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1955/12/16 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 地方行政委員会 第10号
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1955/12/16 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 地方行政委員会 第10号

#1
第023回国会 地方行政委員会 第10号
昭和三十年十二月十六日(金曜日)
   午後零時十九分開議
 出席委員
   委員長 大矢 省三君
   理事 亀山 孝一君 理事 鈴木 直人君
   理事 永田 亮一君 理事 古井 喜實君
   理事 吉田 重延君 理事 門司  亮君
      青木  正君    唐澤 俊樹君
      川崎末五郎君    木崎 茂男君
      纐纈 彌三君    櫻内 義雄君
      渡海元三郎君    徳田與吉郎君
      灘尾 弘吉君    丹羽 兵助君
      山崎  巖君    北山 愛郎君
      五島 虎雄君    中井徳次郎君
      西村 彰一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 大麻 唯男君
        国 務 大 臣 太田 正孝君
 出席政府委員
          法制局次長 高辻 正巳君
          警察庁長官 石井 榮三君
         自治政務次官 早川  崇君
         総理府事務官
        (自治庁財政部
        長)      後藤  博君
 委員外の出席者
        専  門  員 円地与四松君
    ―――――――――――――
十二月十六日
 委員徳田與吉郎君及び坂本泰良君辞任につき、
 その補欠として田中伊三次君及び八百板正君が
 議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員田中伊三次君辞任につき、その補欠として
 徳田與吉郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月十五日
 地方財政再建促進特別措置法案(第二十二回国
 会閣法第一一五号、参議院継続審査)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方財政再建促進特別措置法案(第二十二回国
 会閣法第一一五号、参議院継続審査)
 警察に関する件
 請願審査小委員長より報告聴取
請願
  一 積雪地方のスキー場建設に対する起債措
   置に関する請願(八田貞義君紹介)(第二
   号)
  二 同(平田ヒデ君紹介)(第四八号)
  三 同(松井政吉君紹介)(第四九号)
  四 地方財政再建促進特別措置法制定に関す
   る請願(上林山榮吉君紹介)(第三号)
  五 地方交付税における高校単位費引上げに
   関する請願(關谷勝利君紹介)(第三七
   号)
  六 同(佐竹晴記君紹介)(第四六号)
  七 同(小平忠君紹介)(第四七号)
  八 同(松浦東介君紹介)(第六八号)
  九 公衆浴場業に対する事業税軽減に関する
   請願(渡海元三郎君紹介)(第三八号)
 一〇 地方交付税増額に関する請願(愛知揆一
   君紹介)(第六七号)
 一一 娯楽施設利用税の税率改正に関する請願
   (片島港君紹介)(第七〇号)
 一二 地方交付税における高校単位費引上げに
   関する請願(安平鹿一君紹介)(第一二二
   号)
 一三 町村公共事業費の補助金交付に関する請
   願(高木松吉君紹介)(第一二三号)
 一四 地方交付税法の一部改正に関する請願(
   川野芳滿君外五名紹介)(第一五八号)
 一五 宮崎県に対する特別交付税のわく増額に
   関する請願(小山長規君外五名紹介)(第
   一五九号)
 一六 宮崎県に対する起債の特別わく設定に関
   する請願)(相川勝六君外五名紹介)(第
   一六〇号)
 一七 市町村道整備費の財源付与に関する請願
   )(野田卯一君外七名紹介)(第二二二
   号)
 一八 合併市町村育成法制定に関する請願)(
   野田卯一君外七名紹介)(第二二三号)
 一九 クリーニング業に対する事業税軽減に関
   する請願(松田竹千代君紹介)(第三一〇
   号)
 二〇 小型車両に対する自動車税を市町村に移
   譲の請願(町村金五君紹介)(第三二九
   号)
 二一 地方財政確立に関する請願(町村金五君
   紹介)(第三三〇号)
 二二 大和町役場の建築起債額増額に関する請
   願(愛知揆一君紹介)(第三三一号)
 二三 水害被災地方公共団体に対する特別交付
   税の金額配付等に関する請願(町村金五君
   紹介)(第三五五号)
 二四 地方交付税における高校単位費引上げに
   関する請願(黒金泰美君紹介)(第三六五
   号)
 二五 同(小林郁君紹介)(第四一七号)
 二六 遊興飲食税の地域差設定等に関する請願
   (永山忠則君紹介)(第四九四号)
    ―――――――――――――
#2
○大矢委員長 これより会議を開きます。
 まず昨十五日付託せられました地方財政再建促進特別措置法案を議題といたします。本案の提案理由につきましては、すでに前国会において聴取いたしておりまするので、これに対する説明は省略することに、ただいま理事会で決定いたしました。
#3
○大矢委員長 これより直ちに質疑に入ります。北山愛郎君。
#4
○北山委員 地方財政再建促進については、前の国会で相当詳しい点まで質問しましたので、内容の点についてはまだ若干疑問もございますが、大体おきまして、ただその当時と非常に状況が違っております。前国会で私どもは御承知のように従来の赤字のたな上げ、しかもその一部のたな上げということだけでは足らない、今年度だけで五、六百億の財源不足があるのではないか、これに対する対策がまず必要である、あるいは前提条件である、こういうような主張をしたわけであります。ところがその後、この臨時国会に地方財政に関する特別措置法が出て参りまして、政府の発表では百八十八億、実際は百六十億という財源措置をされたわけであります。そういう対策を決定したわけであります。従って本年度における一応の政府の対策というものは、この二つの法案によってまず大体わかったという格好になりました。そこで総決算的にちょっとお伺いしておきたいのですが、そういたしますと、昭和二十九年度末の赤字が六百五十億、本年度の財政不足というものは、これはいろいろ説がございますが、五百億くらいはある、こういうふうに見られておるわけであります。大体自治庁としてはそれをお認めになっておるのではないかと思うのです。そうすると、累積赤字を入れますと、合せて千百五十億くらいのマイナスがあるわけであります。これに対して、今度の二法案によってきまるべき措置としては特別措置法によるものが百八十八億と見まして、それにプラス再建債の二百億、合せて三百八十八億、従ってそれを差し引きますというと、さらに七百六十億ばかりのマイナスが残る、こういう計算になるわけです。そういたしますと、地方団体のいろいろな努力がとれに作用いたしますでしょうが、そういった膨大な七百六十億くらいの食い違いがあるということは、自治庁としてもお認めになっておる、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
#5
