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1955/12/16 第23回国会 参議院 参議院会議録情報 第023回国会 文教委員会 第7号
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1955/12/16 第23回国会 参議院

参議院会議録情報 第023回国会 文教委員会 第7号

#1
第023回国会 文教委員会 第7号
昭和三十年十二月十六日(金曜日)
   午後三時七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十五日委員有馬英二君、湯山勇
君及び秋山長造君辞任につき、その補
欠として遠藤柳作君、上條愛一君及び
木下源吾君を議長において指名した。
本日委員遠藤柳作君辞任につき、その
補欠として有馬英二君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     飯島連次郎君
   理事
           有馬 英二君
           川口爲之助君
   委員
           大村 守江君
           堀  末治君
           吉田 萬次君
           村尾 重雄君
           矢嶋 三義君
           高橋 道男君
           竹下 豐次君
  国務大臣
   文 部 大 臣 清瀬 一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工樂 英司君
  説明員
   文部大臣官房総
   務課長     齋藤  正君
   文部大臣官房会
   計課長     天城  勳君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○教育、文化及び学術に関する調査の
 件
 (昭和三十年度及び昭和三十一年度
 文教予算に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(飯島連次郎君) ただいまから文教委員会を開きます。
 まず理事補欠互選を行います。互選の方法は前例により委員長の指名によりたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(飯島連次郎君) 御異議なければ委員長は有馬英二君を理事に指名いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(飯島連次郎君) 次は本年度文教予算でありますが、文部大臣から御説明を承わりたいと存じます。
#5
○国務大臣(清瀬一郎君) ごあいさつかたがた弁明をさしていただきます。
 参議院のこの委員会においては、文教につききわめて熱心に御調査下され感謝いたしております。ただ文部省におきましては中途大臣がかわりましたのと、先月十五日に党の方針も確定いたしましたので、当初事務当局が考えておったことを幾分追加なり、同じことでも集約の方法を変えましたので、大蔵省に対する請求も自然違うことになりまして、いまだほかの省と均勢を得たような、今こういう予算を作っておるということまでは行けないんでございます。しかしながら衆議院の文教委員会にも党の調査委員会にも出しました私どものやり方がございます。それをお控え下さるかわりにノートとしてごらん下さるのと、そう言うておるうちに一本だけはややきまったものがございますんです。一本と申しますのは教育の機会均等とそれから科学教育と社会教育とこの三本立てでおりまするが、社会の方でややきまったものがございます。その数字はまだ未定ですけれども、そのことをごらん下さいまして、その程度で本日は係より御説明申し上げたいと思います。
 なお口頭で説明しただけでなく、この基礎となるものですね。たとえばこの一番初めの学童が一体どういうふうなふえ方をするか、それに従って教師がどれだけ要るかといったようなこと、中教審等ではどういうふうな答申をしておるかというような参考資料は今急に謄写を刷っておりまするから、休会の間でも便宜委員長なり委員の方々に御配付申し上げて、次期国会の御審査をすみやかにしたいと、かように考えております。やや不満足な点もございましょうけれども、会計課長よりまず一応われわれの請求しておる予算の全貌を一つ説明させていただきたいと思います。
#6
○説明員(天城勳君) まず御発言の趣旨によりまして、三十一年度予算要求の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一番目は義務教育費国庫負担金の関係でございます。三十一年度は前年度に比べまして小、中学校児童合せて約五十二万の増がなお見込まれますので、これに伴い教員増を進めなければなりません。その教員の増加の見方については技術的に地方財政との関係がございまして若干問題が残っておりますが、大体一万三千ほどを現在のところ要求いたしております。
 それから第二番目は便宜準要保護児童対策という名で呼んでおりますが、中身は教科用図書の給与と学校給食費の補助でございます。教科書の給与につきましては、二十七年から新たに入学する一年生に対して国語と算数の教科書を国が無償給与するという法律がございましたが、二十九年、三十年と補助金の整理の関係で中止になってきておりますが、来年度はこれを復活するという、単に復活するという考えではなくて、少し構想を新たにいたしまして、いわゆる生活保護対象に準ずる児童に対して小学校一年から中学校の三年までの全児童生徒を対象に全教科書を給与しよう、こういう方向に変えたわけでございます。大体四%とその数字を考えまして、これは五億三千万という計算が大体できております。
 それから学校給食につきましても、前々から国会の御意見もございますし、付帯決議の線もございまして、同じように準要保護児童に学校給食費の補助をいたそう、これも同じように四%を考えておりまして、三億四千万ほど計上を要求いたしております。
 それから第三番目に初等中等教育関係の振興費でございますが、内容としまして理科教育の振興法、それから学校図書館法、産業教育振興法、定時制及び通信教育の振興法、僻地教育の振興法、こういうような振興法がございまして、これに基いて補助金が公共団体に出ておりますが、これはそれぞれ従来から基準を立てて、その基準に充当するまで国が補助するという制度を立てておりますので、その計画を大ざっぱに申しましてそれぞれ大体倍額ほど現在要求いたしております。これだけで大体前年度十五億ぐらいでございましたけれども、今度は三十億ほどになります。その中で僻地教育につきましては新たにスクール・バスとかあるいはボートというような通学上の便宜をはかる経費を加えたい、そういう新しい要素をこの中に含んでおります。
