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1955/12/10 第23回国会 参議院 参議院会議録情報 第023回国会 内閣委員会 第3号
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1955/12/10 第23回国会 参議院

参議院会議録情報 第023回国会 内閣委員会 第3号

#1
第023回国会 内閣委員会 第3号
昭和三十年十二月十日(土曜日)
   午前十一時十一分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小柳 牧衞君
   理事
           千葉  信君
           島村 軍次君
   委員
           井上 知治君
           木村篤太郎君
           中山 壽彦君
           菊川 孝夫君
           木下 源吾君
           高瀬荘太郎君
           豊田 雅孝君
  国務大臣
   国 務 大 臣 河野 一郎君
  政府委員
   内閣総理大臣官
   房公務員制度調
   査室長     大山  正君
   調達庁長官   福島愼太郎君
   自治庁行政部長 小林與三次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○一般職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣送付、
 予備審査)
○日本国との平和条約の効力の発生及
 び日本国とアメリカ合衆国との間の
 安全保障条約第三条に基く行政協定
 の実施等に伴い国家公務員法等の一
 部を改正する等の法律の一部を改正
 する法律案(千葉信君外六名発議)
 (第二十二回国会継続)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小柳牧衞君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 本委員会に予備付託になっております一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず政府から提案理由の説明を求めます。
#3
○国務大臣(河野一郎君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概略を御説明申し上げます。
 国家公務員に対しましては、夏期及び年末にそれぞれ期末手当及び勤勉手当が支給されておりますが、最近における民間給与、生計費その他給与に関係ある諸条件を考慮いたしました結果、年末に支給される手当につき、若干の増額が必要であると認められるにいたりました。
 そこで、財政その他の事情をも考慮の上、本年七月十六日付の大事院勧告を尊重し、十二月十五日に支給する手当につきまして、期末手当の額を〇・二五カ月分増額して一月分とし、勤勉手当とあわせて合計一・五カ月分を支給することといたした次第であります。
 しかしながら、これが実施につきましては、かなりの財源を必要といたしますので、財源捻出について慎重検討いたしました結果、昭和三十年におきましては、特別措置を講ずることにいたしました。すなわち、本改正法律案により増額されることとなる部分につきましては、既定経費の節約及び必要ある場合には既定予算の移流用により、各庁の長が予算の範囲内で定める割合により支給することといたしました。
 以上が本法律案を提案する理由並びに内容の概略であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。
#4
○委員長(小柳牧衞君) なお細部についての説明を政府委員からお願いします。
#5
○政府委員(大山正君) 法律案の内容につきまして御説明申し上げます。改正法律案の本則におきまして『第十九条の四第二項中「百分の百五十」を「百分の二百」に改める。』ということになっておりますが、御承知のように十九条の四は期末手当に関する条文でございまして、この第二項におきまして期末手当の額を定めておるのでありますが、その定め方は六月、すなわち夏期に支給せられる手当を百分の五十、〇・五カ月分というように規定いたしまして、十二月十五日に支給する額はその夏に支給される額の百分の百五十、言いかえますと〇・七五カ月分ということになっておるのでありますが、今回それを百分の二百に改める、といいますことは結局一カ月分に改めるということになるわけであります。勤勉手当は従前通り〇・五カ月分出るわけでございますから、合わせますと、従来年末に一・二五カ月分出ておりましたのが、今回の改正によって一・五カ月分出ると、こういうことになるわけでございます。これが本則の内容でございます。
 次に附則の第二項におきまして、「改正後の一般職の職員の給与に関する法律第十九条の四第二項」以下法律案にカッコの中にいろいろ書いておりますことは後ほど説明いたすことにしまして、法律案の二ページの二行目に続きまして、『の規定の昭和三十年における適用については、同項中「百分の二百」とあるのは「百分の百五十をこえ、百分の二百をこえない範囲内において各庁の長またはその委任を受けた者が定める割合」と読み替えるものとする。』となっておりますのは、先ほど提案理由の説明にございましたように、本年度に関する限りは、この増額支給は各省庁の既定予算の範囲内におきまして節約または移用流用によってやるということになりますので、省庁によりましてはできないところもあるということが一応考えられますので、制度といたしましてはその増額分については、各省庁の実情によって予算の範囲内で各庁の長が定めるという制度を設けた次第でございます。本年度における特例ということでございます。なお、そのカッコの中に書いてありますのは、この条文を裁判所職員あるいは防衛庁の職員、あるいは在外公館に勤務しておる外務公務員、南方連絡事務所に勤務しておる公務員というものにつきまして、やはり同じような特例を規定するためにカッコの中にいろいろ法律を引用しておる次第であります。なおここに引用しております以外の特別職、大臣、政務次官、秘書官、裁判官、検察官あるいは国会職員というような特別職につきましては、特にここでは触れておらないのでありますが、それぞれの法律に一般職の職員の例によるというような規定がありますので、ここに書いてありませんで竜、当然に本則並びに附則の例によってそれぞれ同じ率で支給されるということになる次第であります。
 次に第三項に書いてありますのは、本年の十二月十五日の支給につきまして、ただいま申し上げましたような移用、流用の手続等がございまして、これを末端まで措置いたしますのに若干の時日一を要することと思われますので、十五日に支給できない場合には、その増額分についてだけは五日以内に支給してよいという余裕を設けたのでございまして、従来もらっておる分につきましては十五日に出るわけでございますが、増額分についてだけはゆとりを設けたということであります。
 以上簡単でありますが法案の内容について御説明した次第であります。
#6
○委員長(小柳牧衞君) それでは本案に対する質疑に入りたいと思います。
#7
○千葉信君 河野さんにお尋ねいたしますが、今回の期末手当の法律案が提案に至るまでの河野給与担当大臣の御努力に対しては、十分その御努力を多とするものであります。しかし私どもとしては、これで十分とはどうしても考えられない、もちろんこの法律案を出すに至りました経過の中では、人事院の勧告を尊重されたという事実がある、ただしかしその人事院の勧告そのものが実は問題であって、当然人事院が行うべき勧告を行わない。しかも最後には期末手当にすり変えて、その期末手当の勧告の率にしましても、現在の物価の状態、それから民間給与の状態からいいますと、これでは非常に公務員諸君は不利益のまま据え置かれるという状態になっております。つまり現在の公務員の給与が決定されましたその基準となった昭和二十八年三月の物価の状態、それから労働賃金の状態等に対して、今の状態ほどうなっておるかというと、民間賃金も七%以上の上昇をし、物価の状態も一時は一二%程度上昇し、そしてその後横ばいという格好ではありますけれども、今日はまだ八%以上の開きを持っておりま。つまりその物価の横ばいという状態は、上ったままの横ばいという状態が続いておるわけですから、従って人事院としてはこの状態に適合するよう々勧告の措置を講じなければならぬ。しかし私はそれだから今ここで何らかの措置を講じなければならぬというのではなくて、そういう状態にあるのだから、少くとも今回せっかく御努力になって〇・二五カ月分増額するという措置をおとりになろうとしておられるのだから、私はこの法律案の中に含まれる本年度限りの措置だから、まあ各省庁の予算の移用、流用によって行うのだから、場合によっては最高まで支給しなくともよろしいという条件があることは、私は承服できかいのです。そこで今大山君の方から、そういう支給できないような、予算の移流用の行えないような省庁があれば因る、だからこういう附則を設けたのだというお話がありましたが、実は一昨日のこの内閣委員会で、河野さんはほかの委員会に出ておられて来られないというので、官房長官がかわりに来られたのです。官房長官は官房長官の責任において、この予算の点についてはっきりこう言われておるのです。今回の年末手当の増額支給が可能かどうかということについては、主計局が各省庁に対して十分連絡をとり、増額支給することが可能だという確認があったので出すことにしたのだ、こういう明確た御答弁をしておられまして、速記にもちゃんと出ております。そうなると、今の政府委員の説明は食い違ったことにたると思うのです。この点に対して政府は何らかの措置をおとりになるつもりであるか、承わっておきたい。
#8
○国務大臣(河野一郎君) 前段の公務員諸君の現在の手当が、今の物価からいって非常に安過ぎる、これについては私もいろいろ意見も持っております。がしかし、一方御承知の通り予算の現状を見ますると、またこれにもなかなか編成上困難な点もあるというようなことは、今さら私がここで申し上げる必要もないと思いますから差し控えますが、私の給与方面を担当いたしておりまする考え方からいたしまして、また私が一個の政治家としての考え方からいたしまして、公務員の給与制度については人事院の勧告に従ってやっていかなければいかぬのだ、で、公務員諸君が労働組合を作って、そうしていろいろ団体交渉をやってどうこうするということは一切押えておるのだから、一方において押えておる以上は、またそういうことをせずに、安心しておのおのの職場を守って御協力願うという以上は、人事院の勧告というものは絶対にこれを尊重していかなければいかぬものだということを、かねがね私は考えておったのでございます。従って今回の人事院の勧告について、いろいろ各方面に御意見もございましたし、またその立場々々によっていろいろの御批判、御批評もあると思いますが、しかしわれわれ政府をおあずかりいたしておるものとしましては、この勧善を尊重していく、また一般公務員諸君も、この勧告には従順に従っていくということにしていきたいものだという考えを持っておりましたので、今回この処置をとったわけでございます。
 そこで今、後段のお尋ねの、しからばその〇・二五カ月分を補正予算を組んでそうして財源を確保しよう、各省の長に一任をしないでやることが必要じゃないか、やるべきじゃないか、現に出目房長官はできると言っておるなら、その財源があると言っておるなら、なぜそうしないのだという御趣旨と了承いたします。しかも今ここで説明したのはそうでない、やれないとかやれないかもしれないとかと言うておるが、どういうことなんだ、こういうことだと思うのです。これは私は御承知の通りに今年末のこの非常に押し追った際に、各省、各庁にわたって、これの財源を一々当って、そうしてこれからこういうふうに出してということになりますと、非常に複雑多岐にもなりますし、また補正予算を組んでこれをやるということになりますと、事務の処理上も非常に困難でございます。そういうようなことを勘案いたしまして、また別に今御審議を願っておりまする自治庁関係のものにいたしましても、御説明を申し上げておると思いますが、現行の三十年度の予算を政府が運用いたして参りまする際におきまして、決して不要なものが予算に組んであるとは思いませんけれども、年度すでに半ば以上を経過いたしました今日におきまして、この予算の見通しをいたします際に、不用額も一部ありましょうし、もしくはまた当然仕事が繰り越されるものもありましょうし、その他一般の経費において、相当今年度内には使い切れないというようなものも、各省によってそれぞれその長が見通しがつくものがあるだろう、そういうものを無理のいかないようにしていくことが必要じゃないか、従って公共事業費の一部を繰りかえるとかいうようなことで自治庁の方はやっておりますが、こちらの方にいたしましても、なるべく節約できるものは節約をし、そうして移用、流用をすることによって各庁の長が予算の運用に無理のいかないようにして、なおかっこの期末手当の増額分は充当できるような処置がとれるというようなことを閣議でいろいろ検討いたしまして、そうして処置をとることがよかろうということにいたしたわけでございまして、官房長官の言いましたことも、むろんその通りこれが実行できないようなものもあるわけはないからそういう答弁をしたと思いますが、今ここで法案の御審議を願います際に説明いたしましたことは、しからばそれじゃ財源は政府においてそういう処置をとったらいいじゃないかということにいたしまして、これは各省一律にいたしますとそこに無理の出てくることもあるしいたしますので、むろんその処置は各省の長にまかすがよかろうということで、こういう処置をとった次第でございます。
#9
○千葉信君 河野さんは少し勘違いをして答弁ざれたのですが、前段の方の問題については、私は期末手当の増額につきましては、どうもそっくりこのままはいただきかねるという根拠がどこにあるかということについて御質問申し上げたのであります。これは河野さんの方から御答弁があったように、当然現在のように争議権等を剥奪しているんだから、やはり人事院の勧告はそれにかわるものとして尊重されなければならない、そういう立場で実施をしたのだというお考えは、これは全く河野さんのおっしゃる通り私もそれを実行された態度に対しては御意を表しておるのです。しかし実はそこに少し問題が残るのです。どうして残るかというと、その人事院勧告の勧告自体に問題があるということです。で、その問題があるということについて、僕は具体的に、たとえば物価の状態、それから民間の労働賃金の状態について、数字をあげて申し上げました。こういう点があるから具体的にも私はその理念としての人事院勧告は正しいとしても、その人事院勧告にわれわれは不満を表明せざるを得ないという格好にならざるを得ない。ところがもう一つは、あなたが今度公務員制度を担当されておりますから、ですから特に申し上げておきますが、今度も何か一説には主計局をどこかに統合するとか、あるいは人事院を廃止するとかいう話がある、人事院廃止の問題は今日起った問題じゃありません。第十三回国会から起っております。ところが最近におけるいろいろな政府部内の動向を見ますと、特にその人事院の関係におきましては、最近非常に国家公務員法に要請された人事院のありようというものが、かなり歪曲されてきておる傾向が強い。しかもその最初は、人事院は独自の立場に立って給与改訂の勧告等を勇敢に行なったのですが、それがその人事院の廃止というような問題が持ち上ってから後の人事院の態度というものは相当変ってしまった。廃止という問題は非常に人事院を動揺させております。人事院はその動揺を、態度としてはきぜんとして勧告すべきその態度にまで影響を起してきております。ですから両方を担当されておるのですから、この点を私はあなたに申し上げるのですが、そういう人事院の廃止というような制度の問題に逢着しておる人事院側の態度というものは、結果として今回の期末手当の点にまで直接には影響を起してきておるということが言えると思うのです。ですからこの点については私はここで大臣に対してどうしろ、こうしろという問題を質問しているのじゃなくて、こういう事実があるということを、少くとも給与を担当している同時にまた公務員制度を担当しておられる大臣に、この点についてはっきりと腹を据えて今後問題を考えてもらわなければならぬという意味で、私はこの期末手当の問題について直接ここにも不満があるということを申し上げたい。ですからこの点は十分大臣に考えてもらいたい。
 それから後段の問題については、大臣は私の質問を少し取り違えておられると思うのです。直接には私が御質問申し上げたことは、この附則の第二項をやめて、予算措置を講じて出せという意味で申し上げているのじゃない。どうしてああいう質問をしているかといいますと、私はその予算措置を講じて出すことが一番望ましいことではあるけれども、それまでやってもらいたいというのじゃなくて、実はこういう附則があるということによって問題が残るのです。それはどこに残るかというと、今回地方公務員等に対する期末手当の増額については、政府の方では短期融資によって一時まかなおうとしている。将来の問題は別ですよ。短期融資によってまかなおうとしている。地方公務員等の場合にはさっきも話がありましたように、一般職の職員以外の公務員と同じように、大体一般職の職員の給与に関する法律に準ずる取扱いをすることになっております。そういう建前になっておるために、一方地方財政の今日の状態から、今回の期末手当の増額については短期融資という暫定措置がとられ、そこにもってきて根拠となる法律には最高をきめて、最高にならなくてもいいのだという条件があるということは、これは地方の職員にとっては相当心配の種になると思うのです。ですから私は何も官房長官の言ったことを利用しようとしているのじゃありません。実際に官房長官がここで明確に答えておられるのですから、各省庁と連絡の結果、主計局では確信をもって十分やれるということを明確にしたから今回の措置を講じたのだと言っておられるのですから、それならばあとくされの残るような附則はやめて、当然この際にはO・二五増額のすっきりした法律でいくべきじゃないか、この点どうですか。
#10
○国務大臣(河野一郎君) 前段の問題は、これはもう私がお答え申し上げる必要はないかもしれませぬが、ちょっとつけ加えさせていただきたいと思うのです。
 第一に、人事院の廃止ということは私は考えております。しかしそうなるかならぬか、私の考え通りになるかならぬかは別として、そういうことを新聞にも言いました。また言いましたのは、ここにあるこの勧告は七月でありまして、第三次鳩山内閣は今できたばかりでありますから、それによって私は影響があったと言うのじゃない。もっとその前から人事院廃止ということはしばしばにおわしていたのでありますが、少くとも昨年十二月鳩山内閣が成立いたしました後において人事院廃止、行政機構の改革ということは今回初めて取り上げた問題でございます。われわれとしては今お話のように人事院を廃止すると一方で言っておりましたから勧告の方がにぶるのだということは、相当以前のことはともかくといたしまして、今その責任はそれとこれをからめて考えるわけにはいかない。これを一つ御了承願いたい。
 それからもう一つは、私が人事院を廃止するという意味は、制度そのものをやめてしまおうという考えはないのです。私は国家公務員については、少くとも公正なる第三者の勧告を十分聞いて、そうして政府も公務員もこれに服従していくという制度が一番いい制度である、この制度を存置する必要あるということは私も全く同感であります。ただ今のように制度と給与の問題の両方を一緒に扱う人事院の制度が必要であるかどうか、これは別だと思う。給与については今言うように少くとも別な、公正な第三者の意見を聞くという態度でいくことがいいのじゃないかというふうに考えておりまして、公務員制度そのものはまた別に考えてよろしいというように私は考えております。従ってそれじゃどういうことを考えるかと言えば、内閣に事務局程度のものは必要であるけれども、今のような人事院じゃなく、人事委員会でいいのじゃないかということは考えておりますが、これはよく検討した上でいずれ御批判を願いたいと思います。
 それからいろいろ経済事情の変化、現在の公務員の俸給が高い安い、この程度でいい悪い、これはいろいろ御意見があると思います。私も意見を持っております。しかしそれは別にいたしまして、少くとも意見は意見としてこれは主張はいたしますが、しかし結論は人事院の勧告に従っていくことが一番いいのじゃないか。これは公務員諸君の立場から言わせればいろいろ御不満もございましょうしいろいろ御主張もございましょうが、しかしまた政府をあずかっているわれわれといたしましては、もちろんわれわれの意見もあります。財務当局は財務当局としての御意見がありますが、これはしかし総じて現在においてはこの人事院の勧告を有力な意見としてこれを尊重していくという建前をとるのが一番いいのじゃないかと、こう考えて、今いろいろお話がございましたが、これは一々ごもっとも申し上げ……上げられない点もありますが、それはそれとして、別にいたしまして、あとのお話の点でございますが、ここで一つ御注意と申しますか、私の意見を申し上げて一つ御参考にお聞き取りを願いたいと思いますことは、大体問題になるのは地方公務員の場合でございます。中央においてはどなたも……衆議院で昨日も委員会がございましたが、ほとんど問題なく地方公務員の問題であります。地方公務員に対するこの財源措置が非常に問題になります。あれだけ窮迫している地方財政の上において、こういうことを言ってものめぬだろう、もしくは政府が一時資金を融通するというが、それはどうなるかという点について、非常に御意見があります。しかしこれはこういうことに考えているわけであります。地方は一方においては五百億程度の赤字を出しております。五百億程度の赤字を持って、地方財政は困窮いたしておりますけれども、その反面において国家予算と同額もしくはそれ以上の予算をもってこの予算を現に運用しておるわけであります。従って中央において節約もしくは繰り延べもしくは移用によって、この期末手当に振り当てる努力ができるならば、中央と同額もしくはそれ以上の予算を所持しておられる地方がやれるだろうかということは一応考えられるのじゃないか。しかし地方といいましても都道府県から市町村、非常にこまかく区切られておりますから、全体を通じてはできるかもしれんけれども、こまかく区切られている中には非常に困難な所もあるだろう。その困難な所については実情をよく御相談申し上げて、困難な所については今言う通り短期資金のお世話をしなければならぬだろう。全部について短期資金のお世話をするということは毛頭考えていないのでございます。従ってこれはあくまでも節約であるとか、もしくは事業の繰り延べ等によって出てくるところの財源によってやってもらいたい。しかしどうしてもそういうものができない市町村であるとか、もしくはごく困窮な府県であるとかいうようなものについては、お世話を申し上げなければいかぬだろう。しからばお世話を申し上げたその資金は将来どうなるのだといえば、それは明年において地方の財政を根本的に一つ案を建て直そうじゃないかと言うておるのだから、その際にそれについてはこれをくるめて考えてやればいいんじゃないかというふうに、実は私は給与担当者として考えておるわけであります。それ以上の細部にわたっては、自治庁長官なりその他の方からお聞き取り願いたい。私は閣議でこの処置に出で、この基本要項をきめましたときに、了解いたしまして、これでいけるということをきめました。私の気持はそういうことでありますから御了承願いたいと思います。
#11
○千葉信君 自治庁長官の方にお聞きしなければならない点は、私はまた別に御質問も用意しております。しかし今大臣も言われたように、その問題になるのは交付税の交付を要しない団体、それからまた義務教育費の半額負担する分、これは問題ないのです。その他の三十三億に大体該当する地方の財源をどうするかということが一つの問題、今言われたように、その問題については必ずしも政府としては明確な態度を今回のこの法律案の場合にはきめておらない。きめておられるのは短期融資をすることがあるということをきめておられる。それはまあそういう点では河野さんの言われるように、国もやっているのだから地方もそういう節約というような条件で十分やるべきだし、またやってもらいたいということもわかります。わかるけれども、しかし実際の状態からいいますと、今あなたも言われたように、国のように統一した格好で大世帯でやっている場合と違って、同じ程度の財源を扱っているとしましても、非常に細部にわたる、場合によっては村長さん、町長さんが上京してその融資の問題等について交渉しなければならないような問題も起るかもしれない。そういう団体等の場合ですね、私はその融資の点についてはいわば政府の方で措置をとられるでしょう。しかしその問題はそういう立場に立っている地方の理事者がこの法律を見た場合に、地方公務員に対して増額支給しなければならない根拠になる法律の中に、できなければやらなくてもよいという附則がある。ここに問題があるのです。できなければやらなくてもいいという、本年限りの措置だし、そういう法律になっているのだから、何も汗をかいて借金々々で苦しんでいるところへ、これ以上またそんな借金をしなければならないという法律的な義務はここではないことになっている。ここに問題があるのです。せっかく〇・二五をふやすという措置をおとりになっておられて、ここまで努力をされておられて、実は遺憾ながらこの附則があるために、そこに問題が残ってしまう。この点をもう少し地方の当該関係者が心配しなくともいいように、その点を明確にする必要がありはしないか。まあ融資の措置についてはこれはまた別だと思うのです。河野さんに対してその点を直接私は聞いてもむだだと思う。しかしその法律案自体の中に問題を包蔵しているということは、やはりこれは河野さんから答弁を聞き、河野さんの考えを改めてもらう必要があると思うのです。この点……。
#12
○国務大臣(河野一郎君) 御意見でございますけれども、私は現在の地方各官庁については一つ中央と同様に、もしくはそれ以上に御努力を願ってしていただくということをしていただきません以上は、現在地方財政も相当困窮していることは了承できますけれども、反面においてわれわれもまあお互いに郷里もありますし、地方の実情にも、町村の事情にも全然通じないわけではございません。もう少し何とか考えてもらいたい点を私はここで勇敢に申し上げるという自信を持っております。現在の地方が一面において非常に借金をして貧乏だ、貧乏だ、困る、困るといいながら一面において私は地方財政が非常に合理的に運用されれば、まだまだ節約できるという点があるのじゃないかというような気持が決してないわけではないのでありまして、しかしそれは全部に通用するかというと、むろん例外の地方はあります。ありますから、そういう特定の地方については特定の道をあけてもらわなければこれはいかぬ、いまの短期融資の道もあけておきますけれども、大体は中央の公務員諸君の御努力に対して、これを十分勉強しようということの気持は、地方でもやってもらいたい。しかも一面においては地方は地方それぞれの実情もございましょうし、地方の議会もあるのでございますから、これをこういうふうに上げるのだ、その財源はその地方で全部考えろと言うたら、私は現在の地方の状態からいってよろしくないのじゃないかという気もしますので、むしろ今せっかくのお話でございますけれども、逆に、そうきめずに、地方の財政立て直しの前提としてでも、一つ地方でもお考え願うということの方がいいのじゃないかというふうに、私はむしろ逆の見解を持っている。しかしそうは言っても絶対できない、ずいぶん一年懸命やっておられる地方もあります、ありますが、それでもなおかつ非常に合理的に予算も組み、むだのないように予算を使っておられ、それをどこも流用するところもなければ、どこも移用するところもない、それでも必要のものを削ってでもそれをこっちへ回せということは正しいことではございません。その場合には短期の融資をしてやるべきだというふうに考えているのでございまして、これはもうおそらく閣内のどなたでも、現在の地方財政のあり方は、ただ借金があるから、その借金の埋まるように交付金を出してやればいいのだ、地方に財源を与えればいいのだということのほかに、財政の運用、予算の運用については考えてもらわなければいかぬ点があるのじゃないかということは、どなたも私は考えているのじゃないかと思うのです。そういう点からいっても、この際年末手当については一つ地方で特別のお考えを願うということにいきたいと、こう考えております。これは意見の相違になるかも知れませんが、御了承を願いたいと思います。
#13
○千葉信君 まあ先ほどの人事院の廃止の問題にしても、それから地方財政の再建の問題にしても、これは直接ここの問題に関係しておりませんし、また別の機会もあるでしょうから、その機会に私は質疑応答を展開いたしますが、そうじゃなくて、ここに実際に問題となっている点については、今河野さんの言われたように、地方が果して河野さんの希望しておられるようにいくかどうかということについては、私は疑問があると思うのです。まあ河野さんが今の閣内における発言力がそのまま地方団体に及ぶようだと、これはまあ問題はないと思うのですが、必ずしもそうはいかぬと思うのです。そうなりますと、やはりおっしゃることはわかるけれども、私はその御答弁だけでは私の心配している点についての解決にはならないと思うのです。解決にならぬどころか、問題はやはり依然として残ると思うのです。それではここで質疑は終ったということにはならぬと思うのですね。
#14
○国務大臣(河野一郎君) 地方々々につきましてはその地、その地の公務員の諸君もよく実情はおわかりでございますから、むしろその地方その地方で、こういうふうな、中央で一応取りきめられておる指示をいたしますれば、それぞれの職場において、むろん反省すべき点は反省をし、地方の長が運用する分はやって、かえって私は合理的に行くんじゃないか。むしろこれを規定いたしましたのは、この範囲内において幾らでも、出していいんだというような気持は持っていないことは、これは官房長官から申し上げた通りでございまして、ただそれを、それならばお話しの通り不足を取ってしまって全部出すようにしたらばいいんじゃないかということになりますと、一方において実際財源をそれじゃ中央において全部心配せいということになり、また心配をしなければ法律の建前が私は立っていかないと思う。でございますから、今回に限ってはこの処置をとり、明年度以降の予算編成の際においては、十分地方についても財政を建て直して、そうして運用するということの方が私は妥当じゃないかというのでこの案を作ったものであります。その点は一つ御了承を願いたい。
#15
○千葉信君 今、河野さんの言われたことによって、かえって問題が起ってきたと思います。あなたが今言われたように、こういう法律を作っておけば、ある程度の弾力があるから、地方の公務員は地方にいて、その自治体における財政状態等をも知っているから、だからそこでそれぞれその解決の方法も考えるだろう。その解決の方法というのは、河野さんも経験されたように、国で経験したように、その自治体における混乱なんです。
#16
○国務大臣(河野一郎君) ちょっと誤解がありますから言わせてください。私の言うのは、地方々々においてむだがあるとか、移用、流用すべきものがあるということは、それぞれの公務員諸君が知っておられる。知っておられるのだから、その長はそれをなおざりにすることはできないだろう。全然知らね中央において、そういう実情のわからぬものがわからぬで判断をしてやるよりも、その地方々々においては、公務員諸君がそれぞれ当たっておられますから、たとえば私は農林大臣をしております。農林大臣をしておって、農林省の中にはむだやでたらめがあって、しかしこれは出すものはないのだといっても、農林省の公務員に対して、私はそういうばかなことはできません。そういう反省を持つと私は思うのであります。でございますから、私は神奈川県でございますが、神奈川県において、神奈川県知事が神奈川県においては全然していない。しかしこういうものを中央で財源をくれないから出せないと言いましたところで、神奈川県におられる公務員の諸君は、神奈川県の運用はどうなっているかということを知っておるわけですから、こういうふうな品評会をやって、こういうふうなことをやったじゃないか。だれに弁当出したじゃないか、そんな弁当出すくらいの金があるなら、こっちへ出したらどうだという声がおのずから起るでございましょうし、一々これが団体交渉をしなくても、そういう混乱を起すようなことをしなくても、それは皆わかっておる。わかっておるところにおいておのずから解決ができるだろう。しかしそれは一方において出せ出せと言ったって、出すだけの金はない、合理的に運用されておる。おれのところの村は皆金を村長が有効適切に使っておってむだがない。しかし私は当然短期の融資をすることになるだろう。それは皆その場その場において合理的に運用されて行くことになるだろう。私はこれが公務員諸君とその長との間に、おのずからそういう道が開けて行くべきものであって、何も三割休暇をとるとか、職場大会をやるとかいうようなことをしなくても、小さいところでは小さいところだけで話がお互いに、うちの役場では予算がないから、これはもう短期融資によって村長さんやりましょうというふうに、それはおのずから話が出てくる。合理的に運用されて行くということになり、また一方においては、その県庁の方が短期融資を認めないのが当りまえだ。ああいうふうな村長さんがああいうことをしているし、村会議員さんもあんな視察にばかり行っている。村会議員が視察に歩く金があったら年末に出したらいいじゃないかという声が村民から起るでございましょうし、村の議員からも起るでございましょう。自然のうちにそこに反省があり、合理的な運用がされるだろうと思います。だから中央でもってこれを一律に出さなければいかぬ、出すべきだとして不足をとってしまう。そうすれば当然これの財源をつけずして不足をとるわけにはいかぬ。だから勉強できるだけの勉強はしてもらって、なおかつ短期融資の道を開きましょうということの方が合理的じゃないか。そうして今年はそういうふうにしまして、明年度からは予算編成の際にきちっとやって行こうということでいいんじゃないかと思います。
#17
○千葉信君 河野さんの御答弁は、あなたのおっしやるように行けば問題は起らぬけれども、私はそうじゃない場合があるから心配している。節約なんかは、する余地がある所は、これはあなたのおっしゃるように、その地方の理事者も、それから職員諸君も知っているわけだから、それは節約の可能性がある。しかし節約の可能性のない、財政の困難な地方はどうするのか。その場合に、あなたの希望しておられるように、理事者が、ほかに事情がなくて、この問題だけで、あとに問題がないという場合はいいけれども、ほかにもいろいろな財政を必要とする問題をかかえて、この問題どころではないというような所が必ずあるに違いない。そういう所では、場合によるとあなたのおっしゃるような方向には行かないと思う。
#18
○国務大臣(河野一郎君) それはもう当然短期の融資をなすべきであるし、その短期の融資をなし、明年以降において財政の建て直しをいたします場合に、当然そういう配慮をしなければならぬ。これは特に御了解願いたいと思いますことば、大体私の担当いたしておりまする農林省の仕事をしていただいておる府県が比較的貧弱な県であり、貧弱の町村であります。そういうことでございますから、農林省の補助金を使おうと思っても、補助金はもらいたいけれども、これに引き当てる財源がないというようなことになっておる所が多いのでございます。そういうことでございますから、特別にそういう所で働いておられる吏員諸君、公務員諸君にはそういう問題が起りやすいかもしれませんけれども、これが合理的にされておりますならば、こういう所に対しては、私はどこまでも、ひとり自治庁長官にだけおまかせしないで、私も短期融資の点につきましては、一応こういうような提案をいたしております以上は、大蔵当局に対して、十分短期融資をすみやかにして、そうしていやしくも年末の資金に事欠かぬようにしてやらなければならぬということは、むろん私はその立場に立ってものを言うつもりであります。
#19
○千葉信君 短期融資の問題が、どうこうという困難な事情があったときには、これはもちろん今おっしゃるように、十分河野さんの御努力を私は願いたいと思います。しかし問題はそういうふうな混乱を起すような条件がこの法律に含まれているということが問題なんであります。この点がこの委員会としては非常に問題であります。しかしこれ以上は、どうも意見がだいぶ食い違っているようでありますから、これ以上やってみても、おれはこういう意見だ、おれはこういう意見だということになりそうですので、私はこれで問題ははっきりしたと思うから、私はこれでやめますが、ただもう一つ問題は、短期融資の問題ですが、どうも本会議における答弁等を聞きましても、できれば三十年度に今回の期末手当に関する短期融資の分について財政措置を講じたいという、短期融資をするということじゃなくて、短期融資をした跡始末について財政措置を講じたい、予算措置を講じたいという希望を自治庁長官は持っておられる。これはまあ自流庁長官の御答弁ですから……。それからさらに、もしそれができたければ三十一年度においてこれを解決したいという御答弁をされている。どうもその問題も、もっと政府によって明確た態度を出されたければ、私はやはりそこからも、さっき申し上げたように、地方の理事者が容易に踏み切ろうとしない態度が出てくるおそれがあると思います。この点について大臣はどうですか、政府として明確な態度を示して安心させる必要があると思いますが。
#20
○国務大臣(河野一郎君) それはそういう短期の融資をいたして、それを解決して行くということを考えました私の気持は、今回五百億の赤字が出ておる。その中から百六、七十億の処置をいたしましても、なおあとに三百億以上の財政のつじつまが合って行かないということになっておるのでございますが、これをそのままにして、貧乏の県は貧乏なりによけいというわけに絶対に参らないのでございまして、これはしばしば総理からもお答え申し上げております通りに、三十一年度においてはこれらについて財政の建て直しをするべく基本的な考え方をして案を立てなければいかぬ、その際には今回の短期融資さるべきものはその中に含めて解決をして行くということにして行くことが妥当だというふうに考えておるのでございまして、あとの残りの三百億についても、まあ適当にしておくのだということになりますと、今岡の短期融資についてはこれはどういうふうにして財源をするのだ、これについては利子補給をするのかしないのかという問題が起って来ますけれども、そうじゃなくて全面的に地方財政につき、もしくは地方制度について考え直さなければいかぬのじゃないかという段階であろうと思います。それをどういう方向に行くか、どういう方向に行くかということは別にいたしまして、あわせて今の財政を建て直しをするために財源措置をどうするか、交付金をもう少しふやすか、ないしはまた地方の財源を何を与えるか、それでしかもそういうふうにして地方の予算の運用等についてはどういうふうにしてやって行くかというような行政機種の点についても、地方の今のままの行政機構でいいとは私は言えぬと思うのでございます。でございますから、いたずらに部がふえておるとか、課がふえておるとかいうようなこと、もしくは大きな県でも小さな県でも、副知事はだれでも、地方議会できめさえすればだれでも置けるのだというようなこと等々、いろいろお考え願わなければならぬ点があるのじゃないか。出る方については制約が少しもできないで、そうして入る方については足りない、足りないといっても無理じゃないか、また一方非常に富裕県があるにもかかわらず、貧乏県があるという状態をそのままにしておきてますことは、これも正しいあり方とは思いません。それらについて全面的に考え直しをされるべきことだと思うのでございます。その際にあわせてこういうことについて解決するということでいいじゃないか、こう思っております。
#21
○委員長(小柳牧衞君) 今、河野大臣は衆議院の方から御要望があるのですが……。
#22
○千葉信君 最後に一つ。まあその短期融資の跡始末等についてはまた次の機会にお尋ねをいたしますが、最後に一つきょう申し上げておきたいことは、実はその今回の政府のとられたところの増額措置については一体その全体の地方公務員、あるいは公共企業体、一般職職員、これら全体を含めての期末手当の増額について公平な措置と考えておそらく政府はとられたと思うのです。その措置をとられるに当って、知っていてやったのならば不届きだし、知らないでやったのならば、これは全く笑止千万なやり方だということになるのですが、しかしまあこれは問題の解決に、今の段階では私はプラスにならないで、むしろこの問題にはこれ以上触れたくないのですが、そういう点について実はあとでこの問題が解決後に、私は政府に対して一本報いなければならぬ問題があることを申し上げて、きょうはこれで質問をやめておきますから……。
#23
○木下源吾君 大へんどうも大臣忙しいようでありますから、簡単に一つ……。今度の人事院勧告を尊重してやる、これは非常に河野さんのいわば功績だと私ども思っておる。今までそんなことをやった何はない。これは非常に私は考えて、いいこと当然、そういうようにいいことは奨励すべきである。そこで問題は受納者の方で二カ月分を要求しておったことは御承知でしょう。この二カ月分要求に対しては、一体どういうふうにお考えになっているか、この点を一つお伺いしたいと思うのです。
#24
○国務大臣(河野一郎君) 二カ月分を要求するということを、いろいろな要請書も頂戴いたしましたし、いろいろ頂戴いたしました。しかし一方において大蔵当局からは全然財源がない。なかなかこの処置に出ることも困難だということであったのでございますけれども、私は先ほど来申し上げました通りに、人事院の勧告を中心にしてものを、これを重要なる忠告として、政府は処置をするととが妥当であるということにして、秩序を保って行かなければいけないという考えのもとに、こういう処置に出た、こういうことでございます。
#25
○木下源吾君 そこで財源の問題は大蔵省でいろいろ心配して何しておるとすれば、この法律の建前では人件費の不用額、こういうことが骨子のようですが、こういう点については不用額のないようにして行くのが建前であります。どういうわけでこういう不用額ができたのか、その点を、あなたの所管外でもあろうが、一つお考えを聞きたい。
#26
○国務大臣(河野一郎君) 御承知の通り、予算を編成いたします当時に毛十分注意もし、調査もいたしてやるのでございますけれども、たとえば私の直接担当いたしておりまする農林省でその例をとってみますと、用地の買収が困難で、年度内にとうてい着手ができないということで繰り延べになるものもございます。また十月中非常に長雨が降ったというようなことで、雨天のために工事の一、二割がどうしても年度内に済ますことができないというようなことで、一、二割の繰り延べも出て参ります。また不用額等につきましては、その後の情勢が変りまして、そうしてそれを使う必要がないというような場合が起ったときに、不用額が一部出ますというようなことで、予算の繰り延べ、不用というものは出るのが……そういうことはよいことではございません。御承知の通りよいことではございませんが、なるべくそういうことはないようにしなければいけないのでございますけれども、現存非常に社会情勢も変りますし、いろいろなことが変化してきます場合において、途中でやめてよろしいというようなことも出て参りますので、予算全体から見ますと、昨年、一昨年ずっとそういうことになって、また今年もはなはだ不手際かもしれませんが、そういうものが出るようなことになっているわけでございます。
#27
○木下源吾君 もちろんそういう場合もあろうが、大体において必要な定員、仕事の母に見合うだけの人員を補充しないで、そうして欠員のままでおく、こういうようなことが従来しばしば行われている、そういうような経費の節約、つまり不用額だ、こういうことが要するに他の職域、他の人々に労働を強化する、そういうところに、そればかりではないだろうが、私は二カ月分という要求の根拠がある、こういうように考えるのです。そうであれば、財政上はどうもやれない。けれども当然これは要求が妥当である、こういうような一つの結論が出てくるのではないか、こういうように考えるので、この点は今度の増額についてもでありますが、財源の問題を別にして、給与担当として、あなたとしては今度きめられた増額分というものは、政府は支払いの義務がある、支給する義務がある。一方受給者の方では、これは受ける権利がある、こういうように解釈していいのかどうか、この点を一つお聞きをしておきたいのです。
#28
○政府委員(大山正君) 先ほど御説明いたしました改正法律案の本則によりまして、恒久制度としては、お話のように必ず支給することになりますから、支給する義務がありますが、本年度に関する限りはこれを附則の第二項におきまして、その範囲内で各省の長がきめるということになりますので、きめたものにつきましてはお話のように権利があり義務がございますが、そのO・二五カ月分全額をもらう権利義務が直ちに発生しているわけじゃございません。
#29
○木下源吾君 そこに私はあいまいな問題があると思うのです。これは給与担当の大臣としては、その点を明確にする責任があるのではないか。予算とかあるいは財政という面なら、これはやはり大臣としても別の角度の御意見がありましょうが、給与に関する限り、私は近代的な給与体系からいえばこの点を明確にすることが責務じゃないかと、こう考えているのですけれども、これを前段においては権利義務が確立しておる、後段においてはそれはどうもそうではない。これは非常に不明確で、この点をもう少し説明において、明確に基本的な考え方と実施の間に矛盾のないようにしてあげることが大事じゃないかと、こう考えて実は御質問しておるわけであります。
#30
○国務大臣(河野一郎君) ごもっともなことでございますが、長期にわたってこういう不確定なことをするならこれはよくないことであります。しかし先ほど来お話申し上げました通りに、この法律が十四日に成立すれば十五日にはすぐこれを出すわけでございます。従って出してしまえばそこで権利も義務もすっかり一応おさまってしまうわけですから、その間一日か二日でございます、二日の間の不確定のことでございまして、非常にまあ議論にはなりません。しかし一方において先ほど申し上げました通り、年末に起って参りました、しかもそれが明年度の予算を編成する上においてこういうふうな措置でいくなら、これは私はよくないと思います。最初から予算を編成する上においては、増加いたしましたものを政府も予算に組まなければいかぬし、また一方もその時期にはとるということにちゃんときまるわけでございます。
#31
○木下源吾君 くどいようだけれども重ねて。それではやはり今度の増額分は基本的には権利義務というものは発生しておると、こういうように了解してさしつかえありませんか。
#32
○国務大臣(河野一郎君) それは先ほど申し上げました通り、一応法律の建前としましてはその範囲内においてでございます。
#33
○木下源吾君 もう一、二点ですが、実はこれは給与大臣というよりも、その国の財政でありまするが、私ども今回の増額分の支給の関係を見まして国庫、簡単に言えば大蔵省で、これは非常に税金のはね返りによって余裕ができるように考えられる。百億支給するうちに一般職と特別職で何ぼ、その残額はといえば……公共企業体、あるいは地方で、これはそれぞれのつまり自分の肉、自分の足を食ってそしてもらうわけであります。タコ配みたいなものです。しかしながらここから所得税のはね返りは、これはもう容赦なく国の方に入っていってしまう。国の方の純然たる不当利得みたいなものですな。一方においては財源がなくて困る、やれないといろいろ説明しながら、他面においては国はそういう不当な……ほかに考える道があるならば、それは誰も不当に私するものはない、これはわかりますが、こういうやり方に対して、この給与を支給するというときの財源を大臣が考慮されたときにお考えになったかどうか。そうして合せて今回の場合そういう金額はどのくらいになっておるかということを概略でもお調べになったかどうか、この点をお聞きしたいと思うのです。
#34
○国務大臣(河野一郎君) それはむろん財務当局の方におきましてはそういうことも十分計算してやっており、これは私が申し上げるよりも、財務当局から正確にお答え申し上げた方が間違いがなくていいと思いますから、別の機会に申し上げます。
#35
○木下源吾君 私は数字の上のそれをお聞きするというよりも、同時に給与担当大臣として国の財政をお考えになって、今手元で払えるとか払えないとかいうようなことが重大な問題のポイントになるのであるから、それをお聞きしておるわけなんです。それは給与担当大臣としては、それに対してはあえて関することでないということであれば、私はあえて追及する必要はない。しかし河野さんはえらく内閣における非常に重い地位にあるのであるから、私はあなたの方でやめられるというから、あえて今後の給与については関心を持ってもらいたいからお尋ねしておる。そういう点から、数字の上で言っておるわけではありません。
#36
○委員長(小柳牧衞君) 河野大臣に対する質問は……
#37
○木下源吾君 もう少しありますけれども、お急ぎのようですから。
#38
○国務大臣(河野一郎君) 私よりもほかの大臣の方がわかっておりますから……。私はここまで持ってくるものは持ってきましたから、あとの点はだめ押しをお願いいたします。
#39
○委員長(小柳牧衞君) 自治庁の政府委員が見えておりますけれども、質問ありませんか。大臣は地方行政の方に行っておりますから、今交渉しております。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#40
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。
 それでは今の議題は一応ここで打ち切りまして、次の議題に移りたいと思います。
    ―――――――――――――
#41
○委員長(小柳牧衞君) 日本国との平和条約の効力の発生及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、第二十二回国会中発議者千葉信君から提案の理由の説明を開き、審議を行い、引き続き閉会中も調査を行なってあったのでありますが、まだその審議を終了する段階に至っておりません。本案に対する質疑を願います。
#42
