くにさくロゴ
1947/06/29 第2回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第002回国会 両院法規委員会 第11号
姉妹サイト
 
1947/06/29 第2回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第002回国会 両院法規委員会 第11号

#1
第002回国会 両院法規委員会 第11号
昭和二十三年六月二十九日(火曜日)
    午前十一時五十五分開議
 出席委員
  委員長代理 藤井 新一君
   理事 松澤 兼人君 理事 降旗 徳弥君
   理事 松村眞一郎君
      原 彪之助君    佐藤 通吉君
      高橋 英吉君    高瀬荘太郎君
      羽仁 五郎君    新谷寅三郎君
 委員外の出席者
        参議院法制部長 川上 和吉君
六月二十五日
 委員松永義雄君辞任につき、その補欠として笠
 原貞造君が衆議院議長の指名で委員に選任され
 た。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國会における速記、印刷能力の拡充に関する勧
 告案
    ―――――――――――――
#2
○委員長代理(藤井新一君) ただいまより両院法規委員会を開きます。
 先般衆議院の松永義雄君が本委員を辞任されまして補欠といたしまして、笠原貞造君が、去る二十五日衆議院において本委員に選任せられましたので、右御了承を願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#3
○委員長代理(藤井新一君) ここに一つ勧告したい問題がございますが、その大体の要旨を申し上げますと、國会における本会議及び委員会の議事に関する速記録の作成、印刷は、最近非常に遅れておるのであつて、また委員会等に速記を付し得ない場合がはなはだ多い現状でありまして、これがために議院の審議能率を阻害するのみならず、十分な審議を盡し得ない現状にあることは、まことに遺憾でございます。よつて速記録の作成、印刷を促進したり、また速記の能力を充実するために必要な根本的な対策を速やかに立ててみたい。これと並行して当面必要なところの應急的措置を即時実行してみたいというのでございますが、これにつきまして、各委員の御所見をお述べいただければ、まことに結構と思います。
#4
○新谷寅三郎君 この問題については、詳しく申し上げるまでもなく、各議員がそれぞれ痛感しておられることでございます。それで今日の状況から、印刷能力も少いし、また速記者の充実をはかることも早急にはむずかしいという事情は諒とするのでございますが、國会が最高の機関であるという点、及び最近のように、重要な法案がすべて國会において十分な審議を遂げられないと、日本の政治、経済にも非常に影響が大きいと思いますので、國会の審議を十分に盡し、また審議能率を高めるということは、何をおいても必要なことであり、これができませんと、われわれ議員の職責も盡せないという結果になると思うのであります。これにつきまして先般事務局の当局からいろいろ実情の御説明があつたのであります。その現状非常に困難であるという事情は諒とするのでありますが、このままで放つておいては、やはりわれわれとしては困るのでありまして、今委員長のお話のように、今後この印刷能力及び速記の能力を高めるのにはどうしたらよいかという、具体的の方針をここで確立してもらうことが大事だと思います。しかしこの根本的の方針を樹立いたしましても、これが実現するまでには、やはりいかに急ぎましても、ここ二、三年はかかると思いますので、その間も今の状況では放任できませんから、ここでこの根本的の方針とにらみ合わせながら、当面必要とする対策をすぐに実行するようにしたいと私は考えるのであります。速記録の遅れておりますことは、衆議院よりも参議院の方がひどいのでありまして、これについてはこの前に説明がありましたから申し上げませんが、この数日間の印刷物の配付状況を見ておりますと、本日本会議にかかる議案が、昨晩でありますか、あるいは今朝でありますか、本書箱に投入されております。本会議に行つて初めてその審議されます法律案をわれわれ見るという状況であります。そういう例は少くないのであります。本日のみならず昨日もそういつたのがたしか二、三件あつたと思います。また委員会において審議され、予備審査をされまして、本会議に出る日程まで組んだ法律案で、各議員に法律案が配付されないために、本会議でその法律案の審議ができなかつたという例も最近あるわけであります。こういうことは結局内閣側にもその法律案の原稿を出すことについて、多少、考えてもらわなければならぬ点もありますけれども、議院自体としても、國会法に、議院に法律案が出されました場合には、必ず五日以内にはその議案を各議院に配らなければならぬということをきめておるのでありますから、それを励行するだけの印刷能力をもつてもらうことは、これは当然だと思います。このために多少の経費も要ると思いますけれども、今申し上げましたような國会の立場という点から見ますと、かりにそれが数千万円あるいは数億円かかりましても、この際にこれを実行してもらわないと、われわれの審議、國会議員としての職責は盡せないじやないか、こう考えますので、これは勧告案にされまして、相当強く議院の反省を求め、内閣に対しましても、所要の経費を優先的に出すように、勧告をせられることが最も必要であると思います。
#5
○高瀬荘太郎君 私も新谷委員の御意見にまつたく同感であります。速記録が急速に間に合わない理由としては、速記者が足りないということと印刷能力がない、この二つの点だと思いますが、速記者については、ここの速記者は相当熟練が要るので、二箇年くらいの養成をしないとむずかしい、こういうような御説明でありましたが、なかなか二箇年待つてというと容易でありませんから、新谷委員の言われましたように、急速に、少くも次の國会までには十分間に合うように、速記者の方も考えてもらいたいと思うのです。それについてはあるいは待遇の問題等もあるのじやないか。相当熟練した速記者というものは、ないわけではないと思いますから、相当何とか待遇の方を引上げて、來てもらうというならばできないこともないと思いますし、また相当熟練した速記者でありましたならば、來てもらつて、一箇月ばかりテストをしてみれば間に合うのじやないかと思います。そういうわけで、もし待遇の点で不十分であるというならば、相当引上げても急速に増員して、議会の機能に差支えないようにしていただきたいと思います。
 印刷の方は、印刷能力の問題でありますが、この方も新谷委員の言われましたように、やはり費用の方と関連する点が非常に多いのじやないか。印刷機械を余分に入れるとか、印刷職工を連れてくるということも、決してできないことではありませんし、あるいは他の印刷会社と特約を結んで、特にやつてもらうということもできないことはありません。あるいは費用の点でなかなかむずかしいということもあるかもしれませんけれども、非常に重要なことでありますから、新谷委員の言われましたように、そういつた予算の点でありましたならば、政府の方で、あるいは國会の方で適当に処理されまして、この方も急速に充実できるようにしてもらいたいと思います。
#6
○羽仁五郎君 私は特に今新谷委員から提案された問題について全面的に賛成するとともに、こういうふうな点が未だに解決されてないということは、非常にふしぎだと考えるのです。これはやはりわれわれ國会が國民によつて、選挙された最高の國権の機関であり、また唯一の立法機関であるという趣旨が依然として自覚されてない点から來るのではないかと思います。これは両院の事務当局の自覚及び政府側の自覚を求め、それで國民から選挙されておる議員がその職責を果す上においても、非常な不便がある、そのためにその任務を遂行することができないということは、さつき新谷委員の言われたように、まさに非常に大きな問題でありますから、こういう点も設備を充実して、國民から選挙されておるわれわれ國会議員が、その職責を実行するために、万全の処置を講ずるよう両院の事務当局、あるいはその費用のために大藏当局というものは、從來の認識を改められて早急に解決されるように切望するものであります。
#7
○新谷寅三郎君 それで大体各委員とも趣旨には御賛成のようでありますし、根本対策と申しましても、これは常識でわかると思います。羽仁委員がおられますから、図書館方面のことは羽仁委員からもお述べになると思いますが、今後國会図書館法によつて、いろいろの仕事が相当出てくると思います。また出てこなければならないと思います。各種の調査資料でも、あるいはその他の印刷物でも、國会図書館の方から今後どんどん出てくることを、われわれは期待しておるのでありますが、そういうものはやはり全部印刷にまわされるわけであります。印刷能力が十分でありませんと、せつかくよいものができましても、議員の手に届かないという結果になるのでありまして、当面の速記録だけの問題ではなしに、國会としてどういう程度の、またどのくらいの分量の印刷があるだろうかということを、今から予見してみますと、現在の考えではとうていいけないのでありまして、よほど大きく拡充した考えで根本的の対策を立ててもらわなければならない。速記録につきましては、將來は委員会がありましてから少くも三日ぐらいの間に、各議員に配付ができるようなところを目途にして拡充案を立ててもらう。また應急的の問題としては、三日といいましても、なかなかむずかしいかもしれませんから、あるいは一週間なり、十日間なりというところを目途にして、現在の印刷能力の足りないところは、場合によりましては、適当の審査会でもこしらえて、そこで審査をせられることにして、一般民間の信用のできる印刷工場を活用することも不可能ではないと、私は思うのであります。これもいろいろの問題が派生して起るのでありましようが、そういつたことのできるだけないようにして、目的を達成するように努力してもらいたいと思う。そういう派生するいろいろの問題のために、速記録が遅れてもよい、印刷ができなくてもよいということにはならないのでありまして、それは本末轉倒だと思います。いずれにしても経費の問題が起るだろうと思いますが、今後それにつきましてできるだけ早い機会に、できれば次の委員会にでも、今申し上げましたような目途を立てた場合に、どういうふうな経費がかかつて、それを完成するのにはいつごろになるかというようなもくろみのようなものを、事務当局として一應成案を出していただきまして、それをもとにして具体的にもう一度審議をしたいと思います。但し勧告につきましては、皆さん御異存がなければ、なるべく早くこの勧告を出していただいても差支えないと思います。
#8
○高瀬荘太郎君 この勧告はどこに対して出されるのでありますか。
#9
○委員長代理(藤井新一君) これは衆参両院議長及び内閣ではないかと思います。
#10
○高瀬荘太郎君 議長は取次ぐことになるのですか。議長自身にも出すのですか。
#11
○委員長代理(藤井新一君) 議長直接に出すようになると思います。
#12
○参議院法制部長(川上和吉君) これはおそらく議長ではないかと思うのですが……。
#13
○高瀬荘太郎君 議長は事務局の代表という意味で出されるわけですね。
#14
○新谷寅三郎君 内容には参考送付でしようね。
#15
○高瀬荘太郎君 勧告をお出しになるのは結構だと思いますから、出していただきたいと思いますが、それだけでは非常に形式的になつて、十分の効果が出ないのじやないかという氣もしますから、これは両院法規委員会としての直接の仕事にはならないかもしれませんが、委員長から事務総長あたりに直接十分にお話になつてもらう必要があるのじやないかと思います。
#16
○委員長代理(藤井新一君) それは委員長に取次ぎたいと思います。ほかに何か御発言ありませんか。――早記の件並びに印刷の件について、新谷委員、羽仁委員、高瀬委員から御発言がございましたが、早速その要旨に從つて勧告案を作成し、衆、参両院議長に申達するようにいたします。
#17
○新谷寅三郎君 大体今委員長がお話になつたような趣旨で勧告案をつくつていただくことにしまして、字句は委員長にお任せしたいと思います。
#18
○委員長代理(藤井新一君) 承知いたしました。
 本日はこの程度で散会いたします。
    午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト