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1947/06/21 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 通信委員会 第14号
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1947/06/21 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 通信委員会 第14号

#1
第002回国会 通信委員会 第14号
昭和二十三年六月二十一日(日曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○郵便法等の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○電信電話料金法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後二時二十一分開会
#2
○委員長(深水六郎君) それでは只今から通信委員会を開会いたします。郵便法等の一部を改正する法律案及び電信電話料金法案を議題にいたします。大臣がお見えでございますから、大臣に対して御質疑の方はお願いいたします。
#3
○井上なつゑ君 私大臣にお伺い申上げたいのでございますが、この逓信省の附属に逓信病院という立派な病院がございますが、伺いますところによりますと、非常に入院料も安くて、非常に結構な病院だそうでございます。設備も大変よろしいそうでございますが、この頃医療の問題でいろいろ言われております一つに、病院の入院患者の看護が家族の者がせなくちやならないということが、大きな問題になつておると思います。看護婦の教育なども、家族の者に來て貰わないで、病院の看護婦が全部入院患者の看護をできるように、看護婦は教育して行く筈でございますけれども、逓信病院あたりから、こうした設備の立派な病院から、そういうように教育して頂くような御計画はおありでございましようか。恐らくいろいろな面で御研究になつて頂いていることと思いますが……それからもう一つは、この間官公立の病院の看護婦が陳情に参つておりましたが、その時の話で、看護婦が夜勤をいたしますことは、これは当り前のことでございまして、労働基準法によつて、普通の生産会社のような夜勤と違いまして、病人は二十四時間中、これは世話がいるのでございますから、夜八時間勤務いたしましても、晝八時間勤務いたしましても、これは同じことだと私共思つておりますのですけれども、どうしたことか労働基準法が、この夜動の方面に適用されまして、時間外の勤務だということになりまして、そうすると非常に今度は所得税の率が変りましたかどうか存じませんが、勤労所得税が非常に多うございます。夜勤料も入れて千五百円ぐらい貰つておりますのに、それに勤労所得税が八百円以上もかかつて來たというようなことで、非常に困つておりますというふうなことを、官立病院の看護婦が陳情して参つております。逓信病院の方ではそういうことはございませんのですか、お伺いいたします。
#4
○政府委員(横田信夫君) 只今お尋ねの件について、第一点の逓信病院の入院患者に家族でなくて、看護婦を病院の方で附ける配慮をする計画があるかというお話でありますが、お話のごとく、逓信病院の今の療養費は非常に安くなつております。そのために藥價その他において十分の手が廻らない、これが現状でありますが、この料金問題につきましては、実は或る程度の是正と申しますか、改正は或る程度いたさなければいかん、そうしないと本当にこの運営もできないということで、只今料金の点においても幾分の改正をいたそうということになつておりますが、それと並行いたしまして、只今のような件も、できるだけそういう線に進めて行きたいということで、只今研究中でおります。その場合に、やはり患者の方から実費を頂くことになるかも分らんと思いますが、それでもお話のごとく、家族を附けるよりは、ずつと患者としては助かるという場合が非常に多いと思いますので、そういう方向に進めて行くことになるだろうと思います。
 第二点の、労働基準法との関係でありますが、全逓の爭議の際におきましても、看護婦だけは從來においても爭議としても別に扱つて、これは爭議中と雖も休まないと、こういうことで從來も來ておりますが、勤務時間の点等においても、超過勤務手当、それを一緒にした場合の所得税の問題につきましては、やはり一般的に、從來の所得税の率で取つておりまするので、或いはお話のような点もあるかと思いますが、この点は併し所得税の今後の改正によつて救われる問題だろうと、こう考えております。
#5
○新谷寅三郎君 具体的で問題で各方面から陳情、請願がありますので、伺つて置きたいと思うのですが、今度の料金引上案によりますと、書籍類とか、或いは学会なんかがやつております学会の会報というようなものは、実は郵送料が非常に高くて、遠い地方で書籍を買う人が、書籍の代價以上に郵送料を出さなくては入手できない。從つて地方に文化を普及する上から言つて、非常な障碍になるんじやないかという、非常に尤もな意見が出ております。又学会なんかでは、一年に二回ぐらいも定期の報告を出すところが多いのでありますが、これにつきましてはいわゆる定期刊行物でないものでありますから、第三種取扱はできませんし、やはり第四種によるか、或いは第一種になつて來るので、非常にこの郵送料がやはり高くなつて來る、非常に料学振興の上に弊害を惹起するのじやないかという懸念がありまして、あちらこちらの学界から、そういう希望を添えて我々に陳情が來ております。逓信省の方でこの料金案をお出しになります場合に、十分考えられたことじやないかと思うのですが、成る程こういう書物とか、学会の報告等に対する配慮がまだ十分でないように思います。この点について特別に何かお考えになる必要はないでしようか、御所見をお伺いしたいと思います。
#6
○政府委員(横田信夫君) お話の点につきましては、御承知のごとく逓信省におきましても、印刷物について、從來とも低料金でいたしておりますが、今回の改正案におきましても、他のものよりは倍率を少くして、まあ一般の書状であれば二十グラムまでが五円であるのを、百グラムまでを四円ということにいたしておりますので、相当な考慮はいたしておるつもりであります。お話のごとく、この点はできるだけ安い方がよいわけでありますが、一般の書籍、印刷物も相当高い料金になつておりますので、百グラムまで四円という價格が、全体の書籍について非常に高いものであるという程でもないのじやないかと、こう思いますが、或る程度の考慮は加えて見たつもりであります。
#7
