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1955/12/08 第23回国会 参議院 参議院会議録情報 第023回国会 文教委員会 第3号
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1955/12/08 第23回国会 参議院

参議院会議録情報 第023回国会 文教委員会 第3号

#1
第023回国会 文教委員会 第3号
昭和三十年十二月八日(木曜日)
   午後二時三十五分開会
    ―――――――――――――
 出席者左の通り
   委員長     飯島連次郎君
   理事
           有馬 英二君
           川口爲之助君
           湯山  勇君
   委員
           佐藤清一郎君
           堀  末治君
           吉田 萬次君
           秋山 長造君
           安部キミ子君
           矢嶋 三義君
           高橋 道男君
  国務大臣
   文 部 大 臣 清瀬 一郎君
 政府委員
   文部政務次官  竹尾  弌君
   文部省初等中
   等教育局長   緒方 信一君
 事務局側
   常任委員会専門
   員       工樂 英司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査の
 件
 (教職員の期末手当に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(飯島連次郎君) ただいまより文教委員会を開きます。
 議題は当面の文教政策でありますが、まず昨日問題になりました教育職員に対する期末手当に関する件を問題に供します。
 最初に文部大臣より発言を求められておりますので、その後質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○国務大臣(清瀬一郎君) きのうこの委員会で最後に私が荒木さんにお答えしたことについて補正をさせていただきたいと思います。荒木さんの御質問で、意味は、十二億円は地方団体において年末手当を増額しない場合においてもこの金を配分するかというお問いでございました、言葉は違っておるかもしれませんが。私がこれに対して、「配分されるものと思う」と答えております。これが少し言葉が足りませんので、当面資金措置のため概算交付することは相違ないけれども、しかし地方が今後これを増額しないにかかわらず一応事前に交付されるという意味でございまするが、もちろん年度が終ってこの金を精算する場合は、この負担金の建前上、その地方で実際に増額しなかったところにはこれは交付されないという結果に相なるわけであります。以上の通りでございまして、少し言葉が足りませなんだから、それを増補いたして、誤解のないようにいたしたいと思います。
#4
○矢嶋三義君 清瀬文部大臣はまれなる法律家で、また名文家でもあるわけですが、それは言葉が足りないとか、補正するとかいう問題じゃなくて、大臣は前言を私は翻したことになると思う。それは昨日閣議決定の件について報告をいただいて、そうして懇談を進めているときに、湯山委員から具体的に伺って、われわれも補足して伺ったわけです。そのときに大臣は、法律を越えてこの十二億だけは金を出すのだ、それではこの地方が一・二五を上廻って出さない場合においても出るのかと言ったところが、それは出すのだというので速記をつけて御答弁願ったわけです。あの速記をつけての御答弁の内容と、ただいまの大臣の発言とは、これは補正とか足りなかった、言葉を付加するとかいうのではなくて、全くその内容は違っていると思いますが、いかがでございますか。
#5
○国務大臣(清瀬一郎君) 私の心では違っておらんのです。地方へ渡しまするけれども、使わなければこちらへ戻ってくるわけなんであります。私のあのとき言ったのは、一切地方で渡すということをきめてから後に国家は負担……、ですからやるのが事の道理のようだけれども、地方がきめん先に十二億というものを先に予定しておくということが地方のためには非常に利益なようなことになる、こう申し上げたのです。しかしながら私の膏薬の足りなかったことは事実でありますから、本日これを付加、補正する、こういうことでございます。
#6
○矢嶋三義君 どうもね、大臣、ただいまの大臣のこれは閣議決定の内容ですか。
#7
○国務大臣(清瀬一郎君) そういう言葉では閣議を決定しておりませんけれども、その意味を解釈したところであります。閣議決定は成文がありますが、その言葉はありません。意味はそういう意味であります。
