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1955/03/28 第24回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第024回国会 逓信委員会 第15号
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1955/03/28 第24回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第024回国会 逓信委員会 第15号

#1
第024回国会 逓信委員会 第15号
昭和三十一年三月二十八日(水曜日)
    午後一時四十九分開議
 出席委員
   委員長 松前 重義君
   理事 秋田 大助君 理事 小泉 純也君
  理事 橋本登美三郎君 理事 廣瀬 正雄君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 森本  靖君
      宇田 耕一君    加藤 高藏君
      竹内 俊吉君    徳田與吉郎君
      中垣 國男君    林   博君
      山本 猛夫君    山本 利壽君
      杉山元治郎君    八木  昇君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 村上  勇君
 出席政府委員
        郵政事務官
        (貯金局長)  成松  馨君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      濱田 成徳君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  上村 照昌君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     岡部 重信君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
三月十五日
 委員河野金昇君及び林博君辞任につき、その補
 欠として山本猛夫君及び石田博英君が議長の指
 名で委員に選任された。
同月十六日
 委員濱地文平君及び山本猛夫君辞任につき、そ
 の補欠として小西寅松君及び遠藤三郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員遠藤三郎君及び小西寅松君辞任につき、そ
 の補欠として山本猛夫君及び濱地文平君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月十七日
 委員塚田十一郎君辞任につき、その補欠として
 松浦周太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員松浦周太郎君辞任につき、その補欠として
 池田正之輔君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員池田正之輔君辞任につき、その補欠として
 松浦周太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員松浦周太郎君辞任につき、その補欠として
 塚原俊郎君が議長の指名で委員で選任された。
同日
 委員塚原俊郎君辞任につき、その補欠として松
 浦周太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十日
 委員中垣國男君及び濱地文平君辞任につき、そ
 の補欠として北村徳太郎君及び淺香忠雄君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員淺香忠雄君及び北村徳太郎君辞任につき、
 その補欠として濱地文平君及び中垣國男君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
 委員中垣國男君及び井手以誠君辞任につき、そ
 の補欠として中山榮一君及び飛鳥田一雄君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員中山榮一君及び飛鳥田一雄君辞任につき、
 その補欠として中垣國男君及び井手以誠君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員井手以誠君辞任につき、その補欠として片
 島港君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
 委員石田博英君、濱地文平君及び星島二郎君辞
 任につき、その補欠として林博君、加藤高藏君
 及び徳田與吉郎君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
三月十六日
 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一三六号)
同月二十八日
 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(
 第二十二回国会衆法第四六号、参議院継続審
 査)
同月十六日
 小規模郵便局制度改革に関する請願(永山忠則
 君紹介)(第一三九九号)
同月二十二日
 湯船村の簡易郵便局を特定郵便局に昇格の請願
 (川崎末五郎君紹介)(第一五二二号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(
 第二十二回国会衆法第四六号、参議院継続審
 査)
 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一三六号)
 日本放送協会昭和二十九年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書
    ―――――――――――――
#2
○松前委員長 これより会議を開きます。
 日本放送協会昭和二十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審査に入ります。本件につきましてはさきに村上郵政大臣より説明を聴取いたしましたが、本日は日本放送協会及び会計検査院より説明を聴取いたしたいと存じます。それではまず会計検査院より御説明を願います。
#3
○上村会計検査院説明員 日本放送協会の二十九事業年度の会計に関しまする検査は、毎月検査院に提出されます試算表等によります書面検査のほかに、実地検査といたしまして、協会の本部及び七放送局のうち、大阪、名古屋両中央放送局を延べ約七十日間にわたりまして、日本放送協会の経理全般について検討いたしましたが、検査の結果といたしましては、特に私どもといたしまして国会に報告すべき事項はございませんでしたので、この点ご報告いたします。
#4
○松前委員長 それでは次に日本放送協会より説明を求めます。岡部参考人。
#5
○岡部参考人 日本放送協会の昭和二十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書についてその概要を申し上げます。
 まず第一に二十九年度における事業運営の収支状況について御説明をいたしたいと思います。
 ラジオ収支におきましては、事業収入は九十六億三千六十五万円余、事業支出は八十八億五千二十一万円余、差引当期剰余金は七億八千四十三万円余でございます。その内訳につきましてはお手元の損益計算書の通りでございますが、収入においてこのような成果を上げ得ましたのは、もちろん当委員会において収支予算等の承認をいただきます際に、格別の御同情によって定められました受信料の改訂に基くものでありますが、協会といたしましても二十九年度は特に受信契約者の積極的な普及に努力を傾けまして、当初の増加見込み六十万に対し八十万の実績を上げ、収入の増加をはかりました結果でありまして、一方で年度中に国会の附帯決議に基く生活保護法による被保護者に対して受信料を免除し、また恩給法による不具廃疾者に対しても半額免除を行いましたが、総体収入においては当初予算に対し二億二千万円余の増収となったこと等によるものでございます。このため支出におきましては、事業計画に基く番組の充実、地域別放送の拡充、相談業務等による受信者へのサービスの向上、研究部門の強化等の諸方策を積極的に実施いたしまして所期の成果を上げることができました。また事業計画等承認の際附帯決議をもって要請せられました教養放送の充実、研究成果の公開、経営の合理化、経費の節減、職員の待遇向上等についても、御趣旨を体して鋭意措置したつもりでございます。
 次に資本収支につきましては、収入は長期借入金五千万円、減価償却引当金五億八千九百七十万円その他を合せて七億一千四百十万円余、また前年度からの建設繰り越し工事費二億二千四百四十三万円余で、支出は十五億二千三十四万円余でございます。このうち建設費は十億五千七百七十四万円余でありまして、これによって附帯決議に基く難聴地域改善対策として、名寄放送局等中継放送局五局の建設、敦賀放送局等第二放送施設二局の整備、延岡放送局の増力等を実施し、全国カバレージを第一放送九八・六%、第二放送九三・七%まで広めますとともに、一般老朽設備の改善、過年度から継続の東京放送会館新館、名古屋放送会館の建設等を行なったものでございます。
 ラジオ収支全般につきましては、前述の事業収入、資本収入を合せまして、収入総額は百二億四千四百七十五万円余、また事業支出、資本支出を合せまして支出総額は百二億七千九百八十一万円余で、差引当期の収支剰余金は六千四百九十四万円余でございますが、これに前年度からの繰越金二億二千四百四十三万円余を加えまして、二億八千九百三十七万円余を三十年度に繰り越した次第でございます。
 次にテレビジョン収支におきましては、事業収入は一億二千二百十八万円余、事業支出は六億七千五百二十六万円余、差引当期欠損金は五億五千三百八万円余でございます。これはテレビジョン事業五カ年計画による長期採算の構想のもとにおける事業運営第二年度の実情であり、協会が置局増設をすみやかに実施するとともに、番組の内容を充実して一日も早くテレビジョンの全国普及をはかろうとして着々その歩を進めております過渡期の現象でございまして、欠損金五億五千万円余は不測の赤字ではなく、長期採算の構想で予定し、国会において承認せられました計画に従って予定通りに実行した借入金によってまかなわれております。従って事業の運営においては、報道放送、教育、教養放送及び健全な慰安放送等につきまして新分野の開拓と豊富多彩な番組の提供に努めるとともに、受信の普及、設備の改修等につきましても、ほぼ円滑に推移して所期の成果を上げ、今後におけるテレビジョン事業発展の基礎を築いたのでございます。
 次に資本収支につきましては、収入は放送債券二億円、長期借入金八億八千万円、減価償却引当金六千九百五十二万円余その他を合せて十一億四千九百五十三万円余で、支出は六億六百九十六万円余でございます。このうち建設費は一億五千六百九十六万円余で、これによって東京、大阪の各テレビジョン局施設の充実、整備をはかり、さらに名古屋テレビジョン局の放送電力を一〇キロワットに増力したものでございます。
 テレビジョン収支全般につきましては、前述の事業収入、資本収入を合せまして収入総額は十二億七千百七十二万円余、また事業支出、資本支出を合せまして支出総額は十二億六千八百八十万円余で、差引当期の収支剰余金は二百九十二万円余でございますが、これに前年度からの繰越金四十四万円余を加えまして、三百三十六万円余を三十年度に繰り越した次第でございます。
 以上が二十九年度中の収支の概要でございますが、次に貸借対照表につきましてその概要を見ますと、昭和三十年三月三十一日現在における資本総額は三十五億九千五百三十三万円余で、これに照応する資産は七十五億五千八百三十七万円余、負債は三十九億六千三百四万円余でございます。これを前年度に比較いたしますれば、資本において十三億四千百二十七万円余、資産において十八億九千匹百七十六万円余、負債において五億五千三百四十九万円余のそれぞれ増となっておりまして、過去一カ年間の事業の躍進を端的に表わしております。
 また資産の内容を見ますと、流動資産六億五百二十三万円余、固定資産六十二億三千九百一万円余、特定資産五億九千六百六十万円、繰り延べ勘定一億一千七百五十二万円余でございまして、他方負債の内容は流動負債三億八千七百四万円余、固定負債三十五億七千六百万円でございます。これらの資産負債の構成内容につきまして、その相互の関連を分析いたしますと、おおむね健全な財務状況となっております。従いまして協会の現在の財政状況は、良好な状態において推移しているものと申し上げられることを幸いと思っております。なおNHKの公共放送としての重大使命と責任に照らし、皆様の御意向に沿い、今後一そう運営に意を用い、皆様の御期待にそむかぬよう最善の努力をいたして参りたい所存でございます。
 はなはだ簡単でございますが、以上をもちまして昭和二十九年度決算の概要説明を終りますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたす次第でございます。
    ―――――――――――――
#6
