くにさくロゴ
1955/03/08 第24回国会 参議院 参議院会議録情報 第024回国会 農林水産委員会 第15号
姉妹サイト
 
1955/03/08 第24回国会 参議院

参議院会議録情報 第024回国会 農林水産委員会 第15号

#1
第024回国会 農林水産委員会 第15号
昭和三十一年三月八日(木曜日)
   午後二時五十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月七日委員高橋進太郎君辞任につ
き、その補欠として横川信夫君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           青山 正一君
           重政 庸徳君
           戸叶  武君
           三浦 辰雄君
   委員
          池田宇右衞門君
           小西 英雄君
           関根 久藏君
           東   隆君
           河合 義一君
           小林 孝平君
           溝口 三郎君
           森 八三一君
           千田  正君
  政府委員
   農林政務次官  大石 武一君
   農林大臣官房予
   算課長     昌谷  孝君
   農林省農林経済
   局長      安田善一郎君
   農林省農業改良
   局長      大坪 藤市君
   水産庁長官   塩見友之助君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第一課長   白石 正雄君
   水産庁生産部漁
   港課長     林  真治君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中央卸売市場法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○農林漁業金融公庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○農林水産政策に関する調査の件
 (地方農業試験場技術職員の身分確
 保に関する件)
 (ビキニ慰謝料の免税に関する件)
○漁港法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○理事(戸叶武君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 まず委員の変更について御報告いたします。高橋進太郎君にかわって横川信夫君が委員になりました。
  ―――――――――――――
#3
○理事(戸叶武君) 中央卸売市場法の一部を改正する法律案を議題にいたします。本法律案は、去る三月六日閣法九十九号をもって内閣から提出せられ、即日当委員会に付託せられたものでありまして、本院先議であります。まず提案理由の説明を聞くことにいたします。
#4
○政府委員(大石武一君) ただいま議題になりました中央卸売市場法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 中央卸売市場法は大正十二年に制定され、その後ほとんど何らの改正を経ないで今日に至っているのであります。本法施行以来中央卸売市場には時に応じて変遷はありましたが、最近においては十三の都市が本法に基く中央卸売市場を開設しており、青果物、魚介類等の生鮮食品の総販売量の大約三分の一に及ぶと認められるものが中央卸売市場における取引を経て流通している状況であります。中央卸売市場は生鮮食品の需給調整及び価格形成において中枢的地位を占めるに至っていると申して過言ではないのであります。しかも、同法制定後今日に至る生鮮食品の流通ないし取引の各種実情の変化、特に中央卸売市場がおおむね集散市場ともいうべき実態となっていることは、立法当時の実情とは相当著しい変化でありまして、政府においても従来中央卸売市場等に関する法制その他について鋭意検討を重ねて参ったのであります。ことに昨年におきましては、本問題が生鮮食品の生産者、取引業者、消費者を通じて重要であることにかんがみ、広く中央卸売市場の開設者、生産者、卸売人、仲買人、小売人及び学識経験者のおもな方々からなる中央卸売市場対策協議会を農林省に設けまして、農林大臣から中央卸売市場の改善整備に関しとるべき施策について諮問いたしたのであります。この協議会におきましては、慎重討議の結果、昨年十二月十九日に中央卸売市場の指導監督、卸売人の整備、仲買人の地位の確立、中央卸売市場における取引の適正化、いわゆる類似市場の規制その他の事項について答申がなされたのであります。
 政府といたしましては、この答申を尊重し、さらに慎重考究を重ねまして、中央卸売市場法について所要の改正を行うべき本法律案を提出した次第であります。以下本法律案の主要内容について概略御説明申し上げます。
 第一は、中央卸売市場開設の区域の指定は、政令で指定する数以上の人口を有する都市及びその適当な隣接地について行うこととして、区域指定の基準を新たに明らかにすることといたしたのであります。また、中央卸売市場の使命の重要性にかんがみ、現行法により中央卸売市場の開設者となることができる者の中から民法の公益法人を削除することといたしたのであります。
 第二は、中央卸売市場の卸売人の許可に関する規定の改正であります。中央卸売市場の卸売人の許可は、従来国の事務と考えておりますが、現行法では地方長官がこれを行うという規定になっております。さきに述べました通り、本法制定後今日に至る生鮮食品の流通取引事情を見まするに、卸売人の業務の関係地域はますます広くなり、ほとんど全国的なものも多い実情でありますので、卸売人の市場取引における重要な地位とその許可事務の性質等に照らし、これは農林大臣が行うこととし、農林大臣は直接市場経営の任に当る開設者の意見を尊重して行うこととして、この関係の規定を改正追加したのであります。
 第三は、卸売人の間における協定についての私的独占禁止法の適用除外に関する規定の追加であります。現在中央卸売市場の中には、卸売人の間の過度の競争により種々の弊害を生じ、卸売の業務の適正かつ健全な運営が阻害されていることが多いことにかんがみ、これに対する規定を設けたのであります。すなわち、卸売人が右の弊害を自主的に防止するため、卸売の業務に関する取引条件について協定を締結しようとする場合において、農林大臣がこの協定を、関係事業者等の利益を不当に害するおそれがない等の諸要件に適合すると認めて認可したときには、その協定には私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用を除外することといたしたのであります。ただし、中央卸売市場の機能を考慮しまして、物品の価格、品質または数量に関する協定は認めないことといたしております。
 第四は、仲買人に関する規定の追加であります。従来本法には仲買人に関する規定がなかったのでありますが、中央卸売市場の取引における仲買人の地位にかんがみまして、開設者は必要に応じ仲買人を置くことができる旨を規定し、その資格、員数等は業務規程をもって定むべきことといたしたのであります。第五は、類似市場に関する規定の追加であります。中央卸売市場の取扱品目について当該指定区域内において中央卸売市場類似の業務を行う市場については、現行法では、中央卸売市場の開設に際して農林大臣が中央卸売市場開設者の意見を聞いた上閉鎖を命じ得る旨の規定と、中央卸売市場開設者はこの場合損失の補償をなすべき旨の規定があるのみであります。しかしながら、最近府県条例により中央卸売市場法の趣旨に必ずしも沿わない中央卸売市場以外の市場の法認ないし規制等が行われて、特に中央卸売市場指定区域内について統一した行政が行われない事態が生ずるやに認められることもありますので、かくのごとき事態を防止して中央卸売市場との関係において調整をはかる必要が認められるのであります。よって、生鮮食品の最近における流通取引事情とこれら類似市場ないし一般市場の現状にかんがみまして、中央卸売市場の主導的地位を確保し、その公正な運営を期し、中央卸売市場が指定区域内の生鮮食品の流通並びに価格に与える影響力を整え、中央卸売市場との関連を考慮いたしまして、中央卸売市場と類似する業務を行う大きな市場とこれによる流通取引の公正化に資するため、類似市場に関する規定を追加する必要があると考えます。
 すなわち、指定区域内において中央卸売市場類似の業務をなす市場であって、命令で定める基準以上の施設を有するものについては、一定事項の届出をなすべきものとし、農林大臣は、生鮮食品の円滑な流通をはかるため必要ある場合は報告徴収、立入検査を行い、業務の公正を確保する等のため必要あるときは施設または業務方法の変更を命じ、これに違反する場合は業務の停止を命じ得る等の規定を設けたのであります。
 以上が本法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#5
○理事(戸叶武君) 本法律案の審議は後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#6
○理事(戸叶武君) 次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
 去る三月二日に予定されておりました農林漁業金融に関する参考人の意見を聞くことにつきましては、当日は国会事情のため取りやめとなりましたが、しかし本法律案の取扱い方を決定する前にこれを実行するように一昨日の委員会で御確認を願いましたので、来たる三月十三日、火曜日の午後に実行する予定でありますから、御了承をいただきたいと存じます。それでその工合もありまして、本日本法案を議題にいたす次第であります。
 本法律案につきましては、去る二月十四日の委員会において提案理由の説明を聞いたのでありますが、本日は本法律案審査の前提である農林漁業金融公庫の資金計画、その他参考事項並びに法律案の内容等について、政府委員から補足的説明を聞くことにいたします。
#7
○政府委員(安田善一郎君) 政務次官が衆議院の農水委員会に出ましたので、かわって参りました。
 ただいま御審議願うことにしていただきました農林漁業金融公庫法の一部改正法律案でございますが、この内容を補足して申し上げますというと、農林漁業金融公庫の前身をたずねてみまするというと、昭和二十六年四月一日に農林漁業資金融通特別会計が貸し出しを開始したのに始まるのでありまして、それ以来公庫の融資総額は一千百六十六億円になっておりまして、三十年度末融資残高は、すなわち償還をしました残りは九百五十億円をこえる見込みであることは、提案理由の御説明の際にも申し述べた通りでございます。右の貸出金の原資、もとの資本でありますが、その構成は昭和三十年度末で一般会計からの出資金が四百二十六億七百万円になっておりまして、またさらに加うるに産業投資特別会計からの出資金が六十六億二千六百万円、合計資本金が四百九十二億三千三百万円となっておりまして、原資でありまするところの資金が金利を伴う借入金は産業投資特別会計から二十八億一千七百万円、資金運用部から四百八十六億二千万円、合計五百十四億三千七百万円となっておるのでございます。
 昭和三十一年度はさらに産業投資特別会計からの出資金を十億円といたしまして、資金運用部からの借入金を百四十五億円、簡易保険及び郵便年金特別会計からの借入金を五十五億円、合計二百十億円に従来公庫が貸付をしましたものの回収金を八十億円加えまして、三十一年度の貸付は総計二百九十億円と予定をいたしておるわけであります。この貸付計画の内容を前年度との比較におきまして御説明申し上げまするというと、まず総額におきまして前年度当初計画が二百六十億円でございまするから、三十一年度は三十億円の増となっておるわけであります。土地改良事業関係におきましては百十五億四千三百万円でございまするので、前年度の百十五億九千万円に比較いたしますというと、四千七百万円の減少となっておりまするが、耕土培養事業が新設予定の農業改良基金の融資対象として移しておりますこと、また三十年度は災害が非常に少かったこと等によりまして、十六億円減額いたしたものでございまして、災害復旧以外につきましては前年度と変りなく、むしろ非補助の土地改良事業に対しまして積極的に十二億円を増加いたしております。なお本融資によりまして、公共事業費の補助金と相補いまして、米換算百七万四千石の増産を計画企図いたしておるわけであります。
 次に林業関係を申し上げまするというと、三十三億七百万円でございまするが、前年の三十二億一千万円に比しましては九千七百万円の増加となっております。これは補助造林の事業量を三十年度の四千町歩から九千町歩に増加したことに伴う六千万円の増、従来非補助林道は市場等から十キロ以内のものを対象といたしておりましたものを、二十キロ以内までに広げることによりまして事業量の増大に伴う二億円の増加によるものでございまするが、三十年度の災害の少かったことにより林業関係の災害復旧でも二億円を減少しております。
 漁業関係は三十一億七千八百万円でございまするから、前年の二十四億三千五百万円に比べまして七億四千三百万円の増となっております。これは北海道鮭鱒漁業と沿岸漁業の振興をはかるために新たに漁船の建造ワクを拡大したことに伴う増額でございます。
 塩業関係について申し上げますと、十五億円を予定いたしておりますので、前年度に比しましては五億三千万円の増加となっております。
 また共同利用施設関係を申し上げますというと、三十五億八千二百万円を予定しておりまして、前年度の三十七億九千五百万円に比べましては二億一千三百万円の減少となっておりますが、これは主として電気導入施設について経済効率の高い地点の開発がほぼ終りましたので、主として電気の受け入れ施設の方が重点になりましたので、その単価に応じまして減少したわけでございます。
 小団地開発整備事業関係は三億でございます。前年度の二億八千万円に比しまして二千万円増となっております。これは前年度には二百六十五市町村を対象にいたしましたが、三十一年度は三百五十市町村を取り上げることといたしまして、その事業量の増大に見合うものでございます。明年度から新たに農山漁村建設総合施設関係を公庫の融資対象としまして、さしあたり十五億円を計上いたしておりますが、これは農山漁村のいわゆる新しい村作りのために、公庫融資の面でもその積極的推進をはかろうといたすものでございます。
 また主務大臣指定施設関係は十一億九千万円を予定いたしておりますが、これは前年度の十五億二千万円に比しまして三億三千万円の減となっております。しかしこれまた三十一年度からは農業改良基金制度が発足をいたしまして、これまで公庫融資の対象となっておりました農機具、畜舎、サイロ、堆肥舎、灌水施設、排水ポンプは、この改良基金制度によりまする、より有利なる融資の対象といたしましたために減少をして、改良基金制度に移したせいであります。同基金によります融資予定額は約十五億円となっておりますので、むしろ全体としては、公庫と先に述べました改良基金の方へ移して減少させましたものと、改良基金で融資予定の額と差し引きしましても、むしろ全体としては融資額を増大したことになっておるのでございます。なお開拓地集約酪農地域及び農業経営安定計画に基く場合に限り、今後も従来通り右の施設を公庫の融資対象としております。このほか合成繊維漁網綱、蚕の道具、蚕具、蚕室、製茶施設については従前と同様でございます。
 また公庫融資によります自作農維持創設資金につきましては、従来からも増額の強い要望もありましたので、三十一年度は五億円増額いたしまして二十五億円の融資額にいたしております。右のほか主務大臣指定災害復旧資金といたしまして、前年度に比べて一億円増額して三億円を、また奄美大島の復興資金として新たに一億円を予定しております。
 以上の貸付計画に基きまして貸付を実行するために要する二百九十億円の原資のうち十億円は、政府の産業投資特別会計からの出資金になっておりますが、出資金につきましては公庫法に明記することになっておりますので、今回も同法第四条中政府の出資金四百六十六億七百万円とありまするのを、四百七十六億七百万円に改めるものであります。借入金につきましては予算措置のみで足り、その金額を法律に明記する必要はない建前になっておりまするので、法文には書いてございません。なお現在までに政府から公庫に対しまして出資のあった金額四百六十六億七百万円のほかに、復興金融金庫の債権の承継に伴いまして、政府の産業投資特別会計から出資があったものとされました金額二十六億二千六百万円を加えますると、公庫の登記済みの資本金は四百九十二億三千三百万円でございまして、三十一年度に右の十億円の出資が法案の御審議の結果できますれば、五百二億三千三百万円となる予定でございます。
 以上が私から御説明を補足して申し上げたいと思っておることでございます。なお御質問に応じましてお答えを申し上げたいと思います。
#8
○理事(戸叶武君) 以上説明を聞いたのでありますが、これから質疑に入ります。御質疑の向きは順次御発言を願います。
#9
○千田正君 ただいま局長の御説明の中に、合成繊維の漁網綱に対する貸付の限度は昨年と同様であるというお話でありましたが、これに対して特に考えてもらわなくちゃならないと思うのは、昨年も大体二億円のワクを協同組合の自営船その他に対してワクをとっておったのですが、その二億円は使いきれないでおる。むしろ下回っておる状況であります。そうだとするならば、こうした漁網綱で実際必要な面であるところのまき網であるとか、あるいはカツオ、マグロの漁船に対する網とか、そういう問題に対して個人的融資に対しても一応特別の考慮を払っていただけないかどうか、この点はどういうふうにお考えでございますか。
#10
○政府委員(安田善一郎君) 私の御説明いささか言葉足らずがございまして、合成繊維漁網綱については従前と同様でございます、というのは、このワクのきめ方とかいう取扱いを金利その他と同様にいたしたいということでございまして、資金ワクとしましては、千田委員からの御意見に即応いたしまして、まだ十分とは言えないと思いますが、三十一年度では共同施設、また個人施設、こういう両者を合せて三億五千万円くらいは合成繊維に充てて去年くらいは増額をいたしたいかと思っておるわけでございます。
#11
○千田正君 今のお話でありまするというと、去年よりだいぶん増額されておりますが、先ほど申し上げたように、協同組合が十分使い切れない、そういうような場合にはそのワク内において十分に操作して、個人の業者にも十分回していけるというあんばいができるかどうか、この点はどうなんですか。
#12
○政府委員(安田善一郎君) お話の点は公庫の業務規程によればできることでございまして、三億五千万円と予定しておりますワクの中で、需要に応じてそのワクの中で共同と個人とは融通しあえるようにしていきたいと思います。
#13
○千田正君 それでは三十一年度としましては、このこうした問題に対する農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の中に、実は第十八条に第五の三を新設して、合成繊維漁網綱の取得に必要な資金という面も入れてもらいたいという陳情がきておるのですが、こうした改正という面については政府としては今年は触れたくない、むしろ資金ワク内において十分見てあるからその内部操作によって考える、こういう御趣旨でございますか。
#14
○政府委員(安田善一郎君) この公庫の法律及びこれに基く業務規程等によりまして、ただいま申し上げました通りに運用を責任をもっていたしたいと思いますので、あまりワクをこまかく分ければ融通のきかない面もかえって半面ありまするので、そのために従来のワクのきめ方で額を増加することを政府はお約束をする、こういうことの方が別のワクの関係もございますので、お願いしたいかと思うのです。
#15
○森八三一君 今の千田委員の質問に関連して。一応の構想はわかりましたが、千田委員からお話があったような要望が非常に痛切にあると思う。こういう点については当局も御承知と思いますが、それで前年度実際個人と団体との関係に具体的にどういうような比率、あるいは数字で融資されたか、その実績を伺いますると、この問題の解決に取り組んでゆく方向がおおむね明らかになると思いますので、実績を一つお聞かせいただきたいと思います。
#16
○政府委員(安田善一郎君) 三十年度は実は時期でお考え下すってもわかりますように、きちんとまだ締めくくってございませんので、概算につきましてならば、別途別の日に急いで資料を提出いたしたいと思います。
#17
○森八三一君 ただいまお手元にこの資料がなければ、適当なときに資料を提出して御説明を願うことにいたします。その資料を拝見いたしますれば、千田委員の御質問になったような点につきまして、さらに強く法律にそういう趣旨をうたうような改正をすべきかどうかということもおのずから明白になると思いますので、その問題はそのときにお伺いいたしたいと思います。
 そこで次にお伺いいたしたいのは、だんだん説明を聞いておりますというと、原資の構成がこの制度の創設以来順次借入金に依存する部分が増加をしてきておるように思うのであります。そういうことになりますというと、公庫の運営上いろいろ問題を生じてくる。特に最近の金融情勢はだんだん貸し出し利率の低下という方向を示しておる実態でありますので、そういうことを考えて参りますると、原資の構成の実態とのからみあわせで公庫の運営の上に非常な問題が起きてくるように思うのでありますが、こういう点についてはどういうように見通しを持っておられますのか。そうしてまた金利の低下に取り組んでゆく公庫の貸し出しの具体的な措置をどうお考えになるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。
#18
○政府委員(安田善一郎君) 最初にまず結論的な最重要点を申し上げますと、原資構成の今回の案によりましても、昨年度と押えてもけっこうでございますが、従来の融資対象別の貸付の金利は全然変更しない、引き上げない、また引き下げもしない。ただ対象事項の度合いによりまして、たとえば伐調資金とか、その他の低い率のものの増額などに伴いましては、原価構成と利息収入との関係は変って参りましたが、融資を受ける方からみまするというと、融資対象別には金利は同様である、こういうふうに持っていきたいと思うわけであります。しからばそういうふうにできまする三十一年度の原資構成が、特に無利子の一般会計なり産業投資特別会計なりから出資いたしまするならば、あるいは繰り入れいたしまするならば、無利子のものと運用部資金、郵便年金、簡保資金というようなものから借り入れをいたします有利息の資金との割合におきましては、森委員の御指摘の通りに特別会計から公庫に移りまする経過を経ましたが、その両者を通じまして、年度が早いときに応じまして、特に無利子のものが原資としては割合が多いのでございまして、また特に昭和二十八年度におきましては二百億をこえるものを公庫に切りかえる際に出資をいたしたこともございます。その後御指摘のように傾向といたしましては、一般会計なり産特会計なんかよりしますところの無利子のものが減少しておるように見えますが、逐年計上いたしまする額の合計が公庫の原資構成になりまして、また古い無利子の出資金により金を貸しましたそれが回収金になって参りましたものを、また使って融資対象に金融をいたしまするというと、その金は無利子のわけであります。無利子のものが最初いって、帰ってきて、また貸すという循環を無利子において行なっておりますので、性質としましては回収金を原価構成の無利子分として見ていただきたいように思うのでございます。しかしその総ワクにつきましたり、また有利子、無利子の割合につきましては、第一には差し当って三十一年度は相当低利長期の政府資金の供給の目的に従来も沿うておりましたから、一般金融金利の低下の状況でございますが、三十一年度はまずこのくらいでお願いしたい、さらに将来にわたりまして、公庫の金利を再検討すべしという事態にもなりましたら、これは原資の関係あるいは融資対象別の金利を全面的に変えるべき時期も将来はくるかと思いますが、今回はこれでいかがかと実は存じておるわけであります。また総ワク自身につきましては、必ずしも十分と思っておりませんが、財政あるいは財政資金の状況もありまするし、一般会計予算等を中心にいたしまして、農業開発、土地改良その他の公共的事業と公庫融資との関係もございます。非補助事業をどのくらいやるという関係もまだございまして、一般会計の事業量とほぼ照応させまして、去年より補助事業との関係では悪くなっていないのを、差し当り最小限度やむを得ないとして組んでおるわけでございます。
 それからさらに、新たに先ほど申し上げましたような漁船の代船建造でありますとか、自作農創設維持金融の、昔は農地担保金融と言いましたが、担保はやめておりますが、その部分の五億の増額とか、農山漁村の総合建設用に使います十五億の増額とかを加えまして、去年より三十億増で一応私どもこれでお願いしたいと思ったのでございます。さらに立ち入りまして、有利子、無利子の各種類別の総計の割合は半々、ないしは無利子が四、五、有利子が五・五というような構成を持ちますると、ほぼ現行の融資部門別の金利はそのままに据え置けるのでございますが、場合によりましては公庫業務に要りまする人件費、事務費の多少の合理化でありますとか、中金を通じまして信連等に事務を委託いたしまする場合の手数料の若干の節約とか、こういうことが伴いますることがあるかどうかということの問題が一つと、もう一つは貸し倒れ準備金が法定の範囲内におきまして全くゼロではいけませんので、やむを得ない場合最小限度は組めるかどうかということだと思うのであります。この点は公庫の方とも打ち合せまして、従前よりも公庫の経費の節減絶対額といいますよりは、融資額に対する割合であると思いますが、割合は融資額が拡大するに伴って減ってきていいと思いますが、若干の可能な合理化の面を入れて委託数料も少し切ってもらいまして、貸し倒れ準備金も計上できるという打ち合せ済みをいたしましたので、この点はそれで本年度は済ませたい希望を持っておるわけでございます。
 しからば来年度以降どうかといいますと、かなり三十一年度の計画は、ただいま申しました各部面のことにつきまして可能ではあるけれども、やや苦しいところに来ておりますので、衆議院の方でも御論議がございましたが、来年度以降におきましては、各種の事業にわたりましてできる限り融資ワク全体の増加に努めますることはもちろん、われわれは無利子の可能な原資をより多くすることに努めまして、特に公庫の業務の合理化すべきところはいたさなくちゃなりませんが、原資構成から持って来るような無理な人件費、事務費の節減とか、委託手数料の減少とか、貸し倒れということはなるべくこれ以上しませんように法制化すべき段階にきておると思います。また貸し倒れ準備金も公庫業務の事業が拡大するに伴いまして、三十一年度のこの案で組むものよりは逐年増加していくように努力をしなくちゃならぬと思っておる次第でございます。
#19
○森八三一君 ただいまの説明で一応現状はわかりましたが、全面的に金利の低下の趨勢にあるときに、農林漁業金融公庫の持っておる本来の性格を考えますと、こういうような一般の市中の金利の情勢というものとやはり即応していかなければ、公庫本来の使命を達するというわけにはそぐわない事態も起るのではないか、そこでどうしても原資の構成についてはいろいろ合理化によって、構成の比率は変って参りましても、金利の値上げというようなことは食いとめ得るのだという御説明でありますが、私はむしろ金利が低下していく方向が打ち出されなければおかしい。それは原資の問題に当然くることでありますので、明年度についてはそういうことを十分に考えていきたいということでありますので、その点はお話の通りに一般の金融情勢に即応して公庫の業務を進めていくように原資の構成について配慮せられたいという希望を申し上げておきます。
 次にお伺いいたしたいのは、昨年公庫を通じて――今お話もございましたが、自作農創設維持に関する資金貸し出しという新業務が追加せられた。当切二十億の資金で出発したわけでございますが、このことにつきましては最近の農村の実態からいたしまして、かなり私は希望が殺到しておるのではないか、それにこたえ得ないという何と申しますか、極端な表現をいたしますと、法律改正をして非常に困難になっておる農民に対処するという見出しはけっこうであるが、羊頭狗肉の結果になっておるのをおそれておるのでありますが、この制度の創設以来どういうような申し込みで、どういうような貸し出しが行われておるのか、その実態を明らかにしていただきたいと思います。
#20
○政府委員(安田善一郎君) 自作農維持創設資金につきまして公庫が業務いたしまするのは、別途その関係の実体法規である自作農維持創設資金融通法によるわけでございますが、これは昨年の十月十日に施行になったわけでございますが、前々からの要望があり、また農地の自作農創設特別会計からの余裕金の運用でやって参りましたことの拡大切りかえでもございましたので、三十年度の年度当初からいかなる資金需要があり、またどんなふうにしていくかということも全く白紙であったわけではないわけであります。しかし公庫としての業務は十月十日から始めつつあったわけであります。一月までには要望の受理件数は三千をこえる件数でございまして、その金額を申し上げますと二億余でございます。しかしちょうど二月末で締め切って、締め切りつつあります二月二十一日でございますが、そこまでの公庫の実績を見てみますると、公庫において制度開始以来二万件でございまして、その融資を受けたいといと御申し出を受理いたしましたのは二十一億円強でございます。貸付は公庫総裁の衆議院での見通しの説明及び言明は、これは年度末、すなわち三月三十一日までに処理をいたす予定でおります。従って約二十億とちょっとこえております。しかし別途手続が繁雑だということ等もございまして、経営安定計画を付して申請をお願いしたいということなどの法律等もございまして、これは公庫業務といたしまして繁雑な手続をうんと簡素化するように要望もございまするので、現在及び将来にわたりまして、特に三十一年度におきましてはその手続を簡素化いたしたいと思っておりますが、これは、なまの需要等からみますると、今の農地事情、漁業事情からすればもっと多くの資金の要望がある性質のものだと存じます。しかし十月以降二月末までに計上したものの一年分に月別を引き延ばしたものの需要がすぐくるとは私考えておりません。それは先ほど申し上げました年度当初からの前の制度もあったためだということを申し上げたのであります。しかし本来この制度は昨年法律を御審議願います際に説明も申し上げましたように、当時の資料で推定いたしましても、二百億あれば、その金でも将来は自転していって、自作農維持創設の目的が経済条件、農業条件の著しい変化、災害等の変化がひどいものがこなければ、一つの制度になるというような基本的な考えは基礎に持ち続けておるわけでございますので、本年度はさしあたって三十年度の実績に加えて二割五分増し、四分の一増しをしておいて、なおこの余裕が足りない場合は公庫は各種の融資対象がございまするので、確保すべき重点事項は別にワクを変えるわけではなしに、むしろ先ほど合成繊維の漁網綱で申し上げましたように、これは加工するものでありますが、手続上、また資金需要上、余るような場合がありましたら、これは需用の多いところへ所定の貸付方法と金利をもちまして貸して参るべきものと思っておる次第でございます。
#21
○森八三一君 最後にもう一つお伺いしたいのは、公庫の業務と、別途この国会に提案されておる北海道開発公庫ですかの業務、この関係は一体どういうふうになっているのか、その点を御説明願いたいと思います。
#22
○政府委員(安田善一郎君) 政府の案としてきめました結果におきましては、この両者の公庫は競合をしないという建前でできております。関係主管庁の間ではそういうふうになっておりまして、農林漁業に関しまする公庫は、こういう政府資金の供給は農林漁業公庫でやりたいと、やることにまた御説明を申し上げておるわけであります。一つだけ農林水産物の高度の加工いたしますものの北海道に対しまする融資は、政府金融の融資は向うでやることになっておりまして、例を私の方から申し上げますと、テンサイ糖の工場とかというふうなものは高度の加工の方に入れてもらいたいと思っておるわけであります。しかしこちらでできないわけでございません、共同施設でございましたら。
 それからこちらの方は個人融資が間間ありますが、これは農林漁業者中心のものでありまして、なお原則としましては共同施設に融資するものでございます。向うの方は、北海道開発公庫の方はそういうことの目的ではないと思います。北海道開発の目的で法律に定めた業務にあれば、共同施設と必ずしも限らないようにできておるのでございます。簡単に申し上げますと、会社がおもじゃないかと思います。当初はそれが、北海道は全部あっちでというような話がありましたが、そういうことでなくなりました。
#23
○森八三一君 そうしますと、北海道開発公庫の方では原則として農林漁業に関する漁業金融公庫の行う業務はしないということに割り切ってあるのですか。ただ高度の加工をする会社等に対する融資については農林漁業金融ではないという解釈で北海道開発公庫の方は扱うのだ、こういうふうに理論的に整理が行われておる、こう理解してよろしゅうございましょうか。
#24
○政府委員(安田善一郎君) その通りでございます。
#25
○東隆君 今の融資関係でお伺いをいたしたいのですが、自作農創設関係の資金は二万件でほぼ二十一億、こういうお話でありますが、これはあくまで各都道府県に割り当てをされて、そうしてその結果集められたのでぴちっと数字が集まるのは当然のことだと、こう思うのです。そんなふうな関係で、これは政府が約二十五億今度考えられて、そうしてこれをまた前の通り割り当てられると、またそれと同じものが出てくるのじゃないか、こう一応考えるわけであります。従って要望その他に対する考え方は、これは私下部の方で非常に苦労していると思います。その点はこれをどういうふうにお考えですか。
#26
○政府委員(安田善一郎君) 先ほども申し上げました通り、手続をもっと簡素化いたしましたり、昨年立法当時の、法案審議の当時の基本の考え方及び事業予定がそうでありたいという希望を申し上げました通りに、この資金はなまの需要をもっと出しましたら、手続のいかんを問わず必要性の客観事実があれば、すぐ貸し付けようというようなふうにたとえばなりますと、もっとたくさん需要があると思います。もっとたくさん資金ワクを組みたいところを、ただいま御説明申し上げましたような程度でやむを得ない、こういたしましたということを……。
#27
○東隆君 その問題はもう少し各都道府県の意向を一つしんしゃくをされて、金額の増加その他一つお考えを願いたいとこう思うのですが、もう一つ私はこの自作農創設関係の資金で金庫の資金を融通する面における関係は、これはいいと思うのですけれども、基本になるところの法律との間に実は非常に大きな誤りを犯しておると思う。それは自作農創設資金融通法においては農地を担保にしないと、こういうことが基本になって、衆議院の方でも、また参議院の方でも法律を修正可決をしておるはずであります。ところが、業務方法書ですか、その形でもって農林大臣の認可の形式で農地担保のされるようになった。申込書には皆そういうようなことになっております。従っておそらく大部分のものは農地を担保に入れるという形でもって二万件のうちほとんど全部そういう形で出ているのじゃないか、こう思うわけであります。従って、これは非常に国会の意思を無視した形で行われておる資金の融通である、こう考えるわけであります。これは補正をするというよりか、法律の意思の通りに直すお考えがないかどうか、その点を……。
#28
○政府委員(安田善一郎君) 私は、まあ農林省から出ております政府委員としてお答えを申し上げますが、実務は実はこの方は農地局でやっておるのであります。私の方の金融課とともにやっておるのであります。先般の国会で自作農維持創設資金融資法が通りました際の国会の御審議状況から得られまする結論は、尊重をしなければならぬし、今大臣認可の下に公庫の業務規程でやっておりますような意味であったということを政務次官その他御関係御出席になりました方々に確かめましたことが一つ、また体会中に経続審議の法律もありまして、参議院は農林水産委員会がありましたので、このときに御意見も伺い、御質問もいただいたときにお答え申し上げましたように、これは保証人でも担保でも、両方でもいいが、いずれか一方でもいいので、保証人でけっこうです、人的保証でけっこうです、そういうふうに業務規程は書いてあるので法律違反ではない、そういうことでございます。
#29
○東隆君 今の担保というのは、これは、不動産としての土地を考えておるのじゃなくて、建物であるとか、その他そういうようなものを指しておるのじゃないのですか。そして最初から農地を抵当にして金を融通をする、こういう趣旨でないと思うのですがね、当時の法律改正の意思は。
#30
○政府委員(安田善一郎君) 業務規程に書いてありまする「保証人及び担保、またはこれらのいずれか一方を徴収するものとする」というのは前者は、二つのもので一緒にやろう、そうでなくて、そのどれかでもいいということが第一点と、保証人というのは人的な信用力と申しますか、担保力、担保というのは物的な信用力、こういう意味でございまして、物的というのは、いろいろな物ということであります。
#31
○東隆君 その点はわかるのですけれども、その場合に金庫の業務規程が優先をするか、自作農創設資金融通法が優先をするかという問題、これが一つあると思うのです。同時に、その法律の中に農林大臣が業務規程の認可をするという条文があるはずです。従って、その認可をするときに国会の意思を無視してそういうようなことをしたのじゃないか、こういうことになる、形は。だから法律が金庫の業務規程よりも確かに優先すると思うのであります。そうして、その法律の中に農林大臣が方法、規程その他について認可を与える。こういうふうに書かれてあって、その当時、金庫の規程が優先をすると困るというような問題も考えられておる。従って私はこれは非常に間違いを犯していると思う。これは何らかの形でもって当時の国会の意思をはっきりさした方がいいのではないか、こう思うわけです。
#32
○政府委員(安田善一郎君) 東委員とは少くとも私はそういう意見を――それは間違いないと思います。しかし業務規程で貸し方を、公庫のようなものでありますから、業務規程を作って仕事をするのはいいことだと思います。当然のことだと思います。また、業務規程を作れば大臣の認可を受くべきことも法の示すところであります。しからばその業務規程の内容の今読み上げましたものは法に違反しているかどうかという点と、国会の意思と違うじゃないかという点につきましては、いずれもその法に違反してない、国会の意思と違っていないということで、こういうふうな結果になったことをお答え申し上げます。
#33
○森八三一君 実は今日大臣がお越しになるということを前回の委員会ではっきり大臣からもお約束がありましたので、大臣の出席を待っておったのでありますが、御出席がありませんので、ちょうど改良局長がいらっしゃいますので、そのことに関連してここで質問をさしていただきたいと思いますが、どうなんですか。
#34
○理事(戸叶武君) ただいま農林大臣は出席できないでおりますが、農業改良局長と農林大臣官房予算課長が出席しておりますから、それでは森さんの質問に対して、それらの方々から答弁していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○理事(戸叶武君) それじゃどうぞ。
#36
○森八三一君 それでは改良局長にまずお伺いしたいと思いますが、改良局主管の予算の関係の問題でありますが、地方農事試験場に対する補助のことであります。このことについて衆議院の委員会で御質問がありまして、政府当局の答弁されておりまするのは、従来の三十年度における予算の編成内容は、都道府県の農事試験場に対する補助金の細目において、俸給と事業費というものとを区分してそれぞれ従来計上せられておるのであります。ところが三十一年度には、目によりましては俸給と事業費に分けて計上されておるものもあり、目によっては俸給補助費というものを全額削除して事業費一本にまとめておるというような内容が示されております。そこで衆議院の質問では、予算編成上技術的にそういうようにしたのだけれども、昭和三十年度と何ら具体的に変らない措置ができるのだと、こういう説明をされております。そこで私お伺いいたしたいことは、俸給補助費として計上せられておったものが事業費に振りかえられるといたしますれば、内容としては今まで都道府県の地方公務員としておりましたものが一応退職をして、あらためて事業費補助の中の労務者でありますか、そういうものの形で切りかえて措置をされるというような事務的手続がここで起きてくる。このことは事務的と申しますればきわめて簡単でありまするが、職員諸君の身分の上から考えますれば、きわめて重大なる変化が起きることであると思いますが、こういう点についてどう処置をされるのか、その点が一つ。衆議院で御説明になっておりまするように、具体的に申しますると、カンショの試験関係におきましては、昭和三十年度には四人分の俸給に対する助成がございましたのが、三十一年度にはその総額を事業費補助と、こういうように切りかえられておるのであります。そこで申し上げまするように、俸給補助費がなくなって事業費補助というのでありますれば、身分の変更を伴うという結果が起きるのではないかというように思うのでありますが、それをどういうように処置をされるのかということをまず最初にお尋ねいたします。
#37
○政府委員(大坪藤市君) 三十一年度の都道府県の農業試験場の委託試験費のうちに指定試験、その他数種の試験につきまして三十年度までは、ただいま御意見がありましたように、事業費と人件費に分けまして補助をいたしておったのでございまするが、三十一年度から人件費のうちの一部分を事業費補助に切りかえ措置をとって参ったのであります。このことは、御承知のようにそういうふうな措置をとりました方が試験場の方であるいはやりいいんじゃなかろうかと、こういうような私どもといたしましては考えであったのでありまするが、いろいろその後府県の実情を聞いておりますというと、どうもそういうふうにゆとりがあると申しまするか、人件費にも事業費にも、どちらでも試験研究機関において好ましいようなふうに使った方がいいというふうにわれわれといたしましては、そういう考え方であったのでありまするが、そういうふうに試験場の方で融通がつくということは、かえって県内の現在の経費の少い実情からいたしますれば、工合が悪いというような意見を最近になりましてちょいちょい府県から聞いておるのであります。このことは実は私ども全くそういうようなことを考えていなかったのでありまして、先ほど申し上げましたように、そういう措置をとりましたのは、試験研究機関におきましてどのような使い方をしても差しつかえないと、こういうようなことがよりベターだろうというような考え方であったのでありまするが、そういうようなことでありまするので、私どもといたしましても、その趣旨は決して従来人件費でありましたものをこれを削除するとか、あるいはこの際人件費のものを落すとかいうような考え方は毛頭ないのでありまして、ただいま御説明のありました、たとえばカンショの原種試験等におきましては御承知のように一人職員が入っておるのでありまするが、これを事業費に切りかえておりまするが、御承知のように農地関係の補助職員等におきましても、事業費で人件費をまかなっておるのでございます。そのようにこの試験研究委託費の事業費と申しましても、大蔵省との相談で事業費にも人件費にもどちらにも使えると、こういうふうなことになっておるのでありまするから、今後私どもといたしましては、どうしても試験研究を従来通り継続していきまするためには、それ相当の従来通りの人間はどうしても必要でありまするので、通牒をもちまして事業費の経費の内訳を詳細に一つ府県に通達をいたしまして、補助条件としてはっきりそれをつけると、もしそれに了承しないような府県には試験を委託しない、こういうような措置をとって参りまして従来通りの試験を継続して参ると、そういうことによりまして、従来から試験研究に従事しておりました職員が落されるというようなことがないように、強力な一つ通牒の措置をとりまして防止して参りたい、かように考えたわけであります。
#38
○森八三一君 今のような御説明だとすれば、あえて三十一年度に三十年度まで区分して規定されたものを一本にまとめてやる必要はないわけなんです。それをどっちに使ってもいいんだ、融通性を持たせるために一本にするのだというふうなことですね。これはやっぱりそういう単なる通牒だけでは打ち消しができない結果が生まれるのじゃないか。その結果として適地適作というようなことがいいのか悪いのか、これは相当議論の余地があるわけでありますが、とにかく今の農林省としてはそういうことをお考えになっておる。そのことを推進して参りますからには、こういうような地方の試験研究費というものがさらに一そう拡充せられて、実績を示して奨励をしていくというようなことでなきゃならぬと思うのでありますが、そのことがこの予算の組み方の変更によって後退をするという危険が多分に私は予測せられるのであります。そこで説明としては一応わかりますが、事実費補助ということにまとめられたという結果は、人件費の関係に何らの支障を及ぼさないということについて、農林省の通牒というものは地方自治庁なりあるいは大蔵省なり、政府全体のものとして地方庁に受け取られるというような確固たる内容のものであるかどうかということについて、もう一ぺんお伺いいたします。
#39
○政府委員(大坪藤市君) これはもうすでに先生御承知の通りに、国でやるべき試験と申しましても、必ずしも試験の性質上国自身の機関で、地域の関係でありますとか、気象条件とか、いろいろな関係がありまして、国の機関で直接実行のできないような試験が相当あるのでありまして、そういう試験を都道府県の試験場に委託をいたしまして試験をしてもらうと、こういう性質のものであります。従いまして試験の性質によりまして、全額あるいは半額というようなものを特に予算として計上いたしまして、委託試験の形をとって府県に試験をやってもらっておるのであります。従いまして、こちらの考えておりますような方法によりまして試験をしてもらって結果を出してもらうということが絶体的な要件であると思うのでありまして、その意味合いにおきまして、どういうような人をつけて、どういうような事業をやってもらいたいということを条件をつけることができると思うのでありまして、そういう意味合いにおきまして、大部分の試験は従来から継続的にやっておりまするから、従って、各県の実情もこちらの方といたしましてはよくわかっておるのでありまするから、そういう意味合いにおきまして、従来通りの条件と申しまするか、内訳をこまかく規定いたしまして、こういうような条件で一つ試験をやってもらいたい、もしこれに異議がある場合においてはそれを申し述べてもらいたい、こういうきつい通達をいたしまして、従来から試験研究に従事しておりました職員がたまたま予算の技術的な組みかえのために職を解かれるようなことが絶体にないような措置をとって参りたい、かように考えておるわけであります。
#40
○森八三一君 そうしますと、もう一ぺん結論だけを再確認しておきたいと思いますが、三十年度、三十一年度と地方試験場に対する補助金の組み方が変ったということによって、三十年度までの実体変更を生ぜしめないということを政府の責任で措置するというように理解していいかどうか。ただ農林省だけの見解であって、大蔵省なりあるいは地方自治庁の方では、事業費になったのだから、地方庁における条例で定めておる定員を減らして措置をするというようなことも考えると思うのです。そういうことは絶体に起きないのだ、それは政府の方針だというふうに受け取っていいかどうか、結論だけを承わっておきます。
#41
○政府委員(大坪藤市君) 内容におきましては、三十年度と全然変らないと考えております。その点の予算の使用の方法につきましては、大蔵当局とも相談いたしまして、使い方につきましては農林省にまかせる、こういうことになっておるわけであります。
#42
○小林孝平君 今の改良局長の御説明ではっきりいたしましたけれども、念のため今後のこともありますからお尋ねいたしますが、こういうふうに昨年度と予算の組み方を変えた理由でございますね、こういうふうにした方が地方では使いやすいだろう、地方の実情に応じて予算を使いやすいようにするためにこうしたと、こういう御説明でございますが、それはどういう意味なんですか。
#43
○政府委員(大坪藤市君) これは結局、従来は人件費というもののうちの一部分を事業費の中の費目に繰りかえまして、その事業費の中で人件費にも使える、事業費にも使えると、こういうふうな区分にいたしたのでありますが、それは各試験場の実態をよく調査して参りますというと、試験場の中には、場合によってはそういうふうなどちらにも使えるようにしておいてもらった方がいいというふうに実際上考えられるような試験場もあったのであります。そういう意味合いにおきまして、われわれといたしましては、一部分のものをこの際事業費の中に組み入れまして、どちらにでも使える、従って試験場の実態が従来の通りの方がよろしいということになりますれば、従来通りの使い方をする、どちらでもよろしいと、こういうふうになっておるのでありまして、特別深い意味があるとか何とかということでなしに、その方がよくはなかろうか、どちらでも使えるわけでありますから、その方がよくはなかろうかと、こういうことだけであります。
#44
○小林孝平君 そうしますと、今回もそういうふうに従来通り指示をしましても、試験場によっては、人件費を事業費にしてくれというような希望があったら、それに応ずるのですか。
#45
○政府委員(大坪藤市君) それは、こちらから委託をいたしておりまする試験の内容なり性格なりの問題だと思うのでありまして、一々全体的にそういうことは申し上げられないと思いまするが、具体的の場合にそれは問題になるかと思っております。しかし、これは府県との十分な相談ということに相なって参ると思います。
#46
○小林孝平君 さきほど改良局長の御説明では非常にはっきりしたんですけれども、今のお話を聞きますと、またどうも怪しくなってきたんです。こういうような相談してやるというようなことになれば、今のように地方は非常に財政が赤字で困っている。だから、人件費などやめてもらって事業費に使う方が県としても都合がいいという所は出てくると思うのです。そういう場合に、今の局長の御説明では、そういうことも話し合いで応ずる、こういうような御説明でありまして、結局どうも先ほど森委員の御答弁には非常にはっきりしておりましたけれども、またどうもあいまいですが、どうですか。
#47
○政府委員(大坪藤市君) それはあいまいなつもりではないのでありまして、地方の試験研究機関の方から逆にそういうふうな申し入れがあった場合におきましては、こちらの方もそれは研究する価値がある、こう思うのでありまするが、私の方といたしましては、こちらからは従来通り詳細な内訳をつけて参りまして、そうしてこういうふうにやってもらいたい、こういうふうな通達をするつもりでおります。それに対しまして、このうちの一部分はこういうふうにやった方がよかろうというような話がありました場合には、これはまたそれはそのときのことで、いろいろ向うの要望にも応ずると申しまするか、研究してもいい問題だと思いまするが、こちらから一応内訳をつけまして、そういうことのないように措置をして参りたい、かように考えておる次第であります。
#48
○小林孝平君 今のような局長の御説ですと、多くの地方庁は、知事などはもう赤字で弱っているんですからね、あなたのような非常な寛大な態度をとられれば、一つみんな人件費から事業費に回してくれというようなことで申し出て来るだろうと思うのです。どうも今の程度では安心がならんのじゃないですか。そういう考え方でだいたいこの三十一年度の予算は組まれているのです。それでは困るというので今森君が質問されて、最初の御答弁だけなら非常にはっきりしておったけれども、また今の御答弁で元に戻って、要するに融通無碍で、地方の要求に応じて、一応は補助条件としてこういう内訳を書いてやるけれども、要求があればそれも変更するということになれば、この身分というものは非常に不安定なものだと思うのですね。それが今度こちらから補助条件をつけてやられるものが相当強いものであって変更しないというようなものであれば、身分が定安するけれども、そうでなくて、ただいまの御答弁のようでは、不安が少しも解消しないと思うのです。
#49
○政府委員(大坪藤市君) さきほども申し上げましたように、私どもといたしましては、従来の方針、試験の内容に従いましてその通りのきつい条件をつけて参りたいと思いまするので、具体的にそういうふうな問題が出てくるということは実はなかろうかと思うのであります。試験の内容をこういう試験をこういうふうにやってもらいたいという試験を委託するわけでございますから、そういうふうな事態は実はなかろうかと思うのでありまして、こちらから内訳をつけて、こういうふうな趣旨であるという説明をしてやれば問題はなかろうかと、かように考えるのであります。
#50
○森八三一君 小林君の質問で何かまた逆戻りしたような感じがしますので、もう一ぺん確認をしておきたいと思うのです。それは、農林行政を進めつつ農林関係の生産を上げていくというための試験研究が行われるわけでありますので、地方庁の財政の都合によってその目的がゆがめられていくというような要求には断じて応じないのだ、あくまで国の方で考えておることが地方庁にもそのままに受け入れられていくという措置をする、そのことは三十年度の関係を踏襲するのだから人の身分の上に変更は絶対に起きないのだ、こういうように私は理解するのですが、それでいいのじゃないですか。
#51
○政府委員(大坪藤市君) ただいまお話にありました通り、これは国から試験を委託するわけでありまするから、府県の財政上の都合でどうこうされるというようなことは絶対にわれわれといたしましては考えておりません。従いまして、今小林委員に申し上げましたのは、試験研究機関みずからそういう意見を持っておった場合には、またこちらから考えるべきであろうと思いますが、府県の財政上の都合とか何とか、そういうような考え方は毛頭これは持っておりませんので、その点は一つ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。先ほど申し述べました通り、これはいやしくも委託の関係で、これは事業費に一応形式上切りかえました関係で、そのことによって府県の職員があるいは職を失うというようなことは絶対にいたさせないようにいたしたいと、かように考えております。
#52
○三浦辰雄君 私ちょっと今抜けていて大へん恐縮なんですけれども、前回私お聞きした問題なものですから一言お聞きしたい。
 今局長が大へん決意を示して、そういった不安動揺というようなことがなく、しかも結果は前年通りああいった組み方をしないような状態も同時に確保すると、こう言っておる。まことにけっこうな考え方だけれども、実際問題として地方庁へあれを流すときに、あなたの方でそういうことを言ったからといったって、必ずしも地方へ行った場合に農業関係がそれだけに強い発言というものを持っているか。ましてや近ごろは大へん必要な試験研究のことであっても、目に見えないような仕事については、うっかりするというと二の次にされるということも心配なわけなんです。でありますから、それだけの御決意を持っておるなら、それを書類等で厳重にそういうことのないようなことに地方庁に通達をされるということはお考えになっているのですかどうですか。
#53
○政府委員(大坪藤市君) ただいま御意見の通り、厳重に通達をいたすつもりであります。
#54
○三浦辰雄君 そうすればひとまず安心のような感じがしますけれども、その通達を地方に出し次第、一つぜひ次のこの委員会に御提示を願いたいということと、あわせて来年あたりまたもこれが土台になってだんだんくずれていくといったようなことはいかにも残念に思うものですから、それについてもさらに万全を期していただきたいということをお願いしておきます。
#55
○理事(戸叶武君) それでは農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について、なお御質疑の向きは続いて御質疑を願います――。この法律案の予備審査はこの程度にとどめ、後日本付託になった後において残余の質疑を行い、その結果によって本法律案の取扱い方についてお打ち合せいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#56
○理事(戸叶武君) それではビキニ慰謝料免税の件を議題にいたします。
 この件につきましては、過般当委員会の問題になり、その際塩見水産庁長官から当委員会の要望の通り善処する旨の答弁を得て、その結果を期待しておったのですが、本日この問題について、その後の経過及び結果に関して塩見水産庁長官及び大蔵省当局から報告を受けることにいたしたいと存じます。
 なお要求があれば速記をはずして懇談にいたしたいと存じますが。――速記をつけていただくことにします。
#57
○政府委員(塩見友之助君) 漁業者からの非常に強い要望もありましたし、また当委員会においても非常に強く御要望をされた件でございまするので、この問題についてはわれわれの方も主税局、国税庁の方とも十分打ち合せまして、国税庁の方から最近通牒を出しまして、それで本件に関する限りにおいては実際かからないようにするという措置をとってもらうようになりました。もしそれで末端その他においてとるような事態がありますれば、これは私水産庁の方で直接的な仕事ではございませんが、お知らせを下さいますれば、私の方からまた主税局なり国税庁の方にもちろん交渉はいたして、話の食い違ったようなことがあればそれは直してもらうようなつもりでおりまするが、万にもそういうことはないというふうに国税庁の長官も申されておりますので、大体国税庁の処置によって円満に解決がつくと、こういうふうに見ております。
#58
○千田正君 長官にお伺いするのですが、昨日の本会議に私は質問したのですが、実際は、一番末端の税官吏はやはり従来の法律をたてにとりまして、徴税する傾向があるんです。非常にそういう点についてあわてているわけなんです、実際この見舞金を配付された人たちが。これははっきり国会の本会なり、委員会なりにおいて答弁してもらわんというと、末端の税官吏は徴収に出てくるというので非常にあわてているんですが、今の長官のお話によるというと、もしもそういうことがあったとするならば、水産庁で申し入れて、国税庁と十分に話し合ってそういうことのないようにする、こういうお話でありますから、非常にけっこうでありますが、ただ一点私が聞きたいのは、こういう問題は、できるだけ早くこの種の問題は片づけてもらいたい。国税庁が来たら私質問するんですけれども、二月の十六日の閣議でこれを大体決定して、そうして通達をやったのが二月二十三日、ようやく最近に至って末端に行っている。しかもいわゆる徴税の対象になるおそれのあるのが、まぐろを廃棄したところの被災漁業経営者並びに魚類販売業者のいわゆる流通業者であって、この人たちは三月の青色申告その他に対して、政府の指導によってある程度手加減をしなければ当然法律上かかってくる、こういう問題が実際惹起しているのです。この点をはっきりしてもらわんというと、末端の税官吏は法律の建前で徴収してくるが、これに対抗する何もないのであわてているというのが実は現状なのであります。今後おそらく今度行われるであろうというアメリカ側の通告におけるエニウエトクやあるいはビキニ周辺において再び今度はやられる、こういうことについても本日の午前中外務委員会と当委員会との間の連合審査によって参考人を呼んで、国際法の立場から、あるいは医学的な立場からいろいろ討議したのでありますが、おそらく水産庁としましては、アメリカの今度の通告に対しては絶対反対だろうと私はそう思っております。しかし現政府は現業官庁が反対してもおそらくこれは受諾の方向にいくのじゃないか、もしそういうことがあった場合には、私は今度も絶対に損害はないと言えないと思うのであります。というのは新聞紙上に発表しているところによると、大体中央気象台などの発表によるというと、あの五月から六月にかけての実験時における気流の関係は日本側に向って入ってくる、吹いてくる貿易風あるいは台風等、それに便乗していろいろな害のあるところの放射能を含んだものが成層圏内から、あるいはその下からいろいろ空気の気流の関係上流れてくる、あるいは黒潮の関係から潮流がやはり放射能を含んでやってくる。直接の被害はなくても、やはり間接の被害が当然起ってくるものとわれわれは推定されるのであります。そういう場合においてこれはまたアメリカ側との間に折衝が行われるでありましょうが、非常に心配しておるわけでありまして、今度の問題がかりにそういう間接的と称せられる被害があった場合においては、やはり現業官庁としては国内補償をするか、あるいはやはり外務省と協力の上に当該相手国であるところのアメリカに対して、間接被害と認められるこういう問題に対しては強力に賠償あるいは損失補償に対して要請するか、このお考えはいかがでございましょうか。
#59
○理事(戸叶武君) ただいま大蔵省の白石税制一課長が出席されましたから、その旨お含みおき下さい。
#60
○政府委員(塩見友之助君) 二月の月末から三月にかけて、非常に業者の方々が心配されたというふうな点につきましては、今お尋ねの点、三十年度の計算の中に入れるということと二十九年度の計算に入れるということがはっきりしなかった点等があったと思います。いろいろの御希望もございまして、これは二十九年度ということにしまして、事実上は課税をするような形にはならないというふうな形でございまするので、三十年度の分としてとにかく御心配になるようなことは今後なくしていいということははっきりここで申し上げておきますし、もしそういう御質問等がありましたら、はっきりお答え願っていいと思います。
 それから今度アメリカがやろうとしておりまするところの原水爆実験についてでございまするが、これは水産庁としましては当初から、現在でもそういう実験には反対であるというふうな態度は変更しておりません。これは漁業者のためには非常にやはり不安な、プラスは何にもない問題でございまするし、漁業者の方も非常に不安感を持っておるわけですから、そういう態度で続けております。しかしながら現実にこちらが反対しておっても向うが一方的に実験をやるというふうなことになりますれば、それはほったらかしにはできないわけですから、それによって被害が生じますれば、これは当然補償を要求すべきものだ、こう考えております。前の例もございまするし、われわれの方としては極力漁業者の不満のないような態度で折衝をして参りたいと、こう考えております。
#61
○千田正君 大蔵省の白石課長さんにお伺いしたいのですが、この問題は先般の予算委員会におきまして大蔵省にただしましたところが、大蔵大臣並びに主税局長は、この先般行われたビキニの見舞金に対しては課税しないということにした、また昨日の本会議にもそういうお答えがあったので、まことに良識的にそうであるとわれわれは安心したのでありますけれども、実際は末端においてあなた方の方のいわゆる税官吏の方々はそうはとらないのじゃないかという不安が一まつあるわけであります。このあなた方の方から出されました長官の通達をみるというと、昭和三十一年二月十六日に一応取らないということを決定して、そうして実際は二月二十二日に投函しておる。現実において末端の税務官吏まで行ったのはおそらく二月二十五日かあるいは二十七日だろうと思うのであります。あまりに手続が少しおそ過ぎるのじゃないか。しかも現実においては被害を受けたのは一昨年であって、そうしてあなた方の善処しようとすることは二十九年度のいわゆる青色申告の中に是正して何とか考えるということであって、そうだとすれば、こういう手は早く打たなければならないのじゃないか。にもかかわらず一方においては三十年度に対する申告がこの三月三十一日までにやらなければならない、かかるきわどいときに追い込んできてから通達を出されるということは、僕はどうも徴税技術として非常にまずいのじゃないか、そうしてまたこういう重大な問題はもう少し早く決定して、業者をして安心させる方向をとるのがむしろ行政的な立場からいって当然ではないかと思うのですが、この点について特にどうしておくれたのか、それから実際において末端の税官吏の諸君があなた方の指導方針を十分に了解して、そうして業者に対してはそのような指示によってやっていくのかどうか、今なお不安でいろいろ陳情を受けておりますので、この際はっきりこの点をお答え願いたいと思います。
#62
○説明員(白石正雄君) ビキニの補償に対しまする課税関係の通達が非常におくれているのじゃないかというお叱りを受けたわけで、これはまことに仰せの通りでございまして、これらの通達はもっとすみやかにやるべきでありまして、時期がおくれたということはまことに怠慢のそしりを免れないと思っているわけでございますが、私は主税局におりまして、実は国税庁の方の当面の責任者でございませんけれども、今後ともこのようなことはすみやかに措置するように国税庁の方にもよく伝えまして、自後事務の促進をはかるようにいたしたいと思っております。
 それから末端におきまして、この通達通りに動いて、過酷なことのないような取扱いが果してできるかどうかというお尋ねでございますが、これにつきましては、私どもその取扱いにつきましてさらに慎重を期したいと考えているわけでございまして、この通達のあとにさらに重ねて適正な取扱いをするようにということをまた念のための通達も別個に出しておりまして、重々遺憾のないように努めたいというように考えている次第でございます。
#63
○理事(戸叶武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#64
○理事(戸叶武君) 速記を始めて下さい。
#65
○千田正君 白石課長さんに重ねて要望しますけれども、きょうも午前中に農林、外務の合同委員会で、非常に今度アメリカが通達されました第二回目の太平洋区域において行うところの原子兵器の実験に対して被害はないだろうということをアメリカが言っておりますけれども、実際においては間接的には当然あるものとわれわれは推定されます。というのは潮流の関係あるいは気流の関係で、当然いろいろな問題が起きてくると思いますが、そういう点に対してまた再びこういう要求を相手国にしなければならないと思うのですが、そういう場合にかりにこういう問題が結末がついたとするならば、今度のように一年くらい放っておかないで、はっきりこれは早くこう問題に対する大蔵省の立場を明らかにしていただきたい、この点だけは特に要請しておきます。
#66
○説明員(白石正雄君) 今回のビキニの補償の通達がおくれましたのは、初めての例でございましたので、いろいろ慎重を期したいというわけで検討を重ねておりましたためにおくれたというような事情もございまするので、今回この通達で一応前例ができたわけでございますので、類似いたしました事例につきましては、すみやかに処置いたしますように努めたいと、かように考えております。
#67
○理事(戸叶武君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
  ―――――――――――――
#68
○理事(戸叶武君) 速記をつけて。
 漁港法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
 この法律案につきましては、前回の委員会において提案理由の説明を聞いたのでありますが、本日はこの法律案審査の前提となる漁港の整備状況その他の参考事項、並びに本法律案の内容等について政府委員の補足説明を聞くことにいたします。
#69
○政府委員(塩見友之助君) 資料等につきましては、お手元にお配りしてありまする部分については御質問に応じてお答えすることにいたしまして、漁港法の一部を改正する法律案につきまして、一応逐条の御説明を申し上げます。
 まず目次の改正でありますが、第四章の末尾におきまして、第二十四条の五として一条を追加いたしましたので、昭和二十六年の改正におきまして、目次の改正をしておりませんこととあわせまして「第二十四条」とありますのを「第二十四条の五」に改めたのであります。
 第三条におきましては、第二号の機能施設のうち「へ漁獲物の処理、保蔵及び加工施設」の一として「野積場」を加えました。漁港におきまして野積場の例は多く、これを漁港施設として漁港の整備及び管理の対象として明確にしておくことが必要でありますので、これを新しく加えたわけであります。
 第五条第二項に後段として加えました規定の趣旨は、従来漁港の指定の内容であります漁港の名称、種類及び区域の変更については、これはすべて漁港審議会の議を経ることになっているのでありますが、漁港の名称の変更とか、区域のわずかばかりの変更で漁港の機能上さしたる変化もないというようなものにつきましては、審議会の手続を省略することによって、行政事務を簡素化いたしたいと考えておりまするので、その軽微な変更の基準につきましては、あらかじめ漁港審議会にお諮りして定めておくことといたしまして、こういう改正をいたしたい、こう考えるわけであります。
 第十七条は、漁港整備計画に関する規定でありますが、今回本条の第三項を一項繰り下げまして、第三項を新しく挿入いたしまして、漁港の整備計画の変更の手続は、整備計画の制定の手続に準ずる旨を規定いたしました。これは、従来整備計画の変更の手続については明文を欠いているため、それを補ったものであります。
 次に、第二十二条第一項にただし書を加えましたのは、漁港修築計画の変更は、すべて農林大臣の許可事項となっておりますが、その軽微な変更で農林省令で定めた基準に適合するものにつきましては、その許可を要しないことといたしまして、これにかえ、そのような軽微な変更をしたときは、農林大臣に届出すべきことを第三項に規定いたしまして、許可を待つことなく工事に着手できるような措置を講じ、もって工事の円滑な実施を期することといたしたのであります。この改正と関連いたしまして、第二十二条第二項ただし書、第二十四条の四の第一号及び第四十六条の第二号の関係条文を整理いたしております。
 次に新しく設けました第二十四条の五の規定でありますが、これは、国の直轄漁港修築事業によって生じた漁港施設等に関するものであります。国は、昭和二十七年以降北海道の第三種及び第四種漁港につきまして漁港修築事業を行なっておりまして、これにより漁港施設として完成したものも若干生じてきておりまするので、その管理について適当な規定を設ける必要が生じてきております。すなわち、第一項におきましては、直轄漁港修築事業によって生じた土地または工作物は、当然そのほとんどが漁港施設であります関係上、これらはすべて農林大臣において、管理し、処分するということにいたしました。次に第二項におきまして、国有の漁港施設につきましては、その管理を漁港管理者に委託することが漁港の運営上も望ましいことでありますので、国有財産法上の特例といたしまして、漁港管理者にその管理を委託することができる旨を規定いたしたのであります。なおその委託の監督に関する手続等につきましては、政令で定めることといたしております。第三項におきましては、農林大臣が直轄漁港修築事業によって生じた土地または工作物を漁港管理者に譲渡する場合におきましては、その対価は時価を基礎とはいたしますが、漁港管理者が本法第二十条第一項の規定によりまして、その直轄漁港修築事業の費用の一部を負担いたしました場合には、その負担額相当分までを時価から減額することは、衡平の観点から当然でありますので、その旨規定したのであります。
 次に第二十五条の改正でありまするが、これは漁港管理者となることができるものは、漁港の所在地の地方公共団体、すなわち都道府県または市町村のみとするというものであります。元来漁港の管理を行います場合には、漁港管理規程を定め、漁港の利用者等にこれを遵守せしめる必要があるのでありますが、その関係は、当然公法上の関係でありますので、その管理規程を遵守させるという公権行使の主体である漁港管理者を、公法人のみといたしますことが適当であるからであります。なお本条の改正規定は、附則で、昭和三十二年一月一日から施行することになっておりまするので、それまでの間に従来漁港管理者が水産業協同組合であります漁港についての、改正の趣旨に沿って切りかえを行う所存であります。
 第二十六条の改正は、従来漁港管理者が漁港管理計画及び漁港管理規程を定めることとなっておりましたが、これを統合して漁港管理規程一本とし、簡素化することとしたのであります。
 次に第二十七条の改正について申し上げます。現行法におきましては、第一種漁港、水産業協同組合が漁港管理者たる漁港及び農林大臣が漁港審議会の議を経て指定した漁港以外の漁港については、漁港管理会を設置しなければならないこととなっているのでありますが、漁港の実情からみまして、これを緩和いたしまして、その利用の範囲が広範にわたる第三種漁港についてのみ設置の義務があるものとし、その他の漁港については、その設置は任意といたしたのであります。
 次に第二十八条の改正でありまするが、第二項は、第二十五条の改正により漁港管理者から水産業協同組合を除くことに伴う条文の整理であります。第五項を削除いたしましたのは、この規定は、漁港の所在地が二以上の市町村または二以上の都道府県にわたる場合におきまして、漁港管理会の委員の選任をいたしますとき、各市町村等からそれぞれ同数の委員を任命することといたしておりますが、この同数といいますることは、市町村の依存度に差があるのが通常である漁港の実態からみまして適当ではありませんので、むしろ現行の第六項の規定によりまして、実情に即して委員の定数を変更して参ることが適当と存じ、第五項を削除し、以下一項ずつ繰り上げ、条文を整理したのであります。
 第三十四条につきましては、さきに申し述べましたように第二十六条の改正により、漁港管理計画を廃止統合したことに伴う条文の整理のほか、第二項で漁港管理規程で定めるべき事項を規定いたしております。
 次に新たに加えました第三十六条の二の規定は、漁港管理者に対し、漁港管理台帳の調製を義務づけたものであります。すなわち台帳を備えまして、漁港の施設の状況を明確に把握しておくことは、単に漁港管理者にとって必要であるばかりでなく、国にとっても漁港行政の指導監督上ぜひとも必要なことであるからであります。
 第三十七条第一項ただし書及び第三十九条第一項ただし書の改正は、漁港管理計画の廃止統合に伴う条文の整理であります。
 次に第三十九条第四項ただし書の改正は、従来漁港の区域内において、都道府県知事が公有水面埋立法第二条の埋立の免許をしようとするときは、農林大臣の認可を受けなければならないことにつきまして、第一種漁港の区域内の埋め立てで漁港の利用を著しく阻害しないものについては、これを要しないことといたしておるのでありますが、漁港の実情から見まして、第二種漁港についても農林大臣の認可を要しないことといたしまして、事務の簡素化をはかったのであります。
 第四十六条は、前述いたしましたように、第二十二条の改正に伴う条文の整理であります。
 最後に附則第三項の改正でありますが、これは第二十七条の改正によりまして、漁港管理会の設置義務を第三種漁港にのみ限りましたことに伴う条文の整理であります。
 以上をもちまして、簡単ではありますが、漁港法の一部を改正する法律案の逐条説明を終ります。
#70
○理事(戸叶武君) 以上説明を聞いたのでありますが、これから質疑に入ることにいたします。御質疑の向きは順次御質疑を願います。
#71
○千田正君 この「漁港修築計画の軽徴な」というところですが、第三種漁港、第三種の船だまりとか、その他の小さい漁港の問題ですが、これはやはり法律を今度改正されたが、その軽徴の限度はどういうことかということは明記されておるのですか、省令か何かに。いわゆる軽微の判定の資料がはっきりしておりますか。
#72
○政府委員(塩見友之助君) 第二十二条第一項の部分についての御質問と思いますが、その部分の省令としましては、農林省令で定める基準としましては、漁港修築計画に基く漁港修築事業の事業費の総額が増加せず、かつ工種別の工事の施行の位置、区域、標準構造等に変更がないものであって、工種別の工事費又は数量の増減がそれぞれ予定工事費又は予定数量に対し二割(工事費にあってはその二割に相当する額が百万円をこえるときは百万円)以下であるもの等とする予定でございます。
#73
○千田正君 もう一ぺん。その管理者ですね、管理者は今まで漁業協同組合等において管理していた場合もあるのですが、今度はまあ地方自治体の長に委譲するようなことになるのでしょうが、この管理費用等に対して地方財政の、今まあ赤字ばかり出ている状況なんですが、こういう面も十分にお考えになっておられると思うのですが、この点の摩擦はございませんですか。
#74
○政府委員(塩見友之助君) 御質問のような点等も考えまして、民間の意見も十分聞きまして、漁港管理会というものを無理に作らなくてもいいという形にしたわけでございまするが、もう少し積極的にやはり事実上管理に相当な経費が要るから、政府で何とか見られないかというふうな御質問かと思いまするが、できるだけ財政当局とも交渉しまして、そういう方向に持っていきたいとは考えております、水産庁といたしましては。
#75
○千田正君 私必ずこれはあとから問題が起きてくると思いますね。せっかくまあ法律ができて、そうして自治体が管理するようになったのだが、管理費がかさんでどうにもならない、これは政府で補助か助成してくれないかと、こういう問題が私起きてくるおそれがあると思うのです。そういうときには、やはり将来起きてくるおそれがあるのですが、何か水産庁としてはそういう場合のことも考えておられるかどうか。
#76
○政府委員(塩見友之助君) そういう点について、新たに漁港の方もいろいろその台帳その他整備してもらいまして、それで地方税――地方交付税の方でございますね、あちらの方で見てもらうように処置は一応いたしてあるわけでございますが、その運用を見ました上で国費の負担について必要が生じますれば、先ほどお答えいたしましたように、財政当局の方とも交渉してみたいと、こう考えております。
#77
○青山正一君 従来国庫補助を出す場合において、管理者が漁業協同組合の場合に、その地元負担が組合自体にかかってくるというような例があったのですか、どうですか。それで管理者を公共法人にまかせたというようなことになるわけですか、どういう意味合いですか。
#78
○政府委員(塩見友之助君) 内容としましては、民主的にできるだけやった方がいいというふうな意味で、漁業協同組合等にやってもらったわけです。で、管理の方までそちらでやってもらうということに立法当初のあれはなっておったわけですけれども、その後の状態は、やはりそういう漁業者の方の要望は必ずしも管理者にならなくても満たし得るというふうなことがここ数年の経過ではっきりいたしましたので、それでやはり先ほど逐条説明でも申し上げましたように、まあできるだけこれは公的な関係を含んだものでございまするから、そういうふうな漁業者の方の要望は十分満たし得るという見通しのもとに、管理の方は公共団体にやってもらう、ただし修築の方はなおやはり問題が残っておるように考えられまするので、水産業協同組合等でもやられると、こういう形を残しておるのでございます。
#79
○千田正君 もう一点、最後に一点だけ。とにかく港湾関係の問題、いわゆる運輸省関係の港湾と、それから農林省関係の、今の水産庁関係の漁港とが同じ地域内において相接触してあった場合に、ただいまの法律の改正によるというと、埋め立てその他に対してのこの権利は、一応まあ農林省の方で農林大臣の許可に待つことになるわけでしょうが、埋め立てることによって商港として利用したいというような問題がおそらく出てくるだろうと思います。そういうような場合には、これは農林大臣とあるいは運輸大臣との間に譲り渡しとか、そういうことがあるということも考えられるのですが、そういう問題は起きるという杞憂はございませんか。
#80
○説明員(林真治君) ただいまの問題、具体的になりますので、私からお答えをいたしたいと思います。
 問題はおそらく結論といたしましては、指定外ということにさかのぼるのではないかと思いますが、いわゆる俗に二重指定ということで、港湾法、漁港法、この両方が適用されている区域については、そういう問題についていろいろ協議をすることになると思うのでありますが、だんだん埋め立てでもやりまして、商港あるいは工業的な要素が濃くなって、そういうふうにやっていきたいということになりますれば、地方の地元のあるいは県の御要望を十分しんしゃくいたしまして、いわゆる漁港指定の問題をどうするか、ということに結局はなってくるのではなかろうかというふうに考えるのであります。先ほど申し上げましたように、二重指定の所につきましては、協議の上で、まあ一応漁港法優先ということで申し合せをいたしておりまするので、その線に沿いまして処理をいたしていく、こういうことになると思います。
#81
○理事(戸叶武君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#82
○理事(戸叶武君) 速記を始めて下さい。
 この法律案は次回の委員会において残余の質問を行い、ただちに討論採決を行って差しつかえありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○理事(戸叶武君) なお討論及び討論の際、法律案の修正、あるいは付帯決議等の予定があります方は、準備の都合がありますから、その旨を調査室の方に御連絡願います。
 それでは本日はこれをもって散会いたします。
   午後五時十一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト