くにさくロゴ
1947/02/06 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 通信委員会 第4号
姉妹サイト
 
1947/02/06 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 通信委員会 第4号

#1
第002回国会 通信委員会 第4号
昭和二十三年二月六日(金曜日)
   午後二時二十二分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○全遞の聲明及び全遞新聞記事の處置
 に關する件
○郵便法の一部を改正する法律案
○電話の加入申込者等に公債を引き受
 けされるための臨時措置に關する法
 律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(深水六郎君) 只今から通信委員會を開きます。本日の議案は公報でお報らせいたしております通り、豫備審査に付託されまして郵便法の一部を改正する法律案、及び電話の加入申込者等に公價を引き受けさせるための臨時措置に關する法律案でございますが、先ず郵便法の一部を改正する法律案について、政府の御説明をお飼いすることにいたしたいと思いますか。その前にちよつと御報告申上げます。
 前囘全遞の聲明及び全遞新聞に載りました議員買收云々のことにつきまして、その證人を喚問いたしまして、その取扱い方について委員長と水橋理事、油井委員、新谷委員、藤田委員の五人にお任せ願いまして、どういうふうにこれを処置するかということにいたしたのでございますが、この五人としては全遞新聞にその記事の取消を要求する。その案文は、「議員買收聲明及び記事の取消」という題で「十二月十六日附全遞信從業員組合の聲明書及び十二月二十九日附本紙の特連が職員を買收した云々の記事は單なる噂又は想像により事實の根據に基かないものであるから全部之を取消す。なお同記事中水橋参議院議員談とあるのは誤りであつて、これがため御迷惑を被つた通信委員の方々及び水橋議員に對し深く陳謝の意を表します。」、こういうふうな記事を一定の場所に、而も取消の見出しは同記事の見出しと同號活字とするというようなことで、委員部の方から全遞新聞の編輯責任者に申入れを取次いで貰つたのでございますが、先方におきましてはいろいろな理由を竝べて、一應その交渉が成立たなかつたという報告でございまして、その後私からこれを申入れしようと思つたのでございますが、丁度幹部が湯河原か箱根か、あちらの全遞の大會に出掛けて留守でございましたので、まだこの記事を載せて貰うことの運びまでになつておりません。その際先方では二月五日附の新聞によつて適當に處置するから、それを見て貰いたいというようなことを言つたそうでうが、その五日附の新聞には全然これに關した記事がありません。又これをどう扱うかということにつきましても、前囘と同様委員長と兩理事、及び各派の代表者の方々、又はその代表の人にお任せ願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議ない」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(深水六郎君) 御異議ないと認めます。そうして尚御報告申上げたいと思いますことは、その後又或る方而から、こういう全遞の山形地協新聞の一月十日に、「特制撤廢をめぐつて、見よ特連側の暗躍、千葉参議員語る」という記事がございまして、これも非常な國會方面に對する侮辱であるというふうに考えておる次第でございますが、これを讀上げましようか、どうしましようか。
   〔「讀んで頂きたいと思います」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(深水六郎君) それじや調査員の方から讀んで頂きます。
   〔專門調査員後藤隆吉君朗讀〕
#5
○專門調査員(後藤隆吉君) 全遞山形地協新聞一月十日掲載
   特制撤廢をめぐつて、見よ特連側の暗躍、千葉参議院議員語る。
  参議院議員千葉信氏は二十日札遞支部に於て國會報告を行つたが、われわれの最も關心を有する特制問題について大要左のごとく語つた。
   特定局制度に關する撤廢及び存置の請願に對し國會に於ては、御承知のごとく衆議院通信委員にあつては撤廢の請願が否決され、一方参議院に於ては辛うじて握りつぶしに成功する事ができた。これにつしては諸君の御不滿は充分覺悟しているが、現在の國會の空氣は中勞委のように初歩的ではなく、甚だ反動的な勢力がバンキヨしている現状から誠とむを得なかつたと思う。當初この問題が國會に持ち込まれた時には、至極我々に有利な状態にあつたといえる。それは通信委員會の委員中には通信事業に對する知識を持つている人は僅かに四名を數うるに過ぎず、他の人々は國民が貯金をした金が何處へゆくのか、又は特定局が何處にあるのかも知らない有様で特定局が東京の眞中にも澤山あるという事を開いて驚いている始末であつた。これらの人達は他の華やかなそうして收入のある委員を志望しておつたが、アブれて仕方なくこの地味で收入のない通信委員會へ入つて來たもので、今後は是正されてゆくだろうが、甚だ無知識の上に不熱心でもあつた。それ故私が全遞の人達と共に特定局制度について説明した時には、現在末だその様な非民主的な機構が國家に存しているということに驚いて遺憾の意を表さないものがなかつた。
   この様な状態で至極有利に進んでおつたのであるが、その後特連側の積極的な運動開始につれて刻々我々に不利になつて來た。即ち特連側に於ては各局長より百圓ずつ三囘に亙つて運動資金を徴收して、その殆んど總べてを國會方面へ注ぎこんだのである。
   かような金權政治の例は他にも見うけられ、属鑛問題に關聯しては約一億圓が國會へ流されたのである。これについてはGHQ指示によつて司法大臣が直接調査に當り、現在徹底的に調査を進めており近くその全貌が明るみへ出される事と思うが、今でも金權政治の名殘りがあるという事はまことに遺憾に堪えない。
   然しながら私は最後まで鬪うべく決意し、且つ鬪つて來た。特に小笠原郵便局長が政府委員として「定員算出と局舎の問題」を理由に局長の自由任用制竝びに切手歩合制を固執した時には終日論戰を展開し、理論的にも徹底的に反駁した處、遂に最後には彼も默してしまつた。更に私はこれに追打ちをかけ「理論的に存置の理由が全然ない。政府、本省が存置を主張する大きな原因は全特連の大なる金力勢力に政府が屈服して存置を主張する以外の何ものでもない、政府も我々に同調すべきである」と結論ずけた。参議院通信委員會の構成人員十八名中、社會黨の四名と他一名以外の者は總て特連側等の策動によつて存置に贊成している事が明らかであつた、この儘の状態で採決に入るならば敗れる事はハッキリしていた。從つて採決を避けるためにはあくまで結論を出してはならない、この方針のもとに多少暴力的ではあつたが、非常手段として、委員長に對し大要次の如き申入れを行つた。「この問題は撤廢することが絶對正しいことである、然し特連側等の策動により現在採決に入ることは甚だ面白くない結果を生ずる、よつて我々に同調して握りつぶしに協力してほしい、でないと我々は今後通信委員會に於ては總ゆる問題に協力し得ないであろう」と。
   委員長は自由黨所屬の議員であるが、少くともこの問題に對するに我々の主張の正しいことは認め、又今後の通信委員會の運用等を考え相當苦慮したらしかつたが遂に我々に同調、握りつぶしに持つてゆくことが出來たのである。
 以上であります。
#6
○委員長(深水六郎君) これは「千葉參議院議員語る」と書いてありますが、只今千葉君は北海道方面に歸つておりますので、その眞僞を確めることができませんので、歸つて來ましたならば、この委員會において確め、そうしてその善後措置を講じなければならんと思いますが、それも先程お委せ願つた各派の代表五人で、その善後措置をすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(深水六郎君) それではそういうふうに取計います。尚私釋明して置きまするが、この中に「委員長に申入れ」云々ということを語つておりますけれども、こういう事實は絶對になかつたということを申上げて置きまは。只この委員會が開かれる前、委員室でいろいろ個人的に二、三人寄つて話し、又委員會が終つた後で、どういうふうに取扱つたらいいか、或いは廊下や食堂で會つたときに、どうしたらいいかということは話しておりますが、それを申入れといつたならば申入れでありますが、ここに言つておるような申入れというような形で話を受けたことは絶對ありませんから、その點も御了承願います。
