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1955/12/15 第23回国会 参議院 参議院会議録情報 第023回国会 大蔵委員会 第4号
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1955/12/15 第23回国会 参議院

参議院会議録情報 第023回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第023回国会 大蔵委員会 第4号
昭和三十年十二月十五日(木曜日)
   午前十一時十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十四日委員吉田法晴君辞任につ
き、その補欠として松本治一郎君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡崎 真一君
   理事
           大矢半次郎君
           山本 米治君
           戸叶  武君
           土田國太郎君
   委員
           青木 一男君
           青柳 秀夫君
           菊田 七平君
           白井  勇君
           苫米地義三君
           藤野 繁雄君
           成瀬 幡治君
           片柳 眞吉君
           小林 政夫君
           前田 久吉君
           木村禧八郎君
  国務大臣
   農 林 大 臣 河野 一郎君
  政府委員
   自治庁財政部長 後藤  博君
   大蔵政務次官  山手 滿男君
   大蔵省主計局次
   長       宮川新一郎君
   大蔵省理財局長 河野 通一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  説明員
   大蔵省主計局法
   規課長     村上孝太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交付税及び譲与税配付金特別会計法
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○食糧管理特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○租税及び金融等に関する調査の件
 (財政投融資に関する件)
 (報告書に関する件)
○請願に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡崎真一君) これより委員会を開きます。
 まず交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたして、質疑を行います。
#3
○木村禧八郎君 この改正案の十項について、いわゆる百六十億の借入金に相当する金額は「一般会計からの会計に繰り入れるものとする。」ということになっておるのですね。この点についてもう少し突っ込んで内容を承わっておきたいと思うのです。御承知のようにこの法律の一番の実体は、今地方行政委員会にかかっている地方財政特別措置法ですか、あれですけれども、一番問題になるのは、一応この法律をかりに認めるとしますと、一般会計からの繰り入れの問題が明らかになってないと責任は持てないわけですね。そこでどういう形で一般会計から繰り入れるか。これは事務当局だけでは御答弁しにくい点もあるかもしれませんが、事務当局のごく事務的な計数について答弁できる範囲で答弁してもらいたい。要するに百六十億を一般会計でこの次の通常国会へ出てくると思いますが、一般会計補正の内容ですね。大体大蔵省の方でも目安がついておるんじゃないかと思うのです。それでなければならないはずだと思うのです。今どういうようなことになっておるか、その点から一つ。
#4
○政府委員(宮川新一郎君) お答え申し上げます。木村先生の御質問まことにごもっともの点でございまして、大蔵省の事務当局といたしましては、今回の百八十八億の地方財政に対する財源措置を講ずるにつきましては、一応の数字を出したことは事実でございます。しかしながら、何分速急にこの金額はきまりましたものでございますから、閣議にも諮ったのでございますが、その後公共事業費の繰り延べ等につきまして、なお実際の運営に支障を来たさないようにもう少し各省と事務的に折衝を重ねまして、的確な数字を出すようにすべきであるという見地に立ちまして、百六十億の内容につきましては、ただいまのところはなはだ遺憾でございますが、的確に申し上げる段階にございません。
 ただこのうちのおもなものは、何と申しましてもやはり公共事業費の系統の節約によってまかなわれるものと期待いたしております。と申しますのは、予算委員会等におきましても、大臣からも答弁があったと思うのでありますが、二十八年度、二十九年度も節約いたして、なおかつ相当な繰り延べ額かあることから見ましても、今年度は暫定予算の関係で本予算の施行がおくれましたので、前年度以上に繰り延べがあるのではないか、かように期待しております。また賠慣等特殊債務処理費につきましても、今のところ正確に計数をはじきがたいのでありますが、若干の不用額も出ると思いますし、一般経費の中におきましても、赤字補てんのために用意いたしておりました農業保険費関係に相当程度の不用額が出る見込みでございまするし、外航船舶建造融資利子補給のために予定しておりました金額が、市中融資の割合が減りました関係でこれまた不用額がかなり出るのではないか。それからまた一時の国庫の資金の運用上発行を予定しておりました大蔵省証券の発行利子三億一千万円、これまた不用になるのではないかということ。それからまたなお入場譲与税の譲与金が、予算編成当時に比べまして入場税の増収が見込まれるというようなことから、これまたかなり出るのではないかというようなところから、合せまして百六十億程度は必ず来たるべき通常国会において予算補正ができるものと私は存じておるのでございますが、それ以上詳細な計数に触れることは、大蔵省の試案的なものはもちろんございますけれども、国会におきまして、まだ閣議として正式、最終的にきめるまでに至っておりませんので、お許しを願いたいと思うのでございます。
#5
○木村禧八郎君 実はこの法律の一番の実体的な内容というのは、今お話しになったことが大切なわけなんです。それがわからないでこの百六十億を借り入れてよろしいと、われわれははんこをかりに押した場合、承認した場合、あとになって、いや、その一般会計からの補てんの仕方はそういう予想をしたのではない。たとえば公共事業費節約も、これももう打ち切りになるということも、これも伺わなければならないのですが、大体に八十八億と一応言われている。それがどういうものを、たとえば節減額は、治山治水が三十六億とか港湾が九億とか、食糧増産が二十三億、災害関係が五億、こういう点についてもまだ具体的にそれが妥当であるかどうかということはやはり検討しなければならぬですよ。数字がわからないではんこを押すということは非常に私はおかしいと思うのです。本来ならばここではっきり一般会計の補正を出すべきであるし、また実際これから節約をして不用額を立てるとしても、国会の議決を経ないで何か実行予算的な形で節約をしていったりなんかすると、これは前から言っておるが、財政法の二十九条の二項ですか、確かにあれに触れるような気がするのですがね。そこで一応大蔵省の方の最終決定案を出せといっても無理でしょうけれども、めどぐらいはわれわれに示しておかなければ、まためどぐらいわれわれわかっていないで、ただこれをめくら判を押したということになれば、われわれだって責任があるわけですよ。あとでそうじゃなかったということになっても取り返しがつかないですよ。
 そこで本来ならば大体の一般会計で繰り入れる場合の計数というものは、大体で大蔵省試案でいいんですよ。大蔵省ではまあ大体このくらいに考えてるんだということを一応ここでお示しにならないと問題にならないんじゃないのですかね。審議するにしても賛否を明らかにせよといったって、わからぬうちに賛否を明らかにしたって、これはまた正しい態度でないということになるのですよ。ある程度までやっぱり明らかにされることがいいんじゃないでしょうか。
#6
○政府委員(山手滿男君) ただいまの御質問は一応もっともだと私ども考える次第でございますが、百六十億を公共事業費で大体八十八億というふうに一応考えておりますのは、例年このいつも相当な公共事業費の繰り延べ、そのほか節約があるのであります。昨年の例をとって考えてみましても、相当額を節約をいたしました上に六十数億の節約あるいは繰り延べがあったわけでございまして、従来からの経験からいたしまして、大体今年九十億程度のそういう繰り延べないし節約があることは、ほぼ間違いないという従来からの経験からいたしましても、確信を持ってこういう計算をいたしたわけであります。
 ただそれではその八十八億の内訳をこまかく正確に出せというお話がございましても、実際にはこれを一律に頭からこれとこれをこういうふうに切るんだとか、これとこれを繰り延べをするんだということを今決定をするのは、いろいろ困難な事態もございますし、もう少し事態をきわめましてから、無理のないような数字を出していきたい、また十二分にその程度のことは見込める、こういうふうに考えておる次第でございます。
#7
○木村禧八郎君 そうすると、これは今大体八十八億という数字はあなたの方もお認めになっておるのですけれども、これは繰り延べになるんですか、打ち切りじゃないんですね。
#8
○政府委員(山手滿男君) ことしはこの暫定予算を組みました関係もあるし、非常に工事もいろいろな関係でおくれておりますし、まあ特に用地の買収とかそのほかいろいろな関係でおくれたようなものもございますので、そうかといって中途でぽっくり一割とかあるいは五%とかいうものを切ってしまうというふうなことは適当でないものももちろんございますし、大体繰り延べになるものと私どもは考えておりますが、そういう繰り延べになる分は三十一年度において優先的に取り上げてそれは完成をさす、時間的に間に合わないようなものが相当たくさん出てくると考えられております。
#9
○木村禧八郎君 どうも例年九十億ぐらいの不用額が立つから、それだからこれを地方財政の赤字補てんの融資の、一般会計からの補てんに充てていって、そんなイージーに考えて一体いいものかどうかですね。それを私は非常な便宜的な考え方だと思う。この繰り延べということになるとね、打ち切りじゃないということになると、あとは一体どういうことになるのですか。打ち切りじゃないのですね、そうすると三十年度予算の範囲内で、僕はこう考えたのですが、たとえば地方交付税の方をふやす、そのかわりにほかの方を切ってそっちの方に回すという形で考えておったが、そういうことにはならないで、ただ繰り延べということになると、それだけ財政規模が大きくならなければならないという形になるのですか。
#10
○政府委員(山手滿男君) 今の御質問でございますが、政府としましてはあくまでも健全財政を貫いていきたい所存でございますし、赤字公債を出したり何かするというようなことは極力避けなければなりませんし、さりとはいいながら、地方財政の方も何とかしなければいかぬということでございまして、種々考慮いたしました結果、今申し上げましたように事実上暫定予算の関係とか、従来からいろいろその例がありまするように、用地の買収の遅延あるいは工事の蹉跌等によって、その年度内にはとうてい完成をするといいますか、着手をすることができないようなものもできてくるわけでございまして、それを放置をしておきましても、その年度では他にそれを流用するわけにも参りませんし、この際は新規に借り入れをしたりなんかするということではなしに、そうした工事のできないものはその年度としてはそれはそれで切りをつけて、工事としてはずっと繰り越して、新しい年度において優先的に取り上げていくという、こういうふうに考えてこういう措置をとったわけでございます。
#11
○木村禧八郎君 それは予算の形としては一応三十年度の打ち切りという形をとらざるを得ませんね、そうしなければふくらんじゃうのですから。それで三十一年度でその手当をするという形で、この三十一年度にこれを追い込むわけですね、実際問題としては。どうもそこが非常に私はごまかしのような気がするのですが、ほんとうに不用額を立ててはっきりするなら、それはそれとしてなくさなければ健全財政とは言えないのです。ほんとうの意味では百六十億を捻出するためにほかの費用を節約して落すという形で、一応帳簿面では落した形で、三十年度のが三十一年度に頭が出てくる、こういう今のそれは、ほんとうの意味の健全財政という形ではない。ですからこれは非常にごまかしがある。急にこういう数字が出てきたので、ここで一般会計の補正を組むことは困難であるというが、実際われわれの国会で予算を審議しておる場合に、具体的にこういう八十八億の繰り延べなり節約なりかどうなるかということをわからなければ、ほんとうの予算審議になるはずはないですね。いつもそういうところが審議されないで終っておるのです。実はそういうたとえば目の、小目とか、そういうところまでやっぱりわからなければ、実際に影響はわからない。一番、公共事業費によって不用を立てて赤字を埋めるという点が政治的には一番もめた点でしょう。これは特に公共事業費関係は、これはまた実際に影響も非常に大きいのですよ。実際問題としては、治山治水とか港湾とか、漁港の問題、食糧増産、災害関係、みんなこれは重大な関係があるのですよ。そういうものがわからないで、はんこを押せといっても無理じゃないですか。いつでも、じゃ何のためにそういう予算審議をしたり、大蔵委員会でこういう法案を審議したりするか、全くわれわれから見ますると愚弄しているようなものですよ。ただ十項において、この補てんは、「一般会計からこの会計に繰り入れるものとする。」というだけで、何も資料がついていない。繰り入れ内容もわからぬのですよ。それでこれを審議せよといってもできやしないのですよ。賛否を明らかにせよといっても、内容がまだわからないうちに賛否を明らにできないのですよ。この点はもう少し誠実に、示すべきだと思うのですよ。
 それでやはりわれわれにそういう批判をさせて、賛成、反対は一応別としても、百六十億の資料くらい出せないようじゃ、これはあんまり私は無責任だと思います。今度の赤字補てんの必要については、これは緊急を要することは私十分認めますけれども、今度の予算措置、それから法律化するについては非常にやり方がずさんですよ。全く愚弄したようなものだと思うのですよ。何かお粗末に、しゃあっとこの程度で国会を通しちゃおうというのじゃ私は承服できないのですよ。
 それでもう一つまた承わりたいのは、一般経費の節約が大体四十二億といわれておりますが、どうもいつも非常に悪い影響を一般の人に与えておりますよ。前は経費節約を一割やったでしょう。その上にまた経費節約をする。そうする一般経費というものは非常に過大に見積ってあるのだ、いつも。必要があればすぐこうやって不用に立てられる、節約できる、そういう感じを与えている。そんなに簡単にできるものなんですか。この前も一割やったでしょう。今度四十二億できるというのなら、四十二億についてもう少し納得した、さっき部分的にお話しがありましたけれども、もっと詳細にこれは報告さるべきだと思うのです。
#12
○政府委員(宮川新一郎君) 先ほどもお答え申し上げましたように、正確に最終的な数字を申し上げられないのでありますけれども、ただいま木村先生の御指摘がありましたように、無理をして節約をする、またよけいな金を節約するというのじゃございませんで、大体当初予定しておりました事情が変更いたしまして、収入が多く入ってくるとか、あるいは船の建造がおくれたとかいうような関係で利子補給をする必要がなくなったとかいうようなことで、実際問題として不用に立つような金額は多うございまして、当初の見積りが悪かったといえば、そういう問題がございますけれども、それは予算をいいかげんに組んだというのではなくして、事態の変化に伴いまして出てくるような金額を見込んだ次第であります。
#13
○木村禧八郎君 ほんとうにそうですか。それでは四十二億の内容を決してそうでないというなら明らかにしてもらいたい。そういう、たとえば利子補給分を払わなくてもいいというならこれはなるほどそうです。全然そういうあれに影響がないというなら、これはやはり明らかにしてもらわなければ……。
#14
○政府委員(宮川新一郎君) 四十二億というものは正確な数字じゃございませんが、大体船舶利子補給、これは先ほども御説明申し上げましたように、外航船舶の建造をいたす場合に、一般市中金利一割一分と五分との差を補給することになっておるのでございますが、第十一次船舶の着工がおくれましたとか、あるいは第十次船舶までの融資残高が減少しましたとか、あるいは市中が二〇%、財政資金が八〇%でありましたのが、財政資金が九〇%に変ったというような関係で、一億数千万円出る見込みでございます。それから大蔵省証券の発行五十億予定いたしております。年利六分五厘で計算いたしまして、三億円程度の利子を計上いたしておるのでございますが、最近の状況を見ますれば、その発行の必要がないと思われますので、三億程度出て参るのではないか。それから入場譲与税の譲与金といたしまして、二十九年度百五十五億五千万円を、入場税収入のいかんにかかわらず入れることになっておりまして、二十九年度三十五億円繰り入れまして、ことし二十五億予算に入れておるのでございますが、その後入場税収入がふえましたので、およそ五億程度のものがこれは不用に立つのではないか。その他農業保険関係におきまして、二十九年度の再保険金支払い財源の下足を補てんいたしまするために二十八億計上いたしておるのでございますが、今年の豊況の関係で相当の黒字が出る見込みでございますので、これまた相当大きな金の不用が出るのではないか、その他ほかにもいろいろ雑件をあげればあると思われますので、まずこの辺で四十億程度のものは出るんじゃないだろうかと、かように考えている次第でございます。正確な数字は詰めないとわかりませんので、その辺のところで御了承を願いたいと思います。
#15
○委員長(岡崎真一君) 暫時休憩いたします。
   午前十一時三十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十九分開会
#16
○委員長(岡崎真一君) それでは委員会を再開いたします。
 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして質疑を続行いたします。
#17
○木村禧八郎君 先ほどに引き続いて、さっきの百六十億の融資に対して一般会計でこれを補正してやる、繰り入れる場合の公共事業費の八十八億の問題ですね。四十二億の一般経費の節減は先ほどお話を伺って大体わかりました。一応まああれは納得できたと思うのですが、しかし八十八億なる点は一番問題になる点でして、ずいぶんこれは議論があったと思うのですが、それが今まだなかなかきまらないというのはどういう点なんですか。
#18
