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1955/02/29 第24回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第024回国会 逓信委員会 第10号
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1955/02/29 第24回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第024回国会 逓信委員会 第10号

#1
第024回国会 逓信委員会 第10号
昭和三十一年二月二十九日(水曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長 松前 重義君
   理事 愛知 揆一君 理事 秋田 大助君
   理事 小泉 純也君 理事 廣瀬 正雄君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 松井 政吉君
   理事 森本  靖君
      川崎末五郎君    竹内 俊吉君
      山本 利壽君    井手 以誠君
      原   茂君    八木  昇君
     橋本登美三郎君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 村上  勇君
 出席政府委員
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      濱田 成徳君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     古垣 鉄郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     岡部 重信君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
二月二十七日
 委員伊藤好道君及び八木昇君辞任につき、その
 補欠として山花秀雄君及び川村継義君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 委員山花秀雄君辞任につき、その補欠として淺
 沼稻次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
 委員星島二郎君、淺沼稻次郎君及び川村継義君
 辞任につき、その補欠として中曽根康弘君、山
 花秀雄君及び八木昇君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 委員山花秀雄君辞任につき、その補欠として伊
 藤好道君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
 委員伊藤好道君辞任につき、その補欠として井
 手以誠君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員補欠選任
 小委員会において参考人出頭要求に関する件
 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の
 承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
    ―――――――――――――
#2
○松前委員長 これより会議を開きます。
 この際、小委員の補欠選挙の件についてお諮りいたします。電波及び放送に関する小委員八木昇君が去る二十七日委員を辞任されましたのに伴い、小委員が一名欠員になっておりますが、同君が再び本委員に選任されましたので、同君を再び電波及び放送に関する小委員に指名いたしたいと存じますか、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○松前委員長 御異議ないものと認めまして、八木昇君を電波及び放送に関する小委員に指名いたします。
    ―――――――――――――
会議録
#4
○松前委員長 次に放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題として審査を進めます。本件について日本放送協会当局より説明を求めます。日本放送協会会長古垣鉄郎君。
#5
○古垣参考人 本委員会におきまして、日本放送協会の昭和三十一年度収支予算、事業計画及び資金計画について御審議をいただいておりますことを厚くお礼申し上げます。お許しによりただいまから明年度の事業計画等の大綱につきまして概略御説明いたしたいと存じます。
 まずラジオの分野におきましては、全国あまねく受信できるように、難聴地域の解消、老朽設備の改善並びに報道、教養、慰安放送及び地域社会に直結する放送番組の内容充実をはかりますとともに、受信者の普及を促進することに主眼を置いております。
 次にテレビジョンの分野におきましては、できるだけすみやかに全国の農山漁村にまで普及をはかりますため、本年度中には札幌、函館、静岡、岡山、小倉、松山の各地域にテレビジョン局を建設するとともに、熊本、鹿児島テレビジョン局の建設並びに福岡局の五キロワットの増力工事を着手する計画でございます。またテレビジョン番組につきましては、その社会的な影響力を考えまして、公正かつ迅速な情報の提供、教育、教養番組の強化、拡充、健全明朗な慰安番組の充実に一そうの努力を傾注する所存でございます。ま第十号た国際放送の分野におきましては、国際文化の交流、貿易の振興に資するために、広く我が国の実情を紹介して諸外国の理解を深めるよう番組の拡充、強化をはかることといたしております。さらにまた協会の使命に照らしまして特に重要な技術研究並びに放送文化の研究につきましては、わが国放送文化の進歩、発達をはかるため一そう拡充強化する計画でございます。次に、ただいま申し述べました計画のうち、特に重要な事項につきましてさらに御説明申し上げたいと存じます。まず第一は難聴地域の解消についてであります。協会は放送法に基き新法人として再発足いたしましてから、ての使命の最も重要なものの一つとししこの問題を取り上げ、一日も早く全国あまねく受信できるよう放送施設の建設改良の長期計画を立てまして、年年中継放送局の建設、第二放送施設の整備、放送電力の増力等の計画を促進し、百パーセントの良聴化を目ざして施設の拡充改善をはかって参りました結果、三十年度末には良聴区域が第一放送におきましては九九%に、また第二放送におきましては九四・二%に達する予定でございます。しかしながら御承知の通り最近外国電波の混信が国内の各所に発生し、聴取困難な地域が拡大して参りましたので、明年度はこ点を考慮いたしまして特に札幌大電工事を繰り上げて着手するほか、またわずか残されている聴取困難な地域対しまして、中継放送局五局の建設、第二放送五局の整備をはかり、また福岡大電力の継続工事を完成いたしますので、明年度末におきましては良聴区域が第一放送においては九九・二%、第二放送に訪いては九五・三%までに広まる計画を立てておるのでございます。第二といたしましては番組の編成についてでございますが、公共放送の使命にかんがみ、広く国民の要望にこたえ、わが国文化の向上に寄与するために、青少年の教育放送、社会、婦人、農事、産業等の教養放送、迅速正確な報道放送、健全明朗な慰安放送につきまして、NHKが多年にわたり力を尽して参ったところでございますが、三十一年度におきましては、さらにこれが刷新充実に努める所存でございます。また地域社会に直結するローカル放送におきましては、地域社会に必要な情報の提供、地域性ある慰安番組の製作を行い、地方文化の向上発展に寄与するよう努めておりますが、明年度はさらにこれを強化するととも、ローカル教育番組、高等学校通信教育講座、僻地における教育放送番組等の増設拡充を行う計画でございます。第三といたしましてはラジオ受信契約者の普及についてでございます。受信者の普及は三十一年一月末現在で、出国総世帯に対し七八・七%に達しまして、世界的にも有数の普及率を示しておりますが、三十一年度におきましても、一そう受信者の加入開発を積極化して、新しく五十五万の受信者の増加を目標としております。しかしながら普及の向上に伴う未加入世帯の減少等によりまして、受信者の開発は年々困難どなり、他方最近は特に雑音障害の発生が増加の傾向にありますので、明年度は特に雑音障害の防止及び除去対策、受信機改善対策に重点を置き、受信者に対するサービスの向上をはかる計画でございます。
 第四といたしましてはテレビジョンについてでございます。テレビジョン放送局は既設の東京、大阪、名古屋の三局に加えまして、来る三月二十二日にはさらに広島、仙台の二局、四月一日には福岡局のテレビジョンが放送を開始する予定でありまして、これによりましてテレビジョン・カバレージは、全国総世帯の三五%に拡大されることとなるのでございます。
 次に三十一年度のテレビジョンの置局計画は、既定長期計画のうち札幌、函館、静岡、岡山、小倉及び松山地域に新設するとともに、福岡テレビジョン局を五キロワットに増力する予定でございます。さらに電電公社のマイクロウエーブ拡充計画の進展に伴いまして、熊本、鹿児島にもテレビジョン局の建設に着手し、また東京、大阪、名古屋の各局施設の改善も行うことといたしております。従いましてこれら各局が完成の暁には、NHKのテレビジョン放送網は日本全国を縦貫し、そのカバレージは全国総世帯数の四三%に達する予定でございます。まだテレビジョンの番組につきましては、その特殊性及び影響力を充分考慮して、公共放送としての協会の特色を発揮するよう教育、教養放送の拡充、健全明朗な慰安放送及びニュース、スポーツ放送その他の中継放送等に重点を置くとともに、ラジオとテレビジョンの兼営の妙味を発揮して、両者の有機的連系を一そう深め、豊富多彩な番組を編成いたしたいと計画しておるのでございます。次にテレビジョン受信者の普及開発についてでございますが、メーカーその他関係方面の努力が実りまして、良質安価の受像機の量産化が軌道に乗って参りました。受信契約者数もすでに本年度当初計画の見込数を越えて、一月末をもって十四万に達する状況でありますので、受像機の生産台数ともにらみ合せ、三十一年度におきましては年間十八万の純増を予定いたしておりますが、今後の受像機の普及対策といたしましては、かねて御高配を得ております受像機の物品税の軽減と、受像機の量産化による価格の低廉化が特に要望されておるのでございます。また受像機の維持の面においては、技術指導、修理技術者の養成、共同聴視施設に対する技術指導、受信障害、雑音防止運動の実施等について、強力な施策を実行する計画でございます。
 第五といたしまして国際放送につきましては、御承知の通り戦後昭和二十七年二月に再開しましてから、この二月で満四カ年を経過いたしました。この間、当初は([一二三四五六七八九])方向・一日五時間、ニカ国語使用という状況でございましたが、各方面の御理解と御同情によりまして、年々その規模も拡大され、昨年の六月から十([一二三四五六七八九])方向十三時間十五ヵ国語に強化され、八月からは待望の百キロワット増力も実現して、聴取状態も漸次改善されて参りましたが、昭和三十一年度におきましては、現状の十([一二三四五六七八九])方向十三時間の範囲のままでありますので飛躍的な拡充は望めませんが、協会といたしましては番組内容を一そう充実し、全世界にわが国の実情を伝えるとともに、固有文化を紹介して、各国の理解を深めて国際親善をはかり一方貿易の振興に寄与して祖国の経済復興の一助といたしたい所存でございます。
 第六といたしましては研究部門についてでございますが、放送の将来の発展のために技術並びに番組の基礎的並びに実用的研究の拡充強化をはかる必要があるものと考えますので、三十一年度においては技術の研究面では放送音質の改善機器の能率化、施設の自動化、受信機並びに受像機の簡易低廉化、テレビジョン撮像管の研究、UHF帯テレビジョンの研究、トランジスターの研究、新型機器の試作、国産化の研究、なかんずくカラー・テレビジョンの実験研究に重点を置いております。また放送文化の研究面では科学的世論調査の実施、放送番組の研究、放送博物館の整備拡充等に主眼を置き、その成果を広く内外に公開して、わが国技術水準の向上と放送の進歩発達に寄与せんとする計画でございます。
    〔委員長退席・松井委員長代理着席〕
 第七といたしましては経営管理の面でございますが、三十一年度におきましてもできる限り事務の簡素化と業務の合理化を行いまして、事業の運営を一段と能率化する所存でございます。また従業員の待遇の問題につきましては、先年来当委員会において御熱心な御審議をいただき、また予算承認の際にも従業員の待遇の附帯決議をいただきましたので、微力ではございましたが、要請の御趣旨にのっとり、事業の健全な発展のために鋭意努力を続けてきたつもりでございます。その結果、昭和三十年度における従業員の平均賃金は月額一万九千二百七十円になるのでございます。これに対上、日本放送労働組合から月額二千四百円の待遇改善の要求を受けております。協会といたしましては、社会経済情勢や類似関連産業との比較と協会財政の現状とを勘案して、三十一年度のベースアップは見送らざるを得ない状態ではございますが、定期昇給分についてこれを予算化することにいたしております。しかし従業員の待遇改善につきましては、現状をもって十分とは考えておりませんので、なお一そうの努力を払い能率一向上による企業経営の改善により、極力増収、節約をはかって従業員の待遇改善をはかりたい所存でございます。
 最後に放送設備の建設資金中、置局、増力等に要する分については、ラジオにおいて放送債券二億円、借入金一億円を、テレビジョンにおいて放送債券四億五千万円の発行を予定し、またテレビジョンの事業資金の不足に対しては、借入金三億五千万円を予定しております。なお受信料につきましては、ラジオ受信料は月額六十七円・テレビジョン受信料は月額三百円と前年通り据え置くことといたしております。
 以上が昭和三十一年度の事業計画の大要でございますが、私どもは公共放送としての重大な使命と責任にかんがみまして、当委員会の委員の皆様の御意向を体し、健全な運営に努めまして、皆様の御期待に沿いますよう最善の努力をいたして参りたい所存でございますので、NHKの昭和三十一年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、委員各位の格別の御理解と御同情のもとに御審議をいただきまして、何とぞすみやかに御承認下さいますよう切にお願い申し上げる次第でございます。
#6
○松井委員長代理 これより質疑に入ります。質疑は通告順によってこれを許します。八木昇。
#7
○八木昇委員 ほかの委員の御質問もいろいろあろうかと思いますので、私は主として放送協会の従業員の給与問題を中心に、若干御質問を申し上げてみたいと思います。そのことにも関連をいたしますので、最初に大臣にお伺いをしたいのでございますが、あるいはこの委員会でも若干の論議があったろうかと思いますが、もし重複する分炉ありましてもどうかお許しを願いたい。
 本年度から放送協会からも固定資産税を取るというようなことが報ぜられておるわけでありますが、果して固定資産税の徴収をせられるものかどうか、それからその放送協会から固定資産税を取るということの根拠について、まずお伺いをしたいと思います。
#8
○村上国務大臣 この種の事業から固定資産税を取ることにつきましては、私どもとしてはいろいろと意見があったのであります。意見と申しますのは、こういう公共的な事業から固定資産税を取るということは、でき得る限り避けてもらいたいというような要望をいたしたのでありましたが、毎度申し上げますように、国家予算の全面的な見地から、どうしてもこの種の事業に対しても固定資産税を取らなければ、地方財政の赤字を匡救することができないということで、やむを得ず固定資産税を取ることになった次第であります。
#9
○八木(昇)委員 本年度どれだけの額の固定資産税を取るということに予定を立てておられるか、大ざっぱの数字でけっこうでございますからお答え願いたいと思います。
#10
○村上国務大臣 約二千万円ばかりであります。
#11
○八木(昇)委員 全国でですね。
#12
○村上国務大臣 そうであります。
#13
○八木(昇)委員 金額そのものとしては非常に零細な額でございますけれども、しかしながら放送協会というものは特別に公共的な性格を持っておるという意味合いで、いろいろな面において規制をせられておる。特に労働賃金などにつきましても、一般民間の従業員に比べていろいろな点で扱いがきわめて悪くなっている。こういう状態なのに、固定資産税は普通に取るというようなことでは、結局これが将来にわたっては漸次一種の慣習となっていって拡大していくおそれはないかどうかということと、そのことは結局聴取者の負担へ、これが肩がわりをしていって、行く行くは聴取料の値上げというようなことにも関連が直接間接及んでくるのではないかというようなことを考えるのですが、そういう点について御見解を承わりたい。
#14
○村上国務大臣 八木委員の御質疑の通り、本年度は四分の一でありますが、その次年度からは二分の一となっておりますので、固定資産税の税額が増額されるということはこれによって明らかでありますし、またそのためにひいては聴取料に影響を及ぼすことをわれわれはおそれております。従いましてこの点に関しましては、私どもの立場としては、これらの公共的事業からは固定資産税を徴収しないようにということを強く要望したのでありましたが、先ほども申し上げましたような次第で、どうしてもこれを実施するということになったことはまことに遺憾でありますけれども、現下の国情においてはこれまたやむを得ないのではなかったかと思っております。
#15
○八木(昇)委員 それではこれは本年度とりあえずとった措置であって、暫定的な措置である、来年度以降はまたあらためて考えるのだ、こういうような意味でございましょうか。
#16
○村上国務大臣 そういうことならばまことにけっこうなんでございますが、そうでなくて、本年度は四分の一を徴収する、来年度からは二分の一取るということで、むしろ来年度は本年度の倍額になるというような状態でありまして、これが時限立法でない限り、恒久的に取られるということは考えなければならぬと思います。
#17
○八木(昇)委員 私もそのようなふうにかねがね聞き及んでおったわけですが、ちょっと表現が当てはまらないかもわかりませんが、それでは結局、まずとりあえず一つの橋頭堡を築いたということになるのであって、漸次これが将来にわたって拡大していく、こういうふうに想定せざるを得ないと思う。従って本年度がそういうことになったといたしましても、将来の問題についてはこれはよほど真剣な考慮を払っていただかないと困るのであります。もしそういう措置が将来とられないとするならば、放送協会それ自体の性格について、固定資産税をずっと取っていくということになると、これはもっと抜本的な、検討をしなければならぬということにもなりかねないと思うのです。そういう意味に路いて担当大臣として今後も十分に一つ御努力を願いたい、こう思うわけです。
 そこで今の固定資産税本年度二千万円は、この協会の方から提出をせられました予算書では上げられておるのでしょうか。私どもよくわからないのですが……。
#18
○村上国務大臣 まだ法律が制定されておりませんので、これには上っておりません。
#19
○八木(昇)委員 それではそういうふうにきまった場合には、これはどこからどういうふうにして支出されることになるわけですか。
#20
○村上国務大臣 これは予備金等から捻出する以外ないと思います。
#21
○八木(昇)委員 そういうふうに法律できまったらということは、これは非常に特例的な場合でありますけれども、しかし一年の間にはいろいろと状況も変るわけでありますから、そういう予備金をもって充てるというような一般的な操作をせられるわけですね。ところが、予算総則の第四条のあとの方ですね。第四条では、「本予算の各項に定めた経費の金額は、予算の執行上やむを得ない場合に限り、経営委員会の議決を経て各項間において、彼此流用することができる。ただし、給与については、他の項と彼此流用することができない。」こういうことになっております。そのほか予備金の使い方についても何かあとの方にあったと思うのですが、ここで「ただし、給与については、他の項と彼此流用することができない。」というふうに、特段の定めといいますか、こういうことを設けたことについて、私はどうも少しく納得がいきがたい。その点、協会の方からでも御説明をいただきたい。
#22
○岡部参考人 ただいまお尋ねの総則の第四条でございますが、確かにお話の通りこういうただし書きというものは要らないのじゃなかろうかということにつきましては、私どもも研究に値する御意見だと存じておる次第でございます。それと、御承知の通り放送事業が弾力性と申しますか、機動性を要する仕事なものでございますから、いろいろこの予算というものに定められた内容、事項につきまして、弾力性のあるような方向に持っていきたいというのは当然なんでございますが、しかし一つの企業体といたしまして考えます場合に、現段階においてはかようなただし書きは必要であろう、かように考えてこのただし書きがある次第なのでございます。
#23
○八木(昇)委員 率直に申しますと、ただいまのではどうもお答えになっておらぬと思うのです。ただ結論的なお答えとしては、現段階においてはやむを得ないと思うということですが、何のことやらどうもよくわからないのですが、もうちょっと突っ込んだ御見解を承わりたい。
#24
○岡部参考人 現在私どもの考えといたしまして、人件費、物件費というものは分けて、その間における流用は、その分けた物件費、人件費関係のそれぞれにおいてのかれこれの流用ということは、事業の性質上認められてしかるべきものだと存じますが、人件費につきましては、これの措置としましては第七条の弾力条項をもって措置するのが現在においては妥当であろう、かような見解のもとにこの予算を編成したようなわけなのでございます。
#25
○八木(昇)委員 一応予算編成の原則としてはそういうことも言えるかとも思いますが、完全な意味での国家機関である各省機関の予算と違うわけでございまして、これは放送協会というものの予算でありますので、ただいまの程度の御説明では実は十分に了解がいきかねます。そこでもっと具体的にお伺いしたいと思うのですが、本年度は、一応テレビジョン関係を除きまして、三十二億円だかの給与費が組んであると思います。これは前年度に比べますと、ざっと四億円ぐらい増加しておるものだと思うのですが、こういうものの中に、たとえば基準外労働賃金、超過労働賃金、あるいは越年資金、越夏資金というようなものは、もちろん全部含まれておるわけでございますか。
#26
○岡部参考人 ただいま御指摘の通り含まれている次第でございます。
#27
○八木(昇)委員 そうしますと、その中に越夏資金あるいは越年資金というようなものはどれだけ織り込んであるわけでしょうか。前年度と比較して、簡単に御説明願いたい。
#28
○岡部参考人 あるいはお答えがはずれるかもしれませんが、私どもの方としましては、今御指摘の分は賞与が組んであります。それから御承知の通り寒冷地に対してのきまった冬営手当が若干組んであります。
#29
○八木(昇)委員 そういうことを考えますと、これは本日の委員会の初めにお読みいただきました放送協会の説明の中にも言われておるのですけれども、「従業員の待遇改善につきましては、現状をもって十分とは考えておりませんので、なお一そうの努力を払い、能率向上による企業経営の改善により、極力増収、節約をはかって従業員の待遇改善をはかりたい所存でございます。」こう言っておられるわけでございますが、そうだといたしますと、よしかりに年度内にはっきりとしたべース・アップをやることができないまでも――これは一歩下った言い方でございますが、そういうことができないまでも、従業員が非常な努力を払って能率向上をはかり、企業経営の改善にも協力をして、そうして極力増収、節約をはかったという場合には、これは基準外賃率の引き上げであるとか、賞与の増額であるとか、こういうふうな措置は当然とらるべきでございますか。
#30
○岡部参考人 ただいま御指摘の賞与の増額というような問題は、当然私どもも御指摘の通りとらるべきものだと思います。
#31
○八木(昇)委員 そうしますると、それは場合によっては、昭和三十一年度給与総額が三十二億をこす場合もあり得るということになるわけですね。
#32
○岡部参考人 第七条の適用によりまして、さようなことが起るということはございます。
#33
○八木(昇)委員 それでは予算総則の中でいわれておりますところの第四条というものは、非常に厳格な意味合いのものではなくて、事情の変化によっては、ただいま申し上げましたようなととも起り得るというふうに、私は先ほどの御答弁によって解釈いたしておきたいと思います。
 そこでこの際お伺いしたい点は、従来からもいわれているところですが、放送協会は非常に派手な職業であるにかかわらず、従業員の賃金が非常に安い、待遇が悪いということは、かねがねから定評のあるところであると思います。これを協会側にいろいろ私どもが申し上げるのは、むしろ主客転倒しているのであって、このことは政府側に申すべきことであろうかとも思いますけれども、まず給与の実態をいろいろと検討してみますと、最近三カ年くらい前からできました民間放送関係との比較は、これはいろいろな条件があってうまくできませんが、一流新聞社あたりとの比較は十分できるわけです。そういうものとの比較検討その他はなされたことがございましょうか。
#34
○岡部参考人 今お話のような、放送事業がどういう企業体であるかということについて、いろいろ考え方があると思います。しかし御指摘のような新聞、通信というような事業とは、非常に似た面が多うございます。それで私どもとしましても、この資料もなかなか私どもの手としては集めにくい面もございますが、できるだけそれを集めて参考にいたしておる次第でございます。
#35
○森本委員 関連して。先ほど八木委員の方から、第四条の問題については先ほど説明に関連をしてそういうふうに了承してもよろしいということで質問をして、そのままであなたの方は回答がないわけですが、その点はそれでいいのですか。第四条の予算総則における問題は、これははっきり給与についてはその他の項と流用することはできない。この第四条の予算総則の場合は一般の予算の項をいっているわけであって、第七条の項は、いわゆる経営の合理化、あるいは職員の能率向上その他によって増収をした場合に云々というのが第七条にあるわけです。ところが今八木委員が言ったようなことで広義に解釈をしてよろしいというのなら、これはわれわれも大いにいいわけですが、あなたの方はそれでけっこうというような顔をしておられるようだから、念のために言っておきたいのですが、それでいいのですか。
#36
○岡部参考人 私どもの解釈といたしましては、この第四条にきめられた給与という項の額、三十何億かその予算書に上っておる金額でございますが、その金額炉動かないかということにつきましては、第七条の弾力条項によって増加することがある。収入が予算額に比し増加した場合、または経費を予定よりも節減した場合は予備金に繰り入れて、特別の給与の支給に充てることができる、こういうことであります。
#37
○森本委員 だからその問題は第七条の問題であって、第四条とはほとんど関係がないということでしょう。第四条は、他の項目と給与の項目とを流用してはいけないという予算総則の項であって、全然第七条とは関連がないわけだ。ただ第七条において、それだけの収入が出た場合にはそれを予備金に入れて給与に回す、そうすると自然に給与の額がふえてくる。いわゆる給与をそれによって増額してもよろしい、こういう解釈でしょう。だからここではっきりしておきたいのは第四条の流用云々ということについては、四条だけの規定である、こういうことでしょう。
#38
○岡部参考人 今森本さんから御質疑の通り、そういう面では四条と七条と全然関係がない、こういうように私どもも同様に考えております。
#39
○八木(昇)委員 一応その点はそういうように私どもも承わっておきたい。
 そこで先ほどの私の質問に続けるわけでございますが、私どもの入手しております資料によりますと、朝日新聞とか読売新聞、毎日新聞、この三つを比べますと、それぞれやや差がございますが、こういうものとNHKの場合との給与比較をとりますと、著しい差がある。いろいろと計算のとり方もございますが、少くとも朝日新聞あたりと比べますと、約七千円から八千円基準賃金のベースが違います。そうして読売新聞あたりと比べましても四千円以上の格差があるわけです。こういう著しい給与の差があるわけで、今度のベース・アップは一応据え置いて、四・八%の定期昇給の実施というものにとどめたということについての根拠というか、そういうものをちょっと御説明いただきたい。
#40
○岡部参考人 御指摘の通りただいまの三社を比較いたしますれば、NHKの給与はこれに及んでおらないということは、私どもも承知しているわけでございます。それで私どもとしましては給与の問題につきまして、御承知の全産業あるいは公務員の方のベース・アップの問題等もいろいろ参酌して考えているわけなのでございますが、従来協会としてとりました考え方といたしましては、物価の値上りに伴うCPIその他の資料でとったのでございますが、それによりますと御承知の通り横ばい状態でございまして、データは出てこないという結果になるわけでございます。しかしほかの企業体はだんだん改善されていくというのがまたこれ現実の問題でございまして、その間私どもといたしましていろいろ苦慮するところでございますが、人事院のただいままでの態度なども参酌いたしまして、今年度われわれとしても満足ではないと思いますが、先ほど会長が申し上げたような金額に対して昇給の原資というものを認めていただいて、できるだけ改善をしていきたいかような考えで本年度予算は組まれたわけでございます。
#41
○八木(昇)委員 私もあまりくどくはお伺いいたしませんが、これはあとは大臣の方に御質問いたしますけれども、NHKの方からの予算書を作るについては、当然事前にある程度政府との間にもいろいろ話があったろうと思います。そういう際にこの給与問題についても当然話があったと思うのでありますが、実は今の新聞社の方面と比べても著しい差があると同時に、一般産業と比べても低いわけです。一般産業丁と申しましてもピンからキリまでございますので、大体従業員一千名以上の民間会社の給与総平均と、それからNHKの給与とを比べたわけです。これは労働委員会の資料によって比較したわけですから、決して細工を用いたものではない。これはいろいろございすが、それを比べ、なおかつこれを学歴別に割り直しまして比べたわけです。と申しますのは、NHKの場合には旧制大学、新制大学の卒業者が、全従業員の二割一分に当っている。旧専門学校、短期大学の卒業生が一六・三%にも当っておる。こういうのを全部はじいて一般民間産業の給与水準と比べても、約二千円の格差がある。それほど低いわけです。こういうふうな状況にあるわけですが、政府として今の四・八%の、ベース・アップは認めない、定期昇給だけだということについて、これはおそらく政府とNHKの間の話し合いで一致したものと思われますが、政府の御見解をこの際承わっておきたいと思うのです。
#42
○濱田政府委員 郵政大臣にかわって申し上げます。この予算書が提出される前に、確かに電波監理局当局に対して御相談等がありました。それにつきましてただいまお話のごとく東京の大新聞あるいは地方の新聞ないし各種の事業、産業会社、製造業者その他につきましての給与等も調べたのであります。その結果、確かに東京の大新聞に比べますならば、相当の開きがあることが認められました。しかし地方の新聞社あるいはラジオ、テレビジョン等の製造に従事しております諸会社のメーカーに比べますならば、必ずしも悪いとは思われませんでした。それから一般放送事業者の給与等も比較検討いたしてみますのに、東京の民放は別として、地方の民放はNHKよりも決して上回ってはおりません、という数字が出ておるように思われます。これは必ずしも全面的にそうだというのではありませんけれども、そういうものもありますので、私どもといたしましては、決してNHKの現在の給与は満足とは言いませんけれども、この程度で――しかも経営委員会がこれでよろしいということをきめてこられたのでありますから、大体においてこの程度でやむを得まいというふうな見解を述べたことがございます。
#43
○八木(昇)委員 意見はいろいろございますが、本日は一応控えておきます。
 定期昇給の実施はいつやられるわけですか。実施の時期についてお知らせいただきたい。
#44
○岡部参考人 四月と十月に実施しておるわけでございます。
#45
○八木(昇)委員 それではほかの委員の御質問がありますので、私はこの程度で終りますが、政府の施策においても、今の固定資産税問題その他非常に矛盾がありますし、またそれにもかかわらず一方においては非常に公益性を主張せられて、従業員は非常に苦しい待遇にあえいでおるというふうな状況が続いておりますので、こういうことがあっては真に健全な協会の運営が期しがたいおそれがあるというふうに私は考えておるわけでございます。特に給与面におきましては、単にこの予算書のみにとらわれることなく、今後労使双方の折衝交渉もいろいろありましょうし、それから一般の労働賃金の情勢の推移もありましょう。また経済全般の推移もありましょうし、NHK自体の業績改善の効果というものもありましょうから、そういうものとにらみ合せながら善処せられるように一応要望いたす次第でございます。
#46
○原(茂)委員 今の八木委員の質問に関連して大臣に一点お伺いしたいのですが、協会の側の固定資産だけ固定資産税になって、あと電電公社その他には納付金になっておる、これはそういうようにはっきりきまったのでしょうか。
#47
○村上国務大臣 そういうふうにきまっております。
#48
○原(茂)委員 それで協会の固定資産税が全国で二千万の予想だとおっしゃいましたが、そんなに少いものでしょうか。これは協会の側で計算してですか。
#49
○岡部参考人 大臣のお答えになりました通り、概括的に申し上げればそういうことでございます。ただ三十二年度におきましては四分の一が二分の一になるわけですから、なお二千万円近くふえると思います。なおそれは現在のままでございますから、申すまでもないことでございますが、テレビなどで拡張期でございますので、将来固定資産がふえれば当然ふえる、かように考えております。
#50
○原(茂)委員 協会の会長にお伺いしたいのですが、電電公社に関係ある施設に関しては納付金にし、協会の側だけは固定資産税にされるということになったのですけれども、その間郵政省からも協会の側に諮問でもあったのでしょうか、それとも全然押しつけられた形で、協会に関しては固定資産税を取ることにきめたというふうに協会側に通知だけがあったのか、その間、きまるまでにディスカッションがあったのか、それをお伺いしたいと思います。
#51
○古垣参考人 お答え申し上げます。協会といたしましては大臣初め郵政当局にわれわれの希望を要請いたしました。しかし性格が全く同じではなく、いろいろ違うものですから、当初に大臣が御説明になりましたように、大臣としてもいろいろ苦慮していただいたと思いますが、結果としてこのようになりました。私どもとしては最初からわれわれの立場を十分要請はいたしましたけれども、その結果こういうことになったのであります。
#52
○原(茂)委員 では大臣にお伺いしたいのですが、先ほどの御説明でちょっと簡単過ぎたからよくわからなかったのですけれども、電電あたりの施設と協会の施設とが、片方は納付金、片方は固定資産税ということについて、大臣は反対されたのだが、ついにやむを得ずこうなったとおっしゃるのですが、電電の場合と協会の場合、固定資産税になったのと納付金になったのとはこれはやむを得ない、こういったやむを得ないと納得されたいわゆる理論的な根拠を一つ説明していただきたい。
#53
○村上国務大臣 私も三公社とこの放送協会を同一に扱ってもらうように、これも納付金で取ってもらうようにということを強く主張いたしました。この種の事業からこういうような金を徴収することは結局、それは公共の福祉に沿うことが薄くなるおそれがあるから、できる限り取らないようにということが第一条件でありました。万やむを得なければ三公社同様の取扱いをしてほしいということを、閣議その他の席で強く要望いたしましたが、結局三公社と同様に扱うということは、これはちょっと困難ではないか。それから農林省関係等に馬事協会か何か、ちょうど放送協会と類似な事業体がありまして、それらと同じように扱うのが至当であるというようなことがほとんど大半の意見でありまして、私といたしましても尽せるだけの努力はいたしましたが、ついにその説に屈服せざるを得なかった次第であります。
#54
○原(茂)委員 御説明によりますと、たとえばの話でしょうが、馬事協会と放送協会とがどうも同じようなものなので、馬事協会における農林省側の意見が、やはり協会の側に敷衍されることもやむを得ないと大臣は納得されたのだ、こういうようなことに御説明があったのです。すると、馬事協会の公益性とそれから放送協会の公益性とを比較して、これ炉同じものだとお考えになる根拠がおありになりますか。
#55
○村上国務大臣 私はただ、幾つかの例がありましたが、それを今馬事協会というのがひょっと思い浮んだものですからその例を引いたのですが、公共性から申しましたら、これはもう私はお説の通りだろうと思います。ただこれは、三公社の場合と協会の場合との性格がいささか違うという各方面の意見が強いので、やむを得ずこれに従った次第であります。
#56
○原(茂)委員 放送協会の設立の趣旨からいっても、むしろ三公社と放送協会の側を比較しますと、求めようによっては理論的にも公共性はかえって協会の方が強いと思う。従ってこの協会の側に固定資産税をかけるというようなことは、率直に申し上げて相済まぬと思いますが、大臣がまだまだ就任早々不勉強のために閣議でうまくまるめ込まれて、ついに協会の固定資産税だけはうかつにも認めてしまったというふうに私にはとれるわけなのです。その意味で、これはきまってしまったので、後刻また違った政権下に考慮をし直すほかないでしようが、もう一度大臣が、今後固定資産税でなくて三公社と同じように納付金に改める努力を、次の機会にやるというような言明をいただけるなら、ぜひその努力をお願いしたい、その点いかがですか、お伺いしたい。
#57
○村上国務大臣 今後ともいろいろな面でこれができる限り、地方財政の赤字が解消される時期というのはいつかわかりませんが、少しでも軽減されるような時期には、この種の事業からは私は固定資産税を取ってもらってはならぬという努力は続けるつもりでおります。三公社と協会との間で、本質的にこれがとういうようになった理論的なものにつきましては、電波監理局長から説明いたさせたいと思います。
#58
○濱田政府委員 原委員が申されましたように、日本放送協会の公共性の強いことは、馬事協会その他と比べまして比較にならぬように私も考えます。あるいは三公社と比較しまして、国民的なものである、さらに国民とのつながりが密接なものである、そういう意味におきまして、三公社よりもさらにこの公共的な――三公社を公益的だとか公共的でないとかとは申し上げませんけれども、国民とのつなりが強い、緊密なものでなければならないのじゃないかということは、私かたく信じておるものであります。先ほどからのお話の固定資産税と納付金の関係を考えてみまするならば、三公社の方は、もとは政府が運営しておった、国有国営であったかと思います。NHKの方は昔は社団法人だったのであります。多くの有志がお金を出し合ってラジオの放送をやろうといった目的で作った協会であったのであります。そういう意味におきましては、民的性格が強いものであると考えております。そういう意味で、三公社とNHKの財政的なといいますか、経済的あるいは経常的な性格は相当違うものがあろう、そう考えております。性格においては非常に国民的な、公共的なものでありますけれども、経営上あるいは財政上においては、歴史的に違う範疇であった。今日では非常に公益的な、公共企業体あるいはそれ以上のような運営が要求さるべきものでありますけれども、歴史的にはそういうものであったというようなことで、たまたま馬事協会と同じ範疇に入ったというのではなくして、かつてそういう見方がされたのだと私は解釈しておる次第であります。なおちょっとつけ加えておきますと、しかしそういう解釈をいたしておりますけれども、できますことならばやはり納付金というような制度の方がまだまだよろしい。そういうふうな税金に類するものを取ることは望ましくないが、まだまだ納付金の方がよろしいという次第で、大臣も非常に御努力をなさったのでありますが、事情やむを得なくてこういう結果になったと考えております。
#59
○原(茂)委員 非常に苦心された跡はわかるのですが、何か力で押えられて仕方なしに納得したのであって、大臣が補足説明をさせるといったときに、三公社と協会との違いというものを一つ説明させますと、と言ったわけです。ところが今の浜田さんの御説明では、それに対する的確な説明をしないで、むしろ苦心をしたがやむを得ずこうなってしまったのだ、やはり納付金にすることが好ましい、こう今でも考えているのだというふうに御説明があった。従ってやはり大臣は、今後努力されるというのも、できるだけ税率を少くするというような努力でなくて、固定資産税というものをやめて、自今、やむを得ず設定するなら三公社並みの納付金に直すという努力をしていただきたい。大臣からもう一度、そういう努力をたゆみなくやるという言明を一つ伺えたらいいと思うのです。
#60
○村上国務大臣 これはもう過ぎたことですから、私はこれに今からどういたしますと言っても追っつかない、私の立場からいえば追つないのですが、国会に法案もかかってきておるのでありますから、一つ公正な御審議をお願いいたしたいと思います。なおただいま御指摘の通り、放送協会だけでなく三公社からも納付金とかなんとかいうような名目で、この種の課税にひとしいものを取り上げるということについては、私は賛成できません。従いましてできる限り努力を払って、これらについてはなるべく早い時期に、これらの課税をしなくてもいけるような工合に骨を折って参りたいと思っております。
#61
○原(茂)委員 取り返しがつかないと大臣はおっしゃるのですが、民自党の政府の寿命はまだまだずっと長いようですから、この次の予算編成のときでも間に合いますから御努力願います。
 あと二点関連して伺いたいのですが、その一つは、先ほど岡部さんから御説明があった昇給を考慮するときの基本的な考え方ですが、まわりの物価指数とかあるいは基幹産業のベースが上ったとか上らないということだけを基準に考えて説明をされておりました。しかしこの昇給をしようという考え方の基本になるものは、まわりの物価が上ったとかあるいは指数がどうこうというような変動だけでやると触ると、弾力条項の総則の第七条にあるような規定は、有名無実になるわけです。経営の合理化とか従業員の努力によって増収があった、その増収があったときには分けるのだということも、後半の説明にあるのです。そういうふうなことをやろうとする前に、すでにまわりがこうだから――物価があまり上っていないのだ、あるいは全産業の賃上げがあまり行われていないのだ、だからそれならば今日の従業員の二千円というベース・アップの要求は不当だし、今日やり得ないというふうに割り切ってしまえば、企業努力によって今後増収があったときにも、それを適用しようという精神がそこに失われていくことになるのです。だからこの点はそう割り切らないで、やはり今日の一般産業その他の給料の動向がどうということは二の次の参考にして、企業努力がはっきりと増収の面に表われたときには、いつでもベース・アップはしたい、するのだという基本的な考え方をまずおきめ願って、その次にまわりの給与動向というものを参考にしてこれを考慮するというふうにものの順序を考えていかないと第七条の、いわゆる増収のあったとき云々ということがせっかく総則にあっても、これの精神が非常に弱まってくるおそれがあると思います。先ほどの説明ではその点が逆になっていたように思いますが、岡部さんにもう一度お尋ねしたいと思います。
#62
○岡部参考人 私どもが基準賃金をきめる場合に、今原さんの御指摘の通り、いろいろな面があると思いますが、一面協会というもののあり方が、御承知の通り非常に人的要素に負うところが多いのでございまして、従いましてどういうような給与にするかということは、非常に重要な問題であります。そのきめ方の一つとして、やはり物価とか、あるいは今御注意をこうむった事項というものは、十分参考にしなければねらぬ問題だという意味で申し上げたのでございまして、ちょっと違うかもしれませんが、基本的にはNHKの給与というものはどうあるべきかという十分な科学的検討ができれば、それに越したことはないと私は思います。しかしそれが不幸にして非常にむずかしい問題で、現在できておらぬわけでございまして、その点を遺憾だと思います。それから御指摘の第七条の点につきましては、私も物価が下っているからしなくてもいい、そういう問題とは違った問題と思うのでありまして、たとい予算に幾ら受信者の増加がありましても、企業としてできるだけ早くラジオを普及させるということは私どもの重大な使命でございますし、また節約ということにつきましても、絶えずそれに意を用いるのは当然のことでございまして、その意欲を広くするような措置をとるというようなことは、経営としてはなはだまずいと考えますから、そういうことが万々ないように、予算の執行に当りましては御指摘の御注意を十分守ってやっていきたい、かように考えておるわけでございます。
#63
○原(茂)委員 そういう考え方がいいと思うのですが、そこで第二次的にということを誤解されるといけませんから、補足して一つお聞き取り願いたいのですが、今弟七条の精神をがっちりと、もし増収があったら、まわりの企業の状況がどうあろうとも、協会は協会独自でベースを上げていくのだということを常に基本的に考える、第二にはやはり新聞三社なり全産業の動向を参考にする、こう私は申し上げましたが、この参考にするという第二の方にも大きなウェートをかけていただいて、少くとも企業がもし赤字である場合でも、比べましたと遂にまわりがあまりにもベースの高いことを知ったときには、そのベースに近づける努力はやはりしなければいけないと思うのです。
 そこでその努力をしようとなさるお考えの基本を、先ほどの質問に関連して第三としてお伺いしたいのですが、まず先ほどの会長の御説明の一番末ページに、八木委員も指摘されましたが、「企業経営の改善により、極力増収、節約」云々とありますが、この企業経営の改善に関して、まさに経営側の努力炉主体となって改善されるもの、働いている従業員側の努力によって増収ができるもの、おそらく大別すると、これは関連性のある問題です炉、どちらが主体になって増収をはかり得たか、あるいは経営の改善ができたかということになると、その主体が経営の側にある場合と労働者の側にある場合と、二つあると思うのですが、経営側炉主体になっての経営改善を通じての増収をどの方向に想定しておられるのか、労働者、従業員の側に大きく期待、される経営改善、それを通じての増収節約を一体どの方向に期待されているのか、その内容、なおその二つに区分けしたときに、二十九年度でもけっこうですけれども、過去にどういうような実績があったか。経営側が主体になった場合、あるいは従業員が主体になった場合の実績等を、あわせて説明をしていただきたい、こう思うわけです。
#64
○岡部参考人 二点御質問があったと存じますが、第一点の経営の方からくる面、それから労働者の方からくる面ということでございましたが、これはなかなか御指摘の通りにはっきりはきめにくいものでございまして、お話の通りまさに関連がありまして、数字的にはあるいはいろいろ意見が出るのじゃないかと思いますが、職員の能率向上による企業経営の改善による場合と、はっきりしている分につきましてはむろん問題はございませんが、はっきしない場合で、両方関連のあるようね場合におきましては、私どもとしましては、やはりこの条文の置かれてある趣旨と申しますか、精神に沿って解釈していくほかにないのではなかろうかと考えております。そういう一応の考え方におきまして、二十九年度どういうふうであったかというお話でありますが、二十九年度におきましては、当院でたしか待遇改善に努力せよという附帯決議も拝聴したわけでありますが、できるだけ努力いたしまして、また職員の努力も大いにございまして、その結果われわれとしては相当の成績を上げたと思うのでございます。金額にいたしまして申し上げますと、この弾力条項を活用して一億五千七百万円ほど待遇を改善いたしたわけでございます。
#65
○原(茂)委員 過去の実績で私の方にお話があったのですが、今後の経営改善の方向、目標というものを、一体どういうふうにお考えになっているのかという質問に対して、非常に抽象的なお答えだったのですが、やはり今の実績のお話の中にぜひ入れてお考えを願い、答弁いただきたかったのは、従業員の待遇改善というものが、やはり経営者側のやり得る経営改善の非常に貴重な唯一の方法だと考えているというお答えがほしかった。過去の実績の方からいきますと、一億五千万円というものを弾力条項の適用によって、待遇改善に向けることができたとおっしゃったわけです。この予算の審議がどうなるかは今後に待つわけですが、これのきまった後に、従業員の意思に反し、あるいは他の関連産業との比較においてまだ非常に低過ぎるという場合には、この予算をお出しになる以上は、やはり何がしかの弾力条項の適用による待遇改善というものを考え得るかどうか、あるいはすでにある種のお考えを持っておられるのか、この点を一つ……。
#66
○岡部参考人 直接のお答えにならぬかもしれませんが、先ほど二十九年度の実績におきまして、一億五千万ほどの弾力条項の活用をすることができたと申しましたが、三十年度におきましても、ただいま年度中途でございますので数字は申し上げられませんが、これをこす結果を見るのじゃなかろうかという見込みでございます。そういう過去の実績も一つごらんいただきまして、今後も私どもとしましては、できるだけ聴取者の増加を行い、経費を節減して、この条項の趣旨に沿うようにやっていきたい。まだ予算も御承認を得ておりませんので、取り立てて具体的にどうということを申し上げる段階でもないかと思いますので、過去の実績と心持ちを申し上げて御了解を得たいと思うのでございます。
#67
○原(茂)委員 それでけっこうです。最後に一点お伺いしたいのですが、この予算をまだこまかく見ておりませんけれども、今回に限って昇給原資として四億何千万円かをはっきりとお載せになっているのじゃないかと思うのです。前にはおそらく昇給原資としてはそういう予算の組み方をしていなかったように思うのですが、これは本年度初めてやったのか、今までもやっていたのか、その点を一つお伺いしておきたい。もし本年度初めて昇給原資というものを載せてきたとするならば、それをなぜ今までおやりにならなかったのか、今度だけやらざるを得なくなったのか、その点を一つ……。
#68
○岡部参考人 原さんのおっしゃる通り、昇給原資は従来載っておりませんので、今度初めて計上して御承認をお願いしたい、かように存じておるのであります。この経緯につきまして、ちょっとさかのぼりまして恐縮でございますが、三十年度におきましては、予算といたしまして前年度と同額の基準で予算を計上いたしたのでございます。それでこの運営をいたしたわけでございますが、それが前年度の末における実績はすでに予算に計上した基準を上回る結果になったのでございます。その原因は、協会は従来昇給原資を職員の新陳代謝などに求めておりましたが、最近これでは原資が生み出せない現実なのでございます。それでこの原因が三十年度においても解消されない状況でありますために、三十年度の予算編成の際に、公社と同様に昇給原資を計上すべきであったかと存じますが、当時におきましては、新陳代謝による原資の確保を期待して、三十年度の予算の編成を行なったのであります。しかしその実行におきましては、昇給規定の適用による昇給は、これを実施する必要がありましたので、適宜調整を行いましたが、やはりこの平均賃金は、先ほど申し上げましたように、三%ばかり増しまして一万九千二百七十円となる見込みでございます。それでこの現状を打開するために、初めてこの議案の予算におきまして、現員現給を基準といたしまして昇給原資を予算に計上して、給与の合理的運営をはかる、かような考え方で編成いたした次第なのでございます。
#69
○原(茂)委員 最後々々と言って申しわけないのですが、今の御説明で、従業員の新陳代謝を当てにしてこれを昇給原資にかわらせようと考えてずっとやってきたということが無理だったために、本年度は出したということに結論はなると思うのです。従って今日までのベース・アップあるいは昇給の率等を考えていっても、過去のそういった不自然な――どの企業でも、いわゆる新陳代謝のみにたよって昇給原資にしようなどと考えている企業というものは、他に例を見ないと思う。民間企業においても、そんなことはおそらく成り立たないということをやってきたところに、職員の給与が今日他の関連産業と比較して不当に安過ぎる原因の大きなものがあると思う。従って今日昇給原資を出されたことは非常に正しいので、過去のあやまちを是正したものと私は思いますから、けっこうだと思うのですが、この出し方が、やはりその反省の上に立って出すならば、四億二千万円などと言わないで、この際は率直に郵政省に進言をして大臣の了解を得た上で、もっと大幅な予算を出すべきじゃなかったか。この点経営者としては、経営改善の上からいっても、従業員に対する愛情からいっても欠けるものがあったし、用意が周到でなかった、こういうことが私は言えると思いますので、今回この予算に対して私どもは率直にもっとこの点の増額を要求したいと考えております。今後の審議の経過に待つでしようが、自今この面の反省の上に立って、予算の原案を作成するときの郵政大臣との折衝に当っていただくようにお願いをしたいと思います。
#70
○松井委員長代理 森本靖君。
#71
○森本委員 きょう初めての質問ですから、一応大ざっぱにずっと一通り質問をしたいと思いますが、その前に先ほどの固定資産税の問題について、大臣とそれから電波監理局長からそれぞれ答弁がありましたが、私は一言御忠告を申し上げておきたいのは、この固定資産税の問題については、もう本委員会あるいは予算分科会等において、しばしば質疑応答が繰り返されておるわけです。ところがきょうのあなたの御答弁とこの前の大蔵省の岩尾説明員が来たときの説明とは、また若干違ったような説明をしているわけです。これは一つ今までの速記録を十分読んでいただいて、今後はあまりそういうふうな食い違いがないように、答弁を統一をして行なってもらいたいと思うのです。政府側の一つはっきり統一した見解としての答弁を、私はこの固定資産税の問題については行なってもらいたいというふうに考えるわけです。きょうはこの前に答弁をせられたときと若干違った答弁もございますので、御忠告を申し上げておきたいと思います。
 それでこの予算でありますが、まず最初に私は大臣にお聞きしたいと思いますが、この予算をいろいろ審議をいたしますけれども、もし予算を審議した場合、これはもうこの前の委員会でも問題になったわけですが、かりにこの国会においてこの予算の修正をしなければならぬということになった場合に、これは一体どうなるかということについて、大臣は意見書を出すと、はっきりここに言っておりますので、この点についてまずお伺いいたしておきたいと思います。
#72
○村上国務大臣 私の方としては別に修正意見はないと思っております。国会の御審議に待つ以外にないと思いますが、修正意見は郵政省としてはないように思っております。
#73
○森本委員 私のお聞きしているのは、郵政省はそういう意見書を出して、そうして一応国会に上程するので、むろん郵政省はこれが大体妥当なりということで出しているわけですから、これを修正する意思はないわけです。ところが国会において審議をして、これは修正しなければならぬというような格好になった場合、一体これはこの放送法の建前からどうなるかということです。
#74
○村上国務大臣 法律に承認とありますので、承認か不承認かということだけであろうと思います。
#75
○森本委員 これはいつも問題になるのですが、前の三十年度の予算を審議したときには、これは前の長谷電波監理局長でありましたが、最後には、修正する権利があると思います。それから松田大臣も修正をしてもいいと思います。こういう答弁をせられておったのです。今度の大臣になったら、これは修正する権限はない、単に国会においてはこの放送法の第三十七条によって承認をするかしないか、これだけで審議をする、こういうことですか。これははっきりした見解をお述べ願いたいと思うのです。前の大臣と見解が違っておるわけですから……。
#76
○村上国務大臣 法制局の見解をただしてみたところによりますと、これは承認か不承認かという以外に、修正はできないのではないかということであります。
#77
○森本委員 その見解は若干おかしいというような点もありますけれども、この問題については大臣が今そういう回答をはっきりせられるというなら、それだけのはっきりした法的な根拠があって御回答願っておると思いますので、これ以上申し上げませんけれども、これは逓信委員会の速記録を見ていただいたらよくわかると思います。前に昭和三十年度の同じくNHKの予算をわずか一週間で審議したと遂に、この問題が問題になって、当時の電波監理局長からは修正する権利があるのだという答弁をせられて、それに対して松田大臣もその通りでございますという答弁をせられておるわけです。これは同じ保守政党の政権が、たった一年たったらすぐ、法律も何も変っておらぬのに、見解が変るということでは非常にややこしいので、その点はこの次の委員会までにはっきりした、統一した回答を願いたいと思います。
 それから次に、それでは承認をするかしないかという問題でありますが、この予算についてずっと細目にわたって審議する権能があるか。あるいはこの予算書が出されておりますが、この大綱だけを審議するという格好になるのですか、それともこの委員会においてこの予算の細部にわたって詳細にわれわれは検討する権利があるのですか、その点をお聞きしたい。
#78
○村上国務大臣 国会は国権の最高機関ですから、最終的には国会の御意見に従わなければならないと思います。でありますから、これは審議権があるとかないとかいうことは問題でないと思います。
#79
○森本委員 そうすると、国会はこの細部にわたって慎重にこまかく審議する権限があるわけですね。
#80
○村上国務大臣 当然あると思います。
#81
○森本委員 そうすると、NHK当局にちょっとお聞きしたいのですが、この間NHK年鑑というものを私たちに配付されて、私もその内容を見たわけでありますが、その中にNHKの性格、予算の内容等について説明してある点がある。その説明によりますと、国会において予算を審議するということは、単に承認するしないということであって、大まかな問題を論議するだけであって、細部について論議するようなことはない、そういう点についてはNHK当局に大幅にその内容についてはまかされている。こういうことがNHK年鑑に載っているわけでありますが、今の郵政大臣の答弁と、NHK当局の年鑑のその内容とを見てみると、私は不審にたえないわけですが、その点どうでしよう。
#82
○古垣参考人 ただいまお伺いして、私ども非常に驚いております。私はそのように記憶いたしておりませんが、もし今の仰せのような表現でありましたならば、これは非常に不適当であると存じます。
#83
○竹内委員 今の森本委員の御発言に関連して一点だけお聞きしたいのですが、村上郵政大臣は、今の放送法は占領下の法律であって、また民放ないしはテレビジョンの発足以前に制定せられたものである。今日の状態は著しく異なったから、これを改正しなければならぬ。その案を今練っておって、結論が出るならば提案するつもりだということを所管事項の説明でもお述べになり、またその後の質疑応答でも明らかにせられているわけであります。この放送法の改正はどうされるかということが今後の問題でありますが、この改正される内容いかんによっては、今日われわれが審議している日本放送協会の昭和三十一年度の予算及び事業計画ないしは資金計画に、直接間接相当に影響するものであると思うのであります。しかしながらお出しになった意見書によりますと、そういうことが少しも見えていない。これはもっとも、今は現行法によって郵政省はそういう意見を付する以外に方法がないという見方もありますから、それ自体は一つの道理はあると思いますが、あなたのここで言明されている放送法の改正と、今日出されているNHKの予算とが、関連があるということは明瞭である。しかもこれは仮定の事実ではなくして、あなたは今国会に出したいということであるとすれば、いずれは近くそういう事態が来ると思う。そこでお聞きしたいのであるが、そういう改正はこの場合においても放送協会の予算に関係がないというお見通しで、かような意見を付されたのであるか、あるいは関係があって訂正を要するかもしれないが、今の場合は現行放送法の基準によってやるよりいたし方がないから、こういう意見を付したのであるか、この点が一点。
 もう一つ、今の森本委員の御質問に関連するわけでありますが、その場合にもし事業半ばにして日本放送協会のやった事業計画、資金計画等に著しい影響があって、これを組みかえなければならぬといった場合において、今承認を与える予算を、われわれは修正権は拾いのでありますから、これはこのままに日本放送協会が通そうと思えば通し得ようにも考えられる。その場合に補正予算を出すとか、そういうことの法律的根拠があるかどうか、こういう場合に、行政的にどういう方法をとることが可能であるか、その二点をお聞きしたい。
#84
○村上国務大臣 御指摘の第一点でありますが、現行法では御指摘のように、そこまで立ち入っていけないのではないか。ただ意見書をつけて国会に提出するということになっておりますので、実質的にはNHKが自主的に一切の予算を作る。それに対して大体不都合がなければ、間違いがなければ、これをそのまま提出するということが現行法ではないかと思っております。従いまして放送法の改正等の場合は、郵政大臣として国会に幸いて一切責任を持って御答弁をし、また修正等にも応じられるようなことにする方がいいのではなかろうかとも思っております。まだこれははっきりした結論が出ておりませんが、現行法のいささか物足りない点であろうかと思っております。
 それから予算の問題につきましては、先ほども森本委員の御質疑に私お答え申し上げましたように、国会に承認を求めるということになっておりますので、法的な解釈から申しますと、国会が承認するかしないかということでないかと思います。しかしながら私が付言申し上げましたように、国会は国権の最高機関であるから、国会がこうしなければならないということになれば、それに従わざるを得ないのではなかろうか、こう思ってもおります。この点はもう少し研究を要するところであります。しかし組みかえがなければ、承認ができないときは不承認として差し戻せば、また組みかえて再び出すというようなことにもなるのではないかと思っております。
#85
○竹内委員 今大臣にお聞きしたのは、そのこともありますが、放送法の改正のいろいろな点がありますが、私は世論に聞きますと、その通り行われるか行われないかは別として、たとえば今のNHKの公共放送の番組の内容についても相当に批判があります。あるいは今の第一放送、第二放送のうちの第二放送のような性格に持っていくことが、公共放送としての本体であるという論も相当にあるわけであります。そうなった場合には、当然今われわれが審議せんとしている昭和三十一年度のこの案の事業計画に、相当大きい変動がある。また聴取料の問題についても、これを日本放送協会の独占の収入としてこのままに置くべきか、あるいは広く日本の放送全体のために使われるような何らかの方式に改めるべきかというところにも、相当世論があるわけであります。そういうことがおそらく今度の放送法の改正の内容になると私は思う。そういう場合には、当然この事業計画には大きい変動がこなければならぬ。そういった場合に、予算の執行中にそういうものが出た場合に、これは予算の組みかえをするということが、大体常識からいって当然であるが、われわれに修正権がなく、この承認を与えたあとにそういう事態が起った場合に、日本放送協会に政府としてそういう予算の組みかえ、あるいは補正予算の再承認等を求めるの根拠があるかどうかということをお聞きしたい。どなたか適当な方から御答弁願いたい。
#86
○村上国務大臣 その際には、組みかえなければ承認できないときは、不承認として差し戻して再び出し直します。
#87
○竹内委員 予算が執行されて、途中にそういう事態が起ると思わなければならない。その場合に、今ここへお出しになっておるものに対してさえわれわれ修正権がないのに、予算の執行中にそういう事態が起った場合に、何らか政府としての方法があるかどうかということをお聞きしたい。
#88
○村上国務大臣 第三十七条に「協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、郵政大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」とありますので、私はできると思います。
#89
○森本委員 今の質疑については、だいぶこれは論が出てくるところでありますが、竹内委員が言われた第二放送、受信料などの点については、これまたそれぞれ違った角度の意見を持っておる者も相当あるものと思いますので、こういう点は将来の問題にはなると思いますけれども、この予算の修正をする権利がある云々、それから途中において変更するとか云々というような問題については、この三十七条の解釈について非常に異論があるところです。そこで、うしろの方から次長さんがメモを渡すようなことでなく、この問題についてははっきりした結論を郵政省としては持って、そうして明確に答弁をすべきなんです。そうしないと、これは次から次へと論を呼び起して問題になる条項なんですから、この問題については私もまた日をあらためてゆっくりやりたいと思いますので、一つ郵政省当局もこの問題については十分に意見を戦わせて、よく法制局等の意見も聞いて、確固たる答弁をするようにお願いをしたいと思う。
 そこでもう時間がありませんからだいぶ省略いたしまして、先ほどの固定資産税に戻ります。そこでやはり三十七条が問題になるわけですけれども、たとえば電電公社、国鉄等三公社については、はっきりと固定資産の問題が今年度の予算に明文化されておるわけです。ところがNHKのこの予算については、全然明文化されておらない。ところがこのNHKの予算が、一応NHKの内部において固まってきて、そうして電波監理当局との間において論議をせられておる過程においては、この固定資産税という問題は明確になってきておったと思う。ところがその他の公社については明確にそれをやっておるにかかわらず、NHKの予算だけについてそれが予備金から支出するという格好になっておるのは、どういうわけでそういうことになったのですか。そこで先ほど来郵政大臣は言われておりますけれども、たとえばNHKの方からそういう予算を持ってきた場合に、それを検討して単に意見を付するだけであるという回答でありましたが、かつて私が郵政省の予算分科会で質問したときには、濱田電波監理局長は、そういうことは条文の上だけれども、実際問題としてはよく話し合いをして、やはりこの予算が妥当であるという意見書を付して出すのが妥当だという答弁でありましたから、それまでに相当話し合いをする余地もあるわけです。そういうことになってくると、この固定資産税についてもやはり明確に出してくるのがほんとうじゃないのですか、政府としては……。意見を付する前にそういう意見をNHK当局に言って、そうしてその中に入れてくるのがほんとうじゃないのですか。
#90
○濱田政府委員 この問題は先ほど申し上げましたように、今年度二千万円くらいの金額でございまして、割合等も公社と同じであろうという考えで、予備金からまかない得るというふうに考えたわけであります。公社の予算は国の予算と一緒に提出する必要があるのだろうと考えますが、それで三公社としては予算に組み入れて出しただろう、NHKの場合においてはこれと少しく性質が違いますから、予備金から支出というのでもよかろうと想像して、この分ならば異議はないとしようというふうに考えたわけであります。
#91
○森本委員 はなはだ心もとない答弁であって、事実その他の公社については金額はともかくとして、国鉄が三十五億円、電電公社が五億円、その割からすればNHKが二千万円というのは額はなるほど少いけれども、予備金から見るとそんなに小さい額じゃないのです。だからこういう問題は当然はっきり予算に組んで出してくるのが当然だろうと私は思うのです。それをNHKと公社の予算の性格が違うからというようなことでは私は答弁にならぬと思う。なぜそういうことを私が言うかというと、この前に予算委員会の分科会において、放送法三十五条によるところの技術研究費も出されておらない、国際放送の一億九千万円の中においてもわずかに九千万円しか交付金がない、そういう問題についてはどういう考え方をしておるかと質問をした際に、郵政当局としては、そういう問題についてよく話し合いをして大蔵関係等について折衝したけれども、郵政大臣が財政全般上の見地から削減をせられまして、まことに残念でありますという答弁があっだわけです。そういう折衝をしておるなら、この固定資産税も当然そのときの話し合いによって、予算に組まれてくるのが至当じゃないですか。
#92
○濱田政府委員 御意見はまことにごもっともであります。しかしその当時はまだこの問題がきまっておらず、固定資産税になるのかあるいは納付金になるのか、まだ確定しないような道程であったと考えたものですから、この雲行きではやらないだろう――大事な予備金等は研究費とか国際放送とかの費用に回すように持っていくのが当然だろう――御意見はなはだごもっともでありますけれども、時間の食い違いがあるかもしれませんが、私の記憶ではその当時はまだ固まらない時代でありましたから、そういう措置で差しつかえないのじゃなかろうかと考えたのでありまして、決していいかげんにやったつもりはないのであります。
#93
○森本委員 まだ私はあとずっといろいろな質問がありますけれども、本会議があるそうでありますので、本日の私の質問はこれで一応打ち切ります。
#94
○松井委員長代理 ちょっと政府の方にお願いをいたしておきますが、本日の各委員の諸君の質問の内容からみて、食い違いがあると思う。それは予算総則の第六条に基いて、予備金を使う方法がきめられておる。ところがこれは「予見しがたい予算の不足に充てる以外これを使用することができない。」固定資産税の法律がきまって、固定資産を取る場合に、やはりこの文句に該当するかどうかということの解釈を明らかにしてきてほしい。答弁を聞いておるとまちまちなのです。これははっきり統一しておかないと、法律は通って固定資産税はきまったが、それが予見しがたい不足という事態と解釈するのか。政府は予見をして法律を出しておるのですから、この点の解釈を明らかにして賄いてもらわないと誤解を生じますから、予算総則の第六条の解釈をはっきりして幸いていただきたい。
 それからもう一つ、NHKの固定資産税というのは、三公社の地方財政救済という理由からみて不合理であり、これは固定資産のあるところの地域から見ても貧困町村救済に当てはまらない、その理由が別に成り立たなければいかぬので、そういう理由等を明らかにしてもらわないと、ここで予算の本論でないところでつかえてくるのであります。
#95
○村上国務大臣 それは税にするか、交付金にするかということにつきましては、税制の体系をくずすことはなるべく避けたいという自治庁の意見に従ったということであります。
#96
○松井委員長代理 ただいま申し上げたことは、次会までに意見の統一をしてきていただくことを委員長から要請いたします。
    ―――――――――――――
#97
○松井委員長代理 この際お諮りいたします。本委員会の中に設置されております電波及び放送に関する小委員会において、放送事業に関する調査の便宜上、右小委員長より申し出がありました場合には、随時日本放送協会当局より参考人を招致して説明を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○松井委員長代理 御異議なしと認めさよう決定いたします。
 なお右参考人の選定等につきましては、委員長及び小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○松井委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。次会は明後三月二日金曜、午前十時より開会いたします。
    午後零時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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