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1947/06/08 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融・商業連合委員会 第2号
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1947/06/08 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融・商業連合委員会 第2号

#1
第002回国会 財政及び金融・商業連合委員会 第2号
昭和二十三年六月八日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○貿易資金特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後一時四十五分開会
#2
○委員長(黒田英雄君) これより連合委員会を開会いたします。貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、前会に引続き御質疑を願いたいと思います。
#3
○中西功君 今日は少し私、系統的に日本の貿易関係について質問をしたいと思うのでありますが、最初我々に渡されたこの資料ですが、品目別の輸入実績、この資料で、いわゆるガリオア・ファンド、エロアー・ファンド、或いは又回轉基金というような今までの輸入の区別があると思うのであまりすが、できましたらば、そういう基金による区別に從つて、大体この貿易の実績の内容を説明して頂きたいと、こう思うのであります。
#4
○政府委員(永井幸太郎君) ガリオア・ファンドと申しますのは、この実績の表で申上げますと、食糧、石油、肥料、これ皆陸軍省予算のガリオア・ファンドであります。それから塩は工業塩に関する限りは、昨年百二十万トンくらい入つておるかと思いますが、その中の二十七、八万トンは工業塩でありまして、ガリオア・ファンドではありませんが、その他の食料塩はガリオア、即ち救済に要する陸軍省予算の費目であります。あとはすべて普通のものであります。それから綿の輸入につきましては、その輸入の代金と、綿花を加工しましてできました綿製品の輸出代金は、別にトラスト・ファンドと称しまして、それは別勘定に置いております。これはアメリカの米國商品金融会社から金を借入れまして、綿花を買入れまして綿製品によつて返すという別の特別会計を立てております。これがトラスト・ファンドに属するものであります。その他のものが大体コマーシャル・ファンド、普通の貿易のファンドで輸出輸入を決済いたしておりまして、今おつしやいましたエロアー・ファンドというのは、今回下院で否決されましたものが若し通りますれば、エロアー・ファンド、日本の復興資金というのでありますが、今のところ一應下院で否決されておりますので、それが何らかの方法で復活いたしますれば、大体コマーシヤル・ファンドで買つておるものの上に、復旧資金として原料、機械の補修をする材料というものが入つて来ることになりまするけれども、只今のところでは一應否決されておりますので、それは別になつております。大体昨年約五億二千万ドルの輸入の中の三億二、三万ドルはガリオア、ファアンドに属しておるものであります。でありますから去年の入超が三億二、三千万ドルになつておるかと思つておりますけれども、ガリオア・ファンドを別にいたしますならば、僅かに約、二、三万ドルの輸入超過になつておるようなわけであります。エロアー・ファンドが若し復活するといたしますれば、大体今申しましたような工業原料及び機械設備の修繕材料というようなものの輸入に充てられるということになつております。以上ガリオア・ファンド、即ち陸軍予算で出します救済資金の綿花の材料と製品との相殺をいたしますトラスト・ファンド、コマシャル・ファンド、エロアー・ファンドというものの御説明です。それで内容は盡きておると思います。
#5
○中西功君 そういたしますと、ここで綿花、これは二十三年一月から三月までの綿花で十七万……。
#6
○政府委員(永井幸太郎君) 十七万三千俵でございます。
#7
○中西功君 十七万三千俵が入つておりますが、これはそういたしますと先程のトラスト・ファンドと言いますと、回轉基金……。
#8
○政府委員(永井幸太郎君) 回轉基金はまだ動いておりません。まだ調印も済んでおりません。最近すべてトラスト・ファンドで動いておるわけです。
#9
○中西功君 それで加工賃としてここに外の資料が沢山挙げてありますが、それは加工ができた綿花と、ここに挙げておる綿花とは質が違うわけですか。
#10
○政府委員(永井幸太郎君) この綿花に加工いたします加工賃がここに挙つております。
#11
○中西功君 そういたしますとこれは十七万俵で……。
#12
○政府委員(永井幸太郎君) 尤もこの表は二十三年度のものでありますから、このトラスト・ファンドで行きます綿花がもう済みまして回轉基金が動き掛けましたならば、回轉基金で以て行きます綿花の加工賃になります。
#13
○中西功君 そういたしますと、我々が日常國内で使う綿糸布類の原料はどういうファンドになるのですか。
#14
○政府委員(永井幸太郎君) 大体綿花を輸入しまして、加工いたしまして、輸出しますと、大体原料代の二倍ぐらいになります。そこでアメリカの商品金融会社との契約は、大体六割は輸出する、四割は日本に残して日本の需要に充ててもいいという約束をしております。併し実際において七割くらい輸出をしておりますが、内地に使いまする綿製品の原料代はトラスト・ファンドに入れなくとも、今申します通り原料代の倍くらいが綿製品で得られますから、原料代は、つまり日本で使う綿花の代金はトラスト・ファンドに入れることなしに決済ができる次第であります。
#15
○中西功君 若しそれが回轉基金ということになりますと、これはただ加工賃だけで入る、日本には物として全然残らんということになるのでしようか。
#16
○政府委員(永井幸太郎君) そうではありません。只今申しました通り、トラスト・ファンドになりましようと、回轉基金になりましようと、今度の回轉基金は六割は必ず輸出する、四割は日本で使つてもよいという契約になつておりますから、六割輸出しまして、全体の綿花代を拂い得ますから、同じことであります。但し段々貿易を民間に返すという趣旨に基きまして、今後政府が綿花を紡績へ賣渡しましてできました綿製品は、直接に外國のバイヤーに紡績から賣らせまして、昔の自由貿易時代のように綿花を言渡すということも考えております。併し最初は全体に対してそういうことをするのでなしに、三割くらいは綿花の賣渡しをいたしまして、あとの残りはやはり政府の計画生産でやつて行こうというようなことも、今関係方面と審議中になつておりますので、そうした場合にこの三割に対しては、加工賃でなしに綿花を相当の値段で賣渡すということが起るかと思います。大体それにしましても七割はやはり國有繊維のままで続けまして、加工賃を拂うということになります。
#17
○中西功君 次の問題はガリオア・ファンドであるところの小麦なのでありますが、小麦は私達の聞いておるところでは、大体横濱沖渡しドル相場は一トン百六十ドル程度だというふうに聞いておりますが、これはアメリカ本國の相場との間に可なり開きが大き過ぎると思うのです。この点私の資料が或いは間違つているかも知れないのですが、それで大体シカゴ相場或いはそれの輸送費を見込む横濱渡しで大体それはどういう程度になるのかという点をちよつとお尋ねしたいと思います。
#18
○政府委員(永井幸太郎君) 只今中西委員が横濱百大十ドルとおつしやいましたですが、少し高過ぎるように思いますが、それにいたしましても大体シカゴの相場というものは御存じの通りシカゴの取引所渡しの値段で、大体三十三ブッシェルが一トンということになりますから、仮に一ブッシェル二ドル五十セントで買えますれば、一トン八十何ドルということになります。それにアメリカ大陸の鉄道運賃が大体十モル乃至十二ドル、それから太平洋沿岸から横濱までの海の運賃が大体二十四ドルで、三十五、六ドルになりまして、それから先方の積替賃等を入れまして、結局大体百三十五ドルから百四十ドルのときもありますし、シカゴ相場の上下によりましていろいろ変りますが、百六十ドルというのはちよつと高いような氣がしますが、まあそういう時代もありました。大体そういうことになつております。つまり運賃と横替賃にどうしても四十ドルくらいかかるかと思います。
#19
○中西功君 それで百六十ドル或いは百五十ドルという程度にいたしまして、それを我々は買つておるわけでありますが、これと、こちらから輸出するものとの間の、いわば採算関係といいますか、それを一つ考えて見たいと思うのであります。それで生糸一俵が、政府は確かこれを八万円程度で買上げておると思います。それでこれがアメリカドルに直りまして、そうしてドル勘定の中に載る場合には、大体どの程度のドルに換算されているのか、これは我々に今日渡された資料を見れば直ぐ分ると思うのでありますが、ちよつとお尋ねしたいと思います。
#20
○政府委員(永井幸太郎君) 生糸はお説の通り、大体七万六千円ぐらいから八万円ぐらいで、お考えの通りでございます。大体向うの賣値が平均一ポンドが二ドル三十五セントから三ドルまででありまして、平均二ドル七十セントぐらいと考えて頂いてよかろうと思います。大体そういたしますと、一ドルの比率がこの表にも出しておりまする通り、大体二〇八ぐらいになります。これも裾物と上級物で大分開きが違うのでありますけれども、大体平均いたしまして、二〇八円ぐらいになつております。
#21
○中西功君 ドルに直して大体どのくらいになりますか。
#22
○政府委員(永井幸太郎君) 値段でございますか。賣値でございますか。
#23
○中西功君 ドル勘定は。
#24
○政府委員(永井幸太郎君) ドル勘定は、一ポンドが二ドル七十セントでありまして、一俵は百三十三ポンドでありますから、それに百三十三を掛けて参りますと、三百五、六十ドルになると思います。
#25
○中西功君 それで私は今ドルによる、そういう輸出と輸入との間のバランスを考えて見たいと思いましたのは、結局これはいろいろ計算して見なければ出て來ないわけでありますが、こういうことが言えやしないかと私は思うのであるます。即ちこの生糸一俵を輸出したドルの代金で、アメリカの小麦が大体二トン半ぐらい買えることになるのじやないかと思います一ところがこれを國内の円價格で見ると、今小麦のマル公は一トン七千円ぐらいだと思うのですが、或いはもう少し多いかも知れませんが、そういうふうに行きますと、生糸資本家に拂つております政府の八万円では、小麦が十トン以上買えるということになります。そうして、こういうふうなことを考えますと、即ちこれを單に小麦と生糸との輸出関係だけで捉えて見ますと、結局は小麦に直しまして十トンの國内産の小麦と二トン半のアメリカの小麦とを我我は交換しておると、こういう勘定になると思うのであります。この点はこれは單に小麦と生糸の換算でなくて、例えば今後うんと発展すると思われます加工賃、これを取つて見ましても、結局実質的に考えれば非常なアンバランスがある。即ち我々は國民として、國家として非常な損をしておるということが言えると思います。これは詳しい数字は申しませんが、綿布千ヤールの加工賃で、大体アメリカの小麦が〇・二六トンぐらい買えるという計算になると思います。ところがその〇・二六トンというのはまあ大体二千円ぐらいです。併しこの綿布の千ヤールの加工賃に対しては、政府は四千九百円ですか、或いは五千円、この程度拂つておる。これも逆に言いましたならば、日本政府は〇・六五トンの小麦を賣つた金で同じ小麦を〇・二六トン買つておると、こういうふうな勘定になると思うのです。で私は今のドル計算から見た日本の貿易がどんな状態かという点は、この中に非常によく現われていやせんか。二トン半の小麦を十トン以上の小麦を我々は換えておるというふうな関係があると思うのです。こういう計算が貿易廳の方として、私は計算して見たわけでありますが、こういう計算が信じられるものかどうか、正しいかどうかという点と、若しそれが事実とすれば我々は非常な損な貿易をしておるということにならざるを得ないのですが、それを認められるかどうか、まあそういう二点をちよつとお聴きしたいと思います。
#26
○政府委員(永井幸太郎君) その只今の御計算を一遍檢討さして頂きたいと思うのです。ちよつとそこに論理の飛躍があるように考えるのですが、尚その計算の基礎を見せて頂きまして意見を申上げたいと思いますが、併しこのレートの上に現われました矛盾は、やはりそういつた矛盾は随分あります。これは我が國の経済が外國の経済と十年余りも隔離いたしておりまして、すべての主産品の價格水準が國際水準と違つた歩き方をいたしておりますものですから、いろいろ妙な齟齬をいたしておることは事実であります。尚生糸というものの生産費の中に、どれだけ労力が入つておるかというようなことからも検討が必要かと思うのでありますが、只今中西委員の御計算を一遍見せて頂きまして、一我々にも深く検討さして頂きたいと思います。ちよつと只今直ぐにそれに対する正確なる御返事は申しかねますけれども、幾分何と申しますか、論理の飛躍があるようにも考えられるのであります。ただこういう齟齬は、我が國の経済が國際経済と非常に隔離いたしておりまして、別な非常に違つた歩き方をしておるので、いろいろな食い違いができておるということも事実であろうと思います。ちよつと聞き取りにくかつた所もありますので、一度後でその計算を見せて頂きたいと思います。
#27
○中西功君 それは何でもない計算なんです。極めて簡單な計算だと思います。それで問題は、私はこういう計算のやり方や、そうしたものは別にいたしましても、要するにこれが止むを得ざることなのか、それとも今の政府の貿易政策が誤つておるために、こういうことになるのかという点をはつきりさせたいために、こういう計算をして見たわけなんです。これは極めて簡單な計算であります。生糸一俵を輸出する場合にドルで入つで來る代金は、さつき言われたように三百六十ドルですか、そうするとさつき言われたように小麦は百五十ドルといたしますと、大体二・五トンになると思ろのです。これがいわゆるドル勘定の計算です。それに引換えまして円勘定を見すと、政府が買上げますのは、生糸一俵八万円といたしますれば、國内の小麦の公定價格は七千円ちよつとです。同じ一トン……。そうしますれば、その八万円によつでは國内産の小麦は一〇・五トンくらい買えると思います。そういうふうな計算は、これは簡單です。
#28
○政府委員(永井幸太郎君) よく分りました。
#29
○中西功君 それで、さつき言われましたように、我々は二・五トンの小麦、アメリカの小麦と國内の一〇・五トンの小麦とを換えておる。これは明瞭なんです。ところで、これは万止むを得ないいろいろの事情だといいますが、若し我々が本気になつて、貿易に依存するのじやなくて、本当に日本の再建を考えておるとしたならば、例えば同じ畑から小麦も作れますし、桑も作れると思うのです。で、若しこれには二・五トン、一〇・五トンの比率、これは貨幣的な関係であります。從つてさつき言われましたように、もう少し労力的なものも考えて見なければいけないと思いますが、いずれにしても、これは恐ろしい開きなんです。で、若し我々がこういうふうな損な商賣をするために、非常な國民的損失をするということになれば、徒らにこういうやり方に追從して行くといいますか、とれを放任して置くのじやなくて、非常に簡單な例を引けば、桑畑を潰して小麦を作つて、少しでもこういう外國から小麦が入つて來ないようにするということがまあ依存でなくていいようにすることが、日本の大きな建前見たら得だと思うのです。もう一つ私はこれによく似た例を引きたいと思うのです。それは加工賃の問題です。これも言いました。さつき大体数字は申しました。加工賃によつで何か非常に我々は儲けておるような氣がしておる。併し実際にはこの加工賃というのは、労働者の賃金とそれから資本家の利潤を加えたものです。ともかくこれは紡績の、或いはその工場の労働者が造り出すものなんです。而もそれは日本の小麦を食つております。米を食つておる、或いは日本の着物を着ておる。家に往んでおる。日本のものを皆使つて通るわけです。それで何知何らんけれども、我々はここで外國からこれを取つて来た、儲けたんだというふうに考えられますが、これは儲けたのではなくして、我々の國内産のものを、食物を労賃に換えた、そうして加工賃に換えたというに過ぎないのです。往々にしてこれだけ稼いだんだから得とたんだというふうに考えられますが、実際はそうでないと思うのです。
 それからもう一つはこれは資料をもう少し出して貰いたいのでありますが、カナダから石炭を五十万トンですか、それから海南島から鉄鉱石を八十万トンです。こういうものを輸入してそうして鋼板を造つてそれで上海で賣られるという安本の計画を我々は承知しております。で、この安本の計画において五十万トンのカナダからの石炭の輸入の採算関係、更に海南島からの鉄鉱石の輸入の採算関係、更にそれを鋼板にいたしまして外國市場に賣る場合の採算関係、これは非常に悪いと思うのです。この点一つ具体的に資料をここで大体簡単ですから出せると思うのでありますが、私の結論ではこの商費のために、即ちこれは原料を入れて、そうして外國に製品を賣るのでありまして、ものの観点から見たら一物も我々の復興に役立つていないのです。それで若とこの関係によつて非常に外貨を獲得して物が買えるということになれば、これは又一つの利点はあると思うのです。ところが現在の事情において、私が知つている範囲では、この商賣は非常なアンバランスでありまして、莫大な政府補償をしなければならない、その莫大な政府補償というのは、結局税金なりインフレになつて國民に轉嫁されて來るのでりあまして、この点、この五十万トンの石炭と八千万トンの鉄鉱石のこの商費によつて、政府は一体どんな採算関係を考えておるか、それをお聴きしたいと思うのであります。
#30
○政府委員(永井幸太郎君) 先ず第二に、重ねてのお話でありますが、今の計算では小麦二トン半と十トン余りと換えておるというお話でありますが、これは繰返し申上げます通り、つまり小麦は特に日本の生産者價格で賣渡しておりまするから、結局爲替にしますれば、四十五とか五十とかいう爲替で、食糧公團へ譲り渡しておる、然るに生糸の方は一俵三百六十ドルで賣つて、八万円弱の生産費を日本で拂うためには、今申します通り二百ドル以上の爲替で拂つておる、今これを同じ爲替で、小麦を、國内の政策に拘わらず、ただ商賣本位で、同じ生糸に対して拂つておりまする、一ドルの換算賣格の二百でこの小麦を賣渡すとしますれば、大体二万円余りになるのであります。そうしますと、やはりこの小麦は、二トン半の小麦と二トン半の小麦と出合つて來る、つまり商賣で損しておるのでなくして、輸入しました小麦を、國内の生産者價格で賣渡すということが、即ちその犠牲を現われておるのでありまして、もう一つつ進んで行きまれば、昨日の一松委員の指摘せられましたように、つまり日本の農産品の價格どいう問題になつて行きます。同じ爲替のレートで商賣をいたしましたら、輸入した小麦は仮に二百ドルとしましたら、一トン三万円になります。そうするとあなたのおつしやるような、やはり二トン半の小麦と二トン半の小麦と出合つて来る、そのあなたのおつしやる差というものは、生産者價格で輸入小麦を譲り渡そうとする國策のための差異なんでありますから、商賣で損しでおるという意味じやないですね。それで前半の御返事は済んだと思うのであります。
 その次の海南島の鉱石とカナダの石炭等を持つて来て、シートを輸出しておる、あれでは計算に合わんとおつしやるようでありまするが、どういうことの基礎で採算が合わんということをおつしやるのでありますか、何トンと何トンとを御比較になるのかよく分りませんですが、あの鉱石と石炭とを輸入しまして、大体本年の計算では二十万トンばかりの鋼材を輸出に向けておるのであります。その二十万トンの、鋼材で、大体只今のところでは十数万種の紡機――織機、及び大は一万八千トンのタンカーより六千トンの貨物船に至るまでの船十五隻、鉄管、鋼材等を輸出しております、それらを総合的に取つて御計算にならねば、そういうことは言えないと思うのであります。必ず莫大なる海外収入の増加をすることになつております。
#31
○油井賢太郎君 関連して……中西委員のお話は大変御尤ものようだが、昨年貿易廳長官からの御説明では、ドルの貿易資金の関係と円資金の関係とは全然別個のもりであるというふうに、我々そう了解いたしておつたと思いますが、現在でも勿論そういうふうなシステムをとつておられると思うのです。結局ポルの輸入輸出の総額の差というものは、例えば三億ドル或いは三億五千万ドルあつたとして、その差を輸入比率の方のいわゆる八十ぐらいとか或いは五十で以て換算するか、或いは一ドル二百円とか二百五十円とか輸出関係の方の比率で換算するかという点に結論はなるのであります。これについては現在ドルで以てアメリカから借勘定になつておる分をどういうふうに日本政府はエクスチェンヂするか、その点をお聞かせ願えれば明白になると思います。
#32
○政府委員(永井幸太郎君) 恐縮ですが、御質問の要領がよく分りませんでしたから……。
#33
○油井賢太郎君 ドルで以ての現わし方と園の現わし方は全然違うでしよう、そうして現在日本ではドルで以てアメリカから借勘定になつておるわけで、円で借勘定になつておるわけではありませんね。差額の三億ドル或いは三億五千万ドルというものを、どの爲替レートで以て切るかという点によつて中西委員の質問の趣旨は我々はつきりと了解が付くと思うのです。
#34
○政府委員(永井幸太郎君) ドルの貿易バランスは御存じの通り、去年三億何千万、日本の方の円バテンスはこれと全く無関係なのであります。その差を、いずれ講和会議でもありまして、貿易、バランスを蓄積したものをどうするかという問題になるかと思いますけれども、そのときには或いは送金して返し得る必要ができればレートの問題も起り得るわけであります。今のところは、向うのドルの金のバランスとこちらの円のバランスと全く無関係なことをやつておる。ただ円のバランスは、貿易廳の貿易資金特別会計の出入りだけを示しておる。その間に関連性が計算上には一つもないのであります。それで問題は、非常に簡單なものは、ここに一つの日本のユニフォーム・レートがありまして、すべての輸入品とすべての輸出品をそのレートでやりますれば、今のような問題は一つも起らんわけでありますが、そういうわけにも行かんものですから、そこで我々としましては、もつと現実に近いレートで輸入品の仕切りをしたいう例えば小麦のごときは、大体平均レート、輸出の平均レート或いは大体の目安のレートを建てましても、それで貿易廳から食糧管理局へ渡す、食糧管理局で日本の小麦の生産者價格との差の價格を補給して貰えば、貿易会計というものは非常に本当のバランスが出まして、國民の皆様も本当の貿易の在り方が分ると思うのであります。併しそれはまあ只今のところ貿易特別資金で調節をやつておるようなことになつておりまして、これは余り合理的じやないと思うのであります。これもたびたびそういうふうに訂正してはどうかという議論があるのでありまするけれども、未だそこまで立ち到つておりません。殊にこのガリオア・フアンドで以て行きますものについては、そういつたような高い輸入のレートで賣渡すということはいかん、やはり國内の生産者價格で割当をせにやいかんということになつておりますので、アメリカから持つて來ます救済物資を高値で拂い渡すことができないということも言われておりますので、どこかの会計で、政府の会計で生産者價格と若し適当なる爲替レートで切るとしますれば、その差額を補給せねばならん、故にどこかで補給せねばならん、只今貿易特別資金で以てそれを補給しておりますということは、言い換えて見れば少し合理的でないように考えております。その点は我々としましては合理的に直して、食糧管理局でその調節をして貰いたいということはたびたび申しておるのでありますけれども、内閣におきましても内外多事と見えまして、その方にまだ進んでおりません。
#35
○油井賢太郎君 この問題は國民が非常に深い関心を持つておる問題でありますから、このドル資金のバランスをどのレートで切るかということについては、政府当局は深甚なる御努力を願いたいと思います。
#36
○中西功君 それで今ドル会計と円会計の間には、全然関係がないということが言われましたが、それは事実だろうと思いますが、むしろ今日の問題はそこに問題があるということ、それから、これはそのガリオア・ファンドの輸入物に関しては、四十円、五十円の比率でやつておる。生糸は二百何ぼでやつておる。そういう関係から、そういう矛盾が出て來るのだというふうな簡單なお話でありますが、むしろ今日そういうふうなべらぼうな爲替、爲替というに値しないものが存在しておる。むしろ爲脅ではないと思うのです。爲替でないところにこれは問題があるだろうと思う。で、このこういう不合理が出て來る原因を、そういうふうなお互いの爲替レートの差額、こういうふうに使うんだ。こういうように平面的に理解しては、私はこの今の日本の貿易問題の本質が分らなくなると思う。従つてこれを言つておるわけです。根本的に考えれば、小麦の國内の公定値段が七千円で、そうしてそれが非常に安いということ、又生糸の輸出値段が八万円で、その間に非常な國際的價値から見て不均衡があるということ、ここに問題があると思う。單に四十ドルで爲替の方で、これはこれで切り、これはこれで切つておるという問題でないと思う。日本の國内の物價がこれ程不均衡だということ、それで或る場合には非常に特殊的に釣り上げられておる。或る場合には非常に押えられておる。そこに問題があると思う。勿論物價関係を直せば、本当に均衡した物價関係を作れば、同時に爲替レートも一定のものができると思う。ですから一定の爲替レートができたら、それはうまくなるでしようじやない、反対だと思う。我々が現実に対して経済的な不均衡な状態、危機的な状態を克服して、初めて爲替レートができる。そこに私は逆に考える。同時にそういうふうな國内の、國内自身をこの程不均衡にしておるから、我々は國際的に損をする。大きなる損なんです。現実にこれはドル会計と円会計が全く切離されておるということでごまかされておりますが、そうではない。これは現に厳然たる関係があります。我々はドル会計で素晴らしい負債を負うておる。負債を負つておるんですよ。そうしてですね、而も貿易資金会計自体の立て方は全く間違つておると思う。これはインチキがあると思う。それは後で述べたいと思う。ですが、ともかくもそういうふうな点で我々がこの今の日本の國内の経済的危機が、このいうふうな状態であるが故に、又それを前提として貿易をやると、これは飛んでもない損をするようなことになるということがはつきり示されておる。だから貿易を振興すれば日本の経済はよくなるんだというふうな考え方が大体間違つておると私は思う。私は先の石炭と鉄鉱石の方は詳しく知りたい。これは非常に重要な問題だと思うのです。それで今日は勿論用意されていないでありましようが、次の機会で結構でありますから、石炭をカナダから持つて来る場合に、このFOBでどれだけになつておるか、そうしてそれを製鉄会社にやるときには一体幾らでやつておるか、これは幾ら最少に見ましても、國内においでさえ一般消費者價格よりも製鉄業者に対しては半分近い金で賣つて價格調整金を石炭会社へやつておるわけです。そういう点から見ても、ここは非常に補償をされなければならん状態になつておると思う。この補償と、尚それから製品を作つた場合にも、果してそれが上海市場で引合うか引合わないかという問題も出て來る。これは正確な数字をこの次に出して貰いたいと思う。それで私の最後の質問をしたいと思うのでありますが、この前の貿易資金特別会計の審議のときに、貿易廳長官の説明が実におかしくて、我々なかなか理解できなかつた。この貿易資金特別会計において赤字が出るということは、これは全く不可思議なことだと私は思う。あり得べからざることだと思うのです。むしろ、ここにはうんと剤余が出なければならん筈のものだと思う。なぜならばガリオア・ファンドで入つて來た物資はいわば貰つた会計なんです。その貰つた会計と、こちらは政府が輸出物資を買上げたもので、これが結局見合わないわけなんです。本來ならば、こういうガリオア・ファンドの資金は私はこれは別個の会計として処理すべきだと思う。若しそういうふうに処理したら、それこそこの貿易会計の本当の姿が出て來る。如何に赤字かという……こんな程度の赤字じやないです。このガオア・ファンドのこれは我々決してこれには代金を拂つていないわけです。ドル会計において明らかに三億以上の我々の負債になつておる。これは貰つた金なんです。実は担保になつて円資金会計に入つているわけです。ですから、これをこちら側へ入れて置く、普通の貿易資金会計へ入れて、その他の貿易と一緒にしておる。ここに非常な私は混乱があると思う、当然これは別にして、そうして計算したら、それこそ本当に現在の貿易資金特別会計が如何に赤字かということが出て來る。なぜならば我々このガリオア・ファンドに対しては、今どうするかということは分つていない。私は大体これはどうなるかという見当さえ付かないというのはおかしいと思うのでありますが、いずれにしろ将來講和会議の後かなんか知りませんが、我々これは負担として返さなければならないと思う。我々こういう借金をしている。そうしてこの借金を実は今は輸出貿易の方の資金に流用しているわけなんです。はつきり言いますれば……。で、こういうふうな金は、もつと別にいうと、ガリオア・ファンドのこういう資金は、本來ならばこれは我々は借りておる金なんだから、だからこれを単に貿易資金の方に使うだけじやなくて、日本の國家的再建のために全般的に使うべき性質のものだと私は思う。それならば一般会計から入れるとかなんとかして使うべきものなんです。若し將來貿易業者だけがこの負債を負担するならばそれはいいです。それはどうせ全國民の負担に掛かつて來る。全國民がこれを背負わなければならん。そうすれば現在こういう余分の金があるとすれば、これだけは余分だ、とすれば、これは我我の全面的な意味の國家的な再建事業にどんどん使つて行かなければならん。今日はこの貿易資金特別会計という操作によつて、これが主として貿易の方面にだけ流用されておる。而もその金をそれ程流用しても足りない。なぜか、輸出金が非常に過大でここであれしているから、買上げているからなんです。それで、これもさつきの個々の問題についてこうだ、内容が会計の上に出て来たものだと思うのです。それでこの前の第一回國会のときに当時の大藏政務次官が、貿易資金会計については政府としてもこれを改革したい、近く改革案を用意している。こういうような話しでありました。併しその後これが改革された話しを聞かない。まだ提案されていないと思う。要するにこの問題点を申しますと、一つはガリオア・ファンドで入つて來た資金をいわば輸出の方にだけ流用している。而も先に申しましたように、現在の輸出は決して本当の日本の國家的再建のために役立たんみたいな要素が非常に多い。この内容についてははつきり申しませんが、そういうふうな金、我々としては、むしろこのガリオア・ファンドの資金を、これをもつと本当の再建のために使うべきだと思う。それが一点。ですから、むしろこのガリオア・ファンドの資金はこれを別の会計資金として私は整理すべきだと思う。それで、そうなれば現在日本の貿易資金会計についての実相がはつきりする。そうしてそのときにこの貿易会計が如何に猛烈な赤字であるかということも國民の前にはつきりする。そうすれば國民の貿易に対する考え方も非常に違つて來ると思う。そういう点で私はそういうファンド、はつきり言えば貿易業者は非常に濫用しているというような仕組で貿易資金ができているということはよくないと思うのですが、そういう点で政府側としてそれを改革される意思があるのかどうかという点をもう少しはつきりお聞きしたいと思うのであります。
#37
○政府委員(永井幸太郎君) 只今中西委員より段々御高説を承わりまして、貿易資金の在り方につきましては、私は中西委員と殆んど符節を合した意見を持つております。成る程ガリオアファンドのごときは、むしろ特別の会計に入れて整理すべきが本当だと思います。そうしてそれを除いた本当の貿易のバランスを明らかにするということが最も理想だと思います。併しそれに至るまでには矢張り何か一つのドルと円との繋り、連絡をいたします一つのユニフォーム・レートというものを拵えて考ることも必要かと思います。それから又輸出の物に対しましても今申しました通り十年以上も世界の市場を隔離した日本の壁の中で特異な物價体系ができ上つているのであります。それを一遍に訂正するということになりますと、ハードルが仮に三百円にも値するような輸出品を一つのレートに集めるということにいたしますと、必ずやそういう産業に対しまして急激なショックを與えて、失業者が殖えるということもありますので、これは漸次一つのレートに整理できるようにして、企業の整備、生産費の低下というようなことを図りまして、一つに持つて來るべきものだと思います。そういつたときにおいて初めてこの明確な貿易収支の勘定がはつきりするわけであります。只今の貿易資金の在り方を正すということは誠に緊切な焦眉の急と考えられますので、政府その他各上司当局と懇談をいたしたいと思つております。この点は関係方面ともよく今折衝はしておるのでありまして、なおざりにはいたしておりません。尚たびたび申します通り、今の中西委員の御発言の中で、前の議会におきまして私が貿易資金の説明をしたときに甚だおかしいことがあつたというお話でありましたが、どういうところでございましたか、要するに、今の貿易資金に大きな黒字が出なければならんのじやないかというお話は、これを昨年の例にとつて見ますれば、昨年は五億一千万ドルの輸入をいたしております。輸出は一億八千万ドルになつております。そうしてそれに対する円の受拂を見ますと、大体この頃では輸出の平均が二百くらいになつておりますが、当時百七十五くらいの平均かと思つております。輸入品は大体五十くらいの平均に当時はなつておりますから、五億二千万ドルに対するドルを五十円そこそこで換えたのと輸出の一億八千万ドルを百七、八十円で換えたのと……換えて渡したのですから、そこに大きな黒字が出そうな筈がないのであります。その点だけで私は今の点のお答えになると考えております。どうしてもその比率の差から黒字が出そうな筈がないのであります。ただその制度が惡いということは認めますが、併しこの制度の下においては黒字が出ないということであります。何もおかしいことはないと思います。
#38
○中西功君 この前の問題は、やはり貿易廳長官は貿易廳長官らしく、爲替レートの問題が日夜頭にこびり付いておる、それで、もつと私は日本の経済全体のことを考えて爲替レートを考えなければ誤まうと思う、それでこの前の説明はこうだつたのです。何故貿易資金会計は赤字になるのか、ドル会計では明らかに受入れ超過じやないか、それが何故円関係において赤字になるのかというのが各委員の疑問だつだわけであります。ところが、それがこの為替レートで、こういうふうに、これはこういうふうに組んでおる、これはこういうふうに組んでおるから赤字になるのだというふうな説明では我々はなかなか納得できなかつたのです。もつと、はつきりこれを言えば即ち先程私が申しましたように、ここのガリオア・ファンドの資金というものさえ、いわばだだ見たいに渡されておるにも拘わらず、輸出と輸入との間に非常な物量的な……、ガリオア・ファンドというものを除きましてもアンバランスがあり、而も輸出品の買上價格がこれ程高くならざるを得ないというところに、私はやはり根本問題があるのじやないか、そういうふうに言つて貰うと非常に上がつたけれども、ただ爲替レートがこうなつてこうなるというものだから、一向に理解できなかつたという意味なんであります。
 それから私もう一つ実は、これは私達共産党の政策に関する問題でありますが、先に長官はまあそういう貿易資金特別会計も直す必要を一應考えておられて努力されておるということでありますが、私はこれも問題でありますが、これはただいわば作り方でありまして、このことによつては実質的に我我の今日の貿易の赤字をどうすることもできない、問題はそうではなく、これは形式の問題であります。内容の問題から言えば、やはり貿易廳長官の考えを私多少考え直して貰わなければならん。というのは、先もちよつと触れましたが、一定の爲替レートができたらよくなるでしよう、よくなると思います。私これがいかんと思うのです。現実に日本は十数年に亙つて、國際経済との間の関係を絶たれて來た、その結果こういうような物價のアンバランスができておる。即ち國際物價とは均衝しないでおる面が多い。で、爲替さえ訂正したら、それが一定に行くというような考えでありますが、大体先に申しましたように、本当に日本に均一爲替レートができるというためには、日本自身の経済の再編成が必要であるということが根本でありますが、まだそういうことをせずに、爲替レートの問題だけに我々が集中しておる。結局これはいわばクレジットを入れて貰わなければできない。或いは外國のドルにこういうふうにリンクしなければできない。而も現実の経済関係はアンバランスだ、そういうふうに一定の爲替レートを我々が押し付けると、強いものは残るが、小さいものはへばつてしまう。而も強いものの中には必ずしも必要なものが入つていない。不必要な生産の方が相当多いだろうと思う。今日大体において正直者が馬鹿を見ておるというような時代で、正直者が、爲替レートで言つたら、非常に高い爲替レートをやつておる心不正な者が三百円からの爲替レートをやつておるということになるわけであります。そういうような点で無理を押し付ければ、正直者はくたばつてしまう。こういうような形で日本経済の整理が行われて行くというような方向へ私はその考えを導いて行くと思う。それでは日本経済がどういうふうに立ち直れば一定の爲替レートができるかといつても、これは私はそう急速には、立派なものができて、自由貿易でござるというような時代になる可能性は、そんなにはないと思う。今後我々が日本の経済を再建して行くといたしましても、やはり國内の諸物價のアンバランスという、そういうことを前提にしなければならん。そうして問題は必要な生産を本当に日本の費用によつて、或いはいろいろの援助によつて、我々が生産を復興しておるかどうか、不必要な部門を我々が本当に抑制しておるかどうか、そうして若し必要な部門の物價が、國際的な観点から見てこれは非常なアンバランスだ、非常に不合理だということがあつても、國内でどうしてもこの部門が必要だということになれば、私はやはり種々の方策を設けてこれを保護しなければならんと思う。若しそういうことをせずに、さつき申しましたように爲替レート等で均一に整理してしまうということになれば、飛んでもないことになる。で、できるならば日本の國内の再建をうまくやりて、而も貿易関係を如何に調整して行くかという方法が簡単だと思う。私は國営貿易を民間貿易に移して行く方向に行くのじやなくて、反対に國営貿易に移して行く、そうして國内の嚴格なるそういう再建のための統制や、そうしたものと、この貿易の國営をはつきりマツチさして、それによりて初めて今日のような日本の経済と貿易関係はうまく結び付けられて行くと思う。そうでなくて、一方は民間貿易の方へ、而も或る必要から一定のレートを押し付けて來る。こういうことになれば、これは日本の経済としてはいわば非常に不幸な方向へ走るのじやないか、何よりも中小工業者やそうした者はばたばた倒れて行くのじやないかと思いますので、我々としては、やはり貿易は嚴格な國のような、これの逆みたような、非常に必要な産業を保護する。今日のこの表を見ますと、政府の今の國内政策の在り方が非常によく分る。必ずしも必要でない輸出向きのものが非常に大きな高い價格で買上げられておる。そうして國内で本当に必要な主食、そういうものは安い――反対に言えば高いレート――安い價格になつておる。これを國営貿易をしつつ國内を民主的に統制することによつて直して行かなければならない。こう思つておる。これは明らかに今の政府のやつておることとは別な、逆な、今の政府は明らかにそういうことに逆行しておると思う。それを非常に残念に思つておるのですが、それに対して長官の一應の御意見を伺つて置きたいと思う。
#39
○政府委員(永井幸太郎君) この貿易に関して大変明哲な御議論を承わりました。尚國営云々につきましては、私は違つた意見をはつきり持つておりまするけれども、ここに逐一御返答いたしますことは避けます。全く反対の意見を持つております。
#40
