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1947/12/06 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第38号
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1947/12/06 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第38号

#1
第001回国会 厚生委員会 第38号
昭和二十二年十二月六日(土曜日)
    午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 小野  孝君
   理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君
   理事 有田 二郎君 理事 大瀧亀代司君
      太田 典禮君    角田藤三郎君
      中原 健次君    松谷天光光君
      武藤運十郎君    最上 英子君
      降旗 徳弥君    大野 伴睦君
      近藤 鶴代君    榊原  亨君
      村上 清治君
 出席國務大臣
        厚 生 大 臣 一松 定吉君
 出席政府委員 文部事務官   清水 勤二君
        厚生政務次官  金光 義邦君
        厚生事務官   宮崎 太一君
        厚 生 技 官 三木 行治君
 委員外の出席者
        專門調査員   川井 章知君
    ―――――――――――――
十二月五日
 理容師法案(内閣提出)(第一四八號)
 榮養士法案(内閣提出)(第一四九號)
 元住宅營團經營住宅に關する請願(武藤運十郎
 君外一名紹介)(第一五二五號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 理容師法案(内閣提出)(第一八四號)
 營養士法案(内閣提出)(第一四九號)
 一 住宅營團經營住宅買上の請願(佐々木更三
   君紹介)(第四七五號)
 二 國立遺傳學研究所設置の請願(西山冨佐太
   君紹介)(第九〇一號)
 三 引揚者の住宅問題に關する請願(坂口主税
   君外五名紹介)(第九七一號)
 四 伊勢崎市の庶民住宅建築費國庫補助その他
   に關する請願(鈴木強平君外三名紹介)
   (第一一三四號)
 五 竹田町綜合運動場設置費國庫補助の請願(
   金光義邦君外六名紹介)(第一一四〇號)
 六 引揚者の住宅建設の請願(根本龍太郎君紹
   介)(第一二九八號)
 七 矢田村所在國立榮草試驗場拂下の請願(松
   本眞一君紹介)(第一三四七號)
 八 國立療養所入院費患者負擔反對の請願(松
   谷天光光君紹介)(第一三五四號)
 九 鍼灸醫法制定に關する請願(河野金昇君紹
   介)(第一三六二號)
一〇 遺家族援護に關する請願(齋藤晃君紹介)
   (第一三六三號)
一一 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(齋藤晃君紹
   介)(第一三八四號)
一二 國立富山病院復興に關する請願(矢後嘉藏
   君外二名紹介)(第一四〇七號)
一三 中等學校教員の恩給増額の請願(松原一彦
   君紹介)(第一四〇八號)
一四 生活協同組合法制定の請願(門司亮君紹
   介)(第一四二二號)
一五 中等學校教員の恩給増額の請願(志賀健次
   郎君外二名紹介)(第一四三八號)
一六 恩給増額に關する請願(松本七郎君外一名
   紹介)(第一四五九號)
一七 生活協同組合法制定の請願(中原健次君紹
   介)(第一四六三號)
一八 國立療養所入院費患者負擔反對の請願(松
   谷天光光君紹介)(第一四七三號)
一九 戰爭犠牲者の援護に關する請願(豊澤豊雄
   君紹介)(第一四九三號)
二〇 成年男女の身體檢査實施の請願(豊澤豊雄
   君紹介)(第一四九四號)
二一 療術師の權益確保に關する請願(加藤シヅ
   エ君紹介)(第一五〇九號)
二二 引揚者の援護強化に關する請願(成田知巳
   君紹介)(第一五二一號)
二三 生活協同組合法制定反對の請願(有田二郎
   君外八名紹介)(第一五二四號)
 一 引揚者の住宅難緩和對策に關する陳情書(
   東京都杉並區馬橋日本住宅緩和本部代表中
   村教市郎)(第一九三號)
 二 海外引揚者の住宅難緩和に關する陳情書(
   愛媛縣廳内愛媛海外引揚者更生會長山澤和