○松前委員長 次に、去る十六日本委員会に付託になりました郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。まず政府当局より提案の趣旨説明を求めます。村上郵政大臣。
 
    ―――――――――――――
#7
○村上国務大臣 ただいま議題となりました郵便振替貯金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、従来定期に大量の払い出しの請求をする郵便振替貯金の加入者から、簡易な払い出しの取扱いをするよう、きわめて熱心な要望がありましたので、これら利用者の要望にこたえますとともに、郵便振替貯金の利用の増進をはかるため、その改正をいたそうとするものであります。
 改正のおもな事項について申し上げますと、第一は、振替貯金の加入者が自分の口座から他人に送金する場合、従来の取扱いによりますと、三票式の払い出し書を受取人ごとに作成することになっておりますが、一時に多数の人々に送金する加入者の手続きの軽減と、あわせて原簿を処理しております地方機関の事務の簡易化をはかるため、新たに一票式の支払い通知書による取扱いを設けようとするものであります。
 第二は、支払い通知書は無案内式のものでありますので、その金額を三万円以下と定めようとするものであります。
 第三は、払い出し金の払い渡し後における加入者との資金決済を敏速に行う必要がありますので、払い渡しの期間を加入者が指定した日から一カ月と定めようとするものであります。
 第四は、料金を現行の通常振替の料金及び取扱い経費の面を勘案いたしまして、一件当り十五円の料金に払い出し金額の千分の二に相当する金額を加え、簡易、低廉化をはかろうとするものであります。
 第五は、支払い通知書は、小切手などと同様に、振替貯金に払い込みまたは郵便貯金に預入することができることといたしまして、受取人の利便をはかりますとともに、郵便貯金の増強に資することにいたそうとするものなどであります。
 以上まことに簡単でありますが、この法律案の提案理由及び、その内容の概略を説明申し上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
#8
○松前委員長 ただいま日本放送協会及び政府より御説明がありました日本放送協会昭和二十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びに郵便振替貯金法の一部を改正する法律案につきまして質疑を行います。この際、質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
#9
○森本委員 NHK当局にお伺いしたいことが一点だけあります。これはこの前の国会のときに問題になりました例のラジオ・サービス・センターの解決をつけた方法でありますが、聞くところによりますと、衆議院の方では、いわゆるあの報告がありまして、あれを承認する際に別に条件をつけなかったわけでありますが、ところがその後参議院の方においては、三十年度において早急に片をつけるというような決議をつけたというふうなことを聞いておりますが、このサービス・センターについては、あの国会で質疑応答がこの衆議院であって以来、どうやっておりますか。
#10
○岡部参考人 ただいまお尋ねの、昨年の当委員会においてお話がございましたサービス・センターの買収につきましては、その後NHKにおきまして会計検査院の意向なども参考といたしまして、今年の二月一日をもってこれを一億二千二百万円で買収することにいたしました。
#11
○森本委員 それでは、これは今年の二月一日に全部買収が済んだという形になったわけですか。
#12
○岡部参考人 さようでございます。
#13
○森本委員 そうすると、これは一括して行なったというわけですか。
#14
○岡部参考人 仰せの通りでございます。
#15
○森本委員 この金は結局どこから支出されることになるのですか。
#16
○岡部参考人 三十年度の予備金で支出する予定になっております。
#17
○森本委員 この買い上げの際の価格の決定、その他についての詳細な説明を願いたいと思います。
#18
○岡部参考人 二十九年度の決算の際も一応申し上げたかと思いますが、建物ができましてから日にちもあまりたっておりませんので、一応帳簿価格で買い取るのが妥当ではないかという結論に達したわけでございます。なおそれにつきましては日本勧業銀行にも建物の評価を依頼したわけでございます。それで帳簿価格がちょうど一億二千二百二十七万円になります。それに無形固定資産と申しますか、電話がありますのでそれを入れまして、一億二千二百三十七万八千円ということになりますが、端数を切り捨てまして一億二千二百万円という買収価格にきめたわけでございます。
#19
○森本委員 その帳簿価格の決定に至るまでのいきさつ、その価格の決定の方法についても、一つこれは資料として詳しい内容を後日御提出願いたいと思います。
 それから念のためにお聞きしますが、そうすると二月一日からこの建物は全部NHKの建物になったわけであります。そして今度はサービス・センターの人たちにNHKが、このビルディングの一部を貸すという仕組みになるわけですね。その貸してある相手先が今度はこの前と逆になるわけでありますが、家賃の価格はどうなっていますか。
#20
○岡部参考人 今森本さんのおっしゃる通りの関係になるわけでございます。それでNHKその他が従来出しておりました保証金はそれぞれ返還するということになりまして、今までNHKは借り主でしたが、今お話の通り大家になるわけで、今度は逆に家賃を取るという関係になります。家賃につきましては非常にこまかい数字的なこと今算出しておりますが、もう間もなく家賃もきまりますから、二月からその家賃をちょうだいするということになります。
#21
○森本委員 今度は逆に向うの方からNHKが保証金なり敷金を取るという格好になるわけですか。
#22
○岡部参考人 今おっしゃるような事態も出るわけでございますが、あるいは保証金を取らずにそれに見合うような、何といいますかこまかい話ですが、利息を取る、利息を家賃に含めて取るという方法もございますので、その方がいいのじゃないかというような線で今検討いたしております。
#23
○森本委員 大体その経過がわかれば私はいいのでありますが、その価格の決定に至った坪数とか建物の年令、それから相手方に今度貸す場合の坪数、家賃、それからかりに保証金というものが出されるなら、それも次の場合に、決定されたら、直ちに資料として出していただきたいということをお願いしておきます。
#24
○岡部参考人 今のお話、きまりましたらできるだけすみやかに資料を提出することにいたします。
#25
○松前委員長 ほかに御質疑はございませんか。
#26
○橋本(登)委員 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案について、政府委員が具体的説明を用意しておるだろうと思いますので、それを聞きたいと思います。
#27
○松前委員長 成松政府委員。
#28
○成松政府委員 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の中身につきまして、大臣の御説明に敷衍しまして申し上げたいと存じます。大臣の御説明にありましたように、この改正案の目的といたしますところは、一時に非常に多数振替貯金を利用しようという人たちの便宜をはかることをもっぱらとしました改正案でございまして、その定期に多数の払い出しをする請求とは、加入者のうちでしからばどのくらいのものを一時に出すものをこの簡易払の取扱いをなさしめるかという点につきましては、大体年二回以上利用するもので、一回に五百件以上振り出しの請求をするものを認めていきたい、このように考えております。
 それから簡易払におきまして特色といたしますところは、従来は特殊払出書というものを利用して振り出しの請求をしておったのでありますが、この簡易払におきましては新たに支払通知書というものを作成いたしまして、この支払通知書によって、郵便局の窓口において現金と引きかえをするようにしたという点が特色があるわけでありまして、従来でございますと、一般の特殊払出書と申しますのは三連式になっておりまして、その三連式には非常にこまかい点、たとえば名あてから金額といったもの以外に、払い渡しの郵便局を指定しなければならないということになっておったのでありますが、その三連式が口座所管庁――地方貯金局で振替貯金を取り扱っておるところを口座所管庁と申しますが、その口座所管庁におきましてはその参連式の一票を自局の手元に保管し、一票を名あて人に送り、あと残りの一票を名あて人郵便局に案内書として送るというようにきわめて手数がかかったのでありますが、これを支払通知書という一票式のものにすることによって、非常に簡単になったわけでございます。その取扱いの私どもが考えておる実際を申し上げますと、簡易払を請求する利用者が支払通知書を送る場合には、その支払通知書の各票については、やはり以前のように名前、金額を書いてもらいますが、それ以外に総体の金額だけについての払出書を出していただく。そして口座所管庁におきましてはその払出通知書を浮き彫り印を押しまして、それを利用者たる会社の方に返します。会社はほかの書類と送る場合が多いのでありましょうから、それとともに名あて人に送る、名あて人は郵便局にその支払通知書を差し出すことによって現金を受け取る、こういう仕組みにしたいと考えております。
 それから支払通知書は、従来の一般の振替貯金でございますと十万円まで送れるのでありますが、この場合には金額の最高制限を三万円にしたいと考えております。その理由と申しますのは、一般の振替貯金におきましては案内書が郵便局に行くのでありますが、この場合には案内書は行かないという点において三万円という金額に制限したいという点と、それからこの簡易払を利用する利用者は、多く株式の配当金の場合に利用せられるのでございまして、その金額面からしましても三万円以下でほぼいいのではないか、こう考えた次第であります。
 それからこの支払通知書による払い渡し期間を振り出し請求人の指定した日から一カ月間というふうに切りましたのは、振り出し請求人といたしましても支払通知書が早く決済をつけられることを希望いたしますので、そういう点から見て一カ月くらいにした方がいいだろうという考えと、もう一つは従来の振替貯金の払出通知書の払い出し期間を考えてみますと、大体一カ月内において支払われるものが大部分でありますので、一カ月としてもいいだろうというふうに考えたわけであります。ただしその一カ月といいましても、もし不可抗力による場合であるとか、その他支払通知書に不備な点があるとか、郵便局に一時資金が足らないために払われないといったような事例があるときには、その期間を多少延ばしたいというふうに考えております。
 それから支払通知書をなくしましても、これは再交付しないことにいたしておりますが、その理由は、これは無案内書のものでありますから、原簿的なものがございませんので発行も不可能であるし、また重複払いをせられるおそれが非常に多いというところから、再交付しないわけであります。もっともこの点は郵政省といたしましては支払いはしないのでありますか、会社側と個人との間の権利がここで切られたというわけではないので、一カ月たったあとで会社に対して請求し得るということによって、実際は救われると思うのであります。
 それからほかの一般の振替についても当てはまる規定といたしまして、たとえば現在高を越えて支払ってはいけないとか、あるいはこういう場合には除名するといったような規定は、これはこの新たな簡易取扱いのものについても当てはまるわけであります。すなわちそういう場合に、現在の口座にある金額というものを計算上特例と申しますか、制限をしたわけであります。五十条の六に当りますが、これは例で申し上げることをお許しいただけますれば、たとえば口座に百五十万円あったといたしまして、支払通知書によって百万円支払おうという場合に、すでに八十万円支払ったとすれば、口座には七十万円残っているわけでありますが、二十万円は支払通知書によって払い出される可能性があるから、七十万円あってもこの五十万円のみを口座にあるものとする、こういうことであります。
 それからなお一般の払出証書は手形交換所における交換決済ができますし、あるいはまた銀行以外に譲渡してはならぬという規定がございますが、その点をやはり支払通知書にも適用しよう、こういう考えでございます。
 なお大臣の御説明にありましたように為替証書、払出証書等は、これをもって振り出しの払い込みをすることかできるのであります。それと同じように支払通知書も払い込みをするようにしたい。
 それから郵便貯金におきましては、現在現金と小切手以外には預入ができないのでありますが、為替証書、今までの払出証書、それから今回の規定によります支払通知書をも郵便貯金に預入することができるようにしたい、このように考えたわけでございます。
 それから料金につきましては総体の金額の千分の二と、支払通知書一枚について十五円という金額を加えたものを料金としたのであります。これによりまして料金計算が非常に簡単になったことと、従来の利用に比べれば非常に低廉になったということが言えると思います。この料金を決定するにつきましては、料金体系の上から見まして現在口座振替の料金が十五円でございますが、大体手数の上から見ましてこれを中心として考え、その他現金が動くといったような点及び経費面というような点を勘案しまして、このような料金にしたのであります。非常に簡単でございますが、補足説明を終ります。
#29
○松前委員長 御質疑はありませんか。森本君。
#30
○森本委員 ちょっとお伺いしますが、この振替貯金に関連をして、事故が年間に何件、それから犯罪が何件ぐらいありますか。
#31
○成松政府委員 ちょっと手元に資料の持ち合せがございませんので、調べまして後ほどお答えしたいと思います。
#32
○森本委員 今までの振替貯金の払い出しの場合は、支払通知書と、それから各局に行く案内書とを窓口において対照して支払うという格好だったのですね。
#33
○成松政府委員 さようでございます。
#34
○森本委員 そこで今回郵便振替貯金法の一部改正によって、払い出しの簡易取扱いを行う際には、その案内書が行かないことになるわけですね。
#35
○成松政府委員 案内書はございません。
#36
○森本委員 そうすると、今日案内書なしに払い出しのでき得る証書というものは、郵便局関係では何々が為りますか。
#37
○成松政府委員 全部といってはちょっと記憶がございませんが、最も代表的なものは為替証書が案内書付ではございません。
#38
○森本委員 そうするとこの簡易取扱いというのは、為替証書と同じような関連において取り扱うということで、この金額は特別に三万円にした、こういうことなんですね。
#39
○成松政府委員 為替証書と同じという考えよりは、やはり振替貯金の料金体系の上から見まして、手数から考えてみますと、現在振替払い込みの制度というのがございます。これはAの口座から加入者の要求によってBの口座へ現金を動かさずして払い込む、こういう式になっておりますが、その前後の手数がこれとほぼ似ているのではなかろうか、ただ前者は現金を扱わないのでございますが、今度の支払通知書は現金を伴うといったような観点から、現金の滞留期間あるいは危険負担というようなものを考えて、料金体系の上からほぼそのくらいがいいだろうという面が一つ、それからもう一つ、郵政省としてのいろいろの経費面から考えてみても、ほぼこれくらいでつり合うであろうという点からも、現在このような料金を考えたわけでございます。
#40
○森本委員 これに関連をするわけですが、郵便為替の仕組みはどうなっておりますか。為替貯金証書の種類は何ですか。
#41
○成松政府委員 通常為替と電信為替とございます。
#42
○森本委員 その通常為替は全部案内書がなくなっているわけですね。
#43
○成松政府委員 さようでございます。
#44
○森本委員 通常為替は今最高額は幾らですか。
#45
○成松政府委員 五万円でございます。
#46
○森本委員 そうするとこの支払通知書の金額は一枚につき三万円以下とするというのは、これは必要があれば五万円にしてもいいのではないですか。要するに三万円以下にするということは、この危険度というものを考えて、これは普通の振替貯金と違って三万円以下にしたわけでしょう。ところが普通の為替証書というものは五万円では案内書がたいということになれば、一応こういうことで公衆のサービスをはかるということになれば、その理屈からいけば五万円でもいいということになるのじゃないですか。
#47
○成松政府委員 理論的といいますか、おっしゃる通りに、この金額をどのくらいとするのが妥当かという問題につきましては、考え方はいろいろございますが、一応いろいろの利用せられる実態を考えてみますと、三万円以下というのが非常に多いような気がする――気がすると申しますよりは、われわれの調べたところでは三万円以下のものが相当多いということと、それからもう一つは、防犯的な面から見ましても、為替証書は官製のものでありますが、その支払通知書はこれは全部私製によってやってもらう、そういった点から危険度を厳密に言えば多少はそこに開きがあるようなことにもなるわけでございます。
#48
○森本委員 その平均の数字が出ておるということなら、それは私了承しますが、これが為替証書との間において私製があるからおかしいということは成り立たぬわけであって、やはりこれはスタンプを押してやらないことには、支払通知書は成規の証書にはなりませんから、その点は為替証書と何ら変りはないわけです。ただあなたがおっしゃられるように、その統計が、一括してこういうふうに支払ってくれというような申し込みの数が三万円以下が多くて、三万円以上が比較的少いという数字が出ておるならば、そこに理論的根拠が出てくるわけですけれども、そういう数字が出ておらぬ以上は、為替証書が五万円であるならば、一応将来またもう一回改正するというのはめんどうくさいから、一応五万円ということが妥当じゃないか、こういうわけですよ。そうしますと、一応三万円以下の数字が平均どのくらいある、それから三万円以上がどのくらいあるということを一つ参考資料としてお出しを願えれば、私どもはっきりした理論的根拠になるけれども、為替証書とこの支払通知書、その証書そのものによって危険度合いが違うということが、若干おかしいわけであって、郵便局で支払う場合には必ずこれはスタンプなり何なりを見て支払うわけであるから、その点は私はちょっとおかしいと思うのです。ただ数字が三万円以下と以上がどのくらいの数字になっておるかということをお示し願えれば、こちらの方は納得がいくわけです。
#49
○成松政府委員 大体この制度を利用するのは、株式の配当金を振替によって送ろうというような場合が多いので奉りまして、そういう点から株式の配当金の金額別を調べてみたことがあるのでありますが、三万円以下が大体七〇%ぐらい、それから三千円以下が全体の五〇%ぐらいになると思います。三万円以下のうちでは、ほとんど大部分が三千円以下になっております。七九%ぐらいが三千円以下になっております。
#50
○森本委員 そうすると、今日のいわゆる貨幣価値からいけば、この払い出しの簡易取扱いについては三万円以下というのが妥当である、こういうふうに考えてやったわけですね。しかし将来のことも考えたら今秋が言ったようなことで、実収入的には五万円としておいた方がもっといいのじゃないですか。どういう経過でそうなったか知らぬけれども、実際には五万円以下ということにしておいた方が、将来めんどうくさくなくていいのじゃないですか。
#51
○成松政府委員 株式の配当金を全体としてながめますと、今申し上げたような率になりますが、実際問題としては郵政省の関係を利用しているものは比較的小金額が多いのでありまして、そういう点から考えましても、一回の金額が三万円ぐらいの金額でございますから、そういうふうな三万円ぐらいでよかろうじゃないかというような考えでやっておるのであります。
#52
○森本委員 こういう問題で追及するのもあまり利益がないのですけれども、今の答弁で考えると、私が今言ったように大体三万円ぐらいのところがよかろうということできめたような形勢があって、そういうような形できめるなら、今はこの法案を出したから急に修正するわけにはいきませんけれども、そういうことなら一応為替証書との振り合いから見たら、やはり五万円としておいた方が都合がよくはないかということを聞いておるわけであって――もっともそれは提案者としてその方か都合がよろしゅうございますという答弁にはなれませんけれども、しかし今あなたの御答弁を聞いておりますと、はっきりした根拠というよりも、大体三万円程度がよかろうということでこの法案を作成したということが明らかになったわけでありますので、私はあえて追及いたしませんが、そういうふうなやり方をするならば、一応五万円程度にした方がよくはなかったかということを言っているわけです。
#53
○成松政府委員 先ほども申し上げましたように、金額を三万円がいいか五万円がいいかという問題は、いろいろ考え方もございますが、利用率の最も多いところで三万円というふうに私どもの方でも考えたのであります。
#54
○森本委員 これはその利用率が最も多いところで三万円程度というけれども、五万円にしておけば、実際問題として三万円と五万円との間が利用できるわけです。(「大は小を兼ねる」と呼ぶ者あり)だから、今大は小を兼ねるという声がありましたけれども、やはりその方がよくはないかということであって、別に私はさほどに追及しようとは思いません。この問題はそういう経過が明らかになればいいわけでありますので、質問は打ち切ります。
#55
○松前委員長 橋本登美三郎君。
#56
○橋本(登)委員 日本放送協会の決算に関連して、二、三のことをお聞きしておきたいと思います。一つは、三十一年度の予算が通過しました際に、衆議院においては附帯条件がついておりますが、その附帯条件は三十四条の点をさしております。これは監理局長でけっこうですか、三十四条にいうところの「第九条第一項第四号の範囲内で」という、この「第四号の範囲内で」というものの内容は、当局は具体的に大体どういうものを考えておられるか、これを一つ御説明願いたい。
#57
○濱田政府委員 お答え申し上げます。第九条第一項第四号「放送の進歩発達に必要な研究施設を設置すること。但し、協会の研究活動は、放送番組又は放送技術に密接に関連するものに限る。」という条項でございます。その範囲内においてという意味は、特にテレビジョン、ラジオの研究発達について政府が必要と認めることを委託する、そういう意味だろうと考えます。
#58
○橋本(登)委員 今あなたがおっしゃったような四号の内容は私はわかるのです。そこで政府が研究を委託するということは、この第九条第一項第四号の「放送の進歩発達に必要な研究施設」ということになっていますが、たとえば具体的にどういうことをいうかということなんですけれども、例でいえばカラー・テレビの真空管の研究というものに対して、「研究施設」ということになっておるから、そういうものを施設するようないろいろな道具といいますか、そういう研究施設に出すことはできるのか、あるいは単にカラー・テレビの真空管の研究という題目で委託ができるのか、そういう点を一つ明らかにしてもらいたい。
#59
○濱田政府委員 ただいまの御質問の中にございましたたとえばテレビジョン用の真空管の研究を命ずるということは、研究内容について政府が必要と認めて命ずるのでありまして、それについて必要な研究設備または道具等は協会がこれを設置するのでありますから、テレビジョン用の真空管の研究というふうなテーマを命ずることができると考えております。
#60
○橋本(登)委員 そうしますとここでは「研究施設を設置すること。」ということになっておるのですが、今の監理局長の意見だと、カラー・テレビの真空管の研究施設というものに対して研究費を出して、政府が委託をすることができると解釈してよろしいのですか。
#61
○濱田政府委員 第九条は協会が設置し得る施設等について規定しております。第三十四条の方は政府が必要であると認める研究の内容についてでございまして、そういう意味におきまして研究のテーマを指定するということだろうと考えております。
#62
○橋本(登)委員 そうしますと第三十四条と第九条の関係は多少解釈を異にしても差しつかえない、こういうことですが、第三十四条で政府が協会に対して研究を命令した場合には、この研究命令に対しては政府が国庫補助なりその研究費を出すことになると思うのですが、その点についてはどう考えておりますか。
#63
○濱田政府委員 政府が必要と認めました研究を協会に命ずる場合には、第三十五条に「国の負担とする。」という項目がございますので、国が研究費を支出するということになると思います。
#64
○橋本(登)委員 大体わかりましたが、なお三十四条の「第九条第一項第四号の範囲内」という言葉と、第九条第一項第四号の「研究施設を設置する」ということになっておる、その点についての関連がどうも少し私は納得がいかないのですけれども、条文の解釈はいずれにいたしましても、政府としては従来そうしたラジオもしくはテレビの発達のために研究を命ずる考えがあったのかなかったのか、命じないのだからなかったので、今回は予算が通過するに際してこの附帯決議をつけておられると思うのですが、これに対して当局はどうお考えになっておられますか。
#65
○濱田政府委員 政府といたしましては、日本放送協会にラジオ及びテレビジョンの研究の中で、特に日本全体として考えなければならないようなことにつきましてぜひ研究をお願いしたい考えでございますので、本年もかようにいろいろ努力いたしたわけでございますが、今回は達成できませんでした。そのかわりいろいろな方法をもってこれを補うように放送協会当局にお願いしたい、また当局もなし得る限り努力をいたしまして、ラジオ、テレビジョンの発達につきまして遺憾なきを期したいという所存でございます。
#66
○橋本(登)委員 今の局長のお話は、命じたいという考え方から大蔵省当局と予算措置について折衝したが、結局は大蔵当局の承認にならなかったという意味でありますか。
#67
○濱田政府委員 さようであります。
#68
○橋本(登)委員 その場合、電波監理局当局で考えました研究題目は、どういうものがおもなもので、ありますか。
#69
○濱田政府委員 いろいろございますが、当局の一番考えましたことは、天然色テレビジョンの研究でございます。
#70
○橋本(登)委員 これを質疑申し上げるのは、民間放送事業当局者がNHKの研究成果についても、できるだけ十分に利用したいという考え方を持っておるわけであります。しかしながらこの法文からいいますと、NHKに遠慮をしないでそういう研究成果をもらえるのは、政府当局が補助金を出して研究した、その結果についてはNHK当局は当然公共の目的に使用せしめなければならない、こういう規定によって、当然これは公開をすることに相なっておるのであります。それ以外のものは、NHKが人に見せようが見せまいが、あるいは人に利用させようがさせまいが、自主的にできるというのが法の建前です。従ってややもすれば、NHK関係者と民放関係者がいろいろの点において感情の疎隔があったり、あるいは事業上の密接なる連絡ができないという点についても、多少ながら関係があると思うのです。ですから政府は、せっかくこういう法律があって、しかも施行以来数年間に相なっておるその間において、いまだ一つもこの三十四条というものを適用しておらない。しかも今言った天然色テレビジョンのごときものは重要な問題であって、大きな問題を包蔵しておる。せんだって実は委員会としてもNHK当局が研究しておるものを見たのですが、一般に対しましても重要な示唆を与えるような研究が進められておるにもかかわらず、これが公開は一応してもしなくてもよろしいという状態に置かれておるわけです。従ってせんだっての予算を通す場合において、当然政府はラジオ及びテレビの研究について政府当局が考えておるようなものを委託研究させて、これを第三者が十分に利用し得るような機会を与えるべきである、こういう意味であの附帯決議が行われたのでありまして、非常に重要なる意味を含んでおるわけであります。その点当局においても十分考慮せられて、すでに三十一年度の予算は通過してしまいましたから仕方がありませんが、少くとも来年度予算においては、この点を大蔵当局にも十分に理解せしめて、ラジオ、テレビジョンの将来の発展のための布石を打ってもらいたい。かつまたそれがNHKあるいは民間放送の発達のための重要なる役割をするわけであって、この点につきまして大臣の決心、拘負を一つお伺いいたしたいと思います。
#71
○村上国務大臣 三十一年度予算につきまして、この点の希望をいれることができなかったことはまことに遺憾であります。次の年度の予算につきましては、ただいま御指摘のようなことも十分勘案いたしましで、必ずこの目的を達成するように十分努力いたしたいと存じております。
#72
○橋本(登)委員 次の点についてもう一度お伺いいたしたいと思います。放送法の第四十二条第二項に、これは放送債券の部門ですが、「前項の放送債券の発行額は、三十億円をこえることができない。」という規定があります。そこでこれは政府並びにNHK当局に聞きたいのですが、二の放送法はテレビジョンというものを考慮しない時代にできております。その後においてテレビジョンもやり得るという修正が行われましたが、その場合においても放送債権のことは考慮に入っておらないし、修正をいたしておりません。そこで三十億円の放送債券の範囲内で今日までやってきておるわけでありますが、政府当局はこの三十億円なりの放送債券だけで今後ともやっていける見込みがあるかどうか。事実問題としてはおそらく放送債券と借入金とを併用して行なっておるだろうと思うのであります。実は決算を詳しく見ないでこういう質問をするのははなはだ恐縮でありますが、その関係についてもNHK当局から御説明をいただきたいし、あるいはその御説明を聞いてから大臣の方に御答弁を願った方がよろしいと思いますので、NHK当局にその点の御説明をお願いいたしたい。
#73
○岡部参考人 今御指摘の例の放送債券の発行限度の三十億につきましては、お話の通りテレビジョンのない時代に考えられた一つの最高限度でございます。将来このテレビジョンがどういうふうに進んでいくかということにも関連する問題でございますが、ただいまわれわれが研究中のデータによりますと、今のところ大体三十億の限度でやり得るのじゃないかという見当をつけております。もっとも何か特別な事情でも起きて、多額の施設でも要するようになれば格段であります。
#74
○橋本(登)委員 その点は実際上の資料としてお聞きしたいのですが、現在放送債券の総額と、放送債券を除いた借入金総額はどのくらいになっておりますか。
#75
○岡部参考人 一応三十一年の三月三十一日の見込みについて申し上げたいと存じます。放送債券につきましては二十億八百万円と考えております。内訳を申し上げますと、ラジオの方が十六億一千万円、テレビジョンが三億九千八百万円でございます。なお借入金の方につきましては十七億七千六百七十万円でございます。これは全部テレビジョン関係の、かねて御承認を願っておりますところの創業五年間におきます事業費の不足を埋めるための経費でございます。
#76
○橋本(登)委員 今お聞きしますと、放送債券の今日までの総額と借入金の総額を合せますと、三十七億をこえるわけです。もちろんこの借入金の中には、放送債券に向かない性質のものもあるだろうと思うのですが、現在借入金の中には、放送債券としてやることの方が妥当だというような筋合いのものは、今のところは含まれておらないですか。
#77
○岡部参考人 額としてはわずかですが、若干減っております。
#78
○橋本(登)委員 放送債券の発行については、設備費の関係の費用やいろいろな点があって、技術的には相当めんどうなことがあろうと思いますが、現在の放送債券の条件及び消化状況、そういうものについて一つ最近の例をお示し願いたい。
#79
○岡部参考人 御承知のように来年度から変るというお話も承わっておりますが、現在の条件を申し上げておきたいと思います。放送債券につきましては、償還の年限が七カ年であります。発行価額は額面の百円に対して九十九円でございます。それで応募者利廻りは八分二厘二毛、日歩にしますと二銭二厘五毛でございます。発行者利回りは年利九分一厘八毛、日歩にいたしますと二銭五厘一毛、それから表面の金利は八分でございます。それから消化状況についてお答え申し上げますが、消化状況につきましては御承知の通り、昨年あたりは非常にいい消化状況でございまして、消化については何ら心配はないということでございます。大体以上の通りでございます。
#80
○橋本(登)委員 そうすると、借入金の場合にはどういうような条件になっておりますか。
#81
○岡部参考人 借入金につきましては、御承知の通り社債との関連において借入金の金利は上下しているものでございますが、最近における借入金の金利は、勧銀におきましては三年ものといたしまして、この三十年度末に借りるものでおりますが、日歩二銭五厘であります。長銀につきましては、五年の長期で二銭六厘、大体こういう金利になっております。
#82
○橋本(登)委員 そうしますと、あまり大した違いはありませんが、なお放送債券の方は、年限等から勘案して利回り等は多少利益になるという計算のようですが、その点はどうなりますか。
#83
○岡部参考人 今橋本委員のおっしゃった通り、社債の条件と金利の問題がいたちごっこといいますか、片方か高くなっておるときは片方が有利のように見えますが、御指摘の通り放送債券の方が期限の点その他を見ても有利だと言っていいのじゃないかと思います。
#84
○橋本(登)委員 会計検査院の方から見たこの放送債券と借入金の金利の支払いの条件ですが、今聞いたところでは大体においてそう大した開きはないようです。借入金の総額から見ても、一応この金額は大きいわけではありますまいが、やはり放送債券に回した方が適当と思われる点もあるように見受けられるのですが、これについて何か特別なお答えはありませんか。
#85
○上村会計検査院説明員 放送債券によった方が有利であるか、一般の借入金によった方が有利であるかは、ただいまお話のあったように両者の価格がいたちごっこの関係にあり、むずかしい問題でありますが、十分検討した次第ではありません。
#86
○橋本(登)委員 私は銀行家ではありませんから、言いかねますが、ただ一応放送法の建前からいえば、相当長期間にわたるべきものはやはり放送債券を原則とするのが建前だろうと思います。しかしながら実際上の金融市場の関係なり、あるいは短期、長期との区別のつかない場合があったりいたしまして、必ずしも放送債券を中心に考えられないということもよくわかるのであります。しかし今までの質疑応答から見ましても、借入金の十七億何千万円というものの一部には、放送債券の方に振りかえる方が至当である、こういうふうに思われるものもあるのではないか、こういう点については、放送債券の利益が悪いとか、あるいは市場に対して特別な悪影響がないという限りにおいては、その金の使途の目的あるいは性格の上から見て、放送債券に回すべきものは放送債券の方に回して、幾分でも安い利子によって運営していきたい、こういう考え方が原則であってしかるべきではないかと考えておりますが、その点について監督官庁である郵政大臣の御意見を承わりたい。
#87
○村上国務大臣 お答えいたします。御指摘の点は、私どももできる限り経費が安く上る方を利用するということは当然だと思います。またそうすべきものだろうと思いますか、放送債券の方は、御承知のように建設あるいは改修というような借入金の使途がはっきりしておりますので、そういうような点もよく考慮いたしまして、でき得る限り金利の安い方をとるということに努力いたしたいと思っております。
#88
○橋本(登)委員 終りました。
#89
○松前委員長 それでは私が一つ質問をさせていただきます。先ほど放送協会の研究所に政府が必要なる研究命令を発し、これに対して予算をつける場合があるということでございますが、今回科学技術庁が設けられまして、これは研究に関する総合的な行政をつかさどるところでありますが、おそらく予算も当然取るだろうと思う。すなわち政府が予算を付して研究の命令を発するというような場合においては、従来は郵政省であったかもしれないが、今後は科学技術庁ではないだろうかとも考えられるのでありますが、郵政省としてはどういう御見解をお持ちであるか伺いたいと思う。
#90
○濱田政府委員 ただいま委員長から、政府が必要と認める研究を放送協会に命ずるということが起った場合には、むしろ郵政省でやるよりも、今度新たにできます科学技術庁がやるべきことではなかろうかというお話がございましたが、これにつきましては、私はこういう見解を持っておるのでございます。郵政省といたしましては、この電波あるいは放送等の発達、進歩につきまして責任を持っております。けれどもいろいろな事情でもって、思う存分に研究費等の支出ができないような場合におきましては、国全体の科学技術の発達につきまして、これは郵政省に限らずその全体について、科学技術的な推進を担当すべき科学技術庁が生まれました場合には、この新たなる庁に相談いたしまして、そうして場合によりましては国策として打ち立てて、科学技術庁にこれをやっていただくというのも一案であろうと思うのでありますけれども、責任はあくまでも郵政省にある。郵政省と科学技術庁と十分御相談をいたしまして、それによって、ある問題は郵政省を通り越して、国家として取り扱わなければいけない問題だと考えた場合、そういう問題につきましては科学技術庁において強く推進すべきである。また郵政省がやる方が便宜である、手っとり早い問題につきましては、郵政省が、そのあと押しをしていただきましてこれを推進するというふうにしたらいかがかと考えております。
#91
○松前委員長 この問題は今後の問題として残ると思いますが、科学技術庁ができました以上は、科学技術庁の任務を生かすためにも、十分御相談いただいて、技術の発達に寄与していただきたいと思うのであります。
 暫時休憩いたします。
    午後三時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時五十九分開議
#92
○松前委員長 休憩前に引き続き再開いたします。
 本日本委員会に付託になりました日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題として審査に入ります。
    ―――――――――――――
#93
○松前委員長 御承知の通り本案は第二十二回国会における本委員会の委員会提出法律案でありまして、院議を経て参議院に送付せられ、自来参議院において引き続き審査がなされておったのであります。しかるところ、本日参議院より本案に対して若干の修正を加えて、本院に送付されて参りました。参考までに参議院の修正点について申し上げますと、第六十八条の次に一条を加える規定中、「昭和三十年」を「昭和三十一年」に改め、附則第二項ただし書きを削除してあります。
 この際本案につきましては、趣旨説明、質疑及び討論をすべて省略し、直ちに採決に入るに御異議ありませんか
    〔「異議な」」と呼ぶ者あり〕
#94
○松前委員長 御異議なしと認めます。
 それでは日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を採決いたします。本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○松前委員長 御異議なしと認めます。よって本案は原案の通り可決いたしました。
 なお本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
 本日はこれをもって散会いたします。
    午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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