○油井賢太郎君 安定本部の藤井さんがお見えになつておるから、安定本部関係の御質問をちよつと申上げます。先程來、中西委員が、日本の貿易が本当に日本の再建のため役立つかどうかというような、甚だ懸念を持たれたようなお話がありましたが、私はこの点については、やはり日本の再建はどうしても外資導入、或いは外國貿易の進展というところに基礎を置かなくてはならないということを考えておる。又芦田内閣組閣以来二回行われました補欠選挙等においても、國民の輿論がどこの方向に向いておるかということがはつきりと明示されたのであります。それにつきましても、國民にこれ以上一層外國貿易の必要なるゆえん、或いは今後日本としての貿易の在り方というようなものについて、安定本部の詳しい御意見を我々承つて置きたいと思います。
#41
○政府委員(藤井丙午君) 御承知のように、日本は経済資源が非常に貧困でありまして、戰前も工業や食糧の多くの割合を外國に依存しておつたのでございまするが、敗戰後は從來の日本の経済を支えておりましたところの東亞の資源、領土資源といつたものは全部喪失しました、又一面、人口は急激に増加しておりますというような関係から、今後日本経済を賄つて行くためには、従來よりも上り高い割合で、いわゆる貿易に依存して行かなければならんということは、私は國民経済としての基本的な條件であろうと存じます。その点は油井さんの御意見と全く同感であります。現在におきましては、昭和五年――九年当時の基準年度に比べまして、輸出が僅かに一割程度に過ぎない。そのため食糧初め國民生活必需物資の多量のものを連合國、特に米国の援助を仰いでおることは御承知の通りでありまして、今後と雖も、この経済復興のためには相当多量な外國の物量援助というものによらなければならんことは止むを得ないことでございまするが、併しながら特にいつまでもこの外國援助を期待することは到底許されない、考えられないことでございまして、このために、我々は外國援助が期待し得る間に、急速に輸出産業を増強いたしまして、少くとも國民生活が或る程度の安定した合理的な生活水準の上に成り立つて行く、それに必要な食糧、工業原料というものが輸入入し得るに見合う輸出力をどうしても造出して行かなければならん、かように考えておる次第であります。そのためには、もとより國内の資源の開発、利用ということも当然でございまするが、同時に又、経営の合理化、技術の高度化乃至は労働生産性の昂揚という國内経済態勢の総合的な計画によりまして、輸出を増強して行かなければならんことは当然でありまして、この意味におきまして、安定本部に最近設置されました日本経済復興計画委員会におきまして、第一次試案を安本側から提案いたしておるのでございますが、それは大体昭和二十七年度を目途といたしまして、先程申しますように、昭和五年――九年当時の生活水準に達するという國民経済に大体の水準を置きまして、これに対する貿易計画を立てておりまするが、それは大体昭和二十七年度におきまして、輸入を十六億五千七百万ドル、輸出を十六億四千六百万ドルというように一應考えておるのでございます。もとよりこれは相当希望的な要素も入つておるのでございまして、その前提といたしましては、今後世界経済が順調に回復の過程を辿つで参りまして、いわゆる外國貿易等に障碍などが起らないとか、或いは各國へのドルの交換が自由になるとか、或いは東亞における現在の政治、経済情勢が回復安定するとか、その他いろいろの前提要件があるのでございますが、一應今安本といたしましては、経済復興委員会等にも十分御審議を願つて、これらの長期貿易計画と同時に、当面のこれに即應する振興策を考えて行きたい、かように存ずる次第でございます。
#42
○油井賢太郎君 只今大体の基礎方針は承わりましたが、昨日貿易廳長官にもお伺いしたのですが、民間貿易の再開によつて、外國のバイヤーが契約をする、その契約によつて安定本部が資材の割当をするという事情になつておると思うのですが、然るに昨今の情勢では、折角割当られたクーポンが往々にして無駄になつてしまう、買付けが不能になつてしまうというのがあつたり、或いは購入が非常に日数が掛かるために、大体、貿易廳の基本方針であるところの三ヶ月先の契約というよなものに間に合わない、積出しができないために、大きなクレームができるといつたようなこともちよいちよい聞くところでありますが、こういう点に対しまして、本当にスムースな原料の配給をなし得る態勢を安定本部が講じられておるか、御質問いたします。
#43
○政府委員(藤井丙午君) 貿易産業の振興策と共に、資金、資材の手当につきまして、從來よりも格段の重点を置いて参りました。資金、資材画等につきましては、余程従来よりは改善して参つたと考えておりまするが、併し一面、これは全般的な状況でございまするが、物資の需給関係も、電力事情、石炭事情から必ずしも生産計画の完遂のできないものもございますし、又クーポン制度の運用におきましても、今御指摘のような、枠はあつても、或いは切符はあつても、必ずしも裏付け、現物化できないというようなことも、恐らく部分的にはあり得ると思うのでございます。又一面、資金関係についても同様なことが言い得るのでございます。これらの点につきましては、今後も十分貿易廳及び商工省当局とも協力いたしまして、その円滑を期したい、かように考えておりますが、何か具体的にそういう著しい例がございましたら十分お申し聞け頂きまして、具体的な改善措置を講じたい、かように存ずる次第でございます。
#44
○油井賢太郎君 次に貿易廳長官にお尋ねいたしたいのでありますが、今度價格の改訂が近く行われますが、貿易資金の増加は資格の改訂を前提として五十億増加が要求されておるのでありますか、或いは現在の價格で五十億というところへ要求されておるのですか、その点をお聞きしたいのであります。
#45
○政府委員(永井幸太郎君) 只今の物價水準で収支を考えております。物價が改訂いたしますれば、輸出品の買上値段が上ると同時に、輸入品の賣渡し値段も大体同じ足並みで上るものと考えておりますので、大体百五十億円で間に合うかと考えます。
#46
○油井賢太郎君 今朝の新聞を見ますと、綿布が一億ヤール、ポンド貨方面へ輸出されるということでありました。そうすると國内にあります三億ヤールのうち一億ヤールは滞貨しておるというような状況かと思われます。こういうふうな、いつ賣れるか分らないような製品を、政府におきまして長いことお持ちになつておるということは、甚だ我々解せないような点があるのでありまして、さつき中西君も非常に心配されたように、余り世界各國から要望されないような品物を貿易資金の大きな枠で以て保持されるということはどうかと思われるのです。この点についてお伺いしたいのです。
#47
○政府委員(永井幸太郎君) 二億ヤールの滞貨、一口に滞貨々々というと如何にも賣れぬ物を拵えてやつておるようでありますが、大体これで日本の綿製品の輸出は年に八億ヤールぐらいはどうしてもやらなければならんし、二億ヤールぐらいはやはり、製造工場、港、その他のストックを入れますと、決して滞貨といつても、びつくりするような荷物ではない。私はこれくらいは始終持つていなければならんランニング・ストックと考えております。尚これは計画生産でやつておりますので、これは御承知のようにポンド地域との商賣が円滑に行きませんものですから、賣行……向うの需要は非常に多いのでありますが、金の手当が向うでもできないのと、輸入統制の関係で、非常に足の早く賣れて行く物と多少足の遅い物とありますけれども、二億ヤールや三億ヤール溜りましても、まあ、そう驚く程のことではなくして、やはり絶えず二億ヤールぐらいの物はあつて然るべぎものと私は考えております。
 戰前における状態を見ましても、年額輸出の四分の一や五分の一は國内にあつて沢山な物を持つておつて、そのうちから注文のある物を取つて賣るということでなければ、きつちり吐かせるというようなことはないのであつて、余り私は心配する程の数量ではないと思つております。その後漸次賣れておりますから、非常に賣れない物を拵えたという心配はありません。
#48
○油井賢太郎君 只今のお話で大体分りましたが、今般の價格の改訂で以て輸出品を製造業者が、これを持つておつた方が利益があるだろうという想定の下に、約束の船積に間に合わずシッピングに遅れるというために、これ又外國から苦情が来るということもあり得ると思うのですが、これに対して政府はどういうような処置を取られておりますか。徒らに先程中西君が言つたように、正直者が馬鹿を見るような政策は絶対にお取りになられないようにお願いします。
