あなたは故意に、意識的に決算委員会の公務執行を妨害しようとしたことは、現実の事態で明らかでございます。きょうあなたの証言されておることは、宣誓をされての証言であります。今までのあなたの証言は、ことごとく偽証です。これ以上それをあなたが否定なさるということであるならば、われわれは偽証罪を根幹としたことを考えなければなりません。あなたのおやりになったことは、全部知っているのです。知っておりますが、あれも否定するということではなしに、あなたからこれはこうであったということを、その理由をもう少し御説明を願って、われわれの疑惑を解いていただきたいということです。われわれの疑惑というものは要するに国民の疑惑でありますことは、決算委員会の視察団の公務執行の妨害をした事態は明らかになっておるのです。われわれは諸般の情報を集めております、それを裏づけたものを集めております。厳としてわれわれは動きます。そこであなたから証言を求めておるのであります。あなたは前日に乗り込んでいって、どうしてどういう意図があったのかはわかりませんけれども、死守会のメンバーには決算委員会の人たちに会わないように、こういう工作をしたことは明らかですが、これをお認めになりますかどうか。
#173
○岡部証人 そういうことは一切認めません。私は先ほど申しましたように、何の工作もしませんし、何の命令もいたしておりません。
#174
○山本(猛)委員 それじゃおかしいじゃありませんか。われわれにお会いになったのはわずかの時間で、健康上いたし方はなしに、出迎えには行ったけれども、会う時間がなかったのだと言っておきながら、ああいう大部隊をお集めになって、あなたは堂々と演説をされております。その演説の内容も知っております、おかしくはお思いになりませんか。決算委員会はどうでもいいのだ、こっちの方が大事だというふうに疑われてもいたし方ないのではございませんか。相当な時間を要して死守会の人たちに会っておられます。しかもわれわれの一行というものは六名でございます、調査員を加えましても十名にも満ちません。あなたは何十人という大部隊をお集めになってそういう会合をなさっておられます。入口は違ったとは言いながら――入口を違えておったことにも作為があったことは、明らかな証拠が上っております。何ゆえにそういう行動をとられておるのか。それからあなた方がおやりになった場所は学校でございますが、われわれに陳情するということも決定いたしておりました。あなたが現地に乗り込んでいく当日まで決定をしておった。現にこちらの方へ申し入れがあったのです。その場所もきまっておりました。ところがその場所に行ってみますと、だれもおりません。そうしてどこへ行ったのかわからない、村は閑散としている、人一人見えない、こういうような状態にあって、われわれはあまりにも不審に思いましたから、方々探索いたしました結果、あなたが学校へこっそり行っておるという情報を聞いてわれわれは乗り込んで行ったのです。ところが上からおりてきた人があわてふためいて、今ここへ入られては大へんです、入らないで下さい、大へんな押し問答をしました、そうして無理をしいて上っていきました、ところがああいうような状態です。これは否定することのできない現実の状態なんです。それをいたずらに知りませんとか存じませんとかあるいは認めませんとかいうことなしに、こういう疑惑と誤解を御解明願いたい。あなたの行動に対しては、国民は非常な疑惑を持っております。事態は明らかなのでありますから、それはかくかくであったということで、その理由が公務執行妨害のためにやったのではないのだ。あなたの都合がおありになってやったことはこれは明らかでございましょう。でございますから、公務執行妨害でやったのではないということでございましたならば、どういう理由でそういうようなわれわれと相反するような事態をお作りになって、そしてあなたが決算委員会の視察団に知れないように、死守会の大ぜいの人たちと会わなければならなかったのか、これを伺いたい。
#175
○岡部証人 死守会の人たちとはいつも学校で会っておりまして、別に私ども死守会と会いますときに場所を特にどこにしてくれという指定をするわけではございません。全部あそこにまかしておりまして会っておるわけであります。たびたび先生方が故意に妨害したとおっしゃいますが、私は毛頭そういうつもりで行動したことはございませんし、またそういうことを命じたこともございません。ただ結果におきましてそういうように見られるような事態が出たということは、私の不徳のいたすところで、非常に遺憾に存じておる次第であります。
#176
○上林委員長 他に御発言はありませんか、――田中彰治君。
#177
○田中(彰)委員 ちょっと証人にお尋ねしますが、そうするとあなたはわれわれが御母衣へ行くのは何の目的で調査に行くのかということを御存じでしたか、その点を伺います。
#178
○岡部証人 私は御母衣への視察にいらっしゃいます真の御目的は存じません。現場を視察なさるのだというふうに聞いておりました。
#179
○田中(彰)委員 あなたが現場へ行かれるときに、総裁、あるいは副総裁、あるいはその他の部長、課長級から、決算委員会には死守同盟からこういう陳情もあるし、いろいろ金の使途に対して不明朗な点があるから視察に行くのだというふうなことをお聞きになりませんか。もしあなたがお聞きにならないというと、総裁、副総裁を呼んで聞かなくちゃならない。あなたはお聞きになっておるはずです。
#180
○岡部証人 陳情が出ておることも聞いております。また先生方がそういうことをおっしゃっておったということも聞いておりました。
#181
○田中(彰)委員 それでは今あなたがおっしゃるように、陳情が出ておって、それからわれわれがそう言っておったことも総裁からお聞きになっておられるなら、あなたが先ほどいわれたように、何の目的で行かれるのか、ただ現場を見に行かれるのだなんていうことはおかしいでしょう。少くともあなたは理事であなたのほかには理事はそうたくさんおらないのですから、あなたはあそこの理事として、幹部として、決算委員会があなた方のやっておることに対して疑惑を持ったり、あるいはいろいろな観点から調査に行くのに、あなたがどういう点で調査に行くか、どういう書類が出ておるか、どういう方法をとるか、あるいはどう対処するかぐらいのことは、あなたの方ではちゃんと打ち合せになっておるのは、私はよく知っています。あなたそれに対して、総裁とか副総裁から無理だけれどもお前が行ってくれないかといわれたら会うのは当然だと思うのです。ただ病気なのに無理して山の中に先へ入って行ったというのは、そういう打ち合せが何もなく行かれたのか、あらかじめそういう打ち合せがあって行かれたのか、どうなのですか。
#182
○岡部証人 私がよく存じませんと申しましたのは、大体死守会の関係におきまして、先生たちが陳情を受けられる御予定でいらっしゃったことは、よく知らないということを申し上げたのであります。
#183
○山本(猛)委員 あなたはここを何と心得ておられますか。あなたの答弁は非常にふまじめだ。あなたは病気を冒してでも現地へ行かなければならないということをさっき証言されておる。あなたの会社の幹部もまた、余人をもってはかえがたいから、あなたは健康がすぐれないのであるけれども現地へ行ってもらいたいということを、会社の最高幹部がいわれていることもあなたは証言しておられる。それなのに何の理由で出張したかわからない、何の理由で決算委員会が現地へ視察に行くのかわらない、ただ礼を失しないように……。そんなばかげたことがございますか。そういうむだな費用はあなたの会社にございますか、これが一点。
 もう一つには、あろうことか、あるまいことか、こういうこともあなたは言っている。決算委員会などには会わないように……。こういうことを明らかにあなたは言っておるのです。そういうことをいろいろなところの指令に基いてかくかくであるということを連絡した連絡員があるのです。この二つをお伺いしましよう。
#184
○岡部証人 第一点につきましては私の言葉が足りませんでしたので申しわけありませんが、もちろん先生たちが、陳情も出ておりますし、またいろいろと疑問の点を持っておられるので、現地を調査されるのだということは知っておりました。ただ死守会の陳情を受けられるかどうかということにつきましては、不幸にして最後まで私は知ることができませんでした。
 それからあとの点でございますが、私は再三繰り返しますように、何の工作もしておりません。
#185
○山本(猛)委員 あなた方の企図せられました御母衣ダムというのは、どうしようというのか、まだ形も緒につかない間に国費十五億という膨大なものを使っておられます。さらに現地視察をして明らかになったことでございますが、数十億を投じてやりまする工事の結果が、関西電力にその流れ出る水を無償で使わすというふうな政治的な驚くべき穴も発見して帰っておるのです。まだそればかりではございません。あなたの証言を求めることはきょう一日では相済みません。きょうは時間を限ってわずかの時間で、これからわれわれが求めようとするあなたの証言の端緒を開こうとするだけではございまするけれども、追ってこれらを中心にいたしました具体的な事実に対してお尋ねをいたそうと思います。
 われわれの視察というものは、重大な要務を帯びて、当委員会の使命にこたえるために出張いたしております。それはあなたが、言葉が足りなかったとか足りるとか、何と抗弁せられようと、あなたの答弁の態度、あなたの証言の態度はまことに不遜である。そういうようなことではわれわれはこれからあなたに証言を求めようとするまじめな行為はできません。要するにわれわれはあなたに対して、何もあなたに困惑を与えようという考えでやっておるのではありません。どういうふうに使われたか、それでどんなふうに相なったか、われわれには全く解明のできない十五億という数字があります、こういうもの。さらにまた新たに発見しましたが、政治的な大きな穴、こういうことでことごとく国民の疑惑の焦点になっておるのです。あなた個人自体を困らせようとするような考えは毛頭ございません。われわれは当委員会を通じて、こういうような疑惑に包まれた事柄を解こうというのです。どうかまじめにお答えを願いたい。
#186
○坂本委員 十一月十日に岡部証人は現地に行かれて、学校で死守会の連中と話し合いをせられております。当日決算委員会で委員長以下調査に行かれたわけですが、こういう重要な問題の調査に行くのに、あなたは電源開発の責任者としてどうして面会を求めていろいろ説明をされなかったのでありますか、どうもそれであなたはあなたで先回りをして、そうして話をつけた。そうして証人の証言を聞くと、夜通し酒を飲んで、あくる日は判をついたのかどうかわからないようにへべれけに酔っていた、そういう状況である。これを双方総合して考えると、あなたの方はやはり決算委員会が行っても出ないようにとあなたはほかの者に指令しておる。そういう疑惑がここに出るので、あなたは少くとも国会の決算委員会が調査に行くなら、あなた自身も行かれて、そして問題になっているところの話し合いを進めるべきである。その話し合いはこうなんだ、こういうふうにしようということを国会の決算委員会に対して、あなたは現地へ行っておられるから、そこへ行かれて話をされるか、少くともあいさつぐらいはするのが当然じゃないかと思うのですが、全然会っておられないのですが、それは何か理由があったんですか、その点お聞きしたい。
#187
○岡部証人 ちょっと先生のおっしゃいますことがよくわからないのでございますが、決算委員会の方に私が会っておらぬとおっしゃるが、いやそうではありません。会っております、現場でお目にかかっております。
#188
○田中(彰)委員 そこで、あなたは死守同盟が決算委員会に陳情しておることを知っておる、そういうような関係で調査に行くということも知っておる、現地も見に行っておるということも知っておられたら、あなたが死守同盟にお会いになる前に、一言私もこれから死守同盟の人と会うのだ、あなた方にも陳情しておるそうだが、あなた方もお会いになるならこの学校に何時ごろ集まりましょうとか、集まっておりますよというくらいなことはおっしゃってもよいと思う。あなたがお勤めになるのは国家の電源開発の会社で国会につながりがある、政府につながりのある会社である。その幹部なんだから、私はそのくらいのことはあなたがお気がつかれても当然だと思う。この点であなたがどう考えておられるか。
 いま一つあなたが常識として、そういう陳情が出たり何かしておるのに、われわれが会いに行ったり調べに行ったりしておるのだから、たとえば死守同盟に対してあなたがあいさつしなければならぬというお義理があるならば、死守同盟というものがあなた方にどんな陳情をしておるか知らないが、電源開発会社としてはこういう陳情を受けておるのだ、先生方、何とか死守同盟に今私が会わせますから、会って一つ早く解決できるようにしてもらいたいというふうに、われわれに対してあなたがあってしかるべきだと思う。それをあなたが黙って学校にお集めになって会っておられる、陳情しておるということをあなたが知っておって、われわれが陳情されておってその人たちに会わないで素通りして帰られるのですか。常識の問題ですよ。幼稚園からちょっと毛のはえた子供が常識で考えてもそういうことはわかるはずです。あなたは電源会社の幹部ですよ、理事ですよ、そういう点について一つお答えを願いたいと思います。
#189
○岡部証人 先生方が死守同盟の陳情を受けられるかどうかということについては私もずいぶんとどうなるのだろうということは気にしておったわけであります。むしろ私といたしまして積極的に先生方に陳情した方がいいというようなことでも勧めるようなことがあった方がよかったんじゃないかと思ったりしておるわけでありますが、どうも私愚鈍でありまして、先生のおっしゃいましたことに気がつきませんではなはだ相済みません。
#190
○上林委員長 次に山田長司君に発言を許します。
#191
○山田委員 建石死守会会長があなたにお目にかかっていることが四回ほどあるといっているのですが、お目にかかったのは四回だけだったですか。
#192
○岡部証人 四回と言うておられますが、これは建石さんの間違いで五回だと思います。一回は東京で二十九年ごろに、反対運動にこられましたときに私はお目にかかっております。
#193
○上林委員長 それでは岡部証人に対しまする尋問は以上をもって終ります。
#194
○山本(猛)委員 議事進行……。
#195
○上林委員長 議事進行について発言して下さい。山本猛夫君。
#196
○山本(猛)委員 先刻申し上げましたように、きょうの岡部証言というものはまことに当を得ません。従ってわれわれはあくまで国民の疑惑を解かなければならないという重大使命を帯びているのでございますから、次回日を改めて岡部証人の当委員会に出頭せられることを要請いたしたいと思います。
#197
○上林委員長 ただいまの山本委員の議事進行に関する発言につきましては、次の理事会で御協議を願うことにいたします。
