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1955/12/14 第23回国会 参議院 参議院会議録情報 第023回国会 地方行政委員会 第8号
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1955/12/14 第23回国会 参議院

参議院会議録情報 第023回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第023回国会 地方行政委員会 第8号
昭和三十年十二月十四日(水曜日)
   午後三時三十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     松岡 平市君
   理事
           石村 幸作君
           伊能 芳雄君
           森下 政一君
           小林 武治君
   委員
           小幡 治和君
           佐野  廣君
           斎藤  昇君
           高橋進太郎君
           加瀬  完君
           中田 吉雄君
           岸  良一君
           館  哲二君
           鈴木  一君
  国務大臣
   国 務 大 臣 太田 正孝君
  政府委員
   自治政務次官  早川  崇君
   自治庁次長   鈴木 俊一君
   自治庁財政部長 後藤  博君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永与一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方財政再建促進特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)(第二十二回
 国会継続)
○昭和三十年度の地方財政に関する特
 別措置法案(内閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(松岡平市君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 地方財政再建促進特別措置法案及び昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案、両案を便宜一括して議題に供します。両案について御質疑のおありの方は順次御発言願います。
#3
○石村幸作君 自治庁にお伺いいたしますが、一昨日の小林委員からの質問に対して自治庁、たしか大臣が答弁せられたと思うが、こういうことを言っているのですね、今回の不足に対する百六十億を政府が出したと、これはその目的以外の方面に使用されるおそれがあるから、それに対して政府はどう思うか、こういうふうな質問があった。政府はそういうおそれも多々あるから、なるべく他の方に流用されないように監督します、指導しますというような答弁があった。これはおそらくこの提案理由の説明の中に、経費の基準需要額の問題ですが、こういうことが書いてある、投資的経費を是正することを第一とし、消費的経費については恩給費の算入不足を是正するにとどめてある、こういうことを言っている。これ以外のものに対しては使わせないようにすると、こういう意味だったろうと思うのです。そこで今回の三十年度の措置に対して特別法で単位費用の改正をやっております。これを見ると、土木、教育、厚生その他いろいろな点において補正をしておるのですが、これは要するに百六十億を配付する一つの法的手段として単位費用の改正をしたと思うのです。だから結論的に言えばここで投資的経費の是正、消費的については云々、これに限らないで、地方は百六十億円を流してもらったなら何に使おうが自由で、何に使うというよりも、今まで使った金の不足を補てんするわけです。だから少し私は質問と答弁とともに実態と合っていないと思うのですが、どうですか。
#4
○政府委員(早川崇君) 今度の百六十億円はいわゆる補助金のように一つの事業なり一つの費目を限定したお金じゃありませんので、むろん地方自治体においてそれぞれ自主的に決定すべき点は多々あると思いますが、問題はこの苦しい国家財政の中で、特に本年度は地方制度調査会の答申の線に近い百八十億というものを捻出したのでありますから、この捻出すべき原因であった面に支出するようにわれわれは期待するという趣旨でありまして、従って当初われわれはとの〇・二五分の期末手当なんかはこれにむろん加えておらなかったわけであります。しかし今申し上げましたように、一般的に地方団体に支給するものですから、補助金のような厳格な使途の制限はございません。
#5
○石村幸作君 そうするとお含みは、要するにあの金を年末手当の増額等に流用するな、こんなふうな含みがあったわけですか。
#6
○政府委員(早川崇君) むろんするなというわけじやありませんが、これはまあ全然われわれの考えておる百八十八億財源措置にはむろん入っておりませんし、今後衆議院の付帯決議の線のように、この面はこの面として最大の努力を財源措置に対していたしたい、こう考えておる次第であります。
#7
○石村幸作君 けっこうな御答弁で満足いたしました。
 次に地方交付税というものは原則として地方団体の必要とする最低の主要一般財源はこれを保障する、こういう制度だと思うのですが、どうでしょうか。
#8
○政府委員(鈴木俊一君) お話のごとく必要な最小限度の額を地方団体に対して保障するという財源保障の意味をもっております。ただ以前の地方財政平衡交付金制度に比べますというと、一定の割合の、すなわち二二%という国税三税の割合のものがその財源として使われるということでございますから、地方財政平衡交付金に比較しますと、その保障の機能において若干固定的でございまして、少し弱いという感じがいたしますが、しかし財源保障という面を一つの機能としてもっているわけであります。
#9
○石村幸作君 ここでその地方財政を不足だと、こういう問題を検討する基礎になる数字なんですがね。財政計画上のものと交付税の算定上のものと、これが原則からいうと一致すべきじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
#10
○政府委員(鈴木俊一君) 財政計画は地方財政全体の観察をいたしますために、歳入歳出全体にわたりまして調査をいたしまして所要の財源というものがどのくらい不足するか、それに対してどういう財源措置をするか、こういうめどを立てるためのものでございますから、お話のごとく地方財政計画と平衡交付金の、今の地方交付税の額というものは関連をもってきめられなければならない。不足額を完全に補てんできればこれは一番望ましいわけでありますが、これは結局地方財政計画でどの程度まで財源不足というものを見込むかという問題とも関連をするわけであります。
#11
○石村幸作君 お説の通りですが、その財政計画上の数字が大体それによって過不足を見ておられるでしょうが、これは理論として交付税の算定上のやはり過不足と、これはどうしても合わなければうそなんです。それが合わないというのは、今回改正される基準財政需要額の率、単価、これが直ったのですが、これが逆算で交付額がきまるたびにそれに合うように単位費用を直している。だから単位費用がうそだということなんじゃないですか、だから合わない。
#12
○政府委員(鈴木俊一君) 御指摘のようにおよそ地方団体の基準財政需要を算定いたします場合に標準的な団体を想定いたしまして、その団体で必要なる額、それに見合う基準財政需要における単位費用が幾らであるかということを客観的にはじき出しまして、それを全地方団体の分を積み重ねて行く。一方また基準財政収入についても、そういうような客観的な見方をいたしまして積み重ねて行って、その財源不足額をまた計算をし、それを積み重ねて行ったものが地方団体全体の財源不足額として出て来るわけでございますが、その額がすなわち財源不足額として見られる、こういう制度は従来の地方財政平衡交付金がそうであったわけであります。しかしその制度の行われておりました場合におきましても、御案内のように実質的にはそういうような形には行われませんで、頭から財源不足額を地方財政計画において幾らと見るかということで見て行ったわけであります。ですからお話のように、まず単位費用の方を定めて行って、そして財源不足額を出して来るというのは望ましいと申せば望ましいかもしれませんけれども、実際問題としてこれは困難でございますので、やはり地方財政計画というような総括的な計画におきまして、抽象的に財源所要額をはじき出して行って、そうして地方交付税が本年度は幾らになる、こういうことが出ました場合に、従来の地方交付肥の総額を基礎にして定めておりました。単位費用をまた是正をする、調整をして行く、こういうふうにせざるを得ませぬので、ただいまの制度の運用はそういうふうになっておるわけでございます。
#13
