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1955/12/09 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 社会労働委員会 第3号
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1955/12/09 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第023回国会 社会労働委員会 第3号
昭和三十年十二月九日(金曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 佐々木秀世君
   理事 大坪 保雄君 理事 大橋 武夫君
   理事 中川 俊思君 理事 野澤 清人君
   理事 藤本 捨助君 理事 山花 秀雄君
   理事 吉川 兼光君
      植村 武一君    越智  茂君
      亀山 孝一君    田子 一民君
      田中 正巳君    中村三之丞君
      中山 マサ君    亘  四郎君
      神田 大作君    多賀谷真稔君
      滝井 義高君    中村 英男君
      長谷川 保君    八木 一男君
      山下 榮二君    横錢 重吉君
      中原 健次君
 出席政府委員
        厚生政務次官  山下 春江君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  曽田 長宗君
        厚生事務官
        (社会局長)  安田  厳君
 委員外の出席者
        厚 生 技 官
        (医務局国立療
        養所課長)   尾崎 嘉篤君
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
十二月九日
 委員堂森芳夫君辞任につき、その補欠として八
 木一男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 附添婦制度に関する件
    ―――――――――――――
#2
○佐々木委員長 これより会議を開きます。
 まず附添婦制度に関する件について、調査を進めます。
 発言の通告がありますので、順次これを許します。横錢重吉君。
#3
○横錢委員 つき添い婦の問題は、二十二国会におきまして、相当に論議をせられました。これは医療制度の改革という時期に当って派生してきたところのつき添い制度を廃止をして、厚生省の案によるところの、常勤労務者の制度を実施しようという、こういうような考え方との衝突がありまして、その結果、つき添い婦の制度の存置という見解から、この問題がいろいろの角度から論ぜられたわけであります。その後これらの問題に関してどういうような経過をたどっているか、厚生省からの答弁を承わりたいと思います。
#4
○曽田政府委員 この前の国会におきましていろいろ御審議を願いました、いわゆるつき添い婦制度に関連する事件に関しましては、私ども衆議院及び参議院のいろいろの御注意、御決議もございましたので、この趣旨に従いましてできるだけ慎重に、また円滑にこの仕事が進みますようにいろいろ検討もし、また関係の療養所長、さらにこの仕事を直接に取り扱います総婦長あるいは医務課長というようなものの会議等も開きまして、この問題をいかに円滑に進めるかということについていろいろと話し合いをいたしました。またもちろん各地にございます私どもの出張所長、これが各施設についても具体的な状況を検討し、そしてこの実施の案を具体化して参ったのであります。大体一応予算でもって認められました二千二百七十人というものの増員をどういうふうに配置するかということにつきまして、いろいろ状況を勘案してこの案を立てたのであります。この案の実施ということにつきましては、各施設といたしましてはいろいろ心配しておることもございますが、一応話がつきまして、これを逐次実施して参る。御承知のようにこの予算は本年度三ヵ月分の予算をちょうだいしておるのであります。これを本年度の一番最後の第四・四半期に実施するということになりますれば、一月一日から二千二百七十人を一気に配置して、今まで入っていただきましたつき添い婦が逐次不要になっていくというような形になりますので、かように急激な変化が起るということは好ましくないのではないか、個々の施設によりまして比較的簡単に実施できるところもございますれば、また長い間の準備期間を要するところもございますので、この一月一日を待たずして実施のできるところは若干施設において実行に取りかかる。そのかわり一月一日を過ぎましても直ちに実施のできかねるところはおおむね年度末を目途といたしまして、次第にこの体制を整えていくというふうに考えた次第でありまして、十月、十一月の二ヵ月の間にこの実施に取りかかりましたところは、大体四十九施設と報告が参っておるのであります。今までの報告に徴しますれば、おおむね順調に進んでおるというような状況でございます。
#5
○横錢委員 今の医務局長の経過を聞いておりますと、これは二十二国会において説明された厚生省の案そのままが順調に各施設において実施されておる、こういうように承わるのでありますが、その通りでございますか。
#6
○曽田政府委員 さようであります。今後の問題はいろいろとまたあるかと思いますが……。
#7
○横錢委員 今の医務局長の御答弁によると、当初の計画が順調に進んでおる、こういうふうな答弁でありますが、これは驚くべきことではないか。厚生省のそういうような考え方に対して、前国会においては各委員から相当の意見が出て、しかも厚生省の案をそのまま実施することは適当でないという国会としての決議が行われたはずです。これは衆議院の方においても、附添婦制度に関する決議、ここに「昭和三十年度において政府は国立療養所の看護要員の充実を計る意図であるが、これに伴って直ちに現行附添婦制度を全面的に廃止するが如きことは、実状にそわざるものと考えられる。よって、政府はこの実情を考慮の上、療養所管理の実態の改善のため充分なる方途を講ずべきである。」これは文句はきわめて抽象的にできておるけれども、その精神というものは、要する厚生省の案をそのままむき出しにやってはいけないということに対して国会としての意思を表示したものであります。従って当初の計画通り進めることは適当でないということは、この決議によってわかっているはずであります。さらに参議院の方においてはこれが具体的に出ておる。「附添婦制度廃止の基本方針については、それが医療内容の向上に寄与する限りにおいては止むを得ないとしても、現実にその廃止が、看護要員の増加及び設備と給食の改善を実施するに非ざれば、看護に支障が起るような場合にはこれを強行してはならない。更に廃止する場合でも現在の附添婦の配置転換等については万全の方策を講じなければならない。よって政府は此等の実情を十分考慮の上慎重なる方途を講ずべきである。」こういうような意思は、参議院の方は少しく具体的でありますが、要するに厚生省の考え方をそのまま実施するということは適当でないから、これに対して相当考えていけというような国会としての意思の表示があったわけであります。それでは国会の決議というものを何ら考慮をしなかったのであるか、この点についてどう考えておられるか。
#8
○曽田政府委員 私どもといたしましては当院の決議に載っております直ちに全面的に廃止するというようなことがないようという点につきましては十分考慮いたしまして、私どもこの実行の可能なところから逐次開始いたした次第でございます。また参議院の決議にうたわれております点につきましても、看護に支障が起るような場合にはこれを実施しない、無理をしない、準備が整ったところから逐次開始いたすというような趣旨に基きまして十分御趣旨をくみ入れて実行に取りかかったというふうに考えております。
#9
○横錢委員 今の局長の考え方は、要するにこの文句の中に表現をされたその抜け穴をたどって、これでさしつかえがないというような考え方で実施したのか。要するこの衆議院における決議、参議院における決議というものは、その精神とするところは、おそらく現行のつき添い制度に対して厚生省の案をそのまま直接ぶつけることは適当でない、いわゆる政治的ないろいろな面を考慮して支障の起らないようにやるべきである、こういうような考え方のもとに行われた。その決議の精神はそこにあるとこう解釈しておるのであるが、そういうふうなものは全然考慮されていないのであるか。要するに「直ちに全面的」という、当局の希望した文句がこの中に入っていたものでありますから、その入った文句をこれ幸いとして、院議を骨抜きにしてこれを行なってきたのか、その点について御答弁を承わりたい。
#10
○曽田政府委員 私どもがちょうだいいたしました決議は、ただいま申し上げましたように無理のないように、今も言われましたように改めるべき点があったならば改めて実施すべきである、私どもこれで十分無理なしに実際着手できるというふうに考えましたので、決して御意見に沿わないものではないと考えておるのであります。
#11
○中山(マ)委員 本院の院議を無視しないと一生懸命おっしゃっておられますが、これを見てみますと、三十一年の一月一日からこれを実施するという計画になっておりますにもかかわらず、もうすでに一〇%は実施済みであるということがここに書いてあるのであります。これは私本院の意思を無視した何よりの証拠ではないかというふうに考えるのでございますが、それでも無視しないとおっしゃるのでございましょうか。ここに証拠をちゃんと御自分で提出しておられます。ここに二千二百七十人、総数のうちの一〇%はすでに実施済みで、円滑にいっておると言われておる、だからこれはどうも言われることが非常におかしいと思います。国会の代表の言うことを聞かぬどころか、それよりももっと行き過ぎた行為を私はここに認めるのでございますが、これについての御答弁を承わりたいと思います。
#12
○曽田政府委員 ただいまのお話のように、本年度の予算といたしましては三ヵ月分の予算を二千二百七十人分ちょうだいいたしておるのであります。しかしながらこの予算を執行いたすにつきましては、その期間の間にこれだけの予算が十分に消化できないというような場合もあり、またそのことが非常に支障を生ずるというようなことでありますれば、より円滑にこの仕事を進め得ますようになしくずしと申しますか、傾斜的にこれを実施して参るということは決して院議を無視したということにはなるまいかと私ども存じておる次第でございます。
#13
○中山(マ)委員 そうおっしゃるのでございますが、ちゃんとここに期日がはっきりと出ております。それを、予算をいただいたからこれを使わなければならぬということと明確なる期日との違いはどういうふうに調整していただきますか。こういうことが行われたために、私どもつき添い婦の方々から伺いますと職を失って気が狂った人が出てきている。これは女性の気の弱さというか、このごろ流行のノイローゼの一種かもしれませんが、しかし今日の風潮というものは、とかく女の人に対する圧迫があまりきつ過ぎはしないかと思います。私はこういう働く人の職場を奪うということはどうかと思います。ですから、私はこういう一〇%済ましたということには反対であります。こういうことは、この委員会がきめたことに対する違反です。明らかに官僚横暴であります。女性の生活を脅かしているのは厚生省だと世間から言われてもあなた方は抗弁はできなかろうと存じます。私は厚生省を誹謗することはいやですけれども、しかし事実は無視することができないわけでございます。このために、三千二百人のつき添い婦等がおったのでございますが、その中で職を失った人がどれだけあるか、一つその数をお知らせ願いたいと思います。
#14
○曽田政府委員 ただいまのお話にございましたように、一月でなければやってはいかぬというふうにお取りきめ願ったというふうには私ども考えておりません。一定の仕事を実施いたしますのに、一月の一日におきめいただいた通りに二千二百七十人でもってあまりにも急激に切りかえるということは、むしろ支障を生ずるものというふうに考えまして、今申し上げたような予算の実施をいたした次第であります。
 それから職を失った人たちがどの程度にあるかというお話でございますが、大体ただいままでに実施した施設におきましては、比較的つき添い婦の入っている数が少い施設でございました。しかしそれにいたしましても、今度定員を配置いたしまして、いよいよ所の職員になっていただくということになりまして、今までつき添いをやっておられた方々が所の当事者といろいろ話し合いをいたしまして、そうして病院に残っていただくのが適当であるという方には残っていただきまして、自分の御意思にあるいは多少反しましても他に転職を希望される方については、所の方からもいろいろ御援助して、大体三分の一程度の方が病院に残っておられます。
#15
○中山(マ)委員 三分の一が残って、三分の二はほかの施設で職を得たのでございますか、それとも得るであろうという仮定のお考えでございましょうか。それが一つ。
 それから先ほど予算をもらったからこれを早くしてもいいのだというお話でございますけれども、今問題になっている地方の赤字対策の問題でも、いろいろ予算をもらってもそれが実施できなかった例は多々あるのでございますから、単に予算をもらったから、婦人方に迷惑をかけてもやるのだということは、私はあまりにも独善的であり、独断的ではなかろうかと思う。そこでその三分の二の方の就職の模様をもし詳しく伺えるものでしたら、何パーセントがどこに行ったかということをおっしゃっていただきたいと思います。
#16
○曽田政府委員 今その正確な数字は持っておりませんが、ただいま報告を受けているところでは、中には派出看護婦会から派遣されていた方がかなりございましたので、こういう方は大体ほかの病院にかわっていかれたと考えております。それから中には家庭に帰られた方もあるように聞いております。また他の仕事に転じられた方もあるというふうに聞きまして、大体大きな困難なしに話がまとまっておるという報告を受けております。
#17
○中山(マ)委員 御承知の通り自由民主党は拡大均衡ということを看板にしておるのでありますが、すでに職を持っておった者が家庭に帰ったということは、やむを得ず帰ったということではなかろうか。このごろ失業者が増大いたすようでございますが、こういうことをやっていただきますと、女性の行く先がない。しかも年をとった人が生活が困難になる。こういうことをなすっていただきますと、十二月の終りを目がけて――このごろの世相を見てごらんなさい。親子心中が盛んに出ていますが、こういうことを厚生省が助けていらっしゃるのじゃないか。これでは心中増加運動であるような気がいたすのでございます。家庭に入った者が何人あるか。今数字をお持ちになりませんでしたら、今でなくてもけっこうでございますから、次の機会にでもお知らせ願いたいのでございます。
#18
○曽田政府委員 今まで私どもが報告を受けておりますのは、先ほど申し上げた通りでございます。
    〔委員長退席、中川(俊)委員長代理着席〕
いろいろこの問題は個別的な問題になりますので、できるだけお世話をいたすように、また先ほど申し上げましたのは、今までつき添い婦としてついておられました方からそれだけ採用したというのでございまして、それ以外に新たに入っていただいた職員の方も、全体といたしましては五百人ばかり採用いたしております。
#19
○横錢委員 今の局長の答弁だと二千二百七十人の三ヵ月の予算による案を立てて、これが取ってあったから実施したんだ、こういうような考え方であるようです。そうすると初めからこの予算に組んであるからこれを実施するというような考え方で、この四月以来臨んでおったわけですか。
#20
○曽田政府委員 私どもは三ヵ月分の予算をちょうだいいたしまして、その実施につきましてはできることならば、はっきりいたしておりますように一月一日から三ヵ月というふうにこれを実施して参りたいというふうに考えてはおったのでございますが、いろいろとその後の状況、また皆さま方の御意見というようなものも拝聴いたしまして、できるだけこれを無理のないように円滑に進めるためという点から、ただいま申上げたような措置をとった次第であります。
#21
○横錢委員 今の局長の答弁では、やはり予算上立ててあるからこれを実施して、ただ多少考慮をしたというように承わるのでありますが、この前の国会においては、つき添い制度を実施するのは予算上の問題ではないということを言っておった。これをやるのは医療内容の点である。もう一つには病院長の指揮下に入らせる、このことが明確でないからこれを実施するのであって、これは予算上の問題ではないということを言っておったはずです。この問題、どう考えていますか。
#22
○曽田政府委員 ただいまの体制をできるだけ早急に整えたいということを考えておりましたのは、お話の通り、予算が決定いたします前からさような考えは持っておったのでありますけれども、しかしながらもちろんこの体制を整えますためには、これは施設にもよりけりでございますけれども、大部分の施設におきましては、やはり人員を補ってやらなければこの体制に移りにくいというような状況でございますので、予算を組んでいただきまして、そうして実施に移る財政的な基礎と申しますか、これを準備いたしたいというふうに考えた次第であります。
#23
○横錢委員 前国会におけるわれわれの方の質問では、要するにつき添い制度を廃止するということは、厚生省が大蔵省から予算の問題で削減を言われたのではないか、従って一万二、三千円のつき添い婦を廃止して、八千円程度の常勤にする、しかも人数を四千人内外のものを二千二百七十人にする、人数の点と一人当り月収の点と、この二つの点からの予算の削減をめぐってこの問題を出しておるのではないか、こういうような角度から質問しておる。このことについてあなたの答弁としては、そうではなく、これは病院長の指揮下に入れる問題である、あるいは看護内容を向上させる意味である、こういうような点からだけやるので、予算の点については考えていない、こういうようなことでもって答弁しておる。きょうこれを伺っておると、これは二千二百七十人の予算が通った、従ってこの予算を忠実に実行していくんだという考え方であって、前国会の答弁とは著しく変ってきておる、このことはどういうふうに考えておるか。
#24
○曽田政府委員 ただいまのお話から伺いますと、私ども考えておりますことと少し違いがあるのではないかというふうに思われるのでございますが、要するに予算と関係がないと前に言って、今度はあるというふうに言ったという点につきましては、実はただいまお話がございましたように、予算といいますか国の経費と申しますか、これを節減するためにこの制度を考えたものではございませんという意味であったかと思うのであります。それからただいまのあとの御質問につきましては、私どもも自分としてはこの制度を実施したくないのだ、ただ予算がきまったからどうしてもこれをやらなければならぬのだというように私どもは考えておるものではございません。そもそも私どもは今も御指摘下さいましたように、何とか整った看護体制を整えたいというのが念願でございまして、既定予算の中でも実施のできるところはさような体制に持っていきたいというふうに努力はして参っておりますけれども、やはりこれをもっともっと他の施設においても実施をして参るということのためには、一定の予算措置をとらなければならぬということで御決定願ったものと考えております。
#25
○横錢委員 それだから私はつき添い制度のその後の経過は一体どういうふうになっておるかということでもって、厚生省の方の経過を端的に説明をしていただいたわけです。局長の答弁では、もっぱら予算上の措置についてこれを実施消化を目途としておる、こういうような説明になってきておる。従って前国会の制度廃止云々の問題について掲げられたところの二つの目標、病院長の指揮下に入れるのだ、あるいは看護内容を向上させるのだ、これをやらなかったならばわが国の医療はよくならない、こういうような趣旨から御答弁があった。だとするならば、その意味でつき添い問題も経過をしておらなければならないはずです。ところが時日がたつにつれて、前国会が終りまするや、その問題については、もっぱら国会における答弁に使っておった二つの目的はどこへか飛んでしまって、腹の中に考えておった予算の措置の問題だけが、今むき出しになって出てきたのではないか、こういうような印象をわれわれは受けざるを得ません。この点についてさらにもう一回御答弁願いたい。
#26
○曽田政府委員 私どもとしましては、お話のように療養所におきまして看護の全責任をとった体制を打ち立てたいというふうに、かねがね考えておりました。先ほど申し上げましたように、三ヵ月分の予算を組んでいただきましたので、その範囲内でできるだけ円滑に、できるだけ計画通りに実施が進みますように私ども考えて、実施可能なところから逐次着手の道に入ったわけであります。
#27
○横錢委員 それでは山下次官にお伺いいたします。山下次官は前国会で、社会労働委員会としての審議並びに決議に参加されておるし、かつまたつき添い婦制度に関しましては、非常な関心を寄せられておった、こういうように承知をいたしておるのでありますが、ただいまの中山委員並びに私と局長との質問応答、こういうものを聞いておられまして、どういうような印象を受けられたでございましょうか。その通りになっておるというふうに考えられたのでございましょうか。あるいは前国会の審議においてやったものと今答弁を聞くのとは相当の食い違いがある、こういうふうにお聞き取りになっておるのでございましょうか、この点一つ御意見を承わりたいと思います。
#28
○山下政府委員 前国会で私どももこの問題について非常に深い関心を持っておったことはお説の通りでございます。その後厚生省は傾斜をつけまして、要するにこういうことを比較的すみやかに実施した方がよかろうと思われるようなところに手をつけてみました。その結果を私聞いたのでありますが、その結果、皆様が非常に御心配をしておられますような点は、非常にうまく解決をいたしておるのであります。全員の方が常勤者に採用されてはおりませんけれども、採用されなかった方は、労働省等との連絡によって他に職を変えられる、あるいは元の派出看護婦会にお帰りになったり、あるいは非常にからだの弱い方などは養護施設等に迎えるというような手段も講じておるようでございまして、ただいま私が聞きましたところでは、今までの結果から見ると、皆様方の御心配の点が非常にうまく解決しておるという結論が出ております。将来のことをここで私その通りに行くと申し上げるのではございませんが、これまではそういうことになっておりまして、むしろその施設から、何か職業でもお世話をいたすと御相談を申し上げますと、いや、私は家に帰った方がいいから心配してくれるな、こういうお言葉も本人から出しておられるようでございまして、皆様が職を奪われることによって起ってくる悲惨事というものが現在まではないというふうに私は報告を聞いております。しかもその報告は非常に確信を持ってよさそうな報告でございますので、私はこの問題に今でも関心を寄せていることに変りはございませんが、大体のところ今まではうまく行っておりまして、御心配の点が非常に少いように存じておりますので、医療の実態というものにもう少し目をお向けいただきまして、この問題に対するお考えをお進めいただくことをお願い申し上げる次第でございます。
#29
○山花委員 関連して。ただいま次官の方から御答弁がございましたが、答弁の内容を聞いておりますと、立場が変ればずいぶん違った発言をなさるような感じがいたしました。この前の衆議院、参議院における決議というのは、今さら申し上げるまでもございませんが、そのことによる医療の低下を非常に憂えるという点と、それから切りかえによって生ずるその人たちの将来の問題を考慮せられて決議したと思うのでありますが、医務局長の話を聞いておりましても、次官の話を聞いておりましても、やったところが、なかなかスムーズにあともうまく行っておる、こういう説明でございました。ところが、これは立場が違う関係もあろうかと思いますが、私どもの方へは、これによって医療関係が非常に混乱をし、看護の方面も低下し、将来の就職の問題もめどがなく困惑しておるという報告が入っておるのであります。政府関係に入る報告と私どもの方に入る報告とは全く反対のことになっておるのであります。たとえば横浜の浩風園あるいは習志野、小千谷、刀根山等においては、これを行った。ところがこれらの病院関係からも、このことによって私どもの方にずいぶん苦情が来ておるわけです。一体衆議院の委員会としては何を決議したのだ、その決議は政府関係においてちっとも実行されてないじゃないか、こういうような苦情が私どもの方にずいぶん来ておるのです。そこで、これらの切りかえを行なってあとうまく行っておるかどうかという単に下からの報告でなくして、現地へ行かれて十分調査して厚生当局はただいまのような御答弁をなすったのかどうかという一点をお伺いしたい。
#30
○曽田政府委員 この実施につきましては、先ほども申し上げたように、こちらから係員も派しましていろいろと実行のこまかい打ち合せをいたしておるのであります。また実施いたしました施設の若干には他の施設の者をも呼んで参りまして、そうしてそこの成績がこれでよろしいかどうか、さらにいかような点を改めて、新たに実施するところはいかような注意をさらに払うべきかというようなことを検討いたしております。今おあげになりました施設の若干は、私の方からも行って見てきております。
    〔中川委員長代理退席、委員長着席〕
#31
○山花委員 今医務局長の御答弁は、自分の方も現地に行って十分心配がない点を見届けてきたというような報告でございましたが、これらの関係者から私どもの方には、一ぺん切りかえの実情を見てもらいたい、看護力はうんと低下しておるし、結局療養施設の意義がだんだん失われて来ておる、こういう申し出があるわけなんです。政府が行かれる場合と私どもの――かりにこれから実地を調査するにいたしましても、一ぺん政府関係筋と一緒に行って十分調査をしたい。これはあとの話でございますが、ずいぶん違うということだけをこの場合はっきり申し上げておきたいと思います。
#32
○八木(一男)委員 関連。山下政務次官にお伺いしたいと思います。実は大臣とか政務次官の法制的な役割でなしに、実質的な役割というものを政務次官御本人といたしまして、また国会議員として考えていただく必要があると思うのであります。実質的な役割としては、日本の政治の大部分が官僚行政で動かされている。それを国会議員から大臣、政務次官が出まして、官僚統制のやり方について悪い点をとくと直していくということが大事ではないかと思うわけであります。今山下さんは政務次官になられたばかり、また小林さんは大臣になられたばかりでございますが、小林さんにしても山下さんにしても、この厚生問題については従来から国会の権威者であります。従来の立場で、厚生省のやり方について今までの御意見をどんどん推進していただきたいと私どもは考えておるのであります。そういう御決意がおありになると思うのでありますが、特に今問題になっておりますこの問題につきましては、普通の状態以上にそういう点で大臣とか次官のお力を拝借しなければならないと思うわけでございます。というのは、官庁がいろいろきめましたことは、公けの立場からですから、大体においてほかのもののきめ方については間違いが少いと私は思います。また調査についても相当正確度が多いと思うのでございまするけれども、この問題に関する限り、全然そうは思えない。というのは、医務局のやり方によって、つき添い婦の首切りが強行されることになる。医務局が会社の社長で片方が労働者というような立場になっておる。また患者の立場に立てば、国立療養所がどのような医療の方針を示さなければならぬということは、患者にいろいろ要望があるのに、一方的に医務局のやり方できめられるということがある。ですからほかの、たとえば森永の問題を厚生省はどう考え、どう調査しているかということとはおのずから事柄が違うわけでございます。厚生省は、自分の主張に対してありとあらゆる面から非難があったにかかわらず、その主張を守ろうとして、いろいろの調査について、自分の主張すべき点についての調査は十分であっても、反対側のことについての裏づけをする調査は怠るというおそれがないとは決して言えないわけであります。またいろいろの声を十分に聞いて、その声に従って実情を調査してみようという考えも少いのではないかと思うわけです。たとえばこの問題に重大な関係がある患者の団体あるいはつき添い婦の団体などに対して、厚生省は、快くいつもその声を聞かなければこの問題に関する限り重大な誤まりを犯すと思うのであります。ところが私の知っている範囲では、厚生省の事務当局も、あるいはそのほかの人も、進んでこの声を聞こうという態度が積極的にないと思うわけであります。この点について、特に大臣、政務次官は、この声を特別にこの問題に関する限り御自分の方から進んで聞いてやって、その問題をほんとうの意味で調査しよう、医務局の下僚が調査しただけで満足しないで、それにはこれだけの不十分な点があるのではないか、これには実態と違う点があるのではないか、何なら行ってみてこれを調査してみよう、また御自分だけでなしに、ほかの人と一緒に調査してみようというような積極的な態度をもってこれに当られて、そうしてあやまちがないようにしていただくことが、今の厚生問題の大きな推進者としての山下政務次官の実質的な国民に対する役割ではないかと思うわけでございます。その点について政務次官の御決意を伺いたい。
#33
○山下政府委員 八木先生の仰せはごもっともでございまして、私ども政治家で役所に入っております者が、その役所の考えたこと、役所の行わんとすることにただずるずると引っぱっていかれるということをよいこととは絶対思っておりません。従いまして、つい昨日も大臣とも申したのでございますが、旧来やってきた惰性のからを破るということは容易ならざることではあるが、真にいいと思うことは勇敢にそのからを破って、新しい、いい、そしてみんなの納得する方法を実行しようではないかというようなお話を、各局長をも交えてお話をしたようなわけでございます。本問題に関しましては、実は私自身はまだ日も浅うございますし、今いろいろと勉強させられておる最中でございまして、全く時間がございませんので、現地には参っておりません。しかしながらつぶさに現地に参りまして、その後の患者の声、その後の看護人の声を聞きまして、これではあまり甘いのではないか、ほんとうにこういう声を聞いて、それでいいと思っているのかしらというような反省をしつつ書類を集計しておるというような実情を、この席にはおられませんが、現に病院に行って個々に当られた方から私はつぶさに聞きました。しかしながらそういう声があるということによって、職を失われる方々をその声に便乗して勇敢に整理していいのだとはいささかも私は思いません。要するにこの方法が皆様の御指摘になるように悪いかどうかということも、常に反省しつつ当局の報告を聞きつつ判断をいたしておるのでございますが、ただいまのところ、申し上げたような状況でございまして、御指摘のような悲惨事とか、非常に不合法な独断的な行為とかいうものはなされておらないことが確実なように私は信じておりますので、私としては、今後そういう問題によって起ってくる摩擦や職を失われる方々に対しては、私のあらん限りの力を尽しまして、その後の措置について努力いたしたいと思いますので、私は事務当局に引きづられているという気持はいささかも持っておりません。ただいまのところ、御指摘のような、私が大いに反省しなければならないようなことを今私は見つけておらないのでございます。たとえば病院から、手術室のすぐそばに看護をする人たちのたまりがなければ手術患者にとって不便であるにもかかわらず、その病院では一番端のところにその部屋を置いたというような不平の声があったのを直ちにこれを取りかえる措置をいたしたようでございまして、その後の措置につきましては、非常に神経をこまかくして様子を聞いているようでございますが、万一行き過ぎたりあるいは不都合だと思うような点がございますれば、私は皆様にお誓いして断固そういうものにはついていかないで、反省していただくように努力をいたす覚悟でございます。
#34
○八木(一男)委員 今の御決意を伺いまして、お言葉の通りでは非常に満足したわけでありますが、しかしぜひ知っておいていただきたいことは、今山下さんの言われた悲惨事が起っておらない、非常に順調に進んでいるというようなことは、これは断じてないと私は思うわけでございます。今そういうふうに思っておられるのは、やはりそういう関係の人たちの声を聞かれる機会が政務次官に就任されてからわずかであったためにだろうと思いますので、即時その声を十分に聞いていただきまして、その点を御判断を願いたいと思うわけでございます。特に今悲惨事はないと言われましたけれども、悲惨事は患者の側にもつき添い婦の側にも起っております。それで死地に至った人が方々に起っているという現状もお調べを願いたいのであります。
#35
○横錢委員 この前のときに、つき添い廃止の問題から、これは患者の問題でもあるし、看護力の問題でもあるし、また同時につき添い婦の労働問題でもあるという見地から、一体つき添い婦の実情はどうであるかと質問したのに対しまして、まだよくわかっていない、そのうちに調べるという答弁でありましたが、その後約半歳たっておりますので、当局としては、このつき添い婦の実態をどういうふうに調査をされておるのか、その調査をされた結果について御報告を得たいと思います。
#36
○曽田政府委員 ただいま手元に資料を持ってきておらないのでございますが、療養所についておりますつき添い婦の数も、この中には家族つき添いの者もございますし、手当をもらってついておる方もございます。また看護婦の資格を持っておるかいなか。あるいは外から通勤しておるか、あるいは所内に寝泊りをしているか、あるいは派出婦会に加入しておるかどうか、年令とかのたぐいのものにつきましては、その後一応調査をいたしております。
#37
○横錢委員 その調査をした内容を承わりたいのです。今の局長の答弁は答弁ではなくて、まるで質問のようなものです。私の方ではその内容がどうなっているかということを聞きたい。また当局としてもこの内容がわかっていない。いわゆるつき添いの実態というものがわかっていなかったならば、常勤労務者を設置するという問題についても、この中からどの程度採り得るのだ、あるいはまたこれを転出させる、あるいは他の職業にあっせんをさせる、こういうようなことを考えたとしても、その実情がわからなければできないはずです。ここに持ってきていないというのは、きようつき添いの問題をやるということはわかっておるのだから言いのがれではないか。できておるならばすぐに持ってきて答弁をしていただきたい。
#38
○曽田政府委員 ただいま申しましたように、いろいろと調査はいたしております。先ほども申し上げましたように、特に個別的な問題でもございますので、年配が相当進んでおりまして、他に仕事をあっせんするというふうにいたしましても無理である。やはりどこか社会福祉施設なり何なりでお世話を願うのが適当ではないかというような方等の調査もいたしたのでありますが、ここにそれを集計して、数字としては持って参っておりませんので、ただ大ざっぱに先ほど私が項目をあげましたような点について申し上げますれば、家族つき添いは大体六分の一か七分の一程度ということになっておりまして、大部分は給与をもらっておる人たちであります。それから看護婦の資格を持っておる方は一割ちょっと欠けます。それから通勤しておられる方と、それから所内居住の方との割合はたんと違わないのでございますけれども、通勤の方が半分よりも幾分少いというような数字になっておりまして、半分余りが所内に居住いたしておる。それから派出婦会に加入しておる方とおらない方、これはやはり三対四くらいの割合でございますが、幾分半分よりもよけいの方が派出婦会に入っておられない。半分よりちょっと少い方が、ほとんど半分に近いのでありますけれども、派出婦会に入っておられる。それから平均年令はたしか四十六才という数学が出ておったということでございます。
#39
○横錢委員 今のような調査の結果、当局としてはこれをどういうふうにあっせんなりあるいは他への就職なり、あるいはまたどういうふうにしたならばこれらの人々を出血することなく仕事を与えることができるか、こういうような点について考えられたか。あるいはまたそういう措置をとられたか、この点について承わりたい。
#40
○曽田政府委員 この点は前国会においてもいろいろとこまかく御質問がございましたのでありますが、私ども一方から参りますれば、できるだけこの失職をされる方が一人でも少なからんことを願っているわけであります。しかしながら他面におきましては、私ども療養所をおあずかりいたしておりますものは、患者さんに対してどれだけよりよくお世話いたすかということがより一そう大切なこととなっているのであります。さような意味でいよいよ新たに定員を配置いたしまして、その増員分をどうやってこの新しい職員の採用に充てるかということにつきましては、一方では療養所の患者さん及び職員の意向というようなものをくみまして、できるだけよりよいサービスができる体制に持っていくというようなところから、さような基準で職員の選考ということが行われて参りますので、さような考え方をけしからぬ考え方だというふうに私どもとしても言いかねるのであります。ただ今まで仕事をしておられた方が、この仕事がなくなる、それじゃ困るから当分の間でも仕事を続けていきたいといわれる事情もよくわかりますので、この点につきまして、できるだけさような方に支障のない限り病院で仕事をしていただくように、職員の仲間に入っていただくという措置もとるようにということを申しているのであります。結局はその二つのかね合いで、各施設々々で採用者を決定いたしているというようなのが実情でありまして、所内にいられなかったという方々に対しましては、先ほどからも申し上げておりますように、中にはもちろん所からよけいなことを申しませんでも、自分で身の振り方をお考えになった方もかなりあるのでありまして、どうしても一緒にいろいろ心配してくれといわれます方に対しては、他の病院への転職、あるいは職業紹介所を通じて他の仕事に行っていただくとかいうような、あるいはどうしても激しい労働には耐え得ないというような方々に対しては、社会福祉施設を御紹介申し上げるというようなことで進んでいる次第であります。
#41
○横錢委員 今の局長の考え方が新しい医療体制を求める、患者の方を大切にし、あるいは職員を大切に扱っていくがために多少の点やむを得ないというような考え方の上に立っているようでありますが、それについてどっちを重しとし、どっちを軽しとするというような考え方ではわれわれとしてもないわけで、このことは新しく医療体制を整えてよりよいところのものを作り上げるというのであるならば、たれしもこれに対して反対することはないはずで、新しいよりよいものを作る、そのためにいい制度の恩典に浴し得るものがある限り、その半面に泣かなければならないものがあるとしたならば、これに対して当局が責任を持たなくてよいかどうか。一体厚生省はつき添い婦というものに対して、看護券を発行して直接の雇用関係はないのだ。従って看護券を発行さえしなかったならば、雇用関係は切れてしまって責任はないのだ、だからできるだけ職業安定所にも行ったらいいだろう、あるいはまた病院内で働ける者がいたら働いたらいいだろう、そのうちには雲散霧消してどうにかなるだろう、こういうふうなきわめて投げやりな考え方をもってやっておるのであります。一体この職業安定所に出しても、四十、五十、六十というようなきわめて年令の高いこれらの婦人層の職業がそう簡単にあるものと考えておるのかどうか。あるいはまた通牒を出して紹介しろというようなことをやられたようでもあるけれども、それらの点について確認をしておるのか。全国の職安がこの問題に対して全責任をもって職業を引き受ける、こういうふうな考え方をもって回答しており、また現実にそれらのものを実行しておるというのならば別だが、とにかくこういう問題で失業者が出るからよろしく頼むというような程度の通牒でこれらの実行がされないということは、通牒を出す人そのものが一番よく知っておるはずである。今の職安の中で責任をもって職業のあっせんをしておるのは巣鴨から出るところの戦犯だけです。巣鴨から出るところの戦犯は、まだあの中にいるうちに職安の人々が一生懸命にかけ回って、出たならば翌日からもう就職できるようにあっせんをしておる。これをやっておるのは戦犯の人だけです。それ以外の人に対しては、窓口で受け付けたとしても、この者に対して職業が見つかるかどうか、このことに対して特に骨を折っているというようなことはわれわれは聞いておらない。従って今のこれらの問題を聞いておると、一向に責任を持ってこれらの問題を善処しようというような態度にはとれないのだが、今のところ確認されておるのかどうか、あるいはまた今後どういうふうなつもりを持っておるのか、この点を承わりたい。
#42
○曽田政府委員 ただいままで報告を受けておりました限りにおいては、かなりよくお世話をいたしておるというところもございます。もちろんこれに対しては職安等とも連絡をいたして、よく御協力いただいているところもございます。ただこれはもちろんその各地各地の事情もございますし、また職安におきましても、いろいろ職員によりまして非常に熱心な方と、事務的にやっておられる方とあるかもしれませんですけれども、この辺のところは、私どもも施設の職員を督励いたしまして、よく皆さんと関係の方面と連絡をとって、できるだけのお世話をいたすというように話しておる次第であります。
#43
○横錢委員 厚生省という国家機関が、わずか三千人か四千人の問題で頭を悩ますほどのことではない。やろうと思ったならこれは当然でき得る。病院の中で扱うかあるいは他の厚生省の関係、特に社会福祉をつかさどっているところの省なのだから、やろうとすればこれは当然できるのだ。それが実際にやっていないのではないか。今の答弁の中でかなりよくやっていると言われたが、かなりよくやっているというのは強い表現だが、しからば一体どこでどういうふうにやっているのか、具体的に一つ御報告いただきたい。
#44
○曽田政府委員 例をあげますならば、九州の福寿園等におきまして非常によくお世話をいたしておるという報告を受けております。
#45
○横錢委員 もう少し内容を具体的に説明して下さい。
#46
○尾崎説明員 一応説明いたします。切りかえました看護体制を整備いたしまして、常勤の労務者を入れましたのは、初めのうちは、御指摘のありました小千谷のごときはつき添い婦がいなかったわけであります。そういうところに常勤労務者を入れますのは、これは問題がありませんが、それ以外の、たとえば今お話がありました九州の福寿園のごときは常勤つき添い婦が百名ほどおりまして、なかなか切りかえに抵抗の多いところでありますが、それらにおきましては今政務次官からもお話がございました労働省と厚生省が一緒になりましたお世話をいたす方式によりまして、たとえば学校給食だとか、また公私立の病院等におきまして失業救済のワクで人を採るというような措置ができるということで、今一生懸命で施設の長が各所管の方に行きましてお願いをし、また各学校等を回りましてその受け入れ口を作っている、こういうふうなことを今一生懸命やっております。それは、私つい数日前に九州に行っておりまして、その実情を所長からつぶさに聞いて参りました。できるだけよくやってやれということを申してきたわけであります。また各地で医務課長、総婦長会議を開きまして、その席上でもこういうような通牒が出たから、われわれが看護体制の整備をいたしますための犠牲というような方で、今まで一緒になって仕事をやっておったのでございますから、できるだけのお世話をしてあげなければならぬということで、できるだけ通牒の線を活用してお世話するように申しておきました。また長野療養所におきましては、所側と組合側が一緒になりまして採用にならない予定の方々のお世話をしております。すでに長野は二人か三人お世話が済んでおるということを長野の組合長からも所長からも聞いております。そういうふうにいたしまして、全部の施設につきましては、一々は私は存じておりませんし、ここでは申し上げかねますが、各施設にできるだけお世話をいたすように話しております。われわれの訪問いたしました施設には、できるだけそういうことを注意し、お願いするようにいたしておるわけであります。
#47
○横錢委員 どうも頭が悪いせいか、よくわからないのです。今局長の方では九州の福寿園はよくやっておる、こういうような話で、さらに具体的に福寿園には数日前に行ったからよくわかっておる。こういうような前提の報告なんですが、しからば一体どの程度の人数が対象となって、どの程度の人数をどういうふうに整理したかということは、これは当局としても相当関心の高い問題なんだからうかつに聞いておるはずはないと思う。従って今の話を聞いておったのでは、私は頭の悪いせいかよくのみ込めない。もう少しのみ込めるようにお話を願いたい。
#48
○尾崎説明員 今の福寿園の問題で申し上げ方が不足いたしまして申しわけありませんけれども、まだ福寿園は切りかえをやっていないわけであります。今お世話を十分やりまして、切りかえをいたす準備を整えております。その場合にこれは就職口を探してできるだけのお世話をして上げよう、こういうような方式で切りかえをやります前の準備をしておるわけであります。長野におきましてもそうでございます。まだ切りかえをやっておらないのであります。まだ何人ということは申し上げかねますが、準備をやってこれだけの努力をしておる、こういうことだけを申し上げるわけであります。
#49
○横錢委員 そうすると、私の質問は、そういうふうな通牒あるいは対策を立てておる、それに対して確認をしておるか、こういうふうなことで今質問したわけです。これに対して局長の方ではかなりよくやっておる、こういうふうな答弁であった。しからばこのかなりよくという実情はどうかということで聞いたわけです。これを突っ込んでいくと、今度は福寿園はまだやっていないのだ。やっていないけれども今対策を立てておるのだ、こういうことではかなりよくやっておるということにはならないのじゃないか。かなりよくやろうとしておるということではないのか。一体それならば厚生省としては、これらの問題を実施する場合に、全施設にわたって、このつき添い看護婦の常勤化に伴うところの問題については責任を持ってこれらの点に対処しようとしておるのか、少くとも今御答弁のあった福寿園についてはこういうふうにやっておる。――やっておるでもいいでしょう。しからばそのやっておると同じように全施設に督励をして責任を持とうとする態勢をとっておるのかどうか。この点について承わりたい。
#50
○曽田政府委員 私どもとしましては、さような態勢であくまでも人事を尽したいというふうに考えております。
#51
○横錢委員 それでは常勤化が二千二百七十名という予定を立てておるが、この中に今のつき添い看護の者をすべり込ませる、あるいはまたその他の病院内の施設、病院外におけるところの問題、こういうものに対して全責任を持つというように承知をしてよろしいのですか。
#52
○曽田政府委員 私どもといたしましては各施設の職員をも督励いたしまして、できるだけのことはいたしたいというふうに考えております。
#53
○横錢委員 そのできるだけのことをするというのは、つき添い制度廃止によるところの犠牲というようなことは起さないという考えでありますか。
#54
○曽田政府委員 私ども実のことを申しますれば、この第一次的な責任として課せられておりますことは、療養所の運営でございまして、お預かりした患者さんに対して十分な診療及び看護を施すということでございまして、それに対して仕事をしてくれておりますいろいろな職員の人たちについても、その主任務を全ういたしますためにはどうしてもいろいろな配慮をいたさなければならぬということであります。今のように一応の新しい体制、よりよい看護へという道を開きたいというふうに考えておる際でございますので、その際に今まで所の職員ではないのでございますけれども、他から来て一緒に仕事をして下さった方、こういうような方々が他に仕事を見つけられるということが非常に困難であるというような際には、私どもとしましてはできるだけ御援助を申し上げて、一緒になってその新しい仕事を見つけていくということに御協力をいたすということでございまして、もちろん私どもも非常に至らないものでございますから、どの程度のことができるかは何とも今大きな口をきくわけには参りませんけれども、私どもとしてはできるだけのことをいたしたいというふうに考えておる次第であります。
#55
○横錢委員 できるだけのことというのは、これは表現の仕方であるけれども、きわめて強い表現である。またあくまでも人事を尽すということもきわめて強い表現である。これだけの強い表現を局長がするならば、わずか四千名内外程度のものは――全国に散らばっておるのであるから、その中にはいろいろの事情もあってやめる者もあるだろうし、他によいところでもあって転出する者もあるであろう、残ったところのどこにも行くところがないというような数についてはあくまでも人事を尽す、あるいはできるだけの援助はする、こういうような決意であったならば私はできないことはないと思う。これだけの決心を持ってやるのであったならば不必要な摩擦、あるいはまた役所の中でも一番人情味豊かでなければならない厚生省として、この程度のものが扱いかねて国会の中で毎度問題になるというようなことはとるべき策ではないと思う。従って今のような考え方でおいでであったならば、まだ相当期間もあることであるし、やろうと思うならば当然できることであるから、これはぜひともやっていただきたい。そういうような措置をして問題のないようにして、その上にわが国医療の水準を高める、あるいはまた患者の適切な療養所を作り上げていくということであったならば、何人といえども反対する者はないのでありますから、今のような点でぜひとも一つお願いをいたしたい。従ってここでこういうふうにお願いをするからには、この問題が末端において明日から仕事がないとか、あるいはまた長い間病院の中に居住をしておったが、看護金が切れた、所ではせわをしてくれない、明日からどこに行っていいのか見当がつかないというようなことではわれわれは承知できかねる。だから、この問題に対して、今のような表明をされた以上、ぜひともこれらの点について責任をとって、厚生省がつき添い看護婦の問題に対して、その後の身の振り方に対しては全力を持ってこれに当るということをぜひとも一つお願いをいたしたい。
 それから今の国会の決議の中で、特に参議院の場合には具体的に、看護職員の増加、給食の改善を実施しろというふうに出ておるが、この点については実施をされたかどうか、あるいはまたどういうふうな策を持っておられるか、この点について承わりたい。
#56
○曽田政府委員 ここにもございますように、しかじかの処置をとらなければ看護に支障が起るような場合には、これを強行してはならないという御注意をちょうだいいたしておるのでありまして、中には従来の施設でも看護に支障を大体来たさないと考えられるところもございます。もちろんさようなところから実施に移ったわけでございます。しかしながら相当な準備をいたしてからでなければ実施することがなかなか困難だと思われるような施設に対しましては、いろいろ設備を準備いたしておるのであります。いろいろ給湯設備でございますとか、あるいは給食、食事運搬の器具、機械類、あるいはせんたくの施設というようなもの、あるいはまた若干のところにおきましては部屋の模様がえというようなこともいたしております。また患者が用がございますときに看護婦を呼び寄せることができますように、ナースフォーンとかインターフォーンというようなたぐいの設備を逐次設置いたしておる状況であります。
#57
○横錢委員 給食の内容はどうですか。
#58
○曽田政府委員 給食につきましては、これもなかなかむずかしい問題でございますが、できるだけ病院の炊事場から給与いたすという建前を立てたいというふうに考えまして、それも一律に同じものを患者に配るということではなしに、場合によっては献立を複式にいたすとか、あるいは少くとも手術後非常な重症で自由な食事がとれないという場合には、よく患者の嗜好というものを聞き取りまして、そうしてできるだけ患者に十分な栄養がとれるような献立をいたしたいというふうに考えておるわけであります。そのほか炊事婦等について、同じ材料を使っても見たところもいい、あるいは味も非常においしいというものを作らせますように小規模ながらも逐次講習会、研究会というものをやらせて改善に努めておる次第であります。
#59
○横錢委員 抽象的な御答弁ですが、給食の改善は特に一項を打ち出してあるわけです。また療養生活を快適にするためにも給食には常に配慮が払われなければならぬ。九十六円十銭という単価についても、もし改善しようとするのであったならば、本年度は無理としても来年度はこれを増額する意図を持っておるのかどうか。この点についてが一つ。もう一つは、いろいろ改善をしておると言うけれども、同じものを食べても冷たいものを食べるのと暖かいものを食べるのとでは、だいぶ味の上に変りがある。ところが現在の療養所の中においては、人手の不足という関係からほとんどの患者が冷たいものを食べておる。温食給与が行われていない。この事実は局長自身も御存じだろうと思う。この温食給与ができないで、冷たいものをまくら元に配膳されて食べておるというような状態を改善しようとしたのかどうか、あるいはまたしようとする意思があるのかどうか、この点について承わりたい。
#60
○曽田政府委員 その点につきましても各施設でいろいろと研究をいたしておりまして、横浜の浩風園等におきましては温食給与についてかなりいい成績をあげておりまして、他の施設からも見学をし、それの批判、検討をいたして、よりよいものにしていくというように努力をいたしておるのでございまして、最近に及びましてはかなり改善されて参っておるというふうに考えております。
#61
