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1947/12/03 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第36号
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1947/12/03 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第36号

#1
第001回国会 厚生委員会 第36号
昭和二十二年十二月三日(水曜日)
    午後一時五十一分開議
 出席委員
   委員長 小野  孝君
   理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君
   理事 飯村  泉君 理事 武田 キヨ君
   理事 有田 二郎君 理事 大瀧亀代司君
   理事 徳田 球一君
      太田 典禮君    中原 健次君
      福田 昌子君    松谷天光光君
      武藤運十郎君    最上 英子君
      大野 伴睦君    近藤 鶴代君
      河野 金昇君    野本 品吉君
      齋藤  晃君
 出席國務大臣
        厚 生 大 臣 一松 定吉君
 出席政府委員
        厚生事務官   宮崎 太一君
 委員外の出席者
   議員 庄司 一郎君 議員 村瀬 宣親君
   議員 根本龍太郎君
        厚生事務官   内藤 靜夫君
        厚生事務官   山田 眞澄君
        勞働事務官   辻  歳男君
    ―――――――――――――
十二月一日
 醫藥部外品等取締法案(内閣送付)(豫第一八
 號)
を豫備審査のため本委員會に送付された。
十二月二日
 食品衞生法案(内閣提出)(第一三二號)
 巡査の恩給増額に關する請願(志賀健次郎君紹
 介)(第一二七七號)
 新潟縣中央病院及び柿崎病院を中頸城郡病院に
 返還の請願(荊木一久君紹介)(第一二七九
 號)
 引揚者の援護強化に關する請願(根本龍太郎君
 紹介)(第一二九〇號)
 (同根本龍太郎君紹介)(第一二九六號)
 引揚者の住宅建設の請願(根本龍太郎君紹介)
 (第一二九八號)
 生活保護法による扶助金を全額國庫負擔の請願
 (根本龍太郎君紹介)(第一三〇三號)
 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(生越三郎君外一
 名紹介)(第一三〇四號)
 生活協同組合法制定の請願外十六件(中原健次
 君紹介)(第一三〇六號)
 療術師の權益確保に關する請願(坂東幸太郎君
 外三十一名紹介)(第一三一一號)
 青森市に國立綜合病院設置の請願(山崎岩男君
 紹介)(第一三一二號)
 生活協同組合法制定の請願外一件(中原健次君
 紹介)(第一三一三號)
 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(船田享二君紹
 介)(第一三二六號)
 同(小野孝君外一名紹介)(第一三二七號)
十二月三日
 醫藥部外品等取締法案(内閣提出、參議院送
 付)(第一三三號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 食品衞生法案(内閣提出)(第一三二號)
 醫藥部外品等取締法案(内閣提出、參議院送
 付)(第一三三號)
  請願
 一 國民健康保險組合に關する請願(庄司一郎
   君紹介)(第三五號)
 二 國民健康保險組合國營の請願(神山榮一君
   紹介)(第七五號)
 三 國民健康保險組合に關する請願(角田藤三
   郎君紹介)(第一九五號)
 四 引揚者の援護強化に關する請願(根本龍太
   郎君紹介)(第二三二號)
 五 引揚者生存權保障竝びに戰爭犠牲の公平な
   る負擔に關する請願(庄司彦男君紹介)
   (第二七四號)
 六 傷痍者の保護に關する請願(竹田儀一君紹
   介)(第三二三號)
 七 遺家族救濟の請願(齋藤晃君紹介)(第三
   五九號)
 八 國民健康保險組合に關する請願外一件(小
   野孝君紹介)(第三六三號)
 九 引揚者の援護に關する請願(庄司彦男君紹
   介)(第五一八號)
一〇 傷痍者の保護に關する請願(竹田儀一君紹
   介)(第五六〇號)
一一 戰歿者及びその遺族竝びに傷痍者等の待遇
   に關する請願(受田新吉君紹介)(第五七
   七號)
一二 青森縣の引揚者に生業資金貸出増額の請願
   (工藤鐵男君紹介)(第五七八號)
一三 愛知縣下の引揚者に生業資金貸出増額の請
   願(村瀬宣親君外一名紹介)(第六〇六
   號)
一四 戰歿者及びその遺族竝びに傷痍者等の待遇
   に關する請願(受田新吉君紹介)(第八五
   八號)
一五 戰歿者及びその遺族竝びに傷痍者等の待遇
   に關する請願外三件(受田新吉君紹介)(
   第八七一號)
一六 引揚者の職業補導共同作業特別施設費増加
   の請願(川合彰武君紹介)(第一〇四四
   號)
一七 引揚者に生業資金貸出増額の請願(川合彰
   武君紹介)(第一〇四六號)
一八 生活保護法の一部を改正する請願(川合彰
   武君紹介)(第一〇四八號)
  陳情書
 一 國民健康保險組合制度強化に關する陳情書
   (奈良縣五條町國民健康保險組合理事長西
   尾修五郎外九名提出)(第四三號)
 二 引揚者更生援護對策に關する陳情書(引揚
   者團體全國連合會委員長阿部義宗)(第七
   七號)
 三 戰死戰災遺家族竝びに傷病者の厚生に關す
   る陳情書(京都市右京區京都厚生聯盟理事
   長井澤吉太郎外六名)(第七九號)
 四 國民健康保險に對する國庫補助増額等に關
   する陳情書(長野縣上水内郡國民健康保險
   組合吉川可富外十名)(第八〇號)
 五 國民健康保險事業擴充に關する陳情書外一
   件(廣島縣豐田郡吉名村保險組合理事黒川
   一三外千九百十四名)(第一〇三號)
 六 國民健康保險事業擴充に關する陳情書(鳥
   取市國民健康保險組合理事長竹田平一)(
   第一四九號)
 七 引揚者更生對策の緊急措置に關する陳情書
   (富山縣海外引揚者協力會長寺崎治作)
   (第一九四號)
 八 國民健康保險事業確立に關する陳情書(山
   梨縣國民健康保險制度刷新組合大會)(第
   一九六號)
 九 引揚者更生援護策實施に關する陳情書(東
   京都引揚者團體連合會委員長阿部勇)(第
   二一七號)
一〇 國民健康保險組合振作促進竝びに國庫補助
   に關する陳情書(栃木縣議會議長高際徳
   治)(第二八七號)
一一 海外引揚者の更生に關する陳情書(熊本縣
   引揚者總連盟理事長山中大吉)(第三二六
   號)
一二 海外引揚同胞援護に關する陳情書(島根縣
   外地引揚同胞更生會)(第三三一號)
一三 海外引揚者對策に關する陳情書(茨城縣東
   茨城郡上中妻村茨城縣海外引揚同胞聯盟總
   務委員長大越親外十四名)(第四〇五號)
一四 國民健康保險組合制度改正に關する陳情書
   (福岡縣議會議長稻員稔)(第四二三號)
一五 海外引揚者援護諸對策に關する陳情書(新
   潟縣中頸城郡原通村更生同盟會代表石野庄
   作)(第四四五號)
    ―――――――――――――
#2
○小野委員長 これより會議を開きます。
 食品衞生法案及び醫藥部外品等取締法案を一括議題にいたします。政府當局より提案理由の説明を求めます。一松厚生大臣。
    ―――――――――――――
#3
○一松國務大臣 ただいま議題となりました食品衞生法案竝びに醫藥部外品等取締法案、この兩法案の説明をさせていただきます。まず食品衞生法案の提案理由から御説明申し上げます。
 これまで食品衞生に關する取締りは、明治三十三年法律第十五號「飲食物その他の物品取締に關する法律」を基本といたしまして行つてきたのでありますが、この法律は、その第一條に「販賣ノ用ニ供スル飲食物又ハ販賣ノ用ニ供シ若ハ營業上使用スル飲食器、割ぽう具及其ノ物品ニシテ衞生上危害ヲ生ズル虞アルモノハ、法令ノ定ムル所ニ依リ行政廳ニ於テ其ノ製造採取販賣授與若ハ使用ヲ禁止シ又ハ其ノ營業ヲ禁止シ若は停止スルコトヲ得」と規定するのみで、その取締りの詳細の規定を命令に委任しているのであります。この委任を受けまして、牛乳營業取締規則、清涼飲料水營業取締規則、氷雪營業取締規則、人工甘味質取締規則、有害性著色料取締規則、飲食物防腐劑漂白劑取締規則、飲食物用器具取締規則、メチール・アルコール取締規則等一連の省令及びこれに基く地方命令が制定せられまして、從來食品衞生取締りの實施に當つてきたのでありますが、これらの命令のうちには、右法律に基礎をおかざる部分も含まれておりまして、それらの條項は、昭和二十二年法律第七十二號「日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律」の規定によりまして、本年十二年三十一日を限り、この效力を失うこととなるのであります。從いまして、本年中にぜひとも明治三十三年法律第十五號を改正して、右のような規定も法律に根據をおく樣にする必要が生じたわけであります。加うるに現下の食糧事情及び日常の食品衞生の現況は、さらに總合的な取締指導を必要とする状態にありますので、ここに本食品衞生法案を提出するにいたつた次第であります。
 次にこの法案の内容の大體を申し上げますと、まず第一に食品、添加物について、腐敗し、もしくは變敗したものまたは有毒、有害なもの等、人の健康を害うおそれのあるもの、さらに化學的合成品、竝びにこれを含む製劑及び食品を販賣しまたは販賣しようとして、製造、加工調理、使用すること等を制限いたし、また營業上使用する器具、容器、包装につきましても、有毒、有害で、人の健康を害うおそれのあるものにつきましても販賣することと、販賣するために製造すること、及び營業上使用することを制限いたすものでありまして、さらに以上の食品、添加物、器具、または容器、包装につきまして、公衆衞生の見地から、必要な基準、規格を定めることにいたしまして、飲食に起因する衞生上の危害を防止しようとするものであります。
 第二に、公衆衞生上必要な標示または製品檢査その他監督上必要な規定をいたしまして、不良な食品、添加物、器具または容器、包装の一掃を期し、國民が安心して、食品を入手できるようにいたしたのであります。
 第三に、營業の許可竝びに營業の施設に關する規定をいたしまして、飲食店營業その他公衆衞生に與える影響が著しい營業につきまして、その施設の基準を定めることと、この基準に合致するものにつきまして許可をしようとするものでありまして、一定の標準に達した施設による營業によつて、飲食による危害を防止しようとするものであります。
 第四に、食品衞生委員會に關する規定を設けまして、厚生大臣または都道府縣知事の諮問機關といたしまして、民間の意見を強く食品衞生行政面に反映させようとするものであります。
 以下御説明いたしましたように、食品衞生法案の内容とするところは、單に飲食に起因する衞生上の危害防止だけでなく、公衆衞生の向上と増進をはかろうとするものであります。
 次に醫藥部外品等取締法案について提案の理由を説明いたします。
 醫藥部外品取締規則は、昭和七年内務省令第二十五號をもつて制定公布せられたものでありまして、醫藥部外品については、この命令に基き、衞生上の危害防止の見地より、都道府縣知事において取締つてまいつたのであります。
 化糀品につきましては、明治三十三年内務省令第十七號有害性著色料取締規則に基き、主として衞生上の見地より有害化粧品の取締りを行つてまいつたのであります。しかるに昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の效力等に關する法律によりまして、以上の二省令は本年十二月三十一日限り、その效力を失うこととなりますので、これにかえて、新たに醫藥部外品及び化粧品の取締りに關する法律を必要といたしますので、從來の醫藥部外品取締規則に化粧品を加え、醫藥部外品等取締法案といたしまして、その内容を改善、整備を加え提案いたした次第であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことを切にお願いを申し上げます。
#4
○小野委員長 なお兩法律案に對する審査は、都合によりまして次會に讓ります
#5
○小野委員長 次に優生保護法案を議題に供します。提案者の一人の加藤さんがお見えになつておりますから、提案者に對する質疑があれば、この際お許しいたしたいと思います。質疑が別段なければこれも次會に延期いたしたいと思いますがいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○小野委員長 それでは別に質疑もございませんようですから、次會に延期いたします。
    ―――――――――――――
#7
○小野委員長 これより請願の審査にはいります。紹介議員のお見えになつておる順序で進めてまいりたいと思います。日程第一、國民健康保險組合に關する請願、文書表第三五號、紹介議員庄司一郎君、紹介議員の説明を求めます。
#8
○庄司一郎君 ただいま議題と相なりました國民健康保險組合に關する請願は、宮城縣の市町村の公共團體、竝びに關係市町村の組合理事長の總代の諸君が提案をされた請願でございます。この請願の趣旨は、現下ひとり宮城縣のみならず、全國一萬二千餘の市町村の國民健康保險組合單位組合、竝びに府縣の連合會等に對して、政府、なかんずく厚生省は、もつと強力なる手をもつて、積極的な指導と援助と財政上の補助、助成を願いたいというのが、請願の結論でございます。厚生省は特に戰時中において、全國の各市町村等に對し、都道府縣知事を通して、強力に國民健康保險組合の創設を強要されたのであります。當時この組合の創立について、町村によつては、戸數三百戸、人口五千未滿等の小町村等は、將來とうてい組合員の負擔によつてのみでは財政を賄えないという見地より、強力に反對した町村等もあつたのでありますが、當時は戰爭中でもあり、お上のことは何もかもごむり、ごもつともというような強力的、あるいは壓迫的な勸奬命令等があつて、一應全國の各市町村には、國民健康保險組合というものができあがりました。もつともその趣旨は、市町村住民の相互補助、社會連帶的な原理の上に立つて、結構な趣旨ではございますけれども、組合員であるところの各市町村住民の負擔というものは、なかなか容易ではなくなりました。殊に物價の暴騰、醫療資材の暴騰、あるいは保險囑託の醫師の方の猛烈なる要求、ただいま全國平均において藥價一點四圓以上というような状態になつております。殊に町村の國民健康保險組合は、その財政上醫師の方への不納、不拂いの結果、四苦八苦の状態であります。組合の職員の俸給さえも滿足に支拂いができないというような、非慘な財政状態の組合がきわめて多いのであります。現にただいま請願されております宮城縣の二百町村の組合のうち、組合の事業をストツプして、解消同樣な状態になつている町村が、六十五箇町村ほどあります。これらの原因は、組合員に對する組合費の過重なる賦課徴收が、一番根本的な原因をなしておりまして、それに加えてただいま申し上げましたように、醫師の方の猛烈なる要求によつて、藥價一點四圓、目藥を一囘點眼してもらつても四圓というような状態のもとに、組合を離脱し、あるいは脱會するような傾向の財政の乏しい町村住民も多いのであります。よつて、この際政府はかような状態にある組合を、一體どうなさる御方針であるか。これをあくまでも積極的に助成されて、國民大衆の保健衞生の上において、あるいは診療、醫療の點において、この組合を通して國民の健康保持のために積極的に手を打たれることが、最も願わしいことでありますが、どうも政府のやり方は、國家財政の困難な現状もございましようけれども、微温的な、なまぬるい手を打たれておる。よつて、組合の維持者の諸君は、どうしたらいいか、前途に光明を把握し得ないような状態にただいま相なつております。從つて組合をストツプして、解消同樣になつた不振町村の組合を再興させるためには、あらゆる手を打たなければならない。殊に東北地方なんかは、まだまだ無醫村等もございますので、でき得るならば、この組合を振興させ、組合の力を通して國民大衆、特に農漁山村等における組合の病院や診療所等のない町村等に對しては、國民の健康問題の上より、この組合をよりよく推進していきたいと考えておるのでございますが、政府は本年度の追加豫算にも、ちよつぴりと組合を援助する豫算の片鱗が見えておるようでありますが、特に來年度の豫算編成等において、全國の國民健康保險組合を助成援助される上において、いかなる御方針をとられるか。願わくは町村の組合がほんとうに立ちいくことができるような援助を願いたいというのが、この請願の根本の趣意のあるところであります。
 何とぞ委員長竝びに本委員會におかれましては、厚生省當局によく御注文をいただきまして、大部分の國民健康保險組合が立ちいくことのできるような措置と、萬全な施策を、政府によつていただけるような、適切な御要請を願いまして、この請願が採擇いただけるように願いたい。請願は宮城縣でございますけれども、ひとり宮城縣だけの問題ではなく、本日の公報にはたくさんな同趣旨の請願あるいは陳情等も散見されております。何とぞ御調査の上、市町村の健康保險組合が再建できるよう、強く政府に要請あらんことをお願い申し上げる次第であります。
#9
○小野委員長 ただいまの請願につきまして、政府に意見があれば承りたいと思います。――それでは政府の意見はあとで一括して承ることにいたします。
    ―――――――――――――
#10
○小野委員長 日程第七、遺家族救濟の請願(第三五九號)(齋藤晃君紹介)紹介者の趣旨辯明を願います。齋藤晃君。
#11
○齋藤晃君 戰爭によつてなまなましい犧牲となりましたこれらの人々の救濟、あるいは援護という問題は、現在の日本においては一番重大な社會的問題だろうと思うのであります。現在のようなこの再建途上におきまして、何といいましても、社會の均衡を保つ意味から考えましても、あまりにも戰爭による犧牲が今なお二重三重の犧牲となつて、そして少しも更生の途を辿ることができないというような、まことに悲慘なる慘状にあるのは、いわゆるこれらの戰爭犧牲者となつた人々でございます。私はこれらの遺族、あるいはまた戰爭の犧牲となつた多くのこれらの人々に對する救濟の方法を具體的に政府において考える餘地はないか。こういうことは、ことごとく私現在まで質問してまいつたのでございましたけれども、私どもはこの問題は、要するに今後につきまして、永久的な問題として取上げていただきまして、いわゆる社會事業運動、厚生事業の各部面につきましても、まず第一に取上げられる問題ではないかと考える次第であります。現在の憲法におきまして、最低限度の生活を保障されておりましても、これらの犧牲者は、その最低生活すらも與えられていない。殊にこの犧性者の中におきまして、いわゆる未亡人というような人々は、現在あまりにもか弱い生活力のために、おそらくは一家とともに身を捨てるというような、なまなましい慘状が全國到るところにあるのであります。先日も私の郷里の方から手紙がまいりまして、五人の子供を抱えて夜半まで働いても、どうしても食うことができない。このような状態では、もういかにしても生活を支えていくことができない、かくのごとき實情を訴えてまいつておるのであります。このような状態に對しましては、あるいは生活保護法がございますけれども、しかし生活保護法というような全般的なことによつては、とうてい救うことはできないのであります。そこでこれに對しまして、もつと直接的な、活溌的な方法をつくりまして、そうしてこれらの人々に對する保護を考えたいと思うのであります。十一月十七、十八日に、全國において一千萬になろうとするいわゆる遺族あるいは犧牲者の代表が集まりまして、日本遺族更生連盟が、その筋の了解によつてできました。そうして何とかこれらの犧牲者の聲を大きくしようということも考えておりますけれども、實は私ども政府に對しましては、もつと積極的にこれらの遺族の厚生の問題につきまして、たとえば授産場にいたしましても、母子寮にいたしましても、もつと温かい考えをもつて、積極的にこれらの人々の救濟の面を擴げてもらいたい、そして少くともお互いに同じ立場において、温かい心をもつて、現在の事態からこれを救い上げてもらいたいということを強く主張する次第であります。なお私はこれらの遺族につきましても、あるいは手を失い、足を失つた傷痍者の面についても、この際もつと積極的に政府の援護の手を伸べていただいて、ともに日本再建の大きな力となつていきたい。こうした遺族の人々こそは、ほんとうに平和を愛する人々でありまして、この遺族に對して、ただいまのような冷たい考えをもつて、あるいは戰犯の片割れではないかというような身の狹い心をもつている實情を、この際政府が取上げてくださいまして、もつと積極的にこの遺族の援護に對する方法を講じていただきたい。これはこうした遺族全般の熱望でありますから、これを社會的重大問題として、今後厚生省のすべての部面において、あるいは指導の面においても、強く取上げていただきたいということを主張する次第であります。
#12
○小野委員長 右請願に對する政府の意見は、同趣旨の請願が他にもありますので、それは一應議題とした後に、一括して政府の意見を求めることにいたしたいと思います。
#13
○小野委員長 次に日程第一三、愛媛縣下の引揚者に生業資金貸出増額の請願、文書番號六〇六號、紹介議員村瀬宣親君外一名。請願者の趣旨の御説明を願います。村瀬宣親君。
#14
○村瀬宣親君 本請願は愛媛縣海外引揚者更生會長から特に提出されたものでありまして、國家再建の熱意に燃えて祖國に歸つてまいりました引揚者が、その特技を發揮して正常なる國民生活に復歸し、進んで經濟復舊に寄與せんとするに際しまして、最初に必要なのは、企業資金の圓滑なる融通を受けることであります。愛媛縣下における海外引揚者は、七月十五日現在の計算をもつてしましても、二萬三千七百四十二世帶、六萬二千六百三十五人になつておるのでありまして、そのうち約三割は就勞によつて、辛うじて生計を營んでおりますが、大部分は商工業等の生業を、團體、もしくは個人として計畫し、再起再生をはかろうとしておるのであります。しかしその資産、信用等よりいたしまして、庶民金庫貸出の生業資金をただ一つの頼みとするの窮状にあるのであります。しかるに、本縣に割當てられました同金庫の貸付金額は、第一次、第二次を合して、わずかに二千六百十五萬三千圓でありまして、借入希望金額七千五百餘萬圓に對しまして、五千三百餘萬圓の不足を來し、人員約一萬一千人は、まつたく借入から除外されておる現状であります。申し上げるまでもなく、あとから歸つてきます者は、死にまさる苦しみを忍んで故國にたどりついたのでありまして、早く歸還した者のみがこの恩惠に浴して、あとから歸つてきた者が、そのまま放任されるということは、ゆゆしき社會問題を惹起するおそれもあるのでありまして、未だ在外資産の解決を見ざる今日、せめて生業資金の貸出増加により、生業の途を與えていただきたいというのが、本請願の趣旨であります。何とぞ御採擇の上、この請願の目的が達せられますよう御取計らいをお願い申し上げる次第であります。
#15
○小野委員長 本件につきましても、他に類似の請願がありますから、政府の説明は一括して求めることにいたします。
    ―――――――――――――
#16
○小野委員長 次に日程第四引揚者の援護強化に關する請願、文書番號二三二號、根本龍太郎君紹介、紹介議員の説明を求めます。根本龍太郎君。
#17
○根本龍太郎君 本請願は財團法人滿蒙同胞援護會會長小日山直登の請願でありまして、私が紹介いたすものであります。御承知のごとく、滿洲におりました百五十萬の同胞は、古くは四、五十年前から、最近に至つても少くとも四、五年の期間において、ほとんど内地から全財産をもつて滿州の建設に參畫したものであります。それが今度の終戰とともに、ほとんど一切の財産を沒收され、あるいはそのまま放擲して引揚げる状態に立ち至つたのであります。特に皆樣御承知のごとく、終戰後一年間というものは、滿洲在住の邦人は、食もなく、何ら收入の途がなかつたので、その日その日今までもつておつた財産を賣り拂つてきたのでありますが、特に奧地から引揚げてきた難民が多數ありましたので、これらの人々を救濟するために、當時若干の資産あるいは金をもつておつた者が、全部これは當時の大使館の斡旋をもちまして、救濟資金として出して、これらの難民の救濟に當つたのであります。當時は大使館の事務當局の方も、これは内地に歸つたならば、ただちに返す豫定になつておる。こういうお話があつたので、もてるすべての金を差出したのであります。しかるにこれまた歸つてきますると、何らの措置も講ぜられず、金は返つてこない、こういうような状況でありまするので、非常に生活關係が苦しくなつております。なおまた御承知のように、滿洲開拓に從事した人々も、これまた一切の財産を放擲して、裸一貫で歸つてきておるのであります。しかも内地においては、開拓政策が國策として重點をおかれて進行しておるのでありますが、多數の開拓者は、未だほとんどその職についていない。やむを得ず、カンカン部隊となりやみをやつておる。こういう現状になつておるのであります。こういう關係からいたしまして、ぜひとも在外財産の補償に關するところの施策を、速やかに實施していただきたいということ、それから救濟資金として醵出した者に對しては、即時支拂いの途を講じていただきたい。それからまつたく裸で歸つたところの連中に對しましては、庶民金庫の貸付金額を増大していただいて、正しい業に復歸するところの資金的な援助をしていただきたい。それから開拓農民に關しましては、ぜひとも土地を解放していただいて、これらの者が滿洲にいく際においては、自分の土地を自分の村落の者に讓つていつた。この關係からみましても、農地解放の施策によつて、これらの人々は小作權もなければ、土地の所有權もない。こういう慘憺たる状況から救いの途を講じていただきたい。これが請願の趣意なのであります。これは、滿洲から引揚げた者は、今約百萬に近い状況でありますので、非常に廣範な問題であり、また在外資産を計算するならば、十數億に上るところの厖大なる金額であります。また政濟資金の拂戻しにいたしましても、これまた數億に達するところの非常に大きな金額を要するのであります。非常に現在國家の財政困難のときにおいては、難問題でありますけれども、その全額ということは困難であつても、少くともその五分の一なり、あるいは七分の一なりを、國家において補償していただかないと、これらの人々がほとんどその日その日の生活に困難である。こういう状況でありますので、何とぞ厚生委員の各位の御同情ある御審議に基きまして、これらの人々のせつかくの努力が、日本の再建のために働き得る造を講じていただきたいと思うのであります。よろしく皆樣方の御同情をお願いいたしまして、紹介の辭を終ることにいたします。
#18
○小野委員長 政府の説明は先ほどの例によつて一括していたします。
    ―――――――――――――
#19
○小野委員長 次は日程第二、國民健康保險組合國營の請願、文書表第七五號、紹介議員神山榮一君。
#20
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明いたします。本請願の要旨は、國民健康保險組合は、醫療の社會化を使命とする御要な施設であるが、町村單位のため經濟力が微弱で、とうてい所期の目的を達することができない。ついてはこれを國營にするか、または年額二十億圓程度の補助金の交付をはかられたいというのであります。
    ―――――――――――――
#21
○小野委員長 次は日程第三、國民健敬保險組合に關する請願、文書表第一九五號、紹介議員角田藤三郎君。
#22
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明いたします。本請願の要旨は、複雑な現行各種社會保險制度を、國民健康保險を中心として統合整備し、國民健康保險國庫補助金を増額するとともに、現行保險醫制度を再檢討して、その合理化をはかり、組合事務職員の充實をなし、被保険者に對する指導を強化し、醫藥品、衞生材料の適正な配給をされたいというのであります。
    〔小野委員長退席、飯村委員長代理著席〕
    ―――――――――――――
#23
○飯村委員長代理 日程第五、引揚者生存權保彰竝びに戰争犠牲の公平なる負擔に關する請願、文書表第二七四號、紹介議員庄司彦男君。
#24
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明いたします。本請願の要旨は、引揚者、復員者は、あくまで敗戰の事實に徹し、深い反省と大きな懺悔をもつてよくたえながら、日本再建に挺身する覺悟であるが、その取扱いを不平等にする政治と輿諭があつては、いかに努力しても日本の道義を高場することはできない、ついては戰争の犠牲に對する負擔を公平にしかつ引揚場の生存を保障されたいというのであります。
    ―――――――――――――
#25
○飯村委員長代理 日程第六、傷痍者の保護に關する請願、文書表第三二三號、紹介議員竹田儀一君。
#26
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明いたします。本請願の要旨は、健康者でも生計困難な今日、傷痍者は不自由の身をもつて窮乏のどん底にあり、まつたく破局に面している、ついては傷痍者福祉法のようなものを制定して、傷痍者に職を與え、保護救濟するとともに傷痍給を増額し、傷痍者保護對策委員會のようなものを設置して、不自由の身で平和國家建設に必死再起しようとする傷痍者を保護されたいというのであります。
    ―――――――――――――
#27
○飯村委員長代理 日程第八、國民健康保險組合に關する請願外一件、文書表第三六三號、紹介議員小野孝君。
#28
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明いたします。本請願の要旨は、終戰後の經濟上、思想上の混亂により、醫療竝びに公衆衞生思想の向上、國民の健康保持、増進、體位向上に重大な役割を演じた國民健康保險組合は、重大な危機に立つに至つた。ついては國民健康保險國庫補助金を増額するとともに、社會保險の統合一元化、醫療制度の刷新をはかり、醫藥品の生産を統制し、適正な配給をされたいというのであります。
    ―――――――――――――
#29
○飯村委員長代理 日程第九、引揚者の援護に關する請願、文書表第五一八號、紹介議員庄司彦男君。
#30
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明いたします。本請願の要旨は、現在海外引揚者援護のため、庶民金庫から五千圓の貸出をしているが、これではとうてい更生の方途を立てることはできない、そこで少くともこれを二萬圓に増額するとともに、庶民金融金庫の創設その他各般にわたつて引揚者の更生を援助されたいというのであります。
    ―――――――――――――
#31
○飯村委員長代理 日程第一〇、傷痍物の保護に關する請願、文書表第五六〇號、紹介議員竹田儀一君。
#32
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明申し上げます。本請願の要旨は、傷痍者保護のため(一)戰争戰災及び業務上の犠牲による各傷痍者竝びに一般不具者の全國的實態調査(二)生活保護法の改善によつて各傷痍者竝びに不具者の程度に應じた最低生活費支給の保證(三)全國立病院在院傷病者に生活保護法による醫療扶助の適用(四)各傷痍者を經費主體とする國費による各地區別授産場の設置(五)各傷病者に對し公益厚生施設等への優先採用または經營許可(六)傷痍者の退院に際し職業の斡旋、補導機關の確立(七)傷痍者全般に對し住居の保證(八)傷痍者に對する年金の公平化及び税金課税の撤廢等を即時斷行されたいというのであります。
    ―――――――――――――
#33
○飯村委員長代理 日程第一一、戰歿者及びその遺族竝びに傷痍者等の待遇に關する請願、受田新吉君紹介、文書表第五七七號、日程第一四、戰歿者及びその遺族竝びに傷痍者の待遇に關する請願、受田新吉君紹介、第八五八號。日程第一五、戰歿者及びその遺族竝びに傷痍者の待遇に關する請願外三件、受田新吉君紹介、第八七一號。これは同一趣旨のものでありますから、一括議題に供したいと思います。
#34
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明申し上げます。本請願の要旨は、戰争のため一家の支柱を失つた戰歿者の遺族、あるいは傷つき、あるいは病み、不具廢疾となつた傷痍者、恩給を停止され、就職の途もない老廢者等は、現在の苛烈な生活戰線に身も心も疲れ果て、社會の落伍者となりつつある、ついてはこれら戰争犠牲者竝びに異郷にある不幸な人に對し、國家が現在行いつつある一般勤勞者に對する各種の補償と同等の取扱いを速やかに與えられたいというのであります。
    ―――――――――――――
#35
○飯村委員長代理 日程第一二、青森縣の引揚者に生業資金貸出増額の請願、工藤鐵男君紹介、第五七八號。
#36
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明申し上げます。本請願の要旨は、現在までに青森縣に貸出された生業資金は、總世帶の五分の一にしか行き渡らず、引揚者更生對策として不十分である、かつ公定價格の引上に伴つて、一世帶に對して今までの資金額では不十分であるから、一萬圓に増額されたいというのであります。
    ―――――――――――――
#37
○飯村委員長代理 日程第一六、引揚者の職業補導共同作業特別施設費増加の請願、川合彰武君紹介、第一〇四四號。
#38
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明申し上げます。本請願の要旨は、さきに政府の發表された緊急對策について見ると、失業手當、失業保險の制度も特殊失業者である引揚者には均霑する所がほとんどない、また中小企業の育成強化も、資金難に悩む引揚者には今後の施策を待つほかはない、公共事業による失業の吸收も從來の實績より見て期待できない、さらに職業紹介機關の効果的運營も大した期待がかけられず、結局職業施設の擴充に待つよりほかはない、ついては引揚者のために職業補導經費中に、共同作業特別施設費を増加されて、引揚者救護の完璧を期せられたいというのであります。
    ―――――――――――――
#39
○飯村委員長代理 日程第一七、引揚者に生業資金貸出増額の請願、川合彰武君紹介、第一〇四六號。
#40
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明申し上げます。本請願の要旨は、その他多數の失業者は正常な國民生活えの復歸を切望し、就業、就職を待望しているが、生業資金を缺き、その目的を達し得ない、ついては(一)本年度生業資金貸付目標額六億六千萬圓の十月中放出(二)未借入需要者に對する暫定的二十五億圓の緊急追加放出(三)借入者の事業計畫の健全化のため貸出單位額の三倍引上等の事項を速やかに實施されたいというのであります。
    ―――――――――――――
#41
○飯村委員長代理 日程第一八、生活保護法の一部を改正する請願、川合彰武君紹介、第一〇四八號。
#42
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明申し上げます。本請願の要旨は、昨年十月實施された生活保護法は引揚者、戰災者及び一般失業者等、生活困窮者の保護に任じ、民生の安定に努めているが、未だ國民一般に普及徹底せず、濫救、漏救の弊を招き、市町村財政難その他の諸因と相待つて、かえつて民心に悪影景を及ぼしている實情に鑑み、民生委員の半數を引揚者、戰災者より任命し、扶助支給額を増加し、市町村負擔の保護費を國庫負擔しする等の改正をなし、もつて本法の徹底をはかられたいというのであります。
    ―――――――――――――
#43
○飯村委員長代理 以上をもちまして請願は終りましたが、政府の意見を一括御説明願いたいと思います。
#44
○宮崎政府委員 ただいまの請願に對しまして、日程一號、二號、三號、八號の國民健康保險關係に關する件につきまして、私から一括御答辯申し上げたいと思います。社會保險の統合の問題については、政府の方におきましても、その必要を感じて、目下研究調査中でございます。いずれ社會保障制度の研究の結果と相まちまして、この點について何らかの措置を講じたいと存じております。
 それから國民健康保險の國庫補助の件でございますが、御承知のような國の財政の都合がございますので、當初一億八千萬圓の國庫補助でございましたが、今囘の追加豫算におきまして二億圓の計上があり、合しまして三億八千萬圓となつております。これをもつて決して十分なりと存じないのでありまして、今後においても、十分努力いたしたいと思つております。
 それから保險醫制度の合理化の問題でございますが、從來から保險醫につきましては、開業醫師を保險醫といたしまして、その指導監督につきましては、日本醫師會及び日本齒科醫師會において指導監督するということでやつておいたのでございますが、今囘醫師會、齒科醫師會が解散な相なりましたので、政府において委員會を設けまして、保険醫の指導監督をすることにいたしております。
    〔飯村委員長代理退席委員長著席〕
なお今後におきます醫療制度の發展と相應じまして、保險醫制度につきましては、十分合理化をはかりたいと存じております。
 それから醫藥品及び衞生材料の適正配給の點でございますが、醫藥品及び衞生材料については、地方の衞生當局にも十分お願いをいたして、保險の運營上支障のないようにいたしておるのでありますが、何分にも今日の醫藥品の現状でございますので、なかなか困難な點もございまして、先般厚生省の方針をきめまして、重要醫藥品については、その配給中において、社會保險の實績によるものを、配給量の三割だけ考えるということにいたしておる次第であります。
 それから國民健康保險組合を、今後育成するためには、國民健康保險を國の直營にするか、さもなければ二十億圓の國庫補助をなすか、いずれかという御意見でございますが、これは先ほど申しました社會保障制度というものが實現されますならば、國の直營になるわけでございますが、この制度ができるかできないかということによりまして、この問題をまた考えてみたいと思うのでございます。
 それから國庫補助金を二十億圓に増加するという點でございますが、これも今日のような國の財政の状態でございますので、なかなか二十億圓までにまいることは困難であろうと思うのでございますが、なお一層の努力をいたしたいと存じております。
 それから組合事務職員の増加でございますが、これも今囘の追加豫算におきまして、組合連合會の職員の増加もございました。また縣廳における國民健康保險係の増加も多少したのでございます。なおこれをもつて十分とは存じておりませんが、今後といえども財政の許す限りにおいて努力いたしたいと存ずるのでございます。
 それから被保險者に對しまする指導の強化でございます。これも從來國民健康保險組合というものが、戰爭中に非常な早さをもつて普及したのでありますが、國民健康保險組合に對する十分なる理解をまだ組合員がもつておらないところもございまして、戰爭が濟みましてから、このインフレの進行に伴いまして、國民健康保險組合の三〇%が休停止をするのやむなきに至つているというような點に鑑みまして、この状態では、國民健康保險組合はいけないということで、指導費等も組みまして、中央地方相携えて、國民健康保險組合の趣旨の普及徹底方を講ずるようにいたしている次第でございます。以上お答えいたします。
#45
○小野委員長 日程第一六、引揚者の職業補導共同作業特別施設費増加の請願につきまして、辻説明員より政府の説明を求めます。
#46
○辻説明員 御説明申し上げます。二十三年度におきましては、職業補導所を三百五十八箇所、それから共同作業施設におきましては一千箇所、それから共同作業特別施設におきましては二百箇所を、それぞれ創設の計畫をいたしまして、目下豫算を要求中であります。なお共同作業特別施設は、二十二年度におきましては一箇所三十五萬圓であつたのでありますが、これを一箇所五十萬圓に増額したい、こういう考えをもつておるのであります。それから共同作業施設でありますが、これは昨年は一萬五千圓でやつたのでありますが、今囘これを増額いたしまして、繼續のものは四萬二千圓、それから新たに設ける場合におきましては七萬二千圓の國庫補助を必要といたしておるのであります。
#47
○小野委員長 日程第六、日程第一〇、日程第一一、日程第一四、日程第一五及び日程第一八の請願に關しまして、内藤説明員より政府の意見を聽きます。
#48
○内藤説明員 この請願につきまして御答關を申し上げたいと思います。請願の内容は、いずれも戰沒者遺族、傷痍者等の待遇に關する件でございますが、これにつきましては、もちろん援護の徹底を期する必要があることは申すまでもないことでございますが、ただいまの社會救濟の根本方針としましては、あくまでも無差別平等の立場に立つてこれを行う、これを具體的に申し上げますならば、いかなる理由によりまして、現在保護を要する状態に立ち至つておるか、こういうことは一切問うことなく、無差別にただそれぞれの人々の困窮程度に應じて、厚薄よろしきを得た保護を行つて、そして援護の徹底を期する、こういう建前になつておるわけでございます。從いまして、あるいは戰歿者の遺族、殊に未亡人、こういうふうな人々に對しましても、生活保護法による保護を中心といたしまして、遺憾なきを期しておるわれでございます。なお傷痍者につきましても、傷痍軍人のみを對象とするという意味でなく、その他一般の傷痍者に對する保護、こういう意味におきまして、職業補導、その他の指導を行つておる次第でございます。なお請願の一つの件に、生活保護法の費用の一部を地方費に負擔せしめておるが、これを全額國庫負擔にいたすように、こういう趣旨が盛られておるのでございますが、これにつきましても、種々論議があるところでございますが、厚生省といたしましては、やはり府縣あるいは市町村等の自治團體も、當然に生活の保護を要するものの費用を一部分は負擔すべきではないか、その負擔率も、それぞれ一割ずつでございますから、ちようどそのくらいは現在いかに地方費の財政が困難であるとしても、なお負擔にたえ得る程度である。このように考えまして、現有の制度が、目下としましては最も適當である、かように考えておるわけであります。以上。
#49
○小野委員長 次に日程第四、日程第五、日程第九、日程第一二、日程第一三、日程第一七の請願に關しまして、山田説明員より政府の意見の陳述を求めます。
#50
○山田説明員 ただいまも内藤事務官より御説明がありましたように、無差別平等に援護しなければならぬという原則があるのでありますが、引揚者は特にその事情が氣の毒な人が多いのでありまして、引揚援護院といたしましては、引揚者の援護に十分の努力をいたしている次第であります。引揚者の援護といたしましては、引揚者が海外から引揚げまして、上陸をいたしましてから定著地までの援護と、定著地に著きましてから、その後の援護と、大體二つにわけて考えているのでありますが、上陸地の援護におきましては、最近の引揚者が、特に困窮の度が強くなつているという状況から、上陸後における被服その他の給與を増加いたしまして、その援護を強化いたしているのであります。定著地における援護といたしましては、生業資金の問題があるのでありますが、これは御承知のように、第一次と第二次の計畫をいたしまして、合計して十六億圓餘りの生業資金を放出いたしているのでありますが、なお申込みが相當多數に上つておるのでありまして、これに對處し、なお今後の引揚者の増加分をも見込みまして、ただいま第三次計畫について、關係方面と折衝いたしておる次第であります。なお定著地における引揚者の越多對策といたしまして、寢具被服等の配給も計畫をいたしている次第であります。
#51
○小野委員長 日程第一三の請願書の紹介議員である村瀬宣親君から、政府に質疑をいたしたいとの申出がありますので、特にこれを許します。
#52
○村瀬宣親君 ただいま政府委員からこもごも御説明を伺いましたが、この際なお詳しく明確に伺つておきたい點があるのであります。まず最後に御説明になりました生業資金の問題につきまして、お尋ねいたすのでありますが、この生業資金なるものの五千圓をおきめになりましたのは、昨年八月ごろの計畫でありまして、經濟事情がその後激變を來していることは御承知の通りであります。從つてこの五千圓という金額に對しましても、當然一萬五千圓ぐらいの、三倍の額ということは不當とは考えないのでありますが、これに對しまして、本會議におきましても、厚生大臣から七千圓ぐらいにはいたしたいという御説明があつたと承つておりまするが、きようの新聞を見ますると、參議院の委員會におきまして、大藏大臣はさようなことはまだ聞いておらないという答辯をなさつておるようであります。一體これはどの程度まで進んでおるのでありましようか。われわれは一萬五千圓は至當と思いまするが、國家財政上許し得ないといたしまするならば、せめて七千圓でも一日も早くその實現を引揚者一同は期して待つておるのでありまして、その點につきまして、まずお尋ねをいたしたいのであります。
 次に先にも申しました通り、先に歸つてきた者は、何らかの恩惠に浴するが、裸一貫で寒々と故國に引揚げた人は申込みさえ受付けない、こういう状態でありまするならば、これはゆゆしき社會問題ともなり、また多くのいろいろな問題を生じてくると思うのであります。先に歸つてきた人に五千圓貸すならば、あとから歸つてきた人にはなおさらその制度はこれを均霑せしめる必要があると思うのであります。請願にも書いておいたのでありまするが、生業資金需要者は、なお今までの引揚者でも五十一萬世帶ありまして、現在の平均貸付五千圓をもつていたしましても、約二十五億圓の緊急放出を必要とするのであります。これらの需要者は、引揚後すでに一年餘を經過してその生活は日々困窮を加えつつあるのでありまして、かつこのことは昨年末政府當局におきましても、二十五億圓程度の貸付に關しては、原則的了解を與えられたように承つておるのでありますが、この點につきまする現在の經過は、どのようになつておりましようか、この點を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 それから次に生活保護法に關しての説明がありましたが、一割くらいの地方負擔は至當であるという御説明であつたのでありまするが、實際に市町村の末端までお調べになりましたならば、このわずか一割のためにいかに救濟さるべき人々が救濟されずにおるかということは、各村々に多くの例があるのであります。また市町村には財政が窮迫しておつても、それくらいは餘裕はあるだろうという見方のようでありますけれども、實際この一割という額が、相當月々でありましては、市町村にとつては大きな金額に上るのであります。從つて市町村議會等におきましては、これが非常に問題となるのでありまして、これをもし何らかの方法で取除き得られまするならば、この生活保護法は、飛躍的に利用し得ることと相なると思うのでありまして、この點に對しまして、市町村における實際の事情を御調査になつておるかどうかを承りたいのであります。また御説明にありませんでしたが、請願に書いてありまする民生委員の選び方であります。これは請願にありまする通り、戰災者、引揚者等から半數とあるのでありますが、相當の數民生委員を採用していただきたいという請願でありまするが、これまた實際の市町村に行つてみまする場合に、扶助を受ける者は一切民生委員に採用してはならないというような内規か何かあるようであります。
 ところが引揚げてまいりまする者は、一應何らかの扶助を一月か二月か必が受ける必要があるのでありまして、ほとんど全部引揚者は、この保護法の何らかの扶助を受けるという状態にありますので、自然各市町村に適當な人がありましても、この引揚者や戰災者の中からは、民生委員をとり得ない實情にあるのであります。これらの點は、何らかの指示その他の解釋を寛にする方法によりまして、ぜひとも引揚者の中から、本請願にありまする通り、半分とまではいかなくとも、一人、二人でも入れ得るという事情にありまするならば、實際の生活保護法の恩惠をこうむる者がまだはるかに殖えてまいると思うのでありまするが、これらに對しまする説明を承ることができますれば仕合せであります。
#53
○山田説明員 御説明申し上げます。生業資金の増額についてのお話があつたのでありますが、昨年生業資金の發足當時、三千圓ないし五千圓ということであつたのでありますが、當時は封鎖もございまして、その後封鎖でなしに、全部新圓というので、實質的には増額になつておるのであります。しかしながら、お話のように、何分現在の物價高では、五千圓では少いのでありまして、私どもとしましても、できるだけ増額いたしたいというので努力をいたしておるのであります。ただ何分現在のような國家財政の窮屈なときでありますので、思うようにはまいらないと思うのでありますが、第三次計畫の額の決定を待ちまして、先般厚生大臣も御説明をいたしましたように、七千圓まではしたいというので、ただいま計畫を進めておるのであります。今のところ第三次計畫がどれだけに收まるかということが未定でありますので、從つて七千圓ということもはつきりは申し上げられないのでありますが、まず七千圓は割らないようにというつもりで、努力をしております。
 次にあとから引揚げてきた者にも生業資金の恩惠に均霑せしむるようにというお話でございましたが、この點につきましても、十分考慮いたしておるのでありまして、府縣によりましては、すでに割當てた第一次、第二次の目標額を超えて申込みがあるという状況でありますので一私どもも、できるだけその申込みに應じ得るようにしたいというので、ただいま第三次計畫をいたしておるのであります。その額につきましては、まだ折衝中でありますので申し上げることを差控えさしていただきたいと思う次第であります。
#54
○内藤説明員 生活保護法と民生委員の關係についてお答え申し上げたいと思います。まず生活保護法の一部負擔の問題でございますが、これは私どもとしましても、市町村がその一割程度樂に負擔に得るとは全然考えておりませんで、非常に財政上苦しい、こういうことは私どもも萬々よく承知しておるわけであります。ただ考え方としては、やはり本質上、市町村あるいは府縣等が負擔するのが適當であると思われる費用については、國軍も地方財政も、ともに困難いたしておる今日でございますので、やはりそこに相當の無理を押しても負擔すべきではないかと考えておるわけであります。ただ實際問題としては、いろいろ從來の行きがかり等にとらわれて、相當に收入のあるもの等に保護を行ついている例も、多く見受けられるのでありまして、むしろこの際そういう最低生活以上の生活を營んでおる者に對しては、これは生活保護法の本質上、當然に扶助を打切るべき性質のものでございますので、そういう人々の保護は、極力整理し、そしてほんとうに困つて、ほんとうに一家の働き手がなくて毎日の生活を立てることができない者、こういう人々のみに集中的に、必要かつ徹底的な生活保護法を行うように、指導を機會あるごとに行つておるでございまして、今後市町村においても、その財政上困難な者は、そういう合理的な生活保護法の趣旨にそつた運用によつて、なお十分になし得るのではないかと考えておるわけであります。他面全額國庫負擔ということにすると、それ相當のいろいろの弊害が伴うことも考えられますので、やはりこの際現在の建前をもつてまいりたいと考えておるわけでございます。
 それから民生委員会の選任についても、御意見ごもつともでございまして、たしか民生委員の選考に當りましては、引揚者、戰災者等の立場をも代表し得る方々を選考に加えるように、こういうことが一項目になつておつたと存ずるのでございまして、現在もそういう人々はいつておられます。しかしながら、現在扶助を受けておる人を民生委員にすることは、元來民生委員は公平な立場から困つておる人々をお世話する任務をもつておりますので、やはりそこに一種のとらわれができて、不適當なのではないが、決して私どもとしては、現在受けているものを、民生委員に選考しないようにということを明示しておるわけではございませんが、市町村における推薦委員會。等においては、民生委員の本質に鑑みて、あるいはそういう取扱いをいたしたのではないか、かように考えておるわけでございます。
#55
○小野委員長 以上をもちまして本日議題になりました請願につきましては、一應審査を終つたことにいたしまして、なお後日適當の機會に、取扱い方について決したいと思います。
    ―――――――――――――
#56
