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1947/11/18 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会第三分科会 第2号
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1947/11/18 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会第三分科会 第2号

#1
第001回国会 予算委員会第三分科会 第2号
昭和二十二年十一月十八日(火曜日)
    午前十一時三分開議
 出席分科委員
   副主査 長野重右ヱ門君
      稻村 順三君    押川 定秋君
      寺島隆太郎君    淺利 三朗君
      西村 久之君    今井  耕君
 出席國務大臣
        商工大臣    水谷長三郎君
 出席政府委員
        商工政務次官  冨吉 榮二君
        商工事務官   松田 太郎君
        商工事務官   三木 秋義君
        商工事務官   鈴木 重郎君
        商工事務官   始關 伊平君
        商工事務官   和田 太郎君
        貿易廳次長   新井  茂君
        石炭廳次長   吉田悌二郎君
        商工事務官   椙杜正太郎君
        商工事務官   細井富太郎君
 分科員外の出席者
        豫算委員    庄司 一郎君
        專門調査員   芹澤 彪衞君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した議案
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)中商工省所管
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)中商工省所管
 昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)中商工省所管
    ―――――――――――――
#2
○長野副主査 本日は海野主査が事故のために、主査の職務を私が代つて行います。これより豫算委員會第三分科會を開會いたします。
 本日は商工省所管の審議をいたします。本日の會議に付する議案は、昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)中商工省所管、昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)中商工省所管及び昭和二十二年度特別會計豫算補正(持第三號)中商工省所管であります。まず政府の説明を求めます。
#3
○冨吉政府委員 ただいま議題となつておりまする商工省所管の豫算各案につきまして御説明を申し上げます。
 まず昭和二十二年度商工省所管の豫定經費補正第七號の要求額は、追加額五十九億六千三百九十五萬四千圓でありまして、これをすでに成立いたしました昭和二十二年度豫算額十三億二千六百四十四萬二千圓に加えますると、七十二億九千三十九萬六千圓と相なるのであります。この追加額は、組織別に部、款、項、目、節に區分いたしまして、實行する豫定でありまするが、その追加を必要といたしまする事項につきまして御説明を申し上げます。
 第一は重要輸出品等の國營檢査に必要な經費であります。重要輸出品等の品質の現状に鑑みまして、最も重要な機械器具、電氣通信機械、日用品の重要品目及び全、纖維製品竝びに試藥に對しまして國營檢査を實施いたしまして、品位竝びに技術の向上をはかりまするために必要な經費四千八百五十四萬九千圓のうち、三百九十九萬八千圓を機械器具檢査所に、千六萬七千圓を電氣通信機械檢査所に、四百七十七萬八千圓を試藥檢査所に、千百四十二萬七千圓を纖維製品檢査所に、四百四十七萬一千圓を日用品檢査所に、千三百八十萬八千圓を行政共通費に追加豫算いたしました。
 次は、纖維製品の檢査事務に必要な經費であります。纖維品の國營檢査強化に伴いまして、檢査事務の整備に必要な經費といたしまして七十一萬三千圓のうち、四十八萬五千圓を商工省纖維局に、二十二萬八千圓を行政共通費に追加豫算いたしました。
 次は、調査統計事務の整備擴充に必要な經費であります。鑛業及び生産動態に關する調査統計事務を整備擴充いたしまするために必要な經費二千四十三萬二千圓のうち、五十一萬圓を商工省鑛山局に、七百九十五萬七千圓を商工省調査統計局に、三十四萬五千圓を石炭廳に、六百十三萬二千圓を地方商工局に、五百四十八萬八千圓を行政共通費に追加豫算いたしました。
 次は坑木官の設置に必要な經費であります。炭坑用坑木の集荷、配給及び輸送の圓滑化及び利用の合理化に關する事務を處理する坑木官を設置するために必要な經費百二十萬一千圓のうち、二萬九千圓を石炭廳に、六十五萬三千圓を地方商工局に、五十一萬九千圓を行政共通費に追加豫算致しました。
 次は、財政法及び會計法の制定施行に伴う會計事務の處理に必要な經費であります。財政法及び會計法の制定施行に伴いまして必要となりましたところの會計事務を處理いたしまするために必要な經費三百七十五萬圓のうち、二十六萬八千圓を商工大臣官房に、五萬七千圓を特許標準局に、五萬七千圓を石炭廳に、四十五萬二千圓を地方商工局に、四萬四千圓を中央度量衡檢定所に、十萬一千圓を機械試驗所に、十一萬四千圓を工業試驗所に、五萬七千圓を陶磁器試驗所に、四萬四千圓を纖維工業試驗所に、五萬七千圓を地下資源調査所に、五萬七千圓を工藝指導所に、四萬四千圓を燃料研究所に、八萬八千圓を石炭坑爆發豫防試驗所に、七十五萬三千圓を纖維製品檢査所に、百五十五萬七千圓を行政共通費に追加豫算いたしました。
 次は特殊建築資材の確保に必要な經費であります。特殊建築資材の確保に關する生産促進、規格の確立、納入者の選定等諸般の事務處理に必要な經費といたしまして、十三萬九千圓のうち、一萬五千圓を商工省總務局に、四萬八千圓を地方商工局に、七萬六千圓を行政共通費に追加豫算いたしました。
 次は中小工業の振興に必要な經費であります。中小工業者の技術指導を行いますると、その共同施設に對しまして補助いたしまするために必要な經費二千三百五十萬圓を、商工省生活物資局に追加豫算いたしました。
 次は貿易資金へ繰入れの増加であります。貿易資金へ繰入れのため必要な經費といたしまして、五十五億圓を商工省總務局に追加豫算いたしました。
 次は外國貿易使節團宿舎設備に必要な經費であります。外國貿易團の來朝に伴いまして、その宿舎の設備を整備いたしまするために必要な經費二億八千九百三十四萬九千圓を貿易廳に追加豫算いたしました。
 次は行政監察委員會及び同事務局の設置に必要な經費であります。行政監察委員會及び同事務局を設置運營いたしまするために必要な經費十萬圓を商工大臣官房に追加豫算いたしました。
 最後は給與の改善に必要な經費であります。政府職員の給與特別措置費等の増加及び地方公共團體職員給與措置費補助のため必要な經費七千六百二十二萬千圓を行政共通費に追加豫算いたしました。
 次に補正第八號について御説明を申し上げます。昭和二十二年度商工省所管の補正第八號の豫定經費補正要求額は、修正減少額三千七百九十六萬七千圓でありまして、これをすでに成立した昭和二十二年度豫算額と、ただいま議題と相なつておりまする補正第七號との合計額七十二億九千五十八萬八千餘圓から差引きますると、七十二億五千二百六十二萬千餘圓と相なるのであります。この修正減少額は、組織別に部、款、項、目、節に區分いたしまして實行する豫定でありまするが、その修正を必要といたしまする事項について御説明を申し上げますると、次の通りであります。すなわち既定の經費を節約いたしまするために、商工大臣官房におきまして四十三萬四千圓、商工省總務局におきまして千三百十萬三千圓、商工省機械局におきまして十四萬圓、商工省化學局におきまして二十一萬一千圓、商工省纎維局におきまして二十一萬六千圓、商工省鑛山局におきまして五百十七萬六千圓、商工省電力局におきまして二十四萬四千圓、商工省生活物質局におきまして四十二萬圓、商工省調査統計局におきまして百九萬五千圓、商工省賠償實施局におきまして五十一萬二千圓、商工省電氣通信機械局におきまして七萬五千圓、特許標準局におきまして百五萬七千圓、石炭廳におきまして二百十九萬八千圓、地方商工局におきまして四百二十五萬五千圓、中央度量衡檢定所におきまして二十九萬九千圓、工業試驗場におきまして一萬八千圓、地下資源調査所におきまして、四十三萬九千圓、工藝指導所におきまして三萬圓、燃料研究所におきまして八萬二千圓、輸出絹織物檢査所におきまして十三萬千圓、輸出毛織物檢査所におきまして六十二萬二千圓、行政共通費におきまして七百二十一萬圓、合計三千百九十六萬七千圓を修正減少いたした次第でございます。
 次に昭和二十二年度商工省所管アルコール專賣事業歳出豫定額補正について御説明を申し上げます。既定の昭和二十二年度アルコール專賣事業の歳出豫定額に對しまして、追加額三千三百七十三萬八千圓、修正減少額四千百十五萬一千圓、差引減少額七百四十一萬三千圓でありまして、この補正の結果、昭和二十二年度アルコール專賣事業の歳出豫定額はすでに成立いたしました豫定額に加減いたしますると、十二億五千三百八十四萬三千圓と相なる次第であります。
 その追加または修正額は款、項、目、節に區分して實行する豫定でありまするが、その追加または修正を必要といたしまする事項について説明いたしますると、第一は財政法及び會計法の制定施行に伴う會計事務處理に必要な經費であります。財政法及び會計法の制定施行に伴いまして必要となりましたところの會計事務を處理しまするために必要な經費五十六萬五千圓のうち、三十四萬八千圓を事業費の項に、二十一萬七千圓を諸支出金の項に追加豫定いたしました。
 次は給與改善に必要な經費であります。職員の待遇改善をはかりまするために必要な經費といたしまして、三千三百十七萬三千圓を諸支出金の項に追加豫定いたしました。
 最後に既定經費の減少であります。既定の經費を節約いたしまするため、事業費の項におきまして三千六百五十九萬圓、災害復舊費の項におきまして二百六十萬三千圓、諸支出金の項におきまして百九十五萬八千圓、合計四千百十五萬千圓を修正減少いたしました。
 次に昭和二十二年度商工省所管貿易資金歳入歳出豫定額の補正について御説明申し上げます。歳入におきましては追加額一億五千四百三十三萬四千圓、修正減少額一千二百二十九萬千圓、差引追加額一億四千二百四萬三千圓、歳出におきましては、追加額一億四千四百三十萬三千圓、修正減少額二百二十六萬圓、差引追加額一億四千二百四萬三千圓でありまして、これをすでに成立した豫定額に加算いたしますると、歳入、歳出はそれぞれ一億八千四百六十六萬六千圓と相なるのであります。この追加または修正額は款、項、目、節に區分して實行する豫定でありまするが、その追加または修正を必要とする事項について御説明を申し上げます。
 まず歳入につきましては、歳出額に對する歳入不足を補うため必要な借入金一億五千四百三十三萬四千圓を借入金の項に追加豫定いたしました。昭和二十一年度における損益計算上の不足額の決定に伴いまして、一般會計よりの繰入金を減少いたしまするため、一千二百二十九萬一千圓を一般會計より繰吏の項において修正減少いたしました。
 次に歳出におきましては、第一は外國貿易使節團の來朝に伴い必要な經費であります。外國使節團の來朝に伴いまして、その關係事務を處理しまするため必要な經費九百六十四萬五千圓のうち、九百十三萬五千を事務費の項に、五十一萬圓を諸支出金の項に追加豫定いたしました。
 第二は南洋群島燐鑛開發事業の遂行に必要な經費であります。南洋群島アンガウル島の燐鑛開發事業を遂行いたしまするために、現地監督員派遣に必要な經費といたしまして、三十萬六千圓のうち、二十七萬圓を事務費の項に、に三萬六千圓を諸支出金の項に追加豫定いたしました。
 第三は財政法及び會計法の制定施行に伴い必要な經費であります。財政法及び會計法の制定施行に伴いまして、必要となつた會計事務を處理いたしまするために必要な經費七萬圓のうち、四萬圓を事務費の項に、三萬圓を諸支出金の項に追加豫定いたしました。
 第四は、借入金の利子を支拂うために必要な經費であります。昭和二十二年度におきまして、借入豫定になつておりまする借入金の利子を支拂うために必要な經費といたしまして、一億三千二百七十五萬八千圓を事務費の項に追加豫定いたしました。
 第五は、給與改善に必要な經費であります。職員の待遇改善をはかりまするため必要な經費といたしまして、百五十二萬四千圓を諸支出金の項に追加豫定いたしました。
 最後は既定經費の減少であります。既定の經費を節約いたしまするために、事務費の項におきまして百七十四萬五千圓、諸支出金の項におきまして五十一萬五千圓、合計二百二十六萬圓を修正減少いたしたのであります。
 以上で商工省所管昭和二十二年度一般會計竝びに特別會計豫算補正の説明を終りますが、詳細は御質問に應じてお答え申上げたいと存じます。何とぞよろしく御協贊のほどをお願いいたします。
#4
○長野副主査 これより質疑に入ります。
 ただいまのところ質問通告者が六名あります。質問はできるだけ簡單にお願いをいたしまして、各委員が質問できるよういたしたいと思います。最初に稻村委員に質問を許します。
#5
○稻村委員 今の政務次官の説明によりまして、商工豫算の概略を聽いておりますと、大體既定豫算の節約ということを言われておりました。この點われわれも非常に興味をもつて見ておるのでありますが、既定豫算の節約によつてやつたものが、わずかに四千萬圓くらいしかないのであります。その四千萬圓のうち事業費の節約というのがありまして、われわれから申しますならば、今後事業費の節約は、商工行政の上において非常に大きな影響があり、ややもすれば實際の民間事業までも萎縮させる危險が非常にあるのであります。この際われわれの一番關心をもたなければならないのは、いわゆる事務費と申しますか、そういうものを合理的に使つて、その點を節約するというふうなことに考えられるのであります。殊に重要なものは、備品費の節約という點であります。この點各官廳全部備品費を計上しておりますが、一つ一つ見ますと、きわめて小さいようであります。たとえば机が人數だけ足りないとしても、私たち民間の常識として考えれば、今、一つの机を常に増減によつて新しく入れるというようなことではなくして、できるだけ古い机をある程度まで使う。はなはだしいときになつたならば、机一つに一人というようなことは、どうしてもなければならぬというのではないのであつて、民間で耐乏をしているものとすれば、ある場合には一つの机を二人で使うというくらいに節約していけば、もつとその點節約ができるのではないか、かように考えるのであります。民間に耐乏を要求している以上、官廳が先に立つて耐乏をしなければならぬという意味で、こういうものの節約を思い切つてやれば、もつとそういう方面の節約ができ、しかも豫算の編成上において、一般の人間か納得するようなかつこうになるのではないかと考えるのですが、その點どうでありましようか、御説明願いたいと思います。
#6
○冨吉政府委員 具體的な問題につきましては、他の政府委員から御答辯申し上げますが、御方針に對しましては、まつたく同感であります。私ども常にそういうことを考えてもおりましたし、主張もいたしておりましたので、私が商工省に参りましてから、特にまた内閣に行政監察委員制度なるものが設けられて、行政監察委員長の職責を汚すにつきましては、とくとその點にも留意いたしまして、廳内の状況を監察して見てまわつているのでございまして、お示しの机、いす、その他消耗品の問題につきましても、種々節約と合理化の點について留意いたしているのでございますが、まず私の監察するところによりますと、商工省各局各課の状況を見ますと、むしろ一驚を喫するほどの状態になつておるのでございまして、この點は商工省といたしましては、できるだけ御趣旨に副うように努力をいたしているものと考えておる次第でございます。なおその他に關して具體的な御質問でございますれば、他の政府委員からお答えすることにいたします。
#7
○稻村委員 これはついでですからお尋ねいたしますが、消耗品費及び備品費というものは、商工省關係全部合計してどれくらいに豫定されているものですか、その點お尋ねいたします。
#8
○細井政府委員 正確な數字は、豫算が非常に複雜になつておりますので、調べてみないとわかりませんが、御必要がありますれば、この委員會の間にお答えすることにいたします。
#9
○稻村委員 それでは明日の豫算總會までに、ひとつ参考資料をいただきたい、こう思つております。
 それはとにかくといたしまして、先ほど私この豫算を全體として見まして、非常に窮屈なやり繰りが行われておるということを、私たちも大體想像できるのであります。しかしながら、われわれから言うならば、ある場合にインフレーシヨンを止めるために經費を節約しなければならぬということは、もつともな話でありますけれども、と同時に、實效のあるような方針が一應立てられなければならないというふうに考えておるのであります。殊に、最近は石炭という問題が非常にやかましくなつておりますが、さて私たち專門委員の話を聽いてみますと、日本の今日の状態では、ほとんど熱管理はなされていないというようなことで、實に今日ボイラーをたいておりましても、そのうちの七〇%は逃がしておるという説を立てておる人さえあるのであります。私は專門家ではないから、その當否は別といたしましても、熱管理をやることによつて、一割五分ないしは二割の燃料の節約は易々たるものだというふうな説を、海野委員などももつているようであります。そこでこの熱管理のために、商工省はどういう施策をしておるのか。またその熱管理のための豫算というものが、どの方面に具體的にどれだけ盛られておるのか。この豫算書においては、ほとんどはつきりしておりませんので、その點はちよつと御説明願います。
#10
○吉田政府委員 熱管理の必要でありますることは、ただいま仰せの通りでございます。實は今、石炭の増産に全力を注いでおりまするが、消費に必要な石炭というものの増産は、相當の年月を要しなければ、増産が達成できないと思いまするので、實は本年の六月に熱管理を石炭廳に移しまして、そうしてこの問題を特に取上げることにいたしたわけでございます。そして本年度の豫算において、熱管理のために計上をいたしております金は、石炭廳といたしまして十五萬七千圓、それから地方の商工局に對するものといたしまして四十二萬七千圓、これを本豫算において計上しております。それからただいまの追加豫算に計上しておりますものに、石炭廳しいたしまして十三萬圓、及び地方の商工局に對するものといたしまして四十萬圓でござすます。合計七十八萬三千圓でございます。
#11
