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1955/12/16 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 建設委員会 第5号
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1955/12/16 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 建設委員会 第5号

#1
第023回国会 建設委員会 第5号
昭和三十年十二月十六日(金曜日)
   午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 徳安 實藏君
   理事 内海 安吉君 理事 荻野 豊平君
   理事 薩摩 雄次君 理事 瀬戸山三男君
   理事 今村  等君 理事 西村 力弥君
      逢澤  寛君    大高  康君
      志賀健次郎君    田中 彰治君
      仲川房次郎君    二階堂 進君
      廣瀬 正雄君    松澤 雄藏君
      山口 好一君    有馬 輝武君
      三鍋 義三君    山田 長司君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (調達庁不動産
        部長)     大石 孝章君
        建設政務次官  堀川 恭平君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (調達庁不動産
        部次長)    鈴木  昇君
        建設事務官
        (計画局長)  町田  稔君
        建 設 技 官
        (計画局総務課
        長)      前田 光嘉君
        建設事務官
        (河川局水政課
        長)      国宗 正義君
        専  門  員 西畑 正倫君
    ―――――――――――――
十二月十四日
 災害復旧事業費の国庫補助に関する請願(町村
 金五君紹介)(第三五三号)
 低家賃庶民住宅建設の請願(町村金五君紹介)
 (第三五四号)
 街路改修のための財政措置に関する請願(町村
 金五君紹介)(第三五六号)
 三陸沿岸国道の整備促進等に関する請願(愛知
 揆一君紹介)(第三五八号)
 吉井川下流の改修工事促進に関する請願(逢澤
 寛君紹介)(第三八六号)
 国道十九号線の改修工事施行に関する請願(井
 出一太郎君紹介)(第四一三号)
 二戸中央線入口ガードの拡張工事施行に関する
 請願(山本猛夫君紹介)(第四八〇号)
 汐入豊岡線の敷設反対に関する請願(仲川房次
 郎君紹介)(第四八一号)
 矢場川の改修工事促進に関する請願(山口好一
 君紹介)(第四八三号)
 栃木葛生連絡道路の改修工事促進に関する請願
 (山口好一君紹介)(第四八四号)
 馬渡大川原停車場線を産業道路に指定等の請願
 (瀬戸山三男君紹介)(第四八五号)
 直轄河川大淀川改修事業中上流部工事五箇年計
 画実施に関する請願(瀬戸山三男君紹介)(第
 四八六号)
 糖平、上川間の道路開さくに関する請願(森三
 樹二君紹介)(第五三四号)
 糠平、然別湖畔間に自動車道路建設の請願(森
 三樹二君紹介)(第五三五号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 国直轄事業の道県負担率引下げ等に関する陳情
 書(東京都議会議長四宮久吉)(第二八三号)
 災害復旧事業費補助金の交付促進等に関する陳
 情書(東京都議会議長四宮久吉外八名)(第二
 八四号)
 公共事業等に対する国庫補助金の早期決定に関
 する陳情書(東京都議会議長四宮久吉)(第二
 八五号)
 国立防災研究所設置の陳情書(東京都議会議長
 四宮久吉)(第二八六号)
 建設機械購入費の国庫補助復活に関する陳情書
 (東京都議会議長四宮久吉)(第二八七号)
 地すべり防止事業の国庫補助率引上げに関する
 陳情書(東京都議会議長四宮久吉)(第二八八
 号)
 一級国道三号線の改修促進に関する陳情書(東
 京都議会議長四宮久吉)(第二八九号)
 中部日本横断国道等の改修工事促進に関する陳
 情書(東京都議会議長四宮久吉)(第二九一
 号)
 治山治水対策確立に関する陳情書(東京都議会
 議長四宮久吉)(第二九三号)
 災害復旧事業促進に関する陳情書外一件(東京
 都議会議長四宮久吉)(第二九四号)
 住宅対策確立に関する陳情書(東京都千代田区
 九段一丁目十四番地全国市長会長金刺不二太
 郎)(第二九五号)
 朝熊山有料道路建設に関する陳情書(鳥羽市鳥
 羽町伊勢志摩国立公園協会長石原円吉)(第二
 九七号)
 九州循環観光道路建設に関する陳情書(宮崎県
 議会議長藤井満義)(第二九八号)
 二級国道高知本頭徳島線の開通促進に関する陳
 情書(高知県町村議会議長会長筒井元正)(第
 二九九号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 委員派遣承認申請に関する件
 土地収用に関する件
    ―――――――――――――
請願
 一 昭和橋改修に関する請願(笹本一雄君紹
  介)(第三二号)
 二 国道仙台山形線の舗装工事施行に関する請
  願(内海安吉君紹介)(第三三号)
 三 内海橋を開閉式に架替え等に関する請願(
  内海安吉君紹介)(第三四号)
 四 北上川柳津こう門より迫川合流点の区間を
  直轄工事区域に編入等に関する請願(内海安
  吉君紹介)(第三五号)
 五 道路の整備促進に関する請願(久野忠治君
  紹介)(第四〇号)
 六 道路財源法制定に関する請願(久野忠治君
  紹介)(第四一号)
 七 牛首別川の改修工事施行に関する請願(本
  名武君紹介)(第八九号)
 八 茂岩橋架設に関する請願(本名武君紹介)
  (第九〇号)
 九 十勝川の改修工事促進に関する請願(本名
  武君紹介)(第九一号)
 一〇 尼崎市災害防止対策確立等に関する請願
  (山口丈太郎君紹介)(第九二号)
 一一 本庄橋を永久橋に架替えの請願(瀬戸山
  三男君紹介)(第一〇八号)
 一二 津山市、柵原町間の道路改修工事施行に
  関する請願(大村清一君外一名紹介)(第一
  〇九号)
 一三 同(小枝一雄君紹介)(第一一〇号)
 一四 岡山市、三石船坂峠間の道路改修工事施
  行に関する請願(小枝一雄君紹介)(第一一
  一号)
 一五 三陸沿岸国道の整備促進等に関する請願
  (淡谷悠藏君紹介)(第一五〇号)
 一六 国道十九号線の改修工事施行に関する請
  願(原茂君紹介)(第一五一号)
 一七同(下平正一君紹介)(第一九九号)
 一八 災害復旧のための資金融資に関する請願
  (相川勝六君外五名紹介)(第一六五号)
 一九 宮崎県の土木災害復旧工事促進に関する請
  願(相川勝六君外五名紹介)(第二〇〇号)
 二〇 台風二十二号による被害家屋特別融資に
  関する請願(相川勝六君外五名紹介)(第二
  〇一号)
 二一 被害家屋復旧のための特別わく割当に関
  する請願(小山長規君外五名紹介)(第二〇
  二号)
 二二 清水、直江津間中部日本横断道路改修工
  事施行に関する請願(塚田十一郎君紹介)(
  第二〇三号)
 二三 東頸城郡の治山砂防事業促進
  に関する請願(塚田十一郎君紹介)(第二〇
  四号)
 二四 栗谷沢橋を永久橋に架替えの請願(松澤
  雄藏君紹介)(第二〇五号)
 二五 国道十九号線の改修工事施行に関する請
  願(松平忠久君紹介)(第二五二号)
 二六 災害復旧事業の箇所指定促進に関する請
  願(野田卯一君外七名紹介)(第二五三号)
 二七 大屋大川流域に砂防せき堤設置等に関す
  る請願(松本瀧藏君紹介)(第二五四号)
 二八 天応町海岸線に防波壁築設の請願(松本
  瀧藏君紹介)(第二五五号)
 二九 県道隠地天応停車場線の改修工事促進に
  関する請願(松本瀧藏君紹介)(第二五六
  号)
 三〇 糠平、上川間の道路開さくに関する請願
  (本名武君紹介)(第二五八号)
 三一 国道岡山松江線外二箇路線の道路改修工
  事施行に関する請願(足鹿覺君紹介)(第二
  五九号)
 三二 東頸城郡の地すべり対策事業促進に関す
  る請願(田中彰治君紹介)(第三〇二号)
 三三 東頸城郡の道路改良工事等促進に関する
  請願(田中彰治君紹介)(第三〇三号)
 三四 東頸城郡下橋りようを永久橋に架替えの
  請願(田中彰治君紹介)(第三〇四号)
 三五 米代川の上流部及び引欠川を直轄区域に
  再編入の請願(石田博英君紹介)(第三〇五
  号)
 三六 大淀川の下流地域の改修工事促進等に関
  する請願(片島港君紹介)(第三〇六号)
 三七 県道新井飯山線の改修工事施行に関する
  請願(塚田十一郎君外一名紹介)(第三二七
  号)
 三八 災害復旧事業費の国庫補助に関する請願
  (町村金五君紹介)(第三五三号)
 三九 低家賃庶民住宅建設の請願(町村金五君
  紹介)(第三五四号)
 四〇 街路改修のための財政措置に関する請願
  (町村金五君紹介)(第三五六号)
 四一 三陸沿岸国道の整備促進に関する請願(
  愛知揆一君紹介)(第三五八号)
 四二 吉井川下流の改修工事促進に関する請願
  (逢澤寛君紹介)(第三八六号)
 四三 国道十九号線の改修工事施行に関する請
  願(井出一太郎君紹介)(第四一三号)
 四四 二戸中央線入口ガードの拡張工事施行に
  関する請願(山本猛夫君紹介)(第四八〇
  号)
 四五 汐入豊岡線の敷設反対に関する請願(仲
  川房次郎君紹介)(第四八一号)
 四六 矢場川の改修工事促進に関する請願(山
  口好一君紹介)(第四八三号)
 四七 栃木葛生連絡道路の改修工事促進に関す
  る請願(山口好一君紹介)(第四八四号)
 四八 馬渡大川原停車場線を産業道路に指定等
  の請願(瀬戸山三男君紹介)(第四八五号)
 四九 直轄河川大淀川改修事業中上流部工事五
  箇年計画実施に関する請願(瀬戸山三男君紹
  介)(第四八六号)
 五〇 糠平、上川間の道路開さくに関する請願
  (森三樹二君紹介)(第五三四号)
 五一 糠平、然別湖畔間に自動車道路建設の請
  願(森三樹二君紹介)(第五三五号)
    ―――――――――――――
#2
○徳安委員長 これより会議を開きます。
 閉会中審査に関しましてお諮りいたします。すなわち、当委員会の所管事項につきまして閉会中も引き続き調査を進めたいと存じます。つきましては、この旨議長に対しまして申し出をするに御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○徳安委員長 御異議なしと認めてさように決しました。
 次に、閉会中審査すべき事項といたしましては、河川及び道路に関する件とし、目的としましては、建設行政の実情を調査し、その運営を適正ならしめるためとすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○徳安委員長 御異議なしと認めさよう決定いたしました。直ちに委員長より文書をもって申し出ることにいたします。
    ―――――――――――――
#5
○徳安委員長 次に、ただいまの閉会中審査の申し出によりまして議院の議決で特に付託されました場合には、調査のために現地へ委員を派遣いたしたいと存じます。委員派遣承認申請に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。
    ―――――――――――――
#7
○徳安委員長 基地等の拡張に伴う土地収用に関する件につきまして、前会に引き続き調査を進めます。西村力弥君。
#8
○西村(力)委員 私は一昨日基本的な考え方についてお尋ねをいたしましたが、その趣旨は、国が権力で基地に提供する個人の所有地を取り上げる、こういう工合に決定すれば、一体国と対等にあるべき個人というものは、もうみずからを救済する方法というものは全然なくなるのかどうか。まず考えられる裁判手続をもって自分が救われようとする方法は、総理大臣の異議申し立てによって全然だめになってしまう。本訴がたとい継続せられてあっても、仮処分の申請が異議申し立てによってだめになってしまえば、もう償うべからざる結果となりまして、これはたとい勝つことができたにしても、ほんとうに意味のないものになってしまう。結局権利を行使する国が、国民が自分の立場を守ろうとする裁判手続による訴えを異議申し立てでけ散らす、同一人格がこれをけ散らしてくるということになれば、これはやはり結局裁判に訴える方法によっては救済の道は見出されないということになってくるのだ。それではそのあとにもっと救いの道はないか。現在行政委員会制度というものが盛られまして、人民の代表という立場、人民の意思による権利の行使の不正あるいは行き過ぎというものをコントロールするという考え方が日本の国に現在あるわけです。土地収用委員会というものは、知事の任命ではあるけれども、結局するところ、これは人民の代表という立場に立って事を処理する委員会であるべきだ。国家権力の行使、すなわち強制収用というものが正しいかいなか、妥当かいなかということを判断する権限を持たなければならぬはずだ。しかしながらそれは法的にその権限を持っていないのだ。ただ単なる正当なる補償を何ぼにするかということをきめる土地評価の委員会にすぎないのだということになってくる。そうすると人民の意思も、国家権力に対抗して個人の権利を守るという機能が全然ないとするならば、もうどこにも救いの道がない。結局国家権力がこうだ、こうきめてしまえば、あとはいや応なしになってしまう。これは国家形態としてはファッショの形になってくるのじゃないか、こういうことを私はお尋ねしたようなわけであります。そういう点について法務大臣にいろいろ質問しようと思ったのでございましたが、きのう委員会が流れましたので、今そういうことになるということに対してどういう見解を持たれるか、堀川政務次官の御答弁を一つお願いいたします。
#9
○堀川政府委員 私は御承知のように法律家でないので、その点は法律的にどうもお答えすることができぬと思いますが、今西村さんの言われるのはごもっとものように存ずるのでありますが、ここに法律的にいかようにもできぬということになりますれば、法律によって行政を行なっておる関係上何ともならぬのじゃなかろうか。お気の毒なことはお気の毒だ、これはもう偽らざる心情でありますが、これが何とかの方法でお救いできるということなら別問題でございますが、法律的にいかようにもならぬということでありますならば、これはわれわれの心情がそこにありましても、いかようにもならぬのじゃなかろうか。これ以外に御答弁する方法はないと思うのです。その辺一つ御了承願いたいと思います。
#10
○西村(力)委員 法律ではそうなるよりほかない、こういうことになるようでございますが、そういう形になると、国家権力はもう私権を侵害して取るのだ、こうなってくれば、これは絶対にそうなるのだから、こういう政治形態はファッショ的な形態ではないか。これは好ましいと思われるかどうか。そういう政治的な立場の御答弁を願いたい。
#11
○堀川政府委員 ファッショ的になるのじゃなかろうか、こういうお話でありますが、法律を適用していけばファッショ的になるというような格好に、あるいはなるかもしれません。しかしその法律を作ったのがわれわれであったので、その当時法律の賛否がどうなっておったか知りませんが、実は西村さんが言われるいろいろな心情はよくわかる。またそれにひっかかっておられる方々に対しても、お気の毒だということもよく承知できるのでありますが、現状の法律ではどうにもならぬということならいたし方ないのではなかろうか。ただその便法が何か見つけられれば別問題であろうと思いますが、そういうことが見つけ得られぬのなら、その点に対して、こういうようにすればどうだとか、ああいうようにすればどうだとかいうことは私は言いかねると思うのであります。その点一つ御了承願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#12
○徳安委員長 ただいまより請願の審査に入ります。本国会におきまして当委員会に付託になりました請願は五十一件であります。これより請願日程第一より第五一までを一括して議題といたします。
 まず審査の方法についてお諮りいたします。各請願の内容は、請願文書表によりまして御存じの通りでありますし、また先ほどの理事会におきましても御検討を願ったところでございます。さらに建設行政一般問題を調査いたしました際にも、各請願に盛られております趣旨を十二分に尊重いたして参りましたことは各位の御了承の通りであります。従いましてこの際各請願につきましての紹介議員よりの説明聴取等のことは省略いたしまして、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○徳安委員長 御異議なきものと認め、直ちに採決いたします。
 本日の日程中第一ないし第四四及び第四六ないし第五一、以上の各請願はいずれもその趣旨は妥当なものと認め、衆議院規則第百七十八条の規定により議院の会議に付すべきものとし、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。
 なお以上の各請願の報告書作成の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
  〔「異一議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○徳安委員長 御異議なしと認めて、さように決しました。
 なお当委員会にはお手元に配付いたしてあります通り、陳情書が三十六件参考のために送付されておりますから、念のため御報告いたしておきます。
    ―――――――――――――
#16
○徳安委員長 それでは西村さんの御質疑をお願いいたします。
#17
○西村(力)委員 そういう工合にどこにも救いの道がないということになれば、その土地収用法の運用に当っては、その救いのない道を幾らでもカバーしてやるという措置をとらなければいかぬ。そういう心がまえでやらなければならないと思う。そうしてまた土地収用法で正当なる補償によって土地は取ることができる、こうなっているけれども、これは私有財産権を大前提として、ほんとうの特例の特例としてやるのである。この収用法を実際に適用する場合に当っても、一貫して流れるものは、やはり私有財産権はあくまでも尊重しなければならぬ。そういう立場でやるべきだ。この精神は流れていなければならないと思う。こういう立場で法を実際に運用していかなければならないと思うのです。そういう点に立って考えますると、このたび大高根あるいは砂川においてやったやり方というものは、実に当を得ていない、私はそう患わざるを得ない。調達庁の人に聞きまするが、大高根あるいは砂川の測量は、あれで完全に自分たちの職務を遂行した、正確なる方法によって調査をやったと考えるかどうか。結果について自信を持つかどうか。私はその点をこの目で見ましたから、はっきり否定せざるを得ない。あなた方はあの測量の方法に自信があり、あるいはその結果について確信を持っておるかどうか、一つ伺いたい。
#18
○大石(孝)政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問の結果について確信があるか、それから方法について違法であるか適法であるかという趣旨の御質問でありますが、結果については、収用法の規定を執行いたしまして、土地調書、物件調書を作り、これから土地収用法第四十条によって関係者と協議を遂げて、協議整わざる場合には収用委員会に持っていくという方針で臨んでおりますので、確信を持っておる次第であります。
#19
○西村(力)委員 方法につていは……。
#20
○大石(孝)政府委員 方法についても、違法か適法かという問題については、違法ではないというふうに判断いたしております。
#21
○西村(力)委員 少し技術的な問題になりますが、測量の方法には自信があるか。それから物件調書、土地調書の結果について、はっきり確信を持っておるかどうか。あなた方は調書を作ったのでしょう。測量もやった。その二つについて自信、確信を持っておるかどうか。
#22
○大石(孝)政府委員 確信を持っております。
#23
○西村(力)委員 あなた方はどこでそのマジックを知ったか知らぬけれども、大高根の測量の方は、私はこの目で見ました。テープは曲ったら曲ったなり、たるんだらたるんだなりなんです。砂川においては、切れたテープを二カ所も結び合せて、それで測量しておる。そんなやり方で、しかも大高根なんかは、ポールを立てて向うからそれを望んで平板測量をやるわけだが、そのポールは曲っておる。ひどいのになると、低いところに立てたものだから、二本立てて何でつないだかというと、手ぬぐいでつないで、その上のポールは曲っている。そんなものを立てて測量をやって、一体その測量は技術的に見て正しい方法なんていったら、これは前世紀的なものじゃないか。しからざればあなた方は神通力を持っておる、こういうことになるのじゃないか。あんな測量で正しい方法でやったなんということは、どこを押して言えることか。結局、だからできた調書に対して、結果に対して確信は持てないはずなんだ。いやしくも土地収用法を適用するに当っても、個人の財産権というものをあくまでも尊重するという立場、しかもいやだいやだと言うのを取ろうというときに、あんな方法で測量して、そうしてそれで十分だなんというのはとんでもない話じゃないか、私はさように思う。なぜ確信があるのか、その確信のほどを示してもらいたい。
#24
○大石(孝)政府委員 西村委員のお話のように、大高根の場合、なるほど測量調査中に、ある程度の作業の妨害等があったことは事実でございます。しかしながら、この測量調査は仙台調達局の職員、それは技術職員を主体としておりますが、その職員十二名と、それから東京航空測量株式会社の測量専門の技術員十名から編成いたしまして、そして山形県知事の指名いたしました立会人の立会のもとにおいて測量をいたしたような次第でございます。局部的に、お話のような若干のトラブルが起きたことは、私どもも報告によって承知いたしておりますが、その測量自体について、適法であるか違法であるかということにつきましては、適正かつ適法に実施されたものというふうに判断いたしております。
#25
○西村(力)委員 その測量をやることが適法かいなかということを聞いているのじゃない。技術的にそれが正しいかどうか聞いている。こんな工合にたるんだものを、その補正係数か何ぼにして調書を作りましたか。はかって何十メートルと出た、しかしそれはたるんでいる、それを補正するのに一・何ぼをかけたのか。〇・何ぼをかけたのか。あるいはポールが曲ったままはかって、しかも先がふえている。それを見てはかりながら補正をどういう工合にしたか、そんな方法が正しいか、そこを言うのです。あなた方が測量をやったことは、形式的な、法的な手続を踏んでいるから、あなた方から見ればそれは適法でしょう。しかし私たちから見ればまことにけしからぬと思うのですが、その技術的な自信を持っているか。一体そういう場合にどうやって正確度を期したか。それは神通力以外にないじゃないか。たるんでおれば、それは長くなるのだから、やはり誤差の係数〇・何ぼとかいうものを出して、これだけ曲っていて誤差が何ぼだから何ぼだという工合に修正をしなければならないはずです。しかしそんなことはわかるはずがない。どうでしょう、技術的に測量の方法に自信を持っているかどうか。それは専門家がずっと行った、専門家だからといって、いいかげんにたるんだままではかって、これは何ぼ修正すればよろしいと出るはずはない。それは出ないはずです。その点自信を持っているかどうか。
#26
○大石(孝)政府委員 私この場で、御質問の技術的な補正の関係その他について、詳細に説明する能力もございませんが、仙台調達局長並びに現場の測量に当りました指揮者の仙台調達局の不動産部長などが、さっき申し上げましたように専門技術家を使いまして実際測量に当り、そして適正に測量を実施したという報告を受けているのでございます。そしてまたその調査測量に基いて作りました土地調書、物件調書は、御承知のように十二月の二日に山形県知事の指名した立会人が署名押印いたしております。従いまして、私といたしましてはこの測量が適正にまた公正に作成されたものというふうに判断している次第でございます。
#27
○西村(力)委員 山形県知事の指名した立会人が署名したことによってあなたは公正あるいは適正であるという一つの根拠にせられておりますね。その通りですか。それが一点。
 そのあと、あなたは見ていないから報告以外に信ずることはできないと言うが、私はこの目で見たのだから――今あなたは大高根の問題はこういう報告だからと言うが、専門技術家であれば、曲っておっても、ポールがどんなにゆがんでおってもそれで正確に計れると思うか。かりにそういう状態であったとするならば、これは正確を期し得ないものであるという工合にあなたは技術的な立場からこの際明言すべきではないかと思う。私は曲っておったと言っておるのです。そういう工合にかりに曲ったとするならば、やはり公正なる測量結果というものは出なかったと私は考えざるを得ない。こういう工合にあなたは答弁すべきではないかと思う。その二点について御答弁を願いたいのであります。
#28
○大石(孝)政府委員 第一点の山形県知事の指名した立会人が署名押印したことをもってそれを根拠として適正であるか、公正になされたかということはそれのみではございませんが、結果的にいいましても一つの根拠づけになる次第だと判断しております。
 第二点の技術的にこれが公正であったか適正であったかという点につきましては、私どもはその状況、その他をいろいろ報告を受け、また検討もしてもらったわけでございますが、適正であり、公正であるというふうに判断いたす次第でございます。
#29
○西村(力)委員 大高根の問題でなく、一般的にもしかりにテープがたるんでおったり曲っておったり、ポールが傾いておったり、そういうことであったとするならば、そういう場合には正確を期し得ないものと考える。今あなたは仙台調達局の報告に基いて正確であると信ずる以外にない、こう言っておるが、もしそういうことであったとするならば、技術的に公正であったとやはり一般的に見て認められない、こういう工合にあなたはお考えになりませんか。
#30
○大石(孝)政府委員 一般論としてのお尋ねでありますが、私技術上の測量知識も遺憾ながら持ち合せがないので、そういったようなテープがたるんだとか、あるいはポールが曲ったといったようなものが何らかの技術的な方法で適正に補正されるものかどうかといったような点につきましては、はっきりとしたお答えができない次第でございます。
#31
○西村(力)委員 それは少し責任がないと思う。私ははっきりここで目で見た現実を言っておるのですよ。たとえばロープを二カ所切られたのをゆわえておる。これは技術的にいって何ぼ縮めてあるのだから計って何メートルだ。それから縮んだ分だけを引けばいい。一カ所二十センチなら二十センチ縮めば二カ所だから四十センチを引けばいい。これは簡単に修正ができるのですよ。ところがテープが曲っておったりたるんでおったりするのは修正のしようがない。もしそういうことであったならば、公正は期し得られない。常識的に考えてもそういう工合に言えるのじゃないですか。それがわからないなんていうことはおそろしいことではないかと思う。
  〔委員退席、荻野委員長代理着席〕
 専門の方はおりませんか。いかなる方法で修正して正確を期したか、それを聞きたい。安田長官が技術専門家だから長官を呼んでもらおうかと思うが、それはまあいいです。さあお答え願いたい。
#32
○大石(孝)政府委員 お言葉を返すようで大へん恐縮なんですが、私どもとしましてはいろいろ関係の技術者が寄っていろいろなことを協議しまして、そうして本件に関する調査測量はさっき申し上げたように、適正に公正な調書ができたのだというふうに聞いておりますから、私個人の技術能力は別といたしましても、そういうようなことを私どもとしては信じてお答えする以外にないわけでございます。
#33
○西村(力)委員 あなたは本庁の不動産部長としてどこまでもそういう態度をとられるでしょうが、かりにそうだとすればこうだということは言えるのではないですか。かりにそうだったとすれば正確はちょっと期せられない、こう言えませんか。あなたがどういう出か、法学士か技術家か知りませんが、どっちの方面だって、補正係数を出して修正するなどということができるかできないかぐらいはわかると思う。どうですか。
#34
○堀川政府委員 西村さんのお話もよくわかるのであります。西村さんは目で見られた。こっちの調達庁の方は目で見ておらぬ、こういうことでありますから、西村さんの発言のきょうの速記を一ぺん十分読まして、現地にこういうことがあったかどうか、あったとしたらそれが適正かどうかということを一応聞き合せて、次の委員会にお答えさしたらいかがなものでしょうか。
#35
○西村(力)委員 せっかくのごあっせんでございますけれども、それはだめです。あのときの測量隊は、トラブルがあったということは別にしまして、まるでどろぼうがかけ足で物を盗んで歩くような態度で測量をやっている。そしてなわがたるんでおったりなんかしていたことはだれでも認めている。立会人自体が正確でなかったということを認めている。大高根を除外してかりにそういうような方法で測量されたとするならば、それは正しい方法ではなく、結果も正しいものではないと一般的には言わざるを得ない、こう調達庁の方は言わなければならないじゃないですか。人の財産を取るのですよ。うかつなことをやってもらっては困る。しかもあそこの石川慶太郎という六十七才のおじいさんがピケ隊に加わって警官に踏みつけられて骨盤骨折をやっている。そのおじいさんが参議院の地方行政委員会の現地調査のときに何と言ったか。おれは三反歩しか土地を持っていないのだ。そして家族六人、娘は子供を連れて家に来ている。この土地を取られたら死ぬよりしかたがないから、おれは反対したのだ。そしてピケに加わった。警官が来て踏みつけられて足がしびれて立つことができなかった。そういう人々の土地を取るときに、そういう方法でやった測量が正しいと私は信ぜざるを得ないということはどういうわけなんだ。かりにそうだとするならば、これはやはり正しい方法ではなく結果も自信は持てないはずだと思うが、どうですか。
#36
○大石(孝)政府委員 お話のように、大高根の場合は測量実施に当っての準備段階においていろいろないきさつがあって、そして測量が事実上物理的にできかねたというような場合もありましたが、その後におきましては申し上げましたように多少の妨害や何かがあった、これは測量した側から判断してでございますが、そういうことがあったということは事実でございます。とにかくさき申し上げましたような編成の測量隊が、それぞれ技術的な機械等を使いましてそして測量して結果を出したということでございますが、私の了承しております経験その他のことから判断いたしまして、その程度の妨害行為に基いたりあるいはテープ、ポール等のいろいろの問題があったといたしましても、その測量は申し上げたように公正適正に実施されたという報告を信じて、そして私は確信を持っておる次第でございます。
#37
○西村(力)委員 幾ら言ってもあなたはそういう答弁をなさるが、それではあなたは適格者ではないと私は思う。ポールが曲っておってもそれを修正する可能を信ずる、テープがゆがんでおるのをそれを修正する可能を信ずる、一体そういう数学、測量技術はどこにあるのです。専門家だからといって、テープが曲っても大丈夫それは正確に計れるというのは一体どういう方法なんです。何測量学ですか、寡聞にして私知りませんから教えてもらいましょう。
#38
○大石(孝)政府委員 申し上げましたように私技術的なそういう御説明は資格がございません。御了承願いたいと思います。
#39
○西村(力)委員 報告を信ずるというのは上長としてやむを得ないだろうと思うのですが、かりにそうだとすればこれは正確を期し得ないと言えばいい。ところが私は技術的にそれが可能だと信ずると言ったじゃないか。そこで今度逆に言うと、私は技術的なことは何も知らぬから答弁できませんと言う。あなたは二つの立場を持っているんです。ある場合には技術的に可能だと信ずる、こういう。ある場合には技術的に知らないから私は答弁できませんと言う。どうですもう一度最後に御答弁してもらいたい。もしかりにそうだとすれば正確、正当な方法ではない、ゆがんだまま計ることは正当な方法じゃないんだ、確かにそうだ、正当な方法でない測量の結果は正確でない、こう一つ言いませんか、どうでしょう。
#40
○大石(孝)政府委員 恐縮でございますが、今までお答え申し上げた通り御了承いただきたいと思います。
#41
○西村(力)委員 それでは私はこう判断する。あなたは確かにそういうゆがんだことがあった、ポールが曲ったり、そういうずさんな方法で測量されたという事実を知っておる。だから答弁ができない。あの測量はそういう方法でなされたということを知っておるから言えない。正確な方法でなされたという確信を持っているなら正確だということは言い得るはずだ。ところが事実はそういうインチキな方法で測量したから、それを知っているから口をかんしてあなたは言わない。私はそう解釈していかざるを得ない。
 それでは別のものになりますが、山形県の知事指名の立会人が署名したことは、それは内容の正確を証明する全部ではないけれども一部であるとあんたはおっしゃいましたが、その通りでございますか。
#42
○大石(孝)政府委員 山形県知事の指名いたしました立会人の署名押印したことが全部真実であるというふうには申し上げたつもりではないのであります。これはただいま御質問にありましたように、立会人の法律的な性格やなんかの問題にも関連するでございましょうが、その測量が公正に実施されたかどうか、とにかく測量という技術的な方法でその調査が実施されたということを見届けて、そして立会人は署名押印したはずだと思います。その点から測量が公正であるかどうかという点につきましては、私は公正であるというふうに判断いたしておりますので申し上げた次第でございます。
#43
○西村(力)委員 山形県の立会人が署名したその事実は、内容の正確を基礎づける一部であるとあなたは考えるかどうかというのだ。全部であるかとは私も聞いていない。全部であるとは言わないけれども、その事実は内容の正確を裏づけする一部であるとあんたは言われた、その通りであるかどうかということを再確認して質問をやっているのですよ。それは一体どうです。
#44
○大石(孝)政府委員 土地調書、物件調書を作成する過程におきまして、その調査方法等が公正であったということの判断の基礎にはなるというふうに思っております。
#45
○西村(力)委員 結局内容の公正もある程度保証するんだということになるわけですね、そうでしょう。
#46
○大石(孝)政府委員 調達庁においてこの立会人がどういうものであるかという法律上の性質につきまして了解されている点は、その立会人は、あたかも土地の所有者あるいは権利者が立会しまして一筆ごとの境界あるいは地積等が全部その通り間違いないということを証明するものであるというふうには必ずしも解釈はいたしてないのでございます。さっきから申し上げましたように、調書の作成の経過段階において調書や測量等が公正に実施されたという一つのそういう裏づけにはなるということを申し上げた次第でございます。
#47
○西村(力)委員 それじゃ建設省の計画局長にお尋ねいたしますが、あなたの方の山形県知事の照会に対する回答では、これは記載事項が真実であることを証するため署名押印するものではない、これらの調書が測量調査その他の資料等に基いて作成されたものであることを確認すれば署名押印をすべきものと解する、こういう回答を出しておりまするが、この内容にはその調達庁が言われたように、全部ではないけれども一部の真実を保証するものだという、こういう意味は全然含まれていないと私は思うのですが、あなた方の考え方は一体どうなんです。
#48
○町田説明員 建設省としましては、山形県知事の照会に対しまして回答をいたしました通りに現在も考えておりまして、立会人は署名いたします際に、土地調書、物件調書に記載せられております事実が真実であることを証するために署名押印するものではなくて、これらの調書が測量調査その他の資料等に基いて適正に作成されたものであるということを確認するならば署名押印をすべきものであるというように解釈いたします。
  〔荻野委員長代理退席、委員長着席〕
#49
○西村(力)委員 そうすると、ただこれは測量とかあるいは調査とか、そういうものに基いて調書が作成されたんだという事実を確認するだけだ、こういうことになって、内容の分については、全部はもちろん一部もそれを保証するものではない、こういうことになるのですね。そうしますと調達庁の見解とは明らかに相違することになるわけですが、その通りで計画局長はよるしゅうございますか。
#50
○町田説明員 私たちはそういうように考えております。
#51
○西村(力)委員 それでは国の機関である二つのところで、実際に法を担当する建設省、主管省がさように解釈する、それを運用する調達庁は別の解釈をとる、こういうようなことはあり得てはならないはずなんです。しかし調達庁は、主管省の見解に従うべきではないか、こう思うのですが、今のような調達庁の解釈をとられて、あなたの方はそれで異議なしでございますかどうか。
#52
○町田説明員 調達庁の方から今御答弁申し上げました内容も、おそらくは土地調書及び物件調書等に立会人が署名、押印した場合には、その物件調書、土地調書等が真実であることを全面的に証するものだということはおっしゃっていないの、ではないかというふうに私は解釈をいたしております。
#53
○西村(力)委員 私は全面的に真実を証明する署名、押印だということを調達庁が言ったとは言わない。全部ではないけれども、やはりこの測量が正しく行われているかあるいはその内容の真実というものの証明の一部になるという解釈をとっている。一部の保証になるかどうか、内容の真実性を基礎づける一部になるかどうか。調達庁は一部になると、こう言っている。
#54
○大石(孝)政府委員 ただいま西村委員から私の答弁が建設省の方の御答弁の点と食い違っておるというような向きの御質問があったのでございますが、先ほど私御質問にお答えをいたしまして、その測量が公正であったかなかったかということは、公正であったと判断いたしますということとともに、あわせて調査等が公正に行われたといり結果に基いて県知事の指名した立会人も署名、押印いたしておりますということを申し上げたはずでございます。従いまして、その立会人の法律的な性格というものが、ただいま建設省から御答弁いたしましたように、実際上使用、収用しようとする土地等について境界、数量その他状況につきまして全部真実であるかどうか、あるいは一部でも真実であるかどうかといったようなことを基礎にして申し上げたというよりは、調書が公正であったかなかったかという御質問でございますから、それは公正でございましたということの一つの裏づけに申し上げたというようなことでございます。従いまして立会人の法律的な性格というものについて、むろん収用法の主管庁である建設省の御見解というものにつきまして、私どもの方がいささかなりとも異議があるというような観点でないことを御了解願いたいと存じます。
#55
○西村(力)委員 そう言いまするが、山形県の立会人は良心を持っております。だからあんなインチキ測量では、これは決して正しい方法でないし、調書そのものも公正なものでない、こういう考えを持つから署名することをしぶった。結局最後的にはこの調書にはもう何らの責任を持てない、こういうことを付記して、そうして署名しているのです。一体そんな署名があなたの言われる公正な方法で測量したんだという基礎になるか、全然なっていない。山形県の立会人が付記をして署名したというのは、とにかく署名しろと押しつけるので、それを拒むと政府からにらまれるし、金も回ってこないし、事業も回ってこない、起債も許されないし、うまくないから、苦しいからがまんして署名しょう。そこで内容の真実には一切責任を持たないで、ただこの調書が調達庁の手によって作られたのだということでしか署名しておらぬのです。こういうことで、調査方法についても責任を持っていなかった。山形県人はそれだけの良心を持っている。一体そういう署名が法律的に見てどれだけの意義を持つか。
#56
○町田説明員 今の場合、具体的な事情につきまして、私承知いたしませんので、答弁が的確を欠く結果になるかもわかりませんが、立会人は先刻も申し上げましたように、その調書が、測量調査その他調書を作成するのに適法な方法で作られているということを確認いたしますならば署名、押印をすべきものでありますか、その作りました調書には、立会人の場合には、御承知のように本人の場合と違いまして、意見等を付記することはできないことになっておりますので、もし調書等に意見その他の異議ある点を付記いたしておるといたしますならば、その部分については、その付記は効力がないというように法的には解釈すべきものであると考えるのでございます。
#57
○西村(力)委員 その付記が効力がないのでなくして、署名、押印そのものが効力がないのじゃないですか。それは一方的な解釈だ、御自分の都合のいい方の解釈です。どうです。
#58
○町田説明員 この点に関しましては、実は私たちも法律の点になりますものですから、訟務局とも相談いたしまして、一応政府といたしましては、法的にそういうように解釈すべきだということで、今御返事申し上げましたように私たちは解釈をいたしておるのでございます。
#59
○西村(力)委員 それでは僕は、あとから自分の方にだけ都合のいいように解釈しているという工合に言わざるを得ないのです。あなた方は署名させる場合には、付記も許す、付記もいいんだとさっき言ったでしょう。付記して、署名してしまえば、署名の事実だけを押えて付記は無効だ、署名、押印は有効だ、それはペテンじゃないですか。
#60
○大石(孝)政府委員 ただいま――十二月二日に起業者である仙台調達局長が作成いたしました土地調書並びに物件調書に、山形県知事の指名した立会人が十二月二日に署名、押印したのでございます。私ども受けております報告並びに送付してきてあります調書の写しがあるのでございますが、それには西村委員の御質問のように異議が付記されてないのでございます。従いまして調達庁といたしましては、法律上の効果を持った調書であるというふうに了解いたしておる次第でございます。
#61
○西村(力)委員 まあ結果はそうなったかもしれませんが、そうなればこれは最初私が聞いておったのと違って、付記してもいいということを最初に言っておって、あとではそれはできないと言っておる。それならば署名をしないと拒んでおったのに対して、何らかの圧力をかけたに違いない。本人たちは、付記をしなければ署名はできないし、それはよろしいと建設省で言ってくるから署名せざるを得ない、こう言っておった。それがあとになって、こういう解釈だから付記はいかぬ、しかし署名をしろと何らか圧力をかけたに相違ない、ますますもってこれはいけないことだ。条約の義務履行と言いますけれども、行政協定そのものをわれわれは条約とは認めない。あんなものは国会にもかけてない。そうしてアメリカ軍のために鞠躬如として奉仕し、圧力をかけ良心をゆがめていく政治なんていうものはいけないと思う。それは付記がないから法律上効力がないなんていうのは、まるで三百代言みたいなものだ、悪代官だ。
 それで測量の場合の立会人、これは原則としては本人に立ち会ってもらう、こういうことになっている。これは本人の権利を本人自体が自分で守れるようにするわけだ。ところが取られるのはいやだ、測量をやってしまえば次は協議、協議といったって立川の調達局ですか、あそこらへんでは協議するといったって、今までたってわざわざ宮崎町長がいないところを目がけて、宮崎町長がこっちの方を向いているのに会いに行った。そしていかに誠意をもって協議しようと思っても彼らは会わなかった、自分は反対の方向を向いておってそういうことを言っている。そういうような考え方でこれから協議をするかもしれぬ。そうして切りくずしのような、一戸当り五十万の謝礼金を出す。謝礼金なんというのは予算の費目のどこにあるのか。そういうことを言って取ってしまおう、こういう工合になってくるから、自分の土地を自分で守るために自分で立ち会いもしなければならぬ。しかし本人は測量を入れると必ず取られるからこれはごめんだ、こう言っておる。そうすると調達庁の指名する立会人が立ち会いをする。それを拒否すれば県知事の指名する立会人が立ち会わなければならない、こうなってくる。だからその立会人の立場というものは一体どういう立場をとらなければならないか。堀川さんどうです。おれは土地を取られるのはいやだ、これを取られたらおれは死ななければならぬという人々の利益を守ってやるために立ち会う人間であるべきかどうか。私はそうあるべきだと考えるが、これをどう考えるか。そうでなければ個人の権利を最後まで守っていくのだという法を貫いている精神というものは生かされないわけなんです。いかがでございますか。
#62
○堀川政府委員 お答えします。私も法律的にはよくわからないのですが、代理人というものは、土地所有者あるいは関係人の代理人だということではないのだそうであります。そういうことであるから、その代理人が自分の持っておるのと同じように考えるかどうかということは、ちょっとはかりかねると思います。
#63
○西村(力)委員 建設省の回答では、土地所有者及び関係人代理人ではないものと解する、こういうことになっておりますが、一体この立会人というものはどういう立場にあるものであるか、お聞きしたい。
#64
○町田説明員 ただいま政務次官からお答えいたしましたように、立会人は土地所有者や関係人の代理人ではないというふうに私たちは解しております。それではどういう立場かという御質問でございますが、立会人は地方公共団体の吏員たる立場ではなくて、国の法律手続、いわゆる土地収用法の手続が円滑に進行するのに協力をさせられるために、法律によって特に命ぜられた立場にあるものという、そういう特殊の立場にあるものを称して立会人というのだ、こういうふうに私たちは解しておるのであります。
#65
○徳安委員長 西村さん、実は参議院の方で堀川政務次官にちょっと出てもらいたいという要求があるのですが、ほかに政務次官に質問のある方がおりますから三三。
#66
○西村(力)委員 それではどうぞ。
#67
○徳安委員長 逢澤寛君。
#68
○逢澤委員 私は建設業法の不備の点の改正のための調査資料をこの機会に要求しておきたいと思います。
 まず業法中の、登録しておる者の数。これは大臣登録数と知事登録数。二番目が、登録業者の中にABC等々の段階を設けているが、その階級と、その階級中における業者の数を知りたい。たとえばAが何ぼ、Cが何ぼというその数を知りたい。三番目には、右の業者の中で、おそらくAPと思うんだが、一位から百位までの順位を知りたい。一カ年の請負金額とその順位を知りたい。それから業界には団体があるが、その団体の数とその幹部の名、都道府県の団体長の名を知りたい。五番目が、本法施行当時の業者の数、そして現在の数を知りたい。六番目が、営業許可、いわゆる登録許可の取り消しをした人が現在まで何ぼあるか。七番目が、登録の必要条件を審査する審査会の委員長の数とその後の経過の資料を出していただきたい。それから登録制度の作業をしておる官庁と作業をしてない官庁、公共団体、作業しておるところは何ぼで、作業してないところは何ぼ、この八つをすぐできないでしょうから、次期の通常国会までに一つ資料を出していただくことをお願いしておきます。
#69
○西村(力)委員 今の計画局長の御答弁を聞きますと、国の法律執行が円滑に行われるように立ち会う、こういうことになりますと、国側のもの、業務執行に協力する立場、はっきり国側に立つ立場、こういうことに結果的には今の御答弁では承わらざるを得ないということになると思うのですが、そういうことですか。
#70
○町田説明員 法律手続が円滑に進行するということは、今申しますいわゆる政府といいますか、国家権力の利益というような意味ではなくて、国全体の利益ということになりますので、そういう利益を守るための一つの職務を果させるということだと私は解釈いたします。
#71
○西村(力)委員 国全体の利益、すなわち公共の福祉を守るということになってくれば、それは国家権力の代理人と同じことになるのではないか。とにかく所有権を侵害してその土地を取ろうとするのは、公共の福祉に寄与する場合にこういう立場をとってやるのです。政府ではそれを取ろうとするのです。それを守るためにやるとすれば、やはり国の協力的な立場で立ち会いをやるのだ、こういう結果にあなたの御答弁によればなるわけじゃないですか。
  〔委員長退席、荻野委員長代理着席〕
#72
○町田説明員 土地を収用いたします場合の要件といたしましては、その土地を収用いたしますことが、御承知のように公共の利益となる事業のためである。しかも土地の利用上適正かつ合理的であるという場合に限られておるわけでございまして、こういう場合にその事業のために土地を得ることが国全体、国民全体のためになるのでこういう強制的な方法が許されておるわけでございます。それでこの利益となるべき事業のために土地が得られないということになりますと、結局は国あるいは国民全体の利益を増進できないことになると思うのでございまして、そういう意味におきましては、土地収容法という法律が円滑にその目的を達することはきわめて必要なことだと思うのであります。それでそういう手続を円滑に進行させるために、立会人という制度が設けられておると私は解釈するのでございます。
#73
○西村(力)委員 そうなりますと、国家権力の行使に助力する立会人ということになるのではないか、それでいいのかということ、その通りですか。
#74
○町田説明員 私のお答えいたしますことが、西村先生の御質問の趣旨に合いますか、ちょっと疑問ですが、立会人はおっしゃる通りに、国のために法律を執行します上に協力する立場にあるわけであります。そういう結果になると思います。
#75
○西村(力)委員 そういう結果になると、測量する人は、これは無理やりに取る立場、立会人はそれに協力する立場。そうすると、その場合においては個人の権利を幾らかでも守ってやろうという立場の人は、だれもいなくなってしまう。しかも土地収容法第三十六条の第六項には、「立会人は、起業者又は起業者に対し第六十一条第一項第二号から第四号までの規定の一に該当する関係にある者であってはならない。」という排除規定によって排除されておる。それほどこの第六項によって立会人に、協力するような人だけで一方的な測量のなされないように、こう考えて規定しておる。これはやはり個人の権利というものをどこまでも守ろうという立場で、それを排除しておるんだが、その規定に盛られている精神というものが生かされないことになってしまう。私はそんなことであってはならないと思う。しかも国が強権でやろうとする、それの行き過を監視し、不当、不正を監視し、そして立ち会わなかった個人の権利に対して、自分は一つの防波堤になってやろうという立場を持った人でなければならぬ、かように考えるが、いかがでございますか。その点は……。
#76
○町田説明員 私が立会人の立場について申し上げましたことは、実は西村先生のおっしゃられたことは必ずしも矛盾しないように思うのです。立会人は、先刻も申しましたように、私は、土地所有者や関係人の代理人として働くのではない、法律というものを円滑に施行するために与えられた一つの地位があるのだと申しましたが、そういうものを特に設けましたことは、結局先生のおっしゃるように、起業者の勝手な言い分だけで土地収用ができてしまわないように、立会人というものを特に設けて、そうして公平な立場で調書等、が作成されることを見守るためにできておるのでございます。そうして、そのことが結局抽象的な意味における法律的手続の円滑な進行に役立っておる立場である、私はこういうふうに考えるのでございます。
#77
○西村(力)委員 法律の条文には、立会人を置かなければならないというから、置くことによって、今度はそれが法律の執行ができる飾りものだという工合にあなたがおっしゃっているように聞こえてならない。法律にそうなっているから、それを置かないと実際測量ができないから置くんだ、それは一つの執行のための飾りものである、こういう工合に聞こえてならない。それでこの立場は、自分の権利を守ろうとする、法の執行者をやろうとする、その第三者的な、両方の公正を期するというような立場をとるというならば、よほど話はわかってくるが、あなたはそうじゃない。法の執行が円滑にいくように協力するのだ、こういうことを言っているんだ。あなたの解釈は、おそらく第三者的な立場で、不当に侵害されないように、不正な方法で行わないように、しかもその法律の執行が円滑に行われるように、こうやるんだということになってくるわけなんですね。ただあなたの答弁で、一番決定的な欠陥は、国がこれは公共の福祉だと判断したその仕事をやるために、地方自治団体の知事もそれに協力しなければならない、させなければならないというので立会人を出すんだ、これは公共の福祉であるから、それが円滑に行われるように立ち合わせるんだというのだから、結局国の意思というものは、地方公共団体を拘束するということなんだ。これは日本の自治体の建前からいうと、実にけしからぬ解釈だと私は思う。自治体の判断は自由であるはずだ。だから自治体の長の選ぶ立会人というのは、公共の福祉だから、これが円滑に行われなければならないのであるからおれは立ち合わせる、こういう工合に義務づけるということは、自治体に対する侵害であると思う。どうなんです。
#78
○町田説明員 確かに、立会人は市町村長あるいは府県知事の指名によって立会人になるわけでございますが、この場合の市町村長及び都道府県知事は、いわゆる公共団体の長という立場ではないのでありまして、国の機関としてこの事務を委任せられておる市町村長であり、府県知事であるというように解釈をいたしておるのでございます。
#79
○西村(力)委員 とにかく話は対立したままでありますけれども、この三十六条の書き方からいうと、本人が立ち会う、それができないとすれば市町村長の指名する、次は知事の指名する人、こういう工合に順序づけてなっているので、結局その立会人の立場というものは、土地所有者及び関係人の利益を守り、また防いでいく、こういうような性格をよけいに持っているものだと考える。しかもその三十六条の第六項に、起業者に関係のある人、こういう人は排除されている。そういう点からいうても、この立会人というものは、これははっきりと土地所有者あるいは関係人の代理人的立場を持たなければならない。それを持っている。もしそうでないとするならば、これはこう書かなければならない。第三十六条の六項には、前二項の規定による立会人は、起業者に関係する人は排除されるし、また土地所有者に直接関係する人も排除されなければならないと、両方を排除しておかなければならない。それはそうでしょう。ところが起業者に対する関係者だけを排除して、こっちは挑除すると書いてない。この第六項からいうてはっきりそうなるのじゃございませんか。その点をどういう工合に解釈されるか。
#80
○町田説明員 西村先生のおっしゃるように、立会人は第三十六条の六項では、起業者または起業者に対し第六十一条第一項第二号から第四号までの規定の一に該当する関係にある者は排除されているのでございます。それでこの際土地所有者または関係者と関係のある者も、立会人は排除すべきじゃないかという御質問でございますが、立会人は第三者的立場にあるものと私たちは解釈いたしますけれども、しかしこの場合に立会人を必要とするのは、本人及びその関係人が署名捺印をしないときにだけ、特に規定上置かなくちゃならぬようになっているのでございまして、もし所有者及び関係人が署名捺印を拒まないといたしますならば、これらの人がみずからやることができますし、またみずからそこに立ち会ったりあるいは署名捺印ができない場合には、立会人ではなくて、みずからの代理人をもってそういうことをさせることができるのでありまして、特にこういうことを所有者や関係人が拒んだ場合の規定でございますので、立合人につきましては、起業者と関係ある者だけを排除すればいいことになる。そういう意味において第三十六条の第六項ができているものだと私たちは解釈いたすのでございます。
#81
○西村(力)委員 とにかく私は、この土地収用法を貫く、個人の権利を守り抜こうとするこの精神は、いついかなる場合でも生かされねばならないという場合からと、それから法文が順序的に、本人が否定した場合にはこれこれと、こういう工合に順序を書いてある。六項については起業者、関係者は排除して、関係者の代理人を排除していない、こういうところからいって知事の指名する立会人でも市町村長の指名する者でも、土地所有者関係人の利益を守るという立場に立っての立会人である、あくまでもそう解釈していかなければならない。そうして法律の運用においても、憲法の第二十九条でしたかに規定されている個人の権利を守るということをあくまでも貫いていく、そういう精神を貫いていく解釈になるのじゃないか。そう解釈しなければいけないのじゃないか、でなければ憲法の大原則をゆがめることになるのじゃないか、かように私は考えるのです。それはそれだけにいたしますが、立会人というものは測量という事実と調書作成という事実、その二つに立ち会いを必要とすると私は思うのですが、調達庁では調書作成の中に立会人を立ち会わせましたか。
#82
○大石(孝)政府委員 お答えいたします。調達庁におきましては、起業者たる調達局長は本人の場合、市町村長の場合、県知事の場合いずれも土地収用法第三十六条の土地、物件調書作成のための立ち会い並びに署名押印ということをお願いしておりますので、県知事の指名いたしました立会人は、御質問のように測量調査の立ち会い及びその調書作成という経過において当然立ち会わせた、そういう経過をたどったものと了解いたします。
#83
○西村(力)委員 そうすると大高根の土地調書はどこで作って、そのときに山形県のだれが立ち会ったのか。測量の場合でなくですよ。
#84
○大石(孝)政府委員 今西村先生の御見解に従いますと、立会人は調査及び調書作成の全過程において、全部時間的に物理的にその場に居合わせなければいかぬというような御見解のもとの御質問だというふうに了解いたすのでございますが、私どもは立会人は法律的な性格からいきましても、その測量調査あるいは調書の作成の経過において、その作成自体が公正であったということを確認すればそれで足りるというふうに判断いたしておりますので、場合によりましては、なるほど局部的、局地的にその場に必ずしも物理的、時間的に居合わせたものとは思っていないのでございますが、ただ全般を通じて見ました場合に、土地調書及び物件調書を作成いたします場合には、確かに立会人にお立ち会い願ったというふうに解しておるのでございます。
#85
○西村(力)委員 私はそうじゃなくして、やはり測量という場においても立ち会わなければならぬ、それから調書作成の場においても立ち会わなければならぬ、こういう工合に思うのですが、あなた方は、ただ調達庁が作ったのだという事実だけ証明すればいい、その必要はないという工合に言われますので、そこで私はただ一点だけ、あなた方に聞きたいと思うのは、本人が測量に立ち会うことを拒否した、だから代理人を選んで立ち会ってもらった、こうなりますが、調書を作成して再度この調書に捺印してくれ、こう関係者に言わなかったかどうか、それを言う必要がないかどうか。あなた方それを言ってないのでしょう。
#86
○大石(孝)政府委員 西村先生の御慶問の通り言っておりません。また調達庁におきましてはその必要はないというふうに解しております。その理由は先ほども触れましたが、土地所有者及び関係人に立ち会いをお願いいたしました際に、私どもの照会の内容は、土地収用法第三十六条に基く土地調書並びに物件調書作成のためにお立ち会いいただきたい、こういう趣旨で申し上げておるのでございます。従いまして、その意味は、あくまで法律上効果のある調書を作成するためにお願いしたのでございますから、法律要件である立ち会いということが拒否せられて、何らかの形で作られた調書に署名押印だけができたとしましても法律効果は生れてこないものというふうに解釈いたしておるのでございます。従いまして、三十六条の土地調書、物件調書を作成するためにお願いしたにもかかわらず、それが拒否せられたという形でございますから、さっき申し上げたようにその必要がなかったというふうに解釈いたしております。
#87
○西村(力)委員 あなたの方ではそういう御自分に都合のいい解釈をされますが、第三十八条を見ますと、「第三十六条第三項の規定によって異議を附記した者がその内容を述べる場合を除くの外、前二条の規定によって作成された土地調書及び物件調書の記載事項の真否について異議を申し述べることができない。」、こういうことになっておるのです。これは個人にとってはもう重大なものです。その際異議を申し述べておかないと、あとでその真否について意見を言い、あるいは異議を申し立てるということはできなくなってしまう。それでそのあと但書で「但し、その調書の記載事項が真実に反していることを立証するときは、この限りでない。」とあって、救われるような工合いになっておりますけれども、政治というものはそんな具合いに知らない百姓を相手にして不親切であってはならないと思います。調書を作成して、これについて真実でないということを言う機会を与えないというのでは、あとでうそだということに気がついたとき、自分で人を頼んで測量して調達庁の作った調書と合せてこれはうそだということを基礎づけて、自分の力で資料を作ってからでないとその記載事項に対する異議申し立てはできなくなってしまう。何も知らない百姓に対して、調達庁のそのような解釈が正しいのかどうか、こういう三十八条の規定からいって、最後に調書を作って署名捺印させる場合には、その土地の関係者あるいは所有者にその真実について異議を申し立てるのは今だ、そうでなければあとであなた方は非常な努力と出費が要るぞ、こうしなければいけないはずです。「但し、その調書の記載事項が真実に反していることを立証するときは、この限りでない。」という但書があるから救われる、こういうことだろうと思いますが、そういうことであってはならない。個人の権利を守り抜こうという法の運用においては、その場合今異議を申し立てるというのが有利だから、異議の申し立てをやりなさい、こう解釈するのが正しい、あなた方は、立ち会いというのは測量の事実と調書作成の事実を両方一緒にして考えておるのだ、こう言われるけれども、そうではないのだ、明らかにそれは二つに区切って考えていかなければならないんだ、こういう立場をとるのです。建設省の御見解を一つ聞かしてもらいたい。
#88
○町田説明員 確かに三十八条におきまして土地調書及び物件調書の記載事項の真否ついて異議を申し述べることができない場合について規定してございますが、しかしこれは土地所有者または関係人がみずから立ち会いを拒んだために起る事態でございまして、もし土地調書及び物件調書を自分の不利にならないように納得のいくように考えるならば、みずから立ち会って署名捺印をし、また納得のいかない場合にはその調書に異議を付記すればいいのでございまして、法律の上におきましては所有者及び関係人の権利は十分に保護されておる建前になっておると考えるのでございます。
#89
○西村(力)委員 そういうことになりまするとあなた方に対して質疑をやっても意味がないことになるのです。法律の条文の片々たる解釈だけに終始するというようなことは立法の精神からいっても正しいことではないと思う。あなた方の方においても、土地収用法はこれは特例であるけれども、前提は財産権というものは守らなければならないんだ、個人の権利は守らなければならないんだ、それがやむを得ずやる土地収用であるからこそ、いかなる場合においても個人の権利を守ってやろうという精神を貫かなければならない。これはその法の精神であろうと思うのです。そういう立場に立って解釈するときに、条文がこうであるからこういう工合に解釈できるんだということに終始する、私はこれではならないと思う。調達庁はそういう親切心を持たないのか。この場合において、異議を申し述べておかなければあなた方楽でなくなるからここで表明したらどうですと――どうせ測量なんかなわが曲っておってもポールが曲っておっても立会人はかまわぬというのですから――あなた方そういう解釈でしょう。だから土地所有者を測量の現場に立ち会わしていなくても同じことだ。調達庁が作った調書とおれの持田と合っているかどうか、それを判こをつくんならついたらどうだ、もし異議があるなら異議があるということを申し立てたらどうだ、そうでないとあなた方あとで文句があったって言えないぞ、言おうとすればあなた方これこれの努力を必要とするぞ、そういう工合になぜ言わないか。そういうことを言う意思はなかったのか。
#90
○大石(孝)政府委員 今西村委員の御趣旨というものは私どもわかるような気がするのでございます。しかしながらこれは西村先生もとくと御承知のように、一年有半にわたりまして私ども関係人とはいろいろな話し合いを進めて参りまして、そしてどうしても御納得いかないということでやむを得ず法律の適用という段階になったことは御承知の通りでございます。従いましてその経過からいきましても、せっかく所有者及び関係人に調書作成のためにお立ち会いいただきたいというお願いをいたしましたところが、それが拒否せられたというような立場から三十六条の四項、五項の手続をとったのでございます。また事実上あのような場合に私どもとしましては、土地の所有者及び関係人に対して直接いろいろお話を申し上げるような立場にはなかったものだろうというふうに判断いたすのでございます。
 それから三十八条の点につきまして、異議を述べる機会を与えてない、もしただし書きの条項で真実に反しておることを立証するためには非常に困難が伴うのだ、だから先に見せてやったらどうかという点につきましては、確かに法律の規定にこうございますから、私どもやらぬでもいいようなわけでございますが、しかし当然土地調書及び物件調書が作成されたあとで、私どもは法律の四十条の規定に従いましていろいろなことまでお話を進めるわけでございます。そしてそれが話し合いがつかないという場合には、初めて都道府県の収用委員会にこれの裁決の申請をお願いいたすわけでございますから、その場合は四十四条の規定に従いまして収用委員会は、却下する場合のほかはこれを該当の市町村長に送付いたしまして、また市町村長は裁決の申請があった旨と、それからそれを公告いたしましてから二週間、書類を公衆の縦覧に供する規定になっておる次第でございますから、必ずしも異議の申し立てあるいは真実立証の機会が全部喪失したものというふうにはなっていないだろうというふうに了解いたしておる次第でございます。
#91
○徳安委員長 これは重要案件ですから、二十日からまた議会が開会されますので、大臣に質問を続行なさってはどうですか。
#92
○西村(力)委員 また質問も事務当局を相手ではなかなかしようがないと思うのですが、最後にあなた方に聞きたいのは、一年半も誠意をもって折衝したけれどもだめだった、だからそんなことを言うてもむだだし、言うのもしゃくにさわるというような考え方、すなわち土地を放すまいとする人々をまるで罪人扱いにする。これは警備活動においてもきつく指摘されなければならない点だと思う。公務執行妨害だからといって気負い立って、こん棒を持ってやってくる姿というものは、まことに土地を守らんとする人々を罪人扱いにしているという印象でかかってきている。今の答弁を聞きますと、おれたちは一年半も誠意をもってやっておるのに、土地を放すまいとして最後までやるのは極悪非道のやつだ、国家の意思を何と思う、おれは国の役人だぞ、こういうような立場に立っているように受け取れてならない。法を貫く精神をあなた方十分に理解し、あたたかい心をもってやるならば――異議を申し立てる機会はあとでもあるんだというが、あるとしても調書の内容についてはそのときに異議を言っておかなければ、自分で真実でないという資料を作ってその裏づけをしなければ調書の内容については異議が言えないのだ、そういう重大なるわかれ目なんだ。お百姓さんはそんな点はわからないのだ。わからないけれども大事な土地を守ろうとするお百姓の気持なんかあんた方わからぬだろう。そんな簡単なものではないのですよ。だからそういう場合においては、もう少し親切味があっていいのじゃないか。この場合異議があったら申し立てなさい、あるいはこれに署名できるならばして下さい。測量に立ち会わなくたって、そんなことはちっともかまわないのだと言っているでしょう。知事の立会人が測量に立ち会ったかどうか、そんなことはどうでもいいのだ。ただ測量の結果に基いて調書ができたというだけで足りるのだ。それで法律的な条件が備わってくるのでしょう。だから本人がそういう測量に立ち会わなくたって、この調書に署名すれば効力が十分備わってくるのだ。一体今の御答弁で、一年半もやった経過からいうて、そういう異議を申し立ての機会を与えるという気持にはならなかった、あるいは署名を求めたって、あんなやつらだから、おそらく署名はしないであろうから、そんなことをするのはむだであろうと考えたという答弁でありますが、土地を守ろうとする農民を、あなた方はやっぱりいけないやつだ、こういう認識に立ってものごとを進めておられるかどうか。そういうことはないと仰せられるに違いない。確かにそうだろうと思うのだ。私は知っておる。ある調達庁の役人が、私人に返った場合に、涙を流して私に言うたことがある。それはやっぱり人間であり、日本人であるからだと思う。そうだとするならば、法において農民が不利になる場合にそれは守ってやろうという心がなぜ出ないのか。私はその機会を与えなかった点において、土地収用法を貫く精神を満足に守ってやったんだと言えない。だからそういう点からいって、あの調書そのものの作成においては、強引に一方的であり、正しいものではない。もう一度県の立会人の署名を破棄して、そうして土地所有者に署名する意思はないか。また異議がある場合は異議を申し立てろ、こうやり直して、それから新しく署名をとっていくべきが当然だと思う。そういう意思はありませんか。それを最後にお聞きして終りにしたいと思うのだ。
#93
○大石(孝)政府委員 西村先生からいろいろ御意見があったのでございまして、調達庁の職員自体も、長官から末端職員に至るまで、この収用法自体の立法精神、すなわち私有財産権と公共の福祉、私どもの立場でいきます場合は、条約に基いた義務を履行するという立場の調整をはかりながら進めるんだという点については、いささかも意見を異にしないのでございます。また職員個人も、ただいまお話がございましたように、やはり農民等が土地を守るというようなことで、いろいろな立場があるのだということはとくと承知いたしております。ただ申し上げましたように、いろいろな折衝等の経過をたどり、またその折衝に行く前に、先般の御質問でお答えしておきましたが、あれこれ十分吟味の結果万やむを得ずこういったような仕儀になったという立場から、やはり大所高所に立ってこの土地等を必要だという観点があるわけでございますから、できるだけそれに御理解、御協力を願いたいという態度で臨んでおる次第でございます。
 調達庁の立場並びに職員の立場については、申し上げましたように御意見通りでございますが、しからば大高根の収用の手続をやり直して、そして白紙に戻すかどうかという御質問でございますが、ただいまの段階ではそういうふうに手続をやり直すというふうにはいかないというふうに存じております。ただいろいろ本人、関係者と十分話し合って、そしてせっかく各方面の御協力で土地調書及び物件調書を作成はしたということになっておりますが、それを収用委員会に持ち込むか持ち込まないか、収用委員会に申請をお願いするかどうかということは、今後いろいろ話し合いを続けまして、そして御指摘のような御協力を得られるように話が持っていけるならば、必ずしも私どもといたしましては、収用委員会に持っていかないでも解決できるものというふうに信じております。
#94
○西村(力)委員 収用委員会に持ち込んでいかなくてもいいようになることを期待するということでありますが、そういうことは、やはり折れろというだけのことだ。しかし今までの経過からいって、折れないでしょう。そんなことはわかりきっている。それならば、土地収用委員会にかけざるを得ないということをあなた方は見通しとして持ってやっているのでしょう。それならば、一度知事指名の立会人が署名したところだけをちょっと保留して、こういう調書ができたが、お前さん方署名しないか、あるいは異議があるならば、異議を申し立てるのはここだぞ、そこまでやる意思がないか。そこまでやるのが当然だと思う。重大なる損害を再度土地の所有者関係に与えるのですよ。異議があるならば、自分が測量してやらなければならぬということに、知らないうちに追い込んでしまっているのだから、そこだけを保留してその署名を求め、それがだめならば異議申し立てをしておけ、そこまで遡及してやる意思がないか。遡及したからといってだめだとなれば、あとは知事指名の立会人が一ぺん署名したのだから、署名をさせるのはわけはない。一歩あと戻りするだけのことだ。それをやる意思がないか。
#95
○大石(孝)政府委員 白紙に戻してやり直すという意思があるかないかということに対しましては、白紙に戻すわけにはいかないものと判断いたしております。
#96
○西村(力)委員 白紙とは言いやしない。測量したという土地調書を作った事実をほごにして、再度測量しろというのではない。この通りおれたちの手によって調書ができた。これに対して、あなた方土地所有者は署名できないか、できるかと一応聞き、またこの調書の内容について、真否に対する意見があるならば、異議を申し立てるのは今だ。そこまで返せないかというのだ。それを部内で相談する意思もないか。
#97
○大石(孝)政府委員 部内でいろいろなことを討議、研究するといったようなことを避ける意思はございません。ただそこまでの部分だけ戻すかどうかということにつきましては、私、討議いたしましても、見通しは困難だと判断いたします。
#98
○西村(力)委員 討議する意思があるのか。
#99
○大石(孝)政府委員 討議いたす意思はございます。ただ見通しは、その場合でも、そこまで戻るということにつきましては、困難と判断いたします。
#100
○西村(力)委員 いつまでに討議して、いつまでに結論を出す見込みですか。私はやるべきだと思う。そうでなければ、あまりに冷たい法の執行である。重大なる損害を農民に与えるのですよ。どうです。
#101
○大石(孝)政府委員 討議はさっそくにでもいたしたいと考えております。
#102
○荻野委員長代理 本日はこれをもって散会いたします。
  午後零時四十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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