○新谷寅三郎君 これは見方の相違かも知れませんが、例えば書籍なんかでは、恐らく第四種を利用してやるということはできないので、結局書留小包ということになるのじやないかと思うのです。何も昔のように書留にしなくても、ちやんと間違いなく届くということであれば、普通の小包でもいいわけなんであります。最近の状況を見ますと、普通の小包じや着いたり着かなかつたりする場合が多い。郵便に対する信用がないわけであります。從つて注文を受けましたならば、書籍を送る場合にはどうしても書留小包でないと、送つた方も十分責任が取れんということになつて來るので、結局改訂料金によりまして、二キロまでで小包料金が二十円、書留料が二十円というふうになる、更にその金額を送るについて爲替を組んだり、その爲替を書留で送つたりしますと、書籍料よりも高い郵送料が出て來るということになるのですが、その辺でもう少し、何かこういうふうにすればいいというようなお考えはないのですか、このままだと、できるだけ考えたとおつしやるけれども、どうもやはり郵送料が非常に高いということになるように思うのですが、逓信省の方でこれを立案された場合に一應考えられた結果、そう書留小包であつても高くはないということをおつしやるているのですが、何か他にこういう方法をお取りになれば、割合に安く確実に行くのだという方法はないのですか。
#8
○政府委員(横田信夫君) お話のごとく、書留小包を利用いたしますと、仰せのごとく四十円になりますので、相当高い料金かとも思います。小包郵便料につきましては、この制度を今度の改正いたします前に、或る程度の差域制を採つたらどうかということも研究いたして見たわけでありますが、近距離、遠距離、遠距離について考えますと、この料金は非常にむしろ安いという議論もありますので、そういう議論もあつたのでありますが、結局郵便小包等の特性を生かして行こうというので、全國均一の料金制を採つたわけであります。お話の書籍が書留でないと無くなるという点につきましては、最近の監察制度を相当強化したして参りましたので、この書籍が書留でないと無くなるという事態は、恐らく今後は非常に少なくなるのじやないかと、こう思つておりますが。
#9
○堀越儀郎君 料金値上に関連いたしまして、逓信省のサービスの問題であります。逓信復興五ケ年計画の内容を拜見いたしますと、電氣通信の方の復旧を急速度にやられるというお考えですが、郵便物ですね、或いは通常郵便物なり、小包郵便物について見ますと、昭和九年度と、昭和二十二年度の比較を見ますと、郵便物で四十五億が、約二十五億に昭和二十二年度になつております。小包では六千二百万が三千三百万、電気通信なんかの機関かの破壞されたことは分りますが、郵便物や小包などが、このように激減しておるということは、依頼する人が不信任の意味を以て託さないのか、郵便物を引受けられないのか、つまり利用者がそれを利用しなかつたのか、引受けられなかつたのか、その点を一つお伺いしたいと思うのです。
#10
○國務大臣(冨吉榮二君) それはいろいろな立場から考えられると思いますが、大体年賀郵便が廃止されたということが大きな一つであろうと思う。それと今一つは、通信は御案内のごとく経済活動と密接不可分の関係がございますので、最近におきまする自由経済と違いまして、次第に統制されまして、配給制度で就業稼動も著しく縮小されております。そういうような点と、今一つ私の考えでは紙の不足ですね、これは相当影響しておるだろうと思うのです。紙、書状、封筒というものは、我々最近東京で生活しております者は、高いけれども相当入手が樂でございます。けれども地方に参りますると、便箋とか、状袋とかいうものを入手するということは非常に困難を経驗いたしておるのであります。このようなあらゆる事情が通信の量の激減ということを私は意味すると、こういうふうに考えております。
#11
○委員長(深水六郎君) 一應政府委員の方にお尋ねして置きます。その料金値上の関係で、伺つたこともあるし、資料も頂いておるのもありますけれども、例えば二十三年度の予算面において、二十二年度その他と比べて、どういう点で賃金を増された、或いは料金値上以外の増收をされたという、そういう面を通じてどうやられたかということが一つと、それから各料金の決め方、結局原價をいうことから決められたのかどうか、そうして各事業別の原價の計算はどういうふうになつておるかというようなことを、重複しますけれども、今一應承わつて置きたいと思います。公價計算から來たのかどうか、或いは原價計算すれば、どれだけ事業別で收支の過不足があるかどうかということを、大体料金の基本とかいうような、そういうことを一應伺つて置きたいと思います。
#12
○政府委員(横田信夫君) 只今お話の点につきまして、第一に通信事業の特別会計の経理面の合理化をどの程度に考えるか、この問題につきましては、昭和二十二年度におきまして、本予算に損益勘定の人間が四十七万四千人の人間を計上いたしておつたわけでありますが、これを労働基準法の施行にも拘わらず、できるだけ抑えて貰いまして、普通予算におきましては四十一万五千人に縮減いたして來たのであります。約六万の人間を昭和二十二年度の普通予算を削減して参りました。引続きまして昭和二十三年度予算におきましては、昭和九年から十一年の通信事業における業務量、それを当時における現在員で割りました能率、即ち昭和九年から十一年における平均の能率を以て、昭和二十三年度の予定の業務量を施行するのにどれだけの人間が要るか、これを基準にいたしまして昭和二十三年度の予算を組んで参つたわけであります。それがたまたま丁度四十一万五千の二十二年度補正予算の人間から、約三千人減りました四十一万二千の人間でありますが、この四十一万二千の人間を基準といたして組んで参りまして、それに昭和二十三年度の、特に新たに加わりました取引高税の仕事の人間、或いは増設、接続の電話施設会社を逓信省で接收いたしてやる人間、こういう新たな人間だけを二十三年度に加えて來て参つたわけであります。即ち人におきましては、昭和九年から十一年の当時の能率で、それが労働條件が非常に変つて來たにも拘わらず、同じ能率で処置して行くと、こういう基準で來た人間でやつて行こうといたしておるわけでありまして、先ず人間の問題につきましては、相当むずかしいことを前提としながら、これだけの努力をせよということで参つておるわけであります。
 次に物件費の点におきましても、昭和二十二年の補正予算におきましては、約三割の物件費の節減をいたして参りました。でそれに引続いて、それを基準にいたして昭和二十三年度の物件費の予算というものを組んで参りましたので、相当物件費においても節約をいたさざるを得ないという前提の下に、物件費が組まれておるわけであります。これを昭和九年から十一年当時の人件費、物件費の比率にして参りましても、昭和九年から十一年当時の人件費対物件費の比率は、約六対四、六割と四割の比率でありますが、昭和二十三年度におきましては、人件費、物件費の比率が六七%対三三%、即ち物件費は僅か三三%という数字になつております。而もこの人件費は、只今申しましたような基準に基いて、膨らんでいない人件費を基準にいたして、尚物件費はこれだけの率である。こういう状況で來ておるわけであります。
 それから收入面におきましては、昭和二十三年度の補正予算に、從來の自然増の外に、約九億の増收対策を立てまして、工事を早くやつて、できるだけ年度内の收入を上げる、或いはその外諸種の考案をして收入を上げる、こういうことによつて、九億の増收を予定いたしまして、やはりそれをほぼ達成いたしたのでありますが、これを基礎にいたしまして、二十三年度の收入については、やはりこれを基礎にして、自然増を見込んで收入を立てたわけであります。そういう意味におきまして、人件費、物件費、收入共に相当の努力をいたすという建前の下に、本年度の予算が組まれたわけでありますが、併し尚且つ四倍の値上げをいたしましても、五十億の赤字を來すという結果になりましたことは、甚だ遺憾でありますが、できるだけの合理化を前提にして、止むを得ざる限度を料金値上げに廻したい。こういう我々の立場で來たわけであります。
 それからこの料金に決定の基準につきまして、これが原價計算であるかどうかという問題につきましては、相対的に見ますと、これは綜合原價主義に基いておると、こう申上げて差支えないと思います。併し只今申しましたように、五十億円の赤字を來しておりますので、完全な意味の綜合原價計算ではありません。その五十億の赤字の中の二十六億円というものは、これは六月の半ばまでに生じた赤字であります。後の二十四億円が、六月十五日以降、即ちこの原案におきます料金値上げ以降における赤字ということになるわけであります。從つて綜合原價計算におきましても、二十四億の赤字を前案にいたしておりますので、完全な原價計算とは参つておりません。尚この五十億の赤字の外に、二十三年度におきましては、公債、借入金、繰入金の償還を一切見ておりません。これを五年、十五年程度の償還を見て行きますと、約二十四億円、赤字が尚追加されるわけでありますので、原價計算において、それをも見込んで行くならば、この料金値上率では足らないということになるわけであります。
 次にこの料金の原價計算が、事業別の分計に基いているかという点についての御質問につきましては、通信事業は、御承知の通り通信会計として一本であります。その関係上、今度の値上げにおきましても、綜合原價主義を採用いたしましたので、事業別に見ますと、四倍料金値上げの事業別の分計におきましては、或る事業は赤字であり、或る事業は黒字であるということになるわけであります。それを内容的に見ますと、郵便事業におきましては、今回の料金値上げを前提にして、約四十八億円の尚赤字が生ずる。こういうことになつております。電信におきましては、約四十二億円の赤字が生ずる。電話事業におきましては約四十二億円の黒字が生ずる。爲替、振替の事業におきましては、約三億円の赤字が生ずる。それでその結果を見まするならば、電信、電話、即ち電氣通信事業は、電信、電話を併せますと、今回の料金値上げをいたしますと、收支がとんとんになる。郵便と振替、爲替におきまして、両者合せて約五十億の赤字ができる。この五十億が、一般会計からの繰入に待つている。こういう概観になるわけであります。
#13
○委員長(深水六郎君) 原價の事業別の決め方、今まで計算されたことはないんですか、あるのですか。
#14
○政府委員(横田信夫君) 事業別ですか、あります。
#15
○新谷寅三郎君 今の御説明の中で、昨年四月の料金改訂以後に、どういうような対策を採つたかということをお伺いしたい。逓信省の方から來たもので、資料を頂いている、それによると、今のようなお話が書いてありますが、「從業員の能率増進による増收対策を強行し約七億余円の收入増加を図つた」とあるのですが、今確かこれは九億とおつしやつたと思います。
#16
○政府委員(横田信夫君) それは失礼いたしました。七億円が本当です。
#17
○新谷寅三郎君 七億が本当ですか。
#18
○政府委員(横田信夫君) 本当です。
#19
○新谷寅三郎君 それからこの項で「新規拡張工事の促進による増收」、これは分るが、從業員の能率増進による増收対策を強行して、この結果が七億円ということになつている。この「從業員の能率増進による増收対策」ということは、どういうことを具体的におやりになりましたか。
#20
○政府委員(横田信夫君) 從業員の能率増進と、直接それだけに合うかどうか分りませんが、大体のやりましたことは、從來の從業員を前提にいたしまして、市外の回線の障碍度数を少くして能率を向上する。それから市内の障碍度数を少くする、こういう御面に努力を置いたのであります。
#21
○新谷寅三郎君 尚この際伺いたい細かい点もありますが、大臣にお伺いしたいのですが、昨日でしたか、新聞によりますと、芦田総理が、今後官業における組合事務專從者は、一切認めない方針だということを、衆議院の委員会で言われたということが新聞に出ておりますが、この頂いた資料によりますと、金逓では、大体逓信省関係で三千二百人くらいの專從者がおるという調べになつております。逓信省でもやはり総理の言明されましたように、近く組合事務專從者を全然なくするというような御方針でしようか、その点をちよつと伺いたいと思います。
#22
○國務大臣(冨吉榮二君) 大体專從者はなくするという方針であります。それは閣議において決定いたしておりますることは、すでに御報告申上げたかと思いますが、原則としては專從者を認めない。但し急激なる変化もどうかと思われるので、從來五百人に一人までは許そうということにしてあつたのを、今度は七百人に一人ということにする。その期間の整理は七月末日までに必ず七百人に一人に整理するということまでは決まつておるのであります。そうしてその次の期間は一体いつその理想を実現して全部なくするかということについては、まだ政府の方針としては、はつきりした期日は決まつておりませんが、今お述べのいわゆる專從者をなくするという方針は嚴として今日堅持されております。それで又理論的に言つて、私自身もその考え方には極めて共鳴をし、熱心に希望いたしておる一人でございます。
#23
○新谷寅三郎君 序でに伺いたいのですが、この專從者のことで分りましたが、事務專從者以外に、実際上組合が本來支拂うべきものであつて、事実上役所の負担になつておるというような経費はどのくらいあるでしようか。
#24
○政府委員(横田信夫君) お尋ねの点は非常にむずかしい問題でありまして、專從者と正確に決められておる者以外にも、各局において代議員があるとか、いろいろそういう組合の仕事に引つ張り出される人間もおるわけであります。併しこの点につきましては、できるだけ執務時間中はやらないようにということはできるだけ注意をしておりますのみならず、これは結局人によることでありまして、例えば我々の方の代議員においても、場合によつては執務時間中に出る代りに、あとは自分の家へ仕事を持つて帰つてやるという人間も相当多いのでありまして、その点を正確に計数的に出すということはちよつと困難で、只今出ておりません。
#25
○新谷寅三郎君 人件費以外の物件費とか、旅費とか、そういう関係の調査はないのですか。
#26
○政府委員(横田信夫君) 物件費については正式に認めてこれを使わしておるものはありません。ただ事実上或いは紙を使うというような問題が抜けて出ておる場合があるかも知れませんが、正式にはありません。從つてこれも調査はなかなかできません。それから收入面において組合事務のために通信機関を利用しておる、これは無料になつておる。この面がどの程度になつておるか、これもまだ只今調査はできておりません。
#27
○新谷寅三郎君 それから頂いた資料をいろいろ拜見してお尋ねしたいことができたんですが、通信料金関係参考資料の中で「都市家計費内訳比較」というようなものがあります。これは数字はどちらでもいいんですが、交通通信の費用が非常に家計費の中では少額である。パーセンテージも極めて少いという結果になつておる。併しここに上つております通信費或いは交通費というものは、直接に通信或いは交通のために支出する費用だろうと思います。仮に通信料金が何倍かに上りましたならば、これはやはりその他のあらゆる項目の値上りになるということは明瞭だと思います。この点は通信も運賃の方も同樣だと思いますが、飲食物にしましても、被服費にしましても、まあ仮にこれらのものを作つておる会社があるとして、その会社の通信費というものは明瞭に上るんですから、それらのものが原價計算が正確であればある程、その品物の値段が方つて來る。從つて通信料金の値上げというものは、單にここに出ております昭和二十三年二月の一ケ月九円六十六銭、〇・二%というこの部分だけの影響には止まらないことは勿論であろうと思いますが、恰かもこの部分だけに影響するがごとき印象を與えるので、その点は私の考え方は間違いないと思いますが、これは誤解のないようにする必要があると思いますが、如何でしようか。
#28
○政府委員(横田信夫君) お尋ねの点は第八表の部分だと思います。お話のごとく、これにあります飲食物費、住居費等、即ち通信運搬費以外の項目も、この今回の或いは交通通信の値上げ、その外物件費の値上りによつて、或る程度の動きを見せることは当然だろうと思います。ただその場合において、この比率が幾分の狂いを來すというようなことはあり得ると思いますが、ここに差上げましたものは、從來の実績として、こういう比率になつておる、その比率は第七表におきましては、交通通信運搬費というものが、昭和二十三年二月において一・四%になつておる。これは全國の調査でありますが、この交通通信運搬費の中で、交通と通信費用を分けて見たい、こう思つたわけであります。ところがこれが全國的な資料としてないものでありますので、私の方の逓信省の中でも、生計費調査をやつておりますが、私の方の逓信省の中の生計費調査では、外部的な信用が薄いのではないかと、こう思いまして、部分的ではありますが、経済安定本部の物價局の生計課の調べの実情をここに取出しまして、交通費と通信費を分けて見たわれであります。その結果が昭和二十三年二月において〇・二%であつた、こういうだけでありまして、それが今後どう移るかということについては、勿論お話のごとく、外の経費の点も動いて行くだろうということは、我々としても前提にいたしております。ただ比率が非常に小さなものであるという、実情の調査としての、この調査表を差上げただけであります。
#29
○新谷寅三郎君 そういう御説明ならよく分るのですが、先般の政府委員の説明で、家計の中では一%にも満たないくらいの分量だから、家計には大して響かないというような御説明があつたのです。やはりそうでなくて、これは衣食住すべてに通信費というものがかかつておる。原價計算がちやんと正確にやられておれば、通信料値上げの分だけは必ずそこに、衣食料のすべての方面にそれが加算されて、全体として一%に満たない数字ではなしに、家計費の中へは相当にやはり響いて來るという結果になると思うのです。勿論運賃のように正確にはならんことは認められるわけでございますけれども、單にこれだけの、〇・二%というだけの数字じやないということを申上げたわけです。そう点明瞭にさえして頂ければいいと思うのです。それから先程の問題に戻りますけれども、通信事業が一面においていろいろ合理化を考えて、例えば人間を増すことについて抑制をするとか、或いは物件費についても何割か天引節約するといういろいろな方法を採られた。その誠意は十分認められますが、積極的に收入を増す方法につきまして、これは先般昨年の國会におきましても、実はいろいろ政府委員の方の意見を聽き、又委員諸君からも意見が出ておつたのであります。收入を増すということについては、根本的には勿論施設を改善しないと收入はなかなか殖えないということはよく分るのでして、その施設の改善が早急に全般的にうまく行かないということも、今の段階では或る程度了承できるのですが、併し例えば電話サービスなんかについて見ましても、市内の電話なんかを、どんどん加入電話をお着けになりましても、それに應じた、例えば中継線のようなものを並行して増設されませんと、電話が十分に働かない。いつ掛けても或る方面に対しては話中であるというようなことになりまして、その間均衡を得ないとやはり收入の増加は期し得られない。その点について若し今日どなたが御説明を頂ければ非常に結構なんですが、東京なら東京を例に取りまして、市内電話の数と、それから中継線又は市内交換の座席の数なんかの比率につきまして、これは十分に均衡のあるものにしませんと、折角作つた電話が働かないというような結果が、從來随所に見受けられるように私は考えるのであります。こういうことを注意深くおやりになることによつて、相当に收入が殖えて行くことは明瞭なんであります。これに対しまして、今後現状も聽きたいのですが、今後特別に何か画期的な方法でもお採りになる御予定がありますかどうですか、お聽きしたいのと、もう一つは、昨年も逓信省の幹部の方と話合いますときに、例えば電話の番号簿のようなもの、これなんかは、本來役所が発行するという建前になつておつた。今後は役所の方でこれを発行して、できるだけ收入を上げるようにするのだというようなこともお話を伺つたのです。ところが今日の実状はそれと全く逆に行つている。電話番号を発行しているところが、むしろ非常に多過ぎて、あちらからも、こちらからも電話番号簿を発行するから廣告を載せて呉れとか、或いは買つて呉れという手紙が加入者のところに舞込んでいる。これなんかは明瞭に或る程度收入になるわけでありますから、これを今のように乱雜になるまで、民間の方にお任せになることに御決定になつておることを非常に不審に思います。昨年は逓信省でも、こういつたものこそ官みずからがやらなければいけないのだと固く決心しておられたようでありますが、それがいつの間にか崩れてしまつて、加入者が何だこんなに乱雜になつてと不思議がつておる程電話番号簿は濫発しておる。用紙の足りないときに、紙の儉約から言つても余り面白くないことでありますし、收入の面から言つても面白くない結果になつて來ておるのですが、これらなんかは早急に改善されて、そうして実費或いは多少の利潤を得られてでも、市販に出ておるものよりも、電話番号簿が割合安く手に入るようにする方が、加入者の方の利益になるだろうと思います。そういう点について若しできれば具体的に御説明願いたいと思います。
#30
○政府委員(横田信夫君) 只今いろいろ御忠告を承わりまして非常に有難く思つております。殊に電話番号簿につきましては、お話のごとく電話番号簿を我々の方で出しまして、加入者の御便宜にするということは、当然逓信省の責任でもありまするので、從來ともそういう点について努力いたして來ておりますが、何分紙の問題につきましては、我々の方として役所の紙に頼るということはできなかつたのでありまして、この電話番号簿の紙の割当量というものは殆んど認められて來なかつた。重点的には我々の方も認められた限度内において電話番号簿を逐次やつておりましたが、全國的にはまだ御期待に副うわけには行かなかつたということは御指摘の通りでありまして、今後とも大いに努力したいと思つております。
 次に、電話につきまして、市内電話を例に取りましてお話がありましたが、実は各方面に尚非常な欠陷がありますために、電話加入線を着けても中継線が足りないとか、或いは市外通話を掛けても、それが中継線の不足或いは加入者回線の不足ということのために、たまたま東京から大阪に電話を掛け、市外回線が通じても、市内の加入者に通じませんので、その間市外の回線を遊んでしまうということになります。こういう不均衡な問題が從來ありましたことは御承知の通りでありまして、この点につきましては、我々の方もできるだけそれをなくしようと努力いたしております。大体二十三年度の建設勘定におきましては、大体主力を都会に置いております。お話のような点は最も都会に多いのであります。從來予算上経費を食うところの中継線なり、分局なりの基礎設備が一番後に廻されるために、お話のごとき欠陷が多かつたのであります。お話の点につきましては、二十三年度は大都会に中心を置いて、そういう点を改善して行きたい、こういうつもりで、どれを先にやつたらより経済的に行くかというので、経済企画を根本にする委員会を開き、その辺に主力を置いて考えております。
#31
○新谷寅三郎君 大臣に申上げます。今申上げました問題は多少技術的の問題でもあり、專門的の問題でもありますから、大臣は十分御承知ないところもあろうと思います。併しこういうところに非常に施設面でも、運用面でも欠陷があると思う。それでこう言つたことを具体的に矯正して行かれることによつて、收入は非常に増すだろうし、通信事業に対する信頼というものも高まるのではないかと思います。今日でも尚主として終戰当時のように、電話は着いたけれども、どうしても掛からないというような状態で、それが改善されないということは、これは非常に遺憾に思うのです。それで電信、電話、郵便それぞれに同じような問題があると思うのです。ただ收入を上げるとか、多額の経費を節約するということでなしに、もつと具体的に事業の実体に根を下したような改善策を、一つ一つ手を打つて行かれることが是非必要だと思うのです。この点は特に大臣に、今までできなかつたということがあつて非常に残念なんですが、今後早急にそう言つた問題につきまして手を打つて頂いて、早く全体の施設が均衡が取れて動き得ますように、これは結局事業改善の一番大きな、又いい方法ではあるまいかと思うのです。これを私の意見として、特に大臣にお聽きしたいと思います。
#32
○國務大臣(冨吉榮二君) 只今非常に有益な御意見を拜聽いたしましたが、お話のごとく、私は全くの素人でございまして、そういう技術的な、專門的な知識を持合せていないのであります。併しながらこの電話事業のサービスの低下に関しましては、就任以來、殊にやかましく、各方面からお叱言を頂載いたしておりますので、これは一日も早く改善しなければならんという点では、非常に熱心に考えておるのであります。從いましてお叱りを伺いましたときには、その都度係の者に対しまして注意を喚起いたしておるのでありまするが、併し私はそれだけでは決して足りないのであつて、根本的に一つ具体的な大方針を決定して、そうしてシステマチックな行動をやらなければいかんということを常々考えておるのであります。併しもうすでに新谷さん御承知の通り、私が就任いたしましたのは、丁度全逓ストの半ばでありまして、積極的な面のサービスの改善どころじやなく、如何にして電話を通ぜしめて置くかということが精一ぱいの努力でございましたし、これがやや小康状態に入りますと、今度はこの通信料金の問題及び機構改革の問題等に、実は出つくわしまして、これは申しわけのようで誠に恐縮でございますが、殆んど実はそこに手を染めることの今日まで暇がないので、誠に私自身も具体的な結論を得るに至らなかつたことをお恥しく思つておるのでありまするが、近く必ず一つ御期待に副うような結果を得たいと、こう考えます。それと同時に、過日も申上げたかと思いますが、私はいわゆる逓信審議会なるものを設けて、從來ややともすれば、この審議会とか、委員会というようなものは、殆んどもう船頭多くして船陸に上るようなものであり、或いは官僚独善を誘致するといつたような世間に非難もあつたかと思います。それらの点を考えまして、私の現在の構想では、鉱道審議会と言いますか、あれとは少し趣きを異にしたものを作りたい。つまり本当に学識経驗者と、民間の有力者を以て権威ある委員会を作りまして、役所の方はもういろいろな仕事の御調査なり、御研究なりのお手傳いをするということだけにしまして、役人を加えないで、そこらに非常に民主的機構を持ち、最も現実的に、最も正しい一つの結論を得るという、いわゆる從來の官僚のセクシヨナリズムから出て來るところの議論でなしに、本当の思い切つた改革をし得る一つの案を得たいと、このように考えておる次第でございますが、何しろ今の情勢で、まだそこまで手が染まらない、仮にそういうような委員会を今直ぐ作りましたところで、実体として我々は殆んど何らのお手傳いもできないというような状態でございますので、その点については過日來も大いに研究いたしておりますし、大体の構想は纏まつておりますが、今日まで著手の域に達していないのでありまして、申訳のようでございますが、これは眞実そう考えておりますので、今御指摘になりました御要望に副うべく、私は全力を挙げたいと、このように考えております。
#33
○大島定吉君 只今頂戴しました予算人員算出調書というのを拜見したのですが、これは予算人員四十一万二千百二名というのですが、現在の人員とどのくらいの違いでありますか。
#34
○政府委員(横田信夫君) お手許にお配りいたしました予算人員算出調書というのは、只今御説明申上げました昭和九年から十一年までの施設及び取扱数を基準にいたしました能率、それによつて四十一万二千余の人間が、どういう過程において出て來たか、こういう計算であります。從いまして予算人員であります。これに二十三年度の新たなる問題だけが加わつて來た、こうお考え願いたいのであります。現在員の調書につきましては、現在員は御承知のごとく、通信事業におきましても全國に一万三千の局課がありますし、現在員と申しましても、只今の数は分つておりませんが、三月一日の現在人員を、この四十一万二千に相当するものの現在人員を見まするならば、三月一日の現在人員は定員といたしまして、定員内と定員外と私達は申しておりますが、我々がこれだけの人間は使つてよいとしておりますのが、定員内と申しまして、この外に定員外として臨時者も使つております。それを合せまして、三月一日の現在員は四十一万三千六百七十七人ということになつております。三月一日におきましては、從つてこの人員よりオーヴアーしているわけでありますが、この点につきましては、我々といたしまして、できるだけこの人間を減らして行きたいという点から、実は人が辞めた場合に後を補充する場合は、本省の承諾なくしては補充してはいけないということで、四月以降補充の制限をいたしておりますので、その後或る程度の異動を來しているのではないか、幾分これを下廻つているのではないかと、こう思つております。尚この定員外の人間が予算人員をオーヴアーいたしましたことにつきましては、これはこういう事情がありますので、御了承願いたいと思うのでありますが、御承知のごとく、労働基準法が施行になりまして、或いは週体制、或いは八時間勤務制、或いは女子の生理休暇というようなことのために、労働基準法に違反することはできない。そういう関係で仕事をやる上において、どうしても必要な定員の補充ということが起るわけでありますが、この点につきましても、できるだけ人は殖やさずにやつて行きたいという考慮からいたしまして、私の方では正式に定員を殖やさずに、從來の人を雇い上げて、從業員の休暇の利用又は雇い上げでやつて貰うということで、できるだけ人を殖やさずにやつて貰いたい。どうしても足りないというときには、基準法に違反することはできませんから、臨時者を一應使つて貰う、その点については本省の指図を持つて、その後の処理をいたして行こう、このような措置をいたしましたために、この予算定員が実際オーヴアーしている、こういう現象を來しておるのではないかと存じます。