   三郎)(第二三二號)
 三 海外引揚者の住宅難緩和に關する陳情書(
   高知縣廳内海外引揚者高知縣更生聯盟理事
   長馬場敬春)(第四八〇號)
 四 建築物利用い關する陳情書(千葉縣野田町
   高木虎尾)(第五四一號)
 五 住宅建設に關する陳情書(中國地方自治協
   議會長代表廣島縣知事楠瀬常猪)(第五九
   二號)
 六 生活協同組合法案に關する陳情書(東北海
   道商工會議所協議會長網走商工會議所會頭
   白井仁太郎)(第六〇八號)
 七 生活協同組合法制定促進に關する陳情書(
   群馬縣利根郡古馬坂村購買利用組合長後藤
   榮次郎)(第六一三號)
 八 引揚援護者に關する陳情書(北海道釧路市
   春採永住町太田利兵衞)(第六二六號)
 九 盲人鍼灸業等存續に關する陳情書外一件(
   北海道帯廣市北海道盲人連盟代表後藤寅市
   外一名)(第六三二號)
一〇 生活協同組合法案反對に關する陳情書(愛
   知縣中島郡稲澤町中島郡繊維製品小賈商業
   協同組合小澤俊逸外百四名)(第六三三
   號)
一一 國民健康保險制度の刷新強化竝びに國庫補
   助増額に關する陳情書(九州各縣議會正副
   議長會幹事福岡縣議會議長稻員)(第六四
   八號)
一二 臨時建築制限規則緩和に關する陳情書(九
   州各縣議會正副議長會幹事福岡縣議會議長
   稻員稔)(第六五三號)
一三 生活保護法による扶助金全額國庫負擔に關
   する陳情書(香川縣仲多度郡神野村海外引
   揚同胞會長森政市)(第六六九號)
一四 東北地方の水害罹災者救濟に關する陳情書
   (仙臺市清水小路全日通勞働組合東北地區
   臨時大會)(第六七三號)
一五 海外引揚者の家屋建設費補助に關する陳情
   書外一件(香川縣仲多度郡郡家村海外引揚
   同胞會長山野實外一名)(第六七七號)
一六 海外引揚者援助に關する陳情書(埼玉縣浦
   和市埼玉縣廳内埼玉縣引揚同胞厚生會長貝
   山好美外十五名)(第六七九號)
一七 住宅開放竝びに生業資金に關する陳情書(
   香川縣三豊郡莊間村海外引揚同胞會長石茂
   吉)(第六八三號)
一八 生活協同組合法案反對の陳情書外一件(京
   都府下商工協同組合理事長岩本義徳外一
   名)(第六九四號)
一九 水害罹災農家救濟に關する陳情書(宮城縣
   登米郡佐沼町亘理胤篤外十六名)(第七〇
   二號)
二〇 盲人の鍼灸業禁止反對の陳情書(東京都文
   京區東京盲學校學生大會委員會)(第七一
   四號)
    ―――――――――――――
#2
○小野委員長 これより會議を開きます。
 理容士法案及び榮養士法案を一括議題に供します。政府の提案理由の説明を求めます。金光政府委員。
    ―――――――――――――
#3
○金光政府委員 ただいま議題となりました理容師法案について提案の理由を御説明申し上げます。
 從來理髪業及び美容業につきましては、各都道府縣令によつて規定されていたのでありますが、これは理容士の免許、理容所の開設その他の營業取締り事項及び違反者に對する罰則等に關するもので、法律で規定すベき性質のものであります。從いまして昭和二十二年法律第七二號の規定により、來年一月一日より失效いたすこととなりますので、この法律案を提案いたした次第であります。その内容は、(イ)理容師の免許に關する事項(ロ)理容師及び理容所の開設者が講ずベき衞生上の措置に關する事項等であります。何とぞ御審議の上、速やかに可決せられんことを希望いたす次第であります。
 次にただいま議題となりました榮養士法案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。
 從來の榮養士に關する制度は、昭和二十年四月厚生省令第十四號をもつて制定いたしました榮養士規則が根幹となつておりますが、この規則は、昭和二十二年法律第七十二號、日本國憲法施行の際、現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律第一條の規定によりまして、本年十二月三十一日限りその效力を失うこととなつております。しかしながら榮養に關する知識及び技術を普及向上し、もつて公衆衞生の向上及び増進をはかるには、榮養士制度を引續き存續し、整備する必要がありますので、この法律案を提案した次第であります。その内容の概略は榮養士の免許に關する事項、榮養士の缺格條件に關する事項及び榮養士の試驗に關する事項等であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに可決せられんことを希望いたす次第であります。
#4
○山崎(道)委員 ただいま提案になりました理容師法案についてお伺いをいたします。
 私はまず第一にこの理容師法という法案の名稱を、この際理髪師、美容師法と改正していただきたいと思います。その理由といたしましては、理容師法ということは、理髪を主にしたように考えられまして、この中に美容がはいつているということの理解の苦しむのでございます。しかも法律の中には理髪と美容の點がはつきり區別して書かれてはありますけれども、業態が多樣に相なつておりますことは、非常に不便を感ずるものでございまして、この際ぜひとも理髪、美容師法と改正をお願いいたしたいと思います。第一理髪と美容とは、完全に別箇の業態と見て、取締りの對象としては嚴に動かなところでありますから、法案の各所に散見いたします理容師、理容所の文字を、法文適用の混同混亂を皆無ならしむるために、一切これらを發し、理髪、理髪所及び理髪師というようにしていただきたい。また美容、美容師、美容所というような各所に適應語を用いていただきたいと存じます。この點につきまして、當局の御答辯をお願いいたします。
#5
○三木(行)政府委員 理容師法という名稱を理髪師、美容師法に改める意思はないかという御質問でありますが、この理髪と美容とはなるほど一は頭髪の刈込み、顏そり、一はパーマネントウエーブ、結髪、化粧を主とする。その點においては異なるのでありますが、しかしながらシヤンプー、白髪染等にいたしましても、兩方に共通いたしております状態であります。かつまたこの法律の主眼といたします公衆衞生上の取締りという面から申しますと、ほとんど同樣でございますので、常識に從いまして理容という言葉を採用いたしたわけであります。そうしてこの第一條におきまして、字句の混同を避けますために、「理容師とは、理髪師、及び理容師をいう。」というように、明らかに定義をいたしている次第でありまして、その點御了承をいただきたいと思います。
#6
○山崎(道)委員 常識上かようにお取扱いになつたという言葉でございますが、しかしながら理容と言いましても、一般に美容とパーマネント、あるいはその他のことと理解する人があるでございましようか。殊に文字に拘泥することはなく、はつきりこの際明文化することが私は妥當だろうと信ずるものであります。一般に理容と申しますと、理髪師を想像するのであります。そうして取締りその他は同じだとおつしやいますけれども、やはり食糧を取扱うものでも、主食類を扱うものと、食肉を扱うものとの差があるように、美容と理髪とはまつたく異なつている内容でございますから、この際かくお改めになることは妥當だと私はあくまでも信ずるものでございます。
 それから理髪と美容の職務に對する定義を明確にしていただきたい。この法律で理髪とは頭髪の刈込み、顏そり、パーマネントウエーブ等の方法により男子の容姿を整えることをいう。またこの法律で美容とはパーネントウエーブ、結髪、化粧、美顏術、衣裳着つけ等の方法で女子の容姿を美しく整えることをいう、というように明確にしていただきたいと存じます。理髪は男子のもの、美容は女子のものという明文がないと、男女の分限を混同いたしまして、混亂に陷つた例もございますので、特にこの際御留意が願いたい。それから理髪所美容所の別を明確にして混同を避けること、理髪所及び美容所においては、理髪及び美容の業を兼ね行うことはできないというふうに、一項を御挿入願いたいと存じます。
 それから業とするものの定義につきましては、業とするものとは、業務開設者であるか、從業者であるか、法文には明文がございません。この法律で業とするものとは、理髮所、または美容所の名儀者なると否とを問わす、當該業務に從事するものをいうというような一項を挿入して、明確にした方がよろしいと存じますが、この點についと當局はどのようにお考えでございますか。
#7
○三木(行)政府委員 男子、女子ということを明確にする必要があるのではないかという御質疑でありますが、私どもも一應それを考えてみたのでありますが、女子にして理髮所において顔そり等をなす者もございますので、これはおのずから今日の國民習慣に從つて利用いたしますので、その點の混同を法律でもつて名記する必要はないだろうと考えて、この規定をつくつたわけであります。なお開設者の件でございまするが、この法律案におきましては、理髮師が、あるいは美容師がそれぞれ開設者であり、また從事者であるということは、格別な取りきめをいたしておりませんので、理髮の業をなすものは理髮師であり、美容師が美容の業をなすものである、こういうようま規定に相なつておりまして、理髮師もしくは美容師にあらざれば、これらの理髮所もしくは美容所を開設できないというような格別なる取りきめをする必要がないであろうと考えて、かような規定をいたした次第であります。
#8
○山崎(道)委員 現在美容師、または理髮師となる資格をもつておりながら、業に從事しないものもございますので、これにつきまして附則の最後に一項を挿入していただきたいと思います。現に都道長官、または府縣知事において有資格者として認定されておるものは、都道長官、または府縣知事の免許を得て理容師または美容師となることができるという一項を挿入していただきたい。それから理髮所あるいは美容所の位置變更について、許可を受くべきことに改めていただきたいということをこの際要求いたしますとともに、理髮所、美容所の位置變更について、許可を受けない場合の罰則をひとつ規定するようにしたいと存じますが、その御意見ありや否やをお伺いいたします。
#9
○三木(行)政府委員 現在美容師の資格をもつておつて、開業しておらないものがあるが、それらの救濟規定をこの際附則として設ける意思はないかという御質問でありますが、この法律案第十九條におきまして、「この法律施行の際現に都道府縣知事の免許、許可その他の處分を受けて理髮又は美容を業としている者は」傳々という規定がございまして、それによつて十分救濟し得ると存ずるのであります。なお許可制の問題でありますが、從來の規定の範圍というようなところになかなか困難な點がございますので、それが一つの理由であります。またかような業態はよろしく大衆の批判によつて設置をすべきものである。かように考えますので、届出制度というものを採用いたした次第であります。このやり方は、一つは新憲法の職業の選擇の自由という趣旨にも副うものであるというふうにお考え願いたいと思います。
#10
○山崎(道)委員 第十九條の規定で十分だとおつしやいましたが、これは「受けて理容又は美容を業としている事は」でございまして、免状をもつておりながら現在四圍の事情あるいは燒け出されたりなんかいたしまして、すべての資材が整わないで業をしていないというような人が、それを開業したいというときの規定を設けていただきたい。私の要求はこれだけでございます。
#11
○三木(行)政府委員 現行の取締りの規則は、中央法令はございませんで、ことごとく地方命令でありますが、その地方命令は都道府縣によつて異なつておりますけれども、おおむね共通いたしておりますことは、この美容師、理髮師につきましては開業免状ということになつておるのでありまして、免状をもつておるということは、すなわち關係當局といたしましてはその者が就業しておるとかように考えておる次第であります。もし不該當の者、ただいま山崎委員の御指摘のような場合がございますならば、この法の運用によりまして適切に救濟の策を講じたい。かように考えております。
#12
○山崎(道)委員 現在ではさようでございましても、將來免状をもつた者というような場合には、それは自由にできるわけですか。開業をふだんしてなくても、開業をしようと思えば届け出ればいい。こういうわけでありますか。
#13
○三木(行)政府委員 御意見の通りであります。
#14
○山崎(道)委員 私はもつと審議したいのでございますが、時間に制限がございますのでこの程度にいたします。但しどうしても理髮美容師と、この法律の改訂方を強く要求いたします。
 それから榮養士法につきまして、ごく簡單に御質問いたしたいと存じます。この「榮養士試驗に合格した者、」それから「學校教育法第五十六條に規定する者とする。」ということがございますが、その點、昨晩配付になりましたので、十分に私は研究が積んでおらないので、質問の的がはずれるかと存じますが、現在榮養士と言つております者の中にも、學校が二年制度の學校もございまするし、半年くらいの學校もございまして、それを出た者も榮養士と言つておる向きがあるのでございます。事實實務についておる者もございます。それから戰爭中には各工場あたりへ調理士というような名目で多數の者が働いておりました事實もあるのでございますが、實際上こうした者につきまする暫定處置と申しまするか、こういうものについての御考慮はいかがでありましようか。
#15
○三木(行)政府委員 ただいま御指摘に相なりました半年以上、あるいはこの法律案に規定せられておりまする大學入學資格等を有しない者、そういうものが現に働いておるではないか。なお今後もそういうものを救濟する必要があるのではないかという御質疑でありますが、二十年四月榮養士規則を制定いたしました當時に、その經過規定としまして、現に就業中のものにつきましてはある程度の制限をつけまして、これに榮養士の免状を與えたのであります。從いましてそれらの者の中には、半年制度の學校を卒業した者も現にあると存じます。それらにつきましては、昭和二十三年三月末日までに届け出るということに相なつておるのでありまして、それ以後におきましては、救濟する方法がないということに相なつておるわけであります。この法律案におきましても同樣でございます。
#16
○山崎(道)委員 昭和二十三年三月までは暫定的に認める。そのときまでに資格をとらない者は救濟の途がないのですね。
#17
○三木(行)政府委員 さようでございます。
#18
○山崎(道)委員 私の質問を打切ります。
#19
○榊原(亨)委員 理容師法についてちよつと御質問申し上げたいのでありますが、第九條にございますところの、毎年二囘以上結核、トラホーム、皮膚疾患等の疾病の有無につき健康診斷を受けるということになつておりますが、この健康診斷の具體的方法、たとえて申しますと、結核におきましてはマントー氏反應、そういうものをやるかどうか、あるいはここには明記してございませんけれども、花柳病のごときものにつきまして血液反應までやる、あるいはレントゲン險査までやる、そういうふうな意味の健康診斷でございまするか、あるいは晋釣簡單な健康診斷を行うという意味でございまするか、その點を承りたいと思うのであります。
#20
○三木(行)政府委員 第九條の健康診斷所はどのようにやるかという御質疑でありますが、從來の健康診斷は、あまりにも簡單であつたということを私どもも認めざるを得ないのであります。この第九條に規定いたしまするところの趣旨は、公衆衞生上理容師に對し健康診斷を義務づけたものでありまして、その目的とするところは、傳染病患者ち業態上病毒傳播のおそれのある業務に從事することができない。あるいは結核豫防上必要と認むるときには、業態上病毒傳播のおそれのある職業に從事することを禁止するというような、就業禁止の措置を目的とするものであります。從いましてこれらの病毒傳播のおそれがあるということが明らかになります程度の險査はやらなければならない。かように考えておるのであります。具體的に申しますならば、結核を目的とする診斷を行うにあたりましては、精密檢診を行う必要があると存じますし、また花柳病等につきましては、必要なる場合におきましては血清反應をやるというような行き方で、精密なる檢診を行いたい。かように考えておる次第であります。
#21
○榊原(亨)委員 ただいまの御答辯ではつきりわかるのでありますが、もしもそうした場合――公衆衞生上これは害があるという場合に、これに對して禁止をさせるという條項がこの法文の中のどこかにあるのでありますか。
#22
○三木(行)政府委員 この法律案におきましては、爾後における措置が規定してないのでございますが、それは傳染病豫防法、結核豫防法、トラホーム豫防法等のそれぞれの條項によりまして、就業を禁止するという所存であります。
#23
○榊原(亨)委員 第七條の免許は精神病、またはてんかんにかかつている者には與えないというのがございますが、こういう條項の中に、これらの傳染病にかかつている者は、一時的に就業を禁止するという明文を入れる必要はないのでございますが、くどいようでありますが、もう一度伺います。
#24
○三木(行)政府委員 健康診斷を拒むことを得ないことに相なつておりますので、健康診斷はぜひとも施行することに相なりますが、その健康診斷の結果、傳染病であるという者につきましては、この豫防法によりまして、就業を禁止するつもりであります。
#25
○小野委員長 ちよつと榊原君の御質問中ですが、今政府側の方から要求がありまして、昨日のあん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案の審査中、榊原委員の質問に答えられた宮崎政府委員の答辯中に、訂正を要する點があるので訂正いたしたいとの申し出がありますから、訂正させたいと思います。
#26
○宮崎政府委員 昨日の當委員會で榊原委員から、柔道整復術の社會保險との關係につきましての御質問がありましたが、そのときに柔道整復術といたしまして療養の給付をやるように、私の方で答辯いたしましたが、あとでよく調ベてみますと、療養の給付ではなくして、療養費の支給、すなわち金錢支拂いの約束をいたしております。それで榊原さんの仰せになつた柔道整復業者の方に參りまして、金を拂つて後受取りをもらつてきて、政府に要求するという形でやつております。そこで柔道整復術の料金としまして、榊原さんの仰せになつたような、非常に多額の費用を要求しておるといたしますならば、その邊につきまして、十分注意をして、今後實行いたしたいと思つております。
#27
○榊原(亨)委員 榮養士法案について質問いたしたいと思うのでありますが、第三條の第二項にございます「傳染性の疾病にかかつている者であつて、第一條に規定する業務を行うに適しない者」というのは、傳染性疾患にかかつておるかどうかを、たれがどういう方法によつて判定いたすのでございますか。
#28
○三木(行)政府委員 傳染性の疾患にかかつているということを、たれが知るのであるかという御質問でありますが、これは都道府縣知事が調ベるのでありまして、具體的にはこれらの免許を申請するにあたりまして、健康診斷書を貼付せしめる次第でございます。
#29
○榊原(亨)委員 免許を申請する場合に、健康診斷をやりましても、その後數年の後にいろいろ結核病患その他の傳染性疾患にかかりました場合に、だれが、いつ、どういう方法によつてこれがかかつたということを認定しますか。
#30
○三木(行)政府委員 傳染性疾患にかかりました場合に、その全部とは言えないのでありますが、屆出書が保健所にあるわけであります。また榮養士というのは、業態上保健所と緊密な關係にありますので、保健所につきましても、これらに關する注意をいたしますよう實際の指導を行つていきたいと考えております。
#31
○榊原(亨)委員 理容師においては、先ほどお話のありましたように、毎年二囘以上精密檢査を行いまして、これが傳染性疾患があるかないか調ベておるにもかかわらず、榮養士というのは食物を扱うものでございますので、その者がたとえば開放性結核になつておりましたり、あるいは花柳病にかかつておりました場合に、その危險は理容師のそれに比較してそれ以上の危險があると思います。その場合に、ただこれが健康保健所と密接な關係があるから、そこでときどき注意するというようなお話でなしに、私どもはこの法案の中に、たとえば毎年二囘以上同じような檢査をするとか、何とかいうようなことを入れたいと思いますが、時間の關係上いろいろな難點もございましようから、この際三木政府委員の方から、これはまた來國會においてでも改正になりますまでは、たとえば便法的に年二囘やるとか、一囘やるとかいう具體的事實をお話し願いまして、速記に留めたいと思いますが、その御意思はございませんか。
#32
○三木(行)政府委員 御指摘の通りに、榮養士は業態上理容師とともに病毒傳播の危險が非常にあるわけであります。私どもといたしましては、一應その點を考えたのでございますが、現在醫師、齒科醫師等の業態におきましても、同樣な事態があるにもかかわらず、これらに對して健康診斷の義務を課しておらないのでありまして、從つて理容師よりも榮養士の方が絶えず醫療機關と密接な連關があるという意味合におきまして、醫師に近似した取極めを行つた次第であります。しかしながら御指摘の點もございますので、この點につきましては、十分地方に通牒いたしまして、御趣旨に副うようにいたす所存でございます。
#33
○田中(松)委員 新しく理容師が開業したいというときに、何かたとえば既存の店から何町離れなければならないとかいうような制限はございませんか。
#34
○三木(行)政府委員 從來の地方命令におきましては、許可制度に相なつておりましたので、さような點も十分考慮いたしておりますし、かつまた組合の規定もありまして、組合が自治的に統制しておつたというような點もあつた次第であります。この法律案におきましては、屆出に相なつておりますし、組合の規定もこれを業者の自由に殘してある次第であります。從いまして、當局といたしましては、さようなただいまま御意見のごとき件は、いわゆる自由競爭という點で制限を受けるということで十分ではないかと考えております。
#35
○松谷委員 この理容司法案につきまして、理容師としてのいわゆる既得權者がまだ海外にある場合において、これは技術の制限がございませんが、歸還された場合においては、技術の制限なしに既得權者と認められる御意思でありましようか、その點だけを伺いたいと思います。
#36
○三木(行)政府委員 歸還せられました方々が理容師、理髪師の免状をもつておるか、あるいは外國におきまする免状をもつておるかどうかということによつて相違があると存じますが、さような有權者であり、何らかの根據のある人につきましては、第十九條によりまして、できるだけ救濟してまいりたい、かように考えております。
#37
○松谷委員 できるだけというお言葉でございますが、そのできるだけという、何か特別にそこに制限があるのでございましようか。全部するということは今言いきつてはいただけないのでございましようか。
#38
○三木(行)政府委員 できるだけと申しまするのは、その資格の内容につきまして、能う限り有利に解釋をいたしたい。かような趣旨でございます。
#39
○小野委員長 ただいま審査いたしておりますこの二つの法律案は、まだ十分審査しなければならぬ點もございますし、また委員の中には修正したいという御意思の人もあるようでございますけれども、會期が切迫いたしておる次第もありますし、またこれを成立いたさせないと、十二月三十一日以降は失効してしまう點もございますので、不備の點は第二國會の委員會において改正案を出すなり、しかるべき方法をとつて十分審議を盡すことにいたしまして、兩法案につきましては討論を省略いたして採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○小野委員長 御異議なしと認めます。
 採決をいたします。理容師法案及び榮養士法案の二法案を原案通り可決することに御贊成の方の御起立を願います。
    〔總員起立〕
#41
○小野委員長 起立總員。よつて兩案は原案の通り可決いたしました。
 なお議長に對する報告書につきましとは、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○小野委員長 御異議なしと認めまして、さように取計らいます。
    ―――――――――――――
#43
○小野委員長 それでは續いて請願及び陳情の審議にはいります。
 日程第一、住宅營團經營住宅買上の請願、佐々木更三君紹介、文書表審號第四七五號。
#44
○松谷委員 本請願の要旨は、さきに住宅營團は關係方面より解散を命ぜられたので、その所有する經營住宅を他に賣却しようとしている、ついては一、政府は宮城縣下二千五百戸の住宅營團經營住宅を買い上げる、二、買上住宅は政府の直轄經營とするか地方公共團體に委託經營せしめる、三、勤勞庶民階級の生活費を基準とする適正家賃を設定されたいというのであります。かかる趣旨によつて提出せられた請願でありますので、ぜひとも本請願を採擇せられんことを希望いたします。
    ―――――――――――――
#45
○小野委員長 日程第三、引揚者の住宅問題に關する請願、坂口主税君外五名紹介、文書表番號第九七一號、日程第六、引揚者の住宅建設の請願、根本龍太郎君紹介、文書表番號第一二九八號、陳情日程第一、引揚者の住宅難緩和對策に關する陳情書、第一九三號、日程第二、海外引揚者の住宅難緩和に關する陳情書、第二三二號、日程第三、海外引揚者の住宅難緩和に關する陳情書、第四八〇號、日程第四、建築物利用に關する陳情書、第五四一號、日程第五、住宅建設に關する陳情書、第五九二號、右一括して議題に供します。
#46
○松谷委員 本請願の趣旨は、全國六百萬人の引揚者住宅問題の根本的解決のため、不用、遊休官公有建物、餘裕住宅、やみ建築及び大料理店の徹低的開放、住宅緊急措置令の規定の改正等、壕舎、假小屋生活者の救濟竝びに集團的收容施設の設置、現在の住宅家賃を、一般勤勞者、引揚者及び戰災者等の負擔にたえられる程度に引下げる。強制追立ての防止竝びに住居の行政的措置、政府または國會が中心となり、住宅問題の根本的檢討、及び恒久的對策樹立のため、民間人を加えた調査立案機關の設置等の事項を請願するというのであります。御審議の上御採擇をいただきたいと思います。
#47
○川井專門調査員 一九三號の陳情は、われら海外引揚者は、現下の住宅難を緩和して、その生活の基礎を確立したい、それにつき本部は、餘裕住宅、不用工場等の開放の要求、建築資材の配給懇請、簡易住宅の建設、及び建築費の共同借入竝びに資金の獲得方法等諸計畫を決定したから、これが實施を援助されたい。という趣旨であります。
#48
○小野委員長 以上の請願、陳情につきましては、後日必要があれば政府當局の意見を聽くことにして、審査を終りたいと思います。
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#49
○小野委員長 請願日程第二、國立遺傳學研究所設置の請願、第九〇一號
#50
○松谷委員 本請願の要旨は、遺傳學は食糧問題及び人口問題の解決竝びに文化國家再建に密接な關係を有している、しかるにわが國の遺傳學は生物學、農學、醫學界各方面の學者の協力により比較的高度の水準にあるが、その研究施設は極めて貧弱であり、このような施設では今後いかに努力してもこれ以上の進歩は望めない、殊に應用的研究に至つては大規模の總合研究によつて初めて達せられる、ついては速やかに國立遺傳學研究所を設置されたいというのであります。
#51
○小野委員長 本請願に對する政府の意見を求めます。
#52
○清水政府委員 國立遺傳學研究所の設置につきましては、この問題が人口問題、食糧問題、優生問題、その他いろいろ重要な問題の解決に對しまして、きわめて重要な研究所であることと認めまして、文部省におきましてぜひこの實現を期したいと考えまして、來年度豫算に該豫算を計上いたしております。ぜひこれを實現すべく努力いたしたいと考えておるのであります。請願の御趣旨にもありましたように、わが國の遺傳學の研究は、醫學、生物學、あるいは農學、動物、植物、いろいろな面にわかれまして小さく發達をいたしておるのでありまして、國家全體を考えましても專門講座としては大學に二講座あるだけであります。ほかの講座は他の講座において兼ねて遺傳學をやつておるという状況でございます。にもかかわらず、遺傳學だけは全國的に遺傳學者が協力いたしまして、遺傳學の發達は世界的な水準に達しておるものと考えられるのであります。またこの遺傳學上の問題では、わが國の學者が世界的に新しい發見をいたしまして、名聲を得ておられる方も數少くないのであります。ただこの研究を國家のために十分活用いたしますためには、全國各大學にばらばらにあります遺傳學の研究を總合いたしまして、國家的見地から十分これを活用するようにいたさなければならないと考えるものであります。たとえば農作物にいたしましとも、その品種改良の根本は遺傳學に基くものであります。あるいは水産、林産すべてが遺傳學の根本原理の活用によつて、異常な展開を期待し得るほど學問的研究は進みつつあるのであります。こういうことから考えましても、ぜひここに總合的な國立の研究所をつくりたいということは、遺傳學界多年の懸案であつたのでありまして、國家經濟の非常に窮屈なときでございますけれども、なおこの際やらなければ、時を失して悔いを後に殘すようなことになると考えるのであります。遺傳學研究所の設立につきましては、政府としましてもできるだけの力をいたしたいと考えておる次第であります。大體政府側の意向を申し上げます。
#53
○小野委員長 請願の日程第八、國立療養所入院費患者負擔反對の請願、松谷天光光君紹介、第一三五四號、日程第九、鍼灸醫法制定に關する請願、河野金昇君紹介、第一三六二號、日程第一〇、遺家族援護に關する請願、齋藤晃君紹介、第一三六三號、日程第一一、盲人に鍼灸業繼續許可の請願、齋藤晃君紹介、第一三八四號、日程第一三、中等學校教員の恩給増額の請願、松原一彦君紹介、第一四〇八號、日程第一四、生活協同組合法制定の請願、門司亮君紹介、第一四二二號、日程第一五、中等學校教員の恩給増額の請願、志賀健次郎君外二名紹介、第一四三八號、日程第一六、恩給増額に關する請願、松本七郎君外一名紹介、第一四五九號、日程第一七、生活協同組合法制定の請願、中原健次君紹介、第一四六三號、日程第一八、國立療養所入院費患者負擔反對の請願、松谷天光光君紹介、第一四七三號、日程第一九、戰爭犧牲者の援護に關する請願、豐澤豐君紹介、第一四九三號、日程第二一、療術師の權盆確保に關する請願、加藤シヅエ君紹介、第一五〇九號、日程第二二、引揚者の援護強化に關する請願、成田知巳君紹介、第一五二一號、日程第二三、生活協同組合法制定反對の請願、有田二郎君外八名紹介、第一五二四號、陳情、日程第六、生活協同組合注案に關する陳情書、第六〇八號、日程第七、生活協同組合法制定促進に關する陳情書、第六一三號、日程第八、引揚授護者に關する陳情書、第六二六號、日程第九、盲人鍼灸業等存續に關する陳情書外一件、第六三二號、日程第一〇、生活協同組合法案反對に關する陳情書、第六三三號、日程第一一、國民健康保險制度の刷新強化竝びに國庫補助増額に關する陳情書、第六四八號、日程第一三、生活保護法による扶助金全額國庫負擔に關する陳情書、第六六九號、日程第一四、東北地方の水害罹災者救濟に關する陳情書、第六七三號、日程第一六、海外引揚者授助に關する陳情書、第六七九號、日程第一八、生活協同組合法案反對の陳情書外一件、第六九四號、日程第一九、水害罹災農家救濟に關する陳情書、第七〇二號、日程第二〇、盲人の鍼灸業禁止反對の陳情書、第七一四號、以上は昨日審査いたしました請願及び陳情とまつたく同趣旨でございますから、審査を終了したものとみなして御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○小野委員長 御異議なしと認めましてさように決します。本日はこれをもつて散會いたします。
   午後零時四分散會
ソース: 国立国会図書館
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