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1955/03/28 第24回国会 参議院 参議院会議録情報 第024回国会 議院運営委員会 第32号
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1955/03/28 第24回国会 参議院

参議院会議録情報 第024回国会 議院運営委員会 第32号

#1
第024回国会 議院運営委員会 第32号
昭和三十一年三月二十八日(水曜日)
   午前十時五十七分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石原幹市郎君
   理事
           剱木 亨弘君
           寺本 広作君
           天田 勝正君
           藤田  進君
           森田 義衞君
   委員
           雨森 常夫君
           石井  桂君
           齋藤  昇君
           榊原  亨君
           佐藤清一郎君
           宮田 重文君
           横川 信夫君
           東   隆君
           岡  三郎君
           亀田 得治君
           三浦 辰雄君
    ―――――――――――――
   議     長 河井 彌八君
   副  議  長 重宗 雄三君
    ―――――――――――――
  国務大臣
   国 務 大 臣 太田 正孝君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
  事務局側
   事 務 総 長 芥川  治君
   参     事
   (事務次長)  河野 義克君
   参     事
   (委員部長)  宮坂 完孝君
   参     事
   (記録部長)  丹羽 寒月君
   参     事
   (警務部長)  佐藤 忠雄君
   参     事
   (庶務部長)  渡辺  猛君
  法制局側
   法 制 局 長 奥野 健一君
  国立国会図書館側
   館     長 金森徳次郎君
   副  館  長 中根 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国会議員の歳費、旅費及び手当等に
 関する法律の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○国立国会図書館法の規定により行政
 各部門に置かれる支部図書館及びそ
 の職員に関する法律の一部を改正す
 る法律案(衆議院提出)
○国立国会図書館組織規程中一部改正
 の件
○国立国会図書館職員定員規程中一部
 改正の件
○職員に対する賄雑費の支給に関する
 件
○議案の取り扱いに関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。
 まず、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 便宜事務総長から御説明をお願いいたします。
#3
○事務総長(芥川治君) ただいま議題となりました国会議員の歳費旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案について簡単に御説明いたします。
 本案は、衆議院議院運営委員会において立案したものでありまして、両議院の議長、副議長及び議員の秘書に対し、会期中滞在手当を支給する必要があると認め、一日二百円の定額で支給せんとするものであります。
 これに要する経費は、衆参両院で二千百五十一万円でありまして、すでに三十一年度予算に計上して成立しているものでありますから、何とぞ御了承を願います。
#4
○委員長(石原幹市郎君) 御質疑ありませんか……。別に発言もないようですから、これから討論に入ります。
 御発言もないようでありまするから、これより採決いたします。
 本案に賛成の諸君の挙手を求めます。
  〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(石原幹市郎君) 全会一致と認めます。よって本法律案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容その他自後の手続につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと思いまするが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。