○千葉信君 福島さんにお尋ねいたします。この前の委員会に来られなかったものですから、労働部長の方からいろいろ御答弁を願いましたが、その当時まだ調達庁としてもはっきりその影響の程度等について把握をされておられないというので御答弁をいただけませんでしたが、第一にお尋ねしたいことは、駐留軍の陸軍費が四八%削減という格好になっておりますが、大体アメリカの今会計年度に想定されました駐留軍労務者に対する平均人員、逆に言えばその平均人員の算定からくる整理人員、その人員というのはおおよそ一万人ということに承わっております。その実際上に要求した陸軍費の中から四八%の削減を受けたというその事態によって、当然この数字に変動が起ることが予想されたわけですが、今日その大体の数字というものを調達庁の方でつかんでおられるかどうかその点を伺いたいと思います。この大削減によって首切りの人員がふえるようなことがありはしないか。ふえるとすれば何人ぐらいということは調達庁の方で折衝の結果おわかりになったかどうか、その点を伺いたいと思います。
#43
○政府委員(福島愼太郎君) 駐留軍労務者は現在かれこれ十五万ぐらいと考えております。これがこれから先どの程度の人員整理があるであろうかということで、あると思います。これに開通して米軍の方ではどういう材料によってどういう見方をしておるか、われわれの方はどう見ておるかということであろうと思います。米軍の予算年度は七月から始まるという関係もありまするので、われわれの方の予算年度とも合わない関係もあります。常にその数字の調整がむずかしい点もありまして、まず第一に考えなき偽、ならないのは、米軍自身が、特に米陸軍がいわゆる要求予算の四八%減を受けたという問題から、人員整理がどう出てくるであろうかということで、これにつきましては陸軍とも再三話し合いをいたしておりますが、陸軍自身もはっきりした数はつかんでおらない、見通しはついておらないようであります。十五万人と申しますうちの陸軍の占めます比重はなかなか大きいのでありまして、十万近い八万とか九万という数ではないかと思っております。これがどういうふうな影響を受けるかということになりますのですが、まあ私今考えておりますが、四八%減というのは、極東に駐留する陸軍としての予算が要求額よりも四八%の削減を受けたということであろうと思います。これは通常の場合にそういう削減のし方ということはちょっと考えられないのでありますが、恐らく極東の陸軍首脳者の知らない、アメリカの陸軍省における配備状況の変化ということを頭においてワシントンは削減してきたのであろう。たとえば極端な話しをすれば日本から一個師団を減らす考えを持っておる。従ってそういう考えなしに要求してきておる予算を、それらを勘案してみれば四八%とっていいのだという結果の回答が恐らく出たのじゃないか。それに伴って四八%減の説明が逐次本国からこちらに来るにつれて、日本における軍隊の配備状況の転換その他の全貌を彼らもつかんで来るのじゃないか。そうなると、それに人員の減少という問題がどうからむかということになってくるのだと思います。従いまして四八%という陸軍全般に関する予算の減少というものは、日本人労務者の面では、現有勢力が何%減になるという影響で現われてくるかということは、これはまあ想像でもなかなかっかみにくい面もありますし、またアメリカ側でも私どもにまだわからぬ、まだわからぬと言って繰り返しておることも、若干は、本国から将来どの連隊を帰すとか、帰さないのだという情報その他の集まり工合によっては、まだわからぬと言うのも、必ずしも説明を避けているとばかりも見られない面もあるのじゃないかと思うのです。そこで予算減からくる人員整理をどの程度に見るかということになりますと、御承知の通り昨年二五%減というのがありまして、そのときの労務者に与えた影響というものは一九%か一八%、陸軍全般の予算二五%減の際に労務者がこうむった影響としては一八、九%の影響でようやく処置をしたという実例もありますので、今度の四五%はそのパーセンテージでまるまる労務者の上にかぶってくるということは、これはまあないということは確実に言えると思う。しからば何%くらいの、ということになりますけれども、この場合に、やはり今年はどうしても現有二個師団の勢力のあります日本における陸軍という関係が、相当本質的な変化をするということに関連して四八%をきめたのであろうと思われるふしが多々ありますので、これらの実際の動きが出て参りませんと見当がつかないのじゃないかと思うのです。またかりに一個師団なり半個師団が日本から帰るというような場合を想定いたしましても、そのあとの施設についてどういうふうな考え方をするだろうか。陸軍の兵力そのものは帰っても、万一の場合に備えて施設は保留するかもしれないという傾向は幾らかあります。それからまた施設を日本の自衛隊に転換するという考え方で準備を進めているところもあるわけです。自衛隊に転換するということになりますと、自衛隊の労務者の使い方と米軍の使い方と基本的に違いますので、相当の人員整理は免かれないということになります。それからまた施設を保留するということになりますと、保留施設に対する労務者の需要というのは想像以上にあるのでして、からっぽになっても施設が残る場合にはそうむやみな人員整理はないということも考えられるのです。まあそういう非常に複雑な様相になりましたので、ごく最近に至って部隊の変化の状況が少しずつ到着し出したのではないか。現に本日あたりも若干の情報があるようでございます。われわれは、従来は東北地方の騎兵第一師団が影響を受けるのではないか、むしろ本国へ帰るのじゃないかという考え方をしておったのですが、逆に関西方面の第三海兵師団の方が半分ばかり減るというのが、さしあたりの実況のようであるというようなことも、本日あたり大分耳に入って参りました。そういうものの影響が出てくるわけでありますが、申し上げました通り、ようやくそういう事態がある程度明らかになって参りましたところでありますので、労務者へ現われてくる影響というものが何パーセントどまりかということは、まだ今のところ申し上げる数字にとぼしいところです。ただ調達庁並びに私どもも大変こういう問題をいじっておりますので、勘で申し上げるほかないと思うんです。勘で申し上げるということになれば、いわゆる予算減ということで労務者数へ現われてくる影響というものも、これはないと申し上げるわけにはいかないのでありますが、今日までこちらの年度をとりますにせよ向うの年度をとりますにせよ、と申しますのは、今年の四月からにせよ七月からにせよ、実のところ相当減少しております。これ以上の減少もないとは申し上げかねますけれども、やはり相当の減少があるにしても、それよりは将来配備関係が変ってくることになれば、その方から出てくる影響の方が多かろうとこう考えております。そういたしますと、片っ方は片っ方より大きいと思うし、片っ方は片っ方より小さいと申し上げたわけですが、また多少慎重に見れば原因が二つあるわけであります。その二つある原因というものが、四八%という一本に表現されていると見るわけであります。二つあるわけでありますので、やはり人員整理問題はある程度慎重に問題を予想しなければならない、こう見なければならんと思うのです、実際問題といたしまして。そこで米軍側からわれわれの要求に対して、五十五年度といいますか来年の四月なり、あるいは七月なりへかけての十五万人の数の変化というものの数字を求めているわけです。十四万六千といい、十三万五千といい、そういう数字にしたこともあるわけですが、これまたきわめて正直に申し上げまして向うも苦しまぎれに出してくる数字であります。余りあてにならない。あてにならないのでありますけれども、しかし一個師団なりあるいは半個師団なりが減らないと仮定すれば、最低限度十三万四、五千のことを考えておったということが言えるわけであります。そういたしますと十三万五、六千の数というものを、来年度の半ばごろに考えているのだとすれば、やはり相当な減少と、今日まで整理がありましたものを除外いたしましても、その方面からすればやはり相当整理の数が出てくる。それに師団が減るということにでもなれば、一個師団は今朝の情報では減らない模様であります。四分の一くらい減る。そうすると四分の一の二五%減る。施設の保留ということがあるから二五%まるまる減らないということがあると、まあ十数パーセント、まあこう見るのでして、それもやはり一万五、六千、そういう数になります。それやこれや考え合せまして、やはり二万近い整理というものが来年一杯くらいに行われるくらいの可能性は考えて、処置に万全を期さなければならないのではないかというふうに考えます。
#44