 それから第四番目は特殊教育の振興でございますが、これは御存じの就学奨励法がございまして、現在盲ろう学校の小学部、中業部に対しまして一定の就学奨励の補助金が出ておりますが、これもその当時から付帯決議の線がございまして、高等部ないしは幼稚部にまでこれを及ぼすべきである。こういう線がございましたので、来年度はその線を織り込んで、特殊教育の振興をはかりたいと、こう考えております。なお最近盲学校の高等部の教科書の需要に関していろいろ問題がございますので、点字教科書の出版を促進し、これが少しでも容易に生徒の手に渡るような方策をこの中に盛り込んでおきたい、こう考えております。
 第五番目は育英事業関係でございますが、育英会に対する国の出資金でございますが、明年度は奨学生の採用率の引き上げを中心に考えていきたい。一現在大学の学生の大体二〇%を対象にいたしておりますが、これを二二%ぐらいに上げて対象を拡大していきたい、これを中心に考えております。それから学生寮の建設は本年度三千万円計上されまして建設が進んで参りましたが、非常に歓迎されております線なので、明年度はこれを三倍程度に拡大したい。九千万ほど要求いたしております。
 それから第六番目が科学振興関係の経費でございますが、これは科学研究交付金その他科学系統の研究の交付金と、その他中身は非常にたくさんございますけれども、大きな線といたしまして、この科学研究費の増額と、それから新たに特殊研究といたしまして、時代の要望もございまして、ガンの研究と地球電磁気の研究を新たに加えたい。そういうものを含めまして本年度十三億経費がございますが、大体明年度これを二十億前後、大体二十億ぐらいでございますが、要望いたしております。
 それから七番目の国立大学、それから付属病院、付属研究所、付置研究所の関係におきましては、原則といたしまして学部、学科を新設するということよりも、既存の研究、教育の基礎を充実する、そういう考え方で、基準経費の引き上げということを中心に考えまして、その他学問上特に必要と考えられております航空学科あるいは原子力に関する基礎研究、あるいは医学関係でヴィールスの研究、これらにつきましては新たに学科や部門も増加いたしますが、その他は原則といたしまして差し控え、教官研究費のような基準経費の引き上げを中心に考えていきたい、こういうふうに考えております。それから科学振興関係の経費に属するかと思いますけれども、南極探険の陣容に日本も参加することになりまして、その経費を明年から三十四年度にわたって計上することになっております。ここで約十四億と書いておりますが、これは実はまだ現在のところ最終的に決定いたしませんで、あるいはこの額が上廻るのではないかという見通しでございますが、三十年度から三十四年度にわたりまして南極探険の経費を年々計上することになりました。この総額は仮に今十四億ということを言っておりますけれども、この経費は文部省の経費だけではありませんで、関係各省の経費を総まとめした経費でございますので、これをそれぞれの省において分担して要求することになっております。最終的には目下検討の最中でございますが、数字的にはもっといっております。
 第九は文教施設関係でございますが、三十年度七十八億、このうち国立が二十億で公立が五十六億ございますが、両者合せまして大体倍額ほど要求しております。国立につきましては、昨年度から三カ年計画のプランがございますので、その第二年目という線で要求しておりますし、公立学校も従来の計画に基きまして来年度分を要求しておる形でございます。私立学校の振興関係でございますが、これは私立学校振興会と私立学校教職員の共済組合の経費、振興会の方は国の出資金でございますし、共済組合の方は事業費の補助でございます。振興会の方は出資金を出す金でございますけれども、共済組合の方は百分の十五という率がきまりましたので、それに伴って当然渡すべき金、自動的に増加してきた金を含めまして私立学校関係で大体倍額になると思っております。
 社会教育関係でございますが、これは今大臣から申し上げました通り党の重点施策になっておりまして、新たに組み替えを考えております。それがほぼ内部的にはまとまりましたので別途刷り物にして差しあげておりますが、その金が大体五億四千万円くらいの合計になっておるかと思っておりますが、そのほかに、直接文部省関係ではございませんが、アジア・オリンピック大会というのが明後年に控えておりますので、そのために国立競技場を作る、こういう構想がございます。その金額は今申し上げました金額のそとに官庁営繕費として建設省を通じて要求いたしております。
 それから十二番目の文化財保存事業関係でございますが、これも従来の文化財保存事業、防災でありますとかお城の改築、そういうものを含めておりますが、ここにカッコ書きをしておりますように国立劇場を含むというやはり構想がございまして、これも五カ年計画くらいの案になっておりますが、来年度できれば第一年度の建設の経費を第一次という意味でこの中に含めて要求して総額九億くらいの金になっております。
 それからなお付言いたしますけれども、公立学校の文教関係でございますが、従来の基本線を伸ばしていくということを申し上げましたけれども、その後新たに一つ町村の合併が進行して参りましたのに伴いまして、合併町村における学校統合のための補助金、こういうものが新しい構想として必要だ、こう考えましたので、これをあとから追加して公立学校の文教施設に加えております。備考にもございますように三十年度文部省予算が千二百三十七億でございますが、今まで申し上げましたところを、大体のところをしめてみますと、大体二割五分くらいの増になっております。備考の第二にございますように教科書制度あるいは教育委員会制度につきましては、なお制度そのものについては検討を進められておる段階でございますので最終的な数字は出ませんし、大蔵省にもこれは若干遅れるということを申し入れまして、きまり次第に明らかな数字を出そうという考えであります。きわめて簡単でありますが、概要を御説明申し上げました。
#7
○矢嶋三義君 若干お伺いします。まず第一にこれと関連がありますが、これとは別個な問題として、このたびの特二号の特別会計の補正予算について公共事業費等から約八十八億円の財源捻出をするという問題に関連して文部省関係で公立学校施設の補助金として既決されておる五十六億円、その約一割の五億四千八百万円が文部省に割り当てられたというように私たち伺ったわけでございます。そうして文部省としてはすでに本年度の施設関係の既決予算は全部都道府県に分配済みでございますので、いよいよ五億四千八百万円を浮き出すということになると、今までの大蔵省に留保しておる部分を除いた約三億六、七千万円というものはすでに配分してある金額を各都道府県から吸い上げなくてはなりません。これは非常にまあ重大な問題で、私は昨日大蔵大臣にこの点ただしましたところが、すでに配分を了しておるところの補助金等について返還を指示するというような、そういう形はとらないということを昨日大蔵大臣は予算委員会で答弁しました。従って例年施設関係ではこの繰り越しが行われるそうですが、自然に生じたそれを文部省は払い出せばいいのであって、たとえば各都道府県に配分の終了した補助金を指示示達をもって吸い上げるということは、これは内閣の方針としてやらないということを昨日明確に答弁しましたので、そういうことを文部省においてやられることなく、むしろ各地方で計画しているところの施設工事についてはすみやかに実施するように、むしろ督励すべき立場を私はとるべきだと思いますが、重ねて文部大臣にその点要望をいたしておきます。決して都道府県に配分終了しているものを、その計画を中止して一県五、六百万円ずつ返還せよというような、そういう指示、手続はとってはならぬわけですから、間違いございませんね。念のために言っておきます。
#8
○国務大臣(清瀬一郎君) 大蔵大臣言明の通りやっていきたいと思っております。またこちらとしてはなお寛大にいくような心持ちを持って進めておるのであります。
#9
○矢嶋三義君 ただいま施設関係を伺いましたが、ついでにこの施設関係で伺いますが、ここに資料が出ておりませんが、私は公けにされている文部省のこの施設関係の資料を調べてみたのですが、それによると、このいわゆる六三建築はまだ約百万坪から仕事をせにゃならぬ。それから危険校舎についても約百五十万坪の仕事が今残っているというわけですね。これを五年あるいは六年の計画でやるとしても今のわが国の財政状況から予算に織り込むには相当難儀をされるでしょう。さらに不正常授業で約三十七万坪という計算を文部省当局ではしているようでございますが、従って私はここに大臣に伺いたい点は、鳩山内閣で経済六カ年計画あるいは防衛六カ年計画、さらに厚生省としては社会保障六カ年計画というようなものを打ち出されて、そうしてこれらを関連ずけて強力なる施政をされようとしておりますが、やはり私はこの義務教育の無償とか、あるいは教育の機会均等という立場を推進していくためには多年にわたって努力しながら、なおかつ今私が申し上げるような、今からやらなければならないこの施設問題があるとすれば、公立学校さらに国立学校を通じてこの際私はこの経済六カ年計画あるいは防衛六カ年計画とマッチしたところのこの教育施設整備六ヵ年計画というようなものを私は文部省で立案されて、そうしてこの鳩山内閣の政策の中に大きく打ち出し、一、二年でできなくても五年のうちには保守鳩山内閣として考えられている防衛計画、それから経済自立の計画、それらと憲法に打ち出されているところの文化国家の建設という立場から、そういう施設整備の計画というものは具現されるようにしなければ、私はその年々にできるだけ予算を一つ割愛していこうというような、そういう立場でやっていったのでは私はなかなかこの今の日本の置かれている立場からくるところの予算の性格から容易でないと思うのですが、丁度私はいい時期だと思うのですが、大雨としてはそういうお考えはございませんか、承わりたいと思います。
#10
○国務大臣(清瀬一郎君) 一方の方で国家の財政及び経済についてああいう長期計画をいたしておりまする以上、文部省の経費は国の経費のうちで非常に大きな部分ですから、そういうふうな研究もいたしてみたいと思っております。文部省の経費は御承知の国費の一割以上ですから、防衛庁とほとんど同じですから、これはやはり考えてみなきゃならぬことであります。ただ文部省のは、この子供のふえ方ですね、これが義務教育国庫負担の一番大きなアイテムですから、これはこの教育のほかの五カ年計画と違って小学生、中学生がどれだけ一体ふえるのかという数の推定をしておるのです。昭和三十三年が一番多いようなんです。それからまた下ってくるのです。この図表を次までに準備してお目にかけます。それからして学校の施設、これはもう日本は爆撃を受けてこうやっておるのですが、これも数年すればこんなに学校の施設といって大きな金をとらんでよくなるようにしたいと思っております。それと勘案いたしまして経済六カ年計画、ごく最近にああいうものができましたが、それに相呼応しなければなりませんが、従来文教施設五年計画とか、六年計画とかいっておりますけれども、そういう客観約なこの情勢で変更することがあるのです。よく研究いたします。
#11
○矢嶋三義君 国家財政の乏しい中にも私はこのやり方でできないことはないと思うのです。まあ事柄は違いますが防衛庁の施設設備の充実しつつある姿、それから各地方において行われている直営の営繕工事というものは実に立派に最近行われて参りました。これは国内を旅行してみればよくわかることです。ところが国立大学の施設設備というものは同じ国の直営の営繕工事でありながら遅々として進まずにびっこの形になっているという点を私はよほど調整をはかっていただかなくちゃならんのじゃないかと思います。従って決してこれはむずかしい問題ではないし、義務教育の無償という立場から府県は今までできるだけ努力して参ったわけですが、しかもなおかつ先ほど申し上げましたようなまだ未完の工事量があるわけでございまして、この際に私は先ほども申し上げましたような線によってさらに科学的に検討され一層努力されたい、その第一年度として昭和三十一年度の予算に折り込んでいただきたいということを要望しておきます。そこで私は具体的に伺いますが、一つは文教施設の点について、中学校においては講堂を持っていない、また屋内体操場が不十分だ、だから屋内体操場兼講堂という意味において寒いところも暖かいところも全国を通じてこの屋内体操場を整備する必要があるということは教育界で叫ばれております。従来寒冷湿潤地帯に対しては屋内体操場の建築について補助の措置がとられてきているのですが、暖地に対しては今までそれがなされておりません。これを全国に拡大してほしいというのはずいぶん強い要望であったわけですが、間接に承わるところによると、文部省は来年度からこの補助を全国的に一律に行えるように拡大するだけの予算を確保いたしたいという方針と承わっておりますが、さようかどうか、この点と、それから教育機会均等の立場から定時制及び通信教育というものの振興が要請されるわけでありますが、私が申し上げるまでもなく、この地方財政の窮迫等とも関係ありまして、定時制及び通信教育はややもするというと衰微の一途をたどりつつございます。これはいろいろ理由がございますが、その一つの大きな理由としては、やはり設備には若干の補助はされるようになっておりますが、施設をするのに対して補助というものがない、地方財政が窮乏しているだけに施設を整え得ないということが一つの大きな理由になり、また教育が充実していない大きな原因をなしております。従ってこの定時制及び通信教育の施設整備に対して教育の機会均等、勤労青年諸君の教育向上という立場から補助の道を開いてほしいということが長きにわたって叫ばれているわけですが、これら二つの具体的な問題について、いかように予算編成に当って措置されようとしているのか、お答えを願いたいと思います。