#35
○委員長(深水六郎君) 逓信大臣は、衆議院の委員会にお出でにならなければならないそうですから、大臣に対する御質問がありますれば、今のうちにお願いいたします。若しもなければ向うの方にお出でになるそうですから。
#36
○油井賢太郎君 或いは私遅れて参つたものですから、二重になつたら御注意願いたいと思います。今度の料金改正につきましては、大臣は社会党に所属されておりまして、勿論閣議では四倍ということを強く御主張になつたことだと思うのです。併し今朝あたりのラジオ等によりますと、社会党自体といたしましては、運賃の値下げと共に、この通信料も相当大幅に引下げをしなければならないというような御主張のようになつておりますが、この点について党とし、又大臣のお立場として、どういうふうにお考えになつておられますか、一應御説明願いたいと思います。
#37
○國務大臣(冨吉榮二君) 私は四倍率は妥当だという考え方で、実は御提案申上げておるのであります。個人としての氣分から言うと、正直に申しますと上げたくない。併しながら現在の通信会計の状況と同時に、我が國経済の実情とを勘案いたしまして、どうしてもこの四倍の倍率引上げは止むを得ない。これは高過ぎるというような実は論拠は私はないと思うのです。心理的な影響として、これは少し高いとか、或いはこれが及ぼす経済上の影響があるから高いという御議論はあつても、四倍率それ自体が、理論的根拠がないという御指摘は、今まで承つておらないのであります。社会党におきまして、実は今お話のごとく三倍率というようなことを申しておることは事実でございます。実は社会党におきましても、私は四倍率というものについて話をいたしておるのでありまするが、社会党の中においても、その四倍率が高過ぎる、そうして著しくそれが悪い影響を與えるという、この議論は余り出ないのでございまして、この際値上げをするということは、どうも心理的な影響が云々というような話のようでございます。從いまして社会党の内部の事情でございますが、いろいろ私の原案を支持するという向も相当ございまするけれども、この際運賃の方も相当変えよう、それと又通信料金も変える、而して社会党の大体現在の考え方を正直に申上げますと、何も運賃並びに通信料金を引下げる。その代り財源をどこに求めるかということの議論をいたしておらないようであります。問題は運輸の料金、鉄道料金をこれこれ通信料金をこれこれにして、全体をプールいたしまして予算の歳入を見合う、こういうふうにいたしておるようでありまして、今日まで私極力原案のまま承認せらるべく努力をいたしておるのでありまするが、そういう方針を大体採つて、併しこれも、何もこれでなければ絶対にいかんというのではなくて、先ず與党三派の間で調整をしようというふうになつておるのでございます。そこで逓信大臣は、社会党に所属して、その逓信大臣が作つた案を社会党で修正するというのは怪しからんじやないかというような御議論は、一應それは私の無力不徳のいたすところと申上げて然るべきだと思いまするが、併しやはり國権の最高機関たる國会がなすことに対しまして、私共まだ今日批判するのは少しく早いのじやなかろうかと、このように考えて、私は私共の立てた意見が多分に採用せらるることを今日尚期待を捨てないのであります。
#38
○油井賢太郎君 大臣から大変強い御主張を頂きまして、心強く感ぜられるのでありますが、先般もお伺いいたしましたように、部内における、いわゆる從業員の諸君が、大臣に対して協力方をどの程度にされておるかという問題に対しましては、今度の通信料改正に当つても、三千七百円ベースの給與で以て納得をして、大臣の御方針に飽くまでもこれに協力をするという態度を示しておりますか、或いは又場合によつては三千七百円ベースではとても堪え得られない、世間流布されるように五千二百円ベースを主張する、場合によつてはその妥協案を出すのではないかというようなところに至るのでありますか、この点少しお聞かせ願いたい。
#39
○國務大臣(冨吉榮二君) 政府としては、御承知の通り三千七百円ベースで進むという方針を採つておりますが、これには全官公廳労組は正面から反対いたしておりまして、内閣に対して要求書を提出いたしましたことは、先刻御承知の通りであります。まあ全逓從業員組合も、同時にこの三千七百円には強く反対いたしておるようであります。そうして通信料金は上げてはならない、結婚手当を寄こせ、こういう筋合でございまして、一般会計で以て負担すべきものであるという議論のようであります。私もとより独立採算主義者ではございません。実際のところ私は決して、單に企業としてのみこの通信事業を見るという意見には、必ずしも賛成ではございません。これは公益性というものを考えたればこそ國営となつておりまするし、又國営なればこそ山間僻地にもポストがありまするし、電信が通ぜられると私は思つておりますので、これを初めから私企業としておりまするならば、恐らく大都市はもつて今よりも発達をしておりましようけれども、その代り文化の全國的なレベルというものは著しく低いのではなかろうかと、私はこういうふうに考えておるのであります。從いまして單にこれを企業採算主義のみに限定して考えるということは、少しく私まだ今日までのところ賛成できません。從いまして一般会計から赤字を補填して頂くことが、決して私理論として間違つておるとも考えません。併しながら今日の我が國の情勢は、どうしても健全財政を採り、收支の均衡を保つ予算を組まなければならんという至上命令になつておると思います。その苦しい中から赤字を繰入れ得るものは限度がおのずからございますので、そこでおのずから通信料金、鉄道料金の値上という問題は、止むを得ず考えられる問題かと私共はこう考える。それでそういう場合ですが、何ら責任とあれとを考えない立場から申しますと、私は通信料金値上は絶対反対だと、私自身も或いはそういう議論をなし得るかと思うのでありますけれども、私共現在の國家財政の計画に責任ある立場といたしましては、そうした自分が欲するからというて、そのままには動けない。この程度の我慢は國民各位にもして頂かなければならんと思うのでありまして、從いまして私が全從業員の了解を求める努力は、それぞれいたしておるのでありまするが、遺憾ながら現在の全逓がこれを了承して呉れないのであります。併し私は飽くまでこの二千九百二十円ベースの場合でも、あのストライキを以て反対をいたしましたが、労働組合幹部に対して、二千九百二十円じや食えないという議論で迫つて來られたのに対して、私は必ずしも食えないという議論は成り立たない、食うということには、酸素を吸入して炭酸ガスを吐出す呼吸作用を営むことから、衣食住三要素を備えた生活は廣いから、そう一概に食えない、食えないという議論ばかりはできない、殊に我が國の経済の実情と、敗戰後における地位ということから考えて見ても、我慢をして頂かなければならん、断じて我々は呑まないというが、呑まんものが呑むであろうことを期待する、馬鹿にするなというから、馬鹿にはしない、諸君を叡智と良識ある人だと信ずるからこそ、諸君が必ず呑むであらうことを決して疑わないと言つたので、私は爭議の最中一言もこの点については言を変えずに、最後まで諸君が呑むであろうことを期待し、諸君は必ず呑むんだという議論で臨んで参りましたが、良識と叡智を備えた從業員組合は、遂に二千九百二十円を呑んで呉れました。いろいろの経緯はありますが、私は今日の日本の経済を破壞に導いて、その動乱の間に政治的目的を貫徹しようという野心家は、これは別でございますけれども、少くとも日本の経済を再建して、そうして五ケ年計画を立てて、その下で一歩々々を引締めて行こうという考えにおいては、大体において私は三千七百円というベースは不満ではあるが、一應これを了承しようという立場になつて呉れるであろうと、私はこう期待をいたしておるのであります。從いましてこの労銀値上の問題のごときも、いろいろと反対しておる向に聽きますと、一般会計から持つて來ればいいじやないかという議論がある。一般会計としても今日なかなか財源難だが、どうするかということを言いますというと、それは自動車に乘り廻しておるブルジヨアから取ればいいじやないか、或いは闇料理屋から取ればよろしいという議論はありますけれども、そもそも我々が予算として歳入の見合として組みますのには、的確に、いわゆる形を持つものでなければならんので、抽象的なイデオロギーだけで予算を組むというわけには参らない。こういう建前から、いろいろ意見の対立等もございますけれども、私は最後においては了承されるものだと、こういう確信を持つておるのであります。
#40
○油井賢太郎君 更のお尋ねしたいのですが、若し今日の情勢を以てして、一般会計から五十億円というものをこの通信会計の方へ廻して、これが他の方面の情勢が変化したがために、どうしても赤字がもつと増すという場合には、五十億を更に殖やすような御意思があるのか、或いは通信料の値上げを以てそれを賄つて行くのか、その点について御所信をお聽きしたいと思います。
#41
○國務大臣(冨吉榮二君) 通信料金の値上げは、少くとも現段階において断じて考えておりません。從いまして若しその三倍の率がいけないというので、率の引下げということになりますと、当然赤字は一般会計から補填して頂かなければならない。或いは又三千七百円ベースなるものが、ベースは別といたしましても、労銀の上において歳出増を來しまして、赤字が出て参りましても、これは当然私は一般会計から補填しなければならんと、こういうふうに考えております。
#42
○油井賢太郎君 もう一つ、從業員諸君が若し三千七百円ベースを不満として、ストを起すというようなことがあれば、國民といたしましては、これに対して非常な不満を持つと思うのですが、これに関しては官業從業員に対してストの彈圧であるとか、或いは鎭静であるとか、そういうことについて今からどういうふうなお考えを持つておられますか。
#43
○國務大臣(冨吉榮二君) 私の労働組合に対する考え方、労働爭議に対する考え方は、官業労働はストライキをやつてはならんといつたような考え方で臨むべきではないと考えております。ストライキは当然の権利である。ですからこれを仰圧するような考えは毛頭持つておりません。併しストライキをやるということは、公共性の事業であるだけに國民生活に與える影響、大きく言えば日本再建に支障を來すような行動は、從業員としてできるだけせんように愼んで貰いたいということは、私は警告もし、又そのような要求も申入れもいたすつもりであります。ただいわゆる労調法の改正だとか、或いはその他の炭鉱法の制定によりまして、官業労働の爭議を禁圧するというがごとき一片の法律を以て、今日労働運動を禁止するというがごときは、私は角を矯めて牛を殺すというよりも、もつと悪い結果を招致するのであつて、又これは民主主義本來の思想と背反するものであると、このように実は考えておるのであります。從いまして私は輿論というものを考え、輿論の健全性、そうして又指導者というものが、いわゆるあせらず、騒がず、正しくこれに臨んで、そうして從業員諸君をして反省せしめつつ、よしんば爭義が起つても、その爭議が及ぼす影響をできるだけ縮少し、國民大衆に御迷惑を掛けないし、日本再建に妨害をなさざる程度にこれを止めるということこそ、我々の取るべき途なりと、こういうふうに考えております。
#44
○油井賢太郎君 先般ストライキによるところの回復については、どのくらいの日数で以てこれを完了することができるかという質問をいたしておつたのに対して、大体早いのは三日、遅いのは十数日を要するといつたような回答を得たのであります。それを逆に考えますと、三日で以て一日のストライキを回復できるような作業であるならば、むしろこれは人員を三分の一減らしても、毎日やつて行けるのじやないかというふうにも考えられるのであります。又一日休んだがために、十数日を要するような作業であつては、これは非常にオヴアー・ワークじやないかというふうな考えも出るのですが、配置轉換という点については、今後どういうふうになさるおつもりであるか伺いたいと思います。
#45
○國務大臣(冨吉榮二君) 御案内のごとく、通信事業というものは土木工事の道を造つて参るのと違いまして、今日休んだから、それだけ溜つておるから、明日に延ばすとかいうようなものでございませんので、その間の算定は相当困難であろうかと思いまするが、要するにこの爭議の跡片付けが、できるだけ早いということと、遅いということは、事業種別によつていろいろ違うかと思います。併し同じ種別の中でも、やり方によつては早く復旧もしますし、又遅くもなる。それは要するに爭議の最中における從業員の心構えという問題に非常に重大な影響がある。それであの際にやはり彈圧的な方針などを取りまして、徒らに爭議團の氣分をかく立てますと、機械を破損せしめたり、いろいろな所にいたずらをいたしましたりするような結果が生じますと、折角正式に行われていた爭議が悪化いたしまして、暴動化するような結果になりますと、これはそのために非常に復旧が遅れるというのでございまするが、爭議、まあここでいろいろと戰術とか、対策とかいうことを微細に語ることは差控えますが、実はその辺の理解は管理者としては重大な点であろうかと思いまして、ただ三日で跡片付けが済んだから、人数はそう要らんじやないか、或いは十数日も掛からなければ回復ができないというのは、非常にオーヴアー・ワークじやないかという御議論は、必ずしもその通りじやないと思うのであります。それはつまり一日でも休めば滯貨するものもあります。併し通信がそれだけないものもあり、電話のごときは、別に今日出なかつたから明日余計通話数が倍も三倍倍もあるわけじやない。例えば郵便物のごときは、じやんじやん向うから送つて來るのでありますから、これを片付けるのは相当のオーヴアー・ワークをやつて、早出、遅帰りをやらなければ解決が付かない。そういう方面で相当オーヴアー・ワークをやられても解決を付けるというようなことをやる。ですから事業及び從業員の管理といつたようなものは、非常にデリケートな関係がございますので、できるだけこれを能率的に、効率的に國民に悪い影響を與えないようにして、そうして進もう、こういうことであります。
#46
○新谷寅三郎君 ちよつと一言だけ、今の油井君の質疑に対して大臣の御答弁になつた中で、多少心配になつた点があるものですから、一言お伺いしますが、独立採算制の問題であります。大臣の御意見では、独立採算制は余り好ましくない、今度の予算も鉄道通信一般会計、皆プールして、そうして足りないところをお互いに補い合つたんだというような意味の御答弁だつたように思うのです。併しこの独立採算制は、片山内閣以來、現在の芦田内閣におきましても踏襲しておる一つの大きな方針じやないかと了解しておるのです。今度の二十三年度予算概要説明という政府の出しましたパンフレットによりましても、事業会計においても、できるだけ独立採算別を堅持するように努力したということが述べてあります。今後通信事業なり或いは鉄道が、やはり健全な財政の基礎の上に立つて復興し、発展して行こうという点から言いますと、一般会計が非常に足りなくなつたから、特別会計の料金を上げて、それらの穴埋めをしたとかいうような事態があつては困るのであります。やはり独立採算制という建前は堅持して行かれた方がいいと私は考えておるのであります。今後独立採算制につきまして、從來と違つたお考えでお進みになる御意見でしようか。或いはそうでなく、やはり独立採算制はどこまでも堅持して行くんだ、こういう非常に異常な財政状況であるから、止むを得ず或る程度独立採算制を破るがごとき措置も取らざるを得ないというようなことになるのでしようか、大臣にもう一遍この点について明瞭に御説明願います。
#47
○國務大臣(冨吉榮二君) 少し私の言葉が足りなかつたり、或いは時間的に混線したりして、そういうふうに受け取れたかと思いますが、私はこう考えておるのであります。独立採算制というものは、必ずしも私は絶対に堅持すると言つて、つまり独立採算制の、この財産上における、絶対これで賄わなければならんというふうに窮屈に考えておらない。國家事業であるから、多少足りない点は、やはり補填することも正しいのだというふうな考え方で、從つてこの通信なら通信において、この同じ事業の中で電話なら電話というものは儲かるし、或いは郵便なら郵便は非常に損をすると、こういうふうなことを完全なる独立採算主義に分割して参りますというと、理論的に参りますというと、電話のごときはどんどん進むし、郵便のごときはいつまで経つても、どうも発展改良はできないということに行詰ると私は考えているから、独立採算制というものを否定はしないけれども、又絶対にそれでなければならないという考え方を私は取らない。その点において事業の公益性に顧みて、非常にゆとりのある考え方をして行かなければならない、こう私は申上げたのであります。尚社会党の方の議論を、私はこのように考えて社会党がやつているようなことを申上げたのでありますが、それは私が考えたのじやなく、聊か私とは違つた聞きがある。こういうふうに御了承を願いたいと思うのであります。大体私も独立採算制絶対主義者でもなければ、又絶対独立採算制というものは必要ない、通信関係がどんなになろうと、一般会計から持つて來ればいいのだといつたような考えを持つておらないので、何々主義とか、何々という窮屈な私は考え方を持つていない。こう申上げて、大体において経済の正常なる発展の程度によつて、極端な事情がない限り、この事業は当然独り歩きができる筋合であるべきであると、こういうふうに考えております。
#48
○新谷寅三郎君 大臣のお考えは大体分りましたが、それはおつしやるのは、今非常に異常な状態であるから、そういうふうにいろいろな事態が出て來るのであります。これは経済界が安定して参りまして、通信事業が一應安定して参りますと、独立採算制というものが、公益或いは社会に対するサービスという点と矛盾するものでないと思うのであります。今お話になりましたように、独立採算制を排撃はしないけれども、絶対に独立採算制でなければならないという考えも持つていないというふうになりますと、一体料金というのはどこで決まるということになりますと、これは原價というものは考えなくてもいい、余り重きを置かないでもいい、一般経済界の情勢如何によつて、或いは他の物價との関係によつて相対的に決つて來る問題であるという結論になるのでありまして、これでは通信事業が、公益性が多ければ多い程、料金決定に対しましては國民に対して申訳ないような料金決定をせざるを得ないような結果も將來起ると思う。やはり政治的な考慮は必要でありましようが、事業の基礎は独立採算制に置くべきじやないかと思うのでありますが、これは大臣と多少意見が相違するかも知れません。御答弁は別に要求いたしませんが、そういう考え方もあるので、そういうことでないと、私は事業の復興というのが非常に遅れるという場合が多くて、通信事業のために、從つて社会のためにいい結果をもたらさないのじやないかという懸念を持つているのであります。尚念のために申上げるのでありまして、別に答弁を要しません。
#49
○國務大臣(冨吉榮二君) 私ももつと勉強します。
#50
○委員長(深水六郎君) 外に大臣に対する質問がなければ、大臣は衆議院の方に参られるそうでありますが、どうぞ。
 ちよつと、市來乙彦さんから、自分が病氣でたびたび出られないからと、通信料金値上法案に対する意見の要旨を書いて來られたのでありますが、読んで見ましようか、抽象的ですけれども、回覽いたしましようか。
#51
○新谷寅三郎君 回覽でいいですね。
#52
○委員長(深水六郎君) それでは後で回覽いたします。
#53
○新谷寅三郎君 委員長、資料の要求一つ。
#54
○委員長(深水六郎君) 承知いたしました。
#55
○新谷寅三郎君 先程政府委員の方から述べられました郵便、電信、電話、爲替、振替前で、つまり事業別に赤字或いは黒字がこのくらい出るという御説明がありましたが、それの基になつている数字の大綱を、次の機会に簡單な印刷物にしてお示し願いたいと思います。極く荒つぽい項目で結構であります。
#56
○政府委員(横田信夫君) 予算を先にして、予算を分計いたしたのでありますが、そのどの項目を選んで、どういう割合で分計したか。こういうことですか。
#57
○新谷寅三郎君 そうです。今件費はどう、物件費はどう、これがどういうようになつてできておる。從つて各事業別体系の内容が、收支が、大体大掴みにどういう状態になつておるかということを知りたい。
#58
○委員長(深水六郎君) 外に御質疑がなければ、如何ですか。今日はこの程度でよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(深水六郎君) それでは、本日の委員会はこれを以て終ります。
   午後三時五十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     深水 六郎君
   理事      水橋 藤作君
   委員
           大島 定吉君
           重宗 雄三君
           油井賢太郎君
           井上なつゑ君
           新谷寅三郎君
           堀越 儀郎君
           藤田 芳雄君
  國務大臣
   逓 信 大 臣 冨吉 榮二君
  政府委員
   逓信事務官
   (総務局主計課
   長)      横田 信夫君
ソース: 国立国会図書館
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