#8
○矢嶋三義君 緒方初中局長おられますか。
#9
○政府委員(緒方信一君) おります。
#10
○矢嶋三義君 局長は閣議決定の内容を大臣をして変えさせたのじゃないのですか。冗談じゃないのですよ局長。それは、そういうことは私は懇談会の段階においても、速記をつけてからあのときの清瀬文部大臣の言わんとした内容というものはこれはこの席におった人はみんな明白だと思います。一点の疑いのないように非常に明白である。そのときに局長が横で盛んになんか大臣に言っておられる、そうしてだんだんと大臣が変ってこられて、そうして今日になって文書を持ってこられるというようなところは、私は閣議決定はそうじゃないんだと思います。冒頭に明快な頭脳を持っていられる大臣が昨日申されたのが閣議決定だと思うのですが、その後事務当局の意見を容れられて閣議決定の内容を私は大臣が変えられたんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#11
○政府委員(緒方信一君) 私が閣議決定の内容を意見を申し上げるということはございません。
#12
○湯山勇君 これは私速記を持っておりますから申しますが、速記の内容は荒木委員の質問が、「十二億の問題についてお尋ねいたしますが、これは
〇・二五の増額に伴う義務教育関係の教職員に支払う年末手当の半額に相当するわけです。この金は地方公共団体が年末手当を増額しない場合においても政府はこの金を地方に配分する、」。金を配分するわけですね、「こういうふうに了承して間違いございませんか。」、これに対して大臣は「十二億という数字は、義務教育として従事されておる教職員の俸給へ〇・二五の手当をするということではじき出した数字でございまするからして、私はさように配付されるものと心得ております。」、こういう御答弁がありましたので、私は事務当局はそれでいいのですかということを申しましたところが、局長は私語ですけれども、閣議決定のことは私知らないと、こういうふうにおっしゃって、それじゃそれは法改正せんといかんのじゃないかと言ったところが、そのあといろいろ大臣にお話ししておられた。だから昨日の大臣のお考えとしては、はっきり昨日の記録に出ておるような考えであったと思うのですが、もう一度一つ大臣そのときはそうだったけれども、その後変ったら変ったということを、はっきりおっしゃっていただきたい。
#13
○矢嶋三義君 ちょっと付加しますが、大臣御記憶あると思うのですがね。懇談会のときに湯山委員からいろいろ言われて、それで私これは大事だというので速記をつけようと言って、荒木君は懇談中の内容をそのままおっしゃって、その通りだ、そしてそれが三十分前にきまった閣議決定の内容だ、こういうふうに大臣おっしゃられたのだから、その内容が今になって変るのはおかしいと思うのですがね。
#14
○国務大臣(清瀬一郎君) 私の心ではちっとも変っておりません。この速記をよく御覧下さいますというと、年末賞与を受ける受けぬにかかわらず、教員の俸給からはじき出して、〇・二五というものが十二億円に当る、こういうそろばんをしたのであります。それでこれだけは地方に配付と予定されておるので、しかしながら現実に、ある地方で年末手当をやらぬということがないことを希望しまするけれども、万一ありましたら、それは使っておらんのでありまするから返還される、こういうことでそのあとのところの注釈を私は長くなると思ってつけておりませんけれども、意味は全く同様であります。
#15
○秋山長造君 今の大臣の御答弁の「しかしながら」からあとはちょっときのうと違っていると思う。きのうは懇談でいろいろやりまして、大臣はここまで言われたのですよ。われわれの方からじゃ〇・二五のうち半額の〇・一二五に当る十二億ですね。十二億出されるのですから〇・一二五出される。そしてそのあとの〇・一二五を地方が仮に出さない場合にも国の方から出す〇・一二五だけは必ず出されるのですね、と言ったら、それはもう地方が出す出さぬにかかわらず国の方の十二億、〇・二五は必ず出します、こうおつしゃった。そうして緒方さんや会計課長はそばでやはり肯いておられた。私はきのうここにいて、これはもう実に疑う余地のない、まことにはっきりしていることだと思う。
#16
○国務大臣(清瀬一郎君) そういう誤解があろうかと思って本日補正いたしたのであります。実際の意味は本日の通りと御了解をお願いいたします。
#17
○矢嶋三義君 大臣、これから文教の責任者として本院においでいただくし、私どもも委員としてともどもに文教関係の問題を審議して参るわけですが、よほど今後私はお心がけ願わなければ、この二三日の大臣の御態度では非常に不満を表明せざるを得ないのです。まれにみる優秀な弁護士であるからこういう事態が起るかと思いますが、昨日私は衆議院の文教委員会で御発言になった勧説、勧奨というのを伺おうと思っていましたところが、その前に大臣は衆議院で発言されたその言葉を参議院でわれわれの質問の前に訂正されましたけれども、あの言葉にしても、「かんせつ、かんしょう」というのは、新聞に出たあの活字を誰でも頭にえがくと思う。私は廊下で大臣に伺ったあの勧説、勧奨なる言葉は、今の日本のいかなる階層にも私はああいう漢字、用字例、ああいう術語は使われてないと思う。それはおそらく速記者諸君もあなたの言葉からいって、こんな字だろうといってあとで書きかえられたろうと推察するのですが、それを大臣はああいうふうに訂正をされました。それ以上に、本日ここで問題になっております十二億の問題については、これは非常に明快であったのです。それを大臣は少しも自分は誤まっておったというような、そういう気持はなんら現われることなく、単なる補足説明で、言葉が足りなかったというようなことで、そういうようなお心がけで今後委員会においでになったら、いつも白を黒、黒を白というような、法廷に立たれるような気持でこの委員会においでになっては、今後いろいろこの文教問題を審議していくのにまずいと思いますので、その点は大臣一つ今後御注意いただきたいと思う。現在のところのわれわれの一番大きな問題は、国家公務員なみに一・五〇がいかにして支給されるかということにあるわけですから、私個人としては、もうこれ以上今の大臣の発言に対して追及する考えは私はございません。で、これから一・五〇がいかにして地方教職員に完全に支給されるかという点にしぼって取り上げて参りたいと思うのですが、私の前言の点については御了承いただけると思いますが、いかがでしょう。
#18
○国務大臣(清瀬一郎君) ただいまの矢嶋さんのお言葉は私に対する親切な御注意と存じますからありがたく拝承します。言葉はよく練習いたします。
#19
○湯山勇君 私は今の問題は矢嶋さんいわれたようにこれ以上申す必要もないと思いますけれども、やはりこういうところをはっきりしておきたいと思うのですが、荒木委員の質問の要点は、修飾を除いて骨だけ一つ大臣ごらんになっていただけば、これは年末手当を増額しない場合においても配分するかどうかという質問です。これに対して大臣の御答弁は、はじめのほうの十二億の数字とか〇・二五は別として、お答えの要点はそうだ、こういうことなんです。これは御確認願えましょうか昨日の記録は。
#20
○国務大臣(清瀬一郎君) そう書いてあります。
#21
○湯山勇君 そこで、そうすると本日のお言葉ではそうじゃなくて、結局従来の交付金半額負担金の処理と同じような処理だ。ただ事前にそういう額を、何といいますか、措置するというだけのことで、出さなければ当然取り上げるのだ、こういうことになるわけですか。
#22
○国務大臣(清瀬一郎君) 繰り返すようですが、国庫負担は一種の補助金というものですね。補助金であったら、やることがきまってから補助をするのは当りまえですけれども、本人がそれでは不利益だというので、それがきまらぬでも、ともかくも一たんは地方にそれだけを配付をするのです。しかしながらその地方において年末手当をやらぬという場合にはそれはどうします。やはり精算するのほかはない、こういう結果になるのですが、それは言わぬでも知れたことでありまするけれども、今この問題が非常に大切な問題になっておりますから、いやしくも誤解が委員会内において、また委員会外において起りましては非常によくないと思って、補正をして疑いなきようにいたしたのでございます。私の言葉が足りなかったということ、また勧説勧奨のこと、これも言葉がよくなかったのでしょうが、それは今後値しもうと思っております。
#23
○湯山勇君 それではその問題はそれだけにいたしまして、お尋ねいたしたいのは、この十二億という措置をなさってもなさらなくても、地方が出す出さないということに対する影響は、今大臣が補足して御答弁になったような観点に立てば、大して影響ないと思うのです、と申しますのは、あの半額負担の建前によれば、国が十二億の予算措置をするしないにかかわらず、地方が出せば当然国は出さなければならない、自動的に出さなければならないような法律になっております。従ってこれを十二億どうこうしたということはただ事務手続だけの問題であって、政府部内の、地方に出させることを、大臣のお言葉で言えば、勧説勧奨することにはならないと思うのです。これは大臣どうお考えでございますか。
#24
○国務大臣(清瀬一郎君) はなはだ弱いではありまするけれども、私は地方に出させるに非常に都合のいい処置だと思っております。たとえば教職員は地方の当局に迫るのに、政府は一体出そうといって半額まで提供しているじゃないか、もうあとの半額さえ都合してくれたらもらえるんじゃからして、どうか早う出してくれと言うのに非常にいい武器になりますよ。
#25
○湯山勇君 それは半額負担という制度がなければ、大臣のおっしゃる通りです。またこの率がきまっていなければ、たとえば二分の一以内を負担するというような法律であれば、二分の一もらえるのか、三分の一もらえるのかわからない。それを二分の一措置してくれたから、これはありがたいと思いますけれども、何もおっしゃらなくても、これは自動的にもらえる金です地方が組みさえすれば。だからこの問題は半額負担の十二億を措置するしないの問題ではなくて、残りの半額ですね、地方の持つ半額に対してどう一体政府が手をお打ちになるか、あるいは文部大臣がそれについてどう努力をされるか、それが重点だと思うのです。これは大臣は今非常に有効な手だとおっしゃいますけれども、そうではないのです。おわかりだと思いますけれども、さっきの御答弁御修正になったことがよくおわかりですから、だとすると、私の申し上げることもよくわかっておられると思いますから、その点について一つどうなさるおつもりなのか。
#26
○国務大臣(清瀬一郎君) それでまだその上に、地方の方で手元が御都合が悪ければ短期融資で貸してもあげよう、これだけしてあるのです。それからまだその上に、自治庁なりあるいは文部省もその意味において適当な通知、通達等も行くことと思います。まるっきり地方の教職員を裸でほうり出そうという、そんな冷酷なことを考えておるのではなくして、中央の政府としてはできる最大限度をしておるつもりでおります。
#27
○矢嶋三義君 この問題は国家公務員並みに地方公務員に、ことに義務教育学校教職員に一・五〇が出れば今の十二億問題は氷解する問題です。従って私は年末手当を支給して、その精算をするときに小中学校関係の年末手当に対する国庫支出が十二億を下回った場合には、これは大臣のきのうの発言と結果が食い違ってくるから、そのときはあらためて私は責任を追及するつもりです。しかし私は今後大臣の努力によって、さらに文教問題は万々知り尽している竹尾政務次官が控えられておるわけですから、そういう方々の努力によって一・五〇というものは国家公務員並みに結論的には出るようになると、かように私は考えますので、今十二億問題に対するところの追及は一応私はこの段階ではとめておいて次に入りたいと、こういうように意思表示したわけですが、ここで私は承わりたいのですが、今湯山委員の質問に対する答弁でお答えになりましたが、昨日の大臣は、地方公務員はまま子扱いにはしない、国家公務員に準じて出すようになっているのだから、これは出さるべきだ、また自治庁長官とも一・五〇が出されるように地方の当局が努力して出すように通達を出してもいいと、こういう意味の発言までされたわけですが、昨日から本日にかけて大臣どういう御努力をなさったか、その結果の御報告をまず大臣から承わって、それからそのあとで、竹尾政務次官は、これは一切私は知り尽しておられると思うのですよ。そうしておそらく例年の問題であるし、これはまま子扱いにしてはならない。地方公務員の教職員に出してやらねばならぬ。それにはどういう技術的な方策もあるとまでもお考えいただいておるわけですが、大臣の御答弁のあとで政務次官の現状分析並びに今後将来に対する見通し等も承わりたい。場合によっては懇談会等によって話を進めていきたいと思うのですが、まず大臣から御答弁を承わりたいと思います。
#28
○国務大臣(清瀬一郎君) 昨日閣議が決定いたし、この委員会で御説明申した、後に文部省よりは大蔵省に交渉しまして、概算交付を折衝いたしました。おおむね折衝の効果は得ておると思っております。
#29
○矢嶋三義君 それは十二億の問題でしたね。
#30
○国務大臣(清瀬一郎君) きのうからきょうまでどういうことをしたかとおっしゃられますから、きのうから今までの間は、その十二億を確保するためにいち早く折衝交渉してこれは確保しようとしておるのであります。そのあとのものについては、二度の閣議決定もできませんので、まだその提案はしておりません。
#31
○政府委員(竹尾弌君) 義務教育諸学校の給与につきましては、私はかつて衆議院の文部委員長に就任した当時から、できるだけ先生方に豊かなる給与を差し上げたいと、こういうことで制定したのが御承知のように義務教育費半額国庫負担法でございました。その当時を回想いたしてみますると、自治庁に千二百億のいわゆる平衡交付金がございましたが、その中で驚くなかれ七百七十億という予算を文部省にひもつきにいたしまして、そうして何とか給与を確立したいと、こういう熱意に私は燃えておりまして、当時ずいぶん私は党内からも反対があって組合の回し者だと言われ、それから総理大臣からはけしからぬ文部委員長であるといって非常なおしかりを受けたのでありますが、それを乗り切って私は矢嶋さんとも当時廊下あたりで何回かお目にかかっておりますが、そういう苦労をして作りました法律でございます。その結果、きょうに至りますと、まことに私は、われわれはよきことをしたと思っておりますが、この財政窮乏の折から、あの法律がなかったならば、平衡交付金の中からタコの足どころではなく、胴から何から何までみんな切りとられて、そうして各地に俸給不払いの大混乱が起ったであろうというようなことも私考えるのですが、非常にいい法律であったということを今でも思っております。それほど私どもは先生方の給与に対しましてはいろいろと今も頭を悩ましておりまして、昨年のこの期末手当の支給に当りましては、先生方には御承知の通り超過勤務の制度がございませんから、日直、宿直費をとにかく繰り上げて支給をする、ああいうような非常に変則的なことをやったのでございますが、これは松村前文相もそういうことは絶対もうできないというような気持になりまして、またここにおられる清瀬新文相もその点には非常に頭を砕かれて、これは法律改正以外には方法がないのだという、こういう強い発言を、おそらくこれは閣議のことはよく存じませんが、それほどの御決意をこの十日ばかりの御検討に照らして非常に強く要求されたのではないかと思われます。そこで今度の〇・二五は、これはいわゆる給与法の改正というような形で出ると思いますが、今御心配になられておる十二億円の地方負担分につきましては、ただいま文相がおっしゃられた通り、これは短期融資というようなことでまかなわれるような状態になる県もあろうかと存じますけれども、要は政府はこれは負担金でございますから、大臣は補助金に類するとおっしゃられましたけれども、補助金よりははるかに私は強いと思いますが、負担金であって、この負担金を政府で出す以上は地方がいかに困窮しておってもこれだけは私は出さざるを得ないのじゃないか、きわめて抽象的な見通しでございますが、どうしてもこれは給与法の改正までしてせいぜいやると、こういうのですから、その点はまあ一つ御安心願って差しつかえないのじゃないかと、かように存じております。
#32
○秋山長造君 今の大臣なり次官なりのお話しと結論的にはやっぱり同じことと思うのです。多く言う必要はないので、実は昨日衆議院の地方行政委員会で、自治庁長官が、教員をも含めて地方公務員全体についての年末手当の問題について一・五はあまねく行き渡るように一つ十分に努力をするという言明があったのです。願わくば文部大臣におかれても自治庁長官もそのように言明しておられる、文部大臣もこの委員会で同じような言明をしておられるわけです。一つすみやかに自治庁長官と十分御協議下さって、そうして結論的に年内にこの一・五の年末手当が全国の津々浦々の教員の手元に行き渡るように特段の努力を下さると同時に、それを確保するだけの具体的の何か通牒その他において行政措置をしていただきたい、そういう御用意があるかどうか、もう一度念を押してお伺いしておきたいと思います。
#33
○国務大臣(清瀬一郎君) 太田自治庁長官も地方公務員が差別されるということは非常に残念がっておられまして、この点については非常に熱心でございます。むろん自分の省のことでありますから、当然のことでありますけれども、教育公務員に対して文部省においても全く同様の希望でありますから、同長官とともに最善の方法を講じます。いずれこの改正法が、きょう提案したかと思います。それが通過いたしますれば、その法律の施行運用について当該省としては何か表明すべき問題については最善の計画をいたしたいと思っております。
#34
○湯山勇君 御趣旨よくわかりましたが、実は今朝ほどの新聞に、知事会議の方では、国が地方負担分に対する財源措置をしなければ、年末手当では責任をもたない、出ない場合の責任はあげて政府にあるという声明のようなものを出しております。これは大臣御承知でございましょうか。
#35
○国務大臣(清瀬一郎君) その新聞は見ておりませんけれども、知事諸君がそういうことを言っておられることは言葉で聞いております。しかし政府としては内閣決定の通りにいたすのだから、法律が通過しますれば、地方についても地方なりの決心をしてもらいたいという意味のことを申し上げておるわけであります。これ以上さらに大蔵省に出せといっても、これは実際問題としてむずかしいですよ。
#36
○湯山勇君 そこでこれは次官は御承知かと思いますけれども、以前に〇・二を増額になったときに、全国でただ一つ出さない県がございました。これは知事を呼びまして、委員会でいろいろやった例もございます。そこで今回の場合にも、おそらくでこぼこも、ある段階では出るのではないかと思います。そういうときには、一つ個々にこれだけ財源措置をしているとか、融資の措置をしているということでなくて、出せない府県に対しては、教育者のために個々に当ってでも勧説、勧奨、大臣が言われる勧説、勧奨をなされる、そういう程度までの御決意をお持ちになっていられるかどうか。
#37
○国務大臣(清瀬一郎君) そのときに応じて考えます。
#38
○矢嶋三義君 大臣、筋の通ったことであれば是非お互いにやりたいと思う。その立場から私は伺うのですが、給与担当の河野国務大臣の主張というものは、公務員から争議権を取り上げ、そうして人事院というものができた。従って人事院の勧告というものは尊重してしかるべきだ。第三次鳩山内閣はそういう立場において人事院の勧告を尊重して〇・二五というものを、これは法律改正をしてやるのだ、これが内閣の考え方なんですね。その結果としてこれに国家公務員に準じてやるとすれば、小中学校、高等学校の教職員関係で二十九億、地方公務員全部で約五十八億ほどというものが要る。この五十八億というこの数字は新たに生じたところの財政需要で、新たに生じたということは、今言ったところの人事院勧告を鳩山内閣としてはこれを尊重して受け入れるのだ、この考えのもとに新たに生じたところの財政需要、このたびの国会で百八十八億の地方財政に対するお手当をしたわけですが、この百八十八億を出すときの数字の中にはこの五十八億というものは入っていないわけなんですね。だから新たな政府の一つの政策として五十八億というものが出てくれば、当然私は一貫した筋から考えてこの、五十八億に関する限りは政府は何らかのやはり措置を考えられて私はしかるべきだ、そうでないと筋が通らない。従って私は当面具体的に国家公務員に準じて都道府県では出せ。そしてその結果生じたところの新たな赤字ですね、それについては次の機会に政府で何とかこれに関する限りは面倒を見ろと、こういう法律化しなくてもそういう気持が都道府県首脳者に私は通ずることが、当面私はこの問題を解決するのに一審大事なことだと思うのですが、そういう政府側の肚ですね、これを都道府県の首長に対して通過するような措置を、文部大臣自治庁長官、それに河野所管大臣、こういうところで協議の上通ずるようにしていただきたいと思うのですが、いかがで、ございましょうか。
#39
○国務大臣(清瀬一郎君) 今のあなたのお言葉の通りには表現的に考えてはおりませんけれども、しかしながら地方公務員、地方公立学校教職員が国家公務員または国立学校の教職員と同様な待遇を受くることは、こちらが言わぬでも法律の命ずるところなのです。ですから法律の命ずるところが行われるようなふうには何かの方法で意思を通ずるということには異存ございません。けれどもあなたのおっしゃるロジックそのままをづけづけ通達することは、あるいは困難かもわかりません。あるいは会同を求めて話し合いすることもありましょうし、通知、通達のことも法律が発布されればその機会にきっとしなければならない慣例ですから十分了承しました。
#40
○湯山勇君 今のと直接関連はないのですけれども、大体半額負担の文部省側の予算を措置するときには無前としては地方財政計画もそれに応じた修正をするということが建前であると私思います。そうすれば当然今の問題につきましても、それは今補正予算を組むとか、あるいはただいまどうするとかいうんじゃなくて、いつか適当なときにはそれに対する考慮を払うと、非常にまあ何といいますか、漠然たる言い回しですけれども、何かの考慮は払うべきだと思うのですが、大臣はそのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#41
○国務大臣(清瀬一郎君) それはその通り考えております。ことに地方において条例のないところがありますね。それなどはやはりそれと同じようにするための条例を設けなければなりますまいね。そういう勧告は自治庁の方からすべきじゃないかと考えております。私はそう考えております。
#42
○湯山勇君 そこでもう一つお伺いしたいのは、大臣はあるいは御存じないかもしれませんが、本年度の地方財政計画のときに百四十億ばかり不足いたしました。その不足を補うために特に地方教員の昇給昇格財源を中心にいたしまして九億八千万の削り落しをしております。それは理由とするところは、最初自治庁で計算したのは二十九年の十二月を基礎として計算すればこれだけ、ところが文部省の指定統計は二十九年の五月しかないので五月を基礎にすれば九億八千万だけ落してもいいと、こういうことになるというので、二十九年五月の上に三十年度の分を積み重ねたために九億八千万の穴があいております。そのために今次官がおっしゃったように昇給昇格できないところができておるということですけれども、これが大きな原因をなしておると思います。で、予算委員会における自治庁の答弁は、これはもう当然しなければならないものだから歳出計上の繰り延べの形で措置するのだというような話しでございますけれども、今回の補正の中に、今回補正になりますね、その中にはこの落された九億八千万は含まれておるかどうか、こういうものがちゃんとなされれば地方の方も信用して一・五も出やすいと思うのですが、これは措置されておるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
#43
○政府委員(緒方信一君) 私からお答え申し上げますが、今湯山さんのお話しの九億八千万でございますが、当時この数字につきましては私ども調べたのでございますけれども、そのときの経緯につきまして、ここでまた繰り返して申し上げるまでもないと思いますが、まあ今後の問題でございまして、今その次の財政計画にどうかというお話しですが、これはまだ私ども、はっきり確かめておりませんが、来年度の財政計画につきましてはいろいろな点につきまして是正の道をはかるということになっておりますので、十分打ち合せてみたいと思います。ちょっと具体的にその後どうなっておるかということを的確にちょっと明言できないと思います。
#44
○秋山長造君 今の問題ですが、今度の国会に提案されておる昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案、この中に交付税の特別交付金の単位費用の表が出ておる。これはちょっと見ますと、今度の百六十億という内容は主として公共事業関係ですね、ですから恐らく今の九億八千万というのはあの百六十億の中には入っていないんじゃないかと思うが、もしそういうことだと、これはわれわれから考えると、これはとんでもない問題だと思う。まあこれは大臣としても今局長のおっしゃったように、これはもうあの当時から非常にいわくつきのこれは重要懸案になっている、これは是非一つ至急にあの百六十億の今度の財源措置の内容をお調べになって、まあこの九億八千万程度のものは是非確保していただかなければならないと思うのですが……。
#45
○政府委員(緒方信一君) 私も、百六十億の単位表が渡っておるものは私もちょっと見まして存じておりますけれども、それに対する現在の計画はまだよく承知しておりませんので、調べました上でお答え申し上げたいと思います。
#46
○湯山勇君 それはこの次の委員会に必ず一つ御答弁を願うということで……。
 それから当時は補正予算は絶対に組まない、いかなる形においても補正は組まないのだという建前のもとに繰越計上というようなことの答弁があったわけです。今日今のように交付税交付金に対しての特別会計にしても補正が組まれる段階においては当然措置されなければならない問題なので、それが措置されないということになればこれは非常に大きな問題ですから、一つその点十分大臣にもお話しをいただいて措置するように願いたいと思います。
#47
○政府委員(緒方信一君) よく調査いたします。
#48
○秋山長造君 ただいままで年末手当の問題を中心にして質疑応答を続けてきたんですが、この問題は政府側にとりましてもまたわれわれ委員側といたしましてもこれは非常に重要な問題であり、しかもこれはぜひ実行してもらわなければならん問題でもある。それでこの際この委員会の決議として政府において〇・二五の年末手当の実施をぜひ確保すべく努力してもらいたいというような決議をやったらどうかと思います、委員会の意思表示として。この点御提案したいと思います。お諮り願います。
#49
○湯山勇君 速記をとめて懇談に移って、いただいたらどうかと思います。
#50
○委員長(飯島連次郎君) それでは速記をとめて。
  〔速記中止〕
#51
○委員長(飯島連次郎君) 速記を始めて。
 ただいま秋山委員御提案の決議の件につきましては各会派にお持ち帰り御相談いただくことにし、明日の議事散会後、理事会を開いて協議することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○安部キミ子君 公報にそれでは委員会を開くということを出していただけますね。
#53
○委員長(飯島連次郎君) さよう決しました。
 では本日はこれで散会いたします。
   午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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