○政府委員(山手滿男君) この問題につきましてはいろいろ政府の内部でも研究をし議論をしたんでありますが、頭から一律に公共事業費を切るということは非常にまずいことでもありますし、切るといいますか、繰り延べをきめてかかる、あるいは節約をきめてかかるというふうなことはまずいことでありまするので、よく実情を関係各省と大蔵省が協議をいたしまして、無理のないようなふうにして捻出をしたい。そのためにはただ机の上だけで数字を合せるだけでも困りますので、まあ時間をかけてできるだけいろいろなことをよく調査をした上で具体的な数字を固めていきたい。その場合におきましても、一昨年、昨年ずっとやって参っておりまする例年の計算からいたしまして、最低九十億はまあ捻出することができるであろう、こういう確信に基づいてそういう方針をきめ、今各省ともよく話し合いを進めようとして、おるわけでございます。
#19
○木村禧八郎君 今の御答弁を聞きますと、繰り延べとそれから節減もあるわけなんですが、特に公共事業費関係では御承知のように前にあれは補正増したんですよ、第一次補正で。補正増しておいてまた今度あれは約八十億ですかふやしたんです。そこでまた今度公共事業費において節減の余地があるというのは、どうしてもわれわれ何か割り切れないのです。前にあの例の百八十億の補正ですか、第一次補正をやったでしょう。あのとき大部分は公共事業費で、ことに補助ですね、補助が多かったんです。ところが第一次補正でふやして、また今度、ことにあれは各地方のいろいろの政党関係のあれが複雑しているでしょう。そういうことできめるのがなかなか困難だと思うのですけれども、しかし私一つ聞きたいことは、節減も含まれているというのですけれども、八十八億を捻出するについては多少の計画変更とかその他も当然伴ってくるんじゃないんですか。
#20
○政府委員(山手滿男君) まあ事実上そういうのができてくることも想像されますけれども、無理をして特にこういうふうに切ってしまう、節減を強行するというふうなことは、できるだけ避けたいという方針でやっておるわけであります。
#21
○木村禧八郎君 いや、その打ち切っちゃうというのでなくて、繰り延べだってやはり計画変更というのが起るでしょう。
#22
○政府委員(山手滿男君) そういうことが多少起ると思います。
#23
○木村禧八郎君 そうですね。そうなるとだから問題なんですよ。計画変更が起るのに、国会の議決を経ないでそういうことが一体できるのかどうか。だからそれは実行予算的考えだというのですよ。それは金額が大きい少いの問題じゃなく、前にも一割天引き節約のときも問題にしたのですが、一応次の通常国会で一般会計の補正が出てきます。その補正が出てきたあとにおいてやるのならこれはいいわけです。しかしその事前において、国会の議決を経ないでそういう計画変更が行われるという場合は、憲法八十三条の国会の議決を経なければ支出してはいけないという、国会の予算審議権を政府が勝手に侵害するということになると思うのですよ。ですから本来はここでちゃんと一般会計補正で組んで出すのがほんとうなんですよ。そうしないであとになってそういうものを出してくるということは、どうしてもこれが二十九条の二項に触れる。わざわざ財政法二十九条で新らしくああいう規定を設けたのです。それを無視して、どうもだんだん財政法のいろんな規定をルーズに解していくような傾向があるのですが、それは結局国会の予算審議権というものに対して行政の方がこれをだんだん侵害しているということを意味すると思う。今度の問題は金額はそう大きくないと思うのですが、私はいつも、この前の一割天引きの実行予算的なやり方にも反対したのです。旧憲法のもとでは御承知のように予算は支出の最高限度をきめたのだから、その範囲内で節約したり何かすることは、これはかまわないのだという考え方だったのです。ところが新憲法では違うのですよ。それははっきり違うのです。それを従来の考え方でどうもやっておるように思うのです。この点どうですか。
#24
○政府委員(山手滿男君) 今お尋ねのような点もございますために、われわれも慎重に議論をいたしたのでございますけれども、頭から切るとか何とかいうことではなしに、自然に繰り越しになると申しますか、初め暫定予算そのほかで予算の執行がおくれてずっと参りました関係もあって、当然に、自然にそうなるものも出て参りますので、そういうものをうまく調整をし、拾い集めて、今のような状態が起きます場合には、補正のときに当然この国会に提出をいたしまして、皆さんの御審議を仰ぐ、こういう形で、そういうふうなことのないようにいたす所存でございます。
#25
○木村禧八郎君 もう議論になりますからこの点は簡単に述べますが、補正のときに、一般会計の補正のときにやるのはあたりまえですよ。補正をやってからそういうことをやるべきで、その事前に計画変更その他が起ってくるのです。それを国会の承認なくしてそうやることが正しくないというのですよ。そういうことを私は言っているのですがね。極端に言いますと、たとえば国会である予算をきめた、ところが政府が勝手にこれは実行予算というような考えで、それを国会できめたのは最高のワクだ、それを超過して……ワク内において節減したり何かするのは行政の自由だなんというと、国会の予算の審議権というものは侵害されるわけですよ。それだから財政法二十九条の二項において、そういう場合には、すでに成立した予算を変更する必要がある場合には、この修正を提出することができるという道がちゃんと開いてあるのですよ。それを今度やらないのですよ。やらないというのは、便宜的に、間に合わないとか間に合うとか、そういうふうに言っておりすけれども、それはやろうと思えば間に合うのですよ。間に合わないということはありませんよ。それがこの十項ですか、この法案の十項においてただ簡単に、一般会計の繰り入れによってこれを補てんするというだけでは私は済まないと思う。しかも一般会計で補てんするといっても、その内容もはっきり示さなければならぬのに、それを少しもせずして、そうしてこれを認めるといったって無理じゃないかと、これはもう議論ですから……。今後、しかし、どうも大蔵当局はだんだん旧憲法下のあの予算の考え方に、逆コースに戻りつつあるような気がするのです。
#26
○説明員(村上孝太郎君) 財政法二十九条の二項の解釈につきまして、ただいま木村委員のおっしゃいましたように、できるだけ国会に御相談申上げて、予算の実行についてもやっていく、それが民主的な考え方だと、これはまあ御方針として私はごもっともだと思うのでございますが、この二十九条二項……、旧憲法、新憲法ということをおっしゃいましたけれども、現在この財攻法の二十九条が受けております憲法の規定は、憲法八十三条の財政の処理に関することについて国会の議決を経ろということであって、それは直ちにこの予算に対する議定権が、最高も最低もともに予算できめたものによって拘束されるのだというふうに私は理解しておりません。二十九条二項の趣旨は、要するに節減をいたします場合においても、節減によって国会が議定いたしましたときの行政目的等を変更するようなそういう予算の執行になりますような場合には、たとい予算の金額を減らす場合においてもできるだけこれを国会に御相談申し上げて執行する方が民主的であると、こういう精神が二十九条の二項になっているのだと思います。今度のいわゆる一般会計における百六十億の節減がいわゆるそうした意味における行政目的を変更するような節減であるかどうか、これは内容自体がまだはっきりいたしておりませんので、ここで具体的に申し上げるわけにも参りませんけれども、そういう意味から申しますというと、二十九条の二項に必ずこの今度の補正予算の性格から申しよして違反するものだと、こういうようにも私たち考えないのでございますが、そういう意味におきまして、確かに政府が予算を実行しますときに、議定されました予算の項の金額を減らすという場合にも二通りありますので、今申し上げたように、行政目的を変更するような節減をするという場合には確かにこの二十九条の二項にかかってくる。そうでなければ、私は節減を政府限りでやりましても必ずしも予算の国会の議定権を侵すものではなかろうと、こういうように考えております。
#27
○木村禧八郎君 私はもっと広義に考えているのです。予算の一番重要な点は、各項目の金額自体にもありますけれども、予算の性格というものが大切だと思うのです。性格というのは、ただ防衛費にどのくらいのウエート、民生費にどのくらいのウエート、公共事業費に……とか、そういうバランスが破れるようなときこれはやはり性格が変るのであって、単なるある項の金額がふえる、ふえないでなく、やはりそのバランスというものが要するに予算の性格の一つですよ、重要な性格だと……。われわれはもっと政策的に考えているのですが、たとえば最初鳩山内閣は社会保障費に重点を置くと言った。ところが社会保障費の内容を見ると、生活保護費についていえば八億も減っている。結核対策費が二億も減っている。それから公営住宅の予算は前年度の百十八億から百六億に減っているのですよ。こういうような、もし節減があるならば、そっちに持っていかなければならぬのじゃないかという議論も出てくるのですよ。
 一つの予算のバランスの問題、性格の問題として問題があるのですね。われわれはあの八十三条できめるときに、やはり単なる金額ばかりでなく、そういうものも含めて問題にしているのですよ。それが変ってくるので、そういう場合にやはり国会の承認を経て、これは賛否はまた一応別ですけれども、きめるべきじゃないかと、こういう立場で言っているわけなんです、私は。ですから厳密に法律解釈としてあれしたらなるほど違反していないのだ、国会の議決対象も項以上であって、以下の科目については行政府の責任というそういうただ法律解釈だけだったら、あるいは違反していないということも言えるかもしれない。しかし、私はただその精神を言っているだけでして、そういう意味なんですよ。
#28
○政府委員(宮川新一郎君) ただいまの木村委員の御発言、まことにごもっともであると存じます。今回一般会計の補正をいたさないで借入金でまかなっておくと、そしてあとから一般会計の補正をするということで、一般会計から百六十億繰り入れるような措置をしていいか、国の予算全般としてこの際何を節約すべきか、また回すとして地方財政に回すべきか、今言われましたように、社会保障に回すべきか、この辺のところは総合的に検討すべきだと思います。御趣旨はまことにその通りだと思いますが、御承知のように昨今の地方財政の現況にかんがみまして、やむを得ず今回のような措置をとった次第でございまして、一般会計の補正をいたします際に十分御審議を願いたいと思います。
#29
○木村禧八郎君 私は議論になりますからこの程度にとどめますが、ただそういう問題になるから、なぜはっきりした一般会計の補正を出してこないかと、こういう問題です。そうするとここで議論の対象がそれてしまうんですよ。これはあとで一般会計の補正のときに十分御説明しますといいますが、ほんとうは今やらなければいけないのですよ。百八十八億の内容としても、それが妥当であるか妥当でないか、今議論しなければいけないのです、ほんとうは。それをこの次の一般会計の補正のときにはっきりきめて、そして御審議を仰ぎますというのでは、これは私は正しくない、こういう意味です。しかしこれは議論になりますから御答弁は要りません。
 それで自治庁の方に一つ伺いたいと思います。本年度の百六十億の手当ですね、これについて金額自体が妥当であるかどうかということも一つ問題じゃないかと思うのですが、これは自治庁の方ではどういうふうに考えておられるのですか。たとえば知事会あたりでは五百七億という数字が出ておりましたね。いろいろの項目をあげまして、金額自体百六十億というのは交付税の三%に当る分ということになっているわけですね。しかしその地方財政の赤字の方から見たらどういうのですか、交付税の三%に該当するような形でこの赤字を考えているように見えますが、しかし三十年度の地方自治体の赤字自体の方から見たらどういうふうに……。
#30
○政府委員(後藤博君) 百八十八億の措置の経緯のことであると思います。地方制度調査会で本年度の財源不足額を幾ばくと見るかという議論になりまして、そしていろいろの検討をいたしました結果、給与費を除いて約二百億程度、こういうことにきまったわけであります。
 その二百億を出します場合に、出し方がいろいろございます。本年度、年度の途中でございまするから、はっきりした赤字の見通しをつけるわけには参りません。従って一つの方向としては、現在の地方財政計画上、の算定漏れを中心とした考え方、それが直接的な考え方だろうと思いますが、もう一つ間接的な考え方として、今の交付税率の二二%のきまりました以後に起ったいろいろの現象、それから二二%をきめました当時ありました問題で見ておりませんでしたところの問題、そういうものを含めまして間接的に測定する方法と二つあるわけです。調査会におきましては後者の方の交付税算定の基礎を中心とするところの方式をとったわけであります。たとえば国税三税の減税分をはね返らせるべきではないか、それから警察費の昨年度の負担増をやはり平年度化してはね返らせるべきではないか、そういうようなことを中心にして、約二百億の財源不足額が、給与費を除いてある。こういうことになったわけであります。従いまして給与の関係が別にあるわけであります。給与の関係を含めますると、知事会の、五百億に近い数字になって参ります。私どもとしては、給与の関係は義務的な経費でございまするので支出しなければなりません。従って実際の予算、各地方団体の予算を見ますると、給与が全額除いてあるわけであります。従ってその圧迫が給与以外の経費の方に参っているというふうにまあ考えましたので、二百億程度の額を中心にいろいろ検討いたします。まあ国の財政上との関係もございますので、約三%こういうことで百八十八億を出したわけであります。
#31
○木村禧八郎君 今度の地方財政計画の三十年度の修正のうちの失業対策事業費、これについてまあ当初計画で地方の負担分は落しておったのを、今度はそれを政府の方で、これをことに資材費で超過負担をする。こういうことになったのですね。で、これは今度だけなんですか、それとも今後ともこういうふうに失業対策事業費の地方負担分については政府の方で見ていくという建前をとっていくのか。
#32
○政府委員(後藤博君) 従来失業対策費につきましては、地方側に超過負担があるのであります。国の予算でたしか四十五円ということになっております。われわれは従来の実績からして、一人当り八十四円十四銭という単価を用いておったわけであります。これが年度当初の財政計画、今までそういう方針できておりましたが、年度当初百四十億を節約するという問題になりました際に、本年度は財政計画全体が苦しいので、一応この超過分だけを落して節約に回す、その範囲内で事業をやるということにいたしましたので、それを今回の百六十億の際に財政計画上もとに戻したのでございます。
#33
○木村禧八郎君 それはわかります。そうしますとね、前に節約するために三十九円落した。そうなると失業対策事業一般としまして、最初政府が一般会計、たとえば本年度は二十二万ですか、昨年十七万に対して五万をふやして二十二万、そうして中央負担分、地方負担分、こういうふうにして失業対策をやるのでしょう。ところが一割節約して三十九円落してしまうとなると、その政府の二十二万の失業対策は、地方でそれを負担できない、三十年度ね……。それがうまくいかないとなると、そういう混乱が出てくるのじゃないですか、落したときの質問なんですよ。
#34
○政府委員(後藤博君) 超過負担というのは一律にあるわけでもないのでありまして、団体によって非常に超過負担が違います。従いましてまあ財政計画の上では一律に八十四円見ておったのでありますが、年度当初節約を立てまするとやはり、四十五円ということになりまするので、その範囲内でやつてもらいたいというふうに私どもは考えたのであります。しかし現実にはおっしゃるようなことになりまして、それは持ち出し分は赤字になる、持ち出しになるかという問題はやはりあります。
#35
○木村禧八郎君 私、方々地方へいきまして、計画はなるほど失業対策はこうなっているというのですけれどもね。ところが地方財政の方に金がないから、政府からもらった分の範囲でやるとか、そうなると計画通り失業対策ができないのですね。そういうことが、こういうふうに今まで、めんどう見ていたのを三十九円落すということによって、そういう今お話しになったことが計画通り具体的に失業対策がいかないという点が起ってくる、実際問題としてそういうことを考えられるかということなんです。だから地方によっていろいろ違うと思いますが……。
#36
○政府委員(後藤博君) 実際問題といたしましては、国で考えました失業対策の総事業費ですね、総事業費以上の失業対策事業が地方に行われているのであります。従って国が立てました計画はたとえ単価を落しましても、やはり国の分量、国が予定した分量は減っていないと思います。ただそう従来のように持ち出しがたくさんできなくなりましたので、地方の関係において事業圧縮は多少やっております。やっておりますが、それはだからといって国が予定しました失業対策の量をやっていないかと申しますと、そうではないのでありまして、むしろ国が立てました計画以上の失業対策を単独事業の格好でやっているのであります。さようなことになっております。
#37
○木村禧八郎君 それはやっていますよ。単独事業でね。しかし地方財政が非常に困難なときに、今までめんどうを見ていたものを、三十九円落せば当然地方負担分が多くなるでしょう。それは当然ですね。それを負担し切れなくなる場合ですよ。だから当然国の方の事業もそれで負担し切れないといえば、これは延びるか、事業が少くなるかですよ、そうせざるを得なくなるのですね。
#38
○政府委員(後藤博君) 二つあると思います。団体によって超過負担をしてまでも事業をやっていこうとする団体と、それから経費がないから、健全財政の建前から赤字を出すのはいやだから事業を縮小する、この二つの団体があると思います。しかし全体として見ますれば、国が予定しました事業量以上の仕事をやっておりますので、私は国が考えている失業対策事業というのは大体行われるだろう、こういうふうに申し上げたのであります。
#39
○木村禧八郎君 行われるだろうというのは……、私は実態を知りたいのですよ。何も非難するとか何とかというそういうことではないのですよ。実態ね、たとえば一番知りたいのは、国が失業対策計画を立てますね。その計画通りに行われないということね、いろいろなケースがありますね、その原因としては。その一つとして、こういうものを落すことによって計画通りいかない面が出てくるのじゃないかということなんです。その実態を知りたいのです、実際を。いくだろうというのでなくて実際どうなっているか……。
#40
○政府委員(宮川新一郎君) 実態につきましては、あるいは後藤財政部長からお話があるかと思いますが、先ほど後藤財政部長から御答弁いたしましたように、政府で計画しております二十二万、二十一日、それに地方の単独事業としての事業を合せますと、予定している計画は大体できておるのであります。ただたとえば京都府のように非常に財政事情が悪いというようなところでありまするとか、呉だとか広島でありますとか、あるいは福岡の炭鉱地帯というようなところで多発的に失業者が出るようなところでは若干無理がきているのではないか、こういうふうに考えるのであります。資材費の単価の見方、それから補助率等につきましては、来年度予算編成に当りまして、できるだけ財政の負担のことも考え合せまして適正にいたしたいと思いますとともに、そういう多発地帯につきましては何らかの特殊の考え方を加味していく必要があるのではないか。まだ結論に達しておりませんが、若干そういう気持でもって私ども今検討中でございます。
 実態につきましてはあるいは自治庁の方からお答えがあるかもしれませんが、一般的には大体計画通りいっているものと私どもは考えております。
#41
○政府委員(後藤博君) 宮川さんからお述べになりましたことで、京都とか呉とか広島、大牟田、それから炭鉱地帯の田川、ああいうところにも失対の問題はございます。その失対の問題は資材費だけの問題ではなしに、むしろ事業量が足りないという問題が一つと、もう一つは地方負担が非常に大きくなってくる、そっちの方の問題になるのであります。全体的に見まして、現在の資材費では足りないという問題が一つありますけれども、それ以上の問題がそういう多発地帯にはあるのであります。
#42
○木村禧八郎君 それはそれでわかりました。前、佐賀県ですね、佐賀に私が行ったときに、鍋島さんに会ったときに、前のデフレ政策で炭鉱がどんどんつぶれて失業者がどんどん出たわけです。そうすると失業対策費をもらっても地方負担分がつくので、国の政策として必要でありながら、地方財政の負担がくっつく、そういうので非常にこれは矛盾しているという、苦しんでいるという話を聞きましたが、そういうときにこの資材費の節約によって負担分を落すなんということになると、一そうそういう困難を加重するように思ったものですから、これは今度は復活するというわけでしょう。ですからそういう意味でも質問したんですがね。
 それからもう一つだけ、交付税率についてはどういうことになるのですか。これは三%に相当するものを何をしたということは、税率自体にはどういうふうなことになっておりますか。
#43
○政府委員(後藤博君) 今回の措置は、交付税率の引き上げによらないで、臨時地方財政特別交付金というものによりまして配分します。その配分の方法は、交付税の例によって配分するということになりまするので、交付税の単位費用の計算と同じような計算、もちろん単位費用の改訂いたしまして、改訂いたしました単位費用を基礎にいたしまして、そして算定がえをいたしまして、その差額を普通交付税として一応今月中に配りまして、残りの分は特別交付税として来年の二月に配る、こういう建前にしております。
#44
○委員長(岡崎真一君) 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案の質疑は一応中止いたします。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(岡崎真一君) 河野農林大臣が見えましたから、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして質疑を行いたいと存じます。
#46
○木村禧八郎君 食管会計の借入金の二千六百億を今度は九百億ふやして三千五百億にする法律案が出ているわけですが、御承知のように食管会計の問題は、三十年度の予算の編成であっても、あるいはまた三十一年度、今後の財政計画全体の問題にしても非常に重要な問題であることは農林大臣御承知の通りですね。ですからこの際食管会計が一体どうなっていくかという問題ですね。これについて一応伺っておきたいと思うのです。さしあたり本年度の米の予約集荷二千三百五十万石予定されておった、それが今度は、三千三百二十五万石ですか、ふえるわけですね。その結果配給価格を上げないとすれば、今の百九円とすればそこで赤字が出てくるはずですね。その面からだけのみ一応見て御質問するのですが、そのほかの項目で節約ができる、外米輸入その他節約ができる分等があるでしょうけれども、そういうものは一応別にして、食管においては赤字が出る。
 そこでこの食管会計の赤字をどうするか、今まで米の統制撤廃の問題が起った原因はいろいろあるでしょうが、食管の赤字をなくするということが非常に大きな原因であったと思うのです。有力なんですね。そこで三十一年度の食管の見通しについて伺いたい。特に予定集荷二千三百五十万石が三千三百二十五万石にふえたわけなんですから、当然この間においては赤字が予想されるわけです。
#47
○国務大臣(河野一郎君) そういう計算には私はならないと思うのであります。なぜかと申しますと、御指摘のように買上数量はふえましたけれども、配給日数は、百八円で配給いたしておりまする配給日数は予算編成の当時と同じであります。それ以上のものにつきましては、希望配給といたしまして百二十円で出しておりますから、これは農家から買い上げる値段に搗精の諸掛りを加えたもので配給いたしておりますから、これに関する限り赤字は出てこないのであります。でありますから買上数量がふえたからといって、今の制度を継続して参りますれば、それによって赤字が出るということは、出てこない計算になるのでございます。これは全然別の、今回の措置は、買上数量がふえますので、そこで常に必要量を買って必要量を出すのではございません。
 御承知の通り出来秋に農民の方から渡されるものはどんどん買い上げますので、買上数量がふえますから、そこで限度を拡張していただかなければならない。ただし根本的にはどうかということになりますと、これは明年度の予算編成に当りまして十分に今後のことを、御承知の通り現在の食糧の、米の事情にかんがみまするのに、この大豊作の結果、やみ米は非常に多量に出回り、しかも非常に値が下っております。非常に値が下りました結果、麦の消費量が減りまして、米の消費量は非常にふえております。そういうバランスを将来どう置くかということも考慮しなければなりません。これは非常に重大な問題だと私は思っております。すなわち米の価格を現状の状態で麦の現在の価格とのフリ合いがどうなるかやみ価格はこれまで下って参りますと麦の消費がなくなりまして、米の方に消費が転換して現在おるわけでございます。従って製粉会社の方がこのごろ非常に工合が悪いようですね、ないしは麦の消費が非常に減っております。そういうようにただいまの収穫が非常に多かったことによって、せっかく粉食を奨励して参りましたのが、米の方に消費が逆転しておるというようなことにつきましては、ここで米と麦との価格差をどうするかという問題をきめなければならぬだろうと思うのであります。価格差を決定した上で、この安定値の上に立って、米の消費量はどのくらいあるか、麦の消費量はどういうふうな値をたどるか、それを見た上で米の需給の推算を立て、そして価格の安定値をどの辺に求めるかというような問題を総合的にきめなければならぬ段階に現在きているわけでございますから、これの検討には非常に時日を要しますので、いずれ通常国会にはそれらに対する基本的な方策を具して、食管会計につきましても十分検討を加えて明年度の予算を編成して参りたい。その際に根本的に解決をしたい。
 ただ木村さんのお話で、統制撤廃をする議論があるが、これは赤字をなくするという原因に出発しておることが非常に多いということでございますが、政府はそういうことは絶対に考えておりません。食管が赤字であるから統制を撤廃しなければならぬというようなことは、少くとも私に関する限りは全然そういうことは考えておりませんから、この点は一つさよう御承知を願いたいと思います。
#48
○木村禧八郎君 それは今になって河野さんそうおっしゃるが、統制撤廃の問題が起ってきた経過をごらんになれば、食管会計の赤字というものは、これは重要な問題であって、河野さんは今そうお答えになるが、この経過から見ますと、それはもうこの赤字をいかにしてなくすかということが重要である。しかも今二千三百五十万石、超過分については希望配給百二十円であって、赤字にならぬということだが、百九円分はどうなるのですか、普通の配給分は……この買い上げ値段を上げましたから、それはその分はやはり赤字が……。
#49
○国務大臣(河野一郎君) それは前回御説明申し上げた際に計算に入っておりますから、さよう御承知を願いたいと思います。前回の夏の議会に御説明申し上げました通り、買い上げ価格を、農民からの価格を上げるときに、その赤字がこれだけ出てくるというものに対しては、この赤字の引き当てはこういうふうにいたしますと御説明した点を目下進行いたしております。米がとれた、買い上げ数量がふえた、ふえないによって、私はやっていないということを申し上げたのであります。
#50
○木村禧八郎君 そうじゃなくて、前はあの赤字の補てんについては輸入食糧の値下りその他によって補てんする。それから減収加算の問題がありましたが、それで御承知のように食管会計では、今後の赤字を補てんする、今後は輸入食糧の値下りその他があるから、今後の余裕は別として、今まででしたら余裕がないはずでしょう。
#51
○国務大臣(河野一郎君) 食管会計については一般会計から補てんをしていけないというものじゃないのであって、生産者から高く買って消費者に安く売るのでございますから、つまり今の値段で買って、そうして百八円で売りますれば、インベントリーをくずすとかその他のことによって赤字は出ます。この出ることによっては、今年度については前回御説明申し上げた通りでございます。今回の豊作もしくは買い上げ数量が二千三百万石が三千二百万石にふえたことによって赤字が出ることはないということを申し上げたのでありまして、根本的には赤字が出ます。現在の情勢のまますればこれは間違いありません。しかし買い上げ数量がふえることによっては出ないということは、私が申し上げたのは、百八円で一ヵ月都市が八日分、生産地が何日分、配給は、これは計画済みのことでございますから、前回と違っておりませんということを私は申し上げたのであります。ただしこれを明年度このままにすれば、本年度におきましてもインベントリーを百億くずしておるというようなことでございますから、明年度そのままにこの状態を続けるとすれば、一般会計から百億前後のものを埋めていかなければ続けていくことはできない。これは当然でございます。しかしこれを入れることはできないから、入れるわけにいかないから統制を撤廃するのだという議論は私はとりませんということを申し上げたのであって、これは現在のように消費者のために助けておる、生産者のために助けておる。いずれがいずれにいたしましても、生産者から高く買って消費者に安く売るのでございますから、その差額は、私は、これは社会政策的見地から言っても当然ある程度のことは考えなければならん場合もありましようし、とにかくこれだけの食糧政策を政府が行なっております以上は、全然これに負担なしということは不可能であって、これはあることが当然だというふうに考えております。
#52
○木村禧八郎君 今農林大臣が言った後者ですよ、あとのことが、今後の食管会計というものを長期的に考えて、統制撤廃の問題が起きて、それのみじゃありませんけれども、有力な原因であったことは否定できない。新聞によりますと、来年度河野さんは今の百九円の配給値段を今の希望配給百二十円に引き上げる必要があるやに談話が出ておりましたが、消費者価格を、配給価格を上げる意思があるのですか。
#53
○国務大臣(河野一郎君) それは木村さんの非常な……どこでそういうものを御覧になったか知りませんが、私は百八円を百二十円に上げる意思があるというようなことは絶対に考えたこともございませんし、そういうことを申したことはありません。私の見る新聞にはそういう記事が出ておったことを私は見ておりません。そういうことは考えておりません。そうでないのであって、先般衆議院の予算委員会において、社会党の某委員から、消費者価格を上げる意思があるかどうかというお尋ねがありましたから、現在ただいまは上げようと考えておりません。こういうことをお答えしたのであります。しかし将来にわたって絶対に上げる意思があるかないかという御質問でございますれば、今せっかく私は各方面の権威の方々にお集まりを願って、今申し上げましたように、麦の価格、米の価格、イモの価格等について御検討願っておりますから、この総合的な御答申を得た上で政府は適当に考えて行くべきだ、こう考えております。
#54
○木村禧八郎君 それは新聞を御覧に入れてもいいですよ。小さい記事でありましたが、はっきり出ておったのです。これは上げる意思はない……。
#55
○国務大臣(河野一郎君) 意思はありません。上げる意思ありやいなやは今後段でお答え申し上げた通りであります。
#56
○木村禧八郎君 そうすると、来年度の予算については、来年度については一応一般会計から百億程度を赤字補てんのために食管へ繰り入れる。その程度のことを農林大臣は考えられているわけですね、消費者価格を上げないとすれば、その赤字補てんとしてですね。
#57
○国務大臣(河野一郎君) それは今申し上げました通りに、消費者価格をどういうふうにするかということは、今、委員の諸君にお願いをしまして、内閣に農産物価格審議会を置いて、そこでせっかく御検討を願っております。そこで消費者価格をどうするかということが最も大きな問題となって御検討中と、これは経済企画庁の所属の委員会でやっておりますが、伺っております。私も二、三回出席をいたしました。その答申を待った上で、一般農産物の価格の算定方式もしくはこれの価格方式については出していただけると思っておりますから、それらを見た上できめるべきで、将来にわたって配給価格はどうするかということは、今ここで私が言明すべき段階ではないので、年度内にどうするか、今すぐ消費者価格を上げるか上げぬかと言えば、直ちに上げる意思はございません。これはその通りでございます。これは明年度を通じてどうだということであれば今申し上げた通りでございます。しかし今百億は現状の施策を続けて参れば大体今年百億程度の赤字になっておりますから、これはその通りに赤字が出ることになりますが、ただしそれについては、なお私は来週中からでも、これからの米の政策をどうするかということについて、しかるべき権威の方方にお集まりを願って、昨年もありましたが、今年も食糧懇談会を持ちまして、その懇談会で各方面の権威の方々の御意見を十分に伺って、私の最後的な自分の腹、態度というものをきめたいと思っておりますから、その結果、その方針によって閣議の御了解を得て明年度の予算を編成して参りたいと思っておりますから、今直ちに明年度はどうするかということは、ここで申し上げる段階に立ち至っておりません。
#58
○木村禧八郎君 そこが問題ですよ。一般会計から来年度食管百億を仮に繰り入れるということになると、もう河野農林大臣よく御存じのように、来年度の予算がどうなるかということは、大体どういう形になるか、大体福田君が発表しておるように一兆百六十億と歳入を押えても、五、六百億のどうしても歳入不足というような形になる。その上に食管の方へ繰り入れる、そんな余裕かあるかどうか。どうしても私はそうなると消費者価格の引き上げという問題が起らざるを得ない。そういう重要な段階に来ておるときに、農林大臣は消費者価格の引き上げをやらんと、こういうふうにおっしゃっているのだから、それは私は非常に重要だと思う。
#59
○国務大臣(河野一郎君) どうも私が申し上げていることを一つ申し上げた通りに御了解願いたいのであります。私は消費者価格につきましては今直ちに上げる意志は持っておりません。ただし将来に当りましては、今くどいようでありますが、委員会の決定によって、それを資料にしてきめますのでありますから、上げるとも上げんとも言うことではございません。これは未定でございます。明年度の予算の編成には当然これらを資料にして決定することになると思うのであります。これが第一点。第二点は、そういう百億の余裕が明年度の歳入等から見てないのだから、上げざるを得ぬのじゃないか。統制を撤廃して、だんだんとそれを推進していって統制撤廃にすることになるだろうというような意見は、私は農林大臣の責任において申し上げますが、そういうようなことは絶対私は考えません。私は、財源がないから統制を撤廃するとか、財源がないから消費者価格を上げなければいかぬとか、財務当局が何と申されるかもしれませんけれども、私は農林大臣の責任において、これほど重要な政治の中において施策はないと私は思います。一般国民の食糧の問題は、これほど大きな問題はないと思います。ああいう失業対策事業よりも何よりも大事だと私は思っております。それを扱うのに、金がないからどうする、金がないから政策を変えるというようなことは、やるべきもんだとは私は考えておりません。でございますから、財源の都合によって価格を上げるとか、下げるということを考えたり、財源の都合によって政策を左右することは断じていたすべきもんでないとは私は申し上げることができるのであります。
#60
○木村禧八郎君 さっき河野農林大臣が、かりに統制撤廃する場合には、食糧間の価格のバランス、これは適当でないと、御承知のように、麦をたくさん食べさせようとしても、値段が米とのつい合い上、麦が高ければ、米を食べた方が得であると、従って、大体米を一〇〇とすれば麦は六〇と、そういう価格バランスを考えなければ、全体として食糧需給計画は、内地米ばかり食べてうまくバランスはとれない。これはたしかにその通りだと思う。問題は一つ外米にもあると思う。外米は戦前は米一〇〇に対して、農林大臣はよく御承知のことですが、大体六〇くらいですか、それが今八五くらいでしょう。外米もやはり下げないといけない。ですから、統制撤廃の場合は、外米、小麦、その価格バランスを考えないでただ撤廃しても、内地米ばかり食べちゃって需給がうまくつかない。外米について私は非常に問題が出てきて、値下げをすると今度赤字が出てくると、そういう問題があると思う。外米についてはどういうふうに……。
#61
○国務大臣(河野一郎君) 外米についてはお説の通り同様に私は考えております。幸いに外米も非常に豊作でございまして、国際的に麦の価格よりも外米の価格の方が下落の傾向が強いのでございます。麦は割合に強調子でございまして値が下って参りませんけれども、米の方は国際的に非常に下ってきております。従って、予定よりも相当に安く買えますので、将来は外米は、今お話の通り、麦、外米、内地米というようなもののバランスを十分検討いたしまして、正常なる価格に置きかえる必要があるだろうと、こう考えております。
#62
○木村禧八郎君 これでもう終りますが、間接統制の場合、これは是非は一応別として、価格バランスを考えることになったということは一つの進歩だと思う。これを考えずに、ただ数量だけで需給がうまくいくはずがないのですから、この点は進歩だと思うのですが、そうしますと、かりに間接統制に移す前提としては、そういう大体食糧の価格バランスが一応安定的な姿をとらなければ条件が満たされないと、こう考えていいわけですか。
#63
○国務大臣(河野一郎君) その通りでございます。
#64
○委員長(岡崎真一君) それでは他に御発言もないようでございまするが、質疑はこれで終ったものといたしましてよろしゅうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(岡崎真一君) それでは御異議ないものと認めます。
 それではこれから討論に入ります。御意見のあります方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。―別に御発言もないようでございまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。それではこれから採決に入ります。
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案を、原案通り可決することに御賛成の方の挙手をお願い申し上げます。
   〔賛成者挙手〕
#67
○委員長(岡崎真一君) 全会一致と認めます。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。
 なお諸般の手続は、慣例によりまして委員長にお任せ願うことにいたしまして、多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    土田國太郎  小林 政夫
    木村禧八郎  前田 久吉
    苫米地義三  菊田 七平
    白井  勇  青柳 秀夫
    成瀬 幡治  藤野 繁雄
    大矢半次郎  青木 一男
  ―――――――――――――
#68
○委員長(岡崎真一君) それでは、次に交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたしまするが、質疑を中止しておりますが、続行いたしましょうか、いかがいたしましょうか。
#69
○小林政夫君 今度、この会計の一時借入金及び借入金のワクを、それぞれ百六十億ふやしておる。これらの提案者の運用の意図というか、どういうふうに、それぞれ一時借入金も百六十億ワクをふやし、借入金も百六十億ふやす、こういう運用の意図はどの辺にあるのですか。
#70
○政府委員(宮川新一郎君) 運用の方法といたしましては、国庫余裕金を運用いたしまして、一時借入金で泳いで参りまして、長期借入金をいたす前に一般会計予算の補正をいただきまして借入金をいたしたいと、かように考えております。
#71
○小林政夫君 そうしますと、借入金のワクは拡げたけれども、実際には使うつもりはないものだと、そうやっておることは歳入面にはっきり入れるということだけの意味ですか。
#72
○政府委員(宮川新一郎君) さようでございます。
#73
○小林政夫君 従って実際問題としては、この百六十億に対する支払い利子は起らない、こういうことですか。
#74
○政府委員(宮川新一郎君) 実際問題としては、利子の支払いは起らないと思いますが、長期借入金を財源といたしておりまする関係上、所要の規定を本改正法案に入れた次第でございます。
#75
○木村禧八郎君 この一時借入金について、この点、少しわからないのだけれど、結局はあれですか、政府の余裕金の操作、そういうものを歳入に立てると言いますか……。
#76
○政府委員(宮川新一郎君) 歳入の財源といたしましては、預金部資金からの借入金を予定いたしております。しかし、実際は借り入れをいたさない。資金繰りといたしましては、国庫余裕金を一時借入金の方でいたしまして、それで交付金特別会計に繰り入れまして地方に流す、かようになる次第でございます。
#77
○木村禧八郎君 しかしそれはその形を整える……。実際はやはりどうもおかしいですね。自分の資金を、実際はそうですよ。自分の資金を自分で歳入するのですよ。実際そうなんですよ。そうならないのに形をずっとしているでしょう、実際そうじゃないですか。
#78
○政府委員(宮川新一郎君) 現在の予算総則に定められておりまする二十一億につきましても、一時借入金、あるいは国庫余裕金の振りかえ使用で当てるとかしておりまして、変なことに相ならないと思いますが……。
#79
○木村禧八郎君 それじゃおかしいまま、時間がないですから、もう。これで……。(笑声)
#80
○委員長(岡崎真一君) ほかに御発言もないようでございますが、これで質疑は終ったものといたしましてよろしゅうごごいますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないものと認めます。
 それでは討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
#82
○木村禧八郎君 私はただいま上程の交付税及び譲与配付金特別会計法の一部を改正する法律案に反対するものであります。反対の理由の第一は、この改正案の項目の10にあるのですが、百六十億の借入金を一般会計であとで繰り入れてこれを補填するということになっていますが、それでは一般会計の繰り入れ補填の内容はどうかという質問をしたんですが、これがはっきりしてないのです。それで通常国会において一般会計の補正を出す――それまでに計数を固めて出すというお話でしたが、しかしこの法案を認める場合には、百六十億の借入金を一般会計で補填する場合、どういう形で補填するか、その内容がわからなければ賛否を明らかにすることができないわけです。非常にこれは無責任きわまる法案の出し方だと思うのです。で、わからないまま、かりにこれを賛成して、あとになって百六十億の一般会計での補填の仕方が、公共事業費をそんなにたくさん削るはずがないと思ったところが、公共事業費を予想よりもたくさん削ったとか、あるいは一般経費の節約その他公共事業費の繰り延べ、あるいは節約の内容を見ても、災害復旧費、治山治水、港湾、漁港等々についても相当異論が出てきた場合、一体責任がとれるかどうか。本来ならば、はっきりこれは、ここで一般会計の補正として出すべきものを、このようなこそくな借入金という形で出してきて、それに伴って起ってきたこの法律案の改正なんでございますから、これはどうしても、私、承服できないのであります。反対せざるを得ない理由の第一であります。
 それから第二は、今わからないまま質問を打ち切りましたけれども、どうも実感においては、これは一時借り入れといっても政府の資金を自分で借りるような形になっておるのです。建前は、これは法律違反にならないような形になっておりますけれども、実際にはどうもそこのところは非常に私はおかしいと思うのです。割り切れない。まあそういう実態をよくわれわれわからぬわけでありますから、この法律案に賛成することはできないわけです。
 以上の二点の理由によって反対するわけであります。
#83
○委員長(岡崎真一君) 他に御発言もないようでございますが、討論はこれをもちまして終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○委員長(岡崎真一君) それではこれより採決に入ります。
 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成の方の御挙手をお願い申し上げます。
   〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(岡崎真一君) 多数でございます。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。
 なお諸般の手続は慣例によりまして、委員長に御一任を願いたいと存じます。
 これから多数意見者の御署名をお願い申し上げます。
  多数意見者署名
    土田國太郎  前田 久吉
    小林 政夫  苫米地義三
    菊田 七平  白井  勇
    青柳 秀夫  藤野 繁雄
    大矢半次郎  青木 一男
  ―――――――――――――
#86
○委員長(岡崎真一君) 次に租税及び金融等に関する調査を議題といたしまして、財政投融資に関する件を問題といたします。
#87
○小林政夫君 財政投融資の実行状態が、いろいろ三十年度当初予算のときに計画された状態と違って参っておるようでありますので、この状態について御説明をわずらわしたいと思います。
#88
○政府委員(河野通一君) 今年度の財政投融資が当初の計画に対して若干そごをきたして参っておるようであります。この点は、財源と申しますか、原資の面の問題と、運用面における問題と両方あるのであります。
 まず最初に原資の面について申し上げますと、主として二つの点から当初見込みました原資が予定通り集まらないということに相なっておるわけであります。その第一は郵便貯金の増加の点であります。最近までの推移を申し上げますと、本年の四月から十一月末までにおける増加額の去年の同期間における増加額に対する比率が、去年に対してことしは約二百三十億ばかり減ということになっております。しかるに去年の年度間の郵便貯金の増加額が約千億弱、九百九十数億ということになっておりますが、それに対して本年度の当初の増加見込みは千百億という数字でありますから、去年の実績に対して本年の見込みは約百億ちょっと多く見込まれておるということに相なるわけであります。しかも十一月末までの実績において、去年よりも約二百三十億減少いたしておりますから、両者を合せて考えますると、十一月末において本年の計画に対して不足いたしておりますものがやはり三百億ちょっとに上っておるということであります。郵便貯金の増加の状況はそういうわけで、はなはだ当初の予定に比べまして不振の状況にあるのでありますが、今後の見込みにつきましては、できるだけいろいろその増加についてさらに努力を傾けることによって、このおくれと申しますか、現在までにおける不振の状況をできるだけ回復いたすように努めて参りたいというふうな考え方に立って目下郵便貯金の増強について郵政当局においていろいろ努力をしていただいておるような状況であります。それからもう一点。当初の計画に対して狂いが参りました主なものは、特殊物資関係のいわゆる砂糖その他の差益を徴収いたしまして、これを財政投融資の財源に充てるという当初の計画が御承知のようなことでまだ法律として成立するまでに至っておらぬという状況であります。かりにこれが次の国会におきまして予定通り提案されるといたした場合におきましても、当初の七十億というものは約三十億程度穴があくという状態であります。さらに、かりにこれが国会の通過ということが見られないという事態を予想いたしますならば、七十億全部が穴があくということに相なるわけであります。現在のところでは、私どもといたしましては、なるべくすみやかな機会にこの法案が提出されて国会を通過することを期待いたしておりますので、大体この関係で三十億程度の当初の見込みに対する不足が起ってくる、かように考えておる次第であります。そのほかこまごました、いろいろな会計からの原資、これらにつきましては増減いろいろでございますが、まあ大した全額には上らない予定でございまして、主たる問題は今申し上げました郵便貯金と特殊物資との関係、あわせて大体今の見通しでは三百数十億というものが当初の計画に対して不足いたしておる、こういうふうな状況であります。しからば年度末までにどういうふうな数字になりますか、この点につきしましては先ほど申し上げましたように、今後の努力によってできるだけそのおくれを取り戻すということに期待いたしておる次第でありまして、まだはっきりしたことは申し上げられないのでありますが、まあ最悪の場合には今申し上げましたような三百数十億、あるいは特殊物資の関係の法案が通りません場合にはさらにそれよりも多く不足してくる、こういうふうな次第に相なっておるのであります。
 次に運用の面でありますが、現在までこの原資の予想通り伸びないという点に対処いたしますためにとりました措置は、第一は開発銀行の関係の資金を、これは先般当委員会でも御説明申し上げた通りでありますが、金融が漸次正常化いたして参りますに応じまして、開発銀行に当初予定いたしておりました融資を民間の金融に移すという措置をとりましたことが第一点であります。これは電力その他あわせて百三十億を民間の資金に振りかえるという措置を実行いたすことにいたしたのであります。なお開発銀行におきましては、そのほかに当初の計画よりも約二十億程度回収が増加いたす見込みでありますので、この回収増加を開発銀行の予定した資金に振り向けるならば、今申し上げました百三十億にプラス二十億、百五十億程度が政府資金の開発銀行に対する放出というものの限度として考えていっていいのではないか、かように考えておるのであります。それから第二は電源開発会社の資金でありますが、この資金につきましても、金融情勢がだんだん民間にウェイトが転移して行っているような状況になって参っておりますので、電源開発会社の資金コスト等に対する影響をできるだけ緩和するという含みも持ちまして、当初の計画に対して約三十億程度を民間に移すという措置を講じたのであります。この両者をあわせまして約百八十億程度の措置は現在まで方針として決定をいたしました。しかしながら、まだ原資の当初の予定に対する不足額に対しては十分にそれをカバーするだけの措置は請ぜられていないということは、今申し上げました数字でおわかりの通りであります。今後これをどういうふうな形において補てんしていくか、これは今後の推移を見ながら、なるべくすみやかなる機会にその方針を立てなければならぬと考えておりますが、現在のところではまだ具体的にその方針を決定するまでに至っておらないような次第であります。少くとも、これは例年のことでありますが、キャッシュ・ベースにおきましては、例年、年度末におきまして翌年度への繰り越しがなされる財政投融資の資金というものは相当多額に上っておるのでありますから、キャッシュ・ベースにおいては現在のところそう大した問題はなしに年度を越すことがおそらくできるんじゃないかと考えておりますが、しかしながらキャッシュだけの問題でありませんので、来年度以降における財政投融資の財源に食い込むか、あるいは食い込まないで済ますことができるかという問題が起ってくると、こう考えられます。この問題につきましては、先ほど申し上げましたように、今後の推移を見ながら、特に原資の充実の状況等の推移を見ながら、これらの問題についての具体的な対策、補てん策というものを考えて参りたい、かように存じておる次第であります。
#89
○小林政夫君 新聞紙上で伝えられたアメリカ映画会社等の蓄積円、これはどうなるのですか。原資の補充になっておるのではないでしょうか、どうですか。
#90
○政府委員(河野通一君) お話のように映画の関係の蓄積円約二十七億でありますが、これが電源開発会社に対する資金として民間に移されたもの、当初の計画に比してそれだけ民間に移された、こういうふうに御了承願いたいと思います。そのほか、実は詳細に申し上げますならば、電源開発会社の資金の中にも、そのほかに民間において調達されておる資金が三十億程度あるのでありますが、これは当初の計画よりふくらんだ、当初私どもが計画予定いたしましたよりも事業計画その他の関係で所要資金がふくらんできましたものでありますから、当初の計画に比して民間に転移されたものというふうには参りません資金であります。
#91
○小林政夫君 今後キャッシュ・べースにおいては差しつかえない、いわゆる資金繰り的には差しつかえないかもしれませんが、要するに資金量のワクとしては、今のようなお話だと、十一月末現在で考えればかなり原資が不足するわけです。まあ郵便貯金等の貯蓄増強に一段と骨を折られるとしても、不幸にしてこのような状態で推移するとすれば、その「しわ」はどこに持っていくつもりですか。
#92
○政府委員(河野通一君) しわということでありますが、これは二つかあるいは三つになると思います。一つは何らかの方法で原資の充電ができるかできないかという問題が一つありましょう。原資の充実につきましても、これはいろいろな方法があると思いますが、私はできるだけそういった方途はとりたくない、たとえば国債を売却するとか、そういった方途はできるだけとらないようにしたいと考えておりますが、そういった問題が一つあります。それから一方において、運用の面におきましては、先ほど申し上げましたように、一つは、ずらして、つまりキャッシュ・ベースにおいてずらすということは、結局来年度の投融資計画のワクの中にずれ込む、そういうのが一つであります。もう一つは、そういうずれ込みの問題でなしに、実体的に切ってしまう。ことし当初予定したものを、投融資計画を切ってしまう、削減するということが別にある。この問題につきましては、開発銀行、電源開発会社につきましては先ほど申しあげましたような処置をとり得たのでありますが、その他の投融資計画の中に入っておりますもの、たとえば中小企業の関係の機関―国民金融公庫でありますとか、中小企業金融公庫でありますとか、そういった資金を削減することがいいか悪いかという問題は、これは相当慎重に考えなければならぬ。そのほか、あるいは地方債にいたしましても、そういう削減というものが実質的に削減することができるかできないかということも、いろいろ考えなければならぬ問題があるかと思いますが、まあそういったこともそういう実体的に削減をしてしまうという考え方も一つあります。
 これらの問題をいろいろ彼此勘案いたしまして、どれが一番経済全体に対する悪影響が少くてやるのに適当な方法であるかということは、これは十分検討しなければならないと思います。私は今のところ足りない分はこういう方法で処置をいたしますということは、まだはっきり決定をいたしておりません。いたしておりませんが、まあ考えられるところは今申し上げましたような三つ、大きく分ければ二つでありますけれども、三つぐらいの方法があり得るというふうなことを申し上げる以上には、まだ現在の段階としては進んでおらぬ。こういうように御了承いただきたいと思います。
#93
○小林政夫君 方法としては、まあ、おっしゃる通り抽象的な言い方としてはその通りなんですけれども、ずらすとか削減するとかいう問題を、投融資資金を投入する相手、たとえば開発銀行、電源会社、輸出入銀行、いろいろずっとあるわけです。そのどことどこでやりくりをするか、少くともこの点においては、やりくりしない。今お話のあった国民金融公庫、中小企業金融公庫というようなものにおいては削減とか、あるいは、ずらすとかいうことはやらない、こういう最低のベースでも、線でも話をする、それもできないですか、話を。
#94
○政府委員(河野通一君) 中小企業金融関係の資金の削減ということは、まあ私はやるにしても最後であって、できるだけ手はつけないでいきたいし、またおそらくそういうものに手をつけないですませ得るというふうに考えております。そのほかにおいて、たとえば輸出入銀行の資金をどうするとか、あるいは輸出入銀行の資金と開発銀行をさらに削減と、民間へ持っていくということができるかできないかという場合に、どっちを優先するかというような問題につきましては、もうしばらく検討をさしていただきたいと、かように考えております。
#95
○小林政夫君 原資の問題として、今一例として国債の売却という話が出ましたが、外為会計へのインベントリーが残っておるんでしょう。こういうようなものは全然問題にはなってないのですか、外為資金特別会計……。
#96
○政府委員(河野通一君) 今のお話は、恐らく一般会計から外為会計へ繰り入れた資金の問題だと思いますが、これを今どうするということは全然考えておりません。
#97
○委員長(岡崎真一君) 他に御質問はございませんか……。
 御質疑がなければ本件はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#98
○委員長(岡崎真一君) 次に請願の審議をいたしたいと思いますが、その前に、この際、調査報告書に関しましてお諮りをいたしたいと思います。
 御承知のように、本委員会におきましては、先に議長の承認を得まして租税及び金融等に関する調査を行なって参りましたが、その対象は広汎であり、会期中に調査を終ることは困難でありまするので、議長に対して、まだ調査を終らない旨の報告書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。
 なお右の報告書の内容、手続及び提出時期等につきましては、前例によりまして委員長に御一任を願うということにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。
 それではさよう決定いたしました。
 ちょっと速記をとめて下さい。
   午後三時五十四分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時二十六分速記開始
#101
○委員長(岡崎真一君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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