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1947/05/24 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融・労働連合委員会 第3号
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1947/05/24 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融・労働連合委員会 第3号

#1
第002回国会 財政及び金融・労働連合委員会 第3号
昭和二十三年五月二十四日(月曜日)
   午後一時四十七分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○政府職員の新給與實施に關する法律
 案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) これより財政及び金融、勞働連合委員會を開會いたします。本日は政府職員の新給與實施に關する法律案につきまして、前囘に引續き御質疑を願いたいと思います。
#3
○中西功君 この前私、局長に資料を要求しておいたのですけれども、出ましたでしようか。
#4
○政府委員(今井一男君) 刷り物に拵え上げるには、もう少し念査を要する點がございますので、今日殘念ながらでき上つておりませんが、概數ならばいつでもお答え申上げます。
#5
○中西功君 概數で結構ですから一應報告して頂きたいと思います。
#6
○政府委員(今井一男君) 申上げます。戰爭中一番低い給仕が月十五圓、これが最低でございます。年額にいたまして百八十圓、これに賞與が平均いたしますと、約四ケ月分加わる。一見ればよろしいと思います。そうしますと二百四十圓、最高と認められます一般職で各省次官、これが本俸年額五千六百五十圓でございます。それに對しまして、賞與はいろいろ違いますが、中央官廳でありますと概算約一萬圓と見ていいだろうと思います。これがまあ一番兩極端でございます。
 尚御参考に念のために申上げますと、いわゆる判任官の最低は、戰爭中月俸三十五圓でありまして、これが年額にいたしまして四百二十圓、それに賞與を大體半年分と見積りますれば六百三十圓になります。
 それから序でに七月案のときの開きを申上げますと、七月案でありますと、最低にあります給仕が初任給月額百二十圓、事務官吏の最高が二千圓でございます。尚本官の最低は三百圓でございます。
#7
○山田節男君 國家公務員法の給與準則としては、給與を成るべく簡素化する。從來の家族手當とか、その他の手當を成るべく俸給一點張りでやる、こういうように我々國家公務員法で了解しておるのでありますが、今度の暫定的な新給與の實施に關する法律案によりますと、扶養手當が入つておるのですが、この扶養手當はやはり七月一日までの期間、これが效力を失するまではこれを置くが、將來は、その以後においては、扶養手當はあるべきものじやないと思いますが、扶養手當をこれに入れたということは、何れ團體交渉の結果こうなつただろうと思いますが、これに對して政府はどういうような初めから態度であつたかということを、ちよつと伺いたいのです。
#8
○政府委員(今井一男君) 申上げます。國家公務員法の本來の狙い方はお言葉の通りでございますが、それにいたしましても、これが實現にいたるまでには、やはり現實の實態と睨み合せまして、徐々に變えて行かなければならんといつたようなぐらいのことに相成つておることは御承知の通りと存じます。
 扶養手當というような給與が、職階給の意味から申しますと、それにややそぐわないものであることは御指摘の通りでありまするが、今回の二千九百二十圓の水準を政府職員に配分いたします場合にその指導方針と相成りました臨時給與委員會の報告書によりましても、この家族手當、扶養手當といつたものは、その全體の給與の中に占める比率が殖えることは、これは望しくない、だんだんと減らして行かなければならんということは指摘しておりまするし、且つ亦この手當自身のもたらす弊害についても指摘されておるのでありまするが、結局結論といたしましては、從來の幅を、從來の給與全體中に占める比率を、二千九百二十圃の場合には今少し減らすようにと、そういつた指示がございまして、それに基きまして勘案いたした結果、二百二十五圓という今囘の金額が定つた次第でございます。それで、その二百二十五圓の金額を團體交渉の際組合側に示しましたところ、これにつきましては何等の質問も、異議も議論もなされずに、そのまま承認されたことに相成つております。
 尚お言葉にございましたが七月一日から直ぐこの手當がなくなるというようなことには、實際問題として相成らないような工合に手續が持つて行かれるのじやなかろうかと、かように存じております。結局日本の經濟状態の安定と睨み合せまして、その比率がだんだん小さくなつて行く、終いになくなる。さような處置を採られて行くも、のと、かように想像いたしております。
#9
○山田節男君 今の扶養手當の問題了承いたしましたが、もう一つこの政府職員の新給與實施に關する法律案の中で、時間外給與と申しますか、オーバー・タイムの給與支拂これについて何等の條項が入つておらんように思うのでありますが、五月二十一日の日本タイムズを見ますと、サンマー・タイム、夏時間が實施になつて、時間外の給與が非常に殖えた。例えば文部省の例を取つて、五月の十一日に支拂つたのを見るというと、大體午後六時半まで勤務するというと、一日について百十四圓のオーバー・タイムの支拂がある。そうすると平均一ケ月二十囘、六時半までオーバー・タイムのなにをやると、約二千圓になる。それで文部省の中の一千六百人の職員に五月十一日に支拂われたものを、千六百人の數で、大體平均二千團、三千圃のオーバー・タイムの給與を貰つておる。最高は五千圃の者もある。これは勿論争議中で、そこに宿直、或いは宿泊してやつたというような特別の場合のオーバー・タイムのなにもあるのだろうと思いますが、例えば大藏省の例も擧げてありまするが、大藏省では、大體本省の職員に對する一ケ月の支拂が七百萬圓で、その中で百萬圓はオーバー・タイムの給與になつてしまう。そうしてこれらの官廳においては、いわゆるオーバー・タイムの給與のことを提燈、ランターン、こういう言葉を使つておつて、お前の提燈は今月はいくらぐらいになるかというようなことが、殆んど通用語になつておるというような記事か出ておるのでありますが、この賃金の支拂の、今度できておるいわゆる準則から見ても、それから國家豫算の立場から見ても、こういつたように若しオーバー・タイムの給與支拂というものが非常に高額に上つて來るということは、これは非常に重大な問題でありまするし、私は官吏としての經驗はありませんけれども、どうも從夾の官廳においては、オーバー・タイムをやるくらいな者でないと、どうも昇給、或いは上司の者に氣受けがよくないということで、成るべく時間を長く殘るというような弊習があるやに聞いております。殊に今年のこういう夏季時間というものが實施されて來ると、日が長いから、殘業を用事もないのにやつて、オーバー・タイム給與を得たがるというような、私は危険があるのじやないかと思うのですが、この點について、この法律案には時間外の勤務については全然觸れてないのでありますが、今の五月二十二日附の日本タイムスの掲載している記事の眞僞の程は知りませんが、それにつきまして今井局長の、そういう事實があつたかどうか、又オーバー・タイムというものに對しての給與に對しては、これと併行してどういう工合にこれを調整して行く積りかということをお伺いしたい。
#10
○政府委員(今井一男君) お答え申上げます。成る程この法律案には時間外手當のことは全然触れておりませんが實は、新憲法と絡まります法律的技術のために、給與關係の法律の關係は非常に妙な工合になつているのであります。本來から申しますれば、給與に關する一般的な根本法というものは、國會で議決を頂きまして、その法律を根據にして、そこで體系づけられた法律を根據にして、それが一番恒久的なものとしてございまして、それが又べースの變りました時代に、そのとき毎に新らしいべースについての何らかの御決定を頂く。こういつたような順序で進むのが趣旨であらうと思うのでありますが、何分にも給與に關する法律は、從來いろいろな形で、中には勅令の根據のないものもございまして實に幾百という複雜なものに相成つております。これを一齊に規定いたしますことは事實上不可能でございます。その中で新憲法の建前から法律で決めなければならん事項は、例の一月、昨年御決定を頂きまして、臨時措置によりまして法律の効力を持つているのでありますが、その他のものも逐次整理はいたしたいと思つておりますけれども、一應その運びに至つておりません。從いましてそのばらばらのままが、現在、或る種類は法律の效力を持つ、ある種類のものは、從來のそのままの形で生きているわけであります。今回の法律案は單に二千九百二十圓の水準の給與を政府職員に與えます場合に、この前御決定を願いました法律十二號に基きまして、その具體的な手續決めただけのものでございまして、これで一切のことがカバーされるわけに相成つておりません。從いまして必要の最少限度だけが書いてあることに相成つておりますオーバー・タイムにつきまして、昨年九月に勞働基準法が施行されたに伴いまして、十二月に簡單な法律で國會の御承認を頂きまして、政府といたしまして、勞働基準法に定める最低の基準によるオーバー・タイムを拂うことにつきましてはお任せを頂く、こういつた單行法をお願い申上げまして、その法律に基いて現在やつておるわけであります。從いまして時間外勤務の問題はその方で解決されまずので、この法律案とは直接の關係はございません。ただ、べースが上りました關係から、從つてオーバー・タイムが殖えて行くというだけの關係に相成るわけでございます。で、只今の規定を極く簡單に申上げますと、現業官廳では概ね八時間の勞働をやつております。事務官廳におきましては御承知の通り執務時間が短かいのでございますので、勞働基準法の定める實働八時間の線まではいわゆるストレート・アローワンスで割増しを付けない。實働八時間を超えることになりまして、初めて二割五分増しを付ける、こういつた建前を採つて現在實行いたしております。この實績でございますが、まだ全部の官廳につきまして調査は完了いたしておりませんが、一部の官廳の、殊に中央官廳の調べによりますと、私共が臨時給與委員會におきまして、決定の基礎にいたしましたように、事務官廳では平均いたしまして三十分ぐらいの程度に相成つております。大藏省の七百萬圓という數字を先程お述べになりましたのは、或いはそれに近い數字が事實かとも思いますが、確かなことは存じませんが、大藏省は生計局、その他相當に夜なべをする部局を擁しておりますので、或いは、よその省に比べて若干多い數字が出るのじやなからうかと存じますが、一般官廳といたしましては、せいぜい平均三十分程度であります。從いまして一日の實働時間が大體六時間半でございますが、十三分の一程度がオーバー・タイムになつておる。こうい勘定に相成ります。尤も今のオーバー・タイムは從來のものと違いまして、黙つてただ役所に坐つておれば、そのまま付けるというふうな建前は採りませんで、上司が必要と認めまして、積極的に、或いは居殘りを命じたというような場合に限つて支給する建前を採つております。その意味におきまして、決して濫に流れないように努力はいたしておりますが、尚今後と雖も御指摘のようなことにならないように努力いたしたいと考えます。尚それと絡まりまして先だつてのお話が出ましたように、早退或いは遅刻という場合には時間割で引く、こういつた建前も同時にこの前の法律以來一月一日に遡りまして探られる仕組になりまして、極端に申しますと、毎日午後出動して來て、七、八時頃歸るといつたような仕組になりますと、その點妙な形にも相成りますので、せいぜい嚴正に處置する方針で通知をいたしております。
#11
○山田節男君 今の政府委骨貝の御囘答で分りますが、もう一つ私お伺いずることを忘れたのですが、さつきの日本タイムスの五月二十一日の掲載記事によると、文部省ではオーバー・タイムの給與が非常に多いので、五十萬圓だけ拂つて、あと拂わないことにした。そうすると、オーバー・タイムの當然給與を受くべき總額の三〇%しか給與されない、こういうことが出ておるのでありますが、文部省の場合御存じなければ、大藏省においてそういう例があるかどうかということを一つお尋ねしたい。
#12
○政府委員(今井一男君) 只今御指摘の點は一つ早速調べまして御報告申上げます。私は今の豫算の付け方、暫定豫算の付け方等によりますと、月割になつておりますので、そういうふうな場合も想像できないことはないわけでございます。
#13
○中西功君  このたび官公廳の勞組側と折衝されました職階制の經緯について、簡單でいいですから報告して頂きたいと思います。
#14
○政府委員(今井一男君) 申上げます。組合側と團體交渉をいたしました新給與審議會におきましては、何よりも問題になりましたことは、職務別によります絡付けという問題よりは、いわゆる級に嵌め込むという問題よりは、號棒の幅の問題でございまして、これにつきまして最も澤山の時間が費され、相當激しい議論が戰わされたのでございますが、當初の原案は、政府側は一番下の給與は八百圓、未成年の小学校を出たばかりの給仕の初任給八百圓と抑えたのでありますが、この點が組合側と種々交渉の結果千圓にまで直しました。その他、號棒の組み方につきまして、幾たびか修正を重ねまして、結局今回の法律案に織り込みましたような形にまとまつたわけでございます。尚この點は、一般行政官廳を主として、いはゆる事務官廳を主として作られましたものでございますので治現業官廳その他におきましてはこれと別の級別表を作ることができるという、法律にもございまするし、又組合側ともそういう了解で推し進めておりました。その點につきましては關係各省でそれぞれ各單産と團體交渉をいたしまして、大體まとまつたものが只今實施本部の方に集まつておりますが、それによりますと、級別表で例外を作らなければならんというものは非常に僅かなところになるようであります。それで實際上支障はなくやつて行ける見込でございます。まあ税務、警察官等が多分別に相成ると思いますが、その他の現業官廳も概ねこの表でやつて行くような形に相成るかと思います。但しそれは決してすべて現在同じ俸給を貰つておる人が、同じ新らしい俸給に切替わるという意味ではございませんで、切替の方法、切替表その他につきましては、各種の特殊な事情が織り込まれることは申すまでもございません。
 尚お話の順序が逆に相成りましたが、今回の職階制の考え方は、極く大雜把に申上げますと、勿論米國式の職階制をやりますためには、各人別に實際の職務内容というものを詳しく一人ずつ調べまして、それを分析し、それを評價する手續が必要でございますが、そういつたことは到底現在の段階においてやれもしませんし、又やつても何事もかかることは申すまでもございませんが、これに對しまして、便法として政府側の方で考えました手段は、政府の各官廳及び現業におきましては、それぞれ長い間の呼び慣わした職名というものがございます。この名前によりまして大體職務の内容は大雜把ながら表現できる、待つて職名を中心にして格付けを行なつて先ず大過あるまいといつたところにスタートの基礎を求めております。但し、同じ職名でありましても、極めてその中にいろいろの仕事の内容が含まれておるような職種、即ち職名だけでは通常でないような職種、そういつたものにつきましては、これはやはり別の觀點から整理しないというと適當な格付ができまいと、こういつた點から、まあ一番問題になりますのは、一般官職におきましてのいわゆる書記の仕事をしているグループでございます。こういつたグループをそれぞれ仕事の内容を區分することは、現實問題として時間があまりにかかりまするし、通常でもございませんので、そこは勿論肩書があり、一定の職名のある人は別でありますが、いわゆる平書記というグループに属する人につきましては、その人の資格によりまして、コーリフイケーシヨンのところに重點をおきまして、資格と勤續年數といつたものを基礎にして、組合側と協定を結びまして、そこで職務内容の格付けに代えると、こういつた話合いで、それをどうするかにつきましても、やはり押問答を重ねましたが、法律案の参考資料にくつつけましたような形で、これも話がまとまりました。その他それに準ずるようなものを、やはりそういつた便法を用いて處置するといつたような方法を考えております。それから、その問題につきましては、關係組合とは勿論交渉をいたす積りでございますが、ただ何分にも時間が急ぎますので、今囘はいわば拙速主義を採りますと同時に今囘初めての試みといたしまして、各人別の新給與の苦情はすべてこれを徹底的に言い出して貰つて、その段階において出直しをやる。一應は行政的に實施本部において出直しをやると同時に、それに不服がある場合には政府側組合側、第三者を混えた苦情虚理委員會で出直しをする。そういつ大ごとで處置をするから、從つて或る程度大雜把に切替えてやつて貰うことによつて、組合側の了承が欲しいということを政府側から申しまして、その割も御了承を得まして、今囘の法律案の國會提出となつた次第であります。
#15
○中西功君 それで、この七月案と、それから新らしい十五級俸に分けた給與額表との差異について、相當議論が交されたということを聞いたわけですが、その點比較して、もう少し説明して頂きたいと思います。
#16
○政府委員(今井一男君) 七月案と今囘の案とは、人にくつ付いている給與と職務にくつ付いている給與という難で根本的な相違がございます。七月案におきましては、何歳である、満十八歳である、高等小學校を出ている、從つて何圓、こういつた立場で初任給を決めました。而もその初任給に對しましてその後昇給して行く割合は、如何なる仕事をやつておつても同じようにすべて半年經てば、同じ仕事をやれば五十圓上る。或いは百圓上る。こういつたようなやり方を採つたのであります。尤もこの點は、この前の、定員がなければ判任官になれない、高等官になれないといつたような、各省毎におきましての非常な運不運を打破したことの意味はございましたが、同時に仕事の内容というものと結び付かない。人にくつ付いて行く。終始その人に結び付いて動き廻るという形の給與でございましたが、今囘はその點は同じ十八歳、同じ高等小學校出でありましても、それが重勞働に就く、或いは輕勞働をやる、易しい仕事をやる。むずかしい仕事をやるということによつて、すべて初任給が違う。のみならず、その後の昇給の速度も違う。そういつたことが一番根抵的な考え方の相違であります。その關係と絡まりまして、七月案におきましては、いわゆる判任官以上、三級官以上と、それから雇傭人、雇人、傭人というものと號俸も別にいたしました。今囘はそれを合一いたしました。身分は假りに雇員でありましても、仕事の内容が定員その他の關係から立派に一人前の仕事をしておられる場合には、その仕事によつて級の格付けがされる。今までのように雇員なら雇員、傭人なら傭人という身分だけによつて判斷されないといつたところも、今囘の一つの特徴ではなかろうかと思います。七月案の際には、特に係長であるから、或いは主任であるからといつたようなことによる特殊な事務の内容が違うために、特別に俸給の額を左右するという觀念は全然入つておりませんでした。軍に機械的に現在貰つておる本俸を一定の算式で新らしいものに切替える、こういつた行き方でありましたが、今囘は、その點は、いわば新らしい角度から、大體係長をA。B、Cと分けまして、AならAの係長ならば、先ず何級になる、こういつたことが先に決るという形に相成ります。その點は各省の係長というものがおのずから統一される。結局一遍には参りませんが、人にくつ付いておりませんで、仕事にくつ付いておる關係から、おのずから横の連絡もでき、從つて凸凹も少くなる。大勝係長にはどのくらいの人を持つて行く、どれくらいの經験者を持つて行くということも、おのずからその面から規正されて來るというような効果も生れて來やせんかと期待されるところであります。尚現業におきましては、殊に國鐵におきましては、全部國鐵特有の三百幾つの職名にわけまして、驛手、信號手、視察係、何々係、こういつたところで、それぞれその仕事の内容と現在貰つておる俸給との比例を考えまして、こういつた職種、こういつた重勞働、こういつた責任地位というものに對して從來低かつたというものには、特に割増率を多くするとか、そうでないところでは割増率を反對に低くするといつたような操作が加味されることに相成つておりますが、現業は概ねどこでもそういつた考え方をしておりますが、これは七月案ではございませんで、單に學歴と資格と勤續年數というものだけを算術的にプラスしたものでありますので、そういつた意味合から、若し考えております通りの形にうまく切替えができますならば、政府職員全體を通じまして、この新らしい制度というようなものを十分理解して貰える、少くともペイというものの本質から考えまして、納得の行けるペイができるように相成るのではないかという期待を持つておる次第であります。
#17
○中西功君 ここに先日政務次官が提案理由を説明した中で、これは十頁にありますが、從來の我が國における因習的な俸給制度を一擲し、新憲法下における民主的行政機構にふさわしい給與制度への画期的轉換を行うというふうに述べられておりますが、從來の我が國における因習的な俸給制度を一樹しと書いてあるのでありますけれども、一體これは政府としては、どんなふうにこういうことを考えているのか、説明をちよつと聞きたいと思います。
#18
○政府委員(今井一男君) 因習的という言葉は、いわゆるむしろ封建的という意味合で用いた言葉でありまして、字句そのものはそういつた意味と御解釈を願えれば結構と思いますが、要するに從來天皇制の下における天皇の官吏、こういう建前で俸給が規定されて参りましたので、要するに極端に言えば、大名が、人を抱える、天皇が官吏を抱える、こういつた觀點で俸給というものが決められた。從つて身分なら身分というものが定められまして、親任官にはこれだけの生活をさしてやる、働こうと働くまいと、これだけで養つて置いてやるという、こういつた形で、從來の明治以來の俸給令は大體考えられて参つておりますのが、そういつた身分というものを離れまして、その人の仕事、同じような仕事をしておる限り、いわゆる從來の何級官であるとか、雇員、傭人とかいう區別を打破いたしまして、仕事そのものにくつ付いて給與を考える、そういつた意味におきまして、勿論今囘の分は漸進的でありまするので、決してそう白を黒という式には、きつぱりと變つておりませんが、少くとも方向づけにおいては革命的な變化であると考えておる次第でありまして、そんな觀點から、いわゆる從來の漫然踏襲して來た意味におきまして因習的という言葉を用いた次第であります。
#19
○中西功君 さつきから澤山説明を頂きましてよく分りました。この因習的な封建的な俸給制度から新らしい切替えがなされつつあるわけでありますが、端的に申しまして、因習的な、封建的なという意味は、何よりも、はつきりと給仕さんが二百四十圓で次官が一萬五千六百五十圓だというふうな、こういう大きな開きの中によく現われておつたと思うのであります。この大きな開き、これが根本においてそういう身分的な、同時に非常に不合理な給與制度を作つておつたと思うのであります。それで問題は、これを切り替えて行くという過程では當然この開きを縮めるということが起つて來る一つの大きな問題だと思うのであります。併し實際には官吏の俸給は、大體において工場で働いておる勞働者の、熟練勞働者の最高の水準を越えないというふうな點に規定をされることが、そして又それが官吏の内部において特別に大きな開きがないことが、結局給與關係から見て民主的な官僚行政制度になると思うのです。ただ、そういう點では確かに戰前と今日を比べれば、その點大きな變化はあるということを認め得るわけでありますが、ただ私が不思議に思いましたのは、今度の給與整備委員會の討議の過程で、確か政府側は最初は相當大きな開きを持つて來たと聞いております。それは下は八百圓から始まつて、上は忘れましたが相當大きかつたと思います。それが種々交渉の結果千國から一萬圓の間に一應落着いた。組合側といたしましては千圓から確か八千圓の間に縮めたいという強い意向を持つておつたと聞いております。それで、この點が何故政府はそういうふうな大きな開きを必要としたのか、又組合側としては、そういうふうな大きな切替えという意味から、どうしても、この際その幅を縮めるというふうな點に非常に努力したのに拘わらず、政府はどういう意圖であつたのか。私は若し本當に政府は從來の因習的な制度を一擲して、新憲法下における民主的行政機構をやろう、切替えようという精神に徹底しておつたならば、むしろ組合側のそういうもつと縮まつたものを承認してよかつたのではないか、こうも考えるのであります。又これは勿論政府側として意見はあるでありましようが、一應そう考えられるのであります。更にもう一つの問題は、七月案と、それから今度の新らしい案とを比べて見ますと、そこにいろいろ長所短所があるように思われます。で、まあ七月案は全體として舊來の幅を一應縮めたことと、それがまあ早急になされておりますために十分個人の能力、仕事の軽重というものを考えられなかつたという、まあ缺點はあるように見えますけれども、併しここに又一つの問題があると思います。それは現在の二千九百二十圓にいたしましても、以前の千八百囘にいたしましても、すべてこれは本営の最低生活を保障していないということは、これは當時片山内閣も認めましたし、今日加藤勞働大臣自身がしよつちゆう言つておることであります。で、即ち最低のおのおのの生活を保障しないそういうものを基盤にして、そうしてここにわざわざ何らかの差を付けようとすることは非常に無理なのであります。そういう無理を通そうというのが、實はこの新らしい案のように我々は考えられますが、そういう點から考えまして七月案を考えますとき、形式的に何か不備なように見えるけれども、兎に角も最低生活を何かの形で支えたいという意欲はこの七月案に現われておると我々は考えます。で、全般的な我々觀測としては、今日の新給與法は、そのまだ號俸そうしたものは一見非常に能率給を入れて巧みに組まれたように見えますけれども、むしろ七月案よりも後退である、終戰以來日本の政府職員の人々が、種々の形でまあ自分達の生活改善のために戰つて來た、そのなして來たいろいろの活動は、同時に舊來の因習的な官僚制度を打破して、本當に民主的な行政機構にしようという運動でもあつたということは、はつきりわかると思います。それは今日この政府の提案理由自身の中にもそういう點がよく書いてありますし、そういうふうな活動で、兎も角も七月案として非常に不十分ではあるけれども、何か獲得した。それが最近いろいろな事情で、これがもう後退しておる點は、先に述べた二點において後退しておるように思うのであります。もう一度そうした二つの點について政府側の意見を聞きたいと思います。
#20
○政府委員(今井一男君) 申上げます。政府が最初に組合の方に出しました最低最高の幅は十五倍でございます。最低が八百圓、最高が一高二千圓でございます。最低の八百圓につきましてはこれを千圓まで譲歩いたしました。尚一萬圓以上の者は、そういつた高いクラスのものについては、自分等として關心を持たないから如何ようにも決めて欲しい、併し別表の中に入れられると眼障りだから外して呉れと、こういう組合側の話で、これは別に定める。各個別的にそれぞれ決める。こういつた約束で別表に出されております。それが全官公廳との團體交渉の内幕です。で、政府が一萬圓とか一萬二千圓とかいつたものを適當と認めたか、どうかという點でございまするが、今囘の給與はできる限りのラインにおきまして、民間給與との権衡を圖るということが、臨時給與委員會の方の報告書の線に沿いまして一番政府として考えたところでありますが、政府の調査しました民間給與調査によりますというと、給仕は初任給は八百圓が正に適當と考えたのであります。何も幅を幾らにしよう、そういつた見地から考えたものではございません。給仕さんは給仕さんで、タイピストはタイピストで、交換手は交換手でそういつた形において民間の給與と、むしろ勤務時間その他の差異は調整いたしますが、揃えるといつた考え方で、私共は財源的の考えでなくて、この八百圓を固執したのでありますが、結局折衝の結果、終にこの點は該當者が極めて少いというと、その他から、いわば政治的な意味で政府は譲歩して、これを千圓まで引き上げました。併し上の方につきましては、種々のそういつた觀點から申しますと、やはり我々他との権衡から申しまして決して不相當と考えておらないのでございまして、ただ結果におきまして、そういつた幅が七月案の幅よりは若干狭まつておるということは事實でございます。併しそういつたような從來の幅をどうするとか、こうするとかいつたような觀點から出したものではなくて、元々のスタートは、そういつた民間給與との権衡から彈き出したものであるということを一つ御了承願いたいと思います。尤も験算的な意味におきまして、これを通常であるかどうかということは、やつて見たことは事實です。即ち法律案の参考書に實は今囘の切替表というものを添えて置きましたが、今囘の切替に當りましては、現在假に二千圓なら二千圓の俸給を貰つておる。この二千圓の俸給を貰つておる人が新らしく五級という級に格付けされたならば、その二千圓の人が三千圓に切替えられる人が、もつと重要な仕事である六級に切替えられたならば、三千圓より重い三千百圓とか三千二百圓とかに切替えられる。更に七級となつたならば、そ和が三千四百圓、三千五百圓とかに切替えられる。こういつた筆法に、仕事の價値によりまして差等が若干は付くような仕組に、この切替表はでき上つておるのであります。そういつた立場で切替えて参りますというと、どうしても、このくらいの幅がなければできないということも、後になりまして験算的な意味におきまして私共の確認したところであります。總て官職に勤めまして相當年數動續いたしますというと、やはり子供もでき、家族も殖えて参ります。現在の家族手當が一人分の生活費を賄うに足りないことは、これは申上げるまでもございません。從いまして本俸の幾分は、假に仕事の價値が全然現われてなくても、或いは技能が全然熟達しなくとも、或る程度引き上げて行くということば、これは當然考えなければならんことではなかろうか。殊に現在のような段階におきましては、私共その點苦慮いたしておるところであります。そういつた觀點を入れますというと、やはり相當の幅が必要であります。更にそれに職務の價値判斷を加えますというと、その幅は更に拡大されます。勿論こういつたものは若干彈力性のないことはございませんが、それにいたしましても、そういつた角度から考えましても、この程度の幅ということは必要、むしろ最少限度のような見解を、私ども抱いておる次第であります。
 それから尚、七月案の特徴と七月案の缺點でございますが、七月案にも私ども確かに一つの或る意味における日本的なよいところがあつたということは、認める者でございます。如何なる仕事に從事しておりましても少なくともその仕事に精励恪勤したならば皆最高級まで行ける、皆次官でも、どこまででも肩を並べられるといつたような形にできておることは、又或る意味において、當時革命的であつたということは事實でありますが、この點が現在におきましてはむしろ害の方が大きくなつたことも事實であります。即ち人の嫌いな仕事、餘計なペイをやらなければ働かないような仕事には、人が殆んど從事してくれない。楽な責任のない、そういつた仕事だけ皆がやりたがる。而もどこにおつても同じような昇給しかできない、こういつたことになりますと、結局人情といたしましてそちらの方に行くことは止むを得ないことでありまして、そういう關係から、成る方面では非常に人が餘るが、或る方面では非常に人が足りないといつたような形も出ておるのでありまして、そういつた觀點からいたしますと、やはり七月案につきましても、或る程度の是正は試みなければならない時期に到達したと、かように考えるわけもありまして、今囘の案は現状を非常に強く認識いたしまして、一遍にその仕事本位のものに切替らないように、從來いわば動續等が長かつたために、特にその仕事の割合に過分な多過ぎる給與を貰つておつた人間も、その既得権というものを十分尊重して、大した割損を受けないような仕組を一つのプリンシプルとして取入れる。と同時に、一方その仕事の價値によりまして若干の差を付けるといつたところで、兩方の線が交付しましたところにでき上つた點でございますので、そういつた意味合から、組合側におきましても十分檢討された上で御賛成を得たものかと、かように存ずる次第であります。
#21
○中西功君 まだ私いろいろありますけれども、一つ、職階制について、政府はこれが最後案ではないというふうに御説明のようですが、今後これをどんなふうに發展させて行くつもりであるか、簡單でいいですが伺いたいと思います。
#22
○政府委員(今井一男君) 今囘の切替えの結果によりまして、どういつた職種をどういつた級に嵌め込んで行くかにつきまして、相當是正すべき點が發見されると思います。その度ごとにこれを少しずつ補正して行くということが當面の目標であります。但し根本的な職階制は、職務の價値判斷分析等を詳細に見えまして、恐らく何年かの後にでき上ると、かように存じております。
#23
○中西功君 今、今井給與局長の御説明では、組合側もこれを諒として快く承認したというふうなお話ですけれども、これは多少筋が違つてやせんかと思うのです。と申しますのは、全官公の組合側といたしましては、いわゆる職階給を作り上げる前に、先ず最低生活賃金を、即ちその土臺としての最低賃金制を確立してくれというふうに、これは非常に切實な要求となつて、その要求も今尚決して撤囘していない、恐らくこれは次の新給與委員會長においても、やはりそういう要求が出て來るのではないかと私考えておりますが、ところで、私はその點についていろいろ言うわけではありませんが、なぜ全官公の連中がこの職階制をこの度一應呑まなければならなかつたかという點については、法第十二號が非常に問題なのであります。あの法第十二號は、政府が作りました臨時給與委員會の結論として出て來たということになつておりますが、その臨時給與委員會には國鐵以外の組合は入つていなかつた。而もその中で最初の約束では、これは水準を決めるということが主であつて、職階制というふうなものは最初考えられていなかつた。ところが途中になつてこの職階制が飛び込んで來て、そうして臨時給與委員會は職階制も含めて結論を出したわけです。で國鐵を除く他の組合の人々はいわば非常にびつくりしたわけでありますが、でありますが、その結論が法第十二號となつて現われ、政府はこの法案を提案する前には全然組合側と團體交渉をしていない、そうして一應法律として通してしまつておるというようなことに聞いておる。そうしてこの法第十二號の中には、職階制がはつきり織込まれておるし、又そういうふうなものを作るということも書いてある。こういうふうに法律が一應通つてしまつた後で、政府としてはこの法律を楯にして、一應國會が承認したのだからというので相常強硬に押付けて、これが實は全官公の爭議が豫期以上に非常に紛糾した大きな原因だつたと思うのでありますが、そういうふうな結果、とにかくも法律に規定してしまつたというところから整備委員會が發足しておる。そうして又その中では、できる限り七月案の水準を守りたいというのが組合側の態度で、結局そういう見地から折衝したと思うのです。それで、さつきの説明で見ますと、組合側もこの職階制を殆ど異議なく承認したというふうに言われておりますけれども、そこには多少の問題があるように思います。それで私はこの前全官公の爭議の場合においても、いろいろ政府側に質問したわけでありますが、ここで、ついでにもう一度二、三の點について質問して置きたいと思います。それは、政府は、ここでも非常に揉めたと思いますが、二千五百圓を支給するということについて相當差別支給をしたわけであります。これは、確かに一般の従業員から見ますと、金も欲しいという氣はあります、實際生活に困つておるわけでありますから。併し金が欲しければこれを呑めと、こういうふうな態度であります。實はこれは官公廳の場合に起つただけではなくして、今日は石炭關係におきましても、或いは鉱山の方面におきましても、紛爭處理機關という、實に青酸加里を饅頭の中に入れて、とにかくこれと一緒に呑めと。こういうふうな態度で、石炭のごときにおいては、昨年の十月かち同じ賃金水準で、而もこの度賃金水準だけは相當いいのを獲得したのに、それを貰おうとするとたん、これを呑めというわけで押付けられて、一方においては、もう賞際、生活がやり切れない、併しこれを呑んだら自分達の運動はもう破壊されてしまうという、大きなジレンマに立つて非常に苦しんでおる、その上に尚最近は政府は、これを呑まなければ融資をしないのだということまで言い出して、非常に大變なことをやつておるわけでありますが、これはもともと實は官公廳の二千五百圓の支給から政府が編み出した一つの手だと思うのであります。これについて結局支給するとかしないとか、いろいろここでも議論されたわけでありますが、結局それは徹底的に最後まで政府案を呑まない組合にはやらんというふうなことで、政府のあれは貫徹されたと思うのでありますが、それならそれで最初からもつとはつきめと、我々にそういうふうにはつきりして貰いたかつた。殊に今井局長は自分が四月二十日に出したあの内示というふうなものを、あすこには、はつきりと承認しない組合にはやらないというような、はつきり内示があつたわけでありますが、その内示を我々がここで提出したときにも、答えは極めて曖昧で、はつきりしたことを言わなかつた。どうしてああいうようにはつきりしないのか、我々も不思議であつたのすけれども、とにかく實際においてはそういうふうにして差別支給された、それが非常に爭議を紛糾さしたことは事實です。こういうような點、現に政府はこの外でも今日やつておるわけであります。こういうふうな點を實際いいと考えておるのかどうか。私はこれは一つの権力を勞働爭議に濫用しておる一番典型的な例だと思います。そうして又、これは由々しき問題だと思います。殊に融資や、そういうふうな問題を、こういうような審議に利用して來るというに至つては大變な問題だと思うのであります。尚これは實はもつと政府當局にはつきりしたことを聽かなければいけないのでありますが、一應給與局長にその點はつきりお伺いして置きたいと思います。
 それからもう一つの點は、現在新給與委員會が開かれております。まだ正式には開かれていないかも知れませんが襲足しようとしておると思います。それで政府の當面の責任者としてへ今弁局長が主として當つておられると思いますが、一體新給與委員會に對して、政府はどんな新らしいペースを考えておられるのか、その點できれば一つここで御報告して頂きたいと思います。
#24
○政府委員(今井一男君) お答え申上げます。この前三月二十日の日の點につきまして、特に私につきましてお話がございましたが、常時私が曖昧なことを申上げたようにおつしやいましたか、或いはそうかも知れませんが、現に當時政府として、ああいつたような展開をなし、ああいつたような爭議形態、ああいうような交渉になるということは全然豫想して治りませんでした。この二千五百圓というのを、どういう形でどういうふうにして拂う、どういつたときには、どういうふうに拂わない、こういう點につきまして、別に決定をいたしておりませんでした關係から、御答辞も若干曖昧な點があつたかと思いますが、この點は一つ御了承願いたいと思います。融資その他の點につきましては、私存じませんので、又改めて調べましてお答えを申上げます。
 それから新給與委員會の方でございますが、これは私も若干交渉に當つておりますが、政府側からこの委員會の構成その他につきまして、政府側と組合側との意見がまだ出合いませんので、まだ打合會的なもので押問答をやつております。今度の新らしいベースその他につきましては、從いまして全然議論にもなつたこともございませんし、文相常噂その他新聞には載つておりますが、私共そんな點には全然タツチしておりませんので、只今お答え申上げる資料も何もございません。
#25
○中西功君 もう一つ、それで新給與委員會の問題については触りタツチされていないといいますか、ここで護表申上げる時期に達していないようなお話でありますけれども、ただ一つもう少し廳きたいのは、あの中に調停委員會というものがありますが、その調停委員會と、今日一般に流布されておる紛爭處理機關とは一緒なのか、或いは違うのか、若し分つていたら、はつきりして頂きたいと思います。
#26
○政府委員(今井一男君) その點は私、詳細承知しておりますから、はつきり申上げます。いわゆる紛爭處理機關とは全然性質を異にいたしております。政府が組合側に申しておりますのは、新らしい給與委員會を持ちました機會に、或る問題につきまして兩者の意見が全く對立して話が決まらない、そういう段階になつたときも、中立側を交えて、そこでもう一度懇談をするという、その結果、調停案というものができれば、調停案というものを作つて貰う、それだけであります。從いましてその調停案には兩者いずれも拘束されません。法律的には全然拘束されません。ただ一度その段階を經、而もその場合に“、これはまだ決定いたしておりませんが、政府側の提案といたしましては、何日間にやるというような條件を付けても勿論よろしいし、又中立委員の選出方法等につきましても、十分協議をしよう、且又何でもかんでもそういう調停委員會に持ち込むという形も面白くないから、場合によつては調停委員會で、もう一度當事者同士の話に移せ、こういうような案件を戻すような手續も考えよう、いずれにいたしましても、斡旋者的な意味以上には出ない。仲裁ではございません。單なる、文字上、法律上の意味通り調停でございまして、その拘束力は、全然法律的な拘束力は零である、こういつた建前で話をしておるのであります。
#27
○中西功君 それで、それならば、現存中央勞働委員會というふうな、これは調停機關ではないかも知れませんが、一應調停をなし得るような機關があると思うのであります。これは又現に政府職員の場合においても、非常に大きな作用をなして來たと思うのでありますが、そういうふうな、現に實績を持つた中央勞働委員會があるのに、なぜ第三者を交えたような調停委員會が必要か、特に政府はこれを非常に固執しておられるというふうに聞いておりますが、なぜそれ程固執する必要が、格別の理由があるのかという點をお聽きしたいと思います。
#28
○政府委員(今井一男君) 申すまでもなく勞働委員會の關係におきましては全官公の中にいろいろの組合が入つております關係から、必ずしも一方で提訴いたしましても、一方でこれを受ける義務がないような式のものも入つております。從いまして或る意味におきましては、今囘政府提案の調停委員會の方が、少くとも一應兩當事者が調停案を出して貰うということに豫め同意しておる意味におきまして、より強い點もございますが、そういつた觀點から、兩方統一してやるためには、そういうことが適當であると考えましたことが一つと、更に勞働委員會の方へ持つて行くとなりますというと、どうしても滑り出しがら改めて審議をしなければならん、本當に平和的にものを片付けるためなら、單なる爭議権を獲得するために勞働委員會に訴えるということなら別でありますが、本當に平和的に解決する、而も速かに解決するというためには、豫めそういつたところに適當な連絡をして置きまして、問題が起つたら、簡單に一週間とか十日で結論を出して貰うということになることが、本當に平和的に解決する所以である。その中には兩常事者からそれぞれ代表を出してやるのでありまするからして、話も極めて簡單にぴつたり行くといつた意味合におきまして、こういうた制度を設ける方が、より當事者間における解決策として通常だと、こういうた意見から出ております。
#29
○委員長(黒田英雄君) 姫井君。
#30
○姫井伊介君 この法案はその通過が非常に急がれておるのでありましようが、從いまして若しこれが速かに通過するとするならば、それぞれの機關が急速に整備されなければなりません。そこで地域給審議會並びに新給與苦情處理委員會の設置につきましては、すでに相當の準備ができておりますかどうかということが一つと、第二は、この給與が實質化されなければならない、ただ名目だけであつてはならないということはいうまでもありません。從いまして、この給與の裏付けとしての生活物資乃至厚生施設といつたようなものについて、組合との交渉のときに何らかの條件は付けられておりませんでしたか。若し條件が付けられていないといたしましても、その點については當然政府として考慮されなければならないと思いますが、それは、どういうふうに考えておられますか。第三は、級別俸給額表の第十五級についての問題でありますが、先程の答辞によりますと、これは目障りになるから、まあ露骨な言葉で言うならば、勝手にしろといつたような組合側の意見もあつたから、別に政令で定めるとしたということでありましたが、虚心坦懐に側面から見ますと、やはりこれは一つの封建的な色彩の殘りらしくも考えられまするし、一體どうするのだろう、どの程度でやるのだろう、こういつたようなことも我々としては考えられます。そこで、やはりこれにつきましても一定の限度があるべき筈でありまして、必ずしも政令によると放り出さないでも、適當な額がやはり示さるべきではないか。單に今の組合交渉の關係においてのみ、これが政令に委せたのかどうか。外に何かまだ理由がありますか、それをお伺いいたします。
#31
○政府委員(今井一男君) 最初の御質問の點でございますが、實施本部の方は事實上すでに仕事をいたしておりますが、地域給審議會並びに苦情處理委員會の方は、お言葉がございましたが、まだ全然用意が驚きておりません。この點は實は両方とも團體交渉乃至團體交渉的な要素を帶びました構成、運營でございますので、組合側と十分協議をした上で發足して行く、實はその協議まで、この前の團體交渉の機會にやりたかつたのでありますが、それはその次に延ばしてくれ、別に今回しなくてもよかろうとこういう組合側の意見でありましたので實は延び延びになつておりましたが、今度新らしい委員會ができましたから、早速協議いたしまして十分に意見を交換して、こういうものを發足さして行く、かように思つております。
 それから第二の點でございますがこれにつきましては、組合側からも別に何らの發言がなかつたことは事實でございます。併し政府といたしましては、特に福利施設なんといつた面におきまして、政府職員の方におきましては、やや一般民間に比べまして劣つた面もございますので、特にこれが、現業方面におきましては割合にい行りておる所もございますが、省によりましてその福利施設その他が極めて凸凹がある。況んや一般事務職員につきましては、この面が非常に缺けておるといつたことに著眼いたしまして、まあ無論財政とも関連がございますが、できる限りの施設をして行きたい。例えば住宅問題これも無論只で貸すというもめではございませんが、とにかく算盤と合せながら一應各人から相當の家賃を取つて、今住宅を與えるような施設を取りますとか、或いは宿泊所でありますとか、或いはその他の共済組合を通じまして、でき得れば統制以外の品物の現物の生産ができないかというようなことまで、目下研究いたしております。財源の枠が決まりませんので、具體的な案としてお目に掛ける段階には至つておりませんが、とにかく何らかの有效適切な施設を本年度からして行きたいということは、大體閣議におきましても數度に亙りまして確認せられました線でございます。一般の現物配給、一般の物の配給の裏付けの面は、これは一般動勞者と區別するわけにはいかないかと考えますが、特に資本主としての立場に立つての政府の福利施設の面は、これは別に民間竝に考えることにつきましては、支障のない程度だろう、かように存じます。
 それから十五級の問題でございますが、これは全くお言葉御尤もに存ずるのでありますが、ただこの法律案が通過いたしましたら、直ぐ續いて御審議願おうと思つております認證官の俸給の法律案がございますが、そういつたもので、おのずから枠が決まつて來やしないかと思います。認證官の最低が幾らと決まりますと、それよりは無論高くなるわけのものではございませんので、一應組合側との協定の際に、一萬圓、一萬二千圓とかように決めましたので、別に只今のところ、それ以上の範囲を出るものとは考えておりませんが、丁度機構の改革その他の面もございますが、一度よく検討をして最終的な具體的な案ができ上ると考えておりますが、成るべくこういつた上の方は後廻しにして、一般の切替の方を急ぎたいといふ關係から、又十五級にはどういう人たちに、‘どのくらいの金額で決めるかということにつ)てましては、具體的な案ができておりませんが、それにいたしましても今申上げました關係から、そう大した開きにはならないで、おのずから決まつて行くのじやないか、かように考えます。ただ一旦決まりました上は、何らかの形で國會の御協賛を頂くような形に持つて行くのがいいのじやないかということほ、實は感じないわけではさいませんが、今囘はまだ枠が決まらないのでございますから、取敢えずこういつたふうにやつた、かように御了承願つてよろしいのでございます。
#32
○姫井伊介君 大體十五級の問題ですが、では政令で定めるとしないで、何かやはり國會を通ずるような餘地を存して置く必要はないでしようか。
#33
○政府委員(今井一男君) 少くとも給與の基準でございますから、お説は私御尤もだと思うのでございますが、ただまだ上の方が確定しない。その上に乘つかる認證官の関係が確定しないといつたような関係から、大體決まつてから、まあこの次の機會にでもお願いしたらというような感じで、今囘は一縣こうさせて頂いたのでありますが、建前といたしましては、何らかの形で國會のお許を頂くようなことが少くとも立憲的な考ではないかと私は率直な感じがいたしております。今囘はどれとどれと……關係のものが決まつておりませんので、いきなり一萬二千圓とすることもまずいのじやないかという感じがいたしますが、政令案が決まつてから、何かお言葉の趣旨に副いますようなことにしたいというような感じがいたすのでございます。
#34
○栗山良夫君 私は政府と全官公勞組の間の團體交渉による取り決めの處理に封ずる政府側の態度について、ちよつと御質問申上げておきたいと思います。今度の法律案の提案理由の説明書の一番最後を見ますと、その内容についても既に組合側と意見の一致を見ておりまする關係上云々とあります。このことは恐らくこの法律案について政府と全官公勞組との間に何らの食い違いも誤解もないと、こういうような工合の考え方で、至急に國會において審議をし、職員に實質的に賃金の支拂われるように善處を要望しておられることと思うのでありますが、私共が過日來政府側並びに全官公勞組側からお聞きいたしておりますところによりますと、この法律案自體に對して、兩者の問に相當なまだ意見の一致を見ていない點があるように見受けるのであります。例えて申しますならば、もう一昨日問題になりましたこの法律案が一體いつまでのものに限定しておるのか、例えばそれは第一條に關係することであります。又第二十二條におきましても、この給與實施本部長の權限の問題において意見が一致していない、その他擧げれば數ケ所に亙つて相常重要なるポイントがあります。これに對して今井局長の先般の説明によりますると、大部分のところは運用の面で行けるような話も伺つたのでありますが、基本的な重要なポイントになりますると、政府の方の考え方が正しいのであつて、組合側がそういうような意見を差し挟んで來るのはいわゆる團體交渉の過程における協定の誤解であると、こういうような工合に言われたことを記憶いたしております。これは誤解であるか、食い違いであるかということは非常に重要な意味でありまして、若し誤解であるということで政府が考えておられるならば、結局政府の言われることが正しいということが根柢になるわけでありまして、すべて組合側の方は、これに射して、政府の方の主張を容れるかどうかということより一歩も出ないわけであります。ところが食い違いということでありますならば、これはそこに調整の餘地をまだ残しておると思うのであります。いつ話し合いの餘地を残しておると、こういう工合に考えますが、少くとも團體交渉でありまする以上は、特に事議のああいうような紛糾した過程においては、これは食い違いは私は十分あり得ると、こう考えます。併し誤解になりますと、うと、これは相當問題があるわけであります。對等の立場で團體交渉を行いまする以上は、この誤解であるか食い違いであるかという點については、餘程はつきりいたしておきせんと、折角一旦争議が平和裡の状態に戻りましても、その善後處置に更に又好ましくない状態を現出して來るということも豫見されますので、こういうような問題について、誤解、或いは食い違いという、この問題に對する見解を、もう一度明らかにしておいて頂く必要があるとこういう工合に考えるわけです。私共の承知する限りにおきましては、今井局長が先般言われました政府側の方が正しい、組合側の方が誤解であると言われた點について、両者の話し合いを聞いて見ますると、了解をし得ない點が相當にあるのです。そういうような根本的な問題について政府側のお考えを伺つておきたいと思います。
#35
○政府委員(今井一男君) 簡單に申上げます。食い違いと誤解という、極めてはつきりした觀念で御指摘頂きましたので、私も非常にここで御答辯申上げ易いのでありますが、そういつた御言葉を拝借してお答え申上げます。一條の二號、三號は食い違いと申上げます。誤解ということは全然ございません。一條の二行目の、「政府職員の人事及び給與に關する方針の統一をはかるため、」この一項も私さつき申上げましたように、團體交渉の事項の中にば入つておりませんでした問題であります。それから二十一條、二十二條、これは私、端的に、誤解だと、こう申上げざるを得ないと思うのであります。とにかく二十一條は、現在の法律をそのまま踏襲したものでございまして、而も組合側の増えておらるる意見の、事の善悪は暫くおきまして、とにかく意圖しておるような状態をかち得るためにも、この法律案をいじつたところで何にもならないのでありまして、もつと本になる實態規定を、どういつた場合に命を拂う、どういつた場合は金を拂わない、その方に對する論議を棚上げしまして、この時間割によつて拂うか、日割で拂うかという問題だけを議論いたしましても、これはもう議論の余地はなかろうと思うのであります。のみならず現行法をそのまま使つておるのでありまして、この前國會で御決定願いました、とにかく法律で決つた以上は、これは私、全官公の人は、他の一般勞働組合諸君と違うわけでありまして、使用上としての政府と組合とは勿論對等と私考えておりますが、一旦法律で決定いたしますというと、これは、とにかく國會という分けの最高機關の権威のためにも、やはり組合側はこ権威を認めなければならん、かように存ずるものであります。それから二十二條につきましては、この前私ちよつと説明不十分であつたと思うのでありますが、特に誤解だつたと申上げたいことは、これは二十二條の規定を、個人別の各職員の、いわば何の太郎兵衛というものを如何なる級にし、それに何圓という月給を決めるか、こういつたことだけの規定であります。これが勿論、その一般のあ、る職種グルーブにつきまして、一體看護婦ならば看護婦をどういうふうな待遇にするか、何級にするかという、こういつたことは勿論團體交渉の對象に相成ます。今度もやつたのでありますが、そうでなくて、何の太郎兵衛は難らにするということは、これはどこの團體協約にも、又今回の團體交渉におきましても、決してこれは團體交渉の目標にならんことは申上げるまでもございません。組合側との交渉におきましても、この點組合側もはつきり確認いたしまして、各職員即ち個人々々の級の決定は政府側の者がこれをやる。その決定については實施本部長が更正決定の権限を持つておる、こういうことを組合側は確認しておるのでありまして、從つてその個人別の俸給の決定は、これは政府部内のいわゆる行政的な關係でありまして、從つてそれを権限のある實施本部長が、各省のものが間違つておれば、こうやれ、ああやれと直すことは理の當然だと思います。これを組合の諸君が二十一條の規定がグルーブですか、方針的なものを決める問題と誤解されまして、それをも含むかのごとく誤解されまして、そういつたことを言われておる。私、實は最近、一昨日あたりからその誤解が漸くはつきりして來たのであります。そうでない限り、實際この問題は、實どうも組合側のおつしやることがわからなかつたのでありますけれども、あとは申上げる程の點もないかと思いますが、尚、提案理由の説明等の内容について、組合側と云々ということを申上げましたのは、政府側の氣持といたしましては、一番この法律案の内容でありますところの、具體的内容でありますところの號俸をどういうふうに決めるか、或いはその幅をどうするか或いはどういつた、職種を何級に決めるかという、一番この法律案の骨子をなします點が組合側と妥結いたしましたので、あとの極く細かい手續の點においては實體に殆んど影響はございませんので、或いは概ねとか大體とか、組合側との意見が一致した、かように申上げたわけでありまして、どうぞその點一つ御了承願います。
#36
○栗山良夫君 私の質問に射して大體お答えを願つたわけでありますが、今のところに「給與に關する方針」といつたところはどこでございましたか。喰い違いの點は……。
#37
○政府委員(今井一男君) 第一條の二行目でございます。「政府職員の人事及び給與に糊する方針の統一をはかるため、」の政府職員からの一句であります。
#38
○栗山良夫君 私、今の御説明を受けました中で、まだ若干私自身としても意見の相違しておる點があります。特に第二條第二項、第三項の如きば、これは團體交渉の過程になかつたことが大體入つて來ておるようでありまして、これは喰い違いでも誤解でもないと思うのであります。その外にありますが、細目については時間の關係もありますので、一應保留いたしまして、次回にいたしたいと思います。
#39
○委員長(黒田英雄君) 如何ですか、他に御質問がございませんければ、連合委員會はこの程度にして終了することにいたしまして尚、財政及び金融委員會を勿論今後開きますから、御質問の、おありの方はその場合お申出になりますれば、委員長といたしましては委員におはかりして、成るべくお許しをい、たしたいと思つておりまするが、連合委員會はこの程度で終了といたすことに御異議ございませんですか。
#40
○栗山良夫君 もう一囘だけお願いできませんでしようか。
#41
○委員長(黒田英雄君) もう一囘ですか。
#42
○栗山良夫君 ええ。
#43
○委員長(黒田英雄君) それでは本日尚御質問ございませんか。
#44
○中西功君 これですね、今井給與局長の責任、權限にも限定がありまするし、一度やはり大藏大臣並びに加藤勞働大臣に來て貰つて、はつきり私たち聞く必要があると思うのです。それで特に加藤勞働大臣に來て貰わなければいけないのじやないかと思つております。細目に亙つては相當みな聞いておると思いますが、もつと根本問題、これは非常に簡單な意味の根本問題があると思いますので治そういう問題を大臣に出て貰つて聞く必要があると考えております。
#45
○委員長(黒田英雄君) 大藏大臣には今日も實は出席を交渉したのですが、今日は出られないそうですが、この次の機會には一つ出席されるように交渉いたします。
#46
○中西功君 加藤勞働大臣にも……。
#47
○委員長(黒田英雄君) 加藤勞働大臣ですか、承知いたしました。それでは本日はこの程度にいたしまして閉會いたしたいと存じます。次の開會日はちよつと今直ぐ決つておりませんですから、公報でお送りすることにいたします。それでは本日はこれにて散會いたします。
   午後三時二十五分散會
 出席者は左の通り。
  財政及び金融委員
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           伊藤 保平君
   委員
           波多野 鼎君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           山田 佐一君
          尾形六郎兵衞君
           田口政五郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
  勞働委員
   理事
           小川 久義君
           栗山 良夫君
   委員
           赤松 常子君
           天田 勝正君
           山田 節男君
           植竹 春彦君
           紅露 みつ君
           奥 むめお君
           竹下 豐次君
           早川 愼一君
           姫井 伊介君
           中野 重治君
           岩間 正男君
  政府委員
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
ソース: 国立国会図書館
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