○後藤政府委員 おっしやいました二十九年度末の赤字の六百四十八億、これは事実でございます。それから財源不足額が五百億ある。これはいろいろ計算の仕方によりますが、この財政計画の数字とそれから交付税の方から間接的に測定いたしましても、約五百億前後の補てんすべき要因があるとわれわれも考えております。しかしこれを足してそうしてそれが赤字になるというふうには、私ども考えておりません。これを足したものではなくて、単年度は五百億足りないのであります。現実には五百億足りない要因がございますが、しかし今までの例で見ますると、赤字になりますのは、昨年度は単年度で百八十億、一昨年は単年度で百六十億というふうな数字になっております。つまり現実の予算の執行は、相当その要因はございまするが、非常に引き締めておりまするから、すぐそれがそのまま赤字の額という計算にはならぬと思います。それから今度は三百八十八億を引いて七百六十億という御計算ですが、こういう計算の仕方もあるかと思いますが、そのままそれが赤字に転嫁するというふうには、私は考えておりません。
#6
○北山委員 この問題は前の国会でもいろいろ論議したのですが、私も七百六十億くらいが直ちに年度末の赤字になるというふうには申し上げません。ただしかし財政計画と実態との食い違いというものはこういうふうに大きいのですから、従って地方団体においては、税の徴収の上に、あるいは節約の上にいろいろな努力をしなければ、やはりこういうマイナスが計算上残る、こういうことに考えるのが妥当じゃないかと思うのです。そういう意味で財政部長も今のこういう計算方法もあると言ったのだろうと思いますが、そういたしますと、何としても少しばかりの金額ならいいのですけれども、七百六十億、これに今度の〇・二五の分を加えますと約八百億、こういうふうな食い違いが財源措置をされないままに残っておるので、従って今度の二つの法律によって行われた対策の結果、今年度末の赤字の見通しとしては、一体どういうふうになるであろうか、六百五十億の二十九年度末の赤字は減るであろうか、大体どの程度になるかというふうな見通しについては、自治庁はどういうふうに考えておりますか。
#7
○後藤政府委員 百六十億の財源措置をいたしましたので、〇・二五分を除いては従来のきびしい財政運営を堅持していく限りにおいては赤字が出ないであろう、また出さないように指導していきたい、かように考えておるのであります。単年度としてであります。
#8
○北山委員 単年度としては、今度の措置によって赤字が出ないとすれば従来の六百五十億という程度のものは残る、大体そういうふうにお考えのようであります。そこで蒸し返すようでございますが、こういうようないわば節約なり増税なりでもって、何とか食い違いを処置しなければならぬという分がたくさんあるのでありますから、その上にさらにこの年度末に新しい財政需要として〇・二五カ月分の期末手当の問題が出てくるので、これはこういう事態から考えましても当然地方の節約によってはできない、これだけははっきりしておると思うのですが、自治庁長官のこれに対する御見解を伺いたい。
#9
○太田国務大臣 現在の三十年度の措置にいたしましても、節約するという条件においてただいま財政部長の言ったように、今までの赤字がふえるようなことはない、ある意味で防止し得ると、こう申しましたときに、さらに〇・二五の問題が起ったのだからどうか、こういうお話でございます。この点につきましては、まだむろん私どもとしての強い見通しができませんが、相当困るところがあるということはお示しのように感じております。
#10
○北山委員 それから〇・二五の問題ですが、せんだっての委員会におきましては全員でもって付帯決議をつけた。その付帯決議の中に、財源の捻出不能〇・二五カ月分の要求をして、その財源が捻出不能分については云々と書いてあるわけであります。これは決議の提案者に対して質問をするのが当然かと思うのでありますが、そのような決議を実際に実行しようという努力をされようとする自治庁におかれましては、この捻出不能分についてはどういう解釈をおとりになっておるか、私はこの解釈としてはこれは当然事務的に考えた場合には全体としてみて、地方団体が節約をし得る分が幾ら、一割なら一割、二割なら二割というふうにみて、あとの分は捻出不能分としてみて、この金額を総体としてきめて、これを一定の基準によって配分する、こういうふうに解釈しなければ――そうでなくてこれをただ個々の団体ごとにきめるというととは、決議の趣旨からも実行の不可能なことをしいるものである、こういうふうな見地からそういう解釈をしております。これはやはり全体として考えていくべきであると考えておりますが、これを実行しようという意思を表明されておる自治庁としてはどういう解釈をとっておりますか、それをお伺いしたい。
#11
○後藤政府委員 個々の団体におきましては、この節約の可能な額が違うと思います。しかしわれわれとしては全体を見まして、そして節約不能額という数字を出さざるを得ない。またそれによる財源措置が行われました場合には、節約が可能なところとそうでないところとございますが、しかし同じような方式で財源を流していくという方式にならざるを得ないのであります。従って交付税の方式か何かで流すということになると思います。しかしその基礎は大量観察をして、大体どの程度が節約不能額であるかという判定をする以外に私はないと思います。
#12
○北山委員 昨日私は休みましたが、給与の実態調査の中間報告があったようでありますが、この結果について、まだ中間報告でありますから、これに基いた最終的な判断をすべき段階に立っておらないかもしれませんが、従来この委員会では、給与の問題については実態調査の結果を待って云々ということを、再々政府としては表明されておるわけであります。そこでこの実態調査を自治庁としてはどのように取り扱う方針であるか、自治庁長官からお伺いをしたいのであります。
#13
○太田国務大臣 お言葉の通り中間報告でございますが、大体三つの大きな事実がここに数字的に考えられ得ると思います。すなわちああいう方式によって集めた実給額というものがわかった、それから国家公務員の額もわかった、それから財政計画上の数字もわかった。この三つをにらんでみますと、実給額の調べと財政計画上の数字とは百九十億円の開きがございます。それから国家公務員の実給額と財政計画上の数字とは百六十億円の開きがございます。問題は非常にたくさん出ているところがありますが、これは自治体そのものにおいてうまく処理してもらいたいと思います。こまかに見ますと、五大都市が非常にふえたために世間にも疑惑があったようですが、町村などにも低いところが相当あります。今の三つの数字をにらみ合して方法を考え出したい、こう考えております。
#14
○北山委員 そういたしますと、今の百九十億あるいは百六十億の財源措置をするように自治庁としては大蔵当局なり政府部内において、そういう要求をする御方針であるというふうに承わってよろしゅうございますか。
#15
○後藤政府委員 一応この数字を基礎にいたしまして要求したいと思います。ただ問題の議論になります点は、公務員の数の問題がございます。財政計画上見ております数と――それからこれは御承知の通り昭和二十二年ごろから積み重ねた数字であります。元の根拠になる数字はちゃんとあるのでありますが、それから積み重ねて参りました数と、実際の今度の調査の結果に基く数との間に開きがございます。それについていろろいろ議論があるわけであります。しかしわれわれの方としては実態の数を基礎にした数字を出しておるわけであります。それが先ほど大臣からお話になりました数字であります。今のは一般職の公務員の数字でありまして、そのほかに臨時の職員の問題がございますが、そういうものを合わした財源措置でなければなりませんので、さらにまたこまかく検討いたしまして、数字をはっきりさしていきたい、かように考えております。