○千葉信君 いろんな事情もあってはっきりした数字はまだ調達庁としてもおわかりにならないようですが、しかし今長官からお話がありましたように、この前の内閣委員会の当時よりも、大体その後の御推察によっても整理の人員が今の数字からいいましてもふえるという想定が大体私も正しいだろうと思う。私はこれは容易ならん問題だと思うのです。大体その首切りのやり方を見ましても、日本政府が実際に公務員に対するやり方よりももっと残酷で、しかもかなり無慈悲なやり方がとられておりますから、これは駐留軍の労務者ばかりでなく、国としてもやはり相当この問題は関心を払わなければならん問題だ。従って国の場合には臨時待命制度とか、特別待命制度などという緩衝地帯がその期日などに作られていて、ある程度穏当な措置が考えられておりますけれども、駐留軍の場合にはそれもない。しかも特別退職手当の問題については、特別などという名前をつけるから異様な印象を与えるだけで、退職手当の支給率そのものにかなり問題が残っておりまして、この点についてきょう十分審議したいと思っておりましたのですが、時間の関係等もありますので、最初にこの問題について調達庁の方で、その後どういうふうに交渉がなっているか、まずそれから承わりたいと思います。
#45
○政府委員(福島愼太郎君) 特別退職金制度の問題は問題がなかなかむずかしいのでありますが、しかし一がいにアメリカ側が全然これを考慮しない、その必要なしと言っているのでもない点もあるわけです。と申しますのは、アメリカ側としては、現在の制度というものが公務員に比較して不利であるとは思はないということを言っておる。現在のアメリカ側の実施している制度が日本の公務員に比較して不利であるというか、待遇が悪いという面が立証されるならばこれを是正するのに異存はないと言っている。そのあとで、そういう方針は堅持しているのであるけれども、現在の公務員制度との間に差額を見出すことができない。むしろ駐留軍の制度の方が公務員よりは上回っていはしないかと。これはもちろん考え方の相違の面も多分にありますのでむずかしい点なのではありますが、従いまして理論的に証明がされるとかあるいは納得がいくということになれば、いつ何どきでも考える。こう言っているところに問題のむずかしさがかえって存在するようなわけで、われわれの方は理論上公務員制度との比較をいたしまして、それより下回っている部分についてその実質を指摘して、欠陥があるがゆえにこれを是正するという交渉をしておるわけであります。ずっと以前からの交渉に引き続きまして、先方の指摘する公務員制度に比較して率その他の関係からいっても下回っておらないというのに対して、必ずしも有効な下回っておるというその説明ができにくい点がある。
 それからもう一つこの際お考えおきを願わなければなりませんのは、特別退職金制度という問題に関連しましては調達庁案というものが一つある。それと組合の要求せられた案というものがある。組合の要求せられた案はいろいろな経緯がありましたけれども、大体今日におきましては現行の制度に三分の一を加える。三三%増しということを言っている。調達庁の方は形は非常に似ておるのですけれども、実質はやはり非常に違う案なんです。公務員との比較において、公務員より調達庁が見て下回っておると見られる点を是正しろという主張なんです。そうしますと、それは公務員制度と比較します場合には、在勤年数が三年以下の者については駐留軍労務者の場合には退職金の額は不利である。こう調達庁は見ておるわけです。それに失業保険とかいろいろなことをいいますと、今度アメリカの言う通りの理屈になる。とにかくこれは退職して失業保険をもらえば、それが金になって入ってくるのですから、これを全然無視するという議論も非常にむずかしい点があるのであります。それはまあ無理やり私どもは相手にしないというようなことも言ったこともあるわけなんです。そういたしますと、公務員との面は確かに三年以下の分については下だ、これを直せ、組合のほうは一律に初めから終りまで三三%増。ところが実態をごらん願わなければいけないのですが、これはまあ批評される方、ないしは組合の側から見れば非常に不愉快きわまる原因かを得ない事実というものは年々歳々人員整理が繰り返されてきておりますから、人員整理の際には先任順によって、年数の短かい者から切るということでやってきたわけで、去年は二万今年は何千というふうに減らして参りますと、勤務年数の短かい者を先にやめさせてしまったことになる。そうしますと、今残っている者は九〇%かあるいはそれ以上三年以上の者だということになる。そうしますと、調達庁案を主張してかりにこれが実現しても該当者がないということになる。組合の案は調達庁案と似ている形はしておっても、三年以上のものについて三分の一ふやせということになるわけなんです。私どもはアメリカ側と交渉はしております、ということは申し上げてあるわけですけれども、しかし全面的に組合案を私どもがのんだという状況ではまだないわけです。少くともアメリカ側を説得しておりますのは、初めから終りまで調達庁案であるわけです。そうすると、調達庁案はそれは全然ないとはいいませんけれども、これができて公務員のいわゆる最低保障の線に該当する部分が改良せられたとしても、できたときにはもう該当者がなかったということになる。調達庁案で軍相手にがんばってこいとこうおっしゃられましても、かりにこれが成功した場合には何らの実益がないということになるおそれがある。そこで今非常に閉口しておるわけなんです。さりとて組合の案もそう簡単にのめませんし、そういうことで交渉をこれからどうやっていくかという点に非常に難問題があるわけです。しらばっくれてな最低保障を獲得した。これは表向きはいえることでありましても、その銭をもらう人が一人もおらない。一人もないことはありますまいけれども、九、一〇%あるいは一二、三%しか及ばないというようになったのでは、これは話にも何にもならないという気もいたしますので、どういうことになりますか、今後の交渉のあれでありますけれども、いずれにいたしましてもまずもって公務員の給与待遇と駐留軍労務者の給与待遇という問題におけるアメリカ側の提示しました失業保険、その他を関連させた、あるいは公務員の場合は恩給その他も一緒に合せて考えてみた、退職時に伴うすべての利益というものを合算して考えるべきであるという理論と、われわれもそういうような毛のは入れたくないという理論との間の調整をはかって、アメリカ側に是正の必要を承認させることができればいいという時代があったわけなんですが、今日は申し上げたようにそういかなくなりましたので、それを是正させると同時に、今度は三年以上、現在でも公務員より低からざるものをどうしてあげるのだという理由の是非という問題を、新たに開拓していかなければならないというような事態にいっておるような気がいたします。
#46
○千葉信君 政府の交渉の模様はわかりましたが、委員会は委員会として独自の立場で法律案の審議を続けたいと思うのです。
 ただお尋ねしておきたいのは、たとえば特別待命制度のようなこういう措置はやはり日本の現在の労働者の立場から考えますと相当問題になると思うこれからも相当大量の首切りがあるわけですから、何か向うと話し合いをされておりますか。
#47
○政府委員(福島愼太郎君) 特別待命の制度、恩給の制度、それらをすべてひっくるめまして、駐留軍労務者がやめるときに、退職金のほかに失業保険や何かをもらえるということを先方が言うものでございますから、こちらも年金、恩給、一時恩給、特別待命、あらゆるものを合算しまして公務員の上につけ足しまして、それと駐留軍と比較するという態度で数字を検討いたしたのでありますが、特別待命その他すべて検討の材料になっておるわけであります。ごく簡単に平たく申せば、最低のものについては公務員については特別待命があるかもしれない。しかし駐留軍労務者には六カ月という失業保険がある。同じであると見るか、アメリカのようにむしろ失業保険の方が上であると見る意見もございますけれども、それらの問題も今日までの交渉において、あわせて検討されたことは事実であります。
#48
○委員長(小柳牧衞君) 本案に対する御質疑は本日はこの程度でとどめまして、先の打ち切りの法案について質疑を続行いたしたいと思いますが、御異議ございませんですか。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#49
○委員長(小柳牧衞君) 速記を始めて。
 本日はこれで散会いたします。
   午後零時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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