#12
○説明員(天城勳君) 中学校のいわゆる屋体の問題でございますが、従来積雪湿潤地帯ということに限って予算がついておりましたけれども、現場の必要が感ぜられまして、明年度は従来の積雪寒冷湿潤地帯以外に暖地も含めた予算要求をいたしております。
 それから定時制高等学校の施設費でございますが、ちょっと年度は忘れましたけれども、二、三年前までは少額ながらあったのでございますが、ここ二年ほどこの経費がとだえておりますので、ぜひ再びこれを復活したい、こういう意味で、定時制高等学校の施設の整備費の補助金の要求をいたしております。
#13
○矢嶋三義君 これらの実現についてはあえて大臣にお伺いしなくても、大臣固く決意をしていることでございましょうから実現されるように要請いたしておきまして、補助金の一般論としてさらに伺いたいと思いますが、それは理科教育振興法にせよ、あるいは図書館法、産業教育振興法等々、これら大部分は議員立法にかかるものでございますが、実際における運用の面において不合理な面があり、また不満を私どもは聞いております。一つ例を挙げますならば、たとえば理科教育振興法ができる前の方が自治体の当局からよけいに理科教育振興に対する予算を組んでもらえておったが、振興法ができたためにその基準に適応する程度しかこの自治体が予算を組まなくなったので、理科教育振興法ができたために予算はよけいもらえなくなったというような自治体はかなりあるわけです。おおむねそういう自治体というものは市に多いわけですが、すなわち財政力のゆたかなところに多いわけです。その根源をまあ探ってみますといろいろあるようですが、一つ大きな原因は、このたとえば光学機械なら光学機械を例に取りますと、この単価を非常に低くきめる、こういうようなところから、その金額が下回ってくる。従ってこの自治体から予算の中によけい織り込むことができない、こういう点があるようです。また産業教育振興法の何にしましても、基準があるためにいい学校はますます補助を受けてよくなっていく。ところが一つの水準以下のほんとうに最低の教育を行い得るまでに早く充実しなけりゃならぬ学校は、補助を受ける基準に適合しないために補助を受けなくて、そして充実することができない。だから現場に行ってみますというと、レベル以上の学校はますますこの法によって充実されていくが、レベル以下で早急に充実しなけりゃいかぬのは何ら法の恩典にあずからないというような、かような運営が行われておりますが、これはいずれも大事な内容でございますから、予算獲得に当って多額の予算を獲得しなければなりませんが、それと同時に予算要求をする場合にそういう運用の欠点も是正するという立場から、私は予算要求並びに編成をしなくちゃならぬと、かように考えておるわけですが、御所見並びに対策を承わっておきたいと思います。
#14
○説明員(天城勳君) 御指摘の振興法それぞれ基準がございまして、その基準に基いて補助金を出したのでございますが、御指摘のような単価、あるいは基準において必ずしも実情に適しないものがあるということは、私どもも重々感じておりまして、機会あるごとにこれの是正を考えておりますが、たとえば産業教育で御指摘のように一定の基準のあるもの、基準の一定の現有のものから伸ばしていくという線を従来予算の関係でやむを得ず進めて参りましたけれども、これがある段階まで参りますれば、さらに他にこれをひろげていく。それからたとえば単価の問題でございますと、学校図書館法の図書の単価が実情に即さない点がある、こういうような点も検討しまして、それぞれ明年度予算要求においては是正した基礎で予算要求をいたしております。
#15
○矢嶋三義君 次に立場は変りますが、やはり補助金関係でございますが、先般の委員会で文部大臣は教育の公共性が国公立同様にあるにかかわらず、私立学校の理科教育面が陥没しているので、こういう方面にも理科科学研究費が補助されなくちゃならぬので、さようにいたすつもりでありますという意味のことを答弁されておりますが、それは具体的にこの項目のどこに入っており、またどの程度やられる予定であるか、お答え願いたいと思います。
#16
○説明員(天城勳君) 十番目の私学振興という経費の項目に項目としては入れてございまして、「等」と書いてしまったのでございますが、この中に私立大学の主として理科系の研究の設備費、あるいは運営費の補助をいたそうと、こういう趣旨の金額を要求いたしております。大体今のところ三億五、六千万の金額となっております。
#17
○矢嶋三義君 次に育英事業について、大学は現行の二〇%を二二%に引き上げようということが言われましたが、高等学校の場合お述べになりませんでしたが、高等学校は現行三%であったかと思いますが、これを何%ぐらいに引き上げになりますか。これは非常に私は多年にわたる問題で重要な点じゃないかと存じますが、ぜひとも飛躍的な採用率の引き上げが必要だと考えますが、どういうふうになっていますか。
#18
○説明員(天城勳君) 先ほど大学のことだけ触れましたけれども、高等学校につきましても現在全日制が三%、定時制が二%という形でございましたのを、両者合せて四%まで、まだ不十分でございますけれども採用率を引き上げよう、こういう中身を入れております。
#19
○矢嶋三義君 大臣に伺いますが、この高等学校教育というのは終戦後義務教育に準ずるように取り扱われ、また義務教育に準ずる程度に非常にこの高等学校教育を受ける青少年が増加して参ったわけで、これは非常に私喜ばしいことと思うわけですが、最近このデフレ経済等も影響して全日制並びに定時制を通じて非常に高等学校の学生に困っている学生が多いのです。これが青少年犯罪の多い一つの原因にもなっているかと私は見ております。社会問題にもなっているかと思うのです。一方地方財政の窮迫から全日制並びに定時制を通じて授業料の引き上げというものが各都道府県に行われているのですね。大がいの、半数以上の都道府県は国立大学の授業料よりも高い授業料を高等学校の生徒から取っております。これは私は地方村政が窮迫しておる折からとはいいながら、国という立場から考えるとおかしな形態だと思っておるのです。そこで私はこれは歴代の大臣が育英会の採用率の引き上げには努力されて参ったわけで、それがいまだに実現しないわけですけれども、その当時の三%を最小限五%というのは天野文部大臣以来の歴代文相の問題なんでございます。今、課長は四%と言われますが、これは最小限で、私はぜひとも五%には引き上げるべきである、そういうように御努力願いたいと思いますが、これについて大臣の御答弁をいただきたい。