#16
○北山委員 それじゃ給与の実態調査の問題については、さらにあとの機会にお伺いをすることにしまして、そういう給与関係の要調整額というものを含めて先ほど来お話がありましたように、今年度末においてもやはり二十九年度末に近いような赤字が来年度に繰り越される、自治庁としては大体そういうふうにお認めになっておるようであります。そこでお伺いしたいのでありますが、自治庁長官は、本年はまあ応急の処置をやって、来年度においては抜本的な行財政の改革等もこれにあわせてするのだというお話でありますが、それは今の繰り越し赤字というようなものも含めてやることであるかどうかそれから別の機会に長官は、その抜本的解決というのは地方制度調査会の三十一年度に対する対策の答申案、これに基いてやるのだというお話であったわけであります。そうするとあの答申案の内容を、これは大体論として見てみますと、まず第一に事務及び事業の圧縮ということであります。その次は機構の合理化、結局これは人員整理でございましょう。それから相当な新税も設けて増税をする、こういうことがあります。その上にたばこの消費税あるいは地方交付税等の措置も必要とあればとる。こういうふうな大体四つの柱が出ておると思うのでありますが、長官の来年度における抜本的解決というのはこの四つの柱によって行うのであるか、これをお伺いをしておきたいのであります。
#17
○太田国務大臣 大体その考えであります。もちろんあのままというわけにいかないものもあろうかと思います。たとえてみれば、よほど慎重に考えなければならぬのは、財源の中に農業事業税というものもございますが、各種の委員会においても御質問がございましたけれども、これをすぐそのまま取り入れるというようなことはよほど調べた上でなければできない。六百万戸、四千万人の農家に及ぶ問題でありますので、そんな点はございますが、大体の柱と申しますか、筋と申しますか、計画はその線によってやっていきたいと思っております。
#18
○北山委員 その事業の圧縮の方は、これは公共事業の圧縮ということに大体ならざるを得ないのじゃないかと思うのですが、やはり公共事業費などは圧縮をする、こういう御方針でございますか。
#19
○後藤政府委員 公共事業費を圧縮するということでなくて、地方負担を少くしていくという方式でありまして、必ずしも事業を圧縮するというような考え方ではないのであります。結果的にたとえば現行の公共事業費だけを考えますると、予算の量が絶対量が同じであれば負担を少くすれば事業は圧縮されるということになるかもしれません。しかしそういう考え方でなくて、地方負担を少くしていく、という考え方に立っておると私どもは考えております。
#20
○北山委員 この点は来年度の問題でありますから、通常国会等でお伺いをします。
 それからこの法案についてでありますが、再建債の見通しでございます。今年度はあと四半期しか残っておらぬから二百億でもいいというようなお話もあったわけでありますが、それと退職手当の起債の問題であります。これが今までの自治庁の調査としては、本年度大体どの程度に申し込みというか、見込み額があるか、その再建債と退職手当債について申し込みの状況等をお知らせを願います。
#21
○後藤政府委員 再建債の二百億でありますが、法案の成立が遅れましたので、年内にはごくわずかの団体がおそらく申し出をしてくるだろうと思います。私ども考えますと、地方の議会関係の準備がいろいろございますので、二月ごろにたくさん出してくるような――早くて二月、遅ければ三月ごろに集中するのじゃないかと思います。で私どもの見通しでは二百億を本年度全部消化できるかどうか、それだけの計画がちゃんと出てくるかどうか、これは今のところちょっと見当がつきません。来年の財源措置について相当模様を見てる団体がございます。従って三十一年度の予算が大体きまりますればはっきりしてくるんじゃないかと私どもは見ております。従って二百億程度で大体ことしは十分ではないかと一応考えるのでありますが、しかし法律が通りますると義務費になりまするから、どうしても足りない場合にはふやしていくという方針で臨んでおります。
 それから退職金は、これも年度が済んでしまわなければわかりませんが、地方団体の一時借入金をしたいという申し出を見ますると、年度一ぱいで大体六十億ぐらいは要るんじゃないか。まだ町村あたりであまり希望を申し出ない向きがありますが、大体市と県とだけを見ますと、現在六十億くらいの希望が出ていると私は思っております。これはしかし実際に整理をいたしましたあとで、支払い義務が発生してから、初めて一時融資をする建前にしております。今まで一時借り入れを認めましたものは十四・五億でありましたが、だんだん地方団体から希望を言って参りまするので希望額だけからいうと六十億一ぱいでも足らないのではないかという心配をいたしております。
#22
○北山委員 なおこの内容について、ちょっとお聞きしたいと思うのですが、先ほど大臣は、来年度は根本的な解決を講じたい、こう言われますので実はこの規定の修正部分だと思いましたが、第二十三条に「地方財政又は地方行政に係る制度の改正等により、地方財政の基礎が確立した年度以降」の地方債の制限の規定があるわけです。それで一体地方財政、地方行政にかかわります制度の改正等によって、地方財政の基礎が確立する年度、これの目安ですが、どうでございますか。来年度の地方財政制度の改正等によって、果して来年度において地方財政の基礎が確立するというお見通しであるか、あるいはまだまだ先のことになるというお見通しであるか。要するに第二十三条がいつから実行されるか、こういうことに関係すると思うのですが、そのお見通しについてお伺いしたい。
#23
○後藤政府委員 御質問の条文の政令を出すか出さぬかという問題があるのであります。今のところ私どもはその政令は出さないつもりでおります。従って来年度の財政措置がどの程度行われるか、また行政機構の改革がどの程度行われるかによりましてきめるべき問題と考えております。来年度十分な措置が行われますれば政令を出したいのでありますが、今の段階では来年度すぐ出すというようなことを考えておりません。
#24
○大矢委員長 門司君。
#25
○門司委員 私がこの際に聞いておきたいと思うのは、参議院で実は附帯決議をいたしておりますが、大臣はこれに対して参議院でどういうふうにお答えになっておりますか。一応この機会に当委員会でも発表しておいていただきたいと思います。
#26
○太田国務大臣 正確なことは記憶しておりませんが、再建促進法の方は、第一の附帯決議が、赤字が増したときに必要な額を早急に増額すること。第二は「一般地方債については政府資金の利率を引下げて均衡を得しめる様努力すること。」とありますが、了承をいたしました、努力いたしますとお答えしたように思います。大蔵大臣も同じように言ったのでございます。
 第二の三十年度の方の附帯決議は、衆議院の場合と違っておりますのは、例の十四億円の問題はこっちに入っておらない。向うで新たに入りましたのは、「昭和三十一年度において地方行政財政制度に関する抜本的対策を樹立し地方財政計画に遺漏なきを期し、もつて赤字の続出を防止すること。」これはこちらにございませんでした。もちろんそのことは再々申し上げた通りであります。
 第二点は、「今回の地方公務員に対する期末手当の財源捻出不能分については通常国会において必要な財政措置を講ずること。」これは衆議院における附帯決議と同様の趣意であり、同様の御返事を申し上げました。
 それから「公共事業費の繰延べについては事業の実施に実質的に支障を来さざるよう万全の措置を講ずること。」これはむしろ大蔵大臣に対して言われたことですが、私も同様に支障を来たさないようにということを考えておりますと、附帯決議の御返事としては非常に簡単に申し上げてございますが、了承して極力努力する、こういう説明をもって、お答え申し上げたのであります。
#27
○門司委員 再建整備法の第二項に書いてあります問題は、例の地方制度調査会にもこういう意見がたしかあったと思います。何か国の利率を六分に引き下げろということを書いてあったように思います。先ほどの長官の御答弁の中にも地方制度調査会の答申その他のことが言われておりましたが、政府の方は大体そういう心がまえがございますか。
#28
○後藤政府委員 大蔵大臣は検討するとかいう言葉で御返事があったと思います。この点は私どもが見ますと、一般の金融機関の利子がだんだん下って参っております。これは公募の地方債につきましてもそうであります。最近の地方団体の借入金の利子もどんどん下ってきております。従って政府資金と一般金融機関から借り入れますところの資金との間の利子の幅が非常に狭くなって参っております。従ってそちらの方の圧迫から私どもは当然に政府資金もやはり利子を下げていくという問題が出てくると考えております。また同時にその必要なコストの引き下げの問題も当然出てくると思っております。従っていつになるかわかりませんが、私どもといたしましても利子の引き下げにつきまして努力いたしたいと考えておる次第であります。
#29
○門司委員 これに関連を持っております例の公募債との問題で銀行協会との関係ですが、これは今八分五厘になっておると思いますが、これについても交渉をされたことがあるのかないのか、そういうお考え等をお持ちになっておるのか、もしお考えになっておるとすれば一つお考えを発表しておいていただきたいと思います。
#30
○後藤政府委員 公募債の利子の問題ですが、これは一応適格債につきまして、これは東京都、五大市、それから五大市の所在する県の適格債の利子並びに条件の緩和を実は今年の夏からやっておるわけであります。夏前の国会の終った直後には、ほんとうを申しますと、証券会社が利子を上げてくれという要望をしてきたのであります。それは一応何とかかんとか理屈をつけて、地方債は売れないから利子を上げてくれということなんでありますが、ちょっと見送ろうというのでずるずる引っぱっておきましたところ、金利が下ってくる傾向になりましたので、一応適格債の条件の中で五年という条件を七年に直しました。さらにその後一般の金利が下って参りましたので、十一月の終りごろから地方債の金利も下げてもらいたいということでやっておりまして、大蔵省がまとめてこれを金融機関と交渉したのであります。その結果大体まとまりまして、適格債は御承知の通り九十九円五十銭で八分五厘で七年になっておりましたのを、九十九円五十銭はそのままにしまして、八分五厘を八分に落しました。条件は、年限は七年、こういうことにしまして、発行者利回りからいいますと約一分くらい落ちた格好になります。それから応募者利回りから申しますと、大体五厘くらい落ちた格好になります。さらに手数料も、引き受け手数料を地方債はこれまでは二円四十銭でございましたが、それを一円七十五銭に落しました。こういうふうな措置をやりまして、十二月からこれを実行するということにきめられましたので、銀行協会に話をしまして、やはりこれと同じ条件で金融機関が引き受けてもらうように話をいたしております。これも大体問題はないと思うのであります。従って一般の金融機関の方に通達を銀行協会で出したかどうかまだ確かめておりませんが、おそらく同時に出したのではないかと思っております。地方の団体から参りますものの話を聞きますと、日歩も下っておるようでありますし、条件もだいぶ緩和しているように私どもは聞いております。さらに金利の引き下げについて努力いたしたいと思っておりますが、これは社債とか金融債、公社債等の関係もございますので、そういう問題と一緒になって地方債の利子を下げるようにいたしたいと思います。
#31
○北山委員 きょうは臨時国会もおしまいでありますので、一つだめ押しというか、申し上げておきたいのです。この臨時国会では地方財政の対策を中心としていろいろ論議された。結局との委員会においても附帯決議をつけて、そして今度の対策のあいまいな点について要望をし、これに対して大蔵大臣それから自治庁長官も趣旨を了承して努力をすると言われておる。従ってこの決議の趣旨については御賛成である。大蔵大臣が賛成し、自治庁長官が賛成しておる。それならばできないはずはないじゃないか。だれが一体じゃまをしているのか。与党がじゃまをしているのか。どこに障害があるであろうか、こういうふうなことを疑わざるを得ないと思うのです。責任ある担当の大臣、それから大蔵大臣がこの決議の趣旨に賛成をし、努力をしておるにもかかわらず、これがまだ具体化できないというのは一体どういうところに原因があるのだろうか。一つだめ押しのようでありますけれども、長官からお伺いしたいと思います。
#32
○太田国務大臣 言葉の言い回しは違っておりますが、一萬田君の考えも私の考えも、考え方においては同じでございます。しっかりやりますから、どうぞさよう御了承を願いたいと思います。
#33
○北山委員 そのお気持は決して疑うものではございません。とにかくこの神聖なる議場におきましてその趣旨に賛成をし、かつ努力すると言明された以上は、単なる国会の中での答弁として考えられないで、また一般の国民もそう考えないはずでありますから、こういう席で金を握っておる大蔵大臣が言明をし、担当の自治庁長官が言明する以上は、与党の方で反対すれば別でございますけれども、そうでない限りは早急にできるものと私どもは期待し、国民も当然そうなることと期待しておるのが間違いのない当然の常識ではないかというふうに思います。しかも年末を控えての問題でありますから、一つ努力を続けられまして、早急に結論をお出しになるように希望して、質問を終ります。
#34
○中井委員 再建整備法案につきましては、前の国会のこの委員会で慎重に審議をいたしましたから、もうお尋ねすることもないのでございますが、大臣もかわられましたので、二、三点だけお伺いしておきたいと思います。どうですか。この法案がきょう上程になりまして通りましたら、一応地方財政に対する中央側のにらみといたしまして、この程度で――われわれはこれでも実は反対なんでありますが、この程度でけっこうじゃないかと考えております。それ以上何か抜本的にどうこういう論議は非常にけっこうでありますけれども、現実の面としましては、この程度で行けるのではないか。財政方面の御尽力をいただきますと、今の御返事のように行けるのではないか。せいぜいこの程度というふうに私ども考えるのでございますが、そういうことについて、この程度で行ければこのままにしておくのだというふうなお考えであるのかどうか。自治庁長官から伺っておきたいと思います。
#35
○太田国務大臣 はなはだ失礼なんですが、今の御質問は、再建債のたな上げのことはこの程度でいいではないかというお言葉でございましたか。
#36
○中井委員 そうではございません。この法案が継続審議になりまして、きょう参議院の方から回って参りましたこの法案が通りましたら、地方制度の抜本的な改正をしなければ赤字は救い得ないということが一応の世論になっておりますけれども、金額のてこ入れの問題は別として、私どもは制度をそういじらなくても、地方財政の赤字の問題についてはこの程度の金額だけでいいのではないか、そういうような考えを実はいたしておる。これでも実は反対なんでありますけれども、そういう意味において、これで行ければこのままでけっこうだと思いますので、ちょっと念のためにお伺いをしておきたいと思います。
#37
○太田国務大臣 今御審議を願っておる法律はこの程度でいいと私は思います。ただ抜本的な問題は、三十一年度以降の処理として考えておるので、これは別の立場から申し上げておるわけであります。
#38
○中井委員 実はこういうことをお尋ねいたしますのは、どうも最近地方財政が非常に困難である、その困難の原因は、私どもの考えでは、歴代の中央政府が地方についてもっと目をかけてやれば、こういう制度の改正に至らなくてもいい、そういうふうに実は私ども考えておるのであります。なるほど六百億という赤字は大へんな赤字であります。しかしこれを年度別に割りますと、一年百二、三十億の金であります。一兆円の予算にありましては、一%か一・五%以内の金なんです。これまで毎年々々地方財政はいわゆる生かさず殺さず、少々足らぬところでしんぼうしておって、数年たまったのが、今日の行き詰りであると私は考えておるのであります。いろいろ新しい憲法に基きまして制度の改革がありまして、その改革は実はまだ十分芽がふいておらぬと思うのです。芽がふいておらぬうちに、財政に藉口することによって制度をいじるということについては根本的に反対の気持を持っておるのであります。そういう意味において、先ほどからいろいろと議論がありまして、大いに努力なさるというのでありますから、その努力の結果が実を結びますならば、たとえば教育委員会の委員の皆さんは、教育委員会は絶対尊重しなくちやいかぬというし、町村長会は、教育委員会は廃止をしてくれというし、知事会はもっと議会の権限を少くしてくれというし、議会はわれわれのこの現在の制度でけっこうだという。そういうふうなさまざまな意見の中にあって、私どもはやはり国民の立場から、新しい憲法の精神をすなおにながめていきますと、そう軽々に、地方はどうも赤字だ、これは制度が悪いのだ、変えてしまえという気にはとうていなれない。そういう意味において私はお尋ねしたのでありまするが、太田さんは就任以来一月ほどになられて、そのことについてどんなお考えを持っておられるか、最後にお伺いをしたいと思います。
#39
○太田国務大臣 申すまでもなく地方財政の困窮状況については、制度とからみ合った点もあろうと思いまして、先ほど北山さんのお言葉に対して申し上げた通り、その点も大きな問題として考えていきたいと思います。私もまだ日が浅いのでございますが、六百億の赤字も大きいが、一方に滞納の額も大体同じ額でございます。これは考えさせられる問題だろうと思います。滞納の額も五百億ございます。この金が入ればこの赤字は出なかったとも言い得る問題でございます。ただしこれは積み重なった問題であり、固定しておる問題でございまして、税の動きというが、徴収の関係もあるので、それと関連を持つのじゃございませんが、そんな点などを考えてみますと、制度というものと財政の実態というものとは相当からみ合っていると思う。制度を、お話のように易々として捨てておくわけには私はいかないと思います。いろいろなお示しの点なども今後の問題として取り扱っていきたいと思います。
#40
○中井委員 ただ一言だけ申し上げておきますが、今言ったように、特に保守党の皆さんは、制度に原因があるかのごとく思われておりますが、現実の問題は、ことしの国会でもずいぶん議論になりましたが、地方議会の権限を縮小して浮いた金は幾らかとわれわれがお尋ねいたしますと、六億であります。私は教育委員会その他のいろいろな制度についても、現実に数字を出すと、案外小さい数字が出て来はしないかと思います。従って財政難を制度に藉口するということについては、よろしく私は慎重に御判断いただきたいということを、最後に希望として申しておきます。
#41
○門司委員 一つだけ聞いておきますが、これはさっき後藤君からいろいろ話があったことですが、来年度の予算の編成について、大臣も同じような答弁をされておられますが、地方制度調査会の答申の中には、私はどうも一つの感じとして、地方の財政をどうするかということの中には、公共事業の圧縮とか何とかいろいろの問題があるでしょうが、そういうことと別に、行政の切り下げが考えられてはいないかと思うのだが、この点はどうなんです。あなた方、そういうお考えをお持ちになっておりますか。これは非常に大きな将来の問題になって出てくると思いますが……。
#42
○後藤政府委員 表面には、行政コストを切り下げるという考え方は出ておりませんが、流れている思想は、やはり能率化ということを考えておられます。従って、民主化と能率化とをうまくあんばいしようという気持からの御答申がたくさんあります。従ってそういう意味からコストの問題にもからんでくるのじゃないか。しかし私どもは直接そういう言葉は聞きませんでしたが、能率化の点から、やはりそういう結論が出てくるかもしれないと思います。
#43
○門司委員 私の心配するのはそこであって、どうも行政の切り下げが行われるというようなことになりはしないかと考えられる。もしこの際これ以上行政の切り下げを行うというようなことになると、私はどんなに手当をしていっても、現実の問題としてでなないと思う。これはあるいは机の上だけではできるかもしれませんが、実際上の地方自治体の性格からいえば、私は行政の切り下げだけはこの際すべきではないという考え方を持っておりますので、これは御答弁は要りませんが、一つ十分に御了承願っておきたいと思います。
#44
○大矢委員長 他に質疑がなければ、これにて本案に対する質疑を終了いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○大矢委員長 御異議がなければ、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 次に討論に移りたいと思いますが、別に討論の通告もございませんので、討論はこれを省略して、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○大矢委員長 それでは採決いたします。地方財政再建促進特別措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#47
○大矢委員長 起立多数。よって本案は多数をもって原案通り可決することと決しました。
    ―――――――――――――
#48
○大矢委員長 次に請願の審査を行います。
 本日の請願日程第一、積雪地方のスキー場建設に対する起債措置に関する請願外二十五件の請願について審査をいたします。
 とれより請願審査小委員長より報告を聴取いたします。唐澤俊樹君。
#49
○唐澤委員 ただいま議題になっております。請願に関する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 請願に関する小委員会は、昨十五日七名の小委員をもって設置され、本日小委員を開いて審査いたしたのであります。
 今国会において委員会に付託された請願は、全部で二十六件でありますが、その内訳は、地方債に関するもの五件、地方交付税に関するもの十二件、地方税に関するもの五件、その他地方財政に関するもの三件、合併市町村育成に関するもの一件となっております。審査の方針といたしましては、請願は申すまでもなく、国会に対する国民の真摯なる要望の声でありますので、その趣旨のとるべきものはできる限り広くこれを採択することとし、疑義あるものについては、今後さらに検討を加えることにいたしたのであります。
 その結果を、便宜本日の請願日程について申し上げますれば、日程第一ないし第三、第五ないし第一〇、第一二ないし第一八、第二一ないし第二五は、採択の上内閣に送付することに決し、日程第四は採択に決しました。
 以上簡単でありますが御報告申し上げます。
#50
○大矢委員長 ただいま小委員長より、請願の審査の経過並びに結果について報告を聴取いたしましたが、小委員長の報告の通りに決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○大矢委員長 御異議がないものと認め、さよう決定いたします。
 なお本委員会に参考のために送付された陳情書は、全部で二十九件でございます。この際御報告を申し上げます。
 なお、本日議決いたしました法案及び請願に関する委員会の報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○大矢委員長 御異議なきものと認めさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#53
○大矢委員長 次に警察に関する調査を進めます。発言の申し出がありますのでこれを順次許します。門司君。
 なお出席は大麻国務大臣、高辻法制局次長の出席を見ております。
#54
○門司委員 私がこの際大臣にお聞きをしておきたいと思いますことは、これはむしろ大臣というよりも、一つ内閣に聞かなければならないことかもしれませんが、今度大臣のもとに政務次官が発令になっております。そしてこれは政府委員として発令になっております。私は今日の警察制度の上から考えて、政務次官が必要であるかないかというこにつきましては、実は多大の疑問を持っているわけでございます。それはなるほど国家行政の組織の上から申し上げますと、第十七条には明らかに、「各省及び法律で内閣総理大臣その他の国務大臣がその長に当ることと定められている行政機関に政務次官各一人を置くことができる。」こう書いてあります。従って、この十七条だけを見れば、一応次官が置けるやに私ども解釈することができるのであります。ところが同じ十七条の三項には「政務次官は、その機関の長たる大臣を助け、政策及び企画に参画し、政務を処理する。」と、こういうふうに政務次官の任務が規定してあるのでございます。この規定してあります任務と警察法の第五条ないし六条との関係を考えてみますと、今日の警察法の趣旨から申しますと、この政務次官の任務として書かれておりますととはほとんどないのではないかというふうに私は考えるのであります。従って大臣のもとに政務次官が置かれておりますことについて、政府はどういうお考えで政務次官を置かれておりますのか、この際御説明を願っておきたいと思います。
#55
○大麻国務大臣 これは私から申し上げるよりもむしろ内閣から申し上げた方が適当かと思いますから、根本官房長官に来てもらって御説明申し上げさせるつもりでおりましたけれども、ちょうどきょうは最終日だものですから非常に取り込んでおるようであります。それで法制局から、次長が参っておりますから、失礼でございますがそちらから御答弁申し上げます。
#56
○高辻政府委員 ただいまの御質疑、国家行政組織法の当該条文をおあげになりまして、法律的には置けるように見える、しかし職務がどうなるのであろうかというような御質疑と承わったわけでございます。仰せの通りに国家行政組織法の規定によりますと、政務次官が置かれますのは各省のほかにさらに法律で内閣総理大臣その他国務大臣がその長に当ることと定められている行政機関には置けることになっておりますので、従って法律の明文上国家公安委員会もそのような行政機関であることは明らかでございますから、そこに政務次官が置けることもこれまた明らかなところであろうと思うわけでございます。
 さらにそれはそうにしても職務がどうであろうかという御懸念のようでございますが、これはまさに仰せの通りに各省の大臣は省務を統括するというわけで、そこには政策的なあるいは企画的な面が相当豊富にあるということは確かでございますし、国家公安委員会の委員長の職務は会務を総理するということでございますから、多分に事務的であるということも確かなことでございます。従って政務次官はその機関の長を助けて、政策及び企画に参画するということになっておりますので、その面の働き方の分野というものは、各省に置かれたものよりも狭いというととは申し上げざるを得ないと思います。但し政務次官はそのほかに政務を処理するという職務を持っておりまして、たとえば国家公安委員会における委員長は国務大臣としての資格をあわせ有しておりまして、国会及び政府との間の連絡交渉に当るという、政務を処理するという面を持っておりますので、政務次官もその面では多分に働かれる分野を持っておられるわけで、決して無意味なことではない。言いかえてみますと、法律的には可能であるし職務が全然ないというわけでもない、こういうふうに考えるわけでございます。一応お答え申し上げます。
#57
○門司委員 その点ですが、警察法をもう一度ごらんを願いたいと思います。警察法の中には「内閣総理大臣の所轄の下に、国家公安委員会を置く。」というととが明瞭に書いてあります。従って内閣総理大臣のもとに置かれた国家公安委員会であり、その国家公安委員会の委員長はたまたま国務大臣をもって当てる、こういうことになっております。従って国務大臣たる国家公安委員長の性格は、国家公安委員会の権限に限られた大臣の一つの権限だと私は考える、これが私は正しいと思うのです。そうなって参りますと、この公安委員会の職務権限というものはすべて五条にあげられております。これ以上一体ほんとうに政務というものがあるかないかということは、私ども実際上の問題として疑念を持っております。すでに法制局の方はよく御存じだと思いますが、二項には「公家公安委員会は、前項の任務を遂行するために、左に掲げる事務について、警察庁を管理する。」と書いて、そして「警察に関する諸制度の企画及び調査に関すること。」「警察に関する国の予算に関すること。」こういうことが実に明確に書いてあります。従って今日国家公安委員会の政務、企画というようなものは私はこれ以上には出ないと思う。従来の旧警察法の場合はこういうことはなかったのであります。当然担当大臣がおられ、これらの問題については担当大臣が国会に出られてお話を願い、それを閣議に御報告されるという形がありましたので、旧来の形においてはこういうものははずされておりましたが、今度はこれは明確に委員会の仕事になっておる。そういたしますと委員長たる大臣の資格は、委員会の形から申し上げますれば、委員長の不在の場合は代理の委員長をあらかじめ指定しておかなければならないと警察法にも明らかに規定があるのでありまして、委員長の代理ができておるはずであります。いわゆる大臣の補佐をされる政務次官の余地がそこにあるかどうかということです。委員長の代理がちゃんとあるのですよ。従ってわれわれは政務次官の余地はほとんどないと思う。私が心配をいたしておりますのは、今の法制局のような答弁でありますと、万一拡張解釈が行われて、そしておれは大臣のかわりであるというようなことで、国家公安委員会にくちばしが入れられることになると、とんでもないことになる、私はその点を心配するのであります。この点は警察法の改正されたときに非常に問題であったと思う。大臣をもって当てるということは、行政委員会の組織自体から考えてもおかしいのであります。執行権を持つ国務大臣がこの行政委員会の長に当るというととは、これは警察法自身がおかしいのであるが、そのおかしい上にもう一つおかしいととをくっつけてやっていこうとする政府の意図が私はわからぬのでありまして、もし今のような答弁でありますならば、その政務次官の持っております権限の範囲あるいは代行のできる範囲をもう少し明確に知らしておいてもらいたいと思います。
#58
○高辻政府委員 先ほどの私の法律上のといいますか、そういう解釈に関連してのお尋ねでございますので、さらに御答弁をさしていただくことをお許し願いたいと思うのですが、先ほども申し上げました通りに、国家公安委員会がいわゆる行政委員会の一つとして、まさに仰せの通りに合議制の機関としての委員会活動をするということは当然のことでございますが、政務次官の職掌としてあげられておりますのは、その機関の長を助けて政策及び企画に参画し、その他政務を処理する、こういうことに相なっております。従って先ほど申し上げました通りに、各省に置かれます政務次官であれば大臣を助けてやるわけでございますし、国家公安委員会に置かれました政務次官につきましては、委員会ではなくして委員長を助けて政策及び企画に参画し、政務を処理すということになるわけでございます。
 ところが先ほどの繰り返しになりますが、委員長としましては会務を総理するというようなきわめて事務的な仕事でございますので、その間に企画、政策というようなものが出てくることは各省に置かれる政務次官と比べますと非常に少い、ほとんどないといってもいいかと思います。それは仰せの通りだろうと思います。但し、やはりこれは警察法ができましたときに、たしか門司さんが非常に御熱心に御論議になったところだと思いますが、大臣が国家公安委員会の委員長になること自身についての多分の御疑義がございました。しかしそれはもう法律として出ておりますので、国務大臣が置かれましたというのは、実は政府の意図なりを国家公安委員会にいい意味で反映をさせる、また国家公安委員会の意図を政府に伝えるというような面で、行政の円滑な行き方をそこに実現したいということでできたように拝承いたしておりますが、そういう意味で国務大臣が国会や政府と政策、政務的な事項についていろんな処理をする面が絶無とはいえない、そのためにむしろ警察法はそういうことを考えたといってもいいくらいなわけでございます。
 まあそのときのことになりますからそれ以上詳しくは申し上げませんが、そういう面で政務次官が政務を処理するという面はないとはいえない、むしろあるといわなければならない。そういう面で政務次官が働く分野はあるわけでございますから、国家公安委員会に置かれることが、少くも法律的に違法であるということは言えない、また無意味であるとということも言えないだろう、こういうわけであります。
#59
○門司委員 いいんだか悪いだか一向わからぬのです。仕事がないとかろに置いてもしようがないと思うんだが、同時に危険があると思うのです。危険がなければいいのすが、私は危険があると思う。その問題は今のような御答弁をされておりますが、置くとか置かぬとかいうよしあしは別として、大臣が法律に基いて置くということにすでに結論が出ているから、この法律に基いてということを一つの現実の問題として私どもは検討したいと思います。
 そう検討して参りましても、少くとも国会における政府委員として、今の大臣の担当されておりまする範囲というのは、私はこの国家公安委員会の範囲を出るものではないと考える。これは担当大臣でありませんで委員長としての大臣でありますから……。従って国家公安委員会の行政の範囲を出ないものだとするならば、そこに政務次官の必要は毛頭生じないと思う。明らかに警察法の中にも書いてありますように、あなたの方は詳しいと思うが、公安委員長の不在の場合あるいは事故のあった場合は、これにかわり得る者はあらかじめちゃんと規定してあるのです。政務次官に大臣がきょう都合が悪いからかわりに行って来いというわけにいかぬのです。法律上ちゃんと代理が定められてなければならない。そうすると大臣のかわりというものがちゃとできておる。大臣がおいでになってやられるならばいいことであるし、あるいは警察の予算についても企画についてもその大臣がおいでにならなければ代理の人が処置をされればいいのであります。何のために政務次官の必要があるか、この点は今の答弁だけでは私は承服がしがたいのであります。それで心配をいたしておりますのは、さっき申し上げましたように、もし政務次官が拡張解釈されてこの公安委員会の中に少しでもくちばしを入れられたり、あるいは大臣のかわりにおいでになって公安委員会に関して、もし答弁を間違ってされるということになりますと、これは重大な問題を起すと思います。だから、この点はあなた方の方で大丈夫と思ておるのですか。
#60
○大麻国務大臣 大丈夫でございますからどうぞ御安心下さい。国家公安委員会は御承知の通り五人の民間から出ておる公安委員の諸君と委員長たる国務大臣で組織されております。そうして委員長たる者の代理は他の公安委員の一員が指名されておりまして、すでにただいまでもおります。ちゃんとそれが代理をやっております。政務次官はこれに何ら関与しておりません。それで公安委員会には政務次官は出ても参りません。委員会の構成分子ではございませんから、これに入るわけはないのであります。これは門司さんも御承知でしょうが、警察は公安委員会が管理しておるのでございまして、この構成委員に何の関係もない政務次官は、警察の管理については全くよその人でございます。だからこれが秩序を乱すとか、委員会制度の根底をゆるがすとか、そんなことは断じてございませんから、どうかその点だけは御安心願いたいと思います。
#61
○北山委員 そうしますと、新聞であの当時私拝見したのですが、大麻国務大臣は国家公安委員会に政務次官を置くという話が出たときに、たしかこれに賛成されないで反対をされたようなお話を聞いておるのです。それがどういう理由でとれに賛成をし、政務次官を設置されるようになったのか、これの経過についてお伺いしたいと思います。
 それから同時に、お話のようであれば、今度の政務次官というのは大麻国務大臣の秘書官といいますか、たとえば国家公安委員会に居そうろうみたいに部屋を取っておるのですけれども、これは秘書官的な仕事しかできないのじゃないか。政府委員になっておりますけれども、この委員会に来て警察の話などを聞くというときに一体政務次官に何を聞いたらいいのか。国家公安委員会の会議にも出席しない、警察管理にも関連を持たないような次官にわれわれは一体何を質問したらいいか、それがわからないのです。従ってこれはどうしても国務大臣のカバン持ちという程度にしか考えられないんじゃないか、そう思うのですが、どうでしょう。
#62
○大麻国務大臣 仰せの通り、新聞でごらんになりましたでしょうが、公安委員会に政務次官を置く必要はあるまいという主張を私はいたしました。けれども政府の方では十七人まで政務次官が置ける、従来は首都建設委員会に置いたけれども、実績にかんがみ、また大局から見まして公安委員会に置いた方が政務処理をするのに効果的である、こう判断して、それで置きたいというのです。そとで私はそれもけっこうである。ただ要点は門司さんが非常に御心配下さいました警察を公安委員会が管理していくという大原則を乱すというようなことがあってはいけない、これが根本だと私は考えました。そこでその点は強く政府にも――私も政府の一員かもしれませんが、まあ内輪話を申しますと、その点を強く押したのであります。ところが政府の意図は、今申しましたように首都建設委員会に置くよりも効果的であると判断しておるだけであって、政務次官を置いて、それで公安委員会でもって警察を管理するという大原則を乱そうなどという考えは毛頭ないということがはっきりわかりました。それならばそれがわかるように、現在公安委員会において一生懸命やっておる公安委員などこ政府が何か意図を持ってやっておるのではないかというような誤解があってはいけないので二日だけ待ってもらいました。そして研究いたしまして何ら大原則に触れる意思はないというととがはっきりわかりましたし、運営もまたこれでつくと考えましたから私は賛成したわけであります。
 それから秘書官的存在ということでしたが、これはそんなものではございません。秘書官はカバン持ちと言われるが、秘書官といえども私はカバンは持たせません。私は自分で持ちます。それでありますから、いやしくも政務次官をカバン持ちなどというととは、それだけはどうぞおっしゃらずに下さい。政務次官になつた人がかわいそうでございます。
#63
○北山委員 どうもわれわれとしては国家公安委員会に政務次官を置いても、次官になった人が何をするのか制度上わからい。そこで仕方がないからカバン持ちだろうと申し上げたのでありまして、まあこの言葉が適当でなければ私は取り消します。しかし今の大臣のお言葉によれば、自分としてはあまり賛成ではなかった、しかし十七人まで政務次官が置けるので、首都建設委員会に置くより若干効果がありそうだから国家公安委員会に政務次官を置くことにしたという程度の理由で置いた、そういうふうなお話に伺えるのですが、それでけっこうですか。
#64
○大麻国務大臣 どうもおっしゃいましたことが非常に無ぞうさのようですけれども、首都建設委員会よりこちらに置いた方がよかろうという判断は正しいと私は思っております。各省におります政務次官の一人々々について見ますと、仕事の重い人もあればひまな人もおるかもしれませんが、これは程度問題ですから、どうぞこの程度でごかんべん願いたいと思います。
#65
○北山委員 そういうふうに国家公安委員会の会議の仕事にはタッチしないような政務次官でありますから、従って事警察に関してこの委員会等に出席なすってもこれは意味がない。われわれとしても何を聞いていいかわからない。ですから大臣としては政務次官を警察等の問題についてこの委員会に出席をさせるということはなさらぬ、そういうことは実際上できないのではないかと思うのですが、大臣はどういうふうにその辺考えておられますか。
#66
○大麻国務大臣 御要求があれば、いつでも差し出します。
#67
○門司委員 私はもう一度法制局に実質論について聞いておきたいのだが、国家行政組織法の第十七条の解釈と警察法の六条とのかね合いですが、警察法は明らかに「内閣総理大臣の所轄の下に」と書いてあります。内閣総理大臣が所轄しているのは間違いないのです。たまたま行政委員会の委員長が国務大臣である、こういうことなんです。従って警察に関する限り、大臣の職務権限というものは委員長としての職務権限以外にはない。これは上は総理大臣が所轄しているのですから、大臣としての職務権限はないと思う。そこにどうしても政務次官を置かなければならぬということは、十七条の解釈について疑義があると思うのですが、一体法制局はどう解釈されておりますか。
#68
○高辻政府委員 先ほどのお話にも、実はそういうことを含めて申し上げたつもりでございますが、十七条の政務次官の職務から見まして、警察法で委員長の職務というものはこういうふうに限定されておるから、政務次官が置けるような職務というものはありっこないじゃないかというようなことだと思いますが、そうじゃありませんか。
#69
○門司委員 そうじゃないのです。その点は、ほとんど仕事がないということはわかっている。もう一つ、大臣の身分の関係ですが、大臣であることに間違いはない。しかし大臣としての身分と同時に、もう一つの大きな問題は、国家公安員委会の委員長としての身分、これが大臣の身分になっている。従って普通の各省、あるいは他の行政機関に置かれる大臣の身分とは私は違うと思う。警察行政全体の大臣であるのか公安委員長としての大臣であるのかという解釈が、ちょっと食い違いが出てきはしないか。それを考えますのは、やはり公安委員会という組織は内閣総理大臣の所轄のもとに置かれておるということであって、従って各省の大臣と性格上違っていなければならないと私は思う。各省大臣と性格上違つておるということになれば、十七条を直ちに適用して、あなたの言うように置いてもいいのだということが言えるかどうかという、もう一つの疑問がある。この疑問に対してお答えを願いたい。
#70
○高辻政府委員 国家公安委員会委員長に国務大臣が充てられておるというその国務大臣は、各省の大臣つまり主任の大臣としての大臣と違うということは、明らかなことだと思います。しかしそれにしましても、それではそういうところに政務次官を置けないじゃないかというと、そういうことにはならないのであって、国家行政組織法上からは先ほど仰せになりましたように置けるということになっておる。だだ全然やることがないのに置けると言っても意味をなさいけれども、そういう点から考えましても何も仕事がないということにはもちろんならない。何となれば、なるほど委員長の職務というものは、会務を総理するというように非常に事務的なものであるから、そこに政策的、企画的なものが働く分野というものが非常に少いことは事実だろうと思いますが、しかしたまたまこの委員長は同時に国務大臣でありまして、国務大臣を置いた理由につながるところでありますが、その国務大臣はすなわち国会なり政府なりとのそれぞれの政務的ないろいろな連絡、交渉に当る任務を持っておるわけなので、その面における分野において政務次官が機関の長を助けて政務を処理するということがやはりあるわけであります。そういうことで政務次官は国家行政組織法上違法とは言えないし、警察法とのかね合いから見ましても職務を遂行する余地がないということは、むろんないということになるわけであります。
#71
○門司委員 もう一度だけ聞いておきますが、どう考えてもわれわれには意味がわからないのです。少くともこのまま読めば一応そういう解釈ができるかもしれませんが、大臣の身分というものと警察行政というものとかね合せて考えてくると、さっき申し上げましたように、公安委員会の仕事というものは、ちゃんと書いてあるのですが、企画立案もするし、予算の関係も持っておりますし、この仕事を遂行されるのは公安委員会の委員長としての大臣の仕事であって、このほかに警察に関する大臣の仕事というものは、実際上の問題としてほとんどないと思います。前の担当大臣のときの方が理屈が立ったかもしれませんが、担当大臣でなくなって委員長になられた以上はそういうことはないと私は思う。ただ大まけにまけて、もし意見があるとするならば、大臣はこういうことを言っておりますというような取次くらいはあるいはできるかもしれませんが、少くともそれ以上のことはないと思います。同時にまた念を押しておきますが、われわれが心配しておりますのは、警察は厳正であり、中立でなければならぬということである。ことに行政委員会として置いておりますこの公安委員会あるいは警察制度の趣旨にいささかも間違いのないように、この政務次官の運営というものを大臣にお願いするととは無理かもしれませんが、一つこの機会に内閣は気をつけていただきたいと思います。もしこれが間違ったらえらいことになりますので、その点だけを念を押しておきます。
#72
○大麻国務大臣 門司さんの仰せの通りだと思います。私どもはちゃんと肝に銘じておりまして、疎漏のないようにやるつもりでありますからどうぞ御安心下さい。
#73
○大矢委員長 なおこの機会に私から一言ごあいさつと御礼を申し上げます。おそらく臨時国会はきょうをもって終ると思いますが、本委員会には御承知のように重要な案件がございまして、ふなれな私に皆さんが御協力下さって審議することのできたことを衷心から御礼を申し上げる次第でございます。
 これをもって散会いたします。
   午後一時三十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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