 岡部証人には御多用中のところを御苦労さまでございました。退席されてけっこうです。
 本件に関しまする調査は、本日のところは一応この程度といたします。
    ―――――――――――――
#198
○上林委員長 それでは次に病変米の輸入、保管及び処分等に関する件について調査を進めます。
 本日は右件につきまして参考人松岡啓一及び石橋鎮雄の両君より実情を聴取することと相なっております。
 参考人各位には御多用中のところを当委員会に御出席下され、まことにありがとうございました。病変米の輸入、保管あるいはその処分につきましては、去る十六国会以来当委員会としましては独自の立場から鋭意調査を続けて参ったのでありまして、そこにはいささかの不正行為あるいは不当行為があってはならぬと存ずるのであります。参考人各位におかれましても、国費の濫費を戒めもって国民の負託にこたえんとする当委員会の意を十分におくみとり下され、当委員会の調査に御協力を願いたいと存ずる次第であります。
 それではこれより調査に入るのでありますが、委員各位より質疑の形式で実情を聴取することといたします。質疑の通告がありますので順次これを許します。吉田賢一君。
#199
○吉田(賢)委員 御出席願いました方は松岡啓一さん、日綿実業株式会社常務取締役……。
#200
○松岡参考人 はい。
#201
○吉田(賢)委員 それから石橋鎮雄さん。日綿実業株式会社専務取締役……。
#202
○石橋参考人 はい。
#203
○吉田(賢)委員 前の委員会であなたの方の社長をお招きして、今回のあなたらが調べを受けなさった例の細田茂三郎氏に関連する各般の案件につきましていろいろと伺ってみたのでありますが、社長はあなた方が会社のこういった方面、つまり輸入米に関する事務とか、そういう方面について担当しておられる、こういうことでありましたので、きょうはお招きをしたわけであります。
 そこできょうはできるだけ自由に言うてもらう希望から、ことさらに証人としなかったのであります。そういう趣旨もお含みになりまして、ここは裁判所でも何でもありませんので、一つわれわれの国政調査に御協力の意味で、尋ねることをおわかりのことはおっしゃっていただきたい。
  〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
これは特に希望を申し上げておきます。
 そこで第一に伺いたいのですが、松岡さんは、いつから日綿実業の取締役をしておられましょうか。
#204
○松岡参考人 お答え申し上げます。昭和二十二年の六月から取締役になっております。
#205
○吉田(賢)委員 石橋さんは、いつから取締役になっておりますか。
#206
○石橋参考人 私も昭和二十二年の六月から取締役になっております。
#207
○吉田(賢)委員 松岡さんに伺いますが、日綿実業が終戦以来大体年間どのくらいの米を外国から輸入しておられましょうか。つまり政府に売り渡す米でありますが、大体でよろしゅうございます。
#208
○松岡参考人 正確な数字は記憶しておりませんけれども、大体十五万トンから二十万トン程度だと思います。
#209
○吉田(賢)委員 それは終戦後引き続いて今日まで持続しておりますか。
#210
○松岡参考人 今申し上げましたのは、たしか二十七年か八年ころからのものでございます。
#211
○吉田(賢)委員 そこであなたの方の輸入なさった米のうちに黄変米が混入しておるということを指摘されて、あるいは処分し、在庫しておるものが相当出ていることは当委員会の資料で明らかになっておりますから、これも概数でよろしいから、いつごからいつごろまで、その点いかがでしょう。
#212
○松岡参考人 二十七年、二十八年ごろだと思います。しかし数量の確かなことは記憶しておりませんけれども、一、二万トンだと思います。
#213
○吉田(賢)委員 二十六年ごろから大体国会におきましては問題になってきておるのでありますが、二十九年度におきましても相当量あなたの方に黄変米が出ておるようであります。たとえば二十九年の二月三千四百トン、二十九年の四月には二千五百七十三トンという数字も出ておるのであります。今はそれが重点ではありませんから、こまかく言わぬだけのことで、あなたの方は二十六、七年来ずっと毎年相当の黄変米が出ておるのではありませんか、これは食糧庁の説明ですから……。
#214
○松岡参考人 二十七年ごろからだと思います。
#215
○吉田(賢)委員 二十七年ごろから最終いつごろまで、わかりますか。
#216
○松岡参考人 こちらで、内地ではっきりわかった最終は二十九年の初めぐらいじゃないかと思います。
#217
○吉田(賢)委員 そこであなたの方は農林省で外米輸入の登録業者として指定されておられるわけでありますが、農林省におきましては大体一番接触される面はどこですか。
#218
○松岡参考人 第二業務部の業務課と輸入計画課、それから総務部の検査課、そういうところであります。
#219
○吉田(賢)委員 あなたら輸入の登録を受けておる業者は、ほとんどかどうか知りませんが、そのことは御承知でごさいましょうね――刑事局長が見えましたから、その御説明を願いたいと思います。それでさっき委員長のお計らいをお願いした趣旨によって、参考人には廊下でちょっと十分ほどお待ち願ったらどうかと思います。
#220
○上林委員長 それでは廊下でお待ち願います。
#221
○吉田(賢)委員 井本刑事局長にお尋ねするのですけれども、過日、十一月二日ころでありましたか、この委員会におきまして日綿実業、細田茂三郎に関する外米食糧等輸入に関する刑事事件につきまして、特に日綿実業の関係を中心にしましてあなたから御説明を求めたのでありますが、その際日綿実業の石橋専務などの名前もあげて御説明になっておりましたが、新聞に伝うるところによりますと、あなたが御説明になりました約九十万円ほどの贈収賄の数字が非常に拡大せられまして、これはあるいは時効になっておるかもわからぬけれどもというような注釈もつきまして、前後一千万円くらいに上るということも伝えられておるのであります。おそらく御捜査その他いろいろと進展した結果であろうかと思いますので、きょうは実は黄変米の関係も調査をしておりますので、輸入米に関して相当突つんだ調査を進めなければなりません関係上、あなたの方でおわかりの範囲を御説明を願いたいと思います。
#222
○井本政府委員 実は東京地方検察庁でこの事件につきましては鋭意捜査を続けておるわけでございます。一部証拠が集まりまして起訴したものもございますが、目下起訴するかどうか検討中の事案もございまして、今起訴前の大事な裁決する時期になっておる事案もありまして、詳細な点を申し上げかねる点もあるかと思うのでございますが、簡単にただ現在の状況を申し上げます。
 私どもが今まで起訴しましたのは、十一月の十四日に、日綿実業株式会社におきまして、平林新喜という、為替のブローカーがいるのですが、この人を介しまして、細田茂三郎が石橋鎮雄から職務に関しまして合計四十九万九千四百九円の小切手の供与を受けたという点を起訴しております。なお同じ日に、昭和三十一年二月十八日ごろにその石橋から、同じ趣旨のもとに供与される事情を知りながら、細田茂三郎が額面三十万円の小切手の供与を受けたという事実を起訴しております。そのほか、昭和二十七年の三月ごろに、中本という、麻袋製造加工修理株式会社の社長でございますが、その麻袋の払い下げに関しまして供与されました現金三百万円ばかりの事実につきまして、ただいまこれを起訴するかどうか検討中でございます。なお、同じ中本氏から職務に関係いたしまして細田茂三郎が受け取りました現金約七十万円につきまして、これが涜職罪になるかどうかという点でただいま検討中でございます。なおそのほかに、昭和二十九年十月二十七日ごろに、全国開拓農業協同組合連合会に対しまして細田茂三郎が職務上いろいろ便宜を与えた謝礼であるということで、楠正克という人から現金十万円を受け取ったという事実がありますが、この点についてもただいま検討中でございます。そのほか、前会お尋ねがありましたが、大石嘉七という倉庫会社の社長から、額面五十万円の小切手の供与を受けたという点につきまして、これも涜職罪になるかどうかという点でただいま検討中でございます。
 ただいま直接問題になっておりますのは、被疑者が八名ございますが、このうちで細田茂三郎と、山腰清三郎という、細田茂三郎という方の親戚の者が二人起訴されておりまして、この関係者につきましてどういうふうな処置をするか、ただいま鋭意捜査中でございます。
#223
○吉田(賢)委員 現金七十万円、並びに最後にお述べになった五十万円は、これは日綿実業の関係でございますか。
#224
○井本政府委員 これは日綿ではなくて、今申し上げましたような麻袋製造加工修理株式会社の中本商店という会社の社長の中本さんという人の関係でございます。
#225
○吉田(賢)委員 中本は三百万円じゃなかったですか。
#226
○井本政府委員 問題になっておりますのは、ただいま二口あるわけでございます。
#227
○吉田(賢)委員 これは麻袋は別といたしまして、その他は輸入米関係でございますか。
#228
○井本政府委員 具体的にいろいろの収賄関係があるというふうに私どもは考えて調べをしているわけでございます。
#229
○吉田(賢)委員 起訴した案件につきましては、起訴されたものが現職の行政官であり、前農林省の公務員ですが、法務省ないしは検察当局と農林省間におきましては、たとえば農林省から事件の内容の問合せがあるとか、あるいは事件の調査のための資料の要求とか、何かそういう連絡はあったものでございますか。これを問うゆえんは、やはり農林省におきましても、これは公務員の服務紀律等の問題もあろうし、従って全然放置しておくわけにいくまいと思いますが、その点についてはどういうものでございましょうか。
#230
○井本政府委員 御承知の通り、起訴事実の認定の際におきまして、職務関係はこれは犯罪が成立するかしないかという大事な点でございまして、特にその点はいろいろな意味におきまして調査するわけでございますが、それに関連して、職務関係その他それに関連したことは、全部われわれで関係方面を当って調査しております。
#231
○吉田(賢)委員 農林政務次官に聞きますが、もとあなたの方の官吏が収賄したという嫌疑を受けて起訴された案件については、農林省は事実調査したのですか。
#232
○大石政府委員 その元農林省官吏が、そのような外米について汚職をしたという一件については、われわれは聞いております。
#233
○吉田(賢)委員 そうでなしに、やはりこれは懲戒その他の関係もあろうと思いますので、あなたの方で事実の御調査をなさったかどうか、それについて法務省あるいは検察庁と連絡でもしたかどうか、その点をお伺いいたします。
#234
○大石政府委員 私の聞いております範囲では、別に事実の調査とか、あるいは検察庁と打ち合せはいたしておりません。われわれといたしましては、取調べは検察庁でなすべきものであり、かつ裁判が確定しました上においてはっきりした処分をとるべきものであるというふうに考えております。
#235
○吉田(賢)委員 食糧庁の長官は、その点前会は、目下取調べ中で、資料もないので調べができないというような趣旨の御答弁があったと私は記憶しているのですが、長官いかがですか。
#236
○小倉政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、正式に法務省のその筋に照会をしている、こういう意味での調査はいたしておりませんけれども、関係のあると思われることにつきましては、こちらの方にいろいろ資料の要求等もございます。そういう資料の要求等によりましてどういう結果であるかということを推察いたしましたりしますので、的確にこうだというこを申し上げるわけには参りませんけれども、ほぼ事件の輪郭は承知をいたしているわけであります。
#237
○吉田(賢)委員 犯罪の有無の最終的な確定は裁判の最終判決を待たねばなるまいと思いますけれども、そういうことを待つまでもなく、適当に処分はするのがこれが常識でもあり、慣例でもあり、当然であろうと思う。今政務次官のお話によれば、その辺非常に緩慢なようであるのだが、そういう処置はまだ何もやっておらぬということですか。
#238
○大石政府委員 このような疑いを受けて今取調べを受けている最中でありますから、農林省といたしましては、とりあえず休職処分にしております。事実の判明いたし次第、あるいは裁判の確定次第はっきりした処分をとりたい、こう考えております。
#239
○吉田(賢)委員 あなたと問答すると時間をとりますからやめておきますが、判決が確定してから処分する、そんなことはかってございません。またそういうことであなたの方の行政監督ができるとは思いません。大臣が下僚を監督なさる上において、いやしくも起訴された以上は適当に処理するというのが当然のことであります。そこはあまり突っ込んで申し上げてもあまりに常識からはずれていますからお尋ねいたしません。
 そこでなお一、二点刑事局長に伺っておきますが、この日綿実業が多量の黄変米混入の外米を輸入して、それが今日なお処分未済のまま倉庫に死蔵されているという事実も、実はあるのであります。このために国損が莫大に上っているということをこれから調査するわけでありますが、そのために厚生省からも来てもらっております。そこでそういう毒を含んだ米の輸入手続等との関連において事件が発生したかどうか、われわれにはわかりません。わかりませんが、少くともこれは社会は疑惑を持っております。でありますから、黄変米との関連というものは捜査の対象になっておりませんか。その点どうでしょうか。
#240
○井本政府委員 各種の観点からいろいろ今検討いたしているわけでございます。この結論的な点はまだ申し上げる段階になっておりませんが、鋭意取調べ中でございます。
#241
○吉田(賢)委員 新聞に伝えるところによると――一々新聞を取り上げて材料にする意志はございませんけれども、あまり顕著だから、また荒唐無稽と思いませんので、なおあなたに伺っておきたいのだが、この事件によって渦中にある被告もしくは被疑者が莫大なこういう収賄した金をもってあるいは料亭を経営したり、実に豪奢な遊蕩をやる資金に使っているということが世上喧伝されております。そういうような金の使い道は、私が申し上げるまでもなく当然追及されていると思いますけれども、かなりそういう点について大きな疑惑がかかっておるのであります。こういう点につきましても、あなたの方、というよりも検察当局は相当疑いを持って調べていると思いますが、その辺についてのあなたの御感想はいかがでしょう。
#242
○井本政府委員 もちろんただいまちょっと申し上げましただけでも数百万円に上っておりますが、さらにただいま検討を続けているものが相当金額ございまして、さような金額がどの程度そういうものに関係があって犯罪になるのかどうかという点を詳細検討し、かつ受け取った金がどのくらいあるか、犯罪になってもならなくても犯罪に関係あるような、犯罪に近いような金の授受につきましては詳細検討し、その使い道もいろいろ取り調べております。
#243
○吉田(賢)委員 なおこれはあなたの方からも御説明願った案件ですが、農林省におきましてはいわゆる多久島事件として有名な多久島貞信ですか、これは農林省の当委員会に対する提出資料によりましても、国に損害を加えたものは五百九十九万二千三百円に上っております。さらにこれが遅延損害を加えますと、合計六百四十万九千八百余円に実は上っておるのであります。一体農林省は、こういう若い職員なり中堅の職員が数百万円――一口に数百万円と申しましても、これは氷山の一角かもわかりませんのですが、数百万円の横領だとか収賄だとかいうような、こういう乱脈につきましては、法務当局の方は司法当局といたしまして、こういうことが根絶するような何らかの考え方を持て臨んでほしいとわれわれは希望するのであります。何もわれわれは検察庁でもなければ何でもありませんので、ただこういう国損の与える影響なりあるいは贈収賄によって生ずる行政の曲否というようなことにつきまして、厳重に考えていきたいと思っている立場にすぎませんが、いずれにしてもほかの省庁に比べまして最近あまりにも事例が大き過ぎて世の耳目を驚かしておる事実が重なっておりますが、こういう点についてあなたの方では何らかのお考えがあってしかるべきではないか。たとえば法務大臣にしましても、それこそ積極的に指揮権を発動いたしまして、やはりこれは徹底的に官界の粛正をするということが、ほんとうにこの趣旨でなければなるまい、こうも考えるのでありますが、そういう面につきまして何かこう、あなたに伺うのはいかがかと思うのでありますけれども、お述べ願いたいと思うのであります。
#244
○井本政府委員 役人が数百万円の損害を国家に与えるということは、私どもは納税者の一人といたしましてもまことに憤慨にたえない事象でありまして、また私どもの検察いたします観点から、涜職事犯などは、事犯はささいのように見えますけれども、結局これが乱れて参りますと、国家の根本がゆらぐような事態になるのでございまして、私どもといたしましては起きた事件はあとう限り摘発いたしますし、未然には、かような涜職事犯があれば厳重に検挙、処罰されるであろうということは、あらゆる機会に周知徹底するように努めておるつもりでございます。
#245
○吉田(賢)委員 最後になお希望かたがた申し上げておきますが、これから黄変米の処理問題と取り組んで今調査をすることになっております。十二万五千トンが今倉に寝ております。これを流す場合、処分する場合ですが、おそらくは全国のあらゆる意味においての業者とか商社とかボスとか、そういうものが、これはある意味でねらうのではないかというふうに、実はこの委員会ではおそれておるのであります。当委員会においても、過去の実例が示すごとき横流し等の弊害のないようにということを強く要望して、 二回、三回にわたって決議を繰り返してきたのであります。新聞でも間もなく処分されるであろうと言われ、あるいは週間雑誌のごときも取り上げて、国民の損害は莫大だというようなことを今指摘しつつあるときでありますので、これはまた反面、こういうことによってけが人が生ずる、こういうことによって気の弱い人が死ぬというようなことをわれわれは警戒していきたいと思うのであります。ですからこの機会に特にあなたの方に御希望申し上げるのでありますが、一つしっかりした腹がまえを示しておいてもらいたい。われわれは法務当局というところに最も大きな信頼を持って、そういうことの過誤もしくは不正のないことを期待いたしておりますが、いかがでございましょう。
#246
○井本政府委員 黄変米の処置に関しましては、私どももたびたびこの委員会でも御指摘を受けまして非常に関心を持っておるわけでございます。昨年の十二月二十日には、私の名前で食糧庁長官の方に、黄変米を処置した場合にはどういうふうに処置したか、通報してもらいたいという申し入れをいたしまして、本年の四月十三日食糧庁の長官の方から回答もございます。なおまた今まで私どもにわかりました現在適法に処分されておる黄変米でございますけれども、かように処置されておるという実情は、ことしの五月までの分は、一応私の名前で各検事正にかような処分の状況になっておるからこの上とも注意するようにということは申し伝えてありますが、さらにただいまのお話しもございますし、この点につきましてはまたもう少し私どもの態度といたしましても検討を加えまして、不祥な事故がないようにできるだけ努めたい。なお不祥な事故がある場合には、厳重に検挙いたしたいと考えております。
#247
○吉田(賢)委員 私は普通の場合ならこんなことをくどく申さないのであります。ただ最近の農林省のあり方はあまりにも情けなく思います。こういうような調子ですとどこにすきがあるかわからない。忍び寄って連絡をとって、これを利権対象にして、金もうけの対象にするというあらゆる手が行われはしないか。といいますのは、やはり元値が、十三万トンとして九十億円に達するのであります。これがもし三分の一の価格で処分するということがありましたら、数十億円の差金ができるわけであります。そしてもしこれがやみに流されるということになりましたら、これは再搗精した米はまっ白で、実にきれいなものでありますから、ライスカレーにしましても、親子どんぶりにしましても、りっぱに市販に向くのであります。こういうことを考えますと、実際りつ然とするのであります。でありますので、農林省の現状にかんがみまして、一そうその感を持ちまするので、特に申し上げた次第であります。これは別に答弁は要りません。私はこれで終ります。
#248
○坂本委員長代理 川俣委員。
#249
○川俣委員 この際刑事局長にお尋ねしておきたいのですが、私実は事件の内容に入るつもりは毛頭ないので、もし今の取調べ中のものに影響があれば、お答えを遠慮していただいてもけっこうですが、将来の農業政策上お尋ねしておきたい。
 御承知のように、食糧管理法の運用上、食糧管理法施行規則というのがございます。これに基いて輸入米の処理か行われておるわけでありますが、この規則によりますると、到着してから売り渡し申し込み書を提出して、初めて食糧庁の現物になるという規則になっております。ところが今日ではこの規則を順法しないでおりますところに、汚職の温床が出ているのじゃないか、こう私どもは疑いを持っておるのですが、こういう点については何か御意見がございましたならば、この際承わりたい。
#250
○井本政府委員 お話しの点は非常に貴重な参考御意見と考えますし、さらにその点につきましては、多分ある程度検討いたしておると思いますけれども、念のため検討を加えたいと考えております。
#251
○坂本委員長代理 山田委員。
#252
○山田委員 これは農林省に限ったことじゃないのですが、各官庁にかなりの外郭団体を持っております。そのうちで農林省の場合が一番数多くの外郭団体を持っているわけです。その中で食糧に関する団体が一億からの金を使われているという話を聞いておるのですが、当局ではこれらについて何か調査を進めたことがありますか。これは名称は輸入食糧協議会ですが、この前呼んだときは全然知らぬ存ぜぬで、手がかりを得なかったのですけれども、食糧輸入上一億からの金が使われている以上、やはり過日からの細田茂三郎氏の取調べ中何かこれに関係あるものが出なければならぬと思うのですが、刑事局長は取調べの範囲で耳にしたことがあったかどうか。
#253
○井本政府委員 ただいまのところまでは、輸入食糧協議会の関係についてどのように調べたか報告を受けておりませんので、帰りまして調べの実情を聞いてみたいと考えております。
#254
○山田委員 ただいまの一億という数字は、実はこの委員会で調査中に参考人からこの席上で言われておるのです。しかもその一億はどういう使途に使われているのか、使われた内容について知っている範囲を話せと言ったけれども、とうとう答えなかったのです。ですからこれはわれわれの力でなくて、当局が取り調べれば必ずこの金額上における明細が出てくると思うのです。答弁は要りませんけれども、どうかその点十分のお取調べを願いたいと思います。
#255
○坂本委員長代理 吉田委員。
#256
○吉田(賢)委員 引き続きお尋ねいたしますが、外米の輸入について、農林省当局と連絡をとったり、交渉したり接触したりするのは、石橋さんがおもだったのか、あるいは松岡さんがおもだったのですか、どちらですか。
#257
○松岡参考人 それは大体課長またはそれ以下の者が、主として食糧庁の課長の方々、それ以下の方々と交渉していたと記憶しております。
#258
○吉田(賢)委員 そうすると、あなたらは日綿実業の最高幹部であるので、従ってそういう農林省の役人と接触するようなことはしない、課長以下、そういう者にさしておった、こういう趣旨なんですか。
#259
○松岡参考人 直接の話し合いはそういう人たちにやらしておったのです。
#260
○吉田(賢)委員 ところが政府の提出した資料によりますと、あなたの方は、たとえば二十九年度におきましても、日綿実業は八十億円政府へ売り渡しをしておられます。八十億円の売り渡しというものは少い金額ではありません。そんな大きなお得意先の政府へあなたら幹部があいさつくらいもしないということは、ちょっと常識上考えられません。
#261
○松岡参考人 あいさつには参りました。
#262
○吉田(賢)委員 あいさつに――だれにあいさつするのです。
#263
○松岡参考人 課長、部長へあいさつはいたしました。
#264
○吉田(賢)委員 それはあなたのみなのか、石橋さんもか、社長もか、その点いかがです。
#265
○松岡参考人 石橋専務も私も月に一、二回はごきげん伺いには参っております。そのときにはあいさつをしております。
#266
○吉田(賢)委員 それは当然ですよ、一年に八十億円も商売さしてもらうお得意先へ社長、常務級の者があいさつに行くのはそれは当然ですよ、一体ごきげん伺いに行って何をするのです。
#267
○松岡参考人 ときどき、この米の仕事をさしてもらいました。それに、きまりましたそれに対してお礼を申し上げる程度です。
#268
○吉田(賢)委員 石橋さんは輸入食糧協議会の昭和三十年度は委員長なんですね。
#269
○石橋参考人 さようでございます。ただいま委員長でございます。
#270
○吉田(賢)委員 この協議会の貸借対照表によりますと、昭和二十九年三月末現在経費を九千九百万円使い、三十年三月末現在一億七百万円使っておられるのであるが、おもにこれは何ですか。
#271
○石橋参考人 われわれの協議会は今四十五社の会員がございまして、そうして相当の輸入食糧をわれわれが扱っておりまして、これは東京に本部がございます。そうして北は小樽から南は門司まで八ヵ所に各支部がございまして、各輸入港に船が着きましたときの設備と申しますか――この協議会は国内の仕事ばかりでなく、海外の各国の食糧事情とか、あるいは各国別の輸出余力あるいは食糧の価格、そういうものを調べまして、そうしてわれわれ会員にそれを配付して、そうして共同の仕事をしておりますので、人件費だけでもただいま吉田委員がおっしゃいました通りに約九千万円の経費でございますが、これが全国で八十人の人でやっております。それで月八百万円といたしましても、人件費だけが約四百万円で、あとの四百万円が交通費とかあるいは調査費、そういうものに使いまして、それを八ヵ所の支部にしますと約一ヵ所で五十万円くらいの経費を使っているというふうなもので、一見非常に大金額になっておりますけれども、そういうふうでございます。
#272
○吉田(賢)委員 現在四十数社か存じませんけれども、二十八年度は十五社、二十九年度は十八社、三十年度も十八社でありましたね。
#273
○石橋参考人 ただいま吉田委員のおっしゃいましたのは、それは委員の数ではないかと思います。現在十八人の委員がございまして、われわれ会員は四十五社でございます。そうしてその中から十八人の委員を毎年五月の十日ごろに改選いたしまして、そうしてそのとき委員長も改選いたします。十八人とか十五人とおっしゃるのは委員の数でございます。われわれ商社の数は四十五社が現在の会員の数でございます。
#274
○吉田(賢)委員 四十五社になったのはいつからですか。
#275
○石橋参考人 これは最近この数はあまり増減はございません。この三、四年ずっと四十五社になっております。
#276
○吉田(賢)委員 食糧庁長官に伺いますが、輸入米の登録指定業者の総数は何名でありますか。
#277
○小倉政府委員 登録指定業者は米につきまして二十八社、麦につきまして四十社ぐらいでございます。
#278
○吉田(賢)委員 そこで松岡さん並びに石橋さんに伺いますが、輸入商社は、特に米の輸入商社は近年ほとんど増減がないと思っておりますが、長官、米の輸入登録指定業者が二十八社になりましたのはいつごろですか。
#279
○小倉政府委員 現在の二十八社は三十一年の数であります。
#280
○吉田(賢)委員 三十年度は何名でありますか。
#281
○小倉政府委員 三十年度は四十社であります。
#282
○吉田(賢)委員 そうしますと三十年度には米の輸入の登録指定商社は四十社であって、それから三十一年に二十八社になった、こういうことですね。
#283
○小倉政府委員 その通りでございます。
#284
○吉田(賢)委員 減りましたのはどういう理由によるのですか。
#285
○小倉政府委員 この減りました理由は、主として前年度に登録商社でありましたけれども、輸入の実績がなかった、こういうのが主たる理由であります。
#286
○吉田(賢)委員 そうすると、輸入の実績のなかった業者も登録しておった、こういうことになるのですね。
#287
○小倉政府委員 さようであります。
#288
○吉田(賢)委員 それで三十一年になってから輸入の実績のあるものに限定した、こういうことですか。
#289
○小倉政府委員 原則としてさようでございます。
#290
○吉田(賢)委員 例外はあるのですか。
#291
○小倉政府委員 例外と申しますのはこういうことでございます。米につきましては、登録ということのほかに米の輸入する先の国別の地域の指定がございます。輸入の実績がなかったけれども、地域別の指定ということがあった商社については、これを輸入実績と同様に見まして処置したのであります。
#292
○吉田(賢)委員 あなたは前回のときに輸入実績のないものは全然新たに登録業者になれぬ、こういうふうに御答弁になっておったようでありますが、それは間違いなんですか。
#293
○小倉政府委員 建前はその通りでございます。ただ非常に正確に申しますと、先ほどちょっと申しましたように、地域別の指定ということがございますので、その指定がありましたものについては、輸入実積があったものと同様にみなす、こういうことであります。
#294
○吉田(賢)委員 みなされた業者は、名前で言われるとどういう業者になるのですか。
#295
○小倉政府委員 木下、浅野、伊藤万、内外、野崎、東邦、六社でございます。
#296
○吉田(賢)委員 この六社は従前は米の登録業者ではなかったのでございますか。
#297
○小倉政府委員 前年度も登録商社であったわけであります。
#298
○吉田(賢)委員 ちょっと混雑したようでありますが、――私自身の混雑かもしれませんが、そうすると、この業者は今あなたの指示された木下とか伊藤万その他の六社、この六社は従前から輸入米の政府への納入の申し込みを継続しておった会社であるのですか。
#299
○小倉政府委員 ただいまの会社は、三十一年度春の登録についてのことでございますが、それ以前も多くは登録商社でございました。従って食糧を取り扱う資格があったわけでございます。
#300
○吉田(賢)委員 資格があったかどうか聞くのではなしに、納入の実積があった業者ですか、具体的に言ってみて下さい。
#301
○小倉政府委員 ただいまの会社は、前年度において実積がなかった、こういうことでございまして、民間貿易開始以来をとりますれば、多少、実は実積がございました。
#302
○吉田(賢)委員 多少実積があったので、新たに登録の資格ができたらしいのですが、そういたしますと政府売り渡しの実積が何らかあれば、それは精神から言えば政府納入の申し込みをなし得る資格が実質的にあるということなのですか。
#303
○小倉政府委員 輸入の実績があるということが一つの要件でございますが、そのほかに若干の要件がございまして……。
#304
○吉田(賢)委員 若干の要件を言ってみて下さい。
#305
○小倉政府委員 その要件は、これは申すまでもないことでありますが、会社が食糧の輸入ということを重要な業務の一つにしておるということ、それから食糧関係に経験のある職員がおるということです。なおこれは内地ばかりではなくて、外地におきましても駐在員といったものがある、そういうことでございます。
#306
○吉田(賢)委員 それじゃこういうふうに伺ってみましょう。外国食糧納入申込者登録規程、これが昭和三十年の四月現在のものと三十一年のものとは違っておりますが、これが特に第四が改正された要点はどこにあるのですか。
#307
○小倉政府委員 納入実績ということを一つの、これは先ほど申しましたような例外はございますが、必要な要件にしたということが主要な改正でございます。
#308
○吉田(賢)委員 納入実績を要件にした。そうすると従来は納入実績を要件としておらなかった、そういたしますと、昭和三十一年四月以降は納入実績のないものは政府に外国食糧の売り渡しの申し込みができないという結果を来たすように思うのですが、それはどうですか。
#309
○小倉政府委員 そういう条件のもとに、輸入食糧の登録商社になった商社のみが政府に対する納入の申し込みができるということで、お尋ねのようであります。
#310
○吉田(賢)委員 ですから納入実績のないものは三十一年四月以後は締め出されてしまう、こういうことに現則は改正された、端的に言えばそうなるのじゃないですか。
#311
○小倉政府委員 端的に申せば抑せの通りでございます。
#312
○吉田(賢)委員 そういたしますと、これは大臣が来ておりませんので、政務次官に伺いたいのだが、専門的なことですからもし御都合で長官に譲ってもらってもよろしゅうございますけれども、やはりこういう重大な、私は前から言っておるのですが、千億円近い外国米を政府は買うのであります。従って政府はいわば輸入商社から言えばお得意先です。そこで輸入商社の範囲がこれによって狭められることになりますが、このような重大な変更、影響を与えるべき改正でありますので、当然これは大臣も相談に乗らなければいけないと思うのです。めくら判ではいかぬ問題だろうと思いますが、やはり首脳部として大臣の決済を経るべき案件と思いますが、これはどうなんですか。
#313
○大石政府委員 これは当然食糧庁長官から大臣あるいは次官、政務次官の方へいろいろとその説明がありまして検討した結果大臣は決済いたしております。
#314
○吉田(賢)委員 それならば、いわば十数社が欠格者になるわけでありますが、このような重大な変更を来たすことは、同時に日本じゅうの米の輸入商社の立場から見るならば、特定されたあるものが残って、あるものは除外されるというような大きな変更来たすことになるのですが、これは大へんな私は問題だと思うのでありますが、こういうような、つまり商売上の利害関係を、ある一方を奪い、ある一方が独占し得るような体系を整えるということについて、農林省はもっと公平にせねばいかぬというような、少くとも疑惑があり、意見があり等々しなかったのでしょうか。それはどうです。
#315
○大石政府委員 三十年度の四十社の商社が二十九社に減ったと申しますか、十一社が米の輸入から締め出されたわけでございます。それはなるほど商売いたしております商社にとりましては相当重大な問題だろうと存じます。農林省といたしましては、もちろんそのような商社に対してできるだけ損害を与えないということも一つの大事な問題ではございますけれども、われわれは一番よい米をできるだけ安く買うことが農林省の一番重大な使命だろうと考えております。そのような考えから、当然二十九社の方が適当であろうという考えでいたしたのでございます。
#316
○吉田(賢)委員 参考人の方にできるだけ早く済んでもらいましょう。――そこであなた方の商社といたしましては、少数の商社になって、あなた方の商売だけでも年間百億円近い商売ができることになるのだが、これは米輸入の商売上の利権がほとんど少数の手で独占せられることになるのですが、大へんな利益ですね。その点いかがですか、松岡常務さん。
#317
○松岡参考人 外地の生産国の売手の方が、南方諸国では大体政府あるいは政府の機関、一つ窓であります。その場合は、向うは煩瑣を避けるためになるべく日本側も一つ窓という希望を持っております。それから自由市場におきましては、多数の日本の業者が殺到いたしますと、生産地での米価を急騰させまして、結果においては日本は高いものを買わねばならぬような状況になります。ですから、そういう点からいきますと、少数の方がいい場合もございます。しかしわれわれ商社にとりまして、少数の方がよけいやれるという一応の理屈はありますけれども、現在の二十八社は、私の記憶しておりますところでは、終戦後通観しますとそう少数ではない、減ってはいないように思います。ですから現在の二十八社で、われわれ商社はそう取扱い上において増減がないように思います。
#318
○吉田(賢)委員 増減があるかないか知りませんが、とにかく四十社というものが商売をなし得る期待権を持っておるのだから、それを十数社が奪われてしまうということは、確かに残ったものの利益である、そんなことは常識上明らかであります。これをつべこべあなたと問答することは意味のないことであるからいたしません。
 そこでこれは石橋さんに率直に聞いてみたいのですが、役人にともかく貸金でも何でもよろしいけれども、金を渡したりする、あるいは飲ましたりするというようなことは、常識から考えて、また実情からいたしまして、これはどっちが誘うのでしょうね。それはどういうものですか、そこを述べてもらいたいのですがね。
#319
○石橋参考人 役人と飲み食いをするとただいまおっしゃいましたけれども、これはただいたずらに飲み食いするわけではございませんで、お役所の方も日中は非常にお忙しいお方でございますので、昼はゆっくり海外の事情なんか話もできませんので、ときたま夜簡単な食事をしながら、海外から人が帰ってきたとか、あるいは外国の商社の人が来たとか、そういう海外の情報を持ってきたようなお方があったときに、お役所の方もわれわれも一緒にその話を聞くというふうな機会があったように思います。
#320
○吉田(賢)委員 刑事局長のお話によりますと、大体五百万円余りの金が細田の方へ入手されて、これが今問題になっておるということを伺うのです。今さら問題の刑事的な価値がどうこうは別問題にいたしましょう。そこで失礼なことだけれども、そう大金が月末に出入りすると思われぬ役人の方に数十万円、数百万円という金が出入りすることは、やはりどっちかがそれを求めるのじゃないと、まさか押しつけることはないだろう。実は私も職業が弁護士でありますから、かつて贈収賄の事件なんかも弁護したこともあるのであります。その一つの例を申しますと、非常に善良なある技師があって、悪らつな商社の手にかかって、一ぱい飲んで、飲み過ぎてへべれけに酔って、酔ったまぎれに内ポケットか外ポケットへぐっと金をねじ込んでそのままうちへ帰って、何にも知らない奥さんがポケットを見たら金が入っておるのでびっくりした。本人も入っておることを知らなんだというような実例があって、昔の商工省の役人でありましたが、これは結局公判に回されましたが、実にそういうのは気の毒なんです。どこでそういうことになるかということは実にむずかしいことです。それはそんなことをここで問答しても仕方ないようなものではありますけれども、私どもほんとうに知りたいことは、やむを得ぬことであるのか、どっちかがしっかりしたらそういうことはできないのか、何かそこにけじめをつける道がないものかと思って苦心惨たんしておるのです。それで問答しておるのです。実はこんな問答をあなたとしたくないのです。ほんとうにしたくないのですが、なくするにはどうしたらいいかと思ってやっておるのです。百年河清を待つかもしれませんが、どこに原因があるだろうかと思いますので、常識だといえばそれでおしまいなんです。やはりこういう特異な事件が起りますことは、どっかに原因があると思いますので、商社というものは弱いものだ、あるいはまた役人というものは弱いものだというようなことにでもなるのかどうかということをいろいろと想像をたくましゅうしておりますので、どっちが誘うのかというような妙な質問をしたのですが、それはどういうものでありましょうね。
#321
○石橋参考人 ただいまお話のあったようなことで、実は今の食糧庁に限りまして、現在の役所の方にそういう貸付をするとか、あるいは贈賄ですか、そういうことをするということは今まで全然例はないと思います。
#322
○吉田(賢)委員 それは全然無実のことで、事実架空のことだということであるならば、これは議論はないのであります。いやしくも調べる側もそう架空のことにばかばかしく走り歩いておるとは思いません。専門家でありますから……。そこで何もここは検察庁でもありませんから、法律的な性質をあなたに伺おうとは思いません。しかしやはりこういう社会の背景を知りたいのであります。そこで私ども国会としての常識的判断の資料に実はしたいのであります。やはりどうにもなりませんのですということなのか。たとえば一つのチップみたいな習慣があるところもあるし、ないところもある。あるいはまたコミッションというような習慣のあるところもあり、ないところもあります。これは世界それぞれ違いますから、罪悪視するところや、法律的にも不法、不当視しないようなところもある。ところによってはそれはいかぬということをいわれることもあります。そういうことであなたに伺ったわけなのでありますが、そこはしいて問いません。あなたも言いにくそうだし、またどうかと思いますから、問いません。政務次官以下食糧庁長官があなたの後におって、食糧庁の問題を話すのは、ほんとうのところをいうと無理かもしれません。いかにあなたがりっぱな方であっても、その点は無理かもしれませんけれども、私どもは何かこういうことの寄って来たるところの経緯について、得るところがなければならないと思うのだが、あなたは飲み食いにしても、今の役人は金を受け取らないりっぱな人でありますというようなことでは、これは問答にならない。こういうことを繰り返していると、一ぺんでは済まないのでありまして、何べんも御苦労を願わないといけないのでありますが、どうでございますか。細田茂三郎という方もりっぱな方であるかもしれません、私どもは全然知らないのですが。やはりそこに雰囲気があるのか、力でも及んでくるのか、一つの誘うものがあるのか。何か原因があって、このような問題が起っておるのではないでしょうか。もっと端的に申しましたならば、やはり輸入商社としての利益をできるずけ確保するということを、積極的に商社がみなおやりになるのではないだろうか。そういうことの結果が、締め出し商社ができるような結果になったのではないのであろうか。これはどこの力であるかということさえ想像するのでありますが、その辺について何もございませんでしょうか。感想だけでもあれば一つ聞いておきたいのです。
#323
○石橋参考人 ただいまのお話で、今の食糧庁の役所の方にチップとかコミッションとかいうことがございましたが、そういうことをやっている商社はどこもないと思います。
#324
○吉田(賢)委員 私がチップとかコミッションとかいうのは、一般の世界の例を申しましたので、何も食糧庁の関係を申し上げておるのではないのであります。食糧庁の役人にあなたがチップを出すとか、売買でコミッションを出す、そんなことをいうのではないのです。ところが刑事局長の説明によれば、四十九万何がしの金及び三十万何がしの金が直接及び間接に渡されておる。その法律上の性質は別ですが、そういうことが指摘されておるのです。少くとも役人の手に金が授受されるということは、穏やかならぬことであります。あなたが銀行業者とか金貸しというなら別でありますが、そうではないのであります。利益をいただく商社の代表者である。相手は国の代表者として、商社に向って米を買い入れるべき業務を担当しておった人です。その人との間に数十万の金が授受されております。事のいかん、性質のいかんを問わず何らかの言葉がなければならぬと思います。少し遠回しのことを言っておったので、あなたは言わなかったのですが、そういうばかなことはないでしょう。そういうことは穏やかならぬとお思いになりませんか。かりにも数十億円の米を政府に売りつけている会社の代表者ではありませんか。もしくは協議会の委員長じゃありませんか。いわば食糧商社の集まったグループのキャップにある人じゃありませんか。そういう人が米の買い入れの担当の役人に金を渡すということは、どういう性質であろうが穏やかでないのですよ。だからこういう場合に一言も言葉がないはずはないと思う。私は事件になっておるからしいて突っ込まないだけのことなのです。あなたの方からしかるべき答弁、説明くらいなければならないのです。これはどうなのですか。
#325
○石橋参考人 今度の事件のことについての御質問でございましたら、お答え申し上げます。
 今度の事件のときは向うから無理やりに資金を援助してくれ、貸してくれという要請がございましたのです。ところが先方は公務員でございますので、公務員にそういうものをやることは、会社としては工合が悪いし、法律にも違反しますので、断わりましたのです。ところがあとでほかの人を中に入れて、何とかしてくれとまた依頼を受けましたので、それでああいうふうにほかの仲介の人に差し上げたような次第でございます。
#326
○吉田(賢)委員 きょうあなた方二人に参考人として来てもらったのは、実は証人に来てもらうというような意見も委員会にはあったのでありますが、できるだけ自由に御答弁できるようにというので、私の申し出によって参考人になってもらったのであります。証人ならばもっと厳重に宣誓してもらわなければならぬのであります。間違えば告発の義務があるのであります。間違いがあっては困るのであります。そういうワクをはめずにやっているのでありますから、だらだらせずに端的に言ってもらいたい。
 松岡さんに聞きますが、あなたのところの社長は、米の売り渡し、買い渡し等については担当の重役がいるから、私は何も知りませんと言われる。それでしょうがないから、あなたに来てもらったのであります。あなたの方から農林省の役人に向って、米を買い入れる政府の役人に向って、少くとも数十万金が手渡されているのであります。これは本人に渡ったのか、中間で食ったのか、それは別にいたしましょう。いずれにいたしましても、その疑惑がかかっているのであります。あなたの会社は百億近い米を政府に売りつける、政府をお得意にしているところの商社なのであります。国民が大きな疑惑を持つのは当然であります。ましてや食糧庁長官も説明するごとくに、この商社が日本の千億円に近い米の輸入の商権を独占しているのであります。これのいい悪いは別にいたしまして、この商社をめぐりまして、こういう疑獄が起ることは苦々しいことです。国氏が疑惑を持つのは当然です。しかも百億に近い黄変米が倉庫に寝ているのです。しかもあなたの会社はその黄変米を入れているのですよ。そして政府は毎月税金から三千万円近い倉庫代を払っているのです。ですから、こういうふうに間接的にも、二重三重にかかっているのです。あなたの会社の社長は責任者でありながら、何も知らない。担当重役が知っているというから、それであなたに来てもらったのでありますから、あなたも端的に、きょうは参考人としてゆるやかな方式をとってお伺いするのですから、あまりいいかげんにお考えにならずに厳正な場所としてしっかり言ってもらいたいのです。
 そこであなたの方は役人に金を授受するということになるのですが、これがどういう罪になるならないは別にいたしまして、――この間社長は飲み食いもせぬと言われたが、そんなばかばかしい問答を私はしたくないから打ち切ったのです。そんなことを言ったって、世間は承知しませんよ。飲み食いするもせぬもありませんよ。今日の役人が民間の商社と飲み食いをしているということは、だれひとり知らぬ者はありません。そういうものはできるだけ社交の範囲にとどめていただきたいというのが念願なんです。その範囲を越えるから、こういう案件が起ると思うのです。あなたの社長は飲み食いもしないと答弁しているのだが、米の政府の買入れの役人に金を渡すということは、あなたのような一流の商社ではするのですか。そういうことはあなたの会社の方針なんですか。言いかえると、役人を買収するということによって商業上の利益を獲得するということが、あなたの方の方針になっているのでしょうか。どっちにしても損害を受けるのは国民なんですよ。そういうことも考えてもらいたいと思うのです。松岡さん、いかがですか。
#327
○松岡参考人 政府の役人を買収するのが会社の方針ということはございません。少くとも食糧の商いにおきまして、私はこれは商社対商社と同じような取引をしているものと思っておりまして、別に買収とか特別のサービスをして、いろいろ特別のお取り計らいを受けようという考えは持っておりません。またそういうことを現在までにしたことは、記憶に全然ございません。普通の取引をしてきたにすぎないのであります。しかし金の授受されたことは事実でありますが、これは私の思いますのに、専務が、食糧輸入業界ではいわば世話役になっておりますので、細田さんとも会う機会が非常に多かったわけです。それで深いつき合いから、何回も繰り返し断わったにもかかわらず、やかましく依頼されるので、やむを得ずそういう点で、まあ情にもろい専務でありますので、渡したんだと思います。しかし会社の商売の利害関係で出したものではないのであります。
#328
○吉田(賢)委員 会社が利害関係で出したかどうか知らぬけれども、まさか専務といえども、個人のふところから、自分の私的財産数十万金を当該利害関係に密接な役人に渡すという、そんなことは想像されません。やはり会社の金であろうと思う。思うけれども、そこまで触れていくことは、多少遠慮しておきましょう。遠慮しておきますけれども、役人を買収するのが会社の方針でないということは、当りまえのことであって、また方針でありますと言えないことも当然であります。いずれにしてもあなた方らは、数十万金を投じて役人の歓心を買えば、役人は怒りはしませんよ。役人はきっとあなた方らの方に何かの利益を提供するに違いない。少くともそんなことで、道ばたで若干ものをもらった程度にしか感じない日本人はございません。やはり数十万金が投ぜられるならば、それ相当の関心が新たにできて、そして好感を持って、それが新しい利益になるということは、たやすく想像されるのであります。そういうことが官界の乱脈のもとになって、そういうことが役人の堕落するもとになって、そういうことが予算を乱費されるもとになつて、そういうことが汚職とか疑獄とかに発展するんだという考え方は、あなたにございませんか。あなたの専務が、気が弱い人かなんか存じませんけれども、そういうことが端緒で、よしんばそれが善意に出発したものにいたしましても、それがそもそも官界の腐敗、堕落の大きな原因である。もしそこらの、年末を越すことのできないような、生活の保護法を受けておるような人になってごらんなさい。そんなことをしようと思ってもできないですよ。あなたらのように数十社で一億円も経費を使うような、そんな会社であったからこそできるのです。だから二重にも三重にも、一つの特権ですよ。そんな特権を利用なさる、地位を利用する、金力を利用するということによって、官界を堕落さしてしまうというふうにも考えられる。しかし、どちらが誘ったかということは別にしましょう。いずれにしても、そんなことは絶対にせぬというような強い立場を持ってもらわなんだら、一体国がどうなるのです。あなたが被疑者かどうか、それは存じませんが、個人三人や五人の被疑事件、刑事事件、そんな問題じゃございません。国の根本がぐらつきおるのですよ。これでよろしゅうございますか。国の根本がぐらつく導火線は、一体だれが作ったかということになるのですよ。それは、よしんば善意に出発しても、あなたの会社も一役買うている。それは間違いない。そんなことに対する理解と感覚がなくして、政府に向って大きな売りつけはできないと私は思う。どうでございますか。
#329
○松岡参考人 仰せの通りであります。今回の事件はまことに申しわけないのでありますが、動機は先ほど申し上げましたようでありまして、会社の利益というか、特別の取り計らいを受けるということを期待してやったことじゃありませんが、しかし結果においてはお話の通りでございまして、われわれとしても、今後絶対にこういうことを再び繰り返すことはやらないという考えでございます。
#330
○吉田(賢)委員 これはあなたらに尋ねるのは無理かもわからない。そこで政務次官の御意見を聞くのもどうかと思うが、政務次官はきょうは大臣のかわりだと思うから、できたら一つ答弁してもらいたい。きょう大臣が来る約束になっておったが、見えぬので答弁してもらいたい。何も私は利害関係はないのですよ。何も利害関係はありませんが、二十数社が千億円に近い米の買い入れを独占するということは、これは再検討しなければいけません。それはよい米を適期、適正に輸入するというためには、これが一番よい制度だという答弁があるかもわかりません。あるかもわかりませんけれども、やはり私どもはもっと伸び伸びとした経済行為のあり方を政府にもとってもらいたい。多くの商社を締め出して、少数の独占商社に権利を与えて、しかもその相手方は、今汚職、疑獄に包まれているということは、これは農林省の大失態でございますよ。でありますので、これはどういう形にしろ――まあ、やがて内閣もかわるんだから、そう責任のある御答弁を求めてもしようがないと思うけれども、しかしこの重大な商権が少数に独占されているということは、この外国食糧納入申込者登録規程の三十一年四月の改正によったならば、永久に少数の商社が、千億円の米を売りつける権利を獲得するということになってしまう。こんなやり方をしましたら、これは大へんなことであります。だから、いずれにしても根本的に、こういう問題は再検討するということを、せめてもこんな事件を起した罪ほろぼしに考えなければいかぬと思います。それはよく大臣とも相談してもらいたいと思いますが、どうです、あなたは言えますか。
#331
○大石政府委員 実は大臣がお伺いするところでございましたが、御承知のように、参議院において日ソ共同宣言の本会議がございますので、そちらへ出ておりまして、政務次官がかわって参った次第でございます。
 あなたの御説ごもっともと思います。われわれも十分に、大臣初め各関係者と相談いたしまして、でき得る限り妥当な、一番国民の利益の多い、国民に奉仕する方法においてわれわれの態度を決していきたい、こう考えております。
#332
○山田委員 先ほど食糧庁長官の、輸入に対する定義とでもいいましょうか、輸入する会社のことについていろいろ意見があったようでありますが、どうも吉田委員のうしろで聞いておって、あなたの答弁がよくわからなかったから、一応あなたの答弁を印刷物にして、私に見せてもらいたいと思います。その点委員長から食糧庁長官に言って下さい。
#333
○坂本委員長代理 米穀商社の問題についての対策その他について文書で出してもらいたいと思いますが……。
#334
○小倉政府委員 御趣旨のように、印刷して御配付いたします。
#335
○吉田(賢)委員 厚生省の方をお待たせいたしましたので、お伺いをします。きょうは厚生大臣に来ていただく約束で、固く約束しておったのですが、見えなかったのは実は非常に遺憾です。しかしあなたは大臣よりも御熱心であるし詳しいかもわからぬから、一つ責任を持って答弁してもらいたいと思います。昨年の十二月当委員会において決議をいたしました。そうしてこの退蔵されておりまする十二万数千――あのときは十三万何千トンだったと思うのだが、その後また一万トン売ってしまったらしいんだが、一体これはどないするつもりです。これはいろいろと説明はあろうと思いますが、その腹がきまっておらぬと、途中説明を何ぼ聞いてもしようがない。すでに何回も決議しておるのですから、いかがですか。
#336
○山下政府委員 黄変米の措置は厚生省も非常に重大な関心を持っておりますことは、何回も大臣その他から申し上げた通りであります。しかしながらその後再検査をいたしました結論が手間取っておりましたが、ようやく食糧に供しましても人体に害を与えることのない結論を得ましたので、食糧に供する予定でございます。
#337
○吉田(賢)委員 そうすると、これは確認しておきますが、厚生省は関心を持っておって研究もした結果、食糧として害を与えるものでないと思うから食糧に供する。食糧にもいろいろありまするが、配給用ですか。これはいいかげんなことでなしに、一つはっきり言っておいて下さい。
#338
○山下政府委員 食糧に供しますに当りましては、むろん再搗精、再検査を厳重にいたしまして、みそあるいはしょうゆ等のものに使用いたしたいと思っております。
#339
○吉田(賢)委員 再検査してみそ、しょうゆにする、その再検査してというのはどういう意味ですか。その再検査をした結果、また黒と出た場合にはどうなるか。こういうことは可能性がありますが、それはどういうことなんですか。
#340
○山下政府委員 今日まで多くの学者が非常に長くかかって研究していただきました結果から見ましても、菌のあるものというのはきわめて微量でございます。しかしながらいかに微量でも、菌のあるものは人体に害を及ぼすものでございますから使用いたしませんが、無菌のものは、申し上げましたみそ、しょうゆに使用いたしたいと思っております。
#341
○吉田(賢)委員 菌があるものは微量とおっしゃるんだが、十三万五千トンが無菌とは一体何によってそんなことをおっしゃるのですか。
#342
○山下政府委員 再搗精いたしますれば大体無菌になるということが明確になっております。
#343
○吉田(賢)委員 再搗精すれば無菌になる、それは一体どういうわけなんですか。一体菌なり毒素というものが米の中心部に入るということは学者ひとしくいうところなんですが、そういうことをあなたの方で否定するのですか。あなたに申し上げておきますが、あなたがおわかりでないんなら、わからぬことにしておいてもらいたいのです。一々そこで御相談されるのもけっこうですけれども、私どもはやはり厚生省の立てておる最高の方針を聞かなければいかぬのです。だから公衆衛生部長がいろいろとお考えになっておることも存じております。けれどもそれ即大臣の意見ならばまた別でございます。それならまたあなたに聞く必要はない。しかしこの点はやはり相当重要な関係をもたらしますので、きょうは大臣来ないから、あなたに大臣がわりとしての御答弁を求めるという趣旨でありますから、ほんとに腹がきまっておるのならば、私どもそのつもりで聞いていかなければなりませんのですが、それは本気で言ってもらわなければ困るんです。再搗精したら無菌であるということを表明されておりますが、再搗精したら黄変米が無菌であるというようなことは一体だれがそんなことを言っているのですか。
#344
○山下政府委員 食品衛生調査会には私も出まして、いろいろな先生方の御議論をあらゆる角度から伺いまして、その食品衛生調査会の結論として、再搗精して精密な検査をいたしましたものは無菌であるという結論が出ましたので、私ども厚生省としてはその結論に従って処置いたすということを最高の方針にきめております。
#345
○吉田(賢)委員 そうすると、これは省議で決定しておる方針と聞いていいのですか。
#346
○山下政府委員 大臣を交えまして、省といたしましてはさように決定をいたしております。
#347
○吉田(賢)委員 在庫量を再搗精して食糧に回すといつきめたんですか。――政府委員同士が相談して答弁するという、そんなことは許せません。そんな不見識なことはありません。政府委員同士で相談しながらいうというようなことは、これはやはり知識をあなたに伝授されるか付加しておっしゃることになるわけであります。あなた御自身がおわかりでなければ、そして楠本さんの御意見があなたの御意見になるのであれば、楠本さんに聞きます。それはそれでもかまいませんが、きょうは何とか私はある種の結論を得たいと思うて質問しておる。もう臨時国会も終らんとしておるときに、この問題でまだもやもやしてしまってどうにもならぬということは醜態なんです。そこで再搗精して、みそ、しょうゆに回すということはいつきめたんですか。
#348
○山下政府委員 本年の二月十六日でありまして、吉田委員は私が部長からいろいろ知恵を授かっておるとの仰せでございますが、知恵ではございませんで、小さいことは私も記憶いたしかねておる問題がございますので、日にち等は確認をいたしておるのでございますから御了承願います。
#349
○吉田(賢)委員 よろしい。二月からもうすでに十一ヵ月たちます。十一ヵ月の間何ゆえそれならばすぐに処理をしなかったか。一ヵ月約三千万円の損をしておるのに、なぜ処理しなかったのですか。
#350
○山下政府委員 私ども厚生省の方では、調査会の意見がまとまりましたのでそれを農林省に連絡いたしましたが、その後またサンプリング委員会の方で多少の議論が出ておるように聞いておりますので、進行いたしておらないものと承知いたしております。
#351
○吉田(賢)委員 そんなばかなことありませんよ。厚生大臣が衛生上の所管大臣でありますから、再搗精をすれば無菌であるという証明がついて、これを再搗精してみそ、しょうゆに回すということを本年二月十二日に決定しているなら、何ゆえすみやかに行政措置に出ないのでありますか。何ゆえ十一ヵ月もほっておいたのですか。その後サンプリング委員会から意見が出たのでもたついているというが、そんなことはいけませんよ。それじゃ大臣の権威も何もあったものじゃありません。一体どうなんです。
#352
○山下政府委員 その後のことにつきましては、厚生省は食糧の問題を解決する省ではございませんので、衛生上の見地から、食品衛生調査会の結論が出ましたので、そのことを省議にかけまして、省議決定を正式に農林省に通告をいたしました。その後の扱い方は農林省の方にお答えを願うのが正しいかと存じます。
#353
○吉田(賢)委員 あなたの答弁によれば、本年の二月にすでに再搗精をする、無菌ならそれをみそ、しょうゆに回すということに閣議決定して農林省に通知した。その後の権限は農林省にあるのだから、農林省が怠っているということになるのですか。食糧庁長官、あなたも最近就任されて、迷惑な答弁を横で聞くわけだが、二月にそんな通知を受けて今までほっていたのはどういうわけですか。
#354
○小倉政府委員 お話のように、厚生省の方から二月に先ほど政務次官からお答えのございましたような趣旨の通知がございました。それによって処理する方針でございます。そこで何しろ量がたくさんのものでございますので、処理の方法につきまして、どういう検定をすれば無菌のものであるかないか、それをできるだけ経済的にどう運ぶかということについて検討をその後いたしたわけでございます。その検討の結果、いわゆる病変米を、比較的良質のものと、非常に病原菌がたくさんございまして毒性の強いもの、その中間にあるもの、この三つに分けて処理を考えた方がよかろう、こういうことになりました。非常に悪いもの、これはつき直しをいたしましても食品工業等の原料として使うことはできないということがございましたので、それは食品工業以外の旧式のしょうちゅうの原料でございますとか、のりの原料とか食糧以外の方に配分をするということで、その方面の処分を現在いたしております。それから良質のものにつきましては、再搗精をして菌検定をするということでございますので、ただいま良質のものと悪いものと約五万トンくらいのもについて三つの区分けができておりますので、そのうち良質というグループに属するものについてはサンプルをとりまして、権威のある検定の機関にそれを送付いたしまして検定を始めておるという段階でございます。
#355
○吉田(賢)委員 あなたも就任日が浅いのだが、そう無責任な答弁に終始したら困るのです。一体毒があるとか無菌だとか無害だとかいうことの判定の責任は厚生大臣にあるのではないですか。あなたの方にあるのですか。あなたの方にあるのならばこんな長いことごたごたせぬでもよかった。これは厚生大臣にあるという見解で昨年十二月厳重な決議をしたわけです。厚生大臣は昨年の十二月十何日でありましたかに、多数の学者に集まっていただきいろいろ協議したとここで御報告になった。あなたの方はそこまで介入するのではないでしょう。汚染度の高いものをどうするとか、食糧に全部向けるということの省議決定をしたと言っているではありませんか。衛生的の見地から厚生省の判断に従うというのが農林省の建前ではないですか。輸入したものを厚生省の役人が検定する。あなたの方は保管するだけです。大臣の答弁も終始一貫その趣旨で来ている。あなたの方で処分することはともかくとして、無菌だとか無害だとかいうことについての最高の判断の責任は厚生大臣にあると思うのです。厚生省も最後にあいまいになったのだけれども、今の政務次官のお話によれば、再搗精すれば無菌になる、無菌は無害だからみそ、しょうゆに回すということに本年二月十二日の省議できまったのだという。その後サンプリング委員会から意見が出て話が濁ってしまったわけでありますけれども、あなたの方はそんなところまで行くはずはない。無菌とか有菌とかいうことについてもしあなたの方が最終の判断をするなら二年も五年もこんなことをしておく必要はない。厚生省をほったらかしておいてあなたの力でできたわけですが、そういうことができぬところに行政上の分担があったろうと思うのです。やはり衛生上の見地から厚生大臣が処理し、保管についてはあなたの方、こういうことになっていると思うが、そうではないのですか。
#356
○小倉政府委員 ちょっと先ほどの答弁が御趣旨に反したと思いますが、仰せの通り食糧に供してよろしいかどうかということの最終的な決定はもちろん厚生省でやっていただくわけであります。従いまして、良質米についての菌があるかないかという判定も厚生省の御指定になる機関にゆだねるということでございまして、農林省独自でもって判断するわけではございません。
#357
○吉田(賢)委員 それは当然です。そういう趣旨でずっと厚生大臣、農林大臣は当委員会で答弁してきておられるわけです。われわれもそれを信頼して厚生省自身の立場における処置を待っておったわけです。ところが今日に至るまで最終結論はなお報告されておらぬ。しかし部分的には処理された数量が報告されているのだが、毎月三千万近い倉庫料を払って、今後豊作だったら倉庫も要ろうし、窮屈になると思うが、一向その措置が見られないので、われわれはいらいらしてまたこの委員会で調査をしたい、こう思ったわけであります。山下さん、きょうは大臣がおられぬので、楠本さんと相談してもらっても話がぐらぐらしてしまうので困りますが、失礼ですがほんとうはまだきまっておらぬのじゃないですか。率直に言うておいて下さい。私どもも経済的もしくは衛生的に、またいろいろ横流しの弊害が起らぬように何とかして処理したいということについて、今当委員会は協力するという態勢になっておるのですよ。だからその点については、やはりあなたの方も、でき得るだけ困難な問題は困難な問題として、たやすい点はたやすい点として筋を通して厚生省の意見を当委員会で述べてもらいたいのです。そういうことになりまするので、まだほんとうに最終的にそうきちっと区分して、処理していくというところはきまらぬのではないかと思うのです。どうかして早く最善の案を立ててほしい、こういう気持を持っておるので、そういう観点からあなたの方に聞いておるのですから、そのつもりで言ってもらいたいのだが、ことしの二月に最終結論を出したようにおっしゃっているけれども、最終結論か何か知らぬけれども、あなたの方としてはまだなお仕事が残っておって、農林省に全部まかせちゃって、あるというのではないのでしょう。今の御答弁によると、あなたの仕事は手が切れてしまって、農林省の方でぐずぐずしておるというように聞えるのです。農林省の意見を聞くと、まだそうじゃなくて、菌があるとかないとか、どうするとか、こうするとかいう話であって、あなたの方の話と話が混線してしまっているのです。だからここにはほんとうに明快な方針、結論が打ち出されていないというのが現状ではございませんですか。
#358
○山下政府委員 厚生省で大臣が委嘱いたしました学者は、とにかく日本で信頼できる一流の学者でございまして、その学者の結論が先ほど申し上げたような結論でございますので、厚生省といたしましては、その結論を持って省議を決定いたしまして、明確に態度を決定いたしておるのでございます。
#359
○吉田(賢)委員 あなたがそう強くおっしゃると、どうしてもこれは聞かなければならぬのです。明確に二月に決定して、それから十ヵ月も十一ヵ月もほったらかしておくというのはどういうわけなんです。なぜ厚生省は農林省に向っても強く要求しないのですか。閣議の決定というか、閣議の行政最高の機関もあるのですから、そんな大きな国損が日々継続してるという事実に対しては連帯の責任が国会に対してあることは御承知の通りであります。農林省がぐずぐずしておるのに、なぜあなたの方は農林省にやかましく言っていないのですか。農林省自体が処理できないというのは、あなたの力の指示が適切にあらずということによるのではないですか、その点どうなんです。
#360
○山下政府委員 少ししゃべり過ぎておしかりを受けるのではないかと思いますが、私の考え及びそれは厚生省の考えでもございますが、黄変米は国民に非常な不安を与えた事件でございます。従いましてこれが再搗精をいたしまして、なお非常に厳重な検査をいたしますれば、無菌であってみそ、しょうゆ等の食料工業に回しましても人体に害がないということを私どもが申し上げましても、なかなか一部の国民の方には、そんなことをいってまた毒を食わせるのではないかというような御議論の起ることも考えられまして、その処置に対しておくれておるのではなかろうかと考えられますが、私どもが承知をいたしております学者の結論から申しますれば、さような不安はないということを、少くとも私自身は確信を持って学者の結論を伺ったのであります。それがおくれておるということの農林省の扱い方については私の知る限りではございませんけれども、そういうことの精神的な国民に与える影響というようなものがいろいろ考えられて処置がおくれておるものではなかろうかと考えております。
#361
○川俣委員 関連して。今の答弁中に、再搗精すればというのですが、黄変米は再搗精をして無菌にするとゼロになる場合がある、ゼロになってしまう。無菌にするというなら何もなくなってしまう。全部ついてしまわなければ無菌にならない。粉にはまだ菌がもぐっておる。そういうものもあるわけです。このことはお認めになるでしょう。精白と申しますか、搗精度を高めることによってやや無菌の状態にすることもできます。上側だけでなく、中まで菌を持っておるものもあるわけです。それを全部同様な処置をとられたのですか。この程度のものはこの程度、この程度のものはこの程度という具体的なものが立っていなければ、単に再搗精だけの説明ではわからないのです。そこには私の疑問があると思う。この程度のものは再搗精してあるいは加工に回す、あるいはアルコール等に変質させることによって菌の消滅が期せられる、このものは食糧に供するばかりではなくて、他のものに向けても、なお危険の存在することがある、これが常識ではないか、そう考えておるのです。それを一括して、搗精さえすれば他の食糧に供することができるというような決定をされたのですか、その点があいまいなようですが、この点を明らかにしてもらいたい。
#362
○楠本政府委員 技術的な問題でございますので、私から御答弁申し上げます。
 研究成績によりますと、多くの場合は菌は米の表面だけについておる、従って再搗精することによって菌をなくすることができる。これもまさか粉になるまで再搗精をするのではなくて、表面だけとれば無菌の状態になる、こういうことでございます。従ってさような方法をとっておるわけであります。しかしながら、ただいま御指摘のように、一部の学者の中には奥深く入っておる米も現にあるということですが、これもその汚染の状況によってはあるいはそういう場合があろうかと存じます。従って先ほど政務次官から申しましたように、念のために再搗精をし、さらに念のために再検査をして、無菌のものを出すという再検査は、もし万一奥深く菌のあるものがあっては困るから、かような趣旨でございます。
#363
○川俣委員 従って、そこに限度がきめられなければならぬ。限度のない抽象説は現実に何にも有効ではないと思う。菌がどの程度であるかはあなた方ごらんになったのですか、全部見ておられぬでしょう。もう中まで変質しておるものもある。現にそういうものがあるのです。何としても処分のしようがないというものも、どの程度のものが数量全体からいってあるかということは疑問ですけれども、それがある。しかし今長官が答えられたように、ある程度精白度を高めていくといいますか、つき減らしをすることによって、他のものに利用することができるものもあることは確かにあるのです。あるいはその中間にあるもの、全く厚生省の指示通りできないものもある。やってみて再検査、そんなむだなことは要りません。初めからやったところでとうてい不可能な、検査に通らないようなものまで搗精してみてやるというようなことは机上論です。疑問のあるものを搗精してみて、それから検査ということはあるが、ある程度搗精してみても、もはや限度を越えておるものもある。それなのに搗精していくことか無菌であればというような、そういう指示を与えるから、現実にはものが動かないということだと思う。こんな指摘はないですよ。そこに問題があると私は思う。こういうものはどの程度搗精をすればよろしい、この程度のものであればよほどやらなければいかぬ、これはだめだというように、大体規格を定められて、あとの運用は食糧庁にまかされてもよいけれども、ある程度の方針がなければ食糧庁もなかなか現実的に動けないのではないかと思うので、非難は食糧庁にくるということになりますれば、あなた方の指示に基いたというものがなければ、さらに非難は拡大されるわけです。それは非常に無責任だと思う。この点どうなんです。
#364
○楠本政府委員 ただいまのお話全くごもっともでございます。そこで私どもはもともと色の変った、おそらく今先生のおっしゃるような、目で見て、これはどうも中に菌が入っていそうだというような米は、もちろん毒があろうがなかろうが食糧として不適当であるという判断をいたしております。そこで私どもがただいま再搗精をすればよろしいといったものは、ちゃんと注釈がつけてございます。それは現在在庫の黄変米で、しかも外見上正常なということを規定してございます。先生のおっしゃるように、色の変ったものは、いずれにしても困る。外見上正常な、全く何ら白米と姿の違わないものについては搗精すればよろしい、こういうことであります。
#365
○吉田(賢)委員 参考人の松岡さんは御病気でもありますから、きょうはこの程度にしておきます。どうぞ質疑はございませんから――私はよろしゅうございます。別にいじめるつもりはございませんから、機会があってまたお呼びしましたら、どうぞ繰り合してお出まし願いたい。これを御希望申し上げておきたいと思います。
#366
○川俣委員 私はできるだけ簡単にお尋ねいたしたいから、一つ簡単に御答弁願いたいと思います。政府と輸入米の契約をなさる場合に、他の商社はもちろんのこと、日綿実業はおそらく指定を受ける場合に、食糧管理法並びに食糧管理法施行規則を順守するという誓約をしておられるはずだと思いますが、あの規則通り輸入米を取り扱っておられますか、あるいは了解のもとに便宜的な処置をとっておられますか、この点お尋ねいたします。
#367
○松岡参考人 諸規則に従って取り扱っておると信じております。
#368
○川俣委員 確かにそう信じておられるのですか。松岡さんはそうやっておられるそうですが、石橋さんはどうですか。他の商社はどうか。あなたの方の商社はこの規則通りおやりになっておる、そう思っておられますか。もしも違反と申しますか、いろいろな便宜を与えなければ困るというふうに考えておられますか。
#369
○石橋参考人 規則通りにやっておると思います。
#370
○川俣委員 そういたしますと、この規則によりますと、あなた方が輸入されて輸入申し込みをいたしまして、それから現物を引き渡すということになっておりますが、その通りおやりになっていますか。もう少しわかりやすく申しますならば、輸入の途中のものは申請を、申込書を出すまでは、あなた方の責任である。申込書を出して受け付けてもらって初めて、政府と契約が、本式な現物の引き渡しができるんだという規則になっておるんですが、その通りおやりになっておりますかどうか。あなたは規則通りやっているというならば、そうなっていなければならぬはずだと思います。
#371
○松岡参考人 そのようにやっておると思います。
#372
○川俣委員 そういたしますると、今の要綱というようなものは、あれは要綱は要綱で別だ。規則に従ってやっておるので、要綱とは別だ。規則と要綱とは違っておりますね。
#373
○松岡参考人 私は全部含めてと思っております。
#374
○川俣委員 私の聞いておるのは、要綱というのは食糧庁の内規みたいなものだ。ほんとうの規則じゃございません。食糧管理法はりっぱな法律です。それから施行規則はこの食糧管理法を運用するための規定です。私どもが論じておるのは、法律並びに規定を論じておる。あなたは規定通りやっておられる、こういうふうに今答弁されたんだが、食糧庁長官に尋ねましょう。今の輸入業者で規定通りあなた方やっておると思っておりますか。要綱と規定とは違いますよ。内容が非常に違っておるのです。そこで改正の議論も起っておるはずだと思うが、その点どうですか。
#375
○小倉政府委員 お尋ねの趣旨が必ずしもよくわかりかねておるのでございますが、食糧庁といたしまして、食糧管理法の付属諸法令に準拠して買い入れ業務をやっておると信じております。
#376
○川俣委員 長官は最近なったばかりだからわからないと思って、私は遠慮しておるのですけれども、規則は売り渡し申込書を提出してから二十日以内に現物を引き渡す、こういうことになっておるのです。ところが今の実際の取扱いはそうじゃないのです。規則通りいきますると、検査して不合格なものは、全部これを返さなければならないことになる。それではなかなか実際は困るだろうということで、買ってきたものは全部引き取るということになっておる。本来の規則には違反している行為なんですよ。そこで要綱は便宜であるという、商慣習であるという、商慣習に重要度を置きまして、慣習に重要度を置いて規則を無視しておるんですよ。規則通り行なっていないのですよ。今規則通りやっておるというが、そうじゃないですよ。そんなようにこの規則すら無視されておるような業者を指定業者にしてるなんて、はなはだ不行き届きだ。この規定は少しむずかし過ぎて実情に合わないから別に運用してるというなら話は別です。業者自身がこの法律を順法しておるという。なぜ順法させないのです。順法させないから、汚職の問題等が起る温床を与えるんです。なぜ順法させないのか。なぜ現在商習慣と称するものの取引をしておるのですか。この点商社並びに長官から一つ伺いたい。
#377
○小倉政府委員 ただいま御指摘の点は、規則の四十八条の四という規定に関してのことだと存じます。「輸入の日から二十日以内に、売渡申込書を農林大臣に提出してしなければならない。」という規定に違反してるではないか、こういう御見解のように承わりました。私どもは二十日以内というところにこの規則は重点があるのであって、提出するのは輸入の日からである、輸入の日ということは、法律的にも完了したあとでなければ提出してはいけないという積極的な意味はないという解釈に立っております。従ってこの規定に違反をしておることはない、かように存じております。
#378
○松岡参考人 先ほどちょっと申し上げたのですが、私は規則というのを広い意味に解釈いたしまして、こういう要綱とか要領、これをすべて含んだものの順守をしてる、こういう考えで申し上げたわけであります。
#379
○川俣委員 私が先ほど来聞いておるのは、そんな商習慣を順守して契約いたしますというようなことは、契約書にはないんです。法律命令を順法するということを書いてある。そうでしょう。この命令に違反するものは取り消しすることができると、こうなっておる。あなた方の商慣習を順守するというよなう契約は、一つもしておられないはずです。従って私どもが論じておりますのは、そうじゃない、食糧管理法という基本法、それを運用するための施行規則というものがあってそれを順法しておるとすれば、その施行規則に基いてあなた方商社が輸入をされておるはずだ。ところが今商慣習と称しておって業者と食糧庁の間で密約的な――密約でもないでしょう、公然でしょうけれども、やっておられます行為は、これに違反している行為じゃないか、こう指摘しているのです。しかしこれは売渡申込書を提出してから初めて契約が成り立つのである。あなた方のやっているのはそうではないのです。すでに輸入の許可をとればもはや契約ができたものとしておる。規則はそうじゃないのです。輸入して初めて売り渡し申込書を提出して引き渡すことになっているわけなんです。それを一ぺんに出されておって、これで引き渡しを終えたものという解釈ではないのです。ところが現にやっておられるのはそうじゃないでしょう。だから四十八条の四項に違反している行為をあなた方はやっておられる。便宜上やっておられることは認めますけれども、便宜上やっていることは違反行為だ。それをあなた方が違反行為じゃないというならばこれは別問題です。ところが十分この法律を順法する建前でやっておられるとするならば、そういう取引的な、役所の中の一部の人と話し合いをしてこれが正常な取引だと言っておられることが汚職の温床になる。法律を拡大解釈して便宜的に取り扱ってもらっておる、こう認めてよろしいんじゃないですか。全然こういう規則なんか御存じなしにやっておられるのですか。そうじゃないはずでしょう。この点どうですか、松岡さんに伺います。
#380
○松岡参考人 その規則を実際に適用しては実際の仕事に支障があるから、要綱なり要領ができているんだと思うのですが、別に私たちは違反するつもりでやっているわけではないのです。実際にできるような方法をとらしていただいていると思うのです。
#381
○川俣委員 それは実際に適用できるような便宜な方法をとらしてもらっておることになる。本来であれば輸入許可証を出して、現物が着いて売渡申込書を出してそれから現物を引き渡す、こういうことになっているはずでしょう。これが一番公正な輸入の方法であるというところからこの規定ができているのです。ところがこれでは商社が非常にやっかいである。あるいは途中の破損等の問題あるいは黄変米の処理の問題についても、責任がどちらにあるのかという問題も起きてきて不便であるから、着いたものは全部買ってもらおう、これが非常に便利だというところから、便宜的な方法をとっておられることは商社のためには非常に都合がいいでしょう。しかしそういう便宜的な方法は食糧庁の行政官としてでなく、あなた方と懇意な人々との間における話し合いの結果あるいはできているのかもしれぬ。しかし法律違反行為を行政官がやるわけにはいかぬ。やった面は行政官としてではなく、おそらく私人としてやったのだろうと思う。行政官が法律を犯してやれるわけはない、便宜を与えるわけはないのです。拡大解釈して便宜を与えておるということをお認めになるのですか。
#382
○松岡参考人 実際問題として落札したときに契約されたというふうな取扱いを受けられなければ、われわれ海外で買付、引き取って持ってくるわけにいきません。あまりに危険が多過ぎるのです。ですから実際に即した扱いをやっておられる、こう思うのです。
#383
○川俣委員 非常に危険が多いからこういう便宜をはかってもらわなければならないと言われる。しかし私はこの危険を冒しても契約する人もないわけじゃないと思う。ただやるからには、指定を受けたからには、そういう便宜を与えてもらえば非常に好都合だというので、今あなた方は好都合だからやっておられる。それだったら、なかなかやってもらえないよりその方が便宜だからやってもらっておることだけは認めますが、そういう便宜をなぜ与えられているかということを私は尋ねている。そうでなければ商社が困るから便宜を与えてもらっている、これならよくわかります。しかし一体なぜあなた方は規則通りやろうとしないのか。やれば非常に危険負担が多いからだということになりますか。この点もう一度伺いたい。
#384
○松岡参考人 非常に大きな危険になります。われわれそういうことをやらねばならぬのであれば、これは会社の基礎を危うくする場合が起きますから、とうていやれないことだと思います。
#385
○川俣委員 そうすると、規則通りであるならば、指定業者にはならない、こういうわけですね。あなた方が指定業者になるときには順法するということで指定業者の申請をしておる、そのくらいの損害を受けてもかまわない、ぜひとも指定してくれということで申請しておるのではありませんか。規則通りだと非常に危険であるというなら指定業者になる必要はない、あえて競争をし、運動をしてまでなる必要はないじゃありませんか。そういう便宜を与えられるからだということを念頭に置いて指定業者になっておるならこれは非常にわかりますが、初めからこのくらいのことは何とか話し合いで行けるであろうという指定業者ですか、初めから法律規則を順法するという考え方で危険負担もあえて辞さないという指定業者ですか、どっちですか、どっちで業者の申請をしておるのですか。
#386
○松岡参考人 私どもはそういう実際に即さないようなやり方でなく、落札したときに契約していただくという取扱いを受けなければ海外で買付はできません。そういう実際に即した扱いを受けるものだと思って業者の指定を受けておるのであります。
#387
○川俣委員 もう一点だけお尋ねしましてあとに移りますが、そうすると法律規則は別にして、実際の運用は便宜を与えてもらえるものとして指定業者の申請をしておる、こういうことになると思いますから、その点はそれ以上お尋ねいたしません。
 続いてお尋ねしたい点がございますが、一体契約に反するような黄変米を輸入してもよろしいというふうにあなたはお考えになっておりますか。これは食糧に供するということが条件になっております。それを供されないようなものが輸入されておる場合の責任は政府だというふうにお考えになっておりますか、商社だというふうにお考えになっておりますか、この点を伺いたい。
#388
○松岡参考人 先ほどお話になりました便宜を受ける云々、便宜ということは私はもう一つ同意させていただくわけにいきません。実際的にそういう処置をしていただいておる。そうしなければわれわれ業者はとても取扱えないということで場、実情に即したはからいをしていただいておる。こう思っております。それから食にならないような黄変米を入れておる点でありますが、これはわれわれとしては最善の努力をして現地で引き取ったつもりであります。しかし結果においては一部そういう黄変米が出ましたことはまことに申しわけなく思っております。
#389
○川俣委員 私の聞いているのはそういう意味じゃないのです。何と言っても規則を拡大解釈してもらったり実情に合うようにやってもらっておるということは便宜なんです。一つの便法を講じてもらっておることは間違いなき事実です。規則通りじゃないことは明らかなんです。規則をまげたり拡大してもらって実際の運用をしておる、こういうことですから、便宜を与えてもらっておることは間違いない事実です。あなた方が指定業者になるときは、表面は順法いたしますということで指定業者になっている。それが順法できないで実際に合わしてもらっているのですから、便宜を与えてもらっていることは明らかです。
 第二の点は、遺憾なことでは済まない。こういう損害を与えた場合には、契約に反するような行為があった場合は、指定業者の取り消しもできることになっている。罰金もとることができる。罰金だけでは済まされない問題もあります。当然損害を負担しなければならぬ。そうでなければ指定業者というわけにはいきません。指定業者としての便宜を受けておるからには、それだけの義務の行為が当然なければならぬはずだが、今まで黄変米を入れたために食糧庁から罰金または指定の取り消しのあったことがありますか。日綿実業はどうであるか、他の商社はどうであるか。他の商社については石橋さんから、日綿については松岡さんから御答弁願いたい。
#390
○松岡参考人 黄変米の出た米の引取につきましては、現地で規格に沿った、なるべくいいものを極力とるようにいたしましたが、御承知のように黄変菌があるかどうかは、引取の際に肉眼ではとうてい分別できないのでありまして、できるだけこの規格に沿ったいいものをとって帰ったのであります。一部が培養検査を二週間か三週間されて出て参った。われわれとしてはそういうものがあったということはまことに申しわけなく思っておりますけれども、現地で契約に従った、そして規格に従ったものをとって参ったのでありまして、これは現地でどなたがお引き取になっても黄変菌がおるかどうかということは御判別になれないと思うのです。極力いいものをとってきたのでありますけれども、不幸にして一部そういうものが培養検査の結果出たのであります。そのことに対してはまことに申しわけなく思いますが、現地で引き取りました際にはいかんとも判別ができませんでしたので、その辺を御了承願いたいと思います。
#391
○石橋参考人 ただいま松岡参考人から申し上げたのと同じようなことでわれわれ日綿以外の商礼も規格に沿った、現地で一番ベストの品質のものを買ってきた次第であります。
#392
○川俣委員 私の尋ねているのはそういうことじゃないのです。そのために食糧庁から指定業者の取り消しを受けたりあるいは受けるおそれがあったかなかったか、あるいは罰金等をとられたことがあるかないか聞いている。これはやむを得ないものとして多くは認められてきたという答弁なのかどうか。しかしあなた方の契約の中には、そういうものが出た場合には損害を払う、こういうことになっておる。あるいは指定業者の取り消しを受けてもいいということになっておるのだが、実際はそういう取り消しを受けたということもないし、追徴金を受けたこともないし、罰金を受けたこともないというのであるか、その点をはっきりしていただきたい。
#393
○松岡参考人 日綿の引き取りましたもので、黄変菌の出たその損害に対しましては、食糧庁におかれましても現地で代行業者として必要な処置を十分とった。肉眼では見えないものが出た、それは事情やむを得ぬ、こういうお考えのもとに罰金は課されておりません。
#394
○石橋参考人 日綿以外の商社でもそういう罰金をとられたことはございません。
#395
○川俣委員 そういうことになりますと、予知できなかったということで悪いものを持ってきても、非常に努力していいものを持ってきても大体同じ結果になる、こういうふうに私どもは理解いたしまして次の問題をお尋ねいたします。
 あなた方も検定協会というものに献金か寄付かしておられますか。あるいは負担を仰せつかっておりませんか。あなた方の品物を検査する検定協会、あれは政府の機関でないことは御存じの通り、任意機関でありますが、これに政府からか、あるいは協議会からか、寄付または負担金を仰せつかっておりませんか、この点を伺いたい。
#396
○石橋参考人 検定協会からは、われわれ協議会としては何も寄付とか負担は仰せつかっておりません。
#397
○松岡参考人 検定協会は、穀物検定協会でありましょうか、海外貨物検査会でありましょうか。
#398
○川俣委員 それはどっちでもよろしい。
#399
○松岡参考人 負担は仰せつかっておりません。
#400
○川俣委員 負担を仰せつかっていないというけれども、何らかの形でこれが出ているとすれば、それはどういうものになるのですか。現に出ておることは明らかですが、何のために出しておられるのか、この点を明らかにしていただきたい。
#401
○松岡参考人 出ておるというのは、何か検定協会に対して私の方が特別の金を出しておるという御解釈ですか。
#402
○川俣委員 そうです。
#403
○松岡参考人 私にはその記憶はございません。
#404
○石橋参考人 私も存じません、
#405
○川俣委員 そうしますと、あなた方が出す意思もない、また出した記憶もない、それだのに出ておるとすると、政府から出ておるということに私ども理解をいたしまして、次に食糧庁長官にお尋ねします。
 この輸入米から検定協会に出しております金はどういう形式で出しておるのですか。食糧庁の特別会計の中から出してあるのですか。今までは食糧庁の会計の中から出しておるという答弁であったのですが、問題になりましてからは業界に負担させておるという答弁になっておりますが、その点どうですか。
#406
○小倉政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。特別の負担ということで参考人に誤解があったのじゃないかと思いますが、輸入食糧を輸入いたします場合に、着地で農林省の検査を受けなければならぬわけですが、そこでその検査を受ける準備もありまして、お尋ねの検定協会が業務を担当しておりますので、それにつきまして輸入業者の方でそれに相当する検定料を払っておると存じます。
#407
○川俣委員 個々の検査の検査手数料のことを言っておるのではないのです。検定協会の収入の中に明らかに――輸入米の方から幾ら、内地米から幾ら、その収入をもって検定協会というものができておる。受け取る方はちゃんともらっておるというのに、出しておる方が出していないというからおかしいと言っておる。しかも私があえて想像するに、業者の方が出していないとすれば、食糧庁がその分だけを輸入手数料の中に加えておって、あなたの方で便宜取り扱って出しておるかもしれないと思うのです。従来はそういう出し方をしておったが、これはいけないということになったので、業界に今後負担させるということを言明されておりながら、依然として業界の方では出した覚えがないというから問題だと申しあげておる。しかも前の食糧庁長官の東畑四郎君が検定協会の会長になっておる。自分が元いたところから金を持ってくるのに、前の食糧庁長官を持ってきて便宜をはかろうということも、これは汚職じゃないにしても、綱紀粛正上問題点であるのです。そればかりじゃないでしょう。だれだったかちょっと名前は忘れましたけれども、前の輸入課長が江商の脂料部長か何かになって行っているのです。食糧庁は、初めからこういうひもつきをどこの商社に入れるとか、あるいは一番大きい取引先であるところの日通に重役を入れるとか、あるいは検定協会の会長に持っていくというようなことは考え直さなければいけないと思うのです。今私は食糧庁長官にこの点を追及しようとは思いませんけれども、今の検定協会の問題から見ましても、そういうあいまいなことではいかぬと思うのです。この際明確にするようにしてほしいと思うのです。これは資料でお出し願いたい。
#408
○小倉政府委員 承知いたしました、
#409
○吉田(賢)委員 黄変米問題について、大臣が来ないために最終的に質疑をすることができないのははなはだ遺憾であります。
 そこで厚生省の楠本さんに聞いておきますが、この世界で黄変菌がなくなったとは思いません。それの肉眼検定しかやっていない買付の現状にかんがみまして、かりに貯蔵その他は改善されておるといたしましても、これまた根絶したものとは思いません。そこで現状におきまして、あなたの方は、輸入港もしくは倉庫等で、輸入米の全量のうち何%実際に抜き取りの肉眼検査をいたしておりますか。
#410
○楠本政府委員 肉眼検査の点はきわめて操作が簡単でございますが、これをどの程度やっているか、ちょっと今資料の持ち合せがございません。精密培養検査の方は輸入米のおおむね六〇%について実施をいたしております。
#411
○吉田(賢)委員 輸入米の六〇%は培養検査をする、そんなことはちょっと数学的に想像されないと思います。百万トンの米を六〇%培養検査をする、そんなことはちょっと考えられません。やはりあるサンプルをとってそれをやるということになるほかはないだろうと思うのであります。そこで一番最初の段階で、あなたの方の検査員が何人か港々におるはずだが、この人らは一体何%について肉眼検査をやっておるのですか。
#412
○楠本政府委員 ただいま御指摘の点は、もちろん六〇%全部培養試験をやるわけではございませんので、もちろんサンプリングをいたしてやっておるわけであります。従ってサンプリングのやり方が多少グローブではないかという御批判はあろうかとも思いますが、いずれにいたしましても六〇%はいたしております。なほ、サンプリング要員が二十八名港に滞在をいたしておりまして、船が着くたびに所定のサンプリングを行なって、それをそれぞれ試験機関に送っておる次第でございます。
#413
○吉田(賢)委員 しかし実情は、数年来人間が増員をしてないのでしょう。
#414
○楠本政府委員 増員は特にございません。
#415
○吉田(賢)委員 たとえば神戸、大阪では何トン入るのですか。概数でけっこうです。
#416
○楠本政府委員 ちょっと数字を忘れましたので、後ほど資料でお答えをさせていただきます。
#417
○吉田(賢)委員 それでは名古屋では何トン入るのですか。
#418
○楠本政府委員 これは記憶でございますが、名古屋が二十万トン程度ではないかと思います。
#419
○吉田(賢)委員 何人いるのですか。
#420
○楠本政府委員 サンプリング要員として専任におりますのは一人でございますが、しかし御承知のように検疫所に勤務をいたしておる関係で、できるだけ検疫所の要員も手伝うように指導いたしております。
#421
○吉田(賢)委員 肉眼検査にしてもあるいはサンプリング要員の施設の増強にしても、そういうものは数年来改善された跡はないのであります。ですから、結局これを一口に数学的に統計的に申しまするならば、大部分の輸入米は無検査で入っていると申し上げても差しつかえないと私は思う。そういうような状態を継続しておられまするので、これはもっと積極的にやらねばなるまいと私どもは思うのだけれども、あなたは一向熱意がなく、予算要求もしないが、それは一体どういうものかと思うのです。そもそも、いろいろ努力はしているのだろうけれども、たとえば昭和三十一度において、黄変米の研究等についての予算を取っておりますか。
#422
○楠本政府委員 三十年度におきましては、予備金を要求いたしてはおりましたが……。(吉田(賢)委員「三十一年度のことを聞いているのです」と呼ぶ)三十一年度は、さような三十年度の経験もございますので要求はいたしてございません。しかしながら厚生省におきましては、科学研究費を使いましてできるだけ調査研究を進めたい所存でございます。
#423
○吉田(賢)委員 大体予備費というものはそんなものに使う金じゃありませんよ。予備費というものは、憲法できちっと要件が書いてあるのであります。つまり、予測すべからざる必要な経費についてのみ予備費は使うことを許されている。それが予測すべからざるどころじゃない、もう買いたくて困っており、問題にされて困り切っているという、そういうわかり切った問題である。そんなものに使う予備金などというものはあろうはずがない。やはり正規に取ってきて、研究すべきものは研究して、調査すべきものは調査して、そうして完全にやらなければいかぬです。毎月三千万円も倉庫代を払う金があったならば、年間三億円も倉庫代を払う金があったならば、ちゃんと予算要求でもすればいい。大蔵大臣だってそんなものはけちけちしませんよ。厚生省はそういう方面についての調査研究の熱意がなしといわねばならぬ。私も、輸入港の検査要員の増強についてしばしばあなたとも話し合ったのだけれども、一向に取り上げておらない、実績がないのであります。そうして今黄変米なしなどと言っているが、あるやらないやらだれも知らない。はんとうに知るものは神様だけです。そんなものを食って、肝臓病になって死んでいる人が無数にいるかもしれない。世界でも一番肝臓病が多いといわれている日本でありますから、知らないで黄変米を食って死んでいるかもしれない。保健衛生の行政当局はもっとしっかりしてもらわねばいけません。八十億円も九十億円もの黄変米を抱いて処理をしないで、十ヵ月前に方針が根本的にきまったといいながら、責任を農林省におっかぶせてしまって、農林省自身も明らかにそういう答弁をしながら、どうしてこれに対する最終の措置を閣議等に持ち出して強くやらないのか。こういうことは事務当局に申し上げてもしようがないことですけれども、ともかく黄変米をめぐって各関係省がだらしがありませんよ。全くだらしがありません。だから今川俣委員からも商社に向って追究しておられたが、それはほんとうにそうなんです。責任を負うところがどこにもないのです。これはまるで天災か不可抗力と思っておる。人災ですよ。行政上の過失ないしはほんとうの責任が問われなければならぬのですよ。これはまるで暴風か台風のように思っている。とんでもないことです。これは人災でなければならぬと思うのだ。それからその責任のよって来たるところを追究するということで、根本的に絶滅を期するというようなのならわかるのだけれども、穴をふさいで絶滅する対策は講じない。経費だけ要りっぱなしで処置をしないで、商社も責任を問われない。そうして今川俣委員からも追究しておったごとく、食管規則も脱法いたしまして、それが慣習なりとして横行しておる、そうしてまた有力な商社もみな締め出されておる。最有力なものは残っておる。商権は独占する。年間千億円に近い米の政府の買い入れというものが、かくのごとくにして行われておるということでありましたら、黄変米も出ますよ。また疑獄も出ますよ。そんなことで一体国費が使われるということでありましたならば、国民はほんとうに安心して税金を納めませんよ。そこへ思いをしてもらわなければいけません。だから厚生省にしましても少々くらいの予算はやかましくいうて取りなさいよ。はんとうにあなたが熱意があるならば……。そうして恒久的施設をして、日本に対してそういうような黄変米が入ってこないように、病原菌が日本人の胃袋へ入らないようにしなさいよ。あなたらは今再搗精をしたらそれで食料に通ずると言っていたけれども、この間のだれかの質問に対する答弁によれば、再搗精してぬかをどこかへ流しておるらしい。われわれが想像をたくましゅうすれば、ぬかを食う。だれが食ったか知りません。犬が食ったのか鶏が食ったのかこれはわかりません。鶏が食ったって、皮をむいたものでも、その皮に毒素があったら毒を食ったのは鶏でしょう。鶏も肝臓病にかかったかもしれない。あるいはその鶏がそれを体内に吸収したら、その鶏を食べたお客さんがまたその病毒に感染するかもしれないというようなことをいろいろ考えますと、ほんとうに私らはもっともっとしっかりしてもらわなければ困ると思います。ほんとうに困ると思います。こんなだらしがないことで日が暮れて、こんな問答をするのはばかばかしいような気がするのですが、ほんとうにばからしく思います。もっとしっかりしてほしいですね。これは大臣がおりませんから事務当局から中途半端な答弁しか求められないのは残念に思います。大臣も来にくいと思います。正直なところを言えば、いろいろと内部の問題もあろうけれども、この問題は国民がほんとうに監視しておるのです。そう思って下さい。だからあなた方がほんとうに良心的に誠実に、一生懸命になってこの問題の解決に当ってもらいたいのです。だから楠本さん、あんた帰って言うときなさい。今別に答弁はいりませんけれども、あんた一人残って、あんたは能弁でうまいことを言うのだけれども、実は全く私ども厚生省の態度は不可解なんだ、大臣もこの問題について責任のがれするということはもってのほかです。黄変米問題は何べん決議しておるのですか。仏の顔も三度ですから、もっとしっかりするように言って下さい。
 食糧庁にも言っておきますが、あんたら何べんも長官が変ってしまうので、人のことのように思ってなさるかもしれぬが、ほんとうに大へんなんです。この問題が解決しなければ職を辞するくらいの決心をもって取り組んで下さい。あなたの方でもう十ヵ月も前に厚生省の方針をきめたというなら、厚生省の方針通りおやりなさい。それはきめたというけれども、まだこれは結べておらぬのです。結べたような答弁はできやしません。時間がないから問わなんだだけのことであります。どっちにしても大臣同士話し合って、どちらの責任になるのか責任のなすり合いをせずに、最終的結論を出しなさい。それを出さずにここでいいかげんなのれん問題をやったってしようがないのです。どうしてもいけません。よっぽど注意しなければいろいろな業者が待っています。そしてたくさんな犯罪人を作らないようにして下さい。なんぼでも犯罪人が出ておるのですから……。農林省はその本山みたいになっておる、そういうことを実に遺憾に思います。この程度にしておきます。
 この問題は本日結論が出ませんので、適当な機会に責任の大臣からはっきりとした御答弁を得まして、委員会としての結論を持っていきたいと思いますので、本日はこの程度で保留さしていただきたいと思います。
#424
○坂本委員長代理 参考人に対する質疑はほかにないようでございますからこの程度にとどめます。
 参考人各位には御多用中、長時間まことにありがとうございました。退席されてけっこうです。
 本件に関する調査は、本日のところ一応この程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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