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1955/12/06 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 本会議 第5号
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1955/12/06 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 本会議 第5号

#1
第023回国会 本会議 第5号
昭和三十年十二月六日(火曜日)
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第五号
  昭和三十年十二月六日
    午後一時開議
 第一 社会保険審査会委員任命につき事後承認の件
    ━━━━━━━━━━━━━
●本日の会議に付した案件
 国際連合への加盟に関する決議案(岸信介君外五名提出)
 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案(法務委員長提出)
 原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の趣旨説明及びこれに対する質疑カンボディア王国に対する感謝決議案(岸信介君外二名提出)
    午後三時三十七分開議
#2
○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(益谷秀次君) お諮りいたします。日程第一はこれを延期するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程第一は延期するに決しました。
     ――――◇―――――
 国際連合への加盟に関する決議案
  (岸信介君外五名提出)
     (委員会審査省略要求案件)
#5
○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、岸信介君外五名提出、国際連合への加盟に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#6
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。
 国際連合への加盟に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。楢橋渡君。
    〔楢橋渡君登壇〕
#8
○楢橋渡君 ただいま議題となりました、各派共同提案たる国際連合加盟促進決議案に対して、ここに提案の趣旨弁明をいたさんとするものであります。
 まず決議案を朗読いたします。
  国際連合への加盟に関する決議案
  本院は、現在、国際連合総会において、審議されている新加盟国の承認に関する二十八ケ国共同決議案の趣旨にのつとり、わが国を含む申請国の加盟が、今期総会中に実現するよう、国際連合加盟国の善処方を要講する。
 右決議する。
    〔拍手〕
 私は、本決議案の趣旨弁明をなすに先だちまして一言いたしたいことは、今回の日本の国連加盟問題に関して熱心に主張されておりまするカナダのピアソン外務大臣に対して深い感謝の意を表するものであります。(拍手)
 わが国が国連加盟問題に対して熱心なる意思表示をいたしましたのは、昭和二十七年四月二十人目、本院において平和条約発効に伴う決議案を議長提案として可決いたしましたときであります。そのときの決議案の中にも、日本は、一貫して、世界平和の維持と人類の福祉増進に貢献せんことを期し、国連加入の一日も早く実現せんことを述べておるのであります。越えて昭和二十七年六月六日付の書簡をもって、外務大臣は国際連合事務総長に国連加盟の申請をなしたのであります。爾来四カ年の間に、微妙なる国際情勢の関係はこの問題を真剣に取り上げる段階には至りませんでしたが、原爆、水爆の脅威より来たる世界共存の平和的情勢の影響もありましたと見えまして、このたび真剣に国際連合総会に取り上げられる段階に至ったのであります。
 もちろん、わが国は、平和条約締結後、独立国家として国際社会に仲間入りをいたしましてより、常に国際連合憲章の規定する義務を順奉し、憲章の示すその目的並びに原則にのっとりまして、全幅の努力をもって国連への協力を実行して参ったのであります。この点、今やわが国は国連加盟の資格を十分に有するものでありまして、今日世界の多数の諸国がひとしくこれを認めておるところであります。また、一面、日本を初め多数の申詰国がここに新たに国際連合に加盟いたしますることは、国際連合の強化と世界の平和に貢献するゆえんであることは、われらのかたく信じて疑わざるところであります。よって、この際、わが国を初め、申請せる諸国に対して、今期の国際連合総会においてすみやかに加盟の実現を見るよう、国連加盟諸国に要請してやみません。それ、もし真の世界平和を実現することが国連の使命なりとするならば、すべからく、大局的見地に立って、国連加盟国が本問題についてこの際善処すべきであると信ずるのでありまして、われらは、ここに、責任ある国際社会の一員として、世界平和のため、強く重ねてこれを要望するものであります。
