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1955/12/14 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 法務委員会 第6号
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1955/12/14 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 法務委員会 第6号

#1
第023回国会 法務委員会 第6号
昭和三十年十二月十四日(水曜日)
   午前十一時二十七分開議
 出席委員
   委員長 高橋 禎一君
   理事 池田 清志君 理事 高瀬  傳君
   理事 福井 盛太君 理事 三田村武夫君
   理事 田中幾三郎君
      小林かなえ君    林   博君
      古島 義英君    松永  東君
      横川 重次君    坂本 泰良君
      中村 高一君    佐竹 晴記君
      吉田 賢一君
 出席政府委員
        内閣官房長官  根本龍太郎君
        警察庁長官   石井 榮三君
        警  視  長
        (警察庁警備部
        長)      山口 喜雄君
        調達庁次長   安田  清君
        検     事
        (刑事局長)  井本 臺吉君
        外務事務官
        (欧米局長)  千葉  皓君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        総長      池田  直君
        参  考  人
        (警視庁警備第
        一部長)    藤本 好雄君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
十二月十四日
 委員有馬輝武君、櫻井奎夫君及び神近市子君辞
 任につき、その補欠として淺沼稻次郎君、猪俣
 浩三君及び中村高一君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 委員淺沼稻次郎君辞任につき、その補欠として
 坂本泰良君が議長の指名で委員に選任された。
十二月十三日
 名古屋市立乳児院収容児に対する人権侵害に関
 する陳情書(東京都千代田区霞ケ関一丁目一番
 地日本弁護士連合会長大西耕三)(第一六八
 号)
 大隅簡易裁判所庁舎新築の陳情書(鹿児島県囎
 唹郡大隅町長黒木良行外一名)(第一六九号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員及び小委員長の選任
 参考人出頭に関する件
 法務行政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○高橋委員長 これより法務委員会を開きます。
 この際、小委員会設置に関しお諮りをいたします。すなわち、前回の理事会で協議いたしましたごとく、最高裁判所機構改革に関する小委員会、交通犯罪防止に関する調査小委員会及び外国人の出入国に関する小委員会を設置することに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○高橋委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
 なお、ただいま設置いたしました小委員会の小委員及び小委員長の選任については委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○高橋委員長 御異議なければ、これより御指名申し上げます。
 最高裁判所機構改革に関する小委員
 会
  小委員に
   高橋 禎一君  三田村武夫君
   福井 盛太君  椎名  隆君
   池田 清志君  松永  東君
   小林かなえ君  古屋 貞雄君
   田中幾三郎君  猪俣 浩三君
   細田 綱吉君
  小委員長に三田村武夫君
 交通犯罪防止に関する調査小委員
 会
  小委員に
   高橋 禎一君  三田村武夫君
   福井 盛太君  椎名  隆君
   池田 清志君  高橋  傳君
   林   博君  吉田 賢一君
   田中幾三郎君  猪俣 浩三君
   佐竹 晴記君
  小委員長に池田清志君
 外国人の出入国に関する小委員会
  小委員に
   高橋 禎一君  三田村武夫君
   福井 盛太君  椎名  隆君
   池田 清志君  高瀬  傳君
   花村 四郎君  古屋 貞雄君
   佐竹 晴記君  吉田 賢一君
   細田 綱吉君
  小委員長に高橋傳君
    ―――――――――――――
#5
○高橋委員長 法務行政に関する件について調査を行います。
 本日は、駐留軍の基地における人権問題について質疑の通告がありますので、これを許します。
 なお、本問題について警視庁警備第一部長を参考人といたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○高橋委員長 御異議なければ、さような決定いたします。
 質疑は通告順にこれを許します。田中幾三郎君。
#7
○田中(幾)委員 米軍使用基地の接収測量につきましては、各地で地元民と警察当局との間に衝突事故がひんぴんと発生いたしまして、砂川におきましては、九月十三日及び十四日、地元民の被害者は重傷者十二名、軽傷者五百七十名を出したという御報告を受けております。また、十一月五日には重傷者十六名、軽傷者三十名を出したということを聞いておるのであります。また、大高根におきましては、骨盤骨折全治三カ月を要する重傷を負いました石川慶太郎君外百五十名の負傷者を出すという大不祥事件が発生いたしまして、今後測量を続行するようなことに相なりますると、死をもって抵抗するという悲壮な決意を持っておる地元民もあるのでありまして、大高根の警察官の暴行傷害に対しては、本年十月十一日、告発人柿崎美夫の名をもって山形地方検察庁に告発の手続がとられ、また、砂川における警察官の暴行傷害については、本年の十一月十日、矢吹昭三、木田忠の両名から東京地方検察庁に対して特別公務員暴行傷害の告訴が提起せられておるのでありまして、なお、そのほかにも、これから告訴をしようという準備をしておるものが多数にあるのであります。かかる事態を生ずるに至りました根本の原因と申しまするのは政府が住民の意思を無視して土地収用の認定をいたしたということに根源があると私は考えるのであります。官房長官が後ほどお見えになるそうでありますから、この点は官房長官にお伺いをいたしますが、念のために、根本的理論といたしまして、鳩山総理は米軍に対する基地の提供は行政協定に基く義務の履行であると常に申されておるが、しかし、行政協定に基く義務の履行であっても、それが国民の利害を無視し、意思を無視し、国家の秩序を乱してまで全面的にこの履行をせなければならぬかどうかという点に私は深い疑義を持っておるのであります。調達庁長官は、この件につきましては、行政協定の実施に伴う土地の使用等に関する特別措置法の第四条によりまして、総理大臣に使用認定の申請書を提出いたしておるわけでありますが、この認定書には土地の所有者の意見を添付しなければならぬことになっておるのであります。一体この認定申請書はいつ内閣に提出されまして、それに添付した書類の内容はいかなるものであるかということの御答弁を伺いたいと思います。
#8
○安田政府委員 お答えを申し上げます。ただいまお尋ねの砂川の総理大臣に対します認定の申請は、調達局長から総理大臣に出されたわけであります。正確な日を今ちょっと失念いたしまして恐縮でございますが、十月であったと覚えております。それにはもちろんその特別措置法に定めてございます意見書を添付いたしまして提出をいたしたわけでございます。
#9
○田中(幾)委員 その関係人の意見書というものの内容を承わりたいのであります。
#10
○安田政府委員 意見書の内容は、多岐にわたっておりまして、非常に大部なものであります。ただいま手元に写しを持っておりませんので、詳細には申し上げかねますけれども、全般といたしまして、父祖伝来のこの土地を政府の用に提供することはできない、こういう御趣旨でございます。そのほか、飛行場が拡張されることになれば、あそこに通っております五日市街道という道路が通れなくなり、町が二つに割れてしまうので、町の活動といいますか、町自体の存立にも関するというような点も書いてあったというふうに記憶いたしております。
#11
○田中(幾)委員 そうしますると、この規定によりまして、当然個々の所有者、関係者から意見が出されたと思うのでありますが、そう解釈してよろしゅうございますか。
#12
○安田政府委員 意見書の提出に関しましては、個々の関係者に一人々々内容証明をもって意見書の御提出をお願いいたしたわけでございます。お返事の方は関係者の方全員連名でお出しをいただいたのをつけております。
#13
○田中(幾)委員 調達局長はこの認定のあった旨の通知をもちろん関係者に発送しておるわけでありますが、その調達局長からの通知は、受領を拒否されまして受け取られなかったという事実はいかがでございましょうか。
#14
○安田政府委員 その点、ちょっと私も今はっきりいたしかねますが、認定のあった旨の通知はたしか内容証明、配達証明でお送りしたというふうに記憶いたしております。
#15
○田中(幾)委員 官房長官がお見えになりましたから、時間の都合上二、三点お伺いいたします。
 砂川基地の土地収用の認定問題にからみまして、御承知の通り特別措置法の第四条によって関係者の意見書をつけて内閣に申請されたわけであります。ただいま、調達庁のお話によりますと、大部のものでありますから一括しては申されませんが、反対意見としては、それは道路をはさんでのことであるから困るという意見書をつけて内閣に申請されたということですが、官房長官、御存じでしょうか。
#16
○根本政府委員 総理に認定を求めるための決裁の手続の問題でございまするが、これは本来は非常に事務的なものでありますので、実際上は総理に詳細を報告することは従来はなかったのでありますけれども、今回は非常に政治問題化してもおりますし、なおかつ一般国民の関心も非常に高まっておる問題でございましたので、私が立ち会いのもとに調達庁長官が総理に詳細報告しております。その結果、これは総理のサインをいただいた次第でございまして、その中にはそうしたこまごましたことも報告しておったようでございます。たしかあのときに、私が一緒にいて三十分くらい話しておった記憶がございます。従いまして、従来にない詳細な報告をいたしまして、それではどうもやむを得ないということで、総理がサインしたということを私は記憶しておる次第でございます。
#17
○田中(幾)委員 大高根を初め砂川基地におけるこういう警官との衝突――騒擾と言っては大きいかもしれないけれども、非常に大きな問題を引き起しているというのは、総理大臣の認定の措置が政治的に誤まっていると私は考える。法律的に言えば、米軍に土地を使用させることが合理的でかつ適切であるという。土地との結びつきさえあれば、法律上はあるいはその決定は合法だとおっしゃるかもしれません。しかし、事は政治問題です。国民の利害に関する問題であって、ひいては生命にも関係してくるという、非常に深刻にして、しかも利害の幅の広い、しかもひいては全国に波紋を起すというような問題であります。また、このことが全国的に多数起ってくれば、米国に対する日本人の感情にも非常な影響を及ぼしてくる問題でありますから、たとい総理大臣がおっしゃる通りにこの問題は行政協定の実施に伴うところの義務の履行だといっても、無条件でしかも国内情勢を無視してこの義務を履行するということは、政治家として非常に責任を持ってもらわなければならぬ、私はかように考える。そこで、あらかじめ関係者の意見を聞いたところが、ことにあそこは五日市街道をはさんで、あれを切ってしまわなければならぬようなことになりますので、非常に反対の空気が強かった。これを押し切って総理大臣が認定したところに私は問題が起ったと思うのであります。事は、事務的に扱うべき問題でなくして、総理大臣が政治的考慮を払って、しかも、後にまたいかなることが来るだろうか、国際的にもどうなるだろうかということも考慮してやるべき問題であって、私は認定問題が今日のこの事件を生んだところの大きな問題であると思う。この間も総理大臣は本会議で、行政協定の義務の履行だからやむを得ぬ、こう言っておる。それなら何をやってもいいかというと、義務の履行も行き過ぎては困ると私は思うのでありまして、そういう問題が発生するということの予知のできる意見書が付されて申請されておったのに、総理大臣はしいてこのことを決定したということは、私は総理大臣の政治的責任が重大であると考えるのでありますが、官房長官、あなたは総理大臣でないから代理で御答弁もできぬかもしれませんが、私は、そういう意味から、義務の履行で片づけられない問題があると思うのでありまして、これは今後も起きる大きな問題でありますから、機会を見て総理大臣から直接に御答弁を聞きたいと思うのであります。あなたからお聞きするわけにもいきませんが、どうぞ、このことは私の強い意見でありますから、場合によっては質問書を出すかもしれませんから、お伝えを願いたいと思います。
#18
○根本政府委員 ただいまは私に対する質問ではございませんが、私も常時総理のそばにおりましてこの問題についてはよく存じておりますので、総理のかわりの答弁ということではございませんが、あなたの御意見に対する間接的の答弁になるかと思いますから、若干その間の経緯を申し上げますが、この認定の問題は決して単なる事務的にやったのではございません。御指摘の通り、総理がこれを認定されたにつきましては、政治上の責任を――とにかく普通においても総理大臣が一切の責任を負うのでありまするが、まして、みずからの認定によってやるということについては、重大なる政治的責任のもとにやっているのでございます。従いまして、これはただ事務的に来たからサインしたということではございません。十分にその点は政治的考慮の上に認定されたものと言って差しつかえないと思うのであります。ただ、その政治的認定の判断が、残念ながらあなたと考えを異にしている、そこに分れ道があるだろうと私は感ずる次第でございます。従いまして、この点については、私からその心境を申し上げるわけには参りませんが、決してただ事務的に来たからやったということではなく、ほんとうに、鳩山総理という方はああいうような方でございますから、なるたけそうした波乱を起したくないために、非常に隠忍に隠忍をしてきておりましたけれども、諸般の事情を考えてみて、これは認定して、一時は相当の抵抗がありましても、けりをつけて、日米間の問題はもとよりのこと、国民の納得のいく措置を今後もとっていきたいという判断のもとにやられたと見ておりましたので、その間の状況だけを御報告しておく次第でございます。
#19
○田中(幾)委員 その判断の根拠でありますが、私の申しましたのは、総理は御承知の通り義務の履行義務の履行と言っておるのであります。ですから、義務の履行であるけれども、日本の国内におけるところのこういう事態が発生するということを予想してやったとすれば、あまりに義務の履行に重きを置き過ぎやしないかと思いますし、予想しなかったとすれば認識の不足である。私どもは、どうしてもほかに道がないならばともかくも、こういう事態の発生を見て、この認定をしたというところに総理大臣の責任があると思うのでありまして、それは観点が違うと言えばそれまででありますけれども、またこれはあらためて機会を見てお尋ねもいたしたいと思います。
#20
○坂本委員 関連して。ただいま官房長官は、事業認定について単なる事務的の手続と言われたんですが、この点は少し考えが違うのじゃないかと思う。土地収用法においては、起業者の事業認定に対しては、その土地の事情のわかった者、あるいは府県知事、あるいは中央においては総理大臣になっているのですが、この軍事基地に対する特別措置法の問題の事業認定は、土地収用法にかわる事業認定だと思うんです。ですから、事業認定を総理大臣がやる場合において、事務的では法律上いかぬと思いますが、その点はどうですか。
#21
○根本政府委員 先ほど私の言った言葉に不足がございますれば訂正いたしますが、私が先ほど言ったのは、特にこの砂川の問題についての認定にあたりましては、単に書類による申請によって、調達庁長官が来たから、それじゃ、そうかと言ってやったのではなく、その間の従来の事情をずっと聞いた上で判断された、従って決して事務的に処理したのではないということを強調する意味において申し上げたのでありまして、事務的にやったというのではないのです。非常に総合的に政治的判断を加えるだめに、これは調達庁長官が総理にお話しするとき私の立ち会いも求めたくらいなんです。総理も、一緒に聞いておいてくれというような慎重な態度でやったということを申し上げるために、事務的でないと申したのでございますが、私の言った言葉に不足がございますれば訂正いたしますが、そういう意味で申し上げたのでありますから……。
#22
○坂本委員 そこで、お伺いしたいのですが、総理大臣の事業認定は、調達局から認定の申請があれば、その書面審理だけによってやるのではなくて、基本的の問題は、この事業認定については、果して砂川に基地を拡張しなければならぬかどうかという点について、日本国全部についての判断の上に立たなければならぬ。従いまして、この砂川の拡張の事業認定について、ここでなければどうしてもいかないという認定をされた根拠を承わりたい。認定された理由ですね。
#23
○根本政府委員 私がそれを答弁するのはどうかと思いますが、これは御承知の通り、従来飛行場としてあるいは軍事基地として八十何カ所も要求されたのを、ぐんぐんしぼって五カ所になったわけです。その間において、アメリカ側との折衝、あるいは国内における適地というものを総合判断した結果、あそこに参ったのでございます。従いまして、あそこまで来る間に、十分に、代替地がないという判断のもとに仕事を開始し、しかもそれが最後の段階において事業認定をいただかなければならないというようになった事情を、詳細に調達庁長官が総理に御説明をし、それに基いて判断したということは先ほど申した踊りでございます。
#24
○坂本委員 私がお伺いするのは、大体今までの軍事基地に対するこういう認定を見ますと、調達局が形式的に申請をすれば、ほとんどその通り認定している。ところが、この砂川の問題は、御答弁にもありましたように、前々から五日市街道を中心としてのこの拡張に対しては非常に反対がある、これは東京都内ですからよくわかっているはずです。従って、そういう強力なる反対があるにもかかわらず、なお押し切ってこれを事業認定をしたというところに問題があると思います。だから、総理大臣が事業認定をされるにおいて、このような事情である砂川の問題に対して、そういう点についての判断はどういうふうに考えられてやられたか、それをお聞きしたい。
#25
○根本政府委員 これは先ほど申した通り総合的な政治判断のもとに決定したものでございます。反対の強いことも事実でございますが、これを具体的に論争するとまたいろいろな論争になるから避けたいと思いますが、御承知のように、あそこには、条件派と申しますか、補償額が適切であるならばむしろあの土地を離れたいという人も相当あることは事実です。この前、いわゆる現地におけるいろいろな実力が行使された場合におきましても、あなた方も御承知のように、現地民を前線に立てた形にはなっているけれども、あるいはイデオロギー、あるいは政治的な一つの信念に基いてやったでございましょう、総評の諸君あるいは労働組合の諸君が前線に立っているのでございます。そのために公務の執行ができなくなったために、警察官の出動を求めざるを得なくなってきている。これがどこまでも地元民と関係当局との話し合いであるならば、あれほどまでにあれはならなかったと思います。それからまた、拡張に基くところの道路も、道路というものは絶対変更すべからざるものではございません。必要によってはいくらでもつけかえもできる。そういう措置は十分にとる。これは、従来でも、あえて軍事基地のみならず、都市計画の変更あるいはまた鉄道の開設、ダムの建設等にこれは当然必要欠くべからざることとして起ることでございまして、それと同様に考えていたしますれば、必要なる道路をつけかえてもやり得る。こういうようなことからして、総合的に判断いたしまして、この際は条約上の義務等とも関連いたしまして事業認定することが政治的に至当なりと総理大臣は判断されまして認定された、こう申し上げるよりほかないのでございます。
#26
○坂本委員 それは、結果論からそう言われますけどれも、今までの軍事基地に対する政府のやり方は、合同委員会に何もそういうことは言わずに、向うから要求があればオーケーで合同委員会を通過させて、そうして、戦前の官僚的に調達局の役人は考えて、何でも百姓は納得するんだ、押えればできるんだ、そういう甘い考えのもとに、やはり砂川もそういうような考え方で事業認定の申請をして、そうして、この事業認定も、今官房長官が言われたような総合的に判断をせず、すらすらとやってしまったわけです。それだから、初めて農民が――これは決して労働組合がイデオロギー的にやったものでも何でもないのです。あそこに行って見ればわかる。農民のその農地を離れることに対する非常な抵抗が基本になってこういう不祥事件まで起きたわけです。ですから、今までの全国のいろいろの、板付にしろその他にしろ、総理大臣の認定を見ますと、さっき申しましたように、合同委員会で向うから要求されればオーケーでそれを承知して、そうして形式上の書面を作って、そうして申請をすると、総理大臣が形式上すぐ認定をする。そこに基本の誤りがあるし、この問題の基本があると思うのです。ですから、その労働組合がどうのこうのというのはあとの結果からの問題で、これについてはわれわれは大いにこれから警察その他についても聞きたいこともあるのですが、およそ砂川の認定の際にも、そういうようなわけで、認定しておけば何とかなるというような軽い考えでやられたんじゃないかと私は思う。それがこの大きい問題になって、不祥事件まで起きた。ですから、この総理大臣の認定については、単に調達局が申請すると、それに対してめくら判的に認定をやっておるわけです。おそらく砂川もそういうことでやったんじゃないか。それについては、先ほど田中委員から言われたように、もう少し政治的に考慮をしなければならなかったのじゃないか。果してそれをやられたかどうかについてわれわれは疑問を持っておるから、まず今日は官房長官にお聞きをしたわけです。ですから、砂川の問題については果してそこまで考慮に入れてやられたかどうか、これはあとでもまた追及する点はあると思いますが、重ねてお聞きしておきたい。
#27
○根本政府委員 これは田中さんにもお答えした通りでございまして、あとは認識の違いと申しますか、意見の違いになってきそうでございますから、私は先ほどの答弁をもってあなたに対する答弁といたしたいと思います。
#28
○中村(高)委員 関連してちょっと官房長官にお尋ねしたい。基地の問題についての担当大臣は労働大臣でありますが、官房長官としていろいろこの問題についてお考えになっておると思うのでありますが、われわれも、基地の問題について政府と折衝をいたします場合に、どうも労働大臣が調達関係をやるのでまことに工合が悪くて、話をしても、おれは労働の方はわかるけれども、どうも調達庁の方はわからぬからというようなことで、西田労働大臣の際にも一々調達庁の長官に来てもらわなければさっぱりわからないのでありまして、砂川の問題でも、いろいろ折衝をするけれども、支障があったのです。昨日また倉石労働大臣に会ってみると、おれは基地の問題はまだどうもさっぱりわからないのだということで、あまり熱意もないし、話をしてみても工合が悪いし、近いうちにおれはほかの者にかわってもらいたいのだということで、ことに収用の場合などに労働組合が出てくる、おれは労働大臣で労働者の福利厚生ということも考えねばならぬ立場にある者が、労働組合とまっ正面から戦うというのはどうも工合が悪いように考えておると言っておりましたが、けさの新聞を見ると、福島調達庁長官談として、今度は労働大臣の担当でなくて防衛庁の長官が担当するようになるということを言うておりますが、これは何か閣議ででもきまったことでありますか、あるいは政府の方針の一部がそういうふうに現われたのか、一応この問題をはっきりしていただきたいと存じます。
#29
○根本政府委員 調達庁担当の国務大臣をだれにするかということは、これは歴史的にもいろいろ変遷があるようであります。かつて調達事務が物資関係に集中されておった当時、たしか第三次吉田内閣当時は山口喜久一郎君がなっておりました。その後小坂君が労働大臣のときに調達庁担当になった。それから慣例的に労働大臣を担当しておる国務大臣が調達庁をやるという形になってきたことは事実でございます。西田君が労働大臣当時、調達事務のおもなものはむしろ土地関係に集中されておる、いわゆる軍事基地に関係するものが多い、しかもそれは日本の防衛のための施設であるから、従ってむしろ防衛庁が担当すべきじゃないか、こういう意見を吐かれたことはございます。また一方、防衛庁では、これは本来は対米関係の仕事であるから外務省でやるべきだ、こういう議論もありましたが、それは単なる座談として聞いただけであります。政府は現在これについては何ら正式に議題として取り上げ決定はいたしておりません。しかしながら、現在行政管理庁において全面的な行政機構の改革の素案を練っておるのでありまして、その際において現在の調達庁を果して総理府所属にしておくべきか、あるいは実施官庁でありますから、実施官庁の方のどこかの省につけるべきか、これは研究の課題になっておることは事実でございます。従って、今のところ直ちに調達庁担当国務大臣を今の倉石君から他にかえるという意思は政府としては持っておりません。
#30
○中村(高)委員 この問題は、今官房長官も労働大臣が所管をすることについていろいろ支障のあることをお認めになっておるのだろうと思うのでありますが、今後五つの基地の拡張というようなことで相当いろいろの政治的な問題も起ってくるし、事務的な折衝もせなければならぬ問題がたくさん出てくると思いますから、今度政府の責任者はどなたになるかわかりませんけれども、どうも兼任でおれはわからぬからというようなことで責任を避けられるというやり方でなく、どの大臣の所管になるか、一つ、この問題と取っ組んで、いつでも政府の代表者として話し得るような機構にしてもらいたいという希望を一つ申し上げておきます。
 もう一つだけ質問をいたしておきたいのは、この基地の接収問題について一番問題の起ります原因は、私は行政協定の不備にあると思うのです。調達庁の役人などが直接この問題に当っても、今の土地の収用のやり方ではとても今後も問題の解決は困難だと思われるのは、私は行政協定に起因すると思うのであります。その一つは、この接収の問題を協議するために日米合同委員会が開かれるのでありますけれども、第一、この合同委員会の内容を見ると、両方の代表者が一人、――あるいは補助する者は出るのでありましょうけれども、一人ということになっておるのであります。これが、われわれが現地の諸君の意見などを聞いてみても、米軍側に自分たちの実際において困っておる実情あるいはここを変更してもらいたいというようなことを訴えようと思っても、直接折衝の衝に当る合同委員であるアメリカ側の代表に全然会うこともできないし、いろいろの伝達をする機会がないのです。合同委員会というものを全然秘密に開かれて、いや合同委員会できまったのだというけれども、どういうふうな折衝が行われたのか全然わからないし、地元民がたびたび訴えようと思うことが、日本の政府の人にはあるいは訴えることはできるかもしれませんけれども、実際米軍側に一つほんとうのことを聞いてもらいたいといって訴えるチャンスがなかなかないのです。これは私は合同委員会というものに何か足りないものがあると思う。やはり合同委員会の下に何か協議の機関を作るとかして、それには地元民も入れて協議する、そこに合同委員、米軍側の者も出てきて、そして協議の際聞くことができるというようなことでもいいのでありますけれども、合同委員会は全然わからないで、いきなり、もうきまっちゃったのだからというやり方である。現在のやり方ではとうてい問題の解決はできないと私は思うのでありますが、この接収についての協議機関といいますか、そういうものに対してどうも不備のように思われますけれども、長官はどのようにお考えになりますか、御意見を聞きたい。
#31
○根本政府委員 御質問に対して、これは私が答えるのは果してどうかと思いますけれども、おそらく現在の日米合同委員会の建前は、日本の国民の利害関係者として国民の利益保護の任に当っておる日本政府の代表者がすべて代表しておるという立場においてこれはなされるものだと思います。いずれの外交交渉においてもそうだと思います。これは外交交渉の一種でございますから、外交交渉の間において相手国の政府の代表に直接他国の国民が折衝するという例はおそらくないはずです。従いまして、陳情とかなんとかいう方法はあるでしょうけれども、直接意見を具体的にその会議に反映させる手続上の機構を整備するということは、私は従来の外交の機関としてないと考える次第であります。ただし、問題は、今御指摘になったのは、日本の代表が果して利害関係者の立場を十分にその外交折衝に反映さしているかいないかということの問題になってくるのではないかと思います。この点については十分に考えてやらなければならないということだと思い、そういう御忠告だと私は考えるのでありますが、その点は、合同委員会の委員には十分にそういうことのないように注意いたすことがございますれば注意いたしたいと考える次第であります。
 それから、調達庁担当の国務大臣を専任にした方がいいという御意見でございますが、御承知のように、現在内閣法において国務大臣が総理大臣と合せて十七名になっておるのでございまして、今各省その他官制上国務大臣をもって充てるポストがそれ以上多くなっておりまして、約二十数個ございます。そうすると、全部専任にせよというと国務大臣を二十数名にしなければなりませんが、それはできません。従って、どうしても兼任にならざるを得ない個所があるのでございます。そうした場合において、問題は、その担当国務大臣がその事業について完全にマスターして、いつも責任ある措置ができるようにせよという御忠告だと思いますので、そういうふうに十分注意するよう善処したいと存ずる次第であります。
#32
○中村(高)委員 最後に長官の言われた通り、専任大臣を作れというのじゃなくて、今のようにつっかけものになって、まるで、自分はもうやむを得ず頼まれてこういうような兼任をしておるけれども、あまりやりたくもないし、迷惑のような答弁で、今のやり方はさっぱり責任を感ずる大臣でないのですよ。だから、だれでもいいですよ、外務大臣がやろうがだれがやろうがいいが、われわれが言って行ったときに、正面から取っ組んで、よし、何でも来いというような大臣にしてもらいたいという希望を申し上げておきます。
 会計検査院の方に来ていただいておりますから、その問題だけ先に質問さしてもらって、あと予定の通りに進行させてもらいたいと思います。基地の問題につきまして、損失の補償をするというのが、接収をされまする人々に対しての規定でありますけれども、会計検査院として、土地あるいは家屋等の補償について、政府から支出されまするものは一体どういう性格のものに対して補償をせられるのか、また法規の上支払わるべきものはどういうものになるのか、もっと具体的に言いますと、土地、家屋の物的な損失のほかに、政府では、条件派というか、たとえば言うことを聞いてくれる者に対しては反対派と区別して協力謝礼金というかあるいは見舞金とかいうようなものを出すのだということが伝えられておりまするけれども、そういうようなものが法律的には会計法上一体どういう扱いを受くべきものであるか、まず第一にその点の法律上の意義を承わりたいと思います。
#33
○池田会計検査院説明員 お答えいたします菌の方で土地なり家屋なりそうした種類のものを買収いたしまするような場合に、土地の対価、家屋の対価を支払いまするほかに、いろいろ土地の買収に伴いまして生じまする損失、そうした関係の補償費、こうしたものを支払います場合は、国の方でいろいろの基準を持っております。また、いろいろ社会通念その他の関係から、これはどうしても出した方がよろしいというようなそうした事態のものをいろいろ算定いたしまして決定いたしております。なお、それに対しまする支出の関係でございますが、これは予算の適当の科目からこれを支出する。そうした関係でございまするが、会計検査院といたしまして私どもが検査いたしまする場合は、今申し上げましたような政府の一定のいろいろの基準なり社会通念その他からこうしたものは出してやらなければいけない、そういうふうな積算いたしました所要の金額を適当であるかどうか、それに予算の科目が適当であったかどうか、そうした関係を慎重に検討いたしまして審査判定いたしております。
 なお、今お話しの問題は砂川町の関係のことと考えますが、それはきのう夕方私どもちょっと話を聞きましたような次第で、詳しい書類その他の関係の説明も聞いておりませず、現にまだ支出もされていないかと考えまするので、今にわかに、私ども、それの適不適につきましてはお答えいたすことがまだ時期至っていない、こういうように考えております。
#34
○中村(高)委員 今私のお尋ねをしたのは、損害に対する補償をするということは、これは今までたびたびやっておることであって問題ないことであります。そのほかに、協力をしたことに対して何か謝礼を出すというようなことが会計法上今までもあったかどうか、またそういうことが許されるかどうかをお尋ねしておるのであって、あまり詳しく調査をするとか何とかしなければならぬほどの問題でもなくて、会計検査院の事務総長であればすぐに答えられそうな問題だと思いますが、いかがですか。
#35
○池田会計検査院説明員 協力費というような種類のものを、土地の買収その他の場合に支払うことが適当であるかどうかという御質問でございますが、ありていに申し上げますると、そうした関係で特にこれこれが協力費だというようなことで、私どもが検査の場合に特に幾ら幾らが協力費だということで支出されたようなことは従来はあまり例がなかったんじゃないかというふうに承知いたしておりまするが、そうした関係の経費が適当な科目があるかないか、そうした関係等によって、実情その他から慎重に考慮しなければいけないかと思っておりますが、従来は協力費というようにして、はっきり幾ら幾らと積算されたような事例は、あまりはっきり積算されたものは聞いておりません。ただ、いろいろ補償に関連いたしましては、何と申しますか、いろいろな諸般の事情から価額を結局決定されておるような次第でございまして、協力費という気持のものですか、あるいは将来の精神的、物質的の見舞金的な関係の気持、そうした気持を、かなり単純に、類似の今までの取引の事例と比べては幾ら幾らのように考えられるが、そうしたようなことを多少いろいろ加味して今までお出しになっていたのじゃないかということは、私どもも考えられる。あるいは見舞金的な性格のもの、そうしたものが加味されているように見受けられる事例は、今までにあったものと考えております。
#36
○中村(高)委員 あいまいで、何か言いわけを言っているような答弁ですが、あなた、会計検査院の事務総長たる者、国家の会計を検査する任務にある者が、そんなあいまいな、あまりなかったとかあったとか、――あまりなかったならば幾つかあったんですか、どうですか。会計検査院の事務総長たる者、国家の支出を検査しなければならない者が、前例とかなんとか、これはきのうから言ってあるのだから、あなたもおわかりになっているのだろうから、ないならないでいいんですよ。あまりなかったというと、幾らかあったのですか。
#37
○池田会計検査院説明員 少し私の説明が悪かったと思いますが、協力費ということではっきり幾ら幾らということでお出しになったのは、従来見受けなかったように承知しております。
#38
○中村(高)委員 なかなか明瞭です。私は、補償料など、少くしろとか、あるいは出す金について文句を言っているのでも何でもないのです。出しておやりなさいよ。政府がよけい出すのはいいんだから。……みんな困っているのだから、条件派であろうが反対派であろうが、お出しになるのは決して私は文句を言うのではなくて、出してやってもらいたいのだけれども、何かあいまいな名前で国家の法律を乱すというようなことであってはならぬ。たとえば、補償の中には物質的補償もありましょうし、精神的補償もあるのですから、補償として出すのなら私はけっこうなんです。幾ら出したって、そんなことに文句は言わぬのですけれども、何か協力をして切りくずしでもさせるような、やり方がまことに下品であって、国家がやるようなことではないのだ。土地のブローカーか何かがやるならば、これに協力してくれれば一ぱい飲ませるとかいうことでわかりますよ。安田次長もおられるのだけれども、いやしくも国家が事業をやるのなら、協力したら幾らやるとかなんとか言って全くその態度が情ないから、私は聞くのである。堂々と補償として出すならばいいけれども、そういう人をいざなうような、たぶらかすようなやり方をすることは、国家として私はやるべきことでないと思うから聞いておるのであって、会計法上あなたは責任があるのでありますから、あいまいなものには支出させません。的確なものであるならばさせるということであれば、私たちも満足するのでありまするから、そういう損失以外のものは会計法上は認めませんということならばそれでけっこうであります。私は中身の多い少いなどけちなことを言っておりませんのですから、誤解のないようにして、はっきり答弁していただきたい。
#39
○池田会計検査院説明員 お答えいたします。会計検査院といたしましては、今のお話のようなことにつきましては、予算の目的、これをまず検討して、なおその予算の目的に従って今お話しの通りの会計法規に準拠して予算が適正に執行されたかどうかということを慎重に検討いたしまして検査いたす次第でございます。
  〔委員長退席、三田村委員長代理着席〕
 従いまして、今お話しのようなことも、予算の性質、あるいはどういうふうな会計法規に準拠してやったか、そういった観点からすべてのことを将来も純正に検査をする、こういうふうな立場にありますことを御了承願いたいと思います。
#40
○中村(高)委員 それならば、今までは前例がない、これから出るという場合には、どうもわれわれが法律的に解釈してみてもおかしいと思うのでありまするけれども、端的に言えば、そういう協力謝礼金というものが出てきた場合に、それは適当だと思われますかどうですか。会計検査院としてお認めになりますか。
#41
○池田会計検査院説明員 これも将来の問題でございまして、会計検査院といたしましては、予算の執行の跡を慎重に検査いたすのでありますが、将来かりに協力費のようなものが支出された場合、それが支出された予算の目的、性格等から出していいかどうかということ、それをまず検討し、なおそれが会計法規その他の手続によって適正に支出されたかどうかということを見る次第であります。
#42
○中村(高)委員 またあいまいになってしまったのでありますが、そういうごたごたしたことを答えてもらうのはまことに迷惑でありまして、法規の上においては、土地収用法でありましても、あるいは措置法でも、とにかく損失を補償するということは書いてあるのです。ところが、妙な謝礼金などというものは法律的にはどこにもないのだけれども、そういう法律にないものをあなたは検査して認めるかどうかを聞いているのでありますから、もっとはっきりしてもらいたい。
#43
○池田会計検査院説明員 今お話しのようなことにつきましては、支出された場合に今お話しのような趣旨はもちろん私どもも念頭に置きまして慎重に検査をいたすわけでございます。支出されたあとに、予算の科目なり、あるいはそれから出していいかどうか、それから会計法規その他の関係で十二分に処理されているかどうかということを、支出されたあとに検査いたしますから、お話しのようなことも十分に注意して検査いたしたい、こう考えるわけです。
#44
○中村(高)委員 なかなか立場が苦しいので、ああいうことを言っておると思うのでありますけれども、法律にないものをあなたが検査して認めるとは思わないのであります。憲法の規定からいたしましても、この点国民はいかなる場合でも差別待遇を与えられないという見地から考えましても、そういうあいまいな支出をして差別すべきものではないとわれわれは考えておるのでありますが、どうか一つ、言いにくい立場にあっても、あなたとしては、わざわざこの委員会に出て、公けの記録に載るのでありますからして、法規にないものを認めるというようなことはないはずだと思っておりますけれども、それでも、出てからあとでなければ答えられませんか。その点はいかがですか。
#45
○池田会計検査院説明員 具体的の問題になりますと、やはり検査した結果でないとお答えいたすことは私といたしましてはできない立場に――これは制度上やむを得ぬと思いますが、今はっきりどちらにも御返事いたしかねると思います。なお、くどいようでございますが、あくまで、支出された科目が適正であったかどうか、その支出の場合準拠しました法規なり会計法規その他の関係が適当であったかどうかということを慎重に検討して厳正に検査をいたします。
#46
○坂本委員 今のに関連してですが、従来土地収用その他に基いての国家の補償はたくさんあったと思います。そういう際に、ただいま中村委員から申し上げましたような見舞金とか協力謝礼金とか、こういうのがあったかどうか。それから、なかったとしても、会計法に詳しい検査院の事務総長ですから、こういうような土地収用の場合において、見舞金とか協力謝礼金とかいうことの支出をする会計法上の費目があるかどうか、その点をお聞きしたいのです。
#47
○池田会計検査院説明員 お答え申し上げます。土地収用によりまして処置しました件数は、今まで数件私どもも見ておりますが、今お話しのように協力費が幾ら幾らだということで出してあるのはないように聞いております。今までの関係では、現在までは費目には協力費とはっきり書いた費目はないのじゃないかと考えております。
#48
○坂本委員 雑費か何かであるのですか。
#49
○池田会計検査院説明員 実は、これまた少しよけいなことを言うというおしかりを受けるかもしれませんが、目は、政府におきまして、比較的実情に適するように、在来の費目は支出することが不適当であれば、これは仮の問題でありますけれども、新たに協力という費目を設置することが必要であれば、政府の方で設置されることがあります。
#50
○坂本委員 そこで、会計法はやはり憲法に基いてできておると思うのです。憲法二十九条には私有財産に対しては公正な補償をしなければならぬということがあるのですから、これに基いて補償を決定されるのです。そういたしますと、やはり補償についての会計法もそれに基いてできておると思うのですが、見舞金とか協力謝礼金とかいってある一部の者によけいにやるということになるならば、私有財産の公正な補償についての違反になるわけです。ですから、この会計法は憲法に基いてできておると思います。従って、この土地収用の場合の補償は、全部私有財産ですから、土地、家屋その他の権利も入ると思います。これもやはりすべて公正にやる。公正にやるというのは全部平等にやるということになると思います。ですから、費目がないのが当りまえであるし、今後もそういうものを作るべきじゃないと思います。場合によって作るという今のあれは、会計法はそう勝手に費目をふやしたり減らしたりすることができるかどうか、ことに土地収用の問題について会計法上の見地からの御見解を承わりたいと思います。
#51
○池田会計検査院説明員 お答え申し上げます。まず、土地収用の処置をとった後の支出をいたします場合に、新たなる目を作ることがいいか悪いかの問題でございますが、この関係は、支出します場合に在来のすでに設けてあります目で支出できるような場合、適当な科目があるような場合は、政府の方ではこの適当と思われる科目で従来出しておられます。しかし、これは、具体的の場合にどうしても従来の目で支出ができないというような事態が起ったような場合は、これは政府の方の御処置になりますが、新たなる目を設置されることが従来もよくありました次第でございます。ただ、今お尋ねの具体的な問題になりまして、土地収用があったような場合は、結局収用委員会等においてどう決定に相なりますか、そのときの事態がどうなったかの結果によらなければ、政府の方でどう処置されることが適当かということはわからないと思います。なお、会計検査院といたしましては、土地収用委員会できまった金額で政府がお出しになるような場合、収用委員会できまったこれこれが幾らという裁定があったような場合、それは政府としてはこれはお出しにならなければいけないのでしょうから、そうしたことはやはり会計検査院としてはそれでよろしいという検査の結果になるのではないか、こう考えます。
#52
○坂本委員 費目を作る作らぬは、それはいいでしょうが、少くとも土地収用に関しては憲法二十九条の私有財産の公正な補償という見地に立たなければならない。従って、会計検査院が検査される場合においては、やはり公正な、いわゆる平等な支出をしたかどうかという点については、費目がふえようと減ろうと、砂川に千名の者があれば、やはりそれに対しては、これは反別が多いとか少いとかの差別はあるけれども、少くとも公正平等な収用がされなければならぬ。その見地に立って、会計検査院は、検査される上においては、そういう不公平になるところの費目があったならば、それに対しては会計検査院としては認めずに検査されるかどうか。
#53
○池田会計検査院説明員 会計検査院といたしましては、収用委員会におきましてきまった最低の価格につきましてはとやかく批判できないのではないか、こう考えます。検査院の立場といたしましては、収用委員会の裁定通りの金を支払ったかどうかということがむしろ検査の対象になる、これが検査院の立場であります。収用委員会の方で今お示しのような憲法の精神等はくんで十分にやらるべきことではなかろうかと考えております。
#54
○坂本委員 土地収用委員会によって決定されたのは、もちろんそれに従わなければならぬ。しかしながら、それと、収用委員会にかからないところの見舞金とか協力謝礼金というのは、やはり土地収用の補償と一体をなしておるものである。従って、収用委員会にかかったことだけではなくて、砂川の土地収用に関する補償についての会計検査は、収用委員会の決定以外のものがそういうふうにしてかりに見舞金とか協力謝礼金という費目が出たならば、それも合せて、公平に憲法に基いて補償ができているかどうか、こういう点は会計検査院としては総合的に考えて検査しなければならぬと思いますが、いかがですか。
#55
○池田会計検査院説明員 会計検査院といたしましては、先ほども中村委員の方にお答えいたしましたが、支出後にいろいろな観点から慎重に公平に検査をいたすということをお答えする以外にありません。
#56
○三田村委員長代理 午前中はこの程度にとどめ、暫時休憩いたします。午後の会議は一時半より開会いたします。
   午後零時四十二分休憩
  ――――◇―――――
 〔休憩後は開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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