○稻村委員 實はそれくらいなものは當然出されておつたといたしましても、これくらいで熱管理が十分にできるかどうか。このごろの状態になりますと、一人の技術者を派遣して熱管理をするにも、これは熱の度合をはかる機械も要ることですし、それにもつてきて、私たちがこうしてすればいいということを口でいくら言つても、この點業者は、どうしても從來の慣習に慣れておりまして、熱管理はほとんどいたしておるぬといつても過言でないと思います。その點、たとえば戰爭中に熱管理は失敗いたしましたけれども、しかし戰爭中に失敗したというのは、こういうふうな方面の技術者を動員することが不可能であつたというところに、一番大きな原因があつたと思います。しかし今では、幸か不幸かしらぬが、相當の技術者が遊んでおるような状態でありますので、この技術者を總動員していけば、簡單な測定の機械さえもつておれば、それで熱管理ができる。そうすればこういう技術者を地方に派遣して、重要な石炭を消費する工場を指導するというほどの熱意を示すということにならなければ、百萬圓足らずの金では熱管理はできない。おそらくただ事務上の問題を、簡單に形式だけ整えておきましても、これは形式だけで熱管理をしているというにひとしいと私は思つております。專門家がいろいろ調査したところによりますと、今日民間で遊んでいる全技術員を動員して、そうして熱管理を十分に徹底するには、三千萬圓の金があればいいと斷言している向きもあるのであります。どうしてこんなふうにわずか百萬圓足らずの金をもつて濟まそうとしてするのか、その點私は商工當局の御答辯が願いたい。
#12
○吉田政府委員 ただいまの豫算の金額は、いかにもわずかでございます。ただこの仕事の内容は、御承知と思いますが、大體は中央地方――地方は燃料研究所が主となつておりますが、熱管理士の養成に重點をおいております。その講習會の仕事が大體でございます。そのほかは現地の工場に参りまして、ボイラーのたき方等を指導する公職員の旅費等が大部分でございます。それから中央及び地方において熱管理、ボイラーの燃燒に當つておる人たちの指導をいたします講習會を開催することになつておりますが、これが大體この費用の内容であります。もちろんこの費用は十分ではございません。從つて石炭を消費しております工場の方におきましても、熱管理によりまして相當の石炭の節約はできることがはつきりしておりますので、この際熱管理の徹底をはかりたいという趣旨で、そういう消費工場を、大體商工省といたしまして商工大臣が指定しております、石炭を割合にたくさん使います工場が約千三百ほどございますが、その工場、事業場に重點をおきまして指導しております。これらの方々が自發的に熱管理協會というものをつくりたいというので、一つの盛り上る運動が出ております。こういう團體を中心にいたしまして、そこに商工省なり、あるいは商工局の職員、あるいはただいま仰せになりましたような民間の優秀な熱關係の技術家というものの御協力を願いまして、廣くこの熱管理をやりたいと思つております。豫算といたしましては、十分でないことは仰せの通りでありまして、來年度以降できるだけの豫算を頂戴いたして、この仕事を徹底いたしたいと考えております。
#13
○稻村委員 御趣旨は一應わかるのでありますが、何分この豫算ではこういうことをやろうといつても、できないと思います。千四百いくらという工場に對して、もしわれわれが指導しようとするならば、少くとも指導員の二百人くらいは必要になつてくるのではないか、私はこういうふうに考えております。そうしますれば、これは決して追加豫算を組んで、それから後にというようなことではなくて、相當これは早急を要する問題だ、殊に石炭が今年の冬は非常に危機で、鐵道さえ十分に運轉しないで、ある程度ダイヤをかえなければならぬというふうなことさえ言われておるときでありますので、これに對して、もしも三千萬圓くらいで濟むものであるならば、われわれとしては、こういうものに三千萬圓を出しても、インフレのただ中におきまして、三千萬圓といえば、そう大きな金でもないと私は思うのでありますので、そういう實效の上るものに全力をあげるというところに、商工省の産業行政の中心があるのではないか。どうも昔からの習慣で豫算を事務的に組むという傾向が強いのでありますけれども、そういうふうなことのないように、われわれとしても、この熱管理の問題について委員諸君との間にまた十分な意見も交換したいと思いますので、熱管理に關する私の質問はそれくらいに止めておきます。
 次にお伺いいたしたいと思うのは、纖維局長に纖維局關係の問題でありますが、最近どこへ行きましても、木綿の縫絲がなくて、著物が修繕できないので弱つておるのであります。これは全體において少いのでありますからやむを得ないといたしまして、實はこれの配給がどつちかと申しますと、畫一的だというところに非常に問題が起つてくるのではないかと思うのであります。たとえて申しますならば、北海道と九州とが大體同一の量が配給されておるわけでありますが、それは北海道と九州との間には、御承知の通り冬に向きますと、北海道の方が九州方面の何倍という冬ごもりの支度のために、繕わなければならぬものが多いのであります。特に北海道のごとき、あるいは東北地方のごときは冬のたびの繕いだけでも、實は皆さんも御承知でありましようけれども、このごろのような木綿の少い時代には、ほとんど古いものを厚く縫いまして、そうしてそれを足袋底にするとか何とかいうふうにして、補給しなければならぬというような状態になつておるのでありまして、もちろん九州も少いことは當然でありますけれども、殊に寒さの強い所と、寒さのそう激しくない所に同一の消費ということでは、寒い所の人間がほとんど何もできないという結果になつてしまうのではないか、この點に關する御答辯を願いたいと思います。
#14
○鈴木政府委員 國民衣料といたしましての縫絲の配給につきまして、暖かい地方、寒い地方という地區的な需給の事情を考慮して、その割當について考慮すべきであらうという御意見でございますが、御承知の通り今囘配給いたすことと相なりました縫絲の量は、一人當り、總平均でございますが、各人平均いたしまして、十匁の配給に相なつておるのでございます。これはその他の衣料品につきましても同樣でございますが、何分にも實需に比較いたしてみますと、きわめて少いのでございまして、全體の衣料品を通じましても、戰前のわずかに一割五分程度の數量にしかなつておらないのでございまして、しかも今申し上げましたような衣料の中の縫絲、あるいはその他のたびあるいは手ぬぐいというようなごく少量なものが、ようやく一般配給に相なつておるのでございます。從いまして、この縫絲の地區別な事情を考慮して配給するということにつきましては、その最低需要に對しまして、あまりにも不十分なような事情でございますので、この程度のごくわずかなものを――多少地方的な事情はございますけれども、このあまりにも少いものを、さらに差等をつけるということでは、ほとんどその需要に對しまして意味をなさないというような考え方から、今囘はその補修用の縫絲といたしましては、各地方男女あるいは大人子供等を通じまして、一人當り總平均十匁ということに相なつたのでございまして、なお寒冷地方の一般の需要につきましては、數量的には差等はございませんけれども、實際の品物の種類によりまして、なるべく寒冷地には寒冷地に向くような一般の衣料品の配給をいたすように考慮をいたしたい、こういう程度でございまして、縫絲につきましては、今申し上げましたような事情から差等は設けられないということで、本年は十匁一律に配給するということにいたした次第であります。
#15
○稻村委員 そうしますと、これは寒冷地の方面と、それから暖かい方面との間に、私たちから考えると、寒い方は三倍くらいおそらく修理の數量があると思うのですが、そういうふうな三倍もあるという場合に、最低の使用量は實は暖かい方ではこれで間に合わないにしても、何とかつけるということができていましても、寒い方ではほとんどこれは追つつかぬということになつてしまつて、實を言うと、平等のように見えて不平等な形になることは、十分御承知だと私は思うのでありますが、その點につきまして、これ以上の質問はいたしませんけれども、その點配給にあたつて十分に考慮していただきたい、かように私たちは考えております。
 それからもう一つ、これは農林關係にも多少關係がありますが、皮革の關係であります。實は獸皮がこのごろ屠殺の數量と供給の數量との間に、どういうふうになつているのか、この關係につきまして商工當局の御答辯を承りたいのであります。なぜかと言うと、今度どこからともなく、やみぐつが出てまいりまして、そうしてそれが非常に高い値段で修理や何かに盛んになされているのでありまして、この點政府の堅持するいわゆる千八百圓ベースというようなものを非常に亂しているのが多いのであります。私も昨日くつ屋にまいりまして、くつを修繕しましたところが、半がわ打つのに四百八十圓もとられました。こういうふうな状態でいきますと、最近のように勤勞者もほとんど皆くつをはいて行かなければならぬときに、半がわ打つとすれば、一箇月に一度あるいは二箇月に一度ぐらい打たなければならぬ。こういうふうな状態のときに、われわれとしては非常に困窮していると思うのであります。そこで私たちは、このやみに流れているところのくつの皮、あるいは獸皮というようなものをなくするためにも、われわれは屠殺數と供給數との間の關係を、十分明白にしておきたい、かように考えているものであります。その上に、これも農業省關係かもしれませんけれども、今日、牛馬が非常に逼迫化してまいつております。そこで少くとも肉の補填は、これは食料としては別でありますが、しかし農村あたりに參りますと相當斃死する牛馬が多いのであります。豚でもそうであります。そういうふうな皮を入れますと、ある場合には屠殺數より多いのではないか。仕事をしている間に足を折つて死んでしまつたとか、あるいはその他病氣で死んだとかいうような牛馬、あるいはその他のものの皮の方が、むしろ屠殺したものの皮よりも多いのではないかと考えておりますが、そういう斃死牛馬竝びに豚の皮などは、商工省の供給の數量の中に加えられているのかどうか、こういうことまではつきり押えていないと、われわれは千八百圓ベースを十分に堅持していくために、この生活必需品としての牛皮などの配給を確保することができないのではないかと考えておりますので、この點に關する御説明を願いたいと思います。
#16
○和田政府委員 お答え申し上げます。原皮の集荷の問題につきましては、ただいま所管官廳が複雜になつているのでございます。大體各府縣にございます屠場の監督は、衞生の見地から厚生省でいたしておりますし、またそこから發生いたします原皮を一應買い集めまして鹽漬けにする仲買人の面は、農林省の所管でございます。その仲買人から蹂製業者が買取りまして、なめし、さらにそれを皮製品にするという面が、商工省になつているのでございます。大體戰前におきましては、國内で約二萬トンばかしの原皮ができておりましたが、最近におきましては、牛等の數も相當減つております關係上、大體五千トン前後のものができていると考えられているのでございます。從來これらの原皮の集荷につきましては、仲買人に對しましては、農林省が切符を切りまして、その切符をもつて屠場から買う。さうに商工省から蹂製業者に切符を切りまして、蹂製業者がその切符で仲買人から原皮を買うというような、複雜な機構に相なつておつたのでございます。大體本年の第一・四半期におきましては、關東方面におきましては、商工省で發行いたしました切符は、ほとんど全部現物化したのでございますが、關西方面におきましては、その成績が相當惡かつたのでございます。この原皮の集まりが過去において非常に惡かつたということにつきましては、いろいろ原因もございますが、おもなものは二點であると考えます。第一點は價格が實際から見まして非常に安きに過ぎたという點と、ただいまの切符を發行いたします點が二重になつているという點から、なかなか現物化が理想的にいかなかつたという二點にあると考えられたのでございますが、價格の面におきましては、先般公定價格の改訂を見まして、相當合理化された價格になつたと考えておりますし、切符の面におきましては、この第三・四半期から、仲買人に對する農林省の切符というものは、原則としてこれを發行しませんで、商工省が鞣製業者に切りました切符をもつて、鞣製業者が仲買人をしてその切符によつて集めさせる。從つて切符によつて仲買人が集めましたものは、そのまま切符を依頼いたしました鞣製業者に渡つていくという筋合にいたしたのでございます。ただ各屠場における屠殺は、計畫的に行われるのでないので、どこの屠場でどの程度出るかということは、一應の推定をいたしまして切符を切りますけれども、實際の屠殺の數とは、幾分増減が出るわけであります。その關係から、切符が緊急の間に合わないことも想像されますので、大體商工省が發行いたします一割程度のものは、農林省から仲介人に切符を切つておく。それによつて集まつたものは、また別に正式のルートに乘せるというぐあいに、集荷の方法を改めたのでございます。その結果われわれといたしましては、この第三・四半期においては、相當原皮の集荷も成績をあげ得るのではないかと考えております。
#17
○稻村委員 この點については、なお詳しくお尋ねしたい點もありますけれども、先ほどから話がありましたように、厚生、農林、商工という三つのこみ入つた所管があるので、われわれとしてはこの點を明瞭にしておきたいのでありますが、明らかにすることができないことを、非常に遺憾に思つておりますけれども、時間の關係もありますので、私の質問はこれで止めておきます。
#18
○長野副主査 次に西村委員に發言を許します。
#19
○西村(久)委員 私は商工大臣の出席を願つて、商工大臣に御意見を伺うことを主體として、發言を要求しておつたのでありますけれども、大臣は關係方面にお越しでおいでにならないということでございますから、大臣に對する質疑は、大臣のお見えになる時期まで留保することにいたしまして、簡單に一、二お尋ねを申し上げたいと存じます。
 本商工省關係に屬しますのが、はつきりいたしません。大體において所管は内閣所管になるのかとは存じますが、價格調整費といたしまして追加豫算に百五十八億の豫算が計上されておるのでございます。これは價格を調整するための主要物資の調整費に當るものだと存じますが、このうち商工省所管の物資である石炭その他の關係の物資は、どういうふうな内容になつて、この價格調整をされる數字になるのか、内容を御説明願いたいと存ずるのであります。
#20
○松田政府委員 商工省關係の價格差益を、どの程度に見積るかということにつきましては、全體のわくが内閣にございまして、具體的の問題につきましては、いずれも内閣の物價廳の方できめることになつておりまして、一つ一つ商工省關係の各物資について、どれだけの價格差益金をあらかじめ配當しておるかというようなことをしてございませんで、具體的には、物價廳の方でその都度檢討してまいる、かような實情になつております。
#21
○西村(久)委員 そうしますと、商工省の方では、石炭の出炭量竝びにその額に對する價格差というものは沒交渉のような形と承知してよろしいか。
#22
○松田政府委員 そういうような點につきましては、一應商工省として、たとえば石炭の價格をおきます場合にも、生産廳としての要求、それからまたその場合に生産者價格と消費者價格というものを、どの程度に結びつけるかということについては、一應生産官廳として、あくまで生産者に對してはこの程度のコストを見てもらいたいということについて、十分資料等もそろえて、内閣物價方面に十分な連絡をとつて要求しますけれども、いずれにいたしましても、その開きをどういうぐあいにするか、また生産者のコストを最後的にどうきめるかという點については、ただいま申し上げたように、内閣、安定本部、具體的には物價廳できめるというようになつております。
#23
○西村(久)委員 そうしますと、一應商工省の方から物價廳と合議なされるのことについての何か基本でもございましたら、參考資料に伺いたいと存じますが、この點發表はできませんか。
#24
○松田政府委員 それにつきましては、いずれも商工省の方から要求いたします點は、生産コストの問題でありまして、これについては、石炭廳が中心になりまして、從來は石炭鑛業會等と緊密な連絡をとり、また各地方商工局等も動員いたして、できるだけ各炭鑛の生産コストを檢討するようにいたしておりますが、何分にも御承知のように今月の炭鑛には、大炭鑛もありますが、また同時に中小いろいろな段階の炭鑛がありまして、具體的に一つ一つの山について、はたしてどれだけのコストがかかるかということを檢討することが、非常にむずかしい事情もありまして、從つて從來はある限界と申しますか、範圍をきめて、大體グループグループに一應のあれをきめまして、全體的に平均してどれくらいのコストにもつてまいりたいというようにいたしたのであります。しかし今後各炭鑛の經理というものにつきましては、特に今日のように財政の緊迫しておる現状におきまして、これをはつきりさすということが、各炭鑛の今後の合理化をはかり、石炭の増産をしてまいる上において、資材等の問題と相竝んで非常に重大な問題でございまするので、ただいま今國會に御審議を願つておりまする石炭國家管理法等においても、できるだけそういう點を現場において十分監督をし、指導をするという意味におきまして、新しく設けられます石炭局なり、石炭局と一緒になつてそういう問題を檢討していただきまする地方の石炭の生産に關する委員會というものを今度設けまして、そういう點については、できるだけ具體的に檢討をいたしまして、將來の石炭の價格、各企業の經理という上に、できるだけ遺憾のない處置を講じてまいるというつもりで、今後の改善をただいまはかりつつあるところでございます。
#25
○西村(久)委員 石炭問題に移つたようでありますが、政府の方では、しきりに新しい坑から二十萬トンの増産をはかるということを言われておるようでありますが、これはどういう御計畫に基かれておるものか、伺つておきたいと思います。
#26
○吉田政府委員 石炭を本年度三千萬トン、來年度三千三百萬トン、逐次殖えまして、五年後において四千二百萬トン掘るという一應のめやすを立てております。そういたしますと、現在掘つておりまする炭鑛は、逐次その數が減つてまいりますので、どうしても新坑に手をつけなければ、數年後における増産ということは困難になりますので、新坑に著手する必要があるのでございます。新坑に著手いたしますと、これは相當の年月を經なければ炭が出ないのでございますので、とりあえずといたしまして、明年度においては現在すでに掘進をしておりまするもので、來年から炭の出るものが大體二十萬トンぐらいあるであろう、こういう豫想をしておる次第であります。
#27
○西村(久)委員 大體豫想されております新坑の數、あるいはおもな箇所等がおわかりでしたら、お示しを願いたいと思います。
#28
○吉田政府委員 ただいま二十萬トン出るという豫定でおります炭鑛は、七つございます。そのほかに掘進をいたしておりますものが相當あるのでございますが、來年度のうちに石炭が出るという豫定の炭鑛は、七つ豫定いたしております。その名前を申しますと、遠幌地區、三井福住地區、太平洋地區、赤平地區、以上北海道でございます。それから沖ノ山、小倉一坑、杵島五坑、この七つの掘進をいたしております炭鑛が、來年度から炭が出てまいる。合計いたしまして二十萬トン程度の炭が出てまいる、こういう豫定でございます。
#29
○西村(久)委員 商工大臣がお見えのようでございますから、商工大臣にお尋ねを申し上げます。ただいま國會で審議中の石炭國家管理法案に、商工大臣は席の温まるひまもないお忙しい状態のときに、御出席を願いまして、衷心より感謝をいたします。おいでの際お尋ねを申し上げてみたいと思いますのは、この石炭増産が、國家の再建に重要なる役割をもつことは、論をまたないのでありますが、年産三千何百萬トンかの確保をいたしますために、政府の方では、五箇年計畫で進まれるというようなことを申されておるようでございますが、この五箇年計畫につきましては、繼續事業費と相なるのでございますが、どういうふうな繼續事業として五箇年計畫をお立てになつておるのか、繼續年期等についても、御構想がありましたら、お伺いをいたしたいと存ずるのであります。
#30