○石村幸作君 今の御説明は、現在の扱っている制度そのままを御説明だった、それだからこういう不合理な食い違いが始終出てくるので、政府は、自治庁ではこの単位費用をほんとうに実態に即した数字に、適正にこれは将来根本的に改めようというような気持ちありますか。
#14
○政府委員(鈴木俊一君) それは私どもは極力単位費用を実際に即するように直したいと考えております。ただその直す場合におきましても、現在の地方交付税なり、地方税なりのワクの中で直し得ますものと、その総ワクの中ではどうしてもまかない切れない単位費用は、実際に即するように直すならば財源をさらに見ない限りは総体としてやはりそれだけ圧縮される、そういうことになりますので、財源の総額がどの程度になるかということと見合ってやはり単位費用を直していくと、こういうふうにせざるを得ぬと思うのであります。ただそういう額にかかわらず直し得るものもございますので、そういうものは極力実際に即するように是正をしていきたい、そういう考え方で従来とも所要の額の中でできますものはやってきているわけでございます。
#15
○石村幸作君 そういうやむを得ないからそういう手続をとっておられるのでしょうが、私はそれは間違っていると思うのです。やはり単位費用というものは、適正に実態に即したようにするのがほんとうだろうと思います。ただ元金がないから便宜上そうやっておくのだ、それは間違っていると思います。そこで私は、財政上のにらみ合せを、基準財政需要額と主要一般財源との比較ですね、これをはっきりして明確に始終しておいていただきたいと思うのです。当委員会からも、二十八年度と二十九年度の基準財政需要額と主要一般財源との比較を行政部門別、府県別等にして提出するように資料を要求してあったのですが、どうしてもこれはお出しにならない。これはできないのでしょうか。どういうわけだったのでしょうか。
#16
○政府委員(後藤博君) これは御趣旨がよくわからんのでありまして、基準財政需要額というのは、単位費用を積み重ねて計算を出したものでございます。単位費用の中には一般財源に当るものが落ちておるのであります。一般財源に当るものが基準財政需要額なんです。それでこれを比較されるのは私よくわかりませんので、それをお問いしてから資料をととのえようということでおくれておったのであります。申しわけないと思います。
 単位費用と申しますのは、前に申し上げたことがあるかと思いますが、標準団体の標準行政費用を一応出しまして、それから特定財源である補助金、起債、それから雑収入、こういうものを落してしまいます。落してしまいまして、残りますものがいわゆる一般財源で、交付税に当るものと税収入であります。基準財政収入額の方では税を算出し、県でしたらその八〇%、市町村でしたらその七〇%を出しておるのであります。その差額を交付税という格好にいたしております。従って単位費用というのは、一般財源をもって充てるべき需要額の単位費用であります。そういう考え方に立っておりますので、この基準財政需要額と一般財源とを比較される御趣旨がよくわからなかったのです。そこで私どもはこれは簡単にできます。どういう御意図でありますか、もしも御意図がわかりますればそれに合したような資料に直したい、かように思っておったわけであります。至急に作りたいと思います。
#17
○委員長(松岡平市君) 政府委員に御注意を申し上げます。委員の要求した資料について、どういうものかわからなければ直ちに明らかにされて、出せるものはすみやかにお出し願いたい。わからないものをわからないということで放任されるということは、委員会でははなはだ迷惑でありますから将来お慎しみを願いたい。
#18
○石村幸作君 私が要求したのじゃないけれども、そういう記憶がありますので今ついでに申し上げたのです。
#19
○森下政一君  財政計画ですね。これまでいろいろ赤字が累積するようになったということについて、財政計画それ自体が果して適正なものであるかどうかということについては、世間でだいぶ論議がやかましい。これはもう御承知の通りなんです。これは非常にあなた方のやっておられる作業もむずかしい作業だとは思うけれども、各地方団体の実態を、数限りなく、相当数あるものを一まとめにして改革をしようというところに実は相当な無理があると私は思うのです。ことに計画と実際を対比してみたときに、計画が実際と遊離しすぎておるというような印象をどうも受けるのでありますが、こういうことでは私はどうも財政計画それ自体の信憑性というものが将来疑われるようになるのじゃないか、それでいよいよ政府は意を決して抜本塞源的に地方財政の大改革をやろうという計画を持っておいでになると思うなら、この際に財政計画の策定方式、それ自体にも何とか政府が一工夫をしてこれを改めて、非常に困難なことではあっても実態と遊離する度合いの少いようなものが出てくるような工合の策定をなさる必要があるのじゃないかということを思うのですが、その点どうでございましょうか、自治庁のお考えは。
#20
○政府委員(鈴木俊一君) 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、地方財政計画を樹立するようになりましたのは、平衡交付金制度が施行されるようになりましてからでございますので、当時の昭和二十五年の決算等を基礎にして逐次積み上げ、毎年ある程度の是正改善は加えてきたわけでございますが、たとえば当初は交付団体と不交付団体と一本にして計算しておったとかそういうようなこともございまして、また直ちに分けようといたしましても、なかなかすぐにはどういうふうにしで区分するかということも非常にむずかしくしてできなかったわけでございますが、本年度からは交付団体と不交付団体の区分を明確にいたして、財源におきましても歳出の面におきましても計算をするようにいたして参ります。そういうようなことの結果といたしまして、相当程度事態が明瞭になって参りましたし、またかねて問題のございます給与費の関係につきましては、決算と計画との間においては、四百二億円程度のズレがあるということが明らかになったんでございますが、それが果して財政計画というものが国家公務員の給与水準というものと比較をして、財政計画が正しくないのか実際が正しくないのか、そこいらがはっきりいたさなかったわけでございますから、今回明らかになりました給与実態調査の結果を加味いたしまして、地方財政計画のうちで一番大きい問題点であります給与関係の点も、これは今後是正できると考えておるのであります。場そういうふうにいたしまして三十一年度におきましては従来問題となっておりました地方財政計画のすべての要素について再検討いたしまして、ほんとうに御趣旨に沿い得るような適正なる地方財政計画にいたす。それに基いて財源的な措置の面におきまして考慮をしていきたい。そういう考え方で自治庁としては今進んでおり大いに今研究をいたしておる次第でございます。
#21
○森下政一君 せっかくそういうふうな御意図があるんならば、財政計画というものが適正なものだということは抜本的な改革が前提条件だということと思うのですが、せっかく努力してもらいたいと思うのですが……。
 それから後藤さんに伺いたいんですが、これまで地方団体の赤字の問題につきまして、それは地方側が非常に放漫なんであるとか、あるいはそうでないのだ、中央の方が行き届かないためなんだというふうな責任論がずいぶん戦わされてきたんですが、今、何ですか今日まで大体の実情が、地方団体が地方団体きりの自由の裁量をもって仕事をして使うところの、固有事務といいますか、そういうものに対する費用と、それから何といったらいいんですか、義務費というか、国の方から仕事を押しつけられて、委任を受けて金ももらい、どうしても義務づけられておる仕事をするために使っておる金というものを比較してみると、大体四分の三くらいが義務費というように当るのではないかと私は思うのですが、そんな割合じゃありませんか。四分の三対四分の一くらいの割合じゃないでしょうか。
#22
○政府委員(後藤博君) 全体の予算の決算を見ますると、大体七割五分から八割くらいがいわゆる義務的な経費じゃないかと考えております。
#23
○森下政一君 そこでそういう数字から類推して考えますと、地方側が非常に放漫であって、ことに公選市長ができてから人気取りのためにいろいろ無責任な放漫な支出をする、そういうことが赤字の原因であるというように論議する向きがある。それも確かにあるだろうと私は思う。過言ではなかろうと思うけれども、すでに大体七割五分、八割くらい近くまでが義務だとすると、考えてみますと地方の独自の裁量で使う経費というものが非常に少いのだということを考えてみると、地方側がやり方が非常に放漫であるために赤字を出したというかりに事実があったにしても、それは全体として見るというとごくわずかなものじゃないかということが言えると思うのです。そこで将来赤字をなくすることのためには、結局私は中央が仕事を押しつけて、そうして押しつけられた仕事をするのに潤沢な財源を与えられていない、それをその仕事を完遂するために地方が自腹を切ってお手伝いをしなければならぬということが、実は非常に大きな赤字の原因をなしたのじゃないかということを考える。このことは、考えられることは、地方自治体のいわゆる自治的な機能というものが全く拘束され、阻害されるだけじゃなしに、中央が地方に何というか干渉するというか、中央が地方に対して非常に何というか無理を押しつけるという結果になっておるということに赤字の原因があるのじゃないか。これは謙虚な気持で中央が反省をして、将来赤字を防止するためにはどうあるべきだというこれは謙虚な気持で反省して改めなければならぬということがあるというふうに私は思うのですが、そういう解釈は当っておらぬでしょうか。
