くにさくロゴ
1955/12/12 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 本会議 第7号
姉妹サイト
 
1955/12/12 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 本会議 第7号

#1
第023回国会 本会議 第7号
昭和三十年十二月十二日(月曜日)
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第七号
  昭和三十年十二月十二日
    午後一時開議
 第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
●本日の会議に付した案件
 地方財政審議会委員任命につき事後同意を求めるの件
 中央更生保護審査会委員任命につき同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件
 選挙制度調査会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件
 検察官適格審査会委員の選挙
 検察官適格審査会委員の予備委員の選挙
 鉄道建設審議会委員の選挙
 昭和三十年度特別会計予算補正(特第2号)
 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案(法務委員長提出)
 万国著作権条約の批准について承認を求めるの件
 万国著作権条約の条件附の批准、受諾又は加入に関する同条約の第三附属議定書の批准について承認を求めるの件
 無国籍者及び亡命者の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第一附属議定書の批准について承認を求めるの件
 ある種の国際機関の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第二附属議定書の批准について承認を求めるの件
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
    午後一時四十分開議
#2
○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(益谷秀次君) 内閣から、地方財政審議会委員に児玉政介君、木村清司君、上原六郎君、荻田保君、遠山信一郎君を任命したので、自治庁設置法第十五条第六項の規定により、その事後の同意を得たいとの申し出がありました。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
#5
○議長(益谷秀次君) 内閣から、中央更生保護審査会委員に横溝光暉君を任命したいので、犯罪者予防更生法第五条の規定により本院の同意を得たいとの申し出がありました。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
#7
○議長(益谷秀次君) 内閣から、日本銀行政策委員会委員に中山均君を任命したいので、日本銀行法第十三条ノ四第三項の規定により本院の同意を得たいとの申し出がありました。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
#9
○議長(益谷秀次君) 内閣から、選挙制度調査会委員に本院議員大村清一君及び参議院議員郡祐一君を任命するため、国会法第三十九条但書の規定により本院の議決を得たいとの申し出がありました。右申し出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よってその通り決しました。
     ――――◇―――――
#11
○議長(益谷秀次君) 検察官適格審査会委員が一員欠員となっておりますので、この際同委員の選挙を行います。
#12
○長谷川四郎君 検察官適格審査会委員の選挙については、その手続を省略し、議長において指名せられんことを望みます。
#13
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#14
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
 議長は、検察官適格審査会委員に熊谷憲一君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#15
○議長(益谷秀次君) つきましては、ただいま指名いたしました結果、検察官適格審査会委員の予備委員が一名欠員となりましたので、この際同予備委員の選挙を行います。
#16
○長谷川四郎君 検察官適格審査会委員の予備委員の選挙については、その手続を省略し、議長において指名されんことを望みます。
#17
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
 議長は、八田貞義君を熊谷憲一君の予備委員に指名いたします。
     ――――◇―――――
#19
○議長(益谷秀次君) 鉄道建設審議会委員が二名欠員となっておりますので、この際同委員の選挙を行います。
#20
○長谷川四郎君 鉄道建設審議会委員の選挙については、その手続を省略し、議長において指名されんことを望みます。
#21
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。
 議長は、鉄道建設審議会委員に
   水田三喜男君  砂田 重政君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#23
○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、昭和三十年度特別会計予算補正(特第2号)を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#24
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。
 昭和三十年度特別会計予算補正(特第2号)を議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員長三浦一雄君。
    〔三浦一雄君登壇〕
#26
○三浦一雄君 ただいま議題となりました昭和三十年度特別会計予算補正(特第2号)に関しまして、その内容及び予算委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本補正予算案は、十二月六日予算委員会に付託されました。本案は交付税及び譲与税配付金特別会計についての補正であります。政府の説明によりますれば、地方財政の状況はは年々悪化し、近年赤字の累積により真に憂慮すべき状態にあります。これを打開するために、政府は、明年度以降において抜本的対策を講ずる予定でありますが、とりあえず、年度内の臨時措置として、地方に対し交付税の率三%に相当する百八十八億円の財源手当を行うことと決定されました。しかも、この百八十八億円捻出の財源としましては、あくまでも健全財政の方針を貫くために、一般行政費の節約額、賠償費、公共事業費などの年度内不用額百六十億円、及びこれに伴う地方負担の軽減額二十八億円を見込むこととなっております。しかしながら、資金を早急に交付する必要から、一般会計の予算補正を行うまでの当面の予算措置といたしまして、ただいま議題になっておりまする特別会計の予算補正を行なったわけであります。すなわち、交付税特別会計において百六十億円の借り入れを行い、これを臨時地方財政特別交付金として地方に交付することというのでございます。この借入金百六十億円は、先ほど申し上げました一般会計予算補正における特別会計への繰入金によって返済されるべきものであります。
 以上が予算案の内容り概要でございます。
 次に、委員会における質疑応答について御報告申し上げたいと存じます。
 地方財政の問題に関して、第一には、地方財政再建の根本的方策はいかがであるか、第二には、今回の財源手当百八十八億円の数字的根拠はいかがであるか、第三には、公共事業費の削減は事業の打ち切りを意味するものであるか等の質疑があったのであります。これに対する政府の答弁は、第一には、地方財政再建の根本的方策といたしましては、二十九年度までの過去の赤字は地方財政再建促進特別措置法によってたな上げをする、本年度分につきましては、当初の地方財政計画を変更して交付金のワクを広げて地方にも節約を行わしめ、しこうして赤字を生じさせないようにする、明年度以降においては、給与費の検討、公債費増加に対する特段の配慮、補助金政策の合理化、行政運営の適正化、財源の確保等、行財政制度全般の抜本的改革を行いたいというのであります。第二には、百八十八億円の計算の基礎につきましては、地方制度調査会の答申二百億円を基礎といたしまして、地方にも緊縮を要求する建前から、若干圧縮したのだというのでございます。さらに、公共事業費の節約は、明らかに繰り延べる予想せられる年度内不用額を節約するのであって、事業の打ち切りまたは一律削減は絶対に行わない、公共事業費は例年五、六十億の繰越額を生じており、特に本年度は、本予算の成立がおくれた関係上、相当額の事業繰り延べが予想できるのであるから、節約は無理なく行われるとの答弁でございました。以上のほか、質疑は、日韓、日ソ、日中等の外交問題、憲法改正、明年度予算の編成方針、経済六カ年計画、文教問題、原子力の平和利用等、各般の問題にわたりまして、熱心かつ活発に行われたのでございますが、その詳細は会議録について御了承を得たいと存じます。
 質疑終了後、社会党より本特別会計予算補正の編成がえを求めるの動議が提出されました。その要旨は、政府に対し、原案を撤回して、次に述べまするような要項に従って組みかえした上、再提出すべしということでございます。すなわち、一般会計歳入の自然増、二十九年度一般会計剰余金の一部繰り入れ、防衛庁費節減など、総計五百三十一億円の財源を捻出して、これを、一、地方交付税率の二七%への引き上げ、二、たばこ消費税率の三〇%への引き上げ、三、公務員期末手当の〇・二五カ月分増頻、四、緊急失業対策事業に対する国庫補助率の引き上げ、日雇い労務者への年末手当の支給、五、生活保護世帯への生活補給金の支給等、合計四百六十億円余の歳出増加に振り向け、さらに残額七十億円余を十二月分の勤労所得五千円までの免税実施に伴う所得税減収の補てんに充てるというのが、その対案の要旨であります。
 次いで、社会党の提案に対しまして、自由民主党の委員より質疑が行われました。質疑は、主として提案に現われたる政策の基調及び計数の基礎、見積り等に関して行われたのでございますが、特に、社会党案によれば、明年度以降の予算編成に際して一千億円以上の財源を要すべきものと思われるが、その対策いかんという点に集中されたのでございます。これに対して、社会党の代表より、現在の政策の基調をそのまま引き伸ばした場合にはそうなるかもしれないが、社会党の政策を実現した場合には歳入歳出両面において相当の変化を予想し得る、明年度以降の問題は社会党の予算編成方針によって解決さるべき見込みであるという趣旨の答弁がございました。
 政府原案並びに社会党の動議に対する討論、採決は本日午前中に行われましたが、その結果、社会党の動議は否決せられ、政府原案は多数をもって可決せられました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#27
○議長(益谷秀次君) 本件に対しては、赤松勇君外十五名から編成がえを求めるの動議が提出されております。この際その趣旨弁明を許します。田中織之進君。
    〔田中織之進君登壇〕
#28
○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和三十年度特別会計予算補正(特第2号)案の編成が之を求める動議の趣旨を説明いたしたいと思います。
 わが党の提出いたしました補正予算組みかえ案は、現在わが国の財政が当面している緊急な諸問題に対し、わが党独自の考え方に沿うて必要な措置をとり、その解決を促進するため編成をいたしたものであります。
 その第一の問題は、地方財政の赤字補てんの問題でございます。近来地方財政の窮乏はますます深刻になる一方でありますが、これに対しまして、吉田、鳩山の両保守党内閣は、何ら積極的な打開策を講ずることなく、いたずらに時間を空費し、その間に地方財政の危機はますます深まるばかりであるのが現状でございます。(拍手)このまま推移いたしまするならば、地方財政支出と深い関係にあります社会保障、義務教育、公共事業、公衆衛生等の諸事業は、甚大なる影響をこうむることは必至であります。ところが、政府が、今回、この現状を打開するに、一時を糊塗する弥縫策しかとることができず、一たんは公共事業費の削減による補正予算の提出を考えたようでありまするが、公共事業費の削減については、保守合同がなったばかりの与党内に一大波乱を起しまして、与党の議員総会の収拾がつかなくなったために、本会議がついに流会になるというような大醜態を演じたために、ついに一時借入金によってこれを糊塗しようとするところの弥縫策が本国会に提出されて参ったのであります。(拍手)わが党は、これに反し、一時的借り入れによる赤字補てんの方向に反対をいたしまして、地方交付税率の五%引き上げ並びにたばこ消費税の税率の百分の三十への引き上げによって、地方財政における本年度の経費の不足を補うとともに、地方交付税交付団体、不交付団体の両方に、公務員年末手当増纈、登録日雇い労働者年末手当支給、被生活保護世帯に対する年末補給金支給の財源を与えることを主張いたしておるのであります。(拍手)
 わが党が支出項目として右に述べた四項目を特にあげましたゆえんは、次の理由に基くものでございます。
 まず、地方公務員の給与については、現在これがきわめて低いままにくぎづけされ、かつ昇給、昇格もほとんど実行されていないのが現状でございます。従って、特に本年度は、年末手当の支給を規定額より〇・二五カ月分増額して公務員の生活保障に充てる必要があります。
 次に登録日雇い労務者についてでございまするが、これらの実働日数が種々の諸条件に影響されて、すこぶる不安定でございます。本人が働く意思を持ちながら、一般勤労者より過少に制限されているのが現状でございます。従って、これに年末手当を支給して、その最低生活を保障する必要があるのでございます。
 さらに、現在緊急の問題でありまする失業対策につきましては、地方財政が窮迫している現在、何らの処置を講ずることができない状況にあります。従って、緊急失業対策事業に対する国庫補助率を引き上げ、かつ特に失業発生の率の多い市町村に対しては全額国庫補助を行い、失業問題を若干なりとも緩和する必要があるのであります。
 次に、被生活保護世帯に対する生活保護費の単価が過少でありまして、これらの人々の最低生活を保障することはとうてい不可能でありまするので、これに対し一世帯当り四千五百円を支給することを主張するものであります。
 以上が、われわれの組みかえ案の支出面の、ごく簡単な説明でございます。
 次に、この四項目にわたる歳出増額補正を行うために、これから述べますよらな方法によって財源を捻出することにいたしたいと思うのであります。一つは、昭和三十年度一般会計歳入における自然増収であります。二つは、昭和二十九年度一般会計余剰金の一部の本年度一般会計歳入への繰り入れでございます。三番目が、防衛庁経費及び賠償等特殊債務処理費のうち明らかに明年度へ繰り越されると認められる額の一部の支出の組みかえでございます。四番目には、一般行政費の中の不用額及び節約可能な額の一部の支出組みかべ以上四つによって、この財源を捻出しようとするものでございます。
 なお、この歳出補正と歳入補正の差額約七十一億円は、十二月分の勤労所得五千円までの所得税免除実施に伴う所得税減収の補てんに充てることといたしております。また、予算定員以外の経費によって雇用されている人々は、定員のワク内で雇用されている人々と同じく労働に従事していながら、その雇用条件がすこぶる不安定であって、年末手当の支給等は全く顧みられていないのが実情であります。従って、これらの人々に対しましては、国及び地方が行政措置として年末手当を支給することを考えております。さらに、本年度の災害復旧費、李承晩ラインの漁船の損害補償費、臨時救農土木費等は予備費によりてこれをまかなろことを主張いたすものでございます。
 以上がわが党の組みかえ案の財源の簡単な説明でございまするが、わが党の組みかえ案によりまするならば、歳出補正の合計は四百六十億円、歳入補正の合計は五百三十一億円で、その差額七十一億円は五千円免税に充てることになります。
 以上がわが党の補正予算組みかえ案の簡単な説明でございますが、この組みかえ案に対しましては、一昨日の予算委員会以来、自由民主党の側から種々なる質問と批判が行われております。われわれは建設的なる批判につきましてはこれを歓迎するところでございますが、質疑のうち中心的な問題と考えられる一、二の問題について、私は若干の説明を加えておきたいと思います。(拍手)
 それは、ただいまの委員長の報告の中にも指摘せられましたように、わが党の組みかえ案を平年度化した場合の財源処置をどうするかという問題でございますが、これは、もし従来の第二次鳩山内閣によって編成されて参りました予算の建前からいたしますならば、明年度においてわれわれの組みかえ案の率をもっていたしますならば、大体千三百億円程度の赤字――穴があくという主張は、一応うなずけるのでございます。しかし、われわれは、これから申し上げますように、明年度の予算編成に当りまして、中央、地方を通ずる行政機構の改革、特に中央、地方における行政事務の配分について根本的な改革を加えて参る所存でございます。その意味において、在来の保守党の主張したべースによりますならば、それだけの穴があくかもしれませんが、われわれの基本的な明年度予算編成をもっていたしますならば、この点については何ら穴はあかない、十分財源的な処置を講ずることができるといろ確信を持っておる次第であります。われわれ、明年度予算編成を前にいたしまして、国民の最低生活の保障を基準といたしまして、中央、地方を通ずる税制の体系、給与体系、社会保障体系の立案を進めておるのであります。従いまして、今回の処置は、それまでのきわめて暫定の処置として理解をしていただきたいのでございます。
 明年度の予算編成の基本的な方針といたしまして、申し上げるまでもなく、今指摘をいたしました中央、地方を通ずる行政機構の改革、特に行政事務の配分について根本的な改革を加えて参りたい。それから、中央、地方を通ずる税制の改革、さらには、今度の暫定的な予算組みかえの処置に対しましても問題になっておりますが、防衛費の節減につきましては、根本的にわれわれは手をつけたいと考えておるわけでございます。なぜ防衛費の点についてわれわれが強き主張を持っておるかという点について、たとい現在の防衛庁予算というものを基本的には認めるという立場に立ちましても、毎年多額の繰り越しが行われておる。これは事実でございます。われわれは、明年度におそらく繰り越されるであろうところのものから、わずか二百億を今回の財源として組み入れたにすぎないのでございます。英国の保守党ですら、MSAの実施中に、いわゆる軍事費、再軍備費の一部の繰り越しをやってのけたのでございます。私は、毎年多額の防衛費の繰越しが行われるということは、かつて戦争中の臨時軍事費と同じような、きわめて不明確な予算的性格を持つものだと指摘いたしたいのでございます。(拍手)従いまして、保守党の自由民主党におかれましても、との防衛費における年々の莫大な繰り越しという点については、この際清算すべき時期に来ておるのではないかとわれわれは考えるのでございます。(拍手)現に、この点については、一萬田大蔵大臣も認められるところであり、ついこの間、この席上において、自由民主党の前尾繁三郎君がこの問題を質問として取り上げておるではありませんか。私は、こうした処置をとることによりまして、おそらく、与党の内部においても、きわめて不満で、この政府原案に賛成せざるを得なくなった立場に追い込まれておる人があるのだろうと思いますけれども、今一時借入金によってこれを糊塗いたしましても、通常国会には、年度末までには、当然、公共事業費の切り捨てという形で、この借入金の穴埋めをしなければならないことが必至の情勢にあります。
 この今回の特別会計予算の補正案に対しましては、われわれ社会党の主張いたしまする組みかえ動議の趣旨を十分くみとられまして、何とぞ賛成あらんことを切に望むものでございます。(拍手)
#29
○議長(益谷秀次君) これより討論に入ります。床次徳二君。
    〔床次徳二君登壇〕
#30
○床次徳二君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま上程せられました政府提案の昭和三十年度特別会計予算補正に賛成し、社会党の提出せられました三十年度特別会計予算補正の編成がえを求めるところの動議に反対をするものであります。
 今回の予算補正は、窮迫せる現下の地方財政に対する当面の措置として、国及び地方を通じて財政の健全性を堅持するの方針のもとに財源の手当を講じたものであります。わが党並びに政府は、諸般の情勢を勘案いたしまして、交付税三%に相当する百八十八億円の暫定的補てん措置を行わんとするものであります。もとより、これをもちまして地方財政の根本的解決ができるわけのものでないことは、当然認識いたしておるのであります。しかしながら、国の財政の健全性をくずさぬ限度で一般会計より捻出し得る額は、今回の交付税三%相当額がとり得るところの最大限の措置でありますとともに、当面の地方財政の要望にもほぼ合致いたしております。よって、地方財政の根本的な解決は、さらに給与の実態調査の完了を待ち、中央、地方の行財政制度、国と地方の事務負担区分その他広範にわたって検討を加え、その上で、合理的、自主的な財源を付与するという建前をもちまして、三十一年度予算編成までにその具体案を得べく、目下努力中なのであります。
 これに対して、社会党の要求は、交付税率を二七%に引き上げ、たばこ消費税を十二月より百分の三十に引き上げんとするものでありますが、地方財政の窮迫に対し、財源の付与は多々ますます弁ずるとはいいますものの、この増額に要する額は、本年度三百七十億円、三十一年度には、本年度を基準といたしますれば六百数十億円に達するのであります。問題とすべきは、果してかかる財源が可能なりやいなや、また、これを捻出することが、わが国の財政上より見まして、適切なりやいなやという問題なのであります。
 社会党は、公務員の年末手当増額その他につき補正を要求いたしておるのでありますが、公務員の年末手当の増額に関しましては、わが党は、すでに人事院勧告を尊重し、その実現に努めておるのであります。政府もこれに必要なる法案を提出いたしておりますことは御承知の通り。しこうして、その財源措置は、現状においては、地方財政対策を優先せしむべきものといたしております。このために、予算補正の余地はありませんがゆえに、既定予算の操作によってその対策を講ずることにいたしたのであります。地方公務員の年末手当の増額につきましては、特に義務教育職員の分に対する二分の一は国が精算に基いて当然負担するほか、その他の分につきましては、必要に応じて短期融資により実際上実施可能の措置をいたしておることは、皆さんも御承知の通りと思うのであります。
 登録日雇労務者年末手当、被生活保護世帯への年末給与につきましては、すでに予算におきまして、その目的を達し得るがごとく考慮されているのであります。すなわち、日雇い労務者につきましては五日分、国費、地方費を通じまして五億六千万円、この程度の財源がすでに見込まれておるのであります。また、被生活保護者につきましては、特に年末のため寝具、衣料、薪炭費等の名目による一時扶助といたしまして、同じく六億六千万円程度が見込まれておるのであります。特に補助方針の変更とか、あるいは増額補正をする必要はなく、右予算を活用いたしまするならば、十分にその目的を達し得るものであります。すなわち、政府におきましても社会党の要求せられる点はおおむね実施することになっていることを明らかにいたしたいと思います。
 今ここに最も検討を必要といたしまするものは、いかにしてこれらの補正の財源を捻出するかという点であるのであります。一言をもっていたしまするならば、政府は健全財政を堅持するに対し、社会党の提案は、三十一年度にしわ寄せして三十年度を糊塗せんとするもので、まことに不健全なからくりであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)しかも、明三十一年度予算に対しましては、全くその理想、信念を欠いている点を指摘いたしたいのであります。
 社会党の案は、まず歳入補正におきまして、一般会計の自然増収百億円を見込んでおりまするが、これはきわめて不確実であります。今日までの歳入実績を見まするに、税収に若干の増収がありましても、たばこ益金の減収においてほぼ相殺し、いわゆる自然増収はあまり期待ができないのであります。また、二十九年度剰余金百五十億円を本年度に使うごとき考え方は、結局三十一年度の予算をそれだけ圧迫することになり、次年度の予算編成を困難ならしめるのであります。従って、何ら見通しなくしてかかる方法をとるべきものではないのであります。防衛庁費、賠償等特殊債務処理費等の繰り越し予想額を過大にして本年度財源に充当することも、それだけ三十一年度予算を食い込むことになるのでありまして、さなきだに困難を予想せられるところの来年度予算編成をそら困難に陥れるものであって、二十九年度剰余金の繰り入れとあわせまして、社会党予算案の不健全性に拍手をかけることは火を見るよりも明らかなことであります。
 ここで特に申し上げたいのは防衛庁費に関することであります。社会党は、三十年度予算審議の際におきましても二百五十八億円の削減を主張いたしたのでありまするが、今回も重ねて二百億円の減額を主張いたしておるのであります。このような主張は、日米共同防衛の立場を明らかに無視し、わが国の防衛力の増強を否定する考え方に出たものであります。過般発表せられたところの社会党の新綱領とも矛盾するものがあるのであります。国力に応じた自衛力の増強を主張するわが党とは根本的に相いれないところの考え方であります。もちろん、三十年度防衛庁費におきましては若干の繰り越しが予想せられるということを言われるのでありますが、これに関しましても、われわれは十分に検討を加えたのであります。しかしながら、わが党といたしましては、いたずらに目前の予算補正の財源に使用するに満足するものではなくして、一面においてさらに自衛力の増強に努めますとともに、他面においては進んで近き将来の防衛分担金の積極的軽減を行う、このことの方がより得策と考えておる次第であります。このために、今回はあえて補正を加えておらないのであります。祖国の安全と平和を念願するわが党といたしましては、社会党のごとき防衛費の削減はとうてい承認いたしがたいものであります。
 かくのごとく、わが党及び政府の方針は、あくまで健全財政の基礎の上に立って、国民の幸福を企図しながら、予算の現規模を堅持し、しかも、来年度予算の財源は十分にこれを温存しながら、最大限にまで地方財政の窮乏の補てんに成功いたしたものであります。年度半ばにかかわらず、今回のごとく多額の自主財源を付与し、年来の懸案を解決いたしたことは、特筆するに足ると思うのであります。
 さらに、社会党は、政府が一般会計において可能なる歳入増収額及び可能なる組みかえを行わずして一時借り入れを行なったことは不当であり、これを撤回すべしと主張するものでありますが、政府が、さしあたり必要な資金の借り入れを行うために特別会計の補正を行い、一般会計の予算補正は後日にいたしましたことは、今回の措置の妙味であると考えるのであります。これは、今後の財政の実情を十分に見きわめまして、健全財政の立場を堅持しながら、最も国民に無理を与えぬ、実情に適したところの予算補正を行わんがためであります。このためには、従来の実績にかんがみまして、公共事業等を一律に削減するがごとき方法を避け、工事の進捗の実情に応じ真に不用となること確実なるもののみを節減いたしまして、地方の要望にこたえ得るがごとく配慮を加えておるのであります。すなわち、今回の予算補正は、わが党の政府にして初めて実行し得るところの、じみではあるが堅実かつ最も適切な措置であるのであります。この健全性の上に立って初めて明年度予算が編成せられるのでありまして、来たるべき通常国会におきましては、わが国独立の完成、経済総合計画の実施、福祉国家の建設等の政策が国民の絶大なる要望にこたえて提案せられることになるのであります。十分皆様も御期待をいただきたいと思うのであります。
 これに対して、社会党の提案はいかがでありましょちか。そもそも「社会党は、五百三十億という巨額の予算補正を年度の三分の二の期間を経過した今日において要求すること自体、これは財政の常識を知らない暴挙といわざるを得ないのであります。しかも、その財源措置といたしまして、架空に近いところの自然増収百億円、予算編成上最も避けなければならないところの前年度剰余金の先食い百五十億円、事実上不可能に近いところの防衛庁費削減二百億円等々、今後の財政計画の根本をくずすような不健全かつ無責任なる手段に求めておるものでありまして、われわれはこれをとうてい責任ある公党のまじめな提案として受けとることは困難なのであります。(拍手)もしも社会党の意図に従いましたならば、明年度の予算は大増税または公債発行によるところのインフレ予算となりまして、国民を苦しめ、産業を破壊することになるのであります。すなわち、当然歳出の増加が予想されるものが五百億円を推定される。反面におきまして、歳入の増加はそれほど期待せられず、非常に窮屈な予算とならざるを得ないのであります。それに、さらに六百億円以上の財源を地方財政に支出することになりまして、少くとも千二百億ないし五百億以上の新財源を必要とするのであります。
 先ほど、田中議員より、この点に関しまして御弁明がありました。すなわち、行財政整理その他よりして、これだけの財源ができるのだというように御説明があったのでありまするが、これは全く口頭だけの問題でありまして、実際におきまして、私どもはこの数字は全く信頼することができない御説明であると思います。従って、かかる予算編成のためには、当然、大幅な増税を行うか、または不健全な公債インフレ政策によるかでなければ、社会党案として予算の編成はほとんど不可能であります。いわんや、社会党は幾多の民生安定の政策を宣伝しておるのでありますが、かかる予算では、その政策のほとんどが実施し得ないことは、常識上よりいたしましても、きわめて明瞭であります。社会党が国民に約束するところの暮しやすい世の中というものは、とうてい見込みがないばかりではなく、増税と窮乏と破壊とを持ちきたすものと思うのであります。(拍手)果して社会党はこのことを十分に検討して今回の補正を提案せられたのでありましょうか。十二分にこれを承知の上で、一時の人気取りの政策として宣伝効果をねらったものと推測されましても、まことにやむを得ないものがあると思うのであります。(拍手)かかる社会党の提案をわが党が採用いたしがたいことは当然であります。
 よって、すなわち、わが自由民主党は、政府原案に賛成、社会党提案の予算補正の編成がえを求めるの動議に反対をしようとする次第であります。(拍手)
#31
○議長(益谷秀次君) 柳田秀一君。
    〔柳田秀一君登壇〕
#32
○柳田秀一君 私は、日本社会党を代表して、ただいま上程になりました昭和三十年度特別会計予算補正の編成がえを求めるの動議に賛成の討論を行わんとするものであります。(拍手)
 細部にわたりましては、すでに予算委員会において討論を行いましたので、ここにおきましては、主として政治の本質に触れ、政治の責任に重点を置いて申し述べることにいたしたいと存じます。従いまして、自由民主党の諸君には多少お耳に痛い点もあろうかと存じますけれども、何とぞ大政党の襟度をもってお聞き取りのほどを願っておきます。そもそも、地方財政の赤字は、昨今に始まったことではございません。ここに数年来の懸案の政治問題の一つでございました。ついにこれが行き着くところまで行き、にっちもさっちもならなくなった最大の原因は、従来の内閣が歴年不徹底な財政措置を繰り返したその累積にほかなりません。(拍手)問題は単に平衡交付金や交付税の税率たけではなく、地方団体にとっては行政運営上の羅針盤ともいえる地方財政計画を、もろもろの条件の異なる昭和二十五年度決算を基礎にして積み上げてきたことに根本の原因があったと考えるのであります。(拍手)狂った羅針盤を与えられた地方丸という船は、いかに名船長がかじをとっても、まともに航行ができないのは当然であります。しかも、この誤った地方財政計画が、地方の主要財源たる交付税の繰り入れ基準とせられて、ますます地方窮迫の度を深からしめていることは、皆さんもよもや御否定はなさいますまい。過年度はしばらくおくとしても、本年度のみをとってみても、当初百四十億の赤字の出た地方財政計画を、赤字の計画では体裁が悪いというので、無理に数字だけバランスを合せるといった、くさいものにふたをするような無謀なことを、この春政府はあえてなさったのである。(拍手)なるほど、机の上では簡単に赤字は消えもしましょうが、現実の政治では依然として赤字が出るのは、三歳の童子といえども初めからわかり切ったことであったのであります。それを、今ごろになって、政府はあわてて対策に狂奔する。与党の代議士会がてんやわんやのありさまで、ついには本会議まで流れる。(拍手)自業自得とはいいながら、何たる醜態でありますか。(拍手)国税三税の減税のはね返りも考慮して、地方の独立財源たる交付税の引き上げを年度初めから主張し警告をした社会党の正しき理論に耳を傾けなかった諸君たちの不明を、諸君たちは今こそ陳謝すべきであると思うのであります。(拍手)しかし、われわれとしても、自治体みずからに財政運営上の過誤なしとは決して言っているのではございません。ただ、今日の事態にまで追い込んだ責任の大半は、過去の内閣と、その予算案に賛成の白票を投じてこられた諸君にあることを、諸君らみずから御自覚なさいと申しておるのであります。(拍手)
 およそ、政党政治の妙は責任政治にあります。内閣とともに与党の連帯責任における政治、これが政党政治の真髄であることは、憲政のイロハでありましょう。にもかかわらず、それだけの自覚があなた方にほんとうにおありになるのかどうか疑わしい。中には、敵は社会党ではない、大蔵官僚なりといったような、属僚にまで責任を転嫁せんとするような暴言を吐く人が政府の中にもある。(拍手)あるいは、また、地方の赤字が地方側の放漫財政にあるかのような言辞をえてして弄せられる一萬田大蔵大臣、あなたは、御郷里大分県の知事になられて、現在の県政を黒字にする自信があったらやってみなさい。(拍手)
 私は、いたずらに、あなた方に責任を責めているのでは決してありません。われわれの常識では、今回の臨時国会の目的からしても、当然、地方制度調査会あるいは地方財政審議会からの答申ないしは意見書を十分に尊重した処置がとられるものと確信し、期待しておったのであります。おそらく、府県、市町村も、ひとしく同様の期待を持っておったであろうと思います。ところが、今回の措置はこの期待を裏切るものはなはだしいといわなければなりません。全く一時のがれのごまかしであります。
 大蔵大臣は、予算委員会において、地方財政については弥縫的方策で当面を糊塗することを許しませんと述べておられる。その言やまことによし、その事実や全くの逆であります。(拍手)すなわち、公共事業においては、それが繰り延べにせよ削減にせよ、言葉のあやはいかようでもよろしいのです。事は、問題を一時延ばして、将来の紛糾の種を一そう大きくしただけです。これこそ弥縫的糊塗策ではありませんか。公共事業の繰り延べが例年巨額に達するというならば、なぜ、あなた方は、前国会においてあれほど大騒ぎをして、最後には二一天作の五というような工夫をして、増額修正をあえてなさったのでありますか。まさに朝令暮改の典型であるばかりでなく、あなた方自分自身が多数をもって権威ある国会の審議権をもてあそんだと非難されても、一音半句も弁解がないでしょう。(拍手)あったら言ってごらんなさい。人間は、痛いところをつかれると、つい音を上げる本能があります。(発言する者多し)しばらくの間御清聴をお願いいたします。
 また、公共事業に伴う地方負担の軽減額二十八億を財源として見込んだと述べておられる。このような、地方それぞれの事情によって生ずることのある年度末の不用額は、地方団体固有の財政事情に属する事柄で、国の経費でも予算でもない。これをしも、なお国において財源措置をしたという根拠がどこにありますか。現に、政府が、地方行政委員会において、わが党委員のこの点の追及にあうや、てんでんばらばら、筋の通った答弁ができないではないか。太田自治庁長官に至っては、正確なる財源措置ではないが、財源措置と同じ効果のある財源措置と考える、(笑声)まことに前代未聞の苦しい詭弁であります。むしろ、こっちで聞いていて気の毒になるくらいだ。ごまかしはやめなさい。国の財源措置は三彩に見合う百八十八億だというようなごまかしを捨てて、男らしく、国の財源措置は百六十億だけだと訂正されたらどうですか。
 あるいは、また、公務員の年末手当にしても、義務教育費国庫負担分についても、明年度の清算負担としたり、さらにはなはだしきは、地方公務員に対しては、ただいま床次君は財源措置ができておると言っておられますが、わずかに資金運用部からの短期融資で糊塗せんとしておるありさまであります。この融資は、単なる資金繰りにすぎません。国は地方団体に何らの財源措置は見ていないのであります。たとえば、同じ警察で机を並べて働きながら、金ぴか組へは国から年末手当が出る、おまわりさんは赤字に悩む地方団体からは出ない、こういうような不公平は随所に見受けられるでありましょう。このことは、とりわけ私は重大だと思います。何となれば、従来のこのような政府の地方に対する独善的な態度こそが今日地方財政を苦しめてきた根本の原因であったにもかかわらず、しかも、地方財政は、今日、火の車で、焦眉の急を告げておるやさきにもかかわらず、またまた、何の反省もなく、同様の押しつけが繰り返されんとしておるからであります。これでは、政府は、地方に対して、左手でほおをなでながら、右手で頭をどかんとなぐりつけておるものといわざるを得ません。少しは自治体の理事者の苦労もくんでやるくらいの親切がなければ、日本の行政は、国と地方との間に断層ができて、地方は喜んで政府に協力する態勢にはならぬということを憂えるのであります。(拍手)
 これを要するに、今回の政府の措置たるや、まさに、カンフル注射をするといいながら水を注射しておるようなものであります。(拍手)これでは、社会党はとうていこのような政府案は承服できません。独善やごまかしを捨てて、日雇い労働者、生活保護家庭への年末手当をも含めて、地方に財源不足額を正しく補てんし、筋の通った補正予算として組みかえを要求するわけであります。ただ、年度半ぱの補正でありますから、決して無理な要求をいたそうとは毛頭思っておりません。これに見合うゆとりのある財源を示して政府に善処を要請するゆえんは、少くとも今回これくらいの措置をしておかなければ、明年度の地方財政計画が成り立たないからであります。
 最後に一言申し添えておきます。すなわち、先般、あなた方の代議士会で、われわれの主張のように、交付税率の引き上げや防衛費の繰り越しを財源にすべしとの声が、たとい鶏群の一鶴にもせよ、聞かれるに至ったことであります。(拍手)さすがに、自民党の中にも、いわゆる野に遺賢はおられるということ、わが党の正論が漸次保守党の中にも浸透しておるということ知り得ました。(拍手)二大政党対立の今日、われらの名誉ある反対党の尋に御同慶にたえぬのであります。(拍手)
 重ねて申します。地方財政今日の事態は、あなた方積年の悪政の結果であることを率直にお認めになって、何ぞわれわれの正しき主張にすなおに耳を傾けられ、不承々々政府案に賛成さるより、少くとも良心を持ってわれわれの正しき主張に御賛同あらんとを望みまして、私の討論を終ります。(拍手)
#33
○議長(益谷秀次君) これにて討論H終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、赤松勇君外十五名提出、昭知三十年度特別会計予算補正(特第2号一の編成替を求めるの動議につき採決たします。この採決は記名投票をもって行います。赤松勇君外十五名提出の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられん、)とを望みすす。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#34
○議長(益谷秀次君) 投票漏れはありませんか。投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。閉鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#35
○議長(益谷秀次君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
  投票総数三百五十
   可とする者(白票)  百二十九
    〔拍手〕
   否とする者(青票) 二百二十一
    〔拍手〕
#36
○議長(益谷秀次君) 右の結果、赤松勇君外十五名提出の動議は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 赤松勇君外十五名提出の動議を可する議員の氏名
   阿部 五郎君  青野 武一君
   赤路 友藏君  赤松  勇君
   淺沼稻次郎君  足鹿  覺君
   有馬 輝武君  淡谷 悠藏君
   井谷 正吉君  井手 以誠君
   井上 良二君  井堀 繁雄君
   伊藤卯四郎君  伊藤 好道君
   猪俣 浩三君  池田 禎治君
   石田 宥全君  石橋 政嗣君
   石村 英雄君  稲富 稜人君
   稻村 隆一君  今澄  勇君
   今村  等君  小川 豊明骨
   大西 正道君  大矢 省三貴
   岡  良一君  岡本 隆一君
   加賀田 進君  加藤 清二君
   風見  章君  片島  港君
   片山  哲君  勝間田清一君
   上林與市郎君  川俣 清音君
   川村 継義君  河野  正君
   木原津與志君  菊地養之輔君
   北山 愛郎君  久保田鶴松君
   栗原 俊夫君  小平  忠君
   小牧 次生君  小松  幹君
   五島 虎雄君  河野  密君
   佐々木重三君  佐竹 新市君
   佐竹 晴記君  坂本 泰良君
   櫻井 奎夫君  志村 茂治君
   島上善五郎君  下川儀太郎君
   杉山元治郎君  鈴木茂三郎君
   田中織之進君  田中 利勝君
   田中 稔男君  田原 春次君
   田万 廣文君  多賀谷真稔君
   高津 正道君  滝井 義高君
   竹谷源太郎君  楯 兼次郎君
   辻原 弘市君  戸叶 里子君
   堂森 芳夫君  中居英太郎君
   中崎  敏君  中村 高一君
   中村 時雄君  中村 英男君
   永井勝次郎君  成田 知巳君
   西尾 末廣君  西村 榮一君
   野原  覺君  芳賀  貢君
   長谷川 保君  原   茂君
   原   彪君  甲岡忠弐郎君
   古屋 貞雄君  帆足  計君
   穗積 七郎君  細迫 兼光君
   細田 綱吉君  前田榮之助君
   正木  清君  松井 政吉君
   松尾トシ子君  松岡 駒吉君
   松平 忠久君  松原喜之次君
   松前 重義君  松本 七郎君
   三鍋 義三君  三宅 正一君
   三輪 寿莊君  水谷長三郎君
   武藤運十郎君  門司  先君
   森 三樹二君  森島 守人君
   森本  靖君  八木 一男君
   八木  昇君  矢尾喜三郎君
   柳田 秀一君  山口シヅエ君
   山口丈太郎君  山崎 始男君
   山田 長司君  山花 秀雄君
   山本 幸一君  横路 節雄君
   横山 利秋君  吉川 兼光君
   吉田 賢一君  和田 博雄君
   渡辺 惣蔵君  岡田 春夫君
   川上 貫一君  小山  亮君
   中原 健次君
 否とする議員の氏名
   相川 勝六君  通達  寛君
   愛知 揆一君  青木  正君
   赤澤 正道君  芦田  均君
   荒舩清十郎君  有田 喜一君
   有馬 英治君  安藤  寛君
   五十嵐吉藏君  井出一太郎君
   伊東 岩男君  伊東 隆治君
   伊藤 郷一君  生田 宏一君
   池田 清志君  池田正之輔君
   石井光次郎君  石坂  繁君
   石橋 湛山君  一萬田尚登君
   稻葉  修君  今井  耕君
   今松 治郎君  宇都宮徳馬君
   植木庚子郎君  植原悦二郎君
   値村 武一君  臼井 賎一君
   内田 常雄君  内海 安吉君
   遠藤 三郎君  小笠 公甜君
  小笠原三九郎君 小笠原八十英君
   小澤佐重喜君  越智  茂君
   大麻 唯男君  大石 武一君
  大久保留次郎君  大倉 三郎君
   大島 秀一君  大高  康君
   大坪 保雄君  大野 伴睦君
   大橋 武夫君  大橋 忠一君
   大村 清一君  太田 正孝君
   岡崎 英城君  荻野 豊平君
   加藤 精三君  加藤 高藏君
   加藤常太郎君  上林山榮吉君
   亀山 孝一君  唐澤 俊樹君
   川崎末五郎君  川崎 秀二君
   川野 芳滿君  菅  太郎君
   木崎 茂男君  木村 文男君
   菊池 義郎君  岸  信介君
   北村徳太郎君  清瀬 一郎君
   久野 忠治君  草野一郎平君
   楠美 省吾君  倉石 忠雄君
   黒金 泰美君  小泉 純也君
   小枝 一雄君  小金 義照君
   小坂善太郎君  小島 徹三君
   小平 久雄君  小林  郁君
   小林  鋳君  小山 長規君
   河野 一郎君  河野 金昇君
   河本 敏夫君  高村 坂彦君
   纐纈 彌三君  佐々木秀世君
   齋藤 憲三君  坂田 道太君
   櫻内 義雄君  笹本 一雄君
   笹山茂太郎君  志賀健次郎君
   椎熊 三郎君  椎名悦三郎君
   椎名  隆君  重政 誠之君
   島村 一郎君  正力松太郎君
   周東 英雄君  須磨彌吉郎君
   鈴木周次郎君  鈴木 善幸君
   鈴木 直人君  薄田 美朝君
   世耕 弘一君  瀬戸山三男君
   田子 一民君  田中伊三次君
   田中 角榮君  田中 龍夫君
   田中 正巳君  高木 松吉君
   高碕達之助君  高瀬  停君
   高橋 禎一君  竹尾  弌君
   竹山滋太郎君  千葉 三郎君
   中馬 辰猪君  塚田十一郎君
   塚原 俊郎君  綱島 正興君
   戸塚九一郎君  渡海元三郎君
   徳田與吉郎君  徳安 實藏君
   床次 徳二君  中垣 國男君
   中川 俊思君  中曽根康弘君
   中村 梅吉君  中村庸一郎君
   中山 榮一君  仲川房次郎君
   永山 忠則君  長井  源君
   灘尾 弘吉君  並木 芳雄君
   楢橋  渡君  南條 徳男君
   二階堂 進君  西村 直己君
   根本龍太郎君  野澤 清人君
   野田 卯一君  野田 武夫君
   野依 秀市君  馬場 元治君
   橋本 龍田君  長谷川四郎君
   畠山 鶴吉君  八田 貞義君
   鳩山 一郎君  花村 四郎君
   潰地 文中君  濱野 清吾君
   早川  崇君  林  唯義君
   林   博君  原  捨思君
   甲野 三郎君  廣川 弘揮君
   廣瀬 正雄君  福井 順一君
   福田 篤泰君  福永 健司君
   藤枝 泉介君  藤本 捨助君
   淵上房太郎君  船田  中君
   古島 義英君  保利  茂君
   保科善四郎君  坊  秀男君
   堀内 一雄君  堀川 恭午君
   本名  武君  眞崎 勝次君
   眞鍋 儀十君  前尾繁三郎君
   前田 正男君  牧野 良三君
   町村 金五君  松浦周太郎君
   松浦 東介君  松岡 松中君
   松田 銭蔵君  松永  東君
   松野 頼三君  松村 謙三君
   松本 俊一君  松本 瀧藏君
   松山 義雄君  三浦 一雄君
   三木 武夫君  三田村武夫君
   水田三喜男君  宮澤 胤勇君
   村上  勇君  村松 久義君
   森   清君  森下 國雄君
  山口喜久一郎君  山口 好一君
   山崎  巖君  山下 春江君
   山手 滿男君  山中 貞則君
   山村新治郎君  山本 勝市君
   山本 正一君  山本 猛夫君
   山本 利壽君  山木 友一君
   横川 重次君  吉田 重延君
  米田 吉盛君 早給田柳右工門君
   亘  四郎君
    ―――――――――――――
#37
○議長(益谷秀次君) 次に、昭和三十年度特別会計予算補正(特第2号)につき採決いたします。本件の委員長の報告は可決であります。本件を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#38
○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって本件は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#39
○議長(益谷秀次君) 日程第一、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する調査特別委員会理事小金義照君。
    〔小金義照君登壇〕
#40
○小金義照君 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案について、委員会における審査の経過並びに結果を報告申し上げます。
 まず、本法案の趣旨を簡単に説明いたします。中央選挙管理会は、御案内のごとく、参議院全国選出議員の選挙に関する事務及びこれに関する政治資金規正法関係の事務、最高裁判所裁判官の国民審査事務並びに選挙に関する啓発、周知等の事務を所掌するために設けられたものであります。この管理会の委員及び予備委員は、国会の指名に基いて内閣総理大臣がそれぞれ五名ずつ任命することになっておりますが、この国会の指名に際しては、管理会の本質及び職務の内容にかんがみ、同一の政党その他の団体に属する者は一人に限り認められておるのであります。しかしながら、最近における政党の合同等の事情にかんがみるとき、この規定は必ずしも政界の実情に即するものとは考えられないので、今回同一政党及びその他の団体に属する者はこれを二人まで認めることにしたのが、本改正案の趣旨でございます。
 本法案は、去る六日本委員会に付託ざれ、翌七日政府より提案理由の説明を聴取し、九日、特に質疑もなく、討論を省略して採決の結果、全会一致をもって政府原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#41
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか、
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#43
○議長(益谷秀次君) 日程第二、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事保科善四郎君。
    〔保科善四郎君登壇〕
#44
○保科善四郎君 ただいま議題となりました、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果の概略を御報告申し上げます。
 御承知のように、国家公務員に対しましては夏季及び年末にそれぞれ期末手当及び勤勉手当が支給されておるの民間の給与、生計費、そのほか給与に関係ある諸条件、財政その他の事情を考慮の上、本年七月十六日付の人事院の勧告を尊重いたし、年末に支給される手当につき若干の増額の必要を認め、本改正法律案が提出された次第であります。
 次に、改正点の要旨を御説明申し上げますと、十二月十五日に支給する手当につきまして、期末手当の額を〇・二五カ月分増領して一カ月分とし、勤勉手当と合せて合計一・五カ月分を支給することといたしておるのでありますが、この実施につきましては、かなりの財源を必要といたしますので、本年度におきましては、特例措置として、本案により増額されることとなる部分につきましては、既定経費の節約、必要ある場合には既定予算の移用、流用により、各庁の長が予算の範囲内で定める割合により支給することといたしておるのであります。
 本法律案は、十二月八日内閣委員会に付託となり、翌九日提案理由の説明を聴取し、直ちに質疑に入ったので嵐ります。質疑の中心となりまし、た点は、赤字財政に悩む地方の公務員に対する措置についてでありまして、政府側からは、地方においても、国同様、経費の節約等により自主的に増額支給を行なってもらいたい、しかしながら、節約の余地のないところに対しては短期融資を認め、地方財政の赤字問題については明年度において根本的立て直しを行う際に考える旨答弁があったのであります。詳細は速記録によって御了承をお願いいたします。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党の保科善四郎より、経費節約の余地のない地方に対しては、政府は必ずその言明通りの措置をするよう希望して、これに賛成する旨の発言があり、日本社会党の森三樹二君より、地方公務員に対しても、国家公務員同様に期末手当の増額が必ず行われ得るよう政府が責任を持ってその財政の措置をするよら希望いたしまして、これに賛成する旨の発言がありました。
 続いて採決の結果、全会一致をもって本案は原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#45
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#47
○長谷川四郎君 諸事日程進かの緊急動議を提出いたします。すなわち、法務委員長提出、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#48
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。
 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。法務委員長高橋禎一君。
    〔高橋禎一君登壇〕
#50
○高橋禎一君 ただいま議題となりました罹災都市借地借家臨時処理法第二十五条の二の災害及び同条の規定を適用する地区を定める法律案の提案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、昭和二十一年九月十五日より施行の罹災都市借地借家臨時処理法は、あるいは罹災建物の旧借主に優先的に借地権を取得させ、あるいは、逆に、躍災地の借地権で今後存続させる意思がないと認められるものを消滅させるなどの道を開き、借地借家関係を調整して、罹災都市の急速な復興をはかることを目的として制定されたのでありますが、その後同法の改正により、戦災の場合のみならず、別に法律で指定した火災、震災、風水害その他の災害の場合にも同法の規定を適用して、かかる災害地の復興の促進に資することをはかったのであります。これにより、既往の大火災に本法を適用して、それぞれ所期の効果をあげております。今国会におきましても、去る十月一日新潟市の大火災に本法の適用を見ましたことは、御記憶に新たなところと存じます。
 さて、鹿児島県名瀬市におきましては、去る十月十四日と十二月三日の二回にわたって大火災が起ったのであります。ナなわち、十月十四日午前二時ごろ、名瀬市中央通りより出火いたしました火災は、木造平木ぶきの家屋が密集している上、水利の便が悪く、延焼二時間余りで、全半焼約九十戸、罹災人員四百三十名、罹災坪八千数坪、この損害約四億円に上り、焼失家屋の出家率は二〇劣、焼失地域の借地率は一八%に相なっております。次いで、十二月三日午前四時三十分名瀬市入M町より発火し、北西約五、六メート止の季節風のため、たちまち繁華街を拠なめにし、延焼四時間、千二百五十口を全半焼し、罹災人員約六千名、罹災坪数六万坪、損害約十五億円に上り、借地率二六%、借家率二一%と相なております。以上二回にわたる被害ム計は、焼失家屋千三百五十戸、地域万坪、人員六千五百名、損害額二十倍円に達するものと相なったわけであります。重ね重ねの災害をこうむられオした名瀬市市民各位に対しまして、迦く御同情申し上げる次第であります。
 かかる災害に対する国の措置といしまして、災害救助、免税等の方途ありますが、必ずや借地借家の権利閏係が問題となり、今後の住宅建設に(いての混乱、紛争が予想されますで、地元の市及び県当局も本法の適を強く要望いたしておるわけであります。
 衆議院法務委員会におきましては、名瀬市における二回にわたる罹災地一の状況を調査いたしましたところ、右一害につき同地区に罹災都市借地借萎時処理法の規定を適用し、その借地家関係を調整することが同市の円滑、急速な復興の一助となるものと考えれますので、十二月十二日、全会をもってこの成案を得た次第であります。何とぞ諸君の御賛成をお願いいたします。(拍手)
#51
○議長(益谷秀次君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
#53
○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、万国著作権条約の批准について承認を求めるの件、万国著作権条約の条件附の批准、受諾又は加入に関する同条約の第三附属議定書の批准について承認を求めるの件、無国籍者及び亡命者の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第一附属議定書の批准について承認を求めるの件、ある種の国際機関の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第二附属議定書の批准について承認を求めるの件、右四件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#54
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。
 万国著作権条約の批准について承認を求めるの件、万国著作権条約の条件附の批准、受諾又は加入に関する同条約の第三附属議定書の批准について承認を求めるの件、無国籍者及び亡命者の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第一附属議定書の批准について承認を求めるの件、ある種の国際機関の著作物にに対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第二附属議定書の批准について承認を求めるの件、右四件を一括して議題といたしますす委員長の報告を求めます。外務委員長前尾繁三郎君。
    〔議長退席・副議長着席〕
    〔前尾繁三郎君登壇〕
#56
○前尾繁三郎君 ただいま議題となりました万国著作権条約並びに同条約の第一、第二、及び第三附属議定書の批准について承認を求めるの件につきまして、外務委員会の審議の経過並びに結果を簡単に御報告申し上げます。
 従来、著作権に関する多数国間の条約といたしましては、無方式主義をとるベルヌ条約系統の条約と、方式主義をとる米州条約系統の条約とが並存対立しておりまして、戦前からこの両系統の条約の統合が企画されたにもかかわらず、容易に実現するに至らなかったのであります。戦後、ユネスコがこの問題を取り上げ、種々研窮の後、現段階では統合条約成立の見込みが少いので、統合への過程として、両系統の橋渡しの条約を作ることが実際的であるという結論に達しまして、昭和二十七年、わが国をも含むジュネーヴの国際会議においてこの万国著作権条約が作成せられ、わが国を初め、米国、英国、フランス、西ドイツ、インド、イタリア等の四十カ国の署名を了しました。この条約は、前に述べました通り、両系統の条約を統合するものではなく、単に橋渡しの役割りを果すものでありますので、ベルヌ条約の当事国であるわが国がこれを批准する場合、これによって新しい関係を生ずるのは、米州諸国、特に米国であります。
 日米間の著作権保護関係は、現在、平和条約第十二条に基く内国民待遇の相互許与に関する交換公文によって規律されておりますが、この暫定協定は、明年四月二十八日に効力を失うことになっており、その後をいかに規律するかが問題となりました。しかるに、米国は、すでにこの万国著作権条約を批准しており、また、わが国に特に有利な二国間条約を締結する見込みもない今日においては、わが国としては、ただいまの暫定協定を延長するよりも、次の二つの理由で、この際この条約を批准することにより将来の日米間の著作権関係を規制することが得策であると考えられるのであります。すなわち、第一には、暫定協定では、わが国の著作物は、米国において納本、登録等の方式を履行しない限り保護されないのに対し、この条約では、いわゆるマルC条項の援用により、右の方式履行を要せず保護されることになるのであります。第二に、暫定協定では、わが国の著作権の保護期間が米国に比して一般的に長いのに対し、この条約では、保護期間の長短がある場合は相互主義を援用することができるのであります。
 また、三つの附属議定書は、無国籍者及び亡命者並びに国際連合専門機関等の著作物を保護すること、条約の効力発生に一定の停止条件を付することを認めることを内容とするものであります。
 なお、これらの条約及び議定書は、批准書寄託後三ケ月で効力を生ずることになっておりますので、日米間の暫定協定の失効する四月二十八日までにわが国について効力を生ぜしめるためには、一月二十八日までに批准書の寄託を了していなければならぬという事情がありまして、政府は早急に国会の承認を求めているとのことであります。
 本件は、十二序五日外務委員会に付託されましたので、五回にわたり委員会において政府側の提案理由の説明を聞き、質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御了承を願います。
 次に討論に入り、社会党穗積七郎君より、できるだけすみやかに国内法を整備することを希望して賛成、自由民主党石坂繁君から賛成の意を表明せられ採決の結果、本四件は全会一致をもってこれを承認すべきものと議決いたしました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#57
○副議長(杉山元治郎君) 四件を一括して採決いたします。四件は委員長報告の通力承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なし乏認めます。よって四件とも委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#59
○副議長(杉山元治郎君) お諮りいたします。議院運営委員長提出、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略し、この際日程に追加して議題上するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
#61
○副議長(杉山元治郎君) 本案の趣旨弁明は提出者より省略の申し出がありました。
 なお、本案につきましては、議院運営委員会において、衆議院規則第四十八条り二の規定により内閣に対しその意見を求めましたところ、差しつかえがないとの意見でありました。
 直ちに採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は可決いたしました。本日はこれにて散会いたします。
    午後三時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト