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1955/04/06 第24回国会 参議院 参議院会議録情報 第024回国会 農林水産委員会 第26号
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1955/04/06 第24回国会 参議院

参議院会議録情報 第024回国会 農林水産委員会 第26号

#1
第024回国会 農林水産委員会 第26号
昭和三十一年四月六日(金曜日)
   午前十一時三十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月三十日委員三橋八次郎君辞任につ
き、その補欠として江田三郎君を議長
において指名した。
三月三十一日委員小林孝平君辞任につ
き、その補欠として三橋八次郎君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           青山 正一君
           重政 庸徳君
           戸叶  武君
   委員
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           小西 英雄君
           佐藤清一郎君
           関根 久藏君
           宮本 邦彦君
           江田 三郎君
           河合 義一君
           奥 むめお君
           溝口 三郎君
  政府委員
   農林省農林経済
   局長      安田善一郎君
   農林省農業改良
   局長      大坪 藤市君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   農林省農業改良
   局総務課長   庄野五一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○中央卸売市場法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○農業改良資金助成法案(内閣提出、
 衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○理事(戸叶武君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 まず、委員の変更について御報告いたします。小林孝平君にかわって三橋八次郎君。
#3
○理事(戸叶武君) まず、北洋漁業の件を議題にいたします。
 本件につきましては、過般関係団体から陳情をお聞き取り願ったのでありますが、本件について参考人の意見を聞くことにしたらどうかというお申し出の向きがありますが、そのように参考人の意見を聞くことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(戸叶武君) 御異議ないと認め、そのように取り進めますから、御了承願います。
 なお、参考人の人選及び日時その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○理事(戸叶武君) 別に御異議ないと認め、そのように御了承願います。
  ―――――――――――――
#6
○理事(戸叶武君) 前回に引き続いて中央卸売市場法の一部を改正する法律案(内閣提出)参議院先議を議題にいたします。
 本法律案につきましては、すでに大分審議が進んでおるようでありますが、なお御質疑の向きは引き続いて御質疑を願います。
#7
○青山正一君 きょうはほかのお方が質疑がおありならば一つやっていただくことにして、私は一応残余の質疑のときにまた火曜日にでもお伺いすることにして、一応そういうふうなことで議事を進めていただきたいと思います。
#8
○江田三郎君 私はずっとおりませんで、質疑の内容等よくわからないのですが、ただ一つお伺いしたいと思うことは、一体この中央卸売市場というものは今まで常識的には魚、野菜などが取り扱われておるわけですが、肉というものについて中央卸売市場というものはこれは扱ってはならないのか、扱ってもいいのか、あるいはそういうものの扱いについては今後どういう考え方をしておるのか、その点だけちょっとお聞きしたいと思います。
#9
○政府委員(安田善一郎君) お答え申し上げます。
 中央卸売市場法の第一条にございますように、地方公共団体または民法に基きまする公益法人によりましての中央卸売市場は取扱い物品が定めてありまして、肉類というものも中には鳥類としての取扱いができるものとなっておるのでありますが、各市場ごとの実情につきましては、おのおの取扱い物品を指定をいたしておりまして、東京都において一部やることになっておるくらいであります。ところが肉類、いわゆる家畜の肉類につきましては、家畜そのものからまたその処理、加工、販売等につきまして、見方によりまするというと、鮮魚あるいは水産加工品、蔬菜または果実、その加工品というものよりは取引業界と申しますか、関係の社会がいささか取引方法その他においても近代的ではないこともあり、また取引がむずかしい点もかなりあるように思われます。今回農林省といたしましては、家畜商法を中心にいたしました家畜取引法案を国会に御提案申し上げて御審議をお願いしておるほかに、枝肉の取引というものを正常取引とするような考えを持っておる。その際に枝肉の取引として中央卸売市場ができるかどうかということにつきましては、やってよろしい、しかしそれが枝肉取引としてすぐ中央卸売市場法の適用を受けた現在ある中央卸売市場にすぐ行われやすいかといいますと、まだ研究する部分が非常に多いと同時に、産地におきましても消費地におきましても、枝肉取引をする業界ができたり生産者団体ができましたり、これに携わる取引、適当な取引慣行ができまして、法に乗っかるようになるかどうかまだ疑わしいのであります。生きた家畜を消費地に持って参りまして、消費地で屠殺をいたしまして、屠殺した所から枝肉取引をする、こういうことについては考えられないわけでございません。それについて目下畜産局と私どもの方において、その設備、取引方法等は家畜を屠殺した場合の血液などの有効な処理なども含めまして、どういうふうにしたらうまく公正取引ができて、処理ができて、生産者にも従来よりは有利であって、取引法も明朗で消費者のためにもなる、このことを研究して不日成案を得たいと思っておるのであります。御承知の中央卸売市場対策協議会におきましても、さしあたり御承知のような答申をするが、なお加工品でありますとか、肉類等においては引き続きこれを研究すべきで、農林省としましても研究をいたしましょう、こういうことになっておるわけであります。枝肉以外の肉類としての取引は、枝肉というものを中心取引にするのがまず研究課題で、それと彼此勘案して考えることが適当なことではないかと思っておる次第であります。
#10
○江田三郎君 最初の話の中にありましたように、肉というものが蔬菜やそれから魚に比べて特殊な性格を持っており、流通機構が近代化されていないということはおっしゃる通り。近代化されていないからこそこれを急速にほかのものと同じ水準に引き上げていかなければならぬわけで、たとえばデパートに行けば野菜や魚と同じように肉も売っておるわけで、消費者の立場からいくと肉だけが別個な扱いをされるということは、これはちょっと納得ができぬわけです。それが別な扱いをされるというのが今までその取引機構が非常に古い形のもので、古い形のものであるからこそこれを急速に近代化しなければならぬということは、これは私は焦眉の急だと思うのですけれども、今御説明のようにそれぞれ検討をされておるようでありますけれども、その点はっきりこの国会に枝肉の今おっしゃったような取引を扱う法案は出ますか。
#11
○政府委員(安田善一郎君) 率直に申し上げまして、枝肉取引の改善要綱案なるものについて寄り寄り役所の関係局の間では研究をいたしておりますが、そのおおむねの骨子はやはり枝肉市場を設けまして、食肉と肉用の家畜の取引を中央卸売市場におきまする他のたとえば鮮魚類や水産加工品や青果物のような明朗公正な取引、中には原則としてせり売り、入札の方法によることを考え、そでの下の取引とか、また歩戻しが非常にひどくて明確な価格形成をしないとか、その他のことを排除したい気持でおりまして、育成のためには所要の助成措置も要るかと思って研究中でございますが、根本についてなお研究することもありますし、関係業界と十分に御討議を申し上げる機会を得つつあります。試験的に芝浦等で助成措置としてやることなどは研究いたしておりますが、法案としては、中央卸売市場法の枝肉取引を中心にした肉卸売市場の形成にいい手続を加えるかどうか、こういうような点につきましては、まだ明確な関係部分を持っておりません。言いかえますと中央卸売市場の改正法案にそのまま枝肉ないしは肉類というものを入れればそれでいいか、たとえば入れましても、開設者の側、卸、仲買、小売売買の参加人、業務取引の方法、こういうものがうまく動く実態をすぐ育成できるかどうかの点も研究する要がございますので、この国会中には法案そのもの、または法律を適用する基準というものを全国的に示し得る段階には至らないかと思っておりますが、引き続きまして、本年度はぜひこの部分に重点を置いて研究をいたしたいと思っております。
#12
○江田三郎君 そういう今後の推進は農林省の中ではどこが担当するわけですか。
#13
○政府委員(安田善一郎君) 中央卸売市場の現行法、またはこれを改正していただいて、施行する面におきましては私ども経済局の方が主管としてやるのでございますが、特殊の取引形態が実情に即してそれを取り上げて別個の法律を出さねばならんという場合に至りまして、生畜、生きた家畜の屠殺とか、そういうものとの関係、また食用としてのなまの精肉、または加工品の流通増進、こういうような建前からいたしますと、私どもも関係をいたしますが畜産局が主体でございます。結局畜産局と経済局でもちまして、問題はやはり流通、取引の提携的な望ましい方針を打ち出すことでございますので、やはり両者でよく研究し合うのが取引される対象物品の性質からいきましても、取引形態である市場ないしは取引所というような形におきましても適当かと思っておるわけであります。同時に官制も、設置法によりまする分掌規程もそうなっております。
#14
○江田三郎君 そういう畜産局とあなたの方とで協議していくというのは、これは常識的にそうだろうと思いますし、ただ一体いつまでも肉というものだけが、もちろん生産過程においても複雑な生産過程ですけれども、市場としては別個の市場でなければならぬかどうかということについては、私どもはもっと根本的に考えてみなくちゃならぬと思うのです。別個の市場でなければならぬというのは、生産過程よりもその流通過程、生産過程にもそうですけれども、その間に今方を持っているところの古い勢力というものが非常な障害を来たしているのじゃないかと思う。そういう古い勢力というものが清算できたならば、これはやっぱし同じ食糧として中央卸売市場の中に入ったところで一向差しつかえないし、現にデパートで肉も魚や野菜と同じように扱っていることを見れば一向差しつかえないことだと思う。そういう畜産界にあるところの古い勢力というものをどうやって新しいものに置きかえていくかということになると、これはやっぱり今までの因縁があって畜産局だけでは私は相当困難だ。畜産局の事務担当者はいろいろ進歩的な考え方を持っておられても、そこには外部からのいろんな政治的な、あるいはその他の圧迫もあるし、制肘もあるだろうと思うのでして、そういう点についてはやはり大きな消費市場をどうするかという立場から経済局あたりである程度先走った指導をしていかなければ、なかなかこれを軌道に乗せることは困難じゃないかと思うので、その点は経済局長は一つ経済局長としてだけでなしに、前官房長という資格においてもですね。この問題をもう一つ近代的な機構の中に当てはまるように推進力になってもらいたいと思うんです。そうしませぬと、ただ両者が話し合ってという形では、なかなかいつまでたったところでらちがあかぬのじゃないかということを心配するわけです。これはただ消費者の立場から見て重要な問題であるだけでなしに、生産者としても、御承知のようにこれから畜産振興をやっていくのに今までのような古い形の取引、あっせん機関というようなものがあったんでは、畜産というものは大きな発展の阻害をされているわけなんですから、生産者の面からいっても、消費者の面からいっても、何とかこれを近代化するということはゆるがせにできない問題だと思うので、その点は経済局長の方でも十分お考えになっていただきたいということを、きょうは注文をしておきます。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#15
○秋山俊一郎君 私はこの中央卸売市場法の審議はきょう初めてで、あるいはすでに質疑が終った問題になるかもしれませんが、一、二お伺いしておきたいと思います。
 それは中央卸売市場というものの定義がここにありますが、市場というものの定義は一体どういうふうに考えておられるか。
#16
○政府委員(安田善一郎君) 本法に言います市場は第二条に基きまして、主務大臣の認可を受けまして設置しました地域的、物的施設でございまして、その中におきまして取引をする機構、あるいは有機体、そうしてその取引の基準は中央卸売市場が主務大臣の認可を受けまして定めまする業務規定と事業計画につきまして行わしめるものでございまして 食料品を扱いまする関係上、また建物であります関係上、別途に衛生関係法規とか、建築物の取締り法規とか、それらの適用は別途の見地から受けると思います。目的といたしますところ及び要点をさらに他の条件について申しまするというと、一年間のうちに非常に、施設を設けましても業務を行いますることが短期間でなしに、常設的に少くとも相当の日数以上一定時において、設けました場所である一定の場所で行いまして、その中には市場の業務規程に従ってもらう必要がございますし、関係法令の適用を受けていただかなければなりませんが、要するに多数の者が集まって公然としたせり売り、あるいはその他の方法、せり売り方法を原則として、せり売りが適当でない場合には他の適当なる開設者、関係業者の話し合い、協議によりますような定価売り、入札売り、相対取引等をいたしますものと、こういうふうに思っております。
#17
○秋山俊一郎君 大体まあ常識的にそうであろうと思いますが、その業務規程というものがすべてを律するわけになると思うんですが、今お話しのように、必ずしもせり売りによらないということも事情によってはできる、ところで売買をそこでしないで市場を利用するといったような場合はこれは市場行為になりましょうか。と言いますのは、たとえば築地の魚市場に漁船が魚を持って来た、その魚をみずから貨車に積み込んであるいは北陸の方に直送するという場合、こういう場合は一体市場行為ではないと思うのですが、もちろんその市場の施設を利用するから使用料というか利用料というものが取られると思いますが、こういうものもやはり業務規程の中に入れて市場行為として認めていくことになりますか。
#18
○政府委員(安田善一郎君) 御設例の場合におきましても、一定の地域的及び物的施設、これに人的施設も加わりまするが、その場所に搬入して行いまする場合は、その業務規程に従って行なっていただかなければならない中央卸売市場の取引となると思いますが、しかし中央卸売市場及びこれの基本法であります現行法は、取引されまする物品の流通そのもの、取引そのものをより広い地域におきまして、と申しますのは、市場以外の取引におきまして、原則的には制限をいたしておるものではございません。業務規程をもちまして中央卸売市場の運営よろしきを得るためにある範囲の規程を設けておることはございまするが、取引、流通の統制法規ではございませんので、ただいまのような場合は市場に搬入せずに、到着地に一番近いところの中央卸売市場に搬入しませんで素通りして、素通りと申しますのは、市場を経由せずして他の買手に売られて輸送されていく場合もあると思います。それから中央卸売市場に入りましたならば、中央卸売市場の取引になりまして、そこを経由して他の買手または他の地方の市場に行く場合もあると思います。
#19
○秋山俊一郎君 今私のお尋ねしたのはその最後の点でございますが、この市場にはそういう施設のあるところもないところもありましょうけれども、主として生産地市場になりますと輸送機関が、たとえば貨車なら貨車が市場の中に入っております。またそこからももちろん送出するのではなくて荷を受けるために入る設備もありますので、そういうものに市場においての取引はしないでそのまま荷主から直送する、しかしそれは市場の中に入るという場合、そういう場合もやはり市場の行為として律することになりますか、これは業務規程の中にあるいはそういうことが当然入ると思いますけれども。
#20
○政府委員(安田善一郎君) たまたま鉄道線路とかいうようなものが市場に引込線がありまして、市場を通過して他へ出ていく場合は、少くともそこの陸揚げ地に近い中央卸売市場の取引ではないと思います。
 第二としましては、市場の施設の利用を、鉄道線路等ばかりでなしに経由しまして、他の本当の取引場所に着いて行いまする場合も、業務規程の適用を受けますけれども、本来の当該中央卸売市場の行為ではないと思うのであります。しかしその場合は施設の使用料等につき適用を受ける場合があると思います。
 第三の場合は、先ほど申し上げましたように本来の当該中央卸売市場の業務規程の全規程の適用を受けまして、そこで取引を一ぺん済ましまして、買い受けた側が他の地域に搬入、取引をすることもある、こういうふうに思います。
#21
○秋山俊一郎君 それでは次に第二十一条の類似市場の問題ですが、ここに「命令ヲ以テ定ムル基準ヲ超エルモノ」ということでありますが、この基準はどの程度に置いておられるのですか。これはあるいは御質問があったと思いますが。
#22
○政府委員(安田善一郎君) その点につきましては先般御質問もございまして、ただいま私どもの考えを申し述べました。またただいまの申し述べましたる考えを具体化して命令をもって定めます場合は、関係業界、開設者の御意見をよく聞きまして、その結果を待ちまして適当なところにしたい、こういうふうに思っているわけであります。
 ただいまの考えの基準といたしておりますのは二つあると申し上げました。原則としましては、両者を通じまして、先ほど秋山委員の御質問にありましたような地域的、物的施設につきましてお答えを申し上げましたが、そういうものにつきまして用地は三百坪、建物は百坪、売り場面積は八十坪以上のものという一つの基準を持っているのであります。これは現存しておりまする中央卸売市場の最小のものより少し低い基準を出しているのであります。
 もう一つの考え方は、東京とか、鹿児島とか、高知とか、広島なんかにおいておのおのもう少し基準が違ってもいいじゃないか、こういう意見の場合があることを考えまして、ただいまの第一の基準を目安に置きながらも、現在ありまするその土地々々としての中央卸売市場との比率を一定にいたしまして、この一定にする意味はおのずからそこに取引量というのも、生産者の委託量も消費者の消費量もそこに関係が集約されて出てくると思っているわけでありますが、東京では少し大きく、鹿児島の方では今申し上げました基準でもいいんじゃないか、その点引き続いて開こうと思っておりまする中央卸売市場対策協議会でよく御意見を聞いて、さらにその土地心々としての東京なら東京都市場の関係業界、こういうところと打ち合せまして、土地土地に協議が成りましたところを実施に移したいと思っているわけであります。
#23
○秋山俊一郎君 大体わかりましたが、この中央卸売市場というものの、今類似等に加えます基準というものに相当するところの中央卸売市場の基準というものはどういうものですか。これは全然基準なしに東京都のごとき、あるいは六大都市のごとき大きなところ、あるいは高知であるとか、広島であるとか、これに次いでずっと小さいところということによってもちろん基準は違うと思いますが、最低基準はどのくらいに見ておりますか。
#24
○政府委員(安田善一郎君) 全国画一的な基準は明確な数字的な基準においては持っておりません。しかし市場を開設しようといたしまするときは開設者の財政事情もみなくちゃいけませんけれども、第一義的には業務規程、事業計画等に関する書類を見せていただきながら、その施設の計画も本省に出していただきまするので、おのずから大正十二年本法制定以来指定地区もございまして、指定地区としましては、物的施設ある市場へ集荷さるべき生産を一つ考えておると同時に、市場を通じて消費する対象地域も考えておるわけでございますから、そこにおきまする人口、消費者、消費量とにらみ合せまする施設、荷受け、売場面積、こういうようなものの能力が設備にあるかいなか、そういうことを考えてやっておるわけでございます。
#25
○秋山俊一郎君 これは結局この第一条第二項でございますか、「政令ヲ以テ定ムル数以上ノ人口」ということでございますが、この人口がどれだけのものを意味しておるか。私の聞いたところによると十五万とか二十万とか言っておられると思うのですが、その点との関連があると思うのですが、どうなんですか。
#26
○政府委員(安田善一郎君) お話の通りでございます。これもしかし市場対策協議会とか、この本委員会等におきまして御審議をいただきました過程におきまするいろいろの御意見を十分に尊重しまして、具体的に行政的にきめるのがいいと、こういうように思っておりますが、今どういうように考えておるかということを申し上げますと、そういう決定方法をとりまする場合のデータはやはり私どもから一つ出したいと思っておりますが、それは日本の現在の人口の集中度、おのずから消費都市的な性格を持っておる都市といたしましては、生産が蔬菜においては、あるいは果実においてはその付近にそう多くない、それから魚におきましても、漁場には遠くて、陸揚港は近くにある場合がありますが、そこでまず人口集中度合いの密集地域というものをあるがまま調べてみまするというと、人口十五万より多いところと人口十五万に足りないところとでは相当な都市数の、あるいは町村数の差異がございます。あるがままの人口の密集状況から見る人口居住地域で明確な線を引っぱりますと、十五万のところが適当でないかと思いまするが、都市におきまする財政事情等もございましょうし、時期的にすぐ直ちにそうしていいかどうかの点もあわせて考えなければいけませんので、二十万と十五万との範囲内において、どうしてこれの基準をきめるべきかということを先ほど申しました方法で検討の上きめていくのが適当ではないかと思うのです。人口度合いばかりではなしに。従いまして食べものの入荷能力、あるいは過去の実績、近在ものによる消費量、類似市場と普通言っておりますが、自由市場とも言った方が適切だとも思いますが、そういうところで大体どのくらい取引をしておるかを押えまして、中央卸売市場が機能を発揮しまして取り扱いまする量がその地域の流通量、言いかえますれば原則としては消費量でございますが、中継地的な場合は消費量と一致いたしませんが、そういうものが支配的であるようにということを設備と勘案しまして、地域を見たらいいんじゃないか、こういうふうに思っております。
#27
○秋山俊一郎君 もう一、二点。この第一条の取扱いといいますか、取引の対象になる種類が「魚類、肉類、鳥類、卵、蔬菜及果実」とこうなっておりますが、先の方でこのうちの一部を扱わんでもやれるように規定はありますけれども、これがたとえば魚類だけ、蔬菜とか肉類ということは別途にやるので魚類だけ、あるいは蔬菜だけといったような場合でも、中央卸売市場として許可が受けられるのでございますか。
#28
○政府委員(安田善一郎君) 法律的には不可能でありませんし、また福岡にその例を持っておるはずでございますが、今後の運用方針といたしましては、設備の効率的な使用、それから地方財政の窮乏事情、政府の援助措置の限度、こういうものを考えまして、魚と野菜においては入荷する場合、分配する場合、両方考えなければいけませんが、主として違うのは入荷する場合とか冷蔵設備でありますとか、そういうものでありますが、それらを考えながらなるべく両方を設けていただく方が生産者のためでもあり、消費者のためでもあり、価格形成にも適当でありまするし、財政資金需要、設備の効率的使用にはその方が望ましい、こういう態度でいきたいと思っております。
#29
○秋山俊一郎君 望ましいのはそれはわれわれもそうですが、地理的関係等、その他によって必ずしも一緒にできない場合もあると思うのですね。そういう場合に一種類だけのもので中央卸売市場ということになり得るかどうかですね、この法律でいった場合。
#30
○政府委員(安田善一郎君) なり得ると思います。
#31
○秋山俊一郎君 それじゃもう一点最後に。二十四条ですが、これもどなたかお尋ねしたかと思いますが、都道府県知事に委任するということがありますが、これはどういう点を委任されるおつもりですか。
#32
○政府委員(安田善一郎君) これは中央卸売市場に関しまする行政権と申しますか、行政行為は国の事務ということを他の法律でも、たとえば地方自治法におきましてもあわせて明らかにしており、この法律の趣旨もそういうところにありまするが、今回改正事項としておりまする点などを引例申し上げますと、卸売業者の許可は当時は国の事務として、今は都道府県知事と申すべきところを地方長官として本法そのもので委任しておるのであります。しかし現地の実情や市場ごとの内部の状況等も見なければなりませんので、さしあたりましては改正案を御審議御可決をお願いできましたあとでは、事情に応じて考えるべきことでありますが、さしあたっては中央卸売市場の開設者、または卸売人の業務と財産の検査を改正法案第十九条において行いまする場合、第二点としましては、類似市場または当該市場の卸売人からの報告聴取及びこれらのものの業務、財産の検査を改正法案の第二十二条によって行いまする場合について、まずやってみたらどうかと思っておるわけであります。およそ裁量を要しまして、今後法案の運営をいかに秩序立てていくかということは、いきなりまず地方の知事に委任しませんで、筋道が立ち、向うべき方向のおおむね誤まりなきものが出ました際以後は、なお知事に多くを委任することが適当である、こういうふうに思っておる次第でございます。
#33
○秋山俊一郎君 今の御説明によりますと、委任事項というものはきわめて事務的な、事務的といいますか、こまかい点のようでありますが、この中央卸売市場というものがかりに十五万以上の都市にたくさんできてくるといったような場合に、十五万程度あるいは二十万程度の中央卸売市場の許可については、これを知事の権限に委任するといったような考えはないのでございますか。
#34
○政府委員(安田善一郎君) そういうことも確かに委任すべき事項の重要なこととして考えるべきだと思っておりますが、改正法案施行の直後においては様子を見てそのうちに委任すべきことと、こういうふうに思っております。
#35
○秋山俊一郎君 その問題は、私は大きな都市ならば中央でもよくわかりましょうが、小さい都市になりますといろいろな事情はなかなかわかりにくい。そこへもってきて、類似市場というものが今お話のように三百坪とか百坪といったようなことになりますと、だいぶ接近したものができる場合もあると思うのです。そういう場合にやはり土地の事情のよくわかる公共団体の長に権限を持たした方が適正ではないかと私は考えるのですが、これは私の考えであって、今後の運営いかんによってそういうことも今お話に考えられているのでありますが、そういう具体的な問題にぴったり合うような考え方をもって運営していただきたいと思いますので、希望を申し上げておきます。
#36
○政府委員(安田善一郎君) その点は、委任をまずするには秩序を立てて、方針を明確に立てて、農林省でも県でも開設者側でも、おおむね全国的にこの基準でよろしいとなってからこれはなるべくすみやかにやるべきだと思いますが、農林大臣の権限において行いまする場合におきましても、たとえば委任いたしますと、委任を受けた人の方へ全部仕事がいきまして、委任をした方の大臣側は権限が一応空白のゼロみたいになるようなことについて申し上げたのでありまして、農林大臣が最初まず全国の実情がよりよくわかりますように権限を保留しておりまする場合におきましても、当該都道府県については国の事務については、いわば知事は大臣の部下でございまするから、知事に補助をお願いしまして、知事の意見を十分に聞き、また開設者の意見を十分に徴しまして、最後的処理を自分でやるという方法しかいたさないつもりであります。それをやりまして、もうこれは知事だけでよろしいし、本省でも事態がよくわかっておる、一応主要事項は網羅的にわかるということを半年ないし一年でもやりましたならば、そういう時期には知事に委任してしまってもいいと、こういう考えでおります。
#37
○理事(戸叶武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#38
○理事(戸叶武君) 速記をつけて下さい。
 本法律案の今後の取扱い方につきましては、ただいま速記中止中の話し合いにより、今後特別な事情の起らない限り質疑は以上をもって終り、来たる四月十日火曜日の委員会において討論採決を行うことにいたしまして、差しつかえありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○理事(戸叶武君) さように御了承を願います。
 しばらく休憩をして、午後一時半から再開いたします。
   午後零時二十五分休憩
   ――――・――――
   午後二時四十七分開会
#40
○理事(重政庸徳君) それではただいまから委員会を再開いたします。
 農業改良資金助成法案を議題にいたします。
 この法律案は、去る三月三十日衆議院において全会一致をもって修正議決され、当院に送付、当委員会に本付託になりました。なお、衆議院農林水産委員会において、お配りいたしておきましたような付帯決議が行われております。本法律案につきましては、去る二月二十一日提案理由の説明を聞いたのでありますが、本日はまず本法律案の内容、その他配付資料について、参考事項に関する補足説明を聞くことにいたします。
#41
○政府委員(大坪藤市君) 委員長の命令によりまして、農業改良資金助成法案の補足的説明と、なお衆議院におきまして修正に相なりました部分につきましての御説明を申したいと思います。
 御承知のように農業を改良いたしまするために必要なる補助金、特に直接農家に交付せられまするものはいわゆる奨励的な補助金でありまして、新技術の導入に当りまして、そのための資本投下を要しまする場合に一定の危険負担を伴いますので、無償の資金を与えますることによって新しい技術の導入を円滑ならしめるためにとられている措置でございまして、対象となりまする技術が相当の普及段階を示した場合には、これは一般営農資金に切りかえるというような建前をとっておるのでございます。しかしながら現在の補助金の対象となっておりまする事業の中には、ある程度の普及度を示しまして、補助金の対象となっております理由は漸次減少はいたしておりまするが、なお若干の技術上の危険がありまするために、一時にそれをなくしてしまいますと、これはその技術の導入を直ちに停止するというような危険があるのでございまするから、いわゆる補助金と一般営農資金との中間的段階の措置といたしまして、農業者が自主的に農業経営の改善をはかりまするために、能率的な農業技術を導入するに際しまして、都道府県がこれに無利子の資金を貸し付けるという新しい奨励制度を創設いたしまして、従来の補助金制度と並びまして、農業経営の改善と農業の生産力の発展の財政的支柱といたすことが必要であると考えまして、本法律の一つの内容といたしたのでございます。
 もう一つの内容といたしましては、現在組合の系統資金には相当余裕金がございまして、経営改善のため農機具、畜舎等の各種固定施設に対しまして、農家の側にも多大の資金需要があるのでございますが、危険性がありますために、これらに対しまして農業協同組合系統の資金の融通に円滑を欠いているうらみが多々認められるのでございまして、この際農業者が自主的に農業経営の改善をはかりますために、農業改良上必要であり、かつ普及事業の指導の対象といたしますことが適当な固定施設の導入に際しまして、都道府県が系統融資の債務保証を行うという制度を設けることによりまして、協同組合の農業者に対しまする融資を円滑ならしめまして、その余裕金の活用をはかることが適切であると、こういうふうに考える次第であります。
 本法はこういう理由によりまして、無利子の技術導入資金の貸付と農業協同組合からの施設資金の借り入れに対する債券保証を行いまする都道府県に対しまして、政府が必要な助成を行う制度を確立しまして、それによりまして農業経営の安定と農業生産力の増強に資することを目的といたしておるのでございます。
 内容につきましては、以上の趣旨からいたしまして、まずこの法律の対象といたしまする資金を技術導入資金と施設資金に分けまして、それぞれその言葉の内容を定義いたしますと同時に、都道府県が農業者またはこれらの者の組織しておりまする農業者の団体に対しまする技術導入資金を貸付または農業者が農業協同組合から施設資金を政令で定めまする利率、償還期限及び据置期間で借り受けることにより、当該農業協同組合に対しまして負担しまする債務の保証を行いまする場合に、政府が都道府県に対しまして予算の範囲内におきまして必要な資金の一部を助成いたすことを本法のおもなる内容といたしておるのでございます。
 技術導入資金の貸付につきましては、貸付金の一農業者ごとの限度、利率及び償還期間を定め、また保証人、貸付の申請及び貸付を行いまする場合を規定いたしますると同時に、貸付金の目的外の使用等の際におきまする一時償還、災害その他政令で定めるやむを得ない理由によりまする場合の支払いの猶予及び違約金について定めておるのでございます。
 次に、施設資金を借り受けます場合の債務保証についてでありまするが、都道府県は債務保証規程を定めまして農林大臣の承認を受けますこととし、また債務保証の合計額の限度及び一被保証人の債務保証の限度を規定いたしますると同時に、債務保証の申請及び債務保証を行いまする場合を定めておるのでございます。また都道府県がこの事業を行いまする場合には、当該事業の経理は特別会計を設けてこれを運用しなければならないことといたしておりまして、その歳入歳出について規定しますほか、保証債務の弁済金の財源につきましては、これを基金として特別に管理することを定めておるのでございます。
 大体以上が本法の内容としておるところでございまするが、この原案に対しまして、先般衆議院におきまして三点御修正に相なったのでございます。
 その第一点は、利子補給に関することでございます。原案におきましては債務保証の場合に利子補給をいたしますることは、基金の運用益を財源として実際上これを実施する建前をとっておりまして、法律の中にはその条項を欠いておったのでございますが、衆議院におきまして、利子補給のことを明記する必要があるという建前からいたしまして、これを法文化されることに相なりまして、政府は利子補給に必要な財源措置を講じなければならない、こういうようなことに相なりまして、政府といたしましては、その結果原案のように事実やるのではなしに、法律の規定に従いまして、あるいは予算として計上するなり、あるいは実際上の問題といたしまして運用益から上ってくる利益をその財源に充てるなり、いずれかの措置をとることを法律上明記されました関係で、そういうふうな格好に相なっておるのでございます。
 第二点は従来補助制度の対象といたしておりました水稲健苗育成施設並びに耕土培養事業がただいま申し上げましたように改良資金に移行するという原案になっておりましたので、両法律付則から補助の規定を、原案におきましては別をもちまして削除いたしておったのでございますが、この点につきまして、従前通り補助規定を生かすという衆議院の御意思で付則が削除されました関係上、従前の法律が生き返ってきた、こういうような格好になっておるのでございます。
 第三点は、原案におきましては、本法の施行期日を四月一日と定めておりましたが、審議その他の関係からいたしまして、これを本法公布の日より施行するというようなことに、これは形式的の問題でございまするが、改められましたので、本案はそういう改正になった結果で参ってきている、こういうことに相なっておるのでございます。
 簡単でございますが、内容並びに修正点を御説明申し上げました。
#42
○理事(重政庸徳君) 御質疑の向きは順次御質疑をお願いいたします。
#43
○秋山俊一郎君 この技術導入というのは、どういう種類の技術導入になりますか。
#44
○政府委員(大坪藤市君) 技術導入の問題でございまするが、たとえて申しますと、今回切りかえました内容といたしまして、水稲健苗育成関係等に技術があるのでございます。御承知のように健苗を育成するという建前からいたしまして温床紙を使いまして、早目に水稲の苗を育成いたしまして強健な苗を作る、こういうような、これはすでに私が申し上げるまでもないことと思うのであります。また西南暖地におきましては、これもできるだけ早目に水稲を育成する、と申しまするのは、御承知のように西南地方におきましては毎年非常な台風があるのでございます。ちょうど出穂時期から登熟時期におきまして、ほとんで例年のように台風に見舞われ、これを何とかして避ける方法がないかということが従来の農業界におきまして一つの大きな問題でありましたが、御承知のようにそれを避けるためにできるだけ早植えをいたしまするというと、メイ虫の被害が猛威を加える、こういうような事情でありまして、早く植えるということが必ずしも収益を増すということに相ならなかったのでございまするが、御承知のようにメイ虫被害につきましてはホリドールと申しますか、そういう薬剤の進歩が非常に発達して参りましたので、メイ虫等の虫害に対しまする防除の施設は、これは従前に比較いたしまして比較にならないほど容易に相なって参ったのであります。従いまして、早く植えまして台風の被害を避ける、もう台風が吹いて参りますころにはほとんど登熟してしまっておりまするか、あるいは刈り取ってしまっている、こういうような一つの技術と申しまするか、特に西南地方におきましては、御承知のようにちょうど八月、九月ごろは高潮の時期でございまして、海岸地方におきましては台風等を伴って参りまする場合には潮が吹き出すと申しまするか、そういうような事情でほとんど海岸地方におきましては、台風と関連もいたしまするが、収穫皆無に近い状態を来たす、こういうような事情でありますが、それを避けますために早植えをして早く刈り取る、こういうようなことであると思うのでございます。そのほかいわゆる秋落ち水田と申しますか、これに対しましては、土壌そのものを改良する含鉄物を加えまして、いわゆる秋落ちを防ぐ、こういうようなことが大体いわゆる農業技術と申しまするか、農業の生産力の発展と農家の経営安定のために収益を増す、こういうようなことでわれわれといたしましては、従前からこれに対しまして奨励的な措置を加えて参ったわけでございます。
#45
○秋山俊一郎君 技術導入という言葉で表わすのは、どうも私ども納得がいかぬわけなんですが、今の早植の場合には農薬を購入する資金とでもいうのでございますか。
#46
○政府委員(大坪藤市君) 西南暖地等におきまして早植えを奨励をいたしまする場合には、いわゆる早植えに適しました品種の購入のための必要な資金、並びに農薬を購入するための資金、これらのものがいわゆる技術導入資金として本法が成立いたしました場合には無利子をもって貸し付けられる、こういうようなわけでございます。
#47
○秋山俊一郎君 今の早植えの場合、私はどうも農業の方はあまり詳しくないのですが、たとえば高知県のごときはもう早くからそれをやりまして、台風時期にはもう一作とってしまって、次にまたすぐに植え込んでしまう、そうすると台風時期には最初の穂はもうあらたかとってしまっておるし、第二回目の方はまだ穂も出ていないといったようなことで、その害を防げるという趣旨からたしかに二期作までやっておるようですが、そういうところまでお考えなんですか、単に早くといってしまう、そうするとそのあとはどうなるか。
#48
○政府委員(大坪藤市君) 西南暖地等におきまする早植えの問題でございますが、高知県等におきましては、ただいま先生からお話がありましたように二期作をやっておる農業が相当たくさんあるのであります。しかしながら同じ南方と申しますか、西南地方におきましても九州等におきましては、従来ほとんどいわゆる二期作というものはなかったのでございます。なかったおもなる原因は、ただいま申し上げましたようにメイ虫問題が特に九州では非常に大きな問題であったのでございますが、その点はただいま申し上げましたように農薬の進歩というものによってカバーができるというような格好に相なっておりまして、それでできるだけ早くいたしまして台風の被害を避けたい、こういうような考え方でおるのでございますが、そこで問題になりますのは、あるいは八月あるいは九月、その時分にもうすでに刈り取ってしまうわけでございますから、あとはどうするかという問題が大きな問題として残るわけでございます。これらにつきましては、いわゆるあと作の利用と申しますか、まだ麦をまきつけるには相当早い期間に刈り取るということになりますので、それの輪作体系をどうするか、こういうことで数年間西南地方の試験場を主といたしまして、あと作の問題を検討いたしておるのでございます。これにつきましては、いわゆる家畜の導入ということも大きな問題といたしておるのでございまして、あと作のものとして飼料作物を作る、こういうことが非常に格好じゃなかろうかということで、その輪作体系を検討いたしておるのでございまして、これにつきましての指導体制を確立するということがこれのうらはらとして伴ってくる、こういうことに相なっておるわけでございます。
#49
○秋山俊一郎君 そうしますと、あと作には今の飼料になるようなものを植えさせるという方針がきまっておる、その飼料になるというのはどういうものですか。
#50
○政府委員(大坪藤市君) これにつきましては、いわゆる立地条件によりましていろいろな輪作体系を確立する必要がある。そこでもちろん飼料作物というものも一つの大きな対象農業の方法でございますが、これは必ずしも飼料作物に限定するわけではございませんので、どういうふうな輪作体系をとった方が最も年間を通しまして土地の合理的な利用になり、それが農業経営に貢献をするか、そういう点を各試験場等におきまして、総合的な観点から目下検討いたしておるわけであります。
#51
○秋山俊一郎君 そうしますと、まだ検討中であってかりに本年度からかような早植えの奨励をしていくという場合に、あと作の問題は本年としちゃもう空白になって、研究が進むまではそのままにしておくということになるわけでございますか。
#52
○政府委員(大坪藤市君) そうではございませんので、すでに本制度は、本奨励の方法は二カ年間も補助金を計上いたしまして指導をいたしております。ただ、たとえば同じ早植をするにいたしましても、何月に取り入れた方がよろしいか、八月取り入れ、九月取り入れ、九月にいたしましても九月の初旬の方がいいか、あるいは下旬の方がいいか、それに最も適した品種というものはどんなやつがよろしいかということを一応奨励をいたしますると同時に、片一方にはそれらの試験研究を継続いたしておるのでございます。今までの結果によりますというと、早植えをいたしましても、大体従来のような農作にあまりひけをとらないくらいの反収を上げておりまして、早植えによることが反収の減退を来たさない、こういうような格好に相なっておるわけでございます。ただあと作が相当期間余裕があるというような事情に相なりますので、その間の指導をどうやったらいいか、場合によりましては、高知県等のように二期作をやった方が一番これは合理的であるかという点も検討いたしておりまして、相当の面積におきまして二期作をやっておるところもあるわけでございます。ただ二期作をやりまする場合にはあまりに土地を使い過ぎるというような点もございまするので、そういう場合におきましては二年二期作をやって、一年は飼料作物を作ったらいいじゃないかというような考え方もあるのでございまして、その間の輪作形態、同時に早植えをするための必要な品種、それから何月ごろ取り入れるかというような点を系統的に奨励をするかたわら検討いたしておる、こういう段階でございます。
#53
○秋山俊一郎君 私にはまだはっきりせぬのですが、何かもうすでにやっているようでもあるし、そうでないようでもある御説明ですが、これはもちろん西南暖地といってもいろいろずっと南もあれば、ある程度北へ寄った所もあるから一概にはいかぬと思いますが、今のその飼料作物というのはどういうものなんですか。
#54
○政府委員(大坪藤市君) これにつきましては、青刈関係の大豆でございますとか、あるいはレンゲソウでございますとか、そういうふうな主として飼料になる場合におきましては堆肥の材料になるというような作物を奨励いたしておるわけでございます。
#55
○理事(重政庸徳君) 僕ちょっとお尋ねいたしますがね、この農林大臣の指定する土地改良事業あるいは農道、索道というものはどういう範囲のものを指定するのですか。
#56
○説明員(庄野五一郎君) ただいま委員長のお尋ねになったのは第二条第二項の施設資金についてでございますね。
#57
○理事(重政庸徳君) 資金について指定するんだけれどもが、その範囲はたとえて言えば、土地改良事業なら面積を単位としてどういうところから指定するのですか。あるいは土地改良事業でやったらどんな大きいものでも皆指定するのか。
#58
○説明員(庄野五一郎君) お配りしました資料の中に政令事項案というのがございますが、その第二のところに、法第二条第二項の政令で定める施設資金及び第三条第一項第二号のこの施設資金につきましての利率、それから償還期間、据置期間は次の通りとする、そういうのがございます。そういった資料の中にございますように、施設資金につきましては、三年償還と五年償還と七年償還と十年償還、こういうふうにいたしておりますが、その中でただいまお尋ねになりました農林大臣の指定する小土地改良事業、農道、索道の改良または造成、あるいは農林大臣の指定する農地防風林の造成に必要な資金、そういったものにつきましては、大体小土地改良につきましては受益面積五町歩以下といったところを考えております。それから資金で大体十万円以下の資金を要するところで受益面積が五町歩以下、そういった程度のものを考えております。それから農道、索道につきましては、ほとんど距離にいたしまして二百メートル以下の農道、索道、そういったもので、やはり融資金額が十万円以下の程度のもの、こういうふうに考えております。
#59
○理事(重政庸徳君) これはね、そうすると十万円以下並びに五町歩以下という、この二つの条件が入るんですか。
#60
○説明員(庄野五一郎君) それ以上のものは大体公庫で融資ができておりますので、この施設資金の債務保証の対象にいたします施設につきましては、それ以下に指定いたしたい、こういうふうに考えております。
#61
○理事(重政庸徳君) そうすると、たとえて言えば五町歩以下でもこの二つの条件を満足させねば、たとえば面積は五町歩以下であるが、その費用は二十万円というのはこれは農林大臣が指定せぬ、あるいは十万円以下であるが五町歩をこえるようなものは農林大臣が指定せぬ、こういうんですか。あるいは十万円というこの金額の単位に重点をおいているのか。
#62
○説明員(庄野五一郎君) いずれか一方に充当すればよろしい、そういうふうに考えております。金額で十万円以下の場合、受益面積で事業量で三町歩以下、そういったようにいずれか一方の条件に当てはまればよろしい、そういうふうに考えております。
#63
○理事(重政庸徳君) これはあるいは取扱いできめられるのか、実はこの点は明らかにしておかねばいかぬだろうと思う。と申しますのは、ややともすると、あまり多くの予算でないのだが、結局国の予算編成の場合にこれに追い込むような疑義があるのでありまして、その点は一つ明らかに政令で定めるのか、何で定めるのか、方針を明らかにしてもらいたいのですが、それ以外のものは取り扱わぬというように将来の方針を明らかにしていただきたいと思います。この点いかがですか。
#64
○説明員(庄野五一郎君) 農林大臣の指定になりますので、告示ではっきりいたしたい、こういうふうに考えております。
#65
○秋山俊一郎君 三条の第一項の一号ですか、「農業者又はその組織する団体」というのは、この団体はどういう団体になります。
#66
○政府委員(大坪藤市君) 具体的に申し上げますというと、実行組合でありますとか、4Hクラブでありますとか、農業技術関係のそういうふうな団体でございまして、いわゆる人格なき社団というふうな、法人格は持っていないが、その団体の運営と申しまするか、団体のあり方が法人的なものであって、団体として貸付の対象になり得るような、実行組合のような農業上の改良を目的といたしております団体をこの場合に指しております。
#67
○秋山俊一郎君 これは別に法律に定めた団体を言うわけではないのですね。いわば一種の任意団体を言うんですか。実行組合というのはこれは何か認められておるかもしれませんが。
#68
○政府委員(大坪藤市君) 御意見の通りでございます。
#69
○理事(重政庸徳君) ちょっと速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
#70
○理事(重政庸徳君) 速記を起して下さい。
 では残余の質疑は次回に譲り、本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時二十四分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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