 政府は、重光外務大臣が去る十二月二日本院において述べられたごとく、国連加盟が外蒙古問題をめぐって暗礁に乗り上げておるとすれば、関係諸国はもちろん、台湾の国民政府に対しても、日本の世界の平和的使命が国連加盟によっていかに強化されるかを説明し、その理解と協力を求められんことを要望してやみません。
 私は、各派を代表して、本決議案の趣旨を弁明いたしますとともに、本国会を通じて日本国民の意思を強く内外に宣明し、その実現を期するものであります。(拍手)
#9
○議長(益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。森島守人君。
    〔森島守人君登壇〕
#10
○森島守人君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程せられておりまする国際連合への加盟に関する決議案に対して全幅的な賛意を表明する次第でございます。(拍手)
 国連が、約十年前、平和維持の機関といたしまして誕生いたしまして以来、諸般の分野においてその活動を続けて参りましたことについては、あらためて申し上ぐるまでもございません。安全保障理事会を中心といたします政治的分野におきまして、立場を異にし、従って主張を異にいたします相手方に対して非難攻撃を加うるにとどまりまして、国連があたかも討論会のごとき姿に堕しておりますことにつきましては、世に批評の存するところでございます。近来、国連創設の第一人者とも言うべきアメリカにおきましてすらこの種の議論が台頭しておる実情でございます。わが党といたしましては、これを否定することのできないことを、まことに遺憾とする次第でございます。しかしながら、これは、終戦後間もなく、世界が自由、共産の二大陣営に分れまして、いわゆる冷戦を続けてきた結果でございまして、決して平和維持の機関としての国連の本質的欠陥に出るものではございません。
 この間におきまして注目すべきことは、国連の社会経済理事会の活動であります。社会的、経済的、人道的分野におきます国連の活動は、国際連盟当時以上に活発なるものがあるのでございます。ことに、この技術援助部門におきましては、国連自体の予算とは独立に、年額二千五百万ドルの予算を計上いたしまして、後進地域の開発に全力をあげておる次第であります。関係諸国の要請に応じて、技師や学者やその他の専門家を派遣いたしまして、調査や技術指導に任じておる事情でございます。日本は、まだ国連には加盟いたしておりませんものの、この技術援助の部門に対しましては、国会の承認を経まして、毎年九万ドルの基金を寄贈いたしておるのでございます。現に、東京都下の小河内ダムのためには、わざわざ国連より技師を派遣しまして、この技師は一カ月間日本に滞在いたしまして設計に当ったのでございます。現にこの工事がその設計に基いて進捗しつつあることを御報告申し上げねばならないのでございます。この後進地域の開発の仕事のごときは、平和促進の上におきまして直接の利益は期し得ないかもしれませんが、長い目で見れば、かえって平和のために大きなる功績をなしておりますることは、否定し得ない事実でございます。
 さらに最近におきまする国際情勢の上において見のがすことのできない一つの事実は、従来後進諸国もしくは小国と見られておりました諸国または戦後新たに独立を獲得いたしました諸国の発言権が大いに増加しておる事実でございます。いろいろの国際会議または外交的折衝に際しまして、これらの諸国の平和的努力が、世界の緊張を緩和し、または平和的雰囲気を向上させる上におきまして、きわめて大きな力となっていることは、皆様とともに喜びにたえないところでございます。
 重光外務大臣は、外交に関する御報告中におきまして、過般ジュネーヴで開かれました外相会議の結果に言及いたされまして、自由、共産両陣営の根本的対立が一そう明確となって、その調和は少くとも当分不可能であるとの結果に達したようだと判断せられております。また、国際情勢が再び緊張を増してきたことは争われぬ形勢であると結論いたされたのであります。私といたしましても、この傾向のありますことは否定するものではございませんが、重光外相の御意見は、あまりにもたての一面にのみ偏した御観察であると批評せざるを得ないのでございます。私は、他面におきまして、ジュネーヴ精神死せずとのダレス国務長官の言明等にもかんがみまして、世界の政治家のステーツマンシップに信頼を置きますとともに、日本みずからも平和への努力を継続することをもって日本の使命、責任であると確信いたしておる次第でございます。
 幸いにいたしまして、ただいま、国連未加盟十八カ国を一括加盟させんとのカナダの提案が、多数の国々の支持を得まして、二十八カ国の共同提案として国連の特別政治委員会に付託せられておる状況でございます。十八カ国と申しますれば、国連加盟国総数の約三分の一に達する多数の国々でございます。政治制度を異にし、経済組織を異にいたしまするこれらの諸国が新たに加盟を認められまするならば、国連の権威と発言権とを強むることはもちろんでございます。世界の緊張緩和とともに、国連が一つの国連として世界平和維持の機関たる本来の使命に驀進し得る日も、さまで遠くはないと確信するものでございます。カナダ代表は、この機会を逃がすならば加盟問題は無期限に延期せられるであろうと警告いたしております。関係諸国もこれを支持しておるようであります。わが国の立場のみから見ましても、日本の加盟が認められますならば、理不尽なる李ライン問題のごときにつきましても、世界の世論を前にいたしまして、正々堂々と争う道もおのずから開けてくると確信いたしておるのでございます。私は、ここに、世界正義の問題といたしまして、十八カ国の一括加盟を力強く関係諸国の良識と世界の世論に訴うることをもってわが国の責任であると信ずる次第でございます。
 最後に、私は、関係諸国の努力と理解に対しまして深甚なる謝意を表しまするとともに、今期国際連合の総会の開催せられておりまするこの際におきまして日本の加盟が実現するよう望みますることは、本院はもちろん、日本国民全体の国民的要望であることを強調いたしまして、私の賛成演説を終る次第でございます。(拍手)
#11
○議長(益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#12
○議長(益谷秀次君) 起立総員。よって本案は全会一致可決いたしました。(拍手)
 この際外務大臣から発言を求められております。外務大臣重光葵君。
    〔国務大臣重光葵君登壇〕
#13
○国務大臣(重光葵君) ただいま国際連合加盟に関する本院の決議が全会一致をもって採択いたされましたことは、わが国及び国民の重要なる意思表示として、必ずや世界各国の最も重要視するところとなることを信じて疑いません。私は、本決議を、直接に電報をもって国際連合事務総長、総会議長及び安全保障理事会議長に伝達し、かつ全加脚国代表に周知方取り計らうよう要語することにいたします。
 今期国際連合総会は、会期余すところわずか数日と相なりました。関係国、特に安全保障理事会の常任理事国が、漏れなく、新たに多数国の加盟による国際連合の強化という大局的見地から、本問題を解決するに協力されるよう望んでやまないものでございます。
 本件は、平和条約締結以来、わが国にとって最も重要なる問題でありますので、これまで外交機関をあげて目的達成に努めてきておる次第でありますが、政府も、本院の決議の趣旨に従い、今後あらゆる努力を続ける所存であることを申し添えます。(拍手)
     ――――◇―――――
 罹災都市借地借家臨時処理法第二
   十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案(法務委員長提出)
#14
○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、法務委員長提出、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#15
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。
 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。法務委員長高橋禎一君。
    〔高橘禎一君登壇〕
#17
○高橋禎一君 ただいま議題となりました罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案につきまして、提案の理由並びにその要旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、昭和三十年十月一日午前二時四十五分ごろ新潟市医学町一丁目県庁第三分館より出火した火災は、折柄佐渡沖を通過した二十二号台風による西南西三十数メートルの強風にあおられ、たちまち北方に延焼するとともに、東方に延び、同市の商業中心街を総なめにし、延焼八時間余、午前十時五十分ようやく鎮火いたしました。この焼失戸数約千戸、罹災人員約六千名、焼失面積八万四千坪、被害見積額百五十億円に達し、昭和二十七年五月の馬取市の大火以来の最大の火災となりましたことは、新潟市罹災者各位に対し深く御同情申し上げる次第であります。
 さて、かかる災害に対する国の措置といたしましては、災害救助、免税等の方途もありますが、新潟市は特に借地借家等の権利関係が複雑なところでありまして、今回の罹災区域における借地率は四〇%、借家率は五六%に及び、現在すでに借地借家関係で五百件に上る紛争が生じておる実情を見ましても、今後の住宅問題の混乱、紛糾が予想されますので、これら住宅を失った罹災者を保証するため、早急に罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二を発動する必要があるのであります。
 ところで、罹災都市借地借家臨時処理法は、御承知のごとく、戦災の場合のほか、別に法律で指定した火災、震災、風水害その他の災害の場合に、その地区を指定して罹災建物の旧借主に優先的に借地権を取得させ、あるいは罹災地の借地権で今後存続させる意思がないと認められるものを消滅させる等、借地借家関係を調整して、かかる災害地の復興促進に資することを目的とするものであります。よって、新潟市にも同法を適用し、同市の復興再建の一助とする必要があるものと認め、法務委員会におきましては、十二月六日、全会一致をもって委員会の成案を得たものであります。
 以上、提案の趣旨を御説明申し上げました。何とぞ諸君の御賛成あらんことを希望いたします。(拍手)
#18
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって本案は可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の趣旨説明
#20
○議長(益谷秀次君) この際、国会法五十六条の二の規定により、原子力非軍事的利用に関する協力のための木国政府とアメリカ合衆国政府とのの協定の締結について承認を求める件の趣旨の説明を求めます。外務大重光葵君。
    〔国務大臣重光葵君登壇〕
#21
○国務大臣(重光葵君) ただいま議題となりました原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 本年一月、米国政府から、もし日本政府が希望するにおいては、わが国に対し、濃縮ウランの提供と、これに伴う技術等の援助を行う用慰がある旨の申し入れがあったのでございます。政府といたしましては、わが国における今後の原子力の平和的利用の研究及び開発の問題の重要性にかんがみまして、慎重に検討いたしました結果、適当な条件のもとにこれを受ける方針を決定いたした次第であります。これがため、今春以来、米国政府との間に、本件に関する日米間の双務協定締結に関する交渉を行なって参りましたところ、去る六月、案文について一応の妥結を見ましたので、仮調印を行い、さらに打ち合せを遂げた上、十一月十四日、ワシントンにおいて、わが井口大使とシーボルト極東関係担当国務次官補代理及びシュトラウス原子力委員会委員長との間に、この協定の正式調印を見るに至ったのであります。
 この協定は、米国が一九五三年十二月に決定いたしました大統領の原子力平和的利用計画に基き、同国がすでに二十数カ国との間に締結いたしました協定と、ほぼ同様の内容を有するものでありますが、この協定に基いて、わが国は、米国から、研究用原子炉の燃料として、濃度二〇%以下の濃縮ウランU―二三五計画で、最大限六キログラム賃借することができ、また市場で入手することのできない原子炉用資材を入手し、さらに原子力の平和的利用に関する諸種の情報を交換することができるようになり、かくして、わが国は、原子力の平和的利用の研究及び開発に向って大きな一歩を踏み出すことができるように相なるものと期待されるのでございます。
 そもそも、原子力の平和的利用は、資源に乏しいわが国の将来にとっては、はかり知れない意義を有することは、申す才でもないことでありまして、従って、この際、一日もすみやかに本協定を正式に発効せしめるための手続をとりたいと存ずる次第でございます。
 よって、この協定を国会に提出して、その御承認を求める次第でございます。何とぞ、慎重御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第でございます。以上。(拍手)
     ――――◇―――――
  原子力の非軍事的利用に関する協
   力のための日本国政府とアメリ
   カ合衆国政府との間の協定の締
   結について承認を求めるの件の
   趣旨説明に対する質疑
#22
○議長(益谷秀次君) ただいまの趣旨の説明に対する質疑に入ります。前田正男君。
    〔前田正男君登壇〕
#23
○前田正男君 この際、自民党を代表いたしまして、原子力の非軍事的利用に関する協定について質問をいたしたいと思います。
 わが自由民主党は、立党の宣言の中におきましても、また一般政策の中においても、原子力の平和利用促進をきめておりまして、この原子力の平和利用というものは、将来のエネルギー資源を確保いたし、学術と産業の振興を促しまして、人類の福祉と国民生活の向上に大いに寄与するものであります。従って、従来とも、わが党といたしましては、強力に推進して参ったところであります。さらに、過日、私ら一行四名は、衆議院の代表といたしまして、八月ジュネーヴで開催せられましたところの原子力平和利用国際会議に出席させていただいたのであります。そのあと各国の原子力の平和利用状況等を視察して参りましたが、その受けましたところの印象を率直に申しますならば、われわれが共同声明でうたっております通りに、われわれは、有力国におけるところの原子力の平和利用は予想以上に広くかつ深く発展し、原子力時代に当面している事実に驚き、と、こういうふうに、率直に、私たちは驚いたということを表明いたしたのであります。
 これらのように、どうしてそういう大きな開きがあるかということについては、わが国は世界で初めて原爆の被害を受けました関係もありまして、原子力というものはこわいもの、むずかしいものであるというふうに考えられておるのでありますけれども、世界におきましては、皆様御承知の通り、原子力というものはこれを兵器に使わないようにしようということで、米ソ両国におきましては、ここ数年の間話し合いをいたしておりました。また、現実にも、すでに、実検的ではありますが、発電が起り、またアイソトープの利用等、いろいろ各方面にわたって行われでおります。また、学校におきまして原子力を教えております状況を見ましても、これは原子力工学科で教えております。すなわち、物を作ってわれわれの生活に寄与するという建前において教えておるような次第でございます。しかも、この原子力というものは、将来のエネルギーを確保するのみならず、エネルギーと資源のアンバランスというような問題につきましても大いに将来解決すべき問題でございますので、私たちはこの問題を極力推進しなければならぬと考えておる次第であります。その意味におきまして、この協定はまず第一歩といだしまして私たちは賛成でございます。
 この際政府に質問をいたしたいと思いますことは、まず、根本方針といたしまして、この濃縮ウランを受け入れまして、今後日本の原子力の発展が始まるわけでありますが、私たちは、この原子力というものは平和利用のみに限って行うべきである、また民主的に自主的な研究をやり、また成果を公開するというこの三原則は、これを尊重して行うべきであると考えておりますけれども、政府の根本的な方針をまずお聞きしたいのであります。
 次に、この協定につきまして質問をいたしたいと思いますけれども、まず、この協定に従いまして、当然、細目協定でありますとか、あるいはまた価格の取りきめ等が行われると思うのでありますが、この問題につきましては、国会を通じまして国民に発表する方針であるかどうか、こういうことについてお聞きいたしたいと思います。
 次に、この協定には交換公文がありまして、将来の発電に関して協議するという規定があるのでありますけれども、これは将来の発電について米国からのいわゆるひもつきになるのではないかということで、世間が心配をしておるところでございます。従いまして、この点については、われわれは何ら心配ないと思いますけれども、政府の所信を明確にしていただきたいと思うのでございます。
 また、この協定の第七条には、年次通報でありますとか、あるいは視察等を行うことができるようになっておりますが、こういうことによりまして、米国からわが国の原子力の平和利用の発展につきましていろいろな制肘を受けはしなしか、こういう点についても心配があります。そういう点につきまして政府はどういうふうな処置をされるつもりでおりますか、方針をお聞きしたいと思います。
 次に、高碕大臣にお聞きしたいのでありますが、この協定が成立いたしますと、現在、政府にあります原子力平和利用準備調査会において、炉の建設の基本方針ができております。それに基いて、さっそくこの炉を買い付けなければならないというようなことで、この協定に基きまして、米国の方は、初めて買う炉は半額アメリカ政府の方で補助して、半額値段で売り渡すというふうに聞いておるのでありますが、また、これを買付に年末ごろに出かけるというような話も聞いておるのでありますが、政府の方針をお聞かせ願いたいと思うのであります。
 次に、この協定を離れまして、全体の原子力平和利用の推進の問題について、科学技術の担当でありますところの正力大臣にお聞きしたいと思うのであります。
 まず、政府は、この協定を結ばれ、原子力平和利用というものに現実に進まれるわけでありますが、これに伴いまして当然受け入れの態勢を整えなければならないと思うのであります。しかも、それは、当然、学界であるとか、経済界であるとか、各方面の意向を尊重したところの受け入れ態勢というものを作り上げなければならぬと思うのでありますが、政府はいかに考えておられますか、お答えを願いたいと思います。
 次に、また、この原子力の行政と一般科学技術の行政とにつきましては、私たちは、原子力というものは、科学技術の水準が上らなければ原子力の平和利用の発展はない、また、原子力の使用問題も科学技術全般にわたると考えますから、政府が次の国会に提案するといって前国会で言明いたしましたところの科学技術庁の中に原子力の行政というものは当然将来含まれまして、一元的な科学技術行政というものができるものと私は考えておりますけれども、政府の方針はどらであるか、お聞かせを願いたいと思うのであります。
 最後に、外務大臣にお聞きしたいと思いますが、最近コロン末会議が開かれまして、米国におきましてはこのアジアに原子力のセンターを設けるということであります。仄聞するところによると、各方面に各国が運動をしておると聞いております。御承知の通り、アジアの原子力センターの一番の使命でありますところの原子力の科学技術者を養成するに必要な学者の点におきましては、わが国はこのアジア方面においては一番すぐれておると、私たちは自信を持っておるのでございます。そういう点におきまして、これを設立する場所としては、相当有力なる根拠を持っておると思います。外務大臣もこの原子力センターを日本に誘致することについて御尽力されておるということは聞いておるのでありますが、どういうような見通しでありますか。
 以上の諸点につしきまして、率直なる政府の御所見を伺いたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣重光葵君登壇〕
#24
○国務大臣(重光葵君) ごく要領のみお答え申します。
 平和利用に限る趣旨かというお話については、むろん原子力平和利用に限る趣旨でこの協定はできております。
 なお、将来交渉は国民に知らせていきたい。むろん、でき得るだけそう努力をいたしていくつもりでございます。
 第三国との協力を妨げるのでは、七の協定は少しもございません。第三国との原子力に対する交渉を妨げるべきものではございません。
 また、交渉の間に相手方の米国の制肘を受けたのではないか、また、今後いろいろ制肘を受けることがありはしないかということでございますが、過去において制肘を受けた交渉は一つもいたしており壊せん。将来においても制肘を受けることがないということを申し上げたいのでございます。
 さて、最後の、コロンボ会議のセンターを日本に誘致したいということはまことに御同感で、私もそれについてでき得るだけの努力をいたしておりますが、これは今日までのところ結実いたしておりません。なお努力を続けてみるつもりでございます。(拍手)
    〔国務大臣高碕達之助君登壇〕
#25
○国務大臣(高碕達之助君) 原子炉築造について半額を助成するということがアメリカで放送されておりますが、もしこれに何らのひもがついていないというなれば、喜んでこれを受け入れるつもりでございます。(拍手)
    〔国務大臣正力松太郎君登壇〕
#26
○国務大臣(正力松太郎君) 前田君に対して、私のお答えをいたします。原子力の受け入れ態勢につきましては、強力なる行政機構を一日も早く作りたいと思いまして、事務当局をして党と折衝中であります。いずれ今国会にその法案を提出したいと思いますから、何とぞよろしくお願いいたします。
#27
○議長(益谷秀次君) 松前重義君。
    〔松前重義君登壇〕
#28
○松前重義君 日本社会党を代表いたしまして、ただいま政府から承認を求められました原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件に関しまして質問をいたしたいと思うのであります。
 御承知のように、原子力といろ言葉は、わが国民にとりましては少くとも恐怖の言葉であったのであります。広島や長崎等において受けましたるあの原爆の被害はもちろんのこと、ビキニ環礁の、あの水爆実験の結果が放射能の灰となってわが国に落ちて参りましたこと、あるいはまたソビエトの実験の灰がわが国に落ちる、こういったような事柄を通じまして、わが国民は原子力に関しては恐怖の気持を持って迎えておるのであります。でありますから、この濃縮ウラニウム等の受け入れ等に対しましても、われわれは、国民のこの気持を反映いたしまして、最もあやまちのない態勢においてこれを受け入れるなり何なりいたきなければならないのであります。こういう意味におきまして、私は二、三の質問を試みたいと思うのであります。
 原子力の研究、ことに平和的利用に関する促進の問題に関しましては、ただいま前田君からのお話がありましたように、私ども社会党といたしまして、これが人類の幸福のために用いられることにつきましては人後に落ちないものであり、絶対に一日もないがしろにすることのできない問題であると思うのであります。しかしながら、今回協定の中にありまする濃縮ウラニウム、ことにウラニウム一一三五を二〇%含んだといわれるところの濃縮ウラニウムの受け入れに関しまして、私どもが考えなければならない問題の第一は、先ほど来申し上げました日本の国民感情と、また原子力といろものがいかに大きな力を持ち、そしてまた、これがかつてわれわれの経験しない分野を開拓いたしておりまするそのゆえに、私どもは、よほどこの問題につきましては注意を払ってその処理に当らなければならないと思うのであります。
 こういう意味からいたしまして、私どもは、たとえば火薬というものを受け入れるといたします。火薬に対しましては火薬取締法というものがございます。火薬を取り締る法律があって、初めて火薬というものが国民に使わされておるのであります。ところが、今日、政府は、われわれが経験したことのない、危険な、いわゆる濃縮ウラニウムの受け入れについて、平和的利用の目的であるとはいいながら、とにかく、ここに何らの軌道も作らないで、レールも敷かないで、原子力基本法も制定しないで、あるいはこれに関連しまする放射能に関する取締法等も全然なくして、これをただいたずらに受け入れようというのは、まるでおけを持たないで水をくみに行くよろなものでありまして、全く危険千万。これによりまして、私どもは、どのような方向にこの濃縮ウラニウムの研究が進んでいくかという問題につきましては、まことに心配せざるを得ないのでございます。このような意味におきまして、この原子力基本法と、これに関係いたしまする法律に関しまして、政府はどのような態度をおとりになるのであるか。これは国の根本問題であります。法律もなくして、レールもなくして、機関車の力の強いやつを走らせようというようなことは、政治としてはあり得ないことであると私どもは信じまするので、これを総理大臣にお伺い申し上げたいと思うのであります。(拍手)
 次にお尋ねいたしたいことは、いわゆる原子力に関する行政をどのようにして運営いたすかということであります。民主的な運営を行わなければならない。ことに、原子力の問題は国民の関心の的であります。この原子力というものが、いろいろ政治的にも使われていることを私どもは知っております。そういう意味からいたしまして、これこそ民主的に運営されなければならないのであります。国民各階層の代表によりまして、原子力委員会のごとき列国のどの国もやっておりますこの行政機構、民主的なる行政機構、労働者からも、そうしてまた学者からも、実業家からも代表を選んで、超党派的にこれを運営いたしているのが列国の状況であります。これを一党一派のいわゆる政治の道具として用いるがごときは、極力避けなければならない問題でございます。長期の計画に基きまして、これを一路国民全体の幸福のために推進いたしますことこそ、今日の政治家の義務でなければならないと思います。これを裏づけいたしますものは、すなわち民主的な運営でございます。すなわち、原子力委員会なるものの設置、これに対して、労働者の代表も、あるいは資本家の代表も、あるいは政府も、あるいはまた学者も、渾然一体をなしてこれが運営をするがごとき仕組みを政府はお考えであるかどうか、お伺いいたしたいのであります。(拍手)
 原子力の研究とともに問題になりますのは、科学技術の行政機構であります。この科学技術の行政機構は、いわゆる原子力と表裏一体をなし、むしろ原子力を生むところの基礎をなしたものであります。これがいまだにわが国においては全然確立いたしておりません。先年、私どもは、両派社会党の時代に、科学技術庁設置法案を提出いたしましたけれども、不幸にして、当時の改進党と自由党との御決定がなかったので、ついに審議未了に終ったのであります。今回、この問題につきまして、科学技術行政の確立に対してどのような考えを政府はお持ちであるか、これを行政管理庁長官にお伺いいたしたいと思うのであります。また、これに関連いたしました予算に関してもお伺いいたしたいのであります。
 外務大臣にお伺いしたいことは、協定の原案にかつてありました第九条の原子力発電に関しまして、これを交換公文に譲っております。第九条というものを削除はしたが、何ゆえに交換公文にこれを残したか。聞くところによると、ある政党の側からこの要求があって交換公文に入れたという話でございます。アメリカの原子力委員会においては、こんな第九条などという発電に関するものは除いてもさしつかえない、こういうことを私どもは直接聞いて参りましたが、どうしてこれを交換公文にお入れになったのであるか。その裏に何か秘密でもあるのかどうか、その辺をお伺い申し上げたいと思うのであります。
 また、外務大臣にお伺いしたいもう一つの点は、第六条の秘密事項についての取りきめは別にこれを協定するといわれております。別の取りきめをするというならば、何か、その別の取りきめ、秘密協定に腹案があるのかどうか。原子炉など今後どんどん入って参りますので、この点について、その秘密事項についての取りきめを別に協定するという、その協定のお含みをお伺いいたしたいのであります。
 また、その次に、第五条にありまするBには、日本国政府及びアメリカ合衆国政府の関係法令、これに従ってこの原子力の管理をするということが書かれております。ところが、第五条のBの「日本国政府及びアメリカ合衆国」というのでありますが、日本国政府には法律がない、ですから、アメリカだけの法律によってこれが管理されるということになるといたしまするならば、果して日本は独立国なりやいなやという問題が起って参るのであります。(拍手)これにつきまして、外務大臣の御所見を伺いたいのであります。
 全体からいたしまして、本協定はまことにばく然といたしております。そうして、何ら細目を協定いたしておりません。そこに多少の疑念なしとしないのであります。しかも、国内的には、レールも蚊かれないで汽車を動かそう、機関車を動かそうというのであります。かつてないおそろしい力を持った機関車を動かそうというのでありますから、このような早まったやり方は私はないと思います。火薬でさえも法律があります。このようにいたしまして、何ゆえにこのように早くこの取りきめをしなければならないのであるか、何かアメリカの圧迫でもあったのであるか、このことが国民の疑惑でありまするので、この点につきまして外務大臣より一言向いたいのであります。
 ことに、この問題は、ただいま自由民主党によって唱道されておりまする憲法改正や再軍備への線、これらの問題が中心となって動いております日本の政界にとりまして、一党一派のへんぱなやり方によってこの行政が行われるといたしまするならば、これは私は日本の歴史の将来にとってまことに嘆かわしいことであると思うのであります。(拍手)ただいま申し上げました超党派により、あるいはまた、民主的な将来の研究態勢を確立されるというその使命は、私は鳩山総理にあるものであると思います。明日の歴史を誤まらないように、鳩山総理は、超党派によって、社会党の言うことも十分聞き入れて、いわゆる共通の広場としてこの問題を解決されようと思っておいでになるがどうかを最後にお伺いいたしまして、私の質問を終ります。(拍手)
    〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕
#29
○国務大臣(鳩山一郎君) 松前君の御質疑に対してお答えをいたします。
 原子力に関する基本法制は研究中であります。臨時国会にはおそらく間に合わないと思います。通常国会に提案をされることになると考えております。
 原子力行政機構につきましては、正力国務大臣から答弁をお願いします。
 最後の御心配は全くありません。(拍手)
  [国務大臣重光葵君登壇〕
#30
○国務大臣(重光葵君) お答え申し上げます。
 動力用原子炉はこの協定と直接関係がないから、これを交換公文に譲りました。
 秘密事項は、この協定にはございません。秘密事項について別に協定する意向はございません。
 第五条の法令云々ということがございましたが、資材の移転、輸出等について、両国の関係法規に従ってそういうことが行われるということは、これは当然のことでございまして、そのことを意味しておることを申し上げます。以上です。(拍手)
    〔国務大臣河野一郎君登壇〕
#31
○国務大臣(河野一郎君) 原子力に関する行政機構の問題についてお答え申し上げます。これは先ほど重光国務大臣からお答えを申し上げたことでございますが、政府といたしましては、原子力行政の重要性にかんがみ、慎重検討の上、本国会中に成案を得まして、原子力関係機関に関する法律案を提出する準備中でございます。以上、お答え申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣正力松太郎君登壇〕
#32
○国務大臣(正力松太郎君) 松前君にお答えいたします。原子力の機構については、先ほど前田君にお答えした通り、諸般の情勢を察して強力なる行政機構を作ることで、目下事務当局が党と折衝中であります。なお、この機構を作りました上に、運営についてはどこまでも民主的にやる、技術は公開すること、それから研究の自由、この三大原則のもとにやりますから、どうぞ御了承願います。(拍手)
#33
○議長(益谷秀次君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#34
○議長(益谷秀次君) ただいまカンボディア王国総理大臣ノロドム・シァヌーク殿下が貴賓席にお見えになりました。御紹介申し上げます。
    〔総員起立、拍手〕
     ――――◇―――――
 カンボディア王国に対する感謝決議案(岸信介君外二名提出)(委員会審査省略要求案件)
#35
○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、岸信介君外二名提出、カンボディア王国に対する感謝決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#36
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。
 カンボディア王国に対する感謝決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。星島二郎君。
    〔星島二郎君登壇〕
#38
○星島二郎君 全議員諸君の御了解を得まして、本院を代表してカンボジア王国に対する感謝の決議を求むるため、しかも、同王国総理大臣ノロドム・シァヌーク殿下がただいま本院に御来臨をかたじけのうし、その面前において本決議案の趣旨弁明をいたす機会を得ましたことは、私のまことに光栄とするところであります。(拍手)
 まず、その案文を朗読いたします。
  カンボディア王国に対する感謝決議案
  カンボディア王国がわが国に対し示された友情と好意は日本国民のひとしく感謝にたえぬところである。
  今般同王国総理大臣ノロドム・シァヌーク殿下が御来訪の機会に本院は、ここに院議をもって感謝の意を披瀝すると共に殿下に対し歓迎の誠意を表するものである。
 右決議する。
    〔拍手〕
 カンボディア王国は、昭和二十九年十一月二十七日、在プノンペン吉岡大使を通じて、サンフランシスコ条約第十四条に基きまして、同国の対日賠償請求権を放棄する旨の通告に接しました。(拍手)また、最近、さらに、サンフランシスコ条約の第十六条に基きまして、中立国に存する戦争損害補償金のカンボディア王国の取得分を日本赤十字社に寄付する旨の表明を得たのでございます。(拍手)わが国に対する重ね重ねの友情を示されたことは、現在わが国が各種の対外債務や賠償義務の腹行等で多大の困難と犠牲を払いつつありまする今日、カンボディア王国のこのあたたかい好意は、同国の深い友情とわが国に対する理解に基くものでありまして、わが全国民のひとしく感謝感激するところでございます。(拍手)
 特に、本日御来臨を得ましたノロドム・シァヌーク殿下は、王室より出られた若い聡明な総理大臣として、同国民の信望をになっておらるる方であります。かつて日本に御来遊もありますが、日本の最もよき理解者であられると承わっております。(拍手)これを契機といたしまして、日本、カンボディア両国間の親善関係の一そうの増大を期待して、ここに、本院は、カンボディア王国に対し院議をもって感謝の意を表するとともに、殿下の御来遊を心より歓迎するものでございます。
 何とぞ満場一致本案に御賛成をお願いいたします。(拍手)
#39
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#40
○議長(益谷秀次君) 起立総員。よって本案は全会一致可決いたしました。(拍手)本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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