 これより本院規則の定めるところにより、本案に賛成の諸君は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    剱木 亨弘  寺本 広作
    天田 勝正  藤田  進
    森田 義衛  雨森 常夫
    石井  桂  齋藤  昇
    榊原  亨  佐藤清一郎
    宮田 重文  横川 信夫
    東   隆  亀田 得治
    三浦 辰雄
    ―――――――――――――
#7
○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#8
○委員長(石原幹市郎君) 速記を始めて。
 次に、国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案者から御説明願いたいと思います。便宜金森国会図書館長より御説明願います。
#9
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今回支部図書館を二つ作ることになりました。それはあとで詳しく規程の方の御説明のときに申し上げたいと思っておりますが、要するに、今回予算等の準備ができまして、防衛庁の図書館、それから警察庁の図書館、それができる予定になっております。従ってこれを支部図書館として法律の上に明白に認めまして、中の職員を置く、置くと申しましても、職員の数等につきまして若干の規制がございますので、その法律によらしめよう、これが趣旨でございます。
 ただ、ちょっと付随したことがございますが、支部図書館の職員を任命いたしまするのは、一般にその役所の制度によっております。従って普通の場合でございますれば、公務員法の定むるところによりまして、その服務等のことを規定するのでございますが、しかし防衛庁の方は普通の公務員法の適用がございませんので、その方の公務員に関する規定がございますので、その部分はその規定によるのだということの一つの変更をこの法律の中に含んでおるわけであります。
 以上、御説明申し上げます。
#10
○委員長(石原幹市郎君) 御質疑のおありの方は御発言願います。
 別に御発言もないようでありますから、これより討論に入ります。
 討論についても御発言がないようでありまするから、これより採決いたします。
 本案に賛成の諸君の挙手を求めます。
  〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(石原幹市郎君) 全会一致と認めます。よって本法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本会議における口頭報告の内容、その他自後の手続につきましては、先例によりまして、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。
 それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりまするので、本案を可とされた方は御署名を願います。
  多数意見者署名
    剱木 亨弘  寺本 広作
    天田 勝正  藤田  進
    森田 義衞  雨森 常夫
    石井  桂  齋藤  昇
    榊原  亨  佐藤清一郎
    宮田 重文  横川 信夫
    東   隆  亀田 得治
    三浦 辰雄
    ―――――――――――――
#13
○委員長(石原幹市郎君) 次に、国立国会図書館組織規程中一部改正の件及び国立国会図書館職員定員規程中一部改正の件を一括して議題といたします。
 国会図書館長から御説明を願います。
#14
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) この規程の第一の方は、組織規程の改正でございますが、先ほどちょっと触れましたように、今回支部図書館が二つできまして、一つは警察庁の支部図書館であり、一つは防衛庁の支部図書館でございます。そこでその二つのものをこの規程の中にはっきり明白に織り込む、これが主たる改正の趣旨でございます。
 ただ、それに伴いまして、なお私の方では上野の支部図書館というものを持っておりますが、これは本来、本館と同一の規程をもって律しまして、必要な変更だけを加えるというのが筋でございまするが、この図書館ができまする五年ばかり前の行き道では、かりに別々の規程をもってこれを律しておりました。しかし、だんだん新しい図書館の建築物が順当に進んで参りますると、早晩これは実際的にも合体しなければなりませんので、そういたしますると、その前にだんだんと機構をこれに合わせまするように、なるたけ密接にしておきまして、いざ何年か先に、事業を合わせて行いまするときに食い違いの起らないようにしたい、こういうような希望もございまして、一つの規程に入れてしまおうというのが、この今回の組織規程の改正の趣旨でございます。つまり、二つの支部図書館を加えるということ、上野の図書館を、実質の規程は大して変りませんけれども、一つの形式的な規程の中に織り込んでしまって、漸次統合の方向に準備をして行こう、こういうのが基本の趣旨でございます。
 それからいま一つの規程は、これは職員の定員に関しまする規程でございまして、条文は、甲の数字を乙に改め、乙の数字を丙に改めるというふうに、かなり煩瑣な形になっておりまするが、中身は非常に簡単でございまして、その大きな主眼といたしまするのは、今回予算の御決議によりまして、私の方の調立部局に十四人の職員が増加されることになりました。そこで、その十四人の増加を、調査員十四人を加える、これが一番根本の主眼でございます。
 さらに加えまして、先ほど、上野図書館を規程の上で一体化させる、こういうふうになりましたので、上野の現在の職員と、従来の本館の職員とをやはりこの規定で、その中で一つに合算するというのが第二の主眼でございます。ちっとも人数の上に増減はございません。
 第三には、中の職員を最も有効に希望を持って仕事をさせるというような含みをもちまして、従来この規程の外にありましたところの主事補十八人を、この規程の中に織り込みまして、主事十八人にする、これが第三の主眼でございますが、これは幾分形の上の優遇になっております。しかし俸給等につきましては、予算の上に何らの増減はございません。
 大体これだけがこの定員改正の趣旨でございます。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
#15
○委員長(石原幹市郎君) 御質疑のおありの方は……。別に御発言もなければ、両件ともに承認を与えることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#17
○委員長(石原幹市郎君) 次に、職員に対する賄雑費支給に関する件を問題といたします。
#18
○事務総長(芥川治君) 例年、年度末に職員に対して賄雑費を支給いたしましたが、今回も前回の例にならいまして、職員に対する賄雑費として、前年度通り約三百万円を支給したいと存じますが、これは国会職員の給与等に関する規程第十二条によりまして、議院運営委員会にお諮りすることになっておりますので、この支出の件を御承認をお願いいたします。
#19
○委員長(石原幹市郎君) ただいま説明の通り決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。
#21
○委員長(石原幹市郎君) それでは、公職選挙法の一部を改正する法律案の取扱いに関する件を議題にいたします。
 前回よりの質疑を続行いたします。
#22
○藤田進君 前回要求いたしておりました資料について、その提出を求め、若干の説明をお伺いしたいと思います。
#23
○政府委員(林修三君) 私から御説明いたします。
 前回御要求のございました一つの会期で同一の法律の中の同一条項について再三議決が加えられたものの事例を資料として出せというお話でございます。さっそくこれを作ったのでございます。
 前もってお断わりいたしたいのですが、日にちが短かかったものでございますから、すべての事例を実は網羅するいとまがございませんでした。ここに差し上げましたのは、その中で顕著と思われるものにつきまして実は取り上げたわけであります。こういう事例がこれのみにとどまるわけではないわけでございまして、その中で特に顕著と思われるものをあげたわけでございます。これは同じ題名の法律を同一国会、同一会期で直すということは、これは始終あることでございますが、それのみでなく、同じ法律の同じ条項、同じ条文について再三議決を加えた例、こういうものを標準としてこの例を書き上げたわけでございます。
 それから、この前御要求ございました中で、そういう法案の審議について、一事不再議の原則の適用についての何か議論があったかどうかということを、もしあったとすれば、それを合わせて書いてくれというお話でありました。これはあったものにつきましては書きました。ただ賛否の問題でございますが、これは実は賛否はもちろん全会一致であったか、多数決であったかは大体わかるのでございますが、どういう理由でそうなったということはこれは実はわかりませんのでございます。よく速記録等を調べれば、あるいはわかったのかわかりませんが、早急な場合でございましたので、一応その点は実は省略さしていただきました。御了承願いたいと思います。
 内容に入りまして御説明いたします。
 第一でございますが、これは第一回国会において、地方税法の条文について同じ条文を二回にわたって改正をした例でございます。これはそこに改正前の規定があげてございますが、当時の地方税法の第四十五条の三と、六十五条、八十五条の四の規定について、最初の昭和二十二年法律第百五十六号による改正は、税率といいますか、賦課の基準額をそれぞれ金額を一定限度まで上げているわけでございます。この条文の内容は、当時ございました府県民税、市町村民税の賦課額に関する規定でございます。これをまず上げまして、その後さらに追っかけまして、二十二年法律第百八十号によりまして、これをさらにもう一ぺん上げたわけでございます。これは議決の期間は一週間ぐらいしか間は置いておりません。そういうことで、同じ条文の同じ対象のものを追っかけて二回改正をしているわけでございます。その当時の理由は、結局当時の予算の財源、あるいは地方財政の問題からこういう改正がされたものと思われます。
 それから第二番目でございますが、これは第二回国会において、復興金融金庫法の改正でございますが、第三条と第四条第一項の規定について二回同じような条文についての改正が行われております。これは復興金融金庫の資本金に関する規定でございまして、初めの規定は五百五十億円でありましたのを、第一回の改正は七百億円に直し、さらにそれを第二回に九百億円に改正いたしております。これも当時の予算あるいは経済事情から、同一会期において同じ条文について二回の改正をした例でございます。
 それから三番目の例でございます。これは非常に特殊な例でございまして、第七回国会における例でございますが、政府職員の新給与実施に関する法律、これは当時政府の一般職の職員の給与に関する内容の法律でございますが、これは新らしい、いわゆる職階制に基く法律ができるまでの暫定的な法律として有効期限がついております。その有効期限が、その当時におきましては二十五年三月三十一日までたったわけでございます。ところで、その有効期限をさらに一年間延長しようとする内容の法律案を政府から出しまして、これが衆議院では可決されましたが、参議院で修正議決されまして、それをその有効期限の最終日であります三月三十一日に衆議院で三分の二で再議決したわけでありますが、それが三分の二の再議決が成立いたしませんで、従いまして、その法律は三月三十一日をもって失効いたしたのでございます。しかし、この一般職の職員の給与の基本法を一日もほうっておくわけにはいきませんので、翌四月一日に、衆議院議員の発議によりまして、一般職の職員の給与に関する法律案という名前の法律案が出されまして、これは同じ日において衆議院、参議院両方とも可決されて法律になったわけでございます。この法律案の審議の過程におきまして、新しく提案をされました一般職の職員の給与に関する法律案は、前に失効した政府職員の新給与実施に関する法律の一部を改正する法律案と実は同じ法律案ではないか。ただ同じ内容のいわゆる一事不再議の原則に当るのではないかというような趣旨の議論がございましたが、その際においては衆議院の議院運営委員会においてその議論がございましたが、当時、衆議院の事務総長から、新らしい法案は、内容はどちらも政府職員の給与の基本をきめようという点においては同一であるけれども、題名が違うし、本則と付則の条項中、一部に相違がある、そういうことが指摘されまして、結局一事不再議の適用がないものとして取り扱われております。速記録がそこに参照としてあげてございます。
 それから四番目が、これは第十三回国会、昭和二十七年でございますが、第一の例は、国家行政組織法の中の同じ条項についての改正で、三回改正があった例でございます。この規定は第二十四条の二という問題でございますが、これはこの前もたしか御説明いたしましたが、各省の内部部局の局の中に部を置きます期限を当時きめておったのでございますが、これは当時二十七年の五月三十一日まで局の中に部がおけるという規定であったわけであります。第一回の改正は、これを暫定的に六月三十日に延ばしました。第二回は七月三十一日まで延ばしたわけであります。第三回目の改正では、二十七年七月三十一日とありましたのを「当分の間」と直したわけであります。同一会期で、三回にわたって同じ条項の同じような内容のものについて改正をやっておるわけであります。
 それから同国会におけるもう一つの例といたしまして、行政機関職員定員法の同じ条項についての改正が行われております。これも約四回にわたって定員法の二条一項の各省の定員の表の改正が行われております。これはここに掲げましたように、第一回目の二十七年法律百十五号によるものと、二番目の二十七年法律第百四十九号によるもの、第四番目の二十七年法律二百五十四号によるものが運輸省関係の定員でございます。それから二番目の二十七年の法律第百四十九号と三番目の二十七年法律百六十八号の二つが、文部省の定員に関してそれぞれ改正をしております。それぞれ二回あるいは三回同じ省の同じ定員についての改正をやっておるわけでございます。
 三番目の事例でございますが、これは海上警備隊の職員の給与等に関する法律案でございますが、これはこの国会で海上保安庁の中に海上警備隊というものを置く法律案が通過いたしまして、それに伴いまして海上警備隊の給与等に関する法律案というのが両議院で可決されまして法律となりました。ところが、これは同国会にさらに保安庁法が出まして、海上警備隊を海上保安庁から新しくできます保安庁に吸収いたしまして、それに伴いまして、その国会で成立いたしました法律は同じ国会でまた廃止されたわけでございます。これは保安庁法の付則で廃止されております。同一国会で法律が制定され、同時に同一国会でその法律が廃止されております。
 それから五番目の例でございますが、第十九回国会の例でございますが、これは行政機関職員定員法の同じ条項についての改正が二回行われた例でございまして、やり方は先ほど御説明いたしました十三回国会の定員法の改正とほぼ同様でございますが、農林省の定員につきまして二回にわたり改正が行われております。
 それから最後の例は、これは二十二回国会、昨年の例でございますが、これはこの前御説明いたしたと思いますが、補助金等の臨時特例等に関する法律の有効期限の規定に関する改正でございます。これは初めの規定は、この法律が三十年三月三十一日まで有効ということになっておりましたのを、第一回の三十年の法律六号によりましては、三十年の五月三十一日まで延ばしまして、二回目の三十年法律第十三号によりましては、それを一月延ばしまして六月三十日となりました。それから三回目は三十年法律第三十号によりまして、さらにこれを本年の三月三十一日まで延長したわけでございます。この法律案の審議の過程におきましては、やはり一事不再議の問題が衆議院で問題となっております。このいきさつはそこに書いてございますが、最初三十年度の予算は衆議院の解散が行われましたような関係で、四月、五月については暫定予算として政府が出しました。それに伴いまして、まず政府は、この補助金等の臨時特例等に関する法律の有効期間を暫定予算に合わせまして、三月三十一日から五月三十一日まで延ばす案を出しました。これば議決を見たわけでございます。ところで、次には政府は六月以降は本予算が成立するという見込みのもとに、この法律の有効期間をさらに本年三月三十一日までとする一部改正案を政府から出したのでございますが、それが国会におけるいろいろの予算の審議の過程におきまして、六月についても暫定予算となることになりましたので、衆議院におきまして、この政府が出しました問題についてのいろいろの議論がございまして、さしあたりこの暫定予算に合わせて、この法律の有効期間を三十年六月三十日まで一月間延ばすことにしようというので、政府案とは別に、議員発議によりまして、この補助金等の臨時特例等の法律を一月だけ延ばす法律が発議されて、これが成立を見たわけであります。その際、衆議院の補助金等の整理等に関する特別委員会におきましては、そういうふうに政府案とは別に、これに並行して、議員の発議によりまして有効期間を一たん六月三十日まで延ばしたならば、政府案で出ておりますような、さらにこれを本年三月三十一日まで延ばす法案は一事不再議になって審議ができないのじゃないか、議決ができないのじゃないかという議論がございましたが、これは議員発議の六月三十日までの法案は、これは暫定予算に見合うものであり、政府で出しました法案の方は本予算に見合う関係になるから、一事不再議の原則の適用はしないという説明を政府側でも行いました。結局その委員会におきましては、そういう趣旨のもとに御議決がされたわけでございます。
 以上、私どもの調べました例について、顕著な例を約十件足らずここにおあげしたわけであります。
#24
○藤田進君 これは私ども注文した資料の一部ではありますが、一事不再議の原則について議論がなされ、そうしてそれがかなり与野党間というか、各会派間の論争になって、そうしてそれが採決等によってこれを決したとか、そういういきさつのあるものとないものとに分けてといっておったのですが、そのいずれを見てもそういう資料ではまずないし、同時にその問題の場合、当時各会派間の議論がそんなにないであろう性質のものなんですれ、全部。今回の場合は、そうではなくして、選挙法に少くとも約十ヵ所にわたって重複し、しかもそれが今出されておる資料、こういう事案とはおのずから内容の性質が違っておるものなんです。法律の廃止に伴うものとか、あるいは暫定予算に見合うものとして一応の期限をきめ、さらに本予算に……。これは常識の問題で異論はなかったろうし、ここに特にこういうものであっても、かつ一事不再議の原則に抵触しないという丁寧な説明もなされたということでありますが、今回の場合はそれとは違いまするので、もし資料がなくても、今申し上げたような一事不再議についての問題化した事例があるならば、その点をこの中でもけっこうですが、御指摘願いたいと思います。
#25
○政府委員(林修三君) ただいま御説明いたしましたのでございますが、ただいまここでお示しいたしました中で、一事不再議の問題で問題になりましたのは、この三の政府職員の新給与実施に関する法律が失効して、新しく一般職の職員の給与に関する法律を制定しよう、こういう場合、それから最後に御説明いたしました二十二回国会における補助金等の臨時特例等に関する法律でございます。新憲法になりまして、新しい国会の制度になりましてから、ただいま私の記憶いたしますところでは、一事不再議の問題が委員会で相当問題になりましたのはこの二つの事例でございます。あるいは落ちているかもしれませんが、私の記憶ではどうもこの二つだったと思います。従いまして、この二つをここにあげたわけでございます。
#26
○藤田進君 いや、これは、お伺いしますが、事の性質上、新給与実施に関する問題であって、一方予算との関係、そういう不可欠の条件があったのではないか、そういうこの選挙法との共通の事情があるならば、その点をあげていただきたい。
#27
○政府委員(林修三君) これは前回に私の方で御説明いたしましたが、結局一事不再議の原則というのは、あることが一事であったかどうかということの判断、その判断は、結局その条項のみならず、その条項の背景となっておる目的、趣旨、事情等によって、一事であったかどうかを判断すべきものであろうという考えのもとに御説明いたしました。ここに例としてあげましたのは、形からいえば、まさに同じ法律の中の同じ条文を、一回その条文を改正したにかかわらず、さらに同じ条項を改正しようとするものでありまして、その意味において今度の公職選挙法の一部を改正する法律案と形式的には実は同じような点があるわけであります。しかし、これはそれぞれ別の趣旨で、別の目的から、過去の例はされたわけで、議論になった場合、ならなかった場合を通じまして、そういう御趣旨のもとに一事不再議の原則に当らないものとお考えになって、これは御議決になったものと考えるわけでございます。今度の公職選挙法の場合は、予算とか、何とかいう問題ではございませんけれども、目的、趣旨はこの前御説明いたした通りでございまして、非常に前の法律の場合と今度の法律案の場合とは趣旨、目的が違う。そういう意味においては一事不再議の原則の適用はないものと、かように考えるというわけでございます。
#28
○藤田進君 そういう一般的なことを聞いておるのじゃなくて、この事案について、新給与の実施について、これは予算の裏づけということが当然問題になるでしょう。この場合、これがしかも参議院では修正議決されて、二十五年三月三十一日、従って同法の有効期限であった三月三十一日と、こういうものについて再議決の三分の二というものがとれなかった、衆議院で。だからこれは失効しちゃったわけだ。そういう事態に立ち至った。そこで四月一日になって議員発議という形においてこれを通したという経過からかんがみて、この選挙法との共通性というものは全然ない。少くとも公務員、政府職員に対する給与を支給するという絶対的要求に迫られてきているものと、それから一方予算との関連において、こういう処置をせざるを得ないということであったのではないか。今度の選挙法を、一事不再議の原則に抵触しないと称して、ここで強引に通さなくてはならぬという、より身近な具体的な問題の事情の相違というものがあるのではないか、こういう点についてどのような見解を持っているかという点をお伺いしたいと思います。
#29
○政府委員(林修三君) これはやはり一事不再議の原則ということの考え方でございまして、結局同じ条項についての前の一つの議決と、あとの議決が一事に当るかどうかということは、その前後の関係において、事情なり、目的なり、趣旨の異同があるかどうかということが問題として考えらるべきことであると考えるわけでございます。ここに例をあげましたのは、あるいは予算との関係、あるいは今申されました新給与の実施、公務員に対する給与の支払いの関係から、その趣旨が違うということから、この一事不再議の原則が適用にならないものと考えられたわけと思うわけでございます。今度の場合は、また別の趣旨、目的において違う、そういう意味においてやはりこの原則の適用の範囲外であると、かように考えるわけでございます。これは結局前後の議決が違うか同じかという問題から、その背景になっている事情とか、目的とか、趣旨が違うかどうかということの問題でございまして、その事情が予算であればいいとか、あるいは義務費的なものであればいいとか、そういうことによって区別せられるべきものでは必ずしもないじゃないか。やはり目的、趣旨等が違うかどうかという点から考えるべきものじゃないか。かように考えるわけでございます。
#30
○藤田進君 ここに出されているのは一々そうなんだ。暫定予算に見合う関係においてやる、暫定予算が四月末までなのに、そのうらはらになる法律は一年間とか、そういう形ではまずいので見合ったものにしている。もっとわかりやすく言えば、人間の生命あるものとして考えていたところ、その人が亡くなって、死んでしまって失効したという法律、だからそれを生きているものと同じようにものを扱うことはできなくなったという新しい事情のもとに処理されているものが多いのだ、この事例については……。今度の場合はそういうものでないので、これは議論にこれからなりまするので、これ以上この事例については質疑を避けますが、いずれにしても適切な事例ではないということだけを、この際申し上げておきたいと思います。
#31
○亀田得治君 簡単に。昨日の朝日の記事ですか、前の法制局長官の佐藤さんが、まあ一事不再理という問題もこの辺で一つ適正なルール、こういうものを確立してほしいというような趣旨の記事がちょっと載っておりました。私もまあそういう意味で、これはぜひ真剣にお互いに考たいと思うのです。結局形式的に同一事項をいかなる場合に扱い得るのかという問題に帰するわけですが、今、藤田君からも、本日出されたこの資料についてわれわれの意見を述べられたわけですが、私は政府の説明は非常に違ったものを二つ一緒にされておると思うのです。と言いますのは、目的、趣旨、事情、これらを総合してと、こういうふうに絶えず説明されておる。ところが、私非常に疑問を持つのは、これはあなたにも考えてほしいのは、目的、趣旨というのは、これはあとから出てくる。その前に一緒に言われておる事情ですね。事情の変化があったかどうか、これが非常に大事な問題なんです。同一事項をもう一度扱わなければならぬという事情の変化があったかどうか。これがあったから初めて新しい目的、趣旨に立って一つの法律案を扱う、こういうことになってくるわけで、私はそういう意味でこの二つを一緒にされておる、そして実際その三つの中で一番強調されるのは、今度は実際は事情を無視して、目的とか、そういうことだけを主として前面に出されて昨日から説明をされておるのです。だから、そういうふうな扱いになれば、目的、趣旨ですから、それに対する説明の仕方によって幾らでも説明がつくわけなんです。同一事項を扱うための説明は……。だから、これははなはだ主観的です。そういうことになれば、結局はこの原則というものは、多数さえ握っておれば、いつでもこういうものはあってなきにひとしい原則になってしまうのじゃないか、私はこれを心配しておる。従って私は目的、趣旨という前に、あなたのおっしゃっているその事情、これは客観的な事情なんです。そういう事情の変化があったかないか。私も昨日の論議を振り返ってみて、どうもふに落ちない点がある。いろいろ検討してみて、やはりその点に問題があると思う。
 そこで、けさこれをいただいたのですが、この第七国会における点ですね。今、藤田君の議論と若干重複しますが、これはまず大きな事情の変化があるわけですね。これは政府職員の給与に関する法律が無効状態になってしまった。これは大きな事情の変化です。これは大へんだ、一日もゆるがせにできない。こんなことは常識です。だからこれをもう一度すぐ取り扱う、これは当然なことであるわけで、事情の変化がまずある、目的、趣旨というものはその上に立って作られる、ただ法律についての問題なんです、こんなことは……。それからこの補助金に関する取扱いですね。これだって同じことです。本予算が早く成立すると思っておったが、それが成立しなかった。これは大きな事情の変化です。だからそういうわけなんですから、ぜひその点をやはり区別して取り扱われないと、この原則はもう多数党によっていつでもゆがめられる、こういう危険性がある。従って、私は同一事項の扱いをいつもやってはならないという意味ではありません。扱う場合があるでしょう。それはやはり今申し上げた緊急不可欠の事情の変化、これが先行してこなければいかぬ、これが認めらるる場合には堂々と取り扱うべきだ。ところが実際はいろいろな問題において、そういう事情の変化があったかどうか、若干疑わしい問題も相当これはあろうかと思います、見方によって。しかしそういう場合には、その相手方の同意を得る、そういう疑わしい場合には相手が少数党になるか、多数党になるか、そのときの事情でわかりませんが、いずれにしても、そういう場合には相手方の了解を得てやる。こういう二つの原則というものがあって初めてこの一事不再理の原則が守られていく、これは申さば原則なきにひとしい。まあ私はきょうは時間があまりないということですから、急いで結論的に申し上げたのですが、その目的、趣旨と事情というもの、この二つというものは分離して考えるのは私は正当じゃないかと考えるのですが、その点だけちょっと伺っておきます。
#32
○政府委員(林修三君) とにかく原則として考えますのは、ある法律案、あるいはある法律ができまして、それをさらに追っかけて改正いたしたいということが起りますのは、結局そこに客観的な条件が別になっておる。別な事態が発生したということだと思います。それはあるいはそういう政策を実行したい、あるいはそういう目的で新しい事態を起したい、あるいは客観的な事情が変化した、そういういろいろの事情がおのおのあると思うのであります。必ずしも客観的な事情が変化したというだけの問題ではないのじゃないか。ここに例をあげますけれども、たとえば海上保安庁に海上警備隊を置くということ、その次に保安庁に海上警備隊を置くということは、これは必ずしも客観的事情のみではないわけです。そういう政策を実行するという趣旨から、そういう目的から出ておるものであるわけであります。一回そういう法律を作ったけれども、新しい目的、趣旨から別に新しい法律を作った、こういう趣旨から出たものと思います。そういうものが変化しておれば、やはりその法律はもちろん不必要に改正すべきものでないことは、これは明らかでありまして、改正の必要性があるかないか、その改正の必要があるかないかは、目的とか、趣旨とか、あるいは客観的事情によって判断せられる、かように考えるわけであります。
#33
○委員長(石原幹市郎君) 本会議の時間の関係上、簡単に願います。
#34
○亀田得治君 もう議論はしません。海上警備隊ですか、この例等も今おっしゃつたのですが、そういう問題に入ると非常に長引きますから、私は申し上げません。過去の事例において私どもいろいろ議論を展開しておる立場からいうと、それは疑わしい問題も相当あると思います。しかしそういう場合には相手方の同意、これは一つの会議を進めるためのルールですから、この原則の必要性は半分はそのルールということからきておるのですから、従ってルールということがあれば、若干疑わしいと思われる場合でもいけるのです。従って、そういうものをすぐ、激しく論議されておるこの事例に持ってくることは、私は必ずしもこれは正しいとは言えない。しかし、これはやめておきますが、とにかくこういうわけで、この資料も私は今度一々よく検討してみたいと思います。そうして、これはいずれ本会議あるいは委員会等でも、この法案が審議されるときに、さらにこういう角度からの議論が展開されると思いますから、そのときに残しておきます。きょうはこのくらいでやめます。
#35
○委員長(石原幹市郎君) それではこの問題はこれで一応終了したことにいたします。
 これにて一応休憩いたしまして、前例により本会議の散会と同時に本委員会も散会いたしたいと思います。
 休憩いたします。
   午前十一時三十九分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
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ソース: 国立国会図書館
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