#49
○政府委員(永井幸太郎君) インフレーションの昂進途上にありましては、どうしても後から出した方がいいということになりまして、正直に期日を守つて出した者は、残念でありますが、非常に損をする。これはあり勝ちのことで、こういう不正直な者が利益をすることのないように精々やつておりまして、期限の遅れるものはその後に至つて加工賃及び物價が上つても均霑し得ないとかいうようなことを、段々組織を拵えて行きまして、精々そういうふうに努力いたしたいと思つております。
#50
○木村禧八郎君 貿易長官に伺いたいのですが、只今油井委員の御質問に対して、二億ヤールくらいのものはランニング・ストックと考えるということでありますが、政府はいわゆる滞貨綿と言つておりますが、これを放出して購買力を吸収する、そのために関係方面に懇請しておるというお話でしたが、今貿易長官のお話によりますと、この程度の滞貨というものは今後貿易をやつて行く上に必要なものであるということでありますから、これを國内に放出することはまあ不適当である、そういうふうにお考えでございましようか。
#51
○政府委員(永井幸太郎君) 滞貨と申しましても、私は二億ヤールくらいの荷物の溜つておることは、ランニング・ストックと見ていいと思つております。政府が國内へ放任して貰いたいと懇請しておりますものは、あれを一度にどつと出して貰いたいというのでありませんで、この年度内に漸次放出して貰いたい……我々の約束でば、大体六割を輸出に当てまして四割を國内へ出していいということになつておりますので、只今ではまあ七割・三割くらいになりておりますけれども、四割國内へ流すことができますれば、一億七、八千万ヤールは流して貰つていい、漸次滞貨でやつて貰いたいと言つておるのであります。非常に放出せられるということはなかろうと思いますけれども、年度内にそのくらいのものは漸次出ると思つております。
#52
○木村禧八郎君 そうすると、一億七、八千万ヤール出しますと、大雜把でよろしいですが、金額にしてどのくらい吸収し得られますか。
#53
○政府委員(永井幸太郎君) それは賣渡値段によりますが、公定値で出しますれば、一ヤールは十五円くらいのものだろうと思います。闇値は一ヤールが二百五十円か三百円くらいにしておるだろろうと思います。何か自由價格というようなもので百円くらいにそれは出しても無論飛んで賣れると思いますけれども、百円に賣れば百七十億円になる。併し無論高い値で出すということは関係方面も異議があるのではないかと思います。いずれにしましても余り高い値ではむずかしいかと思いますが、公定値は私よく存じませんが、十五、六円と考えております。
#54
○木村禧八郎君 次にお伺いしたいのは、只今價格改訂後の貿易資金について、長官のお話を伺いますと、輸入物資を高く賣れる。輸出物資は高く買わなければならんけれども、輸入物資が高く賣れるから、貿易資金のバランスの上にはそう大した影響がないというお話しでありましたが、今後貿易に対してどういう影響がありましようか。今度の物價改訂が……、それをお伺いしたい。
#55
○政府委員(永井幸太郎君) 今の又爲替のことを言わなければならんことになるのですが、今度物價体系が上りましても、外貨値段は上げませんから、五ドルで賣れておつたものを國内の物價体系が上つたからといつて七ドル五十セントに買つて呉れんことは分つておりますから、外貨の賣値は國際相場で賣るより外ない。そうしますると、こちらの物價体系が上りますれば、それに会うような上つた賃金、上つた原料代で引合いますように、円を沢山拂うより仕方がないと思います。そこで又價格を変えて行かねばならんと思います。
#56
○木村禧八郎君 次にお伺いしたいのですが、今度の増資によりまして、これは大蔵省預金部、或いは日銀から借入れるというようなことになつでおりますが、これはどういう形で日銀から借入れるのですか。今度の百五十億ですな。この借入れの仕方です。
#57
○政府委員(永井幸太郎君) これは日銀から借入れることになつております。借入限度の増加をお願いしておるわけであります。
#58
○木村禧八郎君 それから只今これを拝見したのですが、加工賃でございますね。二十三年度の繊維加工賃、これが非常に大きくなつておりますね。それから昨年度を見ますと、これは第二四半期ですか、昨年度の第四四半期までしか出ていないのでありますが、約百七十三億円くらいになつております。加工賃で……。昨年度に比較して非常に大きいような感じがするのですが……。ただ賃金が上つたというだけなんでしようか。
#59
○政府委員(永井幸太郎君) これは賃金があの頃から約三倍以上になつておるわけであります。それから加工する数量も去年よりは殖えておると考えております。
#60
○木村禧八郎君 それから先程中西委員からもガリオア・ファンドのお話があつたのですが、これは私よく専門的のことは分らないのですが、今度問題になつておりますレファビリテシーョン・ファンドです。それから輸出入回轉基金、ガリオア・ファンド、これは貿易資金特別会計の方と何ら関係ないものですか。
#61
○政府委員(永井幸太郎君) エロアー・ファンドというのは、御承知の通り下院で否決されましたので、あるかないか分らない。あれが回復しましたといたしまして、ガリオア・ファンドに入りましたものも、エロアー・ファンドに入りましたものも他の輸入品と同じように貿易資金特別会計でやります。
#62
○木村禧八郎君 ちよつともう一つお廳きしたいのは、そういう形で入つて来る場合、外貨として、外資が物で入つて來ますね。そのときの國内通貨への影響という形になるのですが、今度まあエロアー・ファンドが入つて來資金特別会計では、通貨関係においては、通貨の膨脹になつて出て来るものか、或いはそれが通貨を回収するという形になつて現われて來るのか、その点がどういうふうな形になるのでしようか。
#63
○政府委員(永井幸太郎君) それは今後入つて来れば國内の生産が殖えたと同じ結果でありまして、これを民間の会社へ仮に拂い渡すとしますと、それだけが通貨の吸収になります。併しそれを加工しまして、輸出する場合に、代金を拂つた場合には、それだけ通貨が余計出ることになりますけれども、輸入に止まつた場合には、それだけ通貨が吸収されますから、やはりインフレがそれだけ防止されると考えられると思います。
#64
○木村禧八郎君 そうしますと、現在までの貿易資金特別会計におきましては、そういうことにならないのは、これはさつき中西委員にお答えになつたように、輸入した物を安く賣つて輸出した物は高く賣つておる、そういう関係だけなんですか。
#65
○政府委員(永井幸太郎君) 輸入でございますね。
#66
○木村禧八郎君 そういう関係ですか、今後例えば外資が入つて來る場合には……それは通貨吸収の……。
#67
○政府委員(永井幸太郎君) 物で入つて來ますから、それはどういう形で入つて來ますか、仮に或る人が外債を拵えて、そうして物を持つて來て、それを他の人に賣渡して金を取る場合はそれだけ通貨吸収になります。
#68
○木村禧八郎君 以上で結構です。
#69
○油井賢太郎君 最後に安定本部の政府委員の方にお聽きしたいのですが、先程の御説明では漠然たる御説明で、昭和二十三年度の計数的な貿易方針ということについてまだ伺つておりませんが、若し材料等がおありになろんでしたら、それについて詳しく一つお聽きしたいと思います。
 それからもう一つの点は、六月三日の衆議院の外務委員会で、米國の対日経済政策、外資導入についてという見通しで、堀越安定本部副長官の説明によりますと、民間の外資導入は非常に難関があつて、これの実現の運びは困難である。恰かも夢物語のような段階にあるというようなことを発表しておるのであります。あれによつて大分國民が貿易ということを、或いは外資導入という点について、疑惑を持つて來たという点なんですが、安定本部の先般のあれは、或いは政府全体の御意見として國民が認めてよろしいのでしようか。伺いたいと思います。
#70
○政府委員(藤井丙午君) 第一の点は後廻しといたしまして、第二の衆議院の委員会における堀越安本副長官の外資導入に関する説明が新聞、報道を通じて、只今の油井さんのお述べのように若干國民に何らかの誤解、或いは不安を與えたじやないかというお話でございますが、実は私は堀越副長官が果して衆議院の委員会でどう答弁をしたか、的確のことを存じませんので、これは速記録、或いは又本人によりまして、説明の要旨等を伺いまして、何かその間に多少の誤解、或いは一般に不安を、疑惑を抱かせるような説明があつたかどうか一應確かめました上で、この次の機会にでもお答え申上げることにしたいと思います。
 それから第一の本年度の輸出入計画の問題でございまするが、これは元來輸出入計画は、國内における生産力、或いは物資の需給状況、更に又國際的な物資の需給状況等を勘案、考慮いたしまして、策定するものでありまするが、特に輸出計画につきましては、現下の事情から海外の需給状況も十分明確ではありませんし、又國内における生産の状況等によつても、相当左右される問題でございますので、従いまして、一應の年間計画は立てましても、往々それがいわゆる目標になり勝ちなことがありますので、政府といたしましては、各四半期毎に資材配当を基礎といたしました輸出品の生産計画を作成するとこにいたしておるのでございます。又輸入計画は、これは多々ますます結構でございまするが、これは日本の輸出による輸入力というものは、先程御説明がありましたように極めて僅少でございまするので、勢い米國の対日援助に依存し、これを勘案いたしまして、作成をしなければならない実状ございまするので、これはむしろ計画というよりも、関係方面に対する懇請計画というべきものでございますが、併しながら今日まで、安本並びに貿易廳としていろいろ計画を進めております。その概要並びに経過をかいつまんで申上げますと、先ず本年の一月――十二月の輸出入計画は、先程お話がございました輸出入回轉基金の運用を一應の前提といたしまして、輸出計画におきましては約四億八千八百万ドル、輸入計画といたしまして約七億八千二百万ドルという計画を作成いたしたのでございまするが、併しながらその後情勢の変化、特にアメリカにおける対日援助の趨勢等を考え合せまして、先程ちよつと触れました長期の経済復興計画委員会の試案として、委員会に提出しました第一次試案における貿易計画の第一年度の計画といたしましては、輸出計画は今申しました数量と同じ四億八千八百万ドルでございますが、輸入計画におきましては、約九億四千二百万ドルというふうになつて、ここに若干の長期計画の数字の狂いがございますが、いずれにいたしましても今申しましたような計画は、先程申しましたように目標計画でありますので、これが案施につきましては、相当現実的な計画とする必要もございますので、最近は以下申上げるような計画を一應作成いたしたのでございまするが、これはもとより今後関係方面の協力援助を得で、これが実行を是非とも確保したいと、かように考えておる次第でございます。先ずドル建といたしまして輸出計画を申上げますれば大体三億六千万ドル、輸入計画が七億七千百万ドル、差引き入超が四億一千百万ドルということになるのでございます。これを円建で申しますると、輸出計画が約四百八十億円、輸入計画が五百三十億円、入超が五十億円、これはいずれも約ということでございます。そこで、主要な商品別の内訳を大体概略申上げますというと、輸出計画の総額は、先に申しました約八十億円と見込まれておるのでございまするが、ちよつとここで今申上げました数字につきまして、先程も中西委員との間に、貿易廳長官から御説明がありましたが、今申しました数字の中で、ドル建で見た場合には非常に大きな輸入超過となつておりますが、円建の場合は結局円高ということになりまして、この計画では入超額が非常に縮小しておるということになつております。この理由は先程來貿易廳長官から御説明があつたようなわけであります。
 尚これを資金計画としまして考えます場合には、輸入の諸掛り等は支出側に立つ関係や、又輸入物資の拂下げ代金の納入が遅れるというような関係があり、又輸出物資に対する資金につきましては、綿花の国有加工方式を採つております関係上、資金、運賃等、比較的前廣にこれを必要としますような関係で、円資金計画で見た場合には、輸出入計画と資金計画については、輸出入計画と別個に考えなければならんような事情もございまして、先程貿易廳長官のお話のような実は筋合いになつておるのであります。
 尚この機会に今申しました輸出入計画の主要商品別の内訳を御参考までに申上げますと、これはいずれも概要でございますが、輸出計画総額は約四百八十億と見込まれておるのでございますが、その中で繊維関係は大体その六割以上を占めて約三百億円、その内容は綿布が八億ヤール、生糸が六万俵、絹織物三千万ヤール、人絹糸が一千二百万ポンド、人絹織物三千万ヤール、毛織物が六百五十万ヤール、麻織物が百万ヤール等でございます。又機械金属関係は全体の約一九%で、金額にして約九十億円、雑貨関係は約五十億円で、パーセンテイジは約一〇・六見当、農産物は約十二億円、これは二・五%、水産物は約十一億円、二・三%、木材関係は約五億九千万円で、これが一・二%、化学薬品等は約三億五千万円で、これは〇・八%、肥料は約一億五千万円、これが〇・三%、概略こんなような内容になつておるのでございます。
 次に輸入計画の総額は、約五百三十億円と申しましたが、その主な内訳は、食糧が約二百二十一億円、繊維原料が約八十九億円、石油類が約七十七億円、金属、鉱産物等が約六十六億円、肥料が約四十六億円、その他油脂が約五億五千万円、ゴム及び皮革関係が約十三億円、木材が約二億八千万円、雑品が約六億七千万円などとなつております。これは先程申しましたように、円建の輸出入計画の概略の内訳でございます。
#71
○委員長(黒田英雄君) この程度で本日は散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(黒田英雄君) 尚もう一回継続して開きたいと思いますが、如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員長(黒田英雄君) さようにいたすことに、いたします。
#74
○中西功君 さつき私が貿易廳長官に言いましたカナダの石炭や、あの採算関係の問題、あれはむしろ貿易廳長官より安本当局に資料を要求するのが当然でないかと思います。で海南島からの輸入、それの生産、それから販賣まで、どういう採算関係になるのかというやつ、それから加工賃、これを少し詳しく内容を教えて貰いたい。それから生糸、この内訳は、どういう生産原償を見てやつておられるか、一つ聽かして頂きたいのであります。以上です。
#75
○委員長(黒田英雄君) それは安本の方ですか、どちらでもいいのですが。
#76
○中西功君 生糸は貿易廳長官です、買上げのあれですから……。加工賃とカナダのあれのやつは安本です。
#77
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十分散会
 出席者は左の通り。
  財政及び金融委員
   委員長     黒田 英雄君
   理事      伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           玉屋 喜章君
          尾形六郎兵衞君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           丸鬼絞十郎君
           小林米三郎君
           中西  功君
  商業委員
   委員長     一松 政二君
   理事
           林屋亀次郎君
           鎌田 逸郎君
   委員
           中平常太郎君
           黒川 武雄君
           中川 幸平君
           油井賢太郎君
           佐伯卯四郎君
           廣瀬與兵衞君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       藤井 丙午君
   貿易廳長官   永井幸太郎君
ソース: 国立国会図書館
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