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1955/12/03 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 逓信委員会 第2号
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1955/12/03 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 逓信委員会 第2号

#1
第023回国会 逓信委員会 第2号
昭和三十年十二月三日(土曜日)
   午前十時四十分開議
 出席委員
   委員長代理理事 松井 政吉君
   理事 小泉 純也君 理事 濱地 文平君
 理事 廣瀬 正雄君 理事 早稻田柳右エ門君
   理事 井手 以誠君
      秋田 大助君    川崎末五郎君
      中村 梅吉君    松浦周太郎君
      片島  港君    佐々木更三君
      三輪 壽壯君    森本  靖君
      八木 一男君
 出席政府委員
        郵政政務次官  上林山榮吉君
        郵政事務官
        (監察局長)  久保 威夫君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (大臣官房人事
        部長)     大塚  茂君
        郵政事務官
        (簡易保険局
        長)      小野 吉郎君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      浜田 成徳君
        労働基準監督官
        (労働基準局
        長)      富樫 総一君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
十一月二十八日
 委員片島港君辞任につき、その補欠として片山
 哲君が議長の指名で委員に選任された。
十二月一日
 委員齋藤憲三君及び正力松太郎君辞任につき、
 その補欠として早稲田柳右工門君及び小泉純也
 君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
 委員片山哲君辞任につき、その補欠として片島
 港君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事齋藤憲三君委員辞任につき、その補欠とし
 て早稻田柳右エ門君が理事に当選した。
同日
 小泉純也君が理事に当選した。
同日
 理事井手以誠君委員辞任につき、その補欠とし
 て同君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 郵政事業に関する件
 電気通信事業に関する件
    ―――――――――――――
#2
○松井委員長代理 これより会議を開きます。
 松前委員長の御都合がありまして、私が委員長の職務を代行いたします。
 郵政事業に関する件について調査を進めます。この際質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
#3
○森本委員 この前の委員会で私の方から、特定郵便局長の不当労働行為についての疑いが非常に濃厚であるというところから、説明を要求しておりました。これに対する報告書をけさ郵政省の方から受け取りましたが、この内容を見てみますと、不当労働行為そのものはないというふうな報告書になっております。最後の方に十一月の二十九日に管内一般長あてに通達を発したというようになっておりますが、この通達はどういう通達を出されたのですか。それからなお大臣は参議院の本会議の方に行って、おられないそうですから、政務次官の方でもこの質疑の内容についてはよく聞いておいてもらいたいと思います。まずその通達の内容を御説明願いたい。
#4
○大塚説明員 ただいまの御質問でございますが、松山郵政局長から、文書をもちまして昭和二十八年に出しました不当労働行為についてという通達を引用して、さらに厳重に注意をするようにという内容の通達を出したという報告を電話で受けております。
#5
○森本委員 この前の委員会で私が発言をいたしまして、それですぐ私も郷里の方に帰りまして、いろいろ自分自身で調査をしたわけでありますが、この報告書では特定郵便局長が全特定の伊藤書記長なる者を案内をして回ったということが歴然と出ておるわけであります。このことだけでも若干の不当労働行為の疑いがあるわけでありますが、さらにその内容を見まして、いろいろ調査をしてみますと、家族従業員等に対して、組合を脱退をして全特定に加入した方がいいというふうな説明を局長の方からして、全特定に加入した方がよろしいというふうなディスカッションですか、そういう非常に不当労働行為の歴然と現われておるという内容があるわけでありますが、しかしこの報告書では、そういう内容まで立ち至った内容にはなっていないわけであります。これは単なる表面的な報告書でありまして、具体的の内容についていま少し詳しく調査をして、その内容をもう一回詳細に文書で報告を願いたい、こういうように考えるわけです。どうですか。
#6
○大塚説明員 とりあえず電話で松山郵政局に連絡をいたしまして、その結果、人事部の管理課長が現地に行って調査した結果を電話で報告をもらいまして、急ぎまして差し上げたのがその報告でございます。従って大体尽きておると思いますが、さらに後刻文書等によって詳しい報告が参りましたならば、またあらためて差し上げたい。もし内容が同一でありましたならば、それでごかんべんを願いたいと考えております。
#7
○森本委員 私も帰りましていろいろ聞いてみますと、そういう内容が歴然とありましたが、実はこの問題になっておりますところの下知の郵便局長には直接会いまして、今後こういうようなことを絶対にやっては困る、もしやるのならわれわれとしても正式に今後取り上げて、厳重処分するところまで徹底的に追及したいということで、直接その本人に会って注意を喚起したわけですが、本人もある程度そういうふうな疑いがあるということを自認しておったようであります。ただし私は西部の幡多郡、高岡郡、そういうところについては、そういうふうな話し合いをする余裕もなく、また四国管内におきましては、愛媛県、徳島県、香川県、このあとの三県に対しても、これと同じようなことをやっておるわけでありますが、特に高知県の幡多郡等におきましては、ここに写真まで送ってきておるわけですが、局長がちゃんとこちらの端におりまして、その次に全特定の書記長なる者がおって、この局長が招集状を出して集めておるというふうな写真まではっきり送ってきておるわけであります。高知県の東部に関する限りはそういうことを将来やらないということを言明しておりましたけれども、中部、西部の方については、そういうふうな話し合いをする余裕もなかったし、他の三県についても、私の方からそういう話し合いをする余裕もなかったけれども、不当労働行為が歴然としておるわけであります。こういう内容についてさらに具体的に調査をして、もしその事実が判明をした場合には、郵政省側としてはどういうふうな厳重な処分をせられるか、その点の御回答を願いたいと思います。
#8
○大塚説明員 不当労働行為と疑えば疑えるというような行為があったということはまことに遺憾でございまして、われわれとしては今後こういうことの起らぬように十分に戒めていきたいというふうに考えております。
#9
○森本委員 その十分に戒めるという、その具体的な方法について一つここで説明を願いたい。これは単なる戒めるということであっては、将来こういうことを起しかねない。私が帰って直接局長さん方々に話した場合でもまだあまり反省の色がなかったけれども、それでは国会に取り上げて徹底的に追及するぞ、こういうことでようやくそれでは私の方は今後いたしません、このくらいのことであって、郵政当局から厳重な注意が行っておるようには感じなかったのです。ただ局長のいわくには、郵政当局から不当労働行為があってはいけませんよ、おそらくあなたの方はそういうことをやっていないだろうと思うが、このくらいの電話でしたというくらいのことであって、厳重に郵政当局からそういうおそれがあってはならないというような通達がなされておらない、また実際にそういう指導がなされておらぬ。逆にいいますならば、そういうことは相当寛大に取り扱うというふうな点も見られるわけであって、具体的にどういうように十分に戒めるかという、そういう措置を御説明を願いたいと思います。
#10
○大塚説明員 先日の委員会でもお答え申し上げましたように、調べた結果、疑わしいと思われるような事実がありましたものですから、われわれの方から全国郵政局に対しまして、二十八年の通達を引用しまして、さらに注意通達を出すという目下準備中でございます。
 なお松山郵政局におきましては、ただいまもお話がありましたように、電話をもってとりあえずそういう行為をした局長に対して注意を促してあります。と同時に管理課長が現地調査に行きました際に、それぞれ本人に対して、疑われるような行為を今後してはならぬということを厳重に申し渡しておるそうであります。
#11
○森本委員 きょうはこの問題をやるのが本旨でありませんので、なるべく簡単にいたしたいと思いますが、単にこれは高知県、四国だけでなく、こういうことが全国的に非常に波及せられるおそれもありますし、また特定郵便局長会なるものが、明らかにこういうふうなことを全国的にやっておりますし、またこの間の委員会で私が発言をいたしましたように、実は私の選挙区であるところの周知県に最重点を置いてやりたいというようなことも、情報で入っておるわけです。私は、あなたの方から厳重なる通達なり統制なり、あるいはまたそういうふうな係官を呼び集めて厳重に今後を戒めていくというような、具体的な方策というものを立てて、そして今後絶対にこういう不当労働行為のおそれがあるというようなことのないように、あなたの方ははっきりしてもらいたい、こう考えるわけです。どうですか。
#12
○大塚説明員 われわれの方としても、不当労働行為などが絶対出ないように自粛自戒をいたしていくつもりでございます。
#13
○森本委員 それでは政務次官に大臣の代理としてお聞きをいたしますが、大体この委員会で特定郵便局制度の問題が堂々と論ぜられた。そこで特定郵便局長会というものも、出るところに出て堂々と論ずるということでなくして、要するに国会において、全逓なら全逓がそれぞれの者に頼んでこういう問題を論ずる、あるいはまた国会議員自身が自分の判断によってこういう問題を論ずる。その場合に、自分が不利益になるからといって組合に干渉し、その組合を切りくずすというような、実に卑劣きわまる態度をとることについては、これはまた法律上からいっても、公労法、労働組合法上からいっても明らかに罪人になる。こういうことが絶対にないように、あなたの方からも事務当局に対しては一つ絶えず注意を願いたいと思いますが、どうですか。
#14
○上林山政府委員 森本委員の言われるような、条章に照らして歴然と不当労働行為がある、そういうものにつきましては、われわれといたしましても、そういうことが起らないように十分に処置していきたい、こういうように考えております。
#15
○森本委員 それではこの問題は一応これで打ち切りますが、さらに私は、先ほど要求をいたしましたように、十分調査をいたしまして、詳細な報告書を出してもらいたいと思います。私の方もなおこれは調査いたしまして、次の委員会あたりでやりたいと思います。
 次に貯金局長に簡単にお聞きしたいのですが、貯金原簿の事務の機械化というようなことが今日問題になっておるようでありますので、要領よく簡単に御説明願いたいと思います。
#16
○松井委員長代理 森本君、貯金局長はまだ見えておられないのですが、見えてからお答えしていただきまずから……。井手以誠君。
#17
○井手委員 先般の委員会で問題になりました草津郵便局の強制労働に関する問題、ただいま当局から報告書をいただきましたが、この報告書は本省直接にお調べになった、確信あるものでございますか。それとも、郵便局を通じての報告によるところの報告書でございますか。お尋ねする前に、その点をまず承わっておきたいと思います。
#18
○大塚説明員 これはこの中にも書いてございますが、事実は大阪郵政監察局の調査を一応基本といたしまして、それに郵政局及び本省係員の調査を加味して総合した結果でございます。その中には、いろいろ労働基準法関係あるいは強制労働等の関係で、地方法務局に提訴せられておるというような事実もございますので、そういう点についての権威ある判定は、労働基準監督署なりあるいは法務局なりにおいてされる結果を待つというよりいたし方ないかというふうに考えております。
#19
○井手委員 総合判断の上の報告書だということでございますので、それに基いてお尋ねをいたしたいと思います。
 報告によりますると、数多くの強制労働の事実、公金不正使用の事実、その中のかなりの部分は、数が多いために事実を認められておるようでありますが、報告書に一貫して流れておりまするものは、特定局当局側にきわめて、善意にとられておるようであります。私どもの調べたものに比べますると、相当の開きがあるのでありますが、新聞にも大々的に報道されましたように、かつての炭鉱における監獄部屋あるいは徒弟制度にも比すべき、人権を尊重しなければならぬ現代にあり得べからざる事実がたくさんあるのであります。ここに私は全逓従業員組合が調査しました書類も持っており、この全逓従業員組合が調べました数多くの事実に対して、十一月二十九日の権威ある朝日新聞においては、大津法務局の佐藤人権擁護課長は「私の調べた限りではうそはないようだ」と断言している。このように全逓従業員組合の調査を事実だとして裏書きいたしておるのであります。この組合側の調査とあなた方から出されましたただいまの報告書とは、かなりの開きがある。事は一地方の特定局の問題ではありまするけれども、その内容においては断じて見のがすことのできない重大な問題がございますので、私はこの際全逓が調べました調査を一応その概略を記録にとどめて、御質問いたしたいと思うのであります。「強制労働の実態、一、保険外務員に対しては、年間の募集目標の割当を毎年二割方水増しして各人に強制割当を行い、しかも三カ月間で早期完成するよう強要してきた。そのため超過勤務手当の伴わない夜間募集が命ぜられ、募集最盛期は毎晩十時三十分に主事が出局して各人の成績を検査し、その日の成績がよくても午後十時以前に帰属すればまだ宵募集だと叱責され、成績が悪いときは午後十時三十分の検査終了後さらに引き続き募集をしてこいと命令されていた。」次いで「三月までに保険、年金の募集目標が完成すると、四月からは積立、定額、通常貯金の募集が開始され、日曜、祝祭日は出勤簿面は休日処理のままに集金カードを持たされて労働させられてきた。募集成績が幹部のきめた線まで上らなかった者に対しては、局長及び主事が毎日朝礼の際全員の前で罵倒し、あるいは本人を呼びつけて二時間から四時間のつるし上げを行なって退職を慫慂し、始末書を書かせ、本人の妻まで呼び出して妻の面前で夫が一人前に仕事できぬのは妻も責任があると前置きして、実に聞くにたえない言葉を四時間余にわたって投げつけ、結果として退職せざるを得ない状態まで責め立ててきた。また主事がストップ・ウオッチを持って同行し、予期以上の成績が上らぬときは公衆の面前で叱責する等の行為を行なっていた。二、郵便外務員に対して、局長は郵便区分競技を自局限りで毎月実施し、勤務時間終了後早い者で午後七時三十分、おそい者は午後十時を過ぎるまで練習させ、定めた基準に達しない者については一人前でないと始末書をとり、兼ねて自発的退職を慫慂していた。昨年六月に大阪郵政局の命令だといって三十六時間勤務が実施された。午前七時三十分出勤して引き続き翌日の午後七時三十分まで勤務しなければならず、これに対する超勤手当は一回につき一時間ということになっていたが、実際は全然支給していたいときもある。年末、年始の繁忙期になれば、局長が非能率的な者と考えた人たちに対し家族動員を慫慂し、郵便物を家庭に持ち帰って区分することも認め、ある者は妻、子供も呼び出されて年賀郵便の配達をさせられていた。貯金の成績を上げるためと称して、郵便外務員にも毎年臨時に定額貯金の割当が行われ、募集成績が上らねば進退伺いを書けと強要されてきた。これにも家族動員が行われてきた。三、内勤者の労働条件も、外勤者に優劣を来たさないという方針で時間外労働が強行されていた。保険内務者は、募集期には外務員が帰局して引き継ぎを受け金銭の授受をするため午後十時より早く退局することはなかった。庶務会計関係の者には、毎月一回草津局限りの試験が行われ、その結果いかんで超勤手当が増減された。万一試験の結果が悪いと、どれほど超過勤務をしていても手当がもらえないばかりか、局長、主事は反省会を開いて全員の前で該当者を強く罵倒してきた。内勤者に対して、毎日一時間の早出が命ぜられて、強制的に珠算の訓練が行われた。過去十年間強制労働の中で要注意となった者は、これ以上耐え得ないので除外してほしいと申し出たが、規律を乱す者と叱責されて認められなかった。四、強制労働の結果は、従業員の健康を著しく害し、要注意、病欠者を多数出し、死亡率も高い。また局長、両主事の言動による精神的な圧迫に苦しめられ神経衰弱になり、退職後恐怖症状の者もある。(1)現在長期療養となっている者(五名)(2)現在要注意となっている者(六名)(3)昨年に死亡した者(三名)(4)昨年中に強制退職させられた者(三名)(5)強制退職させられて今なお恐怖症状にある者(一名)(6)業務不振で傷害を加えられた者(一名)、これらの強制労働の実態は、労働基準法第五条にいう強制労働の禁止の規定に対する違反、第三十二条、労働時間、第三十六条、時間外及び休日の労働の規定に対する違反、第五十一条、病者の就業禁止に関する規定の違反、第六十一条、女子の労働時間及び休日、第六十二条、深夜業に関する規定の違反、第六十七条、生理休暇に関する規定の違反、第七十五条、療養補償、第七十六条、休業補償、第八十条、葬祭料の規定に関する違反」以上が全逓の草津郵便局における強制労働の実態に関する報告であります。
 この報告が先刻も申し上げましたように、人権擁護局においては事実であると裏書きをいたしておるのであります。この事実と当局から先刻提出されました報告とは、かなりの開きがあるのであります。私はこの際申し上げておきますが、この草津郵便局の問題が一たび新聞に発表されますならば、これだけの事実がその際発表されなくとも、おそらく当局においても、その不当労働行為、強制労働について、さっそく直接調査があってしかるべきだと思うのであります。報告によりますと総合判断とおっしゃいましたが、八月初めにわかったこの問題を、今日まで地方の郵政局にまかせられて、本月まで四カ月間まだ処分も行われていないあり得べからざる事実がある。あなた方の報告においてもあることのできない事実がたくさんあるのであります。私はこの問題については、徹底的に究明する用意と準備をいたしておりますので、一つそのおつもりでお答えを願いたいのであります。
 まずお聞きいたしますが、当局で認められておる幾多の事実についてどのようにお考えになっておるか。人権を尊重する今日においてあり得べからざるこの事実をどのようにお考えになっておるか、その点をまずお伺いいたします。
#20
○大塚説明員 ただいま井手委員から全逓の調査報告のお読み上げがございましたが、おっしゃいますように、われわれの調査したところと事実の認定などについて相当食い違いがございます。どの程度食い違っておるかということは、差し上げましたわれわれの方の報告でごらん願えばおわかりのことでございますが、われわれの方といたしましては、いわゆる法的に見た強制労働というまでのことばない、業務熱心の余り多少の行き過ぎ等はあったというふうに、大まかに申しまして認定をいたしておるわけでございます。結局局長と二人の主事と、三人とも仕事にきわめて熱心であった。そのきわめて熱心な三人が、たまたま熱心さが競合したために、人の使い方その他について行き過ぎは確かにあったというふうに認めておりまして、その行き過ぎについては適当な処分をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#21
○井手委員 事実は一つにあるべきにかかわらず、あなたの方の報告と全逓の調査が違っておる。しかし地方における新聞の報道、あるいは人権擁護局の調査、あるいは労働省の調査、これは私の調査したところでは大体一致いたしておるのであります。ところがただ一つあなたの力の郵政省の調査とは違っておる。これは単に行き過ぎである、熱心の余りの行き過ぎであると好意的に済まされるものではないのであります。事例をあげてお尋ねいたしましょう。ここで一つだけ申し上げておきます。あなたの方の報告の経理関係Aの1、「非常勤賃金については昭和二十八年三月の年度末に非常勤予算に剰余金を生じたので非常勤二名を架空使役の上、現金化しておいて後日の使用に備え、その後一名は現実に使役し、他の一名分を金庫に保管していたものである。」これは強制労働とは違いますけれども、公金不正使用に関する問題の一つの例として取り上げましたが、まだ報告書が参って私よく読みこなす時間的余裕を持ちませんので、この点だけ気づきましたが、この点だけかりにこの報告書が正しいといたしまして、役所でこういうことが通ずるものでしょうか。「その後一名は現実に使役し、」ある。私どもの調べたところでは、その一名の名前は二年前に使っておった者の名前で出されておると聞いておるのであります。果してそこまであなたが御調査になったかどうか知りませんけれども、全逓の調べと私の方とは違っておる。私の方の調べでは、仕事の熱心のあまりに行き過ぎがあったという程度のものではないのであります。まずその点どのようにお考えになっておりますか。もし調査ができておりましたならば、私どもの調査と具体的に一つ照し合わせてみましょう。
#22
○大塚説明員 非常勤賃金の問題はここにも書いてございますように、二十八年、二年前の年度末近くにおきまして非常勤賃金がたくさん配算をせられ、しかも翌年度賃金予算が減少するというような話を聞いておったというところから、余りそうな予算を使ったことに一応いたしまして、それを現金化しておきまして、一名分は現実に使ったのでございますが、他の一人分をそのまま金庫に保管したままになっておったというここに書いてある事実の通りでございます。もちろんこういう経理上の措置としましては不当な経理の仕方でありますけれども、目的は必ずしもそう非難すべきものではないし、そこに個人的な横領とか不正とかいうようなものは認められないというふうに私たちは認定をいたしております。
#23
○井手委員 今の公金の不正使用の問題については、私も実は強制労働から言及いたしましたが、全逓の調べでは、同じく公金不正の実態については、その一、昭和二十八年三月に、主として交代制要員及び非常勤職員を対象として多額の超過勤務手当が各局にこれが配算されたが、草津局では基準給与簿によって各人に支給を終ったあとに、主事が各人より一万数千円を吸い上げていた。このピンはねに不審を抱いた者が監察官に報告し、大津監察官事務所より監察官が来局して調査の結果、主事が現金として保管したので犯罪として取り扱わず、始末書で処理されたことがある。しかし事実は、監察官が来局した際主事は局長室より二階に案内し、局前の某店より九千八百円を借りてくるように命じ、これを封筒に加えて監察官にピンはね金はそのまま保管していたと述べ、かつこれは水増し支給分だったので再配分するつもりだったと付言している。このように調査に述べられておるのである。いろいろお尋ねいたしますが、人事部長は、あなたのおっしゃること、超過勤務手当の配分について、当局の調査だけでもおかしいと思いませんか。なるほど当局の部下を思いやる御配慮はわかりますけれども、事実は事実として認めてもらわなければならないが、おかしいことはございませんか。
#24
○久保政府委員 ただいま井手委員からの御指摘の事実につきましては、かつてこれを監察官が調査いたしたことがありますので、その事実を申し上げます。御指摘の点は超過勤務手当の問題でありますが、これは先ほどお話のような申告がございまして、昭和二十八年四月ごろに監察官が草津局へ参っておるのでございます。それは監察官がちょうど事務を開始いたします九時ごろに参りまして、そうして中村主事に対しまして超過勤務手当の吸い上げの事実があるかどうかということをまず尋ねたわけであります。これに対しましては中村主事を究明しましたところが、その事実があるということでございましたので、それではその金の処分はどうしたと尋ねますと、これは今金庫に保管してある、こういうことで、直ちにその金を持って来てもらったわけであります。これはその間その調査した監察官の話によりますと、二、三分の間でございまして、すぐに封筒を持って参りました。その封筒に入れました金、これは一万二百円余りの金でありましたが、これはわら半紙で再製しました封筒でありまして、そののりづけの点、それから書いてあります事柄等を見まして、これはすぐにのりづけしたものではなく、相当かたくなっておりましたので、よいかげんにその場を糊塗したものではない。そのときは監察官は認めまして、それをさらにあけましてはっきりその金額を確めましたところが、金額も足りないことはなかった。そこでこういうことはいけないことだということで、さっそく所定通りの処置をするように局長、主事にも話をいたしました。そうした結果始末書をとったことも事実でございますし、二十八年の七月七日には局長に対しまして戒告の行政処分をいたしたわけでございます。これが御指摘のことに対します監察官の取り上げました事実そのままをお伝え申し上げたわけであります。
#25
○森本委員 ちょっとお聞きいたしますが、その超過勤務手当というものを一ぺん従業員に渡しておいて、それを局長なら局長、主事なら主事が吸い上げるということは、これは一体横領ではないのですか、どうですか。
#26
○久保政府委員 お答え申し上げます。それはこれを詳しく申し上げますと、横領ではございません。実はその金は非常勤勤務者に対する超過勤務手当として相当多額なものが参りましたので、常勤の者に対する均衡もあるからということで、一応非常勤の者に所定通り分けましたあとで、みなに話をいたしまして、その一部を常勤者にも分けたいということで、一応一部を返してもらったそうであります。それをついそのまま処置しなかったところが、たまたま申告になったので、それをそのまま保管しておったということでございまして、これに対しては横領という犯罪として立件するだけの要素は備わっておりませんから、横領ではございません。
#27
○森本委員 それはおかしいじゃないですか。どういうように分けようと、とにかく支給明細書にちゃんと本人が受領印を押してもらっておれば、本人の金なんです。その本人の金を局長なり主事なりが権力をもって集めてくるということは、横領か詐欺じゃないですか。
#28
○久保政府委員 お答えします。それは強権をもってというのではなく、みんなに話をして一応それを預かったというわけでありまして、いわゆる保管をしておったわけであります。
#29
○森本委員 預かったというのは、どういうようにその金を使うつもりで預かったのですか。それから局長なり主事は、そういうように個人の金を集める権限を持っておるのですか。
#30
○久保政府委員 それは先ほど申しましたように、非常勤勤務者に対するだけのあれであったものですから、常勤勤務者たちとの公平を考えて、一応みんなにも話して一部を返還してもらった、こういう供述があったわけでございます。そのことを私申し上げておるのでありまして、そしてそれを分けるつもりでただ保管しておったということでございます。これを自分のポケットに入れてどうしたということなら明らかに横領でありますけれども、そういうことではなかったわけでございます。
#31
○森本委員 ポケットに入れる入れないじゃないのです。これは森木なら森本が何時間働いたからということでもらっておるわけです。現実にそれをもう一回集めてくるということは、どういう権限をもってやるかということです。それからその金を集めた本人はどういうように使用するつもりであったかということです。
#32
○久保政府委員 私の申し上げようがはっきりいたしませんでしたから誤解を生じたと思いますが、先ほども申し上げましたように、これは非常勤者に対する超過勤務手当が非常に多く出たというので、常勤者との割り振りも考えるとこれでは困るけれども、しかし支給はやはり非常勤者に対する超過勤務手当だからということで配算して、よくみなにも話してそのうちの一部をさらに常勤者に分けるつもりで預かった金だ、こういうわけでございます。従ってそれは何も権限に基いてどうこうというのではなく、実際に処置をいたしましたあとで、そういう意味でみんなでこういうふうにしたらという話し合いの上でやったものだと認定しております。
#33
○井手委員 あなたの御答弁を聞いておると、局長や主事の話を受け継いでおるように私は受け取るのであります。その調査の方法についてはなおあとでお尋ねいたします。
 今あとで配分するつもりであったという弁解があった。そこで、金を持ってきたのでさらに配分させたということですが、その配分は非常勤だけでございますか、常勤も含めたものでございますか。再配分の内容はいかがでしょうか。
#34
○久保政府委員 今お話の点の再配分ということは、実際にはまだいたしておられなかったわけでございます。そのために保管しておって、申告によってその金額はそういう金だということがわかったということでございます。
#35
○井手委員 その結末は。
#36
○久保政府委員 従ってこれは正当な扱いではない、こういうものは給与簿通りに支給すべきものであるという指示をいたしまして、その通りに配分いたさせました。
#37
○井手委員 指示の内容はいかがでございますか。
#38
○久保政府委員 指示の内容は算出額通り、元の通りに非常勤者に対してその金は配分すべしということでございます。
#39
○井手委員 そこなんです。やはり最初やったことが正しいのでしょう。最初やった通りに非常勤者に配分されておるのですか。
#40
○久保政府委員 もちろんさようでございます。それが正しい扱い方でございます。そういった任意なことをお互いの間でやっておったということでございますから、それはいけないことだというので、所定の処分をいたしたわけでございます。
#41
○井手委員 もし申告に基いてあなたの方の調査がなかったならば、その金はいつまでも金庫にあったわけでございますね。
#42
○久保政府委員 それはまた考査その他において発見する機会もあったろうと思います。
#43
○井手委員 そういうふうに考えて参りますと、つじつまが合えば犯罪にはならないし、横領にはならない。もしこれがほかの問題であるならば、これはおそらく横領になるであろうと思う。幸いにある者から申告があって、それに基いて調査されたから、あなたの方は犯罪の意思がなかったというふうに認められておるようでありますけれども、もし調査がなかったならば、そのまま金庫に保管されておったかもしれない。私どもの調べではその金はよそから調達してきたと聞いておるのであります。
 そこでお尋ねいたしますが、あなた方の調査は、お互いに弁解は自分を守るための言葉を言う。これは何人も同じことでございますが、調査をされるときには局長や主事の言葉だけで事を済まされようとなさるが、今回の調査において組合あるいは従業員についてもお調べになったかどうか。局側はこう言う、従業員側はこう申し立てておる、その両方の申し立てに対して判断することこそ、私は公正な調査ができるゆえんだと考えておるのでありますが、その点はいかがでありますか。
#44
○久保政府委員 その点についてお答えいたします。現在草津局の現在員は局長を含めて五十名おりますが、その五十名のうち特に非常勤の者二名、その他病欠の者を除きまして――これは数が重複いたしますけれども、調査しました人間は四十九名でございます。その四十九名について、問題々々によってでございますけれども、一応調査しております。
#45
○井手委員 調査した上の報告であるということならば、なおさら私は受け取りがたいのであります。なおあなたの方の言い分と私どもの調査したものとは相当の開きがございますので、後刻さらに現地の郵政局長なり保険部長なりあるいは監察官を呼ぶことを相談するつもりであります。
 さらに話を戻しまして、強制労働についてお尋ねをいたしたいと思いますが、労働省からお見えになっておりますか。
#46
○松井委員長代理 見えております。
#47
○井手委員 労働省の現地機関では人権擁護局と同様にお調べになっておると思いますし、また報告もすでに出されたやに承わっておるのでありますが、現地の話によりますと、共同謀議による強制労働の事実があるというふうにもお考えになっておるように承わっておりますが、報告が参っておりましょうか。
#48
○富樫説明員 本件につきましては、現地におきましても本省におきましても、それぞれ労働組合の方から申告がございます。いろいろ労働基準法の各条項の違反の点もそれぞれあるのでありますが、事件の主体は仰せの通り、主として強制労働の問題でございます。この強制労働につきましては、基準法におきまして他の事件と異なりまして、単に行政的に処理するというようなことはいたすべきものでなく、初めから司法事件として厳重にかつ的確に調査しなければならないという方針をかねて堅持いたしておるのであります。従いまして本件につきましてもそのような扱いにしております。本省からも監察官を現地の局に派遣いたしまして、その旨を伝え、特に証拠関係におきまして、事件を起訴したような場合におきまして、証拠関係につきまして十分なる処理を必要といたしまするので、終始地元検察庁の指揮を受けてこの捜査に当るようにというふうに申しておいたのであります。現地からきのう夕方相当詳しい報告が届きまして、目下慎重に検討中でございます。大体その報告書の結びといたしまして、検事と打ち合しておるけれども、なお若干の補充捜査を必要とする段階である、こういう結びになっております。なおわれわれとしては十分にさらに検討いたしまして、さらに要しますれば、本省から専門の監察官を派遣して、捜査に協力させるなり何なりいたしたい、こういうふうに考えております。
#49
○井手委員 幸いきのうの夕刻報告書が参ったということでございます。結びとしてはなお補完的捜査の必要がある。検察局と十分連絡をしてやりたいというお言葉でございます。大体の見当はつくようでございますが、それでは私が先刻ここで読み上げました全逓の調査と、あなたの報告とは大体相違ないようでございますか、筋書きとしては大体そのようでございますか。発表できる範囲でけっこうですが、一つ現地の報告の概要をお漏らし願いたいと思います。
#50
○富樫説明員 何分膨大な資料で、ゆうべ到着し、検討を始めたところで、的確にはわかりませんが、メモ的に事件の概要を申し上げますと、保険外務員十二名に対して、保険、郵便、年金、貯金の募集の水増し割当を行い、達成期日の短縮を指示し、時間外、休日、年次休暇日に労働をさせた。業務遂行打合会を開催し、各期日における遂行額に達しなかった従業員を叱責、指弾、罵倒し、職員を退職させる意思がないのに退職させるぞと告知し、万一期日までに完遂できないときは身の処置を考えろと言って、誓約書を徴した。退職決意を慰留し、辞意を翻えさせて誓約書を徴した。目標不達成者の妻を呼び出し叱責し、目標を達成できなければ辞職のやむなきことを認識させるがごとき言辞を弄した。それから郵便外務員に対して、特定労働時間以外に、郵便物道順組立練習をいろいろ行わしたというようなことでございます。
#51
○井手委員 郵政当局は今の労働省基準局長の御答弁をお聞きになったと思います。聞えたと思うのです。あなたの方の人事部長が先刻私に答弁されたことと、強制労働については主管省である権威ある労働省の調査と同じでございますか、違っておりますか。
#52
○大塚説明員 事実の認定においてはそう大した違いはないようにお聞きいたしました。
#53
○井手委員 労働省では、強制労働の事実を強制労働という名前をつけて、その熟語で報告されました。叱責したとか、強制労働をさせたとか、あるいは退職させるといったとか、そういった言葉があったはずであります。あなたの先刻の報告によりますと、業務熱心のあまり行き過ぎがあったという報告でありました。同じですか、どうですか。
#54
○大塚説明員 われわれの報告をよく詳しくごらんいただけばおわかりだと思いますが、やはり労働省の方の報告で叱責というような事柄を、われわれの方では言葉が強過ぎたというふうに認めておる。大体そう大した違いはないというふうに考えております。
#55
○井手委員 恐れ入った解釈でございます。なお強制労働の問題についてはさらにお尋ねいたしますが、その前にちょっとお伺いしておきます。同じく朝日新聞の十一月二十九日の報道によりますと、九月二十九日の滋賀県下西部特定局長会で西村大阪郵政局長が、問題になっておる特定局長の身分については、私が責任をもって保障する、こういう発言をしたということが報道されておる。また私どもの調査では、事実を曲げた答弁が大阪郵政局の保険部長からしばしば組合側に述べられておる。本省としては公正な立場で調査しなければならないことは申すまでもございません。何だか大阪郵政局が事実を隠しておこう、押えておこうという、また特定局長に対しては慈悲心の深い、最大級の好意を持っておられるように私は承わるのであります。そういうふうに印象を受けるのであります。この大阪郵政局を中心とする報告をあなたの方が大体うのみにされておるようである。なおこの点については、郵政局長なり保険部長をお呼び願いたいと思いますので、事実は後日漸次判明してくると思いますが、どうも当局の調査は一方的である。これは私は断言できると思います。
 そこで続いてお尋ねをいたします。人事部長は、先刻来業務熱心のあまり行き過ぎがあったことは事実である、こうおっしゃいましたが、まあ水増しして督励するというくらいはあるいはその表現は当るかもしれません。夜間毎日のように十時、十一時、十一時半まで勤務させる、これは単にやや行き過ぎがあるということでは済ませない問題である。勤務時間ははっきりしておるはずであります。若干の延長は、それはお互いに業務ということがありますので、あり得ることばありましょうけれども、片一方の局長側の指示によって、今も労働省の報告にあるように、指示によって深夜まで労働を行わせている。これは行き過ぎとお思いになりますか。その程度で済みますか。また休日、祭日の問題についても同様であります。しかもそれらについてはほとんど手当が支給されていない。それは単に行き過ぎくらいでよろしゅうございますか。
#56
○大塚説明員 夜間募集につきましては、これは結局募集強調期間の終り近くなりまして、最初は局長は夜間募集をしないという方針だったようでありますが、外務員側から夜間募集に切りかえるという案が出されまして、局幹部と外務員との打ち合せの上でやったというふうに聞いております。
#57
○井手委員 そこで上林山政務次官にお尋ねをいたします。ただいままで政務次官も草津の問題については大体御理解が質疑応答の中でできたろうと思っております。当局側に調査不十分の点がありはしないかというお気持があろうかと、私はひそかにあなたの気持をそんたくいたすのであります。この際当局はさらに再調査を至急に進めて善処するという態度がおありかどうか、このまま委員会の質問を続行されてもよろしいというお考えであるか。私はそのくらいの雅量を持っておるつもりでありますから。
#58
○上林山政府委員 御指摘の通り、この問題はきわめて重大な問題でありますので、本省としても直属の郵政局等と連絡の上で一応の調査を終ったのでありますけれども、権威ある労働基準局あるいは法務局等の権威ある調査も行われつつある事態でありますので、これらのものとにらみ合せて、さらに研究の上で本省が乗り出していきたいものである、こういうように総合的に進んでいきたいと考えております。
#59
○片島委員 関連して。大体井手委員から核心には触れられておるのでありますが、ちょっとつけ加えてお尋ねしておきますが、特定局の中において居残り勤務までして、郵便の競技会とか珠算の競技会とかいうものはどこでもやっておるのでありますか。普通局におきましても、郵便競技会とか珠算競技会というのを居残りまでしてやるという場合には、全国的な競技会、大会などがある場合にはやっておりますけれども、特定局において非常に無理をして競技会をやる、それも新米で入ったばかりの者は別でありますが、長年勤めておる者をおそくまで残してやらして、成績が悪いといってそれを罵倒せられる、こういうような例はほかの特定局でもあるのでありましょうか。
 それといま一つ、五十人といいますと、特定局で申しますと大局であります。そうして全逓の点検闘争により、一つの非常に封建的な特定局制度のモデル・ケースとして取り上げられておるのでありますが、五十人もおりますれば、普通の町工場でありましても相当な工場であります。普通の民間の町工場でありましても、長年勤めておる主人が、成績があまりよくないといって、その家族の者、特に妻を呼び出してお前のおやじはあまり成績が上らぬがというようなことは、近ごろあまりやらないのであります。少くとも政府機関としてやっておりますこの大局におきまして、仕事熱心さからといったところで、その人の家内まで呼び出して、お前のおやじはどうだこうだということを言うようなことが、今でもほかにもあるのかどうか。特にいかに年末時の繁忙期といえども、妻や長男あたりまで無料で加勢をさせなければはけないようならば、郵政当局としては当然臨時者か何かを入れてはかせるようにするのが当然であって、ないしょで公けの郵便物を家族の者に手伝わしてやるというようなケースも、これは珍しいと私は思うのでありますが、そういうことがあったのかどうか。特にここの局で貯蓄目標の達成懇談会をやりましたとき、十四、五名の者が集まっておりまして、とうとうその命令をする側にある主事とされる側にある職員との間で暴力沙汰が起り、相互に殴打をしたという本省からの報告があります。特定局の最も長所とするところは、局長以下家族的な和気あいあいたる中において仕事が進行せられる、運用せられるということが、一番特徴であるということをいわれておったのでありますが、十四、五人の者が集まって貯蓄をこういうふうにやろうじゃないかというところで暴力沙汰があり、相互に殴打事件があるというようなことは、これは特定局の運用において最も妙味であるといわれておったところに、一番大きなひびが入っている。しかも非常に熱心さ熱心さと言っておりますが、ここの局の事態を見ますと、主事の定員が四名、主任の定員が六名であるのに、主事は二名しか配置しておらない、主任は三名しか配置しておらない、主事も主任も半数しか定員を配置しておらぬ。御承知のように主事、主任に昇格をすれば、俸給の格づけが上ってくるのであります。従業員を遇するの道を知っておれば、ほかの特定局は、私の知っている限りにおいては、主事の定員を増してくれ、主任の定員を増してくれという要望はありますが、主事や主任の定員が余り過ぎているから半分しか使えない、しかも五十人からおる大局にそういうものに任用する資格者がおらぬ、そしてこの報告を見ると、従業員はみんなろくでもないやつばかり集まって、けんかをしたり成績は上らないという御報告がきておる。こういうケースは私はないと思う。いかに仕事が熱心であるとかなんとかいいましても、仕事熱心であるから妻を呼び出し長男を呼び出し、また特定局であるにかかわらず、古参者を居残らして競技会をやらせる、けんかまでして貯蓄目標達成懇談会をやらせる、一方においては主事、主任の定員を半分も任用しない。また御報告にありますようにもちつきや草むしりに局長が私用で使っておるということも、本省の人事部もまた認めております。これも非常に矛盾があると思いますが、こういうケースがほかにあるものかどうか、これは私はっきりと承わっておかなければならない。しかも五十人といえば、もう普通局に匹敵するくらいの大局である。それがここにモデル・ケースとして取り上げられておって、このような矛盾だらけのようなものを何とかおおい隠そうというようなことがあります場合には、二十名や三十名といういわゆる特定局の中局の場合はもっとひどいことがあっても、それが表面には出てこないというような結果になるのではないかと思いますから、非常に長年労務を担当しておられる郵政省の人事当局として、そういうケースもほかにあるものかどうか、この際承わっておきたい。
#60
○大塚説明員 夜間に郵便競技あるいは珠算競技の練習をさせるというようなことは、お言葉のように競技大会等の前以外はきわめて特定局においてはまれであると考えております。また家族を呼び出して云々という点につきましては、仰せのように特定局はきわめて家族的な気風で運営をせられるという伝統的なあれがありまして、家族にまでいろいろ内助の功といいますか、協力を求めるというようなことは、家庭を訪問したりその他においてやっておるということは、これは相当あるというふうに考えておるのであります。まあそういった点でいろいろございますが、全体的に見てまれなケースであるがゆえに、問題になったのではなかろうかというふうに考えております。
#61
○片島委員 そういういわゆる特定局の家族的なところだけを今お答えになりましたが、非家族的なところの御答弁がないようであります。たとえば、思いやりがあるならば当然ほかの特定局あたりの例に見られるように、主事や主任の定員を増してくれというような要求があるのに、ここでは半分しか使っておらない。十四、五人で貯蓄目標達成懇談会をやった場合に、主事と職員との間で暴力ざたが起るというようなことは、これは最も非家族的な雰囲気がここに御報告されておるように思うのでありますが、その点はいかがでありますか。
#62
○大塚説明員 酒の席等で多小の口論その他があるということは、これは間々あり得ることではないかというふうに考えております。なお主事、主任等の定員を十分埋めてフルに使ってなかったという点は、これはきわめて遺憾でございまして、そう例があることではないというふうに思っております。
#63
○片島委員 私が言ったのは多少の口論があるのじゃなくて、暴力ざたで相互でなぐり合いをやって仲裁が入ったという御報告があなたの方からきておるから、それを信用してあなたに問うておるのです。今でも局員が自主的にやるのは別として、大局の場合でも、いわゆる局長が、もちつきやら草むしりに加勢に出させるというようなことはこれはたまにあるだろう、家族的だから……。あるだろうが、それはあるだろうで済むものであるか、あってはならないものであるか。今日の世の中においてはもう草むしりやもちつきは――私らはやりました、強制的に。しかし今日においては、そういうものはあってはならない、そういうことがあった場合には、それは局長の失態であって、当然局長が行政的な処分を受けるべきである。それから幾ら家族的といえども、局長とそれから奥さんと子供が局員だという無集配時定局のような場合はいざ知らず、五十人から寄り集まったところの職場は、相当いなかの町にしては大きな職場でありますが、先ほどから家族的だからと言われるのでありますが、妻あたりを呼び出して、お前のおやじはどうもできの悪い男だというようなことを言うことは、特定局の家族的な雰囲気からみてあり得ることであるし、ということは、あってもいいのだ、こういうふうにお考えなのかどうか。さらに年末年始といえども家族を手伝わさせないで、臨時職員などを配置すべきではないか、この三つの点についてお伺いしておきます。
#64
○大塚説明員 もちつきと草むしりとに家族を使役するということは、自発的にやられた場合は別といたしまして、そうでなければ好ましくないことであることはもちろんでございます。
#65
○片島委員 これは使役していたという事実がある。あなたの方の御報告に使役と書いてある。あなたの方の御報告を私は信用しておる。
#66
○大塚説明員 事実はその通りでございます。それからこれもこの報告にございますが、妻は結局主人が病気中にそのかわりに働いたということであります。しかしこれといえども好ましいことではございません。なお家族を使ったうちで、長男にはちゃんと賃金を払っておるというような事例もございます。賃金を払って非常勤として使ったというのならば当然でございますが、賃金を払わぬという場合には当然やってはならぬことであると考えます。
#67
○片島委員 六ページの終りの方に「募集成績不振の貯蓄関係外務員の妻を局に呼出して、局長が主人の勤務振りを説明し家庭の協力を要望したこともある。」これは病気でも何でもないのです。だから、成績のいいのを呼び出したのなら奥さんはほめられたのでありましょうが、成績不振のAやWを呼び出したのでありますから、おそらく主人の勤務ぶりを説明する場合には、お前の主人はできが悪いというようなことであったろうと思う。そうすれば首になると大へんだというので、これは主人を説教するよりもなお強いことになりますが、こういうことはあまり例のないことであるし、家庭的な特定局の雰囲気からした場合にはこういうこともいいのだ、仕事熱心さのあまりにはやむを得ないのだとお考えでありましょうか。
#68
○大塚説明員 家族を呼び出して叱責するとか、あるいは主人の悪い点を言うようなことは、これは好ましくないと考えます。
#69
○井手委員 それでは私ある程度で打ち切って譲りたいと思います。人事部長のお答えは、どうも今日はさえないようでございますな。私はいろいろ事実も調べておりますので、後日具体的に一つお尋ねをしたいと思います。そこで強制労働の内容については、本日はこれ以上触れません。大体先刻も政務次官からお答えがあったように、再調査もなさるでしょうし、権威ある労働省の調査と相まって、きわめて適正な処分についての準備が進められると期待いたしております。今日はこれ以上申し上げません。
 そこでこの際一、二点簡単にお尋ねいたしておきたいことは、この草津の、天下に名前を売った郵便局長さんは、地方では非常に有力者であると承わっております。特定局長会の役員とかあるいは何とかという肩書きがあるのでございましょう。また郵政局の幹部とも非常に親交があると承わっております。その辺のことについても本省において御調査が進められておるのかどうか、この点をまず承わりたいと思います。
#70
○大塚説明員 特定局長が自治的に作っております局長会の会長をやっておったというふうな報告を受けております。郵政局の方は、個人的にどうこうというところまでわれわれ深くわかっておりませんが、もちろん幹部といいますか、局長会の会長等をやっておりますれば、相当面識その他はあるはずであると考えております。
#71
○井手委員 これは保険局長の方がいいかと思いますが、業務熱心のあまりに行き過ぎた特例によって、この草津局は過去四カ年間連続して大臣の表彰を受けておるというふうに聞いております。表彰されたことは事実でございますか。なおその際、もちろん詳しく御調査の上だとは信じておりますが、こういったことのある草津局について御調査の上に表彰なさったものでありましょうか。
#72
○小野説明員 ただいま表彰関係につきましてお尋ねのごとく、昭和二十六年から二十九年まで連続四カ年間大臣の表彰を受けた事実はございます。表彰につきましては、われわれといたしましてもできるだけいろいろ該当基準を調査いたしまして、それによって大体第一次的には郵政局で上申をするわけでありますが、本省といたしましてはそれの書面審査をいたしております。それで表彰すべきかいなかを決定するわけでありますが、かりに犯罪とかその他の違法の事件があれば、これを表彰すべからざることになっております。ところが非常に表彰の局数は多うございます。そういう関係で一々実査をいたしまして、果してどういうような関係があるかというようなことは――理想ではございましょうが、現実の問題といたしましてそこまではなかなかつかめないのであります。そういう点に表彰制度の現在の運行に多少の遺憾な点はありますが、われわれとしては最善を尽しまして、ただひとり成績がいいばかりでなく、その局に犯罪がないかという点を考慮いたしまして決定いたしておる次第でございます。
#73
○井手委員 表彰の適否については後日わかるだろうと思います。
 そこで、私はこれで本日の質問を打ち切りますが、ただいままでの人事部長のお答えによりますと、何回も申しますように事実を非常にゆがめられておるようであります。私の方では監察官がどのように調査をしたのか、また調査をした際局長とはどういう場所で話し合いをしたのか、いろいろ調べ上げております。また労働省の調査も大体判明をいたしておることは明白になって参っております。一つこの件については、私どもはきょうは打ち切りますけれども、特定局の信用のために、郵政業務の信用のために、この問題の追及をやめないつもりであります。それだけははっきりと申し上げておきます。
 そこで委員長にお願いをいたします。次会には大阪郵政局の局長、保険部長を説明員としてお呼びを願いたい。それから労働省の方には、本日お持ちになりました資料の要約でもけっこうでございますが、この委員会に差しつかえなければ御提出いただきたい。これを委員長からお諮り、お願いをしてもらいたいと思います。
#74
○松井委員長代理 井手君に申し上げますが、大阪郵政局長並びに保険部長とは、迫って理事会を開きまして、いろいろ手続上の御相談をして取り扱いたいと存じます。
 労働省関係の方、ただいまの要求になりました調査資料の御提出はよろしゅうございますか。
#75
○富樫説明員 極力検討いたしまして、差しつかえない限りにおきましては提出いたすことにいたします。
#76
○松井委員長代理 早稲田柳右工門君。
#77
○早稻田委員 私からも資料を要求したいと思います。先ほどの井手委員のお説をもっていたしますると、この調査は一方的だと言っておられますが、私どもの手元にもこの郵政省からの印刷物が来ているのみで、その他は井手委員から聞いた程度でございまして、真偽の公正を期するには資料が足りません。そこで委員長において労働組合側から労働基準局、あるいは大津地方法務局等に提訴された当時の書類、あるいは組合側から主張せんと欲せらるる各条項についてのそれぞれの資料を、当委員会にも御提示をいただきたいと思います。それから今井出さんから労働基準局へ依頼されました資料ですが、私からもこれはぜひお願いをしたいと思いますが、事情の許す限り今まで御調査を願った資料を一つ御提出を願いたいと思います。
 以上の資料をお願いしますが、先ほどから伺っていると、この問題の全国に及ぼす影響はすこぶる大きいと思います。そこで本委員会においても公正通句な方途を講じねばなりません。そのような意味から申しまして、私はここで一つ伺っておきたいと思いますが、この郵政省の資料の初めにありまする点検闘争というのは、今どんなふうに行われているか、どこでどんな行動がとられているかということをおわかりでしたら、その実情を聞いておきたいと思います。
#78
○大塚説明員 点検闘争は大体本年の七月ごろから、全逓の本部から各地区、支部等に指令を流しまして、各職場ごとに労働基準法が適正に実施されているかどうかということを点検をせよというようなことが実施されましたのが発端でありまして、それに付随してといいますか、同時に局長の不正事項その他を摘発するというのが実際やられている事柄であります。具体的な局数は一々覚えておりませんが、現在までに対象になった局が大体全国で百三十くらいあったように覚えております。これはすでに終った局、現在その対象になっている局等を合せましてでございますが、大体そういうような状況でございます。
#79
○早稻田委員 由来郵政省は八十年の歴史を誇っておりますが、この長い歴史の歩みを検討いたしてみますと、きわめていい点、すなわち温存しなければならぬことも多うございます。しかしその反面、大いに是正しなければならぬ点も多いわけでございまして、点検闘争けっこうでありますが、ややもするとこれは行き過ぎになるおそれがあります。こういう点について郵政監察局長はどんな見解でこの点検闘争を取り締っておりますか、一応伺っておきます。
#80
○久保政府委員 点検闘争そのものはいわゆる労務問題でございますので、これは支部長の方の仕事になります。監察官といたしましては平素の考査におきまして、点検項目によりまして服務関係につきましても適正を期するような考査指導をいたしておりますが、しかし現在のところにおきましては、この点検闘争そのものにつきましては私から申し上げますことは、一応その程度でありまして、点検闘争というものに対しましては、私の立場から申しますと、それ以上申し上げることはできかねると思います。
#81
○早稻田委員 幸い労働基準局長が来ておられますので伺っておきますが、労働基準局といたされましては、この点検闘争は合法的であるかどうか、これに対してどんなお考えを持っておるか、意向を伺いたいと思います。
#82
○富樫説明員 点検闘争の結果といたしまして、基準法違反の申告がございますれば、こちらが監督に参りまして、それぞれの違反がございますれば、警告なり何なりを含む通常の監督をいたしております。ただ組合としての闘争としてこれがいいか悪いかというようなことになりますれば、これはなかなかデリケートな具体問題でございますので、これは所管が労政局長でございますので、私からはちょっと申し上げかねます。
#83
○早稻田委員 所管が違うとおっしゃればそれまででありますが、恐れ入りますが、委員長から次の機会に労政局長がここへ参られて御説明をいただくなり、来ることができぬ場合は文書によって、点検闘争は合法的であるかどうかという点を明確に答弁していただきたいと思います。
#84
○森本委員 関連して。前の政務次官の早稲田さんの方から、点検闘争については違法であるかどうかというような質問が出たのですが、これは非常に私はおかしいと思うのです。この点検闘争というのは、組合からの説明を受けると、それから先ほど人事部長も言われておるのですが、監察局長も言われておったように、基準法が完全に実施されておるかどうかということを調査をしておることであって、それから業務が法令通り現実に施行されておるかどうか、そういうことをやっておるのであって、何もこれは労働関係で違法でも何でもない。私は現に郵政当局から各局長に流れておる文書もはっきりつかんでおります。これは秘文書で流れておりますが、全逓がやっておるところの点検闘争と同じような項目によって、郵政当局は各局長に流しておるわけです。これは組合からやられたら困るからというので、省側が先に先手を打って、組合側が調べるようなことと同じような内容のことを省側が調べて、そうして違反のないようにということもやっておることであって、これは決して違法でも何でもない。この基準法が完全に施行されておるかどうかということを調査するなり、また郵便局の業務というものが法令通り施行されておるかどうかということは奨励すべきことであって、違法かどうかということによって私はおどかすべき問題でないというふうに考えるのですが、この点はどうですか。当局の方はせっかく前の政務次官が来ておりますので、新しい政務次官の方からこれに対する徹底した御回答をしていただけたら私はいいと思います。
#85
○上林山政府委員 点検闘争の違法であるか違法でないかという問題については、非常に微妙な問題もございますので、この次の機会に答弁させていただきたいと思います。
#86
○松井委員長代理 ほかにございませんか。八木君。
#87
○八木(一男)委員 先ほどから井手委員また片島委員の関連質問を伺っておりましたところ、郵政当局の、特に事務当局のいろいろな御答弁については、非常に不満にたえないわけでございます。特に人事部長の先ほど言われました休日に妻女を使った点についての井手委員の追及に対しまして、そういう問題は好ましくないという御答弁がございましたけれども、このような問題は好ましくないというようなものではない。いけないかいいかという問題であって、好きとかきらいとか、好ましいとか好ましくないとか、そういうような言葉で表現さるべきものではないと思う。そういうところに郵政省の本省が、大阪郵政局あるいは草津の特定局を何らかの意味でかばおう、悪いことがあっても伏せておこう、そのような気分が全体に流れておるように私どもは感じられてならないわけでございます。先ほどのいろいろの御質問の経過によりまして、労働省の御調査と比較してみるために、もう一回再調査を急速にやられるというお話でございましたけれども、もし郵政省の本省においてそういうような気分を全部お持ちになっておられる場合には、その調査に当る人はやはりそこに個々のいろいろの扱い方が違うだろうと思う。なるたけ隠そうというのと、なるたけ物事を完全にはっきりさせようという考え方によりまして、調査の結果が分れてくることが起るだろう。そういうことで郵政の人事部長といたされましては、今後ほんとうにそういうかばおうとか、それから少しそっとしておこうというような気分を全然払拭して、徹底的にこの問題をえくり出して、将来の禍根を断つという態度で、調査に臨まれなければならないと思うわけでございまするが、本省の御決心と、またそれを調査されるいろいろの担当官に、どのようなつもりでそういうことを伝達されるかというような御決意を伺っておきたいと思います。
#88
○大塚説明員 私はもちろんきわめて厳正公平な立場から、この問題を突き詰めて研究をしたいという意味におきまして、今日までいいかげんな中途で行政処分その他をやらないで、最後まで権威ある筋の判定その他を待ち、われわれもできるだけの調査をし、事実の認定をするという態度でやってきておるわけでございます。もちろん郵政局、監察局の係員等も同様な公正厳格な立場でやっておる次第でございます。
#89
○八木(一男)委員 ただいまの人事部長の御答弁は、その言葉だけでは大へん満足でございます。事は実行でございます。もちろん人事部長はそうやられる御決心でございましょうけれども、その伝達を受けるいろいろの調査に当る人が、やはりそういう気分がないとはいえないと思うわけでございまするから、今度いろいろの調査を御命令なさるときには、その意図を十分に調査をする人が体得できるように厳重な、そういう意味を込めたいろいろの御指令を願いたいと思うわけでございます。
 さらに上林山政務次官にお伺いしたいわけでございまするが、この前も郵政大臣の村上さんにお伺いした。それで何と申しまするか、郵政当局を大臣としては非常に大事にしたい、俗の言葉でいえば、かわいがりたいという気持がもちろんおありだろうと思う。しかしそういうお気持はおありだろうと思うけれども、もしかりに郵政当局が今までのマンネリズムに陥って、ほんとうにやるべき道が、練達な人がそろっておられるけれども、少し今までのやり方に流されて、はっきりさせなければならないことをはっきりさせないとか、直さなければならないことを直さないというような風潮がありましたときには、国論に従って、郵政大臣がそのマンネリズムを打開するというようなことが、政党政治の一番の真髄であり、政党から出た国務大臣としての一番やるべきところではないかということを申し上げたわけでございまするが、それに村上さんは御同意をなさいました。断固として徹底的な調査の上、そういう方針に進みたい、そういう方針で考えてものをやっていきたいという御答弁をなさったわけでございます。ところがいろいろの両院の構成で、そういう問題について、郵政大臣は本日もおられませんけれども、かわりに政務次官が来られるというようなときがあるわけでありまするので、どうか上林山政務次官ももちろん大臣と同じような意味で、この問題をほんとうに徹底的に洗い出して、悪いところを将来に禍根を断つような強い決心で、いろいろとやっていかれる御決意をしていただきたいと思うわけでございますが、それについての御所信を一つ伺いたい。
#90
○上林山政府委員 勧善懲悪は、いかなる時代においてもこれは厳粛に行なっていかなければならぬ基本的な方針だと私は考えます。ことに郵政事業は国民に奉仕をしなければならぬという立場に立たなければならぬのでありますから、それが事きわめて適正なしかも正しい国民の世論でありますればこれを受け入れて、そうして事務当局を督励して間違いのないようにいたさせたい、この考えは大臣と同様でございます。しかし現在の事務当局は非常に熱心にいろいろなことをやっておると私は考えておりますので、これを冷静にしかも大局に立って個々の問題を検討いたしまして、今おっしゃるような国民の側から見て非常に不適正なものがあるという場合には、それこそ所信を貫徹いたしたいと考えておりますことを御了承願います。
    ―――――――――――――
#91
○松井委員長代理 それでは次に電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。この際質疑の通告がありますのでこれを許します。森本靖君。
#92
○森本委員 今日はあと本会議がありまして時間が非常に少くなったので、簡単にお聞きしておきたいと思います。この次の委員会でこの問題はもう一回詳しく聞きたいと思いますが、実は本委員会においても非常に今日まで経営状態について問題になっておりまして、私たちも小委員会でいろいろこの問題について論議をいたしました例の文化放送の改組の問題であります。この株式会社に改組するという問題について実は十一月十五日の電通報というのを見てみますると、浜田電波監理局長が河野農林大臣の意を受けて、水野さんの社長については反対であるというようなことを向うに伝えた。そのことによってこの問題が非常に複雑になって、まだなかなか見通しが困難な状態にあるというふうにこの記事には載っておるわけでありますが、現在一本これはどうなっておるか、一つ簡単に説明願いたいと思います。
#93
○浜田説明員 文化放送協会は経営上特に財政的な危機に際会いたしましたので、前大臣が原安三郎、渋沢敬三両氏に事態の収拾及び再建を委嘱されました。その結果株式会社に改組する案が目下進められておるわけであります。ただいまお話の電通報ですか、その記事に、浜田電波監理局長が河野農相の意を受け云々ということは、それは少し事が違います。意を受けてという意味でありませんで、河野農相から質問を受けましたことはあります。それで、政府は株式会社化に反対である、難色を示したというふうなことはありません。この問題は財団法人である文化放送協会を日本の放送のために、国民のために、よい放送を少しでも聞いてもらうために、どういう組織がいいかということは、私どもはふだん考えている問題であります。従来財団法人として免許いたしました文化放送協会が株式会社に変るということにつきましては、これは軽々にそのことを認めるわけにいかないのであります。今申し上げましたように日本の放送のあり方をいかにすべきかということを考え合せまして、もしもどうしても財団法人で再建が困難であるならば、株式会社もやむを得まいというふうな見解で私どもは情勢を見守っておるわけで、それにつきまして河野農相の質問に対して、今申し上げましたように私の考えを申し上げたにすぎないのでありまして、まだこの問題は当事者から申請が来ておりませんし、その株式会社改組の内容につきましても詳細を私ども知りませんので、本日これに対して当方の見解を申し述べる時期には達しておらない次第であります。
#94
○森本委員 この問題はかなり重要な問題だろうと思うのですが、電波監理局長が郵政大臣の意を受けていろいろ動くということになれば、これは郵政大臣の責任においてやることですからいいとして、実力者といわれているけれども河野さんは一応農林大臣で、別に放送関係にもそう関係がないわけであって、このあとの記事には、「政府と財界妥協に動く」というようにこの内容が伝わっておるわけです。文化放送というものは相当出力の大きい放送会社です。だから、こういうふうな、多分にやみ取引的なにおいがするわけですが、私たちとしてはこういうことでなくして、ほんとうに国民にサービスするような、文化放送的な経営がスムーズにいくように文化放送というものが改組されることを最も望んでいるわけであって、これは非常に政治的に介入しているような気配が多分に濃厚になっておるわけですが、これは十分や二十分の質問ではいきませんので、私は本日はこれはおいておきたいと思いますが、監理局長にお願いしたいことは、この記事にはかなり詳細に載っているけれども、政府の方から私たちに対して、こういう問題について、この記事にあるようなことを総体に説明を受けたことはないわけであって、文化放送はこの前のストライキのときから大体この改組の問題は非常に問題になっておりますので、この問題について今日までの一応の経過を、大体のアウトラインでよろしいから文書にして、次の委員会までに御報告を願いたいと思います。その文書による報告によって私たちもいろいろ情報を集めて研究をして質問をしたい。場合によっては河野さんにも来てもらいたいというふうに考えるわけですから、一つそういうように詳細に報告書を出してもらいたいということを要求いたしまして、私の質問を本日は時間がありませんので打ち切りたいと思います。
#95
○浜田説明員 ちょっと説明に補足を加えますが、河野農相の意を受けたというふうな記事は、私が前大臣の命によって河野さんとお会いしたというわけではありません。主管大臣でないところの農林大臣がこの放送問題について私に意見を聞かれるについて、一応松田郵政大臣の承認を得て、河野農相の希望によってお会いしたいことがあります。そういうわけでございます。それにつきましての内容等につきましては後刻申し上げます。
#96
○森本委員 それはおそらくそういうことだろうと思うけれども、大体実力者農林大臣といわれている河野さんが、あっちこっちに非常に奮闘せられることはけっこうだけれども、所管違いの放送関係まで入ってきて、しかも財界の諸君といろいろな話し合いをするのが、まるで郵政大臣をおいて農林大臣が一生懸命あっちこっちで活躍をしているというようにこの記事ではとれるわけです。だから、この問題についてさらに私も調査をしたいと思いますので、十分なるその経過の報告を文書でお願いしたいということを了承していただければ、私は本日の質問を打ち切りたい、こういうことです。
#97
○浜田説明員 承知しました。
#98
○松井委員長代理 他に御質疑はありませんか。
    ―――――――――――――
#99
○松井委員長代理 この際理事の補欠選任の件についてお諮りをいたします。当委員会におきましてはただいま理事が三名欠員となっておりますが、その補欠選任を行いたいと存じます。前例によって委員長において指名いたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○松井委員長代理 御異議がないものと認めまして。
   早稻田柳右エ門君  小泉 純也君
   井手 以誠君を理事に指名いたします。
 本日は本会議の都合もございまするのでこの程度にとどめ、散会をいたします。次会は公報をもってお知らせいたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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