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1947/02/02 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 通信委員会 第2号
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1947/02/02 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 通信委員会 第2号

#1
第002回国会 通信委員会 第2号
昭和二十三年二月二日(月曜日)
   午後一時四十二分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○全遞新聞記事に關する件(證人の證
 言あり)
○電話の加入者等に公債を引受けさせ
 るための臨時措置に關する法律案
○郵便法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深水六郎君) それでは只今から通信委員會を開きます。一月三十日の本委員會で問題になりました全遞聲明書及び全遞新聞の記事の件についてお諮りいたします。
#3
○油井賢太郎君 この件に關しましては、新憲法下にある國會の面目上に掛けても、亦我々委員の中でも非常に國民に對して疑惑の念を持たれておるというような關係上からいたしましても、徹底的に明確にして、國會の威信を損なわざるようにすべきが當然だと思います。つきましては、この際全遞中央執行委員長の土橋君、竝びに全遞新聞の編輯責任者である濱君、全遞新聞にその人の談として記載されておりますところの宮原君のお三人の方に證人として出頭せられんことを委員長より要求して頂きたいと思います。
#4
○委員長(深水六郎君) 只今の油井君の動議に御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(深水六郎君) 御異議ないと認めます。それでは證人として土橋君、濱君及び宮原君の出頭を求めることに決定いたしました。それでは手續の済み次第證人を求めることにいたします。……證人の出頭を求める手續も済みました。證人として全遞從業員組合中央執行委員長の土橋一吉君が出頭しておられますから、證言を求められたい方は御發言を求めます。
#6
○油井賢太郎君 只今土橋君と濱君、宮原君、三人に御出頭を願いたいという要求をいたしましたが、お一人だけしかまだ來られない。
#7
○委員長(深水六郎君) それは事柄が聲明書と全遞新聞の責任者としての濱君と、その談として書かれた宮原と別々にお喚びして、一つずつ片付けて行きたいと思つて最初に土橋君だけお喚びしただけであります。
#8
○油井賢太郎君 承知しました。では土橋君にお尋ねをいたしたいのですが、一九四七年十二月、日にちは入つておりませんが、全遞信從業員組合の聲明書として御發表になりました全國に對するこの聲明書の中に、「制定の撤廢の聲に驚いた全國特定局長連合會幹部は國會に卑劣極まる買收等の手段を以て働きかけ、衆議院通信委員會を押し切つた。」というようなことを書かれておられるのでありますが、御承知のように國會に對しまして買收等の手段を以て働き掛けたというようなことをお書きになる以上は、相當の根據があつてお書きになつたことと思います。これにつきまして、我々委員といたしましても、この聲明書によりまして非常なる迷惑を被つておる方々もおありになりますし、又國會そのものも、國民から見られるところの信頼感というやうな點にも、大きな誤差を生ずるということもございますから、この際どういう趣旨の下にこういう記事をお書きになつたか、又更にかかる原因が本當にあたつならば、我々國會議員といたしましても、その點につきましては徹底約に究明するのが當然と思うのであります。ついては、委員長のこれに對する御意見をお聽きいたしたいと存ずる次第であります。
#9
○委員長(深水六郎君) 土橋君、宣誓書を朗讀の後御發言願います。
   〔證人土橋一吉君は次のように宣誓を行つた。〕
    宣誓書
  昭和二十三年二月二日
           通信委員會
 良心に從つて、眞實を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
        證人 土橋 一吉
#10
○證人(土橋一吉君) 只今の聲明書に關しましての御質問でありますが、この問題について「國會議員が買收等により」という文句については、非常に遺憾だつたと思います。その問題については、直ちに機を得まして訂正をいたしまして、さような點がないようにしたとい存じております。その點は御了承願たいと思います。ただ我々があらゆる會合、或いはあらゆる方面から聞き及んでおりますところの内容について申上げますると、特定局長連合會幹部の諸君は、全國特定局一萬三千有餘の局長に對し、特に中央勞働委員會の調停案が國會において、特に通信委員會等の問題になつた場合に、この運動を、撤廢をされないように制度撤廢反對の運動を起すため、一萬三千有餘の局長から相當な會費を集めまして、猛烈な運動を展開したということを聞いております。從つてそういう方面から、さような噂が世間に流布されたものが、ここに誤つて書き傳えられたと思いますので、直ちにそういう誤解のないやうに訂正をしたいと思つております。全く遺憾だということを申上げます。
#11
○油井賢太郎君 只今の土橋さんの御説明によりますと、全く遺憾だつたしいう一言でございますが、併しながらお話中にもあるように、そういう噂があつたというようなお話なんですが、どういう方面からそういう噂が立つておつたのでしようか。
#12
○證人(土橋一吉君) それは特定局長から、金子の程の内容は明確なことは存じませんが、約三百圓程度を一局長から金を集められまして、一萬三千有餘でありますから、常識で考えまして、約三百九十萬圓乃至四百萬圓程度の特定局制度撤廢反對運動の基金が募られたということは聞いております。從つてそういうものが如何なる方面に使われたかは、的確に我々は承知しておりませんが、世間に噂が流布されたということは事實であります。誰が申した彼が申したということは、一々私としては申上げることはできませんが、そういう噂が專らであつたということは、一般的に皆知られておつたようであります。
#13
○油井賢太郎君 三百圓ずつの資金を集めて、成る程全國から集めれば三百九十萬圓という大金が集まるわけでありますが、事實三百圓ずつ集めたということがあれば、やはりこの問題に關連して重要な事項だと思いますが、それは御確信の上おつしやられておるお話でありますか。それとも單なる噂に止るものですか。
#14
○證人(土橋一吉君) この問題につきましては、我々が承知しておる範圍では、その現場を見ておる者は誰もないと思います。事實を組合員から、地方地方において、自分の局長からこういうふうな特連の要請を以て金を集められたということを、我々自身も聞いております。從つて誰がどういうふうに申したというのでなくして、そういうことは事實あつた、金額の點につきましても、今申しましたように、三百圓税度のものであつたということを聞いておりまするので、それだけ申上げて置きます。明確に三百圓とか或いは二百圓というような金額を……、三百圓程度の金が集められておつたということを聞いております。
#15
○油井賢太郎君 それではこの聲明書に對する、誤解であつたというようなお話ですが、機會を見てこのことを全國のあなたの傘下におられる方々に通知をしたいというお話のようでありましたが、機會を見てとおつしやられましても、すでにもう十二月のこの聲明書は出されておつて、各委員は相當長期間に亙つて多大の迷惑を被つておるのであります。これにつきまして、至急この誤解を解かれるように處理されるのが當然であると思います。如何なるこれに對するお考えでございますか。
#16
○證人(土橋一吉君) 只今もおつしやる通りでありまして、國會の皆樣に御迷惑を掛けたということは全く申譯ないと存じております。それで全遞新聞を通じまして、直ちに當該文字の不當な點を撤囘したいと、かように考えております。
#17
○油井賢太郎君 聲明書の件は、大體只今のお答えによつて、いずれ委員會において後刻相談もあることと思いますが、次に全遞新聞に記載されておる記事の中で……
#18
○委員長(深水六郎君) 油井君、それは全遞新聞の編輯者も來ておられますから、そちらから聽かれて如何ですか。土橋君にお聽きになりますか。
#19
○油井賢太郎君 この全遞新聞に關する記事は、土橋執行委員長もよく御存じになつておられるのでしようかね。
#20
○證人(土橋一吉君) 大體、一應全遞新聞は目を通しておりますから、承知しております。
#21
○油井賢太郎君 全遞新聞の件に關して、委員長さんとしてのお考えを、一應お聞かせ願つて置いた方がいいと思います。
#22
○證人(土橋一吉君) 全遞新聞の第七十九號に書いておりまする、「撤廢するまで鬪う」という見出しで書いております中味に、いろいろなことが書いてありますが、これは丁度十二月十八日、十九日の二日間に亙りまして、茨城縣袋田温泉において特定局代表者會議を催した節に、中鬪委員の方から、國會内の自分が專門的に擔當しておつたいろいろな事項とか、或いは他の方面からのいろいろな聞き及んだ内容について、中鬪委員として代表者會議に出席して經過を述べた節の一節が、全遞新聞の記者によつて、それが書かれた内容であります。この中において書いてありまするような、「特連、議員を買收」というような點については、全く、先程申上げたようなことに關連して遺憾であつたと思いまするので、別に特定局制度の代表者會議の議長或いはその他の意見を聽きまして、全遞新聞の責任者としては、これを間違いないように、そういう一般の誤解を防ぐような方向に書き改めたい、訂正をして出したいという意向を持つていることを聞いております。尚その次の方の件につきましてもいろいろ記者の諸君が書き違えた點があるようでありますので、早速そういう點も訂正をして置きたいという意向も出ておりまして、私も尤もであるということで、次或いはその次あたりの新聞に訂正をしたいというふうに考えております。
#23
○油井賢太郎君 私の質問は終りました。
#24
○委員長(深水六郎君) 外に御質疑はありませんか。
#25
○水橋藤作君 只今の新聞につきまして、水橋の記事が出ておりますが、これに對しまして濱君に私質問したいと思いますから、濱證人をお呼び願いたいと思います。
#26
○委員長(深水六郎君) 只今の土橋君の噂であつたということは、買收の事實は、現在のところ我々としては、土橋君としては認めていないということに了解してよろしうございますか。
#27
○證人(土橋一吉君) その問題につきましては、私ら的確なものを知つておりませんから、一應そういう噂があつた、而もその内容については、相當多額の金子が集められて、反對の運動を展開せられたというだけのことは、事實であつたと我々は考えております。それ以上は考えておりません。
#28
○委員長(深水六郎君) 外に御質疑ありませんか。
#29
○大島定吉君 只今土橋さんから聲明書の中にある文字が誠に遺憾であるから、何らかの手段で取消すというようなお話がありましたが、やはりこれは聲明書か何かそういつたような方途でお取消しになるのですか。
#30
○證人(土橋一吉君) これだけの件で聲明書を出すということも……、今のところは、全遞新聞等によつてこれを全國的に出した方が早く趣旨が徹底するかと考えておりますので、次號あたりの全遞新聞でこの内容を、間違つた點を取消したいというふうに考えております。
#31
○委員長(深水六郎君) 他の證言を求めたい方はございませんか。……それではこの聲明書の前後措置につきましては、只今土橋君が申されたこともございますけれども、又委員會としても何らかの意思表示をするかも知れませんし、その點は又後刻委員會でお諮りしたいと思いますが、そういうふうに委員會でお諮りすることにしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(深水六郎君) 御異議ないと認めます。他に證言を求めたい方がございませんならば、證人の方はお引取り願いたいと思いますが外にございませんか。それではお引取り願います。
#33
○委員長(深水六郎君) 證人として全遞新聞發行人の濱武司君が出頭しておられますから證言を求められたい方は御發言を願います。
#34
○水橋藤作君 全遞新聞に「水橋參議院議員の話によると。一人十萬圓ぐらいつかましたという話だ」という記事がありますが、私はかようなことを話した記憶はないのでありますが、何かの間違いだと、かように存じてはおりますが、證人におかれて何か具體的な事實があるかどうか、この機會にお尋ねしたいと、かように存じます。
#35
○委員長(深水六郎君) 濱君、宣誓書朗讀の後に證言をお願いします。
   〔證人濱武司君は次のように宣誓を行つた〕
   宣誓書
 良心に從つて、眞實を述べ、何事もかくさず、又、何事ともつけ加えないことを誓います。
        證人 濱  武司
#36
○證人(濱武司君) 只今のにお答えいたします。この會議の責任者及び會議で報告責任者の宮原中鬪から全遞新聞編輯責任者であります私に對しまして、先週金曜日に、正式にこういう通告が參りました。それは一人十萬圓ぐらい掴ましたという噂だということは、宮原中鬪が報告したのであつて、「水橋參議院議員の話による、」というのは、これはそのうしろに書いてあります。「通信委員の自宅訪問は全部終つたと對話した」という事實、これが間違いであるから訂正を願いたいということが、正式に私のところに通告があつたわけであります。そこで編輯責任者であります私は、記者ともよく事實せ調べた上で、會議の席上起つた事實とはこの記事が若干相違しておりますので、訂正をすることにしております。まだ訂正書は出ておりませんが、全遞新聞の第八十五號、本週の木曜日にでき上ります全遞新聞に、この訂正の記事を載せることになつております。その訂正とは表題の「特連議員を買收」ということは、これは誤解を招きますので、これを疑問體にしまして、「議員を買收か」というふうに直しました。それから二十三行目以下は、「水橋參院議員の話によると、一人十萬圓ぐらい掴ましたという話だ、さらに千葉參院議員の話によると」というように幾分それを訂正いたしまして、「撤廢反對運動しておることは事實だし、又一人十萬圓ぐらい掴ましたということは事實であり、さらに千葉參院議員の話によると特連幹部が」云々、こういうふうに訂正しております。水橋參院議員が言われたのでなくて、宮原中鬪がそういう噂があるということを報告したということは、はつきり確認されております。それで編輯責任者としまして、記者を派遣してこの記事を取つたのでありますが、このように事實と相違した點については甚だ申譯ないと考えております。
#37
○委員長(深水六郎君) 外に證言を求めたい方はありませんか。
#38
○油井賢太郎君 只今濱さんのお話によりますると、記者を派遣して、いろいろこの總會の席上の模樣をその記者によつて書かせたというようなお話ですが、併しながら編輯長といたしまして、これだけの大きな問題をお出しにするときは、相當確かめてお出しになるのが當然だと思います。苟くも新憲法の下にあるところのこの國會において、若し一人の議員であつても買收等の問題が出たときには、我々國會議員全體の責任でもあり、而も七千八百萬人國民全部の注視の的となるべき大問題であります。かかる問題を輕々しく編輯長の責任におられるあなたが取上げてお書きになる、或いはその原稿を御覧になつて、その眞爲を確かめないというようなことは甚だ遺憾だと思いますが、又あなたのような怜悧の人が、意識あつてこういうふうにお出しになつたのか、或いは無意識にお出しになつたのか、甚だ疑問に思われる點があるのであります。一應この點についてあなたの御心境を伺いたいと思います。
#39
○證人(濱武司君) 私はこの新聞を編輯するときには、一應會議の席であつた事實を傳えるつもりで、まあ正直にその會議の席上起つたことを編輯したつもりであります。そこでこの問題の眞爲を確めずに出したということについて今ございましたが、まあ私としましては會議の席上こういうことが事實あつたかどうかということについては、一應記者を派遣しておりますが、こういう事實があつたものとして編輯したわけでありますが、そういう實際に買收行爲があつたかどうかということについては全然調べて見るということを考えておりませんでしたので、このような編輯になつたわけであります。まあ今言われました點につきましては、編輯長として甚だ遺憾な點があつた、このように考えております。
#40
○油井賢太郎君 この新聞記事は十二月二十九日に出されておるのでありまして、すでに一ケ月以上にも達する時日を經過しておるのであります。この間にあつて全國において我々通信委員の者が、あらゆる方面から疑いの目を以て見られたというような點は十分御承知だと思うのであります。いわゆる新聞において切捨御免の記事を默つて出されておるということにつきましては、或々委員會の堪え忍べないところであります。これに對しまして我々通信委員に對するあなたの今後の御處置はどうなさるつもりであるか。いま少しく明確に又あなたの御誠意のあることをここで御披瀝願いたいと思います。
#41
○證人(濱武司君) 具體的に私が只今取得る手段と申しますのは、この記事をこのように訂正いたしまして、これは問題があるないに拘わらず、編輯者としての良心としては、事實と間違つたことがございましたならば、これは當然訂正すべきものであろうと私は考えております。訂正いたしまして、これは組合内部のことに關しましては又組合の方で獨自の立場から處理することになろうと思います。それで今ここで申上げることはできなと思います。
#42
○油井賢太郎君 編輯長の責任において、全遞新聞を通じてあらゆる方面に、この誤解或いはこの記事の間違いというようなことを、國會議員の身になつて如何なる程度に御發表なして頂けるかどうか、こういうことをお尋ねいたします。
#43
○證人(濱武司君) 今具體的な現象として現われておりますのは、この記事の誤報でありまして、これは私としましては會議の席上あつたことはどうしても組合に報告する責任がございますので、具體的に實際にあつたということが確認されておることにつきましては訂正する必要はないと私は考えております。ただ、今言われました國會議員の身になつてどのような處置をするかというようなことにつきましては、具體的に例えば陳謝の文を書けとか、そのようなことにつきましてはこれは組合の機關紙でありまして、編輯長として獨斷でいたすわけには行きませんので、私が編輯長として答えられる範圍は、さつき申しましたように、會議の事實と間違つた點を報じたこと、これは編輯長の良心として讀者諸君に、又組合員諸君の誠意を以てお詑びしなければならない、このように考えておる次第であります。ただこれに對する組合の態度をどうするかということは、私の責任で答えられる限りではございませんので、その點はお答えすることができません。このように考えます。
#44
○油井賢太郎君 すでに先程申しましたように一月にもなんなんとする時日が經過しておるのであります。この誤つた記事に對して、今まで編輯長に對してこの記事を間違つていたというようなことの申し出でがなかつたのでありますか。こういう點につきましても我々多大の關心を持つております。
#45
○證人(濱武司君) この記事が間違いであるということは今まで私のところに申出ではございませんでした。ただ特定局長連合會の方からそういう事實はないから取消せという申出でがございました。これはここに持つておりますが、一月の十一日附で私宛てに申出でが來ております。これにつきまして私が特定局長連合會の方に参りまして、私はこういう買收の事實を取扱つたのではなくて、この會議の席上報告されたこと、これは機關紙として組合員諸君に徹底する必要がございますので、この會議の席上取扱われた事實を取扱つたわけで、この申入れの趣旨とは若干筋が違うようであるから、會議の責任者にその事實を聽いて、その事實が間違つておるならば取消も訂正もこれは編輯者の良心として行います。併し買收という現實の行爲については、私は新聞で取扱つておりませんので、この點についてはお申込の趣旨に副うことができなかつたというふうに囘答して置きました。
#46
○油井賢太郎君 そこで只今お話の全特連からの申入れによつて調査をなさるというお話があつたのでありますが、それにつきまして事實を調査なさつたのでありますか。
#47
○證人(濱武司君) これはここに報告の責任者もはつきり新聞に書いてあります。それから會議の責任者も本部におるわけです。從つて實際に水橋議員さんからこのような報告がなされたかどうかということについて調べた結果、さつき申しましたように、そうではなくて宮原中鬪が地方から國會議員を買收したということについて質問が出たので、それについてこういう噂があるという答えをしたということが明らかになつたわけであります。從つてその事實に基いて私は先週金曜日に訂正することに決定したのであります。
#48
○油井賢太郎君 すでに十二日にあなたの方へ訂正の申入れがあつたというようなことですが、その間二十日間に亙つてあなたの方でこの調査を荏苒日を送られたということは、我々同僚の水橋委員に對しても甚だ相済まない點であると思います。何故お互いに内部の間の事件についてもつと早くあなた方が御調査なり、或いは記事の訂正なりをなされなかつたか、甚だ御誠意がないように見受けられますが、この點は如何ですか。
#49
○證人(濱武司君) 十二日特定局長連合會の方からそういう申入れがありまして、それからいろいろ三役とも相談いたしまして調査いたしたのでありますが、とにかく記者としましてはそうであるということも言つておりますし、尚私の方に對しまして宮原中鬪からも訂正の申入れもなかつたし、尚會議の議長等につきましては甚だ連絡が取りにくかつたので、若干遲れた點は遺憾でありますけれども、別に特にサボつておつた、而も意議的にサボることによつて何らかの効果を見ておつたということはございません。
#50
○油井賢太郎君 そうしますと、當面の責任者たる宮原君はこの記事を肯定してあなたの方へ修正の案、或いは訂正の考えというようなことを申出でなかつたと私は解釋いたしますが、それはそれで相違ないですね。
#51
○證人(濱武司君) そうではありません。これは先週間違いであるからといつて、はつきりここに書いて私のところへ申入れをやつて來たわけであります。從つて宮原中鬪はこの記事が間違つていないということは言つておるわけではありません。先週正式に私のところに申入れがあつたわけです。從つて私はそれに基いて訂正することに決定いたしました。
#52
○油井賢太郎君 これは全遞新聞というのは月に何面御發行になつておりますか。
#53
○證人(濱武司君) 月に三囘乃至四囘であります。大體一週間に一囘というようなのが現在の状態であります。
#54
○油井賢太郎君 そうしますと、この新聞は全遞の皆さんによつて讀まれており、又この會議に列席した、或いは派遣された記者の方々も皆御覽になつておるものと思います。
 この方々が、先程私が申しましたように、一方的に載せて置いて、間違つたものをそれを訂正もしないということは、この記事そのものを確信を持つて出したようにさえ考えられますが、その點についてはあなたはどう考えておりますか。
#55
○證人(濱武司君) 私は訂正を申入れられるまでは、やはりこの大會で以て水橋さんがそういう報告をなされたものと、そういう確信を持つておりました。それで正式に宮原中鬪から、これは間違いである、非常に長い報告をした中で、非常に簡單に縮めてこういう記事にしたために途中がおかしくなつておる、このように訂正して貰いたいという申入れがあつたわけです。それで記者とも連絡をとつて、それではそういうことに訂正いたしますということを私は正式に申出たのであります。
#56
○油井賢太郎君 編輯長のお考えは十分了承しましたが、ただ遺憾に堪えないのは、相當長い間に亙つて、他から何か言われなければ、自分らの行なつた記事であるとか、こういう報道であるとかの誤報を訂正されなかつたという、その點については、誠に遺憾という意見を持つております。將來こういうことのないように特に御注意願いたいと思います。
#57
○證人(濱武司君) 誤報の訂正は非常に遲れまして、而も確實に調査が進まなかつたためにこういうことになりました點は、甚だ遺憾とするところでありまして、重々お詑び申上げます。
#58
○委員長(深水六郎君) さつき申されましたが、「買收か」という見出しで討正をするというお話でありますが、この證人として私たちが來て頂いておるのは、その買收の事實があつたかどうかということをはつきりしたいということが一つの大きな目的でございますので、その點をそういう恰かもあつたような記事を書かれるということは、又こういう出頭を求めるようなことがないとも限らんと思いますが、そういう點についてよくお考え願いたいと思います。
#59
○證人(濱武司君) そのことにつきましては、これはこの會議及び全遞の全體として關係がありますので、編輯者としまして、全遞新聞がこういう噂、又は單なる情報を取扱うべきかどうかということ、これに對する方針が明確になりますならば非常にはつきりしますが、事實こういう噂があつたということが報告されました事實を一應編輯長は取扱いましたので、この點につきましては、いずれ組合としても檢討して見たい、このように考えております。ただ現在の我々の方針としましては、會議でそういうことが報告されたときには、やはりこれはその事實として取扱つておるのでありまして、そのことは、こういうまあ人間の何と申しますか、個人の名譽に關することに觸れたためにこういう問題が起きたものと、私たち非常に遺憾に思つておるわけでありますが、この點についてもつと、微細に私たちも檢討して見たいと、このように考えております。
#60
○委員長(深水六郎君) 私たちはそういう「買收か」というような記事で取消されるということであれば、その噂を出した人を、誰から聞かれたということになりますし、そういう事實を確めたいと思いますから、若しもそういう記事でお出しになるならば、誰からその噂が出たか、その事實をここではつきり證言して頂きたいと思つております。
#61
○大島定吉君 只今濱さんからいろいろお話がございましたが、次號に「國會議員を買收か」というようなことでお書きになるというようなお話でありましたが、まだ買收の事實があるかという疑念をあなたが持つておられるからそういう「買收か」という見出で書かれることと思いますが、濱さんの現在の心境をはつきりお述べ願いたいと思います。
#62
○證人(濱武司君) 私自身の心境ということになりますと又別になりますが、今の御要求は、編輯者としての考えですか。それとも私個人がどう思つておるかという御質問でありますか。その點を明確にして頂きたいと思います。
#63
○大島定吉君 あなた個人としてどうお考えでありますか。
#64
○證人(濱武司君) 個人の心境をここで申述べることができるかどうかということについて私はちよつと疑問を持つておるのでありまするが、その點委員長どうでしようか。私はこの新聞の編輯者としてこの問題について申上げたいのであります。
#65
○委員長(深水六郎君) 事實であるかどうかということを主として、それに關連をいたしたことならば發言願つていいと思います。
#66
○證人(濱武司君) それでは御要求の線に沿うかどうか分りませんが、私個人がたとえそういう疑念を持つていないとしても、會議でこのようなことが報告されました以上、編輯者は、又私は宣傳部長も一緒にやつておりますが、當然組合員に報告しなければならないので、現在の私の任務からいいましたならば、この事實を記事で取上げないというように否定してしまえば別でありますが、現在まで會議で報告されましたこの事實が殘つておる以上、そうしてこの事實は間違いだからこれは會議の責任において取消して貰いたいという要求がない限り、私としてこの記事を取消すことはできないのであります。從つて私個人の心境というものは、この記事について何ら効果を持たないという結果になりますので、一應現在のところ私たちはこれが限度ではないかと、このように考えております。
#67
○大島定吉君 先程委員長からも、次號に「國會議員を買收か」というような見出しでお出しになるというようなことについてお話がありましたが、私も少くともこの記事が一應事實がないという見通しが付きまして以上は、取消しをする以上、少くとも「國會議員を買收か」という見出しでお出しになることは、全遞新聞社の誠意が疑われるのでありますが、その点につきまして、濱さんはどんなふうにお考えになつておられますか。
#68
○證人(濱武司君) 現在全遞新聞では、そういう事實があつたとも又なかつたともどちらとも分つておりません。それで例えばこの新聞を出したときの會議でこのようなことが取扱われたというようなことになります。それが後で嘘であつたということが分つて、それを一つの記事として取扱うならば、私はそれで結構だと思います。若しもそれが、買收の事實は全然ないということがここに明らかにされるならば、これは私は當然大きく取上げて、全遞新聞第七十九號にはこのような記事を出したけれども、こういう事實はないということが明らかになつたと、このように出したいと思います。ただこの會議の事實を取扱つた記事をそれによつて取消すということにはならないと編輯長は考えておるわけであります。そのときは全然別個にこれは取上ぐべき事實であろうと、このように考えております。
#69
○大島定吉君 全遞新聞社としては、そうしますとこの記事につきまして責任もありますことでありますので、徹底的にお調べ頂いて、至急にこれを取消すというような、若し事實があるならば、これは飽くまでも事實として取上げることは結構でありますが、若し事實がなかつたということになりますれば、私は當然新聞社として責任を持つてこれが調査をして、そうして取消すことが新聞社の責任であると、かように考えております。
#70
○委員長(深水六郎君) 議員の名譽を毀損するようなことを、單なる噂でそういう見出しを主觀的に書かれるということになれば、その噂は誰が出したか、誰から聞かれたか、或いは編輯者自身の氣持で出されたかというその事實を又糾明しなければならんような事態が起るとも考えますので、その點は十分お含み願いたいと思います。
#71
○證人(濱武司君) よく分りました。
#72
○委員長(深水六郎君) 外に證言を求めたい方はございませんか。……それでは證人の方はお引取り願いけす。
 證人として全遞中央鬪爭委員宮原新次郎君が出頭しておられますから、證言を求められたい方は御發言願います。
#73
○油井賢太郎君 十二月二十九日の全遞新聞に記載されておる、今囘問題になつた國會議員買收の件については、主として今まで土橋さん、濱さん等からお話を承つたのですが、結局はその總會の席上はおいて、種々お話をなさつた宮原さんの責任のように我々は承つたのであります。この記事について一應宮原さんの所信を承りたいと思います。
   〔證人宮原新次郎君は次のように宣誓を行つた〕
   宣誓書
 良心に從つて、眞實を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
           宮原新次郎
#74
○證人(宮原新次郎君) 只今の件につきまして、これは昨年の十八日、十九日、二十日の茨城縣における全國特定局の代表者會議の席上で私が發言したことが、今囘の問題になつて、皆さんに御迷惑を掛けたいということになつたのでありますが、これは何しろ三日間に亙るところの私が喋つたことを、小さな記事に收縮されるために、或る程度記事の内容について、その收縮した關係上、記事にアンバランスがあつたという結果になつたと思うのであります。それでこの全遞新聞の七十九號にもあります通り、全國から集まつたところの代表者の方から特連が、國會議員を買收したことについて代表者の方からこういうことを質問されたのであります。これに基きまして、中鬪といたしまして私が主として國會の方を擔當しておる關係上、國會の方に毎日登院しておるようなわけなんで、この特定局長が一人三百圓ずつ行なつたところのカンパと、それからいわゆる特定局長連の方々もやはり自転車で毎日來て、院内でちよいちよい顏を合せるというような現況と、そういつたことを綜合いたしまして、こういうふうなことを私が申上げたのであります。それから今申上げました通り相當長時間に亙るところの經過報告と、こういうふうに縮めた關係上、「千葉參議院議員の語るところによれば」というのは、前に話したことが、ここに偶然挿入されたのでありまして、「千葉水橋參議院議員の話による」というところは、これは事實に反しておるというふうに自分も思つておるのであります。これは全遞新聞の責任者に對して記事の取消を要求しております。それから更に「千葉議員の話によれば」というのは、これもやはり長い會議のための一つの誤りでありまして、これは水橋さんが述べたということは私自身も聞いておりますので、この點も誤りだということで編輯責任者に對して取消方を申入れております。大體簡單でありますが……。
#75
○油井賢太郎君 只今宮原氏のお話によると、會議の席上においてあなたはこの記事はそつくり大體述べられたことについて肯定をなさつたように伺つたのでありますが、ただ問題になる點は水橋委員の話だけにあるようでありますが、然らばこの新聞が十二月二十九日に發行された。これはもうあなた方にとつては最も大事な新聞だろうと思う。全遞從業員に對しましてあなた方の意見を申述べる機關紙である最も大事な新聞である。それに對して長い間この記事はこのままに置いて、この間において國會議員が如何に迷惑を被つたかというようなことをお考えにならなかつたか、甚だ不審に堪へません。これについてあなたの御所信を伺いたいと思います。
#76
○證人(宮原新次郎君) その點につきましては相當日にちを經過したことは誠に遺憾であると私も思います。私といたしましては結局この新聞が出ましたのでありますが、これは新聞が出るときに隅から隅まで讀まなければならんのでありますが、主としてもう毎日の連日連夜の活動で新聞を毎日見るということは、ちよつと自分の關係しておる新聞を見なかつたということは遺憾だと思うのでありますが、水橋さんの方から連絡がありました時初めてこのことに氣が付いてそういうふうな結果になつたのでありますが、この點については甚だ遺憾であることを申上げます。
#77
○油井賢太郎君 只今宮原君はこの新聞については讀んでいないというお話でありましたが、私といたしましては、甚だこの點だけは不審だと考えております。尚あなたがこのようにお話になつたことは、水橋議員から聞いたということはこの記事に載つておりますが、これは違いである。然らばこの記事は一體どこから出たかということを我々はお伺いいたしたい點であります。
#78
○證人(宮原新次郎君) これは記事の内容をよく見て頂ければお分りなると思います。「という話だ。」ということで、これは確定的に斷言した言葉でなく、そういうふうなことを綜合されて「という」、これはまあこの記事からいつてもそれを斷定的に申上げた趣旨ではないのであります。
#79
○油井賢太郎君 この點はあなたはそういうふうにおつしやられるけれども、「水橋參議院議員の話によると一人十萬圓ぐらい掴ましたという話だ。」、これは斷定的だと思う。話だということは、少くとも水橋委員がこうおつしやつた。話によると水橋委員がこう言つたのだという斷定的のことです。而も水橋委員はこの點については自分は喋つたことはないという話であります。では誰がこういうことを言つたか、これをはつきりして頂かなければ、我々の同僚である水橋氏も非常に迷惑を被るし、又この記事について、我々國民から選ばれた選良は、甚だ迷惑を破るということは、あなたも十分お分りであると思います。そういう詭辯を弄さないで、はつきりとこれはお答え願いたいと思います。
#80
○證人(宮原新次郎君) 申上げます。その水橋參議院議員の言葉はこれは間違いでありますから、これは取消すように要請してありまして、全遞新聞八十五號にもこの取消のことは取消記事を出すようになつております。これはそこに出席しておつた新聞記者のいわゆるセンスとでもいいますか、そういうふうな關係上、その人の感覺によつてなつたことと思うのでありまして、私といたしましては、そういうふうな話があるというふうなことを申上げたのでございます。
#81
○油井賢太郎君 して見ると、あなたが國會議員買收についての話があるということをおつしやつたのですね。然らばそれはあなたはどういうことを根據になさつたか、而も國會議員が買收されたということについては、我々國會議員全部の名譽に關することであり、國民全般から選ばれた國会議員の名譽竝びに再建日本に最も必要な國會の名譽を傷つけるのも甚しいという考えを持つております。これが事實ならば、その議員に對しまして、我々といたしましても十分糾明するのが當然だと思いますし、又事實でなかつたならば、あなた方に對して、全國に亙つてかかる記事を載せたということをはつきりとあなた方が我々に陳謝するなり、或いは適當に處置を執るなりするのが當然だと思います。
#82
○證人(宮原新次郎君) 今申上げました通りこれは斷定的に言つた言葉ではないと私はこういつておるのであります。それはですね、その記事の後段の方にもあります通り、特定局の特定局長側のいわゆる特連ですね、この方の幹部が通信委員の私宅訪問を全部終つたかというふうな記事と、それから全國に亙つて三百圓の資金カンパをやつたというふうな事實、それから議會にハイヤーなどで特定局の連中が來ておる。そういつたことを綜合しまして、それからこれは獨り私ばかりが國會に毎日來ておるのではなく、いわゆる組合側の職能別の特協、特定局協議會というふうな方々にも、院内にはちよいちよい參つておるのでありますから、そういつた點を綜合して、そういうふうな噂があるということを言つたので、斷定的なことを申上げたのではないというのであります。
#83
○鈴木順一君 先程油井君からのいろいろな質疑に對してのお答えでありますが、誠に三人の方が誠意のない議員を侮辱しているかのような言葉があり、それから又一つ一つ逃げを打つような、自分が責任を執らないような態度でありますが、私は少くも全遞の委員長以下すべて全遞が信頼している人人だと思います。我々も名前も聞き、すでに別な方面から尊敬している人でありまして、それが何かしら三百圓の問題と十萬円の買收と關連があるような、そうして又一面自分たちが遺憾であるというようなことが濁してしまつて、はつきりと國會議員を侮辱した記事を、分りもしないことを噂だとか、誰が言つたとかいうような、事實をはつきり掴まないことを言つたことに對して、三人の方は申譯ないとはつきり謝罪しても、三人の方の男は下りはしない、私はこう考えるのであります。この意味におきまして、宮原さんの先程からのお話にも、何かしら逃げを打つような、言質を取られることを恐れるような點がありますけれども、もつと宮ははつきりは、況して全遞の組合を指導する人々でありますから、男らしく議員に對して不名譽を感じさせたことは申譯ないと、併し鬪うべき鬪爭目的に向つてはどこまでも堂々と鬪うことが、全遞の指導者の務であり、我々國會議員としての務も別にある、こう考えておるのであります。この點をはつきりお伺いいたします。
#84
○證人(宮原新次郎君) その點につきましては、私もこの證人臺に立ちました冒頭に、このことは問題になりまして、皆樣に御迷惑を掛けたことは陳謝しておる状態であります。それで今の點でありますが、やはり私といたしましては、一應斷定的なことを申上げたのでなく、まあ噂であるということを申上げたのでありまして、この點についてはただこういうふうに私たちが證人に引出されるような次第になつたことは誠に申譯ないと、こう思つておる次第であります。
#85
○委員長(深水六郎君) 人の名譽を毀損するようなことを、ただ單なる噂でお書きになるということは、さつきの二人の證人の方にも申上げて置きたいのですが、普通のことなら噂ということでもよろしいかも知れませんが、この人の名譽、少くともこの國會議員としての名譽を毀損するようなことを、噂によつて、あなた方のセンスによつてお書きになつたということは、その出どころが、あなた自身のセンスによつてお書きになつたのか、或いは誰かによつて書かれたのか、この點をはつきりお伺いして置きたいと思います。
#86
○證人(宮原新次郎君) 申上げます。これは、この記事を書いたのは、勿論私ではないのです。これは、ただ私は代表者會議の席上に出席しておつて喋つたのでありますから、ですから、私が代表者會議で話したことを、私が當時話したことを申上げておるのであります。
#87
○委員長(深水六郎君) 私はあなたがそういう話だという話を、あなた自身の感じで喋られたのか、誰かの話を聞いて、噂だからということをただ言われても、ぞの出どころをはつきりして置きたいと思います。
#88
○證人(宮原新次郎君) 分りました。その點につきましては、この記事にもあります通り、代表者會議に出席された方々から、そういうふうな質問もあり、そういうふうなことも言われたんであります。ですから私はそれを、そういうふうな噂もあるようだというふうに肯定したわけなんです。
#89
○委員長(深水六郎君) その噂をされたというのは、誰が、どこのどういう人だということを、具體的に分らんでも、どこ局のどういう人であつたということは分りませんか。ただ單にそういう話を聞いて來られたというふうでなくて、どこ局の誰、或いはどういう人が言つたと、その事實を證言でははつきりして置きたいと思つておる次第です。
#90
○證人(宮原新次郎君) それは誰が喋つたとか何とかいう……誰が質問したとか聞いたとかいうことは、ちよつとそれは會議の議事録か何か調べなければ分りませんが、この噂があつたということは、私はいろんな點を綜合して申上げたのでありまして、別に誰が聞いたとか何とかいうことじやないのであります。
#91
○委員長(深水六郎君) そうすると、ただあなたの感じでお書きになつたということですか。
#92
○證人(宮原新次郎君) ええまあ書いたのでなく……
#93
○委員長(深水六郎君) お喋りになつたと……。
#94
○證人(宮原新次郎君) はあ、そうです。
#95
○委員長(深水六郎君) そういう人の名譽に關するようなことを、こういう公の新聞に、十分の證據もないそれを、ただいろいろなことを想像して感じで書かれるということは、非常に我我としては遺憾に存じますが、これに對してどういうふうかの御處置をとるような氣持はありませんか。
#96
○鈴木順一君 その前にちよつと…。今宮原さんのお話の結論は、その場のいろいろな話を綜合して、自分がそういうふうな思つた、こういうふうに聞えましたが、その點どうですか。
#97
○證人(宮原新次郎君) ちよつと今反復いたしますが、それは質問に對してのあれですか。
#98
○鈴木順一君 いや先程あなたが委員長の質問に對して答えられたことを確めて置くことです。
#99
○證人(宮原新次郎君) この噂の根據ですね。
#100
○鈴木順一君 根據じやないですよ。
#101
○油井賢太郎君 只今の宮原君のお話をずつと承つておりますと、あなたが國會にしよつ中お出でになつて、國會の内部をよく御存じになつておる。而もこの總會についてもあなたが中心にされなつておられるような關係上、あなたがお話になるのが一番信頼の置ける話と受取れる話であつたと思います。而も先程來のお話によりますと、このカンパ資金一人三百圓ずつ集めた、或いは特定局長の方々が自動車で來るとか、そういつたようなことから推して、國會議員を買收したのじやないかというふうに考えておるというふうに私には聞えた。つまりあなたがそういうふうに確信をなさつておるというふうに聞えておるのですが、そういうことではないのですか。
#102
○證人(宮原新次郎君) 確信ではないですよ。そういうふうな質問を受けましたから、こういうようなことを綜合して、そういう噂があるということを申上げたのであります。
#103
○油井賢太郎君 そうしたら、その噂があるというその噂はどこからお聞きになつたのでありますか。あなたが噂もあるというふうに總會で發表した。然らばその噂はどこから出たか。
#104
○證人(宮原新次郎君) ちよつと待つて下さい。質問が、そういうふうな噂があるという質問があつたわけですね。會議の席上で、實は今度の委員會においてですね、そういう噂があつたということを聞いたから、本部としてはそういうことはあるがと、私もそういうふうな噂があるということを申上げたのであります。
#105
○油井賢太郎君 そういうふうな噂があるということをあなたが言つたというのでしよう。その噂はどこから出たかというのです。
#106
○證人(宮原新次郎君) 噂というものは聽いたこととは別個で、噂というものは漠然としておるものですから、噂をどこどこでと根據ずけるということはちよつと……。飽くまで噂なんでありますから、ないのでありますが……。
#107
○油井賢太郎君 その點において宮原君が先程からお話になつておるのを綜合すると、飽くまでも買收の事實を相當根據ずけられておるようでありますが、これは我々國會議員として實に重大な問題であります。この問題は飽くまでも糾明して、私は何故これを突込んであなたに聽いておるかと申しますと、大體特定局なる問題はその制度を撤廢するとか、その制度を存置するとかいうことは、お互い國會議員が自信を以てよく調査して、自分の立場においてこういつた方が國家のためになるという信念において、この委員會においても發言をいたしておるのであります。特定局長會あたりから買收されて、或いは自分の信念を覆されたというようなことがあつては、そういうふうな議員を選擧した國民自體の名譽の上において缺けるところがあるわけでありまして、我々委員會の委員といたしましては忠實に自分の所信に向つて邁進しておることは申すまでもないところであります。殊に我々政黨から見ましても、水橋君とは友黨の關係もあり、緊密な連絡を取りながらすべてを運んでおる。この問題に關して恰かも國會議員である一委員会の委員が買收によつて左右されておるがごとき觀念を全逓人、從事員に與えたということは甚だ遺憾に堪えません。これはあなたの頭に、今尚そういう觀念をお持ちになつておられるということははつきりしておるのです。我々がこの特定局に對してどう行こうとか、こう行こうとかいうことについては、我々の所見を以て進むわけであります。その所信の邁進にあなた方の國會議員に對するところの誤れる觀念によつて、非常なる迷惑を被むるというようなことがあつては誠に重大なる問題であると思う。この點についてあなたに再三申上げますが、一應よくお考え置き願いたいと思います。国會議員の身になつてお考え置き願いたいと思います。そうして若しそういう噂があるとすれば、火のない所には煙は無いのですから、火の根據地をはつきりと。我々に示して下さい。それがあなたの方の取るべきこの問題に對する最も大事なポイントであると思います。
#108
○鈴木順一君 先程も申上げたのですが、結論としてはこの噂の、單なる噂だと言つておるが、噂の出どころは宮原さんであると私はこう考えますがどうですか。
#109
○證人(宮原新次郎君) その點についてはですね、質問に對してですね、いわゆる私のは受動的に出たのでありまして、結局そういうふうな噂があるということを質問されたわけですよ。その記事の、さつき特連が國會議員を買收したということについての質問という、その質問ですね。この質問に對してですね、そういうふうなことを自分はあると言つたのです。
#110
○油井賢太郎君 まあこの問題はこの邊で打切つて、後で我々委員會において十分檢討をなさつたらよいでしよう。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#111
○委員長(深水六郎君) たびたび繰返し申しますように、普通のことと違つて、議員の名譽に關するようなこういうことについて、單なる噂があるとか何とかで出されるということは、非常に議員全部に對して非常な侮辱を感じさせるということは、あなたも御承知のことと存じますが、單なる噂による記事をこういうふうに取扱つて頂いたということを私共として非常に遺憾に存じます。ただ噂が噂としてあなたがどういう人から聞かれたか、さつきから外の會議で噂があるかどうかということを私は迫つておるのです。あなたもそういうことを言つておられるのですから、その噂の出どころ、或いはあなたの單なる願からいろいろなことを綜合して、そうじやなかろうかというようなことを書かれたのであるというふうに私は考えますが、その點をもう少しはつきりして置きたいと私は思います。あなただけの感じでこれを書いたのか、或いはその噂があるということを、あなたもそういう噂があるのだと肯定されるというような返事をしておられるのですから、若し噂があるということをあなたが言われるとすれば、噂の出どころがどこにあるか、でなければ自分だけの感じでそういうふうにおつしやつたということを、改めて一つはつきりして置きたいと思います。
#112
○證人(宮原新次郎君) どうも委員長のように、書かれた書かれたと言われますが、その點は違いますからお願いします。その點につきましてそういうふうな噂があるけれど、それはそういう事實が、そういうふうな噂があるようだけれどもという質問があつて、代表者の方から私が受けたわけですね。それに對して私もですね、國會のですね、いわゆる特連の人たちが國會で私としよつ中顔を合せておる、或いは自動車あたりで來ている。それから、三百圓の資金カンパの問題、そういつたことを綜合して、そういうふうな噂もあるようだと、こう答えたわけなんです。
#113
○委員長(深水六郎君) あなたの考えだけでお答えになつたということですね。噂もあるようだとおつしやつたことは、あなたがそういうふうに想像されたということですね。
#114
○證人(宮原新次郎君) そういう質問の元は向うから……
#115
○委員長(深水六郎君) 元は向うでありましようけれども、あなたの答えられたのは、特連の人がいろいろここに出入りしておる、そういうことから自分もそういうふうに感ずるということを噂とおつしやつた。こういうわけですね。
#116
○證人(宮原新次郎君) 大體感ずるという結論になるでしようなあ。
#117
○委員長(深水六郎君) そういう感ずるという名譽に關するようなことを、大きく出されるということは非常に私共遺憾と思いますが、それは結局事實があつたかなかつたかということを、ここではあなたに證言を求めるだけですから、ただ事實にあつたことを確めて言つたのではないというふうに了承してよろしうございますね。そういうふうに外へあなたが感じで出されたので、あなたが確めて喋べられたのではない、噂に對して肯定したのですね。
#118
○證人(宮原新次郎君) 噂に對して肯定したのです。
#119
○委員長(深水六郎君) そういうあなたの感じで書かれたのか、事實を確めて喋べられたのではないということに解釋してよろしうございますか。
#120
○證人(宮原新次郎君) 私も噂に對する噂の是定をしたわけであります。
#121
○委員長(深水六郎君) だから事實を確めて喋べられたのではない、事實は今のところなかつたと……。
#122
○證人(宮原新次郎君) そうです。
#123
○委員長(深水六郎君) 外に証言を求めたい方はございませんか。若し關連して證言を求めたい方がございますならば、土橋君と濱君も來ておられますから、一括して證言を求められてもよろしいと思います。
#124
○大島定吉君 今證人からのお話を承りますると、自分の感じで喋つたというのと、人から噂を聞いたので喋つたというのとでは、そこに大した相違があるのですか、その點をはつきり承りたい。
#125
○證人(宮原新次郎君) 今あなたは後からお出でになつたからそういうことをちよつと疑問に思われるのでありますが、これはその記事にもあります通り、集つたところの代表者の方からそういうような噂に對する質問を受けたわけです。それに對して、先程申上げましたけれども、いろいろなことを綜合してそういうふうな噂もあるようだと、こちらもそういうふうに答えたわけです。
#126
○大島定吉君 やはりあなたもそういう噂を聞いていたわけですね。
#127
○證人(宮原新次郎君) 噂に對する質問を受けたわけですから、私も噂に對する噂をしたわけです。
#128
○委員長(深水六郎君) 噂は自分の頭で作られたわけですね。
#129
○水橋藤作君 この問題は先程から十分本人も記事の書き違いであるということ、まあよく言う、だろうぐらいのことが記事に現われたのであつて、機關紙において訂正をするということでありまするので、この邊で、この問題を解決して頂くことを希望します。
#130
○油井賢太郎君 水橋委員からお話がありましたが、訂正するという分は、さつきのクエツシヨンマークであるという點だけは私は納得できません。これだけは一應ははつきり斷つて置きます。
#131
○委員長(深水六郎君) その點は後刻委員会を閉じてから、この證人喚問が濟んだ後で御相談申上げたいと思います。先刻も、そういう記事で恰かも買收されたような印象を與えるようなことでするならば、その事實の有無について尚場合によれば糾明することもあるかも知れんということを私から留保してあります。外に證言を求めたい方はありませんか。
#132
○藤田芳雄君 これは前の二人の證人及び今の方と併せてお三人の方に關したものでありまするから、結局問題の焦點は、買收か、しないかということが一つであると思うのであります。それに對してはお三人共したともしないとも分らんというところがはつきりとした結論のように聞えております。そこで私はお三人にお伺いしたいのでありますが、先程來質問されておる向からいいまするというと、記事は成る程曖昧に出してあるであろうけれども、その記事から受ける印象は誠に現實的なものになつておる。その點から見て、議員というものは非常な迷惑を被つておるのであるが、全遞として買收の有無を糾明する意思があるかどうか、その點を一つお伺いいたしたいと思います。
#133
○證人(土橋一吉君) 只今の御質問に對しましてお答えを申上げます。我々もさような内容がいろいろありまするので、勿論そういう問題については、糾明する意思は十分持つております。これは成る程質問される方々も、或いは当辯しておる我々證人の側におきましても、問題が極めて明瞭を缺いておりまするので、全遞としましても具體的にこの問題を檢討いたしまして、ここで我々がないというようなことを申上げるわけにも行きません。又あるということも的確に我々申上げるわけに行きません。たが問題が噂でありまするので、先程こちらの委員の方から宮原中闘に對していろいろ御質問がございまするが、かような問題は御承知のように噂でありまするので、この問題を糾明して、噂であるという點で非常に迷惑しておるということに對しては、私は劈頭全く申譯ないということをお詑びを申上げております。從つてできる限りそういう内容については糾明いたしまして、事實の問題を檢討したいと思つておりますが、今のところは糾明をし、徹底的に調べるという考えで我々おります。それだけ申上げて置きます。
#134
○委員長(深水六郎君) ただ噂によつて名譽を傷つけるようなことをされたということは宮原君の責任であり、それを書かれたということは濱君の責任であると私は考えております。
#135
○證人(土橋一吉君) 只今のような問題から、非常に理論が追い詰められまして、そうしてその責任ということになりますれば、全くその通りでありまするので、我々の方でもこの問題を徹底的に調べて一應結着のつくまでは、この問題に關する件は、直ちに取消すなり、或いは皆さんの納得の行くような釋明をしたいと考えておりますから、御了承願いたいと思います。それで只今質問者の方にも私お願いいたしたいと思いまするが、こういう問題が徹底的に表面化して、若しさような件があつたとしたならば、質問者の方にも十分これは御了承願いたいと思います。これは我々正規に組合を作つておりますが、特連側のいろいろな行動については、この次には的確な調べをして、誰がどういうような金を貰つてどのように使つたか、我々の方から特連側に正規にお願いをして、御了解できるようなことをこの委員會等においても申上げてこの問題を氷解したいと、こういうように考えております。
#136
○委員長(深水六郎君) 他に證言を求める方がございませんならば、證人の方にはこれでお引取り願いたいと思います。
#137
○證人(土橋一吉君) 私たちは參議院の通信委員會の各位が非常な理解を下さいまして、そうして特に特定局制度撤廢に關しては、いろいろな御援助を賜つておることにつきましては、非常に深甚の謝意を表しております。又今日非常にいろいろな御質問を頂いたことについても、決して我々はこれを以て非常に將來のこういう問題につきましての感銘を深くしておりまするので、御質問下さつた方々に對しても、非常にその意味において感謝しております。將來とも特定局制度撤廢に関しましては、皆樣方の非常な御努力によりまして、是非とも勞働條件の面から見ましても、又日本の民主化の面から見ましても、特定局制度撤廢の件については、今後とも一層御努力の程をお願いして、皆さんに御挨拶して置きたいと思つております。
#138
○油井賢太郎君 丁度いい機會でありますから、全遞の幹部の方お三人に對しまして、私平素考えておりますことを簡單に申上げて置きたいと思います。要するにこの特定局制度の存續、我いは撤廢問題ということは、お互い局長といい、或いは從事員といい、遞信局内部におけるところの仲間同志であります。こういう問題につきまして、理論闘爭をするとか、或いは堂々たる論旨を以てお話し下さるということは、實にこれは申分のない話でありまするが、とかく尖鋭化されまして、お互いにぼろを出し合い、血で血を洗うようなくだらないことに終始することを目標とせられるようなことだけは、今後のこの問題に關するお考えを双方共改めて頂くことが最も適切ではないかと私は考えておるのでありまするが、この點につきましても、十分皆さんも遺憾のないように、國民の疑惑の的に、この遞信關係者全部がそのような目を以て迎えられないように御注意あらんことを切にお願いいたす次第であります。
#139
○委員長(深水六郎君) それでは他に御發言もないようでございますから、この證人喚問の件については、この程度で打切ることにいたします。甚だ御苦勞樣でした。
 次に大臣が來られまして、法案の提案理由を説明されますから、暫くお待ちを願います。只今衆議院の委員會にちよつと行つておられますから、直ぐおいでになると思います。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#140
○委員長(深水六郎君) 速記を始めて。豫備審査のために送付されました電話の加入者等に公債を引け受けさせるための臨時措置に關する法律案に對して政府の提案理由の説明をお願いいたします。
#141
○政府委員(中山次郎君) 遞信大臣あいにく只今差支えがありますので、私が代つて御説明申上げます。
 只今議題になりました電話の加入申入者等に公債を引受けさせるための臨時措置に關する法案の提案理由につきまして御説明申上げます。
 戰爭前におきましては加入電話の總數は約百八萬に達しておりましたが、戰爭のため多數の電話が焼失又は破壊せられ、或いは動員せられましたために、終戰當時開通しておりました加入電話の數は戰爭前の約四割五分に減じましてその數約四十七萬に減少いたしました次第であります。その後電話の復舊、新設に對する各方面の熾烈な要望に應えまして、政府は極力これが囘復に努力いたして參りましたので、昨年三月末までに約二十六萬を復舊、新設することができました。本年度におきましては七萬八千の復舊、新設を行う計畫をいたしまして、當初約七億の豫算の承認を受けまして、昨年十月までに約六萬三千の開通工事を終えた次第でございますが、その間途中におきまして物價の改訂が行われました結果、當初の豫算に不足を生じたのみならず、これだけの復舊、新設では一般社會の要望に副うことができませんので、當初の計畫を變更いたしまして、本年度内に八萬七千を復舊、新設し、又増設、接續電話はこれまでは民間で施設いたしておつたのでございますが、これも政府において行う方針に改めまして、この新設數を三萬八千といたしまして、加入電話と合せまして十二萬五千の開通を行う計畫にいたしたのでございます。
 そこでこれらに要します經費といたしまして、約十四億圓を要求いたしたのでございますが、勿論これらの建設に要します資金は、一般公債發行による財源を以て充てることとなつていたのでございますが、國家全般の財政事情からいたしまして、この一般公債の發行高が極度に制限されまして結果、加入電話等の復舊、新設に充てられますものは僅かに四億圓に縮減せられてしまつた次第でございます。この金額ではすでに開通いたしました加入電話の復舊、又新設の費用を漸く賄うに過ぎませんので、十二月以降におきましては、資金缺乏のために電話の復舊、新設は殆んど全面的に停止しなければならない窮状に至つたのでございます。併しながら電話工事を中止いたしますことは、我が國産業經濟に及ぼす悪影響は甚大でございますので、ここに止むなく臨時的な措置といたしまして、電話の利用者から加入電話の設備を増加するために要する費用を政府が直接借入れまして、電話の復舊新設を繼續することといたしたいと考えました次第でございます。
 そこで次に、公債を引受けまする利用者の範圍は、開通によつて直接利益を受ける復舊加入者及び新規加入申込者に限りまして、既設の開通加入者には及ばないのでありますが、ただ既設の開通電話を讓り受けて利用する者は、新たに電話の利用關係に入る點におきましては、新規加入の申込者又は復舊電話の加入者と何ら選ぶところがないのでありますので、やはり公債を引受けて頂く範圍内に入れた次第でございます。
 次に第三點といたしまして、公債の引受額はどのくらいかということになりますと、豫算上の金額によらず、實際の經費を基準とすることにいたしまして、過去六ケ月間に支辯いたしました經費の總額を、その期間内に開通、復舊又は讓渡、この讓渡は公債を引受けるべき讓渡でありまして、これらの開通、復舊又は讓渡した電話の數で割つた一加入電話當りの平均額を基準とすることにいたした次第でございます。この場合過去の實績が基準でありますから、その後物價の變動があつたり、又は變動が豫想せらるる場合には、これを考慮いたしまして適正な金額の算定をすることにいたしておる次第でございます。
 次に第四點といたしまして公債の發行條件でございますが、この公債が一般公債と同様に金融市場で自由に取引されますことは、國家の財政事情竝びに國内經濟事情から申しまして好ましくない點がございますので、又一面この公債を引受けます者は、電話の加入者として利用ができる利便を享ける者でありますから、これらの點を考慮いたしまして、一般公債にはない特殊の條件を附することにいたしました次第でございます。即ちこの公債又はこれを擔保とする貸付金は、日本銀行の發券準備に充當することができないことといたしまして、融通性に或る程度の制限を加え、又發行價格におきましても、額面百圓につき百圓、償還は十五年以内に電話事業財政の状態に應じましてできるだけ早く償還する方針といたしました。又利率は年四分、利息支拂は年一囘としている等の制限その他特殊な條件を付した次第であります。
 以上大體本法案の目的、内容について概略を御説明申上げました次第でありますが、何卒十分御審議の上速かに御賛成下さいますことをお願いいたす次第でございます。
#142
○委員長(深水六郎君) 次に郵便法の一部を改正する法律案について、政府の提案理由の説明をお願いします。
#143
○政府委員(小笠原光壽君) 遞信大臣は只今衆議院の通信委員會の質疑に出席いたしておりますので、命によりまして、私が代りまして、郵便法の一部を改正する法律案の提案の理由の御説明を申上げたいと存じます。
 この法律案は郵便案は規定せられておりますところのすべての郵便に關する料金を、概ね二倍程度に引上げますると共に、併せて書留郵便物を亡失又は毀損した場合の損害賠償金額をも二倍に引上げるよう改正しようとするものであります。
 これが改正の理由は、現在通信事業特別會計が、人件費、物件費等の支出の著しい増加のため、收支の均衡を失して、赤字財源に苦しみ、業務の運営にも困難を加えておるにも拘わらず、現行の郵便料金は、人件費につきましては千二百圓ベースを、又物件費につきましては昭和二十一年十月における物價を基礎として算定せられましたる支出に見合うものでありまして、最近における人件費及び物件費の昂騰を比べて見ますると、遥かに均衡を失しておるように思われますので、この機會に若干の匡正を圖る必要が認められるからであります。固よりインフレ抑壓策の立場から申せば、通信料金のごとき、一般的基本的な料金を値上げすることは、できるだけ愼まねばならんことでありますが、當面事業運營の合理化等によつて得られまする財源等にいたしましても、さしたる金額を期待することは困難でございますし、赤字借入を續けて行きますことは、その面から見まして却つてインフレを著しく刺戟しますので、諸般の事情を熟慮の上、今囘の改正には差當り現行料金の二倍程度を以て適當だと考えた次第でございます。固よりこの程度の値上げを以てしましては、完全なる獨立採算制の確立は困難でございますが、今日通信料金の値上げが一般社會經濟に及ぼす影響に鑑みまして、一應この程度に止めたのでございまして、この郵便料金の改正によつて得られますところの増收額は、二月十五日から實施するものと假定いたしまして、三月末日までに約一億六千三百萬圓が見込まれているのでございます。
 以上甚はだ簡單ではございますが、改正法律案の要旨を申上げた次第でございます。何卒よろしく御審議の上速やかに御贊成下さいますようお願い申上げます。
 尚郵便以外の電氣通信及び爲替振替の料金につきましても、先程郵便の關しまして御説明申上げたと同様の理由に基きまして、お手許に差上げてございます料金表に示されているように、今囘概ね二倍程度の値上げをしたいと考えまして、目下準備を進めているのでございます。この分の改正による増收額は同じく二月十五日から實施するものと假定いたしまして、三月末日までに電信料金で約一億五千五百萬圓、電話料金で約三億三千五百萬圓、爲替貯金で約四千六百萬圓と相成るのでございまして、先程の郵便と合せますると、約七億圓の復收が見込まれるのでございます。
 尚電氣通信及び爲替振替の料金につきましては現在のところ法律を必要としませんので、遞信省令の改正によつて實行することになつておりますが、その及ぼす影響につきましてはあえて郵便に比べて劣るものではございませんので、郵便料金改正案を御審議の機會に合せて御檢討をして頂きまして、十分な御了解を得て置きたいと存じまして、改正料率案をお手許にお示して置いた次第でございます。
#144
○委員長(深水六郎君) この兩法律案に對する質凝は次の委員會においてなすこととし、その日程は追つて公報を以てお知らせすることといたしまして、本日の委員會はこの程度で閉じたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○新谷寅三郎君 電話公債法案と關連して、電話建設の計畫に關連のある資材の關係について質問したいのです。それで資材の關係の方、それからできれば經濟安定本部のその方の政府委員にこの法案審議中の適當の機會に呼んで頂きたい。
#146
○委員長(深水六郎君) 承知いたしました政府の方にそういうように連絡いたします。
 それでは本日の委員會はこれを以て閉じます。
   午後三時四十四分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     深水 六郎君
   理事      水橋 藤作君
   委員
           千葉  信君
           重宗 雄三君
           大島 定吉君
           鈴木 順一君
           油井賢太郎君
           尾崎 行輝君
           井上なつゑ君
           新谷寅三郎君
           藤田 芳雄君
  政府委員
   遞信事務官
   (郵便局長)  小笠原光壽君
   遞信事務官
   (電務局長)  中山 次郎君
  證人
   全遞新聞發行責
   任者      濱  武司君
   全遞信從業員組
  合中央鬪爭委員  宮原新次郎君
   全遞信從業員組
   合中央執行委員
   長       土橋 一吉君
ソース: 国立国会図書館
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