○水谷國務大臣 これは大體五箇年計畫といたしまして、一應の目標を立てておりますが、これは出炭高を、現在設備による出炭高と、新鑛開發による出炭高と、それから平均のカロリーというものの上から考えておるのであります。昭和二十三年度においては、出炭高は三千三百萬トン、それは現在設備によるものが三千二百八十萬トン、新坑開發によるものが二十萬トン、カロリーは五千六百ということを考えております。二十四年度には、出炭高は三千六百萬トン、現在設備によるものが三千五百五十萬トン、新坑開發によるもの五十萬トン、カロリー五千八百と考えております。二十五年度には出炭高は三千八百萬トン、現在設備によるもの三千六百五十萬トン、新坑開發によるもの百五十萬トン、カロリー五千九百、二十六年度は出炭高四千萬トン、現在設備によるもの三千六百八十萬トン、新坑開發によるもの三百二十萬トン、カロリー六千、二十七年度は出炭高四千三百萬トン、現在設備によるもの三千六百三十萬トン、新坑開發によるもの五百七十萬トン、カロリー六千と考えております。そしてその新坑開發の計畫は、二十三年度におきましては、出炭炭坑七、掘進、炭坑二十二、二十四年度におきましては出炭炭坑十七、掘進炭坑三十一、二十五年度におきましては、出炭炭坑二十七、掘進炭坑三十七、二十六年度におきましては、出炭炭坑三十七、掘進炭坑三十七、二十七年度におきましては、出炭炭坑三十七、掘進炭坑三十七、こういうような計畫になつております。
#31
○西村(久)委員 現在審議中の石炭國管法案の施行は、四月一日からということに相なつておるようでございますが、この法案が國會を通過いたしましたならば、明年度において大體國管案に對しまする政府の所要經費は、どのくらいかかるという御豫定でございましようか。
#32
○水谷國務大臣 その點に關しましては、できれば四月一日から施行したいということを考えておりますので、ひとつ次の追加豫算に計上して、今度出る分には出ておりません。
#33
○西村(久)委員 今の追加豫算に出ていないことは、私もわかるのでございます。大體明年度以降に出てくる豫算には相違ないのでありますが、これを行いますのに、大體どれくらいな費用を要するかということの御豫定を伺つておるようなわけでございます。
#34
○水谷國務大臣 ただいま西村さんの重ねての御質問ですが、これはただいま作成をしておりまして、その上大藏省とも折衝いたさなくてはなりませんので、ただいまの段階におきましては、正確な數字は申し上げにくいと存じておるのでございます。
#35
○西村(久)委員 正確な數字をお尋ね申し上げているわけではないのであります。大體これくらいの程度の費用は要るという見透しをつけているということは、商工當局としてなければ、この法律案に伴う關係のものでございますから、法律案をこしらえるというのに、空虚な法律案になるかのような感じがいたします。私は、これが國會を通過すれば、當然どのくらいな費用が要るという大體の御構想はあられると存ずるのでありますが、大まかな數字で結構でございますから、お示しを願いたいと存ずるわけでございます。
#36
○水谷國務大臣 これはひとり國管の經費だけでなしに、ただいまの段階におきましては、あらゆる問題に關しまして、二十三年度の豫算をはつきり申し上げることは、無理ではないかと思います。
#37
○西村(久)委員 大體の所要經費の數字が、御發表できないといたしますれば、重ねて追究しようとはいたしません。
 今日、日本の中小商工業は、極度に萎靡沈滯の状況に相なつておるかのような感じがするのでございます。これが再建、中小商工業の健全なる發展を期することは今後日本の再建に重大なる役割をもつことは、申し上げるまでもないと存ずるのでございます。この疲弊のどん底に陷つております中小商工業の振興をはかりますのに、商工大臣としては、何らか具體策があられるか、お尋ね申し上げます。
#38
○水谷國務大臣 中小企業の問題に關しましては、西村さんと私らも同意見でございます。最近部内におきましても、その問題が取上げられまして、商工省内におきまして、中小企業總局というものをつくり上げまして、この問題を、この機構を中心にいたしまして、中小企業の振興の一應の法的整備を行つたような次第であります。ただ中小企業と申しましても、中小工業と中小商業という問題がございますが、中小工業の場合におきましては、できるだけ輸出産業と結びつけ、あるいは國内必需物資と結びつけて、これを振興させていきたい。ただいまの日本の經濟事情のもとにおきましては、中小企業であるからといつて、いかなる中小企業でも、全部それを保護育成する餘力はありませんので、そういうような輸出産業、あるいは國内必需物資というものを重點的に培養していくという考えをもつております。また中小商業の問題でございますが、これは何と申しましても、扱う品物が絶對的に少いのでありまして、昔のような、いわゆる中小商業の繁榮を、文字通り期待することは、きわめて困難であるかもしれませんが、政府といたしましては、流通秩序の確立のための末端機構につきましては、できるだけそういうような經驗者を活用いたしまして、現在の經濟事情のもとにおいて、そういう人を失業させないように、配給機關の末端機構に活用したいというぐあいに考えておる次第であります。
#39
○西村(久)委員 商工大臣のお話の通りに、日本の現状は、企業資材と申しますか、生産資材が非常に少いのでありまして、地方の中小商工企業の健全なる發達を早急に期待することは、はなはだ困難な實情下にあることもわかります。のみならず、中小商工業者が、生産品が少いために、また苦しい自分の家業を營んでいかなければならない實情下にあることも了承いたすのでありますが、少い資材を有效に、しかも企業の健全なる運營ができていくようにいたしまするためには、何と申しましても金融面を考えなければならないのじやないかということを、私は感ずるのでございます。ところが、今日は中央も地方も家庭も赤字だということを、しきりに言われておるのでございますが、赤字の家庭ばかりではないじやないかと私は考えます。一概に皆赤字だというように斷定はくだされぬのじやないかと、實は考えておるものであります。しかしながら全般的に金融が逼迫いたしておりますることは、了承いたしておるのでございます。そのやさきに、地方の財政が御承知の通り非常に苦しくなつてまいつております。從いまして、金融機關に地方公共團體の方から一時的の融資を仰ぐ、また中央は中央財政資金の囘收のために、中央金融機關から金をまき上げる、こういうことになつておりまするために、今日地方の産業資金というものが、中小商工企業と申しまするかはなはだ産業方面に融資が困難なような形になつて、ほとんど金融梗塞の状態におかれておるのであるということを心配するのでございます。この點に對しまして、商工大臣としては、努めて金融の緩和をはかつていこうというお考えがあられるかどうか、この點をお尋ね申し上げたいと思うのであります。
#40
○水谷國務大臣 中小企業に對する金融問題に關しましては、まことに西村さんと私は同意見であります。商工省といたしましては、できるならば中小企業專門の金融機關をつくりたいと考えております。さいわい現在の大藏大臣は、在野時代におかれましては、この中小企業に關する專門機關をつくりたいという持論のようでありましたので、目下大藏當局と折衝いたしまして、どういう形になつてきますかしりませんが、中小企業を中心とした何らかの金融機關を新しくつくるか、あるいはさらにまた既存の金融機關を整備統合するか、その形はどういうふうになるかしりませんが、そういう點を至急考案いたしまして、この中小企業の健全なる發展のための、健全なる金融というものを、極力考えたいと考えております。ただいまのところでは、その中小企業專門の金融機關はどういうものだということを、具體的に申し上げることができないのは殘念でございますが、商工當局といたしましては西村さんとまつたく同意見であるということを御了承願いたいと思います。
#41
○西村(久)委員 もう一點お尋ねいたしたいと思います。今日貿易が再開されまして、商工省の今後におけるお仕事は、まことに重要な關係が伴つてくると思うのでございます。ところが、見返り物資として日本から輸出いたしまする品物の中でも、陶器類でありまするとか、あるいはお茶でありまするとか、纖維製品でありまするとか、海から上りまする品物では、するめであるとか、あるいはさんごであるというような、いろいろな物資が見返り品として選擇されなければならないと存ずるのでございます。この物資は、御承知の通り國内の價格が非常に高いために、よそへ出して他國の品物と競爭するような場合に、國産品の輸出に少からぬ支障を來すのではなかろうかということを、實は心配いたすのでございます。從いまして、もちろん少い物資を輸出するのでありまするから、輸出いたしますならば國内消費量が減つてまいりまする關係等が伴いまするので、價格も早急に國産品は安い價格にはならないと存ずるのでございますが、何か輸出物資に對しまする關係の品物につきましては、別個のお考え方で、輸出量に對する支障を來さないような御計畫でもあられるものかどうか、この點をひとつお尋ね申し上げてみたいと思います。
#42
○水谷國務大臣 ただいまの點も、最近バイヤーが來られまして取上げられた、大きな問題の一つであるのでございます。もちろんこの輸出價格というものは、國内價格を無視してはあり得ないのでございますが、ただいま御指摘のように、國内價格がめつそう高いそのためにせつかく伸びる輸出も伸びないというような點も、まことに御指摘の通りであるのでございまして、いわゆる國内價格をいかよう調整するか、そうして價格の面から輸出が止り、あるいは妨害されるということのないように、この輸出價格を何とか調整したいという考えはございますが、何分これは商工省の一存だけでまいりかねる問題でありますがゆえに、商工省といたしましては、できるだけ御期待に副うように努力をしたい、このように考えております。
#43
○西村(久)委員 私の質問は時間も經つたようでございまするから、これで他の委員にお讓りいたします。
#44
○長野副主査 次に今井委員に發言を許します。
#45
○今井委員 時間がだいぶ經つておりますので、簡單に質問したいと思います。
 私は現在の食糧事情から考えて、肥料生産に重大な關心をもつておるものであります。最近の電力事情が相當肥料生産に影響しておるのでございますが、どんなふうになつているか御説明を願います。
#46
○三木政府委員 肥料の生産は、終戰後比較的順調に進んでまいつたのでありまするが、本年の七月が大體そのやまをなしまして、窒素肥料、たとえば硫安についてみますならば、七月に七萬五千トンを出しまして、これが戰後の最高記録をなしております。ところが八月、九月は概ね五萬トン臺で、十月が六萬一千トンというような状況になつておりまして、非常に生産の低下といいまするか、はなはだ遺憾な状況になつておるのであります。これは、ただいまお話のありましたように、主として電力關係でございます。肥料の生産が最近低下いたしておりまするところの原因の七割までは、今の電力關係で、殘りの三割の部分が、機械の故障、その他の理由であるというふうに御承知願います。
#47
○今井委員 電力のために、非常に能率が落ちておるようでありますが、今日の食糧事情から考えまして、肥料は百日前の食糧であつて、八月にやつた肥料がようやく十月にきいてくる。また三月にやつた肥料がようやく六月の麥の收穫に關係してくる。何としてでもこの肥料を確保しなければ、これによつて減産は免がれぬ。こういうものについては、何か特別の考慮を拂つてそうして生産が落ちないようにしないと、今政府の方でも農業生産調整とか何とかいつておりますけれども、かんじんの肥料について責任がもてぬようでは根本的にこういうものは問題にならぬと思います。これに對して今後どういうふうに對處せられるか、また下つた電力事情で、しかたがないというのか、お考えを承つておきたいと思います。
#48
○三木政府委員 ただいまの窒素肥料の生産減退の大部分の原因は電力にありますので、われわれといたしましては、電力事情の非常に窮屈な際でありまするけれども、これを一つの重點産業として、この部分に十分の電力を確保いたしたいと考えております。近く御承知のように電力の割當が實施されますので、その際におきまして、われわれとしては、どうしても生産の確保のために必要であるところの電力を、優先的にこの肥料部面にまわしていただきたいと考えております。しかしながら、全體のわくが非常に窮屈な際でありますので、あるいは十分のことができないかもしれない。しかし、それに對するところのカバーの方法といたしましては、われわれは電力を餘り多く使わないでできる過燐酸石灰の増産をやつていきたい、かように考えております。過燐酸の方は、さいわいにして燐鑛石が非常に富豐でございますので、ただいまのところ、非常に順調に生産が進んでおります。毎月増産の新記録をつくつておりまして、先月も七萬二千トンの生産をあげておりますが、これは終戰後の最高記録でございます。今後もなお過燐酸石灰の方面が比較的順調に伸びていく見込みでございますので、この方で相當カバーできるのではないかと考えております。なおこの秋肥につきましては、われわれの計畫が、相當減産になりましても、農家に約束いたしましたところの數量は、十分確保できる確信がございます。ただ明年の春肥にまわりますところの繰越の數量が、多少狂つてくるかもしれませんが、その面につきましては、明年においてさらに増産をはかるなり、あるいは金融面の確保をはかるなりいたしまして、必要な數量をできるだけ確保してまいりたい、かように考えております。
#49
○今井委員 過燐酸石灰の増産はたいへん結構でありますが、過燐酸石灰の増産で窒素肥料を補うということは、これは效果が違うのでありまして、やはり必要な窒素肥料は、絶對確保しなければならぬと思います。ただいま御答辯の中にありましたが、今肥料年度の計畫に支障を來すようなことがあつたら、たいへんだと思います。どうかひとつ萬全の措置を講じていただきたいと思います。
 次に、硫酸の不足について、硫化鑛が非常に不足する、あるいは硫化鑛が輸送の關係で數萬トンも滯貨するというようなことを聽いておるのでありますが、その邊の事情はその後どうなつたでしようか。
#50
○始關政府委員 電力の關係で、肥料の生産が順調でありました當時は、硫化鑛が不足がちでありました。大體生産の趨勢を申し上げますと、第一・四半期は月六萬トン臺、第二・四半期は七萬トン臺、これではわれわれの期待しておりまする百十萬トン程度の生産の完遂ができませんので、十月の下旬から、硫化鑛の増産増送運動というものをやつておりますので、成績が大分上りまして、現在では八萬トン臺、九萬トン近くまでいつております。電力事情が多少好轉いたしましても、硫化鑛の方で肥料の生産に御迷惑をかけるということは、ただいまのところないと信じております。
 なお東北方面の水害に關連いたしまして、一、二の鑛山の輸送が非常に詰まつておつたのでございますが、これもその都度運輸省當局と相談いたしましてただいま松尾、花岡等を初めといたしまして、大きい鑛山につきましては、請願の問題もございますが、輸送もまずまず順調にまいつておるというふうに了承しておる次第であります。
#51
○長野副主査 この際淺利委員に發言を許します。大臣に對する質問はできるだけ簡單にお願いをいたしたいと思います。
#52
○淺利委員 ただいまの西村委員の御質問に關連いたしまして、大臣にお伺いいたしたいと思います。石炭の増産問題でありますが、國家管理案は、四月一日、あるいは新聞によりますと、七月一日という議論もあるようでありますが、どの道これは四月一日以降の問題と思います。しかしこの増産の必要は、今日このとき、すでに必要を感じておるのであります。これに對して、過般マツカーサー司令部からも指示があつたようでありますが、國家管理法をするとしないにかかわらずただちにこれに對する對策が講ぜられておるということであるが、それが豫算面にはあまり現われておりません。あるいは資材の問題、資金の方面、あるいは勞働關係、あるいは輸送、食糧、住宅問題、これらの面について、この増産を確保する、またこれを急速に推進する意味において、現在どの程度のことをなされておりますか、この點についてひとつお伺いしたい。
#53
○水谷國務大臣 ただいまの御發言でございますが、マツカーサー元帥の書簡に答えて、石炭の非常増産對策要綱を發表いたしましたことは、御案内の通りでありますが、あの場合いわゆる一番大きなやまはどこにあるかと申しますと、結局作業方式であろうと思います。その作業方式にいたしましても、い、ろ、はと三つをあげまして、そのうちどちらかをとつてもらいたいという方法をとつておりまして、できるならば經營者竝びに勞働者の自主的協力によりまして、あの非常増産對策要綱に副うてもらいたいという考えをもつております。さらにまた、政府といたしまして、そういうような作業方式、これはいくらか何と申しましても、いくらか勞働時間の延長なども含まれて、勞働強化になるものでありますがゆえに、はたして經營者竝びに勞働者だけに任せておいて問題が解決できるかどうか、これは大きな疑問があろうと思います。從つてこのたび新聞を通して御案内のように、炭價の問題に關してそれが引合うとか引合わぬとかいう問題が起りまして、いろいろの事由をもつて炭鑛が非常に金融的に困つております。それに對しまして、政府といたしましては、金融面におきまして臨時の措置をとつたのでございます。しかしながら、この金融面において臨時の措置をとりました場合においても、炭鑛が臨時増産要綱に盛られたこの作業方式のいずれか一つをとること、あるいはその他の條件を附しまして、石炭企業に對する最重點方策はあくまでも堅持するが、ただ無條件に企業を甘やかすというような點とは嚴に區別いたしまして、そういう金融面からいたしまして、經營者竝びに勞働者がマツカーサー元帥に答えました非常増産要綱の作業方式のどれか一つをとらなくてはならないということを、要請しておる次第でございまして、それらの點は、大體十一月あるいは十二月で、その作業方式というものは各炭山いずれかはとらなくてはならないと思うのでございます。さらにまた、ただいま御指摘の増産對策費というものは、これは豫備金から支出してもらうことにしております。目下その要求をしておりまして、いわゆる當局と折衝中でございまして、どういう數字でおちつくかは、ただいまのところでは申しかねるような状態になつております。さらにまた、この國家管理法による經費は、大體あの國家管理法がさいわいに通過いたしました場合におきましても、總則の部分と石炭局の部分とは、できるだけ早く搾り出さなくてはならないのでございまして、それらの點に關してのいわゆる經費は、目下要求しておるような次第でございます。
#54
○淺利委員 豫備費から要求されるのは、およそどのくらいのお見込みでありましようか、御發表ができますならば、參考に承つておきたいと思います。
#55
○水谷國務大臣 正確な數字は申しかねますが、大體二千萬圓ないし三千萬圓程度というふうに御了承願いたいと存じます。
#56
○淺利委員 さきに御發表の中に勞働勤務の問題もあつたようであります。これはやはり先刻お話のように、十一月には解決するお見込みでありますか。
#57
○水谷國務大臣 これは大體今度の金融をいたすときの一つの條件になつておりまして、從つて十一月から十二月のうちにおきまして、各鑛山々々がどういう作業方式をとるかということがきまつてくるだろうと、このように考えております。
#58
○淺利委員 現在やつておりますことと、國管になつて實施することとの比較において、現在のままではやれないが、國管になればやれるというものは、このうちどれだけのものがありましようか。
#59
○水谷國務大臣 御質問の點が少し理解できないので、あるいは見當違いの御答辯をするかもしれませんが、國管法は一つの増産の組織法でありまして、これ一本で増産ができるという考えはありません。この組織法を中心にいたしまして、いろいろな金融對策、資材對策、その他の具體的な増産對策がとられまして、そうして併せて一本という形になつて増産がやつていけるようになるだろうと、このように考えております。もちろんこれは見解の相違かどうかしりませんが、マツカーサー元帥より書簡によつて總理に提出され、それによつていわゆる非常増産對策要綱を政府は決定した。見る人によれば、この非常増産對策ができるのじやないかというのも、一つの見解でございましよう。さらにまた見る人によれば、この非常増産對策要綱を強力に實施するためには、國管という増産の組織法がなくてはならないということも、有力な一つの見方であろうと思います。ただ私の意見を率直に言わしていただくならば、現在のいわゆる石炭増産においては、いかに最重點施策を遂行してまいるにおいても、現在の日本の經濟の力においては、いわゆる資金、資材に限りがあると考えるのであります。結局は生産要素の七五%を占めておる勤勞意欲を、いかに振興さすかという點に、重點がおかれておるのではないかと思います。このたびのいわゆる非常増産對策要綱によりましても、作業方式はい、ろ、はと三つになつておりますが、所詮は勞働時間の延長、または勞働強化はある程度免れるわけにいかないのであります。從つてわれわれといたしましては、この國管法の組織法に盛られた生産協議會を活用いたしまして、勞働者の方が經營の面にある程度タツチすると、鑛山の事情がいろいろわかつて、これならばわれわれも時間をこれくらい延長して、生産増強をやらなくてはならないという氣持を奮い起さすために、この國管法が相當の力を與えるものでございまして、われわれはそういう意味におきまして、この國管法が、増産のいわゆる組織法であるというぐあいに考えておる次第でございます。
#60
○淺利委員 それではほかのことをもう一つお伺いいたします。
 賠償設備の撤去が明確に定まらぬ今日、企業轉換の方面においても、その他の方面においても、非常に産業の發達を阻害しておる。この賠償設備撤去が決定、あるいはその決定の結果、從來の日本の生産能率に比してどのくらい能力が減つてくるか、たまこの決定がはつきりするのは、いつごろのお見込みでありましようか。その時期の問題について、お見込みを承りたいと思います。
#61
○水谷國務大臣 この賠償問題は、きわめて微妙な問題であり、また戰敗國の日本といたしましては、自分でそういうようなことを決定する地位におかれておりません、あくまで受身でありまするがゆえに、私どもといたしましては、非常に説明しにくい問題であります。抽象的に申しましても、九月に九州に參りましたときにも、電力飢饉の一つといたしまして、いわゆる火力發電が賠償の對象になつておる。從つてそういう意味において思い切つた火力發電の修繕修理ができない。またとられるか、とられないかわからないという意味で非常に不安であります。これは私もその點は同感でございまして、日本政府といたしましては、そういう點に關しまして、できるだけ早い機會におきまして、この設備がとられるか、とられないか、さらにまた一應賠償の對象になつても、はずされるかどうか、きめてもらいたいという點に關しましては、あなたとまつたく意見は同じでございます。しかしながら、今私の口から、たとえば電力問題に關しまして、大體いつそういうようなことが決定されるというようなことは、私の立場として、ここで言明することは遠慮さしていただきたいと思います。さらにまた、この賠償設備が撤去されたあと、日本の産業界にどういう影響を與えるかということは、これは電力あるいはその他それぞれの産業部面に對しまして、檢討をしなくてはならないのでございます。しかしながら、その個々の産業部面における檢討はまた別といたしまして、大體の問題といたしましては、これまで連合軍がいろいろに形において、日本の賠償設備撤去後における日本の産業水準、あるいは生活水準はかくあらねばならないということは言われておるのでありまして、大體のめやすは、それにおいてわれわれは考えることができますが、具體的に個々の産業部面に對して、いかなる影響を與えるかということは、ただいまそういう點が明確に結論に達していませんものですから、私どもとして明確にお答えするわけにいきません。ただ商工當局といたしましてはポツダム宣言の忠實なる履行をして、きめられたものを最短時間に忠實にこの義務を履行するという考えをもつておりますが、きまるまでに至る過程におきましては、できるだけ日本に對して理解ある態度をとつてもらいたいということを折衝するよりほかに途がない、このように考えております。
#62
○淺利委員 この問題は非常に微妙な問題でありまして、また非常に日本の將來の産業に重要な影響がありますから、この際ぜひとも商工大臣におかれては最善の努力をもつて、この問題を有利に解決するように願いたいということを申し上げまして、大臣に對する質問はこれで打切りたいと思います。
#63
○長野副主査 今井委員に先ほどの質問の繼續を許します。
#64
○今井委員 もう一つお伺いしたいのですが、輸入肥料の見透しは、どういうようなことになつておりますか。
#65
○三木(秋)政府委員 輸入の問題は、直接私の所管ではございませんので、どうかと思いますが、われわれの存じておる範圍におきましては、比較的日本側の要求が有利に受け容れられるであろうというような情勢であるように聞いております。
#66
○今井委員 もう一つお伺いしますが、石油の配給の問題ですが、石油の配給を農業團體に取扱わすとか、扱わせないとかいうことを、いろいろ話合つておるようでありますが、その後の經過をお伺いしたい。
#67
○始關政府委員 この問題は……。
#68
○長野副主査 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#69
○今井委員 とにかく石油の中で農業生産に必要なもの、これは特殊性のものでありまして、たとえば害蟲驅除をいたしますについても、あるいはまた旱魃の場合の石油にいたしましても、これは農家に石油を、ただ機械的に配給しただけでは、非常な支障を來すのでありまして、何どきどの地方に集團的にうんかが發生するかわからない。そういう場合には、その地方に、縣下全體のものをもつていかなければならぬ場合もできてきます。それをこまかくわけてしまつたならば、そういうときに間に合わない、またわけてしまつたならば、ほかにそれが使われることになる。それで最も效果的にこれが使われていくことが、最も必要だと思う。そういう點から考えて、特殊的に扱つていつて、そうして最も實情に即應するように使うことにしなければ、足らぬところのものが、よけい足らぬことになつてくる。重點的に使うという上から、これが最も必要である、こういうふうに考えるのであります。これについて、いろいろ政治的にはあるようでありますが、そういうことは考えないで、ほんとうに増産のために最有效にこれが使われる、これを根本として考えなければならぬ。ほかからいろいろな意見があつても、そういうものは採用さるべきものではないと思う。また關係方面からいろいろ御意見もあるようでありますけれども、こういう方面につきましても、今日の食糧事情から考えて、眞に増産に役立つやり方が一番必要であつて、こつちの方面にこんな要求がある、あつちの方面にああいう要求があるからというので、左右さるべきものでは絶對にない、こういうふうに思うのです。それでこれは今まで農業會がやつてきましてけれども、そんな經過にとらわれる必要はないのでありまして、今後農業協同組合ができてくる。なるほど個々の協同組合を單位として配給するというならば、少々數多いから困るようなことがあると思いますが、そういうような協同組合が共同してこれを受けるということにすれば、その數というものが整理ができると思う。眞にそれが増産に役立ち、また農民の要求するところであるならば、これはその線に沿うていくということが絶對條件である、こういうふうに考えるのです。それで、私はこの問題について、そういうような純眞な立場から考えてもらうことが最も必要だ、こういうふうに考えるのでありますが、御所見を伺います。
#70
○始關政府委員 大體お話の通りでございましては、われわれといたしましては、公團が直接相手にして、いいだけの數――これは全國的に申しまして二百とか二百五十とかいうくらいにまとめてもらわなければ困ると思いますが、そういう數のものであつて、かつ相當な扱い量があるということでありますれば、これを公團直配の形なり、あるいは指定するなり、どちらかの形でまいるといことにつきましては、別に何ら異存はございません。
#71
○長野副主査 まだ長いですか、簡單に願います。
#72
○今井委員 簡單にやります。先ほどから申しましたような趣旨に副いまして、いろいろな方面から、いろいろな運動が行われるように聞いておるのでありますが、どうかひとつそういうことに動かされないように、なおまた關係方面のいろいろな御折衝もあるようでありますけれども、關係方面とても、その點につきましてはつきり了解をしてもらうということによりまして、増産に支障を來さぬように善處せられんことを特に希望する次第であります。以上で終ります。
#73
○長野副主査 淺利委員に發言を許します。
#74
○淺利委員 大體のことはわかりましたが、南洋群島のアンガウルの燐鑛開發の問題、これは日本の食糧増産の上においてたいへん喜ばしいことと考えます。この開發事業のやり方は、豫算面では監督官を派遣するとありますが、開發の事業は政府がやるのでありますか、あるいは地元の者が特約によつてこちらへもつてくるのでありますか。その經營の内容と、それから昨年または將來に繼續しての生産量はどのくらいありましようか、その點を伺つてみたい。
#75