○小野委員長 次に陳情書の審査に移りますが、陳情書につきましては、大體請願と同じようなやり方で審査してまいりたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○小野委員長 御異議ないようでございますから、さようにとりはからいます。陳情書の日程第一、國民健康保險組合制度強化に關する陳情書、文書番號第四三號、日程第二、引揚者更生援護對策に關する陳情書、文書番號第七七號、日程三、戰死戰災遺族族竝びに傷病者の厚生に關する陳情書、文書番號第七九號、日程第四、國民健康保險に對する國庫補助増額等に關する陳情書、文書番號第八〇號、日程第五、國民健康保險事業擴充に關する陳情書外一件、文書番號第一〇三號、日程第六、國民健保險事業擴充に關する陳情書、文書番號第一四九號、日程第七引揚者更生對策の緊急措置に關する陳情書、文書番號第一九四號、日程第八、國民健康保險事業確立に關する陳情書、文書番號第一九六號、日程第九、引揚者更生援護實施に關する陳情書、文書番號二一七號、日程第一〇、國民健康保險組合振作進竝びに國庫補助に關する陳情書、文書番號第二八七號、日程第一一、海外引揚者の更生に關する陳情書、文書番號第三二六號、日程第一二、海外引揚同胞に關する陳情書、文書番號第三三一號、日程第一三、海外引揚者對策に關する陳情書、文書番號第四〇五號、日程第一四、國民健康保險組合制度改正に關する陳情書、文書番號第四一一三號、日程第一五、海外引揚者援護諸對策に關する陳情書、文書番號第四四五號、以上につきまして、田中松月君より逐次御説明を願います。
#58
○田中(松)委員 日程第一、現在國民健康保險組合制度は、經濟界の激變のため、運營は危機に遭遇している、よつて本制度の民生生活に及ぼす影響を考慮し、時代に即するよう、本制度の根本的大改革を計らけるようお願いしたいのであります。
 日程第二、數百萬人の引揚者及び未歸還同胞は外地において、敗戰の慘境の現實を體驗し、非常な試練と反省をもつて日本再建を願ふものであるが、現實の嚴しい生活は忍從の限度に達している、ついては戰爭犠牲の公平なる負擔、更生對策の緊急措置に萬全を期していただきたいのであります。
 日程第三、戰爭犠牲者の生活は困難を極めている、特にこれ等の中で家庭をあけて外に勤めることのできないものが多數である、よつて授産輔導所に對しミシンの拂下、同材料の配給、加工仕事の優先的割當等を行はれんこと、及び各所母子寮に授産場託兒所を設立すること、竝びに遺兒に對し育英資金の支給、學用品衣類等の無償配給、國立病院入院者に衣服の支給、戰爭犠牲者に悪質隱退藏物資の摘發品の配給等を行はれたい。
 日程第四につきまして、健全なる體力は日本國再建の原動力であるが、現在の醫療費の高騰に對して國民健康保險被保險者の負擔は大いなるものがある、よつて國庫補助金の増額、國民健康保險の國家管理竝びに社會保險制度一本建に統合することと醫療費の半額を國庫負擔とせられたい。
 日程第五につきまして、國民健康保險事業は、現下經濟事情の激變に伴い、經營困難となり、加うるに最近社會保險診療報酬の引上は、本組合自體の存續に悪影響を及ぼし、前途憂慮にたえないものがある、ついてはこれが對策として、國民健康保險法の改正による強制加入制の確立、健康保險の統合、醫療施設の強化及び請經費の國庫補助増額等により本制度の擴充強化をはかられたい。
 日程第六につきまして、國民健康保險組合は、醫療の社會化を使命とする重要な施設であるが、町村單位のために經濟力が微弱で、とうてい所期の目的を達することができない、ついてはこれを國營とするか、または、年額二十億圓程度の補助金交附をはかられたい。
 日程第七につきまして、海外引揚者の生活の權利と勤勞の權利を保障するため、住居の安定のための緊急措置、企業權、營業權に對する特別措置、公共事業優先參加及び新規事業に對する優先的就業就勞對策、引揚者の歸農のための特例設定、生業資金三十億圓の國庫負擔による貸出及び早期貸付等に關し、具體策を緊急決定する等、上記各措置によつて引揚者の最低生活保障を講ぜられたい。
 日程第八につきまして、この内容はすでに説明した通りでありますから、省略いたします。
 日程第九につきまして、引揚者の更生のため、庶民金庫貸出額を現金二萬圓に増額資金囘轉の源泉として庶民金融金庫(假稱)を創設生産部門への更生策として生産協同組合法を制定、授産協同作業特別施設を増設し、貸出金を増額することによつて積極的に施策を講ぜられたい、また救援のため住宅を與えること、六・一、七・五肅正による轉業を援助すること、自申販賣店を保護すること、無産引揚者には一箇年間各種税金を免除、生活保護法適用範圍の擴張、引揚者救濟を含む社會保險の實施、國立病院患者の給費の増額生活費、醫療費の全額國庫負擔、食糧の遲缺配の絶滅、隠匿物資及び特殊物件を開放し引揚者戰災者救濟費に充當することを實施し援護されたい。
 日程第十につきまして、現在の國民健康保險組合は休止状態にあるが、これを經濟的援助を與えるならば、醫療施設としての活動ができるから、昭和二十二年度國庫補助の増額、組合直營診療所の經營建設の奬勵竝びに建設費の國庫負擔、生活保護法による醫療及び助産事業の組合員擔、各市町村に一名以上の保健婦設置竝びにこれが國庫補助の増額、醫師の診寮料金の認可制採用竝びに慣行料金と社會保險料金との統一等を圖り國氏保健の效果を期せられたい。
 日程第十一につきましては、すでに説明したと同樣でありますから、省略いたします。
 日程第十二につきまして、引揚者問題解決促進大會において、引揚者に對する生産資金貨出、引揚者元所有の土地返還、在外勤勞資産の補償、各種税金の免除等諸對策を決議した、ついては速やかにこれが實施を促進し引揚者の援護に資せられたい。
 日程第十三につきまして、全國六百萬人の海外引揚同胞に對し政府は、何ら應急恆久の對策を講ぜず、國會における各大臣の答辯も誠意の見るべきものがない、茨城縣下四萬五千の引揚者の代表は、次の決議をした、よつて滿足なる解決を與えられたい。一、戰爭犠牲は全國民均しく平等公正に負擔すること。イ、在外勤勞資金の補償、ロ、終戰後外務省借入金の補償支拂、ハ、在外同胞所持の國債利子支拂、ニ、非戰災者税による引揚者援護策 ホ、在外同胞歸還促進と其の家族の援護徹底、二、更生對策の緊急措置。 イ、住宅對策、ロ、就業就勞對策、ハ、農地問題の緊急解決策、ニ、生業資金の貸出、三、一般引揚者援護策。イ、生活保護法の改正、ロ、生活必需品の配給、ハ、失業手當の給與、ニ、引揚者子弟の修學問題 ホ、國立病院運營改善、以上の諸點についてよろしくお願いいたします。
 日程第一四につきまして、わが國國民保險上、現下の醫療制度の改善に緊急かつ重要なる問題であるが、實施後十年になる國民健康保險制度に對する醫師の非協力は依然改められず、眞に憂慮すべき状況である、ついては政府は速やかに醫療制度に改革を加え、國民健康制度を擴充強化し、補助金増額による本制度の完全をはかられたい。
 日程第一五につきまして、海外引揚者援護のため、遊休公共建物の解放等による住宅難の解消、所有農地の返還、國立病院收容患者の費用の全額國庫負擔、傷痍軍人、未亡人の生活保障、生業資金貸出額の増加、及び預貯金送金小切手現地立替金等の即時支拂等につき善處を要望する次第であります。
#59
○小野委員長 以上の陳情書はその内容を檢討しますと、趣旨は大體先ほど審査いたしました請願の趣旨と大差がないようでございますので、この陳情書に對して、あらためて政府の意見を聽くことは省略いたしたいと思います。以上をもちまして、本日の日程の陳情書の審査を一應終ることにいたします。
 なおこの際政府に希望申し上げたいのでありますが、本國會においては、請願及び陳情書の審査を相當な重要性をもつて行うことに申合せもできておるのでございます。つきましては、政府側に審査の際もできるだけ政府委員の御出席を求めたいと思いますから、さように御配慮願いたいと思います。本日はこれをもつて散會いたします。
   午後三時三十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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