○横錢委員 この温食の給与はまだあまり改善されていない。従ってつき添い看護婦の人数をどうこうというような問題とあわせて考えるときには、なぜこの温食給与ができないかというのは、簡単に言うならば設備と人員の不足なんです。従ってこういう方面につき添いの人を回すということは当然考えられるところの措置であると思う。従ってこの給食の改善ということに対しては今後さらに具体的な話を進めていただいて、設備上温食ができる、それから人員の構成上これだけの人員があるのだから必ず温食給与をやるというところまでやっていただきたい、こういうふうに考えておるが、この点さらに念を押して御答弁を承わっておきたいと思います。
#62
○曽田政府委員 まことに遺憾なことではございますけれども、従来から完全な温食給与ということができかねておった状況でございまして、私どもいわゆるこのつき添い婦問題とは別問題といたしましても、できるだけよりよい、より栄養があり、より味のよい、そしてより快的と申しますか、よい条件で食事が給されるというようなことには今後とも努力をして参りたいと思っております。
#63
○横錢委員 次に、常勤労務者の制度を作って完全看護を実施する、こういうふうなことを各地で始められたそうです。千葉県の習志野病院等においてもこれを実施したようでございまするが、この実施に伴うところの経過あるいは成果、そういうものについてはどういうふうに承知をされておりますか、この点を伺いたい。
#64
○曽田政府委員 習志野も最近実施したところの一つでございますが、私ども施設の方から報告を受けておりますのでは特別に支障なしに実施に移っておるというように承知しております。
#65
○横錢委員 習志野の病院においては、従来の部屋の配置に対する考え方を根本的に変えておる。昔は重症患者を個室に収容して、比較的四度、五度という軽症患者を大部屋に入れておる。ところが今度習志野病院においてやったのは一、二度の重症患者を六人ずつ大部屋の中に収容して、軽症患者を個室に収容する、こういうような方法をとっておるのですが、これは当局の方の指示でやったのか、あるいはまたこういうものに対してはどういう見地からこれを実施したのか、この点を承わりたい。
#66
○曽田政府委員 ただいまの措置につきましては、私どもの一つの考え方といたしましては、相当な重症の方でありましてもいろいろな段階と申しますか、その患者々々についての事情がございます。ある程度の重症の方というような人たちでありますならば、いつでもつき添いあるいは看護者の手を必要としておるというわけではない。しかしながら絶えず注意だけはしておらなければならぬというような方があるわけでありまして、かような方々に対してはたとえば二十四時間つきというつき添い婦さんにいていただきましても、どうしても飯も食べねばならず眠りもしなければならぬというようなことになるのでありますが、さようなときにむしろ三人ならば三人一緒にいたしまして八時間ずつ三交代でつき添いをいたすというようにいたしますれば、内容がより充実したものになってくるというようなことが考えられますので、さような条件にある重症患者は、ただ重症であるからみな個室に入れるというような考え方よりは、その方がよりよい看護の手が伸べられるであろうという考え方をいたしております。もちろんこれはいろいろ療養所の職員等とも検討いたしたのでありますが、さような行き方がむしろいいのではないかというようなある程度の筋も出て参っております。しかしながら三人入れるのがいいか四人入れるのがいいか、あるいは六人というのは、今伺いますればちょっと多過ぎるのではないかという感じも持ちますが、そこに何人の看護婦を配置しますか、またそこに入っていただいた患者さんの病状がいかようなものであるか、かようなことについては療養所長が十分に検討して遺漏のないようにいたすよう申しておるわけであります。
#67
○横錢委員 看護をする者の立場からいくならば、できるだけ看護のしやすいように人数を並べておいて一人で用が足せるということは非常に都合がいいだろう。しかし問題は看護人の都合のいいように病院というものは作るのではなくて、病人の病気のなおりよいような状態に置くことが第一でなければならぬ。重症患者の場合はいろいろの苦痛が伴っております。その苦痛を伴っております患者が、夜にうめきを出すとかあるいは苦痛を訴えるとかいろいろな者があるために、他の患者にそれが伝播をして、ともに睡眠不足に陥ったりあるいは苦しんだりしているというのが実情だ、こういうふうに聞いているわけであります。あるいはまた六人の患者を一人の看護婦がやっているために、たとえば便器を扱う時間にしても何時と何時に用便をしろというように規制をしておる。牛乳を飲む時間であるとかあるいは食事をする時間であるとか、こういうようなことについて時間をきめるのは当りまえだけれども、一人の看護婦が六人の重症患者を受け持つという建前から、用便の時間までも規制をしてこれを強制してきている。こういうようなことになりますと、これは看護のために病人があるのか、病人のために看護をつけているのかわからなくなってくる、主客転倒するのであります。今承わっておると、局長の方ではこの事情を知らないようであるけれども、この実情は現実に習志野病院で実施をしている。しかもこの六人の患者の仕切りというものはカーテンで仕切っている。このカーテンが下の方が切れているために婦人の患者の場合には、あるいは用便の場合に困難をしておる、こういうふうな実情まで訴えられておる。これはもう一々われわれがここで論ずべきほどの問題ではなくて、療養に直接当っておる責任者のあなた方が、当然問題を聞いて、とっくに解決しなければならない問題である。ところが現実にまだこういうものを解決をつけておらない。この習志野病院では二階におるところの患者が下におりるのが苦痛で、そのために便所の移動でもって一騒動やったこともある療養所なんです。こういう問題一つすら解決がついてない。こういうふうな実情については新しい制度を実施して、新しい医療体制によるところの療養生活を作り上げるというのであったならば、もう少し設備の点についてもあるいは施設側としての気持の持ち方にしても考えるべきではないか、こういうふうに思うのだが、この点どう考えておられるか。
#68
○曽田政府委員 もちろん先ほどからも申しておりますように、新しい体制を作るというようなこの切りかえのときに当りまして、絶対に支障がないというようなことは言いかねるわけでございます。いろいろ実施いたしまして、そして後に至って気づいてそれを直していくというようなこともあるかと思うのであります。ただいまの習志野の病院も、あの地方におきましてはまず最初に着手したようなところでもございまして、いろいろやりました結果に基いて改むべきところはできるだけ至急に改めて参りたいというふうに考えておるのであります。ただ私申し上げましたことについて、多少言葉が足りなかったかと思うのでありますが、ただ単にこの看護の便宜のためにということばかりを考えているのでは困るという御注意でございました。確かに、うっかりいたしますというと、さような弊に陥るおそれもあるのでありますが、私どもとしましては、一般的に申しますれば、先ほど例をあげましたようなものについても、結局患者さんの看護自身、それがやはりよく充実したものになっていく。同じ人数を使っても、より充実したものになっていくというふうに考えられますところから、患者さんのことはどうでもいいんだ、少しぐらい工合が悪くてもいいというふうには考えておりません。しかし、また一方から言いますと、患者さん等におきましても、今便所の話が出たのでありますが、ほんとうのことを言いますれば、やはり便通等のようなものにつきましても、大体できますれば、ある何時何分というわけじゃございませんけれども、おおむねその時刻を定めていく習慣をつけていくということは、(笑声)決して笑いごとではございません。先生方お笑いになりますけれども、さようなことを実施いたしております施設は、すでにございます。その成績等を見ましても、患者さんたちとお話をいたしましても、決して不都合はない。むしろはっきりいたす。もちろんこれは、御用がございますときにはいつ何どきお呼び下さいましてもいいわけなんでございまして、一応規則的に、ことに大便等につきましては、普通の人でもそうであると思うのでありますが、おおむね時期をそろえてやるというようなことであります。かような点については十分私どもも注意いたしまして、患者さんの看護の実質が落ちないようにということを十分考慮のうちに入れておるつもりでございます。
#69
○横錢委員 今の習志野病院における設備の不足ということ、それから新しい看護体制を立てたということ、これは局長は御存じないようだが、きわめてこれは大切な問題だと思う。従って実情をよく調査してということがありましたが、この点に関して、重症者をこういうふうな扱いをしたことが果してどういうものであるかということについては十分調査をして、後ほどこれは報告をいただきたいと思う。
 それから、施設の不足の点については、これを早急に一つ改めていただきたい。この点を要望いたしまして、私のこの問題に関する質問を打ち切りた思います。
#70
○佐々木委員長 滝井義高君。
#71
○滝井委員 ちょっと一、二点お尋ねしたいのですが、これは根本的なことです。われわれのいただいた社会労働委員会調査室の調査では、三月三十一日までには全面的につき添い婦を常勤労務者に切りかえてしまうというふうに書いてあるのですが、全国に厚生省の方からそれぞれ二千二百七十人の常勤労務者の割当をやっておると思うのです。この根本的な態度をお聞きしたい。三月三十一日までにやってしまうのか、それともそういうものではなくして、今まで答弁がありましたが、結論的には、しばらくはずっと二本建でいくのか、この点簡単明瞭にお答え願います。
#72
○曽田政府委員 私どもとしましては、でき得る限り三月三十一日までに全施設で実施いたしたいということを目途として努力いたしております。
#73
○滝井委員 三月三十一日までにやるつもりということはよくわかりました。次にお尋ねしますが、現在全国立の施設には、一万人以上の、多分看護・婦さんの定員があると思うのですが、どの程度の看護婦さんの定員が不足しておりますか。
#74
○曽田政府委員 私ども今般二千二百七十人の常勤労務者を補っていただきましたので、少くともこの従来の看護状況というようなものを落さずに続けて参るということは可能であると思っております。
#75
○滝井委員 いや、そういう内容の問題でなくして数の問題なんです。多分看護婦さんの定員は幾らで、現在国立療養所でどの程度の看護婦さんが不足だ、これだけでけっこうなんです。
#76
○曽田政府委員 ただいまちょっと正確な数字は覚えておりませんが、一万一千人が看護要員の数になっております。それに今の二千二百七十人が加わりますので、一万三千数百人というものが今日の定員になる予定であります。
#77
○滝井委員 二千二百七十人は加えずに、一万一千の現在の看護婦の定員の中で幾ら不足かということです。
#78
○曽田政府委員 私ちょっと聞き違いいたしたかもしれませんのでお伺いいたしますが、不足かと申しますのは、欠員のことでございますか。
#79
○滝井委員 そうです。
#80
○曽田政府委員 それでわかりましたが、一・五%、約百五十人くらいが欠員であります。
#81
○滝井委員 そうしますと、その百五十人は年度内に充足するお見通しがありますか。
#82
○曽田政府委員 私どもといたしましては、できるだけ充足いたしたいと考えておるのでありますが、非常に僻陬の地にございます施設というようなところでは十分充足し切れないでおる。決してこちらでもってその人数を意識的に残しておくというような措置は考えておりません。
#83
○滝井委員 私たちがもらった資料によりますと、一万一千の中で看護技官も含めると四百二十八名の定員の不足になっているようであるのです。これは少し違うようでありますが、問題はそういうふうに、あなたの方の御説明によっても百五十名の定員不足についてもなかなか補充ができない現状だと私は思うのです。というのはなぜかと申しますと、現在の国立療養所というものはそれぞれみんな伝統を持っておるのです。軍から移管されたもの、医療団から移管されたもの、あるいは五大市のものもありますが、そういうものから移管されたものがみなそれぞれの特殊性を持っておって、その発展の遇程をたどった国立療養所を一括して、無差別平等につき添い婦を切りかえるところにむしろ無理があるのです。何も現在つき添い婦で日本の国立療養所の医療が非常に大きな欠陥が出たということはわれわれはまだ聞かない、そういうことは考えられないのです。それならばまず先にやるべきことは、やはり順序としては、不足している看護婦を少しは給料を出しても充足していく、そして充足した後に何かそこに不都合があったならば、つき添い婦さんたちの自然退職を待って、今度は常勤労務者に切りかえていく、こういう方法を私はとるべきだと思う。厚生大臣は何か辞書を開いたら、厚生ということは国民の生活を豊かにすることだ、こういうことを談話で発表されておるのです。国民生活を豊かにするとするならば、わずかに四千三百万円といえば、現在の日本の厚生行政の予算の中からすれば、これは一握りの予算にしかすぎない。そういう一握りの予算をしゃにむに反対のあるところで切るよりか、もっと私はやるところがあるのだと思うのです。これが私は厚生行政だと思うのです。そういうことでございますので、どうもあなた方が三月三十一日まで二本建でやるということは私は了承できません。
 そこでもう一つお尋ねしたいのは、現在国立療養所では患者からまかない費のほかに何かお金を取っておるものがありますか、取っていないのですか。たとえば生活保護の患者などで病院に入院している人からお金を取っているものがあれば、それを一つ教えていただきたい。
#84
○曽田政府委員 療養所としては徴収いたしておるものはございません。
#85
○滝井委員 たとえば療養所の中のいろいろな施設、おふろとかその他いろいろありますが、そういうものを使うときに患者からお金を取るのがございますか。
#86
○曽田政府委員 所として徴収いたしておるものはございませんですが、おそらくは患者さん同士で、たとえば洗たくでもしてもらうというような人を頼んで、みんなで金を出し合うとか、あるいは洗たくをしてもらったときに、一枚幾らというようなことでお礼を出すというような形をとっているところはあるのじゃないかと思っております。
#87
○滝井委員 たとえば療養所のガスこんろのようなものはお金を取ることはございませんか。
#88
○曽田政府委員 療養所としてはさようなことをやらないことになっておるのでありますが、もしどこかにございますとすれば、それは例外的のところであり、私どもとしてはやめさせたいと考えておるのであります。ただ所がお世話をいたしまして、たとえば最近起っております問題は、簡単な電気洗たく機を療養所に備えつけさしてくれ、また療養所も間に立ちまして借りると申しますか、置いてもらって、それを一回使えば幾らという礼を出すから一つ患者に使わしてくれというような話の出ているところはあるというふうに聞いております。
#89
○滝井委員 電気洗たく機はお認めになったようでございますが、ガスこんろのごときはどうでしょう。私は全国のいろいろの病院に行ったが、入院患者でその病院のガス、電気を使っておって金を取るところは聞いたことがないのです。われわれのような炭鉱の病院は使う電気からガスなんかみんなサービスしております。もちろん無責任にむちゃくちゃに使うことは病院の管理者が管理しておまりす。しかし聞くところによりますと、場所はよくわかりませんが、国立療養所でガスこんろに五円入れて使うのだそうです。頭を洗ったりお茶を沸かしたりする、そういうところがあるのです。おそらくあなたは知っておると思うのです。もし国立療養所がそういうことをやっておるなら国立病院は要らぬと思う。あなたたちは私的な医療機関やあるいはその他の病院のことを非常に文句を言われる。しかし現実に生活保護や健康保険の貧しい大衆が入っておる国立病院が、わずかにガスを使ったりあるいは電気洗たく機を使うことでなけなしの金を取り上げるようなそういう無情な厚生行政なら国立病院は要らぬと思う。これ一つで国立病院は大衆のための医療でないと断言してもはばからぬと思う。頭を洗ったりお茶を沸かすために電気こんろの中にあるいはガスこんろの中にお金を持っていかなければそれが使えないということは何という情ない厚生行政ですか。あるはずです。
#90
○曽田政府委員 ただいまのお話は、私先ほどから繰り返しておりますように、私どもとしてはさようなことは許すべきものでないというふうに考えておるのであります。十分監督いたしまして、さようなことがあれば直ちにとめさせたいと考えております。
#91
○滝井委員 あることをお認めになりますか。まずそれを先に……。
#92
○曽田政府委員 私自身はまだ確認いたしておりません。
#93
○尾崎説明員 昨日そういうことが一件あることを聞きまして、それはやめろと言ったところであります。ある一定量のものは自由に使わせるようにしろということを言っております。
#94
○滝井委員 一ヵ所でもあることがはっきりしたわけであります。それならば大体国立病院のお茶はどういう工合になっておりますか。お茶はおそらく国立療養所の運営費の中から出ておると思います。そういうものの経費はどういう工合になっておりますか。
#95
○曽田政府委員 私は、少くとも三度の食事について出ますお茶は食費の中に入っておるものというふうに考えております。
#96
○滝井委員 お茶は三度だけでは足らないのです。これは自然に住む鳥でありましても自由に水くらいは飲まなければならぬ。結核療養所に入っておるからといって食事のときだけお茶をもらう、あとはお金を出さなければもらえない。あるいは便所に行くのにも朝の六時と九時と十二時と二時と、それ以外はどうも工合が悪いのだ、牛乳をあたためるのは朝飯の後の七時と夕飯の後の六時とかいうように――私はもちろん結核患者が療養するについてはある程度生活に規制が必要だと思う。しかし生理的な現象までそう規制することはいけないと思うのです。そういう点で今の国立療養所の行き方は、いつかあなた方と全看労等の方がお会いしたときに、命をそろばんに合わせるのか、そろばんを命に合わせるのかということがあったのですが、今のようなことではやはりそろばんに命が合っていって、日本の経済の方が大事であって、人間は死んでもいいという厚生行政になる可能性があるのですね。おそらくあなた方もそういう意図でやっていないと思うのですが、客観的にはそうことが出てきつつある。そういうことのないように、国立療養所というものはそれぞれの伝統をもっておるのだから、それを画一的にやらずに、もっと弾力性を持った方法でやっていただかないと困る。あなた方は私的な医療機関やその他市立のそういう病院にはなかなか厳重なことをおっしゃるけれども、自分の脚下照顧はしないということではほんとうの医療行政は行われないのです。自分のところの国立療養所でそういうわずかなお茶代までとっておったかどうかもわからないということでは、画一的に何かやるようなことを言っておるけれども、実は大きなところが抜けておった、こういうことなんです。でもこれ以上私は言いたくありません。一つ現在の国立療養所を再検討していただいて、大衆がほんとうに自由にりっぱな治療を受けられるような姿にしていただくことを切望して私の質問を終わります。
#97
○佐々木委員長 八木君。
#98
○八木(一男)委員 曽田政府委員に伺いたいのですが、今度この看護制度を変えようとされておられるわけでございますけれども、これについては、国立療養所の看護内容を高めようという趣旨でやっておられるという御答弁も、先国会からいろいろ伺っているのですが、ほんとうにそういうふうに看護能力を十分上げる制度になり得るという確信をお持ちですか、はっきり伺いたい。
#99
○曽田政府委員 私ども、この看護能力と申しますか、看護の状況というものを高めていきますためには、かような体制をとりますことが少くとも基本的な問題である、少くとも、将来さような道を開くことのためには、さような姿をはっきりとした体制に整えることがまず必要であるというふうに考えておる次第であります。
#100
○八木(一男)委員 そういうふうにいわれますけれども、私どもの考えでは、やはりこれは財政の問題で、どこかの大きな圧力で金をつめなければならぬ、そのために、厚生省の医務局としては、そういう大きな力に押されてそういう立場に追い込まれた、しかしそれでは国会の答弁にならないので、確かに自信をもって新しい看護体制を確立するための道程であるというふうに言っておられるようにしか考えられてならないのです。しろうとが非常になまいきなことを言うようでございますけれども、どうかほんとうの心の底に従ってお答えを願いたいわけであります。曽田さんは厚生行政の医務局長として、そういう方面においては日本の一番専門的な元締めでございます。曽田さんはほんとうに熱心に、今の看護内容では足りないのだ――もちろん新しい体制に切りかえるけれども、それでも量も足りない、数も足りない、金も足りない、そのほかにまた将来は曽田さんの御意見に従って十年後か五年後には完全看護にするにしても、現在は、金さえあればその問題とともに現在のつき添い制度も残しておかなければ完全を期し得られないのだということを、医務局の担当者として勇敢に打ち出していただきたい。今日国会におきましても、またいろいろな方面におきましても、財政上の問題があっても、ほんとうに大事なことについてはその難関を切り開いて実態に合せなければならないという政治が行われておるわけでございますから、ほんとうに両方の制度を当分の間持っていかなければ完璧を期せられないという気持をもしお持ちでしたら、勇敢に打ち出していただきたいと思う。医務局長としてはいろいろな複雑なお立場があることはわかります。それによっていろいろな苦しい羽目に陥られることもあることはあると思います。しかしそれだけに、医務局長がほんとうに勇敢な態度を示されたならば、大ぜいの患者も、大ぜいの関係の、たとえばつき添い婦の人たちも大いに助かるところがあるわけです。そういう点でほんとうのところを教えていただきたい、ここで打ち出していただきたいと思うのでございますが、いかがでありましょうか。
#101
○曽田政府委員 技術行政官としてはっきりとしたことを言えとおっしゃられますと、私もそのつもりでおりますので、とらわれずに率直に申し上げたいと思うのでありますが、看護の内容を向上さしていくためにつき添い制度というものは要らないというふうに私は考えております。ただ先生がおっしゃいましたように、他の反面と申しますか、それでは看護婦の数をもっとふやすことはどうなのかということを言われますれば、私は、とにかく看護婦の数が多ければ多いほどいいと考えます。それではむしょうに多くていいかといってもこれは限度がありましょうけれども、将来のことを考えて参りますれば、人数はもっともっと多ければ多いほどよかろうというふうには考えるのであります。しかしながら、その暁につき添い婦という制度が必要であるかどうかということになりますれば、つき添い制度というものは必ずしも必要のないものだというふうに、少くともただいまの私の心境を率直に申し上げれば言い切れるというふうに思っております。
#102
○八木(一男)委員 大へん驚いた御意見なわけですけれども、医務局長は、今つき添い制度は要らないと言われまして、看護婦ならばふやしてほしいということを端的に言われた。定員をもっと増大して、看護婦を今の二倍にも三倍にもしてやったら看護内容が上るという御意見は正しいものだと思います。しかし現在の立場において、今の看護婦もできるだけ増員し、それから常勤労働者も置いた上でつき添い婦も置いた方が看護内容が上ることは、労働時間その他から考えて、だれが見ても当りまえだと思う。そういうものを要らないと医務局長はおっしゃるが、実に無責任だ。厚生省の原案を遂行しようというのをいろいろの委員会で反対の委員がブレーキをかけようとしている。だからそれに言葉じりをとらえられないためにそういうものは要らないと言わなければならない立場、そういう立場に押し切られてそういうふうに言っておいでになるとしか私どもには考えられない。看護婦制度も、それから常勤労働者もあって、つき添い婦もあって、なぜ看護に支障があるか、大ぜい過ぎて百貨店みたいにごたごたするから患者が寝られないというような言いわけは成り立ちません。つき添い婦があった方がいいことは確かだ。ただ予算の問題でそれができないというならば別ですけれども、あった方がいいことは確かだ。もしそれがない方がいいというならば、それは非常な独断です。医務局長も国立療養所の所長さんも、お医者さんの立場からそう言われるのかもしれないが、しかし患者の立場からも考えてみる必要がある。人間というものは物ではなく、生きておるのでございます。だから、さっき例に出たように、たとえば用便にしても時間にした方がいいという御答弁でありましたか、そういう極端な御答弁ではなかったにしろ、そういうような思想が根底にございます。医者の指示の通りに大小便ともした方がいい、自分が行きたいときに行くようなことはしない方がいいという思想が奥底にあるようでございますが、病人だって人間でございます。そうして、手術のあとで非常に苦しいときなどは寝られないことがある。笑いごとではございません。寝られないときに、腰をさすってもらったり肩をさすってもらったりすることによって寝ることができる。寝ることによって体力を回復することができることはあるわけでございますが、そういうときに、六人に一人ずつ看護婦というものがあってもいいかもしれませんけれども、そのほかに一人に一人つき添い看護婦があった方がいいことは明らかでございます。曽田さんが何と言ってもこれは明らかである。それを、そういうものはなくてもいいと言うが、現在の厚生省は、世論がどうであっても、しゃにむに押し進めようという根底があるから、そのような答弁ができるのです。ほんとうならそういう答弁はできないはずです。つき添い制度というものは、もし予算の心配がなければ、あった方がいいと皆さんは思いますか、その点についてもう一回おっしゃっていただきたい。
#103
○曽田政府委員 私の申し上げましたことをおわかりになっているようでもございますが、それを逆に申されるのでありまして、私は所の職員としての人数がそろいますれば、外から入っていただくつき添い婦さんという制度はなくてもよろしいというふうに考えるということを申し上げた次第であります。それからまた、あまりこだわるのではございませんけれども、排便のことについてお話がございましたが、私は自分でもって動ける方々のことを申しておるのではございませんので、いろいろ休んでおられて不自由な方を看護婦が回って参りますときは、時間をきめてやっていただくということがむしろ望ましい、それだけのことでございます。
#104
○神田(大)委員 関連して。今医務局長が排便の問題で、時間でもってやった方がいいと言われたが、医学的にはそういうことは可能な場合もそれはあるかもしれませんよ。しかし常識的にはそんなことは成り立たない。そういう考え方は――厚生行政をやる責任者のあなたがそういうことを言うことに対しまして、われわれは非常に奇怪なことだと思う。今後もそういう考えで厚生省はやるつもりですか。何でもきちょうめんに型にはめてやっていこうというような、そういう考え方でもってこの医療行政をやられたのではたまらない。そういう点についてあなたはもっと常識的な考えを披瀝してもらいたいと思うのです。私はこれは聞き捨てならないことだと思うのです。どう考えますか。
#105
○曽田政府委員 いや、御要求のございますときにはいつでも看護婦は参ります。
#106
○神田(大)委員 要求があるときに看護婦が来るのは当然のことです。そういうことを私は聞いているのではない。あなたが排便を時間的に、一つ統制といいますか制御しようとする、そういうような考え方自体が間違っておる。人間のからだを時間でもって縛ろうというような、そういう考え方が医療行政全般に及ぼされたのでは、医療行政というものは大きな間違いになる。こういうことを私は言っているのです。どう思いますか。
#107
○曽田政府委員 今の点につきましては、私も言葉が過ぎたかと思っておりますが、この問題につきましては、私申し上げましたことを一切取り消さしていただきます。
#108
○八木(一男)委員 どうも医務局の方ではこのつき添い制度について非常に親切味が足りないというか、すなおに考えていただけないというか、どうしてもつき添い制度というものをなくそうという魂胆でかかっておられるように思えて仕方がない。医務局の方で、たとえば看護婦の定員をふやす、設備をよくする、そして完全看護に持っていくという考え方、これについては自信をお持ちになるかもしれないけれども、しかし今の計画が十分でないことはわかっておる。そこで、たとえば五年なり十年なり完全になるまでつき添い制度を並行してやっていって、そして足りない点を補っていくということは具体的に考えられてしかるべきことだ。それは予算の問題と関連があって、ぎゅっと押えつけられているのかもわからないけれども、予算の問題については、皆さんが衷情を披瀝していただけば、私どもは大蔵省に押しかける、主計局長にかけ合う。だから予算の問題を離れて、つき添い制度を置いた方がいいという意見を率直に出していただきたいと思う。それで、そのことで思うわけでございますが、今厚生省の方で準備しておられる新しい看護体制というものは実に不十分なものです。こういう大問題を起して、改革する内容としてはほんとうに不十分なものだと思うわけです。たとえば今横錢さんの話に出た、重傷患者を六人の部屋に置いて、そこに一人の常勤をつけるということがございます。一部屋に六人で、重症患者ですから、当然そこに夜中にうなったり、苦しんだり、ばたばたしたりするということが起るわけです。そういうときに、横の患者がやっと寝られかけたのに寝られないということが起る。重症患者を大きな部屋に持っていくということは決してよいことではございません。ところが看護定員が少い。今のつき添いをやめて少くするために、一人でたくさん見させなければならないために、個室から引っぱり出して大部屋に重症患者を入れた、そうして軽症患者を個室にほうり込んだ。今まで個室に重症患者があり、大部屋に軽症患者があったということは、看護上そういう必要があったからそういうことになった。ところが人間の関係上それを逆にしなければならない。そんなことは決して看護内容の向上とは言えないわけです。そういうものを医務局の担当者とかそのような専門家が向上であるというのは間違いなんです。皆さんは、これは低下だ、そういうような予算がとれないのはけしからぬと、職を賭してがんばってこそ、療養所の看護内容が守られるわけです。それを皆さん方自体が、向上でもないものを向上だと称して押してくる、そういうようなことで医務局とか療養所の担当者は責任がとれますか。
#109
○曽田政府委員 先ほど例を引きましたのは、一人ずつの個室に三人入っておられて、三人の看護婦さん、つき添いさんがつかれた場合と比べますれば、これは一長一短、いろいろ御意見の相違もあるかもしれませんけれども、私どもとしましては、その三人の方に三人の看護婦が三交代でずっとついておるということの方が、よりよい看護ができるというふうに考えた次第であります。
#110
○八木(一男)委員 今曽田さんはそう考えられたと言いましたけれども、今私も申しました、また横錢委員も申されました。そして私どももこの問題に夢中になって取っ組んで調べているわけでございます。それをよく聞き入れられまして、自分たちの意見が正しいのだ、専門家の意見だというようなことに固執されずに、われわれの考え方を入れて、もう一回即時今晩でも考え直してほしい。いろいろの問題がございます。たとえば三交代の看護婦がつけばいいじゃないかというのは管理者の立場、お医者さんの立場であって、患者の立場ではございません。たとえば重症患者で、いろいろなものを横に動かすことの不自由な人にとっては、つき添い看護婦の場合には、どこに何が置いてある、こういうときにはこういうことをしてもらいたいということは、一回聞けばそれが引き続きその人たちにわかっているわけでございます。それを三交代の看護婦さん、しかもまた三交代というだけじゃなくて、昼間もまた交代する看護婦さんに一々それを言わなければなりません。また言えるくらいならいいですけれども、半分自分の雇ったような形になっているつき添いさんでなければ、遠慮があってなかなか言えないものであります。片方でせき込んで苦しんでいる、自分も苦しいけれども、そのときに呼んだら片方の人の看護はやめなければならぬ、そういうときには片方には遠慮があって、苦しいのをがまんしなければならない。がまんできて済めばいいけれども、がまんすることによって容態が悪化することがございます。そういうようなしろうとが考えても明らかに低下の部分がある。それを専門家のあなた方が向上だと言う。実に情ないことだと思う。どんな大きな圧力があっても、医務局の担当者としては、向上でない部分は向上でないと言ってほしい。それができない理由の財政的の措置については、われわれも考えましょう、政府全体も考えなければならない。そういうような大きな圧力に抑えられないで、ほんとうに医務局の立場から万全な措置をとるためには、完全看護にする道程において、現在の看護婦の定員も少い、常勤も足りない、しかもそれが完全になるまでは、今のつき添い婦制度を五年でも十年でも二十年でも並行して持っていかなければならないというような勇敢な意見を打ち出してほしいとわれわれは考えるわけでございます。
 それからもう一つ、つき添い婦の人たちの立場になって、もっと考えていただく必要があるのじゃないか。直接雇用じゃないということで、厚生省の人たちは簡単に考えておられるようでありますが、厚生省の事務局の政策によって、あなた方の立案した政策によって何千という人が首を切られる結果になる、それをよく考えていただきたい。どこの官庁でも全般的に時の内閣の政策によって行政整理が必要であると打ち出されても、自分の官庁からは首切りを出したくない、自分の担当のところから首切りを減らしたいということで必死になってがんばるのが普通です。ところがあなた方の場合は、あなた方の案によって大ぜいの人の首切りになるようなことを平気で作って、そして言葉で万全の措置を講じます。何が万全ですか。このつき添い婦の人たちの事情は、御承知であろうと思いますけれども、もう一回申し上げますが、非常に困難な状態にあることは皆さん方も御承知だと思います。もう一回その点を振り返って考えていただきたい。転職ができないといっている人が大部分であります。百人のうち九十五、六人までは転職の見込みがないというような状態でございます。そうしてこれは御婦人でございます。御主人がある人とない人、これもない人が大部分、七割以上がない人でございます。ある人も御主人が病気で寝ている、その他もほとんどどうにもならないような事情の人が大部分です。そうして三人くらい子供をかかえている人が七割くらいございます。子供をかかえてない人は、自分がかなりの年であって、だれも扶養してくれる人がないという人が圧倒的でございます。このような数字――数字だけでなくて実態をよくかみしめて考えていただきたいと思います。つき添い婦になるまでに、この苦しい世の中で、未亡人で子供を数人かかえてどうやって暮らそうか、日雇いになり、また米の買い出しに行って、かつぎ屋になり、そのような苦労をさんざんしてそうして子供を育ててきた。それでもやり切れなくなって、さんざん探して最後にこの仕事が見つかった。この仕事をやれば結核にうつるかもしれない。そして夜も寝ないで、朝から晩まで働かなければならない。結核じゃなくてもからだがぐんぐんいたむ、子供にも毎日会えない。そのような状態でも、何とかして子供を育てるために、人のいやがる仕事、人の大小便を始末したり、病人の毎日うんうんうなる中で朝から晩まで看護したり、そういうことをしてもこの仕事でやっと生活が成り立った。そうしていそしんで、その仕事を一生懸命やってきた人が大部分でございます。そうしてやっとその仕事になれて、やっと子供と一緒に暮らせると安心した人が、ここで皆さん方の計画でみな路頭にほうり出される。前の経歴がその通りでございますから、新しい仕事など見つかるはずはございません。この仕事につくまでにまさに一家心中をしようとした。しかしこの仕事が見つかったからそうしないで済んだという人がたくさんあるわけでございます。ところが皆さん方はそれをほうり出す。今度そのようになったときには、言いにくい言葉ですけれども、ほんとうにこの問題について真剣に考えなかった皆さん方がみずから手を下したといっても過言でないようなことが起るわけでございます。科学者としてそしてまた官庁の上級の担当者としていろいろの確信を持ってやったといわれているが、確信を持ったということは、すべての部分について考え抜いてやっていかなければそういう言葉は出ないはずでございます。ところが、療養所長の命令が一ぺんに行き届くかどうか、そのような点をのみ考え、ほかの働く労働者がどうなるか、患者がどうなるかというような配慮が実に少なかったのではないかと私どもは考えるわけでございます。今までこの問題についてほんとうに快く患者の団体なり、つき添い婦の団体なりの陳情を受けられたとは私どもは了解しておりません。皆さん方は社長の立場で、首を切る立場でございますから、皆さん方は、われわれは国民の官吏である、一番公平に一番正しいことをきめているのだという自負心がおありかもしれないけれども、この問題に関する限りは、雇用者としての一般的な判断をする誤りを犯す危険性が多分に大であるということは前から申し上げております。ですから、その場合には当事者の意見を十分に聞かなければならない。患者の団体、つき添い婦の団体あるいはまた今重症でほんとうに看護してもらっている人の声をほんとうに聞かなければならない。ところがいろいろな話を聞いていると、こういう報告があった、そのくらいのことで判断しておられる。それではほんとうの責任が保てるとは思えないわけでありますが、その点についてはどうお考えでございますか。
#111
○山下政府委員 この問題につきましては、私はやはりその考え方の中心を患者の方に対する必要にしてしかも十分な看護力を与えるということを主眼にして御議論をいただくことが正しいのではなかろうかと考えられます。滝井委員や長谷川委員あるいは八木委員等、医療につきましては、私のようなしろうとが申し上げるまでもなく御専門家であられますところから申しましても、御議論をそういう点に御集約願って、それによって万一不幸なことが起りますれば、厚生省には生活保護法その他いろいろ救済をいたします措置のできる法律がたくさんございますし、先ほど医務局長が取り消された問題でございますが、私は全くしろうとの立場から私の体験を通して御参考に申し上げますれば、私は履歴が体育専門学校出でございます。私は体育専門学校在学中二年間非常に厳重に排便、いわゆる大小ともに統制をされました。断じて一日一回しか行っちゃいけないという統制下に二年間訓練されました。先ほどいろいろな問題で眠れない、隣りに人がいて非常な苦しみを訴えられる、その他のことで目がさめて、せっかく眠りそうなのが眠れないというような御心配がございました。さようなこともあろうと思いますが、この排便をふしだらにいたしますことによって、せっかく眠ったが、夜中――一番寒い、一番よく眠らなければならない十二時、一時ごろに目がさめて排便する、これが睡眠不足の一番大きな原因でございます。ただしこれは医学上申し上げるのではありません。私の体験から言うのであります。従いまして、さような問題は人道上というお言葉であれば、これは先生方もそういう御体験があるかどうか存じませんけれども、私の体験をもってするならば、それをふしだらにしておることが非常にいろいろな支障を来たすというので、私どもはしかもその統制下に服従いたしまして、私は生涯を通じてそういう意味ではたれよりもそういう点にはみずから統制をいたしております。従ってこの年になっても夜起きるというようなこともない。これはその点の経験が多少役に立っているのではなかろうかと思います。非常にやかましい議論であって、一々ごもっともの点もありますけれども、私はやはり本委員会で本問題を御審議いただきますに当りましては、必要にして十分な看護力を中心にして御検討を賜わらんことを心からお願いをいたす次第であります。
#112
○八木(一男)委員 だいぶ結末をつける時期が迫っているようでありますし、簡単にいたしますが、今山下政務次官から言われましたけれども、私どもにとっては、山下政務次官のような非常に健康な体躯を持っておられる方は実に羨望に値するわけでありまして、結核患者というようなやせている人たちにとっては、用便をする時期は健康な方よりもひんぱんになるというようなことも、これもしろうと考えとしてあるのではないかと思うわけであります。今山下さんの言われましたように、看護内容の向上という点に集中して議論を展開してほしいという点は一応ごもっともでございますので、できるだけそういうふうにいたしたいと存じますけれども、しかしながらこれは看護内容の問題と同時に雇用の問題でございます。この問題は雇用問題をはずすことは断じてわれわれはできないと思うわけでございます。それで、その点につきましては御趣旨に従ってできるだけ議論を展開して参りたいと思いますけれども、労働問題の触れまする点を御了解を願いたいと思うわけでございます。今言ったようなことでございまして、医務局の曽田さんは、このように皆さん方の措置によって街頭にほうり出されようとする人たちは、ほかの労働者以上に、ほうり出された場合はにっちもさっちもいかない状態にあるということを真剣にもう一回考え直していただいて、その点についても、たとえば今五年、十年と二本立てになっているということがよいという結論に達しましたならば――結論に達していただけるだろうと私は大いに期待しておるわけでございますが、大いに勇敢に厚生省の案として打ち出していただきたい。そうしてその財政的な問題につきましては、もちろん山下政務次官もお力を添えていただくと存じますし、私どもも及ばずながら協力しまして、厚生省の要求の通るようにして参るべきだと考えるわけであります。もう時間が迫りましたので特に一番根本の問題について申し上げますけれども、先ほど横錢さんの言われました点でございますけれども、社会労働委員会のこの前の決議につきましては、いろいろと字句上の解釈をむりに引っぱっていろいろの御答弁をしておられます。しかし医務局長は、この前のこの問題の討論の焦点にずっとおられたわけでございますから、実情をはっきりと御承知のわけでございます。その実情は厚生省のあのときの案をそのままやることがいかぬ、そのいけないという反論には程度がございます。私どものように絶対にいかぬというのと、程度の問題で、いろいろの理由でいかぬ、いろいろ委員の中にはニュアンスの相違はございます。しかしながら全体を流れる空気の最大公約数と申しますか、厚生省のあのままの案で進めることは非常に看護内容の低下を生ずる、たとえば延べの労働時間からみますと、片方は三交代になる、片方はもっとたくさん働いておるが、もし二千二百七十人ということなら看護力の低下になる、それを設備の拡充で補うというような措置をしたというような御答弁を用意しておられるかと思いますけれども、厚生省の設備費は一向にふえておりません。全体の費用はふえておらない。ほかから流用したというような御答弁をなさいましても、ごくわずかなものしか流用ではできないので、そういうような点で、従来の社会労働委員会の決議を無視して、どんどん強行しておられることは明らかだと思うわけでございます。これをどんどん無視してやられますことは、私どもは見のがすわけに参りません。もしそういうようなことをいたしましたときには、私どもは国会の意見を無視されることに対しまして、あらゆる手段を通じまして断固として追及しなければならないことが起るわけでございます。そこで国会は国会の意思で――皆さん方専門家かもしれませんが、各委員はいろいろの事情を委員としても調べ、またいろいろのことを聞かれて、こういう結論が出たという国会の意思を尊重して、厚生省の方針を定めていかれるべきだと思います。その点についていろいろと障害があった場合には障害打開につきまして御相談を賜わってけっこうでございます。ですから厚生省の原案をどうしてもやっていくのだ、しかも一月からやる予定のやつを十一月からやった、先ほど中山委員から言われましたように、そういうふうにそれがいいと信じてやったというような一方的なことではなしに、ほんとうにあれをあのままで早くやってはいけないという全体の空気を把握して、そうして二本立てでやっていく、そうしてさらに積極的に予算を、足りない点を打開して、看護婦の定員もふやす、常勤の定員もふやす、つき添い制度も完璧になるまで五年でも十年でも置いていくということをどんどん医務局の担当者として、ほんとうに患者の立場に立って、そうして療養所の確立を期して勇敢にそういう問題を打ち出していただきたいということを要望しておきまして終ります。
#113
○長谷川(保)委員 関連して。どうも先ほど来の皆さんの質問応答を伺っておりましてもよくわかるのでありますが、厚生省の医療に関する政策というものが、命よりも金を先に考えるという考え方が残っておる。これは根本的に改めていただかなければならぬ。個人の経済でございますならば、それは確かに金に制限されて医療の問題もいろいろ考えなければならぬという問題が出て参ります。けれども国家が関係する限りにおいて、医療の問題、すなわち国民の命の問題を金で縛ってはいけない。これは根本原則としてそういう考え方で絶対にやってはいけない。ところがそういう考え方でやって参りますところに今日当面しますようなこういういろいろな困難な問題が出て来ていると思うのです。これは私は大臣にも申し上げるつもりでありますが、こういう方面に理解の深い次官が今度新しくなられましたので、ぜひこの点は徹底的に厚生省の方針を変えてもらうようにしなければならないと思います。先ほど来のお話しを承わっても、時間がないから簡単に申し上げますけれども、たとえば今度は重症者を六人の部屋に入れた、あるいは三人入れた、三人のつき添い婦が三交代で三人の患者をやる方がより今までよりよくなるんだというようなお話しでありますが、しかしこれは病人を扱う者はだれでもわかることでありますし、みずから病人になればだれでもわかることでありますけれども、ほんとうは、重症者あるいは手術直後の患者は、もちろん個室でもって一人の者が専門について見るのがいいことは当りまえなのです。従って三人の患者ならば三つの個室にわけて九人の者が三交代で常時一人ずつつくというようにすべきなのであります。それをしてないことはすでに根本的に間違いなのです。今日の三人の者が結局三交代で三人の患者を見る方がよりいいのだというような考え方は根本的に間違いなのであります。そうでなしに、重症な者、死にかかっておる者、手術直後の者を個室に入れることは当りまえなんです。それを医者の都合やあるいは経済の点からそういうことを考えない、これは根本的に間違いです。だから健保の立場から申しましても、公衆衛生その他社会福祉等は絶えずよくしなければならぬことになっておるのでありますから、厚生省は理想的に持っていくということのために絶えず努力してもらいたいと思う。それを金で縛ることが間違いである。従ってこういう問題については、もっと根本的に考え直していただきたい。それから同じ厚生省のやる仕事なんだから、今のつき添い婦さんの問題でも、先ほど来転職という問題が出ておりますけれども、ここでほんとうに考えなきゃならぬことは、すでに三人も気が違ったり自殺者がわずかな間に出るという悲劇が起きて来たということ、それは転職が困難ということも一つでありますけれども、よし転職をしても、それは今日の収入よりもはるかに少い収入の職業しか得られないのであって、従って自分たちが養っておられる扶養家族の人を養うことができない、生活ができないという問題をそこに大きくはらんでいるということを考えてもらいたい。とにかく人の命を一番大事にしなければならぬ厚生省のやる仕事でありますから、この際単に職業を探してやればいいのだ、あるいは二、三人の人がどこかの病院でもって転職がきまったというようなことでなしに、今までと同じような収入のある職業につけなければならぬ。そうしなければその人たちは生活できない。こういう考え方でもって、その道がなければ、やはり今大きな摩擦を起さないように、自然退職等を待っておのずからこの常勤制度に切りかえられていくように、やはりそういう親心をもってやってもらわなければ困るのであります。そうしなければ自殺しなければならぬことになってしまう。だからこういう点を十分考えてやっていただきたいと思うのです。ところが先ほど来伺っていると、どうもただ職業を探してやればいいというようなところに重点がかかって来るように思う。それじゃいかないと思うのですが、その点どうでしょう。社会局長もいらっしゃるようだが、まず厚生次官はこういう点はどうお考えになるかお伺いしたい。
#114
○山下政府委員 長谷川先生は、みずからこういう患者の医療に御挺身を賜わって、そのおやりになっておるお仕事に対しては、多くの尊敬をしておる人々から私は実態を伺いまして、頭の下る思いをいたしておるのであります。その長谷川先生からのお言葉でございまして、ごもっともとは存じまするけれども、一人に一人のつき添い看護婦、しかもそれは最重症患者を入れろ、こういうお説でございますが、人間でございますから、どのように緊張度を高めてみましても、二十四時間二日も三日も眠らないで看護をするということは、なま身の人間ではとうてい不可能なことだと存じます。その点は、むしろよく休みました者が時間を限って三回に交代いたすという方が、患者にとりましては親切な看護ができるのではなかろうかと、しろうとながら私もそういう点はそう考えるのでありまして、そういうことをやっていくことがほんとうに治療上大切だ――先生の方で大切でないとおっしゃればまた議論は別でございますけれども、みんなが総意を結集してその方がいいということでございますならば、何とかそのことを実行できるように御協力を賜わる方が、日本の真の医療の向上になるのではなかろうかと考えます。しかしながら、そういうことによって御指摘のように、いろいろお子さんのある方あるいはお年を召した方等に万一不幸な事態が現われますようなことがあれば、お説の通り厚生省でありまして、ただ、つき添い看護婦でなければ救済する方法がないという役所ではございませんので、その点は、私は以前からこの問題については皆様と同様に関心を持ってきた問題でございますから、必ず責任を持って対処する他の方法を講じて、さような悲惨事の起らないようにいたしたいと存じております。
#115
○長谷川(保)委員 私の言い方が悪かったのかもしれませんが、どうも次官はちょっと私の考えを間違えてとられたようでありますが、私の言うのは、そういう次官のおっしゃるような意味ではないのです。理想を言えば三人のつき添い婦が三交代で一人の人につく、こういうようにしなければならないのであります。今までの制度自体がすでに悪いので、それを今こういうふうに変えるということは悪いことで、少しあっちこっちするだけのことで、そういう考え方がすでに根本的に間違っているのだ、こういうことを申し上げたのでありまして、その点、もっと理想的にやってもらいたいということであります。
 それから、つき添い婦の生活の困難な人に対しては生活扶助があるというお話が先ほどもありましたけれども、日本の生活扶助それ自体がすでに検討を要するのでありまして、何と申しましても、生活扶助で支えるということよりも、働いていて豊かな生活をしていただくということが本命でございます。ですから私は、こういう生活に困るということが起ってきて生活扶助を受けるというようなことではなしに、もっとこの点スムーズに運んでいただかなければならぬ、こういうことをお願いしているわけです。
 それから私先ほど非常に気になったことでありますので、一言つけ加えておきたいことは、先ほど、病院でガスを使ってお茶を沸かす、そのためにお金を取られる、こういうことは結局結論としては不届きだからやめるというお話がありましたが、そういうことでやめて患者が冷たいものしか飲めない、あるいはお茶を飲むことができない、お湯をいただけないで水を飲まなければならぬということになると、もっと改悪です。私はここではっきりしておきたいことは、一体国立病院あるいは国立の療養所では常時熱いお茶を患者が無料で飲めるようにしてあるのかないのか。私はそういうことは当然だと思う。私ども厚生寮へ伺いますといつでもあったかいお茶をいただきましてありがたいことだと思っておりますが、これは当然だと思います。ほしければいつでも暖かいお茶がいただける、また食事も暖かいものがいただけるように――今は非常に広いところでやっておりますから困難であるようでありますが、設備、器具を置きさえすればできることでありますから、そういうようにしていく。それは今日全部の食事に行き渡らないでも、少くともいつでも暖かいお湯、暖かいお茶がいただけるようにしておいてもらわなければなりません。洗濯でもこれを制限して一週間に一ぺんしかシーツを洗わぬとか寝巻を洗わぬということでなしに、病人が絶えず清潔なシーツ、清潔な寝巻の中にくるまって、清潔に療養できる、こういうふうにしてもらわなければ困ると思います。私は中国や朝鮮へ行ったからといってその例を申し上げるのは口幅ったいが、朝鮮は戦争が終ってからわずか三年しかたっていない、中国は解放後六年しかたっていない、しかし中国の病院へ参りましても朝鮮の病院へ参りましても実に清潔です。中へ入ってみるとけさかえたかと思うような清潔な看護衣を着、患者は清潔なシーツ、寝巻の中に入っております。日本人が口幅ったいことを言うのは恥かしと思う。病院の床でもお互いの家の縁側のように、廊下のようにきれいです。あそこまでよくりつぱにしたものだと思う。そういう点で日本の厚生省の政治のやり方を見ると、人民を大事にしておる政治をやっておらぬ。これは日本全体がそうでありますが、やっておらぬ。まず国民の命を大事にしなければならぬところがすなわち厚生省であります。ばかにしておりました中国や朝鮮では、戦争後、解放後まだ幾らもたっておりませんのに、それらのものがこれほどまでにきれいになっているということをお考え下さって、日本もアジアの国の一つとしてそういうように持っていく。ほんとうに人民を大事にして看護ができる。清潔な環境の中で十分な治療ができるように、金が先じゃない、国民の生命が先だ、こういうことを考えた政治に切りかえていただきたい。このことをお願いいたしまして終ります。
#116
○佐々木委員長 次会は明十日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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