#24
○政府委員(後藤博君) 赤字の原因を申し上げますと原因は地方にもございます。現在、赤字で苦しんでおる地方の内容を見ておりますると、二十六、七年ごろの朝鮮ブームの際に財政需要を非常にふくらましておるのであります。そのふくらましたのがその年度だけで終るものでありますればまだよかったのでありますが、後年度にいろいろな悪影響を与えるような財政上の伸び方をした、たとえば建物を建てるにいたしましても、そういう経営経費として将来残ってきておる。そのときの赤字だけじゃなくて、それが尾を引いておる。橋をかけるのであれば簡単なのであります、これは後年度に残りません。しかしながら施設を作るでありますと、その施設は経営費として将来残って参ります。従って人間をふやしたり……将来経営費に残るような財政歳出をやったというところに赤字の原因があるのであります。そういうときにあんまりそういうことをやらなかったり、金の使い方をうまくやったところはこれは黒字の団体として残っておるのであります。従って現在の結果だけを見ますると、義務的な経費が非常に多いからと責めることはできぬのじゃないかということも言えるかと思いますが、その義務的な経費の内容に入って参りますると、果してこれは国が責任を負うべきものかどうかということになりますると、やはりそこに問題があるのであります。従って義務的な経費が多いから全部それは問題はもう国だけの問題に残っておるのではないかということは私は言い過ぎるのじゃないか。たとえば兵庫県のような県が大学を六つも二十六、七年に作った。そのために八百人も人をふやしたり、こういう状態がずっと続いておるのであります。従ってその圧迫が大きな赤字になって出ております。一年に三億五千万円くらいの、それだけに出ていく赤字があります。その根っこを断たない限りはやはりこの状態は続くのであります。ところがそれは国がやるべき額かということになりますると、これはそう簡単に国が措置をすべき額だということは言い切れないのであります。そういうことでありまして、むろん義務的な経費でありますからすぐ落すわけには参りません。しかしながら長い再建計画を立てなければなりませんが、その解決を再建計画の中でとらなければ、おそらくあの団体は私は再建計画ができないのじゃないか、かように思っております、一つの例でありますが……、従って義務費が多いからこれは国が無理をしておるのだという結論に私はならないと、かように考えております。
#25
○森下政一君 ただいまのような兵庫県の例なんかを聞かされるとおっしゃる通りだと思われるのです。だから数多い府県あるいは市町村のことですから、具体的な例を抽出してあげられるとなるほどおっしゃる通りだ、そういうものもあるに違いないと私は思うのです。しかしながら、概して義務的経費が非常に多いということは、やっぱり私は中央が地方に押しつけておって、そして十分な財源措置をしていないということのために、地方が自腹を切って赤字に苦心しておるというものが概して多いという傾向になるのじゃないかということを私は思うのです。そこでそうなってくると私は一番心配なことは地方自治体というけれどもほんとうの自治的な機能というものが狭められるということになるんじゃないか。今太田長官がお見えですが、太田長官は長い間政治生活をやられてよく事情に明るくおられると思うんですが、私は大へん勝手な言い分かもしらぬが、日本では地方自治制というものは明治時代から確かにしかれた、しかれたけれどもほんとうの意味の自治というものが育ってきておるかということを振り返って考えてみますと自治制はしかれたけれども、ほんとうの地方自治というものは今日に至るまでついに私は育ってこなかったと――これは言い過ぎかもしれませんけれども、どうもそういう気持がするのでございます。ということは、もう明治時代は一貫してやっぱり委任事務というものが大部分であって、自治体固有の独自の裁量で地方住民のためにそれぞれの団体が仕事をするなんということは、経費の面から実際を調べてみて非常に少ない。ことに満州事変から今度の終戦に至るまでというものは、私は自治の機能というものはそれまでに多少とも発達しつつあるものがあったにしても、全部芽をつみ取られたような結果になったと思うのです。ことにもう今度の支那事変が始まりまして以後というものは、かつて自治団体のやった仕事というものは、戦争き行に協力する、中央の指示をそのまま忠実に順守するだけの仕事だったと思うのです。私はなはだ乏しい経験ですが、みずから地方自治体に職を奉じて何をやっておったかということを今振り返って考えてみると、全く戦争の遂行に協力した、もうことごとくそうです。国民精神総動員運動に始まって貯蓄強制――戦費調達のための貯蓄だとか、資源回収だとか、あるいは食糧増産だとか、あるいは軍人援護だとか、銃後も戦場というようなことで徹頭徹尾やったことは何だったかと考えてみますと、地方自治団体といいながら自治なんというものは何もない。中央の戦争の遂行に協力するというだけの仕事をめくらめっぽうしている。だから鞭撻されてやってきたと思うので、私は全くその地方自治というものはなくなってしまったと、こう思うのです。終戦になりましてから今度、にわかに地方自治法が制定されたり、地方財政法なんというものが制定されたり、もう法律の面からいきましても、あるいはいろいろ行政委員会なんかができたりして、形の上では非常に地方自治というものが伸ばされたように見えるが、これは考えようでは占領軍のいわゆる占領政策でそういうものが押しつけられたが、そうしてまたシャウプ勧告による税政改革なんかで地方固有の財源ができるということでいかにも財政的な裏づけも与えられたようであったと思うんですけれども、ことに今年になって振り返って実績から調べてみると、いろいろ制度の上では民主化された地方自治が伸張するようなことが行われたけれども、十分の財政的な裏づけがほんとうはないんだということになってしまっておると言えると思うのです。私はどうしてもこの際抜本的な赤字封じの改革をなさるについては、自治庁長官非常に政治的な経験の豊富な方なんだからこの際地方自治というものがほんとうに育つような工合に考えていただかなきゃならぬのじゃないか、そういう点から私はこの前本会議でもお尋ねし、自分の貧弱な意見を申し上げたんですが、どうしても私はこれがためには地方の固有の財源をでき得る限り潤沢にするという以外にまず何をおいても手はないのじゃないか。いろいろ改めるようなところがあるでしょうけれども現状では固有財源というものをふやしてやる、そうして地方がその財源の範囲内において自由な裁量で仕事をやる、地方住民のためにほんとうに、いい仕事がやっていけるというようなことにならなければ、中央に依存しなきゃならぬというような状態に地方自治体を置いておいて、そうして中央の官庁がことごとに地方に干渉して、しかもわずかな金を与えて多くの仕事を与えるなどということでは、私はもう赤字というものは防止できないと思うのです。私はそのような考え方を持つのだが、一つ自治庁長官の御意見を伺い、批判してもらいたいと思うのです。
#26
○国務大臣(太田正孝君) 森下さんのお話の通りに私も感じております。戦前におきまして地方の固有事務というものが非常に狭められ、ある意味においてはほとんどないような場合もあったと思います。ことに戦争遂行のために国の財政上の関係もございましたが、貯蓄の問題であるとか、公債の消化であるとか、実は私もそういうことには太鼓をたたいた方でございまして、ずいぶん無理をいたしました結果、地方自治というものはほとんど名ばかりになったということは御指摘の通りでございます。戦後におきまして占領軍の政策の中で、憲法上初め各種の自治制度が認められたことは制度としてけっこうと思います。しかしこれをこなす力が地方にも十分あったかというと、私はそこがいわゆる放漫の財政、放漫と申しますか少しく気のゆるんだ地方財政が起きたんじゃないかと思う。ただしこうなるについては私は不親切ということを申しますが、国の方でも不親切で、今森下さんのお話にあるごとく財源をつけずしてあれをやれ、これをやれといった。これは実は両両相待って今日の情勢になったのではないか、私はどうもそれが正しい判断のように思います。従って今回三十年度の措置をいたしましたけれども、全部の問題は実は三十一年度以降に立て直すという建前で追い込んでおります。御指摘の歳入と申しまするか、地方に的確なる財源あるいは弾力性を持った財源、これが大きな目じるしかと存じます。従って税制につきましても第一にこれに手をつけなければならぬと思っておりますが、弾力性のある、行い得る地方行政というものにいたしたいと思います。同時にあるいは借金の公債の整理にいたしましても、給与の問題にいたしましても、国との管をつないでいく地方行政組織にいたしましても、全部手をつけなければならぬと思うのでございます。通俗な言葉で言えば今日の地方は一種の整理状態に入っておるのでございまして、この整理をするにつきましては地方も力を尽し、国の方も親切にこれを見ていく、大体地固めができつつあるとかと国の財政などを申しますけれども、地方のことを除いての、地方の足場を持たない多少の地固めができた程度でございまして、国の財政といたしましても地方とにらみ合せた場合におきましては非常にじくじたるものがあるのではないか、かように考えております。
#27
○森下政一君 そこで政府の意図しておられる二十八、九年度までの赤字対策である再建措置法、これは衆議院の修正が行われまして、原案に比較いたしましてよほど緩和されたとは思うのですけれども、との方式で赤字を一応たな上げをしよう、これはしさいに見て参りますと、修正は行われたけれどもまだ私は中央が地方に対する干渉というか、これは赤字補てん債の発行を認めてやって、しかも八ヵ年間に収支の均衡のとれるような健全財政の段階に生まれ変らせていこうというのですから、中央としてはやむを得ぬかもしらぬのです。いわんや利子の補給までしてやろうというのだからやむを得ぬかもしらぬけれども、どうも私は地方自治体というものを手かせ足かせで縛ってしまうような行き方だと思う。これは必ずしも政府にはそういう意図はないのかもしれないけれども、悪く解釈しますといかにも中央集権を強化しようとか、官僚統制を強化しようというふうな底意があってこういうふうな案を立てておるのではないか、結果においてそうなりはせぬか、これではもう地方自治体というもののいわゆる自治的な機能というものはほんとうに狭められておる。しかもどう考えてももう地方団体は相当諸般の節約も限度にくるまでやっておるでしょうし、また地方住民の負担という点ももう限界に達しておるのだと思うのに、なお健全財政の団体に更生することのために中央が地方に対する税負担その他についてもいろいろな要求をしていくという限りにおいては、これは私はもう地方自治というものが伸張する姿だなどということは思えない。それに比較いたしまして三十年度のこれはまあ年度の途中であって決算に至っていないのだから今度のような措置をされるのは当然かもわかりませんが、私の考えとしては、交付税率の引き上げによらずして、引き上げにふさわしいようなちょうど見合うところの財源措置を講ずる、そして交付税を配分すると同じような工合に地方に金を与えてやる、こうおしゃるならばこの方が割に再建措置法に比較しますと、地方自治体の苦情も少いし、世間もこの方が好評な様子が見受けられるのですが、二十八、九年の赤字の措置も何とかそういうような措置もとれなかったのであろうか、今のやり方では非常に三十年度の措置とは事情が違うせいかもわかりませんが、まるで様式が違う。そこに先刻来私が言いますようないわゆる中央集権化だとか官僚統制だとか、地方自治体が萎靡していき、自治機能が抹殺されるようなきらいがあるように思うのですが、いかがでしょうか。
#28
○国務大臣(太田正孝君) お言葉のうちいろいろ御忠告のことがありましてありがとうでございます。中で二十九年度までの再建債処理の問題につきまして自治をこわすような官僚的あるいは強い権力を出すようなことは私はちっとも考えておりません。修正の点におきましてもいろいろ実務者の立場から言えば公平に正直に地方自治をやっておるところと、赤字を出したところとの差などもございますが、私といたしましては自治の本来の精神をくずすことのないようにあの再建債処理もやっていきたい、たとえば勧告ということもいけないとか、いろいろな点もございますが、やり方によりましてはおとなしくやわらかに、しかも目的を達することができると思います。権力を押しつけて自治を破壊するというようなことはせっかく戦後できたこの制度に対する矛盾でもございますので、盛り立てていくようにいたしたいと思います。再建債処理の問題とからんで三十年度の問題にいたしましても実は私白状いたしますと、財務当局なんぞのこれに対する考え方は私とは相当違っておりました。三十年度の問題にしたところが、この春以来の国会において相当処理すべきものがあったのではないか、私がここに入って来て今あのときの埋め足しをしたぐらいでは私の気持に合わない。けれどもあすこまで出すのに相当財務当局も動いてくれて、不満足ながら三十年度の臨時措置もあすこでやったのでございます。二十九年度につきましても決算もわかりましたし、私は次長等からお話のありました通りその実態に沿うように、たとえば政府資金にいたしましても、あるいは地方債にいたしましても形を直しつつ進んでいったらいいと思う。全部の精神が、自治をこわそうというような考えは毛頭ございません。これを育てつつしかもたくさんある地方団体でございますから全体を見渡しますというと、あああんなに赤字を出して金をもらうのか、おれの方は一生懸命やったがというようなでこぼこがございますが、この点はよく考えまして自治の発展していくようこの赤字を何とか処理したいというのが私の気持でございます。
#29
○森下政一君 自治の発展に一つ貢献するような改善策を請じたいという自治庁長官のお言葉に十二分の信頼をかけまして、一まず私一人発言しておりますから、これで終ります。
#30
○小林武治君 私はこの際ちょっと関連の問題だけ一つお尋ねしておきたいのでありますが、町村合併の関係に伴う郡の問題、この問題を自治庁長官は何か始末する必要があると思っておるかどうか。郡は今行政区画でありませんが、選挙の区域その他に非常にたくさん使われておる。ところが市がたくさんできたために郡が支離滅裂になっておる。これを何とかすることがやはり行政能率を高める上においても必要だと思いますが、これについてどういうお考えを持っておるか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#31
○国務大臣(太田正孝君) 小林さんの御指摘の通り、私は実は選挙などに関係して、郡というのはあのときは役に立って、ほかには何も関係ない。町村合併促進法の中でも今次長から承わったのですが、郡の処置というものがあるそうでございまして、御趣意の点、御趣意の点というのはおそらく郡を廃止するお考えかと思いますがだんだんそういう方向にいくのではないかと思っております。私まだ深くその方を研究しておりませんので、次長からそれを補足して申し上げます。
#32
○政府委員(鈴木俊一君) ただいま御指摘の点でございますが、大臣が申し上げましたように検討を要する問題だと考えております。
 地方自治法の中には御承知のように郡の名称及び区域を変更する手続がございまして、現行法におきましても合併等の関係ではなはだしく不均衡になりましたような郡については調整することが可能になっておるのであります。今日はもう御承知のように行政区画ではなくて、単なる地理的名称ということになっておるわけでありまするが、しかしやはり肥後に歴史的な沿革とか、その他いろいろの関係がございますので、これをどういうふうに調整をしていくかということがやはり地方制度上の一つの大きな問題だと考えております。郡の問題、府県の問題、いずれも一番基礎になります。市町村の大廃合が行われました後でございますので、当然根本的にどうするかということを考えて参らなければならぬと思いますが、とりわけ郡の問題は御指摘のようにもっとも差し迫った問題でもありますので、私どもといたしましては慎重に研究して参りたいというふうに考えております。
#33
○小林武治君 今の問題、実は私ども選挙制度、選区画の問題、現にいろいろ研究中でございますが、どちらかと申せば県会議員の関係もあるし、至急何とか始末しなければならぬ。しかしてその手続も今の自治法にまかしておいてはできない。これはもっと根本的にここで法律によって始末しなければならぬと思うのでありますから、私は注文として次の国会あたりまでには何か自治庁としての案をまとめてほしい、こういうことを強く要望しておきます。これはもうじきに御承知のように小選挙区制の問題も議題になってきておりますから、どうしてもこの制度をしなければならぬ、こういう段階にきておりますから、特にそういう注文をしておきます。
 なお私は今議題になっておる問題について続いてお尋ねしたいのでありますが、再建措置法も今度は特別措置法もいずれもこれは暫定的の処置、これはもう皆さん御承知の通りでありまして、政府も三十一年度にはこれが根本的に解決の道を講ずる、こういうことになっておりますが、この道には先ほどお話のように交付税を変えるとか、税法を直すとか、いろいろ問題があるのでありますが、何にしてもできるだけ私はやっぱり地方の財政規模の縮小ということを政府としても真剣に考えなければならぬと思うのでありまして、それにつきましても私は必要な方法としては、自治法の改正がどうしても必要だと思いまするが、だからこれはおそらくこの次の国会までにはおやりになると思いますが、自治法の改正はほんとうにお出しになるかどうかということを一つお約束ができるならばしていただきたい。
#34
○国務大臣(太田正孝君) 御指摘のような事情でございまして、自治法の改正は出したいと考えております。
#35
○小林武治君 これは私はお約束をいただいたと了解して、その点はこのままにいたしますが、なお自治法の内容については、この前政府は衆議院に一応お出しになっておる。この内容を私は微温的なものだ、もっと一つ考えてもらいたい、こういうふうに思っておりまするが、しかし財政規模の縮小は単に自治法の改正だけではできない。私は先般予算委員会でも言ったのでありまするが、やはり一番大きな問題は、教育委員会の問題であります。この市町村の教育委員会は私ども廃止すべきものだ、こういうふうに確信いたしておりまするが、もとの自治庁長官の塚田氏も、また川島氏も市町村の教育委員会廃止に賛成だ、こういうことを言っておりまするし、また地方制度調査会もこれを廃止の答申をしておる。従って今度の地方問題の責任者である太田長官は、この市町村の教育委員会を廃止することについて賛成であるか反対であるか、一つあなたの意見を聞きたい。
#36
○国務大臣(太田正孝君) 私は大体党議においてもそういうような傾向にありますので、賛成するつもりでございます。
#37
○小林武治君 これはむろんわれわれの委員会で処置はできませんが、一つ地方を担当する閣僚といたしまして、ぜひその方向にもっていってもらいたいということを強く希望いたします。それは言うまでもなく市町村における全く一致した希望でありまして、このくらいはっきり一致して決議をしておる問題も少い、こういうふうに思いますから、ぞひこれは次の国会において、何らか処置されんことを特に要望しておきます。
 なお、私は前の国会で、自治庁が公務員法の改正でもって停年制の問題を打ち出しておられる。これは私その後各地方団体に当ってみたところが、全くこれは一致して希望しております。従いまして前回はこれについて文部大臣が反対をしたということで、結局政府原案としては停年制の問題を除外して国会に提案されておる、こういう事情にあるのでありまするが、この停年制をしくことの可否ということについての、長官の一つ考えを伺っておきたい。
#38
○政府委員(早川崇君) 先般保守合同をいたしました自由民主党の政策綱領の中に、地方公務員の停年制の実施や項目が明確に記載されております。従ってその線に沿って現在自治庁において検討中でございます。
#39
○小林武治君 これはもう要するに政策にうたっておったりするだけでは何にもならない。せっかく保守合同もできたし、いいと思った政策が実現する、こういうことでなくてはわれわれは何の期待もできない、こういうふうに思います。せっかくいい政策をうたわれておる限りは、これは次の国会において一つぜひ提案をしてもらいたい。これにつきましては、私最近文部大臣の意見を聞いたのでありまするが、文部大臣はわけのわからぬことを言っおる。教員は五十五才以上の者はあまりないからその必要はない、なければこれをしくと、かえって五十五才まで教員の寿命が伸びるからしきたくない、これは非常に妙な議論でありまして、伸びたらなおけっこうじゃないか、こういうふうにも思いまするし、そういう理屈では通らない。従って私はこれは教職員でも一般地方公務員でも平等にされるべきだ、また伸びればなお教職員のためにけっこうなことじゃないかと思いまするからして、文部省の誤まった考えを私はぜひ正してもらいたい。従って公務員法を出される場合には、一律にやっていただきたいということを一つ強くお願いしておきます。いずれにいたしましてもこれらの重大な問題はなかなかなまやさしいことでは実現できない。しかしてわれわれとして正式にこのことを注文するのはこの機会をおいてない、すなわち通常国会もすぐ始まる、そういうふうに思いますからして、それらの政策の実現ということについて一つ責任をもって強力に推し進めてもらいたい。そうでなければ私は今度の間に合せの措置というものは何にもならぬ、こういうことをまた毎年、来年また出すのじゃないか、こういうことを心配しておるのでありまして、かような臨時措置法は今年を最後にしてもらいたいということを思っておるのでありまするが、それにつきましては今言うような強力な一つ改革措置が必要であるということをあえて申し上げて、特にお願いして私の質問を終りたいと思います。
#40
○伊能芳雄君 地方財政再建特別措置法案、この法案に即して少しお伺いしたいと思います。第一は、十五条の衆議院修正案によりまして「政令で定める基準」という言葉を使っているのです。「政令で定める基準による」と。これはおそらくこの気持は、一般起債は六分五厘の利子を払っている。この赤字の整理のために一ぺんに三分五厘に下ると、この間に非常なる不均衡が生ずるから、この不均衡を政令である程度まで緩和しようというねらいであろうと私は思うのですが、この政令はどんな内容を持つものを作ろうとしておるか、これはぜひ伺っておかなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。
#41
○政府委員(後藤博君) 十五条の政令で定める基準につきましては、現在関係方面と折衝をいたしております。私どもの考えといたしましては簡単に申しますれば、赤字団体の中で再建計画を非常に長くかかるような団体について利子を軽減していこう、従って補給率を多くしていこうという考え方でいきたいと考えております。
#42
○伊能芳雄君 つまりそうすると、「政令で定める基準により、年五分」というのは最高五分として差を設けよう、利率に差を設けよう、その状態によって差を設けようというのが今の政令の案ですか。
#43
○政府委員(後藤博君) さようでございます。ある一定の段階までは六分五厘で大体利子補給しない、六分五厘の限度までやる。それからある一定の段階からこの五分くらいまでの限度でもってずっとならしていって赤字の再建に非常に困るような団体、そういう団体に最高を出していくというような考え方であります。
#44
○小林武治君 関連して。その点を一つ念を押しておきたいのです。実は私はこの衆議院の修正が、むしろまた穏当を欠く、こういうふうに思って、できたらこれを修正したいくらいに考えております。従って今のように政令で定めて、そうして今の一律五分でなくてある程度段階を設ける、こういう方法を私はむしろ歓迎すべき方法だと思うのです。今の公平の観念から行きましても、できるだけ最高五分を払うというようなことは少くしてもらいたいという希望を私は持っておりまするが、その政令の内容はいつごろわかりますか。
#45
○政府委員(後藤博君) ここ数日の間に固めたいと考えております。大体御趣旨のような線で非常に長くかかる団体に対してこれはまあ負担軽減の意味もございまするので、利子補給を多くしていこうという考え方で現在折衝いたしております。
#46
○小林武治君 今伊能さんのお話もあり、私はそういう方法を強く要望しておきますから御承知おき願います。
#47
○伊能芳雄君 それで再建整備の対象になる赤字と用意された起債のワク二百億、これはいよいよ二十九年度の赤字はわかって見ると足りないだろうということを相当われわれは考えるのですが、そういう場合に査定してあるものは十億ほしいといっても七億やるのだ、あるいはお前のところは六億でがまんしろというふうに査定を加えて二百億に追い込もうという考えですかその点はどういうお考えですか。
#48
○政府委員(後藤博君) 査定を加える意思はございません。本年度内に二百億で足りませんので、必要があればさらにワクをふやしていくということに、大体大蔵省と話をきめておりますので、必要に応じて起債のワクをふやしていくつもりです。
#49
○伊能芳雄君 そうすると、二百億のワクということはあまり窮屈に縛られないで、今年度は二百億に一応しておくけれども、今年度もしいろいろそれに対して調査をした結果、割り当てていって足りなくなったら来年度にはどんどんやって、大体赤字をみんなこれでたな上げしてやれるという了解が大蔵省とついておるのですか。
#50
○政府委員(後藤博君) 一応本年度だけ足りない分は足していく、来年度の分は三十一年度の予算との関係、投融資計画とも関連がございます。予算と投融資との関連がございますので、それはまあ現在われわれの方は要求は出しております、しかしまだまとまった話し合いになっておりません。
#51
○伊能芳雄君 さらにこの二百億のうち五十億の政府資金の方は何年ぐらいの起債になる予定ですか。また残りの百五十億円の公募債、これは何条でしたかね、なるべく早い機会に長期債に直すということをうたってありますが、そのなるべく早いというのは、大蔵省の了解においては三十一年度、一ぺんに百五十億ぐらい長期債に直せるというお見込みであるか、あるいはこれを二、三年もかかるというお見込みであるか、この二つをお伺いしておきます。
#52
○政府委員(後藤博君) 現在の償還年限は大体この再建計画に合わせて最長八年、一応再建計画はこれに八年と書いてございますが、大体八年ぐらいの線を考えております。それから来年百五十億の振替分は、私どもは全額これは政府資金に振りかえてもらいたい、またそういうふうな言明であった、かように考えております。
#53
○伊能芳雄君 今の後段の分は、大蔵省がいないので、私はここで確かめるわけにいかないのですが、自治庁は大蔵省と話し合って、大体そういう確約ができておるんでしょうか、来年度、三十一年度において全部長期債に直すということ。
#54
○政府委員(鈴木俊一君) ただいまの点は、大蔵省との間におきまして閣議決定を最後にいたしますまで、いろいろ経緯のあった点でございまして、法案におきましては、昭和三十一年度以降なるべくすみやかにというふうに書いてございますが、これは本年度においても、できれば本年度もということでございますが、三十一年度において切りかえる、こういうことを暗に含みとして話し合いをいたして来ておるのでございまして、来年におきまして特別に事情の変化がない限りは、そういう建前でいき得るものと私ども考えております。
#55
○伊能芳雄君 そこでこの二百億も、もっとふくらませるという御要求が地方団体からもあり、また地方制度調査会の答申でも、二十九年度の赤字が出た以上は、赤字の結末がはっきりした以上は、この二百億では足りないから広げるという答申があったのであります。別に広げなくも実質上においては心配ないと、こういうふうに考えていいんでしょうか。
#56
○政府委員(鈴木俊一君) ただいまの点も重要な点でございますが、先ほど後藤部長から申し上げましたように、これはあらかじめワクをきめておいて、それだけぽんと出すと、こういう、たとえば一般補助事業の起債のようなものと性格が違うわけでございまして、一つ一つの団体の再建計画ができて参りまして、その再建計画においてどれだけ赤字としてたな上げしなければならないかというのが、審査の結果明らかになりますから、その額というものは、これは必ず再建債として見ていかなければならぬわけでございます。従って結局どれだけのワクを予定するかということは、予算及び投融資計画の関係において大体来年度のめどをつけなければならぬと存じますが、しかし一つ一つの問題として、かりに予算なり、あるいは投融資計画のもとにおきまして狭いワクがきまりましても、現実に再建計画の上で起債としてさらに認めなければならないという事態が生じました場合におきましては、これはやはり予算的には予備費なり投融資計画を改訂する、こういうようなことによって穴埋めをしていかなければならない、こういうように考えておるのでありまして、そういう意味でワクそれ自体は私どもはあまり重要に考えておりません。出て参りましたものは審査の上必ずこれを認めるべきものは認める、こういう考え方にいたしております。
#57
○伊能芳雄君 今の起債のワクの問題は、ただいまの御答弁を信頼して、私どもはこれ以上広げようという要求はいたしません。ところで、この法案全体の精神は、赤字を出した団体は、まあ自治庁を初めあらゆる機関が協力をして、この赤字の克服に努めよう、こういう強い趣旨がこの全体の精神だと思うのですが、この中で一番一致の線を破るのは、地方自治庁の初めの原案にあった教育委員会の予算送付権停止の規定を削った点だったと思うのです。せっかく一体となってやるような態勢をこの法案が作っておりながら、教育委員会の予算送付権を認めておるということは、一致の態勢を大きくくずすものだと私は思う。この点この法案における一番大きな私は欠陥であると思うのです。私は長官にお伺いしたいのですが、政務次官のこれに対する御見解を伺いたいと思うのです。
#58
○政府委員(早川崇君) ただいまの御趣旨の点は了解できまするが、実質的には財政の再建計画のワク内で処理し得ることになりますので、実質的には支障はないものと考えております。
#59
○伊能芳雄君 実質的には支障がないと言うけれども、表の方からやらないで、裏口の方で締めようというお考えのようですが、それなら初めから自治庁の原案にあったこと自体がおかしいので、あれを削ったということは大きな欠陥だったと思う。これは実際にこの法案を初め作るときに、私どもはそれができたときに、なぜあれを削ったかということについては非常な不満を持ったのです。今になってこれを復活するということは、今日の情勢では日も間に合いませんので、私どもはこの点に触れないでおくのですが、将来何かの機会にこれは大きく考えなければならないことであり、先ほど小林委員からもお話がありましたように、もっと元から除くということも大きな問題だと思うのです。少くとも再建整備をするというときに、この団体が予算送付ができるというようなことは、実際に画期的なこの法案の内容としてはまことに遺憾にたえないと思う。これ以上私はこの問題については申し上げません。
 次に非常にこまかいことについて。条文の問題になりますが、二条の3に「特に必要と認められる」という言葉を使って、課税をしてはいけないということですね、増税をしてはいけないということがあるのです、二条の3に。赤字を出した以上は、やっぱり私は人の厄介にならずに、自分でやろうとすれば、増税をやってでも人よりもよけいな仕事をし、あるいは何らかの理由で赤字を出したのですから、これを非常に弱めてしまっているように、「特に必要と認められる」というふうにうたってある、これはどういうときにどういうことを予定しておるのですか。また「特に必要と認められる」ということはだれが一体認定するのか、これは次長でもけっこうです。
#60
○政府委員(鈴木俊一君) 第3項の、増税の場合は、「財政再建のため特に必要と認められる昭和二十九年度の赤字団体に限る。」この点のお話でございますが、そういう場合、増税はその場合だけ、その点でございますね。
#61
○伊能芳雄君 そうです。
#62
○政府委員(鈴木俊一君) この点は、これは当初の案におきましては、増税と経費の節約というものを、むしろ増税の方を第一に書き、経費の節約を第二に書くと、こういうようなことで、まあ順序はともかくといたしまして、両方のウエートを同じくらいに考えておったのでございますが、やはり全体の今日の国民負担というようなことを考えまして、また負担の均衡というようなことを考えまするというと、再建計画の実質的な財源を節約と同じウエートにおいて増税に持っていくことはいかがかと考えまして、まず第一義的には節約をすべきである、それでもどうしてもやりくりのつかぬところが増税の方式による、こういう考え方であります。
 で、「特に必要と認められる」というのは、その団体といたしまして、財政再建のためには経費の節約だけではどうしてもやっていけない、増税が必要であるという場合に、そういう赤字団体がやれるというわけでございますから、これは結局財政再建計画におきましてきめられることであり、従ってこれは議会の議決ということが基本的な要件である、また具体的に財政再建計画におきましてそういうふうにきめましても、今度は具体的の税に関する条例におきけして、そのことを議決しない限りは実行できないのでございますから、これはあくまでも議会の議決ということが基本的要件になる、こういうふうに考えます。そうして果してそれがこの財政再建のために特に必要であるかどうかということは、自治庁の承認を得まする際におきましても、審査の対象になろうかと考えております。
#63
○伊能芳雄君 増税ですから、税率を変えるのですから、これはもう当然議会の議決を経なければならぬことはよくわかっておりますが、第十七条に非常にしぼった規定があるのです。この規定を大体こういうような場合というふうに考えておるのじゃなかったろうかということで、今の答弁では大体団体の意思によってきまる、つまり特に必要というのは団体の意思で自主的にきまるというふうになった方がいいのですか。それでいいのかどうか、十七条と関係ないのかどうか。
#64
○政府委員(鈴木俊一君) これは十七条は特に国が特別に赤字の多い団体につきましても、やらなければならないような公共事業その他の事業について負担率を特別に上げてでもやらせるようにしなければならないという場合に該当する規定でございまして、これは非常にまあ事業自体の国から見ました場合の必要性と、それをやらなければならない負担をこうむる地方団体の財政状況と、両方にらみ合せてこれを勘案をする規定でございまして、少し性質が違うと思うのであります。こちらの最初に御指摘になりました点は、その団体として果して経費の節減がやれるかやれないか、やれないから一部は増税によるのだ、こういうことでございますので、やはりこれは団体の自主的決定ということが根本条件であるというふうに考えております。
#65
○伊能芳雄君 そうすると、むしろ範囲は二条の3の方がずっと広いというふうに、一応抽象的には考えて差しつかえないですか。
#66
○政府委員(鈴木俊一君) その通りでございます。
#67
○伊能芳雄君 次に私はこの期末手当に関する政令のことで少しお伺いしたいと思います。〇・二五を期末手当に増額して出すことができるという規定は、中央の各官庁を拘束するものであると、つまり各官庁の義務的な規定であるかどうか、どういうふうにお考えですか。
#68
○政府委員(鈴木俊一君) これは今回の改正せられようとしております給与法におきましては、各省各庁の長が、俗語で申しますと、各省各庁の長が〇・二五の範囲内で定める割合のものを今までの期末手当の上にプラスして増額支給することができる、こういうことでございますので、各省各庁といたしましては、そういう権能といいますか、権限を法律上与えられた、こういうことであろうと思います。ですから、純粋の法律論といたしましては、すべて任意的な規定である、こう言わざるを得ないと思います。
#69
○伊能芳雄君 これを今度は地方団体に当てはめた場合に、国家公務員の例に準ずるという規定によって当てはめていくとやっぱり地方団体も法律的には厳格な、そういう権能を与えられたというだけで出さなければならない義務は地方団体に生じていないと解されるかどうか。
#70
○政府委員(鈴木俊一君) ただいまの点でございますが、前段の質問の点をさらに補足して申し上げた上で申し上げたいと思いますが、制度上は国家公務員の場合には任意的な規定であろうかと思いますが、ただひとしく国という一つの雇用者のもとに働く国家公務員でございますすから、各省各庁の長が定める割合と申しましても、甲の省と乙の省とで勤務する同じ国家公務員に対して期末手当が違うということは、やはりイコール・ワーク、イコール・ベースという国家公務員法の基本的な原則からいうと少しやはり問題があると思うのであります。この制度上は任意でございまするけれども、結局そういう国家公務員法の精神からいたしましてやはり各省各庁といたしましてはお話し合いをされて同じ線で支給をされるというようになるのが私は結果ではないかと思うのでございます。そこで地方公務員の場合も、制度上はそれをそのまま受けるわけでございますから任意でございまするが、そういう実際上の制約と申しますか、公務員法上のいまつの基本精神がくっついてやはり地方にも流れていくことになるだろうというふうに私は思うのであります。
#71
○伊能芳雄君 各省各庁の問題はおそらくかなり調整がしいい問題だと思う。人件費なども節約の余地がありますからいいのですが、地方団体の場合においては財政事情が非常に千差万別だと思うのです。そこで勢い調整するのが適当であるという自治庁の御意見があってもなかなかそういかないのじゃないか、それに対して自治庁はどういうふうな立場で御指導になりますか、どういうふうな方針で御指導になりますか。
#72
○政府委員(鈴木俊一君) 自治庁といたしましては、地方公務員に対する全般的な考えとまた地方財政全般につきましての考えと両方見合ってこの問題を指導いたさなければならぬかと考えております。地方の各団体におきましては、地方公務員に対する勤勉手当と違いまして、これは期末手当でございますからやはり同額のものが少くとも一つの団体においては支給されるように配慮されることが私は必要だろうと思います。そういう場合に、たとえば国の公務員でありますところの警察公務員、要するに上級の警察公務員等につきまして国から一定の期末手当が出るということになりますというと、これが各府県の国家公務員であると警察職員につきましては同じような割合で出るわけでございますから、やはりそれらとの権衡というようなことも考えの上に入れて、地方の当局としては考えられることになろうかと思うのであります。その場合に問題は、それでは財源がどうなるか、資金措置がどうなるかということでございますが、私どもはこれにつきましての財源措置はまず節約によってできるだけのことをやってもらいたい、それで節約がどうしてもできない分については極力三十年度の予算補正あるいは三十一年度の予算の際におきましてその措置ができますように最善の措置をいたす、こういうことを申し、そういう趣旨で地方にも臨んでおるような次第でございます。
#73
○委員長(松岡平市君) ちょっと私からそれに関連して明らかにしておきたいのですが、今度〇・二五までは各省各庁で支給できると先ほどあなたが御説明になったようにひとしく国家の雇用者である公務員に対して、ある省では〇・二五ふやし、ある会では〇・二ふやすということは私はあり得べからざることだと思う。そして〇・二五までふやせるということならば私はどの会派が一つ〇・二五まで、省でも会でもかまわぬが、ふやせば私は全体として〇・二五までふやさなければならぬものだと考えている。従って本日本院を通過した新しいあの期末手当の法律については私は非常な疑念を持っているのですが、それが波及するのは今伊能委員が言われるように、地方においてもこれはやってもいい、やらんでもいい、〇・二五まではやってもいいのだ。地方公務員は国家公務員に準ずるという規定から援用されてやるところとやらんところがあるかもしれぬ。そこのところだと思うのですが、私はこれはやらなければいけないのだ、国家公務員についても今言うようにすべてが〇・二なら〇・二だということであれば、これは地方公務員も全部財政上どうあろうとも地方公務員である限りは国家公務員に準じて〇・二まではやらなくちゃならないものだと私は考える。財政上の措置ができるかできないかということについては、これは今言うようにできないものについては何らかの方法を講ずるということになる。何とかして自己財源で、ともかく予算の範囲内で工夫して出せとおっしゃるだけで、出してはいけないとか、出さんでもよろしいということはあり得ない。国家公務員がもらっただけのものは……国家公務員は一律になるわけです、〇・二五になさるのか、〇・二になさるのかしらんが、これはいずれ国家がおやりになるでしょう。しかしおやりになったものにつきましては地方公務員はこれに準ずるのですから地方もやらなくちゃならぬ。やる場合には財政上余裕があろうがなかろうが、国家公務員をかかえておる以上は何とかして経費を節約してやらなくちゃならぬものだと、私はこういうふうに当然なってくると思うのですが、その見解を明らかにしていただきたい。今やらんでもよろしい、地方公共団体は財政上の内容の違いによってはばらばらでもよろしい、ある県は〇・二五やるが、市は〇・二でよろしい、貧乏な町村は〇・〇五でもよければ、あるいはやらんでもいい、こういう御見解を自治庁お持ちになれるかどうか。私はそれは違うと思うのですが、この機会にはっきりしておきたい。
#74
○政府委員(早川崇君) 制度上は委員長の言われるような義務はないと私は思います。ただ実際上は同じ地方自治体の官庁の中に国家公務員と机を並べているような人も出てくる。また教育特例法、警察法並びに地方公務員法におきましては給与その他いろいろな手当の決定に当っては民間会社なり、あるいは国家公務員なりに与える給与を参考にしなければならぬという規定がございまするので、その判断を義務づけるものではございませんけれども、義務づけるとなりますと、地方自治体の本質が失われますから制度上は義務はないと考えますが、実際上は自治庁の行政指導といたしましては国家公務員に準じて支給するのが望ましいという期待の意思表示は自治庁としては現にいたしておるわけでございます。しかし御承知のように旧内務省のごとき監督権も勧告権もございませんからあくまで準じて支給するように期待するという範囲内での意思表示を自治庁としてはいたしておるわけでございます。
#75
○高橋進太郎君 利子補給のことですが、今度衆議院の修正規定で、三分五厘という数字が出たのですが、各種団体によって赤字の程度も違うと思うのですが、一応三分五厘の利子補給というあの修正案をいれて、一番ひどい団体で何年くらいかかるのか。そこら辺の実態調査をしたものがあれば御説明していただきたいと思います。
#76
○政府委員(後藤博君) これは一つの前提があるのでありますが、来年度の財源措置がどの程度かによって違って参ります。現状の財源で本年の状態から予想しますると、県では十年、十一年くらいまでかかるところがございます。それから市になりますると、これは十五年も十七年もかかる団体が多少あるかと考えております。
#77
○高橋進太郎君 そこで今の前提の問題ですが、先ほど次長のお話では、約二百億程度のもので、来年度はこれは再建団体の実態に応じてワクの問題は考えると、こう言われますけれども、一応二十九年度までの決算から見れば六百億に近いものがあるということになって、従ってやはり一応そのワクが現在の予定されている二百億というものを、あるいは四百にするとか、五百にするとか、そういう工合に一応の目安を考えないと、依然として悪循環といいますか、その赤字債というものがたな上げされない状態ができると思うのですが、その間の事情はどうなるのでしょうか。
#78
○政府委員(後藤博君) 先ほど次長がおっしゃいましたのは、本年度大体二百億ほどやりまして、必要があれば本年度内にさらに増加する。それから三十一年度にもやはりもちろん必要であります。これは私どもは今三百億程度の要求をいたしております。しかし、これは幾らにきまるかということは、きめましても、再建団体がどうしてもこれだけは再建債でたな上げしたいということであれば、それに必要な額をくっつけなければなりません。従って、そういう意味では、投融資の当初の計画で幾らときめようと、あとから追加して必要に応じて伸ばしていくということになる、かようなことを申し上げたと思うのです。
#79
○高橋進太郎君 それからもう一点お聞きしたいのは、今のように再建赤字団体の、長いところでは利子補給しても十二、三年かかると、こういうことなんですが、同時にこの赤字の出た原因についてはいろいろあると思うのですが、一つには今度の給与の実態調査等を見ましても、非常に各府県あるいは各団体ごとに給与実態というものが一がいに言えないわけなんですね、国家公務員と比較してみましても……。これは一つにはやはり財源の偏在と言いますか、現在の地方財源、あるいは地方税制というものの体系上の私は欠陥ではなかろうかと思うのです。それで三十一年度において抜本的に考えらるときに、そういう点から見ると、この交付税のようなプールして分けられるようなものがもう少しウエートとしては大きくなって、そうして今偏在している地方税については、多少それをまあ国に吸い上げるなり、あるいはまた適当な措置を講ずるなり何なりと、何か税財源の、あるいは地方税体米の調整というものを行わない限りは、まあある意味から言えば、貧乏人はいつまでも貧乏で、しかも赤字をかかえているというと、長い間その借金を返すだけでも、何と言いますか、借金返済、赤字返還団体のような形になって、何ら地方団体としての積極的な機能を果し得ないという結果になりやしないかと思うのですが、そこいらの御配慮なり何なりはどうお考えになつしいるか……。
#80
○政府委員(後藤博君) 地方財源の偏在をある程度是正しろというお話だろうと思いますが、私どもはやはり本筋は税財源を与えていくと、これがまあ自治団体として本来のあり方だろうと、かように考えております。従いまして、調整財源の交付税のようなものはやはりできるだけ少くしていくという建前が自治の建前から出てくる結論ではなかろうかと、かように考えております。しかし、調整財源の方が金の効率はいいわけであります。従って、そちらの方だけを見れば、やはり調整財源をふやしていってもいいのじゃないかという御議論もあろうかと思います。従いまして、調整財源をふやすのには、私どもはある一定の限度があるのはないか。まあ極端なことを言えば、現在の地方税の偏在の多いやつを交付税に回したらいいのじゃないか、こういう御議論もあろうかと思います。しかし、そうなりましても、われわれ財源調整に使いました場合に、財源調整をいたしまする場合に見るべき財政需要というものは、やはりあるべき財政需要でなければなりません。そなりますと、やはりあるべき財政需要と、それから現実の財政需要とが合わない場合が相当ございます。そういう場合に、やはりその団体では足りないという問題が起ってくるのであります。従って、税でありますれば、多少自然増収というものもございまするし、偏在という欠点はございましても、税で与えておく方がやはり本来の姿ではないかと、かように考えられるわけであります。絶対にいけないとは申しませんが、もはり筋としては税財源をふやしていくのが筋ではないかと、かように考えておるわけであります。
#81
○高橋進太郎君 その点が私は非常に財政部長と見解を異にするのですが、まあ端的に言うと、現在の人口がちょうど都市に今偏在するように、現在の税体系であると、どうしても都市とか、あるいは大工業都市とか、そういったようなところの地方財政というものが非常に楽で、抽象的に言うと……、そうして農村とか、特に府県なんかでは農村からの税金は今までほとんど取れないし、また取っていないということ、しかも都会がなければ、遊興税とか、そういうものもほとんど財源にならぬ、あるいは事業税のようなものも取れぬ、こういったような形になって、幾ら税財源を与えても、それが非常に偏在するような形になるのですが、そこいらがうまく比較的あんばいし得るような税財源というものは考え得るのでしょうか、そこらの見解を聞かしていただきたい。
#82
○政府委員(後藤博君) もちろん地方税には偏在という問題がございますが、これは偏在度の少い独立財源を与えていくという方向でなければならないと思います。そうなりますと、現在ではたばこの消費税というものが一番偏在度が少い、しかも安定した税源でございますので、これが地方税として最も格好ではないか。地方制度調査会でも、たばこの消費税をふやしていくようにと、こういう御意見もございます。偏在度が全然ないわけではありませんが、割合にない。従って、地方交付税よりも地方団体の財源としてはいいのではないかと、かように考えております。
#83
○高橋進太郎君 もう一点最後にお聞きしたいのですが、現在赤字債の問題もさることながら、地方の起債の問題につきましても、いろいろ財源となる、あるいは原資となるところの郵便貯金の伸びといったようなものもきわめて悪いという状態で、政府資金もそう思うように借りられぬ、そこいらに非常に隘路があると思うのです。ところが一方普通の民間会社では、比較的自由に、しかも最近の金融状態からいうと比較的楽に起債がやり得ると、こういうのですね。そういうところから考えてみるというと、今のように地方債というものを一括何か政府のワクの中に入れておいて、そうしてやるということは不適当なんで、何か収支のバランスのとれるものであるとか、十分やっていけるようないわゆる事業債のようなものは、むしろこれは自由にまかして保護するなり、あるいは金融機関から借りられるようにしていった方がいいのではないかと思うのですが、そこらの御見解はどうですか。
#84
○政府委員(早川崇君) ただいまの高橋委員のお話は、現に例年政府の一般の預金部資金で引き受けるのと、また一般の公募による分と二つございまして、今申されたのは、消極的な公債といいますか、従来四千億になんなんとする公債の中で、一般経費を穴埋めするための地方公債が非常に多いことは、実は一般健全財政の建前から申しますと、これは全く国のしわ寄せが地方にきているという姿でありまして、そこででき得べくんば公債政策として来年度とりたいのは、その一般経費というものは起債によらない。むろん全面的にはいきませんが、その方針で進んでいきたいと思う。それにはまた大蔵当局と財源の問題で相当争わなければならぬ問題が残されております。と同時に、積極的公債、いわゆる事業公債、水道とか、あるいは電源を開発する、そういうものは、できるだけ今も言われましたような一般の公庫、金融機関に持たすという方法をとりたい。さらに現在自治庁で考えておりますのは、そういう地方債を処理する公庫、これは大蔵当局のまだ賛成は得ておりませんが、そういうもので一括消化できるような機関をも設けたい。かように考えて目下研究中でございます。
#85
○高橋進太郎君 それで今政務次官のお話でございましたが、私はやはり自治金庫と申しますか、地方金庫と申しますか、私はそういうやつがぜひ必要だと思う。先ほどの税の偏在のこともありましたが、いつでも全部が国にだけたよるという、こういう形はまずいので、地方自治体も相互に助け合う、言いかえますれば税制その他いろいろの関係で、私はやはり余裕のある地方団体もあると思うのですよ、従って全部これを中央にたより、もしくは政府にたよるということのほかに、やはりお互いに助け合うという意味からも、ぜひ地方金庫のようなものを作って、そうして政府の出資もさることながら、お互いにやり余裕のあるところはそれに預金して、そうしてお互いに助け合っていくということが必要だと思うのですが、何か聞くところによれば厚生省等に水道のみについて、水道金庫を作ろうという案があるように聞いておるのです。しかしながら、これは私はやはりまずいので、起債のような、あるいは金融のようなものは総合性があって初めてその目的が達成するので、地方のいろいろな事業について、いや、水道金庫であるとか、ガス金庫であるとか、そういう事業別に金庫を作って、何と申しますか、支離滅裂な金融政策というものをとるべきでない。むしろ今市し上げたような、地方自治が相互扶助のような意味で、総合的な地方金庫というものを作るべきだと考えるのですが、どう自治庁としてはお考えになっていますか。
#86
○政府委員(早川崇君) 厚生省で考えております水道の金庫というものは、われわれとしてはお説のように反対でございます。御案内のように自治庁といたしましては、先ほど申しました公募債のための金庫を作りたい、そのために共済組合その他の資金も五、六十億いつでも浮いておるわけですね。これを市中銀行なんかに預けておる。そういうものも入れたい。ただ大蔵省がそういうものは保障しなきゃなりません。その点で話が行き悩んでおるわけでありますが、先ほどの租税政策も、森下委員のお説を承わって、非常に同感だと思うのですが、今後自分のことは自分で始末をつける、これは私自治の精神であり、また民主主義の精神であると思います。単に公債の問題のみならず、自主財源の問題につきましても一挙にはいきませんが、一歩一歩、市町村その他、自治体は自分のことは自分でやるという方向に少しでも前進させていきたい。その一環として公債処理の問題も考えたい。かように考えております。
#87
○委員長(松岡平市君) 昨日の委員長理事打合会で、ただいま議題に供しております両法案は、明日の十二時半までに採決を終るように取り運ぶというふうにいたしました。従ってそのために要する討論、あるいは質疑等は、この採決の時間を見計らっていたすことにしたい、かように考えております。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(松岡平市君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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