 それでは只今から議題となつております郵便法の一部を改正する法律案につきまして政府の御説明を伺い、そうして質疑に入りたいと思います。大臣は非常に後の用がつかえておられるようでございますから、説明が終りました後で、大臣に對する質疑がございましたならば、成るべく大臣に對する質疑を先にして頂きたい。
#8
○國務大臣(三木武夫君) それでは先般提案理由の御説明を申上げましたのでありますが、この機會に委員各位に御了解を得て置きたいと思いますことは、この通信料金の値上げは、〇・八の生活再建資金に繰入れられるような形で豫算案が提出をされておつたわけであります。ところが、これは豫算技術上の問題でありまして、政府といたしましては、この通信料金の値上げというものが、全般的な追加豫算の財源として考えておるわけでありまして、〇・八に右から左に、そのために通信料金の値上げをするという性質のものではないのでありますが、併し〇・八の生活再建資金を一日も早く出したい。外の財源は不確定なものがありまして、全般の追加豫算を早急に出すという手續が遲れる見通しがありましたので、早く出したいという意圖から豫算の技術上にこういうふうにいたしたのであります。ところがこれに對しては、國會内におきましても非常に反對があります。政府の意圖とすれば、全般的の追加豫算を出して、歳入歳出を睨み合せて出したかつたのでありますが、今申した理由でそういうことにいたしたので、そういう國會の情勢にも鑑みまして、衆議院の豫算委員會に提出されておりまする豫算案は、この際撤囘をいたして、そうして全體の追加豫算とも睨み合せまして、改めて追加豫算案を提出することに決定をいたして、その向を國會にも申入れをいたしたわけであります。
 併しながらこの際通信料金の値上げは、これはどうしても御審議を願わなければならんので、撤囘をして、次に政府が出そうとする追加豫算の中にも今申したような通信料金の値上げ、鐵道運賃値上げが〇・八に右から左に渡されるというような形は、これは政府の意圖でもありませんので、この點を編成替えをするというのが主眼でありまして、通信料金の値上げをするというこの政府の方針を變更するということではないのであります。この點については委員各位が政府の方針を御了承下さつて、この郵便法の一部を改正する法律案、即ち通信料金の値上げ問題については御審議を進めて頂きたいと、かように考えます。
#9
○油井賢太郎君 只今大臣の御説明で一應撤囘なされるというようなお話ですが、撤囘した曉、遞信事業の獨立採算制ということを目標に更に檢討をなさることを存じます。それに際しましては、今の二倍の値上げをそのまま御主張なさるのであるか。或いはもつと料金の改訂をする意圖があるのですか。これを伺いたい。
#10
○國務大臣(三木武夫君) 獨立採算制の見地からいたしますならば、遞信當局といたしましては、この際三倍の程度の値上げを必要としたのであります。併しながらそれはまだ一月から實施することになつております新給與の水準も未だ決定をいたしておりません。又四月から或る程度の物價體系というものも改訂を必要とするでありましようが、それがどの程度になるかも今日の段階では豫測することが困難であります。だから的確に給與、物價水準ということと睨み合せて、獨立採算制の原則に立つた料金をこの際決定いたしますことは、未だ困難な状態にあるわけであります。そこでそういういわゆる新料金というものの算定の基準が未だ不確實な今日、三倍という値上げが與えまする一般國民經濟への影響等も考えまして、大局的な一つの考慮も加えて、この際は二倍程度といたしたわけでありますが、今後通信料金の値上げを、豫算案を撤回した機會に更に改めて檢討して、ここに提出をいたしました法律案に含まれておる郵便料金を、もう一遍檢討し直して出すという考え方は持つておりませんので、やはり豫算としてもこの二倍の値上げを中心とした收入を豫算に組みたい、そうして今後料金については新らしい物價改訂等とも睨み合して、今不確實な料金算定の基準がもう少し的確に把握できる時期に、根本的に檢討を加えたい所存であります。
#11
○油井賢太郎君 そうしますと、所期の目的と違いまして、二月の十一日或いは十五日から實施するということは、只今直ぐに行われないということになるのですか。
#12
○國務大臣(三木武夫君) これはできるだけ政府も豫算案を早く國會に提出をいたしたい所存でありますが、編成替えをいたして多少の時間が掛かりますので、議會の御審議の模樣によつては、二月の十五日實施の豫定が遲れる場合もある、こういう豫想を持つております。
#13
○油井賢太郎君 値上問題は實は世論に訴えて、いろいろ輿論調査等が發表されておるのでありますが、いずれも恐らく贊成する人はないように見受けられておるのであります。又値上げということ自體に對して、國民全般から餘り好意を持たれておらないということは、これは明白であると思うのです。併しながらこの値上げに對しましても、どうして値上げしなくてはならないのかというその因つて來るべき原因を、はつきりと國民に遞信當局が示したならば、必ずしもこの値上げが無理でないということを認識される時代も來るのではないかと私は思われるのであります。例えて申しますならば、郵便事業につきましても、昭和十九年當時まで大體指數が、取扱數量等におきましても殆んど昭和九年の一〇〇を單位といたしましたのに凹凸がなく來ておるのでありますが、昨年、一昨年あたりは非常に減りまして、五十%内外程度までに減つておるということを見まして、非常に一般の大衆から通信事業の取扱を利用するということが減つておるということが明白なのです。而も人員におきましては、昭和九年程度に比べて百二十%にも上つておるところから見ますと、この料金というものが却つて物價水準等から比べては非常に安いということが察知されるのであります。こういう點をよく國民に認識して貰つて、通信というものはスピードが大事でありまして、スピードのない通信であるならば、これは甚だ國民大衆の生活にも寄與するところが少いと思います。そういう見地からいたしましても、料金の値上げと同時にスピードを増すということを極力御努力下さいまして、國民大衆に與えるところの、料金が高くともそれだけ又利益が多くなつているということを明白にされて國民に訴えられんことを特に希望いたす次第でありますが、これに對しまして大臣といたしましては將來如何なる御構想をお持ちになつておりますか。
#14
○國務大臣(三木武夫君) 御尤もな御意見でありまして、通信料金の値上げは私自身も反對か贊成かといえば、それはしたくないのであります。反對、街頭なんかでいろいろ署名運動が、贊成するか反對するか、署名ならみな反對するでしよう、これは止むを得ないという事情を國民に徹底して頂いて納得を得なければならんと考えまして、何と申しますか、近頃の言葉でいえば白書といいままか、通信の特別會計の内容を近く國會に提出をいたしまして、國民の納得を得る資料にいたしたい。御承知のように今日の通信料金が賃金のペースにおいては千二百圓のペースの上に立つておつて、物件費の面における物價の算定基準は、一昨年の九月の物價水準によつて料金が決められている。昨年の新物価改定の場合においても、恐らく値上げをしなかつたのは通信料金だけであろうと私は思う。これは或る意味において當然せなければならんような事態であつた。千二百圓が千八百圓になり、物價も三倍に上つている。それを成るべく大衆の負擔というものは最後の手段として採りたいという考慮から、これを抑えて参つたのであります。今日では千二百圓が御承知のように新給與によつて二千何百圓ですか、とにかく相當の收入に決まるのでありまして、こういうことを考えたときに、これは赤字をそのままに置いておけば、結局借入金か、一般會計から繰入れて貰うか、國民の負擔を願うより外はないのであります。このようなアン・バランスを國民の負擔に全部願うということは如何か、やりはこれを通信機關を利用される利用者に或る程度の御負擔を願うということが妥當なんではないか、こういうことで値上げを計畫いたしまして、提案をしているわけであります。この詳細な内容は近く國會にも提出をし、國民にもこれをよく了解して頂くような方法を採りたい。
 又スピードの點はお説の通りでありまして、この點については正確迅速ということをモツトーにして、郵便電信等に對していろいろ事務當局で苦心をいたしております。できるだけ御趣旨に添うように改善を加えて行きたいと思つております。
#15
○油井賢太郎君 更に大臣に御質問申上げたい點は、先程申しましたように、取扱件數が非常に減つているにも拘わらず、この取扱人員が非常に増大しているという結果を生じているということは、甚だ我々にとつて不審に堪えないのでありますが、これについてこの矛盾を如何なる方法によつて解決をされるのか。大臣の確信のある御答辯を願いたいと思います。
#16
○國務大臣(三木武夫君) 一般的に申しますと、人員の増加ということについては、戰前には相當な設備もありまして、一例をとれば、自轉車のごときも大體こちらの希望する臺數はあつた。八萬臺くらいあつたのでありますが、それが四萬臺になつている。これは一例でありますが、その他いろいろな設備が、機械力でやられたものが人力によらなければならんという面が相當に殖えて参つたわけであります。從つて取扱部數が少くなつたに拘わらず人間の方が殖えて來たという形は、一應の理由がそういう點に起因をいたしているのですが、併しながらこういう官業が過剩な人員を擁して、そのために大衆に對して負擔が轉嫁されておるという事態は、當然にこういう事態を合理的な經営の基礎の上に乘せなければならないことでありまして、御承知のごとく政府も今囘行政整理をして、でき得るだけ少數の人々だけで能率を擧げて行こうという方針を決定いたしました。この線に沿うて、遞信省といたしましては大体昭和九年から十一年の間、これは通信事業が平常な運営をされていた時期であります。このときの取扱部數、人員と、今の仕事の量等を睨み合せまして、今の通信事業を運營して行くのにどれだけの人が要るかという、そういう仕事の量、能率、設備等も勘案した遞信省の定員というものをこの際決めまして、そして若しそういう點から決められた基準以上の過剩人員を持つている場合には、これを行政整理の對象にしたいと考えております。この案は目下遞信省において作成中でありまして、近く結論を得る豫定であります。
#17
○新谷寅三郎君 大臣に一つ二つお伺いしたいのですが、今の状況で料金の引上げが必要であるという通信事業の財政状況は大體想像はできるのです。それに今油井君は言われたように、人員整理とか、事業改善とか、いろいろな問題が前提になるとは思いますが、結局は或る程度の料金引上げをしないと、獨立採算制を堅持して行けば非常に財政が困難であるという事情は、大體私は想像できるのでありますが、大臣の今のお話によりまして、結局又新らしい物價體系が近い中にできるであろう。又その場合に獨立採算制というものももう一遍これを堅持して行けるかどうか。そういうようなことは考えて見なければならない。本格的な料金の値上げというものは今は考えられない。しかしこの際には少くとも御提案のような倍額の引上げは必要であるという御説明に伺うのでありまして、それで實はその點がよく分らないのです。今度の料金の倍額引上げという意味、或いはその目的はどういうところが本旨であるのか。私はこの追加豫算との關係において申上げているのではないのでありますが、料金の引上げを御提案になる以上は、それが事業會計を維持して行く上に絶對に必要であるというのか。或いはただそれが一般會計の方に或る部分を繰入れる必要があるので、國家財政として全般的に見て是非必要であるのか。或いは又御承知のように物價體系の一環として通信料金を考えた場合に、これは當然前に引上げらるべきものであつたのだが、引上げられなかつたので、今囘引上げるのだとか、何かここにはつきりした目標がないと了解に苦しむのでありますが、今囘の二倍の料金引上げというのは一體どういう目標でお引上げになるのか。そのはつきりした料金引上げの目標というものをお示し願いたいのであります。
#18
○國務大臣(三木武夫君) 御承知のように今年度の通信會計においては大體五十三億の赤字になつております。これは先程も申上げたごとく、昨年の七月でしたか、新物價體系のときにもう少し上げるべき性質のものであつたのでありますが、大局行な見地から値上げをしなかつた。そういう赤字がある上に御承知のような新給與の基準が近く決る。又〇・八の支拂もある。かように多額のの赤字がある上に尚且今後の支出を予想されるような事態もありまして、これではもうどうしてもこれを全部一般會計におぶさつて行くというわけには、御承知のような一般會計も窮屈な事情で行けない。この際どうしても通信料金を値上げしなければならない。こういう事態に通信特別會計が陷つたのであります。だから今御指摘になつて擧げられましたいろいろな要素が幾つも加わつて、この際通信料金を値上げしなければならない事態になつたということを御了承願いたいと思うのであります。
#19
○大島定吉君 各官廳とも豫算人員と實人員と非常に差があるということが問題になりますが、遞信省においてはどういう状況ですか。
#20
○國務大臣(三木武夫君) 通信料金の値上げをいたしますような場合の前提には、できるだけ増收、經費の節約等も圖つて、そうしてどうにもならない點は通信料金の値上げをして行かなければならない。これは一つの特別會計を豫つて行く私たちが國民に對しての大きな義務であると考えまして、遞信省は今度四十七萬人の豫算定員の中を六萬人削減いたしまして、四十一萬人、これを予算の上で改訂をして約十一億の節約をしたのであります。恐らく各省の中で豫算定員と實在員が遞信省のように接近しておるところはないと思います。今では豫算定員と實在員と三千名ぐらいしか違つていない。それは今言つたような大きな經費の節約をして、すでに豫算定員と實在員とできるだけ開きを少なくするような措置を執つたから、そういうような結果になつたのであります。
#21
○藤田芳雄君 今回の二倍の値上げが一般物價にどの程度の影響を及ぼすというお考えでありますか。
#22
○國務大臣(三木武夫君) 官業の値上げが全然物價に影響がないとは考えられないのであります。心理的な影響もあると思います。併しながらこれは今日の物價體系を改訂する、せなければならんということに必要は要素にはならない。そんなに決定的な打撃を新物價體系に與えない。これくらいの値上げというものは今日の物價體系はそれだけの彈力性を持つておる。これで今までの物價體系を改訂する必要はない。その程度の影響であると考えております。
#23
○藤田芳雄君 意外な御意見をお聞きして驚いておるわけですが、料金の二倍値上げが、物價にそう大した影響を與えないという御意見は、實は今初めて大臣から聞いたような次第であります。他の一般の人はすべて、これは大きな影響を及ぼすものである。一般の物價に非常に響きがあるので、これは一番問題になつておるというふうに考えられておるのでありますが、而もこの前の千八百圓ベースの唱えられたときにも、すでに大分その物價體系、或いは實質賃金の方面で埋めるとかいうような話もありましたけれども、それらが行われないで、ただ政府の政策の行われるに從つて、物價が上つて行くというような状況になつておるといつたのでありますが、一般の空氣といたしましては、とにかく、この度の運賃竝びに通信料金の値上げというものが、一般市場に大變な物價高を來すものといわれておるのだと思うのでありますが、若しも今のようなお考えで上げるものとするならば、二倍というものの根據が、先程新谷委員も言われたのでありますが、一體どうした今までの指數を根據にして、二倍という數字を出したかということを考えられねばならんと思います。それから先程來大臣のお話からいたしますというと、この二倍というものも、今決定的に二倍としたのでない。この先、行きましたならば、又物價體系を睨み合せて變更するやも知れないというような御説明もあつたのでありますが、そういたしますと、二倍というものの根據は、甚だ薄いような感じがする。少くともこうしたものを立てますにはもつと根據あるところの數字を基にして、それの及ぼう影響を考え、枠の跳ね返りを考えて立てて行かなかつたならば、結局は鬼ごつこのように追馳けつこに終つて行く。何ら止まるところなく、インフレを助長して行くことになりはしないかと思うのであります。その點についての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#24
○國務大臣(三木武夫君) 御指摘のような、官業の値上げが物價に全然影響がないとは、私は申したわけではないのであります。これは心理的な影響も相當あることは無論のことでありますが、併しこの影響というものが、このために、昨年度の新物價體系を變更する、この際變更しなければならんというような、決定的な打撃を一般物價體系の上には與えないという考え方であると、こう申したのでありますが、これは御承知のように多少古いのでありますが、ここにも通信費の占める生計費の割合というものがあるのですが、〇・二七という生計費の割合になつております。これは多少年限が古いので、變更しておると思いますが、〇・二七%、從つてこの通信料が生計費に占める割合というものは、そんなに大きな部分を占めていない。こういう點から考えまして、通信料金の値上げというものが、無論これは影響があるし、これはできれば、そういう値上げをしないのに越したことはないのでありますが、これは先程申したような事情で止むを得ないので、或る程度これは利用者の御負擔を願わなければ、一般の會計から持つて行つたところで國民一般の負擔によるわけであります。利用する人が負擔を願う、餘りにもアンバランスに陷つておるものですから、これを利用者負擔によつて改善して行きたい。而も通信費の占める割合というものが、こういうふうな率であるから、直ちにこれが日本の新物價體系を攪亂するような結果を齎さないで、新物價體系は維持されて行く。通信料金の値上げでは維持されて行く。こういう見解をとつたわけであります。二倍に値上げをいたしました經緯については、總務局長から説明いたします。
#25
○政府委員(大野勝三君) 先程大臣から、今年の通信會計の赤字は、大體五十三億に上るという御説明がございましたが、その赤字五十三億と申しますのは、これは偶然でありますけれども、丁度二十二年度の當初豫算に計上してございました借入金の數に合致しております。併しこれは偶然でありまして、當初のあの五十三億の借入金と申しますものは、御承知の通り、當時一方におきましては、千二百圓ベースによりまして、歳入の不足を補填いたしますために、料金の値上案が同時に國會に掛かつておりまして、それでその値上案が成立をいたしますれば、それによる増收、この値上げは即ち現在の料金でございます。現在の料金となりますための増收が約五十億八千萬圓でございますので、少し足りませんけれども、その少し足りない部分は、更にいろいろ増收策その他を講じ、いわゆる努力目標といたしまして、このギヤツプを埋めまして、どうにかこの赤字を消せるものという豫定で、この二十二年度に辷り込んだわけであります。ところが四月に入りますと、とたんに千二百圓ベースは、二十一年度に屬する、つまり昨年の一月に遡つて、千六百圓に引上げられた。又二十二年の七月以降は、それが更に千八百圓に引上げられた。又物價のごときも、これも先程お話のございました通り、三倍内外にも上つて來るというわけで、どうしてもこの當初豫定した通りの赤字なしの、本當の健全財政でやつて行くことができなくなりました。その形が次々の追加豫算という形になつて參りまして、今日まですでに特別會計におきましては、補正第六號まで、國會の御承認を得ておるわけでありますが、その中で、最も追加豫算の中で、大きうございましたのは、昨年十月のたしか第三次目の追加豫算であつたかと思いますが、これによりまして、一擧に歳出面が百億以上にも上ることになりました。それで當初は、當初豫算にございました五十三億の赤字借入は、ゼロになるべかりしものが、ゼロになりませんで、結果においては、十八億六千萬圓の赤字を更に必要とすることになりまして、數字の上から見ますと、當初の豫算に出ておりました五十一億の赤字が、十八億に少くなつて來ているという形になつて來ておりますが、實質的にはそれだけ豫定外の赤字が出て來たということになりました。又十八億の赤字は、それだけで借入金は全部賄えるかというと、決してそうでない。第三次の追加豫算の際には、關係方面ともいろいろ折衝いたしましたし、少くとも二倍の値上げは必要であるという、大體御了解といいますか、むしろ二倍程度の値上げは少いのではないかといつたような、無論これは口頭でございますけれども、文書でそういうものを頂いたわけでありませんけれども、口頭によつて、そういう御慫慂があつたわけであります。その後の推移におきましては、御承知の通りその當時で、十二月から値上げをいたすとして、豫定されておりました歳入増加額にほぼ對應いたします二十五億圓の金を一般會計から通信特別會計の方へ繰入れて頂くことになりましたので、これは暫く見送ると、こういう經緯になつて今年に入つたわけであります。そういたしますと、この一般會計から二十五億の繰入はございますけれども、これ亦法律でもう御承知の通り、決して貰いつ切りのものでございません。最も早い機會に、一般會計に返さなければならんという條件が附けられて、いわば一般會計から特別會計への借入れと見てよろしいかと思いますが、そうすると、今の十八億六千萬圓プラス二十五億が、これがネツトの借入れであります。その外に本當に經費を一ぱい一ぱい見ますと、もつと赤字が殖えるものです。これも先程大臣が御説明がございましたように、料金の値上げでもしなければならん實情でございます。然るに一層積極的に増收を圖ると同時に、消極的にも經費の節減もしなければならん。先ず事業内の積極的な緊縮政策というものを採らなければならないというので、人員を、當時本豫算のときに成立いたしておりました損益勘定だけの人間が四十七萬四千人ございましたが、それをぐんと切り詰めまして四十一萬五千人、四十七萬四千人を四十一萬五千人に落しました。その金が約十一億でございます。これ又大臣が先程申述べましたあの數字でございます。この十一億というものがつまりマイナス面に働いて來ておりますから、それだけ赤字を内部において減しておつた。その結果が十八億六千万圓の借入にプラス一般會計からの繰入二十五億、こうなつたわけでございます。この二十五億というのは先程申上げましたように當時の千八百圓ベースて、又昨年の七月のあの新物價によりましたならば、大體この二倍程度の料金是正によつて、すべての條件がそのままであるといたしますならば、通信料金はどうにか健全財政を保持できるという見通して倍率でございました。それで年末から今年に掛けてでございますが、忽ちこの推定が崩れましたのは、例の年末の生活再建資金と申しますが、例の二・八ケ月分の支給問題でございます。二十五億圓の繰入を貰つたというのはそういうものを豫像しない、つまり千八百圓ベースと、それから新物價で而もこれは部經費などもあります。今申し落しましたが、部經費のごときも當時人件費をそういうふうに落すと同樣に、この二割以上節約したものを、更に二割天引したものを一割落とすといつたような随分無理を加えまして、これで多額の節約をいたしておるのでございますが、そういうことをした結果、外の條件が狂わなければどうやら二十二年度は、これは借入金は随分ございますけれども、その借入金はとにかくとして、何年か經過して行く中には健全財政が保持できる見通しであつたのであります。ところが今申しまするような事に生活の再建資金の二・八が出る。これが財源がございません。ここで又暮に二囘に分けまして一ケ月分、一ケ月分と合計二月分の支給をいたしますために、必要な財源を一般會計から十億圓繰入れて参りました。これによつて赤字は三十五億となります。一般會計から繰入れ分が三十五億であります。それに今の十八億が加わりますして五十三億というのが先程も申しました本年度の赤字。隅然にも五十三億というのが符合いたしましたが、實は全く當初の豫算に出してありました赤字借入五十三億とは全く別のプラスの赤字として現われて來たわけであります。そういうわけでありますから、これ又大臣のお話にございましたように、本來ならばもう今二・八が出ただけの關係からだけでも二倍では足りませんといわれるかも知れません。併し今の二・八は全く一時的のものでありますから、給料のようにこれがベースになつてずつと將來繼續的の支出になるものでございませんから、それはそれで考えようもございますが、他の條件が變らずに、つまり千八百圓がそのままで維持される、物價もそのままであるということならば、先ず倍で以てどうやら辻褄を合せて行くと申しますか、健全財政を維持して行く措置ができるという見通しの一つの基本的の倍率になるわけでございます。そういう意味合で一應二倍という数字が今度取られたのでございますけれども、併しそれぢや二倍でずつと先々やつて行けるかといえば、それは又先程大臣からお話がございました通り、千八百圓ベースというものはすでに組み直すということが既定の事實となりました。早晩一月に遡つてプラス、アルフアーという形に變えられるものと考えなければなりません。それから物價のごときもこれは當然このままで推移するものとは、すべての情勢から見て考えられませんから、いろいろ思い合せますというと終極的にこれでいいとは勿論申せませんが、併し去年の第三次の追加豫算以來の經緯を考えて見ますと、大體二倍というのが先ず中間の段階における一つの倍率として妥當であろう、かように考えておる次第でございます。
#26
○藤田芳雄君 大臣の他の物價に影響しないという一つの例として、生活費の〇・七%くらいしか通信料金から取れないというお話がございました。それは少し數の上げ方が違つておりはしないかと思う。例えばそれは通信費として上げる、その程度から知れませんけれども。併しながら一般の商店取引とか、その他物を送るとかいうものが全部にこれに係わつて來るのですから、勢い他の物價に響いて來る。取引するにも、電話を掛けますにも、小包で送ります品物であつても、すべてがこれに係つて來るのですから、勢い他の方に響いて來ます。生活の他の分と見られる中に相當の物價高を來すことはこれは明かで、ただ單なる通信の費用が〇・二七%しかないからその程度の影響であるという見方は餘りも皮相な見方ではないかと思うのです。併しそれは見解の差でありますが、尚今の二倍の根據についてのお話をお伺いいたしましたけれども、そういたしますと、この三月末までは二倍で何とかやつて行けそうである。併しながらそれも確實にとはいえない。結局今現在新給與の問題が出ておりますが、これで決まりますと恐らく千八百圓では濟ますなくるだろうと思う。そうしますと、それによつて又三月末までの分で何か新財源を見付けなければならんと思うのですが、その點もう一つ……。
#27
○政府委(大野勝三君) 二倍の根據と申しますほど實は非常に的格な科學的なものでないことは先程申上げましたところでもお汲通り願えること思うのでございますが、昨年の第三次の追加豫算当時からのずつと經緯に鑑みてみますと、純の當時におきましては千八百圓ベース、それから新物價というもの、そういうものが動かないで行くならば、大體二倍で以て將來今までに累積されております赤字もどうにか逐次返濟をして行つて、健全財政というものの大本が確立できると、こういう見通しの數字として關係筋からもそれを慫慂されておつたというような關係もございますので、一應それを採つたのでございますことを申上げたのでございますが、併しそれじや今のように先行きいろいろ不確かな浮動する條件がある。すべての條件に應じて二倍で賄い切れるかというとお察しの通りそれでは賄えませんが、併し少くともこの年度において、三月までの間において、更にこれを返すようなことは、これは全く事務的に考えて見ましても餘り意味がないのではないかと思うのであります。と申しますのは、今度の二倍値上げによりましても、二十二年度の範圍内で決して獨立採算が實現されるものではない。どういう方法でも健全財政が維持されるわけのものでございませんが、ただずつと條件が安定して、先行き何年か、掛かれば、その點健全財政ができるという一つの數なのでございます。
#28
○尾崎行輝君 昨今頻りに内閣の總辭職が傳えられておりまする際において、今まで熱心に唱えられておつた料金の値上げがうやむやになる。何かここに關連があるやに我々には考えるのでありますが、内閣の重要ポストにおられた大臣、そこのところを率直に明確に、我々に分るように御説明願いたい。
#29
○國務大臣(三木武夫君) 新聞等私も拜見しておりまして、今朝來總辭職の状態を報ぜられておる。御承知のようにその状態は、この追加豫算を繞つて社會黨の左派に属する方々と、政府の見解とが相當食違いがある。そこがいわゆる新聞紙の内閣の危機を唱える所以である。これは勿論この内閣が三黨連立の内閣であります以上、これが何らかの形で調整ができないということになれば、今後内閣の施策を進めて行く上において非常に支障を來すので、今これが調整を極力やつているわけであります。まあ調整ができるものと期待をしておるのであります。併しこの追加豫算を豫算委員會から撤囘いたしましたのは、御承知のようにこの料金値上げをすぐに〇・八の生活再建資金として拂うということについて、何らか我々が〇・八を貰うから料金の値上げをしなければならないのだと、こういう印象を與えて、國民と勞働組合というものの間に氣まづいことがあるというので、議會外からも相當これは反對の聲があつたわけであります。そういう國民の何と申しますか、そういう世論を代表して、御承知のように衆議院の豫算委員会ではこれに對して相當反對の空氣が強かつたのであります。そこで政府とすれば、これは全く普通からいえば總計百億圓餘りの追加豫算を出さなければならんが、それで一本にした追加豫算を出したかつたのであります。政府とすれば、そうすれば料金の値上げも一般の追加豫算の財源になつて、必ずしも〇・八というものにこれを右から左に行くという形にならないで、一般の追加豫算の財源になるから、そういう形を取りたかつたのでありますが、その財源がいろいろこういう時期でありますから、そんなに氣の利いた財源がないわけなんです。例えば貿易品として豫定してあつたメリヤスを賣つて、その價額差益金を計上するとか、そうなつて來ると、これを普通の原價で賣つては豫算に計上ができんものですから、いわゆる原價以上に賣らなければならん。その賣るというものに對しては御承知のような事情で、いろいろこれは折衝をしなければならんわけなんです。そういうものが決まらなかつたものでありますから、それでそうすると〇・八というものを出すのが次第に遲れるというので、まあ確實な財源として料金の値上げ、運賃の値上げが歳入として計上されたのであります。本當の政府の肚は、そういう形でなしに一本として出したかつたのでありますが、そういうふうに反對の聲があれば、やはりそれは政府としても必ずしも政府の政策が非常な變更を受けるときには、無論政府として進退を考えなければならんのでありますが、本質的な變更ではないわけでありますから、ただ技術上そういう形をまあ組替えるという點でありまして、政府の根本政策と抵觸するという形でなかつたので、國會の運營というものを圓滑にするために、そういう聲があるのであるから、これを編成替しようということで撤囘をいたしたのであります。
#30
○新谷寅三郎君 先程御質問いたしましたのに對して、大臣から一應お答を願つたのでありますが、政府委員からの御説明もあつて、大體おつしやることは分るような氣がするのですが、料金引上げの問題は、先程から各委員からお話のように、非常に國民からは非難を受けておるようであります。誰もこれは好まないのであります。例えば料金の引上げは現在としては非常に少いというようなお話もありましたが、その程度の料金引上げでありましても、引上げの目的というものをもつとはつきりと國民に闡明される必要があるだろうと思うのであります。先程お話の中に、昨年上げなかつたので、そういうその後の財政上の苦しいことが累積して來たこともあるし、又昨年七月の新物價體系、これに基いて千八百圓ベースやら、或いは物件費の値上り、そういつたようないろいろな事情があつて今囘上げるのだというような御答辯を伺つたのでありますが、もう少しその邊を明瞭にして頂く意味におきまして、多少分折して御質問したいと思うのであります。
 結局事業會計としましては、政府委員からのお話のように相當二十二年度において赤字が出る、それをこの際どうしても埋めなければならんということが一つあるのだろうと思います。それから一般會計との關係におきまして、先般伺つたところでは二月十五日に實施せられるものとして、三月末までに大體七億程度の増收がある見込だというお話がありましたが、この七億の中で通信會計の方で使われる分が幾ら、或いは一般會計の方に幾らがその七億の中から充當せられる見込でありますかどうかですか。その金額は前に一般會計から借入れておられます二十五億というものとどういう關係になるのでありますか。更に二十五億というものを借入れられまして、それを一般會計に返濟せられますのには、その當時は五年とか七年とかの長期計畫を立てて、そこで通信財政というものは一應安定する見込であるから、その一つの長期計畫で返して行くんだというお話も伺つたんですが、二十五億というものをどういう計畫で以ておやりになる方針の御決定になつておりますか、その點も合せて伺つて置きたいと思います。
 それから物價體系との關係についてでありますが、實は昨年の七月に鐡道の方は千八百圓ベースの新物價體系の一還として運賃の値上げをするということを運輸及び交通委員會で説明があつたのであります。それで私から特に上げた方がよいという意見は言いませんでしたが、政府委員に對しまして、これを上げなくてもよいのかどうか、それでやつて行けるのかどうかということを念を押したのでありますが、その當時はこれは今政府委員からお話のように、上げなくても何とかしてやつて行くつもりだというお話がありました。それで同じ上げるにいたしましても、これは私から言うまでもありませんが、非常に大きな倍率で以て短時間の中に上げるということは、これは非常に物價に對しては悪影響を及ぼすと考えます。上げるにいたしましても、漸進的に上つて行くということになりますと、割合に物價に對しては急激に變化を及ぼさないで、物價體系としてはその方が適當じやないかと、私個人としては考えておるのでありますが、今日のような事態を假に或る程度豫想できるものとしますれば、やはり物價體系に應じた引上げをして増收をなすつた方がよかつたのではないか、こういう結果論でありますが、そういう感じも私はするのでありますが、この物價體系に應じて今後は運賃、料金の値上げというものをやはりお考えになつて行く御方針でありますかどうか、その點もお伺ひしたい。
 それからもう一つ、一般會計との關係におきまして、先程同僚の委員から御質問がありましたが、獨立採算制の問題であります。この問題は私は現内閣の非常に重要な方針の一つと了承しておるのであります。これが先般の一般會計からの繰入れといい、又今或いは七億の中で幾らかを充當するということになりますと、獨立採算制という主義から申しますと、非常に主義上面白くない結果になつておると思うのであります。獨立採算制を今後通信事業としましては、やはりどこまでもこれを看板にして、主義にして維持して行かれるおつもりでありますかどうですか、その點をはつきり御説明願いたいと思います。
#31
○國務大臣(三木武夫君) 最初の御質問は總務局長からお答することになつております。
 第二點の今後の通信料金というものが、物價の改訂の場合に通信料金の改訂を考慮して行くのかということでありますが、今後は物價の改訂とできるだけ睨み合して合理的な料金を決めて行きたい。昨年も今御質問の中にもありましたが、いろいろな大局的な見地から料金の値上げを抑えて參りました。が併し料金の値上げというものは輿論も非常にこれに對しては嚴しい輿論を持つておるわけであります。今まで抑えて來た、相當それは遞信當局としては苦しい中に料金値上げを抑えて來たのでありますが、いざということになつて、料金の値上げということになつて來るといろいろの輿論の抵抗がありまして、今後はできるだけ一つの物價とも睨み合して、物價改訂の場合にはそれと調整を加えて行くというような形にしたいと思つております。
 第三點の獨立採算制の問題でありますが、御指摘のように、一般會計から二十五億の繰入を受けて、獨立採算制という建前からいつたならば、その原則から外れるような結果になつておるのでありますが、御承知のように、通信事業というものも、戰爭のために非常な打撃を受けておりまして、この打撃は直ちに通信特別會計の收入に影響を持つわけであります。そこでこういうふうな大きな被害を受けておる通信特別會計が、今直ぐに獨立採算制ということでバランスを合して行くということは、これは無理な注文でありまして、やはり相當な年限を掛けて特別會計を健全なものにして行かなければ駄目だ。そこで今直ぐという形、そういう意味の獨立採算制ということは實行はできないと思いますが、併しながら原則としては、この特別會計が特別會計自體としてバランスの合えるようにできるだけ、それも近い機會にバランスが合うような大きな方向に向つて特別會計を改善して行くという、そういう形において獨立採算制の原則を履んで行きたい、こういうふうに獨立採算制を考えております。
#32
○政府委員(大野勝三君) 初めにお尋ねになりました、先般の二月十五日から料金値上げを倍額程度をやるとして豫想しておつた七億の歳入、この歳入増加分、これをどういうふうに使うかというお尋ねでございますが、歳入は御説の通り七億一萬六千圓を豫定いたしまして、その中四億一萬六千圓を損益勘定の支出の財源に充てます。そうして残りの三億圓をこれは一般會計への繰戻しということにいたすわけであります。一般會計からの繰入は補正第六號までのところで三十五億になつております。これは昨年の十月のときの二十五億圓プラス年末の二・八の二ケ月分、これで十億で、三十五億になります。三十五億の繰入に對して三億だけこの年度内に繰戻しをする、こういうことになつております。
#33
○新谷寅三郎君 大體御趣旨は分りました。ここでくどいようですが、獨立採算制についてもう一つ大臣に伺つてみたいと思います。今度のように、假に御説明のように、必ずしも全官公の方の問題、手當の問題に絡んでおるのじやない、一般の財源であるというお話でありますが、一般會計の財源として必要な場合には、通信料金或いは鐵道料金というものをお上げになつて、それを以て財源にお充てになるということは、これは獨立採算制でないと思うのです。そういうふうにお互いに融通して行くということになりますと、獨立採算制の主力を取つておるんだとおつしやつても、これは非常に我々了解し難い。今のところでは一般會計からも財源がある程度あつて、そうしてこの通信會計の收入増加によりまして、その幾分でも繰入れて行くというようなことでありますと、まだよく分るのですが、一般會計の方では全然財源がない。通信と鐵道の運賃なり料金を上げて、一般會計の財源に補填するのだということになりますと、一體今お話の三十五億を通信會計が借りておるようですが、これをどういうふうに返すか。大體通信會計としてはこの金をどんな豫定で返すのかという計畫でもありまして、その豫定に從つて返す分はこれは別に問題ではないと思うのでありますが、時々刻々の一般會計の必要によつて、場合によつては通信料金も上げるというようになりますと、獨立採算制としては非常に了解し難いものになると思うのですが、その點は如何でしようか。
#34
○國務大臣(三木武夫君) それは私の答辯に言葉が足りなかつたのですが、今後はそういうふうな形になつてはお説の通り獨立採算制ではないのです。ただ今度の場合は、我々の方で獨立採算制の原則を破つておるわけであります。一般會計からの二十五億の繰入がある。そこで一般會計の方は返せ返せとこう言うわけです。獨立採算制の建前から行けばこれはおかしいので、一般會計が苦しいので、できるだけ早く返してくれと言う。今囘値上をしましたのは、そういう一遍原則を破つた繰入をこちらがしておるので、それを返還しなければならんということで、一般會計として追加豫算の歳入の中に入れなければならんから、これはできるだけ早く返してくれ、こういう催促があるわけでありますので、こちらの方とすれば通信料金の値上げによつて、できるだけ一般會計にも返せるだけは返して行こうという建前を採りましたので、今囘の場合は通信料金の値方げが追加豫算の一般財源になつたわけでありまして、本を質せばこちらが一般會計から繰入れておる、これを返して獨立採算制の線に沿うて行こうという趣旨でありまして、私の葉言が足りなかつた點は御了承を願います。
#35
○政府委員(小笠原光壽君) 私も實は先程最初にお尋ねになりました前半のことだけお答えしまして、後半の方をお答えするのを忘れておりましたので、補足させて頂きますが、三十五億圓の一般會計の繰入を將來どういう計畫でなすのかというお尋ねだつたのでございますが、その繰入の法律では何年間に返せというようにはつきり書いてはなかつたように思いますけれども、併し早く返さなければならんことはこれは事實なんであります。まあ大藏省との間では、少くとも借入金の方は七ケ年くらいで償還できるように計畫して貰いたい、こういう要求を受けておるわけです。七ケ年假に均分に返すと、三十五億圓の分につきましても一ケ年に五億は返さなければならん。併しそれは無理なことでありまして、通信會計としてはそんな餘力はございませんし、先の見通しとしても、今後の値上げを御承認願えるといたしましても、二倍程度ではなかなか七ケ年計畫で全部完済できるようには立てにくいかと思いますが、そういうことで率直に申しますれば、取敢えず三億は返すが先のところはまだはつきり見通りがついておらないということがあるようでございます。
#36
○委員長(深水六郎君) 大臣は緊急閣議があると言つて來たそうでございますから、その代りに政務次官がおいでになりましたからどうぞ。
#37
○新谷寅三郎君 料金の問題に關連しまして、政務次官にお尋ねいたしたいのであります。結局料金を上げるということは最後の方法でありまして、尚他に支出を減らし收入を殖やすという方法があれば、できるだけそれをやつて行くのが當然であろうと思うのであります。一つは行政整理の問題であります。新聞紙上によりまして我々承知しておるだけで、内閣の方でどういう御決定になつておりますか分らないのでありますが、通信事業に關しまして、行政整理の方はどういう方針でどの程度實行せられますか、いつから實行せられますか、そういうことが決まつておりましたお伺いしたい。
 それからもう一つ收入の方に關してでありますが、これははつきりと私は聞いたわけではないのでありますが、仄聞するところによりますと、内閣におきましては、例えば石炭でありますとか、鐵鋼でありますとか、或いは輸送でありますとか、そういつたものに非常に重點を置かれまして、資金も資材もあらゆる努力を傾けてやつて行こうという方針を採つておられる。併し通信は、運輸とは違つてその第一順位の選に洩れておるというようなことを仄聞するのであります。事實でありますかどうですか、その點も伺いたい。これは非常に料金收入の方にも響いて參ると思うのであります。
#38
○政府委員(椎熊三郎君) 行政整理の問題ですが、行政整理は、一月中旬の閣議において大行政整理をやろうという漠然たる話合いがあつたそうでございます。それに對してどういう方法を採るかという具體的な内容には檢討を加えられていないのですが、例えば天引で行こう、二割五分天引とか、三割天引とかという話合いが出ただけで、然らば三割で行くのか二割五分で行くのかということは決定しておらんと承つております。その際におきましても、現業官廰は別な考え方をしておるというので、一應その運輸省、遞信省の現業部面は除外されておるようでございます。我々の方といたしましては、こういう際ですから、どうしても行政整理をできるならした方がいい、そうして節約ができるならばした方がいい、整理ができるならばした方がいい、そういう氣持は以前から持つておりましたが、遞信省は去年の春以來、關係方面との話合い等もございまして機構の大改革をやろうということになつております。これは電氣、通信事業とその他の部門とを盡然と分けて經營の合理化をやつて行こうということなので、遞信省といたしましては畫期的の改革なので、この根本方針が決まららなければ、我々の今言うところの、世間で言われるようなところの人員の整理とか行政整理とかいうようなことは考えられないと思ひます。ただ舊來の遞信行政の部面から見るというと、昭和九年の能率とサービスの上から、人員は凡そ二十八萬人おつたと承つておりますが、現在は四十一萬五千程の人がおるそうです。これを昭和九年程度の能率を維持し、あれだけのサービスを維持して行くということで、仕事の殖え方と睨み合せて比率を出して參りますると、大凡四十一萬四千人くらいの人が要るのだそうであります。そうすると現在ともう殆んど同じ程度なのでございます。併しながらその後機械の設備等の不備な點があつたり普及した點があつたり、或いは勞働條件の違つて來た點などがありまして、人員の點からは大凡正常な殖え方に行つておるようでありますが、サービス、能率の點においてはいささか遺憾の點もなきにしもあらずだと、まあ詳しい數字は持つておりませんけれども、大體そういう感覺がいたします。ところで今度の機構の大改革をやつて行くということになり、併せて勞働基準法の實施があつたり、組合側との協定によつてそれが嚴重に實施せられるというような現實に直面いたしますと、恐らくは今の人員では足らないのではないのか、尚二萬三萬の増員を必要とするような状態になるのではないかと實は心配しておるのであります。私只今聞いたばかりですが、本日の午前中の緊急閣議におきましても、日本の官業再建のために、勞働基準法に對する考え方、或いは官吏の組合に對する何らかの制限とかいうようなことも非常な強い意味で論議されたということを、私共のような代議士會議で承つたところであります。そういうことをすでに政府でも取上げておりまするので、そういう放府の基本方針が決まらなければ行政整理のようなことは今のところ考えられない。殊に又官吏の給與制度のごときも、極く最近決まるのでございましようけれども、まだ未決定なのでございまして、そういうものと睨み合せて合理的な經營の方法に進んで參りたい、こう考えておるのでございます。
#39
○政府委員(林一郎君) 只今御質問の重點の問題でございますが、現在安本でいろいろやつておられる計畫を見ますと、石炭、電力、輸送というこの三點にすべてを集中いたしまして、あとのものについては段階がなくてその他大勢で行くというような形に私共聞いておるのであります。私共としては非常にこれは不滿なことでございまして、かようにして來年度の物資動員計畫が行われたとしますと、例えば電信、電話の復舊整備につきましてはかなり困難な事情に立つ至る、こういうことで、まだすつかり決まつておりませんけれども、事務的にはこの通信關係にできるだけ重點を置くようにということで折衝中でございますが、これが非常に困難になつておりますのは、どうも電氣通信等に對する認識と申しますか、これが一旦止つてしまわないと分らないという點もございますが、まあどうにかやつておるじやないかというようなことでございましようか、非常に物資は少いのでございますけれども、これに匙加減が十分に來ないという點を事務當局としても非常に遺憾に存じておるわけでございます。でき得るならばやはりこういう三部門の重點に伍して通信も重點的にやつて行つて頂きたいということを希望しておるのでございますが、現在はそういう状態でございます。
#40
○新谷寅三郎君 政務次官に今の問題に關連しまして申上げたいのでございます。只今の政府委員のお話で、何か安定本部の方の計畫でそういうふうになつておるという御説明でありましたが、恐らく政務次官も御承知だと思います。只今も申上げました行政整理の問題、事業の合理化の問題なんかは、この問題と非常に密接な關係があると思います。十分御承知だと思いますが、私先般年末を境にして大分田舍に行つて參りましたが、例えば田舍の郵便局では、驛の方はちやんと夜でも電燈がついておりますのに、郵便局は電燈はついておりません。一般の家庭と同じであります。眞暗の中で從業員がやはり電話を交換し、電信を打ち、郵便のいろいろの區分とかいう仕事をやつております。蝋燭のある所もありますし、ない所もあります。又配達にいたしましても、大都市でも自轉車が十分行渡らないために、非常に人手を掛けて、而も苦勞をして十分に行かないという點が澤山あると思います。事業を合理化して事業をよくして行く、又經費を節減して行こうという上に、どうしても今の資材の問題が非常に大きな關係のある問題であると私は思うのであります。これらの點から見ましても、もう少し通信事業に對しまして重點……どの邊まで置かれるか知りませんけれども、もう少し重要度を高めるように大臣、次官でお骨折りを頂かないと、まだまだその點につきましては、改善する餘地が多々あるのではないかと考えるのであります。殊に電氣、通信の方になりますと、非常に資材を要する問題だと思いますが、絶對量からいいますと、御承知のように他の石炭とか、或いは運輸というようなものとは比較にならないくらいの少量の資材で濟むわけでございます。それが僅かな資材を與えることによりまして、相當澤山の電話を開設ができるし、又電信もよくなつて來る。これは事業をよくするということよりも、今國民全體は郵便も電信も電話も駄目だという感を持つておるのですが、その國民の文化生活を高めるとか、或いは商工業を振興させるという上にどうしても必要だと思うのであります。いずれこの點は適當な機會に安定本部の方にも來て頂きまして、御意見を伺いたいと思つておりますが、尚大臣、次官の方でもこれは數字の問題として、細かい問題になるかと思いますが、十分に御盡力願いたいと思うのであります。
#41
○政府委員(椎熊三郎君) 御説の點は至極御尤もでございます。ただ大臣は別でございますが、私自身甚だ微力でございまして、お叱りを受けたような點は恐縮に存じますが、全力を擧げて通信事業の發達のために微力を注ぎたいと日夜念願しておるのでございます。ただ閣内において、或いは日本の全般の政治の上から、通信行政が輕んじておられるのではなからうかというような意味のお話であるとするならば、私はそうではないと思います。日本再建のために通信事業を無視して、どうして日本の再建がありましようか。恐らく石炭の重點産業、或いは輸送の重點的な取扱いと殆んど同様に、否むしろそれ以上に重要視されなければ、本當の日本の産業の上からも文化の上からも發展再建ということは期待できない。そういうことはあらゆる機會において私共は主張して參つたのですが、先程申上げましたように、政治家としても誠に駈け出しでございますし、無經驗なものでございまして、お叱りの點につきましては今後一層の勉強をいたしまして、御期待に副いたいと思います。
#42
○新谷寅三郎君 この問題はいずれ行政整理に關連して、二十三年度以降の御計畫なり、それに要するいろいろ建設の計畫なり、そういつたものを伺つたならば、自然に結論が出て來ると思います。決して政務次官に努力が足りないということを申上げておるわけじやないのであります。尚この上ともそういう現實の問題で非常に困つておるものがありまするので、大臣、次官に働いて頂いて僅かの資材を得て頂けば、通信事業の末端が生きて來るというような面が澤山あるように私は見て來たものですから、特にこの問題に關連いたしまして、私の希望を申上げたわけであります。
#43
○油井賢太郎君 只今新谷委員のお話に關連いたしますが、いつも通信從業員というものの對象とされておりますのは、運輸の關係の從業員であります。この運輸關係の從業員と通信關係の從業員との待遇の差というものが最も問題になるのでありますが、それに對しましては、先般來大臣或いは政務次官においても相當留意をなさつており、待遇の均衡を圖つておられることとは思いますが具體的な最近の状況をちよつとお聞かせ願いたいと思います。
#44
○政府委員(椎熊三郎君) 待遇の問題ではいろいろ御論議があるようでございますけれども、給與關係は今内閣で統一しております。給與局においてやつておりのでありまして、全然差別はないと思います。ただ御承知の通りに運輸省は鐵道省時代より非常に厖大なる組織を以て今日に至つておりまして、遞信省は曾ては電氣を持つておつたり、船舶を持つておつたりして、各官廳間でも花形役所であつたのですが、戰時中運輸省に吸收せられ、そうして去年の五月でありますか、又一つになつた。そういうような行つたり來たりしておるうちに、特に手持であつた資材等のごときも、その分れる際においては分離されるというような状況があつて、幾分今は新米の役所になつておるのですから、そのために遺憾な點が廳舍その他においてもあるようであります。從業員の待遇自體は運輸省と比べて特に變つておる點は、運輸省の役人は汽車のパスを持つておるが、こちらの方はパスを持つておらん。最近ではその點も勘案いたしまして、通勤の費用等も見るというようなことに進んでおりますから、それとてもさした差はないと思つております。從業員の被服の點などにつきましては、運輸省では澤山の手持の物を持つておりますが、私は就任以來何もなく今日に至つておりますが、その點も商工省當局と交渉の結果不足ながらもどうにかやりくりして參つておりますから、十分ではございませんが、段々よい傾向になつております。今御指摘になりました運輸省の役人と遞信省の役人とが餘りに差別があるのじやないかということは、世間はそういう印象を受けておつたようでございますが、私共内部から實際に點檢いたして見ますると、さしたる差別はないと、こう實は心得ておる次第であります。
#45
○油井賢太郎君 加配米などの状況は最近どうなつておりますか。實は或る地方におきまして、食糧不足のためにサボタージユをすることもできない。それで甚だ本意じやないけれども、公器であるところの行嚢を使つて食糧品を取つて、それが問題になつたというような點もあつて、これは正當なる手段であるというようなことを放言いたしておるのでありますが、一般國民に及ぼす思想的影響もありますし、又こういう點の解決ということも遞信當局において當然なされなくちやならん點であると思いますから、こういう點においてはどんなことになつておりましようか。
#46
○政府委員(椎熊三郎君) 加配米の點は農林省と協議いたしまして、各省とも重勞に從事いたしておる者は平等に受けております。特に私共が不足だということはございません。一部の官吏の中に食糧輸送のために行嚢などを使つて、それが當然だと放言したような者があれば、それは四十五萬の從業員の中ですから、中にはそういう不心得の者もありましよう。そういう者は分り次第、殊に今日は行政監察の方に努めておりまするから、實情を調査いたしまして、若しそういう不心得の者があれば十分戒しめたい。そういう者がないように努めておる次第であります。
#47
○油井賢太郎君 私が申上げたのは、要するにそういうことのないように、十分當局におかせられても從業員の方方に對し面倒を見て頂きたい、こういう精神でありますからこれを御了承願いたいと思います。
#48
○政府委員(椎熊三郎君) どうも千二百圓ベースが千六百圓ベースになり、或いは千八百圓ベースになりましても、今日の物價の状況、國内の情勢から見てそれで十分だとは決して思つておりません。それなるが故に、過般の中勞委の裁定のごときも全面的にそれを受容れるという態度に出ておるので、實に敗戰後の日本の置かれておる運命的の状況から見ますると、從業員諸君に對しても氣の毒な次第であります。如何にせん、敗戰の今日の日本の財政計畫から見まして、そう十分というわけには行きません。ひとり勞働者の人がいいというわけにも行きませんので、國民全體の苦しみである。併しながら一刻も早くこういう状態を打開して本當に喜んで仕事ができるようにしたいというのが希望であります。
#49
○新谷寅三郎君 先程どなたからかお話があつたように記憶するのですが、こういう料金問題のような全般的の問題を審議するのに非常にいい資料になると思うのですが、かねて遞信當局から近い間に出すというお話のありました通信の實情を書いたいわゆる白書というようなもの、それを近い内にこの委員會にでも御提出になる御意向がありますかどうかですか。私はできればそれを早く出して頂きたいと思いますが、如何ですか。
#50
○政府委員(椎熊三郎君) 事務當局でそれぞれ責任を持つて目下準備中だそうであります。恐らく最近の機會に御提示できると思います。
#51
○油井賢太郎君 今の遞信白書をお出しになる際に、ちよつと一言御注文申上げたいのですが、先般の經濟白書などを出された場合に、國民の果して何%が見たかということが問題になつておつた。非常に難解極まる字句の羅列に終つたという點がありますから、そういう際には本當に末端まで行亙るように、極く平易な文章と分り易い方法を以て御發表願うことを特に申上げて置きます。
#52
○委員長(深水六郎君) 本日はこの程度で質疑を打切りたいと思いますが、如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(深水六郎君) それでは次會は公報を以てお知らせいたすことにいたしまして、今日の通信委員會はこれを以て閉じます。
   午後四時三分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     深水 六郎君
   委員
           鈴木 清一君
           重宗 雄三君
           油井賢太郎君
           井上なつゑ君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           藤田 芳雄君
           大野 幸一君
  國務大臣
   遞 信 大 臣 三木 武夫君
  政府委員
   遞信政務次官  椎熊 三郎君
   遞信事務官
   (總務局長)  大野 勝三君
   遞信事務官
   (郵便局長)  小笠原光壽君
   遞信事務官
   (資材局長)  林  一郎君
  專門調査員    後藤 隆吉君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト