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1955/12/15 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
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1955/12/15 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号

#1
第023回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
昭和三十年十二月十五日(木曜日)
   午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 加藤鐐五郎君
   理事 青木  正君 理事 大村 清一君
   理事 小金 義照君 理事 淵上房太郎君
   理事 井堀 繁雄君 理事 島上善五郎君
      足立 篤郎君    大坪 保雄君
      薩摩 雄次君    山本 利壽君
      鈴木 義男君    山口丈太郎君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        長)      兼子 秀夫君
 委員外の出席者
        参議院議員   伊能 芳雄君
        参議院議員   小林 武治君
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        選挙課長)   降矢 敬義君
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        管理課長)   桜沢東兵衛君
    ―――――――――――――
十二月十日
 公職選挙法の一部を改正する法律案(地方行政
 委員長提出、参法第一号)(予)
同月十四日
 公職選挙法の一部を改正する法律案(参議院提
 出、参法第一号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 公職選挙法の一部改正に関する陳情書(東京都
 千代田区九段一丁目十四番地全国市長会長金刺
 不二太郎)(第二〇二号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(参議院提
 出、参法第一号)
    ―――――――――――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 昨日本委員会に付託せられました公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず提出者より提案理由の説明を聴取いたします。参議院地方行政委員会理事、小林武治君。
#3
○小林参議院議員 念のために、お配りしたのより多少詳しく申し上げます。
 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 公職選挙法は、昭和二十五年公布以来満五年を経過し、その間しばしば改正を重ねて今日に至っておりますが、本年二月には衆議院議員の総選挙、四月には地方選挙が行われ、明年は参議院議員の通常選挙を控えておりますので、これらの事実にかんがみ、選挙がより公明にかつ適正に行われるために、この際、特に緊要と認められる事項を取り上げて、所要の改正を行おうとするものであります。
 改正の内容は、前国会において審議未了となりました改正法案とほとんど同一のものでありますから、その詳細については説明を省略いたしますが、以下その主要点だけをごく簡単に申し上げます。
 改正の第一は、都道府県知事または市長の職の自発的退職を申し出た者は、当該退職の申し立てがあったことにより、告示された選挙に立候補することができないものといたしたのであります。これは、いわゆるお手盛り選挙が選挙の公正を害するものとしてきびしい世論の批判を受けている事案にもかんがみ、あえてここに取り上げた次第であります。
 改正の第二は、参議院全国選出議員の選挙の場合の供託金は、候補者一人につき現行十万円を二十万円に増額いたしました。
 改正の第三は、参議院議員の選挙については五日、その他の選挙については、衆議院議員の選挙を除き、右に準じて選挙運動期間を短縮するため、選挙期日の公示または告示の期日、立候補の締め切り期限、補充立候補期間、立会演説会開催の決定の告示期日等をそれぞれ改めるとともに、これに関連して、経歴放送に関しては現行のおおむね十回とあるのを、衆議院議員の候補者の場合を除き、候補者一人についておおむね五回とし、日本放送協会は、事情の許す限り、その回数を多くするように努めるものといたしました。
 改正の第四は、選挙運動に関するものでありまして、数項目にわたっております。すなわち、一、選挙運動用の自動車または船舶に乗ることのできる者は、候補者及び運転手(一名に限る)または船員を除いて四名とし、乗車用または乗船用の腕章を着用した者は、街頭演説に際し、さらに街頭演説用腕章の着用を要しないものとする。二、演説会場等において使用するポスター、立札、ちょうちん及び看板の類を故意に回覧させることを禁止する。三、選挙運動用の自動車または船舶に当該選挙の種類、候補者の氏名並びに党派を記載した文書の掲示及び公職の候補者が、たすき、胸章、腕章の類を着用することを認め、また、これらを回覧させることを認める。四、選挙運動用無料はがきの枚数を、候補者一人について、参議院全国選出議員の場合は現行の五万枚を六万枚に増加し、地方選出議員の場合は現行の一万枚を一万五千枚に増加するほか、当該都道府県の区域内の衆議院議員の選挙区の数が一を越える場合には、その一を増すごとに三千枚を加えたものとする。五、個人演説会告知用ポスターの制度を廃止し、選挙運動用ポスターは、候補者一人について、衆議院議員及び都道府県の教育委員の場合は五千枚、参議院地方選出議員及び都道府県知事の場合は八千枚、参議院全国選出議員の場合は五万枚とする。この場合、参議院地方選出議員及び都道府県知事については、当該都道府県の区域内の衆議院議員の選挙区の数が一をこえる場合には、その一を増すごとに三千枚を加えたものとする。六、現行の新聞紙、雑誌の人気投票掲載の制限規定を改めて、広く何人も選挙に関し公職につくべき者を予想する人気投票の経過または結果を公表してはならないものとする。七、選挙に関し、報道及び評論を掲載する自由を有する新聞紙また雑誌は、当該選挙の選挙期日の公示または告示の日前一年以来引き続き発行するものに限るものとする等の諸点であります。
 改正の第五は、政党その他の政治団体の選挙における政治活動に関する事項であります。政治活動のルールを確立し、よってもって改正の眼目たる選挙の公正を保障せんとするものであります。すなわち、一、衆議院議員、参議院議員、都道府県知事または市長の選挙の選挙運動期間中は、その選挙において、一定数以上の所属候補者を有する政党その他の政治団体すなわち、いわゆる確認団体のみが政治活動を行い得るものとし、これらの選挙の二以上のものが重複して行われる場合には、それぞれの選挙における確認団体がそれぞれの規定に従って政治活動を行うことを妨げないものとする。二、確認を受けない政党その他の政治団体は、政策の普及宣伝及び演説の告知のためのみならず、一切ポスターの掲示及びビラの頒布はできないこととすることもに、確認団体が掲示しまたは頒布するポスター、ビラについては、選挙運動にわたらざる限り、その記載内容を制限しないものとする。なお、ビラの頒布は、確認団体がその開催する政談演説会においてする場合に限って認められる旨を明らかにいたしました。三、確認団体の所属候補者の数を算定する場合においては、一の公職の候補者は、三以上の政党その他の政治団体の所属候補者として計算されることはできないものといたしました。四、確認団体は、自己の所属候補者のみならず、他の政党その他の政治団体の所属候補者の推薦、支持その他選挙運動のための演説をもすることができることといたしました。五、立会演説会開催時刻及びその前後各二時間は、当該演説会場から三町以内の区域で、政党その他の政治団体の政談演説会または街頭政談演説の開催を禁止することといたしました。六、二以上の選挙が行われる場合においては、一の選挙の投票日には、投票所から三町以内の区域で、他の選挙における確認団体の政談演説会または街頭政談演説の開催を禁止することといたしました。
 以上のほか、選挙管理等に関する規定に若干の改正を加え、また、この法律は昭和三十一年二月一日から施行することとし、これらに伴って所要の規定の整理を行なったのであります。
 なお、本案は国会法第五十七条の三に規定する予算を伴う法律案に該当するものとして、内閣の意見を求めましたところ、早川自治政務次官より内閣としては異議がない旨を述べられました。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#4
○加藤委員長 質疑はございませんか。――青木君。
#5
○青木委員 本案に関連いたしまして、二、三の事項について、選挙部長並びに提案者に御質問申し上げます。
 本改正案につきましては、ただいまの提案説明にもありますごとく、ことしの二月の衆議院選挙並びに四月の地方選挙の経験にかんがみまして、来たるべき参議院選挙におきまして、選挙運動のより公明を期するために、提案に相なったと存ずるのでありますが、この意味におきまして、私どもは、参議院側が参議院選挙の公明を期するためにこの提案をなすったことにつきまして、深く敬意を表する次第であります。従いまして、私どもといたしましては、前国会におきまして本案が提案されましたので、できることならば、継続審査に付して、この臨時国会の冒頭にこれを成立せしめ、もって参議院側の御期待に沿うようにという考えであったのであります。しかるに、前国会におきまして、御承知のような経過におきまして継続審査になることができず、またあらためて提案されたような次第でありまして、その結果といたしまして、本案が本院に提案されましたのは昨日ということで、もう臨時国会は余日も明一日しか余していないのであります。従って、これだけの内容を盛った法律案をあと一日で衆議院を通過するということは、事実問題としてなかなか困難と存じますが、しかしながら、参議院の選挙が明年の六月ということがきまっておりますので、その参議院選挙には、ぜひとも、参議院側の期待するごとく、本改正案に盛られた選挙公明のためのおのおのの規定の改正をする必要があろうと思うのであります。さような意味で、この臨時国会におきまして明日一日だけで通過させることは困難といたしましても、できるだけ早い機会に、来たる通常国会においてこれを通過成立せしめ、もって参議院選挙の公明を期するようにしなければならぬと存ずるのであります。さような意味で、事実問題といたしまして、事務的に考えまして、参議院選挙に改正法律案を間に合せるためには、市町村の末端の選挙管理委員会にも周知せしめなければならぬということもありますし、そうした見地からいたしまして、自治庁当局として、最大限いつごろまでに本案を通過せしめれば参議院選挙に間に合うか、この点をまず承わっておきたいと思うのであります。なお、提案者側におきましても、おそらく、本案を提出した理由は、参議院選挙に間に合せることにあったと思うのでありますが、参議院側の御意向も提案者側の御意向も、あわせて承われればけっこうと思います。
 なおまた、ただいま本案の提案説明を承わりますと、前国会に提案されました改正法案とほとんど同一のものとなっておりますが、若干前回の改正案と違った点がありますかどうか。ありましたならば、この機会にあわせて承わっておきたいと存ずる次第であります。
 以上二つの点につきまして、当局の御意見を承わりたいと思います。
#6
○小林参議院議員 ただいまのお尋ねでありますが、青木委員のおっしゃることもまことにごもっともでありまして、私どもといたしましては、できるだけ早く本案の成立することを希望しておるものでありまするが、事務的の御都合もあり、無理もない点もあろうと存じますので、場合によって、私どもは、次の国会に継続されるのもやむを得ない、こういうふうに考えておりますが、それにつきましても、修正でもされた場合を考えますれば、一日も早く御回付を願いたい、こういうことを考えておるのであります。選挙の施行期日等につきましては、選挙部長等からお答えがあると思います。
 なお、この前こちらに御送付申し上げました案に対して変っておるところは三点あります。その一は、施行期日を変えたこと、これは当然のことであります。もう一つはごく事務的のことでありまして、今回の法律の付則の五、六というのがございます。すなわち、漁業法の選挙の関係また農業委員会の選挙の関係等におきまして、前回でも実は当然挿入すべきものを取り落しておった、こういうふうなことで、全く内容的でない手続的のものを五、六と追加いたした、これだけであります。
#7
○兼子政府委員 お答えいたします。この公職選挙法の一部改正法律が可決になりまして、それから施行までの期間でございますが、市町村の末端にまで徹底をいたしますためには、私ども、事務的の見地からいたしますと、ほぼ二カ月近い期間がありました方が誤まりなく徹底ができるものではないか、かように考えております。御審議の御都合もあろうかと思いますが、通常選挙は六月と予想されますので、明年の四月一日に施行ということにいたしますれば、所要な期間は保てるのではないか、かように考えております。
#8
○青木委員 ただいまの選挙部長の御答弁によりまして、参議院選挙に間に合せるためには、やはり、相当の期間を置いて、余裕のあるように本案の通過をはかる必要があろうと存ずるのであります。そこで、これは私委員長に御希望を申し上げるのでありますが、臨時国会はあと一日でありますので、とうてい不可能であります。従いまして、これを継続審査にいたしまして、そうして、できることならば、参議院側の提案者の御希望等もありますので、二月の十日ごろまでにはおそくとも本案を衆議院を通過せしめるようにお互いに努力いたしたい、かように存ずる次第であります。以上、委員長に御希望申し上げておく次第であります。何とぞ、継続審査にいたしまして、そうして早期に本案の通過をはかる、かようにお取り計らいを願いたいと存ずる次第であります。
#9
○加藤委員長 ほかにどなたか御質疑ありませんか。――島上君。
#10
○島上委員 本格的な質疑はあとにしたいと思うのですが、自治庁と検察庁に御要望を申し上げておきたいと思います。それは、今提案されました選挙法改正案は、御説明もありましたように、本年二月の衆議院、四月の地方選挙の経験にかんがみて、改正点が痛感されておるわけでありますが、この前の選挙法委員会で、選挙の管理、執行について非常に遺憾な事実が、選挙の公正を冒涜するような事実が幾多ありましたが、とりわけ仙台と徳島の地方選挙の問題が本委員会において取り上げられたのであります。ところが、当時、それぞれ、地方の新聞では、あるいは東京の新聞でもそうですが、かなり大きくこの二つの問題を取り上げておりましたのに、委員会における質問に対して、自治庁並びに検察庁は、的確な資料を持ち合せなかった、われわれに満足を与えるような答弁が得られなかった。ところが、この二つの選挙は、仙台の場合には、県の選管で、四月三十日執行の仙台市長選挙はこれを無効とするという裁定が下され、徳島もたしか一部無効の裁定が下ったはずだと記憶しております。そういうふうに事実がはっきりしておりますし、しかも、私どもこの前の委員会で質問した当時とは、さらに新しい事実が幾つか発見されておる。この問題について私どももよく調べて質問したいと思いますので、次の委員会までに、自治庁並びに検察庁においては、的確な事実をよくお調べ願って、本委員会においてはっきりと御答弁願えるように用意をしていただきたい、これを要望しておきます。
#11
○加藤委員長 御質問ありませんか。
    ―――――――――――――
#12
○加藤委員長 この際お諮りいたします。ただいまお聞きのごとく、青木君も、本案は諸般の情勢から今期中に審査を終るのは困難であるという御意見であったのであります。よって、閉会中もなお審査を継続いたしたいと存じます。御同意を得ますれば、この旨議長に申し入れたいと存じます。御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○加藤委員長 御異議なしと認めます。それではさように決定いたしました。
 なお、青木君の御意見もありましたごとく、参議院の選挙の関係もありますので、次回の国会ではすみやかに審議を終了いたしたいと存じます。
 なお、本委員会に町村合併に伴う公職選挙法改正に関する陳情書その他一件、計二件が参考のために送付せられておりますので、お知らせいたしておきます。本陳情書の要旨その他につきましては、後刻配付せられるところにより御了承をお願いいたしたいと存じます。
 次会は公報をもってお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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