#20
○国務大臣(清瀬一郎君) 文部当局としては、できるだけ引き上げたいと心得ておるのであります。ただ、国の財政の現状にかんがみまして、今、会計課長の申す通り、従前の三%を四%、定時制の二%のところは倍の四%に今回は要求いたしております。国の財政の好転とマッチいたしまして、将来はさらに要求いたしたい、かように考えております。
#21
○矢嶋三義君 もう少し聞きたいと思います。それは、今度の自民党の政策の中にスポーツの振興ということがあります。私は、これは非常にけっこうなことだと思います。このスポーツの問題に関してですが、近くメルボルンにおいてオリンピック大会があるわけで、このオリンピック大会にできるだけ多数の選手を派遣するということは、スポーツ外交、国民外交という立場からも、私はきわめて高く評価していいと思うのです。ところが、伝えられるところによりますと、このメルボルンに派遣するオリンピック選手の派遣費が足りないので、競輪を特別に開いて、その競輪の収益をもって派遣旅費にする、という計画が発表されました。これに対して、日本の体育協会の一部では、特別に競輪を開いて、その利益によってオリンピックに行くというようなことは賛成できない、辞退する、というような声もあるわけですが、私は、これはごもっともなことだと思うのです。オリンピック大会というのは四年に一回しかないわけでございます。国費支出の多い折とは言いながら、競輪などを特別開いて、その純益で派遣するというような形をとらずに、浄財の寄付で足らない分はスポーツ外交、国民外交というような立場から、私は国費で補助金を出すべきだと思う。若干は予定されているようですが、体育協会方面とも十分検討されて、相当額を出さるべきものと思うのですが、大臣はどういう御所見を持っていらっしゃいますか。
#22
○国務大臣(清瀬一郎君) 世間の議論にも、一億も要るということですから、競輪等で金をあげようかという論もあり、文部省においてもその調査を進めておるのでありまするが、今矢嶋さんのおっしゃるようなものの見方もございまするから、さらにこれは検討することにいたしたいと思います。
#23
○矢嶋三義君 御検討願いたいと思います。
 次に、これは松村文部大臣が手をつけた問題ですが、わが国の学生の健康管理という立場から、学生健康保険というものが必要である、ぜひともやりたいというので、昭和三十年度の予算にその調査費が計上され、松村前文部大臣のお考えでは、三十一年度から発足させたいという構想を持たれておられたわけでございますが、私が非公式に承わっているところによりますと、学生健康保険の創設についてはやめたというようなことでありますが、それがほんとうなのかどうか。それからどういうわけでおやめになるというように方針をお変えになったのでございますか。最近の学生の健康状態並びにわが国の学生生活の実情からいっても、私は、学生の健康保険制度の創設というものは促進しなければならない状況にあるのではないかと思うのですが、大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#24
○国務大臣(清瀬一郎君) 放棄しておるのじゃございませんが、これについていろいろまた議論が残っておるのであります。学生のごとき収入源のない人からプレミアムをとって保険ということもどうだろうかというので、一部の方から、さらに検討を要するという論がございましたから、これは留保いたしております。やらないということにまだ決定はいたしておりません。
#25
○矢嶋三義君 留保をしているならば、関係者並びに有識者をもって早急に御検討いただくよう、そうして三十一年度から具体的な発足ができるように努力願いたいと思います。
 次に伺いたい点は、昨年度の予算案においては、新生活運動の所要予算というものは文部大臣所管になっておったわけでございますが、この新生活運動は、第三次鳩山内閣は依然としてこれを推進する、しかし、これを内閣所管の方に所管がえをされるというようなことを先般承わったわけでございますが、念のために、その理由を承わっておきたいと思います。
#26
○国務大臣(清瀬一郎君) これは別段深い理由はございませんです。去年文部省の予算の中に、公民教育等と一緒にあわせて出しましたが、新生活運動という項は設けないで、そこへくっつけたんです。しかしながら、新生活運動自身は必ずしも文部省所管の性質ではなく、あれは日常生活を合理的にまた文化的にやろうということで、国全体の心持ちのことでありまするしいたしまするから、予算の編成の都合上内閣の方に移してもらいました。しかしながら、われわれ文部省としては、もしお役に立つならば、十分に推進の力を惜しまないようにしたいと思っております。
#27
○矢嶋三義君 最後に、給与費関係を承わりたいと思います。給与定員関係ですね。
 その第一は、これは本委員会において、かつて政府委員から答弁されたところですが、大学院は、大学が充実しておって、大学院を置くからといって多額の予算を必要としないような大学に大学院を置く方針だ、こういうことを答弁されておりました。その結果として、大学の当局から聞いてみますと、定員増加並びに研究費等の格別の増額というものがないので、大学院を置いている大学、特に理科系統の大学は、職員が大へん不足すると、普通の大学と研究費の配分について若干の手心はしていただいているけれども、研究費が非常に不足をきたしているという声をよく聞きます。大臣御承知の通りに、今国立大学は七十二あるわけですが、昔の学術のうんのうをきわめるという、いわゆる昔の帝国大学というもの、それに匹敵するものは、新教育制度では大学院でございます。従ってわが国の学術、文化の向上という立場から大学院の充実というものは、私は非常に大切だと思うのです。従って大学院を設けた大学、ことに理科系統が不足なようですが、職員の充実と研究費の充実というものは、三十一年度の予算編成に当っては格別の配慮をされる必要が国力の充実という立場からも私は大事だと、かように考えるのでありますが、何らか考慮を払われましたか、また今後払われるつもりでございますか、承わっておきたいと思います。
#28
○国務大臣(清瀬一郎君) 科学教育、技術教育の振興というものは、先刻も申しましたように党の方針でもございまするし、私立学校について従前なかった理科教育の補助ということも考え、また国立大学についてもその充実をはかることは考えております。
#29
○吉田萬次君 ただいまの矢嶋さんの御質問に関連しまして、大学基準経費ですね、その講座研究費、それから教官研究費というふうなものをどの程度引き上げられるか、その数字を承わりたいと思います。
#30
○説明員(天城勳君) いわゆる教官研究費、講座研究費とも言われておりますが、教官研究費関係では、私たち実験関係と非実験関係と臨床とそれぞれ単価を分けておりますが、大ざっぱに申しまして、非実験に対しまして実験講座は現在でも大体倍になっております。それを今度は非実験のところで大ざっぱに申しまして現在の倍額ほど上げまして、これは必ずしも倍額はっきりしておるわけではございませんが、大体倍ちょっと以上になりますけれども……。
#31
○吉田萬次君 そうすると非実験が倍になって、さらにそれのまた倍になっておるわけですね。
#32
○説明員(天城勳君) 御承知の通り非実験は教授一、助教授一、助手一。実験になりますと助手二、特別実験。臨床になりますと助手が三、こういうふうに構成が変って参りますものですから、きっちり倍数が出ませんけれども、大体考え方としまして今申し上げたくらいの倍率を考えております。
#33
○吉田萬次君 臨床は。
#34
○説明員(天城勳君) 今の実験講座に対しまして助手の数が一名ふえるのでございます。ですから、そういう関係で参りまして、たとえば数字で申し上げますと、本年度非実験講座というのが大体二十五万ぐらいでございましたが、それを四十万くらいに考えております。それから実験講座は七十四万というのを百十五万ぐらい、臨床が百五十万ぐらい……。
#35
○吉田萬次君 今までは……。
#36
○説明員(天城勳君) 今までは八十万ぐらいでございます。それから、失礼しました。学生経費は、文科系、理科系とそれから医農工と学科によって単価が違っておりますので、来年度大体これも倍、五〇%増を考えております。文科系統が現在三千円程度でございます。理科系統が四千円、医科系統が四千五百円ぐらいでございますが、それの大体五〇%増ぐらいを考えております。
#37
○吉田萬次君 教官のほうはどうですか。一緒ですね……。よろしいです。
#38
○矢嶋三義君 少くともその程度の予算化ができるように、一そうの努力をお願いしておきます。
 そこでもう一、二点ですが、私は先般欧米に出張した場合に、各級の学校をできるだけ視察いたしましたが、そのときに一番感心したことは、うらやましいと思ったことは、一クラスの収容生徒定員数の少いということですね、大体三十五人が標準のようです。四十人以上収容している学校というのはむしろ変則のようで、私十校ばかり見たのですが、四十人以上収容しているクラスというのは、どこにも見ることができませんでした。日本の場合はいろいろ条件が違うわけですけれども、地方の県庁の所在地と、ちょっとした都市は大体六十人程度ですね、それに近い生徒を収容しているわけです。これは一つの大きな問題だと思うのであります。
 それから今度、先般高等学校の教科課程の改訂が問題になったわけですが、現行教科課程そのものが完璧であるとは、私は断言まではいたしませんが、欠点ばかりじゃないと思うのです。これが行き詰まった一つの理由としては、乙号基準を早く甲号基準にして、そうして有資格者を充足することによって、選択制がフルに、フルまでいかなくてもそれに近い程度に運用できるようになっておれば、あれほど現行高等学校の教科課程の欠点というものは現われてこなかったと思うのです。これは小中高通じて、教員の質ということが問題でございましょうが、量的に欧米先進国に比べて劣っているということは、これは私は否定できないと思うのです。従って一挙にはできないでしょうが、予算の編成に当って大蔵省に要求していくに当っては、やはりこの点は私一つの大きな努力目標でなければならぬと思います。言いふるされたことだから、私言う必要ないと思うのだけれども、離島を控えているとか、山岳地帯を控えているというような県というものは、小さな学校がたくさんあるので、この点欧州の平地あたりとは条件が違うと思うのです。十人とかあるいは二十人ぐらいのクラスがたくさんあるわけですから、そこをその現実というものを認めてとげないというと、ちょっとした平地の都市部の学校は、もう五十五、六人から六十人も入れなければ、教員配置ができないという事態が招来してくるわけで、こういう日本の地勢からくる要素というものは十分勘案して、小中高通じての適当なる職員の数の確保というものには、一段と私は努力しなければならぬと思うのですが、そういう交渉を自治庁当局あるいは大蔵当局とやっておられますかどうか、伺っておきます。
#39
○説明員(天城勳君) 御指摘の点につきましては、私たちもかねがね努力して参ってきておるのでございますけれども、率直に申しまして、たとえば、今御指摘の高等学校の経費などにつきましては基準財政需要額の算定におきまして、実情よりもかなり低いということが実証されております。本年度特に高等学校の経費につきましては、実態調査もいたしまして、明年度は地方財政の基準を再検討するという線がございますので、ぜひ高等学校の基準財政需要額の基礎をかえていただきたいと自治庁に強力に今話を続けております。
#40
○矢嶋三義君 最後にもう一点伺いますが、それは盲ろう学校の職員の給与の問題ですがね。あなたも盲ろう学校を視察されたことがあると思うのですが、ともかくこういう特殊学校の教育というものは容易でないのですね。だから、今までは盲ろう学校の教職員に対しては二号俸の加俸が行われておったわけです。それが近年なくなったわけですね。私はこの盲ろう学校教育に従事している職員には、また二号俸程度の加俸というものは認めるべきだと、そして、その方が普通の学校に帰ってきたらその加俸というものは切ればいいと思う。ともかく特殊の学校に勤めている間は二号ないし三号程度の加俸というものはみるべきだ、これが一点。
 それからもう一つは、幼児教育というものは各国ともきわめて努力をしております。特に共産圏の国の教育は幼児教育に力こぶを入れているのですね。まあ世界を通じて幼児教育の重要性というものは叫ばれておりますが、わが国もこの幼稚園の就学前の教育が非常に普及して参りましたが、そこで、多年にわたる問題としては、今の市町村立学校教職員給与負担法の一部を改正して、幼稚園の有資格教員に対しても市町村立小学校の教職員給与負担法を適用するのが然るべきだと、こういう意見と、またそういう教育関係者から強い要望があるわけですが、そういう御構想は来年度の予算案編成と関連をもつかどうか。私は一つの実現目標であり、また実現される努力目標でなければならぬと、かように考えております。で、最近ようやく認識されて参りましたが、幼児教育というのはおろそかにできない重大な問題だと思うのですが、この二点について私はお答え願っておきたいと思う。
#41
○説明員(天城勳君) 第一点の盲ろう学校の先生の調整号俸の問題でございますが、御指摘のように、従来二号の調整号俸がございましたが、二十九年の給与制度の改正のときにほかとの関係で現在一部に一号ついている形でございますが、これは私たちもぜひもとの姿に直したい、二号の調整号俸をつけたいと思いまして、人事院とも話をしておりまして、来年度の予算要求に実現したい、こう考えております。
 第二番目の公立幼稚園の教員給与の都道府県費負担の問題でございますが、これも前々からお話しが出ておった問題でございますけれども、御存じのように、公立幼稚園の設置が全国的に見まして非常にアンバランスでございまして、たとえば香川県とか徳島県のように、全国各市町村全部公立の幼稚園の所在するところもございますれば、また県内に公立幼稚園のないという県もございまして、府県の負担に上げました場合に、技術的にその財政措置が困難だということが一つの大きな理由で、今までお話しがあったときにいつも理由とされて参ったわけでございます。その事情は、なお今日も残っておりますので、その趣旨を実現するためにも、その点をいかに措置するかということなどが問題じゃないかと、関係局で目下その点を検討いたしておりますので、その結論はまだはっきり私存じておりませんが、幼稚園教育の振興の方策として、いろいろな角度からの措置としてそれを検討したいと、こう考えております。
#42
○吉田萬次君 ただいま矢嶋さんの盲ろう学校に対する御質問がありまして、関連して御質問申し上げますが、盲ろう学校の職員というものは、実際気の毒なものでありまして、盲ろう学校の職員に対する定年制というものはありませんですけれども、大体普通の教育と基準を同じようにして、そしてやめさせられますけれども、特殊な技術というものがあれは要するものであって、そうして年令によってという性質のものと違いますが、ああいう教員に対する特別な待遇とか、あるいは年令というものに対してゆとりのある方法というものは講ぜられませんでしょうか。
#43
○説明員(天城勳君) これは先生御存じだと思うのですけれども、公立学校の先生に、表向きの定年制というものはございませんわけですけれども、各県で、大体それぞれ慣行あるいは内規的にやっておるわけでございますので、私たちの方として育ろう学校の先生は、非常にほかの先生と違って過重的負担をされ、精神的な負担も多いので、その点はいろいろな面からも考慮いたしておるのでございますけれども、定年の問題につきましては、どうもこちらから、今制度もございませんので、積極的に申し上げたこともないのですし、まあ地方でそれぞれ考慮されていると思うのでございますが、御趣旨の点はよく承わっておきたいと思っております。
#44
○吉田萬次君 盲ろう学校の職員の養成というものに対しては、現在どんな施設が施されておりますか。
#45
○説明員(天城勳君) 現在まだ普遍的には、養成大学でこういう講座がございませんが、たとえば東京の教育大学では、特殊教員の養成という課程をもって教員養成をやっておりますけれども、各学芸大学全部に及ぶというほどまでにはやっておりません。
#46
○有馬英二君 私は科学振興の実情についてお聞きしたいのですが、ここには大へん大まかな項しか書いてないので、どのくらいになっているか、さっぱりわからないのですか、十三億ですか、科学研究費だけではどれくらいになりますか。
#47
○説明員(天城勳君) ここに科学振興関係として、本年度十三億と、こうしてございますが、この中身は非常なたくさんの項目になっておりますので、今御指摘の狭い意味の科学研究費と言われているものでございますが、これは本年度約十二億ございまして、この中身は科学研究費交付金とか、あるいは科学試験研究費とか、あるいは科学研究助成金とか、外国の輸入機械の購入費とか、いろいろな項目に分れておりますが、本年度の十二億に対しまして、明年度十五億ほどこれを要求しているのでございます。そのほか科学振興と申しますか、学術関係の経費の中にはここにもございますように、在外研究員の派遣費でございますとか、あるいは民間の学術団体に対する補助金でございますとか、先ほどここにもちょっとあげております特殊研究、ガンとか、地球電磁気とか、そういうものを全部含めて一応科学技術振興という形でくくってあるのでございます。
#48
○有馬英二君 そうするとこの中へガンも入っているのでございますか。
#49
○説明員(天城勳君) 特殊研究というのが従来はございませんでして、ガンと地球電磁気の研究というのを来年から始めるというので特に出してございます。
#50
○有馬英二君 下に国立大学、病院、研究所と書いて、そうして項目をあげてビールス研究等と書いてあるのですが、この中にこれと一緒にガン並びに地球電磁気研究というようなものが入っているのですか。科学研究の方に入っておりますか。
#51
○説明員(天城勳君) これは第七番目の研究所の中に原力子基礎研究とかあるいはビールス研究というのは大体大学の附置研究所というような構想で置こうと思っているのでございますけれども、ガンとか地球電磁気は特定の大学の特定の研究所というのでなくて、いろいろな大学の学部や研究所においてガンそのものについていろいろな角度から追求いたしております。その全体を総合的にガン研究という形で運営していこう、いわば特定の研究所を置くのでなくて、見えざる研究所というような形でもって総合的にやっていとう、こういう考え方なのであります。特に大学の経費というよりも他の科学研究の交付金と同じようなカテゴリーにおいてここに入れておるわけでございます。
#52
○有馬英二君 そうすると、この特殊研究というようなものは今までの文部省科学研究費というものとは切り離して、これはとっているわけですな。
#53
○説明員(天城勳君) 今までの科学研究費については特にどの研究というわけじゃございませんでしたけれども、この二つは本来ならば大学の附置研究所で特定のところに置く性質のものでございますけれども、ガンの研究そのものがいろいろな角度からやっているものでございますから、特定のところに置かないで全体でやるということで、従来の科学研究費から切り離して、この二つを切り離してこの項目でとっていこうという考え方でございます。
#54
○有馬英二君 その額は大体どれくらいと見積っておりますか。今のお話しですと十五億の中にそれが入っているのですか。
#55
○説明員(天城勳君) ガン研究費につきましては約三億ばかり考えております。地球電磁気関係で一千万ほどでございます。
#56
○有馬英二君 御承知でしょうが、今までの科学研究費が非常に少くて、一人一人の研究者のもらう金が三万とか五万とかくらいにしか当らないので、ウサギを少し飼うとすぐなくなってしまうというようなことで、まことに研究費が少くて学者はみな困っているわけですね。それですから十何億というと非常に多いように見えるのですけれども、これは各大学、研究所にみんな分けられて、何の研究というようにして、それがまた何十人、あるいはときによると非常に多数の学者にみんな分けられるものですから、非常に一人一人のもらう金が少くなってほとんどまあ……、研究は研究になるのでしょうけれども、あまりに少額で困っておる。これはまあ戦争前からあるいは戦時中を通じてこういうことをやっているのですけれども、どうも物価の騰貴と文部省の科学研究費の増額とちっともマッチしていかないために、各研究所としても困っているのだから、今年の十二億が明年十五億というと少しは増額されたことになるのですけれども、文部大臣も科学振興ということを非常に、特にこれはこの前のあるいはその前の文部大臣からすでにそういうことは言われておるのですが、いつもそういうことはとかくお題目といっては悪いかもしれないけれども、言葉ばかりで実績が伴っておらないように私は思うわけです。そういう点を一つ顧慮されて、できるだけ科学研究費に多額の金を、予算を増額していただきたいと私は考えております。
#57
○矢嶋三義君 関連して。今の有馬委員の発言その通りだと思うのだな。それで共産圏の国なんか、とても最近科学援助、国の力で助けて優遇されているということを聞くわけだが、日本は戦争中の空白もあったわけで、これは大臣もいるといいのだが、おらぬからあなたから大臣に通じて、また大蔵との交渉にあたっても、思い切った線を一つ出してもらいたいと思うのだ。それで防衛庁あたりは研究費が使い切れぬでうんと余っているというのだ。予算がなかったらそんなものをもらってきて文部省の予算の中に入れるくらいの鼻っぱしらをもって交渉をして、学者が十分研究できるだけの研究費というものはぜひ確保するように大臣をして努力していただくと同時に、事務当局のあなた方も格段に一つがんばってもらいたいということを私も要望しておきます。
#58
○説明員(天城勳君) 両先生の御質問関連もございますので、一括のような形になりますが、お答えいたします。
 科学研究交付金関係の金は今有馬先生から御指摘になりましたようにいろいろな実情がございますが、必ずしもすべての研究に出すと、またそれが五万三万というような少額にわたることが本旨ではございませんで、できるだけまとまった金額で大きな研究と申しますか、細分化されない研究費という趣旨でやっているのでありますが、やはり教官研究費が不足すると、どうしても細分化の傾向が出て参りますので、明年度といたしましては、やはり科学研究費の交付は本来の趣旨である、なるたけまとまった研究にまとまった金でお渡しする。そのかわり基礎的な研究費の方を充実いたしまして、今御指摘のような三万五万という金で科学研究費の方に交付を仰ぐという形でなく、基礎的な教官研究費を片方で上げていこう、こういう構想から合せて両方のバランスを考えながら増額を考えている次第であります。御指摘の点につきましては十分心して考慮いたしたいと考えます。
#59
○有馬英二君 それからもう一つ伺いたいのでありますが、この七番目の項目のところで、原子力に関する基礎研究というのが特別に書いてございますが、これは今の田無にあるあの原子核の研究所のことをうたったわけなんでしょうか。
#60
○説明員(天城勳君) むしろこれはあの原子炉と申しますか、原子炉そのものということになりますと技術的な、あるいは工業化の問題になりますけれども、原子力、原子炉に関する研究というような考え方をもっておりまして、新しく大学に置くという考え方でございます。現在の田無の原子核研究所じゃなくて、新しく原子炉の研究そのものの研究所を置こうという考え方であります。
#61
○有馬英二君 それから、今日もやっているのですが、原子力の利用に関する研究ですか、今内閣委員会でもやっておりますが、あの中に原子力に関する研究所が作られる、それとこれとは同じ目的でありますか。
#62
○説明員(齋藤正君) あそこの、今の原子力委員会の中に出て参りますのは財団法人原子力研究所というものでございまして、それの監督に関することが原子力委員会の仕事の中に入っておるようでございます。ここで申しておりますのは、大学の基礎研究としても、基礎的学理の研究といたしましても原子炉が必要であり、それに関する経費はこれは大学の経費でございますので、大学の経費の中で要求する、こういうことに相なるかと存じます。
#63
○有馬英二君 それならば大学経費の中に入るわけでしょう。ここに特別に書いてあるから私伺っておるのです。
#64
○説明員(天城勳君) これは国立大学の経費の中に含めて考えておるのでございます。
#65
○委員長(飯島連次郎君) 私が一つ伺いますが、国際学生会館を建設するということがここにうたってありますが、これは具体的にどういうことですか。どのくらいの経費を見込んでおりますか。
#66
○説明員(天城勳君) 御存じの通り現在国費で外国人の留学生を招致しておりますが、これが国際学友会へ宿泊して生活している形でございますが、その経費が大体現在のところ二万円支出されております。ところが新聞紙上等で御存じのようにこの二万円が安いというような御意見もあったし、あるいは学生の問題等いろいろな意見があったりしましておりますので、特にこの寄留学生のために特別な学生会館を作って、いわば低廉な経費でもって生活できるような方法を考えたい、こういう構想で学生会館を設立するということが考えられております。これは直ちに新しく建築をするというところまでまとまっているわけではございません。あるいはそういう形になるかもしれませんが、その点は最終的に、はっきりいたしておりません。とにかく外国人留学生の生活の本拠を作ろう、こういう考え方で大体予算の上で二千百七万ほど要求いたしております。
#67
○委員長(飯島連次郎君) それから社会教育の中の青少年に有害な不良出版物、映画等の抑制措置を講ずるというのでありますが、これは金額が入っておりませんけれども、どのくらいですか。
#68
○説明員(天城勳君) これは現在のところ全く予算的にどういう面で出すかということがきまっておりませんで、こういう施策をやりたいということだけでございます。金額的には、まだきまっておりません。
#69
○委員長(飯島連次郎君) ほかにございませんか……。それでは本日はこれで散会いたします。
   午後四時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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