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1955/01/23 第24回国会 参議院 参議院会議録情報 第024回国会 社会労働委員打合会 第1号
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1955/01/23 第24回国会 参議院

参議院会議録情報 第024回国会 社会労働委員打合会 第1号

#1
第024回国会 社会労働委員打合会 第1号
昭和三十一年一月二十三日(月曜日)
   午前十一時四分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           高野 一夫君
           谷口弥三郎君
           山下 義信君
   委員
           榊原  亨君
           寺本 広作君
           深川タマヱ君
           横山 フク君
           長谷部ひろ君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 小林 英三君
  政府委員
   厚生政務次官  山下 春江君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       多田 仁己君
  説明員
   厚生省医務局長 曾田 長宗君
   厚生省保険局長 高田 正巳君
   厚生省保険局医
   療課長     館林 宣夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度に関する調査の件(新
 医療費体系に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○理事(山下義信君) まだ定足数に達しないようでございますが、あとから見えることと思いますから、これより委員会を始めたいと存じます。もし終りまでに定足数に達しない場合は、委員会を打合会に切りかえるということで御了承をお願いいたします。りてれでは社会労働委員会を開会いたします。
 社会保障制度に関する調査の一環として、新医療費体系に関する件を議題といたします。厚生当局から説明を願います。まず厚生大臣から御説明を願います。
#3
○国務大臣(小林英三君) 私は新医療日体系につきまして申し上げまする前に、一言当委員会に釈明をいたしておきたいと存じます。それは新医療費体系というものは、現在の四月一日から実施されまする医薬分業に関連いたしまして、新しい医療費の体系を設けるものでありまして、非常に重大なものであることは申すまでもないのでありまして、この国会の昨年の休会になります前の当委員会におきまして、この新医療費体系ができ上ったならば国会の社会労働委員会にも報告しろと、こういう御希望がございました。もちろんわれわれもその通りと存じまして、協議会の方にかけますると同時に当委員会にも御報告申し上げまして、いずれその問題について要求がございましたならば、何どきでもまかり出まして、これが説明をいたす心がまえでいたのであります。ちょうどまだ休会中ではございますけれども、二十日の日に当委員会がお開きになりまして、私どもに対して、この新医療費体系について説明をするよべにという御希望があったことは存じ上げて、十分に承知いたしておるのでありますが、ちょうどその際は予算編成の最終段階の日でございまして、われわれといたしましては、厚生省の行政の、できるだけわれわれの意思を予算の上に盛りたいと存じまして、省内総動員して活躍をいたしておる際でございまして、私が当委員会に出席できなかったことはまことに遺憾に存じております。このことにつきまして皆様方の御了解を得たいと存ずる次第であります。
 それから新医療費体系というものにつき、ましては、前国会におきまして、四月一日から、国会で修正されました案に基きまして実施されることに相なっておるのでありますが、これにつきましては、従来の医療費の体系から新しく技術と物とに分けました体系にいたす必要がありまして、先般来厚生省において十分な作業をいたして、そうしてこれをただいま医療協議会の諮問を得つつあるのでありまして、諮問をいたしておるのでありまして、いずれこの問題につきましては、少くとも明月下旬までには答申を得たいと存じております。
 なお、これに関連いたしまして、当委員会におきましても、これについて報告をいたしておるのでありますが、われわれといたしましては、当委員会の御意見等も十分尊重いたしまして、この医薬分業が実施されまする場合において、新医療費体系の点数等につきましても、十分に一つりっぱなものにして実施したいと考えておるのであります。
#4
○理事(山下義信君) ただいまの厚生大臣の御説明に対して御質疑のあります方は順次御質疑を願います。
#5
○榊原亨君 ただいま厚生省がお出しになりました新医療費体系についての厚生大臣の総括的なお考えを承わったのでありますが、二、三この点について大臣の御所見を承わりたいと思うのせあります。もちろんこの新医療費体系の政府の作成されました経過、方法等について詳細承わりましてから後に、その根本的問題につきましてもいろいろお話を承わりたいと思うのでありますが、一応大臣の総括的なお考えを承らさせていただきたいと思うのであります。
 その第一番目は、前厚生大臣がお作りになりました七人委員会、その七人委員会の御報告を私どもも承わったのでありますが、その七人委員会の結論につきましては、現厚生大臣はいかがなるお考えを持っていらっしゃるのでありますか、それを承わりたいのであります。
#6
○国務大臣(小林英三君) 七人委員会の答申につきまして、どういう点について榊原委員はお尋ねになったのでありますか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
#7
○榊原亨君 御承知の通り七人委員会の報告は、この社会保険の制度等の改革についても御所見がありますが、あの七人委員会の御報告そのもの全体について、厚生大臣はいかがなるお考えを持っておいでになるか、御意見があるかということが第一点。
 第二点といたしましては、七人委員会の報告の中にも、この医療費の体系についていろいろ支払方式その他につきましてもいろいろ示唆ある御結論を出しておられるのでありますが、それらの点について大臣はどんなふうなお考えを持っていらっしゃるかということを承わることが第二点であります。
#8
○国務大臣(小林英三君) 広範な七人委員会の御意見としては大いに尊重すべき点があると思います。
#9
○榊原亨君 第二点の、この医療費に関する意見という点について御意見はいかがでございますか。
#10
○国務大臣(小林英三君) ただいまの御質問につきましては、専門的な問題が多分にあると存じますから、この点につきましては局長から御答弁をさせたいと思います。
#11
○榊原亨君 今日は大臣もお忙しいのでございまするし、委員の方もいろいろ大臣に御直間があると思いますから、専門的な問題につきましては、いずれ詳しいことは局長その他の御専門の方にお願いいたしますが、それでは大臣もお考えがおまとまりにならぬというふうでございますので、これはもう少しだんだん具体的問題になりましてから、大臣にその具体的問題を取り上げて、一つ御質問申し上げたいと思います。第二に私は大臣にお伺いいたしたい一のは、公的医療機関と私的医療機関とがあることは大臣も御承知の通りです。厚生省はかねてから公的医療機関と私的医療機関とはちょうど縄のようなものであって、相ともに協力して行かなければならぬ、公私の医療機関については、その発達というものはともに省当局としても助成しなきゃならぬ、こういうお考えであったと私は考えておりますが、現厚生大臣もさようなお考えでございますかどうか、この点を念のために承らさしていただきたいと思います。
#12
○国務大臣(小林英三君) お尋ねの通りでございます。
#13
○榊原亨君 そこで、それではその次に承わりたいと思いますのは、先ほど大臣もお話しになりましたよべに、医薬分業が法律ができまして、そうしていよいよこの四月からこれが実施されるということになった。そこでこれはぜひ医療費の体系、新医療費体系、言いかえますならば、技術と物とを分けた体系が必要なんだ、こういうお話のように承わりました。この点に関しましては、新医療費体系がこの医薬分業と可分か不可分かという問題につきましては、前国会におきまして、厚生省とされましては可分でもあり、不可分でもあるというようなお話であったのでございまするが、医薬分業をいたしますのに、技術と物とを分けた医療費の体系でなければ医薬分業ができないという御所見はどういう理由でございますか、承らさしていただきたいと思います。物と技術を分けなくても、たとえば現行の今やっております診療報酬点数表によっても医薬分業はできると私は思うのでありますが、どうして医薬分業をするのに物と技術を分けた医療費の体系でなければできないという厚生省の御見解はいかがなものでございますか。
#14
○国務大臣(小林英三君) 従来のやり方と違いまして、医薬分業は物と腕と、技術とを分けるのでありますからして、従いまして新しい医療費の体系によって行われるものと思います。
#15
○榊原亨君 医薬分業は物と技術とを分けるというのではないと私は思うのでありますが、この点は大臣の御意見は……。
#16
○国務大臣(小林英三君) 私の申し上げ方が間違っていたかもしれません。つまり医薬分業が行われることになりますと、従来の考え方でなしに、物と技術とを分けた医療費の体系で行われるのでなければこれが実施できないというように考えております。
#17
○榊原亨君 どうもこの点が、大臣もまだ今までのいきさつを十分御存じではございませんから御無理と忍べのでありますが、医薬分業というものはそういうものではないと思うのであります。くどくどしく申し上げて大変失礼でありますが、この問題が日本の近代の、近ごろ現われて参りましたことといたしましては、当時サムス准将が日本の国にやって参りまして、そうして医薬分業をせひしなければならぬ、こういうお話だった。そこでなぜ医薬分業をしなきゃならぬのか、こう聞きますというと、日本の医者は薬を売る、薬剤師はクマのいを売る、歯医者は金を売る、そういうことでやっているよりも、技術を主にした医療を行なった方がいいんだ、そこで医薬分業をするんだ、こういうお話であったのであります。そこで、それならば物と技術に基く、そういうことでない医療費の体系をするということによって医薬分業をした方がいいんだ、こういうことであったのでありますが、それはその結論でありまして、結果でありまして、医薬分業というものは必ずしも物と技術を分けなくてもできる。たとえて申しますならば、今私は例をとって申します。現行の診療報酬点数表は処方箋は五点で書けた、これを薬剤師に持って行った場合には調剤手数料を取ってやっているわけです。その当時でも、医療費がワクが広がれば別でありますけれども、その当時の体系でありましても医薬分業はできるのでありまして、どうしても医薬分業をするのに新医療費体系、言いかえれば技術を主とした医療費の体系でなければならぬということにはならない。私どももちろんこの技術を主とした医療費の体系が理想的であるということはわかるのでありますが、しかしながら医薬分業をするのにはどうしても新医療費体系、物と技術を分けた、厚生大臣がおっしゃるような医療費の体系でなければできぬというお考えは少しどうかと私は思うのでありますが、その点をはっきりしてゆきませんと、今後のこの問題を検討いたしまする上に非常な支障を来たすと思うのであります。新医療費体系は理想的なものでございましょう、この形は理想的なものでございましょうが、そういう理想的な形でなければ医薬分業ができないのではないのでありまして、医薬分業は今の点数表によっても十分できる、この点もう一度大臣のお考えを承わらしていただきたいと思います。
#18
○国務大臣(小林英三君) 新医療費体系というものは、本来あるべき診療報酬の組み立て方を示すものでありまするからして、その医療費体系としての本質から申し上げまするならば、これは私は医薬分業とは可分のものとも考えられるのであります。しかし近く四月一日から行われようとしております医薬分業というものに関しましては、やはりこの新医療費体系というものは不可分なものであるというように考えます。
#19
○榊原亨君 くどいようでありますが、この点が非常に重大であります。先ほどからるる私が申し上げますように、医薬分業を行いますのには、新しい、厚生省がお考えこなっているような新医療費の体系でなくてもできる、そういう体系によって行うことも理想でございましょう、私も一部分はそう思うのでございますが、そうでなくても、今までのような体系でもできる、またそのほかの支払方式を変えました体系でも医薬分業というものはできるのであります。これは大臣もおわかりだと思う。ところがなぜこの医薬分業というものを厚生省がお出しになりましたような医療費の体系でなければできないのだと、この点をはっきりさしていただきませんと、たとえて申しますというと、今度お出しになりました新医療費体系の中にいろいろ不合理な点があると私は思います。私どももこれから御説明を承わらなければわからぬのでありますが、もし不合理の点が万一ございましたときに、それはどうしても先ほど大臣がおっしゃるように、四月一日から医薬分業をするからその不合理の点を直すひまがないのだと、不完全でもそれをやるのだというような話になってきますと、これはせっかく新医療費体系というようなりっぱな体制によって日本の医療をやろうという大臣の親心が消えてしまうことになるのでございますから、そこで新医療費体系というものでなくても医薬分業はできるのだが、新医療費の体系というような体系によってやる方が望ましいことだと、こういうふうに大臣は思っていらっしゃるのじゃないかと思いますが、この点をもう一度失礼でありますが、大臣のはっきりしたお答えをいただきたいと思うのであります。
#20
○国務大臣(小林英三君) ただいまのご質問でございますが、私は医学分業を実施する上におきまして、新医療費体系というものは少くとも必要なものであるということを深く考えております。なお、ただいまお言葉の中にありましたような点につきましては私も全く同感でございまして、厚生省が作りました新医療費体系というものは、これはもちろん最善のものをいろいろの点から作業いたしまして作り上げたものでありますけれども、しかしこれも人間が作ったものでございますから、私どもといたしましてはこれを絶対的のものとは存じておりません。民間のあらゆる声を聞きまして、また国会のいろいろな御意見も尊重いたしまして、十分にいいものにしてこの実施をしていきたいと、こう考えるのであります。
#21
○榊原亨君 大臣のお答えはまだ私を十分納得させるに至りませんが、大臣も御就任間もないことでありますので、この点の詳細な関係は失礼でありますが、まだ十分御承知でないかもしれませんので、順次政府のお出しになりました新医療費体系を分析いたしまして、私ども御質問申し上げた段階においてもう一度今の質問を私さしていただきたいと思うのであります。
 次は医療費のワクを変えないと、そうしてこれを各科に配分したというお話であるのでありますが、この問題につきましても、技術的問題はあとといたしまして、医療費のワクを変えないと申しますことは、日本の医療費の総ワクを変えたいというお考えでございまするか。各医療機関の、たとえて申しますならば病院なら病院、診療所なら診療所、各医療機関の今まで通しの医療費のワクを変えないという御意見でありますか。この点は総ワクを変えないというお話でありますか、それとも各医療機関のワクを変えないという御意見でありますか、その点を承わらせていただきたいと思います。
#22
○国務大臣(小林英三君) お答えいたしたいと思いますが、新体系というものは旧体系との切りかえの点におきましては、総医療費に変動が生じないようにしただけでありまして、総医療費のワクを切りかえるときの額に固定させるものでは決してないのでありますから、その点を一つ御了承願いたいと存じます。
#23
○榊原亨君 私の質問が十分徹底しないかもしれませんので、もう一度私申し上げてみたいと思いますが、この新医療費体系を実施することによって、日本の社会保険なら社会保険の総医療費の変革は来さない、こういうこれはわかっております。ところが新医療費体系をすることによって各医療機関、たとえて申しますと、病院なら病院、診療所なら診療所、各医療機関のワクに変動がないように努めてこれができたのでございまするか、各医療機関の収入の、収入と申しますか、診療報酬のワクというものはどうでもいいんだ、そこで日本の総医療費だけが増減ないように努力をしたのだ、こういうお話でございますか、その点を一つ承わりたいと思います。
#24
○国務大臣(小林英三君) お答えいたしますが、これは私ちょうど就任いたしたときに、厚生省におきましてはこの医薬分業に対処いたしまして、新医療費体系を整えつつあったわけでございまして、今御質問のように、私自身といたしましてもこの新医療費体系ができたことによって、今までの旧体系によって計算したことと、新医療費体系によって計算したことと変らないように、しかもそれは上から見ても、裏から見ても、横から見ても変らないように作業してもらいたいということを私も事務当局にも命じたのでありまして、また事務当局といたしましても、その作業につきましては私がただいま申し上げましたような趣旨に基いてやったのでございます。
#25
○榊原亨君 そういたしまするというと、大臣のお考えは日本の総医療費のワクは変えないことはもちろん、内科の人は内科の人の今までの収入はあまり増減がない、外科の人の収入はあまり増減がない、皮膚科の人の収入はあまり増減がない、いわゆる各科の各医療機関のアンバランスというものは起らない、今まで通りの収入になると、もちろん末端のことでございまするから、多少のこの変動はやむを得ませんが、大体そういうおつもりで総医療費のワクの増減だけでなしに、各医療機関におけるところの取り分の増減もあまりないように、アンバランスが起らないように努力をしたのだと、こういうお考えのように承わりますが、さようでございますか。
#26
○国務大臣(小林英三君) その通りでございます。
#27
○榊原亨君 大臣のお答えを聞きまして、大へん私喜ぶものでありますが、そういたしますると、これからいろいろ詳細について承わらなきゃならぬのでありますが、もう一つ私承わっておかなきゃなりませんが、それは御承知の通り医療報酬と申しますものは、点数表と単価との掛け合せでございまして、点数表と申しまするものは、各診療行為、各医療行為の比重を示すものである。それが一対二になりましても、二対四になりましても、四対八になりましてもいいわけでありまして、その数というものは何も意味がない。その比重というものが意味がある。それに単価を掛け合せて初めて医療報酬ということになるわけでございまするが、新しい医療報酬につきましては、大体現行の甲地は十二円、乙地は十一円五十銭という線をお考えになって御計算になっておるのでありまするか。またこの単価は御承知の通り昭和二十六年におき嘉しては、自由党の内閣といたしましても、これは暫定単価であって、単価も変えなければならぬということも言っておる。そういう約束でありますが、そういう点については大臣はどんなふうなお考えをお持ちになっているか。もちろんこれは国民の所得とか国民の経済というものと非常に重大な関係があるのでありますが、とにかくそれは別といたしまして、暫定単価の問題は新医療費体系におきましてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるかということを承わっておきたい。
#28
○国務大臣(小林英三君) 新医療費体系を作ります際に、私どもの方針といたしましては先ほどお答え申し上げた通りでございます。ただ私がここで今お尋ねの点に対してこまごまと答弁いたしますというと、また誤解があるかもしれぬと思いますので、この点につきましては、明細に局長をして答弁させたいと思います。
#29
○榊原亨君 それでは局長からの御答弁はまたいずれ伺うことにいたしまして、大体大臣のお考えはわかる。
 そこで、この新医療費体系におきましては、日本の医療に対するところの診療報酬の総ワクを変えないばかりでなしに、各医療機関におけるところの収入の増減につきましても十分考慮を払っておる。しかもこれがもしやむを得ぬ欠陥がありますならば、これは厚生省だけの立場でなしに、各界の意見、国民の中正なる意見を聞いて、納得がいく上においてこれを修正することも考慮するというようなお考えのように先ほどから承わったのでございますが、もう一度念のために伺わしていただきたい。
#30
○国務大臣(小林英三君) この問題につきましては、ただいま医療協議会に諮問をしているわけでございます。私が先ほど申し上げましたように、医療協議会の答申がどういう答申になるか知りませんけれども、私は、先ほど申し上げた通りに十分にこの問題につきましては比較的の問題でございまするし、国会の御意見も承わり、またそのほかの民間の御意見も十分に非公式でも何でも承わり、そうして万全を期したい、こう考えておるのでございます。
#31
○榊原亨君 ただいまの、また先ほどからの大臣の御答弁で非常に私は満足であります。どうか一つ、これから私どもが十分この医療費体系について検討をさしていただきまして、その上で各詳細にわたりまして、また大臣の御所見を承わりつつ審議を続けたいと思うのであります。私の質問は以上であります。
#32
○谷口弥三郎君 私から二、三大臣にお伺いしたいと思います。
 今回出されております、まだ詳細について御説明を得ておりませんが、出されております新医療費体系なるものは、これまでしばしば言われておったように、いわゆる科学技術によるところの医療費体系を作るという意味でお作りになったものであるから、むろんお作りになった体系なるものは、先刻大臣もおっしゃられましたが、完全なものとは言われぬけれども、とにかくその方面に非常に熱心に御勉強になって作ったものと思っておるというお話でございましたが、私どもの聞いておりますところによりますと、各団体または国民の医療に対して、今度の新医療費体系ではかえって医療が低下するのではなかろうかということを非常に心配しておる向きもあるようでございますが、大臣としてはむろんそういうことは全然お考えになっておらぬと思いますが、いかがでございましょうか。
#33
○国務大臣(小林英三君) 今お尋ねのようには考えてはおりません。
#34
○谷口弥三郎君 実は、これもちょうど健康保険法の一部改正などが出てこようとしておるときを考えておる結果でございましょうが、今度の新医療費体系なるものは赤字対策のために作っておるというような話もしきりと聞くのでございますが、これは赤字対策とは関係のないものと私は思うておるのですが、その点はいかがでございましょうか。
#35
○国務大臣(小林英三君) もちろんこの健保の赤字対策には全然関係がございません。
#36
○谷口弥三郎君 赤字対策でないということを聞いて安心いたしました。この今回できました新医療費体系というものは、これをもし施行するというと、受診率なども非常に減ってきて、従っていわゆる早期診療とかいうのが全然できぬようになってしまう、いわゆる医療の低下を来たすものであるということをしきりと言っておる方面もあるよべに聞いておるのでございますが、そういう点について大臣はいかにお考えでございましょうか。
#37
○国務大臣(小林英三君) 新医療費体系を発表いたしましてから、全国の各界におきましていろいろの御批判があることは私も承知をいたしております。ただ私は、これらの関係者の代表者の方々に会いますたびごとに申し上げておりますことは、この厚生省の作りました新医療費体系に対して、最初からこれはいかぬものである、これではだめだというようなお考えがないようにしていただきたい、十分に検討をして、そうしてこういう点が間違っているのではないか、こういう点が悪いのではないかというような御意見を指摘していただければ、われわれも十分それによって考えたいということを申し上げておるのでありますが、ただいまこの問題について十分に掘り下げて研究をした結果、おっしゃっている問題につきましては、私は傾聴いたしたいと思いますが、ただあれはだめだ、これはだめだというような単なる内容の検討もなしにおっしゃられることは、私は当らないと考えておるのでありまして、従いまして、今谷口委員の御意見のような点は私は考えてはおらないのであります。
#38
○谷口弥三郎君 いま一つお伺いしたいのは、先刻来榊原委員の質問のときにもございましたように、この問題はきわめて重要な、重大な国民全体に及ぼす影響の非常に大きい問題であります結果、私どもはこれから十分に詳細にわたって局長さん方その他にいろいろと説明をしていただき、また質問もいたしますし、また全体のいろいろの方面の意見も聞いてみたいと思うているのですが、先刻お話によりますというと、これは四月一日から実施をせんならぬからしてぜひ早目にこれを、ことに中央社会保険医療協議会の方には答申を出してもらいたいというような御希望もあったようでございますが、わずか一、二カ月でこれがそこまで、そう全体の意見を聴取し得るかいなかということを、まあやってみなければわかりませんけれど、非常に心配しておる、考えておるのですが、厚生大臣としてはいかにお考えでございましょうか。
#39
○国務大臣(小林英三君) 四月一日から医薬分業が実施されることになっておりますので、厚生省といたしましては、この新医療費体系の周知方を十分に手を打ちまして、そうして医薬分業の実施期に先だちまして、万全を期したいと存じておるような次第であります。
#40
○谷口弥三郎君 いま一つ。実は先刻も話がありましたように、新医療費体系と医薬分業とは不可分のものである、または可分のものであると、前の厚生大臣などは言っておられたのでございますが、この問題はなかなか大きい問題だからして、四月一日の間に合わぬというような場合もあるかも存じませんが、大臣はあくまでもこれは可分のものとお考えになっておるのですか、やはり不可分とお考えになっておるのか、それを最後にお伺いしておきたいと思います。
#41
○国務大臣(小林英三君) 医療費体系の本質から申し上げまするならば、可分とも考えられるのでありまするけれども、今回の医薬分業を実施するという点からいたしますれば、不可分と考えておるのであります。
#42
○谷口弥三郎君 それでは、私なおお伺いしたいこともございますけれども、厚生大臣に対する質問は一応これで打ち切っておきます。
  〔理事山下義信君退席、理事谷口弥三郎君着席〕
#43
○山下義信君 専門家の榊原委員、谷口委員の御質疑があったのでありますが、私はしろうとでありますが、新医療費体系につきまして、厚生大臣の御意見を一、二伺いたいと思います。
 この新医療費体系は、健康保険法におきましていわゆる厚生大臣の権限にまかせられてあることでありまして、国会の議決を要すべき問題でないことは明らかでありますが、しかしながら自他周知のごとく、昨年以来医薬分業と密接不可分の関係にありまして、国会がこれに対して熱心に審議をして参りまして、今回またいわゆる第二次の新医療費体系が報告せられるに当りまして、厚生大臣はこの新医療費体系と国会との関係をどのように考えておられるであろうかということにつきまして、若干の不明瞭な点があったのでありますが、先ほどからの質疑応答によりまして、十分国会で議論をしていただきたいという、その意見については尊重する、十分審議してもらいたいという明快な意思表示がありましたので、この点につきましては、私は大臣の基本的態度につきまして多とするものであります。世間ややもいたしますというと、この新医療費体系が法律事項でない、国会の議決を経べきものではないということに籍円いたしまして、厚生当局において一方的に、独断的にきめ得ることである、きめて何らはばかるものでないというがごとき言説をなす者があるようでありますが、これは非常な誤謬である。さような考え方をもって当るということになりますと、大きな間違いが生じてくるのでありまして、これは単なる事務手続や、そういう枝葉末節の問題でない、形態はいかにも厚生大臣の権限できめ得る告示程度のもののようにあるけれども、本質はただいま申し上げましたような法律の中身を左右するものである。いわば法律の前提ともなるか、あるいは法律以上の、あるいは法律以前の問題とでも言うか、そういう点で先国会以来可分、不可分議論が戦わされてきたのでありますが、私は先ほど申し上げましたように、政府と国会とのこの問題に関する基本的の御態度というものが明快になりましたので、了といたしまして、これ以上の多弁は要しませんが、その点十分にその方針でやっていただきたいということをまずもって申し上げたいと思うのであります。
 お尋ねいたしたいと思いますることは、何といたしましても、これは医療に関しまする診療報酬の規定でございますから、医療を担当いたしまする者と十分この新しい医療報酬制度を作るにつきまして御折衝がなくてはならぬ。法律の上では厚生大臣が一方的に決めることができるようにあるけれども、当然療養担当者側と新医療費体系については御協議相なるべきはずである、御折衝相なるべきはずである。その折衝が未熟で、突如として一方的に政府がかかる医療費を決めるということになって、療養担当者側が非常に不満を持つということになると、これは難航をたどらざるを得ぬことは言うまでもない。従って、政府は新医療費体系を作るについて療養担当者側といかなる折衝を今日まで試みてきたか、またどのようにその間協議をしていくつもりか、政府が誠意をもってそれを円満解決していく意図があるかどうかという点について、私は大臣の御答弁を得たいと思うのであります。
#44
○国務大臣(小林英三君) 山下委員の御質問でございますが、新医療費体系についてあらゆる医療機関の諸君と折衝しているかどうかというようなお話でありますが、医療協議会というものは各界の代表も出ていることでありまするので、私は公式にこの問題について意見を徴する機関としてはこれで足りると思っております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、それらの代表者、たとえば日本医師会でありますとか、あるいはその他の団体等の代表者、これは非公式でありますが、私は努めてこれから御意見も徴して参りたいと存じておるのであります。
#45
○山下義信君 お尋ねいたしたいと思うことは、新医療費体系という厚生省が原案を作成する以前に療養担当者側と、いわゆる医師会、歯科医師会等の関係者と十分に協議をされたか、折衝をせられたか、事前には何ら折衝はしなかったか、協議はしなかったか、こういうことであります。
#46
○国務大臣(小林英三君) これは、私が就任する前後を通じまして、公式なものではございませんけれども、厚生省といたしましては連絡はいたしております。
#47
○山下義信君 私はその連絡という程度ではいけないと思うのですね。どういう連絡か知りませんが、先ほど質問の要旨を申し上げましたときに、十分交渉をいたしまして、折衝いたしまして、そうして療養担当者側のでき得れば納得を得て政府の原案が初めてここにでき上るということが当然な行き方ではないか、かように考えてお尋ねしておるのです。そういう折衝を試みられましたか、納得を得られましたか、あるいは反対があって納得は得られないままに厚生省の原案が作られましたか、療養担当者側との折衝についての政府のとられました態度、方針はどうでありますかということを伺っておるのでありますから、率直に一つお答えを願いたいと思う。
#48
○説明員(高田正巳君) 従来の経緯のことでございますから、お許しを得まして私からお話を申し上げます。昨年新医療費体系を一応国会に提出いたし、また医療協議会の方にも提出をされておりまするし、それらのものを通じまして、関係の各団体の御意見というものを相当昨年来世の中に発表をされております。従いまして今回作業をいたしまするにつきましては、まず国会でいろいろ御意見のありました点を十分尊重いたし、また関係団体等で御意見のありますところをなるべく採り入れるようにいたしたのであります。さらに今回案を作成いたしまするにつきましては、診療担当者の団体等の幹部の方々とお話し合いも実はいたしました。しかしながら基本的な線についてのお話し合いでございまして、何を何点にするというような細部の非常に細かいお話し合いは間に合いませんでございました。さようなことで基本的な考え方、おもなる点につきましてはお話し合いをいたしたわけであります。しかしながらこれはあくまでも非公式なお話し合いでございまして、そういうお話し合いをしたということがそれらの団体の幹部の方にもかえって何と申しますか、話し合いをしているということが御迷惑になるようなことになっても相なりません。あくまでも非公式にお話し合いをいたしたのであります。従いまして公式なお話し合いといたしましては、先ほど大臣からお答えいたしましたように、中央医療協議会の場において診療担当者の代表が出ておられますので、その場においてこれらの代表を通じましての正式のお話し合いがただいまいたされつつある次第でございます。なお大臣が先ほど来由しておられまするように、正式なルートはそこでございますが、私どもといたしましては、その正式なルート以外におきましても、今後いろいろと御意見を拝聴し、また取るべき点を取って、不完全な点がございますればそれを修正をして参りたい、かような態度をとっておる次第でございます。
#49
○山下義信君 大体御答弁のお心持はわかるのですが、私はこれは大事なことでありますから、繰り返して、しいてこの経過を聞こうとしたのです。それでこれはもう常識から考えても新しい医療の報酬制度をきめようとするのに、その関係のつまりお医者さん側、そういう人と折衝もしないで官僚が一方的にきめる、そういうことをなさるはずはないのですから、必ずや非公式でも御相談なさったろう、今の御答弁でもうかがえるように、相当関係者の方でもいろいろ意見をおっしゃって、またそれを取り入れた部門もあり、あるいは意見の一致しなかった点もあるでしょう。一部において、たとえば日本医師会等の団体の方でも全面的には同意しなくても、まあまあこれでよかろうといったような同意を与えた節もあるのじゃないかと思う。だからそういうことをこまかく言うたら迷惑が起きたり、あるいはいろいろ問題が起きるから、あるいは政府の方では詳細な経過の説明に困る場合もある。しかるに世間では至るところに医師会がいわゆる保険医の総辞退運動、新医療費の反対運動というようなものをやっておる。もし医師の代表者の一部でも当局の折衝に応じていろいろ意見を言って、あるいは一部分でも同意した点が百分の一でもかりにあったとしたら、一方において保険医の総辞退なんていうことをやっておるのはおかしいのです。どこまでその折衝の内容が、全面的に初めから話が合わなくてもの分れになったのか、ある程度までは意見も取り入れてお話し合いが一分や二分進んであったのか、それが私どもは実は詳しく聞きたい。しかしここでそこまでせんさくすることはやめますが、これは実は重大問題で、どこかで聞いておかなくてはならない。そこで私思うのに、この新医療費体系の政府案を作る前にほんとうは納得ができて話し合いがついてそういうことができたら――と私はそう思う。
 そこで、私は次の質問をしますが、これはここできめてもらわなければならぬが、中央医療協議会というものの性格は何です、これをきめていかなくちゃならぬ。今大臣並びに大臣にかわって答えた保険局長の説明では、公式の療養担当者との折衝の場は医療協議会だと育つた。果してしかるかどうかということをここできめておかなくちゃならぬ。私は中央医療協議会は医療費体系について、診療報酬の諸問題について療養担当者側と折衝する場ではないと思う。これを折衝の場にするか、折衝の場でないとするかということは、ここできめておかなくちゃならぬ。どう解釈するか。私は中央医療協議会というものは療養担当者と医療報酬制度についての公式の折衝の場じゃないと思うが、政府の方はこれを正式の折衝の場とするかどうか。この点を一つ明快にきめておいていただ、きたい。厚生大臣の責任ある答弁を私は求めたいと思う。
#50
○国務大臣(小林英三君) 医療協議会というものは療養担当者の正式な折衝の場であるかないかという御質問のようでありますが、私は医療協議会というものは厚生省の作りました新医療費体系を法的にできておりますいわゆる諮問機関としてこれには各界から出ておられますが、それの答申を求めるところであり、従いまして御質問のような了解を得るとか得ないとかいうような問題とは私は別個の問題であると考えております。
#51
○山下義信君 厚生大臣は折衝の場でないという答弁をした、今の答弁は。私も大体そう思う。これは諮問機関であるから折衝の場でない。従ってほんとうの折衝は非公式に事前になすべきであって、新医療費体系について関係者にさらに念を入れて、厚生大臣の権限を執行する前に入念にいろいろと意見を聞くところ味あって、いわゆる仕上げの場であって、ここで実質円の折衝をする場でない。もしこれが新医療費体系について療養担当者側と折衝する場であるならば、委員の構成が実に不合理だ。ほとんど療養担当者というものが出ていない。これを分析するならば医師というものは一名か二名、歯科医師が一名か二名、薬剤師が一名か二名、六名になっておるけれども、分析してみれば一名か二名なんです。二十四人からの委員の中で何人か覚えていないけれども、医師といえば一名か二名、歯科医師が一名か二名、そんな三名か四名で、一方は十八人です。折衝するというならば五分々々でなければならぬのでありますから、いわゆる療養担当者側から各界の代表者、外科、内科、耳鼻科、眼科という工合にそれぞれの代表者を少くとも五人も十人も出して、そうして政府側と折衝するのがこれが折衝なんだ、医療協議会はそういう組織になっていないのであります。そこで私はもし折衝の場にするならば、ここで新医療費体系というものがこれでいいかどうかということを療養担当者に納得させるという目的がもしあるならば、医療協議会には専門委員を設費することができることになっておるから、こういう際にこそ必要な専門委員――各界のいわゆる専門医師というか、関係者の代表をずらっと入れて、そうして各点数にわたって詳細に具体的に意見を聴取するのが至当なんであります。私は、折衝の場でないということは明らかになったが、しかしながらいろいろ具体的な意見を聞くために医療協議会に、さらに専門委員でも委嘱する考えがないかどうか、今のままでいくかどうか。これはついでに御当局の御方針を承わっておきたい。
#52
○国務大臣(小林英三君) 山下委員の御意見でございますが、やはりこれは新医療費体系を実施していくという上におきまして、ただいま医療協議会に諮問中でございますが、私はこの問題につきましては、実質的に各医療担当者等の御意見も浸透さす必要があると思いますので、協議会の中にも専門委員等を作りまして、その専門委員を通しての意見が、厚生大臣に対する諮問に万全を期するようにいたしたいものだとこう考えております。もっともこの問題につきましては、一応医療協議会の御意見もあることでありますが、私といたしましては、医療協議会の諮問機関といたしましての機能を発揮さすために、今回のこういう問題に対してはそう吊ることが一番よろしいと、こう考えております。
#53
○山下義信君 よくわかりました。私もそう思います。幸いにそこまで入念に医療協議会を活用するというお考えでございますから、私はけっこうに思います。
 それで私の本日の質問は、この新医療費体系の組み立ての基本方針とか、そういう御構想等については他日承わることにして、さしあたってこの新医療費体系をどうするかという、まあ目の前のことを大臣に御方針を私は承わるのでありますが、先ほど医療協議会の答申は二月末までにやってもらうということを期待するということでありました。それでこれをいつごろに告示する御予定でございますか。厚生大臣としては中央医療協議会の諮問を二月末に得て、それから厚生大臣がこれを告示する、これはいつ告示するというお考えでございますか。
#54
○国務大臣(小林英三君) でき得まするならば、二月の下旬、おそくとも三月の初旬までにはそういたしたいと思います。
#55
○山下義信君 これは当然そうでしょう。技術的に考えて四月一日に実施をする医薬分業のその新しい料金表ですから、少くとも一カ月前にはこれが告示せられて、関係者はもとより国民一般に知らせなければいけない、これができなければ医薬分業が実行されないから。法律は先にできた、去年は先にできなかった。今年は法律の方が先にできて、その料金表があとを追っかけていく。去年はこういう料金表で医薬分業をやろうと思いますと、料金表が先にできて、法律そのものがどうもあいまいなものだった、今度は法律が先にできた、四月一日にやるという医薬分業の法律が先にできた、決定版とも言うべきものができた、その法律がどういう運命になるか知りませんが、しかし今日は確定している、だからそれを実行するには新しい料金表ができなければいけない。これは先刻来、谷口委員、榊原委員との質疑応答でも明確であります。当然のことであります。でありますから、技術的に考えて、どうしても三月の上旬にはこれは新医療費というものの表が告示せられなければならぬのでございまして、そういう順序になると思う。そういうことに当局の御方針はあるということはここで明らかにしておきましょう。
 それで私伺いますが、今保険医が非常に反対しておりますね。つまり全国の医師がこぞって、どういう状態になるか知りませんが、非常に反対している。保険医の総辞退、あるいは一日休診、こういう事態を巻き起している。一体厚生大臣はこの反対の情勢をどう見ておられるか。私どもから見ると、もう実にりつ然としてはだえにアワを生ずるような、患者をそのままに置いておいて、病人をそのままに置いておいてお医者さんが休んで反対しているというようなことは、これは実に社会不安のはなはだしいものであると思うが、厚生大臣はこの医師会側というか、この保険医の反対運動の情勢を見てどういうふうに考えておられるか。この反対は取るに足らずと考えておられるか、あるいはゆゆしき事態であると考えられるか、あるいはやがてこれは納得せられてこの反対運動は消滅する、円満にこれはしのいでいく、ここは切り抜けていくことができると考えておられるか。厚生大臣はこの現実に今目前に行われている全国の保険医の方の反対運動をどう見ておられるか、どう対処していこうとしておられるか、この点を一つ明快に御答弁を願いたいと思う。
#56
○国務大臣(小林英三君) 今山下委員からお尋ねのような問題があることは承知をいたしております。ただこの間一方におきましては、新医療費体系によって計算をした医療費というものは旧来のものよりも少い、非常に少い、よってこれには反対するというような会合もあったのであります。また一方におきましては、反対側の立場におられるといいますか、保険者の方の立場の方の会合におきましては、この新医療費体系ではお医者さんが従来よりも、まあ、平たく言えばもうかり過ぎるといいますか、そういうような会合もあったように聞いておりますが、私はいずれにいたしましても先ほど申し上げましたように、この新医療費体系につきましては従来に変らず、もちろん健康保険の赤字等には関係のないものであるということを十分御認識いただいて、なおこの新医療費の実施につきましても、民間のいろいろの御意見も徴して、厚生省が作りましたものといえども絶対的のものじゃないのでございますから、また人間の作ったものでありまするから完全無欠のものではないのでありますから、とにかく厚生省といたしましては最善のものを作ったというだけでございます。従いまして私はあらゆる意見もいれ、また答申もちょうだいし、国会の意見も尊重し、またそういうような最初からこれはもう絶対なものだという考えでなしに十分に御検討を願いまして、そうしてそれに応じて足らぬ点があればこれを修正すろこともやぶさかではないと思うのでありまして、ただいまの山下議員のおっしゃったような問題につきましては、厚生省といたしましても各地に係官を派遣いたしまして、これの内容につきまして十分に周知徹底し、また民間の御意見も拝聴いたしまして万全を期したいと考えております。
#57
○山下義信君 私がこの全国の医師が――国民の医療を担当する、保健の医療を担当する保険医というものが、すなわち医師がその診療を放棄してそうして反対をしているという事態はこれは非常に重大だと思う。これをべんべんだらりと十日も二十日も一月も新医療費体系のいろいろの意見を聞いて、でき上るか、納得するか、医療協議会がともかくもするまでこれをべんべんだらりと傍観している手はないと思う、それで折衝は折衝、議論は議論、意見を聞くは聞く。そうしてかかる医師の一日休診というようなことき事態をすみやかにとどめるように、そういうことをやめるように、そういうようなことのないように当局としてはこれは手を打つべきである。ただ単に健康保険の保険者としての責任じゃない、国民の医療を担当する政府当局は国民に不安を与えるような医師のいわゆるストライキを、一日休診、総辞退というがごときこの実行運動のような事態はこれをすみやかにやめさせるような、やめるよりな私は当局は手を打つべきである、あるいは誠意を傾けて善処すべきである、かように考えるのでありますが、大臣のお考えはいかがでございましょうか。
#58
○国務大臣(小林英三君) 今仰せの通りであると思います。
#59
○山下義信君 私に御同意下さるばかりじゃいかぬのでありまして、手を打っていただかなければならぬ。私は思うのに、健康保険医が保険医たる職務を放擲をして、そうして被保険者の診療に対して欠くるところありというがごとき事態が起きたらば、私は健康保険法上許さるべきものでないと考えるが、厚生大臣の御意見はいかがですか。
#60
○国務大臣(小林英三君) この点はやはり私は新医療費体系が完全無欠なものであるとは存じておりませんが、少くとも私はこういうようなことが起りまずということにつきましては、やはりある程度の非常な大きな誤解がある、こういうように考えておるのでありまして、こういう誤解を解くには歯科医師会あるいは医師会等とも非公式にお目にかかりまして、十分にわれわれの意見を開陳をして善処いたしたいと思っております。
#61
○山下義信君 私は保険医が、健康保険の医療を担当する保険医が、勝手にその保険医たる仕事を休んでやめておるというような状態は健康保険法上許されないことであると思うが、厚生当局は差しつかえない、保険医としてはそういう行動に出ても差しつかえないというお考えでありますかどうか、私は承わりたい。
#62
○国務大臣(小林英三君) ただいま申し上げましたように、医師会側の方たちと十分に話をいたしまして、そうして医師の方の良識に訴えまして、国民の診療に欠陥の起らないように万全を期したいと考えております。
#63
○山下義信君 大臣の答弁は要領を得ないのでありますがね。大臣の御見解を聞かなければ――これは事務当局の見解ではいけない。健康保険法では療養担当者たる健康保険医の義務が規定されてある。その義務に反した場合には許すことができないことになっておる。従って健康保険医が何らの理由なくして、理由なくしてというと語弊がありますが、ほしいままに、勝手に健康保険医たるその責任を放棄するようなことがあっても当局はこれを黙認されますか、どうですか。
#64
○国務大臣(小林英三君) 私は今山下委員のおっしゃったような保険医の態度は、これは非常に新医療費体系に対する誤解があると思っておりまするから、十分にそれらの方々の良識に訴えまして、健康保険の診療等に欠陥がないようにいたしたいと思っております。
#65
○山下義信君 再三お尋ねいたしましたが御答弁がございません。それでは私は今保険医がとっておるところの、いわゆる一日休診という保険医総辞退の前駆ともいうべき、その保険医たる仕事を休んで、そうしてそれをもってデモンストレーションするというこの行動は、健康保険法上、保険医の義務上何ら欠くるところがない、当局はそれに対してとがめる意思なしと了解してよろしゅうございますか。
#66
○国務大臣(小林英三君) そういう法規の上の問題につきまして、私は深く存じておらない点もありますから、こういう点につきましては一つ事務当局から答弁いたしたいと思います。
#67
○山下義信君 大臣が自分にかわって答弁させるということでありますから承わりましょう。保険局長の見解を承わりましょう。
#68
○説明員(高田正巳君) ただいま山下先生がおっしゃいますように、健康保険の保険医が、その保険医たるの義務を果さないという事態に対しましては、当局といたしましてもこれをいつまでも放置いたしておくことはできないと思います。ただ先生御存じのように、保険医が自分で保険医の仕事をやめたいと思いまする場合には、辞退を申し出ることができる規定はございまするので、その規定に従って辞退を申し出ました場合には、これは違法であるということにはならないかと存じまするが、さようでない場合におきましては、これは当局といたしまして放置できない状況にあると私は存ずるのでございます。それは法律上の問題で申し上げますればさようなことでございます。ただ、今回のことにつきましては、先ほど来大臣が繰り返し御答弁を申し上げておりまするように、支払いの体系が非常に根本的に変革を来たすということに相なりまするので、保険医としていろいろな不安に、何と申しますか、不安に感ぜられるということもこれはもっともなことで、なお反対運動の理由としていろいろ書き上げられておりまするもの等を見ますると、誤解が相当あるように存ずるのでございます。従いまして、当局といたしましては直ちにこれらの好ましくない状態を、法律上の何と申しまするか取扱いまして、直ちにどうこうするということよりは、まずそれらの誤解なり何なりというものを解いて、保険医の方々の良識に訴えるという措置をまず実際問題としてはとるのが至当ではないかと、かように私どもは考えておる次第でございます。
#69
○山下義信君 前段の保険医の法律上の義務規定は私と保険局長の解釈は同じだと思うのです。ですから、一カ月前の辞退の予告期間が置いてあるというその建前からいっても、保険医であることを受諾しておるその期間における義務というものは法規上厳然たる規定がある。ただ法律上それをやかましく言うばかりが上策でないことは言うまでもないのでありまするから、いろいろ手を打っていただかなければならぬ。私が打っていただくということは法律上威嚇せよというのではない。十分誠意を示して、当局はかかる不安状態のないように対処していただきたいということが私の質問の理由なんです。大臣も局長も誤解がある、誤解がある、あなた方の方では誤解があるけれども、向うの方が正解であるもしれない。どうでしょう。それで誤解があるならどこが誤解か。ただ収入が減少するというだけのことを反対理由に言うておるのじゃない。それが全部じゃない。いろいろ新医療費体系の上において、医師の立場以外に被保険者の立場も議論しておるのであります。その反対理由が誤解だけならめでたいけれども、誤解でなかったらどうする。でありますから、これは一つ当局でも対策を、誠意を披瀝して、国民の納得するように、医師そのものの納得、保険医の納得ももとよりでありますが、かような社会不安の状態が起きたときに、この国民の医療の責任を負う厚生省当局が努力しておるという手を打たなくちゃならぬ。それを新医療費体系がきまるまでの間、ずるずる傍観している手は私はないと思う。
 最後に一つ私は伺いますが、この新医療費体系はほんとうにやりますか。国会に御報告になって世間が騒いでいる。厚生省当局はある程度の決意を今朝来の質疑応答でも示しておられるようでありますが、ほんとうにやりますか。承わりまするところによりますと、この新医療費体系は、あなた方の方でもというか、政府与党の、あれは民主自由党ですか、自由民主党ですか、(笑声)自由民主党の方でもこれは一ぺんこう出したけれども、これはやるつもりはないのだということを、私どもはどこからかアンテナにかかってくるのです。これはおやりになりますか。あるいはこれはもう一ぺん再検討なさるのじゃございますまいか。この点を一つ伺いたい。いやしくも国会に御報告になってわれわれをしてまっかな顔で議論さしておいて、裏の方ではこっそり取りやめるようなお考えであるのですか。まじめに議論をするのがあほらしい。そういうことをされるなら早く御発表になって、健康保険医やその他の不安を、要らぬことをがやがや騒がさぬ方がよろしい。これは政府の方ではきぜんとしてこの新医療費体系は所定の手続を経てあくまで実行なさるお考えでありますか。その点について一つ明確に御方針をお示しを願いたいと思います。
#70
○国務大臣(小林英三君) いろいろ手続を踏みまして実行する考えでおります。
#71
○山下義信君 それでは念のため伺いますが、政府は、それは名前がどういうふうになるか知りませんが、あるいは法難によって提案されるか知りませんが、医療制度の研究の何か委員会をお作りになるというお考えがあるようでありますが、その医療制度の委員会で、あらためてこの問題を御検討、御研究なさるというお考えでもありますか。全然そういう委員会には無関係でありますか。これを承わっておきたいと思います。
#72
○国務大臣(小林英三君) ただいまのところ、そういう考えは持っておりません。
#73
○山下義信君 自由民主党の方ではこの新医療費体系は一ぺん一つ再検討をして、そしていろいろ保険医等の反対もありますから、十分一つ練り直すようなふうに自由民主党の方では考えておられるということを承わりますが、そういう事実はありませんか。
#74
○国務大臣(小林英三君) まだ党からそういうふうな交渉を受けたこともございませんし、そういう正式な御意見も承わっておりません。
#75
○山下義信君 どうもその辺がくさいので、私は医療保障委員会というものを、予算でも、あれは幾らですか。七百万円ですか、幾らかこの委員会で予算をおとりでありましたので、どうもここへもう一ぺんおかけになって、その問題はたな上げされるのじゃないかという危惧があるのですが、どういう構想でこの医療保障委員会をお作りになるかどうかということを念を押してお聞きしておきたいのですが疑惑を一掃されるように明確にされる御意思がありますか。
#76
○国務大臣(小林英三君) ただいま後段にございました山下委員の御質問の予算の問題其これは自民党の党議といたしまして、今の国保にいたしましても三千万人もその対象になっていないというようなこともありまして、将来たとえば今日の健保と国保をどうするか、あるいは国民皆保険というようなことにつきましても、今日の社会保険というものをどうするかというような大本につきまして調査研究をいたしたいという意味のものでございまして、今日の新医療費体系に関係のないものとかように考えております。
#77
○山下義信君 大体私の本日の貸間は尽きましたのですが、なお念のために聞いておきますが、健康保険の改正法律案はいつごろお出しになりますか。お出しでございますか。
#78
○国務大臣(小林英三君) これはただいますでに改正に着手しておりますが、できるだけ早く提案をいたしたいと思っております。
#79
○山下義信君 私はこれが医薬分業に密接不可分であると思うのだ。言うまでもなく健康保険の改正に重大な関係があることは言うまでもない。去年の医薬分業にだけ関係があったのだ。新医療費体系が、ことしはこの新医療費体系が右の手は医薬分業に関係があって、これは隠れておるかもしれませんが、左の手はもう明確に健康保険の改正の制度とは関係は密接不可分なんです。従って新医療費体系が医薬分業の実施にのみ眼をとらわれて議論されることは当らないと思う。健康保険制度と非常な関係がある。それで健康保険法の改正法案がいつ出されるのかわからぬことでは、この新医療費体系の審議はできない。およそ御予定がなければならない。大体の御予定は一つお示しおきを願いたいと思う。
#80
○国務大臣(小林英三君) ただいまのお尋ねでありますが、健保の改正案は大体二月の中旬ころまでには出したいと思います。
#81
○山下義信君 私はそうだろうと思う。そうでなくちゃ平仄が合わぬ。それでそれはそれでよくわかりました。それで私はこの際政府に資料を要求いたします。後刻事務当局から具体的な説明を承るわけなんでありますが、あるいはそのときに資料が配付せられますれば、それはよろしゅうございますが、一応私は資料を要求いたします。
 前回の、昨年ですね、提出されました前回の新医療費体系と今回の新医療費体系との比較表を資料として私はちょうだいいたしたいと思う。
 それから第二は、このたびの新医療費体系の実施後の、私はしろうとでよくわかりませんが、各診療行為ごとの、でき得れば、少くとも重要な点につきましてその診療行為の頻度の予想表、つまり新医療費体系を実行してみれば、お医者さんのやり方がどういうふうに変るじゃろうかという予想表。銭が変らぬ、医療費が変らぬということばかり言っていては意味をなしません。元来医療費が変らぬというようなことはナンセンスです。けれどもそれは別としてこの新医療費体系が実施せられたならば、診療行為の頻度にいかなる変化があるだろうかという当局の研究せられた予想表、これを資料として一つちょうだいしておきたい。これがなくてはこれから新医療費体系の検討ができない。医者の診療行為にどういう影響を与えるだろうかという御研究ができておるはずでありますから、一つこれの資料をちょうだいいたしたい。
 それから第三には、最近の保険医の収入状態の資料をちょうだいいたしたい。以上三点の資料をちょうだいいたしたいのであります。
 それからなおこれはあとで具体的に当局の御説明を聞いてからでなければわかりませんが、そのときに御資料の配付があればよろしゅうございますが、この際あわせて要求しておきますことは、何か最近新たなる各診療機関の実態調査をなされたということである。多分これが配付せられてあるんだろうと思う。この最近の、昭和三十年度になされた最近のいわゆるその医療機関の実態調査、これと昭和二十七年の三月か、十月であるか、前回の資料の基礎になりました、前回の医療の経済調査のあの資料との比較表を資料として御提出願いたいのであります。
 私の質問は以上であります。
#82
○高野一夫君 私は今日は何も質問しないつもりでおりましたが、ただいま資料の要求がございましたので、これに関連して一言申し上げておきたいと思います。先ほど来谷口委員、山下委員に対しまして、大臣並びに保険局長の御説明で十分相わかっておるのでございますが、私も保険医の一日休診あるいは総辞職決議などということは、非常な重大問題と思って深い関心を持っておるわけであります。ところがこういうような法律にきめ手がないかもしれぬけれども、あるのかないのかわからぬけれども、人間の生命を、国民の生命をあずかっているその医療行為によって、自分たちの意見が通るか通らぬかという、その運動をするのに、診察してやらぬ、診療してやらぬというようなことは、国民に対する私は非常な冒涜だと思う。そこでかくのごときことが法的に取締ることができるかできないか知らぬけれども、おそらく本式にはできないのではないかと思いますが、このストライキみたいな行為を、社会保険医療を担当しておる医師が行うということは国家として重大問題である。これは私はこれに対しては、世間の世論がこれに対して比判を下すに違いない、こう思っておる。そこで先ほど来大臣並びに保険局長が誤解があるから、その誤解を解くように努めたいと、こういうわけであるけれども、その誤解がどこにあるかということがはっきりしない。これはどの点に誤解があるかということは、自分としてはちゃんとつかんでいる、それは今日申し上げませんが、そこでこの誤解を解くことは大いにやってもらわなければいかぬ、ただ平身低頭して誤解を解く、誤解を解くというそういう気持でなくて、厚生省は厚生省としてきぜんとした態度を持って誤解を解く態度をとってもらいたい。これを私は切に申し上げたい。われわれ国民の社会保険医療、何千万の被保険者をあずかっている社会保険医がゼネストにひとしいことをやる、一日休診をやる、こういうことは国民の生命を脅かすどうかつ者である。これで自分たちの意見を発表する、その意見を貫徹するための手段に使うということに至っては、私はそういう人たちの良識を疑わざるを得ないのであります。これは一日も早くさようなことのないように改善をお願いしたい、これに対する厚生省のきぜんたる態度を願いたい。
   〔理事谷口弥三郎君退席、理事山
  下義信君着席〕
 もう一つはこの資料要求をいたしたいのでありますが、昨年の一月から三月までにかけての報告は受けたのでございますが、それは何かというと、保険医療における不正の監査であります。そのときの御報告によれば、これは久下保険局長時代でありましたが、昨年の、三十年の一月一カ月だけで一億五千万円の金が浮いて参った。ざっと監査しただけで……、そういたしますと、一カ月に監査をざっとしただけで、一億五千万円の金が浮いてきたということになりますれば、一年に十八億、二十億の金が浮いてくるわけであります。これは先ほど榊原委員の御質問に関連してくることでありまして、大臣の御答弁にあるように今度の新体系は医療費の総ワクを変えないように、これを逸脱しないように、あるいは減らないようにということを考えて体系の新点数をきめるという、こういうお話でありますけれども、この監査した結果において数十億浮いてくるということになれば、医療費の総ワクは相当狂いがあると思います。こういうことが十分考慮された上で、この医療費の総ワクということを考えてこの新体系の点数をお考えになったかどうかということを私は知りたいのでありまして、従って三月までの経過報告がわかっているから、四月から最近に至るまで、いかなる監査を続けられて、そうしてどういうような結果になったかということを文書において資料として御提出を願いたい、それだけ要求しておきます。
#83
○寺本広作君 新医療費体系の発足を前にして、保険医の一日休診とかそれから保険医、指定医の辞退というような運動が起っている。それが保険医の側における誤解である、誤解に基く部分が相当多いということが先ほどから答弁されております。それに対して委員の間からそれは誤解でなくて正解じゃないかという疑いを出されておりますし、また委員の中にはその誤解が見当がついていると言われる方もおります。それで誤解であるとすれば一日も早くこれを解かなければならぬ。厚生省はその指揮下にある診療機関を使って誤解を解かれるかもしらぬ。また言論機関の協力を求めて誤解を解かれるかもしれぬが、こうした運動が起っているために相当の社会不安が私は起っていると思うのです。せっかくこの問題が討議されて、しかも委員の間にもいろいろの立場をとっておられる方がおありのときですから、厚生省としてはこういう機会をとらえて、誤解がどこにあるかということを明らかにされることが誤解を解く一つの重大な方法だろうと思うのです。発足までにわずかに二カ月くらいしかないのですから、誤解があればそれをそのまま先へいって解くということよりも、せっかくここで問題になっているときですから、この機会にそういう点を明らかにされる方がよくわないかと思いますが、この点についての所見を一つ承わりたいと思います。
#84
○国務大臣(小林英三君) その点につきましては十分一つ検討してみたいと思います。
#85
○寺本広作君 いや検討されるということは、いまここでどういう点に保険医の側が誤解をしているかということを明らかにされることがその誤解を解くゆえんだろうとこう思うので、御検討なされるのでなく、誤解だとこう言っておられるから、大臣からでなく、事務当局からでけっこうでありまするから、どういう点に誤解があるかを明らかにしていただきたい、こういうことを申し上げておるわけです。
#86
○説明員(高田正巳君) かわって私からお答え申し上げます。
 誤解の一番大きな点は、まず新体系になりますと収入が減るというふうなとも言われておるようであります。その点は全然別個でございまして、私どもの考えておりまする総医療費に変更がないというのは、ある時点をとらえてその時点におきまして旧体系と新体系で払いました場合に出入りがないということを申しておるのでありまして、医療費が別の要素によりまして、支払方式を変えたということ以外の要素によりまして医療費がだんだん年々ふえております。さようなものについてワクをはめるつもりは毛頭ないというふうなわけで、あるいはまた健保の財政対策の問題で、一部負担の問題を私ども打ち出したいと思っておるのでありますが、その一部負担ということにつきまして、今回初診料が四点から十二点に新医療費体系の方で上る案になっておる。そういたしますると、直ちにこの十二点というものを全部患者負担にしてしまうんじゃないかというふうなことが書きものなんかにも書いて流布されておるわけであります。さような意思は私ども今のところ全然持っておりませんので、どこに一部負担をかけていくかということは健康保険法の改正の際に十分御審議をいただくところでございまして、それとは別個に、とにかく診療費の点数といたしましては初診料を十二点にするのがしかるべきであろう、十二点を全部本人負担にするか、あるいはその中の四点分を従来通り本人負担にするか、あるいはそれより本人負担を初診料においては下げていくか、そこらの点が全然別個な問題であるわけであります。それを直ちに自動的に本人負担になっていくというようなふうに了解をされまして、それが一つの反対理由の大きな理由としてあげられておるように思うのでございます。その他いろいろございましょうと存じますが、根本的な大きな問題は今のような点ではないかと私は考えておるわけでございます。
#87
○寺本広作君 保険医側における誤解のおもな点を例示して御説明になりました。その中で医療費の総ワクを、ある時点を押えて総ワクに変動がないということをいうのであって、将来は医療費の総ワクが動くことがあるという点は明らかにこれは御説明を伺えば保険医側の誤解であろうかと思います。しかし減収にならぬとか、一部負担の問題とか、一割、三割の問題については私どもがここで伺っておっても問題の所在をお示しになっただけで、やはり私たちが伺っておってもそうであろうか、保険医の方が誤解であろうかという気持にはならぬのであります。こういう点は将来新医療費体系の具体的な内容が明らかにされるときにまた討議される問題であろうと思いますが、それが明らかになるまでは相当今のこの不安な状態が続いていくと思いますので、できるだけ早くここらのところを固められまして、世間の誤解を解かれるように御尽力願いたいと思います。
#88
○横山フク君 先ほどの誤解からの問題ですが、私も昨日ある開業医が言われますのに、産婦人科の先生は全体の収入としては一割から二割ぐらいの減収になっておる。しかし内科、小児科では四割からの減収になる。大きな病院等においては減収にはならぬけれども、事実この新医療費体系によると減収になるということを言っておりました。これは私はいずれ新医療費の点数の詳細を説明され、またそれを検討するときに実際にそれだけ一割、二割の減収になるか、また内科、小児科が四割、五割の減収になるかということを検討してみたいと思っている問題で、ここで伺うつもりではなかったのでしざいますけれども、実際問題としたしましてある小児科の医者等におきましては、医薬分業になってそうして薬価は薬剤師の方へ払われるということになれば減収になることは事実だと思います。こういう問題は、しかしそのときに、高野さんがおっしゃるように、私たち社会不安を起すような形で一日休診、それはストライキだから許さるべき問題ではないということは私も考えます。しかしまた一面、だからといって医者が無条件に生活の不安にさらされながらも社会に奉仕しなければならぬということにもまた大きな疑問がある。こういう問題において人口は増加する、そうしてまた世の中もだんだん進化するに従ってデリケートな病気も多くなるでしょうけれども、実際問題として医者の年々出る数は相当実際の需要量をはるかに上回っているのじゃないか。一般の大学教育はその人の人格を養成するので職業教育ではないのです。そのために就職できないとしても、これはほかの考え方もあるでしょうけれども、医者になるために教育するのにその人たちが実際の需要量と合わないということは不合理だと思う。こういう点について厚生大臣は将来どういうふうなお考えを持って、あるいはどういうふうにしようと思っていらっしゃるのか。やはりこのまま手放しに学校で医師が養成されるままにしておこうとなさるのか、こういう点について、この問題に関連していることですので伺いたいと思う。
#89
○国務大臣(小林英三君) ちょっと今の横山委員の後段の御質問の趣旨をちょっと漏らしましたが、おそれ入りますが、もう一回……。
#90
○横山フク君 実際問題において医者の需要量と、それから年々国内において各大学を卒業して医者になる人たちとのバランスが合っていない。実際の需要量をはるかに上回った医師が養成されていると思う。ここのところが私はいろいろ将来にも禍根を残すだろうと思うんですが、普通の大学教育、一般教育は私はそれがすなわち職業にいくという問題ではないと思う。しかし実際に生きていく限りにおいては就職しなければならぬ。失業問題なんか大きな問題ですが、特に職業教育としての医学を出た人がその需要を上回っているという形において今後どういうふうな形を厚生省として考えられるか、このままでやはり医師の養成されるままにされていくのか、そのまま手放しにしてそうしてその人たちが社会に出ていく。とにかく医者は医師という資格を得た限りにおいては開業して、看板を出しさえすればそれでもって就職難という形はない。そこにまた無理ということも社会的に出る危険はあるわけだ、そういうことに対してどういう考え方を持っていらっしゃるかということ、ある程度養成される者に対して厳選するか、あるいはブレーキをかけるか、あるいは需要供給のバランスなんか考えないで、今ある学校で養成されるままに、そのままおいていくことになさるのか、そういうことを伺いたいと思う
#91
○国務大臣(小林英三君) この問題はなかなか重大な問題とも思いますが、一応こういう問題に従来携って参りました医務局長に御答弁させまして、その上で御質問があればまた御答弁したいと思います。
#92
○説明員(曾田長宗君) ただいまの御質問につきましては、特に後段の問題から私代って御答弁を申し上げます。大体に申しますれば、この国民医療の需要と申しますか、これは一般に国民の生活が向上して参りますのに応じてふえてくるわけであります。それに対してこの人員の増加ということもそれとにらみ合せながら計画を進めていかなければならぬものと思います。たとえば医師について申しますれば、大体今日におきましてはおおむね三千人の医師が新たにこの免許を得ております。死亡等によって、何と申しますか、医師でなくなる方が約千人あります。ほぼ二千人づつ増加しているのであります。このバランスの関係は医師の年令とも関連して参りますので、ただいまのところはまだこの若いお医者さんたちが多いのであります。この人たちがだんだんと年が進んで参りますればまたある程度ふえ方が減って参ります。こういうような関係で無限にこの二千人づつ毎年ふえていくというものではないのであります。さしあたりとしましては今のように推定されるのであります。二千人と申しますと、今日医師の数が約九万あまりございます。そういたしますれば約二%強の増加になっておるのであります。それに対しましてこの医療費の増は、この数年間かなり大きな増加を示しておるわけでありまして、こういうようにただ医者の数と医療費のふえ方ということだけを見まするならば、この二%の医師の増というのが、そのために直ちに医師の生活困難がというものを生じてくるというふうには考えられないのであります。しかし今後医療費の増がこのような勢いでもって今後進み得るかどうか、すでに健康保険等において御承知のようないろいろ財政問題を生じておる際でございますので、これをこのままでいいかどうかということはさらに検討いたさなければならぬと思うのであります。一方で病院の数等も年々五万程度のものがふえております。こういうようなところのベットの数の増に応ずる医師の増加だけでも二千人程度の増員を必要とするというような事情もございますが、ただいまのところこの程度の医師の養成計画というものを今急激に押えてしまうという必要は、今日のところまだないのではないかというふうに考えておるわけであります。ただいまの御質問のように、しかしこれを医師の需要とそれからただいまのこの養成の計画、現状というものをよくにらみ合せまして、誤まりのない措置を講ずるようにいたさなければならぬという御注意につきましては、私どもも重々心しておるのでありまして、今後も十分検討をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#93
○理事(山下義信君) お諮り申し上げます。
 厚生大臣に対する質疑は、本日はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○理事(山下義信君) 御異議ないものと認めます。
 次に政府委員から詳細な説明を受けたいと思いますが、議事の都合で暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異(議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○理事(山下義信君) それじゃ暫時休憩いたします。
 休憩後は二時に開会いたします。御了承願います。
   午後零時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時四十五分開会
#96
○理事(山下義信君) それでは引き続きまして委員会を開きます。
 新医療費体系に関する件につきまして厚生省山当局から説明を受けることにいたします。
#97
○説明員(高田正巳君) お手元に縦書きのガリ版で、「新医療費体系に基く健康保険及び船員保険の新点数表について」というのがございまするが、これによりまして御説明申し上げたいと存じます。
 厚生省は、一昨年九月に新医療費体系を発表いたしまして国会の御審議を願ったわけでございますが、この体系は、昭和二十六年一月の臨時診療報酬調査会の答申の趣旨にのっとりまして、医師、歯科医師及び薬剤師の専門的技術に対する報酬を物の対価と切り離して評価するという原則と、国民の医療費負担に変化を来たさせないという原則とを考慮いたしまして、二十七年に実施いたしました諸般の調査の結果に基いて作成いたした診療報酬体系でありまして、これに対しては、国会及び関係団体からいろいろ貴重な御意見が寄せられたのは御存じの通りでございます。
 この体系は、三十年一月から医薬分業と同時に実施する予定になっておったのでございますが、一昨年十二月の第二十国会におきまして医薬分業の関係法律が改正されまして、その実施が本年の四月まで延期されましたので、これに伴って、この体系も本年四月から実施する予定に相なっておる次第でありまよす。それで、厚生省といたしましては、その後種々研究を重ねました結果、基本的な思想は、一昨年の体系のそれを踏襲いたしまして、昨年新たに実施した社会医療調査、国民健康保険医療給付実態調査及び社会医療内容精密調査の結果に基きまして、各方面の意見を勘案しまして、新点数表の形式をもってこの体系を具体的に表現することといたしました次第でございます。
 基礎調査の概要でございますが、そこに書いてありまするように、一つには、社会医療調査及び国民健康保険医療給付実態調査を実施いたしたのでございます。
 本年の四月に、社会保険診療報酬支払基金または国民健康保険の診療報酬請求書を審査する機関へ提出されました診療報酬請求明細書、この中から、入院は十分の一、外来は百分の一を抽出いたしまして、本年三月中に行われた社会保険及び生活保護法による各診療行為の回数と点数とを調査したのでございます。そうしてこれを社会保険等の種類及び医療機関の種類別に集計をいたしました次第でございます。
 それから二番目の調査といたしましては、前記の調査の付帯調査といたしまして、全国の医療機関から、病院は約五十分の一、一般診療所は約百分の一、歯科診療所は約二百分の一を抽出いたしまして、昨年七月中の社会保険及び生活保護法による診療に関しまして、投薬及び注射に用いた薬の価格及び剤型、時間外診療の割合、歯科の補綴材料の原価等主要な診療行為の精密な内容を調査いたした次第であります。
 しからば第三番目に、新点数表を作成いたしました基本原則でございますが、まず第一点といたしましては、一昨年の思想に基きまして、物と技術とを分離して評価するということを主眼といたしました。それから第二番目に、現行点数から新点数へ移行する時点におきましては、総医療費並びに社会保険等の種類及び医療機関の種類別の医療費に著しい増減を来たさないようにいたしました。この場合の総医療費は、社会保険及び生活保護法による医療に要した経費――これは患者の自己負担額をも含むのでございまするが、その総額でございまして、昨年三月中の当該医療費を昨年八月一日から実施された歯科医療養担当規程の改正並びに昨年の九月一日から実施された診療報酬点数表及び薬価基準の改訂に基いて補正をしたものでございます。従って、このうちには自費患者の、いわゆる自由診療の医療費は含まれておらないのでございます。それから各診療行為の点数は、昨年実施をいたしました前記調査の結果に塞ぎまして、二十七年の医業経済調査及び医業経済精密調査の結果から原価計算方式によって計算した一昨年の体系の原価を勘案して作成いたしました。この場合の原価は、病院及び診療所の原価のうち、その診療行為の最も頻繁に行われる施設の原価を参考といたしました。御存じのように、一昨年におきましては、主として診療所の原価をとったわけでございまするが、今回の点数表におきましては今申し上げましたように、頻度の多い方の、その医療行為が病院において頻度が多ければ病院の原価をとり、診療所において多ければ診療所の原価をとる、さようなふうなことにいたしたわけでございます。
 また次に一昨年の当委員会でも御審議を願いましたいわゆる新医療費体系と大きな修正を加えました点は次の点でございます。前申しましたように、昨年の三月並びに七月に調査をいたしておりまするので、その新しい調査の結果に基いて各診療行為の点数を再検討いたしましたことが一点でございます。また二番目に各診療行為の難易度を考慮して点数を定めましたのでございます。この難易度の点につきましては、全般的にはなかなか至難なことでございまするので、私どもができる限りにおいての程度の難易度を考慮したということでございます。それから三番目に技術科の一部先払いの考え方を加味しておる点でございます。これらにおきまして初診料の点数等が一昨年のものと非常に隔たりをもっておるような次第でございます。
 次に新点数表の大体の骨組の概要でございますが、診察料につきましては、初診料は十二点、現行四点でございますが、これを十二点、再診料は従来ほとんど払われていませんでございましたが、これを三点ということにいたしました。この十二点は、午前中の当委員会でも申し述べましたように、別個に行われまする健保の財政対策で一部負担ということが考えられておるわけでございまするが、それとは全然無関係に点数を定めたわけでございます。従いまして現在の法律をそのまま放っておきますると、十二点がそのまま患者負担になるようなおそれもございまするので、これらにつきましては一部負担をどういうふうにするかということと一緒に法律の改正案の方で御審議をいただくことになるわけでございます。また、再診料の三点につきましては、これは御存じのように、今までは二点ということになっておりましたが、従来の二点と本質的に違う意味を持っておるのでありまして、従来の二点は、注射や投薬を何も行わなかった場合にのみ再診料か請求てきることになっておりましたが、今回の三点はいかなる場合においても再診料として請求できるという点数でございます。
 なお、所定の診療時間以外の初診及び再診につきましては、従来二点を加算しておりましたのですが、今回は特に深夜、すなわち十時から午前六時までの初診及び再診につきましてはそれぞれ八点を加算して支払うことにいたしました。これは歯科も同様でございます。
 なお、ここには書いてございませんが、代理人によって、あるいは電話等によっていろいろ症状を話してお医者さんに伺いを立てたような場合、こういうふうな場合にも若干の点数をお払いするように配慮いたしてあります。
 それから次は指導料でございます。指導料は従来ほとんど支払われておりませんでございましたが、これを五点として、結核その他の慢性疾患について初診後一カ月目から二週間に一回支払うことといたしました。この五点も従来と非常に変っておりまして、病状のいかんにかかわらず、これはこういう病気であればこの支払いをするという形にしたのであります。
 それから検査料につきましては、検査技術の難易度を考慮いたしまして全面的に改正をいたしました。すなわち医師自身でやらなければならない検査でありますとか、そうでない検査でありまするとか、その辺のことを考慮いたしまして点数を改正いたしました。なお、これに使用する薬剤及びフィルムの価格は、検査技術料と分離して別に支払うことといたしました。
 次は薬治料でございます。調剤技術料と薬価とに分けて支払うこととし、従来薬治料の中に含まれていた診察料的部分は、診察料に含めて支払うことといたしました点は一昨年のものと同様でございます。
 調剤技術料は散剤及び水剤につきまては、一日一剤につき〇・六点、薬局の場合はこれは金額で表示いたしまして七円といたしました。薬価は薬価基準に定めるものを支払うことといたしました。
 なお薬価につきましては、お医者さん等が請求する普通薬の価格につきましては、一昨年は薬価基による価格をそのものずばりを払うということにいたしたのでありますが、それでは非常に医師の方々の事務が煩瑣になりまするので、普通薬の価格につきましては六十円以下のものは十五円きざみの四階級に分ちまして、各階級の薬価はその平均価格で支払うことにいたしておるわけでございます。
 次は処方せん料でございますが、処方せん料につきましては、一昨年のものにおきましては、特別にこれを抜き出して支払うということをいたさないという方針でございましたのでございまするが、当国会、当委員会等におきましてもいろいろとこの点についての御論議がございましたので、それらの御論議を勘案いたしまして、薬局において調剤される場合の処方せんに限り文書料という形で一点をお支払いをするという予定にいたしております。
 それから注射料でございます。注射料は注射の技術料と薬価とに分けて支払うことといたし、従来注射料に含めていた診察料的な部分は診察料に含めて支払うことといたしました点が一昨年のものと同様でございます。
 注射の技術料は、医師の技術料的な部分は診察料に含めて先払いすることといたしまして、皮下筋肉内注射は一点、静脈内注射は二点ということにこちらの方ではなっておるわけでございます。なお注射に用いまする普通薬の薬価の支払い方法は、薬治料の薬価の場合と同様でございます。
 処置料は、診察と明瞭に区別しがたい単純な処置料につきましては、原則として診察料に含めて支払うことといたしました。この点も一昨年のものと原則的には同様でございます。
 それから手術料につきましては、技術料を除く原価、所要時間、手術に携わる医師数及び難易度等を考慮して、全面的に改正をいたしました。このため最高の手術料は、現行の七百点から千三百点に引き上げられるような結果に相なっております。
 入院料につきましては、従来入院患者の薬治料及び注射料に含まれていた再診料的な部分を、再診料として支払います代りに、入院料に含めて支払うことといたしまして、普通給食の行われる場合は、一般の患者は三十二点、結核患者は三十点、精神病患者は二十八点といたしましたような次第でございます。
 次は歯科でございますが、歯科診療におきましては、その特質にかんがみまして、再診料を設けないで、処置料として支払うことといたしました。
 また歯科の補綴科は、補綴の技術料と材料費とを支払うことといたしまして、処置料のうちに含まれていた診察料的部分と同じく、補綴料の一部は初診料に含めて支払うことといたしたのは、一昨年の場合と同様でございます。
 大体以上が新しい新医療費体系に基きまする点数表の概要でございます。なお御質問がございましたならば、その御質問についてお答えを申し上げたいと思います。
#98
○理事(山下義信君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#99
○理事(山下義信君) それでは速記を始めて下さい。
#100
○榊原亨君 詳細な理論的質問はこの次にお願いしまして、お出しいただきました資料を理解します上におきましてわからぬところがございますので、一、二お尋ねさせていただきたいと思います。
 資料の二の社会医療調査及び国民健康保険医療給付実態調査結果、それの第三ページのところに、「このような施設から集められて集計」云々という、三ページのところに表が二つありますが、この表と表の間の文句です。「このような施設から集められて集計製表を行なった明細書数は次の表の通りであるが、この表で施設別製表を行なったものの数が少いのは、健保と生保と併用しているような場合に、両方の明細書が重複しているので、これを重複しないように調整したためである。」とこういうのですが、どういう意味でございますか、ちょっとそこの意味がはっきりわかりませんから……。
#101
○説明員(曾田長宗君) これはここに書いてあります通りなんでございますが、御承知のように、一つの資料は基金の方から回ってきておるわけでございます。それからある一部のものは健康保険組合の方から回ってきておるというようなことでありまして、そういうところから同じ患者の同じ病気に対して二カ所から明細書が出ておるというものもある。あるいはまた基金から出て参りましたものにしても、健保と生保と両方からこの支払いがなされておるというような場合もありますので、そういうようなときには同じ患者、同じ病気に対して明細書が二枚になって出てくることが、多くはございませんけれども、さような場合がある。それでもってこの両者を次に製表した明細書数というところの総数をごらんになりますと、社会保険と生活保護法関係と、この両者を加えてもこの製表を行なった明細書、明細書と言っちゃおかしいかもしれませんが、製表を行なった病気の件数というものと少し食い違いが出ております。さようなことをうたったのであります。
#102
○榊原亨君 次にお伺いいたしますのは、調剤、注射等の薬価の平均値をお求めになります場合に、たとえて申しますると、病院の方がその薬を頻度をよけい使えば頻度の高い病院の方をとる。診療所の方が頻度が高ければ診療所をとるというようなお話しがありました。またそれらの薬価の中心値をおとりになります場合の計算、そういうふうなものの資料はどこにありますのですか。
#103
○説明員(曾田長宗君) 先ほど申し上げました説明のうちに、いろいろな診療行為の経費計算というものをいたす場合に、この点数として採用する場合には頻度の多いものをとったというふうに申し上げたのであります。極端なはっきりとした例をあげますれば、手術のようなものでございまするというと、たとえば病院で非常によけい行われて診療所では大きい手術はほとんど行われない、こういうような場合には病院の資料を土台にいたした。あるいはまた普通のきわめて簡易な検査とかあるいは処置とかいうようなたぐいのものは、これは診療所の資料を土台にしたというのでありまして、使用いたしました薬品の原価というようなものにつきましては、これは資料の三にも差し上げてあるのでございますが、これは病院と診療所とを大体一本にした資料を使っております。両者の平均的な事実が土台になっておるというふうに御了承を願いたいと思います。
#104
○榊原亨君 そうしますると、先ほどの局長の説明と食い違いがあるんですが、どちらがほんとうでしょうか。
#105
○説明員(高田正巳君) 私が先ほど申し上げましたのは表現が不正確でございまして、今曾田さんがおっしゃったほうが正しいのでございます。
#106
○榊原亨君 そうしますと、薬価の平均値を出します場合にその頻度ということがもちろん加わって御計算ができたと思うのでありますが、その資料はどこにありますか。
#107
○説明員(曾田長宗君) 資料三の中に注射及び投薬と申しますか、内服薬、その他のいろいろな調剤いたしました薬品、こういうものの内容調査の詳細なものができております。
#108
○榊原亨君 私の申し上げますのは、たとえば十五円以下の薬でございましても、七円五十銭以上のものが二種類ある、七円五十銭以下のものが二種類ある、そこで七円五十銭が一種類あると平均が七円五十銭というのはいけないのでありまして、その場合に頻度計算が加わらなければいけないのでありますが、それらの点のどういう計算をなすったか、これを見てもよくわからないんですが、そういう御計算がありますか。なければこの次までに資料をお渡し願いたいと思うのであります。
#109
○説明員(館林宣夫君) 御説明いたします。資料三の第四ページをお開きいただきますと、左の方に内服薬、一、剤投与、二、剤投与、他の一剤投与となっております。それの点数二と申しますのは、現行点数の二点の場合でございますので、これがすなわち十五円以下の場合でございます。符号としてゼロ、ゼロとしてございますが、これは投薬回数は九万八千回、それが一回二点でございますから十九万何がしということになります。それの購入価格が八十三万円というふうになるわけでございますので、一剤当りの価格はこの購入価格を剤数で割って出るわけでございます。
#110
○榊原亨君 ここにいろいろ資料があるのでありまするが、そこで一応この資料から点数表をお導きになりました場合に、昭和二十七年の医業経済調査、精密調査、昭和三十年三月の調査と三十年七月の調査というものの数字のどれをお取りになりまして、どういう御計算をなさったという資料が全角これには欠けておる。実態調査はここにあるのでありますが、その実態調査のどの数字を使ってどうされたのたということの経過が、これには全然、この資料を拝見したりではわからないのでありますが、この次までにその資料をお出しを願いたいと思うのでありますが、お出しになることができるでごさいましょうか。またその計算の経過から導きました結果をどのものに当てはめて増減がないという御計算になりましたのか。それは何ページの何項のどこの数字だけで、お時間がございませんでしょうからけっこうでありますが、そういう資料がいただけませんと、これがどう読みましても、現在はこうだろう、こうだろう、けれどもそこからこういう点数が出てきたということはわからぬのでありますが、これだけの資料でわかればよろしいのでありますが、どうも私わかりませんから、その点を一つ、ないならばお出しを願いたい、いかがでございましょうか。
#111
○説明員(高田正巳君) 次回までに資料としお出しいたします。
#112
○榊原亨君 次にこの資料でおとりになりました客体、サンプル、客体の経営内容の調査はどこを見ましたらございますのでありますか。もし、ございませんければ、これらのサンプルにおとりになりました客体の経営内容の調査の結果はどうだったかということの資料をお出しを願いたい。
#113
○説明員(高田正巳君) 今回、昨年の四月にやりました頻度の調査を、客体はただいま申し上げましたような客体で抽出をいたしたのでありますが、その内容についてのその各客体について経営内容の調査はいたしておりません。従いまして、その資料はございません。
#114
○榊原亨君 なければないで仕方があり三せん。
 次にこれらの資料におきまして、各医療機関別の統計をとっていらっしゃいますが、これらの資料から病類別の調査、計数の調査、算出並びにその試算というものをおやりになっておいでになりますか。おいでになっておればその資料をお出しを願いたい。
#115
○説明員(高田正巳君) 各種の病院、診療所、診療所の中では有床、無床、さような分類別にいたしておりますが、病類別についての分類はしてございません。
#116
○榊原亨君 なければ仕方がございません。
 次にお願いいたしたいのは、これらの分類はなるほど病院、診療所から総科別におとりになった資料であることは私も信じておるのでありますが、さて、それをおとりになりましたサンプルにつきまして、官公私立機関別の数比はどうなっておりますか。それらの資料がありましたらお示しを願いたいのでありますが、なければこの次までにお出しを願いたい。
#117
○説明員(高田正巳君) ただいまお手元に差し上げてある資料にはございません。なお私どもがそういう資料をただいま作っておりません。少しお時間をいただきましたらば、さような改良料を作れると思います。
#118
○榊原亨君 その次に私、資料をお願いいたしたい。あるいはあれ、はお示しを願いたいのでありますが、楽剤師の方の調剤する技術料の算出の基礎をなしております資料がこの中にございますでしょうか。なければこの次までにお出しを願いたいのでありますが、いかがですか。
#119
○説明員(高田正巳君) 薬剤師の調剤技術料につきましての資料は、一昨年と同様でございます。従いまして、開局薬剤師の資料と申しまするよりは、むしろ現行の病院等における資料が主になっておるわけでございます。
#120
○榊原亨君 それではその資料をこの次までに一つお示しを願います。
 それからその次に私お願いいたしたいのは、この手術料の計算におきまして、いわゆる一プラスアルファというものの数値は出ておりますわけでありますが、拝見して。そうしますと、その一プラスアルファについて出てこなければならんところの、一プラスアルファ「gt」というそのスモールの評価と申しますか、算出というのはどこにありますですか、その基礎の資料がありますならば……ありませんか、なけれ、は一つお出しを願います。
#121
○説明員(曾田長宗君) ただいま御質問の医師の技術料というものにつきまして、これがどれくらいに当っておるのかということにつきましては、私ども時間がございませんので、同様な調査を繰り返して行うことができませんでした。二十七年の調査に基いた技術料を一応そのまま用いまして、そうしてこの現在の総診料点数、それにこの新医療費体系を適用いたしましても狂いがこないというように新しい点数を加減いたしたというような手順をとった次第であります。
#122
○榊原亨君 それでは、ただいまおっしゃいましたその資料を、もう一回私どもにお示しを願いたい。この次まででけっこう、でございます。
 次に私もう一つお願いいたしたいのは、この資料から出てきますものは、主として社会保険の診料報酬請求明細書から出てくると思うのでありますが、それではその場合の患者の自己負担の初診料は、この計数の中に出てこないはずでありますのに、一方の結論には出てくる。そこでその初診料はどこで御計算をなすったのでありますか。
#123
○説明員(高田正巳君) 初診料四点分は、本人負担分でございまするが、現行ではそれが請求明細書の中にははっきり載っておりませんけれども、初診というものがわかりますので、その初診の回数から、その総額を、総点数を推計いたしたわけでございます。
#124
○榊原亨君 同様にして再診の回数はどこから出てきましたか、その数字がここにお示しがあればよろしゅうございます。なければこの次までに時間がありませんから、資料を出していただきたい。
#125
○説明員(高田正巳君) 次回に提出をいたします。
#126
○榊原亨君 この計算の資料は、昭和二十七年のどこをお使いになり、昭和三十年三月のどこをお使いになり、昭和三十年七月のどこをお使いになったか。私この次まで資料を拝見しなければわからぬのでありますが、それらをお使いになりますときに、調査しますところの月の平年度の補正というものをやっておいでになるのですか。やっておいでになればその資料を拝見さしていただきたいのですが、これはどこかございますですか。なければこの次までにお出しを願いたい。
#127
○説明員(高田正巳君) 一番重要な基礎になりまするのは、この頻度の調査でございまするが、これにつきましても、何と申しますか、非常に医療の姿が片寄った時期ではまずい。従って、大体春秋というのが専門的に見て比較的片寄らない月であるというふうなことからいたしまして、三月診療分をとったわけでございます。それについての補正は、平年度の補正というようなことはいたしておりません。その三月診療分をそのまま押えております。言葉をかえて申しまするならば、四月の請求明細書によってこれをするということでございます。
#128
○榊原亨君 私の資料の要求と質問はそれでけっこうです。
#129
○理事(山下義信君) ただいまの榊原委員の要求の資料は多岐にわたっておったのでありますが、自然に必要がなくなった分と、ないと言われた分と、出すと言われた分とがあるのでありますが、あとで委員と政府との間で御照合願いますか、ここでお確かめになりますかもう一ぺん……、よろしゅうございますか。
#130
○高野一夫君 私ちょっと伺いたいのですが、簡単に二点ばかり伺いたい。
 それは一つは、われわれが調査会で新医療費体系なるものの方程式をきめましたときには、技術料以外の物の面はすべて――たとえば建設費、あるいはそのほかの租税公課にいたしましても、管理費にしても、償却費にしても、すべてそういうものを含めて、人件費も含めて、そして物の面として大ざっぱに分けて、そしてその物の面を詳細に規定したのが本物の新体系、ところが一昨年も今度も出された新体系には、単に技術料のほかに、技術と物というふうにして一括して分けてある。それでこの物の場合に、たとえばここで点数で平均点を出してそれでやられる場合はいいでありましょうけれども、一面別途の支払方法による原価計算でいくような場合に使った材料はどうなるのか。それから薬品なら薬品のいろんなロスが出る、そういうふうなのはどういうふうになっておるか、こういうような点についても当時は十分に規定をしておいたはずである。そういう点がいかなる考慮を払っておられるかということを一応伺っておきたい。こまかいことはきょうはやめます。
#131
○説明員(高田正巳君) 大体前回と同様な考え方をいたしておりまして、投薬に伴いましていろいろ使ったもの等は調剤技術料の中に諸掛を一緒にして含めて計算をいたしております。
#132
○高野一夫君 そうすると、たとえば今の調剤費の場合に、投薬品を使う、あるいは薬包紙を使う、そういう費用はどうなりますか。それは全部技術料の中に含めてあるわけですか。
#133
○説明員(高田正巳君) 〇・六点あるいは七円という、あれを技術料と呼ぶのはむしろ言葉の表現が正しくないのでありまして、その中に含めて、調剤手数料と技術科と一緒にして含めて考えでるわけでございます。
#134
○高野一夫君 その点は非常に重大な問題だと思うのですが、これは具体的に私の方でも数字をあげて次の機会に詳細に質問を申し上げたいと思うので、ただいまはあなたの御見解だけ伺っておきたいと思う。
 それから第二に伺いたいのは、これが四月一日からの分業実施に可分であるか不可分であるかということは午前中も問題になったが、それはそれといたしまして、この薬治料とか、診察料とか、処方せん料とか、注射料とか、こういう医薬に直接関係のある面のほかの検査料なり手術料なり、あらゆるもう少しこういう問題をこうしたらというふうな御意見もずいぶんあったように記憶をいたしておるのでありまして、さような点をも考慮をいたしまして、さらに点数表の全体のあれといたしましては、一カ所をいじりますと他の個所にも均衡上影響いたしまして、全体として一つの調和のとれたものにいたす方がよりベターだというふうなこともいろいろあるのでございまして、最初に申し上げました時間的な余裕がありましたので、さような今申し上げましたような事情から今回のような全面的な改正ということに私どもはいたしたのでございます。
#135
○高野一夫君 私は本問題については後日に譲ることにして、きょうはこれで中止いたします。
#136
○理事(山下義信君) 他に御質疑ございませんか……。それでは本日の説明員の説明に対する質疑はこの程度で終りまして次回に譲りたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○理事(山下義信君) 御異議ないと認めます。
 それでは本日はこれをもって散会いしたます。
   午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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