○新井政府委員 アンガウルの燐鑛開發につきましては、開係方面とのいろいろな折衝の結果、單獨の會社をつくりまして、この會社が食糧貿易公團の監督のもとに開發をやるということに決定をいたしまして、すでに發足いたしておるような状態であります。それから燐鑛石の開發の量につきましては、大體現在まで毎月十萬トンないし十五萬トンぐらいの數量の輸入を見ておりますが、將來も、少くともこの量は、はいつてくる見込みでありまして、さらに將來はだんだんと増加してまいるものと思います。
#76
○淺利委員 日本の燐鑛石の原料は、これが唯一でありましようが、これ以外に、ほかからも補給の途がありましようか。
#77
○新井政府委員 現在までのところ、ほかの地方からもある程度はいつておりますが、大體は同島からの輸入で賄えるというふうに考えております。
#78
○淺利委員 大分時間も經ちましたから、私の質問はこれで終ります。
#79
○長野副主査 この際本分科所屬外でありますが、豫算委員であります庄司一郎君から發言を求められておりますので、これを許します。庄司一郎君。
#80
○庄司一郎君 亞炭關係について、きわめて簡單にお伺いをしたいと思います。亞炭の増産には、商工當局はそれぞれ手は打たれておりますが、私は亞炭増産の當面の問題は、採掘し生産した亞炭を、いかに機敏に小運搬によつて輸送をなし得るか、こういう問題であると思うのであります。どうも輸送の面が思わしくないようであります。特に東北地方における各亞炭山は、それぞれ最近の統計においては、二十五萬トンほど滯貨しておる。各驛の構内の滯貨まで合計すると、約二十五萬トンも滯貨である。そこで配給關係における政府の一種の國家管理である公團關係においては、相當手を伸ばして買い取られたようであるけれども、その買取られたせつかくの亞炭が、必要なるところの諸會社、諸工場などにスムースにまわつてこない。これらの輸送をもつと圓滑に強化するために、商工當局は、いかなる手を運輸省その他と打たれておるかということが一點。これはぜひさようにしてほしいという信念の上からお伺いを申し上げ、亞炭増産の打開策の一端として、輸送面の強化をはかつてもらいたい、こういうことであります。
 第二は、石炭の山には、それぞれ四合五勺の配給であるとか、その他いろいろな配給が昨日からの新聞に發表になつておるようでありますが、亞炭の山に對する配給は、なるほどペーパー・プランの上においては、あることはあるけれども、都道府縣の食糧事情その他の事情上、どうも石炭山の量における半分も、物の配給が亞炭山に働いておる勞働者諸君には來ないのであります。こういう同じ商工省内の、特に石炭廳内の仕事でありましても、石炭の方が本妻で、亞炭の方がおめかけさんのような差別待遇的なものが現に行われておるので、亞炭山に働いておる勤勞者諸君は、非常に精神的に不愉快な感じをもつておられるようでございます。そういうことであつてはならない。亞炭の重要性を、すでに政府が認められて、亞炭部まで設けられた以上は、これは平等、無差別なる――配給等についてあるいはその他の資材、副資材等においても、善處を願わなければならぬ。しかるに現在においては石炭關係の方面にのみ御熱心に御狂奔なされて、亞炭方面は、まつたく閑却されておるような情勢は、亞炭の増産あるいは増送の方面において、この上ない遺憾千萬であると思います。これらに對する對策は如何。
 第三は、過般の再度の水害等によつて特に東北地方、あるいは關東においては群馬縣等において、亞炭山の坑道が、あるいはまつたくどろ海のごとく埋沒し去つておる所がある。あるいは亞炭を小運般する亞炭道路において、あるいは橋梁が流失しているというような關係上、亞炭の輸送の上において、これからの増産において非常に水害の結果災害をこうむつておるのであります。これらに對して、適切なる指導誘掖をはかると同時に、政府が援助を與えてほしい、それらに對する對策如何というのが第三であります。それから亞炭の將來の利用について、たとえば東北大學なんかでは、亞炭の研究所を設けられてやつておられますが、ただいま議題になつている豫算面を見ると、どこを見ても亞炭の亞の字もない。あるいは石炭の坑道の爆發を豫防する研究所を設けるとかいうことは、たいへん結構であります。しかるに亞炭に關する限りは、追加豫算に、近眼のためか何のためかわかりませんが、亞炭の亞の字も表現されておらないのである。新興燃料として決して石炭に劣らぬ、中にはカロリーの點においては磐城石炭以上に優秀なカロリーをもつておる亞炭もあるのである。亞炭を利用する上において、やはり亞炭の研究所あるいは調査所というものが全國に少くとも數箇所必要であると思う。あるいは石炭廳の内部にも、そういう機構があつてほしいと考えております。これは亞炭の熱源を利用して、わが國の強大な殖産工業を振興される上において、必要不可決のことであります。決して道樂息子を養成する研究所、調査ではない。さような計畫がありやなしや。もしあられるならば、具體的な御計畫、あるいは構想、こういうものの御發表を願いたいと考えております。
#81
○椙杜政府委員 お答えいたします。第一の亞炭の輸送の點でありますが、これはわれわれ亞炭に關係いたしている者といたしましても、まつたく同感でございます。掘られた亞炭が輸送できないのでは、工場その他に利用できませんので、せつかく増産をしても、價値がないというふうに存じております。輸送につきましては、お話がありましたように、特に八月になりまして東北地方は水害の關係もありましたし、青森縣下等に特殊の緊急工事ができたような關係もありまして、その後特に、鐵道輸送が非常に惡いのは、御承知のような事情でございます。これにつきましては、全國的に運輸省等と折衝いたしまして、輸送の強化をはかるとともに、全國から亞炭の專用の輸送列車をつくりまして、いわゆる亞炭列車といつておりますが、貨車效率を上げまして、輸送量を殖やすということをいたしますと同時に東北方面は鐵道事情が非常に逼迫しておりますので、鹽釜から船で京濱にもつてまいりたいと存じまして運輸省と折衝しておりました。最近その話がまとまりまして、二十日過ぎから、相當亞炭の輸送にまわることになりますので、ただいま現地の鹽釜で關係の者が協議いたしておりますが、具體的な方策ができますと、おそらく數日中に鹽釜から海上輸送ができるだらうと思います。そうすれば相當程度消化できるのではないかと思つております。なおこのほかにも、運輸省等と折衝している事項がありますが、まだ具體的に決定しておりませんので發表いたす時期になつておりません。さしあたりは、鐵道輸送をできるだけ増強すると同時に、その不足分を海上輸送で補填してまいるということで、これを纎維工業、輕工業方面の需要にまわしたいと存じております。御趣旨の點は、十分努力してまいりたいと思います。
 第二のお話の、亞炭山用の各種の資材の問題でございますが、亞炭山用の生産資材は、物資需給計畫上、大體石炭と一緒にとりまして、大體亞炭山に必要なものは確保できております。ただ勞務者等に對する生活物資、特に食糧の點が石炭と差がありますが、石炭は基準配給量を入れまして六合ということになつております。亞炭は五合でございますので、一合石炭より少いということになつておりますが、これは石炭の方は早くから六合になつておつたという點、それから全體の國内の食糧事情、それから亞炭山は農業と兼業の勞務者が相當數あり、炭坑の深さなども石炭山に比べて淺いというような點で、現在五合になつておりますが、このきまりました五合はぜひ確保してまいりたいと思つております。その他、非常に供給の窮屈なものもありますが、大體石炭に準じて生活物資の確保をはかつていきたいと思つております。
 第三の東北の水害對策の問題でありますが、東北では一次、二次、三次と、それぞれ水害がありましたので、これにつきましては、復舊用の資金を復金から融資をいたすことに、大體關係方面と話合いを進めておりまして、現在石炭廳商工局の係官が仙臺に集まつて、復金等と協議を重ねておりますが、それぞれの手續が要りますから、その手續を早くいたしまして、必要な資金を出しまして、復舊を早くいたしたいと思つております。
 第四の豫算との關連で、特に亞炭の研究所というか、指導所の設置が必要だというお話でございます。亞炭につきましては、まだいわゆる未利用資源ともいうべきものでございますから、その利用の上におきましても、研究が要るのはお話の通りでございます。現状におきましては、商工省燃料研究所におきまして、そのコーライト化なり、あるいは加工方法等についても研究をいたしておりますが、現在この採掘方法が相當遲れているような事情がありますので、これをさらに科學的に合理的に採掘する方法その他を研究いたしますと同時に、利用につきましても、プリケツト化なり、コーライト化なり、關連いたしまして研究する指導所を設けたいと思いまして、豫算を大藏省の方に要求いたしております。その豫算が實現いたしましたら、御趣旨によりまして、十分亞炭の研究を進めてまいりたいと思います。本年度豫算におきましては、石炭もそうでありますが、道路が不足しておりますので、亞炭道路の建設の費用、それから炭田調査の費用が、これも大體石炭と一緒になつておりますが、ございまして、お話にありましたような研究指導の豫算は、明年度に計上いたしたいと思つております。簡單でございますが……。
#82
○長野副主査 ほかに質問の通告もございませんので、この程度で質疑を終了いたしまして、採決はこれを留保し、豫算委員會において議決いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○長野副主査 御異議ないと認めます。よつてさよう決定いたしました。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後一時二十一分